リプレイ
①🔑👾拠点防衛のトループス級『断頭の道化師』
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
調査の成果か……攻略がシンプルになったのは喜ばしい
一手ずつ積み上げる
油断はせずに暴れて来よう
水中装備一式を利用、シテ島まではイルカ変身を借り静かに移動
水深不足地点では変身を解き、動きやすい方で
可能なら上陸前に、短い時間で上陸地の様子を偵察
味方とタイミング合わせ上陸し急襲
戦場を偵察、観察し、上空の強襲も警戒
味方と死角を補いあう動きを
頭上から襲う敵へ【トラップ生成】でワイヤートラップを張り巡らせて足止め、かかれば透弦でPD攻撃
狙い合わせて仕留めよう
高い構造物は、足場を攻撃して倒せるか試みる
空中ブランコでもやるのかな?
反撃は魔力障壁を展開し防御
偽物では動じない
投げる動作を観察し避ける
①🔑👾拠点防衛のトループス級『断頭の道化師』
エレオノーラ・アーベントロート
イルカになってカチコミなんて、初めての経験ですわね。
それでは愉しい愉しい抗争を始めましょうか。
組長さんの【イルカ変身】を使わせて頂いて水中から侵入しますわ。
よくよく考えたのですけれど、ブチ壊すのが一番早いのではありませんこと?
水に上がると同時に電磁レールガン「フェアレーター」より「第三十二の魔弾【屠龍】」を投射。
奇襲の一撃でとりあえず陣地を狙いましょうか。
うぅん、構造物を破壊しやすくするようなエフェクトが欲しくなりますわね。ドイツ然り、陣地を作られることは多いですし。
その後は飛び回る道化師を対空特化の【屠龍】の魔弾でブチ抜いていきますわ。
うふふ、死ぬときも笑っているのは好感が持てますわ。
①🔑👾拠点防衛のトループス級『断頭の道化師』
奴崎・娑婆蔵
川底を進むべし。よござんす
ではここは一丁、あっしらがエジプトの戦いを経て手に入れたる新たな力――これよ、これこれ。イルカ変身の出番でさァ
ってなわけで、同じくカチコミに参る各々方の役にでも立てたなら重畳、あっしはこのエフェクトを仕込んで参りやしょう
良き所で変身解除、水より上がるや敵方を強襲
あっし得意の剣捌きに乗せて【原初の水】を撒き、やっこさん方が寄越して来やがる爆弾を火消ししてやったり、なんならそれその物を融かし崩してやったり――
こちらの攻勢の段と見た所では、続き剣に乗せてパラドクスを振るってやりやしょう
水圧カッターよろしくの斬撃にて、首を刎ねる手際のなんたるかをその身へ叩き込んでやりまさァ
●セーヌ川の流れに乗って
パリはシテ島を中心に発展してきた。そのシテ島を中洲に抱くセーヌ川は、言うなればパリという都市の動脈に当たるだろう。
全長780kmの河岸には、自由の女神像をはじめとする様々な観光名所が立ち並ぶ――そう、我々が知る本来の歴史では。
「やはり嘆かわしいものだな、クロノヴェーダに歴史を奪われるというのは」
遠くに聳えるシテ島の異様なフォルムを見つめ、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は呟いた。
「その意表を突けるってんなら、多少は溜飲も下がりやせんか? エトヴァの」
奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)はカハハといつものように陽気に笑う。鷹揚さが今は頼もしく見えた。
「なんであれブチ壊して叩き潰すまでですわ。せいぜいわたくしを愉しませてくれるとよいのですけれど」
あまりセンチメントな感情には縁がないらしいエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)、頭の中はすでにクロノヴェーダとの戦いでいっぱいのようだ。
「そうだな。本来であれば、色々と調査が必要だったはずなところが、こうしてシンプルになったのは喜ばしい。
一手ずつ積み上げて、奴らの牙城を崩すとしよう。そのためにも、油断はせずに暴れるとしようか」
「うふふ、抗争はいつだって心躍りますわ。話が早いのは、とってもわたくし好みでしてよ」
「すでに戦意十分、よござんす。ではここは一丁、あっしがカチコミのお膳立てをいたしやしょう」
娑婆蔵のパラドクスにより、残留効果が発揮される。3人はやおらセーヌ川の水面に飛び込んだ!
ざぶん、と水面をくぐった次の瞬間には、彼らの姿はイルカへと変じていた。
エジプト奪還戦を経て獲得した、新たな残留効果。【イルカ変身】の有効活用だ。
3人は互いの姿を見合わせ、イルカ独特の甲高い音波を発しあうと、腹部が川底をこすりそうなほどに深く潜り、なめらかに川を進む。
いくらディアボロスとて、イルカ並の速度で水中を泳ぐというのはそうそう出来ることではない。
効果を連鎖させていない現状では時速20kmがせいぜいといったところだが、それでも人類の上澄みをはるかに凌駕するスピードだ。3人は、つかの間の水中遊泳を楽しんだ。
……一方防衛陣地では、相変わらず絶え間ない狂笑がけたたましく響き、狂った道化師どもが右から左へ、上に下にと忙しなく飛び跳ねていた。
いつ敵が襲ってきたとしても――ことに空からは自殺行為だ――即座に対応できる。自動人形ゆえに疲れることも眠ることもない。迷宮じみた陣地は突破困難。鉄壁の布陣だ。
が、さしもの道化師とて、水中からざぶんと敵が飛び上がるとは思っていなかった!
「「「!?」」」
水柱が3つ上がった瞬間、跳梁跋扈と呼ぶにふさわしい軽業は、ほんの一瞬だがぴたりと止まった。
陽の光を浴びてキラキラと飛沫が散る。空中で身をひねる三頭のイルカのシルエットが逆光で黒く染まった
流麗な像は、みるみるうちに人型のそれへと戻る――火蓋を切ったのは、エレオノーラだ!
「イルカになってカチコミなんて初めての経験ですわ! これも悪くないですわね!」
快哉めいて叫びながら、無造作に構えた電磁レールガン『フェアレーター』のトリガーを引く。
狙いは敵……ではなく、その足元である陣地だ。第三十二【屠龍】の名を持つ魔弾が、大気を灼きながら飛来した!
強烈な反動を代償とした対空砲撃は、理論上は堅固な龍鱗さえも打ち砕くほどの破壊力を秘めている。
その威力は遺憾なく発揮され、複雑な構造ゆえに耐久性に劣る陣地にどでかい風穴をぶち抜き、敵の足並みを乱した!
「うぅん、さすがに一撃で崩壊とはいきませんわね。構造物を破壊しやすくする残留効果でもあれば……っと!」
エレオノーラは、首を狙ってビュンと振るわれたギロチンの直撃を回避する。敵はロープを巧みに操り、一瞬で間合いを詰めていた。
空中ゆえに別の非致命的部位で刃を受ける羽目にはなったが、傷は浅い。足場を崩したことが功を奏したか?
