ヘルヴィムの遺産~葛飾区柴又帝釈天を調査せよ(作者 波多蜜花
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#TOKYOエゼキエル戦争  #葛飾区柴又帝釈天調査  #葛飾区 

●新宿駅、グランドターミナルにて
 宙に浮かべたホログラムディスプレイを展開させていた朱山・椿(夜の愛し子・g03185)が、集まったディアボロスの顔を見て笑みを浮かべ、来てくれてありがとうと声を掛けた。
「今日集まって貰ったのはね、攻略旅団の提案で葛飾区へ潜入調査に向かう事になったからなの」
 調査の目的は他でもない、柴又帝釈天にあるという『ヘルヴィムの遺産である、クロノ・オブジェクト』だ。
「最終的にはヘルヴィムの遺産を奪取する事なんだけど、今回は調査に徹してもらいたいの」
 無計画に奪うことは無謀、まずはクロノ・オブジェクトが確実に存在するのか、どこにあるのか、そこに至るにはどうすれば良いのか。
「それと、クロノ・オブジェクトの大きさや形状、警備状況……確実に敵から奪うのに必要な情報を入手して来て貰うのが今回の任務よ」
 役立つ情報を持ち帰ることが出来れば、改めて作戦が立てられることだろう。

「まずは葛飾区への潜入ね」
 葛飾区はディアボロスが奪還した江戸川区、大天使『熾天使ミカエル』が支配する墨田区、アークデーモン『ムールムール』が支配する足立区に隣接する区だ。
「墨田区のミカエルは江戸川区と接する海岸戦に防衛ラインを引いて、ディアボロスの侵入を阻止する準備を行っているみたいなの」
 トーチカやバリケードなどを利用し、本格的な防衛ラインを築いているのだとか。しかし、この防衛ラインはまだ完成に至っておらず戦力も不足している。
「侵入するならここね。ある程度の工夫は必要だと思うけれど、強引にいけば突破できるわ」
 防衛ラインを突破すると、敵は防衛ラインの再構築や更なる侵入者への対策を優先する為、潜入に成功した少数のディアボロスへの対応は後手に回るだろう。
「この隙をついて、葛飾区の住民に接触して柴又帝釈天の情報を集めるのよ」
 情報収集に成功したら、その情報を利用し柴又帝釈天に向かい調査を行うのだ。
「柴又帝釈天以外の情報も、知っている事なら答えてくれると思うわ。でも調査時間は有限よ、潜入した皆を捜索する大天使がいるだろうから、見つかったら大天使を撃退して千葉県側の海から撤退してね」
 そうすれば、安全な撤退が可能となるはずだ。

「江戸川区の防衛ラインをディアボロスが突破すれば、敵は江戸川区側を警戒せざるを得なくなるわ」
 ミカエルが葛飾区にいれば即座に適切な対処ができるかもしれないが、ミカエルは墨田区からは動いていない。知らせが届いてから動いていては遅いだろう。
「この指揮系統の乱れを上手くつけば、有効な調査ができるはずよ!」
 それから、と椿がホログラムディスプレイを閉じながら言う。
「ヘルヴィムの遺産についてなんだけれど、区の境界を護るもの……である、という推測もされているんだけれど、実際にはどんな効果を持つものなのかは判っていないの」
 しかしだ、この情報が正しければ新宿島をはじめとした最終人類史を護る為の切り札になるかもしれない。勿論、期待外れという可能性もないとは言い切れないけれど、手に入れることが出来ればディアボロス達の力になるはず。
「皆の持ち帰る情報が頼りなの、頑張ってね!」
 それじゃ、早速向かいましょう! と、椿がディアボロス達を案内するべくパラドクストレインへ向かうのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【アイスクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が3mの「氷の立方体」を最大「効果LV×3個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。出現させた氷は通常の氷と同様に溶ける。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【アクティベイト】LV1 / 【リザレクション】LV2 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV2 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

波多蜜花
 閲覧ありがとうございます、波多蜜花です。
 今回はTOKYOエゼキエル戦争より、『ヘルヴィムの遺産』であるクロノ・オブジェクトの情報を得る為、葛飾区柴又帝釈天へ調査へ向かうシナリオとなっております。
 リプレイ執筆は③→②→①→④となります、どれも基本的に必要🔵数での採用となります。

●選択肢について
①柴又帝釈天へ
 ②で得た情報をもとに向かいます。

②葛飾区民からの情報収集
 区民から情報を収集します、友達催眠が有効ではありますが一定以上のコミュニケーション能力があれば情報収集は可能となります。
 
③👾トループス防衛ライン『白衣の天使』
 拠点を防衛するトループス級のクロノヴェーダです、敵は拠点防衛に特化しトーチカやバリケードなどを利用して戦う為、通常のトループス戦よりも厳しい戦いになるでしょう。
 力押しのみでは突破は難しいと考えて作戦を組むといいかもしれません。

④👿アヴァタール級との決戦『『紅人魚』アマーリエ』
 ①の情報収集が終わる頃に、侵入者を捜索に来たアヴァタール級がディアボロスを発見、戦闘となります。これを撃破し、撤退すればシナリオは成功となります。

 それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


本郷・夏深

確かに未完成感ある防衛ラインですね
よし、見事に突破して敵の心ごとぶっ壊しますか!

遮蔽物に身を隠す等し、敵の死角から不意打ちも兼ねた『花残』を発動
魔力の霧を一帯へ放ち、トーチカやバリケードごと敵を幻の海へ沈めます
勿論、上手く全員を惑わせられると思ってません
動揺を誘い、警戒や連携を崩して隙を生み出せれば十分です
僅かな隙を見逃さないのが凄腕のディアボロスですからね!このカフカ含めて!

一気に突破する為に、邪魔する敵はバリケードを飛び越えざまに
或いはトーチカから強引に引き摺り出し、扇で首を切り落とします
私は不浄とは無縁なのに結界が普通に効いててウケますね
此方が毒でくたばる前に手早く殺して進みましょう!


音羽・華楠
柴又帝釈天のヘルヴィムの遺産……サリエルが話してたものですね。
……ラミエルを嫌い抜いてた彼女なら、ラミエルと友好関係にあったミカエルがそれを利用するのも不快に思うでしょう。
別にサリエルの為ではないですけど――頂きましょう、私たちで。

防衛線を崩す最善手は『防衛線の内側から崩す』ことです。
故に、《雷幻想・傾城》――
防衛線に配備されたトループス級たちに私への情欲を想起させ、自らトーチカやバリケードより飛び出してくるように仕向けます。

対象に出来るのは少数、持続は短時間のパラドクスですが、そういう暴走を起こす個体の出現は、防衛線全体に混乱を引き起こすかと。
その隙を突いて葛飾区内へ突入出来れば……。


バラニィ・エアリーズ


ほうほう、あれが防衛ライン。急造されたにしては結構ご立派すね。
都合よく侵入経路があったり…はしないか。現実だもんなあ。

ま、ある程度は敵数減らさないとだし別にいいか。
相手が拠点に引き籠るんなら『斧鉞投擲』で建造物ごと両断してやらぁ!あっ注射は勘弁してください!マジで!

