リプレイ
冰室・冷桜
おーおー、こりゃまた厳重さが他のディビジョンと比べてもすごいわね
そんだけ奴さんらにとっても本気の場所ってーことなんでしょうけれど
現代地球パワーの見せ所ってーとこかしら
目立ちにくい地味な色のウェットスーツにゴーグル、酸素ボンベも用意してー
パラドクスなしで重装備はきちーけど、潜水するならボンベは命綱
小型の予備もしっかり持ち込むわ
んで、潜入は目立ちにくい様に日が暮れてから
不自然じゃないてーどに大きめの木を上流の方から流木として流して、拠点が見えてくるギリギリまではボンベは節約しながら流木に隠れて水面から様子を窺いながらいきましょ
限界だと判断した時点で潜水して、そっからは水路に向かって侵入しましょう
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
鄴へ直接の潜入は叶わなかったが、まさか白馬に秘密があるとは…
曹操様が中原を統べるきっかけとなった戦の舞台
何があってもおかしくない。用心しよう
案内人の忠告にしたがい
PDや残留効果は使用しないように注意
物資の運搬に紛れて水路から侵入すればいいのか
過去の<戦闘知識>から、戦で使われそうな木を見繕い
黄河の上流から流木として一緒に流れる
人や蟲の気配がするギリギリまでは流木の陰で水面から顔だけ出し、頃合いを見て水中へ
川底の砂を巻き上げないように注意しながら泳ぎ、流木と一緒に水路へ
人の気配がしないことを確認して慎重に水面から顔を出し
見える限りで<情報収集>して、次の行動に備えよう
エレオノーラ・アーベントロート
何かがあると言われても、何なのでしょうね。
クロノ・オブジェクトか蟲将か……もしかしたら、パラドクスを使用したことを察知しているのも同じものかもしれませんわね。
地味なお仕事ですけれど、ドイツではよくやっていましたわね。
この後の破壊工作ができないのが残念ですわ、うふふ。
夜の闇を利用して潜入。
敵拠点は多少は灯りが付いているでしょうし、それを目印に闇夜に紛れて流木に隠れて河を下り、引き込み水路へ分かれるところで流木と別れて水路へ。
水路内では潜水し、息継ぎはできるだけ暗がりの水路の壁沿いで。
上陸できそうな場所があれば周囲の様子を探り、人や蟲将の気配が無くなったら音を立てないよう、かつ素早く上陸しますわ。
八百陣・葵漆
パラドクスも残留効果も使えないか……
ここはガジェッティアの腕の見せ所かな?
『アイテムポケット』はダメとしても
手持ちの道具やちょっとした部品なら持ち込めるだろう?
方法はシンプルに、流木につかまっていこう
とはいえ、ただ一緒に流されるだけじゃあ芸がないし、見つかる危険もある
持ち込んだ道具と合わせて、少々流木を改造しようか
まずは穴をあけて管を指し、即席のシュノーケルを内蔵
これで流木の裏につかまっていても大丈夫だ
それから持ち込んだスクリューを装着して操縦できるように
このスクリューは分離させて、水中スクーターとしても使えるよ
この即席の船?で拠点に接近したら
分離させた水中スクーターを使って水路から潜入するね
●
「おーおー、こりゃまた厳重さが他のディヴィジョンと比べてもすごいわね」
黄河の支流を挟み、遠目に拠点を眺める冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)が思わず声を漏らした。
「そんだけ奴さんらにとっても本気の場所ってーことなんでしょうけれど」
「ああ、そうだな。まさかこの白馬に秘密があるとは……」
鄴への潜入を提案していた本人である夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)が相槌を打つ。
結果として直接の潜入は叶わなかったが、その足掛かりを得ることは出来た。それがこの、白馬の地。
(「曹操様が中原を統べるきっかけとなった戦の舞台……」)
蟲将としての曹操ではない。錬晏が知る人の王、魏王としての、曹操。
その曹操飛躍の地を今、その名を簒奪した蟲の王も、要所と定め備えを置いている。となれば。
「何があってもおかしくない。用心しよう」
「勿論ですわ。しかし何かがあると言われても、何なのでしょうね」
頷きつつも、ふむと思案するエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)。
何か、とはまた余りに抽象的な表現だ。勿論、本当にそうとしか言い表しようがないほど、詳細がはっきりしなかったということなのだろうが。
(「クロノ・オブジェクトか蟲将か……もしかしたら、パラドクスを使用したことを察知しているのも同じものかもしれませんわね」)
幾つかの答えは考えられるが、今は全て推測に過ぎない。
だからこそ、真実を知るため、エレオノーラたちディアボロスは、ここに来たのだ。
「……とは言え、時先案内人の忠告もある」
「そうだねぇ、パラドクスも残留効果も使えない、か……」
八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)も、錬晏と同じことを思い返していた。
潜入から情報収集まで、超常の力に一切頼らず行わなければならない。少々骨が折れるが、いつも以上に工夫を凝らして、ことに当たるしかない。
さぁ、準備を始めよう。ディアボロスの力はパラドクスだけではないと、敵に思い知らせてやるのだ。
●
「潜入は目立ちにくい様に日が暮れてからにしましょ」
「ええ、夜の闇を利用しない手はありませんわ」
冷桜とエレオノーラの提案で、決行は夜に。
それまでに、準備を万端に整えなければ。
「物資の運搬に紛れて水路から侵入すればいいのか。となれば……」
錬晏は河を注視する。幾つかの流木を回収し、武人としての知識と経験から、戦で木材として使われそうな木を見繕う。
人数分を選別し、改造を申し出た葵漆の元へと運び込む。
「ここはガジェッティアの腕の見せ所かな?」
アイテムポケットに頼らず持ち込める道具や物品を並べ、葵漆は吟味する。
「さて、改造を始めようか。ただ流木に掴まって一緒に流されるだけじゃあ芸がないし、見つかる危険もあるからね」
少しでも負担が減るような、工夫を。
まずは穴をあけて管を指し、即席のシュノーケルを内蔵。これで流木の裏に掴まっても、呼吸に困ることはないだろうし、そのままシュノーケルを使うよりも発見されにくくなる筈だ。
