リプレイ
クレイ・ロックウェル
何はともあれ台東区を奪還できたのは喜ばしい。
仕上げにかかるとしよう。
火事には注意だな。
細心の注意を払おう。
遊園地か。
稼働中の乗り物も大丈夫だろうか。
必要ならば危険が無いように動かしておく【怪力無双】 【操作会得】
大きな乗り物を動かし終えたら少し休憩だ。
フェリシティ(g03901)、オマエも少し休め。
ああ、ありがとう。
それにしてもなかなか趣深い場所だ。
オマエも初めてなのか?
…そうか。
今日は仕事だからな。
デートなら…さすがにもう少しまともな格好をする。
よし、休憩は終わりだ。
次はあの高所にある乗り物を下ろすぞ。
8月の服装で高所に出ると厳しいからな。
ペダルをこいで動かす仕組みか。
よし、頑張ってこくぞ。
フェリシティ・マーノット
クレイ(g03894)と一緒や。
よーし戦闘で役に立たへんかった分頑張るで。
まずは飲食店の火の元や。
ガス使うてるとことか危ないさかい元栓閉めたり
しっかり見てこ。
遊園地にも料理してるとこあるよな。よし、いこ。
乗り物も電気で動いてるようなのは急に止まるやろな。
安全な位置に戻すの頑張ってな。俺もやれ?
か弱い乙女やから30トンより重いもの持てへんのに(軽口)
休憩するなら缶コーヒーあるで。
せやなあ。
来てみたいとは思っててんけど
デートする相手とかおらへんかったし。
する?
そう言うと思うたわ。
ああ、そうなん?ほな楽しみにしとくな?
めっちゃご機嫌やし何でも運んだるよ。
高所…アレ?こぐの?
大変やない?え?
●
冷たい風が優しく頬を撫でていく中、浅草花やしき――遊園地方面にクレイ・ロックウェル(アーベントロート・g03894)とフェリシティ・マーノット(ラココット・g03901)が向かっていた。
「何はともあれ台東区を奪還できたのは喜ばしい。仕上げにかかるとしよう」
「戦闘で役に立てへんかった分頑張るで」
クレイと共に並んで歩いていたフェリシティは最近あった『光の調停者イーリス』との決戦を思い出していたのだろう。
フェリシティはラミエルとの会話でのやり取りを思い出し、そしてイーリスと戦った仲間たちのことを思い、この奪還地域の安全確保により力が入っているのかもしれない。
そんな彼女を盗み見るように視線を向けたクレイは、フェリシティが気張りすぎないように見守りながら遊園地へと入っていく。
「火事には注意だな。細心の注意を払おう」
「遊園地にも料理してるとこあるよな。よし、いこ」
まずは火の元の安全を確認する為にフードーコートを見て回ることにした二人。フライヤーの電源、ガスの元栓、今は時間が止まっているが故になんともないが、時が動き出した時に何があるかわからない。
その為の確認は大切な事。フェリシティはしっかり見ながらガスの元栓を閉めると、クレイと一緒に今度はアトラクションの方へ足を向けた。
「稼働中の乗り物も大丈夫だろうか」
「乗り物も電気で動いてるようなのは急に止まるやろな……安全な位置に戻すの頑張ってな」
「……」
「俺もやれ? か弱い乙女やから30トンより重いもの持てへんのに」
フェリシティはクレイにそう向けて言いつつも、なんだかんだ一緒に【怪力無双】や【操作会得】を駆使しながら乗り物を移動させていく。
お化け屋敷にメリーゴーランドに絶叫系……ある程度まで安全の確保し、一区切りついたところでクレイが立ち止まった。
「フェリシティ、オマエも少し休め」
「休憩するなら缶コーヒーあるで」
広場にあるベンチに並んで腰かけると、フェリシティは買っていた缶コーヒーをクレイに渡す。
クレイは受け取った缶コーヒーを受け取りながら「ありがとう」と言い、プルタブを引き上げると小気味いい音が響いた。
賑わっていたはずの遊園地は寂しく、吹き抜ける風が冷たいせいもあるのかどこか感傷的にさせてくるようで。
「なかなか趣き深い場所だ」
「せやなあ。来てみたいとは思っててんけど」
手の中で缶を握り込むフェリシティが目の前に広がる光景を見つめながら、クレイに言葉を返す。
クレイは一度フェリシティを横目で見て、そして同じように園内に視線を向ける。
