ゾルダート秘密工場からの脱出

 機械化ドイツ帝国の秘密工場の一つに、貧民街の人間達を捕らえてサイボーグ化している工場があるようです。
 この工場では、脳まで機械化する事で、手っ取り早くトループス級のゾルダートを量産しているようです。
 情報が得られたのは、末端の秘密工場ですが、背後にはかなり大掛かりな組織が存在しているかもしれません。
 この、秘密工場を支配するクロノヴェーダを撃破し、囚われた人々を救出してください。

世界の中心で愛国を叫んだ機械(作者 彼方星一
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#機械化ドイツ帝国  #ゾルダート秘密工場からの脱出 


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「ドイツの科学力は世界一ィ!! 進歩! 改良! 発展! 機械化こそが福音であり、誇りである。そうだな、諸君?」
「そのとおりです!」
「ドイツ帝国万歳……!」
 ゴウン、ゴウン、と、唸りをあげる溶鉱炉じみた巨大な機械。絶え間なく動く歯車とベルトコンベアー。複雑にからみあい、蒸気を噴き出すパイプライン。
 空間は得体の知れない機械に満たされており、若者たちはきらきらとした眼差しで、それらを見回していた。そこにいるのは、ようやく大人になったばかりと見える3人の青年たちだった。
 そしてかれらを先導し、吹き抜けの眼下に広がる工場を案内しているのは、動く要塞のごとき鋼鉄の巨躯をもつゾルダートであった。
「諸君らの愛国心については我が配下より聞き及んでいる。ゆえに、この秘密工場に案内したのだ」
「光栄です!」
「うむ。諸君らは……栄えある機械化ドイツ帝国のために働いてくれるだろうな?」
「もちろんです! 俺たち、ずっと軍には憧れて……えっ……?」
 青年の返事を待たず、巨体のゾルダートは、無造作に彼の身体を掴むと、ひょい、と吹き抜けの向こう側へと放り投げてしまった。
 悲鳴の尾を引いて、唸りを上げる機械の開口部へと落ちて行った仲間を見て、残りのものたちは真っ青になったが、背後では四足歩行の獣型のゾルダートがかれらの退路をすでに断っていた。
「なぁに、恐怖も苦痛もすぐに消える。恐怖を感じる脳は取り除かれ、身体は苦痛を感じぬ機械になるのだからな。脳を失えば下級の兵士にしかなれぬだろうが、それでも諸君らの愛国心は、十分に役立ってくれるであろう」
 鉄の巨人の笑い声とともに、若者が投げ込まれた機械の中からは、断末魔の叫び声とともに、人体が引き裂かれ、機械に変えられてゆく無慈悲な音が響いてくるのだった。


「機械化ドイツ帝国では、住民がゾルダートに改造されてしまう事件が頻々と起こっている。連中は人間を脳まで改造し、忠実な機械の兵士を量産しようとしているんだ。そんなことは断じて許してはおけない」
 新たに出現したパラドクストレインを前に、フランク・アイゼンベルク(サイボーグの殲滅機兵・g03487)は熱のこもった声で言った。
「この列車の行先は、機械化ドイツ帝国の田園地方にあるのどかな町だ。しかし、ここにも帝国政府の機械化政策は及んでいて、町はどんどん工業化されつつある。その一環として、町のどこかに秘密のサイボーグ工場が造られているようだ。そこでは住民を素材として下級のゾルダートが量産されている。残念ながら、その場所までは特定できなかった」
 そのため、帝国のゾルダート量産計画をくじくには、まず秘密の工場を見つけ出さなくてはならない。秘密工場は指揮官であるゾルダートを撃破すると爆発して崩壊するシステムになっているので、指揮官機を撃破することが最終目標だ。

「まず『餌』を撒いて、獲物が喰いつくのを待つのがいいだろう」
 と時先案内人は告げる。
「この町でのゾルダート量産計画の指揮官は、『愛国心にあふれた人間』を集め、改造しようとしている。そうすればより忠実で優れた兵隊ができると考えているようだ。どうせ脳は改造して人格や感情は奪ってしまうくせに聞いて呆れるが、これを利用しない手はない。皆は、町で機械化ドイツ帝国に対する愛国心を発揮してくれ。たとえば、街頭で帝国政府を讃える演説をするとか、ドイツの名産品を買い占めるとかだな。目立つ行動をしていれば、連中のほうから接触してくるだろう」
 ゾルダートはこの「スカウト」に手下の一般人を使っているため、ゾルダートを相手にするよりは与しやすいだろう。愛国心にあふれる住人としてスカウトされ、敵の秘密工場へ招かれるのが目的だ。ディアボロスが一人でもスカウトされれば、工場の位置を特定できるので、あとは強襲して敵指揮官を撃破すれば任務完了となる。

「ところで……、この町には、住民の中に『政府の機械化政策に反対している人物』がいるようだ。動物学者のようなんだが、『サイボーグ化は自然に反しているので悪』だと主張しているらしい。ディヴィジョン攻略旅団で『ドイツ国内に反ゾルダート的な有識者、著名人などがいないか調査する』という調査依頼が出ていただろう? この事件とは直接関係しないが、接触してみるとなにか発見があるかもしれないな」

 時先案内人は列車を見遣る。
「さあ、そろそろ出発の時間だ。……おれも機械化ドイツ帝国によって機械の身体に改造されてしまった。さいわい、おれは脳まで失わずに済んだが……。やつらのせいで身体どころか、心まで奪われてしまう人間をこれ以上増やしたくない。どうか、やつらの計画をぶっつぶしてきてほしい」


