地獄変第一幕『数え歌殺人事件』

 京の都の、とある貴族の関係者が連続猟奇殺人事件により殺害されており、その事件を伝え聞いた人々の恐怖を誘っています。
 連続殺人事件は、その家に伝わる『数え歌』に倣って行われており、この数え歌をうまく解読することが出来れば、次に起こる事件の現場に先回りして、クロノヴェーダを迎え撃ってください。
 『数え歌』の内容や、狙われている貴族の関係者の情報は、事件が広まる事で人々が畏れを持つように、クロノヴェーダによって敢えて広められているようです。

凶器は何ならむや(作者 大丁
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#平安鬼妖地獄変  #地獄変第一幕『数え歌殺人事件』  #地獄変 


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 ひとつ、ねっこはとちをすい。
 ふたつ、みずはひをけしとめ。
 みっつ、きんぞくはきをうち。
 よっつ、ねつはかねをとかし。
 いつつ、どてはかわをせいす。

 これと同じ数え歌を代々伝える家が、京の都にあった。
 いずれも下級の貴族であったが、それらの中で二晩続けて事件が起こった。
 二家の当主が惨殺されたのである。歌が伝わっているのは残り三家。
 今晩も誰かが殺されるのではないか。
 そんな話が、歌とともに人の口にのぼり、好奇と恐怖を煽っているとのことだ。

 プラットホームには、『平安鬼妖地獄変』行きの列車が到着している。
 乗車して腰かけているディアボロスたちのもとへ、時先案内人が訪れる。
「ごきげんよう。わたくしは、ファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)と申します。この列車の向かう先は、お伝えしたとおりですわ」
 頷く、ディアボロスら。
 平安京のクロノヴェーダが、怪奇な事件を引き起こし、自分たちの力を増そうと画策しているようだ。ファビエヌは、数え歌の謎を利用した連続殺人だと説明する。
「五つある歌詞が、2人の被害者と、3人の候補にそれぞれ該当するようです。皆様には、数え歌の謎を解いて、3番目の被害者を特定していただきますわ」
 それが果たせれば、新たな被害者が出るまえに犯行現場に駆け付けることができるのだ。

 ファビエヌは、車内の吊り革を順番に5本つついて、数え歌を紹介する。
「もし、歌の謎が解けなかった場合でも、ディアボロスであれば、襲撃直後の現場にたどり着いて、首謀者に戦いを挑むことはできます。それに……」
 この事件のクロノヴェーダは、このような込み入った事件を起こすだけあり、かなり饒舌らしい。
 もし、対話を選択すれば、自慢げに謎の答えを語ってくれるだろう。
「皆様のほうからイイコトを言って、へこませても良いですね。戦いになれば、取り巻きと護衛のふたつの集団からなるトループス級も参加させてきます。能力は、首謀者のアヴァタール級には及びませんが、お気をつけて」

 降車し、ディアボロスたちを見送る、時先案内人。
「『平安鬼妖地獄変』に到着するまでは車内で相談できます。どうぞ、謎解きにあててくださいませ」

 とある屋敷の中庭で、御供をしてきた者どうしが、待ち時間に寄り集まって噂話に興じていた。
「さて例の数え歌の家だが」
「一昨日は五家でいちばん広い土地をもっていた当主が殺された。まるで全身の栄養を吸い上げられたような衰弱死だったそうだ」
「昨晩、何もないところで溺死した当主。家に祀っていたのは焔のはずだ」
 ふうむ、と考え込むそぶりの御供たちである。
「残るは、先祖伝来の大刀を預かる家と、同じく昔からの杣(伐採用の林)の管理者……」
「そして庭池が五家でいちばん立派な当主か」
 皆が身震いした。
「本当に、三家の中から三晩目の被害者が出るのだろうか」
「わからん。我らの主人の家系は無関係だとしても、こんな時世じゃ警戒は怠れんぞ」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【建造物分解】
4
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV8 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、平安鬼妖地獄変にて、数え歌の謎を解き明かし、連続殺人を止めるシナリオとなっております。

 トループス級妖怪には、取り巻きの『黒虚天狗』。
 そして、護衛の『河童』。
 ボス敵のアヴァタール級妖怪は、『邪仙狐』。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
60

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


天破星・巴
次の被害者を出さなぬように数え歌を読み解いて見るのじゃ

歌は五行の相克の事じゃ
一つ、根っこは土地を吸い
●木剋土—木は土に勝つ
二つ、水は火を消し止め
●水剋火—水は火に勝つ
三つ、金属は木を討ち
●金剋木—金(金物・斧)は木に勝つ
四つ、熱は金を溶かし
●火剋金—火は金に勝つ
五つ、土手は川を制す
●土剋土—土は水に勝つ

