リプレイ
ラウム・マルファス
虎牢関、いくらなんでも関の大きさより敵の数が多いと思うんだよネ
どこかから補充されてるのかナァ
まぁとにかく敵をどんどんやっつけちゃおウ
何かキモいケド……芋虫とか蛭とかそっち系の蟲なのカナ
カラス型ドローンに燃焼剤を搭載
突撃させて、まずは藤甲を焼こウ
続いてダツって魚型のドローンを飛ばすヨ
魚型だけど今回は空中を飛ぶ仕様サ
爆薬で加速して突撃させル
鎧の焼け落ちた敵を狙い撃ちしよウ
手斧は可能ならフライトドローンを飛び移りながら回避しよウ
無理そうならイバラの冠を飛ばして牽制し狙いを逸らしつつ、直撃しそうなものはナノマシンで盾を作って受け流そウ
一騎塚・喜一
難攻不落と名高い虎牢関、一体どれだけの戦力を有しているのか気になりますが
先ずは巡回警備の蟲将から迅速に倒していきましょう
接敵までは慎重に【忍び足】で隠密行動を心掛けておきます
残念ながら刀での攻撃はあまり有効とは言えなさそうですね
私にも魔法っぽいものが使えたら良かったのですが…
無いものは仕方がありません、上から【山颪】の打撃技で仕掛けます
【飛翔】で素早く移動し各個撃破していきましょう
あまり高く飛びすぎると目立ってしまって援軍が予想以上に早く来てしまうかもしれません
藤甲熊兵の頭上ギリギリぐらいの高度を維持します
ただ押しつぶされるのも気分が良くないです
【グラップル】で組み付きささやかな抵抗を試みます
そびえ立つ虎牢関の城壁は、少しばかり離れたところでまったく小さくは見えてこない。
巍々たるその高さは100mを越えるほどもあり、幅は1000mにも及ぶ大きさで交通を遮断している。その巨大さは、周囲の景色からはまったく異質な存在であった。
城壁、とは言ったものの、その形は虎を模したものであって、虎口に門が隠されていた。
いま一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)とラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が窺っているのは、虎の背後である。
「難攻不落と名高い虎牢関……いったい、どれだけの戦力を有しているのか気になりますが」
と、喜一は伊達眼鏡ごしに虎牢関を望む。
「それなんだよネ」
ラウムは「我が意を得たり」とばかりに、喜一に向かって頷いた。
「いくらなんでも、敵の数が多すぎると思うんだよネ。
だって、これまで何度も攻撃して、かなり敵は倒してきたはずなのニ。……どこかから、補充されてるのかナァ?」
「かもしれませんね」
「ネ。まぁ、とにかく敵をどんどんやっつけちゃおウ」
「それしかありませんね」
頷いて、喜一は眼鏡を外す。
ふたりは足音を立てぬよう、敵の姿を追い求めた。藤甲熊兵どもが巨体を揺すりながら歩くたび、地面は地響きを立てる。その所在を掴むのは容易だった。
「なにかキモいケド……あれ、芋虫とか蛭とか、そっち系の蟲なのカナ?」
「芋虫っぽくはありますが……」
喜一は一度は触れた刀の柄から手を放し、
「……なんであれ、迅速に倒していくだけだね」
呟いて、地を蹴る。
「もももッ!」
熊兵どもが喜一に気づいて応戦の構えを見せた。
「残念。もうこっちは換装完了してるヨ。さァ、行っておいデ」
ラウムはカラス型のドローンを敵中に放った。それは言うなれば、生物を模した焼夷弾である。激突とともに炎がわき上がり、熊兵どもの甲を焼く。
「私にも、魔法っぽいものが使えたらよかったのですが……ないものは仕方がありません」
甲を焼かれながらも、その巨体で押し潰さんと突進してくる敵兵を、喜一は直垂の裾を翻しながら飛び越えた。
「上から失礼します」
1体1体屠っていくのみ。振り下ろされる踵は、敵兵の脳天に深々と食い込み、ぶよぶよとした頭を凹形に大きくへこませた。そのまま敵兵は、口から体液をまき散らしながら仰向けに倒れる。
「このッ!」
同胞が倒れようとも敵兵は怯むことなく押し寄せ、喜一を押し包む。敵兵の腕に手をかけた喜一は体を入れ替え、ねじり上げつつ熊兵を投げ飛ばした。
熊兵どもは手斧を振り回して襲い来る。ラウムはドローンの上に飛び上がってそれを避けた。
「ぐももッ!」
怒声とともに振り回された手斧がドローンを粉砕したが、すでにラウムは別の機体に飛び移っている。
「今度は魚型、いくヨ!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
陳・桂菓
速やかな撃破が肝要か。強靱な鎧に高い生命力を持つ敵を相手に、なかなか厳しいオーダーではあるが……
私にできうる最速の技で当たろう。
使用武器は双短戟『騰蛟昇竜』
【蚩尤超限暴】による速度上昇と双手ならではの手数でもって、撃破の速さを上げたい。
鎧や盾は頑丈らしいので、それを避けて隙間や頭部を狙って攻撃する。仮に受けられても、即座に逆手から斬撃を放つことで攻勢を保てるはず。
普段、この技は性質上それほど精密さを求めつつ使うことがないのだけど、今回はその辺を気合いで補いつつ戦わなければならない。まあ敵は巨体だから、鎧に覆われていない部分も大きかろうし、何とかなるだろう。
「私を捉えるには……粗すぎるナ!」
杏・紅花
虎牢関、きっととっても大事な場所
ココを心配をなくしておけば、夏までに…この国も、取り戻せるかも
えーっと、あれ、「後顧の憂いを断つ」ってやつ〜っ
まずは巡回兵をたおーす!
このおっきいの、丈夫なんだよねえ
まずは鎧を剥がして、相手より素早く立ち回って転倒させるなり腱を断つなりして、動きをとめたい
「飛火」に「針」をくくりつけて鎧に引っかかるようにして投擲
「撓」で腱を狙って、パラドクスを使用して同じところを蹴撃
仲間と連携して確実に倒していきたい
アドリブ、連携歓迎っ!