「このバカものどもが! 豊かな自然を壊し、動物たちの棲みかを奪うことは、われわれ人間をも害することだとなぜわからん!」
「何言ってんだ、時代遅れのジジイが。科学があるからドイツは戦争に勝てたし、暮らしもどんどん良くなってるんだぜ」
「そうだ、そうだ。病気やケガをしてもサイボーグ化手術を受ければ助かるんだぞ」
「人体を機械に改造するなぞ言語道断だ!」
「うるせえ、今さら原始時代に戻れるかよ!」
 老人は、3人の若者たちとはもはや議論にならぬと見たか、哀しげにかぶりを振るとかれらに背を向けて立ち去ってしまった。
 一方、青年たちは口々にドイツ帝国への賞賛を叫びながら、意気揚々と街を歩く。
 そこへ、ひとりの男が近づいてきた。
「やあ、見ていましたよ。あの変人の学者を論破するところをね。きみたちの愛国心は素晴らしい。……きみたちをある人に紹介したいのですが。実は私は軍のために働いているのですよ。きみたちのような愛国心あふれる若者に会いたいという方がおられるのです」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
5
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【建造物分解】
2
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV5 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【アクティベイト】LV1 / 【アヴォイド】LV4

●マスターより

彼方星一
 当列車は『機械化ドイツ帝国』行きになります。
 お乗り遅れ、お乗り間違えのないよう、お願いいたします。

 フランクが説明したとおり、選択肢「敵に誘拐される囮作戦」では、機械化ドイツ帝国に対する「愛国的」な主張をしたり、ふるまったりしてください。スカウト役の目に留まり、愛国者と認められれば成功です(オープニングに登場している若者たちの代わりにディアボロスが招かれるという展開になります)。

 今回の作戦では、敵の拠点へ招かれれば、後は撃破するだけです。指揮官『フェストゥング・リーゼ』と、その護衛である『アイゼンヴォルフ』の一団が相手となります。

 選択肢「自然派学者との接触」は攻略旅団からの調査依頼ですが、この依頼とは直接関係しません。クリアしなくても問題ありませんので、やりたい方がおられたら。

 それでは、みなさまを機械化ドイツ帝国へご案内いたしましょう。出発進行!
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ノイン・クリーガー
[行動]
一般人と同じような服装をして瀧夜盛と共に学者に接触して【情報収集】を行う。

【友達催眠】を活かし、学者の肩を持ちつつサイボーグ化された自分の身の上話などをして同情を誘う。

『さっきの見てたよ先生。まったく最近のガキ共ときたら年長者の話を聞かなくて困るよな。
だけど自分自身に問題を抱えている奴ほど愛国心だの国防だのと言った言葉で簡単に熱狂するもんさ』

『この手を見てくれよ。俺も昔は帝国軍の兵士だったが、無理矢理改造されて脱走したんだ。。それが実態だよ。
それに奴らの工場の周りには草木の一本も生えない。自然破壊の極みだ』

『マスコミは一体何をやってるんだ?
真実を伝えようという報道機関はないのか?』


瀧夜盛・五月姫
クリーガーさんと、一緒に行動、するね。

ぐーてんたーく? 博士。この街、愛国心、とても強い、ね。
みんな、軍入りたいって、云ってる。
でも、愛国心だけで、街ごと、こうならない、よね。
何がきっかけで、サイボーグ肯定派、多数、なったの?

そういえば、博士、国に反対してる、のによく、無事。
もしかして、同じ、思想、志しの仲間、協力者、いたり、する?

博士に当然、スパイとか、疑われてたら、答えてくれない、質問。
【友達催眠】して、自分も反対派だ、アピール。
【幸運】にも、怪しいモノ、見つけたら、そこから、聞くのも、いい、かも。


「さっきの見てたよ先生。まったく最近のガキどもときたら年長者の話を聞かなくて困るよな」
 動物学者は、声をかけてきたものの姿に、はっとして身構えた。その相手がサイボーグだったからだ。しかし、続く語りとその声音の穏やかさが、老学者のこわばった表情をやわらげる。
「だけど自分自身に問題を抱えている奴ほど愛国心だの国防だのと言った言葉で簡単に熱狂するもんさ」
 ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)の言葉に、学者はふん、と鼻を鳴らした。
「あいつらがどんな問題を抱えているかなど知ったこっちゃないわい。おまえさんはサイボーグだな。望んでその身体になったのか?」
「まさか。この手を見てくれよ。俺も昔は帝国軍の兵士だったが、無理矢理改造されて脱走したんだ。それが実態だよ」
「そうか! それはひどい目にあったな! 最近は命を救うためだといってサイボーグ化するものもいると聞く。とんでもない冒涜だ。サイボーグ化しなければ死ぬような怪我をしたのならば、自然の理に従って死ぬべきなのだ」
 学者が語気を荒げる。
 ノインは同情を引くことで話を引き出そうとしたのだが、老人にやや気圧されたような恰好になる。
「ぐーてんたーく?」
 傍らから、瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼・g00544)が話に加わる。
「博士。この街、愛国心、とても強い、ね。みんな、軍入りたいって、云ってる。でも、愛国心だけで、街ごと、こうならない、よね。何がきっかけで、サイボーグ肯定派、多数、なったの?」
「街のものたちは機械化で暮らしが便利になったと思ってるのさ! 実際、良くなっているのかもしれん……。だが、わしはそれはおかしいと思う。不自然だからだ。便利だからといって、なにもかも機械に頼っていては、人間はだめになってしまう。昔ながらの暮らしに戻るべきなのだ!」
 五月姫は、学者に警戒されたり、疑われたりしないようにと考えていたが、相手は話を聞いてもらえるのが嬉しいようで、少し水を向けただけで猛然とまくしたててくる。
 道行く人々が胡乱な目つきでこちらを見ているのに五月姫は気づいた。先ほどの若者たちは極端だとしても、この老人は一般の住民からも受け入れられていない様子である。
 学者の主張は、やや極端なところがあるようだった。この国の人々が機械化の恩恵を受けていることも事実だからだ。それなのに、この人物はそれをすべて否定している。
「博士、国に反対してる、のによく、無事。もしかして、同じ、思想、志しの仲間、協力者、いたり、する?」
 この質問には、哀しげにかぶりを振る。
「マスコミは一体何をやってるんだ? 真実を伝えようという報道機関はないのか?」
 ノインは聞いたが、新聞に載るのは科学の進歩や戦争に関することばかりだという。
「かまわんさ。わしは一人でも考えを変えるつもりはない。機械化は悪、これは間違いない。おまえさんも、はやく機械化部分は取り除いたほうがいいぞ」
 老学者はそう言って去っていった。
 ノインと五月姫は顔を見合わせる。老人はある面では正しいのかもしれないが、変人であることも間違いなかった。
 だが、心から自分の主張を信じている様子は伝わってきた。
 その思想は機械化ドイツ帝国の方針と相容れないが、かれらのような者たちがクロノヴェーダに粛清されていないのは、なにか理由があるのかもしれない。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