よって三晩目の被害者は「木」の縁者「昔からの杣(伐採用の林)の管理者」じゃ

五行相克は木→土→水→火→金→木と循環する順番にするものじゃが
歌の順番はなぜこの順なのかえ?循環してればまた一から歌が続くであろうに

その金属の凶器が今宵の数え歌に使う得物かえ?
鬼蜘蛛を召喚し蜘蛛の糸で凶器を絡め捕る


道半・藍紗
所謂五行思想の相剋を唄にしたのかな?
順番に
「ねっこはとちをすい」は木剋土
「みずはひをけしとめ」は水剋火
「きんぞくはきをうち」は金剋木
「ねつはかねをとかし」は火剋金
「どてはかわをせいす」は土剋水
にそれぞれの関係性を当てはめられる。

栄養を吸われた様に死んだ土地持ちの家の当主……木剋土
邪狐仙の人喰いの花矢

溺死した焔を祀った家の当主……水剋火
河童の水霊氾濫陣

と、数え歌の順番通りなら次は……金剋木
木に関係する家の当主が危ないと思う。
残りの関係する3家の中だと杣の管理者の家かな?
当主に仕掛けるのは多分錫杖を持つ黒虚天狗、なら空からの襲撃もあるかも。

早々に向かいこれ以上の事件が起こる前に終わらせるです。


緋影・夕姫
数え歌を読み解いて、クロノヴェーダーの思惑を阻止しましょう。

それぞれ歌に木、水、金、火、土にまつわる歌詞が出てくるわね。ということは五行を題材にしている歌みたいね。
そして、事件は一の歌から順番に起きているように思える。
次は三番目の事件、三の歌は「”金”属は”木”をうち」。
つまり、木にまつわる人物が被害者だと考えられる。
杣の管理者さんが次の被害者だと考えて、襲撃に備えましょう。

クロノヴェーダーを逃さないためにも、襲撃の直前に待つ必要がある。
警戒させないためにも、透明になって隠れておきましょう。襲撃の直前になって妨害されたらあちらも引くに引けないはず。
「あなた達の思惑、私たちが断ち斬ってみせる。」


 五家の検分を済ませたディアボロスたちは、都の内にあっても目立たぬ場所を見定め、集いて謎解きの仕上げをした。
 天破星・巴(反逆鬼・g01709)は、古風な口調をつかう。
「次の被害者を出さぬように数え歌を読み解いてみるのじゃ」
 うけて、緋影・夕姫(蒼炎妖刀ノ少女・g00571)は。
「そうね……。クロノヴェーダの思惑を阻止しましょう」
 表情をあまり変えず。
「それぞれ歌に……。木、水、金、火、土にまつわる歌詞が出てくるわね。ということは五行が題材ね」
「いわゆる五行思想の相克を歌にしたのかな?」
 道半・藍紗(夜を渡る風・g02583)がたどたどしく、指折り数える。
「『ひとつ、ねっこはとちをすい』は木剋土」
 『一つ、根っこは土地を吸い』、と巴は宙に指でなぞってから。
「さよう。木剋土、木は土に勝つじゃ」
「あてはめると、栄養を吸われた様に死んだ土地持ちの家の当主のことだよね。だったら次の、溺死した焔を祀った家の当主は水剋火だろうね」
 藍紗の確認に皆がうなずき。巴が読み上げた。

 二つ、水は火を消し止め。水剋火、水は火に勝つ。
 三つ、金属は木を討ち。金剋木、金(金物・斧)は木に勝つ。
 四つ、熱は金を溶かし。火剋金、火は金に勝つ。
 五つ、土手は川を制す。土剋土、土は水に勝つ。

「事件も……。一の歌から順番に起きているように思えます。三番目の被害者は木にまつわる人物、杣の管理者さんだと考えて、襲撃に備えましょう」
 夕姫の結論も、全員が同意するところ。藍紗は殺害方法、つまりは凶器について言及した。
「土地持ちさんの栄養を吸ったのは、邪仙狐の『人喰いの花矢』じゃないかな。焔さんの
溺死は、河童の『水霊氾濫陣』みたいだし」
 金剋木の、『金』とは。
「多分、黒虚天狗の持つ錫杖。なら空からの襲撃もあるかも!」
 ディアボロスたちは当の屋敷の情報を検めた。そうしながら、巴は残る疑問を口にする。
「五行相克は木から土、土から水、火、金、そしてまた木と循環する順番にするものじゃが。歌の順番はなぜこの順なのかえ? 循環してればまた一から歌が続くであろうに」