(「それから持ち込んだスクリューを装着して操縦できるように……と思ったけど」)
「結構音が鳴りますわね」
エレオノーラの指摘通り、駆動音がネックだった。
確実に聞き咎められるとは言い切れないだろうが、用心するに越したことはない。
「スクリューを分離させて、水中スクーターとしても使えるように出来れば便利かと思ったけど。まぁ、仕方ないね」
しかし、シュノーケルを内蔵するのは間違いなく名案だった。長く潜水していなければならない場面に遭遇した時、確実に役に立つ。
「……すくりゅー……すくーたー……」
そんな葵漆の作業を見ながら、冷桜は錬晏が目をぱちくりとさせているのに気がついた。確かに彼の生きた時代、そのようなものは存在していなかっただろうなと納得する。
さて、そんな一幕もありつつ。
冷桜もまた、準備のために身を隠せる物陰へ。
(「こっちはこっちで、現代地球パワーの見せ所ってーとこかしら」)
ぱさぱさと服を脱ぐ。と言っても、その下には目立ちにくい地味な色のウェットスーツを装着済み。更に用意していたゴーグル、酸素ボンベもセット。後者は小型の予備も抜かりなく。
(「潜水するならボンベは命綱だしね」)
先程のシュノーケルもあるが、ボンベがあるのとないのとでは、当然あった方が安全だ。小型のボンベは万一の場合、貸し出すことも出来ることだし。
「地味なお仕事ですけれど、ドイツではよくやっていましたわね。……この後の破壊工作ができないのが残念ですわ、うふふ」
日の傾きを確認しながら、エレオノーラは不敵に微笑む。
決行の時間は、近い。
●
「じゃ、流すわね」
「おっけー。いつでもいいよ」
天の群青が、星を纏ってその帳を下ろす頃。
拠点の上流から、冷桜たちは流木をそっと流した。距離があるとは言え、出来るだけ音を立てないよう、慎重に。
敵はやはり、パラドクスや残留効果による潜入にのみ警戒を強めているようで、そうではない方法による侵入に対しての備えは特段強化はしていないようだ。灯りも変わらず灯っているようで、夜闇の中でもその存在を示している。
「思った通りですわね。灯りを目印に近づいていきましょうか」
まずはエレオノーラが流木に掴まり、河の流れに乗って拠点への接近を開始した。仲間たちもそれに倣い、後に続く。
皆、流木の影に隠れながら、時折泳いで方向を調節しつつ、基本的には少しでも消耗を抑えるべく、流れに任せる形で徐々に近づいてゆく。
(「本格的に拠点が見えてきたわね」)
僅かに顔を上げる冷桜。遠目で眺めていたのとは違い、今ははっきりと輪郭が見えてきている。
だが、油断せずに。ここからは、より慎重な動きが求められてくる。
そろそろボンベの使用も考慮に入れつつ、冷桜は潜水。同じように水中に姿を消した仲間たちと共に、水路へと侵入した。
(「……水路が複数あるな」)
人の気配がしないことを確認し、錬晏が水面から顔を出した。どうやら同じことを考えていたらしいエレオノーラも、同じように。
暗がりに寄りつつ、流木の影も利用して身を潜め、気配を探る。
「……右側の幾つかの水路からは足音が聞こえますわ。その内の一本からは話し声も聞こえます。随分と余裕ですわね」
「……左側は……比較的物音は少ない、か。一番静かな水路を選んで進もう」
二人の先導で、更に奥へ。
物音のしなかった水路へと入り込む。が、エレオノーラがここでストップをかけた。
「……人足が二人いますわね」
物資を引き込む役割の者だろう。水面へと目を向けている。
あの人足たちの目をどうにかしないことには、目撃されず潜入することは叶わない。しかし、ならばどうしたものか。今は見られていないようだが、流木が長いこと一所に留まっているのも不自然だ。
「……どうしよっか」
ぽつりと葵漆が呟く。
こうしている間にも、消耗していく。余り時間をかけるべきではないが。
「皆、しゅのーけるなしで少し潜水出来るか」
「まぁ最悪ボンベ貸すわよ。一人分しかないけど」
答えを確認し、錬晏は管を抜き取った流木だけを先に流した。穴は残ってしまっているが、然程目には留められないだろう。そして流木『だけ』であれば流れてきても不思議ではないし、何よりも。
「ん? ……木か。木材には使えそうかな」
「じゃあ、運び入れるか。何本かあるから一緒に行くか」
「だな。少しくらいなら離れても大丈夫だろ」
搬入のために、人足たちがその場を離れた。
その僅かな時間を縫って、一同は急ぎ拠点内へと滑り込んだ。急ぎ水路から離れ、拠点内の手近な物陰に身を隠す。何とか、見つかる前に入り込めたようだ。
ひとまず、潜入は成功した。だが、本番はここからだ。
出来るだけ有益な情報を得て、持ち帰るのだ。勿論、全員が無事で。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【通信障害】LV2が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
エレオノーラ・アーベントロート
『警備が特に厳しい場所の特定』を調査しますわ。
陳留の戦いもそろそろ決戦が始まりそうですし、巧遅よりも拙速でこちらから仕掛けたいところ。
そうなると、どこにどう攻め込めばいいかの情報は重要ですわ。
パラドクスが使えないのは不便ですわね……
こんなに昔ですと最終人類史での地図もありませんし。
引き続き夜の闇に紛れて警備の目を掻い潜り移動しますわ。
蟲将も夜行性のものだけではないでしょうし、警備をするにも灯りは必要なはず。灯りが多いところは蟲将が多いところ、蟲将が多いところは重要地点とあたりを付けて調査を。
重要地点の場所とその入り口、街の外からそこへと侵入するための経路候補くらいは見繕っておきましょうか。
●
夜の帳をひらめかせ、滑るように潜む影ひとつ。
(「陳留の戦いもそろそろ決戦が始まりそうですし、巧遅よりも拙速でこちらから仕掛けたいところ……」)
エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)がそう考えるのは、ごく自然な流れであった。
(「そうなると、どこにどう攻め込めばいいかの情報は重要ですわ」)
闇夜に紛れ、警備が特に厳しい場所を探るべく、エレオノーラは動き出す。
元レジスタンス時代の経験が生きる。光と影を意識して、無駄のない経路を選び取り、辿る。
(「こういう時にパラドクスが使えないのは不便ですわね……」)
改めて、パラドクスや残留効果の利便性を実感する。