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ利用する)
(仲間の事は基本的に苗字呼び)
まずはあのデカブツを片付ける、了解だ
周囲のディアボロスと声を掛け合い、連携・情報共有
【飛翔】で敵の動きや戦況を観察
飛び回って敵を引きつけ、敵の隊列や陣形を乱して動きを妨害
(目立ちすぎぬよう、高度は他と合わせる)
隙をついて【狙い撃つ災禍】で攻撃
弱っている個体を撃破し数を減らす>攻撃態勢に入っている個体を狙い連携を乱す、の順に優先して攻撃対象を選ぶ
手早く効率の良い殲滅を目標に
デカブツどもめ。鎧が固いってんなら、覆われてねえとこを狙うまでだ
殴る蹴るに尻尾、武器も長ドスから蓮根(拳銃)まで、何でも使って攻撃をねじ込んでやる
「まずは巡回兵をたおーす!」
杏・紅花(金蚕蠱・g00365)は藤甲熊兵どもが視界に入るや、鼻息も荒く声を張り上げた。
「あのデカブツを片付ける……了解だ」
大きく翼を広げて【飛翔】した伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)は敵群を見下ろし、牙を露わにして笑った。
細々と状況を把握するまでもなく、ラウムの爆撃を受けた敵兵どもは混乱しつつも、なお旺盛な戦意を見せている。
「強靱な甲と、高い生命力。それを速やかに撃破するとは、なかなか厳しいオーダーではあるが……」
陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は眉を寄せたが、
「細けぇことは気にすんな。甲が固いってんなら、覆われてねぇところを狙うまでよ」
と、逸は笑う。
「そうそう。それか、あの甲を引っぺがして、転倒させるなり腱を断つなり……とにかく、速さで勝負だよ」
懐から丸薬のごときものを取り出して弄びつつ、紅花も笑った。
「ふふ、頼もしいな」
ふたりにつられて桂菓の頬も緩む。桂菓は両手に短戟を握りしめ、
「ならば私も、できうる最速の技で当たろう!」
と、地を蹴った。
藤甲兵どもが吠えながら、新たに現れたディアボロスたちに向き直る。
「このおっきいの、丈夫なんだよねぇ……」
顔をしかめつつ、腕を振る紅花。放たれた丸薬状の『飛火』は敵兵どもの中で爆ぜ、起こった炎が甲を焼く。
敵兵は身を焼かれながらも意に介さず前進し、手にした円盾で押しつぶさんと襲い来る。
「歓迎……見ててね」
長く伸びた袖を緩やかに動かして舞う……かと思えば。地を蹴る『金蹄』の響きも高らかに、瞬く間に敵兵の懐へと跳び込んでいた。速さをそのまま乗せた蹴りが、熊兵の腹に深々と食い込む。それにとどまらず、くの字になった敵兵の顎……に思えなくもない辺りを蹴り上げた。
「ぶもぉッ!」
体液をまき散らしながら斃れた同胞の死骸さえも乗り越え、熊兵どもは襲い来る。
「下がれ紅花!」
「りょーかい!」
まだ体勢が整わぬ紅花と互いの位置を入れ替わり、今度は桂菓が敵を迎え撃つ。
「望むところだ……この戦場に、私が来た!」
桂菓の目には、翩翻と翻る赤い旗が確かに映っていた。自身の中に宿る戦神の力が、眠りから覚めて沸々とわき上がってくる。
「と、ト……翔ぶゥ!」
身体能力の限界を超えた速さで、桂菓は敵中へと飛び込んでいく。
敵が盾を叩きつけてくるよりも速く、桂菓の短戟が敵を深々と貫いた。斃れる敵兵などにはもはや見向きもせず、さらに桂菓は身を翻して、逆の手で新たに迫った敵の太股を突いた。
素早く距離を取った桂菓は、目を細めて笑う。
「私を捉えるには……粗すぎるナ!」
「ももッ!」
一度は膝をついた敵兵だが、戦意は衰えない。再び身を起こして襲い来ようとした。
「問題ねぇ。任せろ!」
だが、その視界を覆ったのは大きく広げた逸の翼である。
「デカブツどもめ!」
敵を飛び越えた逸は拳銃の引き金を引き、さらには抜いた長ドスで、敵兵に斬りつけた。
しかし、深手を負ったにも関わらず、熊兵は逸を押し潰そうと迫る。
「なかなかしぶといじゃねぇか。だがな……!」
渾身の力でそれを押し戻しつつ、逸は敵の側頭部に、めり込むほどに拳を叩きつけた。
「殴るッつッたら殴んだよ! それを違えたことはねぇ!」
ディアボロスたちの奮闘に、藤甲熊兵どもは瞬く間に数を減じていく。それでも敵は退かず、
「ぶぉぉぉぉッ!」
雄叫びを上げつつ手斧を打ち付けてくる。
「しつこい野郎どもだぜ!」
逸は舌打ちしつつ、抜いた拳銃の引き金を引く。
「……あの咆哮、虎牢関にまで届いたか」
敵兵の腹を短戟で貫いた桂菓が、彼方にそびえる城壁の方へと視線を巡らせた。
この戦いの音はあそこまで届いているであろう。すでに、援兵が発しているかもしれない。
最後に残った敵兵を蹴り飛ばし、岩に打ち付けて絶命させた紅花は、
「ココの心配をなくしておけば、もしかすると夏までに、この国も取り戻せるかも」
と、意気込みを見せる。
「虎牢関、きっととっても大事な場所だもの。
え~ッと、あれ、ほら。『後顧の憂いを断つ』ってやつ」
そう言って紅花は、片目をつぶった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
「ディアボロスどもが、洛陽の方角からだと?」
東呉郡主侍女隊の女どもが奏でる琴瑟の調べに耳を傾けていた美周郎・周瑜は、駆け込んできた者の知らせに眉を寄せた。
騒ぎに慌てて音を外した侍女の方を、周瑜は睨む。
「浅はかな。裏口を狙えばこの虎牢関を落とせるとでも思ったか。その思い上がり、我が火計で焼き尽くしてくれよう。
者ども、続け!」
「ははッ!」
侍女どもが慌ただしく動き始める。彼女らを従えた周瑜が、虎牢関から出撃した。
「急げ。ディアボロスのひとりたりとも逃がしはせん!」
ラウム・マルファス
敵が隘路を進むようにする方法カ
不意打ちでも誘ってみようカナ
トラップ生成で破城槌のハリボテを作るヨ
虎牢関に攻め込むときに作ったんダ、ちょっと懐かしいナ
そのまま隘路の方へ向かウ
敵の偵察は気づかないフリして無視するヨ
嘘とか演技は下手だから、上見ないようにしよウ
破城槌がひっくり返らないように、路面注意だしネ
隘路を通るつもりで来たケド、大きいし不安定だから隘路は通れない、って装って、隘路の前でちょっと立ち往生するヨ
これなら、引き返すときに背後を取れるように、隘路から攻めてきてくれるんじゃないカナ
ブロス・ブラッドハート
誘い込む策かぁ~、おれなら悪口言われただけでもムカッとしちゃうけど…
頭の良い人がどう考えるか想像してみねーとだな
おれはみんなの後を追って戦場に行く…って形で、東呉郡主侍女隊に見つかってみようと思う!
