リプレイ
平安鬼妖地獄変から漂着したクロノヴェーダ、妖怪『鎌鼬』は海岸で困惑した状態のままであった。
ディアボロスたちに敗れ、こうして漂着できたことは幸運であったのかもしれない。
けれど、未だ己の所在がわからぬままトループス級である彼等は途方にくれていたのかもしれない。
ディアボロスにとって、それは好機。
未だまとまり付かぬ集団ほど容易く撃破することのできる存在はない。
ここの大正大戦国におけるクロノヴェーダは『圧政』を以って人々を苦しめている。
此処に平安鬼妖地獄変から流れ着いた鬼や妖怪たちが加わればどうなるかなど明らかだ。
だからこそ、ここで討たねばならない。
戦力の拡充でもって、ディアボロスを『川内国』で仕留めようとするクロノヴェーダ『天魔武者』こと『豊臣秀吉』との戦いは今まさにここからはじまるのだから。
シャルロット・アミ
さあ、河内国をまず奪回しなくちゃね
烏合の衆のあなたたちには申し訳ないけれど
これも、歴史を取り戻すため
取り出すのは愛用のバイオリン
戦国にあって西洋楽器は不似合いだけれども
せめて鎮魂歌で送らせて
呼び出したるは暗き雲
雨は、人の、あやかしの心を、不安にさせる
ねえ、あなたちを守ってくれる者はいないのよ?
このまま、どこともわからない地で朽ちていくの
寂しいわよね、辛いわよね?
そうやって心の隙間に忍び込むわ
私の得手は精神攻撃
自分の心の不安で、はかなくなればいいのよ
アドリブ、連携歓迎です
『天正大戦国』に漂着したトループス級『鎌鼬』は海岸にありて、己たちの所在を未だ掴みかねている。
その動揺は彼等の足元を覚束ないものとしていたし、指揮系統から外れた烏合の衆と化した彼等とて、戦力として数えられる。
ならば、クロノヴェーダである天魔武者『豊臣秀吉』は、『河内国』においてディアボロスを打ち倒すために彼等を吸収する。合流されてしまえば、今は烏合の衆だとしても脅威には変わりない。
「烏合の衆のあなたたちには申し訳ないけれど、これも歴史を取り戻すため」
シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)は漂着して間もない『鎌鼬』を前に愛用のバイオリンの弦を弾く。
此処が戦国の世であるというのならば、西洋楽器は不似合いだと彼女は思っていた。
しかし、彼女は烏合の衆と化した『鎌鼬』に憐憫を抱く。
戸惑いはわかるものであったからだ。
「ディアボロス! 我らを追ってきたか!」
「口惜しい……だが!」
『鎌鼬』たちの頭上に雨雲が生み出されていく。
それがシャルロットのパラドクスであることを彼等は理解した。
弦が弾く旋律は寂しさと孤独。
暗き雲は『鎌鼬』の心を不安にさせるものであったことだろう。
前進の鎌が震えている。
「ねえ、あなたたちを守ってくれる者はいないのよ? このまま、どこともわからない地でくちていくの」
「黙れ!」
『鎌鼬』の鎌が揮われ、風の刃がシャルロットに襲いかかる。
その刃はしかし届くことはなかった。
旋律が放つ孤独と不安。
それに苛まれた彼等の刃は精彩を欠くものであったし、シャルロットの奏でる旋律はそんな彼等の心の中に忍び込むのだ。
「寂しいわよね、辛いわよね?」
それがこれまで妖怪として平安鬼妖地獄変で人々を恐怖に叩き込んできた報いであるというのならば、そのとおりであったことだろう。
これが人間たちの心が抱えていた心の不安。
「それが寂しさ。それが哀しみ」
シャルロットの奏でる旋律が海岸に響き渡る。
漂着して間もない彼等にとって、その効果は恐るべきほどに効果的であったことだろう。
立て直すこともままならない。
総崩れに成っていく『鎌鼬』。
彼等の姿にシャルロットは目を伏せることはしなかった。申し訳無さがあれど、人の心を、奪われたものたちの心を思えばこそ、弦を弾き、『圧政』を強いる天魔武者たちに利することなど許さないのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【水源】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
神山・刹那
あんまり好きじゃないんだがな
逃げる相手への追い討ちは
しかし、これも戦の常。負けた自分達の力のなさを呪うんだな
迅鎌斬で接近し、地面スレスレから斬り上げて来るのなら、相手の斬り上げの軌道を見切り、相手の一撃の威力を利用して、受け止めるのではなく、軽く跳び、間合いをあけてから残像を残す速さでフェイントを織り交ぜて接近し、すれ違いざまに斬り捨てる
「獣なら、力の差がわかりそうなもんだがな。じゃあな。相手が悪かったと自分の不運を恨め」
戦場となった海岸に広がる不安の連鎖。
それはディアボロスのパラドクスが奏でる旋律。
漂着して間もないトループス級『鎌鼬』にとって、その旋律による攻撃は彼等の心に不安を植え付け、烏合の衆へと変えていた。
これらを叩くのならば今こそ好機。
だが、神山・刹那(梟雄・g00162)は気乗りしない様子であった。
「あまり好きじゃないんだがな。逃げる相手への追い打ちは」
だが、それでもこれは戦いである。
ディアボロスとしての奪われたものを奪い返すための戦い。
ならばこそ、刹那は己の手にした日本刀の剣呑たる輝きを示す。
鋭い龍の爪を思わせる刃。
その輝きを前にしても己の現状に戸惑いながらも『鎌鼬』は高速で刹那に迫る。
「ディアボロス! 我らを追いやった憎き者ども!」
「細切れにしてくれる!」
地面スレスレに走るパラドクスの刃。
その刃の鋭さを刹那は知っている。そして、その刃が地面より放たれる切り上げの一閃であることを軌道から読み取った彼は、その一撃を受け止めるのではなく後方に飛び退るようにしながら間合いを取る。
「これも戦の常。負けた自分たちの力のなさを呪うんだな」
刹那の言葉に『鎌鼬』は激高する。
やはり、とも思うだろう。彼等は漂着して間もない。故に指揮系統など存在せず、烏合の衆そのもの。これがもしも『天魔武者』たちの戦力に取り込まれたのならば、数こそ猛威。
脅威となり得たかもしれない。
「だからこそ、ここで打倒してくれる」
「抜かせ!」
朱雀(スザク)のように高速でフェイントを加えながらの連撃。
その斬撃が『鎌鼬』を切り裂く。血潮が飛び荒ぶが、それすら刹那の白いジャケットを汚すには値しなかった。
すれ違いざまの一閃。
されど、パラドクスの煌めき放つ彼は高速で駆け抜け、さらに『鎌鼬』の胴を刀でもって切り裂く。
「獣なら、力の差がわかりそうなもんだがな」
皮肉なものだと刹那は思う。
妖怪とて獣の形をしているのならば、この状況がわかろうものであろうに、と。
「じゃあな。相手が悪かったと自分の不運を恨め」
迫る敵の群れを見やり、刹那は再び刃を振るうのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
伊藤・真九郎
落武者狩りか。
敗残の兵だろうと、悪鬼羅刹に慈悲は無用。根断ちしてくれようぞ。
己らの状況が掴めていないなら、今が攻める好機。大小二振りを抜き放ち突入する。
敵群の懐に飛び込み、片端から【両断】し切り捨ててくれよう。
包囲連携されると厄介だが、未だ混乱しているならば勝機有り。
歴戦で培った【戦闘知識】と経験にて全体の配置と動きを把握。一つ所に居着かず、常に位置を変え続ける足捌きにて撹乱。
迂闊に斬りかからば同士討ちとなる位置取りで攻撃を抑える。
反撃の鎌は二刀にて受け止め、力をそらし受け流す。
平安の鬼妖よ、この戦国の世に貴殿らの居場所は無い。潔く黄泉へと去るがいい。
十野・樞
アドリブ連携歓迎
流石に『豊臣秀吉』、一国を無人にするか
だが、急な移住で食料事情がどうなったかを考えると、
どうも嫌な予感しかしねえよ
……まずは目前の敵だな
未だ戸惑いが残る今が狙い目だ
あちらに本格的に取り込まれねえうちに、さっさと掃討するに限る
【風使い】と【忍び足】で極力足音と匂いを消し、
【光使い】で光を屈折することでこちらの姿を視認し難くし【不意打ち】、
【高速詠唱】にてパラドクス展開
結界内に鎌鼬どもを封じ、
呪言により呼び起こした禍津神達の影に幽世に連れ去ってもらうぜ
彼方も日の本にある意味地続きだ、黄泉比良坂をゆく手間が省けて良かっただろ?
