リプレイ
荒れ地を征く『馬超』軍団。
彼らが宛もなく疾駆しているのは、ディアボロスの移動手段を探るため。
敵と見れば襲いかかる。それが騎蟲たる『馬超』軍団の本領。もとより探索という意味では大型蜘蛛のクロノ・オブジェクト化された巨大昆虫たちは不向きであったことだろう。
だからこそ、トループス級を率いるアヴァタール級『美髯公の娘・関銀屏』は足を止める。敵が、ディアボロスがもしも自身たちの前に現れるのならば遮蔽物の多い山中などではなく、荒れ地の見通しやすい平面が良いだろうと。
ここならば視界が通る。
例え、どれだけ離れていたとしてもパラドクスは、逆接連鎖戦において距離は決定的ではない。
「……あれは、なんだ?」
彼女が荒れ地に捉えた異物。
それは彼女にとっては奇妙なる物体であった。蚯蚓の如き体躯。されど見た目には鉄でてきているようにさえ思える。それが悠々と現れたのを見た瞬間、彼女はそれがディアボロスたちの移動手段であると理解する。
そう、あれこそがディアボロスたちの要。パラドクストレイン。
「あれか……! ならば! 鉄の蚯蚓の足を止める!」
煌めくパラドクスが放たれる。
手にした大鎌槍を振りかぶる。放たれるパラドクスは投擲した槍を空中で分裂させ、飴のように降り注がせんとする。
その先制の一撃で持って彼女はディアボロスへの楔となさんとするのだった。
孫・リア
飛んで火に入るなんとやら!ってね!パラドクストレインは守り抜くわよ!
トレインから降りたら即『孫軍』で大盾を持った兵達を布陣!トレインに届く前に槍を防御!その後お返しに弓兵達を召喚!矢を雨のように降らせて攻撃しつつ足止め!
防衛ラインも使ってトレインを協力して守るわよ!
例え蟲将といえども偉大な強い父を持つ……すこーしだけ親近感あるわね、だけど貴殿達の思い通りになんてさせないんだから!
【アドリブ共闘歓迎】
御守・樹
パラドクストレインをディフェンスする。
トレインの上に陣取って敵の攻撃が届く前に衝撃波を纏わせた螳螂千刃で迎撃、槍を少しでも迎撃相殺して数を減らし被ダメージを抑える。
あとは身体張って守るだけ、大丈夫我慢するのは昔から慣れてる。
距離がある分相手の攻撃手段も限定されるけどそれはこっちも同じだもんな。
ディフェンスが成功したらトレインが撤退する前に降りて戦いに備える。
関銀屏はたしか一度相手にしたことがあったか。あの時は途中で関羽がやってきたんだったな。結局関羽は決戦の時まで倒す事は出来なかったけど。
あれから一年たったけどまだ彼女は健在か。何とも言えない因果を感じるな。
バトラ・ヘロス
アドリブ、連携歓迎です。
パラドクストレインを守り抜け、との命令、了承したであります。
無双馬に乗り、槍を構え列車上にて迎え撃ちます。
トレインをディフェンス。
伸縮自在の魔法の槍を最長まで伸ばし、月輪のように旋回させて盾と成して投げ槍の雨を受け払います。クレセントスラッシュでガードアップ発動。
自身は全力で槍を受けつつ、無双馬に車上を駆け巡らせ広範囲の攻撃を防御します。受け払えない攻撃は身を盾にして受け止めます。貴重なトレインの車体と、数千の内の一体に過ぎないあたしの体、どちらを優先するかは自明の理。ですがあっさり墜ちても単なる役立たず。命が果てるギリギリまでは立ちはだかり続けます。
奉利・聖
ふむ、なるほど…餌をぶら下げて釣るが如し、というところですか
そういうことでしたら、やってみましょうか
まずはトレインを護り、退かせるところから始めないと
攻撃的なディフェンスは皆さんがやってくれてますので
こちらは守備に尖った手管でいきましょうか
───『聖天ノ光輝王城』
あらゆる害意を文字通り跳ね返す、守護の障壁です
中へ入ろうとすれば当然罰が下りますよ
皆さんはこれから戦いも控えている
被弾はできるだけ抑えてもらわないといけません
有効利用してもらって、一方的に蹴散らしてやってくださいね
あ、勿論中で僕も攻撃させてもらいますけど
さて…大事なのはここから
どこまで釣られてくれるかの勝負ですね
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
蚯蚓ってもうちょっといい方は考えてほしいなぁ
さて、虫には虫をってな。取るに足らない蝶の羽ばたきの威力はどうだ?
