リプレイ
冰室・冷桜
後ろ楯を利用することもなく、危険も承知の上で自ら出てくるとそんだけ危機感があるんでしょうけれど
何が原因なのかしら……エゼキエルから感じる不自然さと何か関係あんのかしらね
はい、どーも
挨拶しながら、以前の返答とイーリスついての話を待つ
さて、アタシらとしてはまず台東区を完全に大天使様から完全に解放したいわけですが
そのための質問、これが無理ならイーリス討伐を止めるのはちょっとテー感じでして
イーリスに台東区の支配権を放棄ないし、譲渡させることは可能ですか?
もしくはラミエルさんがサリエルから葛飾区を奪取した時みてーに支配権を移動させられます?
できないーてんなら、多分ここで話をする以上のことは難しそうっすね
フェリシティ・マーノット
えらいタイミングで来たな。
話がしたいって言うたんはこっちやし。
まずは武器を置いて話そか。
個人的には話の内容次第ではイーリスを引き渡しても良えとは思てる。
せやけど話を聞く前にはいどうぞとは言えるほど台東区は軽くはないねん。
最初に確認させて欲しいんやけど
俺らと話すのはミカエルの指示ではないんやな?
ラミエルと話したつもりやのにミカエルの掌の上でしたとかやと困るし。
違うって言うなら信じるよ。
融和って契約とか憑依合体とは別やんな。
差しさわりのないとこ…せめて融和の内容と目的を聞いてもいいか?
そこまで聞けたらラミエルのこの場での無事は保証する。
少なくとも話を聞くだけ聞いたらまとめてばっさりなんてせえへん。
●融和と支配権
台東区、浅草寺周辺。
イーリスが潜むクリスタルピラーの光は眩く輝き、辺りを照らし出している。
一般人であれば近付けないほどのものだが、ディアボロスはそれをものともせずに進んでいた。しかし、今回はイーリスを倒すことすら揺らぐほどの介入者がいる。
それこそが葛飾区から訪れた大天使『ラミエル』だ。
冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は浅草寺には進まず、交渉を持ちかけてくるであろう大天使へと向かう。
「物理的な後ろ楯を利用することもなく、危険も承知の上で自ら出てくる……か」
それだけ危機感があるのだろう。
そのように判断した冷桜は考えを巡らせる。
「何が原因なのかしら……エゼキエルから感じる不自然さと何か関係あんのかしらね」
「えらいタイミングで来たな」
フェリシティ・マーノット(ラココット・g03901)もラミエルを見つめ、敢えて手を振る。
すると此方の気配に気付いたラミエルが自ら声を掛けてきた。
『ディアボロス、ですね?』
「はい、どーも」
「伝言は伝わったみたいやな」
冷桜とフェリシティは軽く挨拶をしながら、以前の返答とイーリスついての話を待つことにした。彼女達の他にも周囲に集まっているディアボロスがいることを察したラミエルは、皆に聞こえるように話しはじめた。
『ディアボロスからの伝言は聞かせてもらいました。今、私に戦う気はありません』
ラミエルは話をしに訪れたと語る。
敢えて『今』と告げたのは、ディアボロスが敵対する意思を見せたら戦う、という意味でもあるのだろう。それゆえに冷桜は敵意を見せず、フェリシティも武器を置いている。
ひとまず、こちらに戦意はないとラミエルも判断したらしい。
『先ずは伝言の答えとして、こちらの状況を話しましょう。現時点では……これ以上、大天使の勢力が失われていけば私達はアークデーモン大同盟に敗北することになるでしょう。そうなればいずれアークデーモン大同盟から、新たな断片の王が生まれてしまうことになります』
それは嘘偽りのない状況だ。
ラミエルは大天使の敗北は望んでおらず、そのために策を巡らせていきたいらしい。
『それ阻止する為に、イーリスの身柄を引き渡してもらいたいのです』
イーリスの外交能力を評価しているラミエルは、大天使が敗北しないための交渉の道を選ぼうとしている。
そこへ質問を投げ掛けたのはフェリシティだ。
「ちょっと待ってや。確認させて欲しいんやけど、俺らと話すのはミカエルの指示ではないんやな?」
『私の意思です』
「それならええんや。ラミエルと話したつもりやのにミカエルの掌の上でしたとかやと困るし」
『ミカエルは否定していましたが、私は私の意思で来たのです』
「つまりは違うってことやな。それなら信じるよ」
その返答によって大天使の関係についての謎も生まれたが、今はミカエルのことよりもラミエルとの会話に集中するときだろう。フェリシティは真っ直ぐにラミエルを見つめ、更に語る。
「個人的には話の内容次第ではイーリスを引き渡しても良えとは思てる。せやけど話を聞く前にはいどうぞとは言えるほど台東区は軽くはないねん」
『個人的に……ですか? 残念ですが、それでは意味がありません』
ラミエルの表情が僅かに曇った。
気分を害したというわけではなく、ディアボロス全員がイーリスの引き渡しを了承しなければ意味がない、という指摘だ。たとえば誰か一人が容認しても、他の者が同意していなければ引き渡し交渉は成立しない。
それもそうだと頷いた冷桜は、自分の質問を投げかけた。
「さて、アタシらとしてはまず台東区を完全に大天使様から完全に解放したいわけですが。そのための質問をさせてください。これが無理ならイーリス討伐を止めるのはちょっとテー感じでして」
『ええ、聞きましょう』
冷桜が問いかけたのは重要なこと。
「イーリスに台東区の支配権を放棄ないし、譲渡させることは可能ですか?」
もしも今回、イーリスを引き渡した場合。
その際の台東区の管轄がどうなるかについてだ。
『もちろん、このまま大天使が台東区を支配するつもりはありません。台東区に残る配下も全て葛飾区に引き取りますので、ディアボロスが新たな台東区の支配者となるでしょう』
「なるほど……」
冷桜の聞きたいことはこれで解決した。
支配権の移動は物理的なものだ。引き渡しを行えば台東区から大天使勢力が引き上げる。アークデーモンは別勢力なので動向がわからないが、少なくとも大天使勢力が意味もなく台東区に攻め入ることはなくなるというわけだ。
ラミエルは此方の様子を見ながら、更に話し出す。
『ご心配なら、今この周辺に残るイーリスの配下達を倒してくださっても構いません。私としては残った戦力ごと引き渡して貰えれば僥倖ですが、配下をここまで減らしたのはイーリスの失策。相応の罰ともなりましょう』
現在、既にイーリスの残存勢力であるガルガリンを倒しに向かっている者もいる。その戦いの結果がどうなろうとも、ラミエルが何かを言うことはないと語った。
つまり融和する道を選ぶ場合は、最終的にイーリスだけを引き渡せばいい。
「譲渡ができるとなれば……」
冷桜が考え込む中、フェリシティが更なる質問をラミエルへ向けた。
「せや、もうひとつ。融和って契約とか憑依合体とは別やんな?」
『はい。融和とは、対立的な要素をなくして調和すること、という意味で使っています』
「そか。なら差しさわりのないとこ……せめて融和の内容と目的を聞いてもいいか?」
フェリシティとしては、そこまで聞ければラミエルのこの場での無事は保証するつもりだと言いたかった。だが、先程にラミエルに言われた通り、個人的に思っているだけではいけない。
ディアボロス全体の意思が統一されていると断言できない今、独断で保証や約束をしてはならないだろう。
(「少なくとも話を聞くだけ聞いたらまとめてばっさりなんてせえへん……といいたいところやけど、この話を聞いて暗殺に持ち込みたいと考える仲間もいるやろからな」)
フェリシティは慎重になり、冷桜と一緒にラミエルの返答を待つ。
相手も此方に思惑があることを読んでいるようだ。しかし、それを見越してラミエルは交渉を続けようとしている。
『大天使とアークデーモン、そしてディアボロス。あなた達が台東区の支配者になれば、それぞれが、TOKYOエゼキエル戦争の区を支配する立場となります。支配者として同じテーブルにつき、話し合いを行いましょう』
これまでエゼキエルの対立構造は大天使とアークデーモンの二極だった。
敵から見ればの話だが、それに侵略者としてのディアボロスが加わっている状況だ。
大天使の劣勢を覆したいラミエル曰く、正当な第三勢力としてディアボロスが加わって欲しいということだ。同じテーブルにつくとはそういう意味合いだ。
大天使達は戦いだけで雌雄を決する訳ではなく、話し合いで支配権を交渉することもある。もちろん、騙し合いや出し抜き合い、武力での戦争などを好む者もいるが――。
少なくとも、イーリスを引き入れた後のラミエルは話し合いや交渉での勢力争いを望んでいるようだ。
それを踏まえてどうするか。
考えるべき時間も必要だろうとして、ラミエルは静かにこちらを見つめている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
クレイ・ロックウェル
こちらが話をしたいと伝えたのだからな。
応えるのが筋だろう。
戦うのは簡単だ。
宥和も真の意味ではありえないのかもしれない。
だがそれは『刻逆』を引き起こした者の思惑通りなのではないか。
『断片の王集う《七曜の戦》』も来年の8月に迫っている。
それまでに多くの情報が必要と考える。
俺は真に世界を救いたい。
『光の調停者イーリス』の引き渡しには応じる。
だが俺としても台東区を奪還するために戦っていた仲間の意思を無碍にしたくない。
条件は台東区ではなくイーリスと言ったが
可能なら台東区だけでも奪還したい。
台東区ごと必要なら止むを得ん。条件を飲む。
そちらも命がけで話に来たのだろう。
伝言の答えを聞かせて欲しい。
※連携歓迎
●奪還について
ラミエルとの交渉と会話が始まった。
融和と区の譲渡方法が分かった上で、次に踏み出したのはクレイ・ロックウェル(アーベントロート・g03894)だ。
戦いも交渉も望まないのならば、ラミエルと関わらずに無視をすることも出来た。
だが、クレイにはそれが出来ない理由もある。
「こちらが話をしたいと伝えたのだからな。応えるのが筋だろう」
戦うのは簡単だ。
融和についても、世界のすべてを最終人類史に奪還するという未来を目指すならば、真の意味ではありえない。
(「だがそれは『刻逆』を引き起こした者の思惑通りなのではないか」)
言葉には出さないが、クレイは個人的にそのように予想していた。この考えが当たっているかは分からないが、クレイとしては懸念しておいてもいいと思っている。
(「『断片の王集う《七曜の戦》』も来年の八月に迫っている。それまでに多くの情報が必要だからな……」)
この考えのもと、クレイはラミエルに問いかけておきたいことがあった。
クレイを見つめている大天使は、そっと問いかけてくる。
『何か?』
「そちらも命がけで話に来たのだろう。話を聞かせて欲しい」
『はい、先程も他の方に伝えましたが――』
大天使とアークデーモン、そしてディアボロス。
こちらが台東区の支配者になれば、それぞれが、TOKYOエゼキエル戦争の区を支配する立場となる。支配者として同じテーブルについて話し合いを行っていきたい。
それがさきほどにもラミエルが語った事柄だ。
つまりはイーリスの引き渡しが行われたならば、その後にディアボロスが台東区の支配者として認められる。
だが、それは『奪還』とは違う。
TOKYOエゼキエル戦争に台東区の土地が残り、最終人類史には戻ってこないことになる。
「俺は真に世界を救いたい」
『どういう意味ですか?』
クレイの語る言葉に対してラミエルは首を傾げた。真意がはかれないと感じたのだろう。対するクレイは真っ直ぐに自分の思うことを語ろうと決めている。
「だから、イーリスの引き渡しには応じる」
『受け入れてくださるのですね』
ラミエルは静かに双眸を細めた。しかし、クレイは条件があると告げる。
途端にラミエルの表情が真剣なものになっていく。どんな条件であるか確かめるためだろう。
「だが俺としても台東区を奪還するために戦っていた仲間の意思を無下にしたくない。そちらの条件はイーリスを引き渡すことだが、こちらとしては可能なら台東区だけでも奪還したい」
『奪還? それはつまり……区を海に変えることですか?』
するとラミエルが不思議そうな様子を見せた。
「ああ、そうだが……これはお互いが条件を飲む理由にはならないのか?」
クレイは語りながら、ふと気付く。
ディアボロスにとっての奪還は最終人類史に土地が戻ること。
同時に相手にとっての奪還は、このディヴィジョンの一部が海に変化することだ。