そういや、あのトーチカとかってクロノオブジェクトに分類される代物なのかな?や、戦闘の余波で適当に壊れてくれないかなーって思って。
何にせよ、隙あらばバリケード狙ってマサカリブン投げてブッ壊したろうと思ってますけどねえ!撃滅し切れずとも突破出来れば良かろうよ!
まあ全員倒せそうならそれはそれで別にいいけども。無理せずやっていきましょう!


●翻弄
 墨田区を支配する大天使『熾天使ミカエル』の命により、江戸川区と接する葛飾区の海岸線に防衛ラインを引くのは『白衣の天使』達。急ごしらえながらもトーチカやバリケードなどが設置され、安易には抜けられないように見えた。
「ほうほう、あれが防衛ライン。急造されたにしては結構ご立派すね」
 目の上に手をかざしながらバラニィ・エアリーズ(ゲーミングサキュバス・g02889)が防衛ラインを眺め、そんな感想を零す。
「思っていたよりしっかりした防衛ラインですね」
「確かに未完成感はありますが、なるほど立派なものです」
 音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)と本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)も同じ感想のようで、ふむ、と頷く。しかし裏を返せば、未完成であるということは今まさに突破を試みようとする彼らからすれば隙もあるということで。
「都合よく侵入経路があったり……はしないか。現実だもんなあ」
 隙、隙ねぇとバラニィが見回すが無策に突っ込めそうな場所はない。
「よし、それならこうしましょう!」
「おお、何か作戦があるのかい?」
 溌溂とした夏深の言葉に、バラニィが期待に満ちた視線を向ける。
「ええ、見事に突破して敵の心ごとぶっ壊しましょう!」
「力任せっすか!?」
 思わず突っ込んだバラニィに、夏深が綺麗な笑みを浮かべて頷いた。
「ま、まあ、三人寄れば文殊の知恵と言いますし……!」
 華楠がそう言いつつ、それにしてもと防衛ラインを眺めて柴又帝釈天にあるというヘルヴィムの遺産ですけれど……と口にする。
「サリエルが話していたものですね」
 ラミエルを嫌い抜いていた彼女なら、ラミエルと友好関係にあったミカエルがそれを利用するのも不快に思うでしょうね、と目を細める。
「どんなクロノ・オブジェクトなのかねえ」
「しっかり確かめてこなくてはですね。よし、行きますか!」
 まずは遮蔽物に身を隠すようにし、夏深が防衛ラインへと向かう。
「あたしらも行こう」
「ええ、参りましょう」
 夏深に続く様にして、バラニィと華楠が身を隠しながら近付いた。
「近くで見ると結構頑丈そうに見えるなあ」
「ふふ、防衛線を崩す最善手、ご存じですか?」
「最善手?」
 華楠の問いにバラニィが首を傾げつつも、真っ向からぶち壊す? と答えてみる。
「ふふ、時と場合によってはそれも有効だと思います。でも、この場合は『防衛線の内側から崩す』ことです」
「あ、そういうの私も得意ですよ」
 なら、やる事は互いにひとつだと華楠が夏深へと頷く。それならばお手並み拝見! と、バラニィが二人の背を見送った。
「では、私から」
 言い出しっぺですからと、華楠が防衛ラインにて警戒を続ける白衣の天使へとパラドクスの力を放つ。
「命短し、恋せよ汝。オン・マカラギャ・バゾロシュニシャ・バザラサトバ・ジャク・ウン・バン・コク……急急如律令!」
 華楠が操るは雷の術、そこへ愛染明王法を組み込み妖精たちの力を借りて消化した技。
「さあ、出て来なさい」
 抗いがたい情動に駆られ、白衣の天使がふらりとバリケードから姿を現す。
「なるほど、面白いですね」
 このカフカの手並みを披露しましょう! と、夏深が敵の死角となる場所からパラドクスの力を発動する。
「ひとりも残さず、救いを恵んであげましょう」
 夏深から放たれるのは、まるで海波のような魔力を冷たい霧へと変えたもの。音もなく忍び寄るように霧が辺り一面に広がって、敵を沈めていく。夏深の霧に触れた敵は幻の海に沈むような感覚に囚われて、先に姿を見せた白衣の天使が僅かに動きを止めた。
「へえ、大したもんすね」
 思わず拍手しそうになったところでそうじゃない、とバラニィが己の手の中に手斧を生成するとバリケードの奥に見えた白衣の天使目掛けてぶん投げる。
「スキありっ!」
 見事に作り出された隙を見逃さずバラニィが動くと、敵の攻撃を受けながらも華楠と夏深も同時に駆けた。
「私は不浄とは無縁なのに結界が普通に効いててウケますね」
 猛毒に等しい空間を駆け抜け、夏深が笑う。
「彼らの不浄とはディアボロスのことなのでしょうね」
 病原体扱いをされた華楠も全く、と首を振りつつ葛飾区内へ突入するべく敵を混乱の渦へと落とし込む。
「注射は! 勘弁してください! マジで!!!」
 白衣の天使が繰り出す攻撃にバラニィがぎええ、と叫びながらも手斧をぶん投げれば、夏深も霧に囚われた敵をバリケードを飛び越えながら貪欲の名を持つ鉄扇で刎ねた。
「無傷とはいきませんが、突破できればこちらのものですからね!」
 僅かな隙も見逃さないのが凄腕のディアボロスというもの、このカフカ含めて! と敵が崩れた所へ向けて夏深が振り向くことなく走る。
「ええ、混乱している隙に、です」
 この僅かな混乱はさざ波のように広がって、防衛ライン全体へと影響するはずだと華楠が頷く。
「撃滅し切れずとも突破出来れば良かろうよ!」
 全員倒せそうならばそれはそれで良いのだろうけれど、全員を相手取るには時間が足りないか、とバラニィがバリケードを狙って手斧――彼女が言うところのマサカリをぶん投げた。
「っしゃ、突っ切るよ!」
 バラニィの言葉に夏深と華楠が走る速度を上げる。防衛ラインを突破し、葛飾区へと侵入する為に――。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

新堂・亜唯
※アドリブ、掛け合い歓迎

さーて……まずはトループス級の相手か
普段なら格闘戦で飛び込んでいくところだが、守りを固めた上に結界も使って来るところに突っ込むのは厳しいな
あの注射器は食らうとマズそうだし、遠距離から攻めて行こう

パラドクスは【風華流・焔雀霰】を使用
空気を圧縮して高熱のプラズマに変えて投げつける技だ
パラドクスの熱でバリケードごと蒸し焼きにして燻り出す狙いだな
熱波の支配者じゃクロノヴェーダへの効果は期待できないが、パラドクスの起こす超高熱なら、籠った相手を攻撃するのには向くんじゃあないか?