敵攻撃は【結界術】での結界と【衝撃波】で軽減をはかる
クロノヴェーダ『天魔武者』が強いるのは『圧政』である。
彼等は人々を苦しめる『圧政』でもってエネルギーを得て、その力の源とする。
「流石に『豊臣秀吉』、一国を無人にするか」
十野・樞(division by zero・g03155)は降り立った『河内国』に一般人が一人も存在しないことに危惧の念を募らせる。
ディアボロスを迎え撃つためだけに無人にしたというのは一般人を巻き込まぬためと言われれば聞こえはいいかもしれない。
「だが、急な移住で食糧事情がどうなったかを考えるとどうも嫌な予感しかしねえよ」
彼の言葉に伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)は一歩前に進み出る。
危惧すべきことは多いが、今やるべきことをやらねばならない。
海岸は戦場とすでになっている。
平安鬼妖地獄変から漂着したトループス級『鎌鼬』は未だ指揮系統なく、ただの烏合の衆と化している。
だが、彼等を放置しておいては『天魔武者』たちに合流されてしまう。
そうなってしまえば、数は猛威。
敵に徒に戦力を与える必要など無い。
「落ち武者狩りか。敗残の兵だろうと、悪鬼羅刹に慈悲は無用。根断ちしてくれようぞ」
「ああ、まずは目前の敵だな」
戸惑いがあるのが狙い目であると樞は旋律と血風荒ぶ剣閃に散り散りになっている『鎌鼬』を見据える。
不意打ちを警戒する余裕など今の『鎌鼬』にはないだろう。
高速詠唱によって紡がれる言葉は、まるで歌声のように響き渡り、樞の眼前に禁呪たる影の式神を顕現させる。
「Non obiit, abiit.(ノーン・オビイト・アビイト)」
展開されたパラドクスによって『鎌鼬』が次々と飲み込まれていく。
「ディアボロス! 此処まで我らを追ってきて……!」
「……彼方も日の本にある意味地続きだ。黄泉比良坂をゆく手間が省けてよかっただろ?」
「我らを追いやりなおも……!!」
激高するように『鎌鼬』の刃から放たれる風の刃。
それを結界術で受け止めながら樞は今もなお『鎌鼬』を食らいつくさんとする影と共に戦場を分断するように切り裂く。
そこに駆け抜けるは真九郎の刃であった。
「己たちの状況が未だ掴めていないと見える」
無銘の業物と小太刀。
その二刀でもって真九郎は分断された『鎌鼬』の群れへと飛び込んでいく。
二天一流(ニテンイチリュウ)たる斬撃の技、その冴え渡る所を知らしめるように白刃の煌めきが戦場に咲き誇る。
「こいつ、我らを盾にして!」
「二刀と言えど挟撃するのならば!」
『鎌鼬』が一斉に真九郎に襲いかかる。
だが、彼は己の立ち位置を戦場にあって俯瞰するかのように理解している。
此処に在るのは己一人ではない。
砂浜を蹴って迫りくる『鎌鼬』から距離を取り、斬撃の一撃を抑え込む。
そこに飛び込んでくる影の式神、樞のパラドクスが掻っ攫うように『鎌鼬』を飲み込んでいく。
「よそ見をしている暇など無いだろう。『天魔武者』共に妖怪たちが戦力として取り込まれねえうちに、さっさと掃討するに限る」
「然り」
真九郎は眼前を横切り、己の背後の敵を食らう影の式神を手繰る樞に己の背中を預け、さらに『鎌鼬』の群れを切り裂くように走り抜ける。
二刀は攻防自在。
防ぐ時は岩石のごとく固く。攻め入る時は炎のように苛烈。
それを支える樞の影があれば、疾風のように群れを切り裂いていくのだ。
「思う存分かき乱してやれ!」
「承った。平安の鬼妖よ、この戦国の世に貴殿らの居場所は無い」
真九郎の言葉に『鎌鼬』はようやくにして自分たちの所在を理解しただろう。
だが、それはあまりにも遅きに失するというものであった。
どれだけ居場所を理解したとしても、目の前に迫るディアボロスを退けることは最早できないだろう。
それを証明するように影が顎を広げるように彼等を飲み込み、二刀の閃きが両断していく。
「潔く黄泉へと去るがいい」
煌めくパラドクス。
どれもがこの『大正大戦国』に妖怪たちの存在を許さぬと彼等を尽く切り倒し、天魔武者たちの目論見を打破するように戦いの軌跡を刻み込むのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
ディアボロスたちが海岸に漂着した『平安鬼妖地獄変』のトループス級たちを片付けた頃、なだれ込むように巡回していた天魔武者『足軽天魔武者』たちの甲冑が打ち鳴らされる音が響き渡る。
彼等は漂着するトループス級たちを戦力に加えるべく、この海岸を巡回していたのだ。
もしも、ディアボロスたちがこの場にいなかったのならば、トループス級の妖怪たちは皆『天魔武者』たちの戦略として合流を果たしていたことだろう。
「妖怪たちがすべて倒されている……ディアボロスか! 皆のもの、『鬼妖一夜城』を展開せよ!」
手にしていた模型のような城。
それが言葉とともに広がり、周囲を取り囲む。
ディアボロスたちが見たのは、暗闇が広がる空間。
天守閣を模したかのような内部であり、また彼ら『足軽天魔武者』たちの力を増強せしめるものであった。
ウィリディス・ファラエナ
ほう、敵にも羅刹がいるのか。お前とどちらが男前かな?実際に見に行ってみるか
と言っても先にこの辺の輩を片付けないとな
この暗闇、俺の闇を紛れさせてもいけるんじゃないか?