その方法は相手からすれば謎であり、ひとりの大天使の一存で行えることではない。ディアボロスがその地域の支配者を倒すことで行われるものだ。
つまり、ディアボロス主導での事柄であるゆえ、ラミエルがどうにか出来ることではなかった。
『私はディアボロスがTOKYOエゼキエル戦争の区を海に変える条件を知りません。それを知るのは、貴方がたでしょう』
ラミエルは少し失望したような雰囲気を見せた。
そうした理由は、引き渡しの条件があやふやになってしまっているからだ。そして、ラミエルは真剣に問う。
『お聞かせください。イーリスの引き渡しは、ディアボロスの『総意』ですか?』
全員が同意していなければ交渉の意味はない。
そうでなければ、ラミエルはからこれ以上の情報は渡されないだろう。そう感じたクレイは仲間達に視線を向けた。イーリスを引き渡すことは、一部の者だけが考えている状態ではいけない。
少なくともこの場に訪れる者の『総意』とすることが、ラミエルの語る融和に繋がるだろう。
『融和と引き渡しについて、総意であることを示してください。貴方がたに思惑があることも理解しているので、ディアボロス同士でこの場で話し合ってくださっても構いません。ですが……私は情報を語るだけ語って、倒されるというような無様な終わりは望んでいません』
ラミエルはそのように語り、ディアボロスの出方を待った。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠
●君達の選択は
ラミエルから最低限の情報と交渉内容は聞けた。
それゆえにここからは慎重に動くべきだ。どのような選択を取るかで今後の動きも変わってくる。
ひとつめは『イーリスを引き渡し、情報を得る』とした場合。
的確な質問をしなければ、有力な話が聞けるかは分からない。何故なら、ラミエルが知らない事柄については答えられないからだ。しかし、歩み寄りの姿勢を見せれば融和についてはうまくいく。
ラミエルとの融和が合意されれば、イーリスを含む大天使勢力は台東区から引き上げていき、ディアボロスが区の支配者となる。だが、土地はこの時代に残ったままで奪還されない。
その代わりに大天使とアークデーモン、ディアボロス。三勢力が支配者として同じテーブルにつくというわけだ。
ただしイーリスの引き渡しから繋がる展開は異色。それゆえにとても大事なことであり、この場にいる『ディアボロスの総意』が必要だ。ラミエルも、総意でなければ交渉の意味がないと語っている。
たったひとりでも暗殺や決戦を望む者がいれば、交渉は成立しない。
ふたつめの選択は『イーリスを引き渡さず、ラミエルの暗殺に移る』こと。
これ以上の情報を望まなず、ラミエルをこの場に引き止め、台東区内で倒してしまう作戦を取る場合。
一時的に融和してもいずれは倒さなければいけない相手であるため、戦うことも自然だ。この際、何かを聞いてもラミエルは絶対に答えない。口を滑らせることもないだろう。
その代わりに敵意や宣戦布告、交渉の決裂を宣言してやればいい。何なら大天使に対する強い否定や、復讐心や敵対心からくる言葉であっても構わない。
そうすることで相手もこちらに敵意を抱き、戦闘に持ち込めるだろう。
こうなればイーリスを引き渡す必要もないので、同時に区の支配者の撃破も可能だ。
復讐者は現時点の区の支配者を倒すことで最終人類史にその地域を奪還できる。
今回、奪還できるのは台東区だけとなる。だが、上手くいけば一気に二体のジェネラル級を倒せるチャンスを引き寄せられるということであり、またとない機会だ。
更にもうひとつの選択は『ラミエルを無視する』こと。
融和も求めず、戦いも先送りにする場合は、これ以上ラミエルに接触しなければいい。
ラミエルは何も言われなければ攻撃してこない。イーリスを浅草寺から救い出すといった行動もしないだろう。交渉は白紙になったと理解し、台東区から去っていくはずだ。
この場合、後はイーリスの撃破に向かうだけ。区の奪還を目指す、正当な流れに戻っていくというわけだ。
どういった行動を行うかは実際にこの場に訪れた者次第。
時代の流れを決めるのは、ディアボロスだ。
⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠
ラキア・ムーン
まずは邪魔なトループス級から叩く
何をするにも、まずは逃亡を抑止する動きを整えてからだ
悪いが、蹴散らさせて貰う
《RE》Incarnationを構え、戦闘態勢へ
【Call:Elder_Javelin】起動
炎の槍を展開、数本周囲のガルガリンに飛ばして『爆破』し牽制を
近接戦闘を仕掛けて来るガルガリンに対しては、『戦闘知識』に基づいて攻撃を受ける体制へ
攻撃の軌跡を『看破』し槍で受け止めダメージを最小限に
受け止めると同時に『グラップル』…組み付き動きを止めよう
そしてそのまま炎の槍を操作しぶつけて撃退していこう
牽制を上手く使いなるべく囲まれないよう立ち回りながら戦闘を行おう
邪魔者は排除させて貰うよ
一里塚・燐寧
ラミエルとの話がどーゆー流れになるにしろ、第三者に傍聴はされたくないし
イーリスをブッ殺すって決まるなら、あらかじめ取り巻きは死んでた方がいいよねぇ
……よーっし、それじゃあこっそりブッ殺しちゃおっか
建物の影や目立ちづらい路地を利用してタワーを偵察
隠れながら周辺のガルガリンを捕捉したら、視界の外から迅速に突撃
≪テンペスト・レイザー≫の刀身を叩きつけ『屠竜技:竜虎双烈撃』を仕掛けるっ
今回は爆破する代わりに解体してトドメを
断末魔もあげさせないよぉ
この時【平穏結界】を展開
他のガルガリンやジェネラル級天使が仲間の死に気付く確率を減らすよぉ
さ、ひっそりと死に行きなよぉ
反撃の念波には忍耐力で抗って後退するねぇ
●道をひらくもの
同時刻、浅草寺へと続く道にて。
介入してきたラミエルの存在は気になるが、どのような展開になっても大天使の残存兵は削っておきたい。そのように考えたディアボロス達は、イーリスが作り出したクリスタルピラーの様子を窺っていた。
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は周囲に配備されているガルガリンの様子を見つめる。
「ラミエルとの話がどーゆー流れになるにしろ、第三者に傍聴はされたくないしね。もしイーリスをブッ殺すって決まるなら、あらかじめ取り巻きは死んでた方がいいよねぇ」
「まずは邪魔なトループス級から叩く。何をするにも、まずは逃亡を抑止する動きを整えてからだ」
その言葉を聞いていたラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)が、再誕の名を冠した突撃槍を握った。
ラキアと燐寧の考えは一致している。
「……よーっし、それじゃあこっそりブッ殺しちゃおっか」
もしもイーリスをラミエルへ渡すことになってもトループス級まで一緒に連れて行かせることはない。たったわずかでもあっても、相手の戦力を増強させる必要は皆無。
ラミエルはイーリス配下の生死に関して何かを要求することはないだろう。目的はイーリス本人のみの引き渡しだ。それゆえにガルガリンを倒すことには何の懸念もない。
「悪いが、蹴散らさせて貰う」
――起動、Call:Elder_Javelin.
ラキアは宣戦布告代わりの言葉を紡いだ直後、旧き印より炎の魔力で形成された槍を展開した。
彼女が果敢にガルガリンへと向かっていく最中、燐寧は別方面から攻めていく。建物の影や目立ちづらい路地を利用して伝っていけば、死角に回れた。
この周辺のガルガリンは二体。その姿を捕捉した燐寧は、ラキアが狙った相手へと迅速に突撃する。
「敵襲!」
「すぐにイーリス様に報せろ!」
ガルガリン達は主を守るために動き出した。だが、それをラキアと燐寧がそれぞれに阻止していく。
「残念、そういうわけにはいかないんだよねぇ」
報告に走ろうとした敵に対し、燐寧はテンペスト・レイザーの刀身を叩きつけた。敵の姿勢は崩され、大きな破壊音と共にクリスタルピラーの一部になっている地面が壊れる。
ラキアももう一体に爆破を仕掛け、燐寧の方にいる敵にも余波を巡らせていった。これで牽制になるだろうかと考えつつ、ラキアはガルガリンを見据える。
大天使は敵対者の罪を照らし出す光のオーラを纏い、此方に迫ってきていた。
「この先には行かせぬ!」
「忠誠心は強いのか。だが――」
ガルガリンに対して首を横に振ったラキアは攻撃を受け止める。一閃の軌跡を看破できれば槍でいなすことも可能だ。ダメージを最小限に留めることを狙った彼女は、同時に敵に組み付いた。
「邪魔者は排除させて貰うよ」
一瞬でも動きを止められれば此方のもの。
そのまま炎の槍を操作したラキアは、ガルガリンを他方から貫いた。見事に一体目を撃破したとき、燐寧ももう一体の方にトドメを刺しに掛かっていた。
「断末魔もあげさせないよぉ」
今回は爆破する代わりに解体してしまえばいい。燐寧は攻撃と一緒に平穏結界を展開していた。ディアボロスが警戒されている今、イーリスも此方の到来に気付き始めるだろう。
されど他のガルガリンが仲間の死に気付く確率は少しでも減らしておいた方がいい。
「さ、ひっそりと死に行きなよぉ」
燐寧は最後になるであろう一閃を振り下ろし、ガルガリンに言い放つ。彼女の宣言通りに断末魔すらあげられなかった大天使は、その場に伏した。
「ここにいたのは二体だけかなぁ」
「残りは気配からすると……後、五体ほどといったところか」
「流れとしては一人一体で速攻撃破かな。それなら後はみんながやってくれそうだねぇ」
燐寧とラキアは、敵の気配と同時に仲間の存在も感じ取っていた。後は彼、或いは彼女達に任せておけば配下すべての撃破が数分も掛からずに完了するだろう。
それからどうするかは今も行われている交渉と会話次第。
燐寧が警戒を弱めずに辺りを見渡す傍ら、ラキアはクリスタルピラー領域の外に目を向けた。
イーリスとラミエル。そして、ディアボロス。
この先に巡る展開は今、台東区に立っている者達の選択と意思に掛かっている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【動物の友】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
レイア・パーガトリー
多くの人たちを見捨てて自分の為に守りを固めておいて
逃げる準備までしてるなんて、呆れちゃうけれど…
生き汚いのはまるで人間みたいで、完全には憎み切れないわね
でも、いつかは倒さなきゃ
まずは確実に、倒しても問題のない相手から狙うわ
女王の叫びで【通信障害】を発生させて、敵襲を伝達させないようにするわよ
高速移動の反撃は、急所狙いを受け流すようにして防御するわ
護衛役の視線や向かおうとしている先が、もしクリスタルピラーでなければ逃げ道の可能性が高いから
敵を排除しつつその方向を探索して逃走ルートを割り出しておくわ
住民が餓えていて炊き出しをした地域は見棄てていたのだし、逃走経路の可能性を省いて考えてもいいかしらね
月下部・小雪
初めはカシエルに長々と足止めされていましたが、とうとう台東区奪還に向けた最後の戦い、です。
まずは護衛の排除、ですね。ジェネラル級相手に護衛がいるととっても大変、です。
【パラドクス通信】で味方と連絡を取りながら、トループス級を撃破です。
投げつけてくる光の輪を避けながらコダマがコロコロと近づいて【ワイファイスパーク】です!
び、びりびりと痺れちゃってください!
ふぅ、そろそろ護衛はいなくなった、でしょうか。
ラミエルとのお話も気になりますが、イーリスとの決戦に向かい、ましょう!
※アドリブ連携大歓迎
アンゼリカ・レンブラント
何をするにも、まずはトループスを片付けてからだね
勇気を胸に――いざっ!
仕掛けるタイミングを仲間と合わせ攻撃開始!
星形状のパラドクスを放ち敵を攻撃したら
反撃を凌いで一撃離脱、敵に囲まれないようにして
再度仲間と動きを合わせ攻撃していく
狙うべきは倒せそうな個体を最優先に、
仲間と狙いを合わせる個体を攻撃、数を確実に減らしていく
大丈夫、技量は護衛達より私のほうが上、
気合も十分、致命打を避けて立ち回っていくよ
突出を避け、狙いを集中されないようにすればきっと大丈夫
私たちの強みは群の力
それを今日も最大限に生かし、イーリスへの道を拓く
消耗の多い相手へ、呼吸を整え
最大まで力を溜めた《天輪輝星》を放ち殲滅するねっ!
