鬼狩人の武士

 平安鬼妖地獄変ディヴィジョンの京の都を一歩出れば、鬼や妖怪達に多くの人々が虐げられている、地獄絵図が広がっています。
 その荒廃した都の外では、鬼や妖怪を狩る武士がいると噂されていますが、その武士に出会った事がある者など、殆ど存在もしていません。
 妖怪によって殺される人々を救う為、噂の中の鬼狩りの武士に成り代わり、ディアボロスの手で鬼や妖怪を撃ちとってください。

妖姫騎行(作者 弓月可染
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●蹂躙
 ずるり、ずるりと。
 這っている。何が。何かが。
 ずるり、ずるり、と村中を這い回っている。
「……、ひっ」
「馬鹿、静かにしてろっ」
 服とも切れ端とも判らぬ襤褸を纏った子供二人が、物陰で息を殺していた。兄妹だろうか、妹の口は兄の掌で塞がれている。
「見つかったら、俺達も食われちまうぞ」
 貧しい村だった。
 税を取り上げられたら、もう貯えなんて何もない。まともに食ってなんて行けなくて、種籾に手を付ける事すらあった。
 だが、そんな村でも、人々は肩を寄せ合って生きてきた。決して、得体の知れぬ化け物に追い立てられ、嬲り殺されるような謂れはなかったのだ。
「おっとうも、おっかあも、みんなあれにやられたんだ」
 腕の中に妹を抱き込んでうずくまる。自分も泣き喚きたいのをぐっと押し殺して、それでも体の震えは堪えようがなかった。
 あれは。
 あれは、俺達や、森の獣とは違う、何かだ。
「おっかあが言ってた、妖怪ってやつだ……!」
 ふと。
 自分達を隠してくれる影が一段と濃くなったことに気付き、兄は頭上を見上げる。
「あ、あ……」
 そこには、赤く輝く爬虫類の瞳。鎌首をもたげる三つ目の大蛇。豊作の兆しと言われた、白い蛇。
 およそ少年の知る蛇とは比べ物にならぬ大きさのそれが、彼らを呑み込むべく口を開く。
 空には、無数の黒い翼。それから、天翔ける黒馬に横乗りする女の姿があった。

●時先案内人
「平安鬼妖地獄変に、向かって頂きたいのです」
 悲劇を赦せないと感じ、パラドクストレインに集ったディアボロス達。ラトクシア・ミレーシオ(そらいろのうた・g03178)は、そんな彼らをディヴィジョンへと送り出すため、自らの感知した情報を告げる。
「平安京から少し離れると、貧民たちの暮らす農村が点在しています。そんな村の一つを、妖怪の群れが襲撃しようとしているのです」
 平安鬼妖地獄変に跋扈するクロノヴェーダの一つ、妖怪。人々に畏れられ、忌み嫌われることで力を得る彼らにとって、村を襲い虐殺するというのは順当な手段なのだろう。
「鬼狩人の武士達が怪異を打ち払ってくれる――というのが、そういった人々の希望だといいます。けれど、そんなに都合よく、武士達が現れる訳ではありませんから」
 結果として人々は死ぬ。立ち向かうことすら許されず、蟻を踏み潰すように殺されていくだろう。もしも、誰一人として力持つ存在が立ち上がらなければ。
 ――だが、パラドクストレインは現われた。そして、ディアボロスは集ったのだ。

「村を襲おうとしているのは、白蛇姫と呼ばれるアヴァタール級のクロノヴェーダと、その配下である黒虚天狗です」
 村の襲撃そのものが妖怪達の目的だ。放っておけば白蛇姫は真っすぐ村を狙うだろう。村を襲われれば、何らかの被害は避けられない。
「食事にも事欠く寒村です。若者だけなら良いのですが、満足に栄養も取れず身体の弱った子供や老人も多いので、素早い避難は難しいでしょう」
 すなわち、村に入れないように、その手前で妖怪の群れを叩かなければならないのだ。
 農村だけに、村の周囲は痩せた土ながらも畑が広がっており、見通しが良い。障害物に紛れて敵を見失う、ということはないだろう。逆に、こちらも事前準備や待ち伏せの類は難しいが、恐怖を与えたいクロノヴェーダがディアボロスを避けて通るという事はあるまい。
「白蛇姫さえ倒せば、天狗達は逃げ散って行くでしょう。ただ、逃げた先で悪さをすることも考えられますが……」
 天狗の数も多い。全滅させるのがベストではあるが、速攻を考えるならば白蛇姫だけを集中攻撃して撃破するという手段も採れよう。もちろん、天狗達も必死に妨害しようとするだろうから、決して容易な手段ではない。

「鬼狩人の武士と遭遇した例はまだないようですが、彼らの代わりに人々を助ける事で、いつか接触できるかもしれませんね」
 そう言って、ラトクシアは宜しくお願いします、と一礼した。

●蹂躙、その直前
「おっかあ、腹減った」
「おなかすいたー」
 兄妹が口々に空腹を訴える。だが、母は直接には答えず、ごめんね、と娘の頭を撫でた。
 米などという贅沢品は、もう長い間口にしていない。稗をふやかした水のような粥と時折拾い集めてくる木の実を食んで、ただ命を繋ぐだけの生活。
 それでも、母は自分の取り分をさらに減らし、子らに分け与えていた。この子達がひもじい思いをする事のないようにと、それだけを願って。
 母の願いは叶わない。村は飢えるばかりだ。だがそれでも、ここには親子の情愛が在った。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【一刀両断】
2
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【エアライド】
2
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【活性治癒】
2
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV5 / 【ガードアップ】LV1 / 【ドレイン】LV3 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

弓月可染
 弓月可染です。
 みんな大好き純戦依頼。血と泥に塗れた戦場へようこそ。

●戦場
 村へと続く道。周囲は畑が広がっており、身を隠すような場所はありません。
 ほぼ接敵した状態からのスタートになります。

●クロノヴェーダについて
 アヴァタール級・白蛇姫は、複数のトループス級・黒虚天狗を率いています。護衛を無視して白蛇姫を直接叩く事も出来ますが、白蛇姫の選択肢に限れば戦いの難度は上がるでしょう。
 なお、白蛇姫の選択肢で黒虚天狗まで倒す事は出来ません。

●選択肢について
 皆さんのプレイングで明確に白蛇姫優先の方針にならなければ、黒虚天狗⇒白蛇姫の順番での執筆になります。この際、初手から白蛇姫の選択肢に頂いたプレイングにつきましては、いったんお返しする可能性が高いです。
 また、必要成功数を大幅に上回るプレイングを頂いた場合には、採用できない場合もあります。なお、先着順ではありませんのでご了承ください。
 受付状況についてはMSページも合わせてご確認ください。

●おすすめ
 純戦依頼ですが、単に使うパラドクスや技能を書くだけよりも、どんな思いで、どんな言葉を発して、どんな工夫をして戦うのか、あなたらしさが判るプレイングだと嬉しいです。

 騎行、という言葉には、村落を蹂躙する、という意味もあるそうです。
 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしています。
78

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


シル・ウィンディア
・戦闘前心情
滅びを待つだけ…
でも、そんな未来なんて砕いて見せるよっ!!

さぁ、それじゃ、未来をつかむための戦いを始めようかっ!

