目覚めの息吹(作者 小鳥遊彩羽
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#断頭革命グランダルメ  #オーストリア淫魔掃討戦  #オーストリア  #淫魔 

「……ねえ、マルメゾン様からの連絡はまだないの?」
 オーストリアの都市のひとつ、リンツを支配するアヴァタール級クロノヴェーダ、フレグ・ラストは、彼女にしては珍しくといったところだろうか、焦燥をあらわにしているようだった。
 大淫魔都市ウィーンの、淫魔大樹の崩壊。
 それに伴い、大樹に蓄えられていた大量のエネルギーを回収するために、ジェネラル級の淫魔たちがウィーンへと向かった――のだが、その後の音沙汰が全くないのである。
 ――ディアボロスたちの活躍により、四体のジェネラル級淫魔はすべて倒されてしまった。
 そのことをまだ知らぬフレグ・ラストは、途方に暮れるばかりであった。
「作戦のために派遣したトループス級は、いつ戻ってくるの? ただでさえ戦力が減っているのに、この街にも敵が来たらどうすればいいのかしら……」
 そう、フレグ・ラストはまだ知らない。
 大淫魔都市ウィーンの崩壊の先、ディアボロスによるオーストリアの淫魔掃討戦が幕を開けようとしていることに。

●目覚めの息吹
「大淫魔都市ウィーンでの戦いは、四体のジェネラル級淫魔を撃破という大戦果を上げられたね」
 これにより、淫魔勢力を壊滅させることに成功した――新宿駅グランドターミナルの一角で復讐者たちを出迎えたアレッサンドロ・カリオストロ(人間の錬金術師・g08632)は、そう前置きをしてから今回の依頼の説明に移った。
「指揮系統を失ったことで、オーストリアの淫魔たちは大きく混乱した状態にある。こちらとしては、この大勝利の戦果を活用しない手はない――そうだろう? というわけで、向こうが態勢を立て直す前に、オーストリアの主要都市を支配するアヴァタール級の淫魔たちの掃討作戦を行うことになったよ」
 オーストリアを支配する淫魔を一掃すれば、ウィーンを中心としたオーストリア地域の安全を確保することが出来るだろう。

「君たちに向かってもらうのは、オーストリアの北西部。現代ではオーバーエスターライヒ州の州都であるリンツだ。作戦の内容は、とてもシンプルなものだよ」
 まずは淫魔大樹の崩壊と、それに続くジェネラル級の壊滅によって混乱している淫魔の撃破をしてほしいとカリオストロは続ける。
 アヴァタール級の拠点は、街に多くある教会のひとつ。
 普段は厳重な警備が敷かれているが、今は都市全体が混乱状態にあるおかげで、侵入も容易く出来るようだ。
 拠点に踏み込み、混乱しているトループス級を一掃、そして都市の支配者であるアヴァタール級を撃破する。
 その後は、支配者のいなくなった都市住民たちに向けて、演説を行うことになる。
「何せ淫魔が支配していた都市だからね。住民たちはみな堕落して退廃的な生活を送っているから、彼らの目を覚まさせてやらなければならない。……彼らが、真面目に働いて暮らしていけるようにね」
 支配者である淫魔がもういないことや、オーストリアがフランスから独立したことなどを織り交ぜながら、住民たちの目を覚まさせる必要があるだろう。
 オーストリアの住民は、淫魔に好印象を持っている者も多い。そのため、淫魔を過剰に否定することはせず、彼らが今の生活より興味を持てるような、健全な何かを見つけられるよう導いていくのが良いかもしれないね、とカリオストロは言った。
「例えば、僕ならば錬金術の素晴らしさを皆に説いて興味を持ってもらう、とかね。君たちにもそれぞれ、好きなことや得意なものはあるだろう? あとは、素晴らしいパフォーマンスを披露して、住民たちの心を掴んでしまうという方法もある。勿論、叱咤激励という意味で呼びかけるのも悪くはないし、幸いにも時を同じくして、攻略旅団の方針によってウィーンの再建も始まっているから、もしやる気がある住民がいるようなら、ウィーンへの移住や出稼ぎを推奨するのも良い。ウィーンが生まれ変わって素晴らしい都市になったから、皆で移住しよう! ――とね」

 撃破はほぼ不可能だと予測されていた、ジェネラル級淫魔。それを四体全て撃破という大戦果が齎した、今回の作戦。
 この勝利の成果を活かし、オーストリアの各都市を解放していくことで――ゆくゆくは、オーストリア全土の奪還も可能となるだろう。
「自動人形にとって、淫魔大樹を失ったウィーン地域の重要度は高くない。だからこの作戦が成功すれば、オーストリアは獣神王朝エジプトのオアシス都市のように、クロノヴェーダの支配の及ばない地域となるだろうね。大陸軍が奪還の為に再侵攻してくる可能性は低いから、当面の安全が確保されると考えても問題はなさそうだよ」
 そのためにも、まずは都市を支配するクロノヴェーダを倒し、淫魔の支配下ですっかり堕落させられてしまった人々の心を、取り戻さなければならない。
 よろしく頼むよ、と笑顔で締めくくり、カリオストロは復讐者たちをパラドクストレインへいざなった。

●堕落した市民たち
 噎せ返るような香りが、辺り一帯に満ちていた。
 それは香りを自在に操るこの都市の支配者、フレグ・ラストが振りまいたもの。
 この香りによって人々はあらゆる心を淫魔たちに奪われ、怠惰で退廃的な暮らしを何の疑いもなく受け入れ、続けていた。
「ウィーンの淫魔大樹が滅ばされた? なにそれ~」
 淫魔たちに支配されているこの状況に浸りきっている彼らには、世界情勢なども、どうでもよいもので――。
「ねえねえ、それより……」
 明日のことさえ考える必要のない刹那的な今を、ただ生きて過ごすのみだった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
4
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
2
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【平穏結界】
2
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
3
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【液体錬成】
2
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV5 / 【ガードアップ】LV3 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

小鳥遊彩羽
 ご覧くださいましてありがとうございます、小鳥遊彩羽です。
 今回のシナリオは、『断頭革命グランダルメ』よりお届けします。

 シナリオの流れは②→③→①となります。
 まず都市を支配しているクロノヴェーダを倒し、それから人々へ演説を行います。
 なお、各選択肢とも、成功に必要な人数(+若干名)での進行となりますので、ご了承の上でのご参加をお願いします。

 以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


夜乃・零
アドリブ連携歓迎


一度関わると
どうしても気になるんだ
街も、人も、その行く末も
俺の時代は──

だから、守るよ

必要ならば空から状況を把握して
どこにも被害が出ないよう助けに入る
敵の見た目は可愛いと思うけど
悪いな、俺は落ちねえよ

胸を押し付けられても動じない
近付いてくる顔を、そっと手で塞いで
そんな簡単に唇向けたら駄目だろう
キスっつーのは本当に好きな奴とするモンだ
なんて、淫魔には響いたりしねえのか
残念だ、と足を引っ掛けて距離を取って
空中に舞い上がれば、そのまま急襲

油断も遠慮もしない
今、守るべきものを見誤らない
さあ、この勢いで一掃しようか!
待ってろよ、フレグ・ラスト!


一蝶・信志
「魔法少女シンディ」として登場します


無差別に大量虐殺する自動人形よりは
ヒトを家畜にしてしまう淫魔ちゃんたちの方がまだマシに見える
――のだけど
それも表面的なハナシでしかないわね

快楽の強要は魂への暴力だもの

自分の欲だけを満たそうとするようになってしまえば、
ガスでいっぱいの洞窟みたいなもの
いつでも引火させられるわ


シスターの恰好でエッチなパフォーマンスをするのって…、
あるある、わかる~💝💕
ワタシが昔働いてたお店でも、人気の出し物だったわよ
人間ごときにも思いつく手法なんて、安易オブ安易
もう陳腐以外の何物でもないわ、やりなおし!
ほら、今度はワタシをご覧なさい
この世の常識を超えた美しさをね!


アンダルシア・ノォヴェント
連携、アドリブ歓迎

これが淫魔?
確か、魔女も同等とする風習のある地域もあったはずですが・・・?
これはむしろ魔女とは対局に位置するような姿形をしておりますよ?
ふむ、どういった環境と風習における淫魔の姿なのか、興味深いですね?