俺の闇に毒を混ぜてひっそり広げつつ爆竹で誘導弾モドキを作る
導火線を長めにして、あとは羅刹にくくりつけて…よし点火
爆竹が鳴るまで俺は自分が作った闇に紛れて待機、爆竹の音と火花に浮かぶ羅刹に気を取られた奴らの背後を取って仕留めて行く
完全視界があればこっちからも状況は見えるし、俺の闇毒もどんどん広げていこう
攻撃の際に大声を出してくれるなら好都合、声を聞いて集まってくる奴らは絡新婦の罠に引っ掛けてから暗殺する
「『鬼妖一夜城』……己たちに有利な状況を生み出すクロノ・オブジェクトか」
ウィリディス・ファラエナ(毒虫・g08713)はトループス級である『鎌鼬』を打倒せしめたところに到来したトループス級『足軽天魔武者』たちが展開した『鬼妖一夜城』の暗闇たる領域に忍び、周囲を伺う。
彼等は漂着した妖怪たちを戦力に加えようとしている。
それはこの『河内国』に迫るであろうディアボロスを打ち倒すための方策の一つであったのだろう。
しかし、それは今阻止されている。
ならばこそ、ここで巡回する『足軽天魔武者』たちを打倒し、またクロノ・オブジェクトである『鬼妖一夜城』を破壊しなければならない。
「敵を率いている者には羅刹がいるのか。お前とどちらが男前かな?」
ウィリディスは傍らにある四本腕の『武者傀儡羅刹』に語りかける。
この暗闇の中では敵の力は増強している。
しかし、この闇であれば己もまた紛れることができる。
むしろ忍びとして育ち、その能力を如何なく発揮できる場でもあると言えただろう。そして『足軽天魔武者』たちは、周囲の異変に対して敏感であった。
広がる闇の中で『武者傀儡羅刹』がゆっくりと動き出す。
その体には爆竹もどきがくくりつけられている。
導火線を長くしていたそれは、暗闇の中でじりじりと燃えていき、簡易な時限式の炸裂音を周囲に響かせる。
「何奴!」
『足軽天魔武者』たちが一斉に『武者傀儡羅刹』へと注意を向けた瞬間が勝負であった。
暗闇に乗じてウィリディスは一気に天守閣を跳ねるようにして、暗夜の一撃を『足軽天魔武者』へと叩き込む。
パラドクスの残留効果の軌跡がはっきりとウィリディスの視界に映るだろう。
完全視界たる暗闇を見通す彼の瞳は狙い過たず『足軽天魔武者』へと鋭い急所への一撃を刻み込む。
「グハッ!? ど、どこから!?」
「曲者か! どこだ!」
そんな彼等の動揺をウィリディスは好都合だと思ったことだろう。
なにせ敵は異変を目ざとく察知して集まってくる。
そして状況は暗闇。
尚の事、この暗闇に乗じて行動するウィリディスの姿は彼等には捉えられない。
「好都合であるが……お前たちは俺を満たしてくれないようだな」
集まってきた『足軽天魔武者』たちを一気に取り囲む強靭な糸の罠。
絡め取られれば逃れることのできない、絡新婦の蜘蛛の糸。
それは暗器。見た目からは信じられないほどに強靭なる糸は、最早刃と同じであり、静かに彼等の首を落としていくのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
オメガ・カストゥール
平安京にいた妖怪や鬼の怨念とな。
奴らが平安京を奪われ漂流者となってこの地に付いたってことだが、それはおあいにくさま。
元々、この地は貴様らクロノヴェーダーに奪われた「地球」のもんだからな。
てなわけで、この地を支配する天魔武者の連中の一団に軽石投げてこっちに仕向けてやろう。
「おい、貴様ら、こっち来いや!」
逃げてからある程度で振り返り、奴らにプラズマブレスを放射!!
「見くびってないだろうが、コレだけ言える。『消えてしまうがいい』!!」
暗闇に包まれる天守閣。
それがトループス級『足軽天魔武者』たちの展開したクロノ・オブジェクト『鬼妖一夜城』である。
暗闇であるのは彼等の能力を強化するための状況を生み出すためだ。
しかし、ディアボロスによって逆にそれを利用され、『足軽天魔武者』たちは戦力を分散せざるを得なかった。
首を刈り取られるように切断された同胞たちの姿に彼等は動揺し、さらに分断されていく。
「ど、何処に居る!」
「隠れているはずだ。この『鬼妖一夜城』に奴らを取り込んだのから、逃れられないはず……!」
そんな彼等の動揺をオメガ・カストゥール(画竜転生・g07068)は冷静に見ていた。
このディヴィジョン『大正大戦国』に漂着した妖怪たちは、元は『平安鬼妖地獄変』にいた者達だ。
ディアボロスたちに奪還され、敗残として漂着したのは彼等の運がよかったのだろう。しかし、此処で何もわからぬままに討ち取られたのは、彼等にとっての不運であると言わざるを得ない。
おあいにくさまであるとオメガは龍鱗を暗闇の中に紛れさせ、手にした石を彼等に投げ放つ。
「おい、貴様ら、こっち来いや!」
その言葉と石に『足軽天魔武者』たちは色めき立つ。
「いたぞ! こっちだ!」
その言葉に周囲の『足軽天魔武者』たちも釣られてしまう。
こんなにも簡単に分断されてよいのかと思わないでもないが、オメガはさっそうと背を向けて駆け出す。
逃げる素振りを見せれば追ってくる。
あまりにも単調であると言えるだろう。
ここが彼等にとっての有利な状況であるという慢心が働いているのかもしれない。
「敵は一人だ! 追いついて囲めば!」
「見くびってないだろうが、コレだけは言える」
オメガは己に追いついてきた『足軽天魔武者』に振り返りざまにプラズマブレスの一撃を口腔から解き放つ。
高温のパラドクスの一撃が迫る『足軽天魔武者』の体を溶解させるように吹き飛ばす。
凄まじい一撃に『足軽天魔武者』たちはたたらを踏む。
其処に更に追い打ちをかけるように暗闇に炎が迸れば、彼等は吹き荒れるプラズマブレスの一撃に為すすべもないだろう。
「グルルルアァアッ!!」
咆哮するオメガのブレスが暗闇の天守閣を炎で照らす。
「人の言葉でいうのならば、『消えてしまうがいい』!!」
煌々と吹き荒れる炎が、彼の赤い龍鱗を照らし、輝く金の瞳を知らしめる。
吹き荒れる炎と共にオメガの翼が広がり、プラズマブレスの炎が『足軽天魔武者』たちを溶かし尽くすのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
捌碁・秋果
※連携アドリブ歓迎
怪しいものを見つけるとすぐに駆けつける。素晴らしい勤務態度ですが、そこを逆手にとらせてもらいます。
まずは物陰に隠れます。そこでパラドクスで自分の幻影を作り出して、わざと姿を晒させて囮にします。沢山の足軽には姿を見せずに、数体だけ。少数でも確実に仕留めきれる数を。
幻影を見つけて追いかける足軽たちに気付かれないように、忍び足で接近して背後から奇襲。藍色の槍で薙ぎ払います。
幻影にも戦わせて、私と幻影とで足軽を攻撃です。一応、挟撃…の形になるのかな?