小さい虫だって怖いんだぜ、どんな毒を持っているか定かじゃないんだからな
【行動】
先制攻撃をして敵の攻撃を止める
周囲に蝶が舞っていても相手は気にしないだろうし
先にパラドクスで蝶の機械を作り出し敵を見つけたらすぐに鱗粉を撒き攻撃するようにしておく
今回はダメージではなく、敵を痺れさせて攻撃を防ぎたい
必要ならパラドクス通信で仲間と連絡を取り連携できるようにしておくし
臨機応変に対応できるように構えておく
パラドクストレインを襲うパラドクスの煌めき。
それはディアボロスたちの作戦であった。『馬超』軍団の注意を敢えて引き付け、彼等を撤退に追い込み、その方角からジェネラル級『馬超』の拠点を割り出す。
そのために敢えて己たちの急所でもあるパラドクストレインを囮にしたのだ。
故に敵のパラドクスは防がねばならない。
アヴァタール級のパラドクスは強烈であることは言うまでもない。
そして、視界が通ってさえいれば、逆接連鎖戦において距離は長大な距離以外においては大きな意味を成さない。
「我等も『美髯公の娘・関銀屏』殿に続くぞ! かの鉄の蚯蚓を狙え!!」
トループス級『東州蜂兵』たちもまたパラドクストレインをパラドクスでもって穿たんと構える。
無論、ディアボロスたちにとってパラドクストレインは絶対に傷つけさせてはならない。
けれど、『馬超』軍団のトループス級たちを含めた一斉攻撃を防ぎ切るのは至難の技だった。故に荒田・誠司(雑草・g00115)のパラドクスが煌めく。
「蚯蚓っていうのはもうちょっと言い方は考えて欲しいものだな」
模造製作:火花蝶(イミテーションメイク・スパークバタフライ)はトラップメイカーによって作り出された特殊な鱗粉を撒き散らす蝶。
ゴーグルによって接続されたトラップメイカーから伝わる蝶の動き。
それは確実にトループス級たちを捉えていた。
「……蝶、いや、ディアボロスのパラドクスか!」
「ああ、そうさ。小さな虫だって怖いんだぜ。どんな毒を持っているか定かじゃないんだからな」
誠司の言葉を示すように彼が生み出したパラドクスの蝶が羽撃く度に彼等に降り注ぐ鱗粉。
それは次の瞬間火花を散らしながら、しかし彼等に電撃を走らせるように迸る。
「……! ええい、邪魔立てをしてくれる!」
「取るに足らない蝶の羽ばたきの威力はどうだ?」
誠司はトループス級たちのパラドクスを放つ機先を削ぐ。
これだけの数が一斉にパラドクストレインに向かって攻撃を放てば、戦う前に此方が消耗してしまう。
このままトループス級との戦いに突入するのだとしても、彼等のパラドクスによって本命のアヴァタール級の攻撃を防いだディアボロスたちが窮地に立たされることはないはずだ。
そのために誠司は己のパラドクスを輝かせた。
「――……! アヴァタール級のパラドクスだ!」
誠司はアヴァタール級のパラドクスが輝いたのを見た。即座にパラドクス通信によってパラドクストレインを守るディアボロスたちに通信を入れる。
槍の投擲。
その投射がパラドクストレインに襲いかかる。しかし、それはディボロスたちにとっては想定内だった。
パラドクストレインの車上の上に立つ御守・樹(諦念の珪化木・g05753)とバトラ・ヘロス(沼蛙・g09382)は降り注ぐ雨のようなパラドクスによって分裂した槍を見上げる。
あれがパラドクストレインに撃ち込まれれば、こちらにとって痛手であることは言うまでもない。
しかし、これが囮作戦である以上、パラドクストレインの姿を敵の前に晒せざるを得ない。
「餌をぶら下げて釣るが如し、というところですか」
奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)の瞳がパラドクスに輝く。
「光と風。永遠に朽ちぬ巫女。リースマイアは再び誓う。絶えぬ祈り。贄なる我が身。光の時代よ、今ここに。──変則第五位階」
聖天ノ光輝王城(マジックシールドアクトファイブ)が広がる。
放たれた雨のような槍のパラドクスは、そのままに放った『美髯公の娘・関銀屏』へと投射される。
だが、それだけでは止まらない。
放たれたパラドクスはさらに飛来している。それを見据え、パトラは無双馬『青縞』と共に車上を駆け抜ける。
手にした魔法の槍を頭上で回転させる。
その軌跡が描くのは月輪。
旋回させた槍が降り注ぐ槍を受け止め、弾く。
「パラドクストレインを守り抜け、との命令……それを果たすためには」
バトラは降り注ぐ槍が己の身体を貫こうとも、己の身を盾にすることに躊躇いはなかった。
何故ならば、ディヴィジョンに向かう貴重なパラドクストレインの車体と、彼女が自身を数千の内の一人と数える我が身を天秤に掛けた時、どちらを優先するかなど語るべくもないと思っていたからだ。
「生命が果てるギリギリまでは立ち塞がらせて頂きます」
彼女の決意と共に煌めくパラドクスが残留効果を戦場に刻んでいく。
振り回す魔法の槍が次々とパラドクスの槍を受け止めては、彼女の背後にあるパラドクストレインに届くことなく粉砕されていく。
「撃ち落としきれないっていうのならさ……後は身体を張って間も守るだけだ!」
樹は迫る槍の一撃を身を挺して受け止める。
痛みが走る。
激痛であり、身を焼くような痛み。しかし、それは彼にとっては慣れているものであったことだろう。
我慢すること。
痛みを受けること。
それ自体を彼は受け止め、耐えきる。倒れるまでもない。煌めく螳螂千刃が衝撃波を解き放たれる。
走る衝撃波。
戦いのさなかにあって思い出すのはアヴァタール級である『美髯公の娘・関銀屏』のことだった。
アヴァタール級である以上、本体が生み出した存在。
例え、一度戦ったことがあったとしても、それは異なるアヴァタール級であったことだろう。