「オマエも初めてなのか?」
「デートする相手とかおらへんかったし」
「……そうか」
クレイの声が震えたようなのは気のせいだろうか。フェリシティは缶コーヒーを飲み干して立ち上がると、クレイの顔を覗き込んだ。
「する?」
何を、とは言わなかった。
クレイは覗き込んでくる紫の瞳を見つめ返しながら、頬に熱が集まるのを感じつつ悟られないように一言だけ口にする。
「今日は仕事だからな」
「そう言うと思うたわ」
からからと笑うフェリシティに釣られるようにクレイが笑みを浮かべ立ち上がった。
そのままフェリシティの横に並んだクレイが小さく笑んだまま、
「デートなら……さすがにもう少しまともな格好をする」
そう口にして、休憩は終わりだと歩き出していく。
フェリシティは一瞬何を言われたのかと瞬きを繰り返し、それからクレイの言葉を反芻すると頬が自然と緩んでしまった。
「ああ、そうなん? ほな楽しみにしとくな?」
嬉しそうにフェリシティは言って、クレイの背中を追いかけていく。いまなら何でも出来る、めっちゃご機嫌やし、なんて思わず口にしてしまえば、
「なら次はあの高所にある乗り物を降ろすぞ」
8月の服装で高所に出ると厳しいからな、なんてクレイが指差した先には乗り物に乗って自分で漕いでレールを進んでいくタイプのアトラクションがあった。
「高所……アレ? 漕ぐの? 大変やない? え?」
「よし、頑張って漕ぐぞ」
今度は動揺する姿を見せるフェリシティにクレイは急かす様に言って、安全確認の続きを進めていく。
いつかデートする時が来たら……という思いはそっと心に閉じ込めたのかもしれない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
音羽・華楠
浅草駅の周辺ですか。
私たちがイーリスと戦った浅草寺もありますね。
刻逆が起きたのは深夜ですから、夕方には本堂が閉まってしまうという浅草寺に人は居ない――即ち、時間を動かした際に誰かに危険が及ぶことも無い、と思いますが……?
……調べたところ、本堂は閉まってても、境内には深夜であっても出入り自由なんですね。
人が居る可能性があるなら調べておきましょうか。
浅草寺境内を巡り、真新しい足跡や落ちてるゴミなどから、刻逆発動時に人が居た気配が感じられる場所があったら、その近辺を確認。
重量物や倒れ易そうな物があれば、【怪力無双】で安全そうな場所まで遠ざけます。
駐車場などに動いてる車があれば、【操作会得】で停止を。
クレイとフェリシティが遊園地方面に向かったのと同じくして、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)が浅草寺へと向かっていた。
浅草駅周辺……浅草寺はついこの前イーリスと戦った場所でもある。
「刻逆が起きたのは深夜ですから、夕方には本堂が閉まってしまうという浅草寺には人は居ない」
即ち、時間を動かした際に誰かに危険が及ぶことも無い……はずだが、まあ奪還地域の安全確保はしておいて損はしないだろう。
「……調べたところ、本堂は閉まってても、境内には深夜であっても出入り自由なんですね」
雷門をくぐり、仲見世を通る。普段ならここも多くの人で賑わっているはずなのに、今はしぃんと静まり返っていた。
静寂を保つ空間の中、一つ一つ見て回る。お土産屋、雑貨屋、衣装屋、と様々な店が軒を連ねる中にある手焼きせんべいのお店に華楠は入り、火の元を確認する。
そしてまた店を出て、人が居た気配が残っていそうな場所を探しながら確認して、本堂に向かっていた。
「【泥濘の地】は使わない方がいいかしら……?」
「それは止めておいた方がいいと思います。車が急に動きだしてしまいそうなら、【操作会得】を使って移動させたりするのがおすすめですよ」
【パラドクス通信】から届く仲間からの問いに、華楠は答えながら倒れやすそうな物を【怪力無双】で安全な場所に運んで遠ざけていく。
本堂の他にもいくつかの御堂を見て回り、【パラドクス通信】で仲間とやり取りを重ね、安全確保をこなしていく華楠。
「駐車場も見ておきましょう」
