リプレイ
フルルズン・イスルーン
うー、凍る凍る。
吐く息が凍ってしまうのだ。ドライアイスが出来る気温だからね。
まずは雪中行軍なのだ。
吹雪を支配下に収めよ、ブロッケン・ゴーレム!
【寒冷適応】設置! 後、マスクに防寒具も。
快適に過ごせるといえども、吹雪で圧されるからね。
埋もれて濡れたら-80℃以下になった! とかも困るのだ。
さて、目的地の方位は分かるかな?
コンパスを用意しておこうか。視界が遮られると歩いてる感覚も薄れるからね。
ではゴーレムくん、吹雪の緩和は頼んだぞよ! 我が氷雪使いのスコップ捌きを見るがよい!
後は、24時間の耐久かぁ。どれにしようかなぁ。
辿り着いたらどうとでもなるからね。ボクの専門分野さ。
括毘・漸
身を刺すどころか、引き裂かれるような寒さです。
まともに息もできなさそうです……下手したら肺まで凍りそうです。
この吹雪です、視界も不良も不良。
【完全視界】で方向を確保しましょうかね。足跡も吹雪で消されそうですし、迷わないようにしなければ。
マスクと防寒着を着込みますが、雪がついては動きが阻害されますし、オーラの『衝動の熾火』を身にまとい雪が付かないようにしますか。あくまでつかないようにです。溶かしてもすぐに凍って、かえって邪魔になりますし。
…積もり続ける雪。
新宿島からスキー板を持ち込んでみますか。
滑れなくても、重さが分散されて雪に沈んで足が取られることはなさそうですし。
ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
吹雪きで視界の悪さと寒さから身を守る為に、仲間が発動してくれてる「完全視界」で「寒冷適応」を拝借。
民草は、緊急を要するみたいだから、固形燃料や、保存食、を新宿島から持てる分だけ持って、自分達が撤退後も何とか生きていける様に地盤作りをするよ。
行軍の際はゴーグル等で寒冷地仕様の装備を一応しておこう。
戦闘が発生してもすぐに対処出来る様に、警戒はしながら行軍するよ。
低体温症とかで人はあっさり亡くなってしまう事もあるから急がないと。
視界は確保出来てるけど、音は吹雪で聞こえない可能性があるから視界や仲間とハンドサインとかで移動したりするのは有りかと思う。
田淵・あゆみ
寒いの苦手、なんて言ってられないよな
凍りつく前にたどり着かなくちゃ
しっかりした防寒具のコートと手袋、首にマフラー巻いてくよ
足元はスノーブーツ
【アイテムポケット】でショートスキーを人数分持ち込むよ
ソリも入れて、動きにくそうな人いれば乗せて引いてく
使い捨てカイロや手袋、靴下の替えも。寒さ感じなくても濡れたら良くないので、こまめに替えられるように
氷点下80度――。
それは想像を絶する寒さだった。
括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は、パラドクストレインを降車するや、ほとんど「衝撃」と呼んでよいほどの低温にさらされる。身を刺す寒さ、などと言うが、これはもはや引き裂かれると言ってもよい。
「肺まで、凍りそうです」
呼吸すら冷たさを感じるのだ。
「ドライアイスが出来る気温だからね」
とフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)。吐く息に含まれた水分が瞬時に凍りつく。ここにじっとしているとそのまま身体も凍結してしまうだろう。
「寒いのは苦手……なんて言ってられないよな」
田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)が言った。
もはや寒いという次元を超えている、というのもあるし、なにより、ディアボロスですら怯むほどのこの環境で、一般人の生命が危機にさらされているのは間違いないことが実感できたからだ。
「急がないと」
ナイン・スカーレット(CathPalug・g07595)がぽつり、と言った。
寒さは、思いのほか簡単に人の命を奪う。
できるだけ早く向かわないと、集落の人々が危険だ。ディアボロスたちは頷き合った。
「吹雪を支配下に収めよ、ブロッケン・ゴーレム!」
フルルズンのパラドクスにより、茫洋とした白い影が、吹雪のなかに立ち上がる。
その途端、暴力的でさえあった寒さがやわらぐのをディアボロスたちは感じる。残留効果【寒冷適応】が効果を発揮したのだ。
続いて、漸のパラドクスが【完全視界】をもたらす。
すべてを白く霞ませていた吹雪の帳が見通せるようになった。それでようやく、一同は、自分たちが針葉樹の木立のなかを通る路にいることがわかったのだった。
「助かる。この道を行けばいいのかな」
ナインが残留効果のありがたみをしみじみ感じながら、木立の開けたほうを指す。
「こっちでいいようだな」
と、コンパスを片手にフルルズンが方角を確かめる。
「じゃ、行こう。それと……」
ナインは、簡単なハンドサインを仲間に共有した。
視界は確保されたが、吹雪の音は消せはしない。少し離れると互いの声も聞こえづらいため、あらかじめ合図を決めておくといいだろうというアイデアだ。
「【アイテムポケット】にスキーを入れてきたんだ。ソリもある」
あゆみがショートスキーを皆に配る。
漸も自前のスキーを用意していた。この先は深い雪の積もった路。降ったばかりの雪はやわらかく、足をとられるので、スキーを使うのは理にかなっている。
「ではゴーレムくん、吹雪の緩和は頼んだぞよ! 我が氷雪使いのスコップ捌きを見るがよい!」
フルルズンが高らかに宣言した。
そして、雪中行軍が始まった。
とはいえ、当初の心配に比べれば、かなり快適な旅になったと言えるだろう。
【寒冷適応】と【完全視界】の効果が非常に大きいうえ、スキーをはじめ、残留効果以外の防寒対策など、しっかり周到に準備がされていたからだ。
【寒冷適応】により、低温の影響は受けないにせよ、吹雪そのものがなくなるわけではないので、身体に雪がまとわりつき、濡れてしまう。
そこで、全員、しっかりとした防寒具を身につけ、マスクやゴーグルなどで眼や口は護っていた。
漸は、その身から発する闘気の炎に護られ、降る雪が彼に触れることはないようだった。
あゆみが準備したソリは、物資を運ぶのにも役に立った。
ナインが新宿島から持ってきた固形燃料や保存食を、楽に運ぶことができたからだ。
移動の負担が軽減したので、周囲の風景に目を向ける余裕も生まれた。
樹氷と化した針葉樹のあいだを、猛然と吹雪が吹き抜けてゆく。動く生き物の姿はまったくなく、大地は厚く降り積もった雪に覆われている。
氷点下の極寒でさえなければ、ブリザードの森は絶景と言えただろう……。
やがて、前方に、灯りをみとめた。
集落はほとんど雪にうずもれる寸前といった風情で、かろうじて、家々の屋根の形に雪が積もっているのでそうとわかる有様だった。
固く閉じられた窓の隙間から灯りの漏れ、煙突から煙の昇っている建物には、住民が集まっているのだろう。話し声などもするようだ。命が失われるまでに到着できたことに、まずは安堵といったところか。
ディアボロスたちは、すみやかに、集落の人々の救援活動を始めるのだった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV2が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
括毘・漸
雪に埋もれる前についてよかったです。
ここに来るまでに材木等を確保したかったですが、樹氷と化しているので材木にするには適していませんし。
先に住民の安否を確認しに集会場に入りますか。入ると同時に【寒冷適応】を使います。
やあ、こんにちは。ボクらはこの異常な寒さを止めに来た者です。
止める方法?…元凶となる悪い奴がいるのでそいつをとっちめます。
そうだ、この集落に空き家か解体してもいい建物はありますか?