ともあれ、そのような歌では・・・少し、ね?
堕落に邪悪、幽世にはお似合いでしょうか?
私は魔女ですので、その類の邪念、怠惰には慣れておりますし、本来魔女とはそちら側なのかも、ね?

さてさて、歌には合いの手を入れましょうか?
ほうら・・・ぼん、ぼぼん、小さな花火で合いの手を、大きな悲鳴でコーラスを、淫靡な聖歌は魔女の手で指揮を取りましょう?
ふふ、もっともっと良い声を聞かせなさいな?


 オーストリア第三の都市リンツ、その一角。現代では旧大聖堂と呼ばれる、バロック様式の建築が美しい――聖イグナティウス教会。
 この地を支配する淫魔たちの拠点となっているその場所へ、ディアボロスたちは正面から足を踏み入れる。
「――悪いコたちがいるのはここかしら~? この“魔法少女シンディ”がたあっぷり、お仕置きしちゃうわよ~」
 リボンとフリルをふんだんにあしらった、白いワンピースタイプのドレスを纏って。
 そう高らかに声を上げたのは、“魔法少女シンディ”――こと一蝶・信志(シンディ・g04443)である。
「な、何ですか、あなたたちは……!」
 修道女たちの間には、明らかに動揺が走っていた。
 ――感情もなく、ただ淡々と。
 無差別に大量に殺すだけの自動人形よりは、ヒトを家畜にしながらも生かし続けている淫魔たちのほうが、まだマシなように信志の目には見えていた。
「……でも、それも表面的なハナシでしかないわね。だって、快楽の強要は魂への暴力だもの」
 だって、と信志は目を細めて続ける。
「自分の欲だけを満たそうとするようになってしまえば、ガスでいっぱいの洞窟みたいなもの。……いつでも引火させられるわ」
「魔法少女? 魔女とはまた違うものなのですか?」
 魔法少女シンディの名乗りに対しては、アンダルシア・ノォヴェント(アンダルシアの魔女・g05231)の純粋な興味と素朴な疑問もあったりしたが、それはさておき。
 修道女たちへと向き直ったアンダルシアは、淫魔である彼女たちを見て首を傾げる。
「淫魔といえば、確か、魔女も同等とする風習のある地域もあったはずですが……?」
 目の前の女たちは、小悪魔風の角や翼、尻尾こそ生えてはいるものの、質素な修道服に身を包んでいて。
 アンダルシアにしてみれば、言わば、魔女とは対局に位置するような姿形と言っても過言ではなかった。
「……ふむ、どういった環境と風習における淫魔の姿なのか、興味深いですね?」
「こういう時はあれだろ、『たのも~』って言うんだろ?」
 道場破りよろしく堂々たる足取りで踏み込みながら、夜乃・零(常闇・g04477)はにやりと口の端を吊り上げる。
 大淫魔都市ウィーンの最期、そして崩壊した淫魔大樹のエネルギーを回収するために現れた四体のジェネラルのひとり、薔薇の貴婦人マルメゾンとの戦いは、零の記憶に新しい。
 そして、零は。一度関わってしまったからには、どうしても――その行く末が気になってしまう性分でもあった。
 淫魔の支配下にあったこの国が、これからどのように姿を変えてゆくのか。あるいは、その先――奪われた歴史そのものを、最終人類史に取り戻すまで。
(「俺の時代は――、……」)
 胸裡に灯る想いはあれど、今ばかりは蓋をして。
(「……だから、守るよ」)
 ただでさえ戦力が少なくなっている中での敵襲に、修道女たちは慌てふためくばかりであった。
「あなたたちは……ディアボロスですか!? どういうことなの……!」
「早くフレグ・ラスト様にお伝えして!」
「――させねえよ」
 すかさず黒い翼を広げて舞い上がった零が、空中から狙いを定め――。
 まるで鮮やかな火球が墜ちるような急降下と共に、赫焉の刃で修道女のひとりを、さながら戦いの火蓋を落とすように叩き斬る。
 同時に、信志とアンダルシアも動き出していた。
「シスターの恰好でエッチなパフォーマンスをするのって……、あるある、わかる~」
 語尾にハートマークをつけながら、うんうんと頷く信志。
「ワタシが昔働いてたお店でも、人気の出し物だったわよ。――つまり、人間ごときにも思いつく手法なんて、安易オブ安易。もう陳腐以外の何物でもないわ、やりなおし!」
 びしっと指を突きつけて、信志は魔法少女としての決めポーズ――常識を超越した美しさを、修道女たちへ見せつける。
「……ほら、今度はワタシをご覧なさい。――この世のあらゆる常識を超えた美しさをね!」
 煌めくハートのエフェクトが視えた者も、いたかもしれない。
 修道女たちは信志の美しさに心を奪われその場で動きを止めるが、すぐに反撃の聖歌が響き渡った。
 聞く者の精神を誘惑し、侵食するというその歌は、けれど信志の心には何も響かない。
 そして、それはアンダルシアにとっても同様であった。
「歌声は綺麗なのでしょうけれど、そのような歌では……少し、ね?」
 薄っすらと口元を笑みの形に変えて、囁くように紡ぐアンダルシア。
 淫魔の身に堕ちたとはいえ、元は修道女であったのだ。ゆえに彼女たちのコーラスはどちらかと言えば心地良さすら感じられるくらいには澄んでいたけれど、無論、クロノヴェーダの歌声などに心を委ねるつもりは毛頭ない。
「堕落に邪悪、幽世にはお似合いでしょうか? 私は魔女ですので、その類の邪念、怠惰には慣れておりますし、本来魔女とはそちら側なのかも、ね? さてさて……」
 歌うように紡いだアンダルシアは、魔術で拳大の炎を編み上げると、それを修道女たちへ放った。
「歌には合いの手を入れましょうか? ほうら……」
 ぼん、ぼぼん、くるり、くるくる、子犬のように回った炎が何度も爆ぜて、修道女たちを燃やしていく。
「きゃあっ……!」
 小さな花火で合いの手を、そして、大きな悲鳴のコーラスを。
 淫靡な聖歌は魔女の手で指揮を取り、そうすればやがて――余韻と共に何もかもが消えていくだろう。
「ふふ、もっともっと良い声を聞かせなさいな?」
 翻弄されるばかりの修道女たちに、アンダルシアは楽しげに微笑んだ。

 ――共にパラドクストレインで乗り付けた同胞たちもそれぞれに動き出し、瞬く間に混戦状態となった教会内部。
 修道女たちが全て倒されるのも時間の問題だろう。だが、追い詰められても抵抗を止めることはなく、その中の一人が零へと駆け寄ってくる。
「……ん?」
 胸を押し付けるように抱き締めてくる修道女に、全く動じることなく零は告げた。
「悪いな、俺は落ちねえよ。……そんな簡単に唇向けたら駄目だろう」
 近づいてくる顔をそっと手で塞ぎながら、小さく息を吐き出して。
「っ、どうして……!」
「キスっつーのは本当に好きな奴とするモンだ。……なんて、淫魔には響いたりしねえのか」
 ――残念だ、とそのまま足を引っ掛けて距離を取り、零は再び空間を超えて火球の如き急襲を掛ける。
 その先に待つ、未来が視えているからこそ。今、守るべきものを見誤ったりは決してしない。
 赫焉を豪快に振り抜きながら、零は声を張り上げた。
「さあ、この勢いで一掃しようか! ――待ってろよ、フレグ・ラスト!」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

ウィリディス・ファラエナ
…厭な臭いだな。欲に浸って堕落し、人形をした肉の塊に成り果てた臭い。反吐が出る
だが、それをもたらした者がいるならまだ望みはあるだろう。微かにだがな
充満する欲の臭いは俺の毒で塗り潰してやろう。あらゆる穢れを溜め込んだ俺の中から垂れ流される毒にな
物陰から毒針を吹き飛ばして敵襲に反応した奴ではなく反応が遅れた奴をパラドクスで暗殺する
残像で所在を掴ませないように暗殺と移動を続けて全身の毒を動き回りながら吹き飛ばす
俺の毒にいつまで耐えられるかな?