エレオノーラを襲った敵は、くるくると空中で独楽のように回転し、さらに二度三度の断頭斬撃を繰り出そうとする。
「甘いな。そこはすでに俺の間合いだぞ」
エトヴァは自らが張り巡らせた極細の糸の上に器用に着地し、すぐさま跳んで防衛陣地へと移りながら言い放った。
言葉通り、斬糸結界は道化師の全身を絡め取っている。繰り出そうとした斬撃のスピードは、そのまま奴が自分自身を糸で切り裂く結果に繋がり、バラバラになった残骸がぼちゃぼちゃとセーヌ川に落ちていった。
「む、いかんな。これでは不法投棄になってしまう」
などととぼけたことを言うエトヴァめがけ、残る2体の道化師が生首に偽装した爆弾を投げつけた。
恐怖と絶望の表情に歪んだ生首は、悪趣味なことに3人の顔を模している。嘲りの狂笑が水面に波紋を起こした。
が、そこに横合いからばしゃりと『原初の水』が浴びせかけられると、爆弾はドロドロと融解していく。
遅れて空中で炸裂。想定された爆発よりもはるかに衝撃は小さく、エトヴァにもたらされたダメージは微小だ。
「ヒヒヒィ?」
いちいち薄ら笑いを浮かべながら、首を傾げる道化師。何かが自らに影を落としていることに気付いて空を見上げると、目と鼻の先というべき距離に娑婆蔵がいた。利き手は柄に。
「八つ裂きにしてやりまさァ」
包帯越しでもわかる笑みは、イルカというよりも鮫のそれ。
鞠のように丸められた身体に充満した力を、バネのように解き放ちながら刀を抜き打つ変則居合!
本命は刃ではない、刃を滑る『原初の水』だ。いわば刀をレール代わりにした、我流の魔弾といったところか!
「あら。特許申請したほうがよろしくて?」
エレオノーラは肩をすくめた。着地した彼女の眼前を恐ろしい速度で過ぎ去った極細の水刃は、陣地の一部ごと道化師をスライスしてしまった。斜めに切断された道化師の身体がずるりとこぼれ落ちると、残骸は溶け崩れる。
「ご勘弁くだせェ、こいつは紛れもなく剣技でさァ!」
娑婆蔵は着地反動を前転で殺し、隙を狙って襲い来る敵の爆弾を両断。ふたつに分かたれた爆弾は娑婆蔵の背後で爆発し、彼の背中をわずかに灼いた。痛みに構わず駆け出すと、ダイヤモンドさえ切り裂く水の刃をばらまき大立ち回りだ!
「アハッ! アハハハハァ!」
「次から次へと、何が面白いのやら。そんな偽物で俺たちは動じはしないさ」
エトヴァは糸の結界で爆弾の直撃を防ぎ、さらに自らの周囲を糸で囲うことで攻防一体の結界を創り上げて駆け回る。
対してエレオノーラは不動。上から来る敵を、魔弾本来の対空用途で狙い撃ち、叩き落とすのだ。
「アハァ!?」
「うふふ、死ぬときも笑っているのは好感が持てますわ。愉しませてくださいましね」
狂乱の抗争が幕を開けた。鮮やかな奇襲により、たちまち敵の前線は崩れていく!
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1 【トラップ生成】LV1が発生! 【避難勧告】LV1が発生! 【イルカ変身】LV1が発生! 効果2 【ダメージアップ】LV2が発生! 【先行率アップ】LV1が発生!
①🔑👾拠点防衛のトループス級『断頭の道化師』
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
空への守りは尋常じゃない??
そんな事言われたら……攻略したくなっちゃうじゃないですか…!!
――と、まぁボク個人のこの昂る気持ちは一旦置いておいて…。
今は任務を全うしましょうか。
【イルカ変身】をお借りしてシテ島内に入り奇襲開始
敵の陣地はややこしい作りで脆い、ならば……。エリア攻撃です。
『Neunundneunzig Jäger』の32門、『Löwebrüllen』の固定砲台解放
蒼き灯火を掌に集め、機械魔導弓『ACRO』に番えてパラドクスを発動
ボクの発動出来る最大火力の【砲撃】と【制圧射撃】で
敵陣地を足元から【破壊】してやりましょう。
一斉掃射………Feuerーー!!!!
①🔑👾拠点防衛のトループス級『断頭の道化師』
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
新型自動人形をこれ以上増産されれば厄介極まり無い上に
それにパリの心臓とも言えるシテ島に、これ以上居座られるのは正直腹立たしい
それはそれとして
イルカに変身して進むのは初めてで、少々心踊りますね
可能ならイルカ変身と光学迷彩を使用して、拠点までは川底を隠密に移動
セーヌ川にイルカが居るわけ無いので、見つかるのも時間の問題でしょうけれど
見つかる前に素早く泳ぎ、仲間とタイミングを合わせ変身解除
戦闘に入ります
宙に展開した鍵盤で「鐘」を演奏
どこから襲ってくるか分からぬ不可視の使者で攻撃を指揮し
相手のリズムを妨害していきます
仲間と攻撃対象を合わせ、体力の低い相手を狙い
確実に一手ずつ詰めていきます
①🔑👾拠点防衛のトループス級『断頭の道化師』
奉利・聖
いいですねぇ、とてもシンプルで
暴力で解決できるのは素晴らしい その分難しいですが…やってやれないことはない
ほう、なるほど…【イルカ変身】とは面白い
僕も使わせてもらいます 助力に感謝を
上陸前に<オーラ操作>の<偵察> 気の網を薄く張って敵の位置を把握
それでは──殲滅開始だ
龍骨…セヴラト、エンチャントするぞ
『竜殺シノ残火』…人ならざる者を殺す、焔の槍を
まずは一撃 <投擲><破壊><強打><貫通撃>を乗せた槍の一射で防衛陣地ごと敵をブチ貫く
すぐさま槍を回収 そこからはパワーとスピードに任せた近接戦闘で、燃やして貫いて破壊して回りましょう
首?投げつけられるたびに刺し貫き、遠い位置で喰らってやりますよ
①🔑👾拠点防衛のトループス級『断頭の道化師』
ライカ・ネイバー
連携アドリブ大歓迎
(戦闘中はダッシュ、ジャンプ、空中戦、地形の利用で常に走り回ります)
いや〜これくらいスッキリパッキリわかりやすいと楽っすねぇ。
パパッとカチコンで根こそぎ焦土に変えてやりましょうや〜。
水の中ならこいつで決まり!カニを召喚して【水中適応】でずずいと進んでいきますぞ。
陣地に到着したらそのままカニを突撃させまーす。わたしはその間にあいつらを【撹乱】でい!
専用とはいえ、あの陣地は向こうだけが使えるってわけでもないですよねぇ?こっちも足場に使って引っ掻き回してやりますか〜。
ぴょんぴょこ跳ねて敵のルートに先回り!どんどんブロックして邪魔しますよ〜。
パラドクスじゃないからセーフ!セーフです!
①🔑👾拠点防衛のトループス級『断頭の道化師』
上巴・九虚
ロッキー(ロキシア)と参加
エスコート、よろしくねぇ?
【イルカ変身】…海の生物になるのは初めてだねぇ。どんな感じやら。
要するに、襲ってくる奴を片っ端から倒せ、でいいんだよねぇ。
うーん。ややこしい事は任せた。あっはっは。
使用パラドクスは「影渡り」
影になり、影に潜み、影から影へ移動して。影を刃に、武器とする。
君らは、影を斬る術を持ってるかい?
城壁?バリケード?ありがたいねぇ、そんなにたくさん影を作ってくれてさぁ。
陣地に隠れる?スピードを利用する?あっはっは。それで君は、足元の影から逃げ切れるかい?
「誰よりも近く、何よりも遠い」
「隣人とは、最も近い脅威でもある」
背中を刺されないように、気をつけなよぉ?
①🔑👾拠点防衛のトループス級『断頭の道化師』
ロキシア・グロスビーク
クロちゃん(九虚)と!
【イルカ変身】をお借りして島へ侵入っ
任されました、お嬢様
妖精を呼び出し、ウインクをひとつ
構わないよ。状況をシンプルにしていくのも、大事なことだからね
それじゃクロちゃん、攻撃はお好きにどーぞ
僕はお先に――
“魔槍”をくるりと遊ばせ構えれば
場を荒らしてくるっ!
妖精を伴い、弾かれたように疾走
先行した妖精による悪戯で混沌とした敵陣へ
どーだい、これは笑えるかなっ!