この集会場の補強のために、資材がいりますので、解体させてもらえれば。
解体の許可が得られれば、許可を得た建物を【建造物分解】で解体し、資材を得ます。
得た資材で断熱するために壁を厚くします。
端材は薪にしときます
ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
無事到着、急いで集会所で暖を取れる状態する為に「固形燃料」等で火起こしをして、温かいスープ類の体を温める物を用意します。
完成次第、「口福の伝道者」で一気に数を増やして配って回ります。
「食事の準備するよ!ちょっと魔法みたいな物を使うけど、驚かず動ける人から取りに来てね」
住の部分は仲間が先にしてくれているので、食の部分を徹底して補強します。
今後の備蓄に保存食の類も増やしておきたい所だけど。
まずは、暖を取ってしっかり食事を取ってね。民草達の中で比較的動けそうな人はスープの配膳を手伝って貰おう。
新宿島から持ってきた物資内に毛布等断熱効果のある物も配って回ります。
フルルズン・イスルーン
んむ、速度勝負なら村の中のものを使うのが手っ取り早いよね。
なら持ち運べる量を増やそうか。
船を運ぶ魔法の鞄に倣っていでよ! ボックス・ゴーレム!
まずは【アイテムボックス】をみんなに渡して、資材集めを手伝おう。
持ち運べる手はなるべく大物用に空けておけるようにね。
防寒具とかも回収出来れば良いけども。
で、拠点構築に氷雪使いでどうすれば断熱性の高い増築が出来るか提案!
断熱層的なものができるように覆ったり、隙間が何処にあるかを看破して塞いだり。
資材を効率的に使って目指せ三日耐久可能物件!
さあ、家探しに薪作りに増築に。
こういう小回りが効くようにプレーンにしたのだ。
ゴーレムくんよ、キミは使い倒されるのだ!
田淵・あゆみ
アドリブ連携歓迎
間に合ったみたいだね、俺たちが来たから大丈夫。
安心してもらえるように声をかける
新宿島からアイテムポケットに薪とアルミブランケットを入れてきてる
とりあえず防寒対策するまでに使う分として20束程の薪
アルミブランケットは薄いけど、毛布の上から巻くと暖かいよ、と声掛けて手渡していく
集会所の中が落ち着いてきたら外の作業を手伝うよ
【怪力無双】で物資運んだり解体のサポート
キーラ・パーヴェルファング
初めて帰って来たわね
パラドクストレインだったかしら、凄かった
ディアボロスは人助けをするものなのね、理解したわ
異常気象に対抗するため、集落にてラーシュガーニャを発動
我が主よ、その血より力を賜る
私の……いえ、我が主の血で熱を広げるわ
勿論、生物や建物には引火させないように
熱波の支配者で快適に過ごせる温度に引き上げれば、しばらく薪を使う必要もないように温められるし、雪解け水も確保できるようになる
ラーシュガーニャの燃える血から火をくべて湯を沸かしたり低体温症を癒やしたりもできるはずよ
ああ、大公……このような雑務に誉れ高き血を使う私に、どうかお許しを
……でも、まあ、良いわ。死人に口はないもの。気にしないで
だん、と音を立てて、集会場の扉が開かれる。冷たい外気が吹き込むのを予測して身をすくませた人々が見たのは、駆け込んでくる数人の男女の姿だ。
「間に合ったみたいだね、俺たちが来たから大丈夫」
「やあ、こんにちは。ボクらはこの異常な寒さを止めに来た者です」
親しげに挨拶をするのは田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)に、括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)。
見知らぬ若者たちの登場に驚きつつも、かれらが自分たちを助けてくれようとしていることを、人々は本能的に感じ取ったようだ。
「これを使って。薄いけど毛布の上から巻くと暖かいよ」
あゆみがアイテムポケット内に多数収納していたアルミブランケットを手渡していく。この時代にはまだなかったものかもしれないが、とりあえずの急場しのぎには役立つ防寒具だ。
ディアボロスが到着した時点で、【寒冷適応】の効果が及びはじめている。人々は、死ぬような寒さがやわらいでいることから、ディアボロスの言葉を信頼したようだ。かれらがこの異常気象をなんとかしてくれるのだ、ということを。
「でも、こんな凄い吹雪をどうやって?」
村人のひとりが思わず口にした疑問へ、漸は笑って答えた。
「元凶となる悪い奴がいるのでそいつをとっちめます」
「我が主よ、その血より力を賜る」
キーラ・パーヴェルファング(大公の牙・g08440)が自らを傷つけ、したたった鮮血が、雪風に吹きさらわれてゆく。
それは吹雪のなかにあってさえ燃え上がり、周囲を赤く照らしだした。彼女のパラドクス――ラーシャガーニャの力により、燃える血が周囲の気温を急速に上昇させていく。
うっかり火が建物に引火せぬよう、慎重に操りながら、キーラは雪に閉ざされた集落の風景を眺めた。
今ふたたび訪れた故郷、吸血ロマノフ王朝。夜と氷が支配する地。
流れ着いた新宿島から、彼女をここへ連れてきたパラドクストレインのことを思い返した。世界の境界を超えて走る力の強大さを。
集会場のなかをそっとのぞいてみれば、仲間のディアボロスたちが、住民たちに声をかけ、世話をしている様子が見える。
「ディアボロスは人助けをするものなのね、理解したわ」
そっとつぶやき、その輪に加わるべく、建物のなかへと足を踏み入れる。
ナイン・スカーレット(CathPalug・g07595)は持参した固形燃料で火を熾し、調理ができる支度を整えていた。人々の身体は冷え切り、体力も奪われている。すでに毛布を配布しているが、身体の内からも温められるような食事が必要だと考えたのだ。それはきっと、かれらの心も癒してくれるはずだ。
「手伝いましょうか。お湯を沸かせばいい?」
