リプレイ
イオナ・ガルバローゼ
【寒冷適応】を使用。
他にも参加した仲間に【完全視界】や浮かんで移動できる残留効果があれば自分も使用。
冷気に適応できると言っても吹雪の中では雪が張り付いて固まり、邪魔をします。
マスクにゴーグルに防寒具はしっかり装備してゆきましょう。
雪に足を取られて体力も進むスピードも落ちます
精密な機械などは雪と低温脆性ですぐ壊れるので
シンプルな方位磁石を頼り定期的な休憩を挟みながら行軍します
雪の吹き溜まりや不安定な地面を確認するのにストックも用意しましょう。
本来吹雪の中は進むべきではありません。
過去にどんな強力な大軍隊もこの北の地の吹雪に敗北して来たのですから。
いくらでも用心して危険を考えながら進みます。
ロザーリヤ・ユスポヴァ
これほどに過酷な雪中行軍は、吸血ロマノフ王朝においてすら珍しい
以前に樺太を調査した際にも凄まじい吹雪が吹き、老爺の姿をした人物が目撃されていたようだが
北欧に現れた『冬将軍』と関係はあるのだろうか……
防寒着とゴーグルにフェイスマスクを新宿島で調達
肌が全く出ていない状態で出撃しよう
雪が体温で溶けて服の内側に入らないよう、防水性も重視したものを選ぶ
【寒冷適応】と【完全視界】があれば借りつつ
ぼくは【浮遊】を発動して、脚が雪に取られそうな地形での対応策としたい
もしこの風の中で【浮遊】【飛翔】のような能力は発動不能なら
今後に活かせる知見にもなるだろう
敵の伏兵がいないか絶えず観察しながら
集落を目指して進むぞ
●1
パラドクストレインの扉が開いたその瞬間。
ガンッと突き飛ばされるのような衝撃と共に、荒れ狂う吹雪が車内に吹き込んできた。
「――ッ!?」
生命の存在を許さない-80度の世界。
それは、これまでに体験したことがないような極寒の猛吹雪だ。
「……っ! 皆様、わたくしの後ろに集まってください!」
一早く動いたのはイオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)。
彼が吹き荒ぶの前に立ち、寒冷適応を発動させると、なんとか吹雪の影響が無効化されてゆく。
「助かったよ、イオナ。危うく作戦開始と同時に氷漬けになるところだった」
帽子にこびりついた雪を払いながらロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)。
「お役に立てたのなら、嬉しいです」
はにかむ様に微笑むイオナ。
かつて失敗作と烙印を押された彼にとっては、こうして誰かに褒められること、認めてもらえることこそが喜びなのかもしれないが、まぁそれはともかく――。
まずはロザーリヤがパラドクストレインから降り立ち、雪原の魔境へと足を踏み入れてゆく。
「敵の伏兵がいるかもしれない。絶えず観察しながら進んで行こう」
大切な美術品を扱う様に、スッとイオナに手を差し伸べるロザーリヤ。イオナはその手を取りながら、やっぱりこういうところカッコいいな、と心の中で呟くのだった。
●2
吐息も一瞬で凍り付いて、暴風に流されて消えてゆく。
「これほどに過酷な雪中行軍は、吸血ロマノフ王朝においてすら珍しい」
思わず呟くロザーリヤ。
寒冷適応の効果はきっちり機能しているものの、そう簡単にハイキング気分とはいかないようだ。
防寒着とゴーグルにフェイスマスクを新宿島で調達し、肌が全く出ていない状態で出撃してきたロザーリヤ。雪が体温で溶けて服の内側に入らないよう、防水性も重視したものを選んできたのだが――。
「すぐに雪がこびりついて、固まってしまいますね」
ガチガチに固まった雪を払い落しながらイオナ。
まめにこうしておかないと、自分自身が樹氷か雪だるまになりかねない。
彼もマスクにゴーグルに防寒具と、装備はしっかりとして来ているものの、この雪の中では行軍のスピードも思うようには上がっていないのが実情だ。
「敵との戦いも控えていますし、体力は残しておきたいところですが……」
逸る気持ちはある。だがしかし、あえて雪の下の地面を確認するためにストックを刺し、一歩一歩進んでゆくイオナ。
「本来、このような吹雪の中は進むべきではないのでしょうね。
過去にどんな強力な大軍隊もこの北の地の吹雪に敗北して来たのですから」
ゆえに、いくらでも用心して危険を考えておくに越した事は無いはずだ。ロザーリヤも頷き、
「それにしても、ずっと似たような景色だな……。
これでは前に進めているのかも判らなくなってくる」
全てを覆い尽くす雪と、氷の巨人のように佇む樹氷。荒れ狂い、降りやまない大雪。
「以前に樺太を調査した際にも凄まじい吹雪が吹き、老爺の姿をした人物が目撃されていたようだが、北欧に現れた『冬将軍』と関係はあるのだろうか……」
大自然の猛威を再現したかのようなこの能力。
「いずれにしても難敵であることは変わりはない、か――」
イオナはその言葉に頷きを返しながら、手元に視線を落とす。
精密な機械などは雪と低温脆性ですぐ壊れてしまうことを見越して、持ってきたのはシンプルな方位磁石だ。
これを文字通り行軍の指針に頼りにしつつ、定期的な休憩をはさみながらひたすらの雪中行軍を続ける二人だった。
●3
雪原の丘陵を進む復讐者たち。
そろそろ集落が見えてくるかという頃、イオナが異変を感じて立ち止まる。
自分の一歩手前、突き刺したストックがズズズッと深く沈んでゆく。
雪原の上は一見すると平らに見えるものの、この先の足元はかなりデコボコとしているようだ。
気が付かずに進んでいれば、自重で雪の中に埋もれてしまっていたかもしれない。
「困りましたね。集落まではあと少しだというのに……」
この危険な丘陵地帯を迂回する方が結果的には速いのだろうか、とイオナが考えていると、ロザーリヤは自信たっぷりに、尊大に微笑み。
「真っ直ぐに進もう。目的地は、すぐそこなのだろう?」
防寒着の裾を翻しながらロザーリヤが浮遊を発動してゆく。猛吹雪の影響で多少な不安定なものの、この短い距離ならば問題はない。
「この吹雪の中で助けを求めている人々がいる。ならば、善は急げさ」
そんなロザーリヤの言葉にイオナは小さく微笑んで、頷きを返のだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
ハナ・フリードル
アドリブ、連携歓迎っス。
外套やゴーグル、マスク等防寒具一式を準備。雪に足を取られない様にかんじき付きのスノーシューズも用意するっス。
支援用の食料や固形燃料も持てるだけ持って行くっス。排斥されないならキャンプ用のガソリンストーブ持ってくっス。
【完全視界】使用。吹雪を見通して道に迷わない様に。その他、借りられる効果があれば使わせて貰うっス。
方位磁石も使って、出来るだけ最短ルートで集落に向かうっスよ。寒さと、燃料が減っていく不安は心を削るっスからね。なるべく早く行って安心させるっス。
ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
猛吹雪となると装備はしっかりして行かないと短時間でも低体温症やら戦闘能力は落ちるのを【寒冷適応】と視界確保の為に【完全視界】を活性化させて貰って。
寒冷地仕様の服装、ゴーグルや防寒具をしっかり装備していざ、出発
「私は、アイテムポケットで皆の持ち物増やしておくね。」
とパラドクスを発動して危うい民草達の為に「緊急時に使用される物」(保存食・固形燃料等の暖を取れる物等を詰め込めるだけ詰め込んで)
後は常に周囲警戒を徹底して不測の事態が起こった場合はすぐに対処出来る様にしながら進みます。
ベアタ・アンシュッツ
とりあえず、新宿で用意した防寒具や手袋、帽子にブーツ等で完全武装
それに、スキー用のゴーグル掛けておけば、ある程度の吹雪は凌げるかも
必要なら、行軍の合間に【口福の伝道者】で、食事を兼ねて持ち込んだ食料を増やしておこうかな
こうも寒いと、外に狩りにも出られないだろうしね
増やした食料で持ちきれない分は、【アイテムポケット】があれば、保管して集落の人に十分配れるね
雪で真っ白けだけど、可能ならば途中の森なんかで、薪になりそうな木を確保するのもいいね
時間がないから、移動の合間に見つけたら……だけど
それでも、ないよりはいいし
薪もアイテムポケットに入れられたら、身軽に動けるよね
できることはできるだけやっておこう
●1
現地に到着するまでの時間、パラドクストレインの車内で防寒着に着替えてゆく復讐者たちの姿がある。
「とりあえず、新宿で用意した防寒具や手袋、帽子にブーツ……と、よし、これで完全武装っ!」
真新しい防寒着にビシッと着替えたベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)が立ち上がって微笑む。
「こっちも、じゃじゃーんっス!」
外套やゴーグル、マスク等防寒具一式を用意したハナ・フリードル(人間のサウンドソルジャー・g06921)もクルッと可愛らしくお披露目一回転。このモコモコ感がたまらない。
「でもまぁ、けっこ~値が張ったし、お財布のほうは寒くなっちゃったっすけどね~……」
トホホ、と肩を落とすハナ。
依頼を受注してから出発まで、あまり時間が無かったので、足りないものは殆ど新宿で買い揃える羽目になってしまった復讐者さんたち。
「……どうして年末年始って出費がかさんじゃうんだろうね」
この出費が無ければどれだけのドーナツが変えたことだろう……。
寒冷地仕様の服装、ゴーグルや防寒具をしっかり装備してきたナイン・スカーレット(CathPalug・g07595)も肩を落とす。
「あはは~……まぁ、おかげで身体は温かくなったしさ……」
顔を合わせて思わず苦笑しあう3人。
まあ、そんなこんなで……雪中行軍に向けて準備は万端だ!
「いざ、出発~」
「「お~っ!」」
拳を振り上げて気合を入れる3人娘。さあ! いざアイルランドへ出発だっ!!
●2
パラドクストレインの扉が開いた、その瞬間。
「――っ!?」
ガンッと突き飛ばされたかのような衝撃と共に、荒れ狂う吹雪が車内に吹き込んできた。
急激に奪われてゆく熱量。まるで、死神に頬を撫でられたかのような悪寒。
これが、生命の存在を拒絶する-80度の世界……。
仲間の復讐者がすぐさまに寒冷適応を発動させるものの、今の一瞬で復讐者たちの体温は完全に奪われてしまっていた。
「さささ、さむっ! アイルランドの冬、ヤバすぎッス!!」
ガチガチと勝手に歯が踊り始める。ああ、新宿の冬って温かかったんっすね……!
「……ち、ちべたい」
ガチガチに凍り付いてしまったいもようかんを噛みながらベアタ。
「こたつに戻りたい……」
横殴りの猛吹雪を受けて凍り付いた金髪を振るえる指先で直してゆくナイン。
……どうしてこんな依頼を引き受けてしまったのだろう?
あのとき安請け合いしなければ、今ごろ猫とこたつで丸くなりながらミカンの皮でも剝いていただろうに……。
そんなことを思わずにはいられない復讐者さんたち。
そして、復讐者たちを現地へと送り届けたパラドクストレインは「ほな……」と言わんばかりに、無慈悲に消えてゆく。
そんじゃ、お帰りの切符はこの依頼を達成した後でございまーす。なんやこのクソ電車。
「もう、やるしかないね……」
「そっスね……」
「お~……」
先程よりもテンションをダダ下がりさせながら、復讐者たちは雪原の魔境へと足を踏み出してゆくのだった。
●3
荒れ狂う吹雪が、世界を白銀に塗り潰してゆく。
「なんだか……方向感覚があやふやになってくるね」
立ち並ぶ樹氷が復讐者たちを見下ろしている。それはどこか氷で出来た墓標の群れを連想させた。
どれだけ歩いても景色は代り映えが無く。これまで歩いて来た足跡も、すぐさま降雪に覆い隠されてゆく。
「ねえ、もしかしたら……」
イヤな考えが頭を過る。前へと進んでいるつもりで、実は同じところをグルグルと周っているだけなのではないだろうか、と。
「大丈夫、方位磁石は持ってきているっス」
ハナが皆を安心させるように小さく笑う。
方角は問題なし。完全視界も併用し、出来る限りの最短ルートを選択している。
「まぁ、それでも行程としては数日かかる予定っスね~」
地図とにらめっこしながら、もう少し日数を短縮できないかと頭を悩ませているハナ。
雪に足を取られない様にかんじき付きのスノーシューズを用意してきており、その行軍に淀みはない。頼れる隊の案内役のハナ。
そして――。
「敵影は今のところな~し」
常に周囲警戒を徹底し、不測の事態に備えているのはナイン。
「救助活動のあとは戦闘も控えているし、短時間でも低体温症やらに気を付けてね~」
手がかじかんでいたら戦闘能力は落ちてしまう。一見ゆるい雰囲気を醸し出しているナインだが、けっこう気配り上手である。
「ん、もうすぐ陽も落ちるし、今日はこの辺でキャンプにしよっか」
雪の中の行軍は体力の消耗が大きい。急ぎつつも、焦らずに行くしかない。
「あ、そうだ」
と、ナインがアイテムポケットから取り出したのは固形燃料や保存食である。ポケットの中には十分な量を積んでいるので、いくらかここでの暖に使っても問題はない。
ベアタが頷いて、
「ねね、せっかくだし焚き火にしようよ。ココアもあるよ~」
と、ベアタが微笑む。どうやら、移動の合間にちょくちょく薪を集めていたようだ。
●4
簡単な風除けを作って焚き火をおこし、皆で囲んで手をかざすと、冷え切った身体が次第に温まってくる。
「く~ぅ……あったか~いものが染み渡るね~」
「生き返るッス~……」
「だねぇ~」
ほぅ、と白い息が流れてゆく。
「そういえば、お二人はどこの出身なんっスか~?」
なんだか、こういうキャンプいいな、と思いながらハナ。
「ん、わたしは……」
異なる時代、別の世界から新宿島に流れ着いた者たち。それがこうして一つの目的の元に集っている。そう考えると不思議な縁である。
3人は焚火を囲みながら、夜の中で語り合うのだった。
●5
翌朝、天気は相変わらずの猛吹雪であるが、やや元気を取り戻した復讐者たち。
「こうも寒いと、外に狩りにも出られないよね」
寒さと飢えで苦しむ集落の人々を心配している様子のベアタ。
昨日の食事も口福の伝道者で増やし、アイテムポケットに入れて保管しておくことは忘れていない。
「寒さと、燃料が減っていく不安は心を削るっスからね。なるべく早く行って安心させるッス」
ハナの言葉にナインも頷き。
「よ~し、今日もいざ出発」
「「お~!」」
吹雪に負けないように、声を張り上げる三人娘。
この先で助けを待つ人々にも、この声が届くように、と
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
睦月・こよみ
…寒いですね
気温もそうですが風が危険すぎます
なので現場までは乗り物を利用するとしましょう
PD【変化召喚・契約重機】で双腕タイプの大型パワーショベルを呼び、それに乗って進路を確保しながら無限軌道の機動力で踏破していきます
こういう時に義姉さんの使い魔は便利で頼もしいですね
残留効果は他の方頼みですけど、私の作る道も後に続く誰かの助けになると良いのですが…
(第四の壁の方を見る)…はて?どこかから私の名前や出自などにツッコミをされたような?