速度を乗せた突進突き、ぶん回しては柄で殴り飛ばしたりと大暴れ
妖精に敵の帽子を引っ張らせたり槍で捌いたり反撃に対処し
適宜クロちゃんをディフェンス、敵を打ち払い
……その子には触れないでね?
影に付かず離れず、踊るように刃が閃く
●水のようになめらかに、激流の如く速やかに
娑婆蔵が発動した【イルカ変身】の残留効果は、ディアボロスたちの奇襲に大いに役立った。
このミッションでもっとも重要なものはスピードだ。どれだけ迅速に、かつ敵の意表を突くことが出来るかが要である。
水中をスピーディに移動することの出来る残留効果は、それだけで体力を温存し作戦時間を短縮できるのだから。
ディアボロスの強みは、このディアボロス同士での残留効果の連鎖(チェイン)にこそある。
川底をなめらかに泳ぐ5人のディアボロスは、もっとも基本的な原則を改めて感じ取っていた。
我々の知る歴史におけるセーヌ川は、パリという都市の急成長の弊害としてかなり汚れてしまっている。
なんの因果か、あるいは今日という日が偶然そうだったのか、ディアボロスらの泳ぐ川底は思ったよりは澄んでいた。
……おや? 5人?
たしかに5人だ。まず空中を進みたそうに時折水面を見上げては、なにやら頭を振って自制するレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)。
さらに、初めての水中遊泳を心穏やかに楽しむソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)。
その隣の奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は、前世がイルカだったのかというぐらいに見事な泳ぎぶりだ。
並んで泳ぐロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)と上巴・九虚(虚の白・g07157)は、時折じゃれるようにくるくると場所を交換したり、進軍の妨げにならない程度に蛇行したりして、キュイキュイと楽しそうに鳴きあっていた。
そう、5人だ。だが実は、同時に進軍するディアボロスは6人いたのである。
「ぶくぶくぶくぶくぶくぶく(特別意訳:カニだー!!)」
最後尾から迫る泡! その正体はライカ・ネイバー(エクストリームお手伝い・g06433)だ!
なぜか巨大なカニを伴っている! 本人もカニみてえな横移動でイルカ顔負けのスピードを出している! なんで!?
(「ねえロッキー、なんであの人だけイルカ変身してないんだろう?」)
(「さあ……クロちゃんあんまり見ないほうがいいよ、なんかヤバそうだよ」)
ロキシアと九虚は、ライカのほうを振り返っては怪訝そうにキュイキュイ鳴き合う。
(「というか、あんなに泡を出していたらバレるのでは
……?」)
(「ま、まあ大丈夫でしょう。最悪我々だけでも奇襲できれば問題ないかもしれませんし」)
聖はライカの奇行に首を傾げ(イルカなのでわかりにくいが)ソレイユが若干ヒき気味にフォローを入れた。
(「やっぱり空から突入を……いえいえ、さすがに自殺行為ですね、でも攻略したい
……!!」)
レイはそれどころではなかった。航空突撃兵の魂が疼いているのだろうか。
ともあれ、別にイルカにならなければ辿り着けないということはない。スピードの問題は気になるが、なぜかライカは川底をイルカ並のスピードで(カニみたいに)横歩きしていたので問題なかった。
あっという間に一行はシテ島へと辿り着く。水面に近づくにつれ、防衛陣地での激しい戦闘の余波が文字通りに水面を揺らした。
すでに戦端は拓かれている。5人(とぶくぶくしてるライカ)は、一斉に水面から飛び出した!
「「「アハハァ
!?」」」
3人ですら手こずる『断頭の道化師』の防衛部隊は、さらなるディアボロスの増援に面食らった。
水飛沫がパリの空に散る。5人はそれぞれにイルカから人間の姿に戻り、ライカは濡れた髪を振り乱しながら防衛陣地に飛びつく。
「パパッとカチコンで根こそぎ焦土に変えてやらー! カニは水の中だけじゃなくて地上でも強いんだぞーう!」
先陣を切ったのはライカだ。足元に召喚陣が展開されると、身の丈をはるかに越える巨大なカニが出現!
「か、カニだ! あっそういうことだったのかな!?」
「クロちゃん、納得しちゃダメだよ! いろいろな意味で危険だよ!」
ロキシアは、九虚がなんかよくない方へ行きそうな気がしたので必死に留めた。(キャラ性の)ピンチだ!
そうこうしている間に、巨大なカニは分厚い甲殻を頼みに陣地を踏み潰しながら猛進し、一体の道化師を強靭な爪で鋏み捕まえた。
すさまじい圧迫力で、めきめきと自動人形のボディが異音を上げる。羽をもがれた虫めいてもがく道化師の四本腕が抵抗を試みるが、ほどなく胴体はバツン! と両断!
「イエーイ! カニ最強! カニ最強! 皆さんもカニ最強と言いなさぐえー!!」
で、落ちてきた上半身にスコーンと頭をぶん殴られて、ライカはうつ伏せにぶっ倒れた。なんなんだろうこの子は。
一瞬、敵味方に沈黙が流れる。呆れるというか、唖然とするというか、まあともあれそういう空白だ。
「……気を取り直して、火力のなんたるかを見せてやりましょう!」
我に返ったレイは、垂直に高く跳び上がり蒼き灯火を掌に集めた。
4体の道化師が素早く反応し、真下から4本腕を展開、それぞれの手に鋭利なナイフめいた爪を生やして襲いかかる!
「来ますか? ボクのこの火力を止められるというなら……止めてみせればいいですよ!」
ガシャン! と、レイの両肩およびフライトユニットにマウントされた、合計34の固定小型砲台が一斉に展開される。
矢の形に収束した蒼い光を機械魔導弓『ACR0』に番え、鈍化した主観時間の中でゆっくり弓弦を引いた……!
「龍骨……セヴラト、エンチャントするぞ」
その時には聖が動いている。光を反射しない奇妙な漆黒の棒槍の表面を剣指で撫でると、見えざる炎の文字が浮かび上がるかのように、じりじりと焦げた焔が表面にのたうつ。
空から降り注ぐのは、他ならぬ聖の顔面を模した悪趣味な爆弾だ。それらはいずれも、恐怖と絶望、苦痛にひび割れた醜い表情を晒している。悪辣なカリカチュアだった。
聖は氷のように褪めた眼差しでそれを見据え……投げ槍選手のように、前のめりに漆黒の棒槍を投擲!
「一斉掃射………Feuer――!!」
「スマートに――殲滅開始といきますよ!」
空と地、上下から同時に放たれたふたつの超威力が、空中に踊る道化師どもをめがけて衝突し、強烈な衝撃が炸裂した!
ふたりを襲った4体の道化師は、光が晴れると姿を消していた。
身を隠した? 違う。レイと聖のパラドクスのあまりの威力によって、跡形も遺さず消し飛んだのである。
「アハッ! アハハハァ!」
「お見事です! しかし、まだ数がいますね。我々も負けていられませんよ」
ソレイユはふたりの腕前を称賛しつつも、自身の腰のあたりを円を描くように指でなぞった。
すると、指の軌跡に音符を伴った光の線が躍り、魔法のように電子の鍵盤が浮かび上がる。グローブに内蔵されたVR機能の応用だ。彼の武器は音なのだ!
「じゃ、あたしたちもいこっか。ここからはエスコート、よろしくねぇ? ロッキー!」
「任されました、お嬢様。なあんてね」
ロキシアは九虚にチャーミングなウィンクをすると、相棒の妖精を喚び出しくるりとステップを踏む。
手品めいて出現した槍型決戦兵器"魔槍"を掴むと、魔法のステッキのようにくるくると遊ばせ……。
「場を荒らしてくるっ!」
構えるなり、見えないなにかに弾かれるかのように疾走した!