とは言え、エレオノーラも敵の動きや備えに目星はつけてある。
蟲将も夜行性の者ばかりではなく、警備をするにも灯りは必要な筈だと踏んで、灯りが多いところに向かっていく。そこには蟲将も多い筈、ならば即ちその場所こそ、警備の厚い場所である筈だと。
そうして調査を進め判明した厳戒地点は、拠点の中心。中心に向かうに連れ、人員の配置は多くなり、それに比例するだけの目が光っている。
やはり特殊なクロノ・オブジェクトなどが存在しているならば、拠点の中央に設置されている可能性が高いだろう。
……だが、エレオノーラは調べる内に、それとはまた別の引っ掛かりを覚えた。
(「潜入した直後より、拠点内が浮足立っていませんこと?」)
ディアボロスの潜入は、パラドクス頼りのものの筈。
そういった油断が敵にあったのは、間違いないだろう。
だが、それにしても、先程と比べて明らかに、兵たちがざわめき、慌てたような動きをしている。中には、慌ただしく拠点内を駆け回っている者もいるようだ。
果ては中心部の警備の人員までもが、忙しなく入れ代わり立ち代わりしているようにすら見える。
もしや仲間の潜入が発覚したかとも一瞬考えたが、それにしては交戦時特有の怒号や衝撃音の類は聞こえない。
これはまるで、何かの準備を急ぎ進めているような……。
(「……妙な胸騒ぎがしますわね」)
杞憂であればよいのだが。
不穏な気配を感じつつ、エレオノーラは一度、人気のない地点まで下がるのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
冰室・冷桜
『敵の指揮官や戦力の規模』について調査
奴さんの戦力次第でこっちが取る今後取る作戦の方針も変わってきますからね
さーて、無事に潜入までは繋げられたわけですが
何がでてくるやら
相変わらずパラドクスは使えんし、まずは物影に潜んで様子を窺う
一般人もいるってー話だけど、どんだけ居るか分からんしね
数が少なけりゃ顔見て一発でバレるかもしれん
ま、基本は人にも蟲将にも見つからんように中を歩いて探っていきましょう
兵士の会話とか話し声が聞こえたら、指揮官の名前とかそこら辺が聞こえてこないか聞き耳を立ててーと
戦力の規模は守りを固めてそうな門や外周部、中を見回ってる数を調べてきゃ推測できますかね
●
(「さーて、無事に潜入までは繋げられたわけですが。ここから何がでてくるやら……」)
それはまさに、鬼が出るか蛇が出るかの闇の中。
冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は、拠点を見渡すようにしながら、物陰に身を隠しつつ進んでいた。
彼女が探っているのは、この拠点に配置された敵の戦力の規模。そして、奴らを率いる敵の指揮官の存在だ。
(「奴さんの戦力次第でこっちが取る今後取る作戦の方針も変わってきますからね、っと」)
何やら急いだ様子で走っていく兵士から、咄嗟に身を隠す冷桜。
(「しっかしさっきから何か……兵士の動きが変わったような……?」)
結果として巡回の目が薄くなったのは、このパラドクスが使えない状態では助かりはする、のだが。
まさか、罠だろうか? しかしそれにしては、泳がされているような違和感はない。何より、仲間の潜入が発覚したような様子もない。だが……。
(「上手く言えないけど、何かがおかしい」)
しかし今は、その違和感の正体は掴めない。
ならば当初の予定通り、やるべきことを。まずは、敵の規模だ。
敵の気配に注意しながら、少しだけ物陰から身を乗り出す。そして改めて周囲を見晴らせば。
(「いや思ってたより多くない?」)
これだけの拠点であれば数はいるだろうと予測はしていたが、その想定を上回る多さだ。陳留に集められた軍勢すら凌駕すると言ってもいいかも知れない。
(「……でもじゃあ逆に、この軍勢を陳留に移動させずにここに留めてる理由って何?」)
思案する。それと同時に、人の気配と近づいてくる話し声。
冷桜は反射的に身を隠して、耳をそばだてた。
「曹真大都督の命令だって?」
「ああ、急ぎ準備せよとの通達だそうだ」
曹真。史実によれば、かの曹操が我が子同然に扱い、やがては魏の大将軍にまで昇り詰めた名将だ。
尤も、蟲将としての曹真がどういった存在なのかは、今はまだ未知数だが。
更なる情報を得たいところではあったが、兵士たちはさっさとその場を離れてしまった。
(「その曹真の命令、準備とやらとこの慌ただしさ……もしかしなくても関係してる、わよね」)
何かが起きようとしている。
恐らくは、時先案内人ですら予見の出来なかった、何かが。
大成功🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
なんとか潜入できたが、まだ安心するのは早いな
まだパラドクス通信も使えないし、調査時間は区切ろうか
おおよその合流地点も決めて、事前に打ち合わせた通りの調査へ
俺は生前の知識を生かして『軍の編成や装備を調べ、敵の作戦を推測』しよう
漢服であれば違和感は少ないだろうが大籠手は外しておく
用心は欠かさずに行動
すれ違う兵士から、兵服や武具の支給場所を聞き
そこに向かう最中で陣の様子を観察して軍編成を把握
武具庫では配給係と世間話をしつつ中を観察して<情報収集>
まずは出来る限り事実をかき集めることに専念
情報を整理するのは新宿島に帰ってからだ
合流前に戦闘が始まるなら、こちらも騒ぎを起こして〈撹乱〉を
●
夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)の双眸が、周囲を鋭く睨めつける。
(「なんとか潜入できたが、まだ安心するのは早いな」)
それに、先程から何やら拠点内の様子がきな臭い。慎重に、しかし急ぎ調査を終えなければ。
国と時代に則した出で立ちを活かし、偶然すれ違った体を装い移動中の兵士たちに近づいた。軍の編成や装備の情報が得られれば、敵の作戦も推測出来る筈だ。
「さっさと準備しねぇと、将軍にせっつかれるぞ」
「解ってる。しかし、俺たちもいよいよか……」
彼らを見送り、錬晏は気づく。
一般人の兵士が連れてこられている中、蟲将のみで編成された戦闘部隊の姿が見受けられる。戦闘をこの部隊が担うのだとすれば、一般人の兵士は何のために動員されているのだろうか。
それに拠点内には、攻城兵器が多く配置されていた。まるで、この軍勢は拠点を守るのではなく、どこかを攻めようとしているような。しかし、どこを?