まぁ、気のせいでしょう
●
全てを雪に閉ざす猛吹雪の中、その金髪をたなびかせる睦月・こよみ(暦の魔法使い・g01697)の姿がある。
「……寒いですね」
新宿の冬が温かく感じるほどの猛吹雪。
寒冷適応の効果は機能しているハズなのに、それでも体感的に寒く感じてしまうのは何故だろう。
「気温もそうですが風が危険すぎます」
横殴りの雪風が吹き荒ぶ。
もしここで風力発電すればどのぐらいの電力を産み出せることでしょうか……? いやむしろ、基部が凍結してしまってダメかも?
まぁ、電力のことは今は置いておいて――。
「さて、と、現場までは乗り物を利用するとしましょう」
こよみがスッと両腕を広げてゆく。
発動するパラドクスは『変化召喚・契約重機(サモン・ワークロイド)』。
「ダイヤルインストール『トリル』……」
サーヴァント・ダイスに建築技術『トリル』のダイヤルが投入され、その形状が巨大重機型へと変化してゆく。
「顕現なさい、強く硬く人々の生活を創る鋼の巨体・ワークロイド!」
こよみの号令に応えるように、双腕タイプの大型パワーショベルが雪原の上にズシンと降り立つ。
「たとえ吹雪の中でも、この無限軌道の機動力なら――!」
咆哮のようなエンジン音と共に、黒煙が吐き出される。鋼鉄の重機がその双腕を広げると、降り積もる雪をパワーで押し退けてゆく!
「こういう時に義姉さんの使い魔は便利で頼もしいですね」
見た目は可憐なお嬢さんなこよみであるが、やっていることは完全に除雪作業の現場監督である。このパワー系すぎる魔術、一体どこで身に着けたことやら……。
「……はて? どこかから私の名前や出自などにツッコミをされたような?
まぁ、気のせいでしょう」
重機が温まってきたことを確認し、ギアを上げてゆくこよみ。踏み抜くようにアクセルを押し込むと、鋼の巨体が無限軌道をキュラキュラと響かせてゆく。
「私の作る道が、後に続く誰かの助けになると良いのですが……」
そう小さく呟いて、こよみはこの猛吹雪を切り裂くように整地してゆくのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
エスト・リンフィールド
防寒具や手袋、帽子にブーツで防寒対策して、【使い魔使役】で狼を使役して、集落に案内して貰おう
近くに住んでる子なら、人間の居場所も知ってるだろうし
それに、狼が進んだ道なら、人間が進んでもある程度は大丈夫だと思う
狼は鼻がいいから、鉄の罠があったりすれば避けていくだろうし
狼が居ないなら、熊とかウサギを使役しよう
さすがに虎は少ないだろうし……でも、虎カッコイイ
あと、情報収集、看破を活かして、周囲を警戒しておくね
灯りが見えたりしたら、集落が近いのかも
教会に入る前に、廃屋なんかが無いか確認して、廃屋があれば、あとで解体してもいいか集落の人に聞いてみよう
薪の代わりにできたら、みんなが暖を取ることができるから
●1
「うぅ~、寒いよ~……」
吹き荒ぶ猛吹雪の中をトボトボと歩くエスト・リンフィールド(挙動不審エルフ吟遊詩人系・g05947)の姿がある。
寒冷適応の効果はあるはずなのに、それでも体感温度として低く感じてしまうのは何故なんだろう?
たまにこの猛吹雪が-80度を下回っているのか、はたまた視覚情報からによる錯覚なのか……まぁ、なんだかよくわからないけど、とにかく寒い。
防寒具や手袋、帽子にブーツで防寒対策はしては来ているものの、なるべく早く集落に到着したいところである。
「でも、こんなこともあろうかと秘策は考えてあるんだよね。えへへ」
むん、と杖を構えて精神を集中し、発動するのは『使い魔使役』。
この辺りに暮らす狼を使役すれば、人間が暮らす集落の場所や、道案内をお願い出来るハズ!
「あ、でも虎もカッコイイかも……がお~!」
なんてね、なんてね~、とカッコイイ動物が来ることに期待して、希望に胸を膨らませるエストちゃんであるが――。
「……」
杖を構えたまま、しばらくの時間が経過。あ、あれ~? おかしいなぁ。
「えいや!」
試しにもう一度発動してみる。だがしかし、虎もクマも狼も、一向に来やがらねぇ。
「え? ええ~……そんなぁ……」
場所が悪かったのかなぁ、とエストがガックリと肩を落とすと……。
「あっ」
モコモコっと足元の雪がうねり、ポンッと白ウサギが顔を出した。
スンスンと鼻を鳴らしながら周囲を見渡し、寒冷適応の効果を不思議がっている様子だ。
「あ、ウサギさんかぁ……」
使い魔ガチャ、ノーマル。
でも、そんな白ウサギさんの頬をエストは優しく撫でて、
「来てくれて、ありがとね」
と、柔らかく微笑む。カッコいい系ではないけれど、それでも心強い森の仲間だ。
(「それに、たしか2023年の干支だし、ある意味で縁起がいいのかも……」)
よし、とエストは気合を入れなおし、拳を振り上げる。
「それじゃ……あらためて出発だよ!」
●2
ウサギさんと一緒に、周囲を警戒しながら順調に進んでゆくエスト。
途中、気が付いたことと言えばこの猛吹雪が目的地に近づくにつれて勢いを増してきているということだ。
吹雪の原因たる冬将軍と、その軍勢……。彼らも集落に近づきつつあるのかもしれない。
「急がないと、だね……」
先行するウサギさんが丘陵を登り終えて、エストを手招くようにスンスンと鼻を鳴らす。
「ま、待ってよぅ」
と、雪をかき分ける様にしてエストも登る。雪の丘を登り終えると、見下ろす先には窪地が広がっており……。
「あれは……!」
遠くに小さな灯りが見えた。あれが目的地である集落に違いない。
●3
村の人間が避難しているという教会に入る前に、長らく誰も住んで無さそう廃屋が確認できた。
「……あとで集落の人に聞いてみようかな」
用途を考えながらも、急ぎ足で教会へと向かうエスト。
ようやく辿り着いたものの、ここからが救援活動の本番といえる。
「ご、ごめんくださ~い」
ドンドンと猛吹雪の中で教会の扉を叩くエスト。
よくよく考えたら「助けに来たよ!」とか言った方が格好がついたかもしれない。
ん? あれ? これでは吹雪の中に突然訪ねて来た不審人物と思われてしまうんじゃ!?
「あ、あの、私、けけけ、けっして怪しいものじゃないんですよ!? 本当ですよ!?」
それ怪しい人が言うやつ。
そんなこんなはありつつも、復讐者は村の人々が避難する教会へと到着したのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
薬袋・水音
単純にここを要塞化しちまおう。設備も増設できるし、少なくともオレがここにいる限りは持つわけだから、24時間ばかし頑張ればどうにかなるわけだ。
徹夜くらいならま、何度かしたこともあるわけだし…非常食のチョコバーとかもあるし多少は何とかなるだろ。
ついでに言えば火炎使いなわけだから暖を取る分には最低でも問題ないだろ。
●
数日間にもおよぶ雪中行軍を終えて、やっとこ辿り着いた目的の集落。
「う~、寒っ」
薬袋・水音(空と大地を繋ぐ水・g00850)が白い息を吐き出しながら呟きを一つ。
寒冷適応の効果は貰っているハズだが、この吹雪が時々-80度を超えているのか――。
「それとも、視覚情報からによる錯覚ってやつなのかな? 人間の脳って案外大雑把らしいからな……」
まぁその辺はよく判らんが、とにかく寒い。
ついつい、水音も教会の中に入って暖をとりたくなってくるが――。
「敵さんは、あんまり待ってくれなさそうだしな……」
雪中行軍中に気が付いていたことは、この吹雪が次第に勢いを増してきているということだ。
それは、冬将軍とその配下の軍勢……奴等がこの集落にドンドンと近づいてきていることを意味していた。
集落の人々への救援活動は他の仲間に任せて、水音がとる行動は一つ。
「単純にここを要塞化しちまおう。
設備も増設できるし、少なくともオレがここにいる限りは持つわけだから、24時間ばかし頑張ればどうにかなるわけだしな」
つまり突貫工事の一夜城。太閤さんもビックリするぐらいのやつをブッ建ててやるぜ!