キーラが声をかけてきた。
「頼めるかな。温かいスープでもつくろうかと思って」
と、ナイン。
キーラのパラドクスで雪を溶かせば雪どけ水が手に入る。キーラは容器を手に水を、ナインは集会場の食料の備蓄をあらために行く。
一方、漸は。
「そうだ、この集落に空き家か解体してもいい建物はありますか? この集会場の補強のために、資材がいりますので、解体させてもらえれば」
そう尋ね、住人から、誰も住まなくなった空き家の情報を聞き出す。
空き家を解体して得られた資材で、集会場を補強し、より気密性の高い、保温効果に優れた建物にしようという計画だ。通常なら、日数のかかるところだが、ディアボロスなら突貫工事も容易かろう。
「んむ、速度勝負なら村の中のものを使うのが手っ取り早いよね。なら持ち運べる量を増やそうか。船を運ぶ魔法の鞄に倣っていでよ! ボックス・ゴーレム!」
フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)が召喚するゴーレムも、資材運びを手伝ってくれるようだ。
「さあ、ゴーレムくんよ、キミは使い倒されるのだ!」
命じられ、とてとてと動き出すゴーレム。漸が空き家を【建造物分解】によって解体し、用意した資材をせっせと運んでゆく。
「集会場は、老朽化のせいか、隙間が多い。まずはそこをふさごうか。それから、壁を二重にすれば断熱層ができて暖かいはずだ」
フルルズンの提案に、漸は頷く。
「俺も手伝うよ」
と、あゆみがやってきた。防寒具を村人に配り終え、かれらを落ち着かせる仕事はひと段落ついたらしい。
「じゃあ、端材を集めてもらえますか。薪にできると思うから」
「オーケイ」
あゆみは【怪力無双】の効果を活かし、散らばっていた端材をかたっぱしから集め、積み上げて、一挙に持ち運んでしまった。
「ちょうどいい空き家があって助かりました。木材は道中で集めるつもりが、ほとんど樹氷化していてできなかったから。……これでよさそうかな」
漸は、集会場の壁を補強しながら、満足げに頷く。
フルルズンに命じられるまま、あたふたと動き回るゴーレムや、あゆみにも助けられ、集会場の補修と増築は進んでいくのだった。
「食事の準備するよ! ちょっと魔法みたいな物を使うけど、驚かず動ける人から取りに来てね」
ナインが呼びかけると、部屋が暖まったおかげか、元気を取り戻した人々が列をなした。女性を中心に、配膳も手伝ってもらうことにする。
火にかけた寸胴鍋のなかではスープが湯気を立てている。ありあわせの燻製肉やくず野菜で仕立てたものだが、急ごしらえにしては上出来だ。実際、ボウルを受け取った人は、ひとくち味わって、その滋味深さに涙ぐむほどであった。
何より、いくら鍋いっぱいに作っても、本来なら集落の住人全員にはいきわたらないはずが、どういうわけか全員、食事にありつくことができたのである。
これがナインのいう「ちょっと魔法みたいな物」かと、首を傾げるものもいたが、ディアボロスならわかるとおり、むろん【口福の伝道者】の効果である。
それは、わずかなパンと魚で数千人の人々を満腹にさせたという聖人の奇跡を思い起こさせるものであり、凍死の危機に瀕していたことを思えば、まさしく福音というほかないのだった。
「保存食も増やしておきたいところだね。あとで外のみんなにも食べてもらおう」
ナインは、配布した食事に夢中になっている人々の様子を眺めつつ、周到に考える。
備蓄の食糧を、仲間のディアボロスにも食べてもらえば、【口福の伝道者】によって、備蓄についても増やしておけるだろう。それなら数日は食べ物がもつ。
などと考えていると、建物の補修・改築の作業を終えた面々が、集会場のなかに戻ってきた。
雪を払っているディアボロスたちが、村の人々に囲まれて礼を言われているのを、キーラは遠目に見遣る。
鍋のしたでは、スープを保温する火がちろちろと燃えているが、それは彼女のパラドクスによる燃える血の炎。
(「ああ、大公……このような雑務に誉れ高き血を使う私に、どうかお許しを……」)
そのように思ってしまうキーラであったが、すぐに、考えをあらためる。
(「でも、まあ、良いわ。死人に口はないもの。気にしないで」)
窓の外を、白く染めていた吹雪の帳は見えない。集落周辺の気温が上がったことで雪が雨に変わったのだ。
キーラはその向こう――集落を取り囲む森の樹々の、さらに向こうへと視線を投げる。
今はまだその気配はないが、その向こうから、敵がやってくることが、すでに予知されている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV3になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
集落から離れ、ディアボアロスたちの残留効果の及ばぬところは、いまだ猛吹雪に閉ざされた極寒の領域だ。
その白い闇の彼方から、なにものかが近づいてくる。
それは、青いドレスを身にまとった女の一団だった。
「身体中に力が満ち満ちている……なんて素晴らしい、これが冬将軍様の力」
一団を率いる、ひときわ豪奢な衣裳の女が、うっとりと呟く。
「この力で、わたくしたちは、人間どもの村という村を氷漬けにしてやりましょう。この北欧をすべて永久凍土と化し、冬将軍様とラスプーチン様に捧げてみせますわ――」
括毘・漸
やぁ、お嬢さん方。そんなドレスを着てどこへ行く気ですか?
この先はダンス会場ではありませんよ。
まっ、踊りたければボクが相手になりますよ。
この吹雪です、痴態を晒そうとも誰も気づきませんよ。
吹雪いているなかを【完全視界】を使い、一歩ずつステップを踏むように近寄ります。
ダンスを踊るように相手との息を合わせ、相手が攻めに転じる前に拳を握り込み振り抜きます。
何度も殴り付け、衝撃を放ち続け吹雪さえも吹き飛ばします。
これでよく見えますかな?
