邪悪を映す鏡を砕け!(作者 青葉桂都)
#機械化ドイツ帝国
#悪の組織の改造ゾルダートによる襲撃事件
#悪の組織
⊕
●襲撃するクロノヴェーダ
機械化ドイツ帝国の南部にある、アウクスブルクの街に、危機が迫っていた。
重たい音を響かせて――巨人の如きサイズを持つゾルダートが接近してきたのだ。
周囲を固めるのは、四足で移動するトループス級のサイボーグたち。
「この街は、我ら『憂国無塵党』がこれより支配する! 異論のある者は前に出るがいい――」
髑髏にも似た巨人の頭部が宣言する。
石畳を砕いてアヴァタール級のゾルダート、フェストゥング・リーゼが前進した。
街の入口までたどり着いたとき、襲撃者に気づいた人々が様子を確かめに集まってきた。
とはいえ、完全武装したサイボーグを相手に何ができるはずもない。
ほとんどの者は、自身の野次馬根性を後悔しながら、身を隠して警察や軍隊の到着を待つばかり。
……いや、1人の若者が、サイボーグたちの前に進み出た。
「ふざけるな! 貴様らなんかに俺たちの街を渡すものか!」
少年から若者に移り変わる年頃の彼は、己の正義感に従って抗議の声を上げた。
サイボーグたちの行動によってできた瓦礫を拾い上げて、ボスであるフェストゥング・リーゼに投げつける。
だが、それは勇気ではなく、無謀というべき行動だった。
瓦礫は綺麗な放物線を描き――若者の頭を砕いたのだ。
「残念だったな。私がこの『トーラー・シュピーゲル』さえ装備していなければ、かすり傷くらいはつけられただろうが……」
フェストゥング・リーゼは胴体に装備したまばゆく輝く円盤を指し示す。
「この鏡は私に向けられた飛び道具のベクトルをすべて反転させる……それが石でも、銃弾でも、なんであろうとだ。見よ! 素晴らしき我らの科学力!」
その兵器は的確に効果をあらわし、到着した警察や軍隊も、すべて自らの武器によって命を落とした……。
●時先案内人の依頼
新宿駅グランドターミナルで、ウルスラ・シュミット(自由を求める航空突撃兵・g03569)はディアボロスたちへと声をかけた。
「機械化ドイツ帝国のクロノヴェーダが行う作戦を察知しました」
帝国南部に存在する街へ、悪の組織『憂国無塵党』を名乗るゾルダートたちが襲撃を行うのだという。
「襲撃は『トーラー・シュピーゲル』なる新兵器をテストするためのものです。無関係な組織を装って襲撃してデータを取った後、ドイツ帝国が事件を収束させる手はずです」
ウルスラは言葉を区切った。
「一言で言えば、自作自演です」
作戦が行われたならば、無関係な人々が多数死傷するだろう。
そして、十分な成果が出た装備は機械化ドイツ帝国のクロノヴェーダたちに反映され、大きな戦力を得ることになるはずだ。
「犠牲が出ることも、敵のパワーアップも、どちらも見過ごすわけにはいきません」
パラドクストレインに乗って、現場に駆けつけてほしいとウルスラは言った。
事件が起きる数日前に、パラドクストレインは街へと到着する。
「到着したら、皆さんはまず、物理学者のペーター博士を救出していただきます」
ウルスラによると、博士は今回使用される『トーラー・シュピーゲル』の発明者だ。飛び道具のベクトルを反転させて、攻撃者へと命中させる効果を持つらしい。
クロノヴェーダは博士を誘拐し、類まれなる発想力を奪って装備を現実のものとした。
「博士はアウクスブルクにある広大な森のどこかに監禁されているようです」
風光明媚な森だが、そんな場所にクロノヴェーダの実験施設が隠されているようでは台無しもいいところだ。
巧妙に偽装された秘密研究室を見つけ出して、無理やり兵器の開発をさせられているペーター博士を助け出すのだ。
「ペーター博士の救出に成功したなら、彼からクロノヴェーダが襲撃を行う日時や場所を聞き出すことができるでしょう」
それに、『トーラー・シュピーゲル』を無効化する方法についても知ることができる。
新兵器を無効化できているかどうかで、戦闘の難易度は大きく変わるはずだ。
「ただ、新兵器を無効化して有利になっても、アヴァタール級のクロノヴェーダであるフェストゥング・リーゼは強敵ですので十分注意してください」
巨人ともいうべき装甲に包まれたボディから繰り出す鉄拳の威力は強大だ。それに、機関砲や火炎放射器も装備している。
さらに襲撃時には機械の獣へと改造されたサイボーグ・アイゼンヴォルフを引き連れているのだ。
倒すべき敵はあくまでフェストゥング・リーゼのみだが、討ち漏らしたアイゼンヴォルフは逃亡して街を破壊し、住民を殺傷するだろう。できれば殲滅したほうがいい。
「アイゼンヴォルフは背中や体の各所に装備した火器で攻撃するほか、噛みついた牙から皆さんの情報を奪うことができるようです」
1体1体の戦力は大したことがないとしても、集まれば強力な敵となる。こちらも注意が必要だとウルスラは言った。
「自作自演で戦力を強化したうえに人々の支持を得ようなんて、許せないですよね」
機械化ドイツ帝国の目的を阻止してほしいと、ウルスラは頭を下げた。
●閉ざされた森の地下で
暗い部屋の中で、ペーター・ヴァーグナーは冷たい床に転がされていた。
「ああ……どうしてこんなことになってしまったんだ……」
国を守る、無敵の防御兵器を作りたかった。そのために、10歳のころから20年以上も、学問に打ち込んできた。
なのに……今はこうして暗い地下室に閉じ込められている。
機械化ドイツ帝国は彼の発想を実現するために支援してくれると言ってきた。けれど、その実現のために彼はなにか大切なものを奪われ……用済みになったと言われたのだ。
「だいたい、まだあれは不完全なのに……接近戦じゃ弾ききれないし、それにあの角度をついて攻撃されたら……」
考えて、ペーターは首を振る。ここで朽ちていく運命の自分には関係ないことなのだ。
「……ここの森の地下に……こんな場所があるなんて……知らなかったなあ」
研究施設から縛り上げられて連れ出され、アウクスブルクの森に連れてこられた。
そして、森の草木によって巧妙に偽装されたこの地下室に運び込まれたのだ。
埃っぽい地下の牢獄の構造はわからないが、広くはなさそうだった。彼1人のためにわざわざ作ったとは思えないものの、今閉じ込められているのはペーターだけだろう。
ろくに食事も与えられていないので、体に力が入らない。日数の感覚も失せてきた。
「頼むよ……せめて、死ぬ前に少しでも外の空気を吸わせてくれ……」
呼びかける声に応えはなかった。さすがに、監視もないとは思えないが……。
いずれにしても……機械化ドイツ帝国は、不要になった彼を死ぬまで放置するつもりなのだろう。
絶望の中で、ペーターは深く長い息を吐いた。
リプレイ
エルル・ヘイズルーン
「アウクスブルクの森ぃ、いいところですねぇ!」
(農家の子エルルちゃん、お目々キラキラさせてあたりを眺め)
「博士を探してぇ、油で揚げたタマネギを届けてあげましょお!」
森で、地下への出入り口を探します
まず【拠点構築】の知識から、地下室をつくるのに適した場所に
だいたいの見当をつけて【追跡】で人の出入りした痕跡を探します
「ちょっとぉ、童心に返って秘密基地を探す気分ですねぇ!」
地味で地道な作業ですが【情熱】的に、楽しみを見つけて
ポジティブに取り組むエルルちゃん
その姿を見た人も、元気付けられるでしょう
自然と人々を導く【号令】術…!