これで敵がバリケードから出てくればよし
熱を嫌がって籠るようなら、その分動きを制限できると狙いたいね


四葩・ショウ
仲間と合わせ、声をかけあい
足並みを揃えて突出しないように動くよ

素早く狙いをあわせてバリケードを攻撃し破壊
大天使への攻撃は一番傷が深い敵を狙って各個撃破を優先
近くの仲間をディフェンスし
瓦解した防衛ラインの綻びがあれば跳び込み攪乱

うん、こっちはまかせて
突破しようとする仲間がいるなら
加勢して注意を惹き付け

突破した仲間に気をとられる敵へ
いいの? 連絡して
侵入をゆるしたことを大天使『様』にしられたら……
失態を演じた貴女たちに、大天使『様』の慈悲が、あるといいけど
挑発して少しでも伝達遅延出来たら

するべきことは殲滅じゃなくて突破だ
一瞬の隙だって見逃さない
多少の傷なんてもう厭わない
突破口を抉じ開け
先へすすもう


白戸・もがり

未完成とはいえ、割とガチ防御なのは嫌だなあ
まあ此処を越えないと調査出来ないし、何とかしないとね


仲間とは声かけ・連携し、突出し過ぎないよう行動
強行突破だから、最も手薄そうな進路上の敵だけ倒して進もう
向こうもバリケードから顔出さないと攻撃出来ないだろうし、その瞬間を狙い攻撃。氷で打ち上げるよ
バリケードの高さ次第だけど、隙見て飛び越えれそうなら裏に回ろうか
それか攻撃で壊せる物なら壊しちゃうのが早いかも

進路付近のトーチカに対しては、【アイスクラフト】の氷を窓穴の前に出現させ射線を塞ぐ
残留効果とはいえ氷だし、攻撃されたら長持ちしないかもだけど
集中砲火を受けるのも、内部の敵との交戦も極力減らしたいからね


●突破
 海岸線沿いに出来上がった防衛ライン、未完成といえどその規模はそれなりのもので簡単に通り抜けられるものではない。それを目の当たりにし、白戸・もがり(葬送の虎落笛・g02018)が苦虫を嚙み潰したような表情を見せた。
「未完成とはいえ、割とガチ防御なのは嫌だなあ」
「うん、完成してたらもっと厄介だったかもしれない」
 完成する前でよかったと、四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)がやわらかく微笑む。
「このタイミングがベストだったって事かな」
 それでも、ここを切り抜けるのは簡単な事ではないだろうけれど、と新堂・亜唯(風華流・g00208)ももがりに向かって頷いた。
「まあ此処を越えないと調査出来ないし、何とかしないとね」
「まずはトループス級の相手か……」
 普段ならば格闘戦で飛び込んでいくところだが、と亜唯が難しい顔をする。
「守りを固めた上に結界も使って来るところに突っ込むのは厳しいな」
「無策で突っ込んでも返り討ちってところだよね」
 指揮官を守る為にいる相手ならばこちらに向かってくるだろうけれど、今回は勝手が違うともがりも腕を組んでバリケードを見遣る。
「狙いを合わせてバリケードを攻撃して、壊しながら進む?」
 ショウが提案すると、協力し合うのは勿論歓迎だと二人が頷いた。
「それなら……そうだね、強行突破になるんだから最も手薄そうな進路上の敵だけ倒して進もう」
 ここを突破しようとしているのは自分達だけではない、仲間のディアボロス達も突破するべく動くのだから自分達だけに攻撃が集中することも無いはず。
「他から敵が来るよりも先に突破して葛飾区に入り込めば、こっちのもんってことだな」
 警戒すべき点は色々あるけれど、亜唯が気になるのは『白衣の天使』が持つ注射器だ。
「遠距離から攻めれば喰らわない……ってこともないよな……」
 逆説連鎖戦ともなれば戦場内の物理的距離は関係なくなってしまうのだ、注射器か……と亜唯が遠い目をしつつも覚悟を決めて、行くかと足を踏み出した。
 バリケードを目視すると、ハーフグローブを嵌めた手をぐっと握り込んだ亜唯が狙いを定める。
「露払いには十分だ、燃えろッ!」
 握り込んだ拳を中心に青白い光が迸り、バリケードごと白衣の天使達を燃やし尽くかのように白熱した。
「熱そうだね、ならこれはどうかな?」
 もがりがバリケードから顔を出した白衣の天使達に向かって、氷壁を繰り出す。それは敵を打ち上げるように迫り上がり、白衣の天使達を吹っ飛ばしていく。
 二人のパラドクスがバリケードに潜む敵を炙り出すと、ショウが確実に倒すべく傷が深い白衣の天使を狙って白羽根の花弁を咲かせた。
「こっちは任せて」
 仕留める、と短く言うと止めを刺して再び走る。
「注射は遠慮しとくぜ!」
 亜唯が迫る注射針に唇の端を引き攣らせ、最小限のダメージに抑えるべく受け流し、再びプラズマの白熱をバリケードに隠れてこちらを狙う白衣の天使へと向ける。
「あっちのほう、バリケードが手薄みたい」
「見た感じ、トーチカも他に比べて少ないみたいだね」
 ショウの言葉にもがりが視線を向け、頷く。
「じゃあ、あそこを突っ切って突破する……でいいか?」
「うん、突っ切ったらわたしが注意を惹くから」
「トーチカは私が何とかするよ」
 視線を交わし、互いに頷くと躊躇なく亜唯が先頭を切った。
 バリケードとトーチカを避けるように走りながら、焔雀霰を放つ。敵の攻撃を受けても止まることなく突っ切れば、ショウが指揮官に知らせようと持ち場を離れようとした白衣の天使へと笑う。
「いいの? 連絡して」
 こてん、と首を傾げてショウが言葉を重ねる。
「侵入をゆるしたことを大天使『様』にしられたら……失態を演じた貴女たちに、大天使『様』の慈悲が、あるといいけど」
 僅かに白衣の天使達が動揺した隙を突き、ショウが白羽根の花弁を舞い散らせて足止めをしつつ亜唯達を追い掛けた。
 飛んでくるアンプル薬にも構わずに走る、自分がするべきことは殲滅じゃなくて突破だとショウが速度を上げる。
「多少の傷なんてもう厭わない」
 突破口を抉じ開けるのみ――!
 亜唯と共に駆けるもがりも防衛ラインの突破を援護する為に、進路付近にあるトーチカの窓穴に向けて圧縮生成した氷壁を放つ。
「攻撃ついでに射線も防げたらラッキーってね」
 少しの間しか残らないだろうけれど、その僅かな時間があればこの場を切り抜けることはできるはず。白衣の天使からの攻撃は自分へと届くけれど、もがりも足を止めることはない。
「あと少し! 突破するよ!」
「あそこだ!」
 追って来る白衣の天使に向けて高熱のプラズマを置き土産だとばかりに亜唯が放ちつつ、防衛ラインを三人で越えていく。
「見えた、市街だ。このまますすもう」
 市街に潜伏してしまえば、白衣の天使達も追っては来られないだろう。
 限られた時間の中で帝釈天へ向かう準備をするべく、ディアボロス達は区民に話を聞く為に動き始めるのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

ラキア・ムーン

では区民からの情報収集といこうか
柴又帝釈天というと、江戸川沿いか…
聞き込みをするにしても、柴又まで行くと近付きすぎな気もするし京成高砂駅付近で聞き込みをするとしよう

友達催眠を使用し、配給を貰いに出ているような一般人を探して聞いていこう
出来れば同世代くらいが違和感は少ないか

君も配給かい?
最近は海沿いは塹壕があったり少し慌ただしいが、こうして安定して配給があるのはありがたい事だな
所で今度散歩がてら柴又帝釈天にでも行ってこようと思うんだが、あそこは今参拝は出来ただろうか?
普段は全然気にしていないから、少し疎くてね
天使様が警備しているんだったか…
天使様の邪魔をしてもアレだしね

と雑談も交えて情報収集


白戸・もがり

いやあ、ここまでは何とかなったね
あとは上手いこと話して、情報を得ないとだ


発動済なら【友達催眠】使用。無ければないで、一応帽子で耳を隠し、通行人に声をかけよう

すみません、柴又帝釈天へ向かいたいのですが
失礼のないよう、参拝での注意点や立入禁止の場所など、色々教えて頂きたく。宜しいでしょうか?