 はたしてその晩、杣管理の屋敷に、音もたてずに飛来する影あり。
 板葺き屋根に降りたのは、黒虚天狗であった。
 黒頭巾に顔を隠し、身を屈めて寝殿内の様子をうかがう。
 片手には錫杖を携えている。
 ふいに、その自由が効かなくなった。見れば、金属の柄の先端に、蜘蛛の糸がからみついておる。
「……!」
「今宵の数え歌に使う得物かえ?」
 巴が、百鬼夜行絵巻『鬼蜘蛛』によりいましめていたのだった。
 四方の屋根板から偽装を解いて、ディアボロスたちが姿を現す。
「あなた達の思惑、私たちが断ち斬ってみせる」
 大気密度を操作し透過させる技、夕姫の備えであった。
「これ以上の事件が起こる前に終わらせるです」
 藍紗は、夜に風を渡らせ、黒虚天狗にすごんでみせた。
 すると頭巾の賊は、さらに頭を低くして。
「いやいや、あっしは頼まれただけで……」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

内方・はじめ
ふうん……あなたが、この襲撃の首謀者って訳ね
こんな手が込んだことをやるなんて、何か意図があるんじゃない?

じゃないと……こんな遠回しなことをする意味がないもの
ぶっちゃけ、とっとと全部平らげてしまうのが……手っ取り早いわ

それをやらないってことは、何らかの目的がある証拠
と言っても……クロノヴェーダだし、『じわじわ怖がらせて、恐怖をその身と心に染み込ませた方が、甘露の如く味わえる』程度の理由かもしれないけど

とんだグルメ狐ね?
違うのなら、言ってみたらどう?

何か、順番どおりに仕事をする意味があるのかしら?

それとも……使いっ走りは、飼い主様から理由はお伺いしてないの?
とか、挑発し自尊心をつついてポロリ狙いで


十六夜・ブルーノ
殺すだけでは飽き足らず
恐怖を煽って自らのエネルギーにしようとは
厭らしい奴らだ

改竄世界で歴史侵略者に苦しめられている人々を救うのも
俺達、復讐者の役目だ
行こう、ドゥー

ブズーキを奏でながら登場
折角だから邪仙狐に色々と聞いてみよう

こんにちは
きみが数え歌殺人の首謀者?

五家以外の者も恐怖が蔓延しているみたいだ
それらを平らげて
結構お腹が膨れてるって感じ?

近頃、都の妖怪の間では
数え歌での見立て殺人が流行っていみたいだけど
流行を追いかけたってこと?

五家の当主ら全員の命を奪ったら
その後はどうするつもりだった?

お喋りに付き合ってくれてありがとう
さて、きみだって
このまま俺達を見逃そうとは思っていないんだろう?


陣・頼人
「ねっこはとちをすい」が土地、すなわち地主さんで
「みずはひをけしとめ」が火……焔を祀っていた当主さん。
となると次に狙われるのは
「きんぞくはきをうち」で木……杣の管理者さんだね。

そこまではわかるし、仲間もそっちに向かってると思うけどさ。
わからないのは、見立て殺人というのは何かの狙いを隠すためにわざと歌を準えるのが普通なんだよね。
そんな訳で、ここまで解いたご褒美に君の狙いを教えてもらえると嬉しいんだけど、どうかな。
五行の順番がズレているのも気になるし。
たとえば、怨念の恐怖で精神的に弱体させるとか。