「あの時は、途中で関羽がやってきたんだったな。あれから一年経ったけど、まだ彼女は健在か。なんとも言えない因果というやつなのだろうが!」
さらに迫る槍の雨を孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)はパラドクスで召喚した孫軍(ソンケノハタノモトニツドイシツワモノタチ)の幻影たちが構える盾で受け止めさせ、また自身もまた槍の一撃を受け止める。
「飛んで火に入るなんとやら! ってね!」
リアはパラドクストレインに降り注ぐ槍の雨を前に立ち塞がる。
ディアボロスたちの多くが敵のパラドクスの前に身を翻し、その一撃をパラドクストレインの車体に届かせぬと必至だった。
守り抜かねばならないものが在るときこそ、ディアボロスたちは力を発揮するのかもしれない。
戦場に刻まれていく残留効果の煌めきをリアは見ただろう。
「例え蟲将といえども偉大な強い父を持つ……すこーしだけ親近感あるわね」
リアはそう思う。
同じ女傑であるから、ということもあるのかもしれない。
けれど、とリアは無双馬『星星』と共にありて、その手にした馬上槍を振るう。
「だけど貴殿たちの思い通りにいなんてさせないんだから!」
その通りだとバトラは思った。
このパラドクストレインを守り抜くこと。そして、敵を穿ち、撤退に追い込みつつ『馬超』軍団の拠点へと至る道筋を見つけること。
「そのためには! あっさり墜ちても単なる役立たずの汚名を頂くばかり!」
故に彼女は傷を負ってもなお馬上にありて気炎を上げる。
手にした槍は未だ折れぬ事を示すように突き上げられ、聖はその姿を認めて頷く。
この後も戦いは続く。
トループス級との戦い。
そして、戦いの趨勢を此方に傾かせ、敵を撤退に追い込む。隙を見せれば彼等は撤退するだろう。
「ですが、そのまま素直に退かせてもらならない。さて……大事なのはここから」
「ああ、うまく撤退に誘導できるように立ち回らないといけないしな」
樹が頷く。
敵を此処で撃滅することに変わりはない。けれど、撤退する素振りを見せぬままに叩くのもまたこの作戦の意味を成さない。
「要はバランスってことよね!」
リアの言葉に誠司が通信から告げる。
「敵が動く。パラドクストレインの撤退を確認したら、奴等を叩くぞ」
初撃を防ぎきったディアボロスたちは誰もが手傷を追わずに入られなかった。
けれど、彼等は未だ気力十分。
クロノ・オブジェクト化された巨大な蜘蛛に騎蟲したトループス級、そしてアヴァタール級『美髯公の娘・関銀屏』が迫る。
それを迎え撃つためにディアボロスたちは前を見据える。
例え、凄まじい速度を誇るのだとしても。
それでもディアボロスたちは多くの経験を得ている。
そして、何よりも戦場に残され、紡がれてきた残留効果の輝きを手繰り寄せる事ができる。
「どこまで釣られてくれるかの勝負ですね」
聖は瞳を開き、見据える。
敵に情報を持ち帰られてはならず。さりとて、此方は敵の所在を知るためにうまく立ち回らねばならないのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV3が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
バトラ・ヘロス
アドリブ、連携歓迎です。
撤退させて情報を得るには、まず被害を与えないといけないんですね。
それなりに怪我はしてますけど、まだいけます。命令を実行するであります。
無双馬の青縞を駆って敵陣に突入します。お前も怪我してるけど、あいつらの機動力に対抗するにはお前が必要なの。もう少しだけ頑張って。
槍を頭上で旋回させて、廻し槍のパラドクスで攻撃します。旋風の様に渦巻く穂先で敵を切り払いながら、戦場を駆け巡ります。
反撃の毒煙を息を止めて耐え、未来予測で少しでも攻撃の予兆を見極めて旋回する槍で受け払います。
パラドクス通信で連携。隙を作って敵を誘導しないと。命令を遂行出来る様に必死に頑張ります。
御守・樹
トレインが無事に撤退できたならまずは数を減らすためにも東州蜂兵を倒してしまおう。
数が少ない方が後々の討ち漏らしのリスクも減らせるかもだし。…まぁ逆に向こうの逃走が楽になりかねないだけどな。陸遜がそんなふうに少数精鋭で逃走計ってたし。
シンプルにパラドクス加具土命で攻撃だ。連射による弾幕を張るようにしてより多くのダメージを与えこっちの優位性を強調したい。
攻撃しつつも向こうの様子を観察して攻撃してくるタイミングを計り、その瞬間を看破して一撃離脱かダッシュで回避していく。
絶えず動き回ったうえでの加具土命の攻撃でもいいんだろうけど、それはそれでこっちの動きが読まれやすくなるような気がするんだよな。
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
騎兵は普通よりも早い行動はできるが弱点だってあるんだよ
行動の邪魔こそが本分だ、釣られて出てきたのは間違いだったな
【行動】
パラドクス通信で仲間と適宜連絡して協力する
敵の攻撃は盾や警棒で受け、忍耐力で耐えながら
広範囲に敵のみを凍らせる水を撒く爆弾を1番前にいる敵を狙い投擲する
騎乗している時に先頭にいる者を凍らせてしまえば急には止まれない後続の騎兵は事故を起こすしかないだろう
中に入っている水は仲間や地形にはただの水として作用するけれど
投擲する前に注意喚起だけはしておきたい
必要なら臨機応変に対応する
「初撃を防がれたか……だが!」
トループス級『東州蜂兵』たちが騎蟲した巨大蜘蛛を駆りパラドクストレインに迫る。
しかし、彼等の眼の前でパラドクストレインは帰還を果たし、まるで目の前から唐突に消えたように映ったことだろう。