錬晏がそこまで考えを巡らせた、まさにその瞬間だった。
「聞け!」
高らかに、声を張り上げる者がいる。
その姿は、紛れもなく蟲将のそれ。
(「……曹休……!」)
まさに、この拠点に配置されていると聞いていた、アヴァタール級!
幸いにして錬晏たちディアボロスの存在にはまだ気づいていない様子の曹休は、したり顔で言葉を続けた。
「既に通達が行き渡っていることと思うが。我々はこれより、かねてよりの計画であった挟撃作戦のため、全軍を挙げて陳留への進軍を開始する!」
(「ッ!?」)
白馬と、陳留による挟撃作戦。
ならば、背後から攻められようとしているのは……!
「ディアボロスどもめは陳留の攻略に心血を注いでいることだろう。その背後にこの大軍勢をぶつけられれば、ひとたまりもあるまい。この作戦により、奴らを確実に壊滅せしめるのだ!」
蟲将部隊が、士気高く鬨の声を上げる。
対して、錬晏は逸る心をどうにか抑えつけていた。
(「忌々しき事態になったな……!」)
軍勢の規模は、陳留の魏の軍勢よりも強大である可能性が高い。
恐らくこの軍勢は本来、呉や蜀を滅ぼすために用意されたものだったのだろう。それを利用して、ディアボロスを確実に滅ぼすつもりのようだ。
(「陳留に侵攻し、魏のジェネラル級との決戦を行なっている最中に、背後からこの大軍勢が現れるようなことがあれば……」)
間違いなく、ディアボロスは敗北する!
大成功🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
●
その時だった。
「む……? 貴様、見ない顔だな」
曹休の眼がぎょろりと光り、ディアボロスの一人を目敏く射抜く。
流石にこれだけの将兵の顔を全て覚えているわけではないだろうが、他の一般兵とは違う雰囲気を感じ取ったらしかった。
「侵入者か! さては貴様……ディアボロスだなッ!!」
見つかった!
すぐさま、トループス級の部隊のひとつが追撃部隊として曹休に追従する。
曹休は矢を番え、ディアボロスへと狙いを定めた。
「まさかパラドクスなしに乗り込んでくるとは、信じられん。だが、ここまでだ。作戦を知られた以上、生きて白馬を出られぬと知れ!!」
それに倣い、トループス級の蟲将らも一糸乱れぬ動きで槍を構える。
最早、パラドクスの出し惜しみも不要。奴らを突破せねば、脱出は不可能だ。やるしかない。
だが、奮起するだけの理由がディアボロスにはある筈だ。
この拠点の調査中に、陳留の攻略が完了した。だからこそ、敵は大きな動きを見せることとなり、この極めて重大な作戦の情報が、ディアボロスの手に渡ることとなったのだ。
だからこそ、必ず生きて白馬を逃れ、帰らなければならない。
急ぎこの情報を、仲間たちにもたらすために!
エレオノーラ・アーベントロート
ふぅん。なるほど。
うふふ、でも――きっとまだ、何かが足りませんのよね?
許昌の六将に曹丕を失い、陳留周辺に大量の拠点を作って時間稼ぎをしていたんですもの。
まぁ、そんなことはどうでもいいことですわね。
せっかく愉しくなって来たんですもの。
こんな後方で退屈していたところでしょう?
後ろでプルプル震えているだけの腰抜けじゃないというところを見せて下さいませ。
電磁レールガン「フェアレーター」より「第三十八の魔弾【蹂躙】」を投射。レールガンの連射による制圧射撃で突撃してくる敵をブチ殺していきますわ。
こちらまで辿り着いた敵の槍は受けられるものはフェアレーターを盾にしましょう。
うふふ、盛り上がってきましたわね!
●
曹休の青みを帯びた黒の眼はディアボロスたちを捉え、爛々と憎悪の光を宿す。
追従するトループス級の蟲将部隊も既に臨戦態勢で、逃げるにしても衝突は避けられない。
だが、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)が冷静さを欠くことはなく。寧ろその口元は変わらず、大胆不敵に弧を描いたままで。
「ふぅん。なるほど。うふふ」
そんな彼女の様子に、硬殻兵らが僅かにたじろいだ様子を見せた。
敵陣の最中でその余裕。只者ではあるまいと。
「でも――きっとまだ、何かが足りませんのよね?」
魏は戦いの果てに許昌の六将、そして曹丕を失い、陳留周辺に大量の拠点を作って時間稼ぎをしていたのだから。
荀彧の目論見は、果たしてどれだけ挫けたものだろうか。そんなことを一瞬、エレオノーラは考えたものの。
「まぁ、そんなことはどうでもいいことですわね。せっかく愉しくなって来たんですもの」
今、答えの出ないことを考えていても仕方がない。
「こんな後方で退屈していたところでしょう?」
エレオノーラも、同じだ。
情報を得るだけでなく、その情報を活かして奇襲、撹乱、そして破壊。それこそが、元レジスタンスとしてのエレオノーラの得手とするところ!