 弁解する妖怪を取り囲もうと、ディアボロスたちが動いたとき、屋根のてっぺんにヒラリと乗る四つ足の影があった。
 豊かな尾が銀に輝いている。
 それに比して、やっとのことでよじ登ってきたのは御供の河童だ。
 黒虚天狗も囲みを抜けて、足元にすがる。
 威厳あるたたずまい。邪仙狐だった。
 内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)は、それをみとめて話しかけた。
「ふうん……あなたが、この襲撃の首謀者って訳ね」
 語気に挑発をはらんでいる。
「数え歌の順番に殺す、手が込んだ遠回しなことをするなんて、何か意図があるんじゃない? ぶっちゃけ、とっとと全部平らげてしまうのが……手っ取り早いわ」
 邪仙狐は黙って辺りを眺めている。
 両者のあいだをキョロつかせた河童が、先にしゃべった。
「やいやい。オレたちゃ食べるだけじゃ、腹持ちが悪りぃのよ」
「『じわじわ怖がらせて、恐怖をその身と心に染み込ませた方が、甘露の如く味わえる』程度の理由?」
 河童は、くちばしを半開きにした。
「げ。判ってんなら、聞くんじゃねぇよ」
 主人のほうを振り返った。はじめは、邪仙狐とだけ会話している。
「とんだグルメ狐ね?」
 反応はない。
「まったく厭らしい奴らだ。恐怖を煽って自らのエネルギーにしようとは」
 十六夜・ブルーノ(希望の配達人・g03956)が、妖怪をさげすんだ。
「五家以外の者にも恐怖が蔓延しているみたいだ。それらを平らげて結構お腹が膨れてるって感じ?」
 相棒のメーラーデーモン、ドゥーに同意を求める仕草をしてみせる。
「恐怖っつうか、それもあるんすけど」
 黒虚天狗が口をはさむ。
「あっしら妖怪は、人間に嫌われたいんでさ。邪仙狐のダンナが、いい嫌がらせがあるってんで頼まれたしだいで」
 護衛や取り巻きがもらすに任せているアヴァタール級。
 陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)はふと、蜘蛛糸を引く巴のほうを見てから。
「わからないのは、見立て殺人というのは何かの狙いを隠すためにわざと歌を準えるのが普通なんだよね。五行の順番がズレているのも気になるし」
 初めて邪仙狐が、気に留める。
「ほほう、そこまで……」
 細いキツネ目をさらに細めて、妖怪は人語を吐いた。
「だよねぇ。伝わっている数え歌が、たぶん間違ってんだと、私も思うのよ。でも、2人目を殺したあとで、『こいつは歌の順に違いない』と、あるていど人間にも気が付いてもらわないと意味ないんだよ。歌に関係なく、五行相克順に考えられたら困っちゃう」
 急に饒舌になる。頼人はかえって言葉に詰まった。
「あ、ああ? そうだね」
「まぁ、こうして謎を解いて来てくれて、一安心だよ。これだけ人数が来たってことは、世間には『歌の順に人が死ぬ、縁起悪い』って伝わったわけだもんね」
 口の端が嬉しそうにキュウと歪んだ。
「凶器の準備がいちばん大変だった。つか、最初の晩は私が手をくだしたんだけど、あとを考えてなくて」
 これには、河童もクチバシをぱくぱくさせる。
「オレでなきゃだめって、突然言われてよお」
「実を言えば、明日の晩の実行犯はまだ交渉中で、明後日にいたってはまだ未定。君たちは、黒虚天狗を使って空からくることまで見破ってたみたいだし、誰かいい妖怪を知らない?」
 頼人もはじめも、呆れてものも言えない感じになってきた。
 そこへ、琴とはちがう弦の響きがひとかき鳴って。
「お喋りに付き合ってくれてありがとう」
 ブルーノが、アイリッシュブズーキを奏でたのだった。
「きみだって、このまま俺達を見逃そうとは思っていないんだろう?」
「もちろん。殺すまえに妖怪を紹介してもらおうと思ったまでさ」
 屋根に乗る影が増えている。
 河童も黒虚天狗もその数が、護衛に取り巻きにと相応しくなるよう揃っていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

天破星・巴
妖怪が人間に嫌われたいという本分を否定する気は無いのじゃ
わらわも鬼は人に畏れられるものであるべきと思って居る
じゃが、嫌われるも畏れられる本文は虐げたり殺すのを肯定することにはならぬ

殺しを行うものは己が殺される事も覚悟するべきじゃ
覚悟がないなら殺されたものと同じように恐怖におびえて死に行くのじゃ

残留効果トラップ作成を利用し事前に召喚していた鬼蜘蛛の糸で作った巣で敵を絡め捕り、蜘蛛の糸が巻き付いた錫杖を引っ張りながらもう一方の手で血の散弾を指弾で砲撃し、制圧射撃し敵を破壊する
上空に逃げても飛翔で飛び上から打ち落とす
動きを止めることに成功したら攻撃範囲を優先した散弾から徹甲弾に切り替え指弾


 トループス級の妖怪たちは、板屋根を斜めに駆けながら、ディアボロスに挑んでくる。
 武器に技にと応じられるさなか、天破星・巴(反逆鬼・g01709)は蜘蛛糸をなお引き絞った。
 最初に現れた黒虚天狗は、錫杖にかじりつく。
「き、凶器を盗られたら、今晩の仕事はおじゃんでやんす。邪魔しないでくだせえ!」
「わらわとて、妖怪が人間に嫌われたいという本分を、否定する気は無いのじゃ」
 鬼の血が流れている。
 人に畏れられよ、という血が。
 巴の握力が、尋常ならざるものに変わる。黒虚天狗は同族にむかって泣き言をいう。
「あっしはもうダメだぁ。皆の衆が殺しを頼まれてくれい」
 すると、何本もの錫杖が、巴にむかって突きだされてきた。黒頭巾たちが闇に紛れてのこと。
「それも成らぬのぅ」
 仕掛けられた網状の蜘蛛糸が、天狗集団をも捕らえる。
 一網打尽にした妖怪たちに、鬼人は言い放った。
「嫌われるも畏れられるも、そうした本分あったとて、虐げたり殺したりを肯定はせぬ」
 鬼の血が凝固し、弾丸となった。先ほどみせた握力でもって弾き飛ばす。
「百鬼夜行絵巻『鬼関銃(キカンジュウ)』……。殺しを行うものは己が殺される事も覚悟するべきじゃ」
 制圧射撃をうけて、黒虚天狗は全滅した。
 配下の呻き声に重ねて、邪仙狐は長いため息をついた。
「やっぱ、棒でつつくじゃ、役不足だったか。『金』担当は、次こそ斧でぶった切る妖怪を連れてくるよ」
 巴がにらむと、主人の姿を隠すように、河童どもが踊りかかってきた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