浅草寺付近の駐車場には大型のバスが数台あり、しっかりと駐車スペースに収まっているものもあれば、駐車中で止まっているものもあった。
駐車中のものに華楠は【操作会得】を使って駐車スペースに収めていく。
使える残留効果を惜しみなく使った華楠はひとまずはこれで安全を確保できただろう、と帰ってくる人々に思いを馳せるのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【エイティーン】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
レイア・パーガトリー
クリスマスはちゃんと来る、なんて大口叩いちゃったけど
2014年のほうは多分…間に合ってるわよね
嘘つきにならなくて、ほっとしたわ
さて、仲間と手分けして【パラドクス通信】を使って
危険箇所の取りこぼしがないようにしましょ
下町とはいえトラックなどの大型車往来が無いとは限らないわね
【操作会得】を駆使して急に動き出さないようにしておくわ
【泥濘の地】だとまずいかしら…?
慣れた人に相談して失敗しないように気を付けるわね
観光中の人がぶつかったりしないようにするのも必要?
いっそ危険箇所を【アイスクラフト】で分断するのも手かしらね
【飛翔】も使って、上空にヘリや飛行機の飛来が無いかも確認するわね
「クリスマスはちゃんと来る、なんて大口叩いちゃったけど、2014年のほうは多分……間に合ってるわよね」
嘘つきにならなくてほっとしたわ、なんて零したのはレイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)
レイアは馬道通りを一人歩きながら、危険個所の取りこぼしがないように周囲を見回していく。
下町とはいえトラックなどの大型車往来が無いとは限らない。しかもこの辺りは観光地でもあるのだ、大型バスが多く通っているはず。
静まり返った町を歩きながらレイアは車が止まっているのを見付けると、すぐに作業に入ろうと手を伸ばした。だが、レイアはどの残留効果がいいか迷ってしまっていた。
「【泥濘の地】は使わない方がいいからしら……?」
「それは止めておいた方がいいと思います。車が急に動きだしてしまいそうなら、【操作会得】を使って移動させたりするのがおすすめですよ」
レイアは失敗しないよう仲間に【パラドクス通信】で連絡を取りながら、適宜作業を進めていく。
【操作会得】を駆使し、止まってしまった車が急発進しないよう対処にあたっていき、他の危険がないかもしっかりと探す。
広めの道路とはいえ、歩行者だっているのだから、事故が起きないようにと真剣に考えながらレイアは次にどうしたらいいか頭を働かせる。
「観光中の人がぶつかったりしないようにするのも必要? いっそ危険個所を【アイスクラフト】で分断するも手かしらね」
道路を一通り歩いたレイアが今度は【飛翔】し、上空の確認へ向かう。ヘリや飛行機の飛来があればそれも対処するつもりだ。
大成功🔵🔵🔵
効果1【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【リザレクション】がLV2になった!
●
こうして、ディアボロスたちが浅草駅周辺の安全確保を終わらせていった。
あとは【勝利の凱歌】で台東区の人々を『帰還』させるだけ。きっと『帰還』した人々は混乱するだろうから、落ち着いてもらい、説明をすることも忘れてはいけない。
アスナ・シュヴェーゲリン
浅草寺にて帰還を
ここは下町住人が多いとのことですので、食事の準備を整えて帰還させましょう
歌った後、浅草の住人と観光客に向けて拡張器を使って宣言を
皆さん、現在は2021年8月15日ではありません
2022年の12月です
人類史改竄術式『刻逆』、その発動により貴方達は一度絶滅していたのです
そう言って一年半弱のこれまでの戦いの事を説明し、これから大きな戦いが始まる事等を説明していきます
未だに敵勢力は強大
しかし、我らも常に力を蓄えて漸進し続けています
妾達の力になってくれませんか?