●その光が消える時
浅草寺は今、眩く輝いている。
それは比喩などではなく、イーリスが創り出したクリスタルピラーが聳え立っているからだ。
レイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)はイーリスの居城を見つめる。彼処に防衛の力を注いだせいで、周辺に住む一般人達はかなり困窮することになっていた。
「多くの人たちを見捨てて自分の為に守りを固めておいて、逃げる準備までしてるなんて……」
レイアはこれまで、その状況を間近で見てきている。
呆れてしまう行動ではあるが、それとは別にレイアは或ることを思っていた。
生き汚いのはまるで人間みたいで完全には憎み切れない、と。
「でも、いつかは倒さなきゃ」
「そう、ですね。初めはカシエルに長々と足止めされていましたが、とうとう台東区奪還に向けた最後の戦い、です」
月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)も思いを同じくする。カシエルにも関係していたイーリスとの決戦がいよいよ迫っている状況だ。
其処にラミエルが介入して来ている今、どうなるかは未知。しかし、小雪は敵を倒す方が重要だと考えている。
「まずは護衛の排除、ですね。ジェネラル級相手に護衛がいるととっても大変、です」
「今のうちに倒しておく方がいいわね」
「何をするにも、まずはトループスを片付けてからだね」
小雪とレイアは頷きを交わし、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)も仲間達の思いに頷いた。黄金の大剣をしかと構えたアンゼリカは前を見据える。丁度、前方には三体のガルガリンが配備されているようだ。
アンゼリカも気合いを込め、号令代わりの呼び掛けをする。
「勇気を胸に――いざっ!」
「いきましょう、コダマ。皆さん、も!」
「容赦はしないわ」
三人は一気に駆け出し、それぞれ三方に分かれた。一人が一体を相手取れば倒せると読んだゆえ。この距離ならもし危ういことがあれば三人で連携することもできる。
レイアはまず向かって右方向にいる敵をは確実に倒そうと決めていた。
放つは女王の叫び。
女王たる竜の怒りは咆哮のごとき金切り声となって響き渡る。これによって通信障害を発生させて敵襲を伝達させないようにする狙いだ。敵が通信機器を持っている可能性は低いが、念には念を入れておくに越したことはない。
対するガルガリンは高速移動で以て反撃してくる。
「排除する!」
「できるものならやってみるといいわ」
レイアは急所に攻撃が当たらないよう身構え、一撃を受け流すように防御に入った。
(「護衛役の視線や向かおうとしている先が、もしクリスタルピラーでなければ逃げ道の可能性が高いわね」)
周辺を探ることも忘れず、レイアは逃走ルートを探す。
ガルガリンは真っ直ぐにディアボロスだけを見ているが、僅かな異変でも見逃さない気概でいる。レイアは鋭い竜の声を響かせながら敵に衝撃を与えていった。
このまま敵を排除していき、逃走経路の確認を急ぐ。
「住民が餓えていて炊き出しをした地域は見棄てていたのだし、逃走経路の可能性を省いて考えてもいいかしらね」
そうして暫し後、レイアは怪しい部分を見つけ出すことに成功していく。
アンゼリカもその間に、中央にいたガルガリンを相手取っていた。
星形状のパラドクスを放ったアンゼリカは敵を逃さぬよう立ち回っている。繰り出される反撃は敢えて受け止め、その代わりに一撃離脱の形を取った。
「残存兵がこんなに少ないなんてね。これなら敵に囲まれないで済むよ!」
アンゼリカは左右に布陣したレイアや小雪と引き離されないよう、動きを合わせて攻撃していく。仲間と狙いを合わせられないよう、中央の敵だけを狙ったアンゼリカは優位に立っていた。
「大丈夫、技量は護衛達より私のほうが上。気合も十分!」
「何だと……?」
「ほら、現にこっちが優勢だよ」
致命打を避けることも容易だと感じたアンゼリカは、裁きの光を纏う星を更に撃ち出した。
皆がそれぞれに突出を避け、狙いを集中されないように動いている。
「私たちの強みは群の力!」
今日もそのことを最大限に生かし、イーリスへの道を拓く。
アンゼリカの声を聞いた仲間達も敵のトドメを刺しに掛かっている。アンゼリカも好機を掴み取り、最大まで力を溜めた天輪輝星を解き放った。
同様に小雪はモーラット・コミュのコダマと共に左側にいたガルガリンに挑んでいる。
「イーリス様の邪魔はさせぬ!」
「こ、こっちだって……! び、びりびりと痺れちゃってください!」
「もきゅ!」
敵が投げつけてくる光の輪を避けながら、小雪の元からコダマがコロコロと近付いていく。油断を誘いながらコダマが放ったのは全力のワイファイスパークだ。
「くっ、何だこの忌々しい毛玉は」
「もきゅーっ!!」
ガルガリンが毛玉と言ったことが気に掛かったらしいコダマは、間髪いれず更なる電撃を解放した。それによって小雪の前方にいた敵は崩れ落ち、レイアとアンゼリカが相手取っていた個体も地に伏す。
「ふぅ、そろそろ護衛はいなくなった、でしょうか」
「まだ少しいる気配がするね。けど、心配はないみたいだよ」
小雪が周囲の様子を探ると、アンゼリカが別の仲間達がいることを確認した。残る敵は数えるまでもなく、其方に向かっている別のディアボロスが倒すことになるだろう。
レイアも仲間に信頼を抱き、自分が見つけた逃走ルートらしき一角を示す。
「多分、あっちが逃げ道ね。他の皆にも教えておきましょう」
「はい……! ラミエルとのお話も気になりますが、イーリスとの決戦に向かい、ましょう!」
情報を回そうと決めたレイアに頷き、小雪はクリスタルピラーを見上げた。
輝く塔のような結晶柱の煌めき。
美しくも怪しい光が失われる時が訪れるのは、きっと――間もなくだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【照明】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
ニア・マシュマリー
難しいお話は……。ニアには出来ないから……。
あの人達の相手をすることで……。少しでも協力できたらいいな……。
速いあの人に攻撃を当てるの……。大変そう……。
動きを止めることができたらチャンスはありそうだけど……。そうだ……。
ニアの周りに闇を出して……。赤い手のおともだちがいつでも出てこれる準備をしておいて……。
あとはニアが囮になって……。あの人が攻撃をしてきた時のすれ違う時に捕まえて……。動きを止められないか試してみる……。
その時に攻撃が当たっても……。痛いのは我慢して……。赤い手のおともだちがぐさぐさするチャンスを作りたい……。
(アドリブ・連携大歓迎です)
葵・虹介
みんなが、先にいけるように
ぼくは護衛の足止め役になれたら
イグジストハッキングで敵を歪めて
味方が攻撃するための隙をつくるよ
敵とは視線がかち合わないように
パラドクスを駆使しながら
あなたの『精神攻撃』は
強くておそろしいけれど
おなじ力を持つのなら、すこしでも
惑わされずに済んだらいいな
ゴーグルの奥で、観察しながら
視線が合わないように注意
『早業』はパラドクスを使う以外にも
そうして敵の攻撃の回避のために使えたらいい
本当は、ほんとうは
戦いたくなんてないし――
惑わされなくたって
何も考えられなくなりそうなくらい
戦場に立つのは、ずっと、こわい
でも
…帰るために戦わなくちゃ
ここがぼくの故郷なんだ
台東区をかえして
●奪還への思い
台東区の奪還。そして、大天使ラミエルの介入。
イーリスとの決戦に向かうだけであったはずの状況は今、複雑な状態になっているといってもいい。
「いろいろあるみたいだけど……。難しいお話は……。ニアには出来ないから……」
ニア・マシュマリー(いつの間にか吸血鬼・g07451)は今、イーリスの配下達へと向かっていた。その近くには同時にパラドクストレインから降りてきた葵・虹介(光芒・g00128)の姿もある。
ガルガリンという名の大天使の姿を捉え、ニアは身構えた。
「あの人達の相手をすることで……。少しでも協力できたらいいな……」
「そうだね。ぼくたちはみんなが、先にいけるようにがんばろう」
ニアが語ることに頷きを返し、虹介も心を決める。
この区の支配者であるイーリスが逃げ出したりしないよう護衛を倒すこと。それが今の自分達の役目。たとえこの戦いがどのような流れになろうとも、配下を倒しておくことは重要だ。
「何者だ!」
「あれがディアボロスか。かかれ!」
二人が向かった先に控えていたのは二体のガルガリンだ。此方の気配に気付いた大天使達は両手に握った光の輪を構えた。それだけでも素早いと察知したニアは警戒を抱く。
「あの人に攻撃を当てるの……。大変そう……」
罪を照らし出すオーラは光となり、復讐者を貫くための天使の輪が解き放たれる。相手の動きを止められたならばチャンスはありそうだが――。
「そうだ……」
ニアはあることを思い立ち、自分の周囲に闇を広げた。
其処に潜んでいるのは槍を持った赤い手達。ニアがおともだちと呼ぶ手の一本が素早く飛び出し、迫ってくるガルガリンの光輪を弾き返した。
対抗するように動いてくれたおともだちはすぐに闇の中に戻っていく。
これならいけると感じたニアは自身が囮となるように駆け出し、ガルガリンに向かっていった。次に狙うのは相手が攻撃してきた瞬間。
すれ違う刹那、ニアの闇から具現化した赤い手がガルガリンを捉えた。
「いたい……。けど……!」
敵からも攻撃が成されており、ニアは痛みを堪える。
瞬時に赤い手達がガルガリンを四方八方から貫き、戦う力を奪い取った。
同様に虹介はもう一体を相手取っている。
巡らせたイグジストハッキングの力で敵を歪めていけば、着実にダメージが与えられた。その際、ゴーグルを深く装着した虹介は敵と視線を合わせないように努める。
その理由は先程、一瞬ではあるが強烈な念波を感じたからだ。
文字通りの瞬く間であるというのに、今も意志と思考が捻じ伏せられそうな感覚が巡っている。
「あなたの攻撃は強くておそろしいけれど、でも――ぼくだって、おなじ力を持っているから」
惑わされず、ただ戦う。
ゴーグルの奥で敵の動きを観察しながら、虹介は相手の動きを読んでいく。
(「本当は、ほんとうは、戦いたくなんてない」)
惑わされなかったとしても何も考えられなくなりそうなくらいに恐ろしい。戦場に立つということは虹介にとって、ずっと恐怖の対象だ。
そのとき、敵を打ち倒したニアが虹介の様子に気付く。
「こわいの……?」
「こわくない、わけじゃないよ」
「ニアもこわいときがあるよ……。だけど……。大丈夫……」
少女からの言葉にはたとした虹介は、気を強く持った。ニアが語ったのは仲間がいるから平気だということ。僅かでもいい、この戦いが終わるまでは大丈夫の言葉を信じていけばいいはず。
そうすればきっと、望む道はひらかれる。
「……帰るために戦わなくちゃ」
虹介は敵の存在を歪めていき、ガルガリンの力を削り取る。それによって最後の一体となった敵が地に伏す。
ニアは静かに双眸を細め、虹介も頷きを返した。
そして、周辺に配備されていた配下達の気配が完全に消えた後。二人はクリスタルピラーを見上げる。ニアが眩い光の塔に対して闇を巡らせる中、虹介はちいさな言葉を落とした。
――台東区をかえして。
思いはただひとつ。この場所を大切に思うからこそ、虹介は戦うと誓っていた。
「ここがぼくの故郷なんだ」
取り戻すための戦いが此処にある。
戦局は此方が有利な方向へと動いていく。後の命運を左右するのは、復讐者の選択と行動次第だ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
音羽・華楠
イーリスの引き渡しに前向きな意見が続いてますが――私はそれに待ったを掛けます。
理由として――ラミエル、私たち復讐者はサリエルを撃破してます。
その際、あなたの前の葛飾区の支配者だった彼女から、色々と聞いてるんですよ。
――あなたが新宿決戦に参加せず、その混乱に乗じて騙し討ちで葛飾区を奪ったと。
これはサリエルの一方的な言い分なので、全面的に信じてるわけじゃないですが――本当であれば、そんな謀略に長ける相手を、本来敵同士である私たちが疑わずにおれると思いますか?
あなたが私たちを騙そうとしていないという根拠を下さい。
具体的には、あなたのパラドクスの開示を。
手の内を晒すのは、信頼構築の定石ですよね?
八百陣・葵漆
ふむ……『天下三分の計』ということかい?
しかし、台東区はどうせイーリスを倒せばこちらの手に入るものだよ
だから、台東区そのものは天秤には乗らないね
イーリスの首に対して、ちょっとした情報程度では釣り合わないと思うのだけれど、君達にもう少し出せるものは無いのかい?
例えば、アークデーモンの支配する区を共同で攻めた上で、
その区の支配権はディアボロスに譲るとかね
どうせ手に入る台東区以外に十分なものが得られるならば
イーリスの引き渡しもやぶさかでは無いね
しかし、天秤が釣り合わないのであれば……(ニヤリ)
ラキア・ムーン
ふむ、聞きたい事は大体聞けたようだな
最初に言っておくが、イーリスを引き渡す気は無い
そして同時に、貴様を此処で逃がすつもりもない
そもそも結局の所、お前のやっている事は天使陣営の保身の為じゃないか
我々は最終的にはこのディヴィジョンの全奪還が目的だ
このディヴィジョンだけ特別扱いは出来んさ
それを認められるのなら、改めて交渉をしよう
出来ないならば、これ以上の交渉をするつもりは無い
区の支配者なんぞ、興味もない
ただ取り返す、ディアボロスはそういうものだろう?