・戦闘行動
エアライドで水平方向にジャンプをして、敵の軍勢に飛び込んでいくよ
飛び込んで…
一気に、フェアリーコンボで押していくよっ!!

フェアリーコンボ後は、精霊剣で近接攻撃
斬撃と貫通撃の連撃コンビネーションで戦っていくよ

・戦闘時心情・台詞
村を簡単に落とせるなんだ思わないことだよっ!!
それに…
あなた達は、これ以上滅びを撒くことはできないからね
そう、わたし達が、ここで、あなた達を滅ぼすからっ!
覚悟する時間もあげないから

…滅ぼした過去の、これが、怒りだっ!!

…さて、あとはあなただけ


飛鳥・遊里
可変装甲バイク[ギガント]で、連中の進路を遮るように停車
『どちらへお出かけかな?こっから先は通行止めだよ』

飛び回る相手にまともに対応するのは難しいだろうから、バイクで高速機動戦闘をしかける。うまいこと集団をばらけさせるように。騎乗テクニックの見せ場だな

走りながら、【信号拳銃】で煙幕弾をばらまく。空から目視するのが困難になったあたりで、おもむろに閃光弾を上空に向けて発射

連中の動きを止めたら、【ガンビット・フレキシブル】起動
煙幕の中でもデータリンクでの連携で問題なく稼働できるはずだ

『別に正義の為とか高尚なこというわけじゃない。それでもどうしたって許せない事ってあるんだ。だから遠慮なく蹴散らすぞ』


ヴェルゼ・バーガンディー
「ここから先は、魑魅魍魎はお断りだぜ!」
敵の真正面に立ち勝負に挑む

天狗という手合い、空中戦に持っていこう、
まずは【飛翔】で飛び上がり、空中から持参したリボルバー銃を
発砲してけん制&挑発からの
双翼魔弾で天狗狩りのシューティングゲームだぜ!
「おらぁ!その翼は飾りかぁ?天狗もたかが知れてんなおい!」
天狗も飛び上がってきたらそのままドッグファイトに持ち込む!
だけどすべての天狗が俺の挑発に乗るわけじゃねぇ
「地上の天狗は頼むぜ!」って共に行動している仲間に伝えよう
空中戦でなるべくアクロバティックに飛ぶようにして
天狗に大斧でも叩き込んで、地上にいる天狗めがけてブチ墜とす
上手くいったら「ストライク!」と言う。


豊島・清
村を寒からしむる天狗どもよ、その狼藉、清が許しませぬ。
おなごと侮ることなかれ。
この刃の先を鞘より抜き終えるまでに、斬られるか往ぬかを選ばれよ。

数が多いため、隙を作らぬよう息を整え《精神集中》し、彼らが後ろを取ろうとしていないかを《観察》。
相手から襲いくる機を見て【檜木切】にて斬りかかりまする。

空からならば理ありと傲れば、かようの如く焔に捕えられまする。
この焔は悪しきを清める焔にございます。

他の方を死角より狙う者があれば、声を掛けて注意を促しまする。

さて、この刃がただの飾りにあらぬこと、心得ましたでしょうか。

*アドリブ歓迎


アリスティア・セラフィール
鬼狩人の武士、一度会ってみたい気はしますが、今は出来ることを致しましょう。
相手が空の上ならこちらも飛翔で対抗。、いくつかのリングスラッシャーを先行させて敵の注意を引きつけ、その隙に残りのリングスラッシャーで不意打ちを仕掛けます。
悔しいですが空中戦の技量は敵の方が上のようです。観察により敵の動きや攻撃のパターンを看破して攻撃を避けるようにして、避けきれない攻撃には結界術に魔術知識と浄化で強化した結界で呪いの羽に対抗しましょう。
空中戦に慣れた誘導性の攻撃を扱う敵ですから、周囲の戦いにも注意して危ない味方がいたらフォローします。特に戦闘に慣れていない「レベル10の人をディフェンスする」対象とします。


渦中・浪刃
記憶を失った私では家族の情を全て理解することはできないかもしれません
ですが、生きようと、大切な者を生かそうとする姿に敬意を抱いたのは事実
どこまで届くか分かりませんが、力を尽くし守りましょう

「あちらは鼠を追い詰めたつもりでいらっしゃるのでしょうかね。では…手酷く噛み返しましょう」

皆さんと連携を取りたいですね
【飛翔】で飛び上がり
『伝承知識』で敵の行動を予測、周囲へ注意喚起

敵へは大金棒で迎え撃ち
隙を見て『誘導弾』で敵の翼を重点的に狙う
バランスが崩れたところで【双翼魔弾】

「狩るならば、狩られる覚悟もあるのでしょう?」

地に落ちる敵は地上の方々にお任せします
まずは翼を奪いましょう
確実に倒していくためにも


花鶴・景臣
来いよ、外道共
楽しいお遊戯を始めようぜ?

死角を取られた復讐者がいた時は援護を密に
挑発して天狗の注意を此方に引き寄せる
羽音を消そうが、あれだけ大層な服を着てるんだ
布の擦れる音程度なら判別出来る筈
周囲を注意深く観察し、不意打ちを警戒
秘孔を突かれる前に得物で軌道を逸らす
兎に角動けたら何でも良い
忍耐力で意識がぶっ飛ばないよう気ぃ入れて
抜刀した無銘で真っ二つにしてやる
蹴り入れてフェイントかましたり
死角から翼を狙っての不意打ち――と
何でもありはてめえ等だけと思うなよ?
自身よりも弱者を虐げる阿呆共に
慈悲なんて一片も必要ねえよな?

――狂ってる?
なに、俺は至って冷静さ
冷静だからこそ、丹念に殺してやれるってもんだ


虹空・アヤ
辿り着く前にすべて倒す
は、分かり易くてイイ

多数ならまとめて片付けンぞ、手毬
思いっきり暴れてこい
村へ抜けて行こうとする敵から狙うよう指示し、モラの手鞠を敵群へ向かわせ
同時に自分は「Eater」構え手鞠と逆へ駆け、煽りつ敵の気を引く
ホラ、余所見してっとコッチが喰っちまうぜ?
敵の体を足場、或は軸に【飛翔】で跳び躱し*空中戦の要領で翻弄

纏う「星藍」で死角の気配に注意
不意打ち避けるよう攻撃方向読み「Eater」で受け軌道逸らし、躱すかダメージを削ぐ
また体力低い仲間から積極的にディフェンス
目障りに動き回り敵の集中や連携を乱したいトコ


理不尽な未来は、朧げな記憶と重なる
せめて此処は、ココで、止めてやる


ラガルティハ・サンセット
ああ、よくない
身を寄せあって生きる人々を
僕は見殺しになんてできない

攻撃は村へと入り込む敵を優先的に狙って
なるべく最大数を巻き込もう
一歩も踏み入れさせたくないからね

エアライドで縦横無尽に飛び跳ね
妖精達と一緒に魔法剣で天狗の翼を切り裂くよ
僕の友達はとても頼もしい

味方との連携も密に
声をかけ合い、倒し残すことがないようにしていこう
僕の攻撃が一気に薙ぎ払えなくても
誰かが確実にとどめをさしてくれるはず

接近されたなら飛んで躱すよ
今は僕疲れてないから
押されたいツボもないんだよね

誰かに蹂躙されてもいい
そんないのち、ひとつもないんだ
あなた達には理解できないんだろうけど

残った白蛇のお姫様
今度はあなたに刃を届かせるよ


歌川・ヤエコ
家族は皆揃って仲良くいるのが当たり前
でも、その当たり前を壊そうとする悪い奴がいんなら!
あーしの拳でぶっ飛ばしちゃる!