「ややこしいことは任せたよ、あっはっは」
九虚は沁み込むように姿を消した。影に潜み、己そのものを影として跳梁することこそ、彼女の戦い方だ。
二人に対してソレイユは、空中に現れた鍵盤を弾むような指使いで軽やかに演奏した。
勇壮なマーチのように心を高揚させ、しかし敵には恐ろしい裁きの時の到来を予感させる、どこか超然として威圧的なメロディだ。本能的に危険を感じた道化師が、4本の腕を展開し襲いかかる。
「なんと調子外れなリズムでしょう。けれど油断はできない、殺意に満ちた刃の音……少し私が調律してあげましょうか」
振るわれたナイフが、見えざる「何か」にがきんと弾かれた。
ソレイユ自身も、ワルツを舞うようにたたっとステップを踏み、目を閉じて旋律を奏でる。
敵は執拗に音楽を中断させようとするが、そこで横合いから待ったをかけるのが、己を一振りの槍と化したロキシアだ!
「どーだい、これは笑えるかなっ!」
「ギギィ!?」
ドウッ!! と、速度を乗せた刺突が道化師の胴体を狙い過たずに貫通し、くの字に折れ曲がった道化師は勢いそのまま破砕した足場に叩きつけられる。
真下からひょこりと顔を覗かせた道化師は、待ち構えていた妖精の振りまく鱗粉を浴びて、自動人形のくせに激しくくしゃみをした。そこに勢いを乗せた魔槍の柄が叩き込まれ、後頭部を吹っ飛ばす!
戦いが進めば進むほど、陣地はめちゃくちゃに壊れていく。
超威力を炸裂させたレイと聖も、陣地の破壊を優先してヒットアンドアウェイを繰り返し、敵の機動力を削ぐのだ。
「ありがたいねぇ、こんなにたくさん影を作ってくれてさぁ。あっはっは!」
影は九虚の独壇場だ。瞬間移動めいて黒から黒を飛び渡り、ロキシアが吹き飛ばした道化師を影の刃で真っ二つにしたり、ソレイユの演奏を妨害しようとした敵を影に引きずり込んでバラバラにしてしまう。
さながら、子供が恐れる寝物語の殺人鬼めいて、神出鬼没かつ予測不可能な動き。道化師の笑いはいつの間にか止んで、笑んでいるはずの表情は恐怖に怯えているように見えた。
「はっ!!」
ここでライカ、起き上がる。きょろきょろ回りを見渡すと、振り下ろされたギロチンの刃を無駄にアクロバティックな動きで回避し、崩れかけた足場を軽業で駆け上がった!
「やーいやーい、こっちですよー! いやあいいですねぇこの足場、おかげで利用しほうだ」
「あ、すいません」
「ぎゃー!?」
で、跳びついた先の足場が、聖の投擲した棒槍の衝撃力に耐えきれずガラガラと崩れた。
身を投げ出されたライカに飛びかかる道化師! ……34の光条と蒼の一矢が、完膚なきなまでに消し飛ばす。
「こうも複雑だと、味方同士でも混乱がありますね! やっぱり空からが一番よかったのでは……」
「空の警戒はこれ以上だと言われていたはずですよね……? まあともあれ、呼吸を合わせて確実に詰めていきましょう」
ソレイユはテンポをおもいきり変調した。見えざる「何か」が近づく敵を薙ぎ払い、徐々に音を動きに変え、仲間たちに伝搬させる。
「ん、いいねこのリズム。ロッキー、背中任せるよ」
九虚は手足でリズムを刻みながら、さらに跳梁跋扈のスピードを速めた。変則的な動きは読まれれば弱く、時折致命的な隙を晒しかける。
「おっと、かしこまりましたってね!」
ロキシアはつかず離れずで立ち回り、九虚の隙を身を挺してカバーした。そのたびに傷は増えていくが、少年はこれっぽっちも表情を歪ませない。
近づいてきた道化師を、百舌の早贄よろしく串刺しにし、無造作に投げ捨てて足場を崩す。
「……この子には触れないでね?」
ロキシアはチャーミングな笑顔でウィンクした。ふたりは肩越しに視線を交わし合うと、抜群のコンビネーションで離れ、再び交わる。比翼連理、一心同体とはきっとこのことを言うのだろう。
ソレイユのテンポはいつしか6人の動きを整え、それでいてそれぞれの動き=アドリブを受け入れて変調し、敵のリズムをかき乱す。足場が崩れる音、レイの矢が風を切り裂く音、聖の槍が敵を焦がす音……すべてを受け止め、大河のようにひとつの流れへとまとめ上げるのだ。
「ひとつひとつです。こんな交響曲も、悪くはないですね」
幻想独奏曲は戦いの音と交わり、ひとつのシンフォニーへと昇華された。
またひとつ、裁きの鐘が鳴り響く。自動人形の骸が転がり、狂った笑いがかき消える。
「こんな音楽にはやっぱりカニ! ですよね!?」
「すみません、それはちょっと私の知識にはない音楽ですね……」
「あ、はい。ですよねー」
ライカはしゅんとした。それはそれとして、例のビッグカニがドタバタと暴れまわるさまはある意味圧巻だ。
「これでおしまいです。答えはシンプルですよ――僕らの勝ちです」
最後の一体めがけ、聖の投擲した棒槍がズン!! と突き刺さった。
クモの巣状にひび割れながら広がった衝撃で、防衛陣地はついにガラガラと崩れ去る。
粉塵がパラパラと立ち込める。いつしか狂笑は途絶え、つかの間の静寂があたりを満たした。
「誰よりも近く、何よりも遠い。隣人とは、もっとも近い脅威でもある……なんてね? 影からは逃げられなかったねぇ」
ふわりと地面に降り立った九虚が、底知れぬ笑みを浮かべた。
「お疲れ様クロちゃん、みんなも! これで防衛線突破、だね!」
「ではこのままアヴァタール級を仕留めましょう。電撃戦(ブリッツクリーグ)です!」
レイの鬨の声に頷き、ディアボロスたちは進軍した。
水のようになめらかに、激流の如く速やかに。突き進むさまは、何もかもを飲み込む波濤のようだった……!
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1 【フライトドローン】LV1が発生! 【光学迷彩】LV1が発生! 【飛翔】LV1が発生! 【水中適応】LV1が発生! 【コウモリ変身】LV1が発生! 【エアライド】LV1が発生! 効果2 【先行率アップ】がLV2になった! 【アヴォイド】LV1が発生! 【ガードアップ】LV2が発生! 【ドレイン】LV1が発生! 【命中アップ】LV1が発生!
「うそ」
アヴァタール級指揮官、『シャルロット・コルデー』はぽかんとしていた。
鮮やかな奇襲により防衛陣地が突破されたことが、未だ現実として受け入れられていない。
「……てきながらあざやか、ね。わたし、がんばらないとだわ」
しかし戦意を失いはしない。そして、複数のディアボロスを相手取るだけの実力を備えているからこそ、彼女はアヴァタール級として部隊を任されていたのだ……!
②👿アヴァタール級との決戦『シャルロット・コルデー』
上巴・九虚
ロッキー(ロキシア)と引き続き参加
使用パラドクスは「氷咲き」
それじゃあ折角だし、先陣切って大技ぶち込むとしようか。
んっふっふ、あたしの魔法の中でも、相当に派手な部類だよぉ。周りのみんなに影響されたかねぇ?
あたしの弱点?そんなの見たまんまだよ。心臓でも頭でも、狙いたいとこを狙えばいいさ。か弱い女の子なんて、全身弱点みたいなもんじゃない?
狙いやすいようにしたげよう。魔法使いってのは、唱えてる時が一番無防備でしょ?