反撃に対して。
号令と共に刀で攻撃するなら、私もそれに合わせて槍を振るうまでです。
完全防御といかずとも、捌くだけ捌いてみせます!
展開されたクロノ・オブジェクト『鬼妖一夜城』は暗闇に包まれた天守閣であった。
けれど、ディアボロスが闇に紛れトループス級『足軽天魔武者』たちを次々と暗殺し、パラドクスの炎でもって周囲を明るく照らすように彼等を撃破していく。
戦いの趨勢は『足軽天魔武者』たちにとって有利な状況を覆され、ディアボロスたちに傾きつつ在った。
「怪しいものを見つけるとすぐに駆けつける。素晴らしい勤務態度ですが、そこを逆手に取られてしまえば」
捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)は隠れていた物陰から揺らめく炎の中に自身の幻影をパラドクスで生み出し、走らせる。
揺らめく炎に照らされた天守閣にあって、暗闇は色濃く。
そして、彼女の幻影は『足軽天魔武者』たちにとって格好の標的であった。
「曲者だ! ディアボロスがいるぞ!」
「打ち倒せ!」
一斉に幻影に襲いかかる『足軽天魔武者』たち。
あまりにも単純であると言わざるを得ないだろう。
しかし、それも無理なからぬことであった。暗闇という自分たちに有利な状況。
そして敵の数。
数は未だ『足軽天魔武者』たちの方が上なのだ。
ならばこおそ、彼等は標的を見つければ殺到する。
「不確かなものの傍らには確実なものを……確かに」
幻影を追う『足軽天魔武者』たちの背後から藍色の槍の一撃を秋果は打ち込む。
「……!? 後ろから……!?」
「幻影に惑わされた時点であなた達の負け」
貫いた一撃のままに『足軽天魔武者』の体を薙ぎ払い、さらに踏み込む。
抜刀する彼等の剣閃が煌めき、その刃が秋果に迫る。
それを槍の柄で受け止め、揺らぐ炎の中に幻影を走らせる。
『変質ステンドグラス』によって生み出された幻影。幻影とわかっていたとしても、数の利をもってディアボロスに相対している『足軽天魔武者』たちは無視することができない。
視線が揺れた瞬間、秋果は槍の柄を押し上げ、敵のガードを突き崩す。
「よそ見はダメですよ」
他のディアボロスの攻勢によって敵の統制は乱れに乱れている。
ならばこそ、彼女の槍の一撃は過つことなく『足軽天魔武者』の胴を貫き、その機能を停止させるのだ。
「捌くだけ捌いて見せますとも」
彼女はこともなげに槍を振るい、炎揺らめく中幻影と共に『足軽天魔武者』たちを屠り続ける。
幻影との挟撃は、散々に敵を翻弄し、叩きのめし続けるのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【神速反応】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
「あぁん? なんだぁ、だらしのねぇ!」
その怒号が炎揺らめくクロノ・オブジェクト『鬼妖一夜城』の暗闇の天守閣に響き渡る。
ディアボロスのパラドクスによって炎は篝火のように天守閣内部を照らす。
だが、全てを照らし切ることなどできはしない。
炎は確かに明るさを齎すが、影の色を濃くしていく。
アヴァタール級『人喰らいの悪鬼『羅刹』』は、苛立つゆに酒盃に注がれた酒を呷り、その肌を赤熱のように燃え上がらせていく。
「『平安鬼妖地獄変』のときのようにはいかねぇぜ! 此処は暗闇。暗闇こそが鬼と妖怪の領分。なら存分にやろうや! ここでディアボロスをすべて喰らい尽くしてぇ! こっからまた巻き返せばいいんだよぉ!」
咆哮が響き渡り、暗闇の色を濃くした領域に『羅刹』の『鬼』の一文字が煌めく。
強化されたアヴァタール級の力。
その発露を知らしめるように、凶悪なる力が吹き荒れるのだった。
飛鳥・遊里
*動力甲冑【火之迦具土】装着
お前さんが、平安のリベンジマッチを望んでるかどうかはわからんが、この違法建築の解体の邪魔になるって言うなら粛々と排除するだけさ
鬼に逢うては鬼を斬り、神に逢うても鬼を斬る!ってな!
【機動防盾】【超硬度チェーンソー】を構え、敵に向かう。
動力甲冑の出力を上昇させ、腕力を上げる。めんどくさい小細工とかは無しで真っ向勝負だ
暗闇で視界を塞がれないように、センサー感度も上げる(完全視界
剣と盾で攻撃をいなしながら、隙を伺う。こっちだってパワーと同じくらいスピードには自信がある。いつまで余裕を持って対応出来るかな?上手く捌いて隙を見つけたら、一気呵成にぶった切る!(童子切
暗闇の中に揺らめく『鬼』の一文字。
それはアヴァタール級『人喰らいの悪鬼『羅刹』』の顔に浮かぶ烈火の如き感情を示していたのかも知れない。
「殺してやるぜ、ディアボロス! てめえらのせいで俺は人を喰らうこともできずにおめおめと此処まで!」
発露するは怒り。
その怒りを前に飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は、その赤い動力甲冑を持って飛ぶようにして迫る。
手にした盾を構え、唸りを上げるチェーンソーを振るう。
赤熱するように機体の装甲が燃え上がるのは、出力が上昇しているせいだ。
「お前さんが平安のリベンジマッチを望んでるかどうかはわからんが、この違法建築の解体の邪魔になるって言うなら粛々と排除するだけさ」
彼の言葉に『羅刹』はさらに怒気を募らせる。
残像を残すほどの凄まじい踏み込み。
巨体に似合わぬ速度を持つ『羅刹』の攻撃はパラドクスの応酬に置いて凄まじい練度を見せつけるだろう。
「この『鬼妖一夜城』はなぁ! お前たちディアボロスに殺された鬼や妖怪の怨念を晴らすためにあるんだよ!」
「関係ない。鬼に逢うては鬼を斬り、神に逢うても鬼を斬る! ってな!」
チェーンソーと『羅刹』の拳がぶつかり火花を散らす。
動力甲冑の出力を上昇させ、腕力を底上げして尚も『羅刹』の攻勢は強烈にして苛烈なるものであった。
拳の一撃が肉を挽き、骨を砕くような威力で持って遊里の肉体へと鎧を突き抜けてくる。
一直線に赤い動力甲冑に身を包んだ彼を吹き飛ばし、そのままの勢いで『鬼妖一夜城』の壁面へと叩きつける。
痛みが体を走り抜ける。
『羅刹』は力と速度だけに勝る鬼ではなかった。
一撃を叩き込んだ後に暗闇に紛れる狡猾さ。
いたぶるような残虐さを持ち合わせた、正しく強敵と呼ぶに相応しい存在。
「闇に紛れるか。だがな!」
センサーの感度を上げる。
敵が強大であったとしても、遊里たちディアボロスには戦いの軌跡がある。
残留効果を手繰り寄せ、暗闇より迫る『羅刹』の姿を捉えていた。
「見えているってのかよ!」
「あいにくとな! お前さんの強みは……!」
最早失われていると完全なる視界を齎す甲冑のセンサーが伝える警報を耳にした遊里は、そのチェーンソーを振るい上げる。
それは、童子切。
鬼の首すらも切ると言われたパラドクスの一撃が『羅刹』の首筋捉え、その赤き血潮を迸らせる。
遊里の甲冑を鮮血が汚し、彼の言葉通り『羅刹』の余裕を削ぎ落とすのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【神速反応】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
伊藤・真九郎
一飯之恩に報いんとする心掛け、鬼ながら見事
なれど某にも、拾いし一命にて世界を救うディアボロスとしての大義有り
押し通らせて貰う!