村の前で仁王立ち!でもって大声で宣言!
この場に武士がいないってんならこうしちゃる!
村のみんな〜!よーく見といてね!
あーしはギャルで!JKで!皆を守る武士だ!
これで村の人がちょっとでも希望を持ってくれると嬉しいな

大見得きったんだから負けるわけにはいかないよね
相手は音を消してやってくる
でも翼を動かせば風も動くでしょ
目を閉じ肌で感じよう
捨て身の一撃!相手が近付くのを感じたら穿つ!河南流「槍衾」!
…じゃなくてギャル神拳!自分ルールだけどこれメンドイなぁもう〜!



 黒き翼の天狗ども。集いしディアボロス達。先手を取ったのは、空中と地上、両面から攻め立てる復讐者の側であった。
「ご機嫌にお出かけのところ申し訳ないが……」
 戦闘用にカスタムされ、装甲を付加された大型バイク。神話の巨人の名を冠されたそれに跨り、飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は土煙を立てて天狗の眼下を走り抜ける。
「通行止めだよ。こっから先は、な」
 腰のシザーバッグから何本かの筒を取り出し、小さな拳銃へと装填する。まっすぐ上に向け引鉄を引けば、手持ち花火のような眩い炎と共にカラフルな煙が空へ伸びていく。
 二度、三度、四度。もくもくと、もくもくと。
 無論、空の全てをカラースモークで覆えるわけでもない。だが、遊里は既に天狗の群れの真下まで迫っている。となれば、少なくともその大部分は煙に包まれる事となるのだ。
「ここから先は、魑魅魍魎はお断りだぜ!」
 その煙の中へ、天翔けるディアボロス達が突っ込んでいく。先頭を征くのは、目一杯に加速した赤い弾丸――革ジャン姿のヴェルゼ・バーガンディー(紫色の狂魔・g02195)であった。
「ハッ、狙い放題だな!」
 その手には大振りのリボルバー。赤い瞳のデーモンは、猛牛すら仕留める弾丸に狂魔の力を籠めて狙い撃つ。次の瞬間、赤い光が一つ、黒天狗の翼に咲いた。
「その翼は飾りかぁ? 天狗もたかが知れてんなおい!」
 迫る天狗を躱すように螺旋を描く。もっと速く。もっと疾く。胸のネックレスが風に煽られて舞い、二つの指輪がちりちりと音を立てる。
 スモークが視界を遮る中、半ば勘を頼りにヴェルゼは引鉄を引いた。二匹目の天狗へと、魔力の弾丸が吸い込まれていく。
「ストライク! ……と、下の奴は頼むぜ!」
 カラースモークなんて粋な祝砲の前払いをした、イカレた奴が下に居る筈だ。声を限りに叫んでみれば、一拍遅れて信号弾が彼の鼻先をかすめていった。
「言われずとも、な。――全機、アクティブモード!」
 遊里の号令と共に幾つものビットが『ギガント』から射出され、真っ直ぐ空へと上がっていく。その砲口が狙うのは、ヴェルゼが魔弾を撃ち込んだ天狗の一匹。
「悪いが遠慮なく蹴散らすぞ。――どうしたって許せない事もあるんだ」
 周囲を取り囲んだビット群が一斉に天狗へとレーザーを浴びせかけ、その翼を灼いて地上へと叩き落した。
「これは、心強い援護ですね」
 次いで群れへと突っ込んだのは渦中・浪刃(渦隠・g02250)。狩衣の裾をはためかせて飛ぶ彼の背にも、悪魔の翼が顕現していた。
「さて、天狗と言えば鯖が苦手と言いますが……今はそれよりも、実力がものを言いますか」
 伝承に謳われる天狗の快足。縦横に飛び回る戦場の黒影を目にすれば、嘘でも何でもないと浪刃にも実感できる。……そして、その残虐さも。
(「鼠をいたぶっているおつもりでしょうかね」)
 村人を弄って殺すと聞いた。彼に家族の記憶はなく、故に失う痛みもわからないが――だからこそ。
 きっと、誰もが足掻いたはずだ。生きようと。大切なものを護ろうと。その人々の輝きに、浪刃は思いを馳せる。再び同じ悲劇を起こさないように。
「ではは――手酷く噛み返してみせましょう」
 手には怜悧な姿に似合わぬ大金棒。飛び回る妖怪にぴったりと沿うように並び、得物をぐいと振り被る。慌てて錫杖を構えようとする天狗。
 だが、次の瞬間、彼の翼が赤く瞬いた。至近距離で閃光が爆ぜる。それは金棒をフェイントにした彼の魔弾。距離を取れば避けられると読んで、インファイトの位置から叩き込んだのだ。
「狩るならば、狩られる覚悟もあるのでしょう?」
 するり、と体を入れ換えて、寄ってきた別の天狗にも魔弾を浴びせかける。驚き慌てる黒衣の者どもに彼が吐いた言葉に込められたのは、怒りか、それとも嘲笑か。
 だが、いずれにせよ、その台詞は等しく彼自身にも向けられる。
「……っ!」
 天狗どもが翼を激しく打ち震わせた。抜け落ち飛び散る烏の羽根。そして、その黒き羽根はダーツのようにピンと尖って、自らを傷つけた狩衣の男へと殺到する。
 大きく高度を上げて躱そうとする浪刃。呪いの矢もまた彼を追う。追いつかれる、と覚悟した、その時。
「――流石は天狗、空中戦には慣れているのですね」
 玲瓏たる声が彼の耳朶を打った。振り返れば、白く美しいドレスの後ろ姿。アリスティア・セラフィール(シンフォニックウィザード・g02995)、二丁拳銃を構えた天使が、黒き羽根を受け止めていた。
「……助かりました」
「悔しいですが、空中戦の技量は敵の方が上のようです」
 既に幾つかの場数を踏み、経験を積んできた彼女でさえ、すばしっこく飛び回る天狗の相手は簡単な事ではない。だが、軌道が読める攻撃に割って入るくらいは出来るのだ。
 無論、人によっては致命傷になるダメージでも、自分ならば耐えられるという計算あってのものだが――初陣の者をカバーする、というアリスティアの目論見は、多くの者が慣れぬ空中戦では殊更に有効だったと言えよう。
「けれど、今は出来ることを致しましょう」
 琥珀色の髪の天使が、柔らかく翼を羽ばたかせた。天狗どもの荒々しいそれとは違う、風の流れをなぞるような動き。僅かな揺らぎが起こるたび、無数の光の輪が生まれていく。
「さあ――奏でましょう」
 そして。
 翼がぴたりと止まったその時、光の輪が天狗達へと殺到した。それは先の攻撃の、完全なる意趣返し。黒き羽根ならぬ白き光は、逃げる敵を追って飛び回る。
 だが。だが、誘導性と速度にほんの少し劣る光輪は、あと一歩天狗の翼には届かない。逃げ切ったと察した天狗が安堵の息を漏らした、その時。
「……逃げられません、私の旋律からは」
 全くの死角から飛来した光輪、アリスティアが回り込ませていた本命が、油断した愚か者の翼を斬り裂いていた。