それにまあ…総意を示せというのは無茶だ
この状況で一つの意見に集約しろ等、無理を言ってくれる
もう少し有益な情報が得られると思ったが、期待外れだったようだな
●融和の条件
「ふむ、聞きたい事は大体聞けたようだな」
ラミエルの元に駆けつけてきたラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)は、最初に交渉に入った仲間達が得た交渉情報を整理していく。するとラキアに気付いたラミエルが、確認するように語りかけてきた。
『もう一度、伝えておきます』
「交渉の話か?」
ラキアが真っ直ぐにラミエルを見つめ返すと、相手は頷いてみせる。
『イーリスを引き渡すと約束して頂ければ、こちらは相応の情報を渡します。そして、イーリスの引き渡しと同時にこの台東区の支配権をディアボロスに譲ります』
つまり、ディアボロスがイーリスの引き渡しに応じることが先だ。
そのことが曖昧になっている今、ラミエルが情報を語る気は一切ないとみていい。現に個人的にではあるが、引き渡す可能性を提示した者や融和に歩み寄ろうとした者の質問には答えている。
つまり、引き渡しについて承諾していれば、これからのことを含めて分かる範囲で答えるだろう。
その姿勢は最初から同じだ。
八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)は今の状況を察しつつ、ラミエルに語りかけた。
「つまり話を総合すると、『天下三分の計』ということかい?」
『そのように感じるのならば、呼び方は自由です』
ラミエルは静かに答えた。
どうとでも取れる返答なのは、ラミエルにも今後がどうなるか未知数であるからだ。
葵漆は相手が慎重であることを確かめ、更に語っていく。
「しかし、台東区はどうせイーリスを倒せばこちらの手に入るものだよ。だから、そちらが差し出そうとしている台東区そのものは天秤には乗らないね」
『ええ、わかっています。ですから同じテーブルにつこうと誘いました』
ふむ、と軽く唸った葵漆は考える。
交渉相手である、ラミエルの価値観についてだ。
彼女は、自分達と同じ『支配者』というテーブルにディアボロスがつけるよう計らうつもりらしい。
ディヴィジョン側にとっては侵略者でしかない復讐者が、大天使達と対等な位置や座につくこと。それこそがディアボロスにとって最大の価値になると考えているようだ。
イーリスの代わりに相手が差し出すのは、土地だけではない。
ディアボロスのTOKYOエゼキエル戦争においての、これからの立ち位置や地位、ラミエルと協力する未来も含めて、交渉材料として示しているのだ。
それを理解した上で、葵漆は更なる交渉に入ってみた。
「ふーむ……それにしてもだよ。イーリスの首に対して、ちょっとした情報程度では釣り合わないと思うのだけれど、君達にもう少し出せるものは無いのかい?」
『現状では足りませんか?』
「例えば、アークデーモンが支配する区を共同で攻めた上で、その区の支配権はディアボロスに譲るとかね」
『…………』
葵漆から提示された大きすぎる条件に対し、ラミエルは黙り込んだ。考えているというよりも驚いてしまったと表す方が正しいだろう。
『正直に言いましょう。それは私の一存では決められません。イーリスの引き渡し後に、同じ支配者として加わった貴方がたが、交渉や契約をして結果を出せるかで決まります』
ラミエルの言い分は尤もだ。
支配している区以外の事柄に関しては、『支配者』として他の大天使と話し合う必要がある。
そして、ラミエルは願う。
『そのためにも、イーリスの引き渡しの是非を決めてください』
すると音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)が一歩を踏み出し、引き渡しについて話し出す。
「引き渡しですか。私はそれに待ったを掛けます」
「最初に言っておくが、イーリスを引き渡す気は無い。そして同時に、貴様を此処で逃がすつもりもない」
華楠に続き、ラキアがはっきりと宣言した。
ラミエルは思わず肩を落としたが、二人が何かを語るつもりだと察しているらしく、続く言葉を待つ。
最初に華楠が口を開き、待ったを掛ける訳を告げていく。
「理由として――ラミエル、私たち復讐者はサリエルを撃破しています」
『ええ、そうでしたね』
「その際、あなたの前の葛飾区の支配者だった彼女から、色々と聞いてるんですよ」
『……何を?』
ラミエルからの問いかけの後、華楠は強く語る。
「――あなたが新宿決戦に参加せず、その混乱に乗じて騙し討ちで葛飾区を奪ったと」
『それを信じているのですか?』
「いいえ。これはサリエルの一方的な言い分なので、全面的に信じているわけじゃないですが――本当であれば、そんな謀略に長ける相手を、本来敵同士である私たちが疑わずにおれると思いますか?」
華楠はラミエルを疑っている。
遠回しに柔い言い方にしているが、疑惑があることはラミエルも感じ取っただろう。
『謀略や戦いが渦巻く戦争の最中です。貴方がたが抱く思いについては、私がとやかく言うことではありません。ですが、私も思いを伝えましょう』
ラミエルはゆっくりと言葉を選びながら、話し続ける。
『私は貴方達、ディアボロスを信じようと思っていました。そのためにミカエル様……いえ、ミカエルと契約を行ってまで、この場に参じました。貴方がたが聡明であることを願って――』
交渉相手であるディアボロスの前で、自陣営のミカエルに敬称をつけることが失礼だと思う程度には、ラミエルはこちらに敬意を払いたいようだ。
『……いいえ。信じていたかった、と過去形にすべきでしょうか』
しかし、ラミエルの表情は曇っていた。
ラキアはそんなラミエルを見据え、感じたことを指摘していく。
「そもそも結局の所、お前のやっている事は大天使陣営の保身の為じゃないか」
『自分の居場所を守り、奪われないようにすることを優先していることは確かです』
ラミエルは己の考えを語った。
大天使としての正論を話すことで自分が融和を求めていると示すためだろう。
対するラキアは宣言する。
「我々は最終的にはこのディヴィジョンの全奪還が目的だ。このディヴィジョンだけ特別扱いは出来んさ。それを認められるのなら、改めて交渉をしよう」
『全奪還……。TOKYOエゼキエル戦争の地すべてを海にすることを認めろ、と?』
「出来ないならば、これ以上の交渉をするつもりは無い。区の支配者なんぞ、興味もない。ただ取り返す、ディアボロスはそういうものだろう?」
『…………』
ラキアの主張を聞いたラミエルは何も言わなかった。正しくは言えなかったのだろう。それは相手にとって、完全なる交渉の拒否だったからだ。
己の意見を告げ終わったラキアは、ラミエルの様子を探りながら首を横に振る。
「それにまあ……総意を示せというのは無茶だ」
するとラミエルは静かに語り始める。
『わかりました。貴方がたは、私が考えていた以上に個々の意思や意見が強いのですね。見た限りでは、決定権を持っているリーダーが訪れているようにもみえず……』
「ああ。この状況で一つの意見に集約しろ等、無理を言ってくれる」
『私が総意を求めたのは、正当な支配者としてテーブルについて欲しかったからです。ディアボロスが何人いらっしゃるのかはわかりませんが……もしも一部のディアボロスだけが融和に合意しても、合意に反対するディアボロスが少しでもいれば不満が出るでしょう。安易な融和はそちらにとっても不都合な状況になるうえ、引き入れた私も反対派に寝首を掻かれる可能性が生まれますから』
ラキアに対し、ラミエルは本音を語ったようだ。
されど、望まれた総意は得られていないのが現状。この時点で交渉は無効になってしまっている。
「もう少し有益な情報が得られると思ったが、期待外れだったようだな」
ラキアは結果を確かめ、肩を竦めた。
すると華楠がラミエルに言葉を投げかける。
「それでも、というなら――あなたが私たちを騙そうとしていないという根拠を下さい」
『貴方達が一枚岩ではないことは十分わかりました。根拠というと……?』
「具体的には、あなたのパラドクスの開示を。手の内を晒すのは、信頼構築の定石ですよね?」
『……私の一存で答えられることなら答えましたが、残念です。貴方はご自身でイーリスの引き渡しに待ったを掛けました。こちらの前提条件を承諾して頂けていない方に、手の内は晒せません』
「そうですか」
『つまりは……私が期待をしすぎてしまっていたようですね……』
ラミエルは失望しているようだ。
融和を望む大天使として、それを望まない他の大天使やアークデーモンからも忌避されていた。それゆえに次はどちらの勢力でもないディアボロスとの融和を、と思っていたのだろう。
それが今、砕かれた。
ディアボロス側から見るならば、どう転ぶか不明な大天使の企みを砕いてやった、と評するに相応しい。
ラミエルは先程も情報だけを渡すことはしたくないと語っていた。
そのため、ラミエルは答えられる質問にも答えないようだ。
『イーリスを引き渡さずに信頼の構築を希望するのならば、貴方がたの手の内も見せてください。たとえばディアボロスは奪還という言葉に、辞書に載っている文言以上の意味合いを含めていらっしゃるようですが――?』
ラミエルの語る融和は、まさしく辞書に載っているままの意味だ。
無論、新宿島の状況や今後の戦況にも繋がることについて、華楠が答えることはない。
そうして、葵漆は相手の心を揺さぶるため、ニヤリと笑う。
「どうせ手に入る台東区以外に十分なものが得られるならば、イーリスの引き渡しもやぶさかでは無いね。しかし、天秤が釣り合わないのであれば……」
『残念です。こちらがこれ以上、釣り合わせられないことがわかっていらっしゃるでしょうに』
ラミエルは一度だけ瞼を閉じ、首を横に振ってみせる。
それこそが交渉決裂の証だった。
失敗🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠
●決戦か、先送りか
こうしてラミエルとの融和、及びイーリスの引き渡し交渉は白紙となった。
つまりは『光の調停者イーリス』との戦いに決着を付ける展開に進んでいくということだ。
しかし、まだラミエルとの会話の場で決することは残っている。
それは――。
ラミエルと台東区内で戦うか。
それとも、敢えて戦わずに葛飾区に帰すかだ。
このまま『ラミエルへの敵意を示す』『敵対する』行動を誰かが行えば、暗殺を行うための決戦となる。
反面、『ラミエルとの会話を行わない』または『明らかな敵対行動を行わない』ことを貫けば、大天使ラミエルとの決戦はいつかの機会に先送りされることになる。
最後の最後まで、選択は続く。
その先がどのような展開になっていくかは、どちらも未知のまま――。
⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠ ⚠
ネリリ・ラヴラン
貴女を逃がせばラミエルさんの下で
また人の信じる心を餌にするんだよね?
台東区の人だけが助かっても、それじゃわたし達が戦ってる意味が無いよ
身を潜めて弱った所を狙い撃とうと
【未来予測】を使ってイーリスさんの動きを観察しておくよ
逃走経路を探すには見渡す必要がありそうだし
そんな素振りを見つけたら先回りして
PDで作り出した蝙蝠群と自身で塞ぎたいね
散々、使い続けて来た区民の皆を投げ捨てて
自分だけ助かろうだなんて、通す気は少しも無いんだよ
そもね
そんな逃亡者の背に、どんな祈りが集まるのかな…
ここで力を示せないようなら、信仰を力にしてる貴女達に未来なんて無いわ
音羽・華楠
イーリスが逃げるとして、逃亡先はミカエルが支配する墨田区が最有力候補でしょう。
ミカエルは大天使勢力最強らしいですし。
それに保護を求めれば、私たちも追撃出来ないと考えるはずです。
……問題は、浅草寺から東へ少し行くだけで墨田区に入れてしまうこと……。
大天使であるイーリスの翼なら、多分数秒の距離。
つまり――誰かが常に【飛翔】し、イーリスが東に向かって飛ぶ経路を塞ぎ続けないと、恐らく彼女に逃げられます。
なので、私はその役割を担おうかと。
切羽詰まってきたら、イーリスは飛行経路が塞がってても、強引に突破するつもりでこちらに突っ込んでくると思います。
その場合、負傷覚悟で我が身を壁にしてでも止める覚悟です。
レイア・パーガトリー
◎連携アドリブ歓迎
この逃げ道を使えないようにしましょう
【防衛ライン】を布いて時間を稼げるようにするわ
近辺で作戦行動を行う仲間とも【パラドクス通信】で情報を共有して
他へ逃げ出してもすぐ阻止戦への移行ができる体勢を整えるわ
工事用の「通行止め」看板を置いたり
イベント用の商材や廃材でバリケードっぽいものを作って
「逃げられないよ!」とでも書いておこうかしら
『お見通し』感が出れば効果的だと思うの
それまで信じていた、頼れるはずのものが頼れない不安や恐怖
それはイーリス自身が望んでいたかどうかはともかく
結果として浅草の住民に与えたものだから
自分で味わうといいわ