「面妖な……!」
「消えただと
……!?」
彼等はパラドクストレインが帰還したことを目の前で消えたように感じたのだろう。
故に目標としていた存在の消失に僅かに戸惑う。
その一瞬に無双馬『青縞』を駆るバトラ・ヘロス(沼蛙・g09382)は馬上槍を構え『東州蜂兵』たちの陣へと飛び込む。
彼女はパラドクストレインへと放たれたパラドクスの一撃を身を挺して防いだせいで傷を負っていた。
けれど止まらない。
彼女は自分が受けた命令を遂行するためだけに果敢に敵陣へと飛び込むのだ。
「お前も怪我してるけど、お前が必要なの。だから」
もう少しだけがんばって、とパトラは『青縞』の首を軽く叩く。
その言葉に応えるように『青縞』が嘶き、大地を蹴る。
彼女の突撃はディアボロスたちにとって、先駆けによって動揺する『東州蜂兵』たちの陣を切り裂くものだった。
「引き付けてくれ。敵騎兵の動きを止める」
荒田・誠司(雑草・g00115)がパラドクスでバトラや御守・樹(諦念の珪化木・g05753)へと声をかける。
確かに騎兵は恐ろしいものだ。
あの速度で突撃されることも、自分より高い位置から武器を振るわれることも、全てが脅威だ。けれど、弱点だってあるのだと誠司はゴーグルの奥に輝く瞳で見据える。
「わかりました!」
「パラドクストレインが撤退できたのなら数を減らして、連中を撤退に追い込む、だったな!」
樹はパラドクスに輝く小型拳銃から放たれるバースト射撃の加具土命(カグツチ)たる弾丸を迫る『東州蜂兵』たちに打ち込む。
瞬間、樹の足元から水柱が吹き上がり、樹の身体を撃つ。
「ディアボロス! ここで滅ぼしてくれる!」
敵の数を減らすことは確かに重要だったが、しかし今だ敵の数は『馬超』軍団のほうが上だ。彼等のパラドクストレインを強襲するという目的は挫いたが、まだ戦いの趨勢は数で勝る彼等にあるのだ。
「そうだよな。倒せる時に倒してしまおうというのは当然だよな! だったら!」
『東州蜂兵』たちのパラドクスが煌めき、大地より次々と水柱が起こる最中をバトラは無双馬『青縞』と共に走り抜ける。
彼女の瞳に映るのは1秒先の未来。
樹を狙った水柱の横合いを駆け抜け、一気に『東州蜂兵』たちの陣形を突き崩そうと、廻し槍(スピナー)の一閃が放たれる。
伸縮自在たる槍の穂先が彼等を切り裂き、共に騎馬と騎蟲という違いはあれど速度は五分であることを知らしめる。
「小賢しい!」
放たれる毒霧がバトラの視界を埋め尽くす。
しかし、バトラは理解していた。
残留効果を手繰り寄せる。戦場に残された楔のような輝きは、彼女の視界に1秒先の未来を示す。
毒霧によって視界を塞がれた後に『東州蜂兵』たちが放つ槍の一撃。
その切っ先が彼女の頬をかすめる。
「……ッ! この程度で止まりません、『青縞』ッ!」
バトラの言葉に『青縞』が踏み込む。
確かに霧は視界を潰す。けれど、彼女の目の前には己の頬を裂いた槍の柄があるのならば。
「そこです!」
放った槍の一撃が『東州蜂兵』を横薙ぎに吹き飛ばし、霧を振り払う。
「これでも喰らいやがれ!」
振り払われた毒霧の奥に見える『東州蜂兵』たちを樹は捉え、弾丸をばらまく。弾幕のように撃ち込まれたバースト射撃は『東州蜂兵』たちの身体へと叩き込まれる。
だが、敵の動きは迅速だった。
此方に致命傷を与えきれないとわかるな否や、距離を取り再度突進を繰り返そうとする。
騎兵の恐ろしさはやはり突進能力にある。
止める間もなく突っ込まれてしまえば、それだけで此方はバラバラにされてしまうし、そうなれば各個に撃破されてしまうだろう。
だからこそ『東州蜂兵』たちは己たちが騎蟲しているという利点を得るために距離を取り、助走をつけるようにしてディアボロスたちに突っ込んでくるのだ。
「そうだな。そうするだろうと思っていた。確かにお前たちの突進は恐ろしい。だが、釣られて出てきたのが間違いだったな」
誠司のゴーグルの奥できらめいていたパラドクスが放たれる。
手にした小型爆弾を放り投げる。
戦場は樹を狙った水柱で泥濘んでいる。しかし、クロノ・オブジェクト化された大型蜘蛛の突進を止めるほどではない。重要であったのは水分を含んでいるということ。
そして、誠司が投げはなった特殊爆:氷結嵐(ユニークボム・フリーズストーム)こそが敵の突進を止める本命であった。
「そらよ、凍ってしまえ!」
炸裂する爆弾。
それは爆風を生み出すものではなく、炸裂した瞬間に凍りつく水を撒き散らす一撃。
「……この程度で!」
「ああ、確かに突進を止められるのは先頭のお前だけだろう。だが、お前が止まれば背後より共する者達はどうだ?」
騎兵の突進能力は凄まじい。
けれど、急に止まることができない。急旋回するためにはそれなりの距離が必要である。弧を描くようにしてしか旋回できないのであれば、誠司のパラドクスによって足を止めた先頭の騎蟲へと後続が突っ込んでしまうのは自明の理だった。
「急には止まれまい……今だ!」
誠司の言葉と共に樹の手にした小型拳銃がパラドクスの輝きを湛え打ち出される。
「止まった騎兵は唯の的だな!」
弾丸が『東州蜂兵』たちを穿ち、次々と大型蜘蛛より落馬するように落ちていく。
さらに『青縞』が大地をけって飛ぶ。
その馬上にありてバトラの手にした槍が煌めく。
「此処で……!」
放たれた一撃が『東州蜂兵』を貫き、大地へと叩き落とす。
大型蜘蛛より落ちた彼等が再び騎乗する隙など与えない。
「後は、隙を作って誘導しないと……」
敵を打ち倒すことは当然であるが、今回の戦いはそれだけではない。敵である彼等の拠点を探るための作戦でも在るのだ。
トループス級全てを打倒したわけでもなければ、アヴァタール級を打倒したわけでもない。
数の利を覆したディアボロスたちの姿を見て、賢明なる指揮官ならばどうするだろうか。