【完全視界】使用
暗闇が鬼妖の領分ならば、闇を払うが武士の務め
交差させた二振りの刀の刃擦り合わせれば、火花と共に刀身に炎の剣気が纏わされ闇を照らす
「オーラ操作」「炎使い」「武器改造」の技
敵の懐に飛び込み、小太刀による斬り払い
陽炎纏いし斬撃にて体勢を崩し、炎熱の太刀にて渾身の連撃を打ち込む
反撃は、巨体による突進を活かした当て身と見た
至近の間合いを保ち、助走距離を与えぬ
交差させた二刀にて受け止め、自ら後方に飛び力を受け流し衝撃を軽減する
お互い死に損なった身、存分にやり合おうぞ
血潮が噴出する。
それはアヴァタール級『人喰らいの悪鬼『羅刹』』の首筋から迸る鮮血であった。ディアボロスによる一撃。
暗闇にて飛ぶ『羅刹』を捉えたのだ。
「クソが……! だが、まだよ!」
迸る咆哮と共に『羅刹』の『鬼』の文字が赤熱し、その拳がディアボロスへと襲いかかる。
その拳の一撃は暗闇から迫り、予測不可能たる弾丸となって放たれる。
しかし、その暗闇を見通す瞳があった。
「一飯之恩義に報いんとする心掛け、鬼ながら見事」
伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)は、鮮血走らせながら己に迫る『羅刹』の姿を完全に捉えていた。
ディアボロスの戦いは残留効果を残す。
戦場に残された軌跡を手繰ることによって得られるエフェクトの輝きは、『鬼妖一夜城』というディアボロスにとって不利な状況であっても煌めくようにして彼等の戦いを導くのだ。
完全なる視界。
それは暗闇であっても見通す瞳をディアボロスに与える。
「なれど某にも、拾いし一命にて世界を救うディアボロスとしての大義有り」
「そんなしゃらくせえものはよぉ! 全部俺が食らってやろうってんだよ!」
揮われる拳の一撃を真九郎は捉える。
暗闇が鬼妖の領分であることは百も承知である。暗闇こそ人の本能が恐れるもの。理性という炎だけで照らせぬ恐怖がある。
しかし、真九郎はディアボロス。
彼の瞳に宿る炎は、大義。
故に彼は拳を躱すのではなく、『羅刹』の懐に飛び込む。
闇を恐れず、闇を払うが武士の務めであるとううのならば真九郎は躊躇わず暴風の如き拳の中に身を飛び込ませるのだ。
「押し通らせて貰う!」
無銘の業物と小太刀が擦り合わされ、火花散らして燃え盛る炎をもって剣気と成す。
真九郎のパラドクスが暗闇を切り裂く炎となって『羅刹』へと迫る。
揮われる拳を小太刀の一撃で切り払う。
鋼鉄に刀をぶつけたような感触が腕に走る。だが、なお真九郎は陽炎をまといながら踏み込む。
恐れなど無いというように。
それこそ彼の瞳に宿る大義のためにこそ彼はひた走る。
「体勢を……!」
「整えはさせぬよ、これぞ緋翼二連崩し(ヒヨクニレンクズシ)」
収められた業物たる無銘の刀を真九郎は解き放つ。
その一閃は再びパラドクスによる突撃の助走を許さず、踏み込みながら放たれる剣閃。
乾坤一擲たる一撃が翻る。
「お互い死に損なった身、存分にやりあおうぞ」
横一閃に放たれた斬撃が『羅刹』の腹を臓腑までも切り裂くように叩き込まれるのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
十野・樞
アドリブ連携歓迎
一宿一飯の恩義……
殊勝な事をいってやがるが、人喰らいの悪鬼の飯ってのを考えると、胸糞が悪くなってきやがる
俺は、酒が不味くなる話は大嫌いなんでね
そんな話を振り撒く輩は、とっととこの世から退場してもらうさ
『完全視界』で敵補足
【闇使い】で闇に姿を溶け込ませ隠し【不意打ち】だ
こちらはか弱い魔術師崩れのおっさんだ、まともに対峙する気は更々ねえよ
【高速詠唱】でパラドクス展開
颶風と砂晶の複合攻性結界に封じ視界と動きを奪い、そのまま結界に喰い潰させるさ
ああ、高速で動き回るとな、
結界に自分から思いきりぶつかる事になるが……さて
敵攻撃は【結界術】と【衝撃波】にて軽減相殺
「殊勝なことをいってやがるが、人喰らいの悪鬼の飯ってのを考えると胸糞が悪くなってきやがる」
十野・樞(division by zero・g03155)は首筋と腹に斬撃を撃ち込まれたアヴァタール級『人喰らいの悪鬼『羅刹』』の姿を見やる。
あの鬼は『天魔武者』である『豊臣秀吉』に拾われたと言った。
一宿一飯の恩義とも言った。
確かにそれは人の世の道理であったし、美徳でもあったことだろう。
だが、目の前の鬼は、何処まで行ってもやはり鬼なのである。
人を喰らう。
ただその一点に置いて、樞は『羅刹』を許しがたいと思ったのだ。
『俺は酒がまずくなる話は大嫌いなんでね」
「そうかよ! だからどうしたってんだ!」
旋風のように迫る『羅刹』の顔に浮かぶのは『鬼』の赤熱たる一文字。
やはり鬼は鬼なのである。人と同じ言葉をなまじ使うから樞は苛立つ。彼等にとっての一宿一飯の恩義というのは即ち人を喰らうということ。
どう想像力を働かせたとしても、樞は舌の上に乗る不快感を拭えなかった。
「そんな話を振りまく輩は、とっととこの世から退場してもらうさ」
暗闇より迫る敵の姿を樞は捉えていた。
戦いに残る残留効果の軌跡。それを彼は捉えている。手繰り寄せ、そして撚り合わせることによってディアボロスは力を増していく。
故に、見えている。
「旋風だろうがなんだろうが。こちらはか弱い魔術師崩れのおっさんだ。まともに対峙する気は更々ねえよ」
暗闇にあえて足を踏み込む。
視界が塞がれることはない。完全なる視界は彼の瞳に宿っている。
ならばこそ、迫る『羅刹』の姿を捉える。
高速で歌うように紡がれる詠唱。
それはパラドクスの煌めきを持って証明される颶風と砂晶の複合攻性結界。
狂奔するかのように荒れ狂う無数の刃が『羅刹』の体を取り囲む。
「……結界だと、てめぇ! 陰陽師の類か!」
「言っただろ、魔術師崩れだって……さあ、そのまま喰い潰されるがいい」
これまで人を喰らって来た報い。
それを贖わせるようにパラドクスによって生み出された刃が『羅刹』の全身を切り裂く。
これまでの所業が許されるわけでもない。
奪われた生命が戻るわけでもない。
だからこそ、酒が不味くなる。そう呟いて、樞は風の結界の刃に切り裂かれる『羅刹』をねめつけるのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
捌碁・秋果
※連携アドリブ歓迎
鬼の領分は暗闇? ああ、怖い怖い。
そう言いながら葡萄のサンキャッチャーを取り出す。哀れっぽく、そこから溢れる優しい光に縋るように。
…人喰い鬼ならきっとこんな相手を放っておかない。
光に縋る私を襲ってくるでしょう? 領分である暗闇の濃い方向、光から生まれた影のある私の背後から。
精神集中し、空気の震えや微かな物音で攻撃の気配を察知したらパラドクス発動。フライヤーの壁を羅刹と私の間に展開し攻撃を防ぎます。攻撃を防がれて怯んだその隙に、フライヤーごと槍で貫いて攻撃。