「――来いよ、外道」
 目まぐるしく相手の変わる乱戦の中、打ち合っていた天狗がそっと視界から外れていくことに、花鶴・景臣(灰に帰すまで・g04686)は気づいていた。
 そもそも、この妖怪の本領は奇襲である。視界の外から、意識の外から、突然に現れて不意の一撃を突き入れる。それこそが集団戦を旨とする天狗の決め手なのだろう。
「始めようぜ、楽しいお遊戯をな」
 剣戟と悲鳴、爆発と怒号。戦場音楽の鳴り響くまっただ中で、小さな気配を捉えるのは難しい。だが、景臣は待った。必ず仕掛けてくると判っている、それは彼にとって最大のチャンスなのだから。
「……そこだ」
 振り返る。抜身の刃で薙ぎ払った。金属音。次いで、腹に突き刺さる痛み。ぐっ、と小さく呻いた。
 彼の得物は確かに天狗の錫杖を捉え、その勢いを殺した。だが、『突き』を完全に弾く事は能わず、狙いを幾分か外した杖先が身体を捉えたのだ。
 刈り取られそうな意識。けれど。
「肉を斬らせて、ってな」
 僅かに唇を歪める。格好悪く寝そべるなんてする気もない。錫杖を掴み、ぐい、と引き寄せた。
 慈悲なんて必要ねえよな? 体勢を崩した天狗にそう囁いて、銘も無き刃を突き立てる。
「随分イカれてんな、アンタ」
「なに、俺は至って冷静さ」
 だから、丹念に殺してやれる、と。そう嘲う景臣に、虹空・アヤ(彩・g00879)は肩を竦めた。
「なら、そいつはアンタの獲物だよ」
 後ろからばっさりいってやろうと思ったが、どうやら手を出すまでもないらしい。そう判断した彼は、地上に降りた天狗の一団へと相棒のモーラットを走らせる。
「は、分かり易くてイイ――まとめて片付けンぞ、手毬」
 同時に地を蹴って飛び立ち、加速するアヤ。地上に降りた天狗どもを上空から狙わんとするように旋回し、手にした剣を見せつける。
「ホラ、余所見してっとコッチが喰っちまうぜ?」
 飢えし牙の如く逆手に構え、妖怪の一団へと飛び掛かる。反応し構える黒き翼。――それが、見え透いた罠であると気付かないままに。
「思いっきり暴れろ、手毬」
 閃光が、彼らの背後で爆ぜた。
 それは、忍び寄ったモーラットが放った雷鳴。火花を散らす稲妻が手毬を中心に広がり、今にもアヤへと飛び掛かろうとしていた天狗達を巻き込んだのだ。
「止めてやるさ。此処は、ココでな」
 自らを囮にしてみせた彼は、そう感傷を口の端に乗せる。意識の端、朧げに靄がかかる何かが、ちくり、と痛んだ。
「そう、これは未来を掴むための戦いなんだよっ!」
 高速機動での戦闘下。アヤの呟きを拾ったわけではないだろうが、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は鼓舞するように叫ぶ。仲間を。そして自らを。
「あなた達に、これ以上滅びを撒いたりはさせないからね!」
 翼のように白いマントをなびかせて、妖精と共に頭上高くから急降下。すれ違い様に天狗を斬り付け、着地した右足を強く踏みつける。ぐん、と身体が浮いた。
「そんな未来なんて、砕いてみせるから」
 虚空を蹴ってもう一段高く。放物線の頂点でくるり、と回転し自由落下。精霊剣を横薙ぎにして二匹の天狗を切り払い、左手でハンドスプリング。曲芸じみた動きを息も乱れずこなしたシルは、更なる戦果を求めるべく疾り出す。
「そう、わたし達が、ここで、あなた達を滅ぼすからっ!」
 その先には四匹目の天狗。錫杖を彼女へと向け、迎え撃つ体勢をとる敵へ、しかしシルは畏れることなく突き進む。
「これが、滅ぼした過去の怒りだっ!」
 身体ごと飛び込んだ。肩に走る痛み。けれど、止まらない。止まれない。体当たりするように剣を突き入れ、一息に止めを刺す。
 頭上を見上げれば、白蛇姫へと仲間達が挑みかかっていた。

「村を寒からしむる天狗よ、その狼藉、清が許しませぬ」
 数を減らす天狗達。けれど、ディアボロス達がその手を緩める事はない。緋色の装束に身を包んだ豊島・清(紅刃・g03020)もまた、その色のように戦意を焦がしていた。
「この刃がただの飾りにあらぬこと、心得られよ」
 武芸者であった。自らを律する者であった。故に、相手がクロノヴェーダ、怪異の類であろうとも――己が故郷たる平安の世を乱した存在であろうとも、彼女は声を荒げる事はなかった。
 だが、天狗は覆面の下で、確かに嘲った。紫の瞳が、鋭く細められる。
「……おなごと侮ることなかれ。清の剣は、あやかしを斬るものなれば」
「なになにー? あーしら馬鹿にされてる感じー?」
 そこに割って入った歌川・ヤエコ(ギャル神拳免許皆伝・g01595)が、一人でムカつくーと騒ぎ出す。
「清っちのリボン激カワなんですけどー? なのにそんなこと言う奴は、あーしの拳でぶっ飛ばしちゃる!」
 ふんす、と仁王立ちになり、拳を打ち合わせるヤエコ。声を限りに叫んだ。このイケてない敵へ。今も戦う仲間達へ。そして、希望を忘れまいと生き抜いてきた村人達へ。
「村の皆もよーく見といてね! あーしはギャルで! JKで! 皆を守る武士だ!」
「……いいね。実に頼もしい。僕の妖精と同じようにね」
 少女達と妖怪の対峙。だが、次の瞬間、突然現れた鮮やかな色彩が全てを塗り潰した。
 天狗達の周囲が燃え上がる。いや、それは炎ではなく、夕焼けの髪、黄昏の翼――沈む夕日のいろに満ち満ちたラガルティハ・サンセット(陽光路・g03583)が、横合いから高速で突っ込んだのだ。
(「出来る訳がない。見殺しになんて」)
 ぐ、と剣を握り締める。赦せないものがあった。取り戻したいものがあった。身を寄せあって生きる人々。重なる記憶。今も、見習騎士であり続ける意味。
「誰かに蹂躙されてもいい。そんないのち、ひとつもないんだ」
 妖精達を恃みに、敵の只中に降り立つ。無心に剣を振った。足を止めれば袋叩きにあう事は判っている。だから、走り、跳び回った。止めを刺しに行こうとは思わなかった。
 ちらり、二人の少女に視線を投げる。一人じゃない、隣の誰か。なら今は、この天狗の翼をもげれば、それでいい。
「あなた達には、理解できないんだろうけどね」
 最後の一体へと斬りつけ、そのまま後ろに跳んで離脱する。後は、緋色と桃色、近しい二つの色彩に任せよう。
「――この焔は悪しきを清める焔にて」
 清とヤエコの二人にとっても、ラガルティハの乱入は絶好の機だった。一足に間合いを詰めた清が、三尺の太刀を鞘走らせる。舞うは折鶴、閃くは紅刃。逃げ出さんと翼を羽ばたかせる天狗どもを、悪鬼を滅する炎を宿した剣閃がばさりばさりと斬り捨てる。
「空からならば理ありと傲れば、かようの如く焔に捕えられまする」
 刀を納める清。だが、なお一匹が生き残り、上空へと逃れんとしていた。けれど、彼女は動かない。自分を可愛いと言った戦友に、任せていいと知っていた。
「音を消して戦うくせに、自分が気付かないのってナイナイ!」
 頭上から落ちた影に気付く天狗。見上げれば、上空から回り込んだヤエコ。太陽を背にした彼女が、虚空を蹴って地上へと跳んだ。
「いっくよー! 河南流『槍衾』!」
 右手を尖らせ、構える。この身は一本の槍。この指先は鋭き穂先。刹那、目を閉じた。重力も味方にして、普段よりも速く。普段よりも鋭く。
「よいしょー!」
 貫手、と呼ばれる空手技。肉をも貫かんとする鋭い突きが、その名の通り槍衾の如く天狗へと襲い掛かり、食い破った。止めに姿勢制御代わりの蹴りを一つ、倒れ伏す天狗を飛び越して着地するヤエコ。
「……あ! 今のナシ! ギャル神拳だから!」
 自分ルールだけどこれメンドイなぁ、とぼやく彼女に含み笑いを零し、ラガルティハは頭上の激戦を見やる。
「今度はあなたに刃を届かせるよ、白蛇のお姫様」
 天狗の群れを失った白蛇姫。決着の時が近づいていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV2が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【飛翔】LV3が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV3が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV3が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