みんなの窮状を見てきた、私なりの仕返し…嫌がらせよ
●的確な待ち伏せ
ラミエルとの交渉決裂により、イーリスの撃破が確定した。
ガルガリンは先行した復讐者によってすべて倒されており、その際に敵の退路を探ったレイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)によって大まかな撤退ルートも見つけ出されていた。
そして、現在。
「ここが退路になるってことでいいのかな」
「はい。イーリスが逃げるとして、逃亡先はミカエルが支配する墨田区が最有力候補でしょう」
ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)と音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は、墨田区の方角を背にして立っている。
「なるほど、だから配下達がこっち側を気にしてるって連絡が入ったんだね」
レイアから受けた通信の内容を思い返し、ネリリは頷く。
華楠も自分の予測が合っていたことを確かめながら、周囲を警戒していった。
「ミカエルは大天使勢力最強らしいですし。それに保護を求めれば、私たちも追撃出来ないと考えるはずです」
「うん、それならここで待ち伏せが一番だね」
「ですが、問題は……」
「問題?」
ネリリが気を引き締めていく中、華楠は懸念があるのだと語った。それは距離的な問題だ。
「この浅草寺から東へ少し行くだけで墨田区に入れてしまうことです」
大天使であるイーリスの翼なら、おそらく最速で数秒。足止めがあったとしても油断できない距離だ。しかし、そのために既に動いている者もいた。
「お待たせしたかしら。バリケードは作ったし、防衛ラインの準備は万端よ」
そう、最初にこのルートを見つけ出したレイアだ。
レイアは通信を駆使したことでこの場に集う者の人数を増やせた。最低一人いれば足止めは可能だが、三人が互いを補い合ったことで確実な逃亡阻止が出来るようになったのだ。
レイアは残留効果の防衛ラインに加え、工事用の通行止め看板を設置したり、周囲にあった廃材を積んだ簡易なバリケードを作ったりと工夫をしている。
更にそこには敵の焦燥を募らせるために、『逃げられないよ!』と書いてあった。
「バリケードの方は壊されちゃうかもしれないけれど、お見通し感が出ていいでしょう?」
「壊されたとしても数秒は稼げるかな。それに未来予測で視える一秒だって貴重な時間だね」
ネリリはレイアに感謝を伝え、自分もイーリスが訪れた時の動きを話していく。念には念を入れるべく、華楠も自分の案と行動について語った。
「後は――誰かが常に飛翔しておいて、イーリスが東に向かって飛ぶ経路を塞ぎ続けないと、恐らく彼女に逃げられます。なので、私はその役割を担おうかと」
「ええ、お願いしてもいい?」
「地上に二人、空中に一人。それから後ろからイーリスを追ってくる皆。これで間違いないね」
役割を申し出た華楠に頷き、レイアとネリリは思いを同じくする。自分達に加えてイーリスを追走してきてくれる仲間がいるなら、阻止失敗にはならないはずだ。
ネリリは小型の蝙蝠群を呼び出し、華楠は妖精達の力を巡らせ、レイアは防衛ラインを確かめた。
イーリスは決して逃さない。
待ち伏せを行う彼女達の強い意志と行動。それらが真価を発揮するのは、もう暫し後になる。
そして――光の調停者イーリスとの決戦が本格的に幕を開けていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
八栄・玄才
『奪還』を為すにはイーリスの撃破は必須か
地元の区(練馬区)の奪還を目指す身としては、余所の区だからって奪還の機会を見過ごすこたぁできねーな
残念だが、ラミエルちゃん
どうも世界の仕組みってヤツはディアボロスとクロノヴェーダが仲良くするのを許さねぇらしい
別におたくのことは嫌いじゃねーけど
悪いが、中指突き立てさせてもらうぜ
話し合いが終わったら、ここで暗殺を狙っていると気取られないように「もはやお前に興味はない」という勢いでイーリスのもとへダッシュ
……実際オレとしては、オレ等を蹴散らして生き伸びようとするイーリスの方が、魅力的な獲物だしな
(多くのディアボロスが融和を望むなら、それに合わせて総意に加わる)
●敵対の意思
ディアボロスは融和を望んでいない。
望む者もいるように思えたが、個人的ではなく総意でなければ大天使陣営にも危険が及ぶため、それでは受け入れることが難しい。一度は期待を抱いたものの、大天使ラミエルは失望を覚えていた。
そして、ラミエルはこれまでのディアボロスの言動について思い返していく。
『希望は捨てるべきなのでしょうか。しかし……』
独り言を呟いたラミエルは復讐者達の様子を窺っているようだ。
そんな相手を見つめた八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)は現状について整理していた。
ラミエルは、ディアボロスがイーリスの撃破に動いていることを把握している。この状況からイーリスを救い出すような行動に出たとしても、失敗に終わると判断しているようだ。
このまま彼女に関わらなければ、ラミエルは自分の支配する区に撤退していくことになるだろう。
だが、そうはさせない。
「オレ達が望む『奪還』を為すにはイーリスの撃破は必須だからな」
『私が提示した条件での交渉は難しかった、ということですね。よくわかりました』
「オレだって地元の区……練馬区の奪還を目指す身だ。もし地元が同じ状況なら確実に交渉は断ってた。現にこの区が故郷の仲間もいるだろう。そいつらの気持ちを無視してまで、交渉には乗らねーよ」
玄才は強く言い切った。
様々な境遇の者がいるため、心情を慮れば融和と合意を総意として出すことは出来ない。玄才とて、多くのディアボロスが融和を望むなら、合わせて総意に加わるつもりだったが――心情を鑑みるとそうはならなかった。
「つまり、余所の区だからって奪還の機会を見過ごすこたぁできねーな」
『そうですか』
落胆した様子のラミエルはこれ以上、何かを語るつもりはないようだった。
その様子には構わず、玄才は宣戦布告にも似た言葉を向けていく。
「融和を掲げるなんて珍しいよな。しかし残念だが、ラミエルちゃん。どうも世界の仕組みってヤツはディアボロスとクロノヴェーダが仲良くするのを許さねぇらしい」
『…………』
「別におたくのことは嫌いじゃねーけどな。悪いが、中指突き立てさせてもらうぜ」
そして、玄才は明らかな敵対行動を取った。
既に交渉は終わっており、後は決戦に持ち込むのみ。玄才が狙ったのは暗殺に移行するための下準備だ。
ラミエルは無言のままディアボロスを見つめるだけ。こうして表に出る感情を押し殺すことで自分の考えを読ませないようにしているようだ。
どちらにしろ、後は戦いが待っている。
玄才も思いを胸の内に秘め、ラミエルから視線を外した。これまでも仲間達がそれぞれの敵意や疑念を見せたからだろうか。大天使ラミエルにもこちらに対して思うことがあるようだ。
それから、玄才は敢えて踵を返した。
もはやお前に興味はないといった勢いでイーリスのもとを目指す。これも計算のうちであり、ここで暗殺を狙っているとラミエルに気取られないようにするためだ。
「じゃあな、ラミエルちゃん」
『……。イーリスを倒しに行くのですね』
「ああ。実際オレとしては、こっちを蹴散らして生き伸びようとするイーリスの方が、魅力的な獲物だしな」
そう言い残して、玄才は光の調停者の撃破に向かった。
失敗🔴🔴🔴
✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨
●選ばれた道筋
決戦に向かう復讐者達をラミエルが止めたり、追うようなことはなかった。
その代わりに翼を広げて宙に舞い上がりはしたが、ラミエルが自分の区に帰るような気配は見えない。どうやらこれまでのやりとりや、ディアボロスと交わした会話の内容について考え直しているようだ。
『このまま帰るわけにはいきませんね』
救出に向かうようなことはしないが、少なくともイーリスの末路を見届ける気なのだろう。
『――ディアボロス。貴方がたは一体……』
一言、落とされた言葉からは感情が読み取れなかった。
その内に隠しているのは新たな交渉の手段なのか、それともディアボロスへの敵意か策略か。
今はまだ、ラミエル本人以外は誰も知らない。
そうして、またひとつ戦局が進んだ。
光の調停者イーリスを倒すための戦いはこれから激化していく。
✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨
ア・ンデレ
友達が、ラミエルやガルガリンの相手をしてくれている間に、アンデレちゃんはイーリスに一番槍を決めにいくよ。
友達パワーで作った翼で飛翔し、イーリスに近づく。
「やつざきぐみのヒーロー、アンデレちゃんだよ。イーリスちゃん、ごめんね。ともだちのために、たおさせてもらうよ。」
アンデレちゃんは笑顔で名乗りをあげる。
台東区に住む友達のため。台東区に大事な人がいる友達のため。アンデレちゃんは戦う。
「ほら、イーリスちゃんも、ともだちのラミエルちゃんにたすけてもらいなよ。
ひとりじゃアンデレちゃんたちには、かてないよ。」
アンデレちゃんは友達パワーを込めた拳でイーリスを殴る。
倒れても続いてくれる友達がいるから安心だ。
●一番槍
浅草寺の中央、光り輝く巨大結晶クリスタルピラーが聳える場所。
其処には焦燥を抱えながらもディアボロスの迎撃に備える、光の調停者イーリスがいる。
「――来ましたか、ディアボロス」
イーリスは訪れたア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)を見据えた。ア・ンデレは友達パワーで作った翼で飛翔してきており、瞬く間にイーリスへと近付いていく。
「……たった一人だけですか?」
「そうだよ。一番槍、やつざきぐみのヒーロー、アンデレちゃんだよ」
ア・ンデレは笑顔で名乗りをあげる。
他の者達がラミエルやガルガリンの相手をしている間に、ア・ンデレはイーリスに宣戦布告をしようと決めていた。
「イーリスちゃん、ごめんね。ともだちのために、たおさせてもらうよ」
友達。それは台東区に住む者達のため。
それだけではなく、この区に大事な人がいる友達のためでもある。
「アンデレちゃんは戦うよ」
宣言したア・ンデレはパラドクスである友達パワーを拳に込めた。
その勢いは鋭く、身構えたイーリスを穿たんとして迫る。だが、対抗するイーリスは虹と同じ輝きを持つ七色七本の剣、プリズムソードを展開した。
刹那、ア・ンデレの一撃は虹の剣で防がれた。それでも相手にも衝撃を与えていることは確かだ。
イーリスが操作するプリズムソードが次々と襲いかかってきたが、ア・ンデレは怯んだりなどしない。素早く身を躱したア・ンデレは相手の横合いに回り込み、拳の一撃を叩き込んだ。
「くっ……」
「ほら、イーリスちゃんも、ともだちのラミエルちゃんにたすけてもらいなよ」
「……!」
ア・ンデレの言葉を聞いたイーリスは痛みを堪えるように息を呑む。
「ひとりじゃアンデレちゃんたちには、かてないよ」
「やはり、来ていたのですか……」
どうやらイーリスもラミエルの気配を感じていたらしく、ア・ンデレの言動で確信したようだ。しかし、現時点で救援や横槍を入れてこない時点で見捨てられているも同然だろう。
ア・ンデレは更なる一撃を見舞いに向かう。対するプリズムソードの切れ味はかなりのものであり、ア・ンデレの身を容赦なく切り裂いた。身体が引き裂かれるような痛みが走っていくが、ア・ンデレは攻撃の手を止めない。
「アンデレちゃんにはともだちパワーがあるからね」
気合いを込めた拳でイーリスを殴り続ける彼女は、たとえ自分が倒れても構わないと思っていた。何故なら、続いてくれる友達がいるはずだから。
「まけないよ」
友達の力を宿したアンデレメダルを握り締めたア・ンデレは、光の調停者イーリスを見据えた。
痛みはあれど、まだ戦える。
ア・ンデレは思いを強く持ち、仲間達の到来を待ちながら戦い続けていく。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
八栄・玄才
さあ、台東区奪還の時だ
……オレは闘うと言った
まだ暗殺作戦が始まってなければ、ラミエルも見てるかもしれねぇしな
突っぱねた手前、ダセェ闘いぶりは見せられねぇな
イーリスの光剣を避けるため【臨機応変】に右に左に複雑に跳びながら【突撃】!
かわしきれない剣はワード・ブレイカーでハジいたり、【オーラ操作】で静電硬気を展開して防ぐ
ある程度、距離を詰めたら一気に踏み込んでパラドクス発動
同じ大天使でもアルケーには速度負けした
だが、あの日から積んだ修行と実戦経験、そして司馬懿戦で掴んだ"より速く"の形!
今なら届くと己を信じて【粉砕】の一撃を全力で放つ
"雷"と"光"、どっちが速いと思う?
答えは"雷(オレ)"だよッ!!