「民衆を導く自由の女神」のコスプレは伊達じゃないかも?
緋塚・ヤスオ
「重要人物かどうかは関係ねぇ。助け求めてるのがわかってるなら応えてやりてぇってだけだ」
■博士が運び込まれた時の痕跡を探す
・地面のタイヤ痕等の車両が通った形跡
・博士は徒歩で担ぎ込まれたとしてのクロノヴェーダの足跡(特に跡が深いもの)
・博士は自分で歩かされたとしての複数人の足跡
・移動の際の影響で草木が折れている、潰されている場所
前述の痕跡を発見後、その痕を辿り偽装されている入口を探す。
入口を発見できた場合、中に少数の監視役がいると想定し
静かに侵入、速やかに制圧できるように不意打ちを狙う。
博士の手当て、情報収集は他に任せ、
痕跡と地下室の発見、監視の制圧、その後周囲の警戒に注力
ラシュレイ・ローレン
無辜の民を犠牲に武力を高めようとは、軍人の風上にも置けぬ思想。断じて見過ごす事は出来ません。
仲間と協力し捜索しましょう。
研究室自体は巧妙に隠されていても、そこへの人間や車輌の移動や、資材や研究成果の搬出入の痕跡はそう簡単には消せません。人間とは自然にとって異物なのです。
【使い魔使役】を使用しましょう。
視力の高い鳥を使役し上空から森全体を俯瞰し、植生等を観察。人の手が入っていそうな箇所や道筋を推測。仲間と情報を共有し相談。目星を付けた辺りで嗅覚の優れた獣を使役し臭いを辿る等して、地下研究室を探します。
発見出来たら鍵を剣で破壊し救出。「助けに参りました。」と食料と水を渡し、手当てを行います。
末廣・諒太
この森の何処かに博士がいる、と。……ちょっと待て、広くね?
とはいえ泣き言も言ってられねえか。
研究者だけじゃなく、街の人の命もかかってるしな。
いつ頃連れ出されたのかは分からないが、手遅れになる程過去でもないはずだ
とはいえ手がかりがなー……皆と連携してダッシュで探す
森の奥へ向かっている、草木が踏み荒らされた跡を重点的に追う
モーラットも空に放って、何か怪しそうな手がかりを探ってもらおう
博士の体力が厳しいだろうから、常時【熱波の支配者】を使って周囲を温める
軟禁された場所まで届くかは分からねーが、凍えていたら助けも呼べないだろうし
水や食料も準備して、会えたら渡……
一気に食うと逆にやべぇんだっけ、少しだけ
●博士を救出せよ!
機械化ドイツ帝国の一角にある、アウクスブルクの町には広い森林地帯がある。
「アウクスブルクの森ぃ、いいところですねぇ!」
エルル・ヘイズルーン(美食を導くたまねぎの女神・g03599)はその森を一目見て歓声をあげた。農家の娘である彼女にとって、自然の風景は好ましいものだった。
いつものように、革命をテーマにした絵画に描かれた女性と同じ姿をして、誰よりも先に森へと踏み込んでいく。
「この森の何処かに博士がいる、と。……ちょっと待て、広くね?」
だが、末廣・諒太(海底20コイン・g02599)は思わず泣き言を漏らしてしまう。
美しい森――けれど、そこは人を1人探すにはずいぶんと広大だった。
パラドクストレインで機械化ドイツ帝国へとたどり着いたディアボロスたちのうち、まず捕らえられているという博士を救出に行く者たちが行動を開始していた。
エルルや諒太もその1人だ。
「泣き言も言ってられねえか。研究者だけじゃなく、街の人の命もかかってるしな」
気合を入れ直して、諒太は仲間たちと共に森の奥へと入っていく。
「いつ頃連れ出されたのかは分からないが、手遅れになる程過去でもないはずだ……とはいえ手がかりがなー」
諒太は手がかりを求めてダッシュした。もちろん、仲間たちと連携を取りながら。
「博士を探してぇ、油で揚げたタマネギを届けてあげましょお!」
エルルも拠点構築の知識を生かして、周囲を観察し始めた。
他のディアボロスたちも同様に動き出している。
まずは、新兵器の開発者である博士を助けなければその対策も取れないからだ。
もっとも――。
「重要人物かどうかは関係ねぇ。助け求めてるのがわかってるなら応えてやりてぇってだけだ」
緋塚・ヤスオ(探偵という名のなんでも屋・g01581)にとって、博士にどんな知識があるかどうかなど関係なかった。
「博士が運び込まれた時の痕跡がどこかにあるはずだ。そいつを見つけて追えばいい」
「そうですね、どんな巧妙に隠されていても、人間は自然に取ってい物なのです。そう簡単に痕跡を消すことはできません」
ラシュレイ・ローレン(人間の妖精騎士・g04074)は愛用の妖精剣を抜いて、地面に突き刺した。ただ、今回の使途は攻撃ではない。
騎士の青年は使い魔を呼び出して、上空へと飛ばした。
「無辜の民を犠牲に武力を高めようとは、軍人の風上にも置けぬ思想。断じて見過ごす事は出来ません」
いかなる痕跡も見過ごさぬ鳥の使い魔を操って、森全体を俯瞰させる。
「この森で拠点を作るならぁ、あっちの方だと思いますぅ!」
森の地形を観察していたエルルの助言を受け、ラシュレイは彼女が指さした方向へと使い魔を向かわせる。
「車両で移動したならタイヤ跡、徒歩なら足跡が残っているはずだよ」
「ええ、見つけましたよ。足跡が残っています。追ってみましょう」
上空から見つけた足跡へと、ラシュレイは使い魔を降下させた。