反撃の旋風は、威力の減衰を期待して少しでも距離を取る。レースリボンテープを梁に巻き付けて収縮し、急いで移動します。
血風荒ぶ、という言葉がしっくり来る、と捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)は思ったことだろう。
クロノ・オブジェクト『鬼妖一夜城』の暗闇はアヴァタール級『人喰らいの悪鬼『羅刹』』の領分であった。
事実、この暗闇の中では鬼である彼の力は増し、強大なものとなっている。
ディアボロスたちの攻勢を受けて、傷だらけになりながらもなお咆哮を迸らせる姿は、恐怖の象徴でもあったことだろう。
「ああ、怖い怖い」
だが、秋果は言葉とは裏腹に手にしたクリスタルガラス吊るされたサンキャッチャーを取り出し、揺らめく炎の光を反射させる。
それは哀れを誘うものであったし、またそこから溢れる優しい光のようでもあった。
怖い怖いと告げる言葉は本心であったかもしれない。
けれど、同時にこの場にいるということは戦うという意志を示すものであもあった。
故に彼女は言葉で恐れ、心で『羅刹』を見据える。
暗闇の中で輝く光は標にしかならない。
「そんなか細い光に縋っているからよぉ!」
迫る旋風の如き『羅刹』の踏み込み。
秋果を取り囲む高速移動。それによって生み出される疾風の結界の如き刃。それがすべて彼女に襲いかかる。
「……人喰い鬼ならこんな私を放っては置かないでしょう?」
そして、彼女には理解できていた。
暗闇を領分とし、暗闇たる『鬼妖一夜城』によって強化されているとは言え、これまでのディアボロスの攻勢によって満身創痍たる『羅刹』は必ずや己の背後を取ると。
事実、彼女の背後の影から『羅刹』は飛び込んでくる。
意識は集中している。
大気の流れ。揺らめく炎。形を変える影。
あらゆるものが秋果にとってはフレームに収めるものであり、またすべての刹那を切り取る彼女の瞳がパラドクスの輝く。
「私のコレクション、お見せしますね」
それは一枚のフライヤー……即ちチラシである。
彼女が過去に訪れた企画展や、展示物。
そうした催しを知らしめる空を舞う者を語源に持つ紙を敷き詰めたパラドクス。
それは防壁と呼ぶにはあまりにも儚い。
「こんな紙切れがあ!」
振るう拳はしかして、その紙切れ一枚に阻まれる。
その瞬間、秋果は放たれたレースリボンで天守閣の梁を掴み、『羅刹』の頭上を取る。
「紙と言えども、人の思いが詰まっています。だから」
揺らめく儚いサンキャッチャーの輝きと共に。
これはその思いの一撃であると藍色の槍の一撃を『羅刹』へと叩き込むのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
シャルロット・アミ
恩義に報いようとする姿は嫌いじゃないわ
でもね、この地はもともと人の地なの
返してもらうわね
暗い城
私たちの視界を奪って勝とうと言うのね?
私には視界がなくても音楽がある
あなたに勝ち目はないわ
バイオリンなら目を瞑っても弾ける
音は暗闇でも届く
そうね、鬼退治だもの、桃太郎の唄でも奏でましょうか
おいで、花の精霊たち
あなたたちにもきびだんごをあげる
だから、あの鬼を狂わせておいで
攻撃は精神攻撃
暗闇だって心には直接響いていく
絶望して死に絶えるといいのよ
…そうして死んでいった人たちは、何人もいるわ
アドリブ、連携、歓迎です
アヴァタール級『人喰らいの悪鬼『羅刹』』は恩義に報いたいと言った。
その言葉に偽りはないのだろう。
咆哮が迸る。
痛みによるものか、それとも憎きディアボロスに追い込まれている苛立ちからか。
いずれにせよ『羅刹』はその身に傷を刻み込まれている。
「恩義に報いようとする姿は嫌いじゃないわ。でもね、この地はもともと人の地なの」
返してもらうわね、とシャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)は暗闇満ち、炎揺らめく『鬼妖一夜城』にてつぶやく。
暗闇に包まれ、炎が一層影を暗く、濃いものとする中、彼女は瞳を閉じる。
彼女にとって暗闇とは恐れに直結するものではなかった。
「敵を前にして眼を閉じるとはなぁ! 余裕か、それとも侮りか!」
シャルロットの周囲を取り囲む残像を残すほどの高速移動を見せる『羅刹』。
ディアボロスの攻勢によって消耗しているはずなのに、それでもなおパラドクスを振るう力は、鬼気迫るものであった。
だからこそ、彼女は瞳を閉じる。
視界を奪い、力を増すのが鬼であるというのならば、彼女は視界を捨てる。
視界がなくとも彼女には音楽がある。
手にしたバイオリン。
その元の位置を、感触を、彼女は体で覚えている。
「あなたに勝ち目はないわ」
「ほざけよ! この暗闇の中でえ!!」
揮われる旋風の如き一撃。
だが、その一撃はシャルロットを捉えることはなかった。
弾く旋律は暗闇にありて『羅刹』の目算を狂わせた。何故、と理解が及ぶ前に『羅刹』の心の中に滑り込むのは、二度目の絶望であった。
一度目はディヴィジョンを追われた時に。
そして二度目は、今さに気高き花は歌う(ケダカキハナハウタウ)ように奏でる目の前のシャルロットより与えられる。
旋律は肉体を傷つけない。
それ以前にすでにディアボロスの攻勢によって満身創痍。
あと一つ必要なのは、心。
「絶望して死に絶えるといいのよ」
シャルロットの瞳が暗闇の中に翡翠のかがやきを解き放つ。
そう、これまでもそうであったように。
「……そうして死んでいった人たちは、何人もいるわ」
『羅刹』に奪われたように。
無為に殺された生命があったのだと絶望を押し込めるようにして、シャルロットの旋律が今、『羅刹』の心を崩壊させるのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
ガタガタと揺れるクロノ・オブジェクト『鬼妖一夜城』。
天守閣から脱したディアボロスたちは『河内国』にそびえる、その巨城を見上げただろう。
満ちるは怨念。
「悪い。難い。憎い。憎い。憎い。憎い」
「口惜しい。悔しい。妬ましい」
「生きとし生ける物すべてが!!」
クロノヴェーダである鬼、妖怪たちの死せる魂、その怨念のすべてが『鬼妖一夜城』に注ぎ込まれ、巨大化していく。
満ちた怨念は動力源となって巨大な城そのものを突き動かす。
「そうだろうとも! そうだよなあ! ディアボロスを殺す! 殺し尽くす! 殺されたのだから、殺さねば!! 俺たちは、俺の怨みははらされることはねぇ!!」
咆哮するはアヴァタール級であった『羅刹』の怨の一念。
それを受けて立ち上がる巨城。
ディアボロスを殲滅せんとする力が今、向けられている。
捌碁・秋果
※連携アドリブ歓迎
怒りと怨みを原動力としたクロノオブジェクト…。我々ディアボロスと少し似ているかも。