荒田・誠司
アドリブなど歓迎
演技をしている最中はエルバと名乗る

【心情】
自然を馬鹿にする奴ほど後で泣きをみるんだよな
今のドイツへ愛国心を叫ぶっていうのは複雑だが仕方がない
店長さんはマジでごめん

【行動】使用技能:演技、発明、看破、計略
最初に発明で発信機を囮役の人に配り、受信機を工場へ行く仲間に渡しておく

機械の腕は長袖の服と手袋、機械の足は長ズボンと大きめの靴で隠す
それから売店で食べ物以外の名産品を買いあさる
機械になると食べ物は必要なくなるのになぜ食べ物を売っているのかと言ったクレームや機械化がいかに素晴らしいかという話を大声でしておく


「素晴らしい、これこそドイツの伝統だな」
 荒田・誠司(雑草・g00115)は声高に、店に並ぶ品々を褒め讃えた。
 磁器製の人形は精緻にして優美だった。なめらかで透き通るような表面に、繊細な絵付けがなされ、ドレスの貴婦人や躍動する馬など、磁器とは思えぬほどのやらわかなフォルムを造形している。
「このような芸術が他国にあるだろうか? やはりドイツだからこそなしえたものだと俺は思う」
 自分で言いながら、ちょっと度が過ぎるか、と思ったが、誠司の演技はなかなか堂に入っている。内心では、複雑な想いを抱く誠司だったがやむをえない。
「ほう、この店は食器もつくっているのか?」
「ええ、私どもは磁器の専門店で、人形のほかにこうした食器類も……」
「これは必要ないだろう」
「はい?」
「装飾用の絵皿ならいいが、普段使いの食器など不要なものだ。帝国政府の偉大な政策で国民が身体を機械化すれば、食事をする必要もなくなるからな!」
「そ、それは……」
 例の自然派学者が聞いたら卒倒しそうなことを言い始めた。
「ドイツ帝国の技術の神髄は、高度の芸術と並んで真に有用な実用。たとえばそう、この素晴らしい万年筆や、この愛らしいテディベアのような」
 ほかの店で買い求めたものらしい物を見せて誠司はそう主張する。いずれも高名なドイツ企業の製品で、逸品と言えるのは間違いないが。
 しばらく難癖のような話をしつつ、ドイツ帝国を持ち上げるだけ持ち上げると、結局、人形をひとつ買って、店を出た。
 通りを歩きながら、さきほどから彼を注視する視線があることに誠司は気づいている。
 こうしてあちこちの店で目立つ振る舞いをしてきた甲斐があったようだ。
 すでにサイボーグである誠司だが、機械の腕や足は隠しているので気づかれていないだろう。スカウトが近づいてくる足音を背中で聞きながら、彼は歩調をゆるめた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【友達催眠】がLV2になった!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!

アナスタシア・コルヒドレ
ドイツ軍には恨みしかない。
記憶も故郷も奪われたアイツらへの愛国心を出さないといけないなんて……
でも、私と同じ苦しみを味わってほしくない。
その為なら……

僅かに残った記憶にはあるんだ、自分が祖国を本気で愛していた記憶が。
それと同じことをすればいいだけ。
【情報収集】で知ったドイツ帝国の国歌や軍歌を歌いながら、ドイツ軍のすばらしさを語ればいい。
かつて祖国で、共産主義の素晴らしさを語った時のように……あれ、共産主義ってなに?なんで知っているのかな?
まあいいや、ともかく腹立たしくともサイボーグ化による労働力増加や医療向上を謳って誘うよ。


桜木・満
◆心情
愛国心のある連中をさらって兵士に仕立てる、か。
気に入らないが、連中の懐に入れるっていうなら、乗ってやるさ

◆行動
ま、酒場で演説でもするかね。【友達催眠】を利用して、客から友人が話しているように思わせつつ、声を張り上げよう。
「機械というものは、不可能を可能にする! 貨物を馬より早く運ぶ鉄道、服や家具を作る工場! そして空を飛ぶ翼! これほど人々を幸福にする物があるだろうか!」

だからこそ、それを人を傷つけるために使う、この帝国は許せない。と言う本音を隠しつつ、演説を続ける。
「そして、その科学に、機械に最も秀でた国はどこか! そう、ドイツ帝国だ! この国のさらなる進歩と発展を願って、乾杯っ!」