2本足の足跡が1つと、4つ足の足跡が複数。いちおう偽装しているようだが、この広い森で偽装しきることはできなかったようだ。
「ちょっとぉ、童心に返って秘密基地を探す気分ですねぇ!」
天然か、あるいは仲間たちを鼓舞しようとしてか、元気よくエルルは言った。
地味な行動ではあったが、彼女がそれを楽しんでいることは間違いない。
導き手をイメージした衣装を着ているのは伊達ではない……の、かもしれない。
追跡していくうちに、モーラットと共にダッシュしていた諒太も、他のディアボロスたちに合流してきた。
「草木が倒れてるのを見つけたんだ。追っかけてたらこっちに来てた」
「なるほど……じゃあ、方向は間違ってなさそうだねぇ」
彼の言葉を聞いてヤスオが頷く。
「痕跡をたどった先に、偽装された入り口があるはずだ……」
「鼻の利く動物を使い魔にして追ってみましょう」
ディアボロスたちは周囲を探りながら森の奥へと進んでいく。
やがて、木の根元に隠された入り口を、ディアボロスたちは見つけ出した。
「監視役がいるはずだ。入るときは、なるべく静かにな」
音を立てないよう注意して、ヤスオが隠し扉を引き開ける。
ディアボロスたちは静かに……そして、素早く地下牢へと入っていった。
狭い地下の牢獄には、4つ足のトループスが2体いた。
「よっと……」
壁にかかっていた警棒らしきものを素早く取って、ヤスオが監視に投げつける。
その攻撃で怯んだところに、トループスの足元から氷の刃と燃え盛る炎の渦が出現した。ラシュレイと諒太が出現させたものだ。
氷と炎の中でトループスの一方が動きを止める。
もう一方がどうにかディアボロスたちへ反撃しようとしたが、サーガを歌いながらエルルがソードハープで敵を断ち切った。
いくつかある牢屋のうち、埋まっているのは1つだけだ。
ラシュレイが剣を一閃すると、鍵が2つに割れて地面に落ちた。
「おい、大丈夫か?」
諒太が問いかけた。
同時に、周囲の空気を加熱して、牢の中に横たわる男の体を暖める。
ここは森の中の、それも地下。冷たい空気も確実に彼の体力を奪っているはずだ。
「助けに参りました」
ラシュレイも一緒に呼びかけると、ペーター・ヴァーグナーはようやく顔を上げた。
体が少し温まって、動く力が戻ってきたのだろう。
「き……あ……」
なにかをしゃべろうとしたが、声は出なかった。
その間、ヤスオは油断なく入り口のほうを警戒している。
「こっちは見ていますから、博士をお願いしますねぇ」
エルルが言った。
「食料と水を持ってきました。まず、これをどうぞ」
「あ、けど、焦って食うんじゃねえぞ。腹が減ってるときに一気に食うと逆にやべぇって話だからな」
用意してきた水をまず飲ませて……それから、食べやすそうなものを、少しだけ食べさせてやる。
ゆっくりと、少しずつ……。
どれくらい時間がかかったかわからないが、ペーター博士は少しだけ回復したようだ。
「……君たちは、いったい……?」
「あんまり喋んなよ。説明だったら、回復してからゆっくりしてやるからさ」
諒太の言葉に博士が頷く。
「……ありがとう」
それだけ言葉を発し、ペーターは諒太やラシュレイの指示に従い、回復に努め始めた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
十六夜・ブルーノ
祖国を守る想いを利用し踏みにじるとは酷いことをする
文字通り血も涙もない輩だ
そんな奴らの好き勝手にさせるもんか
頑張ろう、ドゥー
ペーターくんへ優しく接しよう
殺されかけたし
自分の発明が悪用との自責の念から
打ちひしがれているかも
まずは一息
独逸麦酒…アルコールはちょっとまずいか
水筒に持参した温かい紅茶を勧める
喉、乾いてない?
キミに責はない
トーラー・シュピーゲルは俺達が止める
無効化の方法を教えてくれないか
秘密を漏らすことに報復への不安も当然あるかも
望む未来があるなら
変えたい今があるなら
一人ひとりが立ち上がらないと、ね
祖国を、そこに住む命を守ろうとしているキミの心には
勇気と希望が輝いてるって知ってた?
ラシュレイ・ローレン
【英雄王の槍】を使い【活性治癒】を発動。槍の穂先からの光でペーター殿の体力を癒しましょう。
「ゆっくり休んで頂きたい所ですが、事態は急を要します。ご協力をお願いします」
と、新兵器の攻略法と敵の襲撃計画について質問します。
察するに、あの兵器は貴方が作ったのではなく、貴方から奪った発想を元に奴等が作った物でしょうか。だから技術として歪で弱点があるし、奴等もそれに気付いていない。
貴方に非はありません。科学は扱う者次第。悪に使われたなら正義で正せば良い。それだけです。
末廣・諒太
とりあえず【ハウスキーパー】起動、この施設を快適にする
モーラットは隠し扉の所で敵が来ないか見ていてもらおう
『飛び道具のベクトルを反転させ、攻撃者へと命中させる』か。
どういう仕組みなんだ?
一応聞いてみるが、多分……分からないだろうな……。
まあともあれ、弱点とか抜け穴が分かればいっか。
じゃあ近接武器で殴ったらどうなるんだ?魔術的な火炎はどうだ?
人を守る為に作った道具が、
守りたかった人の命を奪うかもしれないのは怖ぇよな。
研究を止めたくなるのも分かる気がするが。
でもよー、結局敵の襲撃が来たら研究しとけば良かったと後悔すんじゃねーか?