内方・はじめ
屋根の上で動きづらそうな河童を優先して狙い、敵の数を減らしましょ
【飛翔】で足場の悪い屋根から舞い上がり、上空から双翼魔弾を敵群に放ち攻撃

昔話なんかじゃあ、その頭の皿が弱点って言うけど……面倒くさいし、誘導弾使って当てられる場所に確実に当てましょ
河童のみなさんは、足場が悪くて動き難いようね……そんなんじゃ、お狐様をお守りできないわよ?

もし、屋根の陰等から河童が不意討ちしてきて、足を掴んで引き倒してきたり、組み付いてきても焦らずに
取り回しのいいリボルバーとかで牽制して、強引に引き剥がしてみる

あんたなんかに、上に乗られる趣味はないわ
川面に顔映して出直してくることね

それにしても……なんて馬鹿力なのよ?


レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒヒ。あっしはしがないウィザードでさぁ…。』
 
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」

 他者との連携やアドリブOKです。
言動は三下ですが、実は演技で相手を油断させてからの攻撃が好きです。
演技が通じないとなると粗暴になり、一人称も「オレ」になります。

パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


陣・頼人
そんなグダグダな理由で連続殺人起こされたら被害者も浮かばれないよ。
さっさと配下と親玉を片付けてこの事件を終わらせよう。

ダメージが通らないのを承知でアームドフォートの【砲撃】で牽制しながら【誘導弾】で河童の頭上の皿を狙って攻撃し、敵を挑発する。
その間に予め【罠使い】と【トラップ生成】で僕の背後にスネアトラップを仕掛けておいて敵が僕の背後に回ったら引っかかるように仕向ける。
そして動きが止まったところを【早業】で【ハウリンググランバースト】を繰り出し撃破する。

まぁ、この妖怪達も利用されてたんだから可哀想ではあるんだけどね。


十六夜・ブルーノ
邪仙狐くんと話して改めて判った
歴史侵略者は人の命を塵芥としか思っていない
だから俺達、復讐者がいる
行くよ、ドゥー

まずは河童くん達を露払い
うーん見るからに邪悪な姿で
確かに忌み嫌われるにはぴったりだ

ブズーキを奏でて数え歌を歌う

ひとつ、ねっこはとちをすい
ふたつ、みずはひをけしとめ
みっつ、きんぞくはきをうち
よっつ、ねつはかねをとかし
いつつ、どてはかわをせいす

歌と共に現れる英雄は
五行ズの一員の土行くんたち
平安装束のチビッ子で
額に土って書いてある、多分

土行くん達の土行パワーで
河辺の地形を埋めて効果を打ち消したり
河童くんらを衰弱させて古い🥒みたいにしおしおに
数え歌殺妖事件?