「さぁ、後ろでプルプル震えているだけの腰抜けじゃないというところを見せて下さいませ」
「おのれ! 愚弄するか!」
硬殻兵らは怒りに震え、今にもこちらに襲いかからん構えだ。
だが、エレオノーラの方が速い!
「【蹂躙】解放、纏めてブチ殺してさしあげますわ!」
フェアレーターに装填された第三十八の魔弾が、足並み揃えて一直線に突撃してくる硬殻兵らを粉砕する!
「く……っ、怯むな! 必ずや討ち果すのだ!」
果敢にも、いや無謀にも傷ついた身体で突撃してくる個体もいたが、白銀の砲身はそれを許さず頑なに阻む。
ガン、とぶつかり合う金属の音と同時にエレオノーラの肩が衝撃で僅かに震える。
だが、それだけだ。
「うふふ、盛り上がってきましたわね!」
撤退戦とは言え、やはりこうでなくては!
戦線を押し下げつつも、エレオノーラの戦意は失せず。
せめて追撃部隊だけでも、ここで潰す!
大成功🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
八百陣・葵漆
陳留を挟み撃ちか……
挟撃は兵法の常道だけど、やられる側になってはたまらない
ここは何とか撤退して情報を伝えないといけないね
あの構えは……放電してくるつもりだね
ちょうど水路も近くにある
なら、これでいこうか……『青龍水計』!
操る水流で敵の放電を受け止めよう
そして地面につけた青龍の尾をアースとして、敵の電撃を受け流すよ
その後はそのまま、水流を敵にぶつけて攻撃だ
びしょ濡れになれば、次の放電もやりにくいだろう?
敵を蹴散らし、脱出への突破口を作り出すよ!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
※残留効果活用
総大将を囮にするか
『曹丕』すら我らを引き付けるための策だったとしたら
随分と前から相手の術中に嵌っていたことになる
(やってくれたな…!)
内心で毒づきつつ、素早く周りの状況を〈情報収集〉
蟲将らの位置と一般兵の位置を素早く把握する
いつもの装備に加えネメシス化
黒い靄が胸当て、佩楯を形成する
「復讐者、夏候・錬晏!死にたくなければ道を開けろ!」
<大声>で一般兵らを一喝し戦闘に巻き込まないよう遠ざける
蟲将が一般兵に危害を加えるのは見逃さず【神速反応】
多節鞭で得物を巻き上げ偃月刀の一撃を
【トラップ生成】の爆竹と煙幕で場を<撹乱>しながら立ち回る
この場を切り抜けるぞ!
●
「しかしまさか、陳留を挟み撃ちか……」
「その上、総大将である曹操すら囮にするとはな」
八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)と夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は並び、追撃部隊のトループス級である硬殻兵らと相対していた。
「挟撃は兵法の常道だけど、やられる側になってはたまらない。ここは何とか撤退して情報を伝えないといけないね」
そう。葵漆たちが帰還出来なければ、決戦に向かうであろう大勢の仲間たちの命すら危ないのだ。絶対に、ここで倒れるわけにはいかない!
「何をぶつぶつ言い合っている。観念しろディアボロス!」
「そう言われてこの首、易々とくれてやるわけにはいかん」
錬晏が一歩、進み出る。
一般人の兵士や人足を巻き込まないよう、蟲将らとの位置、距離をざっと確認しながら。
(「『曹丕』すら我らを引き付けるための策だったとしたら。我らは随分と前から相手の術中に嵌っていたことになる」)
我知らず、ぎりと歯噛みし僅かに軋んだ。
(「やってくれたな……!」)
内心で毒づくと同時、黒い靄が吹き上がる。
復讐の神の力が、ありありと生前の武装を再現した。
「復讐者、夏候・錬晏! 死にたくなければ道を開けろ!」
その一喝に、ひぃと小さく悲鳴が上がる。
人間たる彼らは遠巻きに眺めるのみに留まるが、蟲将らは臆することはなかった。
だが、そんなことは想定内。錬晏もまた、黒龍宿る偃月刀を構え、隙は決して曝さない。
そんな中、慎重に敵の動きを観察していた葵漆が、あることに気づく。
(「あの構えは……放電してくるつもりだね」)
敵の一部が、槍の穂先に青白い光を集め始めたのだ。間違いなく、あれは雷光。
パラドクスでの攻撃を、回避することは不可能。だが、防ぎ打ち消すことは出来る。そして葵漆は今、そのための条件は整っていると確信した。
(「ちょうど水路も近くにある。なら、これでいこうか……」)
錬晏へと目配せひとつ。放電する敵は受け持つと。意図は、伝わった筈だ。彼が頷くのが見えた。
別の構えを見せる敵を、彼に任せて。迫り来る蒼雷へと意識を集中する。
光が葵漆の身を貫くと思われた、まさにその時!
「青龍水計!」
怒涛の如き水流が、まさに青龍の姿を取って、雷を呑み込むように迸る!
そのまま、龍と化した流れは敵をも呑み込み、ねじ伏せた。電流も葵漆の狙い通りに流れてゆく。
「後は……」
葵漆が錬晏の動向を確認しようとした、その瞬間。
「うおっ!?」
敵から、驚愕の声が上がった。
突如、敵の周囲で爆竹が爆ぜ、生じた一瞬の隙で煙幕が張られる。
何が起きたのか、葵漆はすぐに理解した。
(「全く、無茶をする……!」)
錬晏が、攻撃を引きつけてくれている。
反撃を受けながらも、それを多節鞭で捉え、的確に偃月刀の一撃で薙ぎ払っているのだ。
研ぎ澄まされた集中力が、数多の戦を戦い抜いた戦乱の記憶が、それを可能にさせている。煙晴れようとも残像が惑わす。戦慣れした武人の働きで、着実に敵の数を減らしてゆく。
そして、反撃がなくなったことを包囲の瓦解と錬晏は判断した。今なら切り崩せる。
今度は、錬晏から葵漆へと言葉なき合図を。ただ、それだけで充分だった。
今、ディアボロスたちの心はひとつだ!