竹簡筒ってのを胸に下げて、敵に追いつかれないように『ダッシュ』で間道へ逃げてくぜ
【泥濘の地】をつかったりすれば逃げるフリも迫力でるかな?
っていうか背中を見せて逃げんのって向かってくのより怖えかも…!んぁ~演技じゃなくなってきたぞこれ…!!
自分以外のことで上手くいかない時にも頭の良い人はイラってするかなって
部下を押しのけて周瑜が追ってくればあとは間道に滑り込むまで逃げるのみ!
アドリブ・連携歓迎だぜ!
一騎塚・喜一
存外に血の気が多い敵将ならば冷静さを失わせる手が有効でしょうか
晒し者にするみたいで気は進みませんが
可能であれば先程戦った藤甲熊兵の体を何体か敵から見えやすい場所に運んでおきます
【怪力無双】と【ダッシュ】で手早く済ませてしまいましょう
味方が倒された姿を見て多少なりとも冷静さを欠いて貰いたいのと
目立つものを置いてディアボロスが潜む崖から注意を逸らす狙いです
運んだ熊兵は後ほど簡単でも埋葬しておきたいです
敵兵の誘導は逃げる姿を見せつつ付かず離れず誘導先へ向かいます
逃げに徹し過ぎると怪しまれる可能性があるかもしれません
味方と連携しつつ、ダメージは与えられませんが弓矢で応戦しながら敵の注意を引きましょう
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・有用な残留効果は活用する)
なんだ、意外と面白え事考えるじゃねえか。手伝うぜ
二人がかりならもっと早いだろう
(一騎塚に協力し、藤甲熊兵を運ぶ。その手の事に罪悪感はあまりないが、後で埋葬するならそれも手は貸す)
敵の誘導は周囲のディアボロスと協力。話を合わせる
敵とはつかず離れずの距離を維持し、低速・低空で【飛翔】
「逃げようとはしているが全速力が出せない」風の演技をして敵の様子を窺う
時々やけくそっぽく軽く反撃して敵の注意を引き、いかにも「追われていると焦り、注意力を欠いている。焦りのあまり追い込まれていく」様子で誘導先へ向かう
敵がこちらを見失ったりしないように、動きは派手めに
「ふム、ここが件の隘路ですネ。確かに敵を誘い込むには、またとない場所のようダ」
左右を見上げたラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)の顔に、薄く笑いが広がる。
そこには断崖絶壁がそびえ立っており、ここに至った者は前後どちらかにしか進むことができない。
「ここに追い込んで奇襲をかけれバ、敵は全滅間違いなしだネ」
「誘い込む策かぁ~」
ブロス・ブラッドハート(いっしょのじかん・g03342)は両手を頭の後ろに回して組み、口をへの字に曲げてみた。
「おれなら、悪口言われただけでムカッとしちゃうけど……頭のいい人がどう考えるか、想像してみねーと、だな」
「いえ……案外と、同じかもしれませんよ」
と、思案していた一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)は、顎に当てていた手を下ろす。
「どーゆーこと?」
「己の知謀に自信があるだけに、こちらに侮られたと思えばかえって怒り心頭となるかもしれません。
存外に血の気の多い将とも聞きますし」
そう言った喜一は、
「晒し者にするようで、気は進みませんが。冷静さを失わせる手としては、有効かもしれません」
と、私案を披露した。
「なるほど、意外と面白ぇこと考えるじゃねぇか」
伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)が牙を露わにして、にやりと笑う。
「手伝うぜ。ふたりがかりなら、もっと早いだろう」
藤甲熊兵どもとの死闘が行われた現場に戻った喜一と逸は、あちこちに散らばった敵兵の死体を運び始めた。
縦にも横にも広がった巨体だが、ディアボロスたちならば、そして【怪力無双】の喜一ならば、運ぶことは容易い。
しばらくのちには、道の脇に、ひと目で分かる形で敵兵の骸が高く積み上げられた。
「……できれば、あとで埋葬したいね」
「ふむ……」
喜一の呟きを耳にした逸は、わずかに息を漏らしただけで聞き捨てにした。
敵兵の骸を京観として積み上げることには、さしたる罪悪感は感じない。しかし、若者の純な気持ちを無下にする気もなく、ならば手を貸してやろうとも思う。