さて。殺せると確信した一撃を放つ瞬間ってのは、最も油断が大きくなりやすい瞬間でもある。
別に、盛大に囮にしてくれてもいいんだよぉ?んっふっふ。
なぁに、慣れてるからねぇ。痛いのにも死ぬのにも。
②👿アヴァタール級との決戦『シャルロット・コルデー』
ロキシア・グロスビーク
クロちゃん(九虚)と引き続き!
おーけい、クロちゃんのご随意に!
きみの大魔法が見れるなら、任務に参加したかいがあったってものだね
クロちゃんへの攻撃はディフェンスするよ
ぐ、ごほっ!
悪いね、クロちゃん……端から友達にそんなことさせるつもりはッ。ないんだ……!
……それに。単なるカッコつけってわけでもなくてね……
きみには勿体無い技だけれど!
女の子の前なんだ。頑張るしかないだろッ!
融合対象は!
フェアリーコンボ、あなたっていがいとつよくないのね
Paradox Unite!
喰らい付け!ブラックドッグ・コンボ!
獰猛な妖精を呼び寄せ、喰らいつかせ拘束した上で弱点を晒し
刑を執行するッ!
“魔槍”を構え、力の限り突く!
●綺麗な薔薇には
しゃきん、しゃきん。
「あなたたち、なかがいいのね。ほんとうになかよしなのね」
ぎらりと鈍く輝く鋏を鳴らしながら、刃の間から上巴・九虚(虚の白・g07157)とロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)をじいっと見つめるシャルロット・コルデー。
コルデーの声はあどけなく庇護欲を誘う、しかし表情は自動人形らしく虚無的な微笑だ。
瞳はまるで透明なガラス玉のよう。見つめられているのに、鏡を前にしているような不思議な心地になる。
「なかよし、だってさ。褒められてるのかな、ロッキー」
「そうじゃない? 実際僕ら、コンビネーション抜群だし」
九虚とロキシアは、コルデーから覚える不気味さには心動かされず、不敵なやりとりをした。
「でもあなたたちって、いがいとつよくないのね」
しゃきん、しゃきん――しゃきん。鋏の音が止まる。
「んっふっふ、これはご挨拶だねぇ。なら折角だし、大技ぶちこむとしようか。周りのみんなに影響されたかねぇ?」
「え、ほんと? やったね! きみの大魔法が見れるなら、この任務に参加した甲斐もあったってもんだ」
ロキシアは楽しそうに言うと、一歩前に出て"魔槍"を構える。
「じゃ、引き続きエスコートお願いねぇ、ロッキー」
「おーけい、クロちゃんのご随意に!」
コルデーの表情は変わらず、ぴくりとも動かない――永遠とも刹那とも思える静寂を破り、唐突に戦端が拓くまでは!
「それじゃあ先手は頂くよっ!」
仕掛けたのはロキシアだ。一息に間合いを詰め、魔槍の射程距離に敵を捉える。コルデーの笑みは変わらない。
「あなたのじゃくてんは、あのこね」
「!」
コルデーの姿が消えた。ロキシアは、真横をすり抜ける黒い風を視界の端で捉える――疾い!
「そしてあなたのじゃくてんは、たくさんあるわ」
「あたしの弱点? そりゃあ見たまんまだよ。なんせか弱い女の子、だからねぇ」
九虚はあっけらかんと言い、避ける素振りもなく呪文詠唱を始める。死ぬことに対する恐れが一切なかった。
ロキシアのこめかみを、一筋汗が伝う。彼の主観時間が、極度の緊張によりスローモーション映像めいて鈍化した。
コルデーは恐るべき速度で地を駆けていた。暗殺に特化した自動人形の強みは、なによりもこの身軽さにある。
獲物を最速・最短で殺す。そのために必要なのはスピード。そして、致命的一撃を繰り出す正確さだ。刃物は塗毒されている! 九虚が受ければ極めて危険!
「させるかっ!」
ゆえにロキシアは空中で宙返りを打った。矢のようにまっすぐ九虚に襲いかかるコルデーの眼前に飛び降りると、鎖骨から心臓を狙い斜めに振り下ろされた鋏を片腕で受ける!
「あら」
コルデーは抑揚のない声で意外そうに呟いた。危険な猛毒を塗布した鋏は、ロキシアの片腕を貫通している。あと1ミリずれていれば、上腕動脈をぶち抜かれて鮮血の雨が降っていただろう。
「……別に、よかったんだけどなぁ。囮にしてくれてもさぁ」
背中から九虚の声。コルデーはぎりぎりと力を込め、鋏の鋒をそのままロキシアの頸動脈に近づけようとしているため、ロキシアは振り向けなかった。
だが、彼は鍔迫り合いめいて腕に力を込めながら、それでもにやりと笑った。
「ぐ……悪いね、クロちゃん……!」
「ハナから、友達にそんなことさせるつもりはッ。ないんだ……!」
ギリギリと、死の刃が首筋に迫る。ナイフめいて鋭く研がれた先端は、閉じた状態でも肉を貫通するようになっており、皮一枚がぷつりと破けて血が一筋流れた。
「………… んっふっふ」
九虚の表情は、ロキシアからはわからない。ただ、笑い声はいつも通りだ。
「なかよしさん、すてきだわ。いっしょにころしてあげる」
「……それにねクロちゃん、単なるカッコつけってわけでも、ないんだ」
ギリギリ……ロキシアが、徐々にコルデーの腕を押しのける。
「あら」
「きみにはもったいない技だけど……女の子の前なんだ、頑張るしかないだろッ!」
火事場の馬鹿力だ! ロキシアは乱暴に腕を振るい、刃がぶちぶちと筋肉を引き裂くのも厭わずコルデーを払い除けた!
「時に刻まれし錚々たる逆理たち、此処に集いて真理を拓く鍵となれ!」
妖精の姿が不吉なる黒犬に変じ、ぐばぁと牙を剥き出しにした。コルデーは避けようとするが、大顎は逃さずがちんとその身体を拘束する!
「あ」
「……ほんと、今日は周りに影響されちゃう日だねぇ」
九虚は両手を突き出した。コルデーは突然夜が訪れたと錯覚する――否、頭上に現れた氷の巨塊が日差しを隠している!
「派手に、いこうかぁ」
「刑を! 執行するッ!」
魔槍の刺突と、巨大な氷塊の質量が同時にコルデーを襲った。
轟音がセーヌ川を揺らす。コルデーは悲鳴すら上げられず、全身がバラバラになりそうなほどのダメージを受け地を嘗めた……!
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1 【アイスクラフト】LV1が発生! 【託されし願い】LV1が発生! 効果2 【ダブル】LV1が発生! 【ダメージアップ】がLV3になった!
②👿アヴァタール級との決戦『シャルロット・コルデー』
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
イルカ変身は見事に成功し、そして……カニは壮観でした。
2つともボクの頭では浮かばないもの…。
ああ言うダイナミックさも必要なのかなぁ。
敵の防衛陣地は破壊しました、これで戦いやすくなったかな?
我慢の限界とばかりに『アクロヴァレリア』を点火して【飛翔】
右手には『シュトライフリヒト』
左手には『シャルダント』
仲間の動きに合わせて【空中戦】を仕掛け、
『Boeotia』による【観察】で【情報収集】を行い、敵の防御の隙を【看破】
3次元的な空中機動で敵を翻弄し、パラドクスを発動
敵の反撃による突きはそのインパクトの瞬間に
シャルダントによる【結界術】と強烈なフラットスピンでいなして弾きます。
②👿アヴァタール級との決戦『シャルロット・コルデー』
奉利・聖
さて──次は、お前だ
砕かれ、廃棄処分となる準備はできているか?