 同じ頃、とある酒場は昼から賑わっていた。
「機械というものは、不可能を可能にする! 貨物を馬より早く運ぶ鉄道、服や家具を作る工場! そして空を飛ぶ翼! これほど人々を幸福にする物があるだろうか!」
 桜木・満(桜花剣風・g00771)の演説に、顔を赤くした男たちがわっと盛り上がり、賛同の声をあげる。
 酒が入っているうえに、友達催眠の残留効果のせいで、人々は満の言葉に聞き入り、場には相当な一体感が醸造されていた。
「機械の身体になった人は、今までの何倍も働けるし、病気も怖くなくなるんだよ」
 控えめに、それでいて確信を感じさせる声で、アナスタシア・コルヒドレ(記憶をなくした殲滅機兵・g00340)が意見を述べる。
「そのとおり! 国を豊かにする労働力や医療環境の向上も可能になった。その源泉はなにか? 科学だ!」
 満がアナスタシアを指して彼女を肯定し、主張を引き継いだ。
 人々も皆、深く頷いている。
「そして、その科学に、機械に最も秀でた国はどこか! そう、ドイツ帝国だ! この国のさらなる進歩と発展を願って、乾杯っ!」
 プロースト(乾杯)!と声と、ジョッキを合わせる音が次々に弾けた。
 アナスタシアが先んじて情報収集しておいたドイツ帝国の軍歌を歌い出すと、他の人々も声を揃え始め、歌声が酒場を満たした。
 熱狂する店内を見回しながら、満は、熱弁をふるえばふるうほど、自身の中が冷えてゆくように感じていた。
 今のドイツ帝国が優れた科学力を持っていることは嘘ではないだろう。
 だがその科学は何のために使われているのか。帝国政府は戦争を引き起こし、人を傷つけるためだ。満はそんなドイツを許すことはできなかったし、影でその糸を引いているゾルダートへの怒りは表面上、隠したとしても、消すことはできなかった。
 それは軍歌をがなる酔漢に肩を組まれているアナスタシアも同じだ。
 ドイツ軍には恨みしかない。
 サイボーグ化手術の後遺症で記憶の多くを失った彼女だが、断片的に残る記憶は、ドイツ軍に故郷を奪われたということ。
 そんなドイツ帝国への愛国心を表現することは、演技とはいえ、気安く近づいてくる酔漢と同じくらい不快だったが、ゾルダートの計画で人々がサイボーグ化されるのは、彼女のような犠牲者を増やすことになる。それもまた許しがたいのだ。
 帝国軍が素晴らしいとは思えないかったが、かつて素晴らしいと感じたものがあったことを語ればいい、とアナスタシアは演技の指針を定めた。ふと浮かんだ、共産主義、という言葉の意味も掴み切れないまま……。

「いや、まったく、きみたちのような愛国心にあふれる若者がいるとは、わが国の未来も明るいと言えるでしょう」
 満に話しかけてくる男がいた。
 紳士然としていても隠しきれない剣呑な空気。ゾルダートに雇われたならず者だろう。
「きみたちの愛国心は素晴らしい。……きみたちをある人に紹介したいのですが。実は私は軍のために働いているのですよ。きみたちのような愛国心あふれる若者に会いたいという方がおられるのです」
「それはぜひ、お会いしたいですね」
 満は応えた。赤い瞳の奥に暗く燃える復讐者の怒りを、相手は知るよしもないようだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV2になった!

「ドイツの科学力は世界一ィ!! 進歩! 改良! 発展! 機械化こそが福音であり、誇りである。そうだな、諸君?」
 巨躯のゾルダートが、「愛国者」たちを睥睨する。
 計画通りスカウトされたディアボロスたちは、郊外の廃墟へと連れて来られた。
 外からは廃墟と見えたが、その中には、半地下の広大な工場が広がり、今も唸りを上げて稼働していた。
「諸君らの愛国心については我が配下より聞き及んでいる。ゆえに、この秘密工場に案内したのだ。諸君らは……栄えある機械化ドイツ帝国のために働いてくれるだろうな?」
 ゾルダート量産工場の長を務めるのは、このフェストゥング・リーゼ。
 そして、素材たちの逃亡を許さぬよう、四足歩行のトループス級ゾルダート、アイゼンヴォルフの一団が展開する。
 だが、ディアボロスがここへ連れてこられた時点で工場の位置は仲間に共有されており、すでに到着しているものたちもいるようだ。
 戦いが始まろうとしていた。
リア・シュライベン
[心情]
んー……。
とりあえず護衛を倒しましょうか。戦力は確実に減らしておきたいですし。
まずは護衛の動きを観察ましょう。

……それにしても、クロノヴェーダか、あいつらを見ているとイライラするな。私の大切なものを奪ったこと、すぐにでも後悔させないと。

「Ich muss sie alle töten」そう呟けば暗殺開始。

[行動]
高所に身を潜め確実に殺せる機会を待ちましょう。焦っても仕方ないですからね。機を見て敵に目掛けて飛び降り、ナイフで相手の頭を突き刺します。

反撃は怖いですね。先ほど仕留めた敵を盾にしながら【飛翔】の効果で一時離脱します。このまま残っていても良いことは無さそうですから。


「Ich muss sie alle töten」
 その小さな呟きを、聴き取れたものがいたかどうか。
 一体彼女がいつからそこに潜んでいたのか、仲間のディアボロスでさえ気づいたものはいなかったのかもしれない。
 おそらくは天井近くの足場で、じっと機を見ていたリア・シュライベン(Ich liebe dich sehr.・g04952)は、まさにその好機を得て、舞い降りたのだ。
 その手にはナイフ。一体のアイゼンヴォルフめがけて急降下するのは、まさしく一瞬の死をもたらす暗殺のためのパラドクスだ。
 狙いたがわず、リアの攻撃はアイゼンヴォルフの頭部へと突き立つ。
 衝撃に、四足の機械獣が膝を屈し、周囲のアイゼンヴォルフたちは敵襲を感知して間合いをとるべくぱっと散開する。
「何!?」
 フェストゥング・リーゼが驚きの声をあげる。
 死を告げる天使のごときリアの降下は、さながら黙示録の喇叭のように、この戦いの始まりを宣言するものだった。
「せいぜい後悔しな」
 敵にだけ聞かせる冷たい声音で言い捨てると、リアは初撃を見舞った一体の胴を蹴って離脱する。
 しかし、ディアボロスとクロノヴェーダの戦いは、時間を歪めた攻防である。
 たとえその一撃で敵を屠ったとしても、反撃は免れない。
 アイゼンヴォルフの全身の火器が一斉に解放され、弾薬が撒き散らされる。
 跳弾が火花を散らし、あるいは射抜かれた配管が蒸気を噴こうがお構いなしだ。
「……っ! イライラさせられる」
 弾幕を縫うように避けながら、避け切れない攻撃が身をかすめる衝撃に、リアは眉をひそめた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】がLV3になった!