「……此方が押されている。これ以上は」
『美髯公の娘・関銀屏』は考える。
トループス級が撃破されはじめているとは言え、今だ有利は此方にあり。
しかし、ディアボロスたちの移動手段を目視したという情報を持ち帰ることは、蜀にとって大きな意味を持つかもしれない。
だが、ディアボロスを討ち果たす好機であることもまた『美髯公の娘・関銀屏』にとってはまたとない機会。
揺れている。
堅実なる撤退か。
それとも損害を度外視しての追撃か。
『美髯公・関銀屏』は今、もう一つ状況を決定させる要因を欲するようにディアボロスと対峙するのだっった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
パラドクストレインを見られたか
ならば、逃すわけにはいかないな
何としても逃さない、という気概を見せ黒龍偃月刀で『関銀屛』に迫る
…が、蜘蛛に騎乗し機動力が上がった彼女に苦戦を演じる
『関羽』や以前戦った個体の<戦闘知識>と【神速反応】で急所は守りつつ応戦
情報を持ち帰らないといけない、という使命を思い出させて
意識を撤退へ仕向けよう
「逃がすか!」
逃げようとする背にも<衝撃波>を伴った一撃を直撃させないように放つ
精神的に余裕を奪って、真っ直ぐに『馬超』の方へ逃げてもらおう
バトラ・ヘロス
アドリブ、連携歓迎です。
敵の大将は迷ってるんでしょうか。良くないですね。即座に決断して命令するのが上官の努めです。黙ってたら兵隊は動けないし、下手したら逃げてしまいますよ。
…決めました。攻めます。
槍を構え、無双馬を一直線に走らせ兵隊を飛び越えて関銀屏を襲います。部下は生かしておきます。
喉が潰れる程の大声で気合を入れながら突撃。迷ったら負けです。敵の狙いを定めさせない早駆けで一気に詰めます。
突撃の勢いと馬の質量、申し訳低度のあたしの体重の全てを穂先に集中して突き刺します。
そのまま槍を手放し勢いを殺さず離脱し疾走で反撃を回避。隙を見せます。
逃げるか決着をつけるか。相手の動向を見極めます。
アヴァタール級『美髯公の娘・関銀屏』の迷いをバトラ・ヘロス(沼蛙・g09382)は無双馬『青縞』の馬上から見やる。
クロノ・オブジェクト化された巨大蜘蛛に騎蟲する彼女はディアボロスの追撃か、それとも即時撤退するかで悩んでいるようだった。
それを迷いと断じるのならば、そうなのだろう。
同時にそれが味方の将でなくてよかったと彼女は思った。
クロノヴェーダにとって上位が下位を従えるのは必定。これが人の将であったのならば、状況に直面して迷うような者についていく者はいない。
「……決めました」
攻める。
今だ迷う『美髯公の娘・関銀屏』とは違い、彼女は即座に決定していた。
もとより己に出来ることというのは限られている。だからこそ、バトラは無双馬『青縞』と共に一直線に駆け出す。
今だ残るトループス級を飛び越えるようにして『美髯公の娘・関銀屏』へと迫るのだ。
「うわあああああああああああっ!」
「ディアボロス、来ますか!」
喉が引き裂かれ、潰れるかと思う程の咆哮。
それはバトラにとって気合を入れるためのものであったが、その気迫に『美髯公の娘・関銀屏』は一瞬、詰まる。
「そう、逃すわけにはいかないな」
その咆哮の最中に夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は共に彼女へと迫る。
確かにクロノ・オブジェクト化した大型蜘蛛に騎蟲した敵の手強さは言うまでもない。けれど、バトラと錬晏の気迫は、彼女にとって自身を絶対にのがしてはならない存在としてディアボロスが認識しているという事実を再確認させた。
「……やはりディアボロスにとって移動手段は秘するべき情報ということ……!」
「逃すか!」
翻るは龍。
否、それは錬晏の手にありて活きているかのように舞う黒龍の透かし彫り。
黒い刃は、錬晏の技量によってまるで龍が宙に走るように鋭さを誇り、『美髯公の娘・関銀屏』へと迫る。
その一撃を大鎌槍で受け止め、衝撃波が互いの身体を打つ。
痛みが走る。
けれど、それでも錬晏は止まらなかった。ここで己が痛みに足を止めれば、それだけ敵に利することになると知っていたからだ。
故に彼は手にした偃月刀を叩き込み、鍔迫り合うようにして『美髯公の娘・関銀屏』を追い詰める。
「如何にしても逃すまい、そういうことですか!」
切り払うように錬晏を弾き飛ばした瞬間、バトラの己の体を乗せた槍の一撃が大型蜘蛛の脚部を蹴って一直線に迫る。
突撃(チャージ)の一撃は言うまでもなく強烈そのもの。
「あたしの申し訳程度の一撃であっても!」
共に駆ける無双馬『青縞』の脚と手にした槍の穂先があるのならば、届かぬ道理などない。
走る一撃が『美髯公・関銀屏』の肩を貫き、えぐるようにしてバトラは駆け抜ける。
さらに錬晏が迫る。
「あれを見られたからには此処で逃すわけにはいかないのだ」
振るう一閃が彼女の身体を切り裂く。
だが、致命傷ではない。血潮を噴出させながらも『美髯公・関銀屏』は決断する。
ディアボロスが如何にして部隊を神出鬼没に送り込んでいるのか。
「私が理解できずとも『馬超』殿や『諸葛亮』殿ならば、解し、策を齎してくれるかもしれない……ならば!」
追撃を振り切らねばならない。
この情報を持ち帰る。それが蜀の未来を分かつというのならば、『美髯公の娘・関銀屏』は己の中にある憤りなど無視するべきであると。
例え、それがディアボロスたちの思惑通りなのだったとしても、傷にうめきながらも決意するのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
孫・リア
さぁどうするかしらね……?