「……厭な臭いだな。反吐が出る」
 ウィリディス・ファラエナ(毒虫・g08713)はそう吐き捨てながら、影へとその身を忍ばせる。
 欲に浸って堕落し、ただひとの形をしているだけの、肉の塊に成り果てた臭い。
 だが、それが人々の心から生まれたものではなく、クロノヴェーダによって齎されたものであるならば、まだ救いも望みもあるだろう。
 全ては、歴史を改竄した忌まわしき存在を討ち払ってからだ。
「充満する欲の臭いは俺の毒で塗り潰してやろう」
 忍びの修練の果てに身体中を侵したあらゆる穢れ、それによって生じた毒に満たされた器。
 それすらも戦う力に変えながら、ウィリディスはただ、敵を屠るのみだ。
 物陰から吹き飛ばした毒針に、修道女の一人が振り向く。
 次の瞬間、ウィリディスは反応した修道女でなくその隣にいた別の修道女の背後に回り込み、毒を塗り込めた鉤爪でその喉元を掻き切っていた。
「主よ――」
 最初に毒針を受けた修道女が穢れた祈りを捧げる――その時には既に、ウィリディスの気配は残像を残して消えていた。
 締め付けるような感覚を覚えたのは一瞬、同じように繰り出した毒爪で抉るように命を刈り取れば、瞬く間に仲間を倒された他の修道女たちも動き出す。
 けれど、彼女たちが捉えたのはやはり、ウィリディスの残像に過ぎず。
「俺の毒にいつまで耐えられるかな?」
 修道女たちは最後までその気配を捉えきれぬまま、次々に斃されていった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

来栖・禊
修道女の服を着た、女性型の淫魔
そのどれもが美しい

それなのに、何て、可哀想なんだろう
これから僕が楽しむための玩具になるんだから
ガスマスクの下を、愉悦に歪める

お喋りすると見せ掛けて、不意打ちで殴ろう
縛って、踏みにじり、斬り裂いて、飽きたらぽいで、はい、おしまい
抵抗すれば、それ以上の痛みを与えよう
できるだけ長く、壊れないように頑張って

逃げれば、おもちがその身を捕らえる
僕達の連携は、とっても息が合ってるでしょ?
頼りになる、とっても可愛い相棒なんだ

「さぁ──次は、何をして遊ぼうか?」

優しい声で囁く
僕は初心者だから、加減を間違えちゃうかもしれないけど、許してね
──あーあ……これはもう、聞こえてないかな


 修道女の服を着た、女性型の淫魔たち。
 そのどれもが美しい――そう、来栖・禊(error・g01033)は思ってはいる、けれど。
「……それなのに、何て、可哀想なんだろうね」
 ねえ、おもち、と傍らに寄り添うふわふわの白いスフィンクスに呼びかければ、甘えるような愛らしい鳴き声が返る。
 その身を、心を堕としきった――美しい修道女たち。
 彼女たちが“可哀想”なのは、ただクロノヴェーダになってしまったから、ではない。
「――これから、僕が楽しむための玩具になるんだから」
 ガスマスクで隠した素顔を愉悦に歪めながら、禊は一歩踏み出して。
 同時に、おもちがふわりと広げた翼から、幻惑の光を放った。

 ――縛って、踏みにじり、斬り裂いて。
 飽きたらぽいで、――はい、おしまい。
 禊はそうしてひとりずつ、文字通りの玩具にして、“壊して”いく。
 紡がれる邪悪で淫靡な聖歌も、禊にとっては、ただもっと壊したいという衝動を与えるのみで。
「できるだけ長く、壊れないように頑張って」
 そう、優しく告げる声に満ちる狂気に、修道女たちが気づいた時には――全てが、遅かった。
 おもちが放つ柔らかな光に惑わされ、抵抗する力すら失った修道女へ、禊は静かに歩み寄る。
「可愛いでしょ? おもちは、とっても頼りになる相棒なんだ」
「あ……いや……」
 己の身に迫る“終わり”を悟った修道女が零すか細い声も、ただただ禊にとっては愉悦の対象でしかなく。
「僕は初心者だから、加減を間違えちゃうかもしれないけど、許してね」
 優しい声で囁きながら、禊はガスマスクの下でで微笑み――深々と、心臓にナイフを突き立てる。
「――あーあ……これはもう、聞こえてないかな」
 声すら上げられぬままに崩れ落ちた修道女には目もくれず、禊はゆらりとまだ残る女たちへ向き直った。
「さぁ――次は、何をして遊ぼうか?」
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

明日河・理
アドリブ歓迎

_

…女性、というだけでもやり辛いのに
ましてや修道女の格好をしているなら尚更だった

俺は異邦のとある村の孤児で
物心ついたときには既に村を治めるの貴族の使用人で
その土地に根付いていた宗教ではこの黒髪は『悪魔の色』だった
それ故に酷く虐げられたけれど、その屋敷の旦那様は陰で俺に様々なことを教えてくれた
その中の一つ、「女性を護る騎士であれ」と
…沢山教えてくれた旦那様のいる故郷は、軍に侵攻されてもう無い

その後辿り着いた他国の孤児院は違う神を信仰する土地
世話してくれる大人は敬虔なシスター達だった
だからやりにくい
然し己の使命を今一度見定め覚悟を決める
一瞬の好機も逃さず
せめて痛みなく送れるように


 目の前で慌てふためく、修道女たち。
 右往左往するその姿に、明日河・理(月影・g06522)は言葉にし難いやり辛さを感じていた。
 ただでさえ、女性であるというだけでもそうだというのに、修道服を着ているのであれば尚更のこと。
 孤児院で育った理にとっては、修道女という存在は――親のようなものだったから。

 思い返すのは、異邦の地にあった、とある村。
 物心ついた時には、既に村を治める貴族の使用人だった。
(「……その土地に根付いていた宗教では、この黒髪は“悪魔の色”だった」)
 それゆえに酷く虐げられた過去を持つ理であったが、屋敷の主である貴族は――陰では、理に様々なことを教えてくれた。
 文字の読み書きや、生きていくための知恵、知識。そして、ひととしての在り方。
 ――“女性を護る騎士であれ”と。
 そう語ったかの人の穏やかで確かな強さを秘めた眼差しは、今でも覚えている。
(「旦那様……」)
 だが――。
 たくさんのものを理に与えてくれた彼のいる故郷は、既にない。

 それから、流れ流れて辿り着いたのは、別の国。
 違う神を信仰する土地にあった孤児院が、理にとっての二番目の家となった。
 そして、理や他の子供らの世話をしてくれた大人たちは皆、敬虔なシスターであった。
 だから余計に、“やりにくい”と理は思う。
 けれど――。

 歴史を、この地を、――世界を、取り戻すこと。
 それが、今の己に与えられた使命であり、生きる意味だから。
 理は復讐者としての己を今一度見定め、覚悟を決める。
 たとえどのような姿をしていても、彼女たちが歴史を奪った存在であることに、変わりはないのだから。
 紡がれる歌声も何もかも、理の心には響くことはなく。
 闇色纏う一振りを手に、理はただ駆け抜ける。
 過去の縁を断ち切るために、一瞬の好機も逃さず、――せめて、痛みなく彼女たちがかつて信じた神の御許へ送れるようにと、静かに祈りながら。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

リンツの地……ドナウの流れを間近に感じるようだ
早々に淫魔を追い出そう

ようやく、オーストリアの解放に手が届く……
またとない好機だ。ここで攻めきろう
この戦線に勝利を

仲間と連携を取り
周囲を偵察、観察しつつ
タイミングを合わせて、侵入と共に速攻を仕掛ける

チェロを構えて演奏
奏でるは、目覚めのオーヴァーチュア
解放の序曲、この地に響き渡れ
邪悪な聖歌に抗し、打ち克つように
幻影の英雄が戦うだろう
さあ、ダンスの時間だ。武器を交わし踊れ
指揮乱れた敵を快哉の響きで押し切ろう
味方と狙い合わせ着実に撃破

反撃には魔力障壁とサイキックオーラ重ねて展開し軽減
己の音色に集中し耳を貸さず
音楽と、解放への情熱で耐えよう


レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。

こうしてみると
本当にグランダルメの支配領域は大きかったのですね。
ドイツも驚きでしたが、ここはそれ以上かも…。

でも、少しずつではありますがこうして開放が出来つつあります。
仲間の故郷の為にも、まずはここ、リンツの街の淫魔を一掃しましょう。

淫魔達に迎撃態勢を取らせる前に、速攻で決めましょう。
仲間とタイミングを合わせて教会内に入り、
掌に蒼き光を灯し、機械魔導弓『ACRO』に番えてパラドクスを発動。
的確に敵を射ぬきます。