レイン・ナンバーナイン
ミッションの受領確認、並びに情報の更新完了。本作戦に介入します…

敵の攻撃に対し弾幕には弾幕を…と行きたいところですがおそらくイマジナリキャノンでは効果が薄いと思われるのでここは一旦【光学迷彩】で隠れつつ【建造物分解】で分解できるところを分解して機を伺いましょう。

そのうえで使うパラドクスはイマジナリキャノンではなくこちらを使い
完全に虚をつかせていだたきます
…完全に見当違いの方向を狙ってるのも相手を油断させる為、ついでに適当に演技をして落下までの時間を稼いでおけば恐らく被弾確率も上がるでしょう

成功したらもうあとは逃げます。目的は後続が来るまでの時間稼ぎで倒すことじゃないので


 もうひとり、すでに隠れ潜み、機を待っていたものがいた。
 レイン・ナンバーナイン(コード:№9・g00199)である。
 「建造物分解」の残留効果を利用して建物の一部を分解したうえ、「光学迷彩」で姿を消していたレインが動き出し、隠れ場所を飛び出したのは、リアとほぼ同じタイミングだった。
 そのときフェストゥング・リーゼは、アイゼンヴォルフの上に降ってきたリアの急襲に驚き、ゆえにもう一人のディアボロスへの反応が遅れた。
 そうであってさえ、レインの火器が一斉射撃を放ったときには、防御姿勢をとったのだから、やはりそこはゾルダートである。
 だが、レインの攻撃がすべてフェストゥング・リーゼに命中せず、それどころか、まったく明後日の方向へ放たれていたので、機械の指揮官は、笑い声を発した。
「焦ったか? 戦場で功を急いては待つのは死のみ!」
「と、思いましたか?」
 もし、フェストゥング・リーゼの髑髏じみたマスクが、人のように表情を浮かべることができたなら、嘲笑と慢心をあらわしていたそれが、一転するところが見られただろう。
 落下しながら放たれた一斉射撃はすべてフェイクでブラフ。
 レインのパラドクス、マシーネンゲヴェーア・レーゲングスの本当の効果は、その後に放たれるたった一射なのだ。
「本命はこっちです」
 人間には不可能な、自由落下中の動きによって、死角より放たれた攻撃は、敵の巨躯から比べれば針の一点のように小さなポイントを突いたものであったが、それはさながら蜂のひと刺しのように、強烈な一撃であったようだ。
 怒りか、苦痛か、それとも不意を突かれたことへの屈辱への悶絶か……そのどれともつかず、どれでもあるような唸り声をあげながら、フェストゥング・リーゼの巨体がよろける。
 むろん、逆説連鎖戦では、そのとき反撃が行われている。
 罵声とともに腕部の機関銃が連射された。
 着地したレインは、工場内の足場から足場へ飛び移って、追ってくる弾丸から逃げた。
 彼女の目的は敵の出鼻をくじくことと、ほかのディアボロスが配下のトループス級を掃討するまでの時間稼ぎ。その目的は十分に果たしたのだ。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

宇都宮・行
工業化は歴史の流れ故に一概に否定できませんが…
機械化は、必ずや止めなくてはなりませんね
地域住民の安心安全の為、地方公務員として力を尽くさせていただきます

相手が機械であれば、【電撃使い】により回路を破壊できるかもしれません
敵は素早いようですが、私も『雷様』を発動し、敵陣を【ダッシュ】で駆け抜けながら一気に接近し、斬りつけます
アヴァタール級へ向かう皆様の為、敵集団を痺れさせて【時間稼ぎ】をしながら、囲まれぬよう味方の皆様と協力しつつ、『雷様』で攻撃を続けます

敵の射撃は、雷を纏わせた『日光』の刀身で防いでみましょう
…復讐者となるまでは、このような行為はフィクションでしかできないと思っていたのですがね


アナスタシア・コルヒドレ
もう演技しなくて良い。
抑えてたもの全部ぶちまけるよ。
MG42を片手に奴らを根絶やしにしてやる!

味方が先にいっているなら、私はその火力支援。
【戦闘知識】で絶好のタイミングを見切って煙幕グレネードを【投擲】、敵を【撹乱】したら味方に当てないように【アナイアレイション】。
自分の国がそんなに好きなら、自分の国の銃で殺されるのは嬉しいことでしょ!
弾が切れたたタイミングで突っ込んでくるのもわかってる!
銃を逆さに掴んで、ポールハンマー代わりにしたならおもいっきりスイングしてその顎銃床で【破壊】【粉砕】してやる!
くたばれドイツの鉄犬!
Урааааааа!!


桜木・満
◆心情
ほかの面子も潜入済みってのは心強いね。それじゃオレも働くとしよう。

◆行動
「ドイツ帝国のために働いてくれるだろうな、ね。聞くまでもない、答えなんて決まっている」
「お断り、だ!」
フライトデバイスを起動し、飛翔のエフェクトと合わせて離陸、
そのままアイゼンヴォルフの群れと交戦
敵の火器による攻撃に対しては、空中戦を生かして、相手の射線から逃れるように機動