シル・ウィンディア
さて、お姫様、覚悟はいいかな?
わたし達、ディアボロスが来ているんだから、生き残れるとは思わないでね。

飛翔で空に舞い上がって、右手の世界樹の翼をtype.Cに変形させてから、誘導弾を連射しつつ、敵に急速接近!
近接の間合いに入る前に、残像を生みつつ
エアライドで真横にジャンプしてから、再度エアライドで水平にジャンプ捨て、敵に接近するよ

そこからは…
左手の精霊剣で斬撃を繰り出して、そのまま離脱っ!

離脱してからは、高速詠唱で詠唱を開始
世界樹の翼をtype.Aに戻してから、全力魔法での精霊収束砲っ!

これが、わたしの全力……
…世界の、わたし達の怒り、今こそ思い知れっ!!

これで悲しみを生む元凶を取り除けたかな?


渦中・浪刃
最後まで戦い抜きます
これ以上の悲劇を生み出さぬ為にも、惨劇を齎す者には退場頂かねば

引き続き【飛翔】を維持
皆さんと連携を取り確実に追い詰めていきましょう

『伝承知識』にて敵の予測される行動を周囲へ伝え
【伝承戦術】で有効な手立てを探り戦う
『誘導弾』や暗器の片影を白蛇姫に目掛けて『投擲』、そちらに注意を向けさせ
隙を見て大金棒で黒馬の脚の『粉砕』を狙う

「白蛇姫、貴方には堕ちて頂く」

もし堕ちぬとも機動力は下がるはず
これだけでは姫君を止めるには力が及ばぬでしょうが、構いません
敵の首を刈り取る刃の一助となればそれで良い

如何に強大な敵であっても
この場に集う者より向けられる無数の刃からは、逃れられないでしょうから


飛鳥・遊里
よ、散々好き勝手やってきたツケを清算してもらいに来たぞ?
流石に腹に据えかねてるんでな。本業はリサイクル屋だけど、今日の俺は【解体業者】だ

可変装甲バイク[ギガント]をフルスロットルで走らせ、向こうが迎撃態勢を取ったら【ギガンティック・オーバーパワー】発動
エンジン、機体破損承知の上で、エンジン全開で大暴れさせてもらう

機動力がご自慢のようだし、捕まえて動き封じれればだいぶやり易くなるだろう。多少の損傷は覚悟して、正面から取っ組み合いに持ち込んでフルパワーで締め上げてやる

俺が動きを止めてる間に、他の仲間にはパラドクス通信で、【俺にかまわず奴を撃て】と言っておく。なに、頑丈さには自信があるから気にするな


豊島・清
蛇の物の怪よ。その口で村の明日を一息に呑みこむのは、やつがれどもを退けてからにございまする。

一体とはいえども、あの力は侮れないものにございましょう。
出方によってすぐに攻守を切り替えられるよう、納めた刀に手をかけたまま《呼吸法》で意識を整え動向を《観察》。

まっすぐ攻撃が来るならば《ジャンプ》にて回避を試みまする。
空は飛べなくとも、地ばかりを駆けてばかりいるわけではございませぬ。

敵に消耗の色が見えた頃、襲い来る機を狙って【牡丹切】を見舞いまする。
もはやそなたは逃げるに遅し。この刃でその血を濡らしましょう。


それにしても、"鬼狩人の武士"とは一体……

*アドリブ歓迎


ヴェルゼ・バーガンディー
次の相手はボス格、白蛇姫、アンタを討つ
常時【飛翔】の残留効果で空中に居るようにするぜ
前半の行動は仲間との連携を主軸に
白蛇姫の使用する技を防ぐ行動をするぜぃ
黒馬の蹄を使用した場合、獄刀で馬の脚を狙って斬る
「空中にゃ俺がいる事、忘れてんじゃねぇ!」
白蛇の尾を使用した場合
即座に、その技を被弾しそうな仲間の元へ駆けつけ
大斧で無理やり防御するぜ
「容易く払えると思ってんじゃねぇ!」
執念の歌を使用しようとした場合
自身の拳銃で直接白蛇姫を狙って撃つ、白蛇を呼び出された場合
呼び出された白蛇に向かってぶっ放す

後半は俺も攻撃に加わる、使用技は「地獄陥」だ
「村人の明日を奪おうとしたてめぇに明日はねぇ!地獄で詫びな!」


歌川・ヤエコ
武士を名乗ったからには最後まで通さないとね
あーしは武士、ぶしぶし、ぶし!
よっし、やる気出てきたぞ〜!
村には絶対入れてやんないからね、蛇のお姫様!