淫らな祈り、そんな物がボクの心を汚すなんて許さない。
人の心よ清浄であれ、陰鬱な祈りはここに遮断する。
『アルヴァーレ』を発動し敵の攻撃を遮断します。


「本当にグランダルメの支配領域は大きかったのですね。ドイツも驚きでしたが、ここはそれ以上かも……」
 断頭革命グランダルメ。情報として伝わっているだけでも、かなりの広さを持っていることを、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は改めて実感するばかりであった。
 未だ奪還できた地域はなく、全てを奪い返すにはまだ遠い。
 しかし、ディアボロスたちが続けてきた戦いにより、奪還への動きは、少しずつではあるものの着実に前へ、先へと進んでいた。
 そのひとつが、この大淫魔都市ウィーンの解放から繋がった、オーストリアの主要都市における淫魔の掃討戦である。
「リンツの地……ドナウの流れを間近に感じるようだ」
 込み上げてくる懐かしさに感慨を籠めて、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は呟く。
 歴史の全てを奪われるという絶望的な状況から、ようやく手が届く所まで来た、オーストリアの解放。
 それはオーストリア帝国とハンガリー王国からなる二重帝国の出身であるエトヴァにとって、どれほど待ち焦がれたかわからない時でもあった。
「またとない好機だ。早々に淫魔を追い出し、ここで攻めきろう」
 銀の煌めきを秘めた蒼穹の双眸に秘められているのは、淫魔たちへの揺るがぬ激情と、故郷への想い。
 エトヴァが紡いだ言葉に、レイもしっかりと頷いて答える。
「ええ、エトヴァさんたちの故郷の為にも、まずはここ、リンツの街の淫魔を一掃しましょう」
「ありがとう、レイさん。――この戦線に、勝利を」
 そうして二人は一息に教会内部へ踏み込み、レイは、修道女たちが迎撃体制を整えるより速く攻撃に移った。
「君は逃げられない、ボクが狙ったんだ、必ず当たるよ」
 サイバーゴーグル『Boeotia』による戦場解析を瞬時に終えたレイは、掌に灯した魔力の蒼き光を機械魔導弓『ACRO』に番え、一本の矢として放つ。
 それは敵がどこにいても追尾し、正確に貫く一矢。
「きゃあっ……!」
 寸分の狂いもなく心臓を穿たれた修道女が悲鳴を上げながら崩れ落ちると同時にエトヴァも愛用のチェロを構え、目覚めのオーヴァーチュアを紡ぎ出す。
「――解放の序曲、この地に響き渡れ」
 それは、修道女たちが歌う邪悪な聖歌に抗い、そして打ち克つための勇猛なる旋律。
 エトヴァの演奏によって創造された幻影の英雄たる騎士たちが、淫魔の身に堕ちた者たちを裁かんと剣を手に駆けていく。
「さあ、ダンスの時間だ。武器を交わし踊れ」
 一糸乱れぬ騎士たちの動きに、元より混乱のさなかにあった修道女たちは為す術もなくただ翻弄されるだけ。
 だが――。
「ああ、主よ……」
 堕ちた修道女たちが最後の抵抗とばかりに祈りを捧げ、あるいは聖歌を歌い出した。
 祈りも聖歌も、捧げられる相手は無論、正しき神ではない。
 その背徳の祈りに全身が締め付けられるような物理的な力が襲い来るのを感じながらも、レイは瞬時に幾何学模様の光の防御壁を展開させて精神を蝕もうとする衝動に耐え、翠玉の瞳で真っ直ぐに敵を見据える。
「こんなもので、ボクの心は穢されたりはしない。……人の心よ清浄であれ、陰鬱な祈りはここに遮断する」
 刹那、再びレイが放った蒼き光芒が修道女を射抜き、エトヴァが奏でる快哉の旋律が、修道女たちの悪しき聖歌を掻き消してゆく。
 エトヴァは尚も己の音色に集中し、重ねられる悪しき歌声には決して耳を貸すことはなく。
 心を塗り替えようとする悍ましき衝動も裡にある音楽と解放への情熱で耐え抜きながら、最後の一人が倒れるまで演奏を止めることはなかった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!

「これは……どういうことなの……!?」
 逆説連鎖戦の、刹那の攻防の果て。
 ようやく騒ぎに気づいたらしいアヴァタール級クロノヴェーダ――フレグ・ラストが姿を見せた時には、全てが終わっていた。
 床に倒れて動かぬ修道女たち。
 そして、その傍らに佇む、侵入者たち。
 その正体に、フレグ・ラストはすぐに思い至る。
「あなたたち、ディアボロスね……! ああ、何ということかしら!」
 戦力が減っている中での、敵襲。恐れていた事態が現実となり、嘆きの声を上げるフレグ・ラストは、同時に、この場にはもう己しか残っていないのだと悟ったようだった。
 だが、都市の支配者として、退くつもりも勿論ないのだろう。
「このリンツの地は渡さないわ。市民たちと同じように、あなたたちも私の香りで……虜にしてあげる!」
 次の瞬間、噎せ返るような甘く濃厚な香りが、瞬く間に場を満たしていった。
 
明日河・理
アドリブ歓迎

_

…香りに囚われているのは、何方だろうな?

彼女に対して抱く憎悪は無い
…勿論俺にだって取り戻さなくてはならない歴史はある
かつての孤児院の弟妹達の歴史を、存在を、未来を
俺はあの子達の『兄』だから
ただ復讐者として正面から向き合うだけ

…けど、クロノヴェーダと相対する度に思う
俺が大切な人たちの歴史と過去を取り戻し
彼らが憂なく未来を歩める様にと剣を握る一方で
クロノヴェーダだって守りたいものがあるんじゃないかと
交わらない正義
…戦場で相見えるって、きっとそういうことだ
奮う刃と意志に曇りはない
けど
己の掲げる『正義』と責任の重さを考えさせられる
この刀の重さを


「……香りに囚われているのは、何方だろうな?」
 闇色纏う刃を手に、明日河・理(月影・g06522)は静かにそう零し、深い菫色の瞳を僅かに伏せた。
 理がディアボロスとして戦うのは、歴史を取り戻すため。
 かつての孤児院で共に育った、大切な弟妹たち。
 彼らの歴史を、存在を、――そして、未来を取り戻す。
 そのために、理は復讐者として目覚めたあの日、戦うために剣を取ったのだ。
(「……俺は、あの子たちの“兄”だから」)
 だが、クロノヴェーダと相対する度に、理の胸に浮かぶ思いがあった。
 大切な人たちの歴史と過去を取り戻し、彼らが憂いなく未来を歩めるように。
 ただその一心で剣を握る一方で、クロノヴェーダにも守りたいものがあるのではないだろうか――と。
 けれど、それは歴史の改竄を赦して良い理由にはなり得ず、クロノヴェーダとディアボロス――両者の正義は、決して交わることはない。
 だからこそ、互いの正義のために――こうして戦い続けているのだ。
 ――そう。
 目の前に居るのは、正しき歴史を取り戻すために、倒さなければならぬ存在。
 けれど、こうしてクロノヴェーダと相見える度に、己の掲げる“正義”と、責任の重さを――握り締めた一振りの重さを、理は改めて思い知らされる。
 それでも、迷いはしない。
 立ち止まることもない。
 ひとつずつ世界を、誰かの未来を取り戻し、そうしていつか、理自身が願う歴史を、未来を、この手で取り戻すために。
「俺があげられるのなんて、これくらいしかないけど」
 それでも、せめて。
 穏やかな夢に抱かれたまま、眠れるように。
 ――奮う刃と意志に曇りはなく。
 空間を超えて放つは、痛みなき斬撃。
 理は心を惑わず香りごと、歴史侵略者たる縁のみを断ち切る一閃を放った。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

来栖・禊
君に、お願いしたいことがあるんだ
今度はもう少し長く、遊ばせて?