開発に前向きになれるようになった時に、やればいいと思うぜ、俺は。
●ペーター博士の憂鬱
ディアボロスたちは救出したペーター・ヴァーグナー博士を、牢獄から出して、粗末な椅子に座らせる。
「こんな場所じゃ休めねえからな。とりあえず、ここを少し快適にしようぜ」
末廣・諒太(海底20コイン・g02599)は百鬼夜行を呼び出した。快適とは言い難い地下の穴倉を、百鬼夜行が快適に作り替える。
モーラット・コミュには周囲を警戒させているが、広大なアウクスブルクの森に、今のところトループスの姿はないようだ。
「妖精よ、槍を!」
ラシュレイ・ローレン(人間の妖精騎士・g04074)は、光り輝く槍を召喚する。
英雄王の槍――ロンゴミニアドは敵を焼き、そして味方を癒す。
言うまでもなく、今はペーター博士を癒す力を槍が発する。
場所と本人、両方の環境を整えたところでディアボロスたちは博士に話しかけた。
「喉、乾いてない?」
問いかけたのは、十六夜・ブルーノ(人間のサウンドソルジャー・g03956)だった。
「独逸麦酒……アルコールはちょっとまずいか。温かい紅茶があるから、どうぞ」
緑色の瞳でペーターを見つめて、十六夜は言う。
「ありがとう、助かるよ」
紅茶で体を温めながら、3人のディアボロスへ彼は礼を述べる。
「でも……せっかく助けてくれたけど、意味ないかもしれない。それも……僕のせいで」
肩を落として、ペーターは呟く。
彼の様子を見て、十六夜は心の中で呟く。
(「祖国を守る想いを利用し踏みにじるとは酷いことをする。文字通り血も涙もない輩だ。そんな奴らの好き勝手にさせるもんか」)
傍らにいるメーラーデーモンへと視線を向けて、静かに頷く。
「頑張ろう、ドゥー」
きっと倒す――その決意を込めて、少年はサーヴァントに言った。
「落ち着くまでゆっくり休んで頂きたい所ですが、事態は急を要します。ご協力をお願いします」
その間に、ラシュレイがペーターへ話しかけた。
「……協力?」
ドゥーと共に、ペーターへ一歩近づく。
「気にしてるかもしれないけど、キミに責はない。トーラー・シュピーゲルは俺達が止める。無効化の方法を教えてくれないか」
「そうか……君たちは、僕の発案で作ったあれのことを、知ってるんだね」
紅茶が入った水筒を粗末な机に置いて、ペーターは大きく息を吐いた。
「『飛び道具のベクトルを反転させ、攻撃者へと命中させる』か。どういう仕組みなんだ?」
諒太が聞いた。
「それは……説明すると、少し長くなるけど……」
ペーターは前置きしてから説明を始めた。もっとも、難解な物理学用語だらけの説明は、諒太にはよくわからない代物だった。
「多分……わからないだろうとは思ってたけど、やっぱりな……」
ラシュレイや十六夜が、説明を理解できたかはわからないが、いずれにしても学術的な意味での理屈は、この際重要ではない。
「察するに、あの兵器は貴方が作ったのではなく、貴方から奪った発想を元に奴等が作った物でしょうか」
話が途切れたところで、ラシュレイが問いかけた。
「そうだね……理論や設計は僕だけど、実用化したのはサイボーグたちだ。いや、理論とかも実は僕が考えたのをそのまま使っているわけじゃないのかな」
またため息をつく。
「あいつらは、僕の心か、頭から、なにかを奪っていった。とても……大事なものを。そのせいで……」
「十六夜殿も言いましたが、貴方に非はありません。科学は扱う者次第。悪に使われたなら正義で正せば良い。それだけです」
落ち着いた、力強い声でラシュレイが言う。
「そうは言っても、秘密をもらしたら報復されるかもって思うよな」
十六夜が言葉を続けると、ペーターは頷いた。
「だよね。でも、望む未来があるなら、変えたい今があるなら、一人ひとりが立ち上がらないと、ね」
共感しつつ、十六夜はラシュレイと共に説得の言葉あを続ける。
「祖国を、そこに住む命を守ろうとしているキミの心には。勇気と希望が輝いてるって知ってた?」
「勇気と希望……」
ペーターが真剣な目つきで考え始める。
「人を守る為に作った道具が、守りたかった人の命を奪うかもしれないのは怖ぇよな」
諒太がさらに、ペーターへと言葉を投げかける。
「でもよー、結局敵の襲撃が来たら研究しとけば良かったと後悔すんじゃねーか? 開発に前向きになれるようになった時に、やればいいと思うぜ、俺は」
3人の説得を受けて、ペーターは決意を固めたようだった。
「わかったよ。協力する……いや、させてくれ」
1人1人の顔をしっかりと見、彼は改めて言う。
「それじゃ、教えてくれよ。理屈はさっき聞いたけど、じゃあ近接武器で殴ったらどうなるんだ? 魔術的な火炎はどうだ?」
「魔術的な攻撃も防ぐけど、近接武器は有効かな……距離が近すぎると、ベクトル演算がうまくいかなくなるんだ」
ペーターの説明を、ディアボロスたちは真剣に聞く。
「あとは鏡に対して90度か、270度からの攻撃なら、跳ね返せない可能性が高い。つまり、真上か、真下かだね」
急角度からの攻撃ほど、トーラー・シュピーゲルの演算は難易度を増し、失敗する可能性が高くなるというのだ。
近接武器を使うか、真上化真下からの攻撃。
ディアボロスたちにとって必要な情報だ。ただ、情報を得ただけでは十分ではない。
実行する計画を練るか、あるいは――誰かが、実践するか。
きっと、そのどちらかが必要だった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【勝利の凱歌】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
フェイ・ブランディング
「自作自演とは、禄でも無い奴らだなお前ら!」
「ま、オイラはあっちの救助なんて向かないし敵減らしさせてもらおうか!」
バックパックバーニアの【空中戦】で上空を飛行し敵部隊を観察しながら仕掛ける
「数には数だ!行け、我が従者よ!ガン・スレイヴ!」
アイゼンヴォルフの「全火器解放」に対し「ガン・スレイヴ」で対抗。
複数の誘導兵器を射出し包囲攻撃を仕掛け、敵の虚を付く攻撃をしつつ
敵の視線を一般人達から誘導兵器達や自分に分散させます。
「敵にやられたら嫌な攻撃だよな、コレ…」
「あ、逃げ遅れてる人いたら救助よろしく」
【フライトドローン】で襲われたり、逃げ遅れてる一般人が居たら
救助&安全地帯に運ぶ指示をドローンに出す
●機械の狼、吠える
アウクスブルクに敵の影が接近してきた。
ディアボロスたちの救出作戦から、数日経過してからだ。
だが、ペーター博士から聞き出した情報から、ディアボロスたちはそれを迎え撃つ。
「我々は……!」
耳障りなアヴァタール級の機械音が聞こえるが、まずは向かってくる4足のサイボーグたちを片付けねばならない。
「自作自演とは、禄でも無い奴らだなお前ら!」
フェイ・ブランディング(黒腕の放浪者・g04748)はバックパックバーニアをふかし、サイボーグたちの上空を飛ぶ。
「ま、オイラは救助なんて向かないし敵減らしさせてもらおうか!」
「ガオォォーン!」
気合を入れるフェイを狙って、アイゼンヴォルフたちの火器が放たれる。
フェイは駆け抜けた後を、火砲が通り過ぎた。
「数には数だ! 行け、我が従者よ! ガン・スレイヴ!」
バックパックバーニアから、無数の黒い影が飛び出した。
蝙蝠の姿をした無数のドローン。
いまだ続く対空砲火の間を縫うようにして、ドローンたちはアイゼンヴォルフへ向かって降下していく。
無数の敵の、無数の火砲を回避し続けるのは容易ではない。避けきれなかった攻撃が、フェイの体を貫く――。
「――気にするほどの傷じゃないぜ!」
それより、重要なのは意図通り敵の視線を自分と蝙蝠たちにに集中できていることだ。
「敵にやられたら嫌な攻撃だよな、コレ……」
我ながら、そう思う。
「あ、逃げ遅れてる人いたら救助よろしく」
巻き込まれている一般人は今のところ見当たらないが、もしいた時のために、フェイは抜け目なくドローンたちに命令を下す。
アイゼンんヴォルフの数は、まだまだ残っていた。
成功🔵🔵🔴
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
霧宮・悠希
「……『復讐者の狩り』を見せてやる」
※戦闘に意識を集中。必要なこと以外ほぼ喋りません
悪の組織による襲撃。その情報集めは他のディアボロスの人達に頼るとして、自身は襲撃の阻止に向かう。
最初の目標は指揮官の取り巻き、獣型のクロノヴェーダ。
人型とは違う動き、違う戦い方。そういった所も注意がいるだろうか。
【飛翔】して建物の間を縫うように、或いは建物の壁を蹴りながら飛び回る。
常に動き回りながら「狩人」の機関砲を撃ちかけ、ミサイルランチャーを叩き込む。攪乱して、動きを止めさせて。
隙を作ったところで敢えて飛び込む、すれ違いざまの接近戦。
「執行人」で叩き切る、刺し貫く。“なかみ”ごと抉って切り裂いてやる……!