敵将・周瑜が率いる東呉郡主侍女隊の姿が現れたのは、それから間もなくであった。
「周瑜様! 藤甲熊兵が、このように!」
やはり、かなり遠目からでも熊兵どもの骸は見えていたらしい。駆けつけた侍女どもが、声を張り上げる。
そして侍女どもは、近くの茂みがガサリと鳴る音も耳にした。
「ひえッ」
そこにいたのは、いかにも意味ありげに胸から竹簡を下げた、ブロスである。
わざとらしく悲鳴を上げたブロスは、
「待て!」
と、弓を取る侍女どもに背を向け、隘路の方に向かって走り出した。
その背を狙って、次々と矢が放たれる。その1本が、頬のすぐ横をかすめた。
無論、見切ってはいる。見切ってはいるが……。
「これ! 背中を見せて逃げるのって、向かっていくのより怖ぇかも!」
いっそ突撃する方が気が楽であった。
「ははは、確かにそうかもしれねぇな!」
翼を広げて【飛翔】する逸が横に並んで哄笑した。その逸を狙っても矢は降り注ぐ。
「逃げに徹していたのでは、怪しまれるかもしれません」
そう言った喜一は振り返り、梓弓を引き絞った。
「なるほど、ちがいねぇ」
頷いた逸は懐から拳銃を抜き、引き金を引く。
雑に放ったふたりの攻撃は敵をかすめもせず、矢は木の幹に突き立ち、弾丸は土を爆ぜさせただけに終わる。
それを見て、侍女どもは嵩に掛かって再び矢を放ってきた。
だが、ディアボロスたちは距離を離さぬように逃げる。
「雑兵ごときに、いつまで時間をかけているのか!」
業を煮やした周瑜が、侍女どもを押しのけるようにして姿を見せた。腰に吊した剣を抜き放ち、
「見よ、これぞ『火神計』!」
するとディアボロスの周囲から、猛烈な炎がわき起こって襲いかかったではないか。
「やっぱり、頭のいい人は自分以外のことで上手くいかないと、イラッとするんだな。
でも……んぁ~! 演技じゃすまなくなってきたぞ!」
熱さに顔をしかめながら、ブロスは走る。
「あれは……!」
ディアボロスたちを追う周瑜の前に姿を現したのは、かつて虎牢関を突破する際にも用いられた破城槌である。それが、ゆっくりゆっくりと道を進んでいる。
それを押すのは、ラウムであった。彼は敵兵が迫っているというのに、気づいていないのか、懸命に破城槌を押していた。
それを見た周瑜が哄笑する。
「ははは……! 一度上手くいったからといって、何度も同じ手が、この周瑜を前に通用するものか!
愚かにも、道の悪さに立ち往生しているではないか!」
かかれ、と周瑜は配下に合図する。侍女どもが翅を羽ばたかせると辺りには猛烈な風が吹きすさび、破城槌は無残にも横倒しになった。
「わァ、しまっタ」
逃げるラウムの嘆きは白々しい。
「これは、引きつけるためのハリボテだからネ。虎牢関に攻め込んだ時を思い出しテ、ちょっと懐かしかったヨ」
振り返ったラウムは笑う。
「逃がすな!」
敵兵は既に、隘路へと踏み込んでいた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
黄泉王・唯妃
アドリブ&連携歓迎
誘導ご苦労様でした。
後は追ってきた先から潰していくだけの簡単なお仕事ですね。
誘い込まれていると思っていない相手なら【突撃】する相手に反撃するは必定、風にしろ弓矢にしろ此方を注視して足元は疎かになるもの。
姿を晒し罠にする事で相手の動きを止め、死角の足元から【貫通撃】で串刺しに、と。【罠使い】の罠が単純に相手を倒すだけのものではなく、こういった搦め手もある事を土産に黄泉路に旅立ちなさい。
地面に蜘蛛足を突き刺していることで風の影響は浮けないでしょうから、矢の攻撃だけ硬質化した腕で受け止めるとしましょう。
「さてさて、追ってきたつもりが罠に掛かったと知った気持ちは如何様でしょうかね」
杏・紅花
仲間の頑張りのおかげで、敵がうまいこと誘われてきたねっ!あとは1匹ずつ潰してゆくかんじねっ
矢の雨、遠いほうが避けるのはラクだけど
いっぱいいるから、めっちゃ近づかれるより前にちょっと減らさないと厄介!
近接する前に「誘蛾の灯」
空飛ぶあなたの目の前で、ひかる蚕蛾がぱちんと弾ければ
夢見心地、乱れ心地、何心地?
ぼおっとしてると、空からなんか飛んできても避けらんないぞおっ
敵の動きを鈍らせて、【飛翔】して一気に近づいて蹴っ飛ばしてく
戦場では目えぱっちり起きてなきゃダメだぞお〜っ!