ラキア・ムーン
さて、メインイベントといこうか
とはいえ、まずは後続の為に残留効果を積むとしよう
1人で渡り合えると思う程、驕ってはおらんよ
改めて《RE》Incarnationを構えて戦闘態勢
飛翔し最大高度まで上昇
イーリスの位置を『情報収集』し目標を定めて最大速度まで加速
移動中に【Call:Breaker_Lance】起動
《RE》Incarnationの穂先を拡張、位置エネルギーと加速の力を乗せて『突撃』
イーリスに渾身の『貫通撃』を喰らわせよう
イーリスのプリズムソードは軌跡をよく見て『戦闘知識』を動員して可能な限り槍で迎撃し『吹き飛ばし』てダメージを最小限に抑えよう
基本はヒット&アウェイで速度を生かして削っていく
クロセル・ノートリア
本来は前戦には赴かぬが、この機会にジェネラル級との実戦データの収集に移るとしよう
他ディアボロスの後衛に布陣、イーリスの攻撃に合わせる形で術理解法・戦術応用を発動し妨害すると同時にガードアップによる耐久力上昇を狙う
不用意に接近せず距離を保ったまま少しづつでも体力を削り、前衛の味方の支援に徹する
ジェネラル級ともなると余よりも遥かに強く、そして余自身は個体として他の復讐者よりも戦闘能力上劣位である。
しかし少しでも余に目を向ける事、それ自体が隙を産み出すことに繋がるのであれば…
●新たな可能性
いざ、台東区奪還の時へ。
「さて、メインイベントといこうか」
「ああ……オレは闘うと言った。突っぱねた手前、ダセェ闘いぶりは見せられねぇな」
ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)と八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)は、イーリスが創り出したクリスタルピラーの輝きに目を細める。
ラミエルとの交渉は受け入れられるものではなかった。
だが、それゆえにイーリスを撃破できる。
クロセル・ノートリア(魔公・g01918)は冷静に状況を判断していき、現状が最適解であると悟った。
何故なら、調停者という名の付く調整型のクロノヴェーダを残しておくことは、ディアボロスの不利になりうるからだ。無論、それを承知して敢えて引き渡すことも出来た。相手の出方に負けないほどの策略や考えを用意できたならば、それもまた正解に繋がっただろう。
しかし、仲間の故郷でもある台東区の奪還を先送りにできる理由にはならなかった。
「条件のデメリット、不透明な先行き、そして仲間の心情。無視できない事柄が多かったな。我々ディアボロスの非などではなく、ラミエルの用意した交渉条件が合致していなかったか」
クロセルは双方がすれ違っていたと分析した。
イーリスを見据えたクロセルに続き、ラキアと玄才も敵に狙いを定める。
「……新手のディアボロスが来ましたか」
対するイーリスは身構え直し、巨大結晶に光を収束させた。
「一人で渡り合えると思う程、驕ってはおらんよ。それに数は力だろう?」
突撃槍を構えたラキアは最大高度まで飛翔する。
二重の螺旋状に回転する炎と風の魔力が槍に宿り、鋭い一撃として繰り出された。それと同時に玄才が拳撃を見舞うべく突撃していく。
その際、感じたのは離れた場所からの視線だ。それはラミエルからのものだろう。
「やっぱり見てるか、ラミエル」
玄才の読みは当たっていた。否、予想以上の結果となっている。
先程、あのままラミエルを葛飾区に帰すのはかなりの危険があった。何故なら交渉が決裂しているうえ、ディアボロスへの不審を与えたままであるからだ。そのため、今後に向こうから接触を持ちかけてくる可能性も潰えていただろう。
だが、玄才は展開を大きく変えるほどの重要なことを行っていた。
彼は条件は飲めないと宣言した。
されど同時にラミエルのことが嫌いではないとも告げている。そして、今はイーリスの方に興味があるという言動で暗殺のことを悟らせぬように振る舞ったのだ。
それによってラミエルは新たな『興味』を抱いたようだ。
その結果、ディアボロスとイーリスの戦いを見届けるという行動に移っている。
もしもただ乱暴な敵意を向けるだけの行動であったならば、今とはまったく別の展開――たとえばディアボロスの話すら聞かない状態のラミエルと戦うことにもなっていただろう。
されど、そうはなっていない。
ディアボロスが望みさえすれば、再び会話を行えるかもしれない状況になった。
敵意と興味。様々なことが複雑に絡み合った状況の中、玄才は新たなる可能性を引き寄せた功労者だ。そのことに胸を張っていい状況になっている。
「――と、余は判断したが合っているだろうか」
「その通りだな」
戦いが繰り広げられている中、クロセルが現在の状況を語る。ラキアは頷きを返しながらイーリスに攻撃を仕掛けていく。ラキアもまた、最初から的確な判断を下していた一員だ。
「何にせよ、イーリスは倒すぜ」
玄才はイーリスの光剣を避ける為に左右に複雑に跳ぶ。迫ってきた剣をワード・ブレイカーで弾きながら、痛みを最小限に押さえた彼は一気に踏み込む。
「同じ大天使でもアルケーには速度負けしたからな」
「アルケーは強かったでしょう」
「だが、今度は勝つ!」
あの日から積んだ修行と実戦経験、戦いで掴んだ“より速く”の形。
今なら届くと己を信じた玄才は全力で一撃を放つ。その援護になるよう、後衛に布陣したクロセルが術理解法・戦術応用の力を発動させていく。
(「調整型とはいえ、ジェネラル級。そうなればと余よりも遥かに強く、そして余自身は個体として他の復讐者よりも戦闘能力上劣位である」)
クロセルはそれゆえに支援に回り続けており、それが功を奏していた。
少しでも自分に相手の目を向けること。それ自体がイーリスの隙を産み出すことに繋がるのであれば、危険など顧みず動ける。クロセルは静かに、それでいて果敢に立ち回った。
其処へ、槍の穂先を拡張したラキアが位置エネルギーと加速の力を乗せて突撃にかかる。
「廻り紡ぐは破壊者の槍。逃れられると思うな」
刹那、イーリスにラキア渾身の一撃が襲いかかった。
声なき悲鳴をあげたイーリスは貫かれた片腕を押さえ、悔しげに呟いた。
「思った通り、ディアボロスは強い……。いえ、ますます強くなっている。わたしは最初から皆にディアボロスが脅威だと言っていたのに。どうして誰も聞き入れなかったのでしょうか」
イーリスが呟いたのは他の大天使への不満だろう。
彼女が放つプリズムソードの軌道を読み、身を躱したラキアは耳を澄ませた。
「最初に港区でディアボロスが確認された時点で、TOKYOエゼキエル戦争の全ての力を結集しなければならなかったのです。それを、ザドキエルの愚か者が……」
こちらが攻撃を仕掛けたことに加えて、相手が反撃に移ったことでイーリスの言葉は途切れたが、聞き取れた情報だけで十分な考察ができる。
「イーリスはこれまでも他の大天使と交渉していたようだな」
「成程。これがラミエルがイーリスを欲しがった理由か」
ラキアとクロセルは理解する。
おそらく大天使の中でディアボロスの脅威に最初から気付いていたのがイーリスだ。もしもイーリスの言い分が他の大天使に正しく伝わっていたならば、ディアボロスは既に滅ぼされていたかもしれない。
だが、彼女が区の支配者という立ち位置であったことが他の大天使との交渉の妨げになっていたのだろう。つまり、イーリスは誰かの下について交渉や調整役に徹した方が、真価を発揮できるというわけだ。
「やはりラミエルにイーリスは渡せなかったな」
「ま、もう渡しはしないぜ」
「ああ。余等、復讐者が滅殺することになるからな」
ラキアの言葉に玄才が答え、クロセルも仲間達の後方支援に徹していく。そして、半身半雷となった己の力を叩き込むため、玄才がイーリスへと駆ける。
「雷と光、どっちが速いと思う? 答えは……」
「……!?」
「雷――オレだよッ!!」
捉えられぬ程の疾さの一閃が繰り出され、雷速すらも越えた玄才の拳撃が見舞われた。
そして、此処からも更なる攻防が巡っていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【平穏結界】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
飛鳥・遊里
*動力甲冑【火之迦具土】装着
お前さんも覇権争いしてたんなら覚悟しとくべきだったな。弱い奴は蹴落とされるって。その時が来たって、それだけのことだよ
【機動防盾】を構え、【跳躍ユニット】に点火し、地表を滑走し、イーリスに突撃する
攻撃は回避、無理そうなら盾で防ぎ接近、射程に入ったら、【天之尾羽張】を抜刀。そのまま、正面から切り伏せる…と見せかけて、機動防盾をぶん投げる!(フェイント・投擲)やつが盾に気を取られている隙に死角に回り込む
お前さん、ここまで堕ちたなら後は上がるだけだとか思ってたか?残念だな、俺たちに出会った瞬間に地獄へのジェットコースター決定だ!
喰らえ!神殺し・天之尾羽張、一文字斬りだっ!
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
連携するなら組む人をディフェンスするのも想定するね
大きなため息を吐く
きみの処遇一つに、苦労させられたよほんっと……
“魔槍”を決断的に構えて
だけどね。僕は元より、上野で子供たちが涙を流す姿を見たから。この槍を振るうんだ
伝承、5種開放!
“魔槍”の穂に剣呑なオーラが灯り。Moon-Childを両脚に集中し、活性化
怖じ気付けば、光線の餌食か
なら機を伺いつつ全力の【ダッシュ】で一直線に突っ込む!
正義とか、罰だとか。そんなもんじゃあない!
量産型“魔槍”を抜き回転させることで少しでも光線を捌こうと試み
これが復讐者の、やり方だから!
禍えり裂く赤棘の槍(ゲイ・ボルグ)ッ!
放つは必殺の槍撃!
●大天使の逃走
戦いが続くクリスタルピラー付近。
仲間に続き、更に戦線に加わったのはロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)と飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)の二人だ。イーリスも復讐者の攻撃に対抗するべく、強い敵意を向けてくる。
「どれだけ来ても同じこと。わたしには勝算があります」
はったりなのか、それとも本気なのか。
イーリスの言葉を受けたロキシアは魔槍を構えながら、大きな溜息をついた。
「きみの処遇一つに、苦労させられたよほんっと……」
「お前さんも覇権争いしてたんなら覚悟しとくべきだったな。弱い奴は蹴落とされるって。その時が来たって、それだけのことだよ」
動力甲冑に身を包む遊里もイーリスに向け、勝算などありえないと語る。
おそらく相手の勝算とは逃げ道を用意していることだろう。浅草寺区域内にディアボロスを引き入れておいて、隙を見て逃げ出すことが彼女の算段らしい。
しかし、ディアボロスはそれを知っていながら敢えて乗り込んできている。
「状況は複雑だったよ。だけどね。僕は元より、上野で子供たちが涙を流す姿を見たから」
だからこそ、この槍を振るう。
強く宣言したロキシアは己の力を巡らせていった。
「伝承、五種開放!」
その言葉と共に魔槍の穂に剣呑なオーラが灯り、禍えり裂く赤棘の槍が発動する。両脚にナノマシンを集中させたロキシアは活動を活性化させていく。
魔槍による必殺の一撃が繰り出され、イーリスの身が穿たれた。されどロキシアは油断などしない。ジェネラル級の大天使である以上、相応の力は持っているはずだ。
遊里は機動防盾を構え、跳躍ユニットに点火する。地表を滑走するようにイーリスに突撃していった遊里は一瞬でイーリスとの距離を詰めた。
「喰らえ!」
天之尾羽張を抜刀し、神殺しの特性を刀に乗せた遊里は腕部を振り上げる。
そのまま正面から切り伏せると見せかけ、彼は機動防盾を投げた。フェイントとして繰り出した容赦のない攻撃はイーリスの力を削る。
だが、相手もやられてばかりではなかった。
「わたしも区の支配者となった身。甘く見られては困ります」
自身の翼から追尾能力を持つ無数の光線を放つイーリス。遊里の火之迦具土ごと貫く勢いの光線が迸った。
あれに怖じ気付けば、光線の餌食となることをロキシアは悟っている。それならば機を窺いながら、負傷覚悟でも一直線に突っ込むのみ。
「正義とか、罰だとか。そんなもんじゃあない!」
痛みは鋭い。それでも退かないと決めた。
魔槍を抜いて回転させることで少しでも光線を捌こうと試みたロキシアは、凛と告げてゆく。
「これが復讐者の、やり方だから! ――ゲイ・ボルグッ!」
放つは渾身の槍撃。
ロキシアに合わせ、遊里は敵の死角に回り込んでいった。
「お前さん、ここまで堕ちたなら後は上がるだけだとか思ってたか? 残念だな、俺たちに出会った瞬間に地獄へのジェットコースター決定だ!」
――神殺し・天之尾羽張、一文字斬り。
遊里とロキシアの攻撃は重なり合い、イーリスにかなりの痛みを堪えた。
するとイーリスは動きを止め、自ら反撃の機を放棄する。
「……あのアルケー勢力も、ディアボロスの脅威は理解していてもやられてしまいました……。このままでは、TOKYOエゼキエル戦争はディアボロスに滅ぼされてしまう……」
翼を広げたイーリスは現状を憂いているらしく、悔しげに語った。
そして、彼女は真剣な面持ちを見せる。
「ここまで引き付けはしましたが……アルケーが勝てなかった相手に勝てるとは元より思っていません」
次の瞬間、イーリスは身を翻した。
クリスタルピラーの光が反射していて見えていなかったが、どうやら抜け道があるようだ。復讐者にそれ以上の攻撃を行わず、全力で飛び立ったイーリスは捨て台詞めいた言葉を発した。
「わたしは逃げさせてもらいます」
一瞬後、光に紛れた大天使はクリスタルピラーの外へ脱出する。
逃がす形になったが、案ずることはない。その先には逃走に備えて待ち構えている者がいる。退路を塞ぐ為に動いていた少女達がイーリスを足止めしてくれるだろう。
もちろん、これまで戦っていた復讐者達も此処からイーリスを追うことが出来る。
まさに前門の虎、後門の狼。
そうして、終わらせるべき決戦の局面は更に進んでゆく。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【無鍵空間】がLV2になった!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨
●退路組の本領発揮
クリスタルピラーから飛び立ったイーリスは勝ちを確信していた。
此度のイーリスの勝利とは、復讐者を倒すことではない。浅草寺の拠点を捨て、ミカエルの傘下に入ってでも生き延びることが彼女にとっての勝ち筋だ。
「作戦は成功しましたね。ディアボロス達をあの場に引き入れ、あとは私だけが知る逃走ルートへ――」
しかし、その目論見は潰されていた。
イーリスが向かったのは墨田区側。目指す『熾天使ミカエル』の元へ向かうには素早く翔ぶだけでいい。
そのはずだったのだが――。
「!?」
まずイーリスの目に飛び込んできたのは『逃げられないよ!』と書かれた障害物だ。
そして、退路として定めたはずの進路に人影があった。
「ここから先には行かせないわ」
立ち塞がっているのはレイア・パーガトリー。看板を用意して、防衛ラインの力を巡らせた本人だ。イーリスはすぐに更に上空に舞い上がろうとしたが、その先には飛翔している音羽・華楠の姿もある。
「空に退路があると思いましたか? 残念でしたね、通すことは出来ません」
「退きなさい!」
「貴女を逃がせば他の大天使の下でまた人の信じる心を餌にするんだよね?」
華楠達に向けてイーリスが叫ぶと、ネリリ・ラヴランが訝しげに問う。イーリスを逃がすということは、これから多くの人が苦しむことに繋がるだろう。
「く……」
「台東区の人だけが助かっても、それじゃわたし達が戦ってる意味が無いよ。散々、使い続けて来た区民の皆を投げ捨てて自分だけ助かろうだなんて。そんな相手を通す気は少しも無いんだよ」
ネリリはこれまでに自分が見てきた現状を踏まえ、イーリスを非難した。実際にすべてを投げ捨てて防衛だけに力を注いだイーリスの行動はそうするに値するものだ。
そして、ネリリは号令をかけた。
その声に応えた魔力の蝙蝠達がイーリスに襲いかかっていく。合わせてレイアも敵に狙いを定めた。
「それまで信じていた、頼れるはずのものが頼れない不安や恐怖。台東区の人達は、そんな思いをしていたのよ。せめて信者の人達くらいは顧みるべきだったわ」
あの現状をイーリス自身が望んでいたかどうかはともかく、結果として区の住民に与えた不安は変わらない。
だから、と告げたレイアは地を蹴った。
「自分で味わうといいわ。みんなの窮状を見てきた、私なりの仕返し……いえ、嫌がらせよ」
繰り出されたのは宙返りからの尻尾蹴り。
レイアの一撃をまともに受けたイーリスは反射的に翼を広げた。だが、レイアが尻尾を叩きつける瞬間に伸ばされた毒を帯びた棘がその翼を穿つ。
それだけではなく、華楠が放った灼熱の力がイーリスに浴びせかけられた。
「我が身を壁にしてでも止めましょう」
気迫の籠もった言葉と共に、華楠は両手を広げる。追い詰められている現状、飛行経路が塞がっていてもイーリスは強引に突破するかもしれない。
そのように予想した華楠は、相手が無理矢理に突っ込んでこようとも止める気概でいる。
華楠の考えを悟ったのかイーリスは身を引いた。
されど周囲にはネリリが飛ばした蝙蝠達が渦巻いている。そう簡単には突破できない。そう感じたらしいイーリスは声を震わせていた。
「集めた信仰も崩され、退路すら塞がれるなんて……」
「逃亡者の背に、どんな祈りが集まるのかな。ここで力を示せないようなら、信仰を力にしてる貴女達に未来なんて無いわ。偽りの信仰なんてわたし達が何度でも潰してあげる!」
蝙蝠達はまるで蠱惑の追走曲を奏でるように突撃していき、爆発していく。
その音を頼りにして、イーリスを追走してきた仲間達も戦線に加わってきた。彼女達が行った退路を断つ作戦は、完全なる成功を収めたのだ。
光の調停者が何処かに逃げ去ることはもうないだろう。華楠とネリリ、レイアは視線を交わしあった。
此処から続くのはイーリス完全撃破への道。
そして、戦いは佳境に入っていく。
✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨
八百陣・葵漆
さて、配下も殲滅されて逃げ道も封鎖された
そしてラミエルの交渉も決裂した
戦況的にはイーリスは完全に詰んでいる
しかし、追い詰められた者の反撃はなかなか怖いものだ
ここはしっかり気を引き締めて掛かろうか
イーリスが光を操るならば、これが良いかな
『青龍水計』で水流を呼び出して対抗しよう
屈折に拡散、『フォトン・パニッシュメント』軌道の変更や減衰が狙えるはずさ
熱で蒸発させられても、湯気も光への盾にはなるからね
そしてそのまま、水流でクリスタルピラーを破壊して、イーリスを呑み込んであげよう
君はここで終わりだ
台東区はディアボロスが奪還させて貰うよ
アンゼリカ・レンブラント
カシエルやアルケーと戦っている時も
お前の名前はいつもあったね
やっとその命に届かせる――いざ勝負だ!