相手の血液が流れ始めたら、殴打の衝撃で血液を撹拌させ脈動を打ち消します。
おいおい、村を血で塗らさないでくださいよ。
ここを血で塗らすわけにはいきませんよ。
田淵・あゆみ
アドリブ連携歓迎
さてここからが本番、シンプルに行こうぜ
村には近づかせないよ
【完全視界】【寒冷適応】を借りるから外での戦闘に問題は無いね
踊るようなステップを踏むなら、その足元を狙うまで
【泥濘の地】使用、雪が足に絡むなんざ初めてだろ?
動きが鈍くなった奴を狙って背後から蹴りで攻撃
相手がこちらを向いた時にはもう俺はそこに居ないよ
逆方向からまた蹴りに行く
「やぁ、お嬢さん方。そんなドレスを着てどこへ行く気ですか? この先はダンス会場ではありませんよ」
括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)の呼びかけに、女たちは応えない。
ただ、踊りを止めて、真紅の瞳で彼を見返すのみ、だ。
猛吹雪のただなかを、女たちは青いドレスの裾を翻し、袖をはためかせながらやってきた。彼女たちは一様に無表情であったが、その途上に立ちふさがるものがいようとは思ってもいなかった、という空気が確かにあった。
「そう。ディアボロス。話には聞いていたけれど。本当に、わたくしたちの前にあらわれて邪魔ばかりするようね」
ひときわ煌びやかな衣裳の女――いや、ヴァンパイアノーブルが言った。彼女が一団を率いるアヴァタール級のようだ。
アヴァタール級クロノヴェーダを護るように、トループス級が前へ出る。その動きもまたダンスのようだ。
「踊りたければボクが相手になりますよ。この吹雪です、痴態を晒そうとも誰も気づきません」
漸が肩をすくめる。
「村には近づかせないよ」
田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)は短く告げた。
褐色の瞳がヴァンパイアノーブルを鋭い眼光で射る。
後方には集落があるのだ。かれらが灯した暖炉の火で暖まっている人々の姿を思い起こす。クロヴェーダを、ここより先、一歩も進ませるつもりはなかった。
――ここからが本番、シンプルに行こうぜ。
やるべきことはひとつ。クロノヴェーダを撃破する。
トループス級クロノヴェーダ「ブラッディサクリファイス」たちが、積雪のうえを滑るように移動する。ブリザードのなかの奇怪な群舞。そこへ立ち向かう漸の動きもまた、ダンスのステップに似る。
さいわい、【完全視界】や【寒冷適応】の効果があるため、周囲の超低温や吹雪や妨げにならない。
間合いを詰めるトループスに対し、漸がバックステップで距離をとる。
そんなやりとりも、動きだけを取り出して見ればまるでダンスフロアの一幕だ。
だが、ブラッディサクリファイスの眼には、残忍で獰猛な殺意が灯っている。
カッと牙を剥き、吸血鬼の本性そのままに、ブラッディサクリファイスの一体が攻めに転じんとしたとき、その動きが、がくんと乱れた。
ヴァンパイアノーブルは狼狽をあらわにする。
その足元が突如として泥濘となって足をとらえたのだ。
「雪が足に絡むなんざ初めてだろ?」
背後から囁くのはあゆみの声だ。
弾かれたように振り向くより速く、あゆみの蹴りが放たれる。
ただの蹴りではない、パラドクスの攻撃だ。貫く衝撃によろめきながらも踏みとどまり、敵意もあらわに振り返ったが、あゆみの姿はそこにはない。
「遅い」
またも背後だ――!
立て続けに喰らった蹴撃に、ヴァンパイアノーブルは泥濘のなかに倒れ込み、青いドレスを汚した。
それでも、逆説連鎖戦の法則は反撃を生み出す。
自ら切り裂いた手首より噴出した鮮血を瞬時に硬化させて刃と化し、斬りかかってきたのだ。
あゆみは素早く後方へ跳び、攻撃をかわすも、鋭い切っ先がかすめた服がぱっくりと裂けてしまった。お気に入りだったが、やむをえない。
一方、漸とヴァンパイアノーブルの、不思議なダンスも佳境にさしかかっていた。
敵の動きに息を合わせて踏む漸のステップは、ブラッディサクリファイスの苛立ちを誘っているようだ。いつまでも逃げ回るのは許さないとばかりに、雪のうえで急加速し、滑走するかのように襲い掛かってくる。
漸は、今度はかわさなかった。
わずかに軌道をずらし、すれ違うような格好で、しかし、敵の方へと踏み込んでゆく。
握った拳がまとうのは橙色のオーラ。
そのまま、渾身の力を込めて振り抜いた拳から、漸のパラドクスが放たれ、吸血鬼の青いドレスへと炸裂する。
衝撃に態勢を崩すブラッディサクリファイス。たたみかけるように、漸は何度も拳を振るった。
放たれた拳撃は互いに反響し、衝撃は周囲の空間にまで拡散してゆく。吹きすさぶ吹雪さえも打ち消してしまうほどに。
「雪が晴れた。これでよく見えますかな?」
きどって一礼。
だが、吹雪が晴れたのはほんの一瞬のこと、新たに吹き込む雪が帳となって舞い降りるなかを、切り裂くように鮮血の鞭が奔る。ブラッディサクリファイスの反撃パラドクスだ。
その攻撃がしたたかに漸を打ち据える。
しかし同時に漸の拳が血の鞭に叩きつけられてもいたのだ。反響し、拡散する衝撃に、血の鞭は形を失い液体に戻るが、衝撃のあまりほとんど霧状となって風にさらわれてゆく。
「おいおい、村を血で塗らさないでくださいよ」
そう言って、漸は自らの頬に飛んだ血しぶきを、ぐい、と拭った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
湯上・雪華
絡み、アドリブ等完全受け入れ
重傷描写大歓迎
残留効果は完全視界、寒冷適応使用
吹雪の中なら視界の確保しないとですね
動きが踊りのように、ならダンスの呼吸法でも行ける、はず、たぶん
渇望抱く伽藍、参ります
ダンスと言ったらこれですね
片割れと共に踊りましょう
相手がどのリズムで動くのか拍子を取り、そこに合わせていきます
静かな動きであれば激しく追い立てましょう
無理に追っても追いつけないでしょうから、その時は動きを予測し、待ち伏せ
不意打ちにて首を撥ねます
ダンスは情熱でもって行う物
それをこんなことに使うなんてナンセンスです!