●狩りの時間
アイゼンヴォルフの群れを、霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)は青い瞳で睨みつけていた。
「……『復讐者の狩り』を見せてやる」
まだ幼い少年が携えているのは、狩人(ハンター)の名を持つ大型の複合兵器。
失われた歴史から流れ着いた品々を、ガジェッティアの技術で組み合わせて、悠希自身が自作した兵器だ。
情報集めはまだ終わっていないはずだが、それは他の人たちに任せ、彼は迎撃に回る。
元が人であったとはとても思えない、獣そのものの動きをするサイボーグたち。
周囲にある建物を蹴り、悠希の小さな体が飛ぶように動く。
4足を存分に使ったアイゼンヴォルフが追いすがるのを、それを上回る速度で悠希は動き回り、撹乱する。
移動しながら大型の兵装操作する。
機関砲が無数の弾丸を吐き出し、ミサイルランチャーが炸裂する。
倒しきれはしないものの、攻撃をする機が得られず焦れた敵が足を止めた……。
瞬間、悠希はその懐へと踏み込んでいた。
いつの間にか持ち替えた年代物の両手剣をつかみ、振り下ろす。
(「“なかみ”ごと抉って切り裂いてやる
……!」)
硬い機械の体を、悠希は容赦なく両断した。
攻撃に移った隙を狙って、敵が足を止めて背中の砲を放つ。
とっさに飛び退くが、誘導弾は勇気を追ってきて、そのうち一部は彼に命中する。
それでも少年の動きは止まらない……再び、狩人を構え、ミサイルランチャーを放ち、悠希はアイゼンヴォルフたちと戦い続けた。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
十六夜・ブルーノ
ペーターくんの勇気に応えて希望を示す
行くよ、ドゥー
物陰からブズーキを奏で登場
ごきげんよう
憂国無塵党って名乗っるんだっけ
さあ皆さんお立合い、自作自演の三文芝居にようこそ、って?
いやいや、とてもとても
そんなお芝居の呼び込みは御免こうむりたいな
挑発したらさっと物陰に隠れて
機関砲や火炎放射を防ごう
うーん、ちゃちな芝居とはいえ
そんな豆鉄砲じゃ倒れてあげられない
おちょくり細い路地へ誘き寄せる
その先にいるはずの俺はいない
壁の上部に槍を刺し取りついている
飛翔やエアライドが使えるなら楽だけど
槍を構えて飛び降りる
穂先から輝く雷光が万華鏡の如く映すのは
ペーターくん達の姿
想いを力にして鏡へ一撃
ぱりん
さて本番と行こうか
●示した勇気
襲撃者との戦いが続く中、十六夜・ブルーノ(希望の配達人・g03956)はメーラーデーモンと共に機を伺っていた。
「ペーターくんの勇気に応えて希望を示す。行くよ、ドゥー」
物陰から進み出る。
詩の女神にあやかって名をつけたアイリッシュブズーキを爪弾きながら、彼は巨大な敵のリーダーの前に姿を見せたのだ。
「ごきげんよう。憂国無塵党って名乗ってるんだっけ」
「然り。この街は我らが拠点として選ばれた。光栄に思うがいい」
フェストゥング・リーゼが尊大に告げる。もっとも、その言葉、その態度がただの演技であることをディアボロスたちは知っている。
「さあ皆さんお立合い、自作自演の三文芝居にようこそ、って? いやいや、とてもとても、そんなお芝居の呼び込みは御免こうむりたいな」
「我らを愚弄するならば、その命で贖うがいい!」
予想していた通り、問答無用でフェストゥング・リーゼは攻撃してきた。
機関砲が放つ無数の弾丸を物陰に隠れて防ぐ。
「うーん、ちゃちな芝居とはいえ、そんな豆鉄砲じゃ倒れてあげられない」
「ふざけるな! 狭い場所に隠れれば追えないとでも思ったか?」
仕掛けがあっても胸部に輝く鏡で防げると考えているのだろう。フェストゥング・リーゼは無造作に十六夜とドゥーを追ってきた。
鉄拳で邪魔な建物を砕いてスペースを作り、ゾルダートは十六夜が移動した先――細い路地へと入る。
「!?」
そこに、十六夜はいなかった。
視界から外れた隙に飛翔し、短槍を壁に突き刺して取りついていたのだ。
ペーター博士から聞いた、トーラー・シュピーゲルの弱点。真上や真下からの攻撃はベクトルを変えられない。
鏡と、その後ろにある機械部品が見える。
側面から狙う形になるので的が小さいが……驚きで動きが止まっている今ならば、十分に狙える。
翠の光をたたえた短槍ルインの穂先から、雷光が煌めく。
一直線に突き出した穂先――放つ光の中に、万華鏡のごとく無数の映像が映る。それはペーター博士や、彼を救出する仲間たちの姿だ。
想いを込めた一撃の先で、硬いものが割れる乾いた音が響いた。
「さて本番と行こうか」
鏡の破片が散乱する中に着地し、十六夜はフェストゥング・リーゼを見上げた。
成功🔵🔵🔴
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
緋塚・ヤスオ
「芝居なら劇場でやるといいぜ…訪れる客はディアボロスだけだろうがな」
博士から襲撃計画について聞かせてもらうのが間に合えば、現地の他のディアボロスとも共有し、待ち構える位置や自分達の行動に活かす
アイゼンヴォルフの攻撃に対し、周囲の地形を利用して立体的に移動。
建物や瓦礫といった障害物となるものを利用して攻撃の回避を試みる。
左手の短剣で相手の体勢を崩し、
右手の篭手に重量を乗せた強打を敵に。
身体を固定したままであったりこちらを見失っているといった撃破できそうな敵を優先して攻撃し、敵の数を減らすことを第一とする
他のディアボロスと連携が可能ならば援護も行う。
ラシュレイ・ローレン
襲撃の現場に駆けつけます。
周囲に市民がいるなら避難を呼び掛け敵と対峙します。ペーター殿の為にも、民に被害を出す訳にはいきません。