踏み込む機を仲間と合わせ、パラドクスの光剣で斬る!
反撃もしっかり凌いで一撃離脱、
再度隙を伺い、ここまで仲間がつけた
傷を抉るように斬りこんでいく
終わらないこちらの攻撃に
敵の焦りはあるはず
そこを突こう!時にかく乱に専心し隙を作り出す
積み重ねと仲間の絆
いつだってそれが私たちの強さだよ
お前を倒し、台東区を奪還する!
相手の消耗が分かれば、仲間のラッシュと共に
捨て身の覚悟と共に決着の一撃を狙う
天使に支配された台東区を人の手に
夜明けとなるが如く
今こそ最大まで輝け、《光剣収束斬》!
全てを込めた一撃で両断を狙うよ!
音羽・華楠
イーリスの逃亡を阻止出来て一安心ですね。
ですが……光を吸収するクリスタルピラー、とは……。
私の雷術も広義では光。
吸収されるかも……?
ここは雷術以外のパラドクスで――
…………。
――何を甘ったれたことを!
今までジェネラル級相手でも、断片の王相手でも、雷使いとしてぶつかってきた……。
ここで臆して何が雷使いですか!
種族特徴が消え、黒髪黒瞳のネメシス形態へ。
充分な数を【召喚】した妖精たちに万全の補助を願い――
《雷幻想・閃耀》をイーリスへ!
私の最強のパラドクスは、簡単に吸収出来るものじゃないと信じて!
イーリスに吸収し切れないほど、眩く――
吸収し切れなかった分だけでイーリスを討てるほど、強く!
耀き、閃け!!
ネリリ・ラヴラン
天使さん達の源が、信仰の気持ちなら
わたし達の源は人の怨嗟
貴女達が、力を得る為に騙し続けて来た全てが自分達に返って来ているだけなんだよ
逃げない選択をしてくれたのなら
その為の力も全部わたし達を倒す為に使ってくるのだし油断はしないわ
【飛翔】して距離を詰めながら
追尾弾は【未来予測】で直前に旋回して抜ける
狙いはピラーを生み出し吸収する間
先程見せた蝙蝠は連れずに確実に当たる距離に飛び込み
何も持たずに伸ばした手に
無詠唱にも近い【高速詠唱】から魔力の槍を作りだし貫くよ
貴方達が本当に皆に崇められるだけの人達だったのなら
協力したりもできたかもしれない…って思うんだよ
アドリブや連携は歓迎だよ
●全力の衝突
逃走を試みたイーリスの足止めは大成功。
この状況では容易に逃げ出せない。現状を察したイーリスは、これまで以上に焦っている。
「さて、配下も殲滅されて逃げ道も封鎖された」
浅草寺方面から訪れた八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)が声をかけると、イーリスは忌々しげに唇を噛んだ。
「……おのれ、ディアボロス」
「逃亡は阻止できました。これで一安心ですね」
音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は飛翔を続けており、空中の逃走路を防ぎ続けている。ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)も引き続き退路になりうる道に陣取り、敵を強く見据えた。
「天使さん達の源が、信仰の気持ちなら、わたし達の源は人の怨嗟」
「復讐の力、とでもいうのですか」
「そう。それに今の貴女達は、力を得る為に騙し続けて来た全てが自分達に返って来ているだけの状況なんだよ」
ネリリはイーリスに向け、自分の思いを語っている。
同様に現場に駆け付けたアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)も大天使を強く見つめた。
「カシエルやアルケーと戦っている時もお前の名前はいつもあったね、イーリス」
「……!」
他の大天使の名をアンゼリカが語ったからか、イーリスは更に表情を曇らせる。葵漆は敵が心身共に相当に追い詰められているのだと感じ取り、語りかけていく。
「君の頼みの綱になったかもしれないラミエルと、僕達の交渉も決裂した」
戦況的にイーリスは完全に詰んでいる。
そのように伝えた葵漆は閉じた扇を敵に差し向ける。実際に前後をディアボロスに挟まれた状況であるため、イーリスは何も言えないようだ。しかし、窮鼠猫を噛むという言葉もある。下手すればこちらが痛い目を見ることにもなりうる。
「腐ってもジェネラル級。なかなか怖いものだからね。ここはしっかり気を引き締めて掛かろうか」
葵漆は周囲の仲間と、自分にも言い聞かせるように語った。
アンゼリカも気合いを込めた言葉を紡ぐ。
「やっと、この剣をその命に届かせらせる――いざ勝負だ!」
イーリスは暫し唇を噛んだままだったが、戦い続けるしかないと判断したようだ。寧ろ戦わなければ滅ぼされる時がすぐに訪れるだけ。それならば最期まで抵抗する方が良いと考えたらしい。
「潔く滅ぶなどという道は、やはり選べませんね」
ディアボロスには勝てないと踏んでいるイーリスだが、その意志は強い。次の瞬間、浅草寺の居城にも似た巨大結晶が彼女の背後に創り出され、超光熱の閃光が紡ぎ出されていく。
「逃げない選択をしてくれたんだね」
ネリリはイーリスの考えを感じ取った。しかし、その為の力はすべて復讐者を倒す為に使ってくるだろう。それゆえに油断はしないと決め、ネリリは飛翔する。相手との距離を詰めながら彼女は気を引き締めた。イーリスから放たれた無数の光線は未来予測の力を使い、軌道を読みながら旋回する。
狙いは相手がピラーを生み出し、吸収する間に生まれるはずの隙だ。
ネリリは確実に当たる距離に飛び込み、何も持たずに伸ばした手に魔力を収束させる。其処へ黒色に光る魔力の槍を作り出したネリリは、ひといきに攻撃に移った。
「貫かせて貰うよ!」
「何ですって……!?」
黒の排撃をまともに受けたイーリスが驚きの声をあげる。
その際、イーリスが光を操ろうとしているのだと気付いた葵漆は、それよりも先に動いた。
「そうくるならば、これが良いかな」
葵漆が発動したのは青龍水計。
パラドクスによる水流が呼び出され、閃光を打ち消すように巡っていく。衝突し合うことで、僅かでも軌道の変更や減衰が狙えればいい。そのように考えた葵漆は力を揮っていく。華楠もイーリスを倒すべく力を発動させようとした。
「光を吸収するクリスタルピラー、とは……」
そのとき、ふと気にかかったのは敵の能力についてのこと。
華楠の雷術も広義では光だ。もしかすれば吸収されるかもしれないと感じた華楠は一瞬、ここは雷術以外のパラドクスを使うべきかと判断しそうになった。
「…………」
一瞬の沈黙。その後、華楠は気合を入れ直すように自分の頬を両手で叩いた。
「――何を甘ったれたことを!」
今までジェネラル級を相手してきた時も、断片の王相手でも、雷使いとして戦い、ぶつかってきた。ここで臆して何が雷使いだろうか。その瞬間、華楠の姿が黒髪黒瞳のネメシス形態へと変わった。
妖精たちに万全の補助を願った彼女は、雷幻想・閃耀の力をイーリスへ解き放つ。雷の術を核に、火行、土行、金行の術を組み込めば、クリスタルピラーすら砕く一撃になってゆく。
「この力は……!?」
「畳み掛けるよ!」
巨大結晶が一瞬にして砕かれた直後、アンゼリカが踏み込む。機を仲間に合わせ、パラドクスの光剣を振り上げた彼女の一閃は鋭かった。対するイーリスは展開した七本の剣で以て此方を切り裂こうとしている。
だが、剣の反撃を一本ずつ弾き返したアンゼリカは、攻撃と同時に身を翻した。
其処から再度、隙をうかがった彼女はイーリスを見つめる。そして、一瞬の隙を突いたアンゼリカは、これまで仲間がつけた傷を抉るように斬り込んでいく。
「……っ!」
「どうかな。この猛攻はまだ終わらないよ」
痛みを堪えるイーリスに焦燥が生まれていることを悟り、アンゼリカは剣を構え直した。
焦りを突けば相手の動きも鈍るはず。次は撹乱に専心しようと決めたアンゼリカは仲間と的確な連携を続けていった。イーリスはプリズムソードを操作していくが、焦りによって上手く当てられないでいる。
その間にネリリが幾度も攻撃を仕掛け、華楠も絶対に逃さぬ気概を抱く。その間も葵漆の水流は見事に敵を穿ち、クリスタルピラーを破壊するほどの威力になっていた。
イーリスごと呑み込む勢いの水流は光を屈折させ、力を持たぬ乱反射状態に変えている。
「君はここで終わりだ」
「……いいえ、まだです」
「貴方達が本当に皆に崇められるだけの人達だったのなら、協力したりもできたかもしれない……って思うんだよ」
「それは交渉が出来たかもしれない、ということですか?」
宣言した葵漆に対してイーリスは頭を振り、ネリリの言葉に疑問を抱く。
イーリスはこの戦いを見届けようとしているラミエルの方を一瞥した後、深く息を吐いた。
「ラミエルはまだ諦めていないようですが……。わたし個人は、大天使とディアボロスの交渉がうまくいくことなどありえないと思っています。その理由は……いえ、貴方達にわざわざ教える必要もありませんね」
そう語ったイーリスには諦観した様子がある。
同時に其処から、更なる光の攻撃が放たれようとしていた。その行動を遮るため、何よりも疾く駆け出したアンゼリカの光剣収束斬が相手に迫る。
「積み重ねと仲間の絆。いつだってそれが私たちの強さだよ。お前を倒し、台東区を奪還する!」
「台東区はディアボロスが奪還させて貰うよ」
アンゼリカと葵漆の言葉と意思が重なり、奪還への道筋が水流と剣閃で描かれていった。
仲間と共に華楠も力を振るい続ける。
相手が吸収し切れないほど、眩く。それこそイーリスを討てるほど、強く。
「耀き、閃け!!」
黒き瞳に敵を映した華楠。全力が込められた閃耀が戦場に迸った。大きく体勢を崩したイーリスの様子を悟り、ネリリと葵漆が合図を送る。再度の攻撃の機を得たアンゼリカは、更なる一閃を見舞いに駆ける。
相手がどのような反撃を放とうとも構わない。云わば捨て身の覚悟と共に、決着を導くための一撃を狙う。
天使に支配された台東区を、人の手に返す。
そして、夜明けとなるが如く――全てを込めた一撃がイーリスに向けて振るわれた。
「今こそ最大まで輝け、光剣収束斬!」
刹那、アンゼリカの刃によってイーリスの片翼が切り落とされる。舞い散る羽根が眩い光に覆われ、切り落とされた部分から先が消失していく。
「そん、な……! それでも、まだ……わたしだって――」
イーリスは残った片翼をはばたかせながら、魔力を使って舞い上がった。されど彼女の力は残りわずか。
そうして此処から、戦いは終幕に向かってゆく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
レイア・パーガトリー
◎アドリブ連携歓迎
区の支配者になって…それからどうしたかったのかしら
私には、住民から幸福を奪っただけに見えるわ
私たちが滅ぼさなくても、あなたが区を滅ぼす未来が待っていたのではなくて?