もう一組、雪上でダンスに興じるものたちがいる。
別のヴァンパイアノーブルと、相対するディアボロスは湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)だ。
そして、雪華の傍らにそっと寄り添うもうひとつの影――人形遣いたる雪華の片割れの人形。みっつの影は互いの重力に引かれながら複雑な軌道を描く惑星のように、雪上に優雅な軌跡を残していた。
だが、いかに優美に見えようと、実はそれは息詰まる攻防なのだ。
ほんの一瞬でも気を抜けば、その隙をついてパラドクスが放たれることを、両者は熟知している。わずかな油断が死を招く、恐るべき死の舞踏なのである。
それでも雪華はどこか楽しげに舞う。
その呼吸は、動きは三拍子。ワルツのリズムだ。
まるでクロノヴェーダを無視するように片割れと踊ってみせているが、決して敵を視界から逃すことはない。
ブラッディサクリファイスが恒星だとすれば、雪華はそのまわりを巡る惑星で、人形がかれの衛星である。
ブラッディサクリファイスは虎視眈々と雪華の隙をうかがう。人形もろとも、その血の鞭で打ち据え、切り裂くつもりだ。
ひときわ強い風が吹いた、そのとき。ついにヴァンパイアノーブルが仕掛けた。
自ら切り裂いた手首からこぼれる血が鞭と化し、唸りをあげる。
だが。
睦まじい恋人のように、身をそわせていた雪華と人形がぱっと二手に分かれ、ヴァンパイアノーブルの鞭はむなしくその間の虚空を打つ。
そして彼女は知った。雪華がこの瞬間を待っていたということを。今や彼女は、ディアボロスと人形に挟まれた位置にいる。まんまと罠にかかったのだ。
身を翻し、不利を脱するだけの暇は与えられていなかった。
人形が間合いを詰める。これは牽制だ、とわかっていても回避せざるをえない。逃れた先が雪華の間合いだとしても。
吹雪の空に、ヴァンパイアノーブルの首が飛ぶ。
雪華が一撃のもとに刎ねたのだ。
反撃の鞭は人形が受け止める。液化した血が飛び散るのに、眉をひそめ、雪華はダンス教師のように告げるのだった。
「ダンスは情熱でもって行うもの。それをこんなことに使うなんてナンセンスです!」
成功🔵🔵🔴
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
フルルズン・イスルーン
ふむん、青いドレスね。これがいわゆるスネグーラチ化。
もちろん伝承に氷結させる力なんてのは無いのだ。
クロウン、バーバヤーガの方がまだ近いんじゃないかな。ニヴルヘイムのヘルの方がボク的には馴染みあるけどね。
ま、寒いってんなら存分に行くのだ。アイス・ゴーレム!
極寒化以外に強くなった感じはなさげかな?
【寒冷適応】でひとまず備えて、寒さのお陰でゴーレムくんが更に固くなったよの気持ちを込めて、
ありがとうゴーレム・パンチ! 感謝のゴーレム・キック!
嬉しい気持ちに絶えない意のゴーレム・ダブルラリアット!
ご自慢の寒さで強化されたゴーレムの力を思い知るが良いわ!
気のせい? こーゆーのは気持ちの問題なのだ!
ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
ここからが本番、民草が襲われ、殺されたら目も当てられない。
村に入られたらアウトだ。
多少悪役の様な事でもする必要があるか。
「血解・串刺しの君主」
手の平、肘、肩から血の杭を生やし、「敵を不意打ちします」
一人目、串刺し公が昔行ったものを再現するのも一つの手段か。
串刺しにしてそのままにした逸話を再現、「さて、次の得物はお前」と指をさしたと同時に、持ち前のスピードで雪上を一気に移動して1体1体串刺しにしてそのまま絶命するまで放置します。
(生きていた場合は残心を持って、トドメを刺してから串刺しにしておきます)
全て倒し終えたら。
「残すは貴方だけだ。覚悟は出来ているな?」
ブリザードの白を背景に、翻る青いドレス。仔細に見れば美しい刺繍で飾られている、なかなか見事なドレスのようだが、それをまとうのは狂暴なヴァンパイアノーブルとあっては、その美しさに見とれているわけにもいかぬ。
それでも、フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は、持ち前の探求心からか、彼女たちを観察せずにはおられなかったようだ。
「ふむん、青いドレスね。これがいわゆるスネグーラチカ化。もちろん伝承に氷結させる力なんてのは無いのだ」
時先案内人によれば、冬将軍は配下のクロノヴェーダに力を与え、「スネグーラチカと化した」のだという。スネグーラチカとはロシアの民間伝承にある雪の精霊のようなものだというが……周囲を極寒とし永久凍土をもたらすというのは、冬将軍が与えた力であろう。
「極寒化以外に強くなった感じはなさげかな? それなら……」
この寒さを逆に利用させてもらうまで。
フルルズンが召喚するのは氷の身体を持つアイス・ゴーレムだ。
「ご自慢の寒さで強化されたゴーレムの力を思い知るが良いわ!」
もともと冷気をまとうこの存在が、実際にこの低温によってより強くなっているのかどうかは定かではないが(「こーゆーのは気持ちの問題なのだ!」)、フルルズンとゴーレム自身は確かに張り切っているようにも見える。
ゴーレムはやけに俊敏な動きでブラッディサクリファイスに遅いかかった。
その力はたしかに凄まじく、トループス級クロノヴェーダを、文字通り蹴散らすかのような暴れようだ。
殴りつけ、蹴り上げ、そして広げた凍れる腕で繰り出すダブルラリアット!