さてお待たせ
今度は邪仙狐くんの番だ


 残ったトループスへの牽制に、陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)は砲撃する。
「そんなグダグダな理由で連続殺人起こされたら、被害者も浮かばれないよ!」
 親玉にむかって怒鳴りつけた。
 十六夜・ブルーノ(希望の配達人・g03956)は、ブズーキを奏で続けている。
「邪仙狐くんと話して改めて判った。歴史侵略者は人の命を塵芥としか思っていない」
 だから自分たち、復讐者がいるのだと。
「行くよ、ドゥー」
 メーラーデーモンに合図を送る。
 いったんは向かってきた河童たちも、飛び退って屋根の方々に散った。
 頼人が砲撃に使っているアームドフォート、『Vロックアームズ』は背部に二門のキャノン砲と両脇に小型ガトリング砲を搭載した自作の小型砲台だ。
 その威力を避けたようでいて、河童は屋根のてっぺんの向こうを迂回し、頼人の背後から水かきのついた掌を砲台へと伸ばす。
 尻子玉抜きというやつだ。
「吠え猛ろ銃声!」
 当の頼人は、河童の技も見越していた。
 水かきは届かない。スネアトラップが足を捉えたからだ。
 動きの止まった河童の顔に、アームズの武装が一斉に反転して狙いを定めた。
 『ハウリンググランバースト』が配下妖怪を打ち倒す音を、振り返らずに聞く。
 頼人は、邪仙狐と対峙したまま。
「まぁ、この河童たちも親玉に利用されてたんだから、可哀想ではあるんだけどね」
「ありゃあ、わかってる御仁もいらっしゃる」
 河童のうち、レオネオレ・カルメラルメルカ(路地裏に潜む陰竜・g03846)に組み付いてきた1体がこぼした。
「なんとか見逃してはくれませんかねぇ?」
 下手に出ているような、からかっているような。
 レオネオレは大袈裟にかぶりをふった。
「イヒヒヒ。あっしはしがないウィザードでさぁ……」
 何の権限も持たない、ただの三下である。
 と、芝居をうったら河童のほうが吊り込まれた。
「そうかい。お互い、苦労すんなぁ」
 組み手が緩まる。
「適当に流しておこうや……あれ? おまえさん、指はどうした?」
 いつの間にか、レオネオレの五指から煙がのぼっている
「さっき、チェイスボムズにイグニッションさせてもらいやした」
「?!」
 指から放たれた追尾型火炎弾が、河童の甲羅で爆発する。
「おたっしゃで」
 レジェンドウィザードは、妖怪の黒焦げを見下ろす。
 計略をもって倒したものの、河童の水妖相撲術が強力なのは確かだ。
 内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)は、組み敷かれていた。
「……なんて馬鹿力なのよ?」
 こっちも双翼魔弾で甲羅や皿を狙った誘導弾を撃ちたいところ。しかし、身体を押さえつけられて、発射に必要な悪魔の翼が展開できない。
 思えば河童は出現時から、屋根上で動きづらそうにしていた。
 狙いどころと油断していたのだろうか。はじめが飛翔しようとした途端に足首を掴まれ、この態勢である。
 だが、焦ってはいなかった。
「強引にでも……。引き剥がしてみせる」
 ――ビリビリッ。
 何かの裂けた感触があって、河童の両の手は、掴んでいたものの抵抗を失った。
 中身の抜けた袖口だけが残っている。
「あんたなんかに、上に乗られる趣味はないわ」
 はじめの声が降ってきた。
 ロングコートのシルエットはなく、華奢なボディラインが月光に透かしてつまびらかになっている。
 注目すべきは、紋章のように広がった赤黒い翼だ。
 ちょっと力を込めたら跳べた。コートは破れてしまったけれども。
 双翼魔弾に、皿も甲羅も割られて、相撲術の河童がのされたのは言うまでもない。
「川面に顔映して出直してくることね」
「うーん、確かに忌み嫌われるにはぴったりだ。見るからに邪悪な姿だよ、河童くん」
 ブルーノは、弦楽器のふしをかえる。
 依頼を受けてから、何度となく歌った数え歌。
「ひとつ、ねっこはとちをすい。ふたつ、みずはひをけしとめ♪」
 聴いて合わせたわけではなかろうが、河童は指先を天に向けた。
 二番目の殺人に使われた凶器、水霊氾濫陣だ。
 月は雲に覆われ、ブルーノにだけ豪雨が降りそそぐ。
 屋根上にもかかわらず、河童に有利な『河辺の地形』を作り上げるこの技。
 歌は五番に差しかかり。
「いつつ、どてはかわをせいす♪」
 土剋水。
 ヒロイックシンフォニーによって、平安装束の小柄な幻影たちが現れた。
 額に『土』とも読める、通称『土行くん』は、河辺の地形を埋めて効果を打ち消す。
 のみならず、最後の河童までしおしおに干からび、悶絶するままに死んでしまった。
「数え歌殺『妖』事件?」
 人間のサウンドソルジャーは、ドゥーの頭をひと撫でしてやる。
「さてお待たせ。今度は邪仙狐くんの番だ」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【動物の友】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

ナナリー・ラフィット
どこからともなく飛んできて、今宵のななりんも緊急参戦しちゃいます☆

破軍衝を使って、エアライドやガードアップ、その他使える効果はすべて駆使して、攻撃を行います♪
放つ言葉はもちろん、「ななりんぱーんちっ☆」

敵の反撃は仙狐流星群が予想されるので、妖気を高める瞬間を見極めて、その瞬間に回避行動をするようにして、隙をついてまた攻撃を行うってサイクルで行動していきまーす☆

しかしでっかいキツネさんね~?
殴っちゃうよ?殴っちゃうよ?
しゅっしゅっ☆
(とかなんとかしつつシャドーボクシングをして挑発してみたりしちゃいます♪)


