リプレイ
葛葉・狐狛
救出はやる気溢れるご同道に任せて裏方に徹するさ。
先行して【忍び足】【偵察】【情報収集】で現場を確認。
連携は【パラドクス通信】。
細工する時間がなさそうなら刑場から離れた砦の側面に攻撃を仕掛けて陽動開始。
時間が取れそうなら【忍び足】で身を隠しつつ刑場から離れた場所に【罠使い】で大きな音が鳴るような仕掛けを幾つも作って、時間差で次々起動するようにするさ。
走り回りながら鶴を匿うのに丁度いい場所がないか探って、仲間に連携するよ。
仕込みが終わったら作戦開始の合図。
仲間が救出に行ってる間も陽動を続けて【時間稼ぎ】するさ。
穂村・夏輝
理不尽な圧力に晒されている人達を身過ごす訳にはいかないよ
「アンジェ、いけるかい?」
自分でクロノヴェーダの気を引いている間に【双天遊戯】の効果でアンジェローザに短距離ワープをしてもらい鶴の元へ移動、拘束を『サーヴァント用天晶剣』で切断し、受け止めて助ける(仲間と協力できるなら分担)
【飛翔】も使えるなら使用
気の引き方だけど、トループスは『伊達』である事に拘ってるみたいだし、そこを突く
「この砦には『伊達男』はいないように見える。幼いとはいえ、立ち向かってきた勇士を辱めるような所業。侠気あふれる伊達政宗公であれば、このような振る舞いはしなかっただろうね!」
取り合ってもらえなくても注意を集められれば良し
レティ・ブラックスミス
まずは救出作戦から、か
開けた場所っぽいけど、どこまで隠れて近づけるかな?
磔柱に近づくの見つかればすぐ出てくるだろうし、なるべく近くまで物陰に隠れながら進んで、
そこから脚の魔術式起動させて[飛翔]魔法でとんで、
最高速で磔柱まで一気にいくよ
柱に取り付いたら、
右手に持った散弾銃型魔道具magi shooterで炎刃の魔法(【魔術知識】+【火炎使い】)発動して
即縄を焼き斬る【早業】で救出
そのまま子供抱えて飛んで離脱しようか
あるいは
ほかの人がもっとうまくやるようなら救出は任せて、
出てきた追手との間に割り込んで逃げる時間稼ごうか
※アドリブ連携歓迎
伊藤・真九郎
アドリブ、連携歓迎。
未熟なれど、なかなかに見所のある小童よ。
見捨てる訳にはゆかぬな。
可能な限り身を隠し近寄る。
行動開始後、迅速な救出活動が必要となる。仲間とタイミングを合わせる。
【飛翔】し最短距離を最速で移動、子供の元に向かい縛っている縄を斬り払い解放。
「我等は彼の本多忠朝に敵対し、民に希望をもたらさんとする者。助太刀に参った。」
と声をかけ、安全な場所に避難させる。
三苫・麻緒
ディアボロス以外に精神的支柱になれる存在がいるのはいいことだね
寄り添い続けるのは排斥力で排除される私たちにはできないことだから
まぁ、そんな理由がなくても助けるけどね
見つかるのは時間の問題だし、鶴さんがけがをしないよう気を付けつつ磔台の速攻破壊を優先しようかな
すぐ近くに現地の人が大勢いるならそれに紛れながら、隠れられるほどの人数がいないなら開き直って≪ダッシュ≫で近づくよ
あとはパラドクスを使って磔台を派手に破壊しに行こう
磔にしたくらいで止まるタマじゃないって感じでね!
磔でついた傷はあるだろうし、【活性治癒】を発動しておくね
治すと逃げずに突っ込んでいきそうだけど、だからって治さない選択肢はないよ
一蝶・信志
隠密行動で潜んでいる仲間たちは多いみたい
ワタシは敢えて目立つ行動をして、彼らが動く隙を作るわ
正面から刑場に堂々と乗り込んで
見物している敵にも聞こえるように派手に演じましょう
ダーーーーメよ、武士道なんて
オトコにそんなもの期待しちゃだめだめ!(チッチッチッ)
猫に小判の価値を理解しろってのと同じくらい、ムダ!
彼らはね、誰が一番強いのか、どれだけカッコよく死ねるか、
そんなことしかアタマにないの
その男の身勝手さの結晶がブシドーよ
そして、そのくっだらない武士道にすらたどり着けない子猫ちゃんたちが、あいつらよ
子猫ちゃんたちはね、自分の命が惜しくて這う這うの体でここまで逃げてきたの
かわいそうでしょ? ねっ?