掌と拳をパンッと合わせて気合いをいれる水音。
「徹夜くらいならま、何度かしたこともあるわけだし……。
非常食のチョコバーとかもあるし、多少は何とかなるだろ」
腹が減っては戦は出来ぬ、とさっそく包装を剥がしてをチョコバーをカリッと一噛みする水音だったが……。
「かってぇ……」
-80度の環境化に晒されてガッチガチに凍結したチョコバー。なんならコイツで釘とか打てそうなレベル。
「ったく……温かい新宿の冬が恋しくなっちまうぜ」
水音が指をパチンと弾くと、ライターも無いのに小さな火が指先に現れる。
火炎使いでもある水音には暖を取る分にも最低で問題がない模様。
葉巻に火をつけるようにチョコバーを温め直してゆくと、甘い味が口の中に広がってゆく。
「そんじゃ、DIYといきますか」
発動するパラドクスは『実在する蜃気楼の要塞』(イミテーション)。
手稿の絵から質量を持たない要塞が呼びだされてゆく。
「ん~、あとは機銃に大砲か……。おっと忘れちゃいけないのが外壁のラクガキと旗のデザインだな。どうしよっかな~?」
ついつい芸術家肌なところを発揮しながらも、水音は迫り来る敵の軍勢に備えてて加筆修正を加えてゆくのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
到着、急いで救援しないと流石に不味い。
マイナス80度の世界、通常の人なら「低体温症」「凍傷から壊死」も考えられるから、急いで暖を取れる状況を「仲間」と連携して作っていくよ。
木材等は他の仲間に任せて、民草達の方を対応しよう。
「急いで火を起こして、室温を温めるのも大事か・・・」
救援物資ですぐに必要な暖が取れる物を優先して、次に食事、温かいスープの用意もするよ。【口福の伝道者】で数を増やして、可能なら数カ月を見越して食べれるもの(非常食)等も同時に増やせたら増やしたい。
冷気によるダメージも考慮すると、【活性治癒】を使用して先に挙げた症状【凍傷】→【壊死】にならない様に上手く使うよ。
ハナ・フリードル
アドリブ、連携歓迎っス。
「救援に来たっス。もう大丈夫っスよ」
取り急ぎ【寒冷適応】で全員に冷気への耐性を持たせて落ち着いて貰うっス。
持ち込んだ固形燃料に複数火を着けて室内を暖めると同時に、食材で暖かいスープ等を料理し、【口福の伝道者】で増やして振る舞うっス。どんな時でもまずは温かくて美味しい食事っス。
一番の問題は寒さっスね。【ハウスキーパー】を使って建物に守護霊を取り憑かせ、外の冷気を遮断して屋内を快適に保って貰うっス。私達が帰った後でも効果が続く残留効果の一つ。1日くらいなら持つ筈っス。
後は建物の隙間を材木で塞いで断熱性を高めたりするっスよ。
●1
教会の扉を叩くと、壮年の牧師が恐る恐るといった様子で顔を出した。
「あなた方は……?」
その声色には警戒というか、怯えのような色が感じ取れた。
まぁ、こんな猛吹雪である。訪ねてくるとしたら雪妖の類いか、死神かと身構えてしまうのも無理はないだろう。
「救援に来たっス。もう大丈夫っスよ」
そんな牧師を安心させるように、フードを外してニッコリと微笑むハナ・フリードル(人間のサウンドソルジャー・g06921)。
「悪いけど説明はあとにさせてね。急いで救援しないと流石に不味い」
防寒着にこびり付いた雪を払う時間をも惜しみながら、ナイン・スカーレット(CathPalug・g07595)。
「マイナス80度の世界……。通常の人なら『低体温症』や『凍傷から壊死』も考えられるからね」
急いで暖を取れる状況を仲間と連携して作っていくためにも、まずは寒さに震える民草の元へと急がなくては――。
ハナもナインに頷きを返して。
「まずは取り急ぎ『寒冷適応』で落ち着いて貰うっス」
ハナが「てやっ」と効果を発動させると、牧師は目を丸める。
「こ、これは……奇蹟、でしょうか?」
天使か何かと誤解されながらも、牧師は足早に復讐者たちを礼拝堂に案内する。
集落の人々は少ない薪を節約するためにその場所に集まって、身を寄せ合って震えていた。
寒冷適応は発動しているものの、それでこれまでの寒さと飢えで減ってしまった体力が回復するわけでは無い。
「急いで火を起こして、室温を温めるのも大事か……」
救援物資ですぐに必要な暖が取れる物を優先してゆくナイン。まずは、と固形燃料に火をつけると、オレンジ色の暖かな光が礼拝堂の内部を照らしてゆく。
「お、おお……」
壊死寸前まで冷え切った手をかざす民草。
「火、分けてもらうっスよ」
自分が持ち込んできた分の固形燃料に複数火を分け、礼拝堂の各所に配置してゆくハナ。こうしておけば多くの人に暖を分け与えられるはずだ。
「あったかい……」
揺らめく炎を見つめながら、人々はようやく安堵の吐息を漏らす。
暖をとるためにゆっくりと手を擦り合わせる人々の仕草は、ある意味でこの礼拝堂の本来の用途に相応しい……神に感謝の祈りを捧げているようにも見えるのだった。
●2
次に用意してきた食材をササッと調理して、温かい食事とスープを人々に振る舞ってゆく二人。
「どんな時でも、まずは温かくて美味しい食事っス」
「たくさんあるから、ゆっくりたべてね」
口福の伝道者の効果があればこの集落に住まう人々の全員分を準備することも容易い。
スープを手渡しながら、日持ちのしそうな非常食もついでに渡しておくナイン。
「あっ」
一人の子供がナインからスープを受け取ろうとして、器を落としてしまう。
見れば、その子の小さな指は青紫に変色し、すでに凍傷が進んでいることが見て取れた。
「ご、ごめんなさい……天使さま」
民草の中には救いの手を差し伸べてくれた復讐者たちをそう呼ぶ者も多かった。この子もどうやらその口らしい。
「気にしないで。それより……手を出して」
「は、はい」
ナインはその子の手をギュッと握り、活性治癒を施してゆく。
「その手が良くなるおまじない」
基本的に無表情なことが多いナインであったが……。
今この時は、見ようによっては、優しく微笑んでいるように見えた、かも。
●3
なんとか緊急の救援活動を終えて、ようやく一息つくハナ。
ことあるごとに「天使さま」だの「聖女さま」だのと呼ばれて手を合わせられるのがくすぐったいが、まあそれはとにかく。
あと気になることといえば……。
「一番の問題は寒さっスね」
教会の中まで吹き込んでくる隙間風も多い。これの対策として、軽く一曲演奏しハウスキーパーを召びだし教会の守護精霊とさせておくハナ。
「んじゃ、たのむッスよ~」
外の冷気を遮断して屋内を快適に保っておくことをお願いしておく。復讐者たちが帰還した後も1日くらいなら持つハズだ。
「あとは、時間いっぱいまで建物の隙間を材木で塞いでおくッスかね」
そんなことを考えていると、ナインも給仕の仕事を終えて戻ってくる。
「天使ちゃんお帰りっス! んで、続けてで悪いんスけど、こっちの大工仕事も手伝ってもらっていいっスか?」
「おっけ~聖女ちゃん」
「あはは~ガラじゃないッスよ~」
そんな取り留めもないやり取りをしながら、二人はもう一仕事に赴いてゆくのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
睦月・こよみ
人類の敵であった私が人助け、ですか…滑稽ですね
【SPD】連携・アドリブ歓迎
どの面さげてと言いますか、こちらの偽善に感謝を向けられるのが落ち着かないのですよね
なので、なるべく人と接しない方法にしましょう
【変化召喚】で今度は義兄さんの使い魔・竜王デイズを呼び出します
デイズ、村の周辺の倒木を燃やしていくつか炎の柱を発生させてください
あなたなら吹雪にも動じず、余計なものを延焼させずに気温を上げる炎を操る事も可能でしょう?
『うきゅるるるる!』
…はー、あったかい
やはり寒いのは嫌ですね
寒さは心まで凍えてしまいます
デイズ、もしも敵の接近を察知したら教えてくださいね
●1
目的地である教会へと辿り着いた復讐者たち。
さっそく救援活動を開始するため、人々が集まっているという礼拝堂へと移動してゆくが――。
「人類の敵であった私が人助け、ですか……滑稽ですね」
どこか皮肉に微笑んで、睦月・こよみ(暦の魔法使い・g01697)は踵を返す。
中のことは他の復讐者たちにお任せして問題はないだろう。それに――。
「どの面さげてと言いますか、こちらの偽善に感謝を向けられるのが落ち着かないのですよね」
どこか寂し気なこよみの呟きが、吹雪の中に消えてゆく、
かつて犯した過ち。そして新たな人生として漂着した新宿島。
きっと、昔のことなど見て見ぬふりしてをして面白可笑しく過ごすことも出来たはずである。だが――。
結局のところ、私は過去に縛られたままなのだ。
人類の歴史を取り戻すこの戦い。それに身を投じることは、私にとってどんな意味を持つだろう――。
「なるべく、人と接しない方法にしましょう」
いまごろ教会では温かい食事でも振る舞われているのだろう。
こよみは一瞬だけ、自分がその輪の中に加わっている姿を想像してみて。
「……」
いつか、この贖罪が終わる日は来るのだろうか?
自分自身を許せる日が訪れるのだろうか?
それはまだ、分からないけど――。
いつもの穏やかなな笑顔を作り直して、こよみは次の一歩を進みだすのだった。
●2
教会の人々を怯えさせないように、十分な距離を取ったのち、こよみは正十二面体の小箱『サーヴァント・ダイス』を取り出す。
「ダイヤルインストール『メルト』……。おいでなさい、陽白竜王・デイズ!」
再現再生してゆくのは赤き鱗を持つ竜王。
この猛吹雪を物ともせず、纏い揺らめかせるのは熱波の陽炎だ。
「デイズ、村の周辺の倒木を燃やして、いくつか炎の柱を発生させてください。
あなたなら吹雪にも動じず、余計なものを延焼させずに気温を上げる炎を操る事も可能でしょう?」
こよみが声かけると、デイズは応えるように頷いて、
『うきゅるるるる!』
と、一鳴きする。この見た目より可愛い鳴き声にこよみはクスッと小さく微笑み、
「お願いしますね」
と、竜王の鱗と撫でるのだった。
集落を護るように立ち昇る炎の柱。
「……はー、あったかい。
やはり寒いのは嫌ですね。
寒さは心まで凍えてしまいます」
ついでに暖をとりながら、こよみは安堵の吐息を一つ。
さて、この炎の柱は集落に接近してくる敵の目にも入る事だろう。いわばこれは、此方からの宣戦布告である。
「デイズ、もしも敵の接近を察知したら教えてくださいね」
こよみがそうお願いすると、デイズは再び可愛く『うきゅるる!』と鳴くのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
ベアタ・アンシュッツ
【口福の伝道者】で増やした食料や、道中で手に入れた薪を【アイテムポケット】から取り出して、避難してる人達の長老格の人に渡そう
食料が足りないなら、いもようかんやポテチ、ドライソーセージも口福の伝道者で増やしておこう
それが済んだら、避難中の人で周辺の天候に詳しい人に、この時期の風向きを教わって、建物の風上側に【アイスクラフト】で作った氷塊を並べて、氷の壁を作ろう
この寒さなら、氷の壁は日中でも解けないし、積もった雪で壁はどんどん高くなる
高い壁は、建物に当たる風を防いでくれる
風を防げれば、すきま風も減って、体感温度は少しはマシになるかも
日本にあるかまくらってのを参考にしたのさ
いざ、かまくらってね!
●1
「それにしても、このような猛吹雪の中を越えて助けに来てくださるだなんて、あなた方は一体……?」
そう不思議がるのは壮年の牧師である。
彼に案内されながら教会の廊下を歩くベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)の姿がある。
「ま、困ったときはお互い様ですって」
もうすぐ敵の襲来も控えているので、こちらの素性を全て説明している時間はない。その辺の事情は軽く笑顔で流させて頂きまして。
道中に口福の伝道者で増やしてきた食料と、ついでに採取しておいた薪をアイテムポケットから取り出して、牧師さんに預けておく。
「あ、どれも解凍してから食べて下さいね。ガッチガチに凍っちゃってますので」
でないと歯が欠けちゃいますから、とベアタは冗談めかして笑う。牧師も釣られて少しだけ笑い――。
うぐっと感極まったように嗚咽する。
「……どうやら神は我々を見放していなかった。
そのご慈悲に感謝致します。天使様」
と、涙を流しながら深々と頭を下げる牧師。
「あ、えーと、その……」
いや、天使って大げさな……って、まぁ種族的に天使だけどさ。
「そんじゃ、皆で食べて下さいね! もし足りなかったら教えてくださ~い!」
直球ストレートな感謝の言葉にどこか照れ臭くなって、ベアタはササッと次の仕事に向かってゆくのだった。
●2
暖も食事ある程度行き渡って、集落の人々が落ち着きを取り戻したころにベアタは聞き込みを開始する。
「ああ、それなら」
と、紹介されたのは長年このあたりで猟師を営んでいるというマタギみたいなおっさんである。
その人を伴って教会の周囲を歩き、この時期の風向きを教わってゆくベアタちゃん。
「ならば、この場所が良いじゃろう」
教会の風上側にある一画を指差す猟師のおっさん。
「じゃがなァ……この猛吹雪の中では作業など到底……」
と、歯痒そうに腕を組む猟師のおっさん。だが、ベアタは杖をクルクルッと回して構える。
「大丈夫! ドーンと私に任せといてよ、マタギのおっちゃん!」
「え? マタギ? いや、わしの名前ハンネスなんじゃけど……」
ま、おっちゃんの名前は今は置いておいて。むんっ、と精神を集中し、魔力を高めてゆくベアタ。
不幸中の幸いというか、今回の状況下では呼び掛ける聖霊に不自由はしない。荒れ狂う吹雪を制するように、杖を掲げ。
「永久凍土に眠る聖霊よ。我に絶対零度の城壁を与え給え!」
そのまま杖を振り抜くと、オーロラのような軌跡が流れる。
「お、おおッ!!」
思わず声をあげるおっちゃん。
ベアタの呼びかけに氷の聖霊が応え、瞬く間に氷の城壁を造り出したのだ。
「こ、こりゃ……たまげた」
度肝を抜く猟師のおっちゃんに、ベアタは「ふっふっふ」と満更でもない様子で笑い。
「私の策はこれだけじゃないぜ。この寒さなら、氷の壁は日中でも解けないし、積もった雪で壁はどんどん高くなる」
ベアタの言葉通り、氷の壁に吹き荒ぶ猛吹雪が吹き付けて、城壁をより強固にしてゆく。
「高い壁は、教会に当たる風を防いでくれる。
風 を防げれば、すきま風も減って、体感温度は少しはマシになるのだ!」
ドーンと胸を張るベアタちゃん。
なんてこった! 今夜の晩ごはん以外のこともしっかりと考えている子だったッ!!