まずは取り巻きの獣達を倒しましょう。
敵は多数。こちらも仲間と連携して行動。
更に妖精達を召喚し、【フェアリーコンボ】を使います。戦場を高速で縦横無尽に飛び回る妖精達に敵を攪乱させ、その隙を狙いエアライドで跳躍しなから剣で叩き切っていきます。
人をこの様な姿に改造するとは正に尊厳を無視した行為。この様な軍を存在させておく訳にはいきません。
立ち止まっては火線の餌食。一時も立ち止まらず戦場を駆け巡り、建物の遮蔽や妖精の撹乱を利用し反撃を回避します。
●鋼鉄の狼を砕け
アウクスブルクの入り口に集まっていた機械の狼、アイゼンヴォルフの数はもう大きく数を減らしていた。
「芝居なら劇場でやるといいぜ……訪れる客はディアボロスだけだろうがな」
緋塚・ヤスオ(探偵という名のなんでも屋・g01581)は建物の壁を蹴って狼たちの上を飛び越える。
アイゼンヴォルフが背部に装備した大型の砲を放つ。
ヤスオを追尾してくるその砲弾を、立体的な動きで回避していく。
回避しながら、砲を撃つために自らを固定した敵の1体へ狙いを定める。移動する態勢に戻るのが遅れた敵だ。
接近し、爪牙で飾られた短剣で敵の体勢を崩す。
短剣を振った動きの勢いを利用して、ヤスオは左の拳を振りかぶった。
体重を乗せ、籠手で覆った左腕をアイゼンヴォルフへ打ち込む。鋼鉄の塊が砕ける感覚は、籠手越しにはっきりと伝わってきた。
もっとも、1体だけではない敵の攻撃を、すべてかわしきることはできないが……多少の傷でディアボロスを止めることなどできない。
「付近にいる方は避難をお願いします!」
ラシュレイ・ローレン(人間の妖精騎士・g04074)が周囲に呼びかけながら戦場へと駆けてきた。
(「ペーター殿の為にも、民に被害を出す訳にはいきませんから」)
妖精剣を抜いて、そこに刻まれた術式でラシュレイは妖精たちを召喚する。
付近にいた1体がラシュレイに注意を向けた――そこに、ヤスオが真横に着地して、アイゼンヴォルフを打ち砕く。
「おっと、悪ぃな。獲物をとっちまったか?」
「いえ、気にする必要はありません。敵はまだまだいますから、連携して戦いましょう」
他のディアボロスたちにも声をかけて、2人はアイゼンヴォルフたちへと立ち向かう。
鋼鉄の獣たちは、高速で動き回りながら全身の火器で砲撃を加えてくる。
「立ち止まっては火線の餌食です! 気をつけてください」
「ああ、わかってる!」
ラシュレイもヤスオも、足を止めることなく敵の攻撃を回避していく。
だが、アイゼンヴォルフたちの動きは、元が人体であるとはとても思えないものだ。決して止まることがないラシュレイを確実に追ってくる。
火砲の1つが青年の体を傷つける。軽傷だ。
(「人をこの様な姿に改造するとは正に尊厳を無視した行為。この様な軍を存在させておく訳にはいきません」)
決意を新たに、ラシュレイは反撃に移る。
敵の周囲を、さらに高速で妖精たちが飛び回り始めた。
戸惑い、動きを止めるアイゼンヴォルフたち。
空中を滑って一気に間合まで踏み込んだ青年が、その勢いのまま妖精剣を振り下ろす。ラシュレイの剣が敵を一刀のもとに断ち切った。
別の1体を、ヤスオの籠手がまた打ち砕く。
他のディアボロスたちも鋼鉄の獣を撃破している。
アイゼンヴォルフたちの数は、確実に減っていった。
残り少ない敵は、決してひるむことなくディアボロスたちへと攻撃をしかけてくる。
その動きと同じく、その精神もまた、すでに人とはかけ離れたものなのだ。
最後の残った1体へ、ヤスオが地形を利用し、ラシュレイが空を滑り、ほとんど同時に接近する。
籠手の一撃と、剣の一撃を連続で受け、アイゼンヴォルフが砕け散る――。
戦場に残った敵は、砕けた鏡を投げ捨てた、巨大な1体だけだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【強運の加護】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
緋塚・ヤスオ
「後はお前を倒せば終了っと…わかりやすくていいね」
直前の戦闘で傷を負っているが、動きに支障がないか一応確認
問題無ければ接近戦を。有れば隙を伺ってから近づき一撃狙い。
敵の腕や足、視線といった動きから攻撃の予兆を探る
避けきれなくても他の味方への情報となれば御の字
被弾するとしても急所を外して受けてからのカウンター狙い
パラドクスが発動できれば視界を奪いつつ吹き飛ばせるはず
他のディアボロスと連携が可能であれば行う
【完全視界】効果により発生した赤い霧は他の邪魔にはならないと思うが
視界を奪ったことと吹き飛ばす方向を声で伝える
フェイ・ブランディング
🔥アドリブ&連携OK
「鏡は壊してくれたみたいだな!これで自作自演劇は終わりだ!」
🔥行動
ヤスオさんの攻撃後を狙う
残った力を拳に込め
背部のバーニアを噴射し【飛翔】
空を旋回しながら最大加速_赤いエネルギーを身に纏い。
鷹の如くアヴァタール級へと迫り、パラドクスを放つ
「こいつも持っていけッ!」
拳を叩き込みながら、ダメ押しと言わんばかりに
更にバーニアを噴射、義手に仕込まれている
鉄杭『パイルバンカー』をぶち込み、その反動で再び飛翔し離脱。
敵の攻撃に対し【アヴォイド】の効果を使用
味方の赤霧には【完全視界】使用を試し、無理なら味方の声を参考に敵を狙う
その他【ダメージアップ】【先行率アップ】【ダブル】を活用
十六夜・ブルーノ
人や命が都合の良い玩具にされている
だから俺達復讐者が必要だ
行こう、ドゥー
希望を届けよう
リーゼくんを見る眼差しは
怒りと
そして憐れみ
きみも元人間なのか?