君には何が効くんだろう
たくさん観察して、たくさん調べよう
形状を変えられる僕の武器は、実験の道具にぴったりだ

誰かを依存させるより、一緒に遊ぶ方が面白い
夢中になって、壊しちゃうのはご愛敬

邪魔するものは、片付けて
僕は愉しくて、皆も助かる──ほら、一石二鳥だ!

香りは、火薬の匂いで上書きできないかな
幻影と連携して、敵の動きを牽制する
技が使えないように、邪魔しちゃうのが理想だけど
失敗を怖れず、挑戦することが大切だって──あれ、誰が言った台詞だったかな?

……まぁ、いっか!
周りもいっぱい巻き込んで、無邪気に笑う
もっと、もっと、君の叫びをちょうだい?


 ふわりと、甘えるように身を寄せてくるスフィンクスのおもちを優しく撫でて。
 それから、来栖・禊(error・g01033)は目の前に現れたアヴァタール級――フレグ・ラストへと向き直る。
「君に、お願いしたいことがあるんだ」
「何を……?」
 フレグ・ラストの目にも、確りと映っているだろう――禊の足元に転がる、事切れた修道女たち。
 それをちらりとガスマスク越しに示し、禊は甘さを帯びた声で囁くように告げた。
「――今度はもう少し長く、遊ばせて?」

 いつになく心が昂ぶるのは、この場に満ちる香りのせいだろうか。
 なんて、ふと裡に浮かぶ疑問も、今の禊にとってはどうでもいいことだった。
「君には何が効くんだろう」
 たくさん観察して、たくさん調べて。
 全部試してあげようねと、ガスマスクの仮面の下で、禊は笑う。
「誰かを依存させるより、一緒に遊ぶ方が面白いと思うけれど」
 けれど夢中になって、壊してしまうのは――ご愛敬。
 それでも禊としては、出来るだけ長く遊びたいといつだって思っているのだ。
 失敗を怖れず、挑戦することが大切だって――。
「……あれ、誰が言った台詞だったかな? ……まぁ、いっか!」
 こてり、と首を傾げるも、すぐにぱあっと明るい声で、ふとした疑問さえも掻き消して。
 幻影と連携し、軽やかに舞うように戦場を駆けて、翔けて――敵の動きを牽制しながら、禊は続け様に銃の引き金を引く。
 濃厚な香りを上書きするように満ちていく硝煙の匂いに、禊は心の底から湧き上がる愉しさを抑えることが出来なかった。
 ――邪魔するものは、片付けてしまえばいい。
 ただ、それだけのことだ。
 だって、それだけでも禊は愉しいのだし、助かる命や未来があるのだから、一石二鳥だ。
「――もっと、もっと、君の叫びをちょうだい?」
 ナイフで斬りつけると見せかけて、禊はただ無邪気に笑いながら――瞬時に再度変形させた銃で、淫魔の身体を至近距離から撃ち抜いた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

アンダルシア・ノォヴェント
連携、アドリブ歓迎

あら、香水は適量を使いましょうね?
良い香りも、つけすぎては逆効果、残念な結果になりますよ?

ああ、それと・・・私たちはこのリンツの地を貴方から奪おうとも思っていませんが?
自分たちのものにしたいわけでもありませんし、貴方の場所でもないでしょう?
ここはここで育ち、産み、やがて永眠る人々のものですからね?

さてさて、私に合う香りとやらを教えて貰いましょうか?
こちらも貴方に合わせて素敵な毒を与えましょう?
魔女をその気にさせると危険ですよ、昂ると、歯止めが利かなくなりますから、ね?
さあさあ、ここからは根競べですよ?
どちらが先にオカしくなるでしょう、ふふ、ふふふ・・・ああ、楽しいですね?


ウィリディス・ファラエナ
悪いが俺は香りにはうるさくてね。こんな下品で鼻が曲がりそうな強い香りじゃ酔えないんだ。俺を虜にするならお前の血を浴びさせてくれたらいい
アヴァタール級と言うのは強いんだろう?さあ、俺を満たしてくれ
俺の毒を混ぜた闇を辺り一面に撒いてやろう。怪しい見た目が分かりやすく目を引くから隠密には向いてなさそうだが、隠れるのにはいい。それに毒の成分で香りが崩れるから匂いもマシになる
完全視界があれば味方は困らないだろうし
毒闇の中で忍び足、残像や武者傀儡を操って誤認させ、罠にはまった背中から一撃、すぐには決まらないだろうから焦らずじっくり暗殺と離脱を続けよう


「あら、香水は適量を使いましょうね? 良い香りも、つけすぎては逆効果、残念な結果になりますよ?」
 既に配下のいない中、ただ一人残されながらも抵抗を続けるフレグ・ラストへ、アンダルシア・ノォヴェント(アンダルシアの魔女・g05231)はどこか妖艶に微笑んで。
「悪いが俺は香りにはうるさくてね。こんな下品で鼻が曲がりそうな強い香りじゃ酔えないんだ」
 同じく口の端に微かな笑みを浮かべながら、ウィリディス・ファラエナ(毒虫・g08713)はフレグ・ラストを挑発するように続けた。
「ああ、それと……私たちはこのリンツの地を貴方から奪おうとも思っていませんが? 自分たちのものにしたいわけでもありませんし、そもそも貴方の場所でもないでしょう?」
 アンダルシアの言葉は紛うことなき正論だったが、追い詰められたフレグ・ラストが聞く耳を持つはずもなく。
「念のために言っておきますけど、ここはここで育ち、産み、やがて永眠る人々のものですからね?」
「生意気ね、ディアボロス! 今度こそ根絶やしにしてあげる……!」
 刹那、ふわりと鼻孔を擽った香りは、フレグ・ラストが放ったものだろう。
 ラベンダーのような花の香に、深みのある甘い別の香りとどこかスパイシーな香りが混ざっているように感じられた。
「なるほど? これが貴方が考えた、私に合う香りですか? ……ふふ、ではこちらも貴方に合わせて素敵な毒を与えましょう?」
 至福の万能感と共に齎される痛み。それは確かに身体を蝕んでゆくものであるのに、アンダルシアは心が昂ぶってゆくのを自覚していた。
 フレグ・ラストの意識がアンダルシアに向いている隙に、ウィリディスが仕掛ける。
「俺を虜にするならお前の血を浴びさせてくれたらいい。さあ、俺を満たしてくれ」
 刹那、世界が闇に満たされた。
 それはウィリディスが操る闇であり、その闇にはウィリディス自身が宿す猛毒が含まれている。
 アンダルシアの周囲も同時に闇に覆われていたが、ウィリディスが場に広げた完全視界の残留効果により、アンダルシアの目にはフレグ・ラストの背後に立つウィリディスの姿がはっきりと視えていた。
 ――そう。
 全てを呑み込まんばかりに膨れ上がった闇にフレグ・ラストが気を取られた僅か一瞬の内に、ウィリディスは足音を殺して空間を超え、音もなくフレグ・ラストの背後に回り込んでいて。
「――っ!」
 罠に嵌ったその背をウィリディスは鉤爪で抉るように引き裂いて、すぐに再び闇へとその身を溶け込ませた。
 フレグ・ラストが伸ばした反撃の手は、するりとウィリディスの残像を抱き締めるだけ。
 直後、すかさずアンダルシアも攻撃に移っていた。
「魔女をその気にさせると危険ですよ? それは、貴方自身もご存知のはず。――昂ると、歯止めが利かなくなりますから、ね?」
 アンダルシアをよく知る者が見れば、普段の彼女とは異なる雰囲気を感じることが出来ていただろう。
「――毒よ毒よ、連なりて苺を喰らいなさい」
 大地と大気より生成した赤い毒を連ね、アンダルシアはフレグ・ラストへ嗾ける。
 赤い毒は蛇のようにうねりながら、フレグ・ラストをきつく締め上げて――。
「さあさあ、ここからは根競べですよ? 貴方の香りと私の毒、どちらが先にオカしくなるでしょう?」
「うぅっ……!」
「ふふ、ふふふ……ああ、楽しいですね?」
 アンダルシアは唇をさらに深い笑みの形に変えて――己を取り巻く香りを気にする様子もなく、続けた。
「……ああ、やはり、厭な香りだ」
 フレグ・ラストの纏う香りは、ウィリディスにとっては皮肉にも馴染みのある毒で塗り替えてもまだ鼻をつくようで。
「だが、こんなものでは俺は満たされない。さあ、もっとお前の血を浴びさせてくれ」
 さすがにアヴァタール級はウィリディスが想像していた通り、一撃で仕留めることは叶わない。
 トループス級とは明らかに異なるその強さに笑みを浮かべながら、ウィリディスは再び闇を広げ、じっくりと攻撃を繰り返していくのだった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【完全視界】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!