一体のブラッディサクリファイスが、ぶざまに吹っ飛ばされた格好から、よろよろと立ち上がった。
すでに、逆説連鎖戦の反撃は生じ、猛毒を含んだ血の霧がゴーレムとフルルズンへと迫っている。
そして本体は、態勢を立て直すべく、ドレスの裾を翻し、雪上を滑り始め――。
動くことができたのは、そこまでだった。
ドレスの胸から生えた血色の杭。
貫かれて絶命したヴァンパイアノーブルの背後に立つのはナイン・スカーレット(CathPalug・g07595)
である。
ぐらりと傾いだブラッディサクリファイスの身体は、しかし、突き刺さったままの杭が雪に突き立ったことで、そのままの姿勢で吹雪のなかに晒されることになる。まるでモズの早贄のようだ。
「これも良い見せしめか」
ナインのてのひらから、新たな血の杭が伸びてゆく。それだけではない、肩や肘からもすでに杭が生えている。
ブラッディサクリファイスたちは、たじろいだように見えた。
自らの血を武器と化す、彼女たちと同種のパラドクスだと理解したからだろう。
「さて、次の獲物はお前」
ナインはブラッディサクリファイスの一体を指した。
と、見えた次の瞬間には、せつなの速度で敵の眼前へと迫っている。ほとんど反応の暇を与えられず、次なるトループスも、ナインの血の杭に串刺しにされる。
それは、最終人類史において、吸血鬼の創作の源流のひとつとなったという、串刺し公と呼ばれた偉人の伝説を彷彿とさせる光景であった。
かくして、トループス級クロノヴェーダ「ブラッディサクリファイス」の残る一群は、大暴れするアイス・ゴーレムになぎ倒されるとともに、ナインによって一人ずつ串刺しにされてゆき、ここに壊滅することとなったのだった。
「残すは貴方だけだ。覚悟は出来ているな?」
ナイン・スカーレットの赤い瞳が、冷徹に閃く。
いまだ吹雪は唸りをあげているが、今やその下で、青いドレスをまとうものはただひとりとなっていた。
アヴァタール級クロノヴェーダ、夜翼令嬢は、配下をすべて失いながらも、アヴァタール級ゆえの傲岸な矜持でもって、ナインの眼光を受け止め、微笑みさえしたのだった――。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
龍統・光明
『その業喰わせて貰う。さぁ、貴様の業を数えろ……』
ドラゴニアンのガジェッティア × レジェンドウィザード
特徴:基本冷静沈着。行動の際は【残像】【忍び足】を使用
普段二刀流と蹴術を織り交ぜる戦闘スタイルだが、
AS展開時は一転二丁銃と羽形ブラスターを操り戦う
基本回避優先で防御の際は左腕を盾代わりに使う
常にクールである事に努めており、他に迷惑をかけない様に心掛けている
『例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません』
よろしくおねがいします(連携大歓迎・NG:ギャグ・コミカル)
黄泉王・唯妃
アドリブ&連携歓迎
おや、後は大物を残すところですか。
手が足りないようなら少し首を突っ込ませて貰いましょうか。
大きく【ジャンプ】し、殴りつけるために拳を引く。がこれは【フェイント】、本来の拳の間合いよりも巨大化した蜘蛛の足が一足先に相手を【強打】を見舞う。
反撃は【残像】を用いて多少は狙いをずらすが基本的には致命傷を貰わなければ我慢する。
「流石にやりますね……ッ! ですがたった一人、ただ独りではこの状況は覆せない事をしっかりと教育して差し上げましょう!」
フルルズン・イスルーン
さーて、残るはキミだけだ。
力を持たされた全能感もこれまで。
冬将軍とやらの力、ここで断ち切らせてもらおうなのだ!
シェイプアップ! アイス・ゴーレム改めグレイシャー・ゴーレム!
寒くなればなるほど、肌を裂く切れ味は鋭くなるもの。
それは氷の剣だって同じことだ。
鮮血魔術? パラドクスなら寒くとも血は動くと?
ならば、氷河に血を垂らすが如きさ。この氷の盾でそんな矛盾を塗り替えてあげよう。
極寒とは、全てに平等だと思い出して貰おうか。貴族の特権? 極地にそんなものはないよ。
まったく、スノウメイジみたいな事をするなら、氷像のひとつも動かして見せるがいいのだ。
ボクももう違うけどね。
ナイン・スカーレット
アドリブ・連携歓迎
ネメシスモード起動。
残ったのは貴方一人、油断などしない。
一人で何人分もの強さを持った存在も居たからね。
故に、私も全力全開でいく。
『ユグドラシル接続、ウルズ・ミーミル・フヴェルゲルミル、接続完了。九つの世界を繋げ、世界を切り裂く剣と成れ。』
「界解・九つの世界」
【全力魔法】で九つの魔法陣と自身の生命力や魔力、血を魔力砲のエネルギー制御に回して、皆の攻撃のタイミングに合わせて放つ。
使える【効果2】を全て使用して、勝利を掴むよ。
凍土になった地も、これが終われば、元に戻って私達が居て、皆忘れてしまうかも知れないけど、「民草の幸せ」がしっかり続けば、それでいいと思っている私もいる。
トループス級の集団が壊滅してもなお――空はいまだ吹雪に閉ざされ、極寒が猛威を振るう。
そのなかで対峙するのは、アヴァタール級クロノヴェーダ、夜翼令嬢ひとりと、複数名のディアボロスたち。夜翼令嬢は配下をすべて失い、数のうえではディアボロスが優勢と見えるのだが。
(「油断などしない。一人で何人分もの強さを持った存在も居たからね」)
ナイン・スカーレット(CathPalug・g07595)は慎重だ。
たおやかな令嬢の姿をしていても、相手はクロノヴェーダ。どのような能力を秘めているかわからない。
そしてそれは、ナインもまた同じこと――。
「故に、私も全力全開でいく」
吹雪のなかに、ナインの声が伝わるのにつれ、爆発的な力の高まりがあるのを、誰もが感じた。ネメシス形態だ。
「ユグドラシル接続、ウルズ・ミーミル・フヴェルゲルミル、接続完了。九つの世界を繋げ、世界を切り裂く剣と成れ」
夜翼令嬢はナインの渾身の攻撃を予測し、距離をはかりながら、敵のパラドクスの発動に備えた。
そのときだ。
ブリザードが渦巻く空を、ひとつの影が切り裂く。
夜翼令嬢は、そこはアヴァタール級の能力で、思いがけない方向からの奇襲にも反応して見せた。
すなわち、黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)の跳躍からの攻撃である。
矢をつがえ引き絞られた弓のごとく、握りしめた拳に力が宿っているのを、ヴァンパイアノーブルの視覚はとらえている。拳撃か。ならばその間合いに入るより早く仕留めるまで。夜翼令嬢は自身の血液に力を流し込む。
しかし。
「……っ!?」
予測よりもワンテンポ早く、唯妃の攻撃は繰り出されていた。
そのとき、彼女の腕は蜘蛛の脚へと変じている。
パラドクス『血裂蜘蛛(チギレグモ)』――、その鋭い先端が、すでに敵をその射程に収めていた。ゆえに、結果は、貫かれるのみ。
撃たれたような衝撃に、夜翼令嬢が積雪のなかへ倒れ込む。唯妃のフェイントにまんまとひっかかった敵の傲岸さの末路であった。
だが、並行し、逆説連鎖戦の法則は別の時系列もまた描き出す。