出来ていなくても関係ない…破壊して消し去るのみ
工場は本日をもって閉鎖、従業員はもれなく殉職…結末はこれだけ
まずは一発、攻撃を貰いに行きましょう
それを脚甲──死蔵で受け止めて、衝撃をチャージ
【エアライド】と【飛翔】で飛び上がって、落下のエネルギーを乗せて
──『爆気功』
空中で回転、爆発の推進力を得てさらに加速ッ!
上空から急降下する超高速高威力のネリチャギをお前にくれてやる
いくら切り刻まれようとも、この怒りと前進する意志は止められない
鋼が如く<忍耐力>はどれだけ傷付こうと、消えることはない
●シテ島に舞う
「……ああいうダイナミックさも必要なのかなぁ」
「え? 何がですか?」
唐突なレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)の呟きに、どうしたんだこいつという顔をする奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)。
「いや、イルカ変身は見事に成功しましたし、カニも壮観でしたし、それであのでっかい氷じゃないですか。
ああいうの、ボクではまったく浮かばないものなので、少しは参考にしたほうがいいのかなーって」
「……あなたのことは立派な技術者として尊敬してますが、とりあえず一部については参考にしないほうがいいと思います」
「え、でもカニ」
「参考にしないほうがいいと思います(早口)」
聖はけっこうマジな顔で言った。マジな顔で。
そのダイナミックな攻撃で地を嘗めたシャルロット・コルデーが、ギギギと錆びた機械を思わせる動きで立ち上がる。
「ア……なた、たち、つよいのね。さすが、ダ、わ」
ダメージのせいか声音は一部不明瞭だ。小刻みに震えるさまは、自動人形の不自然さが剥き出しになっていた。
「いまさら気付いたところで遅い。砕かれ、廃棄処分となる準備は出来ているか?」
聖は別人のような険しい表情で厳しく言い放った。
「工場は本日を以て閉鎖、従業員はもれなく殉職。結末はこれだけだ。準備が出来ていなくとも、破壊して消し去るがな」
「ふ、フフ、ふ……それは、コまる、わ」
ゴギ、ギギギ……カタン。コルデーは両手をだらんと下げ、斃れそうなほど前のめりになった。表情は見えない。
「だからころすわね」
直後、黒い髪を振り乱した自動人形が、恐るべき速度で地を蹴る!
「本性を現したな。所詮お前らは」
「ああもう、我慢の限界です! ここで戦うだけなら問題ないでしょうッ!」
「え?」
身構える聖、隣にいたレイはドヒュン! とスペースシャトルめいて垂直離陸! 【飛翔】の禁断症状だ!
「今まで我慢してたぶん、盛大にやらせてもらいますよ……! ふふふ、やっぱりボクはこうでないと!」
その目はいささかよくない感じがしていた。コワイ!
「……残留効果って依存症状とかあるんでしょうか」
聖はちょっぴり真剣に悩んだ。0.01秒ぐらいだが。
ふざけた空気は、コルデーの上げる金切り声で切り裂かれる。折れた片腕に構えた鋏は異様に巨大だ。
「ころすわ」
「やってみろ」
聖は避けない。受けた! 脚甲つきの片足を膝を折った状態で高く揚げ、一本立ち姿勢で止めたのである!
すさまじい衝撃が伝搬し、踏みしめられたもう片足を中心に地面がズシン! と陥没した。無理矢理に止めたことで全身の筋肉が引き裂かれ、そこかしこから血がぶしゃりと飛沫く。
「どうした、殺すんじゃないのか?」
聖は冷たい瞳で睨みつけ、掲げた片足を振り子運動のようにドン!! と地面に叩きつけ、レイを追って空へ。
コルデーはガラスのような瞳を見開いたまま空を見上げ、化け物じみた怪力で追いすがる。三度の衝撃を受けた地面はさらに大きく陥没し、クレーターじみた有様だ。
たちまちに戦いは空中戦に移行する。コルデーは巨大化させた鋏と毒を塗布した鋏のふたつを両手で振るう。さながらレイピアとマンゴーシュのように。
「ボクが前に出ます、聖さんはその間に一撃を!」
「任されました」
レイと聖が入れ替わる。レイはガントレットで巨大鋏を弾くと、間合いに鋭く飛び込みレイピアを振るった。
「ダンスがおのぞみ? いいわ、おあいてしましょう」
「それはこちらの台詞です……!」
ハチドリのように高速ドッグファイトを繰り広げる両名。そのやや後方、聖は空中で独楽のように回転し力を貯める。
コルデーも、聖を放置しては危険だと考え、レイを仕留めようとやや強引な刺突を繰り出した。
「ワルツの踊り方は知りませんか? こうやるんですよ!」
レイはフラットスピンめいて慣性に任せた高速回転を行い、遠心力を味方につけて心臓狙いの刺突を逸らす。
腕が裂けバッと血の華が裂くが、その時レイはコルデーの側面にいた!
「その守り、貫くッ!」
刃光が稲妻を描いた。大型鋏を盾代わりに掲げるより疾く、レイピアはコルデーの脇腹を劈く!
「か、ハ
……!?」
コルデーは仰向けに大の字に落下していく。真上には聖――冷たい瞳がガラス玉を見下した。
「スクラップを壊す時は、プレス機を使うのが定番だ」
空気が爆ぜた。下方向に空中を蹴った聖は、蓄積された衝撃を蹴り足に集め叩きつける。鞭のようにしなるネリチャギ!
「あGaッッ!!!」
陥没した地面にコルデー直撃! ヒビがミシミシと広がり瓦礫が間欠泉めいて舞い上がる!
逆説連鎖戦は尋常の時間感覚では計れない。だがそれを前提にしても、この攻防は一瞬のうちに終わりを告げていた……!
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1 【一刀両断】LV1が発生! 【建造物分解】LV1が発生! 効果2 【命中アップ】がLV2になった! 【ダメージアップ】がLV4になった!
②👿アヴァタール級との決戦『シャルロット・コルデー』
エレオノーラ・アーベントロート
景気の悪い顔をしていますわね。
部下を見習った方がよいのではありませんこと?
部下たちはあんなに愉しそうでしたのに。
何をしたところで、ここでブチ殺されるんですもの。
最期まで笑っている方がお得ですわよ、うふふ。
電磁レールガン「フェアレーター」より「第二十五の魔弾【惨劇】」を投射して戦闘。
あちらに小細工がないのならこちらも小細工をする必要はありませんもの。
囲んでブチ殺して終わり……もちろんわたくしはタイマンでも負けませんけれど。
巨大なハサミに持ち替えてこちらを切り刻む攻撃はフェアレーターで受け止め、接近してきた相手を掴み銃口を押し付け、零距離からの【惨劇】の魔弾で反撃しますわ。
②👿アヴァタール級との決戦『シャルロット・コルデー』
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
鉄壁の防衛網を突然現れたカニに蹂躙されたら
そりゃあ、司令官も唖然としますよね…
心中お察しします
いえ、お察ししている場合ではありません
一気に畳み掛けて防衛網に風穴を開けてやりましょう
宙に展開した鍵盤で「凱歌」を演奏
馬上槍を構えた騎士に自動人形へ突撃攻撃を仕掛けます
横腹を突き抜ける様に走り抜け
踵を返し第二撃へ備えます
反撃は魔力障壁で軽減し攻撃を続行
弱点を見抜かれても、指が動けば演奏は出来ます
仲間と連携し連続した攻撃を意識
一人の弱点を見抜いたくらいで、優勢に立てると思わないでください
無事撃破したら、再びイルカ変身で素早く撤収
早くシテ島を奪還したいのは山々ですが…
まだ今は、ここまでです
②👿アヴァタール級との決戦『シャルロット・コルデー』
奴崎・娑婆蔵
●WIZ
そちらさんのその名は確か、結構な暗殺をやってのけたってェ手合いのそれであったか――
興味がありやすねえ
その名を冠したそちらさん、どんな手際を有するやら、俄然興味がありまさァ
職責もなんもかんもブン投げて、一丁斬り合っちゃくれやせんか?なァ!