「日本にあるかまくらってのを参考にしたのさ。
いざ、かまくらってね!」
「おおッ! イッツ・ア・かまくら!」
親指をビシッと立ててマタギのおっちゃんの声援に応えたのち、ベアタはドンドンと氷の城壁を建設してゆくのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
エスト・リンフィールド
【使い魔使役】してるうさぎさんには、建物の外で物陰に隠れて貰って、外を見張って貰うね
もし、怪しい連中が近づいてくるなら、すぐに教えて貰おう
建物に入れて貰えたら、外の廃屋を、建物を直す資材やらに回していいか偉い人に聞いてみよう
資材にできない端材でも、薪に使えるね
あと、畑の場所を聞いて、【寒冷適応】、【完全視界】、【浮遊】を活かして外の畑に向かい、【土壌改良】で畑を肥沃にしよう
これで、春に取れる作物が増える
生き延びれば……必ず、実りの春が来る
そう思えば、集落の人達も元気が出るかも
子ども達にも、たくさん食べさせることができるんだよ
だから、まずは今夜を乗りきろう
そしたら明日
その次……そして、春だよ
●1
不審人物と思われたのだろうか、なかなか教会に入れてもらえなかったエスト・リンフィールド(挙動不審エルフ吟遊詩人系・g05947)さん。
でもまぁ、なんとか誤解は解けて――。
「本当に失礼いたしました……」
壮年の牧師が深々と頭を下げる。
「あ……気にしないでください。慣れてますから」
なんなら普通に新宿を歩いているだけでも職務質問されるレベル。普通とは一体……うごごご。
「そうだ、ウサギさんは、教会の近くで隠れていてね」
教会に入る前に、使い魔使役していた頼れる相棒に指示を出しておくエスト。
「ついでに外を見張ってくれるかな?
もし、怪しい連中が近づいてきたら、すぐに教えてね」
ウサギさんは「すんすん」と鼻を鳴らしながら合点承知とばかりに頷き――。
そのまま「じ~っ」とエストを見て固まる。オイオイオイ、この反応はまさか……。
「え、えーと、ウサギさん? 私は……アヤシイ者じゃない、からね……?」
そう、私はエスト・リンフィールド。使い魔からも挙動不審だと思われる女。
●2
さて、そんなこんなは一旦置いておいて。
牧師さんに声を掛けて、外の廃屋を建物を直すための資材に回していいかを聞いておくエスト。もし資材にできないような端材でも、薪には使えるハズだ。
「それでしたら、ココと、ココと……この小屋でしたら」
と、牧師さんが村の地図を広げながら印をつけてゆく。
あとは、現地へと向かうだけだが「あ、そうだ」とエストは振り向いて。
「畑のある場所も、教えてもらっていい、かな?」
「……畑、ですか?」
あ、コレこんな猛吹雪の中で何をするのかと不審に思われているパターンだ。
「け、決して悪いようにはしませんから……本当だよ?」
「は、はあ……」
怪訝な顔をされながらも、なんとか情報を仕入れてゆくエストちゃんだった。
●3
寒冷適応や完全視界、あとは浮遊を駆使して集落の畑に到着するエスト。
村のほとんどが雪に埋もれているような状況なので、牧師から貰った地図が無ければ、この場所が畑だとは気が付けなかったに違いない。
生命の気配のない、雪に閉ざされた大地……。
「でも、これなら……!」
雪に杖を「えいっ」と突きさすエスト。
ズズズッと深々と沈んでゆく杖の石突が雪の底に埋もれた大地を捉えた瞬間、エストは練り上げた魔力を解放してゆく。土壌改良で畑を肥沃にしたのだ。
「これで、春に取れる作物が増える。
生き延びれば……必ず、実りの春が来る」
いま、この集落に足りないのは暖房や物資だけではない。
それは、きっと将来への希望なのだ。
「そう思えば、集落の人達も元気が出るかも。
子ども達にも、たくさん食べさせてあげることができるよね」
教会の礼拝堂で不安に震えていた子供たちの姿を思い出しながら、エストは頷く。
「だから、まずは今夜を乗りきろう。
そしたら明日。
その次……そして、春だよ」
だからこそ、私たちが、あの子供たちの希望になるためにも――。
なけなしの勇気を奮い立たせて、私も戦わなくっちゃいけない。
「すんすん!」
と、ウサギさんが猛ダッシュでエストの元に駆け寄ってくる。
「……敵が来たみたいだね」
エストはウサギさんに頷きを返して、急いで教会へと戻ってゆくのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
イオナ・ガルバローゼ
寒さ対策に【寒冷適応】木材探しに【完全視界】雪上での行動の効率化に【浮遊】を使用
外の立木から木材を調達してきます
パラドクスで木を倒し【怪力無双】で運びます
木材は薪にもなりますし建物を補強するのにも役立つでしょう
他に木で雪を寄せ硬め建物の周りに簡単な壁と空間を作り
吹雪が直接建物を冷やすの防ぎます
こう寒くては雪も解けない、強固になります
持ち込みの食料でスープを作り【口福の伝道者】で配給します
ボルシチのパイ包み焼きにしましょう
普通なら牛骨からじっくり出汁を取る時間が掛かりますが
最終人類史には出汁を取り終えたストックが売られており
パイ生地もシートであります1時間もあれば調理が済むでしょう
●1
復讐者たちの支援により、集落の人々はある程度の元気を取り戻すことが出来た。
そして――。
もはや死を待つばかりだった村の人々にとっては、この救いの手を差し伸べてくれた復讐者たちは救世主のようなものらしく――。
「えと……わたくしが聖女様、でございますか?」
信心深そうな村娘からそう呼ばれて、イオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)は思わず聞き返す。
「はいっ! なんといっても、私たちの命の恩人ですから!」
掌を合わせ、ペコリと祈りを捧げるかのようにお礼を言う村娘。
感謝されるのは嬉しいけど、気持ちとしては少し複雑なイオナ。
でも、いちいち訂正するのも気が引けて。
「お役に立てて、光栄でございます」
と、裾を持ち上げながら丁寧に一礼しておくイオナだった。
●2
まずは寒さ対策に寒冷適応を更新し、そのまま木材探しに向かうイオナ。
完全視界を用いて村の周りにある森を確認し、雪上での行動の効率化のために浮遊を使用してゆく。
目的は減りに減った薪の在庫確保だ。
対の麗剣を重ね合わせて『剪定者』を成す。断ち切り鋏のような形状になった双剣が、針葉樹を易々と両断してゆく。
「このぐらいで十分でしょうか」
枝打ちをしてから怪力無双で持ち上げて、教会まで持ち帰ってゆくイオナ。
木材は薪にもなるし、建物を補強するのにも役立つはずだ。
「あと必要な事といえば……」
木材で雪を寄せ硬め、建物の周りに簡単な壁と空間を作ってゆく。こうしておけば、吹雪が直接建物を冷やすの防ぐことが出来る。
「こう寒くては雪も解けない。自然と強固になります」
敵の持つ猛吹雪の能力を利用し、防壁作りに使わせてもらう。意趣返しとしては丁度いいくらいだろう。
●3
雪中行軍、薪作り、そして休む間もなく食事の準備に取り掛かるイオナ。
なるべく食べる人たちのことを考えて、身体が温かくなるようなメニューを考えてゆく。
「聖女さま、何をつくってるの? わたしたち、なにか手伝えない?」
村の子供たちが少しでもイオナを手伝えないかと、顔を出してくる。
イオナは優しく微笑みを返して――。
「ボルシチのパイ包み焼きです」
普通なら牛骨からじっくり出汁を取る時間が掛かかるが、最終人類史には出汁を取り終えたストックも売られており、パイ生地もシートである。
きっと1時間もあれば調理が済むことだろう。
「お心遣いありがとうございます。
では、お皿への盛り付けと配膳を手伝って頂けますか?」
イオナの言葉に子供たちが「は~い!」と元気に頷く。イオナから任されたお仕事に張り切っている様子だ。
その一生懸命で、純粋な姿にクスッと笑みがこぼれる。
自分を認めてくれた人に仕える事こそが、イオナの喜びではあるけれど――。
誰かと共に協力して一つの仕事を成すというのも、案外悪くなさそうですね、と。
そう思うのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
●ブラッディサクリファイスとの戦い
「み、みんな~! きたっ、きたよ~!!」
何が来たって問い返すまでもない。
耳を澄ませれば、冷たく吹き荒ぶ吹雪の中に、不気味な笑い声が混じっていることに気が付くハズだ。
「フフフ……」
「アハハ……」
教会の鐘突き塔に昇り、雪原の先に目を凝らすと、紅い色彩が見て取れる。冬将軍が率いる先兵『ブラッディサクリファイス』の姿だ。
「敵襲だッ!!」
敵軍はすでに集落を取り囲むように展開されているようだ。
礼拝堂に集まり不安そうな顔を浮かべている村人たち。
復讐者たちは互いに頷きあい。
敵を迎え撃つため、猛吹雪の中に出撃してゆくのだった。
ベアタ・アンシュッツ
また、貧血になりそうなことしてる敵がいる
攻撃の度に簡単に切っちゃうのはなあ……まあ、レバーでも食えよ
まさか、
「貴様の肝を生きたまま喰らうてくれるわ!」
とか、どこかで聞いたようなこと言わないよね?
私はそういう担当じゃないから
まずは、【完全視界】、【浮遊】、【寒冷適応】を活かして、吹雪の中でも視界確保して足場を確保できるように
敵の攻撃を【アイスクラフト】の氷塊で防ぎながら、アイスフォートレス発動だね
氷の壁で敵の攻撃を凌ぎつつ、隙を見て反撃
敵が集団で向かってきてて、一度に捌けそうにないなら……氷塊を【怪力無双】で敵に向け滑らせ、敵群を足止めしてみる
冷たいの好きなんだろ?
じゃあ……遠慮なく受け取って!
●1
教会の鐘突き塔から周囲を見渡すベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)。
「これまた大勢でやってきちゃって……何体いるんだろ? コレ」
村を取り囲むように展開している『ブラッディサクリファイス』の軍勢。
敵の不気味な笑い声が、まるで楚歌のように鳴り響いてくる。
圧倒的なほどの兵力差。笑ってしまうほどに多勢に無勢。
「ま、やるっきゃないよね!」
敵軍を迎え撃つため、ベアタは塔から吹雪の中に飛び立ってゆく。
●2
まずは残留効果を活かし、吹雪の中でも視界と足場を確保できるようにして。
よっ、と雪の上に降り立てば、紅眼を輝かせる吸血鬼たちがお出迎えだ。
敵もこちらの接近に気が付いていたようで――。
「フフフ……」
「アハハハ……」
短刀で手首を自傷してゆくブラッディサクリファイス。噴き出した血液がシュルシュルと意志を持つようにうねり、そのまま剣の形を成してゆく。
「また、貧血になりそうなことしてる敵がいる」
以前、世界樹の内部で戦ったドラゴンがこんな攻撃方法をしていた気がする。
「攻撃の度に簡単に切っちゃうのはなあ……まあ、レバーでも食えよ」
杖を肩でトントンとしながら敵を挑発するベアタ。まさか、「貴様の肝を生きたまま喰らうてくれるわ!」とかセリフまで被って来ないだろうか?
「フフ……アナタの血も、我らが『貴婦人さま』に捧げてあげる。そうすればアナタも――」
口元を半月のように歪ませて、狂気の微笑みを浮かべる吸血鬼ども。
つまり、捕らえて血の眷属に加えてやるってこと?
「悪いけど、私はそういう担当じゃないから」
クルクルッと杖を回して、ビシッと敵に突き付けるベアタ。
吹雪の中の防衛線の始まりだ。
●3
血の剣が霧状となり、戦場に蔓延してゆく。吸い込んだ者を内側から破壊する毒の霧だ。
霧が毒蛇のようにうねり、ベアタを捕獲しようと迫ってくる。
「捕まるかっての!
永久凍土に眠る聖霊よ。我に絶対零度の城壁を与え給え!」
氷の聖霊さんも今日は絶好調。瞬く間に作り上げてゆくのは氷の壁だ。
毒霧をこれで防ぎながら、ベアタはそのまま氷の壁にガッと手を掛けて――。
「ふんぬ~~!!」
怪力無双で氷壁を根元からぶっこぬくベアタ。おっとっと、と少しだけバランスを整えて――。
「冷たいの好きなんだろ?
じゃあ……遠慮なく受け取って!」
どっせーい、と巨大な氷の塊がボーリングのように敵軍に投げ込まれ、次々と敵をなぎ倒してゆくのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【アイスクラフト】がLV2になった!
効果2【ダブル】がLV2になった!