オーラの翼で舞い上がり、反撃を仕掛ける夜翼令嬢の姿である。
むろん唯妃の予測のうちだ。蜘蛛脚をすばやく戻し、残像が残るほどの素早さで後退して見せる。
それでも、降り注ぐ鮮血の弾丸をすべてはしのぎ切れない。
「流石にやりますね……ッ! ですがたった一人、ただ独りではこの状況は覆せない事をしっかりと教育して差し上げましょう!」
弾丸に削られた傷をかばい、雪の上に血を落としながらも、唯妃は笑む。
そうだ、ディアボロスは一人ではない。
「しまった」
夜翼令嬢が気づいたときには、すでに、ナイン・スカーレットのパラドクスが完成している。
「界解・九つの世界」
圧倒的な力の奔流――別の世界からもたらされるという凄まじいエネルギーが魔力の砲となって発射された。
威力が大きすぎるため、そのまま放出すれば振り回されて、あたり一帯が灰燼になりかねない。それを、ナインの血と生命、精緻に汲み上げられた九つの魔法陣が制御することで、威力は落ちるが正確な砲撃が可能となる。
それでもぶれた射線で、積雪が蒸発し、樹氷が砕け散る。
ナイン自身も、反動で後方へと吹き飛んだ格好だが、砲が夜翼令嬢へ直撃したことは確かに見届けた。
吹き飛んだナインが、深々と雪に埋もれる。
そこへ、高空から鮮血の弾丸が――夜翼令嬢の反撃が降り注ぐのを、防御姿勢をとって凌ぐ。
ここまで、ディアボロスが積み重ねた残留効果の後押しもある。敵はかなりの大ダメージを受けたはずだ。
夜翼令嬢を倒せば、この集落はひとまず完全凍土化の危機を免れよう。集落の人々も、もとの暮らしに戻れるはずだ。ナインたちディアボロスのことを、忘れてしまったとしても。
その思いがあれば、鮮血の弾丸の雨にさらされるとしても、耐えられないはずがなかった。
「く……、ディアボロスの力が、これほどとは……」
よろよろと、夜翼令嬢が立ち上がる。
青いドレスもいたるところが綻びはじめていた。
「持たされた力もその程度か? 全能感もこれまで。冬将軍とやらの力、ここで断ち切らせてもらおうなのだ!」
ゴーレムを従えて立つフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)へ、クロノヴェーダは憎しみのこもった視線を返す。
突き刺さるような悪意をものともせず、フルルズンは高らかに命じる。
「シェイプアップ! アイス・ゴーレム改めグレイシャー・ゴーレム!」
トループス級たちを蹴散らしたフルルズンのゴーレムが、今、さらなる変形を見せる。全身に結晶化した氷が広がり、鎧となって顕現したのだ。装甲の表面にはルーン文字が刻まれ、高度な魔法の産物であることをうかがわせる。さらに、その手のなかには氷の剣が伸びていた。それはもはや芸術と言ってもいい優雅にして勇壮な氷像だ。しかも、この氷像はフルルズンの命じるままに動き、戦う。
号令一下 、ゴーレムがクロノヴェーダに襲い掛かった。
令嬢の姿をしていても、相手はヴァンパイアノーブル、夜翼令嬢は氷の剣の斬撃から身をかわす。
だが、続けて繰り出される素早い斬撃をどこまで避け続けることができるだろう。
ついに、氷の剣は敵をとらえ、冬将軍の下賜品たるドレスごと、その身を切り裂く。
「寒くなればなるほど、肌を裂く切れ味は鋭くなるもの。それは氷の剣だって同じことだ」
「よくも、冬将軍さまのくださったドレスを! わたくしの血の報いを受けなさい……!」
傷からしたたる鮮血が、まがまがしい棘をもついばらと化して宙を翔けた。
それはゴーレムの操り手たるフルルズン本人を狙って伸びる。
「なるほど鮮血魔術。パラドクスなら寒くとも血は動くと? ならば、氷河に血を垂らすが如きさ。この氷の盾でそんな矛盾を塗り替えてあげよう」
ゴーレムが巨体に似ぬ素早さでフルルズンを護る。
血のいばらは、割って入ったゴーレムに撒きつき、氷の装甲のうえへ這い広がってゆく。
力を吸い上げるいばらの効果か、ゴーレムの表面に亀裂が入り、がくりと膝をつく格好となったが、令嬢が狙ったように、フルルズンに反撃をすることはかなわなかった。
ぎり、と牙を噛みしめながら、夜翼令嬢は、いよいよ自身が形勢不利となっていることをゆっくりと悟り始めていた――。
龍統・光明(千変万化の九頭龍神・g01001)が駆ける。
雪を蹴立てて、早回しのように速く、しかしそれでいて、驚くほど静かだ。もし視界外であったならその接近に気づいたものは少なかっただろう。
クロノヴェーダである夜翼令嬢でさえ、弾かれたように振り返ったとき、間合いを詰められていたのだ。
ぎらり、と反射したのは光明の二刀流である。二振りの神刀の、峻烈なまでに研ぎ澄まされた刃は、吹雪さえも触れるそばから斬れるように鋭かった。
「っ!」
ディアボロスとはいえ、人間にここまで肉薄されることの屈辱に美しい顔をゆがめながら、令嬢は光明の間合いから逃れようとする。
だが間断なく繰り出される、機械のように正確無比な斬撃は、一手ごとに確実に令嬢を追い詰め、ドレスの裾をかすめ、髪の先を斬り落とし、そしてついにその膚にも傷をつける。
「こ、このわたくしに傷を!」
恫喝する声にも、光明の表情は揺るがない。女性の姿をしていても、クロノヴェーダにかけるべき慈悲などなく、まして戦いにおいて心を乱す道理がない。
したたかな蹴りに、令嬢が体勢を崩す。
光明の身体を、銀に輝く装甲が瞬時に覆い、装備品が形態を変えてゆく。
展開する翼型ユニットに、赤く輝くコア。終末を告げる天使を思わせる荘厳な姿だ。
「さぁ、貴様の業を数えろ」
二刀流の刀が握られていた両の手に、今、握られているのは二丁の拳銃。
その銃口から、そして羽型のブラスターから、一斉に撃ち出されたパラドクスの射撃が、至近距離から夜翼令嬢に浴びせられた。
雪原に鮮血が飛沫いた。
同時に、逆説連鎖戦の反撃が、血色のオーラとなって、光明へと吹き付ける。
人の心を奪うという魔力のオーラを左腕を盾として受け、いなしながら、光明は後方へ離脱するのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【神速反応】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ダブル】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
括毘・漸
後は、あなただけです。
ここを氷漬けにさせる訳にはいきませんからねぇ。
止めさせていただきます。
腰に佩いたサーベルを抜き放ち、サーベルを口に咥え両手を地面に着け、猟犬の狩りの如く、四肢で吹雪の中を駆け抜けます。
何しても無駄です。何があろうがお前等の匂いを辿ってみせます。これ以上奪わせてたまるか。生きる人々の血を流させてたまるか。
この刃で悲劇なんぞ断ち斬ってやる。
サーベルを咥えているため呼吸する度に猟犬の唸り声のような呼吸音を響かせ威圧し、相手が動きを緩めた瞬間に銀色の一閃を首に刻み込む。
相手の攻撃に対しては、吹雪の流れから血風が放たれる方向を予測し、意識を失わないようにサーベルを噛みしめ耐えます。
田淵・あゆみ
アドリブ連携歓迎
借り物の力でご機嫌さんだね?