――時間を稼いでくれている間に仕留めねぇとな

攻撃が途切れたタイミングを狙って、敵めがけて突撃。ダイブアンドズームを発動、胴太貫での斬撃を放つ
「鋼の体だろうと関係ない、真っ二つだ」


「ドイツ帝国のために働いてくれるだろうな、ね。聞くまでもない、答えなんて決まっている」
 桜木・満(桜花剣風・g00771)は言い放った。
「お断り、だ!」
 同時にそのフライトデバイスが起動、満は空中へと駆け上がった。もはや連れて来られた一般人のふりをする必要もない。航空突撃兵たるサイボーグの能力を全開にした満にとって、工場の高い天井は地の利を得た戦場も同じだった。
 そしてアナスタシア・コルヒドレ(記憶をなくした殲滅機兵・g00340)もまた、愛国者の演技を強いられる不快さをかなぐり捨てた。
 MG42・サイボーグカスタム……サイボーグの膂力でなくては扱えぬ機関銃の、獰猛な銃口が迫ってくるアイゼンヴォルフたちへと向けられた。
 折りしもレインの奇襲で指揮官のフェストゥング・リーゼはたたらを踏んでいるところだ。その好機に、ディアボロスたちは、配下のアイゼンヴォルフの一団の掃討から取り掛かったのである。

 アイゼンヴォルフは満とアナスタシアの後方よりあらわれたので、かれらが振り向いて応戦する一方、アイゼンヴォルフのさらに後方からは駆け付けた宇都宮・行(一般的な地方公務員・g03895)が戦端を開く。挟撃の格好だ。
「工業化に利があるのは確か。ですが機械だというなら、これはどうですか?」
 向かってきたアイゼンヴォルフの群れを、俊敏な動きでかわす行の周囲で、空気が弾けるような音を立て、紫電が閃いた。
 抜き放たれた打刀の刀身は黄金色に輝く。行は風のように駆け抜け、その刃の軌跡は天をうねる竜のように縦横無尽だった。
 すれちがいざまに斬りつけられたアイゼンヴォルフは、雷に打たれたかのような電撃を浴びて、その動きを止める。行のパラドクス、電撃戦術『雷様』(ライサマ)によって生じた強力な電圧が、アイゼンヴォルフの動作回路を阻害したらしい。
 だが、同時に、アイゼンヴォルフの反撃が、弾丸の雨となって降り注ぐ。
「っ!」
 電撃をまとう愛刀、竜骸剣『日光』の刀身で弾丸を弾くが、防ぎきれない銃撃が行のスーツをかすめる。
 常軌を逸した超常の戦闘。このようなフィクションじみたシーンのなかに自分がいることが、いまだに信じられないというように、ひと月まえには地方公務員に過ぎなかった行は、眼鏡の奥の瞳で、かすかに苦笑する。

「くたばれドイツの鉄犬!」
 アナスタシアが煙幕グレネードを戦場に投げ込む。
 解放された彼女の表情は、鬱憤を抑えていた反動か、鬼気迫るものがあったが、いっそすがすがしくもある。
「これはどう? 自分の国がそんなに好きなら、自分の国の銃で殺されるのは嬉しいことでしょ!」
 アナスタシアの機関銃が火を噴いた。圧倒的火力をもってすべてを破壊するパラドクス、アナイアレイションだ。
 煙幕たちこめる戦場のなか、うごめくアイゼンヴォルフの影だけを狙ってその攻撃が襲い掛かる。一切合切を殲滅し尽くさんとする豪放さと、敵味方を峻別する厳密さの同居はサイボーグらしいとも言えそうか。
 機関銃の唸りが、しかし、弾薬が途切れたところでぴたりと止まる。
 そのときを狙ったように、煙幕のなかから一体のアイゼンヴォルフが飛び出してきた。
「来るとわかってた!」
 敵が弾切れのタイミングで間合いを詰めることを予測していたアナスタシアがやったことは、手の中の銃を逆さまに持ち替えることだった。
「おまえたちは根絶やしにしてやる……!」
 ぶん、と振るわれたのはハンマーのごとき重さの、銃の銃床。
 それが飛び掛かってきたアイゼンヴォルフの頭部めがけて振り下ろされ、鋼鉄の装甲をぐしゃりと粉砕したのだ。
 その背中の砲から発射されていた反撃の誘導弾が炸裂する衝撃に耐えながらも、アナスタシアのなかには敵を屠った充足感とともに、いまだ消えぬ怒りの炎が煌々と灯っていた。

 アナスタシアと行に挟まれる形で、射撃と砲撃と剣戟とが交錯する戦場のうえを、満が空気を裂くように飛行する。
 アナスタシアの放った煙幕に攪乱されているアイゼンヴォルフたちだが、満に気づいたものは対空射撃を仕掛けてきた。
 しかし空中戦なら満の領域だ。射線をかいくぐって回避すると、射撃が途切れたタイミングで急降下。同時に抜き放たれるのは、胴太貫。
「鋼の体だろうと関係ない」
 ダイブアンドズーム……急降下からの一撃、そして急旋回での離脱。慣性を無視するかのような鋭角的な軌道で満が高度を上げるその後方で。
「真っ二つだ」
 宣言どおり、アイゼンヴォルフは縦に分断され、崩れ落ちる。
 反撃の一斉射撃が満に襲い掛かるも、撃墜するまでには至らない。
 次の標的を見定めると、猛禽のような鋭さで、降下してゆくのだった。

「そろそろ片付きますか?」
 行は何体目かのアイゼンヴォルフを行動不能に追い込んだすえ、まだ動く標的の数を目だけで数えた。
「理不尽な機械化作戦は中止とさせていただきますよ。地域住民の安心安全のためにね!」
 苛烈な逆説連鎖戦は、残留効果の後押しを受けたディアボロスに有利に働き、アイゼンヴォルフの群れは一体、また一体と破壊されてゆく。

「なんと、わがドイツの精鋭兵がこれほど容易く」
 その眼前で配下の一団が壊滅しく光景に、フェストゥング・リーゼが呻いた。
 そして、そういう自身の喉元にも、ディアボロスの怒りの刃は今や突きつけられているのだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【建造物分解】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV4になった!

