リプレイ
ラキア・ムーン
ラミエルを三区の支配者にはさせん
その為に全力は尽くす、それが私の選んだ道だ
故に容赦はせん、速攻で仕掛ける!
《RE》Incarnationを携えて、戦闘準備
天使様も、一丁前にクリスマスの格好をするのか
貴様等には似つかわしくないさ
『ダッシュ』して広場へ
移動の最中に【Call:Elder_Javelin】を起動
炎の槍を展開し魔法円の天使に投射
『火炎使い』の術で直撃直前に槍を『爆破』し、更に威力上昇を図ろう
相手の攻撃は手持ちの槍で召喚した魔術武器を『強打』して『吹き飛ばし』て対処
飛ばせなくても態勢が崩れれば、此方に対する攻撃は鈍る!
全くふざけてはいるが、実に効果的な作戦だ
だが、利用させて貰うぞ!
音羽・華楠
……これが、私たちがイーリスを、ラミエルを討つことを選んだ結果起きた事件ならば――受けて立ちましょう!
幸い、この現場にはまだ人々が集まってないそうですし、カペルさんの提案通りに速攻で片付けましょうか。
《雷幻想・煉獄》でトループス級たちを焼いていきます。
……こんな寒い中、お仕事ご苦労様です。
細やかな労いとして、私が暖めてあげますよ。
――魔術的マイクロ波で血液が沸騰するほどに!
魔法円の天使たちは魔術武器を使うとのことですが……だからこそ、その攻撃はある程度【魔術知識】で先読み出来ると思います。
逆説連鎖戦である以上、完全な回避や防御は困難ですが、こちらの被害を最小限に抑えられるように立ち回りを。
マルケト・キサウェ
諸所の理由によりわたくし自身もラミエルを倒す方針で動きはしましたが、結果的にミカエルの支配域が広がることになったのは(仕方ないとは言え)やはり痛い所。
これ以上ミカエルが力を増すのは避けたいですし、頑張らないと。
見た目こそ和やかではあれど、人々を騙してエネルギーを奪うとは卑劣な作戦もあったものです。
飾付け自体は無害な様子ですし、街に被害が及ばないよう手早く事を済ませられると良いんですが……
《アサシネイトキリング》で行きましょうか。混乱に紛れて接近し、至近に近づいてナイフ攻撃を行う、という感じで動きます。
防御シールドは全方向からの攻撃を防げる訳では無いはず。混戦になれば背後を狙う隙もありそうです。
●策略を阻止するために
本当ならば楽しいはずのクリスマス。
その裏で進められているのは大天使ミカエルの策略だ。
「ミカエルを三区の支配者にはさせん」
ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)は中央区で起こる事件を思い、突撃槍を構えた。
「……ミカエルが起こしていくこの事件が、私たちがイーリスを、ラミエルを討つことを選んだ結果に起きた事ならば――のぞむところです。受けて立ちましょう!」
音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)も戦意を高め、件の広場を見据える。
ラミエルを倒したことでミカエルの支配権は二区に広がった。このまま三区の支配者になってしまった場合、どのような事が起こるかは予想できない。
その為に全力を尽くす。それこそがラキアの選んだ道だ。
「故に容赦はせん、速攻で仕掛ける!」
「ええ、行きましょう。諸所の理由によりわたくし自身もラミエルを倒す方針で動きはしましたが……」
マルケト・キサウェ(docta ignorantia・g03412)がラキアの声に答え、其処に続いていく。結果的にミカエルの支配域が広がることになったのは仕方ないとは言えど、やはり痛いところだ。
「これ以上ミカエルが力を増すのは避けたいですし、頑張らないと」
過去にも二区の支配者がいた前例はある。
品川区と港区を支配していたザドキエルだ。今後にあれを上回る脅威が訪れると思うと油断はできない。されど既にザドキエルは倒されている。逆を言えば二区の支配者に留めておけば、いつかミカエル討伐の機会も訪れるということだ。
そう、三区目を手に入れさせないための戦いが今である。
幸いにもこの現場にはまだ人々が集まっていない。速攻で片を付けると語った仲間に同意した華楠は、雷撃の力を一気に巡らせていった。そして、ラキアは先ず広場を飾り付ける魔法円の天使へと先制攻撃を放つ。
「うわっ!?」
「みんな、敵襲だよ!」
突撃槍の一閃に驚いた天使達が慌てはじめ、身構える。その格好はサンタ帽子やそれらしい服を来たクリスマス仕様だ。敵を見渡したラキアは頭を振り、二撃目を叩き込みに向かう。
「天使様も、一丁前にクリスマスの格好をするのか」
「悪いかー!」
「貴様等には似つかわしくないさ」
――術式解凍。我が魔力により、ヌトセ=カームブル神の神槍を此処に代行する。
パラドクスを素早く起動したラキアは炎の槍を展開していき、魔法円の天使に容赦なく投射していく。それに合わせて華楠も己の力を解き放った。
「……こんな寒い中、お仕事ご苦労様です。細やかな労いとして、私が暖めてあげますよ」
――雷幻想・煉獄。
放たれたのは、陰陽木行に属する雷の術へ火行の術と不動明王火界咒を組み込み、妖精たちの補助で昇華した技。華楠は可能な限り多くの敵を巻き込むようにパラドクスを発動している。
「魔術的マイクロ波で血液が沸騰するほどに!」
その直後、敵の死角に回ったマルケトが鋭い一閃を叩き込んだ。
「何っ!?」
「見た目こそ和やかではあれど、人々を騙してエネルギーを奪うとは卑劣な作戦もあったものです」
マルケトの一撃によって一体目の天使が倒れる。
見れば、どうやら彼らが先程まで施していた飾り付け自体は無害な様子。街に被害が及ばないよう手早く事を済ませれば、近隣の人々の癒やしにも繋がるだろう。
その間もラキアが魔法円の天使に攻撃を仕掛けていく。反撃が解き放たれたが、ラキアは手持ちの槍で召喚した魔術武器を強打していき、思い切り吹き飛ばす。
そうやってラキアが敵の対処を取っていく中、マルケトが混乱に紛れて接近していった。至近距離まで近付いたマルケトはナイフを引き、天使に止めを刺す。
「この……っ!」
「アクラシエル様の聖歌を邪魔するなー!」
魔法円の天使は次々と襲いかかってきた。ラキアは複数体を相手取ることになったが決して怯まない。たとえ飛ばせなくても態勢が崩れれば、此方に対する攻撃は鈍るはずだ。
魔法円の天使達は魔術武器を使う。しかし、華楠は攻撃をある程度ならば先読み出来ると考えていた。
これは逆説連鎖戦。そうである以上は完全な回避や防御は困難に近い。されど、それならば此方への被害を最小限に抑えられるように立ち回ることが大切だ。
「まだまだ参りますよ!」
「うわあっ!!」
華楠の猛攻に押され、天使達が悲鳴を上げる。その最中、ラキアはマルケトに視線を送った。
(「頼んだぞ」)
(「任せてください」)
その意志を受け取ったマルケトはこれまでと同じ方法で敵に接近していき、見事に天使達を葬った。
「終わりですね。後は――」
マルケトは聖歌を紡ぎ続けているアクラシエルに視線を向ける。
他にも敵は残っているが、別の名前に任せればいずれ全てが倒れるだろう。ラキアは槍を構え直し、此度の騒動の中心であるアクラシエルに向き直った。
「全くふざけてはいるが、実に効果的な作戦だ。だが、利用させて貰うぞ!」
「クリスマスに乗じて人々の意思を奪うなど、言語道断です!」
ラキアと華楠は凛とした言葉を敵に差し向け、自分達の思いを声にしていく。
そうして、戦いは移り変わる。聖歌と歪んだ祝福が巡る、アヴァタール級との戦闘へと――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【動物の友】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
本郷・夏深
クロノヴェーダはクリスマスの時期でも年中無休とは
いやはや全く、鬱陶しい事この上ない
まあ、年中無休なのは復讐者も同じですね
それでは今日も清く正しく殺しましょう!
刃でもある扇で武器ごとぶった斬り、或いは力づくで押し切り
気に食わないニヤついた口元ごと全てズタズタにしてあげます
敵が用いる魔術武器は、火のものでなければ余裕です!