・鞘へ納刀したままにグイグイ前に出る
・【オーラ操作】を用い体表を巡る気へごく自然に濃淡を持たせ、心臓部周囲のみ気の巡りがやや薄くなるよう仕立て――シャルロットが弱点と目するだろうか箇所を誘引する策
・敵攻撃を見次第『トンカラ刀』を瞬時に抜刀、【闇刃放出】にて斬り返す
・西洋では見る機会も無かろうか、意表を突く意図で東洋の抜き打ちの技を繰る(戦闘知識+早業)
②👿アヴァタール級との決戦『シャルロット・コルデー』
ライカ・ネイバー
連携アドリブ大歓迎
(戦闘中はダッシュ、ジャンプ、空中戦、地形の利用で常に走り回ります)
一つ、カニのおみそを啜り
二つ、テンアゲ善行三昧
三つ、悪徳ブラック工場を、滅してくれよう甲殻類!
おれはカニに乗るッ!
うおおおおッ!ネメシスッ!(カニのネメシス形態へ)
カニの機動力を活かして戦場を駆け巡り、逃げ回るついでに【撹乱】といきましょ
その間に装備を合体、【武器改造】でパラドクスの準備っすよん
弱点はバレてますし瓦礫やカニに身を隠し、
死ななきゃ安いの精神で多少の被弾には目をつぶって行きますぞ
準備が終わったら取り出しましたるは《BFC-60000》!
全力ビームで消し飛ばしてやりまさぁ!
ブチ抜けふぁっひゅーー!!
②👿アヴァタール級との決戦『シャルロット・コルデー』
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ◎
陣地の崩壊ぶりを一瞥
カチコミ大成功だな
Blitzkriegか……懐かしい響きだ
戦場を偵察、観察し敵味方の動きを把握
包囲陣に乗ろう
さあ踊ろうか、お嬢さん
低い飛翔を交えて、上の空間も使い
空中戦も地上戦も交えて、翻弄しつつ近接戦闘
間合いを変則的に取りフェイント織り交ぜ
味方の援護しつつ、隙を看破し弾丸を叩き込む
敵が地上に気を取られたら、上から狙う
混戦時は上からを多く
反撃には魔力障壁を展開し
鋏、腕の動きや踏み込みを観察、攻撃を見極め
惹き付けながら下がり、飛翔からのエアライドで回避
“力のかぎり”ならば
俺への攻撃は仲間のための隙になる
立ち止まっている暇はないんだ
先ずは、一つ
風穴を穿たせてもらう
●然るべき場所で死ね
べん!(唐突な三味線の音)
「ひとつ、カニのおみそを啜り」
べべん!(引き続き三味線の音)
「ふたつ、テンアゲ善行三昧」
べべべん!(相変わらず三味線の音)
「みっつ、悪徳ブラック工場を、滅してくれよう甲殻類!」
べんべんべんべんべんべんべん!(狂い鳴く三味線の音)
「おれはカニで行く! うおおおお行くぞぉおお!!」
「いや待ってください、何もかも待ってください」
さあクライマックスだ! みてえな勢いで雪崩込みかけたところで、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)が待ったをかけた。
「ええ~! なんですか、最後の戦いですよ真面目に行きましょうよ!」
「ライカの、そこからセーヌ川が見下ろせやすぜ。ツラを見る必要があるならおすすめでさァ」
奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)の顔を、ライカ・ネイバー(エクストリームお手伝い・g06433)は鳩が豆マシンガンを食らったようなきょとん顔で見返した。で、首を傾げた。
「というかなんでしたの今の三味線の音は」
「さあ……世の中不思議なこともあるんじゃないだろうか」
エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)の疑問に、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は曖昧に笑った。世の中、明かさないほうがいいこともあるものなのだ。
ヤケを通り越して発狂したライカはさておき、敵はボロボロになっていて、腕や脚がぎこちなく痙攣していた。
「……あ、Aア、あ」
不明瞭な機械音声を発しながら、シャルロット・コルデーが立ち上がる。無機物の不気味さがあらわになっていた。
「景気の悪い顔をしていますわね。部下を見習ったほうがよいのではありませんこと?」
エレオノーラは、キリキリとこちらを見るコルデーの顔……半分が引き裂け、内部機構を剥き出しにしたものを鼻で笑う。
「部下たちはあんなに愉しそうでしたのに。あなたもこれからここでブチ殺されるんですもの。最期まで笑っているほうがお得ですわよ、うふふ……」
嗜虐的で酷薄な笑みは、ある意味でアンティークドールめいて無機質だ。壊れかけの人形とは対照的に、満ち足りているがゆえに美しく、同じように不気味でもある。
「そういやァ、そちらさんのその名はたしか……結構な暗殺をやってのけたってェ手合いのそれであったか――」
娑婆蔵が顎に手を当て、記憶を探る。
「暗殺の天使、シャルロット・コルデー。まさに1793年に大胆な暗殺を成功させ、処刑された女性だな」
エトヴァがそれを肯定し、ふむ、と意味ありげな眼差しでコルデーを見た。
「史実の同一人物とどの程度似通っているのかは、俺にはわからないが……その状態では、暗殺は難しそうだ。
彼女の言う通り、もうあとは壊れるさだめ。ならば最期に踊ろうか、お嬢さん?」
キリ、キリキリ……軋む音を立てながら、コルデーのガラス玉めいた瞳がエトヴァを見返した。
「Suてきナおさそイ、Ne。けどむリよ。あなたたチはこRoさなイと」
「カハハ、そちらさんもやる気ときた。興味がありやすねェ、その名を冠したそちらさんがどんな手際を有するやら」
娑婆蔵の赤い瞳がぎらつく。抜き身の刃じみた危険な気配を纏うやくざ者が、じりじりとすり足で間合いを詰めた。
1cm近づくごとに空気は重く飴のように濃密さを増す。娑婆蔵の目はさらに煌く。キリキリという軋む音は、さだめられた時へ針を回すアンティーク時計のようだ。
徐々に徐々に、炸裂の瞬間に向けて空気は張り詰める……そして!
「うおおおおッ! ネメシスッ!!」
やっぱりライカがぶっ壊した! 足元からなぜか巨大カニはぐにょんを飛び出す! これが真の姿だというのか!?
「え」
「カニの機動力を見せたるわーーーーーい!!」
シャカシャカシャカ! 巨大カニが動き回る! ライカはその上で勝ち誇る! なんだこの光景は!
「そりゃあ、いきなりカニが現れてものすごいスピードで動き回ったら、クロノヴェーダも唖然としますよね……」
コルデーの心中を察し、ソレイユは嘆かわしげに頭を振った。
いや違う、お察ししている場合ではない。ソレイユは我に返り、空中を指でなぞる。電子の鍵盤が出現した!
「このまま一気に畳み掛け、防衛網に風穴を開けてやりましょう!」
「ようやくまともに鬨の声が上がりましたわね! いまいち身が入りませんでしたわ!」
「ああ、Blitzkriegで終わらせようじゃないか」
エレオノーラとエトヴァも、それぞれに電磁レールガン『フェアレーター』と二丁拳銃を構え、戦意を漲らせる。
「さあ、さァさァ! 職責もなんもかんもブン投げて、一丁斬り合っちゃくれやせんか? なァ!」
娑婆蔵は納刀グイグイ圧をかける!
「カニィイイイー!!」
ライカは狂っていた! 地獄だ! とりあえずこうして戦いが始まった!