リア・シュライベン
[心情]
久しぶりの戦闘、中々に滾るものがあるな。
ふーん、なるほど、敵の御大と戦っている味方もいるか。
それであれば私も加勢に回ったほうがよさそうか。
相手には悪いが、これは私の戦線への復帰戦で、今の自分の実力を知る絶好の機会でもある。それに、私も奴らには一撃くらいは与えておきたいからな。

[行動]
始まった戦闘に乗じて攻撃を仕掛けましょうか。
気配を消し相手に近寄り隙を見せれば一気に距離を詰めて攻撃します。

今回はある程度のダメージは覚悟して前線にとどまりましょうか。
なるべく敵にプレッシャーを与え続けて注意をひきつけておきたですからね。


ノイン・クリーガー
[行動]
戦闘の混乱に乗じ【光学迷彩】を活かし、【地形の利用】を行いながら【忍び足】でフェストゥング・リーゼに接近する。
十分に距離を詰めたら【不意打ち】を行う。
TSG-12で至近距離から【弾幕】を浴びせて装甲を【破壊】して、弾が切れたらアイゼンファウストで【強打】を叩き込み【粉砕】する。
「鉄拳制裁はな、こうやるんだよ」

相手の鉄拳制裁に対してはアイゼンファウストでブロックするなり避けるなりしながら懐に入りこみ拳の応酬を行う。
こちらとてサイボーグ。それなりの【忍耐力】はある。

[アドリブ・協力など]
歓迎


 アイゼンヴォルフが全滅し、フェストゥング・リーゼは、本格的な戦闘態勢へ移る。動く要塞とも形容される、全身に兵器を搭載した前線指揮官型のゾルダートは、セイゼンヴォルフたちと交戦していたディアボロスへと、その銃口を向けた。
 だがそのとき、フェストゥング・リーゼの間近には、別のディアボロスが接近していたのだ。

 鋭い一撃が、フェストゥング・リーゼの装甲の隙間を貫いた。
 リア・シュライベン(Ich liebe dich sehr.・g04952)のアサシネイトキリングだ。
 アイゼンヴォルフの最初の一体を急襲し戦端を切り拓いた彼女が、撤退したかと見えて、敵将の背後に回り込んでいた。
 装甲に覆われたフェストゥング・リーゼの巨躯に対して、彼女の攻撃は蚊が巨像を刺したに過ぎないようにも見える。だがそれは狙いすまし、計算され尽くした殺人蜂の致命的な一撃だった。装甲を通して、もっとも効果的な箇所へ、最大限の損傷を与える、まさに暗殺者の殺技であったのだ。
「ぐぬ……ッ!」
 機械らしからぬ呻き声をあげて、フェストゥング・リーゼは機関銃での反撃を試みる。
 加勢する配下もおらず、このとき、場にとどまってディアボロスを支援する残留効果の厚みも増している。ある程度の負傷は覚悟していたリアだが、敵の反撃がリアに与えるはずのダメージは残留効果がもたらす幸運に多くが帳消しされていくのを、リアは高揚感とともに知る。
 リアにとっては、これが復帰戦。自身の実力がいかなるものかを確かめる絶好の機会になったという思いがあった。
 機関銃の銃撃をかわしながらも、戦線を離脱しないリアに、フェストゥング・リーゼの注意が引き付けられる。そのことは、ほかのディアボロスにとっては当然、好機となる。また別のディアボロスが、姿を隠して忍び寄っていたからだ。

 至近距離から放たれるTSG-12の弾丸が、フェストゥング・リーゼの装甲に炸裂する。
 光学迷彩で姿を消し、接近していたノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)は、弾幕が敵装甲を穿ち削り、破壊するのを確かめると、弾切れとともに、零距離格闘戦へと移行する。
 格闘戦用に特化したサイボーグアームの、文字通りの鉄拳が、フェストゥング・リーゼのボディに重く埋まった。
 衝撃に身を折るフェストゥング・リーゼだが、むろんその鉄面皮に苦痛が浮かぶことはない。それでもどこか、仮面が驚きの表情を見せたように思えたのは、錯覚か。
 繰り出される反撃は、やはり零距離の相手へ向けた、こちらも鉄拳の殴打である。
 ノインはパンチをブロックしたが、その衝撃に全身に震えた。
 常人ならばその一撃で肉塊と化していても不思議ではなく、そこはサイボーグならではの頑丈さと忍耐力だ。
「鉄拳制裁はな、こうやるんだよ」
 不敵な物言いだけは、人間らしく。
 間合いを詰めて懐に飛び込めば、始まるのは拳の応酬。
 金属がへしゃげる音と、文字通り火花を散らしての殴り合いが繰り広げられるのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!

エメリヒ・ラインヴェーヴァー
おーっと、デカブツさんのご登場だね
全部きちんと町から消えてもらわないと
残留効果2使えるのは使わせて貰うよ!

アチラ物理で殴ってくる……なら、オレは離れたところから削っていこうかな
【飛翔】と足の飛行装置で上昇して、距離をあけて、雷爪の出力を上げて……一気に急襲するよ!〔突撃〕
すれ違い様に爪で思いっきり斬りつけて、装甲をバターみたいに裂いちゃえ〔電撃使い〕〔両断〕
わ、相手の拳に捕まらないようにすぐ射程圏外に逃げるよ〔一撃離脱〕

この場で残ってるのはアンタだけみたいだねえ?
大人しくクズ鉄に戻っておきなよ
アンタみたいな物騒なのが減るだけで、ドイツの住民は安心して暮らせるんだからさあ!


瀧夜盛・五月姫
姫の速さ、ついて、これる?
地面、なるべくギリギリ、【飛翔】で、移動。
【突撃】と【一撃離脱】、繰り返しながら、少しずつ、クロノヴェーダ、翻弄する、よ。
もし隙、見つけたら、そこにパラドクス。【ただ現に 漂ひ給ふは 姫の末つ方】。

こんな、世界。誰も望んで、ない。
はやく、終わらせて、帰る、よ?