●序幕
レールが敷かれていない荒れ地に、JR山手線の車両に似た列車が停まっていた。
異様な光景ではあるが、その列車がパラドクストレインとなれば、話は別だ。
「理不尽な圧力にさらされている人たちを見過ごすわけにはいかないよね」
車両側面に並ぶ黄緑色の扉が一斉に開き、女性的な顔立ちをした天使の青年がそのうちの一つから降り立った。
デーモンイーターの穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)だ。
続いて降りてきたのはオラトリオのアンジェローザ。
そして、狐の面をつけた妖狐の少年――葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)。
「圧力をかけてるのが他の世界から逃げてきた連中ってところがまた理不尽だよね」
狐狛が言うとおり、この辺りで人々を苦しめているのは天魔武者ではなく、平安鬼妖地獄変からの脱出を余儀なくされた鬼や妖怪たちである。もちろん、その上にいるのは天魔武者だが。
「京都を取り戻すことはできたけれど、亡命組との戦いはまだまだ続くってことか……」
そう呟きながら、浅黒い肌をした長身の男が降車した。
「さて、亡命組の砦はどっちの方角にあるのかな?」
視線をぐるりと巡らせて、その男――一蝶・信志(シンディ・g04443)は誰にともなく問いかけた。
すると、それに答えるかのように――
「は、な、し、や、が、れぇーっ!」
――遠くで叫び声が響いた。
「あっちだね」
と、声が聞こえて方向を狐狛が指し示した。
「じゃあ、行こうか」
夏輝が歩き出し、他の者たちもそれに続いた。
●葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)
「これはまたキッチュなデザインだねえ。案外、本物の戦国武将たちもこういうのが好きだったのかもしれないけど」
本多忠朝(と名乗る本名不明の鬼)一党の砦を眺めて、信志が感想を述べた。
『キッチュ』の定義はよく判らないけど(オレのお面もキッチュなのかしらん?)、オレの感想は『ゴツゴツして不格好だなあ』ってところかな。形だけじゃなくて、色もなんかヘンだ。黒い鋼と茶色の木材が組み合わさって縞模様になっているから、玩具のブロックで作った虎の頭みたいに見えるよ。
もちろん、見た目が虎に似ているからといって、吼えたりはしないけど――
「てめえら、侍のくせしてブシドーってものを知らねえのか!? この縄を今すぐ解いて、俺様とジンジョーに勝負しやがれーい!」
――代わりに別の奴が可愛い声で吼えてたりして。
クロノヴェーダどもに処刑されんとしている鶴って子だ。彼女が磔にされているのは砦の正面の門前だから、砦の側面に回り込んだオレたちからは見えない。だけど、元気が有り余っているってことはその声から充分に伝わってくる。
とはいえ、処刑されてしまったら、元気もクソもない。早く助けてやらないとな。
「さて――」
夏輝が動いた。
「――救出に行った面々が動きやすいよう、砦の中にいる連中の注意をこっちに引きつけようか」
「どうやって引きつける?」
と、オレは尋ねた。
「やっぱり、こういう時の定番は挑発かな。令震の話によると、ここのトループス級たちは伊達正宗にかぶれているそうだから、その辺りを攻めてみよう」
●一蝶・信志(シンディ・g04443)
夏輝はすぅーっと息を吸い込んで――
「この砦には『伊達男』と呼ぶに値する者はいないと見える!」
――大音声に変えて吐き出した。
「そうだ! そうだ!」
と、向こうで鶴ちゃんが呼応した。夏輝の声が聞こえたみたいね。
砦のほうでもリアクションあり。トループス級と思わしき連中が窓の格子から『なんだ、なんだ?』とばかりに顔を覗かせてる。それにしても……全員がお揃いの眼帯をつけているのがおかしいったらないわね。伊達正宗縛りの仮装大会?