もし撤退するのなら『黒衣』で阿黒を召喚し彼に関銀屏殿を上空から追跡させて阿黒と視界を共有して彼女の行く先を確認
私は星星に騎乗したままダッシュして状況に応じて臨機応変に彼女にギリギリ追いつかない程度距離を取りながら、また見失いそうな演技をしつつ……そうそう追跡者がいたら気になるよね馬に乗って追いかけてくる私に集中して上空の鴉には気が付かないだろうしね、さぁ貴殿達の拠点の場所教えてもらうわ
何かあればパラドクス通信で皆と情報共有していくわよ!
【アドリブ共闘歓迎】
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
さて、騎乗したまま帰るって言うなら邪魔するまでだな
飛んで火に入るとはこのことか
【行動】
パラドクス通信で仲間と連絡を取り協力する
未来予測を使って確認しながら
迷彩機能のあるコートを頭からかぶり匍匐前進するように静かに移動
少し離れた所の地面に上を通過した者を燃やす燃える網の罠を設置する
急に燃えてしまえば、どんなに屈強な戦士でも巨大昆虫でも足を止めるだろう
広範囲に敷いておけば撤退行動を阻害できる上、罠が作動した方向を見れば改めて拠点のある方向を推察できるはずだ
推察したら方位磁針を使いつつ付近の地図と現在位置を比較し、出来るだけ拠点の場所を割り出してみよう
奉利・聖
さて、ここからが重要ですね
泳がせて、されど逃げ切らせない…ギリギリまで動かさなくては
その為には常に位置情報をこちらが握る必要があるでしょう
そこから逃げる先を予測し、先回りまで出来れば最善だ
できるだけの速度を出しつつ<ダッシュ>しながら、パラドクスを展開
──『探気功』
位置の特定、追跡、痕跡の発見…これがあれば、それが可能になる
急いで下ろうと思えば、当然ながら痕跡を残さずに逃げるなど不可能
必ず残る…その道筋が
それを見つけ、繋げて、移動経路を予測して先回りしに行く
当然得た情報は【パラドクス通信】で共有しましょう
予測ルートが複数あるなら、協力してそこを潰すこともできる
追い込むのは我々の方だ
「撤退します! ディアボロスの殲滅よりも、彼等の情報を持ち帰るのです!」
アヴァタール級『美髯公の娘・関銀屏』は決断する。
ディボロス達のことを見くびっていたわけではない。けれど、槍を交えてわかったのだ。
彼等の神出鬼没なる方策。
その一端を己は垣間見た。ならば、この情報を己が理解できずとも己より上位たる者が理解できればいい。
武は確かに誇るものであったが、しかして戦というのは武だけで決定づけられるものではないからだ。
情報。
それこそが最も求められるのならば、迅速に自身が撤退しなければならない。
少なくとも彼女は自身でそう判断したと思っている。
けれど、事実は異なる。
ディアボロスたちの攻勢は敢えて『美髯公の娘・関銀屏』に『一刻も早く情報を持ち帰らねばならない』と思わせるものであったのだ。
「撤退するというわけね!」
彼女の決断に孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)は無双馬『星星』と共に追いすがるようにして駆ける。
けれど、クロノ・オブジェクト化された巨大蜘蛛の速度は凄まじいものだった。
今までその機動力を戦いに割いていたが撤退を決意した『美髯公の娘・関銀屏』は、さらに速度を上げる。
「ここからが重要ですね。泳がせて、されど逃げ切らせない……」
奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)のパラドクスが輝く。
ギリギリまで敵を泳がせなければならない。
この作戦において肝要なのは、『馬超』軍団の拠点を発見すること。
しかし、敵も愚かではない。
きっと『美髯公の娘・関銀屏』は拠点に一直線には向かわないだろう。こちらを撒くようにクロノ・オブジェクト化された大型蜘蛛の速度を活かして己たちを翻弄するはずだ。
だからこそ、追い詰めなければならない。
「探気功(ゴミサガシモード)……やはり一直線に拠点へと戻る愚策を取りませんか」
聖は敵がディアボロスの攻勢に恐れおののくのでもなく、愚かにも己が生命惜しさにがむしゃらに逃げ出すことをするような将ではないと理解する。
だが、それがわかればいい。
パラドクス通信で仲間のディアボロスたちに通信を走らせる。
「簡単に尻尾は出してはくれない、ということだな」
荒田・誠司(雑草・g00115)は罠設置:烟火網(トラップインストール・フレアネット)によって生み出された網の罠をパラドクスとして放つ。
それは『美髯公の娘・関銀屏』の騎蟲する巨大蜘蛛の脚へと引っかかり、その摩擦によって一気に燃え上がる。
炎に巨大蜘蛛がたじろぐようにして足を止める。
「私を逃さぬというわけですか」
振り払うように炎を消し飛ばし、大型蜘蛛が再び疾走する。
足止めによって稼がれた時間でリアが追いつく。
「逃さないわよ!」
彼女は撤退する『美髯公の娘・関銀屏』を見失いかけた演技をしている。
しかし、彼女は黒衣(クロゴノゴトクアンヤクスル)によって召喚した鴉の存在をそうすることで『美髯公の娘・関銀屏』からそらし続けている。
自分たちが追跡者であるというのならば、それ以外に意識を向けさせない。