ハナ・フリードル
アドリブ、連携歓迎っス。
あいつらがこの吹雪の原因っスね。
みんなをあんなに苦しめてくれた礼はきっちりさせて貰うっスよ。
【寒冷適応】で冷気に対抗。【完全視界】で吹雪を見通して視界を確保。敵の位置を見極めるっス。
包囲されてるなら仲間と分散して迎撃っス。
シールドを構えて敵のウォーターカッターを防御し耐えつつ、【フレイムタン】で攻撃。
気合いを込めた叫び声に乗せて、灼熱の破壊音波を放つっス。「ブレス」「火炎使い」。
炎の嵐を巻き起こして焼き払ってやるっスよ。
ついでに「風使い」「撹乱」で、熱気で雪を蒸発させて湯気の煙幕で敵の目を眩ますっス。こっちは完全視界で見通せるっス。位置を変えつつ攻撃し続けるっス。
●1
教会の鐘突き塔から周囲を見渡せば、村がすっかりと敵軍に包囲されているのが確認できた。
「ありゃ~……すっかり囲まれちゃってるっスね」
この猛吹雪の中をまるで涼風のように悠々と進軍してくるのは冬将軍が率いる白い悪魔たち『ブラッディサクリファイス』だ。
「ん~、これはこっちも戦力を分散していくしかないっスね」
ハナ・フリードル(人間のサウンドソルジャー・g06921)は仲間と共にそれぞれが担当する方角を決めて、互いに頷きあう。
もし敵を討ち漏らせば、そのまま教会に雪崩れ込まれて大きな被害が出てしまうだろう。ゆえに――。
「ここが正念場っス!」
ギュッと拳を握って気合を入れ直し、ハナは猛吹雪の中に出撃してゆくのだった。
●2
圧倒的なほどの兵力差。笑ってしまうほどに多勢に無勢。
こちらを嘲笑するような声を響かせる吸血鬼たちと相対し、ハナはそれでも不敵な笑みで返す。
「あんたらがこの吹雪の原因っスね。
みんなをあんなに苦しめてくれた礼はきっちりさせて貰うっスよ」
先手必勝とばかりに駆け出して、挨拶代わりの飛びヒザ蹴りを喰らわせる。
「ガハッ!!」
と、仰け反った敵の意識を刈り取るため、そのまま空中で身を翻してカカトを落とす。
「ッ!?」
脳天から叩き込まれた衝撃で、頭を雪に埋めてゆくブラッディサクリファイス。
よし一丁上がりと言いたいところだが、勿論これで終わりではない。
「アハハッ!」
雪の中を迸る紅い色彩。血液を媒介とした変幻自在な攻撃『ブラッディブレード』がハナに襲いかかる。
「なんのッス!」
腕に装着した円型盾を裏拳のように振るい、敵の攻撃を弾き飛ばす。
「ったく、次から次へと……!」
四方八方から襲い掛かってくるブラッディサクリファイス。
どうやらこっちに反撃する暇を与えずに、そのまま圧し潰すのが敵の作戦らしいが――。
反撃はこの『声』さえあれば十分だ。
すぅ、とハナは大きく息を吸い、
『燃えて失くなれえぇぇぇぇえ!!!』
気合いを込めた叫び声に乗せて、灼熱の破壊音波が放たれる!
『フレイムタン』。分子の運動を加速させる魔力を乗せた音波を放つハナのパラドクスだ。
「――!」
断末魔すら残さず塵と化す吸血鬼。さらに巻き起こった炎の嵐が敵軍を飲み込み、焼き払ってゆく。
降り積もった雪が一瞬で蒸発し、周囲が一変。
副次的に発生した湯気を煙幕として敵の目を眩ませ、位置を変えつつ敵をなぎ倒してゆくハナだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
エスト・リンフィールド
【完全視界】、【浮遊】、【寒冷適応】を活かして、仲間と手分けして迫ってくる敵へ対処しつつ、ウサギさんには【使い魔使役】で教会の近くの物陰等にに隠れて貰って、敵の襲来に備え警戒して貰おう
まずは、一番街に近づいてる敵群を優先して、アースシェイカーで攻撃
こうすれば、急な振動で敵の攻撃もぶれたりして、命中しにくくなるかも
敵の反撃が当たりそうなら、【アイスクラフト】で氷塊を出して盾にしよう
氷塊の出現に対して、敵が回り込もうとするなら……敵が回り込んでくるルートで待ち受けるように、もう一丁アースシェイカーをぶちこもう
フラフラしてるようだけど……血を出しすぎて、貧血かな?
そのまま倒れれば、いっそ楽なのにね
●1
敵襲を報せるためにダッシュで教会まで帰ってきたエスト・リンフィールド(挙動不審エルフ吟遊詩人系・g05947)。急に走りすぎてお腹が痛い。
「ど、どうしよう……囲まれちゃってるよぅ」
鐘突き塔から完全視界で周囲を見渡せば、村を取り囲むように敵軍が展開されているのが確認できた。
敵を少しでも討ちもらせば教会への侵入を許してしまう以上、こっちも戦力を分散して、それぞれで担当カ所を決めてゆくしかないようだ。
「みんなとの連携が取れないのは不安だなぁ……」
ボソッと自信なさげに呟くエスト。すると、ここまでついて来たウサギさんが「すんっ!」と鼻を鳴らし胸を張る。
どうやら、「心配すんなっ! 俺が付いてるぜ!」ってことみたいだけど――。
「あっ、ウサギさんは教会の近くの物陰等に隠れていてね……」
お気持ちは大変有難いのですが……。ハッキリ言ってこの戦いにはついていけない……。
とりあえず、ウサギさんは引き続き敵の襲来に備え警戒して貰うことにして、エストは敵軍の迎撃するために出撃してゆくのだった。
●2
吹雪の中、舞い踊りながら進軍してくる『ブラッディサクリファイス』。自らの血を操る能力を持った吸血鬼の眷属だ。
「ええと……なんか、破狂竜さんを思い出す能力だね」
世界樹内部で相対したドラゴンのことを思い出しながら、エストはギュッと杖を握りしめる。
「ここは通さないよっ!!」
まずは、一番街に近づいてる敵群を優先して!
『大地に眠る聖霊よ。今こそ目覚め……我が敵を奈落の底に呑み込み給え!』
エストが雪上に杖を突き立てた瞬間、ガンと突き上げるような振動が敵軍を襲う。
「――ッ!?」
立っていることすらままならない激震。降り積もった雪がズズズッとずれ動き、敵軍をまとめて吞み込んでゆく。
「や、やった……かな?」
おいやめろ、それはフラグだ。
「!?」
雪の中から幾本もの血が噴き出し、蛇のようにエストへ襲い掛かる!
やはり一発で全員とはいかなかったようだ。
即座に追加詠唱を展開し、氷塊を盾代わりにしてこれを防ぐエスト。
雪の中から次々とゾンビのように這い上がってくる敵軍にエストは小さな微笑みで返し。
「フラフラしてるようだけど……血を出しすぎて、貧血かな?
そのまま倒れれば、いっそ楽なのにね」
敵が立ちあがってくるならば、完全埋葬できるまでアースシェイカーを連続でぶち込むまで。
再び魔力を練り上げながら、エストは杖を振り上げるのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【浮遊】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
睦月・こよみ
集落の温度維持の為にサーヴァント・ダイスとメルト義兄さんのダイヤルは使えませんね
となれば、この敵は私自身でお相手しましょう
【連携・アドリブ歓迎】
「トリアージスラッシュ」を起動、このメスで解体してあげます
と言いつつ、狙いはこちらのメスで相手の血剣を受け止め、その生命力を奪って周辺にまき散らす事ですけど
私たちが去った後にこの土地が蘇る一助になれば良いのですが、上手くいくかどうかは不明ですね
まぁ、仕込みはダメ元で幾つも用意しておくものですし、なんとかなるでしょう
剣術の技術不足は「失光の腕」による「吹き飛ばし」や「捕縛」によるだまし討ちで誤魔化せるかしら?
もちろん敵にはきっちり死んでもらいますが
●1
デイズが警戒を促すように短く鳴くのと同時、コーン、コーンと響き渡る鐘の音を睦月・こよみ(暦の魔法使い・g01697)は聞いた。
どうやら仲間の誰かが、こよみに敵襲を報せるために教会の鐘を鳴らしてくれているらしい。
「来たようですね……」
吹き荒ぶ吹雪の中、完全視界を使いながら目を凝らすと、白に閉ざされた色彩の中に、鮮烈な紅があることに気が付く。
自らの血を操る能力を持つ吸血鬼の眷属『ブラッディサクリファイス』の群れだ。
人形のように微笑みながら、雪の中を踊り狂うブラッディサクリファイスにこよみは小さく吐息。
「集落の温度維持の為にサーヴァント・ダイスとメルト義兄さんのダイヤルは使えませんね」
デイズが少し心配するように視線を寄越すが、こよみは心配しないで、と手をヒラヒラさせて応える。
「となれば、この敵は私自身でお相手しましょう」
●2
互いの視線が交錯すると同時、ブラッディサクリファイスたちが一斉にニイッと笑みを深めると、こよみを取り囲むように散開。兵数差にモノを言わせた物量作戦がこいつらの作戦らしい。
「真っ当で正直な戦い方ですね」
すっかり取り囲まれながらも、こよみは余裕を崩さない。
「ダイヤルセット、『メイ』『バニイ』……」
冷たい詠唱が響き渡る。
『千万変化』を大鉈へと変化させ、ヒュンヒュンと吹雪を裂くように軽く振うこよみ。その大鉈の形状は、まるで巨大な医療用メスだ。
「さあ、掛ってきなさい……このメスで解体してあげます」
底知れぬ迫力に一瞬だけ気圧される敵軍だが、数の優位を押し付けんと四方八方から同時に突撃してくる!
鮮血が剣を成し、こよみを斬り裂かんと振われるが――。
「暦魔法・必殺必生!」
月のように煌めく銀弧。
「……!?」
鮮やかに切断された傷口から、一拍遅れて血が飛沫く。急所を断ち切られた敵が、ドサッと雪の中に倒れてゆく。
「こうやってまき散らせておけば、私たちが去った後にもこの土地が蘇る一助になるでしょうか?」
こよみが刃先を振ると、雪に血痕が染みてゆく。
「上手くいくかどうかは不明ですけどね。
まぁ、仕込みはダメ元で幾つも用意しておくものですし、なんとかなるでしょう」
事も無げに呟くこよみに、ブラッディサクリファイスは思わず戦慄する。
「それにしても、私では剣術のほうは技術不足ですね……。
そこは、誤魔化しながらやっていくしかないでしょうけど……」
二の足を踏む敵にこよみは「ああ」と向き直り、
「もちろんあなた達にはきっちり死んでもらいますが」
と、背筋も凍るような笑みを浮かべるのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
恐怖を与えるだけの存在は民草には要らない。
故に、私はこの剣を抜く。
『この幻想に宿るはドヴェルグの遺産、我が手にありし剣に宿れ、因果に囚われし魔剣よ目覚めよ』
「幻解・一抜一殺ノ魔剣」
両手で構え、自前のスピードで一気に加速、パラドクスの乗った刃を振るいます。
【武器改造】で逸話の「癒えない傷」を再現する為に、フランベルジュや二連重なっている切り傷を付けられる形状に変化。
【吸血】で剣で切りつけ、切り結んだ瞬間に相手の使用している血を吸血し自身と武器の力に変換して能力を底上げ。
「クロノヴェーダ、貴方達の為に生きる民草は一人も居ないんだよ。」
●1
村を包囲するように展開された冬将軍の先兵たち。
もし少しでも討ち漏らせば教会へと侵入されてしまい、大きな被害が出ることは必至である。
ゆえに復讐者たちはそれぞれ方角を決めて敵軍を迎撃する作戦を立てる。
ナイン・スカーレット(CathPalug・g07595)が向かったのは教会から北東である。
「……来たね」
猛吹雪の中で目を凝らせば、踊り狂いながら進軍してくる『ブラッディサクリファイス』の姿が確認できた。
そして、その後ろにはひと際強い存在感を放つ吸血鬼……敵指揮官『血の貴婦人』の姿があった。
「あら……? あらあらあらァ?」
立ち塞がったナインの姿を見て、血の貴婦人が鈴のように微笑む。
「貴女、血の匂いがするわね。もしかして私達の同胞かしら?」
無言で応えるナインに、血の貴婦人はどう思ったのか、
「そうでしたら、慈悲で見逃してあげますからサッサと道を譲りなさいな。
これから私たち、楽しい晩餐会の準備がありますの」
貴族の傲慢を絵に描いた様な感じで手をヒラヒラさせる血の貴婦人。
ナインは血の貴婦人を真っ直ぐに見つめ、問いかける。
「なぜ、民草を虐げるようなことをするの?」
その言葉に、興を削がれたとばかりに血の貴婦人は肩を竦め。
「ワインを飲むのにいちいち理由が必要でして?