アドリブ、連携歓迎っ
「待て!」
東呉郡主侍女隊どもの高い声が、左右の崖に跳ね返って辺りに響く。
その様を、黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)と杏・紅花(金蚕蠱・g00365)は崖の上から見下ろしている。
「来た来た♪ うまいこと誘われてきたねッ!」
紅花は、小声ではあるものの、歓びの声を上げた。目が細められると、目尻にのせられた紅も「愉しげ」に動く。
「あとは、追ってきた先から潰していくだけの、簡単なお仕事ですね」
唯妃は薄く笑みを浮かべながら、黒と黄の縞模様をした、蜘蛛の指先を頬に当てた。
「だね! いっぱいいるから、近づかれるより前にちょっと減らさないと、厄介!」
頷き合ったふたりは、逃げる仲間たちを追うことに熱心な侍女どもに襲いかかった。
紅花は跳躍し、崖を下る。
「よそ見したら、だめだぞッ!」
「な……!」
虚を突かれた侍女どもは、その声がどこから聞こえたのか、すぐに捉えることが出来なかった。
大きく開いた、紅花の袖口。その袖をひとふり、ふたふりすると、袖の影からは無数の蚕蛾が現れ出でる。
崖の上に一直線に覗く空から降り注ぐ陽光。蚕蛾の放つ鱗粉はそれに照らされて煌めき、辺りに舞い散った。
警戒の目でそれを見ていた侍女どもであったが、いつしかそれに心を奪われてしまう。
「空飛ぶあなたの目の前で、ひかる蚕蛾がぱちんと弾ければ。夢見心地、乱れ心地、何心地?」
歌うように、蚕蛾の幻を操る紅花。
侍女どもがそれらに気を取られている間に、紅花は間合いを詰めていた。
「こら。ぼぉッとしてると、空からなんか飛んできても、避けらんないぞぉッ!」
正面に立つ敵兵の腹に拳を叩き込み、立て続けに放った回し蹴りで、左右の敵を蹴り飛ばした。
「戦場では、目ぇぱっちり起きてなきゃ、ダメだぞぉ~ッ!」
「おのれッ!」
その時になってやっと、侍女どもは我に返った。慌てて得物を弓から小剣へと持ち替え、紅花に躍りかかる。
しかし紅花は鋭い鉤爪でそれを打ち払い、身を翻してその刃から逃れた。
「さてさて。追ってきたつもりが、罠に掛かったと知った気持ちは如何様でしょうかね?」
酷薄な笑みを浮かべて敵兵どもを揶揄した唯妃が、侍女どもを阻む。
「ディアボロスどもめ!」
侍女どもは金切り声を上げながら翅を広げ、風を巻き起こした。回廊のような隘路だけに、吹きすさぶ風は勢いを増す。その風に乗せて、無数の矢が唯妃に襲いかかった。
自身の足を蜘蛛のそれに変じさせた唯妃は、それを地面に突き立てて強風に耐える。そして飛来する矢を硬質化した蜘蛛の腕で弾き返した。
とはいえ、そのすべてを防ぐことは出来ず、1本が右腕に突き立った。しかし唯妃は、
「ははは、見たか!」
と、哄笑する侍女どもに冷たい目を向ける。
「とどめだ!」
嵩に掛かった侍女が、剣を抜いて襲いかかる。
しかし。
「私ばかりを注視していると、ほら。……足元がお留守ですよ」
地面に突き立てられた蜘蛛足は、思いのほかに長く伸びていた。地中から現れたそれが、侍女どもの足元から襲いかかった。腰を貫かれた侍女どもが、血反吐を吐いて地に倒れる。
「罠にはこういった搦め手もあることを土産に、黄泉路に旅立ちなさい」
「ひ……」
引きつる侍女どもをよそに、
「あぁ、また新しいローファーを買い直さないと……」
と、唯妃は侍女どもなど取るに足らぬとでも言いたげに、破れた靴の心配をしてみせた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
一騎塚・喜一
皆様のおかげで無事に隘路に誘い込むことが出来ましたね、良かったです
あとは迎え撃つのみですね
地の利を活かして数の不利を覆してしまいましょう
先ずは東呉郡主侍女隊のお相手に向かいます
地形的に有利とは言え敵将も居る以上
統率を取り戻されては厄介でしょう
武器を弓から刀に持ち替え【幻月】にて一気に畳み掛けます
このような状況で不謹慎かもしれませんが武芸に秀でた者と戦えるのは光栄な事です
こちらも【戦闘知識】を活用し相手を【観察】
攻撃対象を仲間と連携して合わせたり手負いの者を優先して攻撃して
着実に数を減らすようにしていきます
敵の太刀筋や矢筋を【看破】できたら致命傷を受けないよう刀で防御
多少の怪我であれば怯みません
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・有用な残留効果は活用する)
さてと、誘い込めたか。
こっからは遠慮なしでいいんだよな?
逃げるふりにも限度があるってもんだ
狙い通りとはいえ、あいつらが調子こいてると思うと、ぶん殴りたくて仕方ねえ
周囲のディアボロスと声を掛け合い連携
戦況や敵の状態等の情報を共有する
飛翔しての空中戦
敵が弓矢で狙ってくるなら飛んで回避、剣で向かってくるなら長ドスで受ける
攻撃は【凍り付く災禍】使用
撃破可能な個体の撃破>他ディアボロスを攻撃しようとしている個体の牽制>敵が密集している所を狙っての撹乱、の順に優先
風で吹き飛ばしたり、相手の羽を凍らせて体勢を崩す
負傷は気にせず攻撃優先で、確実・迅速な殲滅を目指す
ラウム・マルファス
飛翔で崖の上まで行くヨ。狭いところで鱗粉撒かれるの怖いからネ。伏せてればそう簡単に居場所バレないカナ?
カラス型ドローンに爆薬搭載。崖の上から突撃させるヨ。まずは敵の退路を塞ぐように壁を爆破。いざとなれば意味ないんだろうけど、動揺するし注意力も逸れるでショ。その隙に味方が攻撃してくれるとイイナ。
爆風を上手く隘路に留めて威力向上を狙いつつ、がけ崩れで敵の行動を妨害するヨ。鱗粉も爆風で吹き飛ばせるといいけど、ダメならなるべく見つからないようにしつつ飛翔で逃げ回ろウ。
ブロス・ブラッドハート
へへ〜、誘い込まれたってわかったら驚くだろーな
おろおろおたおたしてる時間はやんねーよ。こっちだって仲間と一緒なんだ、数がいたって負ける気しねーぜ!
翼を羽ばたかせて【飛翔】したら隘路の崖上を旋回、敵の動きを眼下にいれながら強襲してやるぜ
にしし、竜のめんもくやくじょってやつだよな♪
相手が風ならこっちだって風で対抗だっ。竜風砲で狭い隘路の中に暴風を巻き起こす
誘い込んだ敵の動きや弓矢の流れを邪魔する向かい風と同時に、味方の攻撃や移動を助ける追い風にもなるよーに
隙があれば直接風の塊を当てて吹っ飛ばしてやる!