きみたちも改竄世界史の犠牲者なんだろうな
可哀そうに
元へ戻してはあげれないけれど
せめて血塗られた生に終止符を
挙動と作動音に注意すれば
火炎放射の射線は判る
更に短槍とドゥーの槍の穂先を重ね合わせて突き出せば
迸る雷光が火炎を防ぎ拡散させてくれる
翠の雷光がビリビリ⚡
痺れた?
その機にブズーキを奏でる
旋律と共に膨れ上がる輝きが太陽の如く爆発
ペーターくんや皆の心に希望が輝き続けることを願う
事後に是までの犠牲者やゾルダートくんらの
死出の旅路の安らかを願い演奏
よい旅を
ラシュレイ・ローレン
反射兵器は無事破壊して貰えたようですね。
後は首魁を倒し正義を示すのみ。
「その盾は本来、人々を守る為に考案されたもの。意味も知らず、ただ奪い玩ぶ者に使いこなせる筈もない。
貴公の敗北は必然と知るがいい!」
仲間と連携して立ち向かいます。
再度【英雄王の槍】を召喚。ペーター殿を癒す為に用いた槍の穂先を、此度はその敵へと向けます。
仲間の攻撃に合わせ【戦闘知識】で効果的なタイミングを計り、渾身の力と正義の魂を込めた槍を【投擲】。
【光使い】で閃光と化した槍による【貫通撃】で鋼鉄の巨体を貫きます。
敵の火炎放射は、【エアライド】の効果を活かした【ジャンプ】で跳躍し回避を試みます。
霧宮・悠希
※引き続き、必要なこと以外ほぼ喋りません
配下は壊滅、重要人物の救出と特殊兵装の無効化も成功。
残るは敵指揮官のみ。使えそうな残留効果は全て使う。
【飛翔】そして【エアライド】――『超高速戦闘』!
敵を捉えながらの執拗な旋回機動をとりつつ、「狩人」の機関砲とミサイルランチャーを撃ち込み続ける。
そうしながら大きく飛び上がったり、かと思えば地面すれすれまで降下したり、宙を蹴って切り返したり。
敵に狙いを付けさせないことで攻撃を躱し、かつ苛立ちを誘うなど隙を作らせていく。
そうして敵が消耗してきたら、直上を取ってからの急降下。
勢いのまま、「執行人」で貫いて……
「――ジャイアントキリング、だったかな。こういうの」
ハルトヴィヒ・レーヴェンブルク
(サポート)
奴らを殺ればいいのか?
――分かった。一匹残らず、叩き潰してやる。
逃げられると思うなよ!
*
傷つくことは厭わず、一体でも多くの敵を倒すべく行動
色んな意味で不器用なので搦手の作戦遂行は不得手
合理的かつ明確な指示がある場合は割と素直に従う
*
帝国のサイボーグ化実験によって最愛の兄を奪われ、復讐に燃える少年
自らも改造されかけたが未遂に終わり、殲滅兵器を鹵獲して脱出した過去がある
そのため脳改造されたトループス級には憐憫を寄せることも
寝ても覚めても怒りが消えないため、基本的に笑わず、冗談が通じない
パンツァーハウンドとはドライな関係(のつもりだが時々無意識にモフってる)
迷惑行為、公序良俗に反する行為はNG
●砕け散る巨人
残る敵は、1体きり。
ディアボロスたちの前にいるのは鋼鉄の巨人フェストゥング・リーゼのみ。
その胸についていた鏡のような兵器はすでに砕け散っている。
「反射兵器は無事破壊して貰えたようですね。後は首魁を倒し正義を示すのみ」
ラシュレイ・ローレン(人間の妖精騎士・g04074)が決然と告げる。
「後はお前を倒せば終了っと……わかりやすくていいね」
自分の体の調子を確かめながら、緋塚・ヤスオ(探偵という名のなんでも屋・g01581)もその得物を構える。
「ああ、これで自作自演劇は終わりだ!」
フェイ・ブランディング(黒腕の放浪者・g04748)が戦場を飛ぶ。
アイゼンヴォルフとの戦いで、皆それなりに傷は負っている。だが、そんな傷でディアボロスたちを止めることはできない。
「目障りな奴らめ……我らドイ……いや、憂国無塵党の偉大なる目的の前に立ちふさがったこと、決して許しはせんぞ!!」
巨大な拳を構えて、アヴァタール級のクロノヴェーダが宣言する。
「許さない? ――それは、こっちの台詞だ」
ハルトヴィヒ・レーヴェンブルク(殲滅のカノーネ・g03211)が怒りに冷たく燃える青い瞳で敵を見据える。
彼の言葉にうなづきながら、隣に並ぶのは黒髪の少年。
「人や命が都合の良い玩具にされている。だから俺達復讐者が必要だ」
十六夜・ブルーノ(希望の配達人・g03956)はメーラーデーモンのドゥーを傍らに、フェストゥング・リーゼを囲む仲間たちに加わる。
「行こう、ドゥー。希望を届けよう」
ディアボロスたちを迎え撃つために、フェストゥング・リーゼは両腕の機関砲を構え、胸部に格納した火炎放射器を露出させる。
そして、一瞬の後、空中を駆けた1人の少年が戦いの口火を切った。
「――やってやる」
霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)は、語ることなどないと言わんばかりに、ただその青い瞳でサイボーグを見据えて高速戦闘に入る。
フェストゥング・リーゼは腕部の機関砲を少年へとむけた。旋回しながら攻撃の隙をうかがう悠希の機動を追って、砲弾が建物を穿っていく。
旋回に加え、大きく飛び上がる動きや、地面すれすれまで降下する動き――上下の機動を加えて、悠希は敵を撹乱していく。
移動しながら巨大な火器から放つ機関砲が、敵の機関砲と交差する。
悠希を追って回転しながら敵は攻撃を続けた。
その巨体に、火砲が着弾する。
ハルトヴィヒのアームキャノンだ。パンツァーハウンドのプレッツェルと共に容赦のない射撃を彼は加えていく。
「お前を叩き潰せばいいんだろう……逃げられると思うなよ!」
脳改造されたトループス級の敵が相手なら憐れむこともあるが――今、目の前にいるアヴァタール級に、そんな感情などない。
消えない怒りを胸にハルトヴィヒは攻撃を繰り返す。
「このっ……トーラー・シュピーゲルさえあれば、こんな砲撃など喰らわぬものを!」
怒りに任せた鉄拳が、プレッツェルを吹き飛ばす。
だが、殴り飛ばしたことで、また敵には隙ができた。
「その盾は本来、人々を守る為に考案されたもの。意味も知らず、ただ奪い玩ぶ者に使いこなせる筈もない。貴公の敗北は必然と知るがいい!」
ラシュレイが構えた手に、輝く槍が出現した。
「妖精よ、槍を!」