桜木・満
◆心情
この工場をつぶせば、オレみたいなサイボーグ改造の被害者も減るだろう。

◆行動:POW
引き続き【飛翔】の効果で飛行して空中戦を仕掛ける。
敵の攻撃を被弾したタイミングで、あえて踏みとどまらずに飛ばされ、工場の壁面と接触したところで、【建物分解】を使用。衝撃を和らげる緩衝材と目晦まし用の土煙に変換。
そのまま【光学迷彩】で姿を隠したまま攻撃態勢へ。煙の中から敵めがけて一直線に突撃し、【居合抜刀・雷光】を仕掛ける。
「終わらせてやる、お前の企みも。この工場もだ!」

◆戦闘終了後
問題なければ、今回潜入した工場を建物分解の効果で破壊しておきたいな。
そうすればしばらくは改造も何もできなくなるんじゃないか。


 キィン――、と、空を裂く鋭い音。
 それは空舞うディアボロスたちの飛行音だった。
 もとより飛行能力を有する航空突撃兵はもちろん、戦場には「飛翔」の残留効果が生じているため、ディアボロスたちは今や空間すべてを戦場とすることができていた。
 3人のディアボロスが、宙を奔って次々にフェストゥング・リーゼへ攻撃を仕掛ける。

「とつげーき!」
 楽しげにさえ聞こえる声とともに、エメリヒ・ラインヴェーヴァー(黒雲・g00180)が獲物を狙う猛禽のごとき速度で急降下する。
 落雷したかのような閃光が炸裂し、工場内を真昼のように照らし出す。
 それはエメリヒの腕部に取り付けられた電撃ブレード「Blitzklinge」が爪型に展開し、フェストゥング・リーゼの装甲を斬り裂いた瞬間のことだった。
 分厚い金属が、バターのように斬り裂かれ、深々とした爪痕が残る。
 反撃の鉄拳は、しかし、むなしく宙を殴った。
 逆説連鎖戦では必ず生じる反撃だが、あまりにも強烈な一撃を受けたものは、反撃行為を中止させられることもある。
 フェストゥング・リーゼの巨躯に、茨のように紫電がまとわりつく様子からして、残留効果の後押しを受けたエメリヒの電撃をともなう攻撃が致命的であったのだろう。
「もうこの場で残ってるのはアンタだけみたいだねえ?」
 離脱しながら、エメリヒが挑発するように言った。
「大人しくクズ鉄に戻っておきなよ」
 そこへ、さらにふたつの影が飛来する。
 ひとつは、床すれすれの低空を飛ぶもの。瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼・g00544)だ。
「姫の速さ、ついて、これる?」
 飛翔の残留効果を受けた彼女の飛行速度は、この時点で時速200kmに及んでいる。
 しかも、低空飛行が功を奏した。巨躯のフェストゥング・リーゼからすれば、足元だ。その高さを、小柄な五月姫が高速で飛び回るのだから、これに対処するのは至難だったろう。
 そこに隙が生まれる。
 五月姫はもっとも効果的な瞬間に、パラドクスを撃ち込んだ。
 ただ現に 漂ひ給ふは 姫の末つ方。
 時空を超越した、何者にも捉えることのできぬ神速の一撃が、鋼鉄の巨躯を貫く。
 ボロボロに破損した胸部装甲をパージして、フェストゥング・リーゼの胸部に隠されていた機構が火炎を噴出する。
 反撃として五月姫を襲う炎の洗礼も、残留効果に阻まれるのを見て、フェストゥング・リーゼの脳裏には、いよいよ敗北と死の恐怖がその影を濃くしてきたのではないだろうか。それともゾルダートの尖兵には、あくまでも愚直な慢心しかなかったのか。それを確かめる機会はほどなく失われようとしている。
 五月姫とは逆の、高空から、桜木・満(桜花剣風・g00771)が仕掛けた。
 フェストゥング・リーゼの機関銃掃射に、満は被弾し、撃墜されたかに見えた……のだが、反動に吹き飛んだ満がめりこんだ工場の壁が、瞬時に分解され、粉塵となって周囲に拡散した。残留効果を利用した煙幕戦術だったのだ。
 たちまち敵影を見失ったフェストゥング・リーゼ。いったいディアボロスはこの戦場に何人いたのだったか。次はどこから、誰が、どのような攻撃を仕掛けてくるのか。フェストゥング・リーゼの混乱した頭脳はその演算に答を出せない。
 そして土煙のなかから、再びみっつの影が急接近する。
「こんな、世界。誰も望んで、ない。はやく、終わらせて、帰る、よ?」
 五月姫の飛翔は牽制。足元を突き崩す。
「さんせーい! アンタみたいな物騒なのが減るだけで、ドイツの住民は安心して暮らせるんだからさあ!」
 エメリヒの突撃に、もはや鋼鉄の装甲は用をなさない。内部機構が剥き出しになる。
「終わらせてやる、お前の企みも。この工場もだ!」
 粉塵舞う空中に、光学迷彩を解いて突如あらわれた満の姿。すでに避けられる距離と速度ではない。
 居合抜刀・雷光――!
 抜き放たれた刀身の輝きが三日月のような円弧を描けば、ゾルダートの指揮官の鋼鉄の胴体は、断面を滑り落ちるようにして分断され、崩れてゆく。

 フェストゥング・リーゼ、機能停止。
 それに呼応して、ゾルダートの秘密工場は自爆機能により崩壊してゆく。
(これでオレみたいなサイボーグ改造の被害者も減るだろう)
 脱出しながら、満は思った。
 確かに、この拠点が消滅したことで、当面、この周辺地域では改造を目的とした誘拐事件はなくなるだろう。
 工場は郊外にあったため、街への延焼などは心配ない。
 煙をあげる工場をあとにして、ディアボロスたちは、新宿島へ帰還するパラドクストレインへと向かった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV5になった!
【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!

最終結果:成功

完成日2021年09月23日