火はちょっと、いや火だけはちょっと…
服にでも引火したりしては流石のカフカも厳しいです
なので火の棒を操る敵とは一旦距離を置き、扇を勢いよく投げ放ち
武器を持つ手か、もしくは首を刎ね飛ばすとしましょうか
派手に、豪華に、分け隔てなく、カフカが殺して差し上げます
なにせクリスマスですからね!
グリブイユ・ノラ
クロノヴェーダは亜人しか知らなかったんですが……
色んな奴がいるんですね……
やることがセコいな、と……
ぼ、僕は……復讐者になって日も浅いですし、戦闘経験もなくて……
囲まれたり、味方の皆さんの足をひ、引っ張らないように、がっ頑張りますっ……!
敵を目視したら……先手必勝、です
複数で固まっているところを目掛けて
ベルトに下げたフラスコを投げます
奇襲と、アルカヘストシャワーで溶かしてしまえば、動揺を誘えるんじゃないかって……
反撃する隙を与えないように、攻撃の手は緩めません
ざ、残念ですが……
貴方達のクリスマスはここで終わり、です……
……敵の、天使の言葉を聞くつもりはありません
……諦めて、負けを認めてください
三苫・麻緒
やってることは結局クロノヴェーダらしいとはいえ、大義名分を見つけるのはなかなかに上手みたいだね
歓迎できないパーティーはさくっとお片付けしちゃおう
飾り自体に変な効果がないのなら、基本は天使を狙い撃ちにすれば十分かな
序盤は広域に球を展開して場を≪撹乱≫させにいくよ
≪高速詠唱≫で攻撃と攻撃の間は極力短く
連携する余裕を天使たちにわざわざあげる理由なんてないからね
孤立したり撃破間近となった個体を見つけたら優先的に撃破したいな
天使の反撃は…「そういうパラドクスである」って無理矢理にでも自分に言い聞かせて素早く混乱を解きにいけないかな
無理そうならもう加護の力と気合で耐える!
必要ならナイフでの自傷も辞さないよ
●贈り物はパラドクスで
聖なる日とも呼ばれている一日、クリスマス。
中央区に集ったクロノヴェーダ達は広場を飾り付け、プレゼント作戦を進めようとしている。
「クロノヴェーダはクリスマスの時期でも年中無休とは。いやはや全く、鬱陶しい事この上ない」
本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)は聖歌を紡ぐアクラシエルを見遣る。ハレルヤ、と賛美の言葉を歌にしている彼女の周囲には魔法円の天使達がいた。
何をするにも先ずは、あのトループス級を排除することからだ。
「やってることは結局クロノヴェーダらしいとはいえ、大義名分を見つけるのはなかなかに上手みたいだね」
三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)も身構え、仲間と突入の機会を合わせていく。
歓迎できないパーティーはさくっとお片付けするだけ。
麻緒が意気込みを語ると、グリブイユ・ノラ(マヌケな・g08943)が感心するような声を零した。
「クロノヴェーダは亜人しか知らなかったんですが……色んな奴がいるんですね……」
このディヴィジョンのクロノヴェーダを初めて確認したグリブイユは、蹂躙戦記イスカンダルから訪れたウェアキャットだ。復讐者としての力を手に入れてから日も浅く、戦闘経験もないと彼自身は思っている。
「味方の皆さんの足をひ、引っ張らないように、がっ頑張りますっ……!」
「大丈夫だよ、力を合わせれば怖いものなんてないからね」
「ええ、我々は同じ復讐者ですから気兼ねなくどうぞ。まあ、年中無休なのは復讐者も同じなので――それでは今日も清く正しく殺しましょう!」
グリブイユの意気込みを聞き、麻緒と夏深は励ましの言葉を送った。
少しばかり先輩風を吹かせてしまったかと思った二人だが、グリブイユはしかと頷いてくれたようだ。
そして、復讐者達はひといきに駆け出す。
こういった場合は先手必勝。
グリブイユは仲間に続き、魔法円の天使が固まっている場所を目指す。それに先んじて麻緒が爆ぜる泡沫を解き放った。
「まずは天使を狙い撃ち!」
広場の飾りに妙な効果がないのならば、気にせずに攻撃を重ねていけば良い。
広域に球を展開した麻緒は場の撹乱を狙っていた。天使達も襲撃に気付いたが、麻緒が高速で紡ぐ詠唱の方が早い。シャボン玉めいた魔力の膜は瞬く間に魔法円の天使に向かっていき、一気に炸裂した。
「うわぁ!」
「迎え撃って、みんな!」
敵は反撃に入ろうとしたが、麻緒は冷静に対処する。
連携する余裕をわざわざあげる理由などない。天使達を見据えた麻緒は大きな衝撃を受けた個体に狙いを定め直し、孤立させていく。其処に合わせて夏深が扇を振るった。
それは彼の刃でもあり、天使が持つ武器ごと斬り裂かれていく。
仲間の攻撃で相手の強さを悟っていた夏深は、この天使達ならば力尽く押し通れると感じていた。
「そこのあなた、気に入りませんね」
「えっ?」
適当な天使を扇で示した夏深は地を蹴り、そのままの勢いで相手を斬り伏せる。敵が用いる魔術武器はそれなりに強いが、火の力が宿るものでなければ余裕だ。余裕、だったのだが――。
「よくも仲間を! これでもくらえっ!」
魔法円の天使はよりによって火の棒を夏深に向けてきた。
「うわ。火はちょっと、いや火だけはちょっと……」
一瞬だけ身体を震わせた夏深は思わず身を引く。その動きに敏く気付いたグリブイユは援護に入った。ベルトに下げたフラスコを天使に投げ付けたグリブイユはクロノヴェーダを見据える。
夏深を狙っていた天使にとって、グリブイユの攻撃は奇襲になったようだ。
「まだまだ……やります……!」
アルカヘストシャワーで溶かしてしまえば、きっと相手の動揺を誘える。そのように考えていたグリブイユの狙いは上手く廻っていった。このまま攻撃の手を緩めまいとして、グリブイユは更に万能溶解液を生成していく。
その間、魔法円の天使から複雑怪奇極まりない神智の数々を載せた精神波が解き放たれた。
麻緒は天使の反撃に果敢に耐える。
自分に言い聞かせるのは、これはそういうパラドクスである、という言葉。半ば無理矢理に身体を動かした麻緒は唇を噛み締め、正気を保っていく。
「だ、大丈夫ですか……?」
「平気だよ! 復讐者としての後輩くんに格好悪いところは見せたくないからね」
グリブイユが問いかけると、麻緒が明るく答えた。
ナイフを強く握った彼女の言葉が本当だと感じ取り、グリブイユはちいさな安堵を抱く。そうして戦いは巡り、魔法円の天使は一体、また一体と減っていった。
「うぅ、こいつら強い……」
「僕たちのクリスマスがなくなっちゃうよぉ」
「ざ、残念ですが……貴方達のクリスマスはここで終わり、です
……。……諦めて、負けを認めてください」
嘆きながら倒れていく天使を見遣り、グリブイユは首を横に振る。
敵の天使の言葉を聞くつもりはない。人々の命の源を奪おうとしている以上、許しておける相手ではないからだ。
残る敵は一体。
これまでの援護に感謝を抱いた夏深は、扇を勢いよく投げて武器を持つ敵の手を打ち据えた。
「次は首を刎ね飛ばすとしましょうか」
「ひっ……!」
「派手に、豪華に、分け隔てなく、カフカが殺して差し上げます。なにせクリスマスですからね!」
告げた夏深は不敵に口端を吊り上げた。
宣言通りに首に向けられた一閃は鋭く、最後の一体を見事に貫いた。
――メリークリスマス。
夏深が手向けの言葉を贈れば、最後の天使がその場に付す。
それと同時にこれまで響いていた聖歌が止んだ。次はいよいよ此度の首魁であるアクラシエルとの戦いだ。
復讐者達は続く戦いへの思いを強め、其々に身構えた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
🎄 🎄 🎄 🎄 🎄 🎄 🎄
●主よ、我らの罪を赦し給え
魔法円の天使がすべて倒された後、アクラシエルは歌を止めた。
顔を上げた大天使は慈悲に満ちた笑みを浮かべたまま、少しだけ困ったように肩を竦めた。
「あらあら、あの子達は負けてしまいましたか」
辺りを見渡したアクラシエルは魔法円の天使達が倒れたことを確かめる。襲撃者、即ち復讐者が訪れたことは気付いていたが、彼らに任せておけば大丈夫だと信じていたらしい。
「折角のクリスマスパーティーを邪魔するなんて、困った方達ですこと」
アクラシエルは慌てることなく一歩を踏み出す。
復讐者達が自分のやろうとしていることを邪魔する存在だと知り、返り討ちにしようと考えたらしい。
そして、アクラシエルは両手を広げた。其処から響き渡るのは攻撃用の聖歌だ。
――汝の隣人を愛せよ。
慈愛に満ちた歌声は此方の闘争心と精神力を削り取ろうとしている。相手は強敵だが、復讐者達が力を合わせていけば勝てない相手ではないはずだ。
そして、天使との戦いは再び始まっていく。正しきクリスマスを取り戻すために――。
🎄 🎄 🎄 🎄 🎄 🎄 🎄
グリブイユ・ノラ
◆連携アドリブ歓迎
どんなに綺麗な聖歌でも、し、信じられません……
昔のトラウマで……女の人が、苦手なのもありますけど……
……僕は、絶対騙されませんから
戦闘ではアルカヘストシャワーを使います
……僕の腕じゃ、部位を狙って当てるのは難しいかもしれないけど……
アクラシエルの何処かに当たれば、隙だって生まれるはず……!