「墨田区出身、葛飾区に来るのは初めてで詳しくない」設定
参拝目的で「ミカエル様と姉妹であるラミエル様にも、彼女に纏わる場所で信仰を捧げたい」旨を伝える
前の調査で判明してる情報操作を使った設定だし、そのままなら悪い感触にはならない筈
世話話を広げられそうなら、大天使がよく居る・警備してる所や他施設の事も聞いてみよう


四葩・ショウ
人びとの様子を観察しながら情報収集
お喋り好きの女性か
一帯をとりまとめている男性を見定め
【友達催眠】で接触する

お久しぶりです……!
墨田区から物質を届けにきたんです
ミカエル様の妹たる
ラミエル様へ祈りを捧げたいんですけど
どこへ向かえばいいですか?
区役所ですか?
墨田区にはほら、スカイツリーがありますけど……

あの立派な……そう、柴又帝釈天は違うんですか?
どんな施設という認識なのか
参拝しているのか
大天使様が各門にいるのか、警備状況も聞きだせたら

ふふ、さすが情報通ですね
ヘルヴィム様という大天使様はご存知ですか?
どうしてここに遺産があるのかの
手がかりにならないかな

有難うございます!お元気で
さぁ
急いで移動しよう


●情報収集
 無事に葛飾区に潜入を果たしたディアボロス達は、区民から情報を集めるべく動き出す。
「いやあ、ここまでは何とかなったね」
 白戸・もがり(葬送の虎落笛・g02018)の言葉に、四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)がこくりと頷く。
「何か手掛かりが手に入れば良いのだけど」
「だね、上手いこと話して、情報を得ないとだ」
「では、さっそく区民から情報収集といこうか」
 もがりとショウにそう言って、ふむ……と思案顔をしたのはラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)で、柴又帝釈天への道を示した簡易地図の看板を見て指さす。
「柴又帝釈天というと、江戸川沿いか」
「ここからだと少し歩くね」
「人々の様子を観察しながら行くなら丁度いい、よね」
 ラキアの言葉にもがりとショウが答え、それならばとラキアの指が簡易地図の上をなぞるように動く。
「柴又まで行くと近付きすぎな気もするし、京成高砂駅付近で聞き込みをするとしよう」
 そうと決まれば、と三人が駅を目指して歩きだす。友人同士で遊びに来たような風を装いつつ、人々の様子を窺いながら目的地へと向かった。
「なんていうか……穏やかだね」
「困ってる様子もなさそうだよ」
 ショウの言葉にもがりも頷き、ラキアも以前に調査に訪れた時と同じで不審な点はなさそうだと進んでいく。目的地に近付くと、丁度配給をおこなっている場所を見つけて三人が立ち止まった。
「配給だな」
「ここは滞ってないんだね」
 配給に並ぶ人々の顔は不安の色もなく、どことなく楽しそうにも見える。
「少し聞いてくる」
「うん、わたし達も他の人に聞きに行こうか」
「そうだね、ここはラキアさんにお任せしようか。あとで合流しよう」
 二人に軽く手を振って、ラキアが配給を受ける人々の方へと向かった。
「できれば同世代くらいの……うん、あの人にしようか」
 友達催眠の残留効果を使いながら、ラキアが配給の列へと向かう大人しそうな女性へと話し掛ける。
「君も配給かい?」
「え? ええ、あなたも?」
 少しの間他愛もない話をし、ラキアが徐々に核心に触れるような問いを投げかけていく。
「最近は海沿いは塹壕があったり少し慌ただしいが、こうして安定して配給があるのはありがたい事だな」
「ああ、ミカエル様ね。ミカエル様は江戸川区の海岸に私達を護る為の壁を築いてくれているって聞いたわ。それに墨田区からの支援物資も届けてくださって……本当に素晴らしい大天使様よね」
「ああ、そうだな。私達の事をよく考えてくださってる」
 暫くの間、ミカエルを褒め称える彼女の言葉に頷き、話が途切れたところでラキアがふっと柴又帝釈天のある方へと視線を向けた。
「どうかしたの?」
「ああ、いや。これから散歩がてら柴又帝釈天にでも行ってこようと思うんだが、あそこは今参拝は出来ただろうかと思ってね」
「ふふ、おかしなことを聞くのね」
「普段は全然気にしていないから、少し疎くてね」
 やあね、と笑う彼女に笑みを見せてそう言えば、快く答えてくれる。
「柴又帝釈天は由緒ある神社だもの、お参りに行く人も多いわよ」
「ああよかった、それなら行ってこようかな。あそこは……天使様が警備しているんだったか」
「そうね、ミカエル様は柴又帝釈天にも天使様を派遣してくれているわ」
 おかげで安心して参拝できるのだと笑う彼女にお礼を言って、ラキアがまたねと彼女のそばを離れると、もがりとショウに合流すべく歩き出した。
 一方、二人も友達睡眠の残留効果を使い、お喋り好きそうな女性に話し掛けていた。
「へえ、そうなの。墨田区から物資を? ご苦労様ねぇ。さすがミカエル様が治める墨田区の方々ね」
「そんなことありません、これくらい皆さんの事を思えばなんてことないです」
 もがみとショウは墨田区出身で葛飾区に来るのは初めて……というていで女性と会話を続ける。きゅっと帽子を被り直すようにして、もがみが笑顔で女性に話し掛ける。
「あの、私達ミカエル様と姉妹であるラミエル様にも、彼女に纏わる場所で信仰を捧げたいのですが」
「ラミエル様に?」
「はい、ミカエル様の妹たるラミエル様へ祈りを捧げたいって思ってたんです」
 ラミエル様に……と女性がなんとも信心深い顔をしてうんうん、と頷く。
「ラミエル様は今後ミカエル様の配下として、アークデーモンとの戦いに参加するという話だからねぇ。ラミエル様に祈るのはいいことだよ」
「どこへ向かえばいいですか? 市役所ですか? 墨田区にはほら、スカイツリーがありますけど……」
「それなら柴又の帝釈天様でいいんじゃないかい? あそこはお参りに行くと、日本の歴史を踏みしめている気分にもなれるしねぇ」
 日本の歴史を? と、ショウが軽く首を傾げるけれど女性は気付いた様子もなく、あっちへ歩いていけば柴又帝釈天様だよと教えてくれた。
「あの、ラミエル様に失礼のないように参拝での注意点や立ち入り禁止の場所などあれば、色々教えて頂きたいのですが」
 もがりがそう言うと、女性はきょとんとして笑う。
「参拝方法がわからなかったら、その辺の人の真似をしておけばいいわよぉ。最初は本当に社殿に足を踏み入れて良いのか迷う人もいるらしいけどねぇ、入っちゃ駄目な場所は入れないようにしてあるんじゃないかしら」
 あんまり気にした事がないと、女性がころころと笑う。
「ふふ、さすが情報通ですね、助かります」
「こんなことくらい、みんな知ってる事よぉ」
 やぁねぇ、と照れたように笑う彼女に、ショウがそうだと思い出したように問う。
「あの、ヘルヴィム様という大天使様はご存じですか?」
「さぁ……知らない名前だねぇ」
 見たことも無いよ、と言う女性に今度こそお礼を言って、二人はラキアと合流する為に柴又帝釈天の方へと歩き出した。
 合流すると、三人が得た情報を共有するべく話し合う。
「ミカエルは葛飾区の人々にも敬われているみたいだな」
「柴又帝釈天にも天使はいるみたい」
「初めて行く人は社殿に足を踏み入れていいか迷う……って言ってたけど、神社だよね?」
 三人が顔を見合わせ、これは実際に見てみるしかないと頷き合う。百聞は一見に如かず、と柴又帝釈天へ向かうのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【友達催眠】LV2が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

●柴又帝釈天
 情報を集めたディアボロス達はそれぞれ柴又帝釈天へと向かう、参拝に向かう人々に紛れて彼らが目にしたものは――帝釈天の社殿が古墳の上に建てられている姿であった。
 驚きを隠しきれないディアボロス達であったが、人々は違和感を感じることなく古墳を登っていく。入る方法も何もわからないまま立ち尽くす彼らを、不審に思う人々はいない。何故なら、ここに初めて訪れた人によくある反応だったからだ。
 何とか気を取り直すと、柴又帝釈天の調査に向かうべくディアボロス達がそれぞれ動き出す。一つでも有益な情報を持ち帰る為に――。
マルケト・キサウェ

柴又帝釈天こと題経寺は、大曼荼羅を本尊とする寺院である──とガイドブック等で読んだ記憶がありますけど、改竄世界史では随分と趣が異なるようで。
本来の歴史に於いては直近の八幡神社内に古墳史跡が在ったそうですが、その辺りの事象が混ぜこぜになっているんでしょうか?

他の方との連絡用に【パラドクス通信】を発動した後、社殿に参詣。
参拝者に紛れて参道や社殿近辺の警備状況を目視しつつ、神社仏閣に付き物の由緒板(由緒書)が無いか探してみます。内容の真偽はどうあれ、どのような施設として公表されているのか知りたい所です。
オベリスクよろしく件の遺産が一般公開されている可能性もあるとは思うので、そのまま参拝もしますね。


音羽・華楠
……直感ですが。
仮にヘルヴィム由来のクロノ・オブジェクトが他にあるとしても、古墳自体もクロノ・オブジェクトだと思いますね……。

私は社殿には向かわず、古墳の全容把握に努めます。
外周をぐるりと回り、どの程度の大きさなのか、古墳があることで本来の柴又とどのように地形や町並みが変化してるか、確認を。
攻略時の移動等にも役立つはずですし。
風景をスマホで撮影し、新宿島で最終人類史の葛飾区出身の人たちにも見てもらえば、さらに解ることもあるかもしれません。

あとは、表の参拝道からではそもそも重要な場所には行けないようになってる可能性も。
他に道らしきものがないか見ておきましょう。
……古井戸とかあれば怪しいですよね。


●ヘルヴィムの遺産を求めて
 古墳の上に帝釈天の社殿がある――この事実に面食らったのもつかの間、マルケト・キサウェ(docta ignorantia・g03412)はそういえば、と過去に読んだガイドブックの内容を思い出す。
「柴又帝釈天こと題経寺は、大曼荼羅を本尊とする寺院である──と読んだ記憶がありますけど、改竄世界では随分と趣が異なるようで……」
 んん? と記憶を紐解いて、本来の歴史であればと思い出したことを言葉にする。
「直近の八幡神社内に古墳史跡が在ったそうですが、その辺りの事象が混ぜこぜになっているんでしょうか?」
「そう……ですね」
 古墳の上に社殿、という状況に目を瞬かせていた音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)がマルケトの言葉に頷く。
「マルケトさんのお話からすると、改竄世界では古墳は失われず、その上に……ということになりますね」
 それから古墳を眺め、華楠がぽつりと呟く。
「……直感ですが。仮にヘルヴィム由来のクロノ・オブジェクトが他にあるとしても、古墳自体もクロノ・オブジェクトだと思いますね……」
 時にディアボロスの直感というのは馬鹿に出来ないものがあり、この華楠の直感もそれにあたるだろう。
「何はともあれ、もう少し調べないと分からない事ばかりです。わたくしは社殿に参詣します」
「では、私は古墳を調べてみます」
「分かった事があれば、パラドクス通信でお伝えします」
 パラドクス通信があればこの場にいる全ての仲間と情報共有が可能だ、マルケトの言葉に華楠が頷くと、その場を離れた。
「では、行くとしましょうか」
 他の参拝客の見様見真似ではあるが、逆にそうすれば目立つことも無い。マルケトが古墳を登り社殿へと向かっていくと、由緒板が見えたので、興味がある風を装って確認する。
「特に変わった内容ではないですね」
 恐らく、現実世界の帝釈天で手に入るような情報ばかりだ。
「でも、古墳の情報がない……?」
 明らかにおかしいとは思うけれど、他の参拝客がそれを気にする様子もない。改めて、ここは改竄世界なのだとマルケトが気を引き締めると、社殿へと向かった。
「ガイドブックで見た柴又帝釈天と変わりないように見えますが」
 境内を見る振りをしつつ警備状況を確認すれば、社殿近辺は特に警備が厚いようには見えない。参拝客も普通に入っていくし、この建物自体がクロノ・オブジェクトである様子もない。
 では、社殿の中はどうだろうかとマルケトが足を踏み入れれば、大天使の姿が見受けられた。
 目立たぬように気を付けながら、一般公開されているものの中にヘルヴィムの遺産がないかと視線を走らせる。
「オベリスクのように一般公開はされていませんね」
 そうなると、やはり怪しいのは古墳側だろうか。そう思いながら、ふと社殿の奥を見れば大天使達が交代で警備についている様子が見えた。
 近付こうとすると、そっちは立ち入り禁止だよと親切なお婆さんがマルケトに声を掛ける。
「立ち入り禁止なのですか? 初めて訪れたので知らなくて……ありがとうございます」
 軽く頭を下げて離れる振りをし、マルケトが社殿の奥を注意深く見遣る。大天使達は一時もその場を離れることはなく、時折大天使が奥の方へ向かって行くのも見受けられた。
「あの奥がどうなっているかはわかりませんが……何かあるのは確かです」
 これ以上の情報は掴めなさそうだと、マルケトはパラドクス通信を使い仲間に情報を伝えることにした。
 一方、古墳を調べる為に移動した華楠は外周をぐるりと散歩するかのように歩いていた。
「改めて見ると……おかしな風景ですね……」
 古墳の上に社殿とは、とあちこちを見て回る。その結果、やはりどうもこの古墳はクロノ・オブジェクトの建造物である、という思いを強くしていく。
「うーん、隠し通路的な……古井戸とかないかと思ってましたけど」
 どうもそれっぽいものは見つからず、外側から見える範囲では古墳へ入れるような入り口は見当たらなかった。
「とりあえず、風景は撮っておきましょうか」
 これを新宿島に持ち帰り、葛飾区に詳しい人に見てもらえれば何か解るかもしれない。
「もし解らなくても、損にはなりませんからね」
 スマホを仕舞い、もう一度何かないかと歩いてみるが、やはり何も見つからず華楠は再び社殿へと向かう。
「でも、古墳自体がクロノ・オブジェクトの建造物なら、隠された扉がある可能性は少なくないはず……とすると」
 地下から出入りするか、或いは――。
「帝釈天の社殿から……?」
 そう思い付いた華楠に、マルケトからのパラドクス通信が入る。その内容を聞き、華楠もまた自分が得た情報を仲間へと伝えた。
「これは……もう少し調査する必要がありますね」
 少しでも多くの手掛かりを得る為に、引き続き情報収集を。
 その思いを胸に、ディアボロス達は残された限りある時間の中で調査を続行するのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!