そうすることによって彼女自身が泳がされているということを認識させないようにしているのだ。
さらにパラドクス通信によってリアたちは情報を共有している。
ディアボロスたちの会話がクロノヴェーダに傍受されないという最大の利点によって、誠司たちは『美髯公の娘・関銀屏』の撤退を妨害しつつ、『馬超』軍団の拠点を悟らせまいとする彼女の選択肢を潰していくのだ。
「追い込むのは我々の方だ」
聖は予測ルートを指示し、誠司がその直情にパラドクスの罠を張り巡らせ、潰す。
リアは付かず離れずの距離で肉薄しつつ、『美髯公の娘・関銀屏』の余裕をすり減らしていくのだ。
敵の所在は完全にはわからないだろう。
けれど、これが多く積み重なることによって『馬超』の所在が判明するはずだ。何一つ無駄にはならない。
刻一刻と状況は流動していく。
故にディアボロスたちは敵を一歩一歩確実に追い込んでいくのだ。
「ここらが限界かしら」
「逆に敵の軍団と鉢合わせになって合流されたのならば厄介だな」
「ここまで追い込めば、十分でしょう。情報は多い方がいい。ですが、こちらの情報を敵にみすみす渡す必要もありません」
ならば、とディアボロスたちは決断する。
これ以上は敵を逃す可能性がある。
ならば、此処でアヴァタール級『美髯公の娘・関銀屏』を打倒する。
その決意をみなぎらせ、一気にディアボロスたちは荒れ地を走る巨大蜘蛛の行き先へと回り込むのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
※残留効果活用
【パラドクス通信】で得た仲間の情報を頼りに
足止めに先行している仲間に合流して『関銀屏』へ再び迫る
今回は手加減なしだ
【水源】で得た大量の水で襲いかかり
その水圧で蜘蛛もろとも圧し潰そうと曝濫を叩きつける
まずは蜘蛛を獲って、その機動力を削ぐ
騎乗から落とせればこちらのもの
朱殷の闘気で刃を一層鋭く<武器改造>した偃月刀で
仲間と連携して畳みかける
反撃の投擲は軌道を【未来予測】と【神速反応】で<看破>して<薙ぎ払い>で弾けば
<ダッシュ>で近接して二投目をさせないように鍔迫り合いに持ち込み
仲間の攻撃を援護するように立ち回る
仲間にはディフェンスを
確実に討ち取るぞ
孫・リア
申し訳ないけどもう逃げられないわよ
覚悟……決める事ね、関銀屏殿!
皆とはパラドクス通信で連携を取りながら使える技能を使い、星星で騎乗しダッシュした勢いのまま『流星』でまずは蜘蛛を狙って攻撃!恐らく私達の攻撃で蜘蛛は耐えきれないだろうからそのめま銀屏殿は落馬……落蜘蛛?するだろうし
例え落蜘蛛してもすぐに体制を立て直してパラドクスを打ってくると思う、それを予測して行動、隙を見て偃月刀と槍で彼女を一気に倒すわ!
……私も偉大な父を亡くした経験あるし到底追いつけない歯がゆさもわかる、だけどそれでも負けるわけには行かないのよ
【アドリブ共闘歓迎】
奉利・聖
さて、大詰めといったところでしょうか
追い詰めたぞ…と言いたいところですが、騎乗した奴は強い
単純な機動力勝負では分が悪いのは確かです
ならばチャンスを作り、そこから崩すまでだ
【トラップ生成】で、不可視の拘束罠を配置しましょう
騎乗して戦い、利を活かすのならば必ず動き回ってくるはず
そして騎乗中は足元の視認性も悪くなる…そこが隙だ
踏んだ瞬間が勝負 止められるのはほんの一時だ…そこで刺す
──『幻気功』
惑わしの気は確かに、お前にぶつけられた
立ちはだかる敵を倒しているように見えるだろうが、その実僕の幻のコントロール下にある
支配できれば機動力も意味が無い…その首を落として、ここで仕留めてやろう
戦いは終わりに近づく。
アヴァタール級『美髯公の娘・関銀屏』はクロノ・オブジェクト化された大型蜘蛛を手繰り、一気に離脱を試みる。
圧倒的な速度を誇る大型蜘蛛は、確かにディアボロスたちの追撃を躱すことができたかもしれない。
けれど、彼等は彼女の進路方向へと回り込む。
撤退を許さぬ、ということは彼女が持つ情報がディアボロス側にとって都合の悪いことであることがうかがえるだろう。
「だからこそ離脱せねばならぬというのに……!」
だが、次の瞬間、大型蜘蛛の脚がガクリとなにかに躓いて体制が崩れる。
騎蟲した上で『美髯公の娘・関銀屏』は何事かと目をむく。
そこにあったのは奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)が仕掛けた拘束罠であった。
それ事態に大型蜘蛛を止めるほどの拘束力はない。
けれど、一瞬。
ほんの一瞬でも動きが止まったのならば。それで十分だとディアボロスたちが迫る。
「申し訳ないけどもう逃げられないわよ」
孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)が無双馬『星星』と共に大地を疾駆する。大地を蹴る『星星』の蹄が地面を日罅割らせて一直線に『美髯公の娘・関銀屏』へと肉薄する。
「ディアボロス! 私がこの窮地を逃れられぬとでも!」
放たれるパラドクスの輝き。
大型蜘蛛の背を蹴って己の翅でもって飛翔する彼女の手にした大鎌槍の一閃がリアの手にした偃月刀に激突し、さらに吹き荒れる衝撃波が彼女の身体を切り裂く。