…お互い、もっと別の、楽しい感情を力にしたかったね。
豪快にお城を壊すのは他の仲間に任せて、私は仲間が戦いやすいように敵の邪魔をします。
立ち上がった一夜城をパラドクスで捕縛します。…立ち上がった? ああ、足があるのか。
! 閃きました。パラドクスの葡萄蔓で、両足をぎゅっと捕縛して転ばせてさしあげます。転ばせることができなくても、その場に少しでも拘束できれば御の字です。
その間にきっと皆があなたをぶっ壊す…失礼。倒壊させる一撃を入れてくれるでしょう。
アヴァタール級『人喰らいの悪鬼『羅刹』』を飲み込み、クロノ・オブジェクト『鬼妖一夜城』は巨大な人型のような形へと成り代わる。
「許せるものじゃあねよなぁ! これが! 俺たちの怨み! 怒り! ならば、殺すしかねぇよなぁ!!」
咆哮が迸る。
それは『平安鬼妖地獄変』というディヴィジョンを奪われ、追われた鬼や妖怪たちの怨念を凝縮したかのような咆哮であっし、また捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)は、その怒りと対峙して思うのだ。
「怒りと怨みを原動力としたクロノ・オブジェクト……我々ディアボロスと少し似ているかも」
彼女はそう言葉を漏らして、巨大な城そのものたる『鬼妖一夜城』の足元へと駆ける。
如何に巨大と言えど、アヴァタール級の怨念と合体した『鬼妖一夜城』にも足はあるのだ。
ならば、と彼女は共に戦うディアボロスたちが少しでも戦いやすいように、戦いの趨勢を己たちへと傾けるべく奔走する。
「足があるのなら!」
貪欲な葡萄蔓(ドンヨクナブドウヅル)は、その名が示すパラドクスである。
縦横無尽に駆け抜け、その蔓が巨大な『鬼妖一夜城』の足を捕縛する。
秋果は横転させるつもりであったが、しかしあまりにも巨大な城そのものたる『鬼妖一夜城』を転がすほどの膂力は得られていない。
「邪魔を……するなぁ!!」
だが、それでも蔓は巨大な城の足に絡みつき、その動きを制限する。
あの巨躯の利点は一歩であっても自分たちの移動距離を容易く超えてくるということにある。何処までも追いかけて殺す。それがあの怨念の唯一。
ならば、秋果はあの巨躯をこそ此処に留めるのだ。
パラドクスの蔓は巨体を締め上げる。
「どんなに巨大であっても拘束できるのならば御の字です。それに……」
秋果は見ただろう。
『鬼妖一夜城』は巨大であるがゆえに脆い。
その土塊のように形をなした足は蔓の拘束が食い込み、亀裂を走らせている。
「この僅かな間にもきっと皆が貴女をぶっ壊す……失礼」
秋果は自分の言葉遣いに少し恥じ入るように微笑み、戦いの軌跡を戦場に刻む。
共に戦う者がいる。
それが『羅刹』たち鬼、妖怪たちとディアボロスの違うことなのだろう。故に彼女は思うのだ。
「……お互い、もっと別の、楽しい感情を力にしたかったね」
それは憐憫であっただろうか。
けれど、それでも為さねばならぬことがある。
彼女の手に引き絞ったパラドクスの蔓から伝わる震動に見上げると、そこには共に戦うディアボロスたちが煌めいていた。
成功🔵🔵🔴
効果1【土壌改良】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
伊藤・真九郎
敗北し、国を追われた無念と怒り、分からぬでもない
だが、某は踏みにじられた罪無き民の無念と怒り背負いし身、共感する訳にはゆかぬ
【飛翔】し対峙致す
理外の魔城なれど、城を落とすは武将の誉れ。立ち向かうに仔細無し
愛刀を鞘に納め居合の構え。飛び巡り攻撃をかわしつつ、城の構造を支える要所…支柱や要石の位置を【看破】する
刹那の抜刀術にて、斜め格子状に無数の光刃を放ち攻撃。広範囲への斬撃で物理的に破壊すると同時に、邪鬼浄滅の権能にて、力の源たる宿りし怨念を【浄化】
光格子の【結界術】の障壁による【ガードアップ】にて旋風を防御し離脱
己が妄念にて現世に縛られし亡霊共。浄化の刃に散らさるはせめてもの慈悲と知るがいい
パラドクスの蔓がアヴァタール級『人喰らいの悪鬼『羅刹』』の怨念の融合を果たした巨大なクロノ・オブジェクト『鬼妖一夜城』の足を捉え、その場に拘束している。
動きを封じたのならば好機である。
飛翔する伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)は眼下にある巨大な怨念の塊とも言うべき存在を見やる。
「敗北し、国を追われた無念と怒り、わからぬでもない」
幾ばくかの理解は在る。
しかし、それでも捨て置けぬものがある。
共感してはならないのだと真九郎は飛翔し、理外の如き巨城へと迫るのだ。
「だが、某は踏みにじられた罪なき民の無念と怒りを背負いし身、共感する訳ににはゆかぬ」
「誰が頼んだ! 誰が憐れめといった! 俺たちに必要なのは恐怖のみよ! 俺たちを恐れる、俺らに食われるためだけのぉ!!」
咆哮が怨念となって迸る。
巨城と一体化した『羅刹』の腕が揮われる。
それを躱し、真九郎は巨腕を蹴って走り抜ける。 手にした業物が煌めく。
彼の瞳に映るのは城の構造を支える要。
そう、支柱や要石。
その位置を見抜き、刹那の抜刀を持って、之を切り裂く。
「……滅せよ」
煌めくは百刃(ハクジン)。
相対するは巨腕の拳。
「誰がぁ!! 滅びるものかよ!!」
無数の光刃が格子状に刻まれる。叩き込まれる巨城の拳と激突し、その土塊のような腕を切り刻んでいくパラドクス。
その刃に込められたのは浄化への祈りであったのかもしれない。
怨念は消せない。
生み出されたものであるから。だからこそ、清め祓わなければならないのかもしれない。
「己が妄執にて現世に縛られし亡霊共」
真九郎の刃は浄化の念を込めたものであった。
恨み辛みだけではない刃。憎悪だけが刃に載せるものではないと彼は知る。
故にその刃は浄化の刃となって迫りくる怨恨の拳を切り裂くのだ。
「浄化の刃にて散らさるはせめてもの慈悲と知るがいい」
きっとそれを『羅刹』は理解しないかもしれない。すべての怨みは己のことばかりであるがゆえに。だが、それでも真九郎は己の刃を振るう理由を『羅刹』と同じくしない。
己が無辜たる人々の無念と怒りを背負う者であるという心があるのならば。
その刃にこそ載せるは怨恨であってはならない。
正しき怒りをこそ宿せと言うように白刃が戦場に煌めくのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
神山・刹那
ネメシスモード・いしはま絵師のDC参照
怨念集めた一夜城か
怒りや恨みを否定する気はない
それは確かに前に進む大きな力になる。が、後が続かない
本当の強さってな、怒りや恨みを超えた先にあるもんなんだよ
お前にはもう聞こえてないだろうがな
せめてもの手向けだ。雲耀の太刀、その身でしかと受け止めろ!