早業で精製するスピードを上げて、攻撃を途切れさせないように繋げていきます
失敗するのは怖い……けど……
皆さんがいてくれるから……
……僕も……頑張ろうって……思えるんです
──ヒッ!!
ぼ、僕に近付かないでください!!!
……クロノヴェーダの施しなんていらない!
僕は……か、可哀想なんかじゃない!!!
音羽・華楠
トループス級共は、無事速攻で片付けられましたね。
……あなたにも時間を掛ける気はありませんよ、アクラシエル。
クリスマスの贈り物は、この後私たちがしっかり中央区の人たちへ届けますから――安心して死になさい!
時間を弄すると、何かの拍子に一般人が戦場へ迷い込むかもしれませんし。
速攻で片付ける為にも、手加減抜きで私の最強のパラドクスを叩き込みます。
充分な数の妖精たちを【召喚】して万全の補助を願い――
――《雷幻想・閃耀》!!
反撃の歌声は、それもパラドクスである以上【ガードアップ】で効果を減衰出来るはずです。
その上で、私の闘争心が尽きる前にアクラシエルを殺し切れば問題無し!
あなたは、愛すべき隣人じゃない!!
三苫・麻緒
自分の都合で大切なものを奪う相手を隣人と呼ぶ気はないよ
というか、「隣人を愛せよ」って教えが「支配を受け入れよ」に聞こえる日が来るとは流石に思わなかったかな
ナイフを突き立てるか蹴り飛ばすかは状況に応じて適宜判断しつつ
ある程度追い詰めるまでは喉や鳩尾等ダメージを受けると歌に影響が出る部位狙い
≪残像≫が残る程に加速して、少しでもガードさせないようにできたらいいな
抵抗なんか許さないって勢いでどんどん畳みかけて行こう!
反撃の矢は…周囲のものじゃ盾になりそうにないね
ナイフで弾けそうな分は弾くとして、上からくるのはわかっているから自分の頭上に加護の力を集めて耐えるしかなさそう
致命傷にさえならなければよし!
●其は隣人に非ず
「トループス級共は、無事に速攻で片付けられましたね」
「あ、後は貴方だけ……。どんなに綺麗な聖歌でも、し、信じられません……」
アクラシエルを前に、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)とグリブイユ・ノラ(マヌケな・g08943)はそれぞれの言葉と思いを声へと変えた。
――汝の隣人を愛せよ。
一小節を歌ったアクラシエルに対し、三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)も強い眼差しを向ける。
「自分の都合で大切なものを奪う相手を隣人と呼ぶ気はないよ」
「……あなたにも時間を掛ける気はありませんよ、アクラシエル。悠長に歌う時間だってあげません」
「というか、『隣人を愛せよ』って教えが『支配を受け入れよ』に聞こえる日が来るとは流石に思わなかったかな」
麻緒と華楠は大天使への否定の意志を語った。
彼女達の言葉通り、アクラシエルが聖女のように思えるのは見た目だけのもの。名前こそ大天使ではあるが、これから行おうとしていたのは人々の心身を弱らせるための策略だ。
それが信仰というものであったとしても、阻止するべき事柄には違いない。
グリブイユは震えそうになる拳を強く握り締めることで耐え、アクラシエルを見据えた。過去のトラウマから女性が苦手なこともあるが、今は勇敢に立ち向かうとき。
「……僕は、絶対騙されませんから」
「クリスマスの贈り物は、この後私たちがしっかり中央区の人たちへ届けますから――安心して死になさい!」
華楠は一気に地を蹴り、アクラシエルへと攻撃を仕掛けていく。
時間を弄すれば何かの拍子に一般人が戦場へ迷い込むかもしれない。被害を零に留めるためには速攻作戦が吉。
一刻も早くかたを付ける為にも、手加減など抜きにしてしまえば良い。自分の最強のパラドクスを叩き込むべく、華楠充分な数の妖精達を召喚していった。
万全の補助を願った華楠はアクラシエルに向け、両手を差し向ける。
「――《雷幻想・閃耀》!!」
生成した多量の重金属粒子を帯電して、集束させた華楠は其処に超高電圧を掛けた。亜光速まで加速させてビームとして発射されたそれは、荷電粒子砲を魔術的に再現した技だ。
鋭い衝撃が戦場に疾走る中、麻緒が魔力の翼を巨大化させて翔ぶ。
アクラシエルへとナイフを突き立てに掛かった麻緒。その一撃は見事に敵の腕を切り裂いた。だが、それはアクラシエルが急所を切られまいと動いた結果だ。同時に敵から反撃としての聖歌が紡がれ始める。
「主よ、憐れみたまえ」
「その手は食わないよ!」
高らかな歌声に呼び寄せられ、天高くから光の槍が飛来する。麻緒は身を躱しながら側方へと飛び、次はアクラシエルを蹴り飛ばす勢いで間合いを詰めた。
ある程度まで追い詰めるため、最初の狙いは喉や鳩尾。ダメージを受けると歌に影響が出るような攻撃を行いたいが、あれがパラドクスである以上は、たとえ喉を潰されたとしても発動するだろう。
それに加えて相手がそう易々と攻撃を受けてくれるとは限らない。それゆえに麻緒は真剣に立ち向かっていく。
麻緒は進む軌跡に残像が残るほどに加速する。
抵抗なんか許さない、と言葉にした麻緒は攻撃の手を止めず、勢いに乗せた斬撃と蹴りを織り交ぜていた。
そして、仲間達の援護を担う動きをしているのはグリブイユだ。
アルカヘストシャワーの力を巡らせグリブイユは、前線に立ち、飛び回る仲間を静かに見つめている。
「……僕の腕じゃ、まだまだかもしれないけど……」
大打撃を与えるような激しい攻撃は難しいかもしれない。だが、それでも――アクラシエルの何処かに当たれば隙のひとつくらいは生まれるはず。そう信じて戦うグリブイユは懸命に行動していく。
早業で以て、万能溶解液を精製していく万能溶解液グリブイユは攻撃を途切れさせないよう努めた。
敵が紡ぐ聖歌は慈愛に満ちている。
その歌声は闘争心と精神力を削り取るものであり、グリブイユや華楠を疲弊させていた。
「失敗するのは怖い……けど……皆さんがいてくれるから……」
「大丈夫だよ、みんな一緒だから!」
麻緒も降り注ぐ槍をナイフで弾き飛ばしながら、仲間に呼び掛けた。攻撃が上から訪れるのはわかっているゆえ、麻緒は上手く攻撃をいなし続ける。
致命傷にさえならなければよし、という気概でいるからこそ、麻緒は大胆不敵な動きで敵へと斬り込んでいけていた。
「はい、だから……僕も……頑張ろうって……思えるんです」
頷いたグリブイユが敵に視線を向けると、アクラシエルが一歩を踏み出す姿が見えた。
華楠が放つ閃耀が敵を阻み、麻緒の蹴撃がその力を削っている。しかし、グリブイユは思わず後ずさってしまった。
「――ヒッ!! ぼ、僕に近付かないでください!!!」
「あら、どうしてですか? そんなに怖がって、お可哀そうに」
「……クロノヴェーダの施しなんていらない! 僕は……か、可哀想なんかじゃない!!!」
アクラシエルは一度歌うことを止め、不思議そうに首を傾げる。対するグリブイユは精一杯の声を張り上げ、自分の心を奮い立たせた。勇気を出したグリブイユの言葉に頷き、麻緒も思いを言い放つ。
「同情なんて必要ないよ!」
「それに――あなたは、愛すべき隣人じゃない!!」
この闘争心が尽きる前にアクラシエルを殺し切る。そう心に決めた華楠も思いの丈と共に灼熱の力を放った。
本当に愛すべきものであり、慈悲を向けるのは――この地に住む善良な人々なのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】がLV2になった!
【土壌改良】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
マルケト・キサウェ
“隣人を愛せよ”、ですか。その思想自体にとやかく言う気はありませんが、わたくしは貴女方のことを単なる外敵としか思っていませんよ。
少なくとも現時点では、クロノヴェーダは全世界の敵。利害の一致等で一時的に協調する可能性こそあれ、最終的には倒さねばならない相手です。
そもそもの話、貴女は市民の皆さんを騙そうとしていた訳で。聞こえのいいことを言うのは詐欺師の常套手段!聞く耳なんて持ちません!
……と、耐えるだけで精一杯、という素振を見せて気を惹いている間に《風が吹く時ゆりかご揺れる》にて出現させた霧の効果が出てくれるといいんですけど。
演技するのは得意ですからね。騙される側の気持ち、とくと味わって頂きます!
本郷・夏深
主の教えなんざ不要です
カフカの世界ではカフカが主みたいなところもありますので!
なのでそのご立派なご高説は鏡に向かって吐くのが最も有意義かと
敵が放つ衝撃波は開いた扇で防いで、或いは弾いて
多少避けきれなくとも構わず距離を詰めて参ります
『我らの罪』?罪深いのはお前らクロノヴェーダだけでしょうに
ああ、はいはい。いい加減に身の程を弁えた方がよろしいですよ
畳んだ扇へ鬼人のオーラを纏わせて、その歌声も意思も骨ごと砕いて差し上げます
何やら様々な聖歌を歌われてましたけど
子供達のお遊戯会の方が圧倒的に良い歌声だったように思いますね!
もっと腕を磨いてから出直してくると良いですよ
まあ、その腕を磨く機会は存在しませんが
ラキア・ムーン
ふん、随分と身勝手な聖歌だな
やはり貴様等とは相容れんようだ
純粋に人の為に歌うだけの存在ならば、戦う事もなかったろうに…
ま、いいさ
貴様等は此処で潰す
再度《RE》Incarnationを構えて飛翔
最高高度まで上昇、アラクシエルの位置を『情報収集』して狙いを定める
そして降下しながら最大速度まで加速
加速中に【Call:Breaker_Lance】起動
穂先を拡張して『突撃』
アラクシエルに『貫通撃』を仕掛けよう
奴の攻撃は此方も『衝撃波』を放って威力を減衰させて受ける
少しでも威力が減れば受けきれるさ
悪いがこの後にパーティの予定が入っているんでな
早く退散してくれないと、困るんだよ
●愛すべきは
「隣人を愛せよ、ですか」
アクラシエルの歌声を聞き、マルケト・キサウェ(docta ignorantia・g03412)は首を傾ける。
それは自分を愛するのと同じように隣人も愛すべきだという教えだ。歌にされているそのことについて、マルケトは否定するつもりはない。だが、その言葉を使っている相手に問題がある。
「その思想自体にとやかく言う気はありませんが、わたくしは貴女方のことを単なる外敵としか思っていませんよ」
「ふん、随分と身勝手な聖歌だな。やはり貴様等とは相容れんようだ」
ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)もアクラシエルの聖歌に軽く耳を傾けたが、深く聞き入るようなことはしなかった。あの歌が、ただ純粋に人の為に歌われるだけの存在だったならばどれほど良かったか。
「その行為が本当の施しであったら戦う事もなかったろうに……」
「主の教えなんざ不要です。カフカの世界ではカフカが主みたいなところもありますので!」
本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)も思いを語る。
そのご立派なご高説は鏡に向かって吐くのが最も有意義だ、と。
されど、そうはならない。攻撃として転化されたアクラシエルの聖歌は容赦なく復讐者に向けられるだろう。マルケトは身構え、ラキアも再び再誕の突撃槍を握る。
「ま、いいさ。貴様等は此処で潰す」
ただそれだけだと告げたラキアは翼を広げ、最高高度まで上昇した。アクラシエルの位置を確かめたラキアは狙いを定め、仲間の攻撃に合わせて動くことを決める。
マルケトは敵の気を引くため、アクラシエルの前へ進み出た。
少なくとも現時点では、クロノヴェーダは全世界の敵。未来を奪い、過去をいいように改竄する存在だ。
これまで利害の一致等で一時的に協調することはあった。この先もそういった可能性もあるだろう。だが、どんな存在であっても最終的には倒さねばならない相手だ。
そのことを深く理解しているからこそ、マルケト達はかの大天使に戦いを挑んだ。
やはりそれは間違いではない。
「そもそもの話、貴女は市民の皆さんを騙そうとしていた訳で」
「ふふ、私はただ人間に施しを与えようとしていただけ。ですが、そのように思われていたのなら仕方がありません」
「聞こえのいいことを言うのは詐欺師の常套手段! 聞く耳なんて持ちません!」
マルケトはアクラシエルの聖歌に耐えながら、首を横に振る。マルケトは耐えるだけで精一杯といった素振を見せているが、その実は余裕を持っていた。こうして相手の気をひいている間にパラドクスを巡らせていくためだ。
その間、夏深は威圧的な鬼人のオーラを扇に纏わせ、連撃を仕掛けていっていた。アクラシエルが放つ力強い歌声は強い意志を宿しており、物理的な衝撃波となって迫ってくる。
されど夏深は扇を開くことで衝撃波を防ぎ、華麗に身を躱す。
「これならば簡単に弾き返せそうですね」
歌から衝撃が放たれると知って警戒はしていたが、この様子ならば押し切れる。そのように感じた夏深は口端を不敵に歪め、衝撃波の中を素早く駆け抜けた。
多少ならば避けきれなくとも構わない。其処か一飛に距離を詰めた夏深はアクラシエルに肉薄した。
「――我らの罪を赦し給え」
「――罪? それも我らの? 罪深いのはお前らクロノヴェーダだけでしょうに」
アクラシエルが歌いあげた声に対し、夏深は怪訝な顔を見せる。先程の笑みとは打って変わり、心底相手を見下しているような表情だ。次に繰り出された一撃は細腕から繰り出されたとは思えないほどに重く豪快な打撃となった。
「いいえ。罪は、人々に等しく……」
「ああ、はいはい。いい加減に身の程を弁えた方がよろしいですよ」
アクラシエルが何かを語ろうとしたが、夏深はその言葉を最後まで言わせることはなかった。畳んだ扇に再び鬼人のオーラを纏わせた夏深は、その歌声も意思も、骨すら砕く勢いで攻撃を重ねる。
其処へラキアが急降下攻撃を仕掛けた。
最大速度まで加速する中、巡らせるのは二重螺旋状の槍撃。
穂先を拡張して突撃すれば、アラクシエルの身が炎と風の力で深く穿たれる。あちらからの攻撃もあったが、ラキアは衝撃波を放ち返すことで対抗した。
少しでも威力が減れば受け切れると読んだのはラキアも同じ。
「悪いがこの後にパーティの予定が入っているんでな。早く退散してくれないと、困るんだよ」
「退かないというなら……騙される側の気持ち、とくと味わって頂きます!」
マルケトは今こそ好機だと感じ取り、周囲を見渡した。
――風が吹く時ゆりかご揺れる。
出現させた霧の効果はもう十分だ。それまでマルケトの演技に騙されていたアクラシエルがはっとしたが、気付いた時にはもう遅い。敵対者にのみ悪影響を及ぼす神経毒は大天使の身体を蝕んでいた。
「そんな……こんなことって……」
アクラシエルはラキアとマルケトの連携に怯み、聖歌を止める。
夏深は次の一手で決まると察し、扇を鋭く構えた。
「何やら様々な聖歌を歌われてましたけど、子供達のお遊戯会の方が圧倒的に良い歌声だったように思いますね!」
あくまで個人的な感想ですが、と告げた夏深は再び敵との距離を詰める。
迫る扇。広がる力。
声も出せぬまま、アクラシエルは死を覚悟することしか出来ず――。
「もっと腕を磨いてから出直してくると良いですよ。まあ、その腕を磨く機会は存在しませんが」
夏深が片目を瞑った直後、アクラシエルの身はその場に力なく崩れ落ちた。
倒れた大天使は最期の力を振り絞り、断末魔代わりの言葉を紡ぐ。
「……ハレルヤ」
それは歌うような賛美の言葉だった。
最期の最後まで願いの成就と幸福を称えた大天使はこうして、復讐者の手によって葬られた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
🎁 🎉 🎁 🎉 🎁 🎉 🎁 🎉 🎁 🎉
●お祝いと贈り物を
ディアボロス達によって危機は退けられた。
あとに残ったのは大天使達が用意していた、綺羅びやかな飾りつけやツリーなどの装飾だ。
クリストキントが力を宿していた贈り物の効果は消え去っており、危険がひそんでいることはない。よくよく見れば、テーブルの下には贈り物箱に詰められる前のプレゼントが隠されていた。
ぬいぐるみにお菓子の詰め合わせ、文房具やアクセサリーなど、人々に喜ばれそうなものもある。
大天使が用意してきたものであったとしても、広場の装飾や贈り物そのものに罪はない。違う箱にラッピングし直して近隣の住民に配るのもいいだろう。
もちろん、今回のためにディアボロス自身が持ってきたプレゼントも喜ばれるはず。
広場の飾り付けも自分達らしいアレンジをしてみたり、皆が食べられる軽食を用意するのも名案だ。
クリスマスを祝うには少し遅いかもしれない。だが、祝祭気分はいつ与えられてもいい。ディアボロス達が準備を整えていると、普段とは違う様子に気付いた周辺住民がちらほらと訪れはじめた。
「わあ、すっごくきれい!」
「もしかしてパーティー?」
「私達も参加していいのかしら」
「すごい、すごいね! こんなにキラキラした景色、久しぶりにみたよ!」
子供達をはじめとして、人々はパーティー会場に目を輝かせている。
クロノヴェーダ達は感謝の気持ちを糧として利用しようとしていたが、ディアボロスはそんなことはしない。ただ純粋に人々に祝祭を楽しんでもらいたいという気持ちは何よりも尊い。
ひとときの楽しい時間は今、これから始まっていく。
きっと、今日は――ディアボロスがサンタクロースになる日。
🎁 🎉 🎁 🎉 🎁 🎉 🎁 🎉 🎁 🎉
音羽・華楠
アヴァタール級を倒したばかりですが、早くも人々が集まってきましたね。
急いで準備をしましょう。
……衣装を着替える時間は無いですね。
皆さんお腹を空かせてるのは間違いないでしょうし、何よりもまずは食べ物が必要です。
その上、真冬に屋外である以上、やはり寒いはずですから。
温かい料理を急いで作ります。
……クリスマスらしくはありませんが、お汁粉・ぜんざいはどうでしょうか?
子供たちが真っ先に集まってるみたいですし、温かいだけでなく甘いものが良いかなと。
新宿島から持ち込んだ材料と調理道具で手早く作ったら、【口福の伝道者】で一気に増やして配りましょう。
慌てて食べて、お餅を喉に詰まらせないようにして下さいねー!?
グリブイユ・ノラ
人が沢山集まってきたことに吃驚して、飛び上がってしまいそうです……!
猫変身で地味な外套纏った茶トラになれば、慣れた様子で避難して、隠れて様子を伺います
それで、もし……もし、一人で寂しそうにしている子供を見かけたら……勇気を出して……少し手伝います
猫の姿を利用して興味を惹くと、子供達の輪に入る切っ掛けになろうかな、って……
そのまま捕まりそうで捕まらない距離感を保ちながら、子供達を隠されているプレゼントまで案内します
……宝探しみたいだって……喜んでもらえたらいいな……
僕は……臆病で、それは猫になっても変わらなくて……
急に抱っこされると驚くので……でも、優しく撫でるぐらいなら……大丈夫、だと思います
●楽しくて甘やかな時間
これから始まるのは人々に喜んでもらうためのパーティー。
アヴァタール級クロノヴェーダを無事に倒した後、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は周囲を見渡す。
「急いで準備をしましょうか」
辺りには、先程の物音や広場の飾り付けに気が付いた人々が集まってきていた。
もしも後少しでも撃破が遅れていたら、近隣住民への被害があったかもしれない。自分達が迅速に事を成し遂げられたことを改めて確かめ、華楠は微笑む。
「良かった……。けれど、衣装を着替える時間は無いですね」
幸いにもテーブルの用意やツリーなどの飾り付けは終わっている状態だ。今、このときだけはパーティーの用意を終えていてくれた天使達に少し感謝してもいいだろう。
それならば後はパーティーに欠かせない美味しいものを提供していくのみ。
「皆さんお腹を空かせてるのは間違いないでしょうし、何よりもまずは食べ物が必要ですからね」
楽しげな雰囲気とはいえど、今は真冬であるうえに此処は屋外だ。
やはり寒いはずだと考えた華楠は、急いで温かい料理を急いで作っていく。
一方、同じ頃。
グリブイユ・ノラ(マヌケな・g08943)は広場に人が沢山集まってきたことに驚いていた。
「……!」
人の話し声が幾つも聞こえたことで吃驚して飛び上がってしまいそうな勢いのまま、グリブイユは猫に変身した。
テーブルの影に潜むグリブイユは今、地味な外套を纏った茶トラ猫になっている。避難すること自体は慣れた様子であり、グリブイユはじっと物陰で様子を見つめていた。
「パーティーしてるんだ」
「俺達も混ざって良いのかな」
「わあ! あっちの綺麗な女の人、何か作ってるよ!」
人々は興味を持った様子でパーティー会場に入ってきている。贈り物や食べ物が自分達のために用意されたものだと知ると、皆が笑顔になっていった。グリブイユはそっと、人々の様子を眺め続けていく。
そんな中、不意に近くで声があがった。
「あ……猫ちゃん……」
その声の主は何処か寂しげな雰囲気を纏った少女だ。
見れば、他の人々は親子や友人同士で訪れているようなのだが、この少女だけはひとりきりだ。おそらく家族がいないのだろう。そのことを察したグリブイユはほんの少しだけ勇気を出してみることにした。
にゃ、と小さく鳴いたグリブイユは少女の傍をすり抜けた。
「猫ちゃん?」
少女は首を傾げ、グリブイユの後についていく。
その後、彼は同じ年頃の少年や少女達が集まっている場所に敢えて駆けていった。猫だ、ネコー、といった無邪気な声があがっており、興味をひくことは成功している。
グリブイユはそのまま、捕まりそうで捕まらない距離感を保ちながら、子供達を導いていく。
「まてまてー」
「猫ちゃん、案内してくれてるのかな?」
「ね、キミも一緒についていこうよ!」
いつの間にかひとりぼっちだった少女と他の子供達が打ち解けていた。そうして、グリブイユはプレゼント箱が幾つも置かれた場所に子供達を誘う。はっとした少女達は嬉しそうに贈り物を見つめた。
「すごい! 猫と一緒に宝探しが出来たみたいだ!」
「ありがとう、猫ちゃん」
喜ぶ少年達の傍ら、最初の少女はふわりと笑って手を伸ばしてきた。一瞬だけびくっとしたグリブイユだったが、少女が優しく頭を撫でてくれる手を受け入れる。その指先はグリブイユが知っている怖いものとは全然違う。
僅かに、本当に少しだけ――グリブイユの心にも、嬉しい気持ちが巡った。
そうして、広場には良い香りが漂い始める。
「出来ました。皆さん、こちらにどうぞ。遠慮なく食べていってくださいね」
それは華楠が用意したお汁粉やぜんざいの香りだ。
人々は嬉しそうに華楠の周囲に集まり、有り難く頂くよ、と告げてくれた。クリスマスらしくはないかもしれないが、冬という季節全体でみればぴったりだ。
華楠がこの料理を選んだのは子供達のため。温かいだけでなく甘いものが摂れれば和みにもなり、より喜んでもらえるだろうと考えてのことだ。華楠自身も一緒に食事としてお汁粉を食べ、口福の伝道者の力で一気に増やして配る。
そんな中、勢いよく食べていた子供から声が響いた。
「あちちっ」
「慌てて食べて、お餅を喉に詰まらせないようにして下さいねー!?」
はたとした華楠は子供の面倒を見に行った。
そのおかげで大事には至ることなく――そうして此処から、楽しいパーティーが続いていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【猫変身】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
雪定・千草
ひよりんさん(g07095)と
本当に楽しいクリスマスを皆さんにお届けしましょう
流れてくる音楽に俺もわくわく
人を楽しませるには先ず自分から、ですね
より目を惹くようにシャボン玉を飛ばします
幾つか道具を用意し、やりたそうな子がいれば差し上げます
心強い協力者です
物作りが好きなので、細かい作業は得意な方かもしれません
…たまにやらかしますが
おや、ひよりんさんのセンスが光っていますね
俺は色々なお顔をした雪だるまのオーナメントを
とびっきりの笑顔は、ひよりんさんをイメージしました
あなたはどの雪だるまが好きですか?
と皆さんに声かけを
是非選んでみてくださいな
微笑んでひよりんさんとハイタッチ
ええ、笑う門には福来るです
恵野・日和
ちぐさっち(g03137)と
盛り上げて安心させるなら先ずは音楽じゃね?
ロックにアレンジしたクリスマスソング流してぇな
持ち込んだ簡易スピーカー
音量OK?んじゃパーティー始めようぜ
んで、飾り付けのオーナメントとか作って周りの人にプレゼント
そしたら皆で一緒に盛り上がれるじゃん?
ちぐさっち細かい作業得意なん?
アートなら任せろぃ最高に派手でキラッキラのオーナメント作る
喜んで受け取ってもらえたなら最高
めっちゃ笑顔になっちまう、声掛けもして
なぁなぁ良かったらソレ、ツリーに飾って行かね?
一緒に楽しもうぜ!
うまく行ったなら
ニッと笑ってちぐさっちへ片手上げ
ハイタッチしよーぜ
楽しい時間には笑顔が一番ってな!
●笑顔があふれる時間
今日、此処に訪れた目的。それは――。
「本当に楽しいクリスマスを皆さんにお届けしましょう」
「盛り上げて安心させるなら先ずは音楽じゃね?」
雪定・千草(霞籠・g03137)と恵野・日和(sick hack・g07095)はパーティーの準備が整えられている広場を見渡し、集まってくる人々の姿を瞳に映す。
日和は持ち込んだ簡易スピーカーを広場に設置し、ロックにアレンジしたクリスマスソングを流していった。
「これでどうだ?」
「音楽があると一気に楽しくなりますね」
千草は流れてくる音楽にわくわくしつつ、自分が用意してきたものを取り出す。
人を楽しませるには先ず、自分から。パーティー会場がより人々の目を惹くように千草はシャボン玉を飛ばした。すると興味を持った子供達が千草の近くに集まってくる。
「わあ、シャボン玉!」
「おれもやりたい! やらせてー!」
「はい、どうぞ。たくさん飛ばしてみてくださいね」
子供達の願いに快く応えた千草はシャボン玉のセットを渡していく。ストロータイプの吹き型、大きな輪でシャボンを作っていくものなど、幾つかの道具を用意していた千草は、あっという間の子供達に大人気になった。
彼らもまた心強い協力者だと感じた千草の隣で、日和も音楽の音量を調整していく。
会場は賑わいに満ちてきており、雰囲気も上々だ。
日和はそのまま飾り付けのオーナメントを利用した小物を作っていった。周りの人にプレゼントしていく様子を見た千草も一緒に加わり、飾りの輪は広がる。
「これなら皆で一緒に盛り上がれるじゃん?」
「はい、ばっちりですね」
「ちぐさっち細かい作業得意なん?」
「物作りが好きなので、細かい作業は得意な方かもしれません。……たまにやらかしますが」
「そうなん?」
二人は会話を交わしながら可愛らしい飾りを作り上げていく。
その様子を見た少女や少年達もいつのまにか仲間に混ざっており、楽しい時間が巡っていった。
「兄ちゃん、すっげー上手!」
「アートなら任せろぃ」
最高に派手でキラッキラのオーナメントを作ってやる、と少年に宣言した日和は楽しげだ。
「おや、ひよりんさんのセンスが光っていますね」
「そっちのお兄ちゃんもすごいね!」
少女の方は千草が作った色々な顔をした雪だるまのオーナメントを見て喜んでいる。その中のひとつ、とびっきりの笑顔をした雪だるまは日和をイメージしたものだ。
「そっくり!」
「ん? この雪だるまと俺が? 本当だな」
少女が笑顔の雪だるまを持ち上げて日和の横に掲げた。オーナメントを喜んで受け取ってもらえたなら最高だと感じ、笑みを浮かべていた日和も同じような笑顔になっている。
千草は微笑ましい光景に目を細め、周囲の子供達に声を掛けていった。
「あなたはどの雪だるまが好きですか?」
「これー!」
「なぁなぁ良かったらソレ、ツリーに飾って行かね? 一緒に楽しもうぜ!」
「うん、行こうお兄ちゃん!」
広場のクリスマスツリーへと駆け出した子供達を追い、日和と千草も歩いていく。周囲の人々はそれぞれにパーティーを楽しんでいるらしく、久々の楽しい時間を満喫しているようだ。
盛り上げが上手くいったと感じた日和は千草に向け、ニッと笑って片手を上げる。
「やったな、さっち」
「はい、ひよりんさん」
微笑んだ千草は日和とハイタッチを交わした。
音楽は格好良く、楽しく流れ続けており、辺りには笑顔の花が咲いている。
「楽しい時間には笑顔が一番ってな!」
「ええ、笑う門には福来るです」
いつか、この土地にも普通の平和が訪れるように。笑みが巡る光景を見つめた二人は未来への思いを抱いた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
三苫・麻緒
【薄荷飴】
受け入れられない隣人愛を説く天使には退場してもらったことだし、楽しい時間の始まりだね
…あっ、莱くんナイスタイミングー!
戦闘中はあまり周囲のことを考えてなかったから気になるんだけど、戦闘の余波で飾り付けが崩れちゃったところとかないかな?
莱くんと一緒にちょっと見回りつつ、壊れたり汚れたものは莱くんに頼んでた飾りと交換しちゃおう
汚れたところを隠す形で足すのもいいね
高いところは【飛翔】を使って確認するよ
余ったらツリーとかに足していっちゃえ!
けだまも飾り付けの一部になってるみたいだけど、ふふ、本当にそういう飾りみたい
ん、写真?
撮ろう撮ろう、たくさん撮ろう!
あとでみんなにも見せて自慢しないとねー
葉古森・莱
【薄荷飴】
メモのものを持って後から来てってお願いされたから来てみたら…そういうことだったんだね
ここからのお手伝いはぼくたちも頑張るね
メモのもの…カフェで使っていたクリスマス飾りをマスターから預かって持ってきたよ
これで周囲やツリーを飾り付けていけばいいんだよね
クロノヴェーダのセンスに負けないくらいきらきらにしたいね
一般の人もお手伝いしてくれるようであれば、ぼくも【飛翔】を使って高いところ中心に飾り付けをした方がいいかも?
…けだま、飾りのふりをしてツリーに留まらないの
でもまん丸だし意外と…ぴったり、かも?
きれいに飾り付けができたら写真を撮りたいなあ
きらきらの思い出、記録にして見返せるようにしたいの
本郷・夏深
メリークリスマス!
平和で楽しいパーティーの始まりですよ
華やかにラッピングし直したプレゼントの山の中から
気になるものをひとつ、自由に選んでお持ち帰りください
これだ、とピンときたプレゼントの中にはあなたが喜ぶものが入っている筈ですよ
このカフカが言うのですから間違いありません!
さあ、大人も子供も遠慮せずどうぞ
あ、どうしても選べない時にはカフカが特別に選んであげましょう
私は絶対に喜んで頂けるものを選び出す才にも恵まれてますのでね!
それと、中央区の事件の時にお会いしたお婆さん達にもプレゼントをお贈りしたく
クリスマスの喜びは懸命に生きる全ての人々へ平等に与えられるべきですからね
あと、カフカに会える喜びも!
●思い出を記念に
良からぬことを企む大天使の目論見は潰えた。
受け入れられない隣人愛を解く時間は終わりだとして、三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)は周囲を見渡した。後は楽しい時間が巡っていくだけ。
そのとき、呼んでいた人物が麻緒の視界に入った。
モーラット・コミュを連れ、きょろきょろと周囲を見渡している少年は――。
「……あっ、莱くんナイスタイミングー!」
「麻緒さん!」
名を呼ばれたことで葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)がぴこっと尻尾を上げた。
彼の腕には荷物が抱えられている。その中にはクリスマスらしい飾りが詰め込まれている。カフェで使っていたクリスマス飾りをマスターから預かってきたものだ。
「メモのもの……はい、どうぞ」
「そうそう、これこれ!」
「これが必要なの?」
首を傾げた莱が問うと、麻緒はパーティー会場となっている広場を示す。
戦闘中はあまり周囲のことを考えていなかった。だが、それだからこそ気になることがある。たとえば戦闘の余波で飾り付けが崩れてしまっていないか、或いはまだ手付かずのところがないか。
「莱くん、一緒にちょっと見回ろう」
「メモのものを持って後から来てってお願いされたから来てみたら……そういうことだったんだね」
「そのとおり!」
「ここからのお手伝いはぼくたちも頑張るね。ね、けだま」
「きゅ!」
もしも壊れていたり、汚れてしまったものがあれば莱が持ってきた飾りと交換すること。それが麻緒の考えていたパーティーへの参加の仕方だった。莱も積極的に飾り付けを手伝っていき、辺りは賑やかな様相に変わっていく。
「汚れたところを隠す形で足すのもいいね。あっちの高いところも!」
麻緒がふわりと飛翔すると、近くにいた子供達がわあっと声を上げた。そのままツリーの方にまで飛んだ麻緒は残った飾りを木の上の方に結びつけていく。
同様に低い場所は莱が担当していった。
「これで周囲やツリーを飾り付けていけばいいんだよね」
クロノヴェーダのセンスに負けないくらいきらきらにしたい。元の飾り付けも悪いものではなかったが、やはり復讐者らしさを出して差をつけたいところ。
麻緒が目立っていることで、子供達はツリーの下――莱の方に集まってきた。
「俺もやっていい?」
「わたしもー!」
「うん、じゃあ下の方はお願いしていいかな?」
手伝ってくれるという子供達に飾りを渡した莱は飛翔の力を使って飛び上がる。そのまま高いところを中心に飾り付けをしていく中、けだまがちょこんとツリーの上に乗っかった。
「……けだま、飾りのふりをしてツリーに留まらないの」
「もきゅーもきゅきゅきゅす」
「メリークリスマスって? でもけだまはまん丸だし意外と……ぴったり、かも?」
「もきゅ!」
「ふふ、本当にそういう飾りみたい」
麻緒はけだまと莱の様子に気付き、くすりと笑った。ツリーを見上げていた子供達にもけだまは人気だ。ベツレヘムの星、もといけだまの星は暫しクリスマスの象徴として君臨し続けたという。
その光景を眺めていた莱はふと思い立つ。
「そうだ、写真……」
「ん、写真?」
「きれいに飾りつけができたから。きらきらの思い出、記録にして見返せるようにしたいの」
「撮ろう撮ろう、たくさん撮ろう!」
莱の提案にぱっと表情を輝かせた麻緒は、早速カメラを構える。撮影していきたいものはたくさん。パーティー全体の様子や、自分達が飾り付けした箇所、それから子供達の笑顔。
麻緒と莱も自撮りモードにして自分達をしっかりと撮影していく。
「うまく撮れた?」
「うん、ばっちり! あとでみんなにも見せて自慢しないとねー」
莱は画面を覗き込み、麻緒は写真の中の自分達と同じ満面の笑みを浮かべた。そうして、二人は別の場所も撮影していく為に違う場所にも向かっていく。
これからもまだまだ、楽しい時間が続いていくと感じながら――。
●繋がる縁
「メリークリスマス!」
快く響き渡るのは、祝祭への言葉。
本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)は人々で賑わうパーティーを巡り、平穏を報せていく。
夏深は今、華やかにラッピングし直したプレゼントの山の前に立っていた。その様子に興味を持った女性と子供――おそらく年の離れた姉と弟らしき二人組が夏深に近付いてくる。
「お兄さん、それはなあに?」
「こちらから気になるものをひとつ、自由に選んでお持ち帰りください」
「本当!?」
「いいの?」
夏深の言葉に驚いた二人は顔を見合わせた。静かに笑む夏深は、どうぞ遠慮なく、と告げてから贈り物の山を示す。
「これだ、とピンときたプレゼントの中にはあなたが喜ぶものが入っている筈ですよ」
「わあ……!」
「どれにしようかな」
「お好きなものをどうぞ。このカフカが言うのですから間違いありません!」
「じゃあこれにする!」
少年は夏深の言葉に頷き、とびきり大きな箱を選んだ。姉の方も遠慮がちに、けれどもたくさんの感謝を抱いて小箱を手に取った。それぞれ入っていたのは玩具の電車セットと可愛らしいアクセサリー。
夏深の言う通りだったと喜ぶ姉弟を夏深は微笑ましく見守る。その様子に気が付いた周囲の人々も夏深の周りに集まってきた。ようこそ、と快く迎えた夏深は人々に贈り物を勧めていく。
「さあ、大人も子供も遠慮せずどうぞ」
「ありがとう!」
「うーん……どれが良いんだろう」
老若男女がプレゼントを選ぶ中でとても迷っている少年がいた。夏深は彼に歩み寄り、明るい笑顔を向ける。
「どうしても選べない時にはカフカが特別に選んであげましょう」
「お願いしていい?」
「私は絶対に喜んで頂けるものを選び出す才にも恵まれてますのでね!」
おまかせを、と答えた夏深は先程にラッピングし直した箱の中からあるひとつを選んだ。少年は恐竜柄の服を着ていたため、恐竜のフィギュアが入ったプレゼントがいいと判断したのだ。予想通り、箱を開けた少年は大喜び。
「すごいや兄ちゃん。僕の欲しいものがわかったんだね!」
「このカフカに二言はありませんから!」
「ありがとう、カフカ兄ちゃん!」
贈り物を大切に抱える少年が走っていった後、違う女性達が夏深の近くに歩いてきた。
「あら、貴方がカフカちゃん?」
「ハナお婆ちゃん、こっちよ。麗しのカフカちゃんがいらっしゃるわよー!」
「麗し? ……お婆さん?」
女性が声を掛けた方に夏深が目を向けると、其処にはにこにこと笑う老婆が見えた。すぐに以前に会った人だと理解した夏深は自らご老人の方に駆けていく。
「おやおや、カフカちゃん。元気だったかい?」
「この通りですよ。お婆さん……いえ、ハナさん」
「うふふ、ありがとうねえ」
夏深は彼女へにこやかに笑い掛け、膝掛けとマフラーが入った贈り物を手渡す。そして、ハナからは嬉しそうな笑みが返ってくる。周囲の女性は初対面だったが、どうやらハナから夏深の話を聞かされていたようだ。
「聞いてよカフカちゃん。お婆ちゃんてば、あれからずっと貴方の話をしてばかりだったのよ」
「だから私達もどんな人か気になっていたの」
「ね、話した通りにカフカちゃんは良い子でしょう」
女性達とハナはあの出来事から未来への希望を抱いてくれていたようだ。
自分達の行動が確かに今に繋がっているのだと実感しながら、夏深は大きく胸を張る。
「クリスマスの喜びは懸命に生きる全ての人々へ平等に与えられるべきですからね。あと、カフカに会える喜びも!」
「やっぱりカフカちゃんは優しくて可愛いねぇ」
ハナはそんな夏深を優しく見つめ、受け取った贈り物を大切そうに抱いた。
そして――。
楽しい会話と思いが巡るパーティーが続いていく中、夏深達の元に麻緒と莱、モーラットのけだまがやってきた。
「こんにちはー! ねぇ、写真を撮らせてもらっていいかな?」
「あの、きらきらの思い出を残したくって……」
「もきゅー」
「構いませんよ。カフカだけではなくハナさん達やあちらの姉弟さん、少年くんも撮ってあげてください」
二人と一匹が申し出たことに対して夏深は勿論だと頷き、周囲の人々を示す。
麻緒と莱は笑みを交わした後人々にもカメラを向けた。夏深もとびきりの笑顔で以てポーズを決めていき、周囲の人々にも笑顔の花が咲いていった。
そうして祝祭の日は明るく楽しい一日として、皆の心に記憶されてゆく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【修復加速】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【強運の加護】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV6になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
乂八・南
紅梅さん(g02116)と
あ、紅梅さん?やっぱりそうだっ
フリマの出会い以来!