それが最終人類史の全ての生命の願いであり、祈りなのです
浅草寺本堂付近。そこではアスナ・シュヴェーゲリン(藍血魔女・g07162)が食事の準備を整えていた。
温かなスープを炊いてから、アスナは【勝利の凱歌】を響かせる。
下町住人が多い地域、ゆっくりと境内に響き渡る歌声が寒空に溶けて混ざり合うと、次第に人の気配が生まれた。
アスナは戸惑うように周囲を見回す『帰還』した人々に安堵の息を零して、それからすぐに拡声器を使って現状の説明を始めていく。
浅草――台東区の住人と観光客が騒めきながらも、アスナを信頼し耳を傾けていた。
「皆さん、現在は2021年8月15日ではありません。2022年12月です」
冷たい風が『帰還』した人々の肌を撫でていく中、アスナの言葉に嘘はないのだろうと、人々は信じるしかなかった。
真夏だった季節が今は冬となった事実に驚きながらも、人々はアスナの言葉を受け入れていく。
「人類史改竄術式『刻逆』、その発動により貴方達は一度絶滅していたのです」
そうアスナは口にし、さらにこの一年半弱のディアボロスの戦いの事と、これから大きな戦いが始まる事を、順を追って話していく。
「そう、だったのか……」
「ディアボロスである君たちが助けてくれたんだな」
こうして『帰還』できた事実に人々はどこか安心したような顔つきをしていた。
「未だに敵勢力は強大。しかし、我らも常に力を蓄えて漸進し続けています」
作って置いたスープを配りながらアスナはそう口にする。まだまだ、取り戻せていない場所も多く。それでも自分たちディアボロスは前に進み、自分たちや誰かの場所を取り戻していこうとしているのだ。
「妾達の力になってくれません? それが最終人類史の全ての生命の願いであり、祈りなのです」
アスナの力強い言葉と眼差しに、『帰還』した人々は勿論だと声をあげたのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
レイア・パーガトリー
あとは時が動き出すのに合わせて準備すればいいのね?
【勝利の凱歌】は冬を謳う流行歌にして
「おや?」と思わせる取っ掛かりにしましょ
経験者もいるみたいだから、勝手に判断せずに引き続き意見を仰いで判断するわね
【パラドクス通信】や各種残留効果をうまく利用して
手分けして効果を及ぼすようにもするわ
状況への理解をお願いするのにあたっては
最終人類史でも使われているマニュアルを活用するわ
【アイテムポケット】に入れておいて、必要な人に配布したり
質問への回答がブレないようにするわね
他の区もみんな今は慣れてきているから、きっと台東区の皆も大丈夫
これからは一緒に、この世界を取り戻していきましょ
「あとは時が動き出すのに合わせて準備すればいいのね?」
馬道通りの上を【飛翔】していたレイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)が各自【勝利の凱歌】を歌うという連絡を受けて、地上におりる。
経験者がいるおかげでレイアも滞りなく安全確保が出来たことに、ほっと一息ついて、次にやることそれから使う残留効果の確認を適宜【パラドクス通信】で意見を聞きながら、歌うための準備をしていく。
今の時期なら【寒冷適応】があれば快適にすごせる、と聞いたならば【寒冷適応】の残留効果も忘れないうちに使う。
「じゃあ、歌おうかしら」
レイアは大きな竜翼をはためかせ、心を込めて【勝利の凱歌】を歌い上げる。
(「冬を謳う流行歌……戻って来た人たちが「おや?」と思ってくれれば」)
可愛らしく、朗らかな歌声が馬道通りに流れていく。浅草寺の方からアスナと華楠の歌声が届いてきているのだから、きっとレイアの歌声も向こうに届いていることだろう。
歌いあげた【勝利の凱歌】が止まっていた時を動き出していき、そして――。
「あれ、俺たち何が……」
「なんか、寒い?」
止まっていた時が動き出したことにより、台東区にいた人々が次々と『帰還』していく。その様子を見つめていたレイアは、これで『帰還』となるのかと胸を撫で下ろした。
だがまだまだやることはあるのだ。レイアは『帰還』した人々に状況への理解をお願いするのにあたって、最終人類史でも使われているマニュアルを手にしていた。
「何が起きたか不安だと思うけど、しっかり説明するわ。そして、よかったこのマニュアルを読んで見てね」
何かが起きていた事は漠然とは理解している人々に、レイアは一生懸命に笑顔で彼らに話をしていく。
「他の区もみんな今は慣れてきているから、きっと台東区の皆も大丈夫。これから一緒に、この世界を取り戻していきましょ」
ふわりと温かな笑顔を見せるレイアに、人々も自然と笑顔になってレイアに頷いて見せた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【おいしくなあれ】がLV2になった!