タイミングをはかって投げたその槍が、フェストゥング・リーゼに突き刺さる。
突き刺さったそこから、炎が噴き出した。
激しい火炎にあぶられてラシュレイが一歩後退する。
代わって割り込んだのは十六夜だ。
敵はさらに火炎放射器で追撃を加えようとしているようだ。だが、挙動と作動音に注意していれば、攻撃の射線は読める。
「ドゥー、俺たちで防ぐんだ!!」
メーラーデーモンとタイミングを合わせて、電磁槍の穂先を炎へと突き出す。
ほとばしる雷光が、炎を弾いた。
ぶつかりあう炎と雷光ごしに、サイボーグの感情なき目が見える。
「きみも元人間なのか? きみたちも改竄世界史の犠牲者なんだろうな」
憐みの目にも、敵は一切の感情を見せない。
「可哀そうに……元へ戻してはあげれないけれど、せめて血塗られた生に終止符を」
翠色の雷光が炎を弾いてフェストゥング・リーゼへと襲いかかる。
「痺れた?」
問いかける少年に、敵は答えなかった。
雷光を浴びながらも、鋼鉄の巨人はディアボロスたちへの攻撃の手を止めない。
答えの代わりは、火炎放射器から放たれるさらなる猛炎だった。
痛烈な反撃をしのぎながら、仲間たちは戦いを続ける。
ヤスオは隙を見てその巨体へと接近した。
フェストゥング・リーゼは高速で動きに反応した。ヤスオへと向き直りながら巨大な鋼の拳を振り上げる。
(「避けきれねえか
……?」)
身をそらして急所を外し、その拳をヤスオは体で受け止める。
「……やったと思ったろ? だが、そうはいかねぇっ!」
殴られた体から血飛沫が舞う――それが、爆発的に広がり、敵の視界をふさぐ。
血を媒介に発動した赤い霧は、一時的にだが対象の方向感覚と視界を失わせるのだ。
「なっ……!」
「視界は奪った! そっちの広いほうへ吹っ飛ばすから、しかけてくれ!」
右腕の、大ぶりな篭手を敵の胴体に叩きつけ、吹き飛ばす。
「ああ、任せてくれよ!」
フェイがヤスオの呼びかけに真っ先に応じた。
攻防の間に、背部のバーニアを噴射して加速している。最大加速で旋回するその体は、赤いエネルギーをまとっている。
「空駆ける鷹の如くッ! ファルコンッ……アロオオオオオオオオッ!!」
鷹を姿をしたエネルギーとともにフェイはフェストゥング・リーゼの隣をすり抜ける――その瞬間に、戦闘用の義手を拳に固めて叩き込む。
衝撃が巨体を揺らがせる。
バーニアを噴射しながらさらにフェイは加速。
「こいつも持っていけッ!」
同時に、義手に仕込んだ鉄杭が、爆発的な勢いで敵を貫いた。
吹き飛ばした敵の体が近くにあった建物を激突する。反動を利用して、フェイは素早く敵から離脱した。
倒れたままの敵が両腕の機関砲で反撃してくるが、それは少年の体をかすめただけだ。
立ち上がるまでの間に、ディアボロスたちの攻撃が鋼の巨人を幾度も貫く。最後にミサイルが着弾し、大爆発を起こした。
その爆煙の中から、敵はゆっくりと立ち上がった。
硬い装甲を誇る敵だったが、猛攻を受けてすでにボロボロだ。
もっとも、敵の動きに陰りが見られないのは、さすがにアヴァタール級と言うべきか。
赤い霧が広がる中でも、両腕の機関砲と火炎放射がディアボロスたちを襲う。封じられた視界を弾数で補っているのだ。それが少しずつ味方の体力を削り取っていく。
砲火の激しい音が広がる中で――静かな声が、響いた。
「失せろ。目障りだ」
ハルトヴィヒのアームキャノンがフェストゥング・リーゼに着弾する。
反動により受けた傷から血が吹き出す。
それを気にする様子もなく、彼はただひたすらに、撃ち続ける。
復讐の炎を燃料として撃ち続けるハルトヴィヒの攻撃で、巨人が動きを止めた。
戦場が静まった。
だから、皆が気付いた。戦場にブズーキの音色が流れている。
「冬から春へ。さあ、世界に再び温かさと光を取り戻そう」
十六夜が奏でるその旋律が、太陽のごとく爆発する。
(「この光が、ペーターくんやみんなの心に希望として輝いてくれるといいな」)
彼らは隠れ場所から、この戦いを見ていてくれるのだろうか。
わからないが、少なくともクロノヴェーダにとってその輝きが不吉なものであるのは間違いなかった。
「く……このフェストゥング・リーゼをこれほどに圧倒するとは……!」
「それが貴公の悪行の報いと知れ!」
輝きの中を、さらにまばゆい輝きが一閃する。
ラシュレイの放つ光の槍が、鋼の装甲を貫通する。
槍が近くの建物に、敵を縫い付けた。
「報いかどうかは知らねぇがな。誰かを不幸にするつもりなら見過ごせねぇのさ」
「ぶっ壊してやる!」
ヤスオの篭手と、フェイのパイルバンカーが左右からフェストゥング・リーゼを襲う。
殴り飛ばしたその衝撃で、鉄杭が深々と突き刺さった。
「――がぁぁぁぁ!」
意味の取れない叫びを発しながら、巨人がその拳を振り回してディアボロスたちをどうにか振り払う。
もはや自分の周囲にしか注意を払えていない敵は、真上にいる小さな影に気づかない。
高速機動から直上をとった悠希が、武器を両手剣に持ち替えて急降下。
年代物のツヴァイハンダー『執行人』は、傷ついたフェストゥング・リーゼの髑髏にも似た頭部から胴体まで貫く。
「――ジャイアントキリング、だったかな。こういうの」
刃を引き抜いて勇気が離脱すると、機械の巨人はゆっくりと倒れ、爆発した。
最後の敵が倒れ、アウクスブルクの町は静けさを取り戻す。
十六夜の奏でるアイリッシュブズーキの音色が流れる。
(「死出の旅路が安らかでありますように……」)
街の住民の犠牲者は防いだはずだが、十六夜は機械化ドイツ帝国に改造され利用されたゾルダートたちの冥福を祈って、彼は演奏を続ける。
「よい旅を」
願いを込めた調べは、死者たちはもちろん、襲撃を受けた人々の心も癒しただろう。
ディアボロスたちの活躍により、アウクスブルクの町は守られた。
機械化ドイツ帝国の陰謀は失敗に終わり、街は再び静けさを取り戻した――。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【勝利の凱歌】がLV3になった!
【活性治癒】がLV2になった!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!