さらに迫る聖の拳が『美髯公の娘・関銀屏』へと迫る。
自然のエネルギーを内功によって体内へと浸透させ、混ぜ合わせることによって発露するパラドクスの一撃。それを彼女は受け止めながら、返す刃で一瞬にしてディアボロス二人を相手取ったのだ。
血潮が噴出する。
痛みが走る。けれど、リアの瞳にあったのは。
「覚悟……決める事ね、関銀屏殿!」
「覚悟、ですって!? この私に決死の覚悟を決めろと?」
笑わせるとリアと聖の血潮が彼女の頬を濡らす。パラドクスの一撃を防ぎきれぬ者がどうして、己に決死の覚悟を決めさせようというのかと嘲笑する。
けれど、彼女はすぐに気がついた。
己が足場にして迫るリアと聖に如何にして襲いかかったのかを。
そう、彼女は大型蜘蛛を足場にしてリアへとパラドクスの一撃を見舞った。しかし、これは逆接連鎖戦。己に対する反撃は即座に行なうことが出来る。
けれど、リアのパラドクスは己に飛んでくることはなかった。
いや、それ以前に。
「まさか!」
「もう遅い。幻気功(マドワシオソウジモード)……惑わしの気は確かにお前にぶつけられた」
「足止めの助力、感謝する。御二方」
夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)が追いすがる。
二人のパラドクスが『美髯公の娘・関銀屏』の足を止め、そして彼女の脚となっていた大型蜘蛛とを引き離した一瞬を彼は見逃さなかった。
敵を撤退させないこと。
倒し切ることは言うに及ばず。されど、脚が残っているのならば、万が一にも逃げられる可能性がある。
ならば、ディアボロスたちがせねばならぬことは。
「騎蟲が最初から狙い……!」
だが、逃げられるはずだ。己が離れたとて、己の脚として荒れ地を掛けてきた大型蜘蛛ならば。
しかし、其れはならなかった。リアの放った無双馬の突進力を得た一撃は大型蜘蛛の脚部を貫いていたのだ。
一脚を失ったとは言え、まだ動ける。
「圧し潰す」
その言葉と同時に錬晏の瞳がパラドクスに輝く。
彼の背に負った玄武の加護が同時に強く熱を持つように煌めく。
何処からか現れる圧倒的な水。
それは吹き荒れる大河を連想させることだろう。
「玄水曝濫(ゲンスイバクラン)……例えどれだけ、その大鎌槍の穂先が鋭かろうが、この水の流れを前にして抗うことなどできようはずもない」
放たれる鉄塊の如き水が大型蜘蛛を押しつぶし、叩きつけられる。
「ギィッ――
……!!」
「ちっ……もとより狙いは私ではなく……!」
「覚悟を、と言ったはずよ! 関銀屏殿!」
迫るリアの瞳を『美髯公の娘・関銀屏』は見ただろう。そこにあったのは一戦一戦に己の生命を賭けるような懸命さであった。
「この期に及んで私を追い詰めたつもりであるというのなら!!」
投擲される大鎌槍が空中で分裂してディアボロスたちへと雨のように襲いかかる。
その雨の中を錬晏は駆け抜ける。
一度見た。故に、彼は一気に間合いを詰める。パラドクスの一撃を受けながらも、しかし止まらない。
今の彼にとって、一秒先の未来は見えている。
些細なことであったのかもしれない。
けれど、それでも己たちの戦いは繋ぎ、紡ぎ、絆ぐものであるというのならば、彼は見ただろう。残留効果が連鎖して繋がっていく光景を。
その光を手繰るように聖が踏み込んでいたのを。
「……ここまで、私が肉薄されるなど!」
「お前の最大の失敗は、即座に撤退を選ばなかったこと。ディアボロス憎しで眼が曇ったこと。そして……僕の一撃を受けてしまったことだ」
振るう拳は自然エネルギーと体内のエネルギーが合わさり溶け合った気を込めたもの。
放たれる拳はパラドクスとなって『美髯公の娘・関銀屏』の胴を捉え、吹き飛ばす。
さらに駆け込むは錬晏の偃月刀。
描く斬撃の軌跡は血染めの如き朱色。大鎌槍と偃月刀の剣戟の音が戦場に響き渡る最中、彼女の耳に届くのは大地を揺らすかのように強烈な蹄の音。
「……ッ! ディアボロス!」
「……私も偉大な父を亡くした。いつだってあの背中を追い続けている」
リアは剣戟の最中に呟く。
それが届いたかはわからない。
けれど、届かせねばならぬ刃は己の手の内にある。己の心は燃える。己の瞳は輝く。
パラドクスと懸命に生きねばならぬという思いに。
故にリアの手にした偃月刀が『美髯公の娘・関銀屏』へと向けられる。大地を蹴った轟音が響いた瞬間、地に走るは、流星(リュウセイノゴトクカケヌケル)。
「追いつけない。その歯がゆさも分かる、だけどそれでも負けるわけには行かないのよ」
踏み込む。
ディアボロスたちが紡いできた残留効果を手繰るようにして星の輝き放つ偃月刀の切っ先が『美髯公の娘・関銀屏』へと叩き込まれる。
炸裂するパラドクスの輝きは、ディアボロスたちの力の発露。
「ぐ、ぁ……あ、ああ……申し訳、ありません、『馬超』、殿……ちち、うえ……」
吹き荒れる力が『美髯公の娘・関銀屏』の身体を掛けめぐり、その身体を内側から弾けさせ彼女を荒れ地に沈める。
その血潮はまるでディアボロスたちが求めた『馬超』軍団へと至る道筋を示すように伸びていく。
今は届かなくとも。
けれど、確実に一歩を踏み出したことをディアボロス達を知るのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!