レイ・シャルダン
エトヴァ(g05705)さんと一緒に

うーぅわぁ~ぁ~。
凄い匂い。
魔力とか関係無しに匂いだけでクラクラきそう。
こんなのを浴び続けている一般人は心を操られても仕方ない気がします。

最終的に彼らがどう生きていくかは彼らが決める事。
ですが、その意志さえ奪う事は許せません。
貴方達を排除し、まずは彼らの心を開放します。

仲間と連携して戦います。
ボクが前に出ましょう。
右手に『シュトライフリヒト』
左手に『シャルダント』
『アクロヴァレリア』の推力で突撃し、パラドクスを発動
敵の守りを縫うように光の剣を突き刺します。

にしても、どうでしょう?
ボクもそろそろ香水の一つでもつけた方がいいのでしょうか?
ねぇ?なんて聞いてみます


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
レイさん(g00999)と共に
連携アドリブ歓迎

濃厚な香りだな……
ガスマスクを着けて解決……と考えるのはさすがに無粋か
まったくだ……強引なやり口だな

リンツ、ひいてはこの地方の解放ため
あなたを此処で討つ

……俺はほんのり香る程度が好み

偵察、観察し戦況を把握
仲間と連携して戦闘
飛翔しつつ空中戦
敵の姿を宙に描き出して攻撃仕掛け、注意を惹いて
レイさんの突撃を援護
香りには香りを
さあ、汝自身と踊れ

反撃には魔力障壁を展開し防ぎ
塗ってきた自前の香油の香りに意識を向け
あえて香りを混ぜ効果を落とす

レイさんには
俺はそのままが素敵だと思う
香水もお洒落の一つ、興味があるなら
背伸びせず、自分らしい香りに出会えればいいなと思うよ


「うーぅわぁ~ぁ~、……す、凄い匂いですね」
 フレグ・ラストが纏う甘く濃厚な香りと、彼女自身が流す血の臭いが混ざり合う。
 殊更に鼻をつくその匂いにレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は小さく呻き、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)もつい、顔を顰めてしまっていた。
「ガスマスクを着けて解決……と考えるのはさすがに無粋か」
 思わず真顔で呟くエトヴァであったが、それくらいでどうにか出来るようなものではないことなどわかりきっていた。
 レイは小さく口で呼吸をしながら、息を吐く。それだけで、ディアボロスである自分でさえ心が眩み、惑わされてしまいそうで――。
「こんなのを浴び続けている一般人は、心を操られても仕方ない気がします」
「まったくだ……何とも強引なやり口だな。……俺は、ほんのり香る程度が好みだ」
「っ、さっきから――」
 煩いとばかりに表情を歪めるフレグ・ラストへ、二人は改めて向き直った。
「……最終的に彼らがどう生きていくかは、彼らが決めること」
 フレグ・ラストを真っ直ぐに見つめながら、レイは毅然と告げる。
「ですが、その意志さえ奪うことは許せません。貴方たちを排除し、まずは彼らの心を解放します」
 レイの揺るぎない想いと言葉に重ねるように、エトヴァも続く。
「リンツ、ひいてはこの地方の解放のために。――あなたを此処で討つ」

 右手に自身の名を冠したサイバーレイピア“シュトライフリヒト”を携え、左手には幾何学模様の結界を産み出すガントレット“シャルダント”を装着し、そして、フライトデバイス“アクロヴァレリア”の推力で、レイは一気に加速しながら宙へと舞い上がる。
 同時にエトヴァも蒼穹宿す翼を広げて飛翔し、レイが攻撃するための隙を作るべく、宙に青水晶の柄を持つ絵筆を走らせた。
 描き出されたフレグ・ラストの絵はそのまま実体を持ち、本物のフレグ・ラストへ襲いかかる。
「香りには香りを。……さあ、汝自身と踊れ」
 エトヴァが描いたフレグ・ラストの香りは、エトヴァ自身が先程呟いたようにほのかに香る程度のもの。けれど、パラドクスとしての威力はともすればフレグ・ラストの放つ香りを凌ぐほどであったかもしれない。
「っ……!」
 まるで香りにあてられたかのようにフレグ・ラストはよろめくものの、すぐにエトヴァへと反撃の香りを放ってきた。
 シトラスと花の香りが混ざったようなそれに対し、エトヴァは魔力障壁を展開しながら、予め塗ってきた自前の香油――馴染みのあるバーベナとベルガモットの爽やかな香りへ意識を傾ける。
 フレグ・ラストの香りに己の香りを敢えて混ぜることで、エトヴァは心が囚われるのを防ぎ、そして――。
「今だ、レイさん」
「はい、エトヴァさん!」
 刹那の攻防を経て、更なる攻撃の機を繋いだ先。
 フレグ・ラストがエトヴァへ意識を傾けていたその隙にレイは流星の如く空を翔け、フレグ・ラストの眼前へと至った。
 敵の守りを縫うように、膨れ上がった甘ったるい香りごと穿ち、祓うように。
「これで、終わりです!」
 繰り出された煌めく光の剣が、寸分の狂いもなくフレグ・ラストを貫いた。

 蒼き剣閃の煌めきが散り、フレグ・ラストがその場に崩れ落ちる。
「……ひとつ、取り戻せましたね」
 安堵の息ひとつ、微笑んで振り向いたレイに、エトヴァもああ、と頷いて、笑み返す。
 フレグ・ラストが倒れると同時に、彼女の香りは薄らぎつつあった。
 都市全体に満ちていた香りが完全に消え去るのも、時間の問題だろう。
 あとは、このリンツの人々の心を取り戻し、本当の意味での解放を成し遂げるだけだ。
「……にしても、どうでしょう? ボクもそろそろ、香水の一つでもつけた方がいいのでしょうか?」
 ねぇ、なんてそっと首を傾げるレイに、エトヴァは少し考えて――。
「俺は、そのままが素敵だと思うが」
 そう前置きをしてから、続けた。
「香水もお洒落の一つ。興味があるなら背伸びせず、自分らしい香りに出会えればいいなと思うよ」
「なるほど、自分らしい香り、ですか……」
 きっとそれを考えるのだって、“大人”への第一歩。
 エトヴァのアドバイスに小さく頷いて、レイは、想いを巡らせるのだった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV3になった!

 リンツの支配者であったアヴァタール級クロノヴェーダ、フレグ・ラストを倒し、教会の外に出たディアボロスたちは、都市全体に満ちていたであろう彼女の香りが消え去ると同時に、その香りから解き放たれた人々の姿を目の当たりにすることになる。
 人々は皆、何が起きたのかも、何が起きているのかも全く理解できていない様子で、言わば、まだ夢と現の境で揺蕩っている状態にあるようだった。
 本当の意味でリンツを解放するためには、彼らの目を覚まさせなければならない。
 長く淫魔の支配下にあり、淫魔と共に生きることが当たり前であった彼らの心をどのような方法で取り戻し、彼ら自身の力でこれからを生きていけるように導くか――。
 全てはディアボロスたちの手に、かかっている。
 
来栖・禊
はじめまして
僕が君達の、新しい支配者だよ
──なんてね!

無茶苦茶で、理不尽
支配者を騙るなら、好きにやろう

配下に意見は必要ないと
あれをやれ、これをやれと指示を飛ばす

機械部品を使った壊れた品々
それらを集めさせて、分解し、組み立てて、改造する
加工して、作動させた時のことを考えるだけで
胸が高鳴りそうだ

目が回るほど忙しくて、やりたいことが多すぎる
ぶつくさ文句も言うけれど
器用に、その手は止まらない

機械知識、武器改造
専門家ではないけど、修理ぐらいならお手の物
かけた労力に対して成果が見えるというのは、とても楽しい
──君もそう思うでしょ?