一夜城の巨大な体を残像を残す速さで足から駆け上がり、相手が自分を掴もうとしてきたら神速反応で先手を取って回避し、頭から飛び上がり、雲を裂き、大地よ砕けよと言わんばかりの全身全霊の一太刀で斬り捨てる
「チェェストォォォォォッ!!」
飛鳥・遊里
*動力甲冑【火之迦具土】装着
今更城が動いたぐらいで俺たちが驚くと思ったか?今までも散々そんな奇天烈なもん見てきて、その全部をぶっ壊してきたんだ
さあ、違法建築解体(攻城戦)の時間だ。リサイクルできそうにないのが残念だけどな
【超硬度チェーンソー】を起動し、【跳躍ユニット】を吹かして、動く城に吶喊する。
どんなデタラメなオブジェクトだとしても、城っていう概念の枠組みからそう逸脱してるわけじゃあるまい
城の基礎部分、柱、壁にあたる場所…見えるところから丁寧に丁寧にチェーンソーでぶった切っていく。物理的に支えが無くなったら流石にあんな巨体維持できないだろう。動けなくなってからが本番だ。仕事は迅速丁寧にってな
ディアボロスたちが戦いにて繋ぐ軌跡、残留効果が輝く。
目の間に対峙するのは巨大な城。
アヴァタール級『人喰らいの悪鬼『羅刹』』のみならず多くの鬼や妖怪たちの『平安鬼妖地獄変』を奪われたという怨念を動力源とする巨城、『鬼妖一夜城』は『羅刹』と融合を果たすことによって異様なる姿へと変貌していた。
しかし、ディアボロスたちの攻勢は、その巨城すらも穿つ。
放たれた白刃が巨腕を切り裂き、砕く。
足元にはびこる蔓がその動きを制限する。
どれもが戦いにおいては欠かせぬものであったし、またそれ故にディアボロスは己たちよりも強大な敵に立ち向かっていけるのだ。
「今更城が動いたぐらいで俺たちが驚くと思ったか? 今までも散々そんな奇天烈なもん見てきて、その全部ぶっ壊してきたんだ」
飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は、その巨城を見上げて叫ぶ。
赤い動力甲冑が戦場を駆け抜ける。
チェーンソーの駆動する刃が唸りを上げ、跳躍にユニットでもって跳ねるようにしてふるい落とされる巨腕の一撃を躱す。
「だからなんだ! 俺たちの怨みは、怒りが、お前たちに劣る謂れはねぇ!!」
大地が叩き割られるほどの衝撃波が荒ぶ。
その中を一直線に駆け抜ける者があった。
「怒りや怨みを否定する気はない」
神山・刹那(梟雄・g00162)だった。揮われた腕を蹴って飛び、その土塊のような表面を駆け上っていく。
すでに隻腕となっている『鬼妖一夜城』は、それを振り払うことはできないだろう。
だが、すぐさま腕を降って刹那を振りほどく。
「だったらなんだってんだよ! 殺されてくれるってか!!」
「いいや。確かに怒りは、怨みは、前に進む大きな力になる。が、後が続かない」
「知ったことかよ! 信じられるのは己自身だろうが!」
その言葉に刹那は吹き飛ばされながら頭を振る。
怒り、怨みは確かに強烈な力だ。今己を吹き飛ばした力だって、そのものだ。
だからこそ、である。
「デタラメだ大きさだろうが、オブジェクトだろうが、城って概念の枠組みから何時立ちしてるわけじゃあるまい」
遊里が赤い甲冑と共に蔓によって拘束された『鬼妖一夜城』の脚部に迫る。
土台。
それは石垣であったり、土を盛ったりしたものであるはずだ。城であったのならば。
基幹を支えるものであるが、『鬼妖一夜城』は『羅刹』と融合を果たしたが故に、その足場を脆くしている。二本の足で支えるのと、土台として構えるのとでは全く別物だ。
「だったら!」
遊里のチェーンソーが唸りを上げ、童子切たる力の本領を発揮せしめる。
基礎たる足。
それを解体するように丁寧に、それでいて大胆に切り裂いていくのだ。
「物理的に支えがなくなったら、動けなくなるってもんだろ」
巨城が大地に沈む。
それは皮肉にも城としての姿を取り戻すかのような光景であった。しかし、落下の衝撃でひしゃげる本丸。
そこに刹那と共に遊里が飛び込んでいく。
「仕事は迅速丁寧にってな」
振るう一撃が城壁を切り崩し、道を作る。
「こ、の……!」
怨念の巨腕が揮われるも、それを遊里が受け止める。軋む動力甲冑。
だが、その背後から刹那が飛び込む。
「本当の強さってな、怒りや怨みを超えた先にあるもんなんだよ。お前にはもう聞こえてないだろうがな」
言葉は届かない。
ならば何が届くか。
刹那にできることは己の太刀を叩き込むだけである。
再び腕を蹴って飛ぶ。今度は違えない。
振り上げた刃は、裂帛の気合を持って空気を引き裂くように轟く。
復讐の女神の名を関する姿へと変貌した刹那の右手の劫火と左手の雷から迸る力が刀へと伝播する。雲を裂き、大地よ砕けと言わんばかりの全身全霊を込めた一太刀。
その一撃を防がんと跳ね上がる巨腕。
いや、上がらない。
「邪魔はさせない!」
遊里のチェーンソーが土塊を解体しきっていたのだ。
「チェェストォォォォォッ!!」
放たれるは、雲耀の太刀・天晴(ウンヨウノタチ・テンセイ)。
その一太刀が『鬼妖一夜城』を切り裂き、瓦解させる。
怨恨を切り裂く一撃は、ディアボロスたちの攻勢によってついに潰える。
怨みだけではなく、怒りだけでもなく。
背負うものがあるからこそ、ディアボロスたちは戦っていける。怨みと怒りの先を見据えるからこそ、見つけることのできるものがあるのだと示すように、『大正大戦国』の空は暗闇を切り裂かれたように晴れ渡るのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【神速反応】がLV4になった!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV4になった!