連携アドリブ歓迎だー
「さぁ、あとは迎え撃つのみですね」
「こっからは、遠慮なしでいいんだよな?」
誘兵となって侍女どもを引きつけていた一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)と伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)が、もはや遠慮は要らぬと向き直る。
「誘導、ご苦労様でした」
「頑張ってくれたおかげだね♪」
「おう。だが、逃げるふりにも限度があるってもんだ」
唯妃と紅花に向けて笑貌を向けた逸は、
「狙い通りとはいえ、あいつらが調子こいてると思うと、ぶん殴りたくて仕方がなかったぜ!」
と、節くれだった拳を握りしめる。
「へへ~、驚いたろ? 誘い込まれたなんてさ!」
翼を広げて飛び上がったブロス・ブラッドハート(いっしょのじかん・g03342)は「ふふん♪」と、東呉郡主侍女隊どもを見下ろして笑った。
「数では負けてたって、仲間と一緒なんだ。負ける気はしねーぜ!」
「待っテ。まずハ、ボクが露払いするヨ」
そのままの勢いで飛び込んでいきそうなブロスを、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が押しとどめる。
崖の上に立つラウムは、カラス型のドローンの背に爆薬を設置した。
「換装完了。さァ、行っておいデ!」
その声に応じて、ドローンは翼を広げて侍女どもに襲いかかる。
侍女どもが翅を羽ばたかせると、辺りには鱗粉がまき散らされた。それは焼けるような痛みを伴う有毒の粉である。それが機関部にも入り込んだか、ドローンは速度を失って落下した。
しかしラウムは制御を失う瞬間までドローンを操り、それを崖へと突入させた。
炸裂した爆薬の威力は凄まじく、爆風と飛び散った岩石が侍女どもをなぎ倒し、また退路をも塞ぐ。
「まァ、いざとなればあれくらい飛んで越えるだろうケド。
……動揺はするし、注意は逸れたでショ」
戦況を把握しようとするのは、なかば反射と言ってもよい。咄嗟に振り返ってしまう侍女ども。
「さァ、隙は作ったヨ」
岩陰に隠れて鱗粉をやり過ごしつつ、ラウムが片目をつぶった。
そこに、ブロスは突進する。
「任せとけ!
そっちが風でくるなら、こっちだって風で対抗だ!
轟け! 風の声ッ!」
敵の頭上から襲いかかったブロスが、翼を力強く羽ばたかせた。
隘路に颶風が吹きすさぶ。なにやら叫んで矢を番える侍女がいるが、耳を劈く嵐は、その聴覚さえ奪っている。
放たれた矢は強風を前に力を失い、風の塊を叩きつけられた侍女は、岩壁に激突して動かなくなった。
「にしし、竜の『めんもくやくじょ』ってやつだよな♪」
と、宙へと舞い上がったブロスは力こぶを作り、逆の手でピシャリとそれ叩く。
喜一は弓から太刀へと獲物を持ち替え、敵中へと飛び込んでいく。
「敵は私たちの術中に嵌まったとはいえ、統率を取り戻されては厄介です。
一気に畳み掛けましょう」
「おうよ。行くぜ!」
間合いを詰められた敵兵も、得物を持ち替え剣を抜いている。それを見た逸も、長ドスを白鞘から抜き放った。
「調子に乗るなッ!」
侍女どもは喚きながら、白刃を煌めかせて襲いかかってくる。
逸はその刃を受け止め、
「ほぉ。なかなか鋭いじゃねぇか」
と、感心したように笑みを浮かべた。
「おのれ、舐めるな!」
侍女どもは柳眉を逆立てて斬りつけてきた。その刃が、逸を傷つける。
避けられなかったのではない。避けなかったのだ。
裂かれた腕から、龍の刺青がのぞく。
「浅いぜ。この程度で俺を殺せると思うなんてなぁ」
敵兵を十分に引きつけ、睥睨する逸。敵はそれに気圧され、思わず半歩退いた。
「震えて眠れ。砕けて終われ」
『不死身の龍』の黒翼が、侍女どもを飲み込むように大きく広がる。感じた恐怖はそのまま冷気となって、敵兵を凍てつかせた。耐えきれなかった侍女が白目をむいて腰を抜かし、事切れる。
「……不謹慎かもしれないけれど、武芸に秀でた相手と戦えるのは、光栄だね」
呟いた喜一は、残った敵兵の前に立ちはだかった。侍女どもは追い詰められながらも、さらに斬りかかる。ひとつは太刀で受け、間に合わぬとみたもう一方に、喜一は太刀を投げつけた。
「く……馬鹿め!」
太刀をはねのけ、さらに斬りかかってくる侍女。
しかし。
「ですが……狙いは敵将・周瑜。速やかに終わらせて終わらせてしまいましょう!」
敵の刃が届くよりも、父から賜った『紫羅欄刀』を抜き放つ方が速かった。
弧を描いた刃が、敵を肩口から両断する。切り返したもう一太刀が、もう1体の胴を薙ぎ払った。
「片付いたネ」
「やったぜ!」
辺りを見渡して頷くラウム。そして歓声を上げるブロス。そこに、業火が襲いかかった。
「あちちちち! 何すんだ!」
すんでの所で炎を避けたディアボロスたちは、敵将へと向き直る。
「おのれ、この周瑜を欺くとは……!」
美周郎の美声は、怒りに震えていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒ、あっしはしがないウィザードでさぁ』
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」
他者との連携やアドリブOKです。
言動は下手に出ていますが、演技であり相手を油断させてからの攻撃を得意とします。
卑怯や姑息と言われると喜び、逆に相手を煽っていきます。
最初から演技が通じない、見破られたとなると口調が粗暴となり攻撃的になります。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、積極的に行動します。卑怯者ですが、迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「おのれ、この周瑜を欺くとは……!」
剣を抜き、ディアボロスたちを睨みつける白面の貴公子。
ところが、そのひとりであるレオネオレ・カルメラルメルカ(陰竜・g03846)は、
「イヒヒ、しがないウィザードにすぎないあっしが将軍サマを欺くだなんて、そんなそんな!」
と、白々しく笑ってみせた。
「これこのとおり、心からお詫びいたしますんで。イヒヒ!」
頭を下げ下げ、揉み手をせんばかりに周瑜へと近づいていくレオネオレ。
しかし、その仕草はかえって敵将を苛立たせたのか。
「詫びるというなら、そこへ直れ! その首、たたき落としてやろう!」
周瑜が怒声を発して、剣を振り上げたときである。
「まことに申し訳ありませんね……こんな誘導に引っかかるバカだとは、思ってなかったんでねぇ!」