にしてもこのお姫様、色んなのが混ざってひとつになっているのかな
蛇に馬にお姫様、こんだけいると視界も広そう
不意打ちは難しそうだし、逆に意識の外から攻撃されちゃいそう
ひとつひとつ潰していかないと不味いかもだ

というわけで!
相手の機動力を落とすために馬を狙って河南流『瀧落』!
相手は空飛んでるから【エアライド】でタイミングを見図らないとね

多少の怪我はなんのその!今のあーしは武士だからね!
ウソごめんネイル割れたりしたら多分ヘコむわ
今日のは特に上手にできたんよ〜


虹空・アヤ
待たせたなぁ、オバサン
ンな高いトコ引っ込んでねぇで、遊ぼうじゃねぇの

言うより早く【飛翔】し敵前へ
馬でも蛇でも邪魔くさいトコ狙い
手刀で斬りつけると見せ掛け【骸喰】
腕を荊蕀の鞭へ*肉体改造、強かに打ち付け喰らいついてやる
振りほどく反動で距離取り*空中戦の要領で体勢整え
反撃は突撃の軸ずらし流すよう威力を削ぎ凌ぐ

手鞠へは*電撃纏わせ
敵の目を撹乱するよう自分とは逆方向へ飛び回らせ
少しでも敵の隙を誘いたいトコ
また、自身より体力の低い仲間は邪魔にならなければ積極的にディフェンス試み全体の戦線を維持

残念ながらまだまだ足らねぇンでね
理不尽な恐怖の芽は、残らず喰らい尽くしてやる


星見・晴
◆夜風(g00307)と

慎ましく
それでも清く正しく生きてきた挙句の果てが「それ」ってのぁ赦せやしねぇよな。

(なんか難しそうなこと考えてそうな後輩の肩ぽんと叩いて)
なぁに、おめーはおめーらしくやりゃあいいさ
ドォンと行こうぜ夜風!!

生身で接敵
蛇の唸り、尾の動きから攻撃のタイミングを予測する――ここだろ![戦闘知識]
臆さず踏み込めるだけの[勇気]と【エアライド】の空中ステップで攻撃躱して
後は眼鏡のブリッジを叩いて
変身シーケンスを作動させる。

   ID TO BE COSMO END‼︎
《此は宇宙の果て迄至る原我である!!》

赤い機械甲冑に紅蓮の大刃携えて
蛇ごとずんばらり行かせて貰うぜ!![両断]


切羽・夜風
●星見・晴(g00661)と

(清く穏やかな生活が理不尽に潰されるなんて絶対に見過ごせない
頼りになる先輩と一緒だし、頑張らなきゃ
……例え自分が妖怪に近い身だったとしても)

お仕事中なのでここからござる口調
はぁい、晴殿!
赦せるわけがないでござる、ここで悪い終焉は切り捨てるでござるよ

初手より奥義で参る
この刀は距離を断ち切る刃
長い尾の攻撃時には空への距離を切り取って空中に避け
そのまま敵の懐まで一気に飛び込んで刀を振るうでござる

驚いたでござるか?
でも、本命はここからでござる
何度か切り結び、【両断】し距離を取れば

晴殿の甲冑が飛び込んでくる隙を作るでござる
さぁご覧あれ、天道の裁きを
なぁんて、照れるでござるか?


花鶴・景臣
――御機嫌よう、お姫様
退屈過ぎて、こんな辺鄙な村まで来ちまったのかい?
そんなに遊び相手が欲しいんなら
あんたが地獄に落ちるまで付き合ってやんよ

他の復讐者の行動を観察しつつ
攻撃に乗じて死角から不意打ちを狙う
又は、俺が他が攻撃する隙を作る…等々
連携を密に、臨機応変に行動
体力がやべえ奴がいれば
忍耐力を活かし、庇いに入る

挑発で此方に反応すりゃあ良し
空から駆け下りる馬を注視
蹴りを喰らう前に目の前で炎を発現
…ま、単なるフェイントだが
炎で一瞬でも怯めば多少は避け易くなるだろ

それとも脚部を狙って捨て身の斬撃でも披露してやれば
馬から機動力を奪ってやれるかね?
はっ、乗り心地もさぞ悪くなるだろうよ
嫌がらせには丁度良い



 自らを守らんと戦う天狗の群れの向こうで、悠々と戦いを見守る女。
 三次元の戦場、その下方にて、切羽・夜風(不撓のオウルナイト・g00307)は敵将の姿を見つめていた。
(「絶対に見過ごせない。穏やかな生活が、理不尽に潰されるなんて」)
 ぐ、と手を握り締めた。指先の鈍い痛みから溢れ出る決意。けれど、それは別の事実をも彼女に突きつける。
(「……例え、自分が人からは遠い身だったとしても」)
 硬化した腕。唯人の身には有り得ぬ膂力。それは鬼の血を引く故か、それとも怪異の業か――。
「ったく、また難しそうなコト考えてんな?」
 ぽん、と肩に置かれた手。見上げれば、星見・晴(赤星番長・g00661)の微笑む顔があった。
「なぁに、おめーはおめーらしくやりゃあいいさ」
「せんぱ……、はぁい、晴殿!」
 戦衣の上から伝わる温もり。油断した声を漏らしかけ――夜風は、今が『仕事中』であると思い出す。ぐ、と腹に力を入れ、少し声を作って。
「ここで悪い終焉は切り捨てるでござるよ」
「ああ、赦せやしねぇよな」
 慎ましく、けれど懸命に生きてきた果てを、悲劇で終わらせるわけにはいかない。晴もまた、眼鏡の奥に真剣な光を宿していた。ドォンと行こうぜ、ともう一度、少女の背を叩く。その手が励ましたのは、夜風か、それとも。
「さぁ、ご覧あれ、天道の裁きを!」
 いずれにせよ、その掌に背を押され、夜風は地を蹴った。足音は軽く、されど風切る音は鋭く。身体は虚空へと投げ出され、緩く螺旋を描き、白蛇の姫へ吸い込まれていく。
 迎え撃たんと殺到する白蛇。尋常の機動であれば、彼女がそれを避けることは適うまい。だが、逆説連鎖戦の攻防は、物理法則の常識を裏切るのだ。
「――この刀は、距離を断ち切る刃」
 ぶん、と宝刀を薙ぐ夜風。それは、白蛇にも姫にも届かない、あまりにも間合いの足りない一閃。しかし次の瞬間、彼女の身体がぶれ、歪み、そして消える。
「驚いたでござるか?」
 その声は、黒馬に跨った白蛇の姫の背後から。彼女の剣が斬ったのは、白蛇ではなく姫への空間だ。距離を抉り取って詰め、狙う相手さえ追い越して。
 しかし、夜風の刃はただ空間のみを斬るに非ず。大きく宝刀を振り被り、クロノヴェーダの背中をばさりと斬りつける。
 そして。
「でも、本命はここからでござる」
 それすらも陽動なのだ、と彼女は告げた。斬撃に気を取られた白蛇姫を狙うのは、空中を蹴りながら飛翔してくる晴だ。
「ID TO BE COSMO END!」
 アンダーリムのブリッジをなぞり、始動キーを口にする。此は、宇宙の最果て迄至る原我である――その宣誓に応えるかのように、赤い機械甲冑が装着され、彼は一人のヒーローへと成ってみせるのだ。
「オレは、コスモノート・ハーレーだ!」
 彗星の如く駆け抜けよ。赤星の如く灼き尽くせ。手には紅蓮の刃、胸には熱き血潮。己が名を猛く知らしめれば、身体に無限の熱が踊るのだ。
「ずんばらり、と行かせて貰うぜ!」
 夜明けの銘は今ここに。両断せんとばかりに振るわれた晴の太刀が、割って入った蛇を両断し白蛇姫へと迫った。