彼等の、曇らされた瞳に光を灯して
彼等が、意志のない人形ではないと、否定しよう


「はじめまして。僕が君たちの、新しい支配者だよ。――なんてね!」
 どうせ支配者を騙るのであれば、とことん好きにやってしまえば良い。
 配下に意見など必要ないと、来栖・禊(error・g01033)は人々に指示を飛ばす。
 それは、端から見れば無茶苦茶で、理不尽なことだったかもしれないけれど――。
 どうやら彼らは反抗する心さえ、どこかに置き去りにしてしまっているかのようだったから。

 禊が集めさせたのは、機械部品を使った壊れた品々。
 断頭革命グランダルメという世界のオーストリアにだって、それなりの物が存在している。
 人々と、そして翼猫のおもちが見守る中、禊はそれらの品々をガジェッティアの機械知識や武器改造の技術を元に器用に分解し、加工して、組み立てて――新しい物へと改造していく。
 専門家ではないけど、修理ぐらいならお手の物だ。
 出来上がった物を作動させた時のことを考えるだけで、こんなにも胸が高鳴るというのに――。
「その喜びを知らない君たちは、何て可哀想なんだろう!」
 帰りの電車が出発するまでの限られた時間の中でこなす作業は、目が回るほど忙しくて。
 だというのに、次から次へとやりたいことが浮かんできてしまう。
 時折ぶつくさと文句を零しながらも、禊は決して手を止めることはなく。
 そうこうしているうちに、禊の作業を見ていた人々に、変化が現れ始めた。
 手元を覗き込む眼差しは真剣に。あれを持ってきてと禊が言えば飛ぶように持ってくる。
 やがて、まるで新品のように生まれ変わった懐中時計の螺子を巻いてやれば――再び、時が動き出した。
「うわあ……!」
「かけた労力に対して成果が見えるというのは、とても楽しい。――君も、そう思うでしょ?」
 感嘆の声を零す人々に、ガスマスク越しに、けれど、穏やかな響きを帯びた声で禊は紡ぐ。
「……君たちは、意志のない人形ではないよ」
 たとえばこんな風に何かを新しく創り出すことだって出来る、無限の可能性を秘めた、“ひと”なのだと。
 そう告げた禊は、確かに見たのだ。
 彼らの曇らされた瞳に差す――希望にあふれた光を。
 
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【照明】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!

ウィリディス・ファラエナ
これを素面に戻すのは手間だな。真っ当に働けと言っても無理だろうから強硬手段と行くか
まずは俺の毒で体に染みついた淫魔の毒を上書きしてしまおうな。解毒剤はきちんと持ってるから安心しろ。気つけだ気つけ
ちょっとは目が覚めたか?何もしないで落ちてる欲を貪るだけならそこらの畜生にもできるんだよ。人間なら欲はもっとでかく行け
人よりもっといい物が欲しくないか?人よりもっと美しくなりたくないか?今動けば動くほど、人より早く多く手に入る物があるぞ
欲にまみれて堕ちた人間は嫌いだが、何かを得ようと必死に働く人間はいい
欲自体は悪くない。健全な欲は人を豊かにするもんだ


レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。

リンツの方々に対し演説を。
とは言っても、大勢の前で何かを語るには力不足なので
目に付く人1人1人に語り掛けて行きましょう。

淫魔達はこの地を離れました。
ここを支配する者はもう今は居ないのです。
あなた方は自由です。

自由と言う言葉は優しい様で厳しい
あなた方は自分達の人生を選択し、自身の力で歩んでいく必要があります。

ボクは機械を弄るのが好きで将来は車を作ったり宇宙船を作りたい。
でも、それとは別に雑貨屋をしてみたい、…結婚だって。
ふふ、やってみたい事がいっぱいあるの。

貴方の夢はなんですか?
何がしたかった?何を求めていた?
どうか、未来を考える喜びを思い出して。

淫魔の支配に負けないで


夜乃・零
アドリブ絡み歓迎


フレグ・ラストは倒せたんだな
さすがだ、アイツら強いな、なんて
感心しながら街を見回して

先陣切るのは得意だけど
誰かの上に立つような
支配者なんて柄じゃないんだ
だから出来ることなら
同等の立ち位置で接したい
まあ、無茶かも知れねえけど

俺は、今まで戦場しか知らなかったから
そこで生きることが当たり前だった
けど一歩踏み出したら変わったよ

新しい場所に出会い
美味しいものや楽しいこと
色々知れたから、俺はここで笑ってる
まあ、相変わらず戦いしか出来ねえけど!

再建し始めてるウィーンなら
きっと今以上に楽しめるはずだ
だから、なあ、行ってみないか?
お前らの背中は俺が押してやる
堕落するなんて、もったいねえよ


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

レイさんや、皆の語りかける声が聴こえるだろうか
人々の背を押すように、外で演奏
光を孕んだ音色の芸術で
街角に、仰ぎ見る空に希望を……

チェロに奏でる音色に、口遊む歌……
独奏に、真摯に、透き通る歌声を響かせよう

清らかな風が吹き抜け、街の澱みを晴らすように
街に祈りを、彩りを

肩叩くように、軽やかに注意を惹き付けて
心をこちらへ誘おう

日々の喜びを謳い
不安も悲しみも織り交ぜて
再び立ち上がる、今を

労し喜ぶ営みの尊さ
生まれ育つ街への誇り……
旋律に籠め、歌声に描こう

おはよう
もう悪い夢から醒めたかい、と
声を掛け
一人一人が胸に問うといい
己は何をなしたいか
芸術や新天地に興味あらば、ウィーンの街が待つだろう


明日河・理
アドリブ歓迎


怠惰
それが悪いことだとは思わない
けど今は嫌に思えるものだって
自分の世界の視野を広げるキッカケになるかも
得難い経験にもなる
顔を上げて外に目を向けるのも
決して悪いものではないさ

そう言って特に子どもたちへ積極的に働きかけつつ
…この子たち、お腹空いてねえかな。大丈夫だろうか
アイテムポケットに色々入れてきたしスープを振る舞って
昔は料理は苦手だったんだけど
「おいしい」って初めて笑ってくれた子がいた
だから料理が好きになったし、それがキッカケで結べた絆もある
チャレンジって最初は怖いかもしれねえけど
でも、楽しいよ
俺もどんどん新しいことに挑戦したいんだと笑って

どうか彼らが少しでも前を向けますように


 フレグ・ラストとの戦いを終えた同胞たちを頼もしげに見やってから、夜乃・零(常闇・g04477)はクロノヴェーダから解放された街と、そして人々とを見やる。
 教会から出てきたディアボロスたちの元に、どこからともなく集まってくる人々。
 ここがフレグ・ラストの拠点だと知れているのであれば、それはごく自然なことであったのかもしれない。
 集まっては来たものの、人々は、この状況に困惑しているようだった。
 つい先程まで“変わらぬ”日常の時が流れていたはずなのに、急に夢から醒めてしまったのだから、無理もないだろう。
「――皆さん、少しだけ、ボクたちの話を聞いていただけますか?」
 ほんの少し控えめに、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)が口を開いた。
 これから彼らに伝えるのは、彼らには残酷なことかもしれない。
 だが、――それでも、伝えなければならないことがある。
「淫魔たちはこの地を離れました。ここを支配する者はもう今は居ないのです。……あなた方は、自由です」
 ――“自由”。
 そう言われても、どうすればいいのかわからないというように、住民たちは戸惑いを隠せずにいるようで。
「自由という言葉は、優しいようで厳しい。あなた方は自分たちの人生を選択し、自身の力で歩んでいく必要があります」
 ひとりひとりの目を見つめ、ゆっくりと、レイは想いを言葉に変えていく。
 支配者であったフレグ・ラストの代わりに、新たな支配者として振る舞ってやるべきなのだろうか――それが、彼らのためになるのかもしれないと考えはしても、零は、そうはしなかった。
 先陣を切って、敵の元に飛び込んでいくのは得意でも、誰かの上に立つような柄ではないから。
(「……まあ、無茶かも知れねえけど」)
 出来ることならば、同等の立ち位置で接したい。
 そう思いながら、零もまた、静かに口を開く。
「……俺は、今まで戦場しか知らなかったから、そこで生きることが当たり前だった。けど、一歩踏み出したら変わったよ」
 嘗て生きていた時代から、新宿島に流れ着き――戦い以外の生き方があることを知った。
「新しい場所に出会い、美味しいものや楽しいこと。色々知れたから、俺はここで笑ってる。――まあ、相変わらず戦いしか出来ねえけどな!」