「むッ!」
レオネオレがバッと、周瑜の眼前で手を広げた。その指先から伸びているのは、魔力の糸である。レオネオレが糸を操ると、左腕のない、しかし代わりに右腕が2本ついた奇妙な自動人形が、敵将の背後から襲いかかった。
「エンターテイメントには、サプライズが付き物ってね!」
「おのれ、どこまでも嘲るか!」
敵将の放った炎が、レオネオレを押し包む。その熱さに顔をしかめ、下がりながらも、
「イヒヒ!」
レオネオレは肩を揺らして笑った。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
一騎塚・喜一
連携・アドリブ歓迎です
貴方がたがもう少し冷静だったら我々の策もここまで上手くはいかなかったでしょうね
…そういう人間味のあるところは嫌いではありませんが、ここで討たせて頂きます
これまで幾度か火神計を放っておられましたが
やはり周瑜を名乗るだけあって侮れませんね、隙がありません
戦場を今一度【観察】し、死角からの一撃に備えます
幸運にも【看破】できましたら致命傷を負うことだけは避けられるでしょう
対してこちらは【斬月】の一太刀で勝負です
私の最大の技で僅かでも隙を作り、味方の攻撃の機会に繋ぎます
知略に長けた相手を欺くならば、こちらも全力で挑まねば騙されてはくれないでしょうから
私は貴方を侮りません
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・有効な残留効果はできるだけ活用する)
おう、カッカしてやがんなあ。火まで噴いて
…それでどうだ、俺を殺すか?やれるもんならやってみろや。
出来なきゃ、てめえがくたばるだけだがな
他のディアボロスと声を掛け合い連携。敵の状態や動きを観察し、情報を共有する
出来るだけ前に出て、声かけと動きで敵を挑発し、自分に引き付ける
死角だろうがなんだろうが、攻撃しに来るならそこにカウンターをぶち込めばいい、という姿勢
動ける限りはかすり傷だと思っており、自分の負傷を気にせず戦う
近付いてきた敵に【狙い撃つ災禍】
翼を広げ飛びあがって相手の体勢を崩し、長ドスで攻撃
避けられたら他の武器でも尻尾でも叩き込むだけだ
ラウム・マルファス
怒っていてもその能力は発揮されるハズ、油断はしないヨ。
策士や軍師なら、さっきの戦いで手の内は見切られてル。ボクの役割は後方支援だと思ってるハズサ。だから意表を突くために、壊れたハリボテ破城槌の槌部分を怪力無双で持って突撃するヨ。
元々非殺傷性の罠だから、当てるつもりはナイ。でもビックリしたり別の罠を疑えば、一瞬隙ができるハズ。
上手くいったら右腕をパラドクスで解析し、腱を空気に変換。演奏の妨害にもなるし、更に隙も出来れば味方の攻撃に繋がるだろウ。
「残念、ハリボテだヨ」
って挑発。槌をポイって捨てて、飛翔で逃げるヨ。
追って来るなら逃げ回るし、演奏するなら爆薬(薬品)を投げて妨害しよウ。
杏・紅花
連携・アドリブ歓迎っ
わあ、なんか怒ってるう
怒ってるひと、こわいからきらあ~い
怒りに任せても実力が本物だと一撃が強いのは知ってる
油断しない、あたしは学んだのだっ!
だってあなたも静かに歩くの得意なんでしょ、のってあげる
「綾の綻」
あなたが殺したと思ったあたしはニセモノだあっ!
背中の傷は恥だっけ?でも手加減なんてできないからしなぁい
あたしは相手がアタマよくてもおバカに見えても、油断しないもん
思いっきり、命のやりとりしよっ!
ブロス・ブラッドハート
あはは、熱ぃあちぃ。いーな、こっちももっと燃えてくるじゃんか!
こーなりゃ小細工はなしだ、お前の全力とぶつからせてもらうぜっ
【飛翔】の最大速度で空を駆け抜けるぜ
まずは相棒(大剣)を構えて強襲突撃ぃ!味方の攻撃や動きに合わせて『不意打ち』を狙ってくぜ
相手の炎には真っ向勝負っ
煽られる炎の舌先は剣風で切り払う
障害になる炎の壁は剣先で突き破る
ただの力技だからな、あっちぃのも痛ぇのも覚悟のうえ!
今の自分の力がどこまで通用するか……あんたなら不足のねぇ相手だろ。怒りの分もブツけてこいよ、呉の智将さん!!
アドリブ連携歓迎だー
周瑜の頬は怒りによって紅潮し、髪も触角も天を突かんばかりに逆立っていた。
「なるほど、これが『火神計』。さすが、周瑜を名乗るだけあって侮れませんね」
一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)は刀の柄に手をかけて唸る。燃えさかる炎は風を生み、喜一の前髪を揺らす。
しかし、その業火を見ても伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)はニヤリと笑みを見せて、
「おう、カッカしてやがんなぁ。火まで噴いてよ」
「怒ってる人、こわいからきらぁ~い!」
そしてその傍らで、杏・紅花(金蚕蠱・g00365)の方は大げさに顔を背けて「べぇ」と舌を出した。
無論、それが敵将の目にどう映るか分かってやっている。
「怒っていてモ、周瑜は周瑜。その力は油断ならないヨ」
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は言うが、それは皆とて重々承知のことであろう。
現に紅花は、
「うん。その実力は本物だって、知ってる。油断しない。あたしは学んだのだッ!」
と、地を蹴った。
袖口から覗く『切裂花』の鋭い爪が、敵将を狙って振り下ろされる。
「無駄口をいつまでも!」
顔をしかめた周瑜は剣を抜き、それを受け止めた。
「やるじゃねぇか! 俺を殺すか? できるもんなら、やってみろや!」
逸は犬歯を剥き出しにして笑いながら、敵将の肩口を狙って長ドスを振り下ろした。
「できなきゃ、てめぇがくたばるだけだがな!」
「ほざけ!」
周瑜はそれもまた受け止め、弾き返す。優男然とした容貌からは思いも寄らぬ膂力に、逸は内心では舌を巻きつつたたらを踏んだ。
「たいした奴だぜ。確かに、油断はならねぇな」
「そうだね。でも、あたしは相手のアタマがよくても、おバカに見えても、油断しないもん。
思いっきり、命のやりとりしよッ!」
左右から斬りかかる紅花と逸。しかし周瑜はその強者ふたりを相手に後れを取ることなく、打ち合うこと十数合。
「いつまでも匹夫どもの相手など、しておれぬ!」
翅を大きく広げて旋風を起こすと、舞った土埃で視界が遮られる。
その隙に、周瑜はふたりの背後を取っていた。繰り出される剣が逸の脇腹を斬り裂く。
「む……!」
そして、もう一度突き込まれた剣は、紅花の胸を深々と刺し貫く。
間違いなく、そう見えたのだが。
「こっちでしたぁ~!