「青春だねぇ、おじさんには眩しいよ」
 大型バイクを走らせつつ二人のやり取りを見やり、口笛を吹く飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)。そう言う彼も明らかに若者の範疇ではあるのだが――ティーンエイジが主力のこの戦場で、年長者として諧謔交じりに見守る程度の余裕は保っている。
「ああ、だけど、任せっ放しにはしない。流石に腹に据えかねてるんでな」
 ブレーキをかけ、遥か空中の黒馬を睨みつける。既に天狗はその数を減らし、完全に抑え込まれていたが、敵将を囲むディアボロスの数はまだ心許ない。ふと目をやれば、天狗の群れから抜け出てきた仲間の影が数人、視界の端に映り込んだ。
 ならば、と理解する。今が、切り札の切り時だろう。
「セーフティ解除。コード・ギガンティック!」
 解除コードと同時に、不自然な程の量を備えられた装甲がその形を変え始めた。
 遊里をその背に乗せたまま、神話の巨人を銘されたバイクは地上を走るという役割を放棄する。後に現れるのは、彼自身を呑み込んでその名の真価を見せつける、機械仕掛けの巨人だ。
「本業はリサイクル屋だがな、今日の俺は解体業者だよ」
 大きく跳び、そのまま飛行形態に移る。戦闘用に強化されたパワーローダーの駆動音は、のっけから最大出力を超えて響いていた。
 風を切り、怒りに燃えて、鋼鉄の戦士は妖魔へと至る。頑丈さには自信があった。ならば多少の無理は構うまい。限度を超えた速度も、虚空を駆ける黒馬の蹄をも。
「よ、清算してもらいに来たぞ? 散々好き勝手やってきたツケをな」
 鋼の拳こそ我が得物。力の限り殴りつけ、そのまま黒馬へと組み付いてみせる。暴れる馬体を締め上げれば、みしり、と機体のジョイントから音が漏れた。
『俺に構わず奴を撃て!』
 パラドクス通信を通じ、周囲のディアボロス達へと叫ぶ遊里。抑えていられるのもそう長くはないだろうが――彼の声は確かに届いていた。
(「……お見事です」)
 その中の一人、渦中・浪刃(渦隠・g02250)は更に飛行速度を上げる。
 天翔ける馬、白蛇の妖。伝承に語られるいずれにも共通するのは、その恐るべき疾さだ。天狗の群れに交じって行動していたならば、少なくとも天狗の快足と同等以上と考えていいだろう。
 故に、一時であってもその機動力を殺せたのは大きいのだ。この一撃を、躱されること無く叩き込めるのならば。
「惨劇を齎す者には退場頂かねば。これ以上の悲劇を生み出さぬ為にも」
 左手の袖に仕込んだ棒手裏剣を抜き出して、ぶん、と投げつける。まっすぐ飛んだそれが狙うのは、薄絹に隠された美女の顔。無論、当たった所でさしたる傷にはなるまいが――。
「白蛇姫、貴方には堕ちて頂く」
 それは浪刃が仕掛けた、二重のフェイントだった。一つは、顔面というおよそ人の形をした生物ならば庇わずにはいられない場所を狙ったこと。そしてもう一つは。
「たとえ、姫君を止めるには力が及ばずとも……!」
 あくまでも、白蛇姫それ自体が標的だ、と思わせたことだ。
 右手に携えた大金棒を両手で握り直す。ぐ、と力を込めた。右目の青が、パワーローダーに抑え込まれた黒馬へと注がれる。
「敵の首を刈り取る刃は、一振りだけではありません!」
 長大なる鈍器を、三つ目の馬に打ち下ろす。衝撃。手応え。馬の嘶き。そして、美しい声が何かを呟くと同時に、白き大蛇が鎌首をもたげ、彼の肩口へと食らいつく。
「……この場に集う無数の刃が、あなたを狙うのですから!」
 伝わる痛み。だが怯むものか。白蛇を片手で抱え込み、彼は敢えて落下してみせる。後に残るのは、馬が動けず蛇ももがれ、がら空きになった白蛇姫への道だ。
「はっ、乗り心地もさぞ悪くなっただろうよ」
 その花道を、花鶴・景臣(灰に帰すまで・g04686)が突き進む。馬の脚でももぎ取ってやろうかと思っていたが、その役目は既に浪刃らが果たしていた。
 先に出番を取られた格好だが、不思議と気分は悪くなかった。覚悟を決めた奴らが居て、覚悟の上でやるべきをやった。ただそれだけのことだ。
「――ああ、お姫様の遊び相手は俺がきっちり務めるさ」
 ならば、自分の役割も決まっている。手痛い一発をかましてやるだけだ。抜身の刃が、ちり、と音を立てる。熱を帯びた音が、ちりちりと。ちりちりと。
「御機嫌よう、お姫様。こんな村まで来ちまうほど退屈なのかい?」
 猛禽よりも速く突っ込んだ景臣。だが彼は、白蛇姫の眼前で急ブレーキを踏んだ。刹那、御簾越しの美貌を睨みつける。急激に、彼の周囲の温度が上がり始めた。
「そんなに遊び相手が欲しいんなら――付き合ってやんよ、あんたが地獄に落ちるまで」
 彼に応えるかのように、ばちり、と刃に火花が走った。突如、轟、と音を立てて刀を焔が包む。
 横薙ぎに振り切った。刃そのものの手応えは浅い。なれど、景臣の剣技はただ斬るだけではない。離れじの刀の在り様を超えて、彼は焔へと命じるのだ。
「――燃え尽きろ」
 爆ぜた。瞬間、白蛇の姫を調伏の業火が巻き込み、炎の嵐となって空間を灼く。妖異さえ生き残ることを許さない炎熱結界。
 ああ、だが。
「ちいっ……!」
 ディアボロス達を払いのけて炎の海より現れた黒馬が、景臣を蹄に掛ける。そして。その背に在った白蛇姫が、まだ始まったばかりだと更なる大蛇どもを召し出すのだった。