人踏み付けにして高く飛ぶのなら、引きずり下ろすまでさ
【狂騒ダイバー】使用、コネクタを樹木や地面に複数生やし、そこからシールド延ばして跳び回るよ
相手の行動を阻害する事をメインに動く、動きが鈍れば他の人の攻撃も当たりやすくなるだろ
脚を捉えたり、背後から首にシールド巻き付けて引き倒す
反撃は動き回ってできるだけ回避を狙う
喰らったら腹から声を出して意識を引き戻す
撤退すべきか?……いや、ありえない。冬将軍に力を与えられていながら、ディアボロスに敗退し、任務を放棄するなど。しかし、このままでは――。
夜翼令嬢には、しかし、それ以上の思考を続ける余裕は与えられなかった。
括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)と田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)が迫ってきていたからだ。迎撃しなくては。
漸は腰に佩いていたサーベルを抜き放った。
そのまま駆けるかと思いきや、なんとサーベルは口に加え、手をついて、四つ足の姿勢で駆けはじめたのだ。
まるで獣だ。
ヒトが走るに向かない姿勢のはずだが、まるでスピードが落ちていない。獲物を追う猟犬のような気迫で、吹雪に逆らい、猛然と駆ける。
その鬼気迫る様相に、夜翼令嬢は怯んだ。
迎え撃つべくパラドクスの準備に入り……そこで、はたと気づいた。もう一人の男はどうした?
「ほら行くぞ!」
死角から、あゆみが急襲する。
寸前で回避した夜翼令嬢は、雪中から生えたなにかを蹴って、あゆみが中空へと跳躍するのを見る。
その見慣れぬ人工物は、マイクシールドであったのだが、それにかまう余裕はなかった。周囲の地面や樹木など、至るところに、いつのまにか何かが張り巡らさられている!
それがあゆみのパラドクス『狂騒ダイバー』により生じたコネクタだった。
まるでワイヤーアクションのように、あゆみはそこに繋がるケーブルやマイクシールドを、足場や手がかりにして、立体軌道を描く動きで令嬢に迫ってきているのだ。
まずい、この領域が離脱しなくては。令嬢はオーラの翼を広げ、飛翔する。が、その足を、あゆみが掴んだ。
「借り物の力でご機嫌さんだったけど……それも終わりかな。――逃がさないよ」
低い、ウィスパーヴォイス。
シチュエーション次第では蕩けるような台詞だったが、ここでは文字通りの意味だ。
「人踏み付けにして高く飛ぶのなら、引きずり下ろすまでさ」
あゆみは、クロノヴェーダの傲岸さを許さない。
令嬢は雪の中へと引き倒された。
そこへ、なにかの音が急速に近づいてくる。あれは雪のなかを駆ける足音と……荒々しいなにものかの息遣い。漸だ。刃を加えた猟犬が襲い掛かる。
跳ね起きて、再び、飛ぶ。
寸前だった。
秒の差でかわした漸と、空中で視線がかち合う。ぎろり、と令嬢を射抜いた視線は、獣の眼光。クロノヴェーダの背筋すら凍らせるほどの。
息つく間もなく、あゆみの攻撃が再び繰り出される。
マイクシールドに背を打たれ、思わず声をあげてしまったことで、夜翼令嬢は屈辱に顔を紅潮させた。
「許さない、許さない……、ひれ伏しなさいッ!」
血色のオーラの暴風があゆみに向けて放たれる。
それを浴びると、意識がさらわれ、遠のいてゆく……。あゆみは咆えるような声をあげて、自らの意識の消失を防ぎ、コネクタを蹴って敵の射程を脱する。
「逃がさないのは、わたくしのほうよ」
憎々しげに、令嬢は言った。
先ほど、あゆみに空からひきずりおろされたのを根に持っていたのだ。
だが、彼女は忘れていた。
追われているのは、自分のほうだということを――。
獣の唸りに、振り返る。
血色のオーラを漸へと向けたが、獣が勢いを減じる様子はない。ただいっそう、サーベルの柄を強く噛みしめて見せただけだ。
何しても無駄です――、とその眼が告げていた。
令嬢は理解する。この猟犬が、自分を決して逃がしはしないだろうということを。
これがディアボロス。自分たちの行く先々にどうやってかあらわれる妨害者たち。かれらはいかる手段によってか、猟犬が匂いをたどるように、出現する。
(「かれらの目的は、その地に生きる人間を護ること? でも一体なぜ――」)
その答を、彼女が知ることはなかった。
猟犬壱頭・冥界猛犬(イットウ・ガルム)――。
駆け抜けた漸とすれ違いざま、まっすぐな光の軌跡を描いたサーベルが、クロノヴェーダの首を落とす。
(「これ以上奪わせてたまるか。生きる人々の血を流させてたまるか」)
夜翼令嬢がとうとう理解することがなかった思いを込めて、漸の刃は悲劇の可能性をここに断ち斬ったのだった。
●
冬将軍の加護を与えられていたクロノヴェーダが壊滅したことで、嘘のように、吹雪は止んだ。
むろん、あたりはいまだ雪深く、底冷えする北欧の森ではあった。
しかし、マイナス80度の異常な極寒は急速にやわらいでゆく。つまりは「普通の寒さ」に戻ったのである。
あの集落の人々も、これで助かったはずだ。
冬将軍と怪僧ラスプーチンの企ては、その一端をここに崩されたことになる。
吹雪の止んだ北欧の夜空には、澄んだ空気を通して星々が静かに瞬いていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【壁歩き】がLV2になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!