ラキア・ムーン

入口は社殿か
そして怪しいのは古墳で隠れている部分…だろうな
撤退も考えると、無理な潜入は諦め実物の確認程度にしよう

まず参拝客に紛れ、社殿の観察を行おう
全景と内部構造を精査
入口があるであろう区域を割り出そう

その後は使い魔使役を使用し、鼠か雀辺りの小動物を使役
社殿の外から入れられる箇所があれば、そこから潜入させよう
視界を共有し潜入させたら梁などの陰に隠れ移動させ天使の警備をやり過ごさせる
見つけるべき道は地下への通路
怪しい道や扉などあれば行かせよう
奥に進む天使が居るなら、梁があれば陰に隠れて追跡しよう
何かあれば近くまで行って観察しよう

使い魔に指示している間もパラドクス通信は使用し周囲に警戒をしよう


大和屋・酔仙 (サポート)
怪我人の手当、搬送、避難誘導。
食料調達、料理……は食べる方が好きですが、できる限りやります。いつも袂落としに塩を忍ばせておりますので、便利にお使い下さい。
復興支援、補強、補修。
励まし、慰め、穏やかに、優しく接しましょう。
楽しい事が大好きです。笑い上戸なので、よく「はははは!」と豪快に笑っておりますよ。

戦闘は、思慮深く慎重に行動しましょう。
皆様のサポートをすべく、足止め系を好んで使い、援護に回ります。お心のまま戦って下さい。

・立ち居振る舞いは普通に元気な少年です。
・連携、アドリブ、シリアスでもギャグでも大丈夫ですので、描写しやすいよう便利にどうぞ!


●試行錯誤
 入り口は社殿であると確信したラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)は怪しいのは古墳で隠れている部分だとあたりを付ける。
「撤退も考えると、無理な潜入は諦めるべきか……」
「どうしたものでございましょうね?」
 大和屋・酔仙(妖狐の妖怪博士・g03240)も、むむ……と思案顔でラキアを見遣った。
「取り合えず、もう一度確認をしてみようと思う」
「では、私も参りましょう」
 頷いたラキアと共に、酔仙が参拝客に紛れ社殿へと向かった。
 全景と内部構造を……とあちらこちら、参拝しにきた人が回れる範囲で回りながら二人で内部構造を確認していく。
「やはり、あの奥なのだろうな」
「そのようでございますね」
 既に他のディアボロスから報告もあるように、大天使達の警備も厚い社殿の奥――。
「それ以外はやはりよくわからないな……」
 難しい顔をしつつ、ラキアが流れに沿って外へと出る。境内を散歩でもするかのように歩き、使役できる小動物はいないかと探したけれど鼠は見つからない。
「そうすると雀か」
「雀ならばほら、あちらに」
 酔仙が指さした先に居いた一匹を使い魔にし、ラキアが社殿の外から入れる場所はないかと雀に命じて飛ばしてみるが――。
「……よくわからない、か」
 雀にそこまでの判断力はない、使い魔にしたからといって知能が上がるわけでもないのだ。動物はあくまでも動物だなとラキアが溜息をつき、中に入るには正面突破しかないようだと唸った。
「雀を社殿に入り込ませれば……いや、さすがに目立つだろうな」
「社殿に雀や鼠がいれば、参拝客も気が付くでしょうなぁ……」
 難しい指示を聞くのは無理だろう、それに使役者の言葉が届かぬ場所までいってしまえば、命令は届かない。
「やはり、使い魔を使役するよりも私達が向かった方が早かったか……?」
 その場の判断で事が進められるディアボロスが向かう方が、中に忍び込める可能性は高い――ラキアが仲間にそう伝えようとした瞬間、酔仙は殺気を感じて咄嗟にラキアを庇うように振り向いた。
『御機嫌よう、ディアボロス』
「アヴァタール級……!」
 クロノヴェーダである大天使は完全に油断でもしていない限り、個人を識別して確認したならばディアボロスをディアボロスとして認識する事が可能――ディアボロスを探している大天使然り、警戒している大天使も同様に、だ。
 即座にパラドクス通信を使い、ラキアが仲間へアヴァタール級が現れたと呼び掛ける。
『皆様! ディアボロスが現れました、どうぞ避難なさって』
 高らかに参拝者達へそう告げた美しき大天使の言葉に、人々が境内から逃げ出していく。
『さあ、悪い子は……醜いお前達はわたくしが滅ぼしてあげる』
 柴又帝釈天の探索である程度の情報は手に入れた、ここからはアヴァタール級の大天使『『紅人魚』アマーリエ』を倒し撤退せねばならない――!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

ラキア・ムーン

ふん、随分と偉そうに
ま、警備が厳重なのが分かっただけでも儲けものだ
やはりついでで何かを得よう等、図々しかったという事だな
さあ…少し憂さ晴らしに付き合って貰おうか

《RE》Incarnationを構えて戦闘態勢
飛翔し速度を上げて『突撃』
未来予測で業火の軌跡を読み、少しでも炎の薄い所を飛ぶ事でダメージを最小限に
多少の引火も構わずに近接戦闘を仕掛けよう
アマーリエとの距離が縮まり槍の射程に入ったら【Call:Strike_Slash】起動
槍に魔力を纏わせ、『薙ぎ払い』による『斬撃』を叩き込んで攻撃
同時に払う槍に風を纏わせしつこく燃え続ける炎を『吹き飛ばし』態勢を整えよう

さて、悪いが押し通らせて貰うぞ


音羽・華楠
アマーリエ、でしたか?
まずは一般人を避難させて下さり、ありがとうございました。
おかげで彼らを巻き込む心配無く――全力で戦えます。
なるべく楽に殺してあげましょう!