効果2【リザレクション】がLV3(最大)になった!
フェリシティ・マーノット
ほな遊園地で歌おか。
夏休み中の日曜日やったし、ちびっこも多いかもしれへんね。
空腹やと不安になるやろから軽食と飲み物用意しといて
皆が戻ってきたら配ろ。
遊園地で食べられそうなたこ焼きとかクレープとか用意しといたで。
クレイ(g03894)が食べてくれたら【口福の伝道者】で増やせるはずや。
ほな行くで。【勝利の凱歌】を!
はい、みんな、こっちに注目やー!
突然びっくりしたやろ。
皆は今まで悪者に捕まってたんや。
ここだけやなくて地球上のあちこちが土地ごと捕まってもうてる。
せやけど大丈夫や。
俺らディアボロスが取り戻すために頑張ってるさかい、
ちゃんと全部取り返して、元通りにしたるからな。
安心してな。
※アドリブ歓迎
クレイ・ロックウェル
まずは軽食をとって増やすのが仕事だな。
歌はフェリシティ(g03901)に任せる。
(うまい…歌も料理もさすが本職だな)
皆が戻ってきたら呼びかけて話を始める。
こっちだ。皆、集まって話を聞いてくれ。
まず今は2022年12月だ。
2021年8月、地球は歴史と大地を奪う敵の襲撃を受け、大半が失われた。
ここ台東区も例外ではなかった。
だが先日、取り戻した。
俺達ディアボロスは敵と戦っている。
そしていずれ全てを、あるべき未来を取り戻す。
信じて欲しい。
さて、現在の情勢や新宿島での生活や支援の案内、
住民相談窓口の場所などはノートにまとめてきた。
俺が答えられる内容なら答える。
軽食を配りながら話を聞こう。
※アドリブ歓迎
高所にあった乗り物を漕いで、スタート地点まで戻したフェリシティ・マーノット(ラココット・g03901)とクレイ・ロックウェル(アーベントロート・g03894)
一通り遊園地内を見てまわり、そうそう危険そうな場所はもうないだろうと、いよいよ人々の『帰還』へと移ろうとしていた。
「夏休み中の日曜日やったし、ちびっこも多いかもしれへんね。食う風やと不安になるやろから軽食と飲み物用意しといて、皆が戻ってきたら配ろ」
新宿島から持ち込んでいた飲み物と軽食……たこ焼きやクレープなどなど。遊園地で食べられる定番な軽食ではあるが、『帰還』してきた人々が少しでも遊園地での楽しい思い出に浸れるようにという配慮だろう。
「クレイ、早速だけどこれ食べて、【口福の伝道者】で増やしてや」
「ああ、任せてくれ」
フェリシティが用意した軽食をクレイはどんどん食べていく。
「うまいな。さすがだ」
「せやろ!」
フェリシティの作った軽食類を食べながらクレイは思わずそう口にしていた。その言葉にフェリシティは嬉しそうににこりと笑うと、じゃあ早速と深呼吸を繰り返し歌う準備へと入る。
「ほな行くで。【勝利の凱歌】を!」
順調に増やした軽食をテーブルに並べていたクレイが、フェリシティの艶やかな歌声に思わず頬を緩ませていた。
(「歌も料理もさすが本職だな」)
遊園地に響くフェリシティの歌声、ベンチが置いてあるだけの場所ではあったが何故だがクレイにはそこがステージのように見えるようだった。
フェリシティがある程度【勝利の凱歌】を歌うと、二人の周囲には多くの人々が『帰還』を果たしていた。
すかさずクレイが今度は自分の役目だろうと、『帰還』した人々を呼び集めて事のあらましを説明していく。
「まず今は2022年12月だ。2021年8月、地球は歴史と大地を奪う敵の襲撃を受け、大半が失われた」
「突然びっくりしたやろ。皆は今まで悪者に掴まってたんや。ここだけやなくて地球上のあちこちが土地ごと捕まってもうてる。せやけど大丈夫や」
「ああ、ここ台東区もこうして無事に取り戻すことができた」