「オラオラオラー! わたしが弱点だっていうなら倒してみろやー!!」
ズガガガガ! と瓦礫を吹き飛ばして迫る巨大カニ!
「さわがしいのはきらい」
キリキリ、カタン! とバネじかけめいて突然跳ね上がったコルデーは、風に煽られる木の葉めいてカニ突撃を躱した。
「やば!!」
ライカは急いでカニ甲殻に隠れるが、コルデーのほうが疾い。カンフーアクション映画めいて横スピンしながら鋏を構え、喰らいつくような刺突を放つ!
「うおおおブチ抜けふぁっひゅーー!!」
ライカは取り出した! カニ……いやちげえ超大型プラズマキャノンだこれ! ヌッとカニ大砲めいてせり出すプラズマキャノン! カニ大砲とは??
「は??」
カッ! とプラズマキャノンの砲口が閃光を放ち、セーヌ川を見下ろす空を光の槍が貫いた。
カニがなんにも関係ない強烈ビーム攻撃を浴びたコルデーは、ぶすぶすと全身が焼け焦げながらがしゃんと無様に落下する。
「これがカニの力じゃ(ドカーン)ぐえー!!」
そしてオーバーロードしたキャノンが爆発し、ライカは黒焦げアフロ状態で落ちた。なんだこの子は。
「……カニは終わりです。ここからは第2楽章ですよ!」
ソレイユは気持ちを切り替え、凱歌を爪弾いた。快活(アレグロ)な旋律は銘の如く勝利の凱歌を告げる早馬の蹄に似て、再び仲間たちの背中を叩いて活力を与えるのだ。
「あ、Ga……まだまけてないわ、まダ、よ」
立ち上がるコルデーに、ソレイユの旋律が出現させた半透明の騎士が迫る。
たくましき灰色の馬を駆る騎士は馬上槍を構え、輝く鎧を煌めかせて勇ましく突撃を仕掛けた!
コルデーは騎士の攻撃を避けようとする。幻想の騎士の攻撃は鋭いが、コルデーの本来の性能(スペック)であれば避けられない速度である。だが、しかし!
「後ろががら空きだよお嬢さん、俺とのダンスは不服かな?」
エトヴァが超低空飛行で間合いを詰めていた。コルデーの脇腹に滑るような膝蹴りを叩き込み、くの字に身体を折り曲げる。
たたらを踏んだその瞬間、エトヴァは反作用で後方へ。すれ違いざまに幻想の騎士のチャージが到達、もう片方の脇腹を馬上槍が裂いた!
「アaあ!」
騎士は駆け抜けるとターンをかけ、再びチャージ。まるで対称を描くようにエトヴァも空中で身を翻し、上下逆さ状態で二丁拳銃の引き金を引いた! 弾丸が機構をロックし、続く槍の二撃目!
「あ、ガが、G……ッ」
「反撃もままならないかな? それは結構、こちらも立ち止まっている暇はないんだ」
エトヴァと騎士の動きは、上空から見れば∞のマークを描くように見えただろう。交差点には常にコルデーが位置していて、騎士とエトヴァがすれ違うたびに狂ったように舞う――舞わされるのだ。
「ひとりの弱点を見抜いたくらいで、優勢に立てると思わないでください。
たとえあなたひとりが強力でも、私たちは互いの音を連鎖させひとつの旋律となす、それが私たちの強さなのですから!」
ソナタがテンポを増していく。拍車をかけた馬のように。高らかに、陽気に!
「どういたしやした? コルデーの。あっしの相手はご不満で?」
まるで演者が舞台ごと入れ替わるように、ワルツの只中へ娑婆蔵が入り込む。
するりと滑り込んできた動きは、東洋で言うところの禹歩に近い。それゆえコルデーにはタイミングがつかめない。
赤い瞳はコルデーを射抜くように睨む。揺らめくオーラが波打つさまがコルデーにはよく見える。頭部、利き足、利き腕、脇腹――心臓、ここだ。
「――しんで、ちょうだい」
もはや満身創痍と思われたコルデーは、実はこのために力を温存していた。
娑婆蔵が間合いを詰めた。詰めすぎた――いや、そのように見せた。コルデーはその餌にかかった!
「あなたのしんぞうをちょうだい!」
コルデーの姿が倍に膨らんで見えるほどの速度と威圧感! 幽鬼めいて髪を振り乱したコルデーの刺突が娑婆蔵の左胸部やや中央を斜め下から狙い穿つ!
はず、だった。
「え」
「八ツ裂きに、してやりまさァ」
コルデーは娑婆蔵の背後にいた。だが宙に浮いている。エトヴァと同じ目線の高さ――彼は瞑目し頭を振った。
高度がゆっくりと下がる。アトラクションめいて回転する視界にそれが飛び込む。立ち尽くした己の下半身が。
「あア!?」
認識すら出来ぬ速度の遠間の居合い。呼吸に等しく最適化された殺戮経路を見抜き放たれる、遠近無視の我流魔剣。
抜き打ちの仕手をコルデーは知らぬ。だが知っていたとて何が出来ただろう。むなしく空をくるくる踊るコルデーに。
コルデーはしかし考える。まだ戦える。誰を殺す。娑婆蔵か? 背中に油断はない。ソレイユ。騎士の馬上槍は上に向けられ、こちらを定めている。では、ならば。
「あなたの」
あの、人形めいた笑みを。
「えがおは」
ぐちゃぐちゃに、してやる!
「きらいよ」
エレオノーラは棒立ちで微笑んでいた。落下速度が猛烈に加速し、両者の距離が縮まる!
「小細工なしのタイマン、嫌いじゃありませんわ」
が。
「……A.」
「だって、わたくしに負ける道理がありませんもの。小細工をする必要もないんですから」
フェアレーターが、質量増大したハサミの一撃を受け止めていた。
エレオノーラは曲芸師めいて電磁レールガンを操り、巨大すぎるリボルバーをガンスピンするように、コルデーの上半身を銃口に引っ掛けた。
「あなたの奪ったお名前の持ち主、幕切れは清々しかったそうですわよ」
女の悲鳴めいた高音。フェアレーターの叫び。電磁魔弾装填、励起。
「あなたも見習いなさいな。"Va où tu peux, meurs où tu dois.(行くべきまで行き、然るべき場所で死ね)"というやつですわ」
コルデーはもがいた。魔弾の射手はエピローグを許さない。
「――【惨劇】、解放」
美しい口元が、裂けるような笑みを描いた。
再び空を劈く魔弾が駆け抜け、雲間を切り裂く。
四散したコルデーの残骸は、おそらくは粉微塵と化してセーヌ川の魚の餌になったことだろう。
跡形もない破壊。二十五の魔弾は、単純なる威力ゆえに防ぎようがない。
「まだ今は、ここまでです」
最後の一小節を演奏し終えたソレイユは、再び空を撫でる。鍵盤が消失した。
「ですがまずは、ひとつ」
「ああ、ひとつ。風穴を、開けてやったよ」
びょう、と風が吹き、エトヴァの髪をなびかせた。
「楽しみでさァ、風穴の先に何が待つやら」
娑婆蔵が愉快そうに目を細めた。彼らの見据える先には、秘密工場の威容――。
「……あれ? わたし最後までこういう感じ……?」
アフロヘアのライカの頭の上に、ごいんと瓦礫が落下した。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1 【建造物分解】がLV2になった! 【勝利の凱歌】LV1が発生! 【狐変身】LV1が発生! 【修復加速】LV1が発生! 【書物解読】LV1が発生! 効果2 【ダメージアップ】がLV6になった! 【ガードアップ】がLV3になった! 【能力値アップ】LV1が発生! 【命中アップ】がLV3になった!