種族特徴が消え、黒髪黒瞳のネメシス形態へ。

《雷幻想・瞬動》発動。
雷速の体動を以って、『フェアリーレイピア・ティンカーベル』にてアマーリエを斬り刻みます。

向こうの反撃の呪詛は、充分な効果を発揮するまでに時間が掛かるようですし、無視。
この身が爛れ、腐り落ちる前にアマーリエを殺し切ります。

……そもそも、撤退を考えれば短期決戦を選ばざるを得ませんし。
その為の《瞬動》による高速戦闘。
その為のネメシス形態です。

柴又帝釈天……いずれ、また。


●撤退戦
 現れた大天使は艶美な姿をし、鈴を転がすような美しくも甘い声をした『紅人魚』アマーリエ。紅人魚の異名は恐らく魚のヒレのような脚からだろう、人魚とは違い鱗の代わりに羽毛で覆われているけれど見る者に美を感じさせる姿。避難する人々の唇からアマーリエ様だ、アマーリエ様だわ、と憧れを覗かせたような声が聞こえてくる。
『ええ、ええ、皆様。ここは危険ですから離れていてくださいましね』
 脚の翼で泳ぐように飛翔したアマーリエがそう言うと、人々がすっかり境内から逃げ出して残されたのはディアボロスのみとなる。
『さあ、次はあたな達の番ね。こんなところまで入り込むだなんて……』
 図々しいこと、とアマーリエが手にした大きな扇子で口元を隠し侮蔑の瞳を向ける。
「ふん、随分と偉そうに」
 ペリドットのような瞳を細め、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)がアマーリエを睨む。
「ま、警備が厳重なのが分かっただけでも儲けものだ」
 十中八九、自分達が求める物はあの社殿の奥にあるのだろう。
「やはり、ついでで何かを得よう等とは図々しかったという事だな」
 自ら潜入していれば、とラキアがちらりと社殿を見遣り小さく息をつく。
「これ以上は考えても仕方がない、か」
「そうですね、次につながる情報は充分に手にはいったかと」
 彼女に合流を果たした音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)がラキアに頷き、アマーリエを見遣った。
「アマーリエ、でしたか?」
 その呼びかけに、アマーリエが鷹揚に頷く。
「まずは一般人を避難させて下さり、ありがとうございました」
『あなた達にお礼を言われるようなことではないわ、だって』
 邪魔になるし、死んでしまったら信仰を集められないでしょう? とアマーリエがころころと笑う。
「ええ、おかげで彼らを巻き込む心配無く――全力で戦えます」
「そうだな。さあ……少し憂さ晴らしに付き合って貰おうか」
 ラキアが『《RE》Incarnation』を構え戦闘態勢を取ると、華楠の狐耳と尻尾が消え去り銀髪が黒髪へと変化していく。閉じた瞳が開くと、マンダリン・ガーネットのような瞳が黒曜石へと変わりアマーリエを射抜くように見つめていた。
「なるべく楽に殺してあげましょう!」
 ネメシス形態となった華楠もまた、柄に鈴が飾られたレイピアを構えアマーリエへと切っ先を向けた。
「術式展開」
 パラドクスの力を展開しながら、ラキアがアマーリエに向かい飛翔する。徐々に速度を上げ、アマーリエを射程内に捉えると共にラキアの槍が風の魔力を纏う。
「突くだけが槍の技ではないぞ?」
 唇の端を持ち上げたラキアがアマーリエの纏う炎ごと薙ぎ払い、返す穂先で斬撃を叩き込む。その洗練された動きは、アマーリエの嫉妬の業火を燃え上がらせるには充分なほど。
『もっと綺麗にしてあげる』
 消し去るほどに、と巨大な扇に業火を纏わせるとラキアに向けて振るう。扇の切っ先を槍で払い、燃え広がる炎を槍を大きく振り回し巻き起こる風で吹き飛ばしながらラキアが後方へと飛んだ。
「次は私の番ですね」
 入れ替わるように、雷も斯くやの如き動きで華楠が手にしたティンカーベルを振るう。纏うパラドクスの力は『雷幻想・瞬動』、妖精たちの力を借りて雷の術を昇華した華楠の力。
 反撃の呪詛も厭わず、華楠の鋭い一撃がアマーリエの羽根を削ぎ落すように舞う。
「そもそも、撤退を考えれば短期決戦は選ばざるを得ませんし」
 その為の『雷幻想・瞬動』とネメシス形態だと、ラキアと動きを合わせながら華楠が言う。
「ああ、もたもたしている暇はないからな。さて、悪いが押し通らせてもらうぞ」
 まずは一陣、とラキアが黒槍を一閃させ、華楠が鈴の音を響かせ刃を翻した。
 アマーリエを突破する瞬間、華楠が僅かに視線の端に柴又帝釈天を捉える。
「……いずれ、また」
 次の機会に必ずや、と決意して二人は撤退への道を駆けるのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【未来予測】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!

本郷・夏深

…いずれ滅ぼされる分際が、なにを偉そうに
私はお前の事が心の底から大嫌いですが
だからといって、決して差別はしませんよ
他の雑魚どもと同じように、優しく殺して差し上げます

刃でもある扇を広げて
そのご自慢の顔も、身体も、髪も、翼も
目に映る全てをズタズタに切り裂きにかかります
呪詛に肉体が爛れようとも攻撃の手は緩めません
この全身が腐り落ちて死ぬよりも先に、
相手を殺してしまえばいいだけの話ですから!
爛れた足で思い切り蹴り付けて、踏みつけて
畳んだ扇を何度も突き立て、滅多刺しにしてあげます