二人は軽食を配りながら、自分たちディアボロスが奪われた土地を取り戻す為に頑張っていること、いずれ全てをあるべき未来を取り戻すと口にする。
「信じて欲しい」
クレイの真剣な眼差し、フェリシティの優しい笑顔。
そんな二人がこうして軽食を配りしっかり説明をしてくれているのだ、『帰還』した人々は微塵も疑うことなく話を聞いてくれているようで。
二人は顔を合わせて安心したように笑みを浮かべる。
「俺らディアボロスが取り戻すために頑張ってるさかい、ちゃんと全部取り戻して、元通りにしたるからな。安心してな」
「さて、現在の情勢や新宿島での生活や支援の案内、住民相談窓口の場所などはノートにまとめてきた」
クレイは自分が答えられる内容なら答えると人々に告げて、フェリシティとともに軽食を配っていくのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【寒冷適応】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
音羽・華楠
【勝利の凱歌】を歌う時はいつも、自分の歌の技術の無さが心配になりますね……。
とにかく、精一杯歌いますっ。
無事に人々が帰還したとしても注意点があります。
刻逆が起きたのが真夏の八月であり、今は真冬の十二月ということ。
帰還した人たちにとっては気温が一気に二〇度は低下したことになりますから、それだけで体調を崩す人が出かねません。
【寒冷適応】をきちんと発動させておかないと。
私を中心に半径三〇〇〇mが効果範囲のはずなので、今回の担当地域を全て収められるはずですが……。
帰還した人たちへ伝えるべきことは沢山ありますが、何よりもまずは――
お帰りなさい。
皆さんの帰還を、本当に沢山の人たちが待ってましたよ!
浅草寺の仲見世方面に戻って来た音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)が、緊張した面持ちで空を見上げていた。
【勝利の凱歌】を歌う時はいつも、自分の歌の技術の無さを心配していたのだ。
「とにかく、精一杯歌いますっ」
華楠が意を決して、【勝利の凱歌】を歌い上げる。
気持ちを込めて、精一杯。技術よりも気持ちを込めた方がきっと届くのではないかと。
華楠が緊張しながらも歌っていくと、仲間たちの歌声も聞こえてきていた。
一人ではない。皆が居る。勇気をもらったような気持ちになり、歌い上げると華楠の周り……浅草寺、仲見世と台東区に人々が『帰還』していくのがわかる。
(「刻逆が起きたのが真夏の八月であり、今は真冬の十二月……帰還した人たちにとっては気温が一気に二十度は低下したことになりますから、それだけで体調を崩す人が出かねません」)
華楠はすぐに【寒冷適応】の残留効果を発動させ、『帰還』した人々が過ごしやすい状態にしていく。
華楠を中心に半径3000mが効果範囲のはずだ。少なくとも華楠がいる周辺では過ごしやすい環境となっているだろう。
「一体何が……いや、大変な事が起きたのはなんとなくわかるが……」
『帰還』した人々が不安げな表情で華楠に視線を向けていた。
華楠は戻って来た人々を見つめ、ふわりと笑みを浮かべる。伝えるべきことは沢山ある、説明をしっかりと行いこれからの事を教えなくてはいけない。
だが、何よりもまずは――。
「お帰りなさい。皆さんの帰還を、本当にたくさんの人たちが待ってましたよ!」
お帰り、と。華楠は花が咲いたような笑顔を見せ、『帰還』した人々を労って、それからゆっくりと説明をしていくのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!