 白蛇姫との戦いは続く。決死の攻撃を仕掛け、決して浅くはない傷を負わせ、しかし反撃もまた苛烈。一進一退、その天秤が傾いたのは、ようやく天狗を抑え込んだディアボロス達が合流してからのことだ。
「さて、お姫様、覚悟はいいかな?」
 高速で飛翔するシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が大きく旋回し、敵将の背後をとろうとする。
 先ほどまでは魔力弾を生み出し牽制という名の爆撃を繰り返していた彼女だが、既に手にした銃を長杖へと換え、いよいよ必殺の一撃の準備を整えつつあった。
「生き残れるとは思わないでね。わたし達、ディアボロスが来ているんだからっ!」
「ならば、清が先に参りましょう。あの力、侮れぬものにございましょうから」
 並走していた豊島・清(紅刃・g03020)がシルに呼応し、周回の軌道を外れる。天翔ける黒馬は疾く、執拗なる白蛇は変幻自在。この三次元の高速戦闘では、まず相手の動きを止める事が重要であると、彼女もまた理解していた。
「蛇の物の怪よ。その口で村の明日を呑みこむのは、やつがれどもを退けてからにございまする」
 納めた刀には手を掛けたまま、すう、と大きく息を吸った。ゆっくりと吐く。ごうごうと風が捲く音が、不意に聞こえなくなった。
 白蛇姫へと真っ直ぐに飛ぶ。迎え撃つは幾つもの大蛇。なれど斬らず。避けず。身体を僅かに捻って紙一重で躱し、蛇の鱗を擦るように虚空を滑った。
「もはやそなたは逃げるに遅し――」
 清の視界には、姫君とその乗騎しか映っていない。飛翔の速度を鑑みれば、彼我の距離はゼロにも等しかった。最早、迷うまい。
「――この刃でその血を濡らしましょう」
 それは刹那の間。高速の突撃と反比例して奇妙にゆっくりと感じる時間。既に鯉口は切っている。柄を握り、鞘に左手を添えて。
 抜く。走らせる。解き放つ。馬と人とを断つ一閃。確かな手応えに、清は忘れていた呼吸を取り戻す。
 ああ、しかし。
「……っ!」
 全ての推進力を剣戟の威力に変えた彼女は、その速度を殆ど失っていた。そして、痛撃なれど、その刃は姫を両断するには未だ至っていない。
 背後のプレッシャー。振り返る。鞭の如くその身をしならせる、一抱えほどもある大蛇。間に合わない、と判ってしまった。
 だが、それは清が選んだ道だ。敵の動きを抑え、馬を斬って、あわよくば姫にも一撃を与える。それら全てを為し得たのだ。後は、仲間達が引き継いでくれる。
 目を閉じる。けれど。
「空中にゃ俺がいることを、忘れてんじゃねぇ!」
 耳に飛び込んできた叫び声と共に、戦場のあらゆる騒音が戻ってくる。目を開けば、ヴェルゼ・バーガンディー(紫色の狂魔・g02195)の翼が視界を埋めていた。
「あんたもだ。諦めが悪いのが俺達ディアボロスだろうが」
 左手の籠手を右手で支え、彼は大蛇の薙ぎ払いを受け止めていた。無論、無傷で済むはずがない。骨くらいはいったか、と意外と冷静に判断する。
 じんじんと響く痛みをこらえ、ぐ、と白蛇の姫を睨みつける。ディアボロス達の攻撃を浴びて、既にボロボロの衣装。負った傷も隠せていない。それでも、御簾の奥、あの澄ました顔は変わっていないのだ。
「容易く払いのけられると思ったか? 舐めんな!」
 ヴェルゼの瞳に力が籠る。
 そもそも、奪われた事への怒りこそがディアボロスの力の源泉だ。しかるに、彼らの身体でその怒りを体現するには未だ限界があることも事実。なら、その限界を取り払えばどうなるか。
 デーモンの力が囁く。彼の内を満たすのは憤怒。怒りを超えた狂気。
「村人の明日を奪おうとしたてめぇには、明日はねぇ!」
 轟音。続けざまにリボルバーから吐き出されるのは、象をも仕留める特殊弾。弾切れかと思えば銃を放り捨て、戦斧を握って突き進む。
 向かってくる黒馬。前脚が強かにヴェルゼを打った。――それがどうした。
「地獄で詫びな!」
 ぶん、と長柄の大斧を振り抜いた。なおも蹴りつけてくる前脚を切り払い、腹へと鈍い刃を叩き込む。悲鳴のような嘶きが響き渡った。
「みんな、お待たせっ! いくよっ!」
 そこに掛けられる声。いつしか旋回を止めていたシルが、白銀の長杖を高く掲げていた。先端には深い色を湛えたアズライト。もはや目に見える程に濃密な魔力が、渦を巻いて流れ込んでいく。
「混じりて力となり、全てを撃ち抜きし光となれっ!」
 シルの背に広がるマナの翼。その濃度が頂点に達した時、飽和した魔力は渦を巻き、やがて一本の光の槍へと変じていく。
「これが、わたしの全力……。世界の、わたし達の怒り、今こそ思い知れっ!」
 解き放つ。光芒。世界が白く染まる。
 やがて、世界が色を取り戻した時――そこには、間一髪退避に成功した仲間達と、表皮の半ばを焼け爛れさせた、白蛇姫の壮絶な姿があった。

 それからも死闘は続いた。
 精彩を欠く動き。白蛇の姫に余裕がもう無いことは明らかだ。だがそれは、ディアボロス達の圧倒的優位を意味しない。彼らもまた、限界を超えて戦っていた。
「ネイル割れたりしたらヘコむわー。今日のは上手にできたんよ」
 肩で息をする歌川・ヤエコ(ギャル神拳免許皆伝・g01595)もまた、随分と消耗した様子を見せている。
「まあそう言わず。疲れてねぇで、もういっちょ遊ぼうじゃねぇの」
「えー、チャラ男はカンベンなんですけどー?」
 田舎には居ないタイプだから、本当にチャラ男なのかは知らないけど。
 首をこきりと鳴らした虹空・アヤ(彩・g00879)にそう含み笑いを漏らし、ヤエコは未だ墜ちぬ妖を見やった。
「でも、あーしは武士だから! 蛇のお姫様も一緒なら、気合入れちゃる!」
 ぶしぶし、ぶし! と力を籠める彼女と、モーラットの手毬をガシガシと撫でるアヤ。二人の視線が瞬時交わり――離れる。それが、言葉交わさぬスタートの合図だった。
「よっし、やる気出てきたぞー!」
 加速。のっけから最高速に至ったヤエコ。黒馬の鼻先をかすめる程に懐まで飛び込み、蛇に捉えられるより速く抜け出して距離を取る。
 姫君の向こう、視界の端に白い毛玉が浮かぶのが見えた。相方のほうは姿が見えないが、あれは敵でも女の子でも狙った獲物は逃さないタイプだ、と勝手に決めつける。
(「――武士を名乗ったからには、最後まで通さないとね」)
 ちょっとだけマジに心を決めた。たん、と虚空を蹴ってターン。姫様の頭上斜め上、狙いバッチリのポジションを確保する。
「ギャル神拳――いいやもうめんどい! 河南流『瀧落』いっくよー!」
 ミニスカからすらりと伸びた脚を、勢いをつけて振り下ろす。全てを両断する鉞のように、全てを押し流す激流のように。
 断ち斬るべし。姫のみならず、その黒馬までを。限界を迎えていた人馬の身体が、ぐらり、と揺れる。
「ハッ、まだ足らねぇのかよ」
 そして。
 白蛇姫とヤエコの死角、すなわち天頂より、暴食の牙は襲い掛かる。
「残念ながら、オレもまだまだ足らねぇンでね――待たせたなぁ、オバサン」
 解体せよ。咀嚼せよ。鏖殺せよ。其は一振りの牙を携えた飢虎。百の色よりなお鮮やかな、殺意を秘めた紫の彩。
 かつて喰らった者達の熱量が、アヤの中で沸騰する。斬れ。縛れ。潰せ。穿て。ありとあらゆる殺意が、硝子の依代に宿り、新たなる犠牲者を喰らわんと踊って。
 やがて容を為したのは、触れるもの全てを引き裂く悪夢。さあ、喰らえ。喰らわせろ。彼を追い立てる内なる衝動。躊躇いなく振り下ろした大爪が、妖気の護りを失った怪異をついに両断する。
「残らず喰らい尽くしてやるさ。理不尽な恐怖の芽はな」
 墜ちていく白蛇の姫を、アヤの紫瞳がずっと追いかけていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV2が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
【一刀両断】LV2が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV3が発生!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2021年09月29日