陣・頼人
さて、取り巻きもいなくなったし、残るはお前だけだよ。
……とはいえ、決して楽な相手じゃなさそうだけど。

まずは【建造物分解】で屋敷を崩し、それに紛れて【光学迷彩】で身を隠す。
そして【トラップ生成】と【罠使い】で邪仙狐の周囲にワイヤートラップを張り巡らせ、【念動力】で離れた場所で物音を立てて奴が反応したところでトラップを発動させて束縛すると同時に【突撃】を仕掛け、【デストロイスマッシュ】を叩き込む。

容赦なんてしない。
戯れで人の命を弄んだ罰だよ。


内方・はじめ
やれやれ
コートが台無しになったじゃない

まあ、下にキャットスーツ着てるから、作戦に支障はないけど……って、後ろから舌打ち聞こえたのは、気のせいかしら?

兎に角、【飛翔】で敵を撹乱しつつ、仲間と連携して敵の死角から報復の魔弾を敵に叩き込む
砲撃の際は、砲撃、誘導弾、弾幕等を活かし確実に当てるように

毒花の矢は建物や屋根の陰に隠れたり、上昇し回避
もし矢が当たったら、すぐに抜き生命力を吸わせない

最後の一張羅まで、穴だらけにされたらたまらないわ

お返しに、毛並みの良さそうな毛皮に、たっぷり穴を空けてあげる
さあ、惨劇の犠牲者達の無念、恐怖、怨嗟を……その身で味わいなさい

残念ながら、ご主人様は助けてくれないようね?


天破星・巴
天狗共はわらわの鬼関銃で蜂の巣、河童共は仲間達が倒した、後はうぬだけじゃ

トラップ生成で蜘蛛の糸の罠を利用し頭部に視界を塞ぐようなものをぶつけたり、味方の攻撃に紛れ光学迷彩を利用し姿を隠す。

不意打ちで効果2が全て乗った【暗殺】の一撃を
鬼神変改『封鬼殺』にて【グラップル】技術を駆使した【破壊】の【念動力】の乗った拳を叩き付ける

齢百を生き知識経験豊富で謎解きも熟せるが巴の本質はPOW(筋力や頑健さ)特化現在活動するディアボロスの中でも屈指の怪力の持ち主、破壊できぬものは無いと鍛え続ける


さて、死にゆく前に聴きたいのじゃが計画性のないうぬにこの数え歌殺人の計画は立てられぬ、誰が歌と殺す者を指示したかえ?


十六夜・ブルーノ
さていよいよだ
邪仙狐くんが誰から頼まれたのか
ちょっと気になるけど
話してはくれないだろう

苦しめられたり
命を奪われた人たちに代わって
復讐と行こう、ドゥー

ああ確かに夜空を彩る流星は美しいね
とはいえ邪な妖怪の技
その光にはきっと濁りがあるんじゃない?
見惚れたりはしないよ
それに俺は耳がいいんだ
流星の風切る音も捉えている
さっと回避して反撃だ