美味しくて、楽しい気分に浸れるから決まっているでしょう?」
唇を舌で舐めながら血の貴婦人が笑う。
ナインは「そう」と短く応え、意思を宿した瞳で悪しき吸血鬼を射抜く。
「恐怖を与えるだけの存在は民草には要らない」
故に、私はこの剣を抜く。
『この幻想に宿るはドヴェルグの遺産、我が手にありし剣に宿れ、因果に囚われし魔剣よ目覚めよ』
血のように深い緋色の魔剣をナインは抜き放ち。
「ここは通さないよ」
●2
「まァ、余興には丁度いいかしらね」
血の貴婦人がパチンと指を弾くと、配下のブラッディサクリファイスが一斉にナインへと襲い掛かってくる。
ナインは剣を腰溜めに構え、踏み込みと共に一気に加速。深紅の刃が心臓の鼓動のように脈動し、その形状を変化させてゆく。
逸話の「癒えない傷」を再現する為に、その刃は揺らめく炎のように波打ち、更には二連重なる切り傷を付けられるように――。
幻解・一抜一殺ノ魔剣(ファンタズムアンサー・ダーインスレイブ)。振り抜く一撃が敵陣を切り裂く。
更に、切り結んだ瞬間に相手の使用している血を吸血し自身と武器の力に変換して能力を底上げしてゆくナイン。
「クロノヴェーダ、貴方達の為に生きる民草は一人も居ないんだよ」
頬についた返り血を拭いながら、ナインは血の貴婦人に魔剣の切っ先を向けるのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
ロザーリヤ・ユスポヴァ
仲間が後顧の憂いを絶ってくれた……後は殲滅あるのみだ
穢れた冷気を呼ぶ儀式など、ぼくの炎で清めてやるとしよう
【寒冷適応】を使用して極寒に耐えながら戦う
【完全視界】による一方的な視認で密かに接近するため、敢えて猛吹雪の中を進み、不意を突こう
足を取られそうな状況では【浮遊】やごく短距離・低空の【飛翔】も織り交ぜる
吹雪越しに敵を捕捉したなら≪悪竜伝承『翼広げし■■■』≫を行使
連射力に優れた火炎弾を連続魔法で矢継ぎ早に掃射し、敵の陣容を乱していく
お前達もこんな所にいて寒かろう。骨の髄まで熱してやろうではないか
反撃の血剣は『星界の天幕』を翻し軌道を逸らしたり
愛剣『死せざる■■■■■』で受け止めることで対処
●1
吹き荒ぶ猛吹雪の中に、不気味な笑い声が木霊する。
教会の鐘突き塔からロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)が周囲を見渡せば、村を取り囲むように配置された冬将軍の軍勢が確認できた。
「仲間が後顧の憂いを絶ってくれた……後は殲滅あるのみだ」
マントを翻しながら塔から飛び降り、雪上へと降り立つ。
「穢れた冷気を呼ぶ儀式など、ぼくの炎で清めてやるとしよう」
●2
寒冷適応を使用し、極寒に耐えながら慎重に進むロザーリヤ。
冬将軍が作り出すこの猛吹雪……能力として厄介な事この上ないが、この視認性を悪さを完全視界で補えば、逆にこちらの有利に働くこともあるだろう。
敢えて猛吹雪の中を進み、不意を突く。それがロザーリヤの作戦だ。
吹雪越しに敵を捕捉し、雪に埋もれた樹々に身を隠して機を窺う。
(「さて、仲間達は上手くやっているだろうか?」)
村を取り囲む敵軍に対応するため、こちら側も戦力を分散している。ちなみにロザーリヤが担当するのは南西方面である。
しばらく待っていると、各方面で派手なドンパチ音が聞こえてくる。他の場所で戦闘が開始されたのだ。
この騒ぎはロザーリヤが捕捉している『ブラッディサクリファイス』たちも聞きつけたらしく、彼女たちは一瞬だけ援軍に向かうべきか、このまま教会へ進軍するべきかで判断に迷ったようなそぶりを見せる。
敵の気が逸れた一瞬、それこそがロザーリヤの待っていた隙だ。
『我は悪竜、翼持つ最も大いなる者なり』
暴風に吹かれたマントが揺れると同時、それが竜をの翼を思わせる禍々しい形状へと変質してゆく。
悪竜伝承『翼広げし■■■』(ドラコニックロア・アルカナムウイングス)。
その名は刻逆で失われたのか、いやそれとも……禁忌として塗り潰されたのか。
顕現する姿は悪竜の二つ名に相応しい、黒い鱗のドラゴンである。
立ち並ぶ凶悪な牙の隙間から、燃え滾る劫火が溢れ出る。
「お前達もこんな所にいて寒かろう。骨の髄まで熱してやろうではないか」
放たれるは連射力に優れた火炎弾。矢継ぎ早の掃射が、敵の陣容を一瞬にして崩壊させてゆく。
「なっ!?」
運良く難を逃れたブラッディサクリファイスは、火炎が飛んできた方向からようやくロザーリヤの存在に気が付く。
「貴様っ! よくも!」
短刀で自らの手首を傷つけ、血剣を作り出すブラッディサクリファイス。
「血の剣か……なかなかに美しい刀身だ」
雪の中に輝く赤を見ながら、ロザーリヤは微笑む。
赤と白、これほど美しい組み合わせも中々ない。
「いい機会だ、存分に斬り結ぼうじゃないか」
ロザーリヤは翼だけを残しながら人の姿へと戻り、愛剣『死せざる■■■■■』を抜き放つのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
イオナ・ガルバローゼ
【寒冷適応】で寒さをしのぎ【浮遊】で雪上で歩き安くします
【完全視界】で視界を確保、【熱波の支配者】の熱で気流を変化させ
【セルフクラフト】の壁【アイスクラフト】の壁を置き毒霧の直撃を防ぎます
パラドクスが生み出した血も凍る程の冷気の中でさえ血液を使いこなすとは
まさに逆説的と言った所
冷気でどうにもならないなら炎は如何でしょう?
【Explorer Series】です
フェリシタス博士の開発したマイナス35℃の寒冷地で生き延びる薔薇
エクスプローラー・シリーズは
極寒の北方を開拓した冒険者の名前がつけられました
人はどんな環境にでも生きる道を切り開ける
この炎の薔薇で貴女という障害を焼き消してやります
●1
吹き荒ぶ雪風が不気味な笑い声を教会まで運んでくる。
「吸血鬼だ」
震える唇で誰かが呟くと、恐怖は瞬く間に人々に伝播してゆく。
不安そうに母に抱き着く子供、絶望に泣き叫ぶ女性。神に祈る牧師。
「……ご到着のようですね」
過去の残滓である首輪を一撫でしながらイオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)はどこか複雑な表情を浮かべる。
彼にとって吸血鬼とは因縁浅からぬ相手である
これが復讐なのか、それとも血の呪縛なのか、それは定かではないけれど――。
今は、自分を必要としてくれた教会の人々のために戦おう、とイオナは頷くのだった。
●2
残留効果を掛け直しながら、猛吹雪の中を歩く。
やがて白銀の向こうに見えるは紅い色彩。冬将軍が率いる吸血鬼の眷属『ブラッディサクリファイス』の一団だ。
彼女たちはイオナを一目見ると、まるで美酒を前にしたかのような表情を浮かべる。
「フフッ」
「アハハ!」
短刀で自らの手首を斬りつけるブラッディサクリファイス。すると噴き出した血液が蛇のようにうねり、剣の形を成してゆく。
「パラドクスが生み出した血も凍る程の冷気の中でさえ血液を使いこなすとは、まさに逆説的と言った所ですね」
次の瞬間、敵の血剣が霧散するように弾けた。その血が霧となりイオナめがけて向かってくる!
「失礼いたします」
スカートの裾を持ち上げながら、イオナがタップを踏むように舞い踊る。
すると氷の壁がドンッとせり上り、敵の毒霧の直撃を防いでゆく。
「……!」
相対するブラッディサクリファイスの表情が変わる。毒霧では効果がないと判断し、剣を再構築しようと血を集め直してゆくが――。
それこそが致命的な隙だ。
「冷気でどうにもならないなら炎は如何でしょう?」
血を代償に戦うのはイオナも同じ。彼が雪の上を可憐に舞い踊ると、紅蓮に燃える薔薇の花が生み出されてゆく。
「フェリシタス博士の開発したマイナス35℃の寒冷地で生き延びる薔薇、
エクスプローラー・シリーズは極寒の北方を開拓した冒険者の名前がつけられました」
ゆえにそのパラドクスの名は『Explorer Series(フェリシタス・スヴェジダ)』。
激しい炎が咲き乱れ、灼熱の花弁の嵐で周囲を焼き尽くしてゆく。
「人はどんな環境にでも生きる道を切り開ける。
この炎の薔薇で貴女という障害を焼き消してやります」
不屈と激情をその瞳に宿しながら、イオナは猛吹雪の中に咲く紅蓮の華となるのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【寒冷適応】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
エスト・リンフィールド
この子が……親玉?
(胸部を見て)私の側の子みたいだね
【使い魔使役】中のウサギさんには、敵の攻撃が及ばない位遠くから、雪に隠れて敵の動きを教えて貰うようにお願い
でも、危なくなったら逃げてね
【寒冷適応】と【完全視界】で寒さに耐え視界確保
【浮遊】で雪に足を取られないようにして、伝承知識を活かした伝承目録で敵を攻撃
悪い吸血鬼貴族は、伝説の英雄に倒されて、みんなにハッピーエンドが来る
お前は罪を数えながら、冷たい土の下で朽ちるといい
敵の反撃は……歪んだ愛?
何が来るんだろう?
何か……鉄とか黒光りする木でできた、謎のキノコっぽいのとかはやだなぁ
さっき倒した敵を盾にしたり、雪のなかに転んで埋まってでも回避しよう
●1
『ブラッディサクリファイス』を倒し、急ぎ他の仲間の元へ走るエスト・リンフィールド(挙動不審エルフ吟遊詩人系・g05947)。
合流した先にいた敵は、血痕の散る雪の上に佇む白雪のような肌を持つ少女。
「この子が……親玉?」
一見すると気位の高そうな貴族の息女に見えるが……。だが、この猛吹雪の中を平然としている以上、ただの人間では有り得ない。
敵を油断なく見定めながらエストは杖を構え――。
ストンとしたその平坦な胸部を見る。
「私の側の子みたいだね」
思わずそんな感想が漏れる。
「いま、どこを見て言いましたの?」
ムッと表情で睨まれた。
「あ、ええと……あはは~……な、仲間だな~って」
どの部分がとは言わんけど。とりあえず笑って誤魔化しておく。
(「ウサギさん、遠くで雪に隠れて敵の動きを教えてね」)
背中側からウサギさんを逃がしておくエスト。
(「でも、危なくなったら逃げてね」)
ウサギさんはエストを心配するように頬擦りしてから「すんっ」と頷いて、指定のポジションへと走ってゆくのだった。
●2
「ふぅん……」
じぃっと熱のこもった視線で血の貴婦人から視られて、思わず悪寒が走る。
(「……そういえば、さっき倒した眷属さんたちも全員女の子だったよね……?」)
そこから導き出される仮説は、つまりアレだ。百合的な世界観のアレだ。
貞操の危機を感じながらも、エストは気丈に振る舞って、
「悪い吸血鬼貴族は、伝説の英雄に倒されて、みんなにハッピーエンドが来る。
お前は罪を数えながら、冷たい土の下で朽ちるといい!」
エストが歌い上げるのは『伝承目録(フォークロアインデックス)』。一族の伝承が紐解かれ、英雄の伝説がここに甦る。
号令と共に悪鬼退治の聖人が断罪の剣を振り上げ、血の貴婦人を切り裂く!