「いや、伊達男どころか、普通の男の風上にも置けないね」
窓の奥にいくつも並ぶ同じ顔を睨みつけて、夏輝は挑発を続けた。
「尋常ならざる胆力を以て立ち向かってきた幼子を辱めるようなこの所業……侠気あふれる政宗公が知ったら、なんて言うかな?」
本物の伊達正宗は侠気あふれるどころか、むしろダーティーなエピソードに事欠かない人だったのだとか。この天正大戦国にいる(かもしれない)天魔武者の伊達正宗が本物と同じタイプなのかどうかは判らないし、トループス級たちが彼に対してどんなイメージを抱いているのかも判らない。でも、『伊達正宗』という名前を出すことに効果があったのは間違いないわね。動揺が伝わってくるもの。
「そうだ! そうだ!」
と、再び鶴ちゃんが叫んだ。
「てめえら、ハジを知りやがれ! マサムネコーも草葉の陰で泣いてっぞ!」
いやいや、鶴ちゃん。勝手に伊達正宗を亡き者にしちゃダメでしょ。
●穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)
色めき立つトループス級たちに俺は更に揺さぶりをかけた。
「あの勇猛なる幼子の言う通り、キミたちは武士道ってものを知らないらしいね。きっと、恥も知らないだろう。そんなことで正宗公に顔向けできるのかい?」
すると、信志が――
「ダーメよ、ブシドーなんて!」
――横から割り込んできた。憎たらしさを増すためか、オネエ言葉を使って。
俺に反駁しているような態だけど、狙いは同じだろうね。つまり、敵への挑発だ。
「侍を気取ってるオトコにそんなもの期待しちゃダメダメェー! 猫ちゃんに小判の価値を理解しろってのと同じくらいムダムダァー! 奴らはね、『誰がいちばん強いか』だの『どれだけカッコよく死ねるか』だのといったことしかアタマにないの。そういう身勝手さの結晶がブシドーなのよ」
辛辣だね。
「もっとも、あの砦にいる連中はそんなくっだらないブシドーにすらたどり着けなかった子猫ちゃんなんだけどねー。あいつらってば、命が惜しくて這う這うの体でこのディヴィジョンに逃げ込んできたのよ。マア、カワイソー!」
いや、辛辣というレベルじゃなかった。
色めきたっていたトループス級たちも、もう色めきたつっていうレベルじゃなくなってる。皆、ものすごい怒号を発してるよ。
その怒号に混じって――
「ははははは! 返す言葉もないのう」
――楽しげな笑い声が聞こえてきた。トループス級のように窓に近寄ってないので姿は見えないけれど、誰なのかは察しがつく。
本多忠朝とかいうアヴァタール級の鬼だ。
「言葉なんか返していらないよ」
狐狛が印を結んだ。パラドクスを発動させようとしているらしい。
「そんかし、別のものを返してもらう」
狐狛の前面から雷撃が迸り、砦の装甲を打ち据えた。
●幕間
「てめえら、侍のくせしてブシドーってものを知らねえのか!? この縄を今すぐ解いて、俺様とジンジョーに勝負しやがれーい!」
磔台に縛られた状態で、薄汚れた格好の女児――鶴が声も枯れよと喚き散らしていた。
虎の頭に似た砦が後方に聳えているため、巨獣の鼻先に捧げられた生贄のように見える。
「随分と生きのいい生贄だねえ」
近くの岩陰に身を潜めて鶴の様子を伺いながら、幼い顔立ちをした金髪の娘が呟いた。
「息がいいからこそ、クロノヴェーダに目をつけられちゃったんだろうけど……」
彼女はレティ・ブラックスミス(見習い錬石魔術師・g03552)。『錬石魔術師』なるものを自称しているディアボロスだ。
そこにはレティの他にも二人のディアボロスがいた。飾り気のない漆黒の甲冑を着込んだ男と、ミント色の翼を有したデーモンの娘。
「未熟なれど、なかなかに見所のある小童よ」
甲冑の男――伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)が静かに刀を抜いた。
「見捨てるわけにはゆかぬな」
「うん。見捨てられない」
と、デーモンの三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)が頷いた。
「クロノヴェーダに虐げられている人たちを支え、励まし、先頭に立ってくれそうな子だしね」
●伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)
「この砦には『伊達男』と呼ぶに値する者はいないと見える!」
どこからか夏輝殿の声が聞こえてきた。砦にいるクロノヴェーダどもを陽動すべく挑発しているのだろう。
「そうだ! そうだ!」
磔台の小童が吼える。
その残響に夏輝殿の更なる挑発が重なった。
「いや、伊達男どころか、普通の男の風上にも置けないね 尋常ならざる胆力を以て立ち向かってきた幼子を辱めるようなこの所業……侠気あふれる政宗公が知ったら、なんて言うかな?」
「そうだ! そうだ!」
またもや、小童が吼えた。レティ殿が評したとおり、本当に生きがいい。
「てめえら、ハジを知りやがれ! マサムネコーも草葉の陰で泣いてっぞ!」
いや、泣いてはいまい。そもそも、草葉の陰にいないだろう。
「あの勇猛なる幼子の言う通り、キミたちは武士道ってものを知らないらしいね。きっと、恥も知らないだろう。そんなことで正宗公に顔向けