リプレイ

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「隼共……新宿島には行かせねえ。あそこの人々には恩義があるんでな」
　日金・陽洋（陽光・g05072）は風向きを操り、中空を飛び回る嵐隼神群に向け、猛烈に叩きつける。
「敵か！？」
「血祭りにあげてくれる！」
　挑発されたと感じたのだろう、船を取り巻く大軍勢より、頭に血が昇った敵をいくらか釣り出す事に成功。
　敵は生み出した暴風に乗り、高速飛翔。陽洋めがけて突貫して来る。
　陽洋は彼らとの間に渦巻く風を読み、エアライドによる跳躍で小刻みに移動。
　なるべく多くを巻き込む位置へ調整してから、腕を振りかぶった。
「吹っ飛びな」
　突き出す拳より打ち出されたのは破軍衝。一直線に迸る衝撃波が、挨拶代わりとばかりに多数の敵を絡め取り、弾き飛ばすのだった――。

「帰るところを守らないとな。――テイクオフ！」
　敵を新宿島へ近づけるわけにはいかない。佐島・真己（暗闇の中の光・g01521）は足に装着した小型ロケットの推進力で大きく跳び、飛翔も込みで宙へ身を躍らせた。
「飛べるのは自分たちだけだと思ったら大間違いだ」
　陽洋が相手取る嵐隼神群の一団へ、勢いよく迫る。
　けれど一気に飛び込む事はせず、途中で減速をかけ、フェイントを織り交ぜた。
「不規則な動きで惑わしおって……！」
　怒る敵。ロケットを断続的に吹かす事でスピードと間合いを調整し、翻弄していく。
　やがて数体の敵がこちらに釣られて部隊から離れ、少しずつ孤立し始めた。
　真己は急加速をかけて肉薄するや、コンバットナイフを目前の敵の胸へ突き刺す。
　熱砂によるダメージはまだそれほどではない。躊躇う事なく体重をかけてのしかかり、体を入れ替えて頭上を取った。
「落ちろ」
　両足で強烈に肩を踏みつけ――真っ逆さまに地上へ叩き落としたのである。

「新宿島への特攻など断固阻止せねばなりません……その為にも今出来るだけのことをしておきましょう」
　一騎塚・喜一（一騎刀閃・g04498）は吹き荒れる暴風の中を飛翔し、戦況を観察しながら機を窺っていた。
　陽洋が放った攻撃によって、敵集団が四方へ散る。
　喜一はその中の一体の前へ飛び出し、向かい合って構えを取った。
「殺してやるぞ、ディアボロス！」
　凄まじい風を纏い、殺意満々のトループス級。喜一は下段に構えを変え、大振りの一撃を放たんと接近した。
　敵はその攻撃を受け流すためか、盾を掲げる。
　そこで寸前で刀を引いて半身をねじり、速度を殺す事なく頭上へ飛び上がって。
「上から失礼します」
　がら空きの脳天を踵落としで一撃。その敵は断末魔を上げて地上へ墜落し、直前に真己が地面へ叩き込んだ別の敵と激突。
　二人分の深い穴を開けて埋葬されたのであった――。

「飛翔能力に長けた隼の神ソペドの部隊を残しておくと後々、新宿島が厄介な事態に見舞われるのじゃ」
　ソル・スクルド（御狐魔法少女ソル・クロノレジェンディア・g02818）が観察する限り、仲間のディアボロス達と戦う嵐隼神群は中々いい動きをしている。
「しっかりと戦力を減らして、決戦までに少しでも有利な状況にしておかねばならんの！」
　地上へ降りた真己を追い、さらに複数の敵が滑空して来る。
　ソルにも気が付いた敵勢が放つ寒風により、周囲は凍え始めた。
　だから煌陽杖ソルヴァテインを高らかに掲げ、魔術発動へ移る。
「ナインテイルマジック！　集え凍光、吹き荒べ大狼の吐息よ、ニフル・ヴァナルガンド！！」
　ソルから迸る魔力が、虚空に八卦を浮かび上がらせる。
　光と氷雪の力より、具現化するは輝く氷狼。
　狼が咆哮を上げれば、寒風そのものを喰らわんとするかの如く、激しい吹雪が巻き起こり始める――！

　吹雪の効果範囲内にいた敵は、思考や精神力が減退し、反応が鈍くなった。
「動きが弱まった……追撃するぞ」
　陽洋は機を逃さず空中で反転し、地上の敵グループを破軍衝で消し飛ばした！
「そろそろ他の敵が勘づくぞ！　潮時なのじゃ！」
　ソルが吹雪を維持しつつ後退。退路を守りつつ自身も撤退の構えだ。
「後日、また相見えたときにこそ決着を付けると致しましょう」
　喜一は敵へ蹴りを入れて逆側へ飛び出し、離脱を図る。
「ああ。退却する」
　真己もまた、敵へナイフの連撃を浴びせて牽制。すかさず反転し、全速で脱出していく。
「来るなら次は全力で叩き潰す、覚悟しとけ」
　陽洋がダメ押しの破軍衝をぶっ放し、追手が怯んだ隙に、撤退を果たすのだった――。

最終結果:成功
完成日	2022年12月11日