あなたが殺したと思ったあたしは、ニセモノだぁッ!」
それは、紅花が瞬間的に紡いだ絹糸で作られた身代わり人形であった。敵将の剣が貫いたのはそれに過ぎず、その間に紅花の方が、周瑜の背後に回り込んでいた。
「背中の傷は恥だっけ? でも、手加減なんかできないから、しなぁい♪」
目を細めた紅花の振り下ろす爪が、敵将の背を斬り裂く。
さらには、脇腹を裂かれた逸も翼を広げて飛び上がる。乾いた土の上には血が滴るが、
「動ける限りはかすり傷よ。俺が殴るッつッたら、殴るんだよ!」
翼のはためきに周瑜が思わずよろめいたところに、逸は長ドスを叩き込む。それはお返しとばかりに、敵将の脇腹に突き刺さった。
「ぐ……ぬ!」
「畳み掛けるヨ!」
ライムの声に、逸の尻尾に弾き飛ばされた敵将は注意を向けた。
得意とするドローンが襲いかかる……わけではなく、なんとラウムは破城槌のハリボテから丸太を取り出し、抱え上げたではないか。
「周瑜ともあろう者ナラ、さっきの戦いでボクの手の内は見切っているだろうからネ。
こんな手もあるのサ!」
と、ラウムは丸太を抱えて突進する。
かに、見えたが。
人並み外れた力を持つのは、蟲将・周瑜も同じ事。繰り出された丸太を剣で叩き斬る。
「こんなもので、私が倒せるものか!」
「そんなこと、承知してるヨ」
ラウムはあっさりと両断された丸太を放り投げ、目を細める。かけた眼鏡が、キラリと輝いた。
悪魔の魔法を宿した『Rewriter』は敵将を解析し、さきほど傷をつけた脇腹を弱点とみた。
「視えてるヨ。そこダ」
ラウムが指さすと、敵将の脇肉は石塊へと変じ、砕ける。
「おのれッ!」
激高しつつも、周瑜の口から発せられる歌声は美しい。それを浴びたラウムは顔をしかめつつ、音を遮るように薬品の入った瓶を爆ぜさせつつ、下がる。
「逃がさぬ!」
「……そういう、人間味あるところは嫌いではありませんが。ここで、討たせていただきます」
喜一は太刀を大上段に構え、周瑜に打ちかかった。
ラウムをさらに追っていた周瑜だが、このもののふは油断ならぬ相手とすぐに察したか、牽制気味に剣を突き込みつつ、身を翻して振り下ろされる刃を避ける。
「さすが。……隙がありません」
策謀を得意とする将と言うが、その剣さばきも常人の抗しうるものではない。その鋭さに、喜一は舌を巻いた。
「雑兵を相手に、いつまでも時間はかけられぬ!」
周瑜が剣を一閃させると、崖の岩塊が砕け散り、あたりにもうもうと土煙が立ちこめた。
この隙を突いて、来る……!
喜一は身構え、気配を捉えようと呼吸を整えた。しかし、果たして必殺の刃を止めることが出来るかどうか。
その緊張を破ったのは、
「見つけたぞ、そこだな周瑜!」
という、元気のよい少年の声だった。
上空を舞っていたブロス・ブラッドハート(いっしょのじかん・g03342)は翼をたたみ、敵将を目がけて一気に急降下する。
敵将はブロスを注視する必要に迫られ、喜一に向けて繰り出した剣には勢いがなかった。
「孺子、焼き尽くしてくれる!」
「いいね。その怒りのぶんも、ブツけてこいよ! 呉の智将さん!」
炎は竜巻のようにうねって、大剣を振りかぶって突っ込んでくるブロスへと襲いかかる。ブロスはその熱さに身を焼かれながらも、
「あはは、熱ぃあちぃ!
いーな! こっちも、もっともっと燃えてくるじゃんか!」
と、笑みを浮かべてみせた。
「あっちぃのも痛ぇのも、覚悟のうえ! お前の全力とぶつからせてもらうぜッ!」
「く……!」
振り下ろされた大剣を、周瑜は剣で受け止めた。しかし、渾身の力で振り下ろされたそれは、敵将の剣をへし折り、肩へと深々と食い込む。
「ぐおおおッ……!」
「相棒を振り下ろすだけの、ただの力技だぜ……!」
嘯いたブロスは、さすがに火傷の痛みに耐えかねて、膝をついた。
「隙を作るだなんて、ケンソンはいらないよ。やっちゃってくれ、喜一」
「えぇ。……終わらせます」
「させぬ!」
「私は、貴方を侮りません」
周瑜の繰り出した折れた剣は、喜一の腕をわずかに裂いただけにとどまった。
対して、人心を惑わす妖怪変化を断ち斬る喜一の一太刀は、敵将の額を真っ二つに割った。
「貴方がもう少し冷静であれば、我々の策も、ここまで上手くはいかなかったでしょうね」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【飛翔】がLV5になった!
【無鍵空間】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV3になった!