久しぶりー!
俺はね、今からこのカップケーキを…
そうだ!ね、紅梅さんも一緒に作らない?
やった、ちょっと用意しすぎちゃったから
じゃーん、みてみて
動物やお花に星、それから恐竜のマジパンを見せ
可愛く飾ってみんなにプレゼントしよ!
色々使って可愛く…
こういう作業はなれてるから…よし、良い感じっ
ゆっくりで平気だよ
紅梅さんも上手だよ
可愛いし、おいしそー!
袋も可愛いリボンで結んで
子どもたちにプレゼント
――はいっ
赤い花にピンクのクリームで飾ったこれは
紅梅さんへのクリスマスプレゼント!
南サンタです!へへ
一緒に作れて楽しかったから
そのお礼な
葦原・紅梅
南くん(g00139)と
くりすますって素敵な祝祭ね
皆もそう思う?
ふふ、それは良かった
子供たちと一緒に広場の飾りつけを手伝ってたら…
…南くん!?久しぶりっ
そっか、南くんはお菓子を配るのね
えっ、アタシも一緒に?
嬉しい、一度やってみたかったの!
いい匂い…上に乗せるのも色んな形で可愛い~!
こういうの、デコるっていうのよね
あれもこれも乗せたくなっちゃう
む…クリームを絞る力加減、意外と難しいっ
流石は南くん
包むのも手慣れてるわね
アタシのはちょっと不格好だけど
気持ちは込めたから大丈夫!
そっと子供たちに手渡して
…えっ、アタシに?
ありがとう、大事に食べるわ
南くんも素敵なサンタさんね
いつかきちんとお返ししなくっちゃ
●贈り物に心を込めて
皆で祝いの日を喜ぶ催し。それがクリスマス。
実に素敵な祝祭だと感じながら、葦原・紅梅(絢爛EXIST・g02116)はパーティーの飾り付けを行っていた。
「おねえちゃん、見てみて。いっぱい飾りつけたよ」
「たのしいねー!」
「皆もそう思う? ふふ、それは良かった」
紅梅は子供達と笑い合い、広場を更に明るく楽しく彩っていく。
その姿を見つけたのは、同様にパーティーに訪れていた乂八・南(WONDERFUL LIFE・g00139)だ。
「あ、紅梅さん?」
「……南くん!?」
名前を呼ばれたことで振り向いた紅梅は、其処に見知った顔があったことに驚く。笑顔になった南は手を振って紅梅の傍に駆けてきた。その際に周囲の子供達に挨拶をするのも忘れていない。
「やっぱりそうだっ」
「久しぶりっ」
「あのとき以来! 久しぶりー!」
以前にフリーマーケットで会った時のことを思い出しながら、南と紅梅は会話を交わしていく。
「南くんは何をしてたの?」
「俺はね、今からこのカップケーキを飾り付けていこうとしてたんだ」
「そっか、南くんはお菓子を配るのね」
南が示したのはまだプレーンな状態のカップケーキ。どうやら持ち寄った飾りでカラフルに飾り付けていく予定を立てていたようだ。南はふと思い立ち、紅梅に箱を差し出してみせる。
「そうだ! ね、紅梅さんも一緒に作らない?」
「えっ、アタシも一緒に? 嬉しい、こういうの一度やってみたかったの!」
「やった、実はちょっと用意しすぎちゃったから」
話は上手く巡り、二人は早速カップケーキ作りをはじめていった。
南はテーブルに用意してきた材料を並べていき、紅梅に披露する。
「じゃーん、みてみて」
定番の動物は勿論、綺麗で可愛いお花型や星型、それからとっておきは恐竜のマジパン。可愛く飾ってみんなにプレゼントしよう、と語った南に、紅梅は快い笑みを返す。
「いい匂い……上に乗せるのも色んな形で可愛い~! こういうの、デコるっていうのよね」
「そうそう、デコカップケーキ!」
あれもこれも乗せたくなっちゃう、と迷いはじめた紅梅を見守る南も満面の笑みを浮かべている。
「色々使って可愛く……」
「む……クリームを絞る力加減、意外と難しいっ」
「ゆっくりで平気だよ。でも、随分慣れてきてるね。紅梅さんも上手だよ」
「そう? じゃあもっと頑張らなきゃ」
「よし、こっちも良い感じっ」
そうして二人は色とりどりで愛らしいカップケーキを作り上げていった。
やがて、包みに入ったたくさんの贈り物が並べられる。袋も恐竜柄や花柄があり、リボンもふんわりと結ばれて良い感じの出来上がりだ。
「可愛いし、おいしそー!」
「流石は南くん。包むのも手慣れてるわね。アタシのはちょっと不格好だけど……気持ちは込めたから大丈夫!」
南と紅梅は視線を重ね、完成したカップケーキを子供達に手渡した。
ありがとう、うれしい、おいしそう、などの喜びの声を聞いていると、それだけで幸せになっていく。ほのぼのとした様子で子供達を見つめている紅梅はとても嬉しげだ。
そんな中、南がそっと彼女の傍に立った。
ねぇ紅梅さん、と彼に名前を呼ばれたことで振り返ると――。
「はいっ」
「……えっ?」
南から紅梅に差し出されたのは、赤い花にピンクのクリームで飾ったカップケーキ。
「これは紅梅さんへのクリスマスプレゼント!」
「アタシに? 南くんも素敵なサンタさんね」
「南サンタです! へへ」
少しだけ照れくさそうに笑った南から受け取ったプレゼントを見つめ、紅梅は更に笑みを深めた。
「一緒に作れて楽しかったから、そのお礼な」
「ありがとう、大事に食べるわ」
二人が和やかな気持ちを抱いていると、先程の子供達が戻ってくる。どうやら向こうの方で誰かがゲームを始めたようだ。南と紅梅に懐いた子供達が一緒に遊びたいと誘いにきたらしい。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、おいでよ!」
「はやくいこう! お手々つないで!」
「わ、ちょっと待って。すぐに行くから!」
「南くん、すっかり人気者ね」
子供に手を引かれていく南の後に続き、紅梅も子供達の輪に入っていった。
いつか彼にもきちんとお返ししなくっちゃ、と考える紅梅は、とても楽しい気持ちを抱いていて――。
●祝祭から繋がる未来
こうして、楽しいパーティーの時間が巡っていく。
未だ大天使の支配下にある地域に住む人々も楽しい一日を満喫してくれただろう。
きっと人々の笑顔こそ守るべきものだ。いつか、彼らが本当の平穏の中で祝祭を楽しめるように。
復讐者達の戦いと活動は、これからも続いていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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