 一方、二人の言葉を遠巻きに、未だどこか夢見心地で聞いている様子の人々へ、ウィリディス・ファラエナ(毒虫・g08713)は背後から近づき声をかける。
「ちょっとは目が覚めたか? まだ覚めないなら俺の毒で体に染みついた淫魔の毒を上書きしてやるぞ」
「ひっ!?」
 気配がなかったことにか、それとも毒という単語が耳に入ったからか。大きく肩を跳ねさせた青年の一人に、ウィリディスは笑顔でさらりと続けた。
「何、解毒剤はきちんと持ってるから安心しろ。ただの気つけだ気つけ」
 ウィリディスのいい笑顔と冗談とも本気ともつかぬ言葉にすっかり肝を冷やした人々は、恐る恐るといった風ではあったが、どうにか目を覚ましたよう。
 人々の面前で語るレイと零の言葉も、ウィリディスの言葉も、人々の心に届きつつある。
「何もしないで落ちてる欲を貪るだけならそこらの畜生にもできるんだよ。人間なら欲はもっとでかく行け」
 欲にまみれて堕ちた人間はウィリディスの好むところではないが、何かを得ようと必死に働く人間の姿はいい。
 欲を抱くこと自体が悪いのではないと、ウィリディスは発破をかける。
「人よりもっといい物が欲しくないか? 人よりもっと美しくなりたくないか? 今動けば動くほど、人より早く多く手に入る物があるぞ。――健全な欲は、人を豊かにするもんだ」

(「……この子たち、きっとお腹空いてるよな」)
 ――人々に語りかける同胞たちから、少し離れた路地裏。
 明日河・理(月影・g06522)の周りには、痩せ細った子どもたちが集まっていた。
 探してみても、近くに親らしき大人の姿は見えない。もしかしたら仲間たちの話を聞く大人たちの中にいて、ただ単にはぐれただけなのか、――それとも他に理由があるのかも、わからない。
 ただ、今は彼らに手を差し伸べることだけを考えて、理はアイテムポケットに色々入れてきた道具を使い、温かいスープを振る舞ってやる。
 すると、まるでお腹が空いていたことさえ忘れていたかのように、子どもたちは夢中でスープを飲み始めた。
「……昔は料理は苦手だったんだけど、『おいしい』って初めて笑ってくれた子がいたんだ」
 だから料理が好きになったし、それがきっかけで結べた絆もあるのだと、理は屈託なく笑う。
「――怠惰、それ自体が悪いことだとは、俺は思わない」
 ぽつりとそう切り出せば、子どもたちの眼差しが一斉に理へ向く。
 真っ直ぐに耳を傾けてくれている彼らの瞳には、心なしか、先程よりも光が差しているようにも感じられて。
「けど今は嫌に思えるものだって、自分の世界の視野を広げるキッカケになるかもしれないし、得難い経験にもなる」
 理は、優しい声で、幼い子どもたちにゆっくりと、胸の裡に灯る想いを語り聞かせる。
「顔を上げて外に目を向けるのも、決して悪いものではないし……チャレンジって最初は怖いかもしれねえけど、でも、楽しいよ。俺も、どんどん新しいことに挑戦したいんだ」
 だから、何事も恐れず踏み出してほしいと――理はただ、願うのだ。
(「――どうか、彼らが、」)
 いつかその先にある、輝かしい未来へ踏み出すために。
 少しでも、前を向けますように、と。

 ――皆の語りかける声が、想いが、聴こえるだろうか。届いているだろうか。
 同胞たちの想いを届かせるように、夢から醒めつつある人々の背を押すように、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はうつくしいチェロの音色に透き通るテノールの歌声を重ね響かせる。
 それは、淫魔によって醒めぬ夢のような世界に堕とされていた人々が、忘れていたもの。
 人々の心に、真摯に語りかけるように紡がれる――光を孕んだ音色の芸術が街角を彩り、そっと肩を叩くように軽やかに、エトヴァの奏でる音は、人々の心を惹き付ける。
 エトヴァは日々の喜びの中に、不安も悲しみも織り交ぜて。
 それでも再び立ち上がる今を、労し喜ぶ営みの尊さと、生まれ育つ街への誇りを、そして、これからの――未来への希望を。
 旋律に籠め、歌声に描いて――切々と謳い上げれば、いつしか、涙を浮かべる者も現れ始めていた。

「ボクは機械を弄るのが好きで、将来は車を作ったり宇宙船を作りたい。でも、それとは別に雑貨屋をしてみたい、……結婚だって」
 まだ子どもと呼べる年齢のレイにも、いくつもの夢が、やりたいと思うことがある。
 時折はにかむように淡く笑みを綻ばせながら紡ぐレイのエメラルドの彩を重ねた瞳には、たくさんの希望が満ちて。
「……皆さんの、貴方の夢はなんですか?」
 問われて、すぐに答えることが出来ない住民たちだったが――答えを探すように考え込んでいる者も、少なくはなかった。
「何がしたかった? 何を求めていた? ――どうか、未来を考える喜びを思い出して。淫魔の支配に……負けないで」
「再建し始めてるウィーンなら、きっと今以上に楽しめるはずだ。……だから、なあ、行ってみないか?」
 そう、レイの問う声に答えを探そうとするように、一歩でも踏み出すことで変われるのだと零は笑う。
「お前らの背中は俺が押してやる。堕落するなんて、もったいねえよ」

 清らかな風が吹き抜けて、街の淀みを晴らしていったようだった。
「……おはよう。もう悪い夢から醒めたかい」
 演奏を終えたエトヴァはそう、隣人に告げるように声をかける。
「一人一人が胸に問うといい。己は、何をなしたいかと。――もしも芸術や新天地に興味があるならば、ウィーンの街が待つだろう」
 リンツの人々の顔に、眼差しに、もう、曇りは見えなかった。
 淫魔の支配から解き放たれた人々の時間が、ようやく、動きだしたのだ。

 見上げた空はいつしか晴れ渡り、どこまでも――澄んだ蒼穹が広がっていた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】がLV3になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
【液体錬成】がLV2になった!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年11月16日

オーストリア淫魔掃討戦

 大淫魔都市ウィーンに攻め寄せた、4体のジェネラル級淫魔を全て撃破した事で、断頭革命グランダルメの淫魔勢力は壊滅状態となりました。
 指揮系統を失ったオーストリア周辺の淫魔達は、大きく混乱しています。
 この機を逃さず、オーストリアの主要都市を支配する淫魔を撃破する事が出来れば、オーストリア全土の解放も夢ではありません。
 敵が態勢を立て直す前に主要都市に向かい、混乱する淫魔を撃破した上で、街の人々にウィーンの解放などの情報を演説して、オーストリア地域が新しく生まれ変わる事を、説明してください。

 この作戦は、『大淫魔都市ウィーンの最期』で全てのジェネラル級淫魔を撃破した事で可能になった作戦です。
 また、この作戦と同時に、攻略旅団の提案によって『大淫魔都市ウィーンの復興』も行われています。
 2つの作戦を完遂できれば、オーストリア地域の安定化を実現できるでしょう。


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#オーストリア淫魔掃討戦
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#オーストリア
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選択肢『オーストリア市民への演説』のルール

 解放したオーストリアの都市の住民に演説を行います。
 市民の多くは、淫魔の支配を受け入れていたようなので、解放者としてでは無く『新しい支配者』として振舞うのが良いでしょう。
 淫魔の影響によって、自堕落で退廃的な生活をしている者が多いので、健全な生活を送れるように叱咤激励をするのも良いかもしれません。

 演説の成果によって、今後の彼らの生活が大きく変わるかもしれません。

 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾烏合のトループス級『淫魔修道女』のルール

 なんらかの理由で統制を失ない、烏合の衆となっているトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 統制を取り戻す前に撃破したり、統制を失っている間に強行突破して目的地に向かいましょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との戦闘『フレグ・ラスト』のルール

 事件解決の為に、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破するだけでは事件を解決できないので、戦闘終了後、必要な行動を行ってください。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※このボスの宿敵主は「白臼・早苗」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。