「この場を切り抜けるぞ!」
「よし、このまま蹴散らして、突破口を作り出すよ!」
必ず、帰還する。
白馬の地に集った皆で勝ち取った、この情報と共に!
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【水源】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
湯上・雪華
絡み、アドリブ等完全受け入れ
重傷描写大歓迎
撤退のお手伝い、ですね
これからの進展に関わる大事な情報もある、と
なら、なおのこと無事に戻れるよう道をこじ開けましょうか
渇望抱く伽藍、参ります
弓矢を扱うのであれば間合いに入ることを考えないとですね
痛みは伽藍にくべてしまえば平気ですからね、全力で一太刀浴びせにいきましょう
前で動き続ければ敵の注意を引きつけられるはず、隙を作れれば充分な働きでしょうか
盾として揺動として動き続けますよ
●
ディアボロスたちを逃がすまいと迫る追撃部隊。
だが今や、残るは指揮官たるアヴァタール級、曹休のみ。
とは言え、潜入時の消耗もあり仲間にも疲弊の色が見え始めていた、そんな時だった。
「撤退のお手伝い、ですね」
窮地を察し、救援が駆けつけたのは!
湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)も、まさにその一人。
詳細までは確認出来ていないが、これからの進展に関わる大事な情報もあるらしいと聞いてはなおのこと、仲間たちを敵の手に落とすわけにはいかない。
「無事に戻れるよう、道をこじ開けましょうか」
呪詛宿す妖刀をすらり、抜き放つ。
「渇望抱く伽藍、参ります」
流麗かつ隙のない構えだ。
それでいて、貪欲に獲物へ食らいつく気魄も感じさせる。曹休は歯噛みした。
「ええい新手か! まぁいいだろう、纏めて葬り去ってくれる!」
苛立ちを露わに矢を番える曹休を、雪華は落ち着いて観察する。
(「弓矢を扱うのであれば間合いに入ることを考えないとですね」)
雪華は腹を括った。
……いや、そもそも。伽藍洞の彼からは恐れすら、抜け落ちているのかも知れなかった。
いずれにしても、被弾は承知で地を蹴って、全力で一太刀、浴びせにかかる!
「ふん、猪武者か。その程度でこの曹休の首は落とせんぞ!」
せせら笑う曹休が甲虫へと騎乗し、雨霰と矢を降らせれば、それが雪華の肩口や腿を突き刺すものの。
「……何ッ!?」
雪華の脚は止まらない。その表情を苦悶に歪めることもない。
まるで、痛みなどものともしていないかのように!
(「痛みは伽藍にくべてしまえば平気ですからね」)
渇望の呪いは、主の痛覚すらも飲み干した。
そのまま曹休の間近へ迫り、空虚の刃ひとつ、閃かせる。
解放された呪詛が傷口から曹休を蝕み、力を奪い取る!
「くっ! 小癪な……!」
「まだまだ、こんなものではありません」
雪華は曹休に取りつき、一歩も退かず離れぬ構えを見せる。
前で動き続け、敵の注意を引き、隙を作るための動きだ。全ては続く仲間たちへと繋ぐため。
(「盾として、揺動として動き続けましょう」)
誰一人、ここで欠けさせないために!
成功🔵🔵🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
八百陣・葵漆
さあ、あと少しだ
曹休を倒して、情報を持ち帰るよ!
出でよ、『幻妖英霊兵』!
あの将を討て! 突撃せよ!
指揮する兵たちに、突破力重視の鋒矢の陣を組ませて、曹休へと突撃させるよ!
やれやれ自分たちの失策を責任転嫁かい?
とはいえ、この『逆恨悪腫』は厄介だね
呪詛の類のようだけど、これは流石にどうにもならないね
もっとも、その痛みは僕が我慢すればいいだけだ
妖力の身体を持つ兵たちには悪腫なんて効きはしない
兵の維持と指揮くらい、痛みに耐えてやってみせよう
挟撃策も、知っていれば如何様にも対応できるからね
この情報を元に、来るべき窮地を、好機へと転換しようじゃないか
●
「援軍か、これは頼もしい」
駆けつけた仲間たちの姿に、八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)の口元にも微かに笑みが浮かぶ。
だが、まだ油断は出来ない。この場を切り抜け、無事に帰還してこそ初めて全てが無事に終わったと言えるのだから。
「さあ、あと少しだ。曹休を倒して、情報を持ち帰るよ!」
仲間たちを鼓舞するように声を上げれば、彼らからもまた声が上がる。士気の向上が感じられた。
一方で、曹休は焦れ込んだように声を荒げる。
「次から次へと往生際の悪い……!」
「往生際が悪いのは、どちらかな? ……出でよ、『幻妖英霊兵』!」
敢えて余裕を見せつけるように笑んで、葵漆が喚び出したのは志半ばに倒れた精兵の霊。妖力で身体を与えて命じれば、彼らは葵漆の望むまま思い描くまま、忠実に動く手足となる!
「あの将を討て! 突撃せよ!」
鋒矢の陣を組んだ兵たちは、葵漆の命に従い曹休へと突撃を開始する!
曹休はその猛攻を凌いでいるが、その口からは恨み言が漏れ始めた。
「……おのれディアボロスどもめ、我らの目を欺きあまつさえ我らの策を打ち砕こうなど、不埒千万!」
「やれやれ、今度は自分たちの失策を責任転嫁かい?」
逆恨みの言葉に肩を竦める葵漆だが、その身体には変化が起こりつつあった。
そしてその変化に、葵漆自身も気がついている。
(「……とはいえ、この『逆恨悪腫』は厄介だね」)
呪詛の類のようだということは、理解出来る。しかし、解呪や浄化の手立てはないようだ。葵漆の頭脳を以てしても、流石にどうにもならない。
だが、葵漆は決して悲観してはいなかった。
(「もっとも、その痛みは僕が我慢すればいいだけだ」)
あくまでこの痛み、苦しみを受けるのは、今この時、葵漆だけ。
妖力の身体を持つ兵たちには悪腫など効きはしない。彼らは何に苛まれることもなく、戦い続ける。ならば!
「兵の維持と指揮くらい、痛みに耐えてやってみせよう!」
「小賢しい……!」
怒りに囚われた曹休。
その身を遂に、兵たちの振りかざした武器が、貫いた!
「ぐ……ッ!!」
青く染まり切った蟲の身体が、よろめき膝を着く。
あと少し。あと少しで、押し切れる。
(「挟撃策も、知っていれば如何様にも対応できるからね。この情報を元に、来るべき窮地を、好機へと転換しようじゃないか」)
葵漆は、既に先を見据えている。
そう、勝利を疑うことなく!
成功🔵🔵🔴
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
光道・翔一
アドリブ、連携歓迎
効果2は適宜活用
…お得意の奇襲を兼ねた挟撃。それも総大将自らが囮の側、か。
…本物とは別存在とはいえ、優秀な人材を集めて築き上げた家臣団に信を置いた曹操だからこそできる芸当って所か。
…兎に角敵の策を知れたのは大きい。少しでも勝機を広げるために、撤退は絶対に成功させるぞ。
得物(目に留まりそうな大振りな大剣か偃月刀)を携え敵と相対
大将戦時に現れた新手であることも利用して敵の注意を引く
敵の狙いをこちらに向けさせ、襲撃に来た所を【神速反応】をも駆使し、敵の攻撃を『早業』で得物で受け流す
攻撃を防いだらその一瞬の虚を突き『高速詠唱』でパラドクスを発動
瞬間的に固まった敵に攻撃を浴びせていく
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
※残留効果活用
包囲を突破して脱出する
情報を持つ仲間を逃がすために殿を、と心に決めたその時
「援軍か…!」
現れた仲間の士気に己の士気も上がる
このまま勢いに乗るように更にネメシス化
肌から血の気がなくなり、黒い靄は一層濃くなる
偃月刀に朱殷の闘気で龍を模した形に<武器改造>
機動が高い蟲将と見る
なら、突き放すより迎え撃って撃退しよう
<ダッシュ>で『曹休』に近接
得物ごと腕を噛み砕こうと偃月刀を叩きこむ
反撃には【神速反応】で軌道を<看破>し急所を護って立ち回る
【光学迷彩】も使って〈撹乱〉を
仲間にはディフェンス
皆で生きて帰るぞ!
●
この時、夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は覚悟を決めていた。
包囲を突破して脱出する……しかしこの場合、全員である必要はないのだ。非情な判断と言うなかれ、戦とは本来、そういうものなのだ。
そして錬晏は何も、仲間を犠牲にするつもりなどなかった。情報を持つ仲間を逃がすために殿を、と心に決め、自らの命さえ捧げる覚悟で。
だが、光明が差し込んだのも、まさにその時だった。
「……お得意の奇襲を兼ねた挟撃。それも総大将自らが囮の側、か」
「!」
聞こえたのは男の声。
そして、進み出た声の主は間違いなく。
「……本物とは別存在とはいえ、優秀な人材を集めて築き上げた家臣団に信を置いた曹操だからこそできる芸当って所か」
仲間の、ディアボロスの、光道・翔一(意気薄弱なりし復讐者・g01646)のものだ!
「援軍か……!」
こくりとひとつ、翔一は頷き。
「……兎に角敵の策を知れたのは大きい。少しでも勝機を広げるために、撤退は絶対に成功させるぞ」
敵の目にその存在を示すよう、目を引くほどの大剣を構える翔一たち救援のディアボロスの姿に、錬晏は己のみならず、共に潜入調査に乗り込んだ仲間たちの士気の向上を感じる。
この勢いに乗らない手はない。決意を新たにすれば、より強まる復讐の神の力が、錬晏の肌から血の気を奪う代わりに纏う憤怒の黒を色濃くした。
その姿は勿論、残るは大将一人のこの場面で現れ、堂々たる立ち居振る舞いを見せる翔一に、曹休も思わず一瞬たじろいだ。
だが、少なくとも見せかけはすぐに持ち直し、怒りのまま彼らに相対する。
「何人増えようと同じことだ! 一人たりとも逃しはせんぞ!」
まずは貴様からだ、と翔一へ向けて獲物を構える曹休。だが、それこそが狙いだ。
「死ねェい!!」
恐るべき速さで襲来する、敵のその動き、得物の切っ先へと意識を集中し、感覚を研ぎ澄ませて。
刃が自分の身体を捉えて閃くその瞬間、翔一は構えた両刃の大剣を振り抜き、迫る凶刃を受け流した。
その一瞬の虚を突き、返す刃と共に詠唱を終え、無数の魔弾を創り出す!
「……この白馬が死地になるのは、俺たちじゃない」
寄せては返す波のように、繰り返し押し寄せるエネルギーによる怒涛の攻撃が、曹休の身を幾重にも貫き、傷つけてゆく!
「テメーの方だ」
「ぐう……っ!」
堪らず後退した曹休、しかしこれでは終われぬと、今度は錬晏へと己の獲物を向けるも。
「一つ覚えが通用すると思うな」
敢えて自ら向かい、肉薄する!
刃と刃がぶつかる。だが、錬晏の偃月刀は今、朱殷の闘気を纏って姿を変えていた。
まさに、尖い牙と強靭な顎門持つ黒龍の姿に!
そのまま、敵の獲物ごと捻じ伏せて、その腕を一息に噛み砕く!
「ぐぁあ……ッ!!」
一際、苦しげな悲鳴が遂に、その喉奥から絞り出された。
追い詰めている。敵に取り巻きはもうおらず、ディアボロス側の数が増えた今となっては、多勢に無勢だ。
しかし、敵もアヴァタール級の蟲将。未だディアボロスたちへの怒りと恨みをその眼に滾らせて、どこまでも食らいついてくる構えだ。
だが、その執念はここで圧し折る。
帰らなければならない、理由があるから。
「……一気に片を着けるぞ」
翔一の言葉が、そして駆けつけてくれた仲間たちの姿が、頼もしい。
これなら、もう何も諦めなくたっていい。
「皆で生きて帰るぞ!」
大丈夫だ。ここに集った仲間たちとなら、もう誰を犠牲にしなくたっていいのだ。
そう、錬晏自身も。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【断末魔動画】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
エレオノーラ・アーベントロート
うふふ、組長さんに翔一さんに雪華さん。援軍感謝いたしますわ。
あとは後ろが追いついてくる前に、目の前の蟲をブチ殺すだけ――やりましょうか。
電磁レールガン「フェアレーター」から「第二十三の魔弾【赫耀】」を投射。高い機動力と矢とが武器のようですし、撃ち合いを行いますわ。
遠距離からの矢は「フェアレーター」を盾にし、もし瞬時に接近して襲撃してくるようなら攻撃を避けることよりもカウンターを重視。接近してきた曹休を持ち前の鬼人の怪力で掴み、至近距離からの【赫耀】の魔弾で消し飛ばして差し上げますわ。
愉しい偵察でしたわよ――また来ますので、その時も歓迎してくださいませ。
奴崎・娑婆蔵
●SPD
喧嘩と聞いて馳せ参じ
手前、姓は奴崎名は娑婆蔵――人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』
蟲将アヴァタール級、相手に取って不足無し
その甲殻、いっぺん八ツ裂きにしてやりまさァ
・でかい甲虫の上に乗り矢の雨を降らせて来る敵パラドクスを「空対地攻撃に偏る瞬間」と踏む
・【イカロスウイング】発動、敵影直下に入り次第【飛翔】にて垂直上昇、敵上方を取りに行くことで強く【アヴォイド】を期す
・対地攻撃に意識を割いていたろう敵を、その更に上から落ち掛かりざま不意打たん(空中戦)
・『ダイダロスベルト』を幾重にも伸び掛からせ、甲虫の飛行に関わる器官――翅の付け根等を狙う
・同時、己は手の『トンカラ刀』で敵の持つ弓の弦を斬りに行く
●
ざり、と。
地を擦る音、ひとつ。
「喧嘩と聞いて馳せ参じ……」
「何者だ!?」
男の声に、曹休が問う。
だが、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)には、その声の主がすぐに解った。
「手前、姓は奴崎名は娑婆蔵――人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』」
奴崎組組長、奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)!
「蟲将アヴァタール級、相手に取って不足無し」
トンカラ刀を携えて、鈍色をぎらり光らせる。
「その甲殻、いっぺん八ツ裂きにしてやりまさァ」
血色の眼も妖しく光る!
「ぐっ、何を戯けたことを!」
満身創痍になりながらも、忌々しげに娑婆蔵を睨む曹休。
対照的に、エレオノーラは口元の笑みを確かなものへと変えた。
「うふふ、組長さんに翔一さんに雪華さん。援軍感謝いたしますわ」
そう、仲間の危機を察知し、駆けつけた彼らは、皆。
エレオノーラがよく知る、そして娑婆蔵が率いる、奴崎組へと出入りする面々だ!
娑婆蔵たちの実力は、エレオノーラもよく知っている。元より敵に遅れを取るつもりなど毛頭なかったが、彼らの登場により、よりこの戦いの勝利は盤石なものとなったと実感する。
だが、まだ油断は出来ない。何故ならここは敵地なのだから、追撃部隊が戻らなければ、それこそ敵方からも増援を送られる可能性がある。
「あとは後ろが追いついてくる前に、目の前の蟲をブチ殺すだけ――では、やりましょうか」
「抜かせ!」
笑みを崩さぬエレオノーラへと、曹休の怒号が飛ぶ。
それを合図に始まったのは、矢と弾の応酬だ。互いの矢弾が乱れ飛び、一進一退の攻防が続く。
が、先にその均衡を打ち破ったのは、曹休だった。
このままでは埒が明かぬと形振り構わず突撃し、目にも留まらぬ速さからの襲撃を仕掛ける。
……が、ゆらりその頭上に影が舞う!
「余所見厳禁でさァ」
「なっ、」
遙か高みから振り下ろされるトンカラ刀が、曹休の首を狙う!
咄嗟に甲虫を喚び、反撃に転じようとする曹休だが、寧ろ娑婆蔵はその時をこそ待っていた。
「天道」
「……は?」
曹休の口と思しきそこから、素っ頓狂な声が漏れ出たのも、無理からぬことだっただろう。
敵影直下に入り視界から消え去った娑婆蔵は、直後に勢いよく垂直上昇。更に上へ上へと舞い上がる。
そして縦横無尽に伸び縮みするダイダロスベルトの群れが、その自由を奪うように曹休の飛行に関わる器官をきつく戒める!
「ぐっ! は、離せ!」
「ここらが年貢の納め時――」
「そう、まだ終わってませんことよ」
「!?」
曹休にとって、驚愕すべき出来事はこれだけではなかった。
エレオノーラが白銀の砲身を盾にしながら、曹休の顔面を鬼人の証たるその怪力で掴み上げたのだから!
咄嗟に己の弓を手に取る曹休だったが、既に弦はトンカラ刀の一太刀により切断されている。
「き、貴様ら……!」
「名残惜しいですけど、急いでおりますの。このまま消し飛ばして差し上げますわ」
「……!!」
悲鳴も罵倒も、ましてや断末魔さえも挙げさせる暇など与えず。
「【赫燿】解放――」
至近距離からの、逃れ得ぬ最高火力の破滅の魔弾を。
赫々と輝かせながら、灼き尽くす如く解き放つ!
●
白馬港を、静寂が支配する。
だがいつまた、次の追撃部隊が放たれるか解らない。
「さ、撤収しやしょうぜ」
娑婆蔵の視線と言葉に、エレオノーラはひとつ頷いて見せて。
最後にもう一度、敵拠点を顧みてから。
「愉しい偵察でしたわよ――また来ますので、その時も歓迎してくださいませ」
やはり大胆不敵に笑って、踵を返す。
そのまま、夜の闇へと溶けてゆく。
やがて夜は明け――決戦が、始まる。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!