ううむ、参りましたねえ…
何度殺しても全然殺し足りません!
しかしこれ以上の長居は無用ですよね
さっさと皆で撤退するとしましょうか


四葩・ショウ
ひと足遅かったね、大天使様
……まさか
あんな場所に隠しているだなんて
さし向ける不敵な笑みは、ただの強がりな演技

さぁ、どうかな───?
白百合の天使の
ネメシス形態へと、姿を変えて

燃え盛る炎
これが貴女の怒り、なのか
なら、お礼に
わたしの怒りをあげるよ

仲間と動きをよく見て
チャンスを逃さず攻撃をする、攻め立てる
皆で帰ってこそ、だからね
一人だって欠けさせない
積極的に仲間への攻撃をディフェンスする

大天使を倒したら、すみやかに
急ぐ道中もわたし達を捜す大天使の姿に気をつけて
千葉県側の海を目指し、撤退しよう

葛飾区と、その先のスカイツリーを
懐かしい姿を目に焼きつけ

今はまだ、届かなくても
───……絶対に


●再び、必ず
 巨大な扇で口元を隠し、アマーリエが忌々し気に逃げていくディアボロスに向かって目を細める。
『鼠のように逃げるのが上手ね』
 追うよりも、まだこの場にいるディアボロスをと判断したのだろう。アマーリエの紅い瞳が本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)と四葩・ショウ(Leaden heart・g00878)を見遣った。
「……いずれ滅ぼされる分際が、何を偉そうに」
 憎々し気に吐き捨てて、夏深が大きな扇を手にする。それはどこかアマーリエの持つそれに似ていて、アマーリエが訝し気に扇に隠した口元を歪めた。
 そんなアマーリエに向かい、ショウがふっと微笑む。
「ひと足遅かったね、大天使様」
 その表情は余裕をも感じさせる、まるで重要な情報を掴んだと思わせるかのような。
「……まさか、あんな場所に隠しているだなんて」
『何の話をしているのかしら、あなた』
「さぁ、大天使様がご存じないはずはないと思うけれど」
 くす、と不敵な笑みを浮かべたショウが白百合のような天使へと姿を変える。それは彼女のネメシス形態、胸にアネモネを携えた、美しき姿であった。
『……何の話かわからないけれど、殺してしまえば同じね』
 ちろり、とアマーリエから嫉妬の炎が燃え上がる。その姿を唾棄するように、夏深が扇を広げる。
「私はお前の事が心の底から大嫌いですが」
 広げた扇は涼し気な青、アマーリエの持つ扇とは正反対のようにも見えた。
『わたくしはあなたの事など知らないけれど……ええ、知らないけれどわたくしも嫌いよ』
 クロノス級により創り出されたアヴァタール級は、創り出したクロノス級と似通うもの。けれどクロノス級の記憶を受け継ぐわけではない為、このアマーリエは夏深を知らない。知らないけれど、無性に醜く壊してやりたいと感じていた。
「ええ、だからといって、決して差別はしませんよ。他の雑魚どもと同じように、優しく殺して差し上げます」
 広げた扇は貪欲なる刃、これで全てをズタズタにしてやろうと夏深が動く。
「そのご自慢の顔も」
 夏深が謡うように囁いて、扇を手に舞う。
「身体も、髪も」
 袴を捌くような動きと共に扇舞がアマーリエの身を切り裂き、その羽根を削ぎ落す。
「翼も――!」
 ハ、と笑って最後に蹴りを一つ喰らわせれば、アマーリエの呪詛が蠢いた。
『わたくしの美しい身体を……! 許さないわ、あなた』
 呪詛は夏深の身体に纏わりつく様に絡みつくけれど、夏深はその痛みも何もかもを気にすることなく攻撃の手を緩めない。その動きに合わせるように、ショウもまたパラドクスの力を重ねていく。
 響くは鐘の音、福音と呼ぶそれと共に、白百合の天使が羽搏けばマドンナブルーの焔の涙がショウの頬を伝い、燃える。
『ああ、鐘の音が』
 きこえる、と微笑んだ瞬間に、焔の嚆矢がアマーリエへと降りそそいだ。
 紅に燃える炎よりも白く燃えるそれに包まれながら、アマーリエが反撃の業火を扇に纏わせる。
『もっと、綺麗にしてあげる』
 燃え盛る嫉妬の業火を放ち、燃えてしまえと妖艶に笑う。
「燃やすしか能がないんですか、なさそうですね」
 ふん、と笑って痛みなど感じていないかのように夏深がアマーリエに切り掛かった。
『あなた、あなた、呪詛が効いていないの?』
「呪詛? そんなもの、この全身が腐り落ちて死ぬよりも先に、お前を殺してしまえばいいだけの話ですから!」
 畳んだ扇で横薙ぎにされ、ひ、と引き攣るような声を上げたアマーリエが地面に転がる。そこへショウの焔の嚆矢が降り注ぎ、焔が消えるよりも前に夏深が爛れゆく足で思い切り蹴り上げた。
「ほら、こんな風に」
 ね? と、扇を突き立て、抉るように捻ればアマーリエが絶命の叫びを上げた。
「ううむ、参りましたねえ……何度殺しても全然殺し足りません!」
 しかし長居は無用、仲間達も脱出に向け動いている。
「いこう、千葉県側の海はあっちだ」
 ショウに促され、夏深が次の機会がありますしね、と撤退に向けて動き出す。
 振り返る事無く走る夏深の隣で、ショウがそっと見えたスカイツリーの姿を目に焼き付ける。
「今はまだ、届かなくても」
 ――……絶対に。
 風に乗って消えた言葉は誰にも届かずとも、ショウの胸にだけ響いていた。
 数々の情報を手に、ディアボロス達は新宿島へと帰還する――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【リザレクション】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2023年03月29日

葛飾区柴又帝釈天調査

 攻略旅団の方針により、ヘルヴィムの遺したクロノ・オブジェクトがある、葛飾区柴又帝釈天へ調査に向かいます。
 現在、江戸川区から葛飾区に上陸する海岸線は、墨田区のミカエルの手勢によって固められ、ディアボロスの侵入を防ぐ防衛ラインの構築が進めらているようです。
 ただ、範囲が広い為、戦力が薄く配置されている為、一度突破してしまえば、葛飾区への潜入には問題ありません。
 敵による捜索は行われますが、市民に紛れ込んで情報収集を行いつつ、柴又帝釈天に向かう事は充分に可能でしょう。
 柴又帝釈天に向かい、ヘルヴィムの遺したクロノ・オブジェクトの大きさや、警備状況など、可能な限り情報を持ち帰ってください。


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#TOKYOエゼキエル戦争
🔒
#葛飾区柴又帝釈天調査
🔒
#葛飾区


30




選択肢『柴又帝釈天へ』のルール

 葛飾区民から得た情報を元に、柴又帝釈天に向かいます。
 調査の目的は『ヘルヴィムが遺したクロノ・オブジェクト』に関わる情報を得る事ですので、クロノ・オブジェクトの奪取までは必要ありません。
 クロノ・オブジェクトがある場所や、その場所への移動方法、クロノ・オブジェクトの大きさや形状など、可能な範囲で情報を集めましょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『選択肢で提示された、攻略旅団からの調査・探索依頼関連の情報を収集する。情報を得た場合、その精度が上昇しやすい。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『葛飾区民からの情報収集』のルール

 トループス防衛ライン突破後は、葛飾区の市街に潜伏しつつ、帝釈天に向かう準備を行ってください。
 葛飾区の区民から話を聞いて、情報を得る事が出来れば、より良いかもしれません。

 必要と思われる情報は、柴又帝釈天に参拝する事が可能かどうか、不可能な場合、警備体制はどうなっているか……などとなるでしょう。
 ここで得られた情報を元に、柴又帝釈天に近づく作戦を考えてください。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『選択肢で提示された、攻略旅団からの調査・探索依頼関連の情報を収集する。情報を得た場合、その精度が上昇しやすい。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾トループス防衛ライン『白衣の天使』のルール

 ディアボロスの侵入を防ぐ為に、トループス級クロノヴェーダ(👾)による防衛ラインが引かれています。
 防衛ラインは、都市を守る城壁や、道を塞ぐバリケード、関所の検問や、秘密基地の監視所などがありますが、この防衛ラインをクリアしなければ、事件の核心に迫る事は出来ません。
 防衛ラインを守るクロノヴェーダは、防衛拠点を利用して戦う為、戦闘で有利になります。
 なんの工夫も無く漠然と戦うだけでは、苦戦(🔴を得やすくなる)してしまうので注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『『紅人魚』アマーリエ』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「本郷・夏深」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。