「チッ!」
舌打ちをしながら僅かに下がった血の貴婦人。
(「たしか敵の反撃は……歪んだ愛? 何が来るんだろう?」)
何か……鉄とか黒光りする木でできた、謎のキノコっぽいのとかだったら嫌すぎる。
「貴女はどんな悲鳴をあげるのかしら?」
血の貴婦人が生成されてゆくのは針やペンチなどの様々な拷問器具。どっちにしても嫌すぎる……。
「うわわっ、ちょ」
雪の上を転がりながら血の貴婦人の攻撃を回避してゆくエスト。
「む、妙にすばしっこいわね……この娘」
ウサギさんからの連絡で、死角からの攻撃も対応可能。
こうなればいっそのこと、と自らを囮にして雪の上を逃げ回るエストだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【書物解読】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
黄泉王・唯妃
アドリブ&連携歓迎
おっと残りは大詰めだけとはいいタイミングで来ましたね。
ごきげんよう、そしてさようなら。
強度重視の蜘蛛糸で【早業】【捕縛】、拘束した部分を更に締め上げ【暗殺】というまあ代わり映えしない地味な技で片付けるとしましょう。
相手の反撃もほぼすべてにおいてこちらの方が技能は上。
その鎖で私を縛るよりはやく蜘蛛糸でその動きを止めてみせましょう。
「残念ですね。貴女の鎖が私と似たような技術でなければここまで一方的にはならなかったでしょうに。ですがそれも含めての殺し合いです。後悔は地獄に持っていってからしなさいな」
●
ぱたた、と雪の上に散るのは鮮血の赤。アヴァタール級『血の貴婦人』はそれを驚きの表情で見つめ、切り裂かれた自らの胸元を撫でる。
「よくもこの私に、傷を……!」
血の貴婦人がギリッと奥歯を噛みながら腕を振るうと、その袖口から無数の縄が蛇のように飛び出してくる。
その縄の一本一本が意志を持つように動き、手傷を負わせた復讐者を拘束せんと迫る。
「引き千切ってあげるわ!」
捕らえた、とサディスティックな微笑みを浮かべる血の貴婦人だったが――。
その時である。
「おっと、残りは大詰めだけとはいいタイミングで来ましたね」
響き渡った言葉と共に、縄が突如として停止する。
「なっ!?」
驚愕を飲みながら声の主を探す血の貴婦人。
「ああ、こっちですよ。こっち」
声がしたのは頭上からである。その姿を探し、猛吹雪の中で目を細めれば――。
そこには、蜘蛛の糸にぶら下がるような逆さまの姿勢で、此方を覗き込んでいる黒髪の少女の姿があった。黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)である。
「ごきげんよう、そしてさようなら」
唯妃が優雅に腕を振ると、シュルルルとひときわ不気味な音が風に混ざる。
強度重視の蜘蛛糸を張り巡らせる唯妃のパラドクス『絲妃』(アラクネ)だ。
「ちっ!」
これに対抗せんと血の貴婦人も再び縄を繰るために腕を振るうのだが――。
既に遅い。その腕には幾重にも唯妃の蜘蛛糸が絡みついているのだ。
「残念ですね。貴女の鎖が私と似たような技術でなければ、ここまで一方的にはならなかったでしょうに」
唯妃が指先をちょいちょいと弄ると、血の貴婦人の身体が繰り人形のように連動して動き、その関節が締めあげられてゆく。
「あぐッ!」
自らの意思とは無関係に、奇妙なブギを舞い踊らされる血の貴婦人。
唯妃がその指先で敵の命と運命を弄んでゆく。
「ですがそれも含めての殺し合いです。後悔は地獄に持っていってからしなさいな」
猛吹雪によって白く染まった世界で、爛々と輝く赤い瞳。
それは獲物を絡めとった捕食者の残酷な微笑みだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
民草は、一日をのうのうと生きているお前達と違う、一日で全てなくなる事だってあるんだ。
だから、斬り殺す。
『この幻想に宿るはドヴェルグの遺産、我が手にありし剣に宿れ、因果に囚われし魔剣よ目覚めよ』
「幻解・一抜一殺ノ魔剣」
【武器改造】でフランベルジュや二連刀の様な傷が治りにくい形状にし、逸話通りの能力に近づけ、【吸血】で切り結んだり、相手のパラドクスに使われる血であったりを吸収して自身の身体能力や武器の能力向上に使うよ。
負ける訳には行かない、速度で勝負、パワーで押し負けない様に常に剣の重みを掛ける。
「その首と血・・!貰った!!!」
剣は首や心臓などの史実の吸血鬼の弱点を狙って行く。
●
降り積もった白雪が鮮血を紅く、鮮やかに際立たせてゆく。血と体温の名残が湯気を漂わせて、極寒の世界の中に消えてゆく。
「ふーん、思っていたよりもやるようね、貴女」
眷属たちを倒されて、『血の貴婦人』はやれやれといった表情を浮かべる。
「でも、これから始まる血の宴には相応しい生贄だわ。
貴女たちディアボロスの首を束ねてあの教会を訪ねれば、どんな恐怖の表情が拝めるかしら」
酩酊したような恍惚の表情で微笑む血の貴婦人。
相対するナイン・スカーレット(CathPalug・g07595)はそんな敵を睨みながら魔剣を構え直す。
「民草は、一日をのうのうと生きているお前達と違う、一日で全てなくなる事だってあるんだ」
教会で神に祈りながら身を寄せ合い、飢えと寒さを凌いでいた集落の人々。たとえ絶望的な状況でも、彼らは必至に生きようとして来たのだ。
だが、そんなナインの言葉に血の貴婦人は肩を竦める。
「家畜にわざわざ感情移入するだなんて。貴女、ずいぶんと変わっているわね。
貴族である私たちの晩餐になれるのですから、きっと彼らも本望なんじゃあないかしら?」
問答は交わることの無い平行線だ。
人の血を啜る『吸血鬼』としての正しさを彼女が主張するならば、ナインは領民を護る『王』としての正しさを貫くしかない。
だから、斬り殺す。
魔剣がナインの血を喰らい、形状を変えてゆく。
『この幻想に宿るはドヴェルグの遺産、我が手にありし剣に宿れ、因果に囚われし魔剣よ目覚めよ』
精製されたのは炎のように波打つ刀身、フランベルジュ。
「美しい血の刃……。ふふっ、そうねぇ、たまには同族の血で喉を潤すというのも、悪くはないかしらね」
そう言いながら血の貴婦人が雪の上を舞い踊ると、その袖口から幾本もの荒縄が飛び出してくる!
「――」
ナインを捕縛せんと迫り来る縄。だが魔剣の少女は雪飛沫をあげる踏み込みで、臆すことなく前へと進む。
「負ける訳には行かない」
パワーで押し負けない様、剣に重みを掛けるには――。
魔剣が主の意志に呼応し、先ほど倒した吸血鬼の眷属共の血を吸い上げてゆく。紅く脈動する刃、緋色の深みを増してゆく魔剣。
幻解・一抜一殺ノ魔剣(ファンタズムアンサー・ダーインスレイブ)。
魔剣が吸い上げた血を喰らい、膂力・速度・推進力になる魔力を飛躍的に上昇させてゆくナイン。吹き荒ぶ風より速く、雪を駆け抜ける。
「その首と血……! 貰った!!!」
一瞬にして懐まで距離を詰められた血の貴婦人が驚愕の表情を浮かべ、慌てて縄を引き戻そうとするが、遅い。
炎のような剣閃が奔り、ざくりと吸血鬼の首筋を半ばまで断つ。
「うぐっ」
首元からを溢れだす血を手で抑えながら、血の貴婦人は身体を揺らつかせるのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【罪縛りの鎖】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV3になった!
睦月・こよみ
この人は…拘束するのが好きなのかしら?
でも、それでは殿方からは嫌われますよ
そして返り討ちにあって殺されてしまうんです…私みたいに
【連携・アドリブ歓迎】
「完全視界」と「寒冷適応」で戦況に適応しておきましょう
相手の間合いに入って戦うのは不利と見ましたので「重機神召喚合体」で武装して上空からの誘導弾主体で戦います
「空中戦」での機動と機械鎧の腕のプロペラブレードによるロープの「両断」で守りを固めて捕まらないようにしないといけませんね
フィニッシュは「光使い」「誘導弾」「連続魔法」「全力魔法」による必殺技『パニッシュレイン』です!
…でも、この義姉さんの技、凄く目立ちすぎて恥ずかしいんですけど…台詞とか
●1
血の貴婦人が繰る荒縄が蛇のようにうねり、復讐者たちを捕えんと迫り来る。
「この人は……拘束するのが好きなのかしら?」
足首に巻きつこうとしてきた縄を、小さく跳んで躱した睦月・こよみ(暦の魔法使い・g01697)。
「でも、それでは殿方からは嫌われますよ」
次は首狙い。こよみは金髪の軌跡を残しながら身を捻り、舞い踊るようにしてこれも回避。
対する血の貴婦人は、一手、二手と獲物を追い詰めてゆく捕食者の微笑みを浮かべ。
「別に、男から嫌われようと構わないわ。
私、知識と教養がありそうな美しい女性が苦痛に泣き叫ぶ姿を鑑賞するのが好みですの」
にっこりとサディスト発言をする血の貴婦人。そういえば、さっき倒した眷属たちも全員女性だった気がする。
「大丈夫よ、心配しないで。貴女は『合格』よ」
こんなに嬉しくない合格通知はそうそうない。こよみは肩を竦めて返す。
「残念ですけど、あなたの趣味に付き合う気はありません」
それに、自分が狩る立場のものと慢心している様子だが、そうやって相手を侮っていると――。
「返り討ちにあって殺されてしまうんです……私みたいに」
まるでそうやって殺された経験あるように複雑な表情を浮かべて、こよみは詠唱を開始してゆく。
●2
相手の間合いに入って戦うのは不利と見て、遠距離戦を考えてゆくこよみ。
そう、こんなときにうってつけの召喚魔法があるのだけど……うん、あるにはあるんですけどね……。
とはいえ、回避だけでは勝つことが出来ないというのもまた現実である。
ええいままよ!
『ダイヤルセット、『ジャンヌ』『トリル』……暦魔法・シンクロユニオン! code:ナガツキ!』
とう! と雪の上を跳躍したこよみ! その身体がピカッと光りを放つ!
いまだ叫べ! 名乗り口上だッ!
「影に潜みし悪を討つ! 正義と秩序の観測者! 重機神ナガツキ・Sv(サーベイヤー)ここに推参!」
どことなく照れを残しながらも、とにかく叫びきるこよみ! だって毎回これをやらなきゃ何故か召喚出来ないんだからしょうがないでしょ!?
長尺なようで実は一瞬な変身バンク! 光の機械鎧を召喚して身に纏ったこよみ!
これこそが重機神召喚合体(シンクロユニオン)! 重機神ナガツキだァ!!
「んな!?」
いきなり登場したロボに目を丸める血の貴婦人。
いや、そりゃ驚くでしょ。急展開にもほどがあるもん。
「こ、こけおどしを!!」
縄をヒュンヒュンと振い重機神ナガツキを捕えんとする血の貴婦人だが、機械鎧から展開した腕のプロペラブレードが縄を両断。つよい。
「……でも、この義姉さんの技、凄く目立ちすぎて恥ずかしいんですけど……台詞とか」
音声認識なのか何なのか、小声だと反応しないのが始末に悪い。
だから叫べ! 正義のために!!
「くらえ!! パニッシュレインッ!!」
気合と共に光の誘導弾が放たれる! 闇の中を照らす明星のように燦然とした、正義の光だ!
「グアアアァァァッ!!」
これをまともに食らい、どかーんと爆発する血の貴婦人だった。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
ハナ・フリードル
後はてめーをぶっ倒せばおしまいっスね。
これ以上、みんなを苦しませる真似は許さねーっス。勝負っスよ!
【寒冷適応】【完全視界】使用。
可変型万能魔楽器サウザンドキルをエレキギターモードに変形。さぁ、始めようか。
【鐵の旋律】使用。掻き鳴らしたギターの音に、灼熱の魔力を込めて放射展開。
「演奏」「アート」「火炎使い」。舞い踊る様な炎の嵐で敵を包み込むっス。
まだまだ行くっスよ!「連撃」っス!炎の音波で積雪を吹き飛ばした大地を駆け抜けて接敵、脳天にギターを斧の様に叩きつけ直熱熱波をぶちこんで「粉砕」っス。
反撃の拘束は「オーラ操作」「火炎使い」で炎の演奏で焼き払うっス。私を縛る事は誰にも許さねーっス!
●1
担当地区の眷属どもを倒し終えて仲間達の元へ走れば、ついに敵の指揮官である『血の貴婦人』とご対面だ。
「後はてめーをぶっ倒せばおしまいっスね。
これ以上、みんなを苦しませる真似は許さねーっス」
先程の戦いで身体は温まっている。高まったテンションと共に、肌から僅かに立ち昇る湯気。それも極寒の環境下ではすぐに凍り付いてキラキラとした光の粒子となって消えてゆく。
まるでこれからライブの最終曲を演るように、すうっと大きく息を吸って不敵な笑みと共に敵を睨むハナ・フリードル(人間のサウンドソルジャー・g06921)。
「勝負っスよ!」
●2
可変型万能魔楽器サウザンドキルをエレキギターモードに変形させてゆくハナ。
「さぁ、始めようか」
軽く身体でリズムを刻んでから、掻き鳴らしてゆくのはギターの音色。
ハナの情熱が、灼熱の魔力となって放射展開されてゆく。
「……ふぅん」
猛吹雪の中で咲いた、一輪の炎の花。
そんなハナを足のつま先から頭のてっぺんまで、値踏するように観察してゆく血の貴婦人。
「よく見ると、悪くないわね……」
ぺろりと妖艶に口元を舐める血の貴婦人。えーと、なんかメッチャ首筋あたりに悪寒がするんスけど……。
そういえば、さっき倒した眷属『ブラッディサクリファイス』の皆さんも全員が女の人だったような。
「お人形のように飾り立てて檻の中で飼ってやれば、いい声で鳴きそうだわ」
バッと血の貴婦人が腕を振るうと、その袖口からハナを捕縛せんと荒縄が飛び出してくる!
「おっと、危ね~ッス!」
これを舞い踊るようにしながら回避するハナ。
「あいにく、籠の中の鳥だなんてまっぴら御免っスよ!」
誰よりも自由であること、それこそがロックンロール魂。
だからこそ響け! 聴け! 私の『鐵の旋律(フレイムオンコマンド)』!