短槍の穂先から迸る雷光が
万華鏡の如く映し出すのは
この地に生きる人々の姿
数え歌殺人の終焉を望む皆の思いが
稲妻となって邪仙狐くんの体内を駆け巡る

事後には
これまでの犠牲者と妖怪達へ
哀悼と死出の旅路の安らかを願い
ブズーキを奏でる

子供たちが楽しく数え歌を歌える世界に
早くしなくちゃね


 悪魔の翼で、内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)は屋根の周囲を巡る。
「やれやれ。コートが台無しになったじゃない」
 下にキャットスーツを着ていた。作戦に支障はないはず。
「……って、どこかから舌打ち聞こえたのは、気のせいかしら?」
 僅かに口元を緩ませた。
 こうして飛んでいれば、アヴァタール級妖怪を、取り逃がすことはあるまい。
 加えて、天破星・巴(反逆鬼・g01709)らが、屋敷の一番高いところに追い詰めている。
「天狗共はわらわの鬼関銃で蜂の巣、河童共は仲間達が倒した」
「取り巻きもいなくなったし、残るはお前だけだよ」
 陣・頼人(武装騎士ヴィクトレオン・g00838)は、竜骸剣の武骨な刀身を抜く。
「……とはいえ、決して楽な相手じゃなさそうだけど」
 板葺きに施した仕掛けの類は、あらかた使い尽くした。不意を突くにも、いまから隠れられる箇所も偽装もない。
 主が寝ている建築物を壊してトラップにするわけにはいかないし。
 邪仙狐はまだ余裕のそぶりで眼下を眺めている。また、キツネ目が細まった。
 感じる者には、妖気の高まりが判る。その美しさも。
 仙狐流星群が夜空を越えて降り注いだ。
 ディアボロスたちは、見て避けようとし、当てて耐えようとするが、妖気の威力はここでの戦闘経験を上回ってきた。
「数え歌は、また探すことにするよ。謎解きを考えるのも嫌いじゃないしね。……あん?」
 キツネが空を凝視する。
 流星の中に、一個だけ大きいのがある。
 衝撃波を纏い、ほかを押しのけながら垂直に堕ちてくるのは。
「今宵のななりんも、どこからともなく飛んできて、緊急参戦しちゃいます☆」
 ナナリー・ラフィット(「夢魔の安らぎ亭」オーナー・g04037)が、片手を突きだしてる。
「ななりんぱーんちっ☆」
 破軍衝が、邪仙狐の鼻先にヒットした。
「イタタッ! 涙出た、涙ぁ!」
 妖気は乱れる。
 加えて、援軍ナナリーの一撃が、仲間のガードもアップさせた。待ち望んだ、逆襲への契機だ。
 十六夜・ブルーノ(希望の配達人・g03956)は楽器から短槍に持ち替える。
 ドゥーとお揃いの電磁槍だ。
「ああ、確かに夜空を彩る流星は美しいね。けれども、邪な妖怪の光には、きっと濁りがあるんじゃない?」
 短槍の穂先から迸る雷光が、万華鏡の如く映し出すのは、この地に生きる人々の清き姿。
「それに俺は耳がいいんだ」
 サウンドソルジャーは、流星を音で回避して接敵すると、短槍ルインを毛並みに突き立てる。
 流し込まれた稲妻が、獣皮を逆立てさせた。
 『本当に、三家の中から三晩目の被害者が……恐ろしい』
 数え歌殺人の終焉を望む皆の思いが注がれているのか。邪仙狐は真っ赤な鼻先で唸る。
「うー。凶器とかもういい。全部、私が殺せば良かったよ。こうやってね!」
 バラ撒かれる妖気は、『人喰いの花矢』に変わった。
 はじめは、スーツに刺さったそれを、生命力を吸われる前に抜く。
「最後の一張羅まで、穴だらけにされたらたまらないわ」
 冷ややかな目線を投げるが、花矢を握りつぶす手は憎々しげだ。
「お返しに、その良さそうな毛皮に、たっぷり穴を空けてあげる。さあ、惨劇の犠牲者たちの無念、恐怖、怨嗟を……その身で味わいなさい」
 そう、最初の殺人は、この花矢によって行われた。
 犠牲者の当主は、人好きのする若い男だった。
 事件の記憶が、報復の魔弾に宿り、すでに焦げ目のついていた銀毛を闇色に浸蝕する。全身に広がるのを待たず。
「イッ……」
 言葉もでない邪仙狐のわき腹を、巴の拳が突いていた。
「わらわに打ち砕けぬ物なしじゃ」
 鬼神変改『封鬼殺(ホウキサツ)』は、腕以外も強化し体格は変わらない。齢百を生き、知識経験豊富で謎解きもこなせる巴だが、本質は怪力だった。
 ここまで、ディアボロスたちが築いてきたものも、回避より破壊力。
 全部がのれば、背骨まで断つ。
 四肢をフラつかせた妖怪に、はじめは警戒を怠らずに声をかける。
「残念ながら、ご主人様は助けてくれないようね?」
 拳を抜きながら、巴も囁きかける。
「さよう。計画性のないうぬにこの数え歌殺人の計画は立てられぬ。誰が歌と殺す者を指示したかえ?」
「……いや、頼むのは、私のほうで……」
 じろっと、睨んだ横顔にブルーノは、アヴァタール級がまだ戦うつもりなのを察した。
「邪仙狐くんが誰から頼まれたのか。ちょっと気になるけど……」
 話してはくれないだろう。あるいは妖怪とは真実、嫌われるための知恵だけは回るものかもしれない。
 頼人も同じ思いだったようだ。
 皆に、うなずきかけ。
「容赦なんてしない。戯れで人の命を弄んだ罰だよ」
 屋根の端から天辺まで一息に駆ける。
 案の定、邪仙狐は最後の妖気で花矢を投げてきたが、念動力に軽く弾かれた。
 頼人はデストロイスマッシュを叩き込む。
 妖怪の骨は、竜の骸によって粉々に砕かれ、宙に突き飛ばされた獣は、夜風にさらわれるように四散した。
 京の都を騒がせたクロノヴェーダの一党が、邪仙狐とともに屠られたのであった。
 ブルーノは、改めてブズーキを奏でる。
「子供たちが楽しく数え歌を歌える世界に、早くしなくちゃね」
 これまでの犠牲者と妖怪達へ、哀悼と死出の旅路の安らかを願い。
「ひとつ……」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【建造物分解】がLV4になった!
【飛翔】がLV3になった!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV8になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2021年09月26日