女王の玉座で一瞬でも集中力を奪えれば、これだけの人数いるのだもの
仲間へと攻撃の好機を繋げるわよ
反撃の光線は、追尾してくる軌道を幾分かイーリス自身に向けられるように
リンバスによる騎乗移動か【飛翔】で不意打ちでの接近と捕縛を試みるわ
みすみすここで死ぬ気はないけれど、やられっぱなしは性に合わないの
さっきも意思表示したけれど、あなたは“逃げられない”わよ!
光線を躱したら一撃離脱で追撃を受けないようにするわね
月下部・小雪
ラミエルは静観、イーリスの逃げ道はみんなが塞いでくれ、ました。
あ、あとはイーリスをやっつければ台東区の奪還完了、決着の時です!
コダマVキャリバーを装備したコダマがイーリスのプリズムソードを受け流して防御しながら、攻撃のチャンスを伺います。
コダマ、みんなの攻撃で隙ができたら必殺の一撃を叩き、込みましょう!
大きく飛び上がったコダマの上空から雷が降ってきてVキャリバーに電撃のエネルギーを充電。
そのまま頭上から重力の加速も加えた【コダマ・ギガブレイク】でずばっといっちゃいましょう!
※アドリブ連携大歓迎
河津・或人
アドリブ/連携◎
足回り確保のために【飛翔】を重ねよう
残留効果は人数分だから、手段を択ばずに足掻かせてもらうぜ
WindBombで高速飛翔からの急襲を行う
反撃の高熱は光が集中しにくい位置へと離脱しよう
状況によっちゃ臨機応変に武装で陰影を作って光の収束を妨げる方針にスイッチ
仲間と連携して、俺が盾になる(ディフェンス)のもいいし
命にかかわる直撃さえ避けられそうなら囮だって引き受けるぜ
より多くの仲間の攻撃が届くように、存分に支援させてもらう
行ってこい!
一里塚・燐寧
この選択が「正しい」のかは、しょーじき分かんないや
だけど、台東区の人達を1秒でも早く取り戻したい気持ちは、「間違いじゃない」って思うから
──こっからは、選んだ道を正解にするため戦うよぉ
≪DCブラスター≫を構えながら【飛翔】で前進
敵が生み出すクリスタルピラーに砲撃を行い、着弾時の爆煙で包んで
光を収束する速度と放つ閃光の熱量を可能な限り落とさせるねぇ
反撃を誘発しないよう本体には弾は当てないよぉ
ピラーへの牽制で自他の安全を確保したら、全速力出して一気に突撃
『呪式:粉骨砕神』を叩き込むよぉ
二枚の鋸刃を敵の体内に食い込ませて捕縛しながら斬り刻み、狙うは完全解体!
取り戻すためなら、空の虹だって断ち切るさ!
●光の福音
逃げることも叶わず、片翼を斬り裂かれたイーリス。
光の調停者と呼ばれし彼女には今、死と滅びに向かう道しか残されていない。
しかし、相手も最期まで足掻くことを決めているようだ。河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)は飛び立ち、イーリスよりも高く飛翔する。
「ここまで来たんだ、もう手段を択ばずにやらせてもらうぜ」
或人は仲間達に力を巡らせ、終わりの瞬間まで援護を行っていく気概を抱いていた。
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)もダブルチェーンソーブラスターを構え、イーリスを瞳に映す。
「この選択が『正しい』のかは、しょーじき分かんないや」
燐寧はこれまでのことを思い返していた。
戦わずにイーリスをラミエルに引き渡すことも出来た。
されどそうはならず、光の調停者を倒して台東区を奪還する方向に事が動いている。
何が正解であったかなど誰にも言いきれない。
だが、燐寧には確固たる思いがある。
「だけどね、台東区の人達を一秒でも早く取り戻したい気持ちは、『間違いじゃない』よ。だからね、こっからは選んだ道を正解にするため戦うよぉ」
それこそが何より大切な意志の持ち方でもある。
どのような道を選ぼうとも進んでいける。どんな状況にあっても、ディアボロスの力は運命を切り拓くものになる。
現に今、ディアボロス達は考えうる限りの最善を選び取っていた。
「ラミエルは静観、イーリスの逃げ道はみんなが塞いでくれ、ました。あ、あとはイーリスをやっつければ台東区の奪還完了、決着の時です!」
月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)は両手の拳を強く握る。
まずはひとつ、この区の奪還を願う仲間の心を守れた。
次に、イーリスを引き渡すことで起こりうるデメリットを回避できた。イーリスだけに焦点を絞るなら、ディアボロスを最大の危険だと認識している状態の彼女を生かしておけば、今後どうなるかわからない。
引き渡しの拒否はラミエルとの縁を断ち切る意味合いでもあった。しかし現在、ラミエルは仲間の機転によって引き止められている。つまり現状は最大の好機の中にあると言えるだろう。
小雪はすべてが良い方向に向かっていると感じながら、コダマに力を巡らせていった。
レイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)も現状を実感しながら、手負いのイーリスに語りかけていく。
「区の支配者になって……それからどうしたかったのかしら」
「…………」
「何も言えないようね。私には、住民から幸福を奪っただけに見えるわ。私たちが滅ぼさなくても、あなたが区を滅ぼす未来が待っていたのではなくて?」
無双馬のリンバスと共に鋭い視線を向け、レイアは相手との距離をはかる。
するとイーリスは悔しげに答えた。
「ディアボロス……貴方達さえ攻めてこなければ……」
決して区は滅びなかったでも言いたいのだろうが、イーリスは黙り込んだ。過ぎてしまったことに言及するのが無意味だと悟ったのだろう。それに加えてディアボロスから受けた傷の痛みが巡っているようだ。
「何にせよ、終わらせよっか」
燐寧は或人の支援を受け、高く飛び立つ。
魔力を駆使して辛うじて空中に浮いている状態のイーリスに向け、燐寧は砲撃を行っていった。或人も冷たい色に光る特殊な爆弾を用い、最大限の衝突を起こしていく。
「無限射程で行くぜ」
イーリスが新たに創り出すクリスタルピラーには罅が刻まれている。完全に壊されるのも時間の問題だろう。
反撃によって繰り出された高熱の一閃には身を翻し、或人は光が集中しにくい位置へと離脱する。状況にもよるが、臨機応変に武装で陰影を作る準備も整えておいた方がいい。
或人が敵をしかと見据える中、レイアは女王たる竜の威光を巡らせた。
一瞬でも集中力を奪えればいい。
「これだけの人数がいるのだもの、もう好きにはさせないわ」
仲間が攻撃を行う好機に繋げられればいいと考え、レイアはイーリスの動きを縛る。たった一瞬であっても共に戦う仲間は見事にやってくれるはず。
信頼を向けた先には小雪とコダマがいる。
コダマVキャリバーを装備したモーラット・コミュは小雪に代わり、イーリスのプリズムソードを受け流している。強く防御しながらも攻撃のチャンスをうかがっていたコダマは、一気に攻勢に入る。
「ど、どんどん、やっちゃいましょう!」
「こっちからもいくよぉ」
燐寧も同時に着弾時の爆煙を利用してで包んでいく。光を収束する速度と放つ閃光の熱量。それらを可能な限り落とさせようと奮闘する燐寧に続き、小雪とコダマがイーリスを穿つ一閃を放った。
だが、新たに生み出されたプリズムソードがコダマの横をすり抜け、小雪に迫っていく。
「せめて、ひとりでも倒しておくべきですね」
足掻くイーリスは小雪に狙いを定めたようだ。しかし、そのことを察した或人が小雪の前に飛び出す。
「そうはさせねえ!」
「……!」
「大丈夫だったか?」
「は、はい。ありがとうござい、ます」
小雪の窮地を救った或人は受けた痛みを堪え、敢えて笑ってみせた。それによってイーリスはたったひとりの抹殺も叶わないのだと悟り、わなわなと震えた。
「ディアボロスはやはり、最初に滅殺しておくべきでした。これほどに強く成長しているとは……」
他の大天使に、この脅威を正しく伝えられていれば――。
イーリスの様子の中からうかがえるのはディアボロスが存在することへの危機感だ。もしも他の大天使も同じ意見であったならば、と考えればぞっとする。だが、最早イーリスは倒されるのみ。
「覚悟しなさい、イーリス」
レイアはリンバスに騎乗し、敵の攻撃を引き付けながら素早く立ち回った。不意打ちの接近と女王の威光の力を駆使したレイアは、再び相手の動きを封じていく。
「みすみすここで死ぬ気はないけれど、やられっぱなしは性に合わないの。さっきも見たでしょう? あなたは“逃げられない”わよ! 私達がどこにも行かせないから!」
「その通り。一気にけりをつけにかかるからねぇ」
燐寧は好機を感じ取り、全速力で一気に突撃していった。
――呪式:粉骨砕神。
叩き込んでいくのは高速の踏み込みから、遠心力のままに身を捻る回転斬り。二枚の鋸刃を敵の体内に食い込ませ、斬り刻む。一撃では叶わずとも、何度も繰り返していけば完全解体も実現する勢いのものだ。
勝利を確信した或人は、仲間の攻撃が届くよう支援にまわった。
「行ってこい!」
「後はお願いするわ。こっちは任せて」
レイアも退路に成り得る道に回り込み、リンバスと共に身構える。後は仲間がイーリスに止めを刺すだけ。
小雪はコダマを呼び、最後の時を見据える。
「コダマ・ギガブレイク、です! ずばっといっちゃいましょう!」
その声に応えたモーラットが大きく飛び上がる。その上空から雷が降ってきたかと思うと、Vキャリバーに電撃のエネルギーが充填された。重力の加速を得たコダマが放つのは渾身のギガブレイク。
其処から、共に戦う仲間達の連撃が叩き込まれていく。
そして、イーリスが地に落ちた。
「ああ……やっと、覚悟ができました。ここでわたしは滅びる……。しかし、TOKYOエゼキエル戦争が滅びる様を見なくて済むのならば、ある意味……この死は福音であるのかもしれませんね……」
よろめいたイーリスは独り言を呟く。
今際のきわ、彼女はディアボロスがいつかこのディヴィジョンを滅ぼすと予測したらしい。イーリスはそのまま抵抗する様子を一切見せずに両手を広げた。
崩れ落ちようとしているクリスタルピラーに磔にされたかのような様子で、イーリスは言い放つ。
「――さぁ、わたしの首を取りなさい」
イーリスは死を覚悟したようだ。あれほどまでに潔く滅びることを拒否していたが、これで終幕だと悟ったのだろう。
燐寧は静かに頷き、回転鋸刃を掲げた。
これで奪還は成される。
異形の巨砲が迫っても、イーリスは真っ直ぐに此方を見つめたままだった。これまで猛威を振るっていた七色の虹めいた光の剣も今は地面に落ちている。復讐者達はイーリスの最期が訪れる瞬間を見つめた。
そして、其処へ燐寧による粉骨砕神の一撃が振り下ろされてゆく。
「取り戻すためなら、空の虹だって断ち切るさ!」
燐寧が進むのは、選んだことを正しいものへと変えていくための道。
竜殺しの狩猟技術は今、大天使を屠るための一閃となって巡る。真っ二つに斬り裂かれたイーリスは断末魔すらあげることなく、数多の羽根を散らしながら爆散した。
ディアボロスはこうして、光の調停者を討ち倒した。
ひらひらと宙に舞う純白の羽根。眩いほどに輝いていたクリスタルピラーは完全に崩れ落ち、光を失う。
この光景こそが勝利を示す何よりの証だ。
そうして此処から――ディアボロス自身が導いた、新たな可能性の道がひらかれていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【傀儡】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV3になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2022年12月07日 |
| 宿敵 |
『光の調停者イーリス』を撃破!
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