「むっ!?」
雪が一瞬にして蒸発し、血の貴婦人の視界を遮る。
「まだまだ行くっスよ! 連撃っス!」
立ち昇る湯気の中から大跳躍で跳び出したハナ。
そのまま落下速度を上乗せして、敵の脳天にギターを斧の様に叩きつけ、直熱熱波をブチ込む。
「うぐッ、ぐぬぬぬ!!」
血を流しながらも血の貴婦人は反撃の縄を繰るが――。
「私を縛る事は誰にも許さねーっス!」
炎の演奏がこれを焼き払ってゆく。
揺らめく陽炎の中でハナは微笑み、ギリッと奥歯を噛む血の貴婦人にあっかんべーをひとつお見舞いするのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
ロザーリヤ・ユスポヴァ
貴婦人──否、「貴族もどき」よ。いよいよ幕引きの時だ
スネグラーチカは雪で作られた娘
彼女を題材とした劇においては、太陽の熱に溶かされて最期を迎える
お前にも同じ結末を演じさせてやろうではないか
龍と悪魔が入り混じった、強壮な魔人のネメシス形態に肉体改造
龍頭を象った柄を備える二本の剣をそれぞれの手に持ち、敵と対峙する
呪われた鎖は、絡まられる前に剣での薙ぎ払いによって弾き飛ばし
それでも絡みつかれてしまった場合は【怪力無双】で引き千切って進む
敵を剣の間合いに捉えたなら≪魔性契約『灼裂の贖罪』≫を発動
燃え盛る二刀でX字に引き裂き、焼き尽しながら解体してくれよう
呪うなら、お前にこの配役を与えた主人を呪うのだな
●
純白の雪こそが鮮血の赤を際立たせる。咽返るような血の香りと、生命の残滓を感じさせる湯気が周囲に立ち昇り、やがて極寒の猛吹雪にかき消されてゆく。
敵の眷属たるブラッディサクリファイスを掃討し、ロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)は進み出る。
「貴婦人──否、『貴族もどき』よ。いよいよ幕引きの時だ」
まるで舞台の上で朗々と歌い上げるようにロザーリヤ。
「スネグラーチカは雪で作られた娘。
彼女を題材とした劇においては、太陽の熱に溶かされて最期を迎える。
お前にも同じ結末を演じさせてやろうではないか」
ロザーリヤの口元が三日月のように持ち上げられてゆく。その酷薄な微笑みに血の貴婦人は一瞬だけ気圧されながらも問いかける。
「……一体どういう意味かしら?」
その答えはすぐに目の前に現れることになる。
「――!?」
ロザーリヤの皮膚を突き破るようにして黒い鱗が生えてくる。
象牙のようだった白い指先は短刀を並べた爪へと変化し、鱗は甲冑と成る。
龍と悪魔が入り混じった、強壮な魔人のネメシス形態に肉体が改造されてゆく。
龍頭を象った柄を備える二本の剣をそれぞれの手に持ち、敵と対峙するロザーリヤ。
「……なっ!?」
極寒の猛吹雪でも寒さを感じることはなかった血の貴婦人の背筋に、確かに悪寒が奔る。
「化け物めっ!」
呪いの鎖を繰り、魔人の進攻を抑えんとする血の貴婦人。
「くくっ、お前のような人外に言われるとは、少しばかり心外だな」
火花が舞い散り、剣の薙ぎ払いで打ち落とされる鎖。
それでも鎖は蛇のように雪の上を這い、ロザーリヤに絡みつくのだが――。
まるで意に介することなく、鎖を引き千切りながら魔人は進む。
「呪うなら、お前にこの配役を与えた主人を呪うのだな」
敵を剣の間合いに捕らえると、ロザーリヤは死刑執行人のようにゆっくりとその刃を持ち上げてゆく。
魔性契約『灼裂の贖罪』。燃え盛る二刀がX字に引き裂き、その傷口を焼き尽しながら悪しき魔女に罪の深さを刻み込むのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
ベアタ・アンシュッツ
かわいいお嬢ちゃんみたいに見えるけど、クロノヴェーダだし……きっと見かけだけだね☆
まさか、こいつも
「あなた、美味しそうね……一滴残らず飲み干してあげる」
とか、キメェこと言うんじゃないだろうね?
私は補食対象じゃない
【完全視界】、【寒冷適応】で視界と対冷確保
空中戦、撹乱、地形の利用を活かし、【飛翔】し周辺の木々や岩陰、吹雪に紛れるように飛び回って、隙をみてレンチン☆バニシングで敵を攻撃
敵の攻撃の回避が困難な場合は、【アイスクラフト】で氷塊作って、即席の防壁代わりに
いきなり血を吸われて、不味そうな顔で
「貴様……生娘ではないな!?」
とか言われても……歴史を奪われたから知らぬ
火は通ってないから生だよ?
メルセデス・ヒジカタ
鎖で拘束とか……特定部位が強調されて、これ何てエ○ゲ?状態ですわね!
でも、どうせなら……ドレスの貴婦人を拘束した方が、背徳感マシマシでいいと思いません?
そうそう、この辺って土地が痩せてそうですよね
こいつ肥料にしたら、土地が肥えてくれそうです
【完全視界】、【寒冷適応】を使い、ダッシュで敵と距離を詰める……と見せかけフェイント
敵が鎖で拘束してきたら、グラップルを活かし鎖を掴み、【怪力無双】で鎖を一気に引き寄せ、ついでに敵も引き寄せて
その隙に更に踏み込み、秘剣・菊散で敵を斬り刻みましょう
白いキャンバスに散る紅……白いシーツに散る純潔の証みたいで、趣がありますね
もちろん、全部……あなたの血ですけど!
●1
ブラッディサクリファイスたちを軽く蹴散らして仲間の元へと合流するベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)。
「むっ、あいつか」
ふわりと戦場に降り立てば、猛吹雪の中で不気味に微笑む少女とご対面である。
「かわいいお嬢ちゃんみたいに見えるけど、クロノヴェーダだし……きっと見かけだけだね☆」
「なによ、いきなり失礼ですわね……貴女」
むすっと頬を膨らませる『血の貴婦人』。
見た目は美しい貴族の少女だが、この極寒の環境下で平然としている以上、ただの人間では有り得ない。
てか吸血鬼だし、こんな姿をしておいてとんでもないBBAという可能性もなきにしもあらず。
油断なく杖を構えていると、同じくザコ敵をやっつけ終えて走ってくる仲間の姿。
「はあ……はあ……間に合いました~」
肩で息をしながらメガネの位置を正すメルセデス・ヒジカタ(冥腐魔道・g06800)。
「ほう……あの娘が血の貴婦人ちゃんですか」
キラーンと怪しく光るメルのガネメ。すでに彼女の脳内ではありとあらゆるシチュが展開されているご様子。
自分がメルセデスの脳内でどんな目に合っているかも知らずに、血の貴婦人は赤い瞳を爛々と輝かせて、桜色の唇を舌先でペロリと舐める。
「私、初物が大好きですの。
あの穢れのない、透き通るような無垢なる血の味……あれを知ってしまえば、どんな高級な葡萄酒も泥水に等しいわ」
おもむろにキメェことを語り出されてドン引きなベアタ。まさか、こいつもアレを言うのではなかろうか。
「貴女たち、美味しそうね……一滴残らず飲み干してあげる」
おおよそ予想通りの台詞まわしにベアタは苦笑しながら、杖を吸血鬼に突き付ける。
「私たちが補食対象だと思ったら大間違いだよ!」
ベアタの言葉にメルセデスも頷きを返し、
「ええ! 総受けのフルボッコ状態にしてやります!」
と、打刀を抜き放つのだった。
●2
戦闘開始と同時、攪乱と近接でそれぞれ役割を分担してゆく二人。
「そうそう、この辺って土地が痩せてそうですよね。こいつ肥料にしたら、土地が肥えてくれそうです!」
メルセデスが踏み込めば積雪が間欠泉の如く爆ぜる。狙いは敵との距離を瞬時に詰めての居合い一閃。
と、見せかけて……刀が鞘を走る瞬間にフェイントとして僅かな『隙』を意図的に入れるメルセデス。剣術においては『誘い』とも呼ばれる動作である。
悟られぬように敵の攻撃を誘い、これを受ける。それこそがメルの真の狙い。
(「ハッ、もしやこれも『誘い受け』と呼べるのでは!?」)
ちなみに彼女の業界における『誘い受け』とは……各自、自己責任でネットで調べていただきたい。
「あぐっ!」
「ふふ、捕まえた」
鎖が巻きつき、苦悶の表情を浮かべるメル。
「くッ……! 鎖で拘束とか……特定部位が強調されて、これ何てエ○ゲ? 状態ですわね!」
鎖がモギュっとメルの胸にくい込んで柔らかさを演出。
「なんか余裕あるわね、貴女……」
しまった! 不審がられた! せっかくの誘い受けが!
と、あわや作戦失敗かと思われた瞬間、ベアタが吹雪に紛れて敵の背後から飛来する。
「くらえ! ゼロ距離からの最大出力!」
「――!?」
魔法の言葉は『レンチン☆レンチン☆ルラルラルー☆』。
掌を敵の背中に押し当てて、マイクロウェーブに変換した魔力を一気に流し込んでゆくベアタ。
敵の体内の水分子が激しく振動し、体液が瞬時に沸騰してゆく。
「ぐぬっ!?」
吐血すらも沸騰させながらも、なんとかこの一撃を耐えた血の貴婦人。反撃としてハサミを作り出し、ベアタの柔肌を切り裂く。
攻防は一瞬、ベアタは仕切り直すように間合いを離してゆく。
味見とばかりにハサミについたベアタの血を舐め上げる貴婦人。
「あら? この味は……貴女、生娘ではないようね」
期待を裏切られたとばかりに勝手にガッカリされる。
そもそもそんなこと言われても……歴史を奪われたから知らぬ。
「とりあえず火は通ってないから生だよ?」
「いえ、生娘っていうのはそういう意味の生ではないのですけど……まあいいわ、もう一人のほうに期待するとしましょうか」
ハサミをスッとメルセデスに向けようとする血の貴婦人。だが、その瞬間――。
「せーの……っと!」
「なっ!?」
ぐんっと鎖が引っ張られて、体勢を崩す血の貴婦人。メルセデスが怪力無双のゴリラパワーで鎖を引き寄せたのだ。
敵が揺らいだのは一瞬。だが――。
「瞬きほどの時間があれば十分です!」
秘剣・菊散(ヒケン・キクチラシ)。
大輪の朱い菊の花弁の如く、無数の斬撃を敵に叩き込み、風に散る花弁のように敵の命を散らすメルの秘剣だ。
「――あぐッ!?」
完全に虚を捉えられて、無数の刃を刻み込まれる血の貴婦人。
はたた、と舞い散る血が純白の雪の上に散ってゆく。
「白いキャンバスに散る紅……白いシーツに散る純潔の証みたいで、趣がありますね。
もちろん、全部……あなたの血ですけど!」
連携は上手くいったものの、そのシーツの例えが無ければもっとカッコよく決まったのでは……ベアタは一瞬だけそんなことを思うのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【おいしくなあれ】LV1が発生!
【土壌改良】がLV2になった!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV5になった!
イオナ・ガルバローゼ
引き続き【寒冷適応】を使用
もう終わりにしましょうか
無駄口を叩いて居る間にこの地に住む人たちの貴重な熱が奪われて行きます
貴女は縛るのがお好きのようですが残念ながら僕は縛られ馴れています
そして、その状態から反撃する事も――可能です
Rose of Sharonを使用
強靱な根は地底を採掘し掘り当てた鉱石に因む硬質な根の槍で相手を貫きます
敵を倒したら【熱波の支配者】で少しでも寒さを和らげ
【土壌改良】で土を柔らかくしてゆきましょう
あんなものでも精々この土地を癒す肥やしになってくれるといいですが
●1
「はあ……! はあ……! あ、ああ、よくも、この私に傷をっ!!」
今まで感じたことの無い痛み。掌にベットリと付着した自分自身の血を見て『血の貴婦人』は怒りと狂気を綯い交ぜにする。
この極寒の猛吹雪の中での戦いも終幕に近づいている。そう感じ取ったイオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)は静かに敵の前へと踏み出してゆく。
「もう終わりにしましょうか。
無駄口を叩いて居る間にこの地に住む人たちの貴重な熱が奪われて行きます」
イオナの言葉に血の貴婦人は一瞬だけ引き攣った表情を浮かべるが、すぐに「ふふ、あははは」と嗤い出す。
「終わりですって? 尊き血の血脈である、この私が?」
吹雪の中でなお、爛々と紅く輝く狂気の瞳。
「小娘がッ! 調子に乗るなよッッ!!」
もはや淑女然とした雰囲気をかなぐり捨てて、剥き出しの感情が露わになる。
復讐者どもの四肢を引き裂かんと、鎖を振るう血の貴婦人。
「捕らえたッ!」
イオナに鎖を巻きつけて、血の貴婦人はサディスティックな微笑みを浮かべる。
さて、四肢を引き裂く前にどんな命乞いの声が聴けるか、と胸を躍らせるものの、イオナから返ってきたのは予想とは真逆の反応だった。
「貴女は縛るのがお好きのようですが、残念ながら僕は縛られ馴れています」
これからどんな拷問が行われるのかという状況においても、平然と言い放つイオナ。
枷も呪縛も、物心ついた頃から慣れ親しんだものである、と。
「そして、その状態から反撃する事も――可能です」
発動するパラドクスは『Rose of Sharon(エグリゴリ)』。
イオナが唇を噛むと、鮮血が一筋流れ落ちて、純白の雪に朱い染みをつける。
その血を代償として支払うことで、大地を掘削するほどに強靱な根を持つ薔薇が召喚されてゆく。
強靱な根は地底を採掘し、掘り当てた鉱石に因む硬質な根の槍を形成し――。
血の貴婦人を雪の下から一気に串刺しにする。
「あ……?」
血を吐き出しながら、自分の身に起こったことが理解できぬと言った表情を浮かべるの魔女。
ボタボタと流れ落ちた赤黒い血が雪に滲み込んでゆく。
そして、それを養分として雪の下から血のような赤い薔薇が一輪咲くのだった。
●2
鎖の呪縛から解かれたイオナは、骸の傍らに咲いた赤薔薇を摘み取る。
熱波の支配者で少しでも周囲の寒さを和らげ、ついでに雪の下の土も土壌改良で柔らかくしておく。
この長い冬が終わり、春が来たら……きっとこの地にも豊かな恵みが巡ってくるに違いない。
「あんなものでも精々この土地を癒す肥やしになってくれるといいですが」
吹雪の中で小さく呟かれたその言葉は、徒花と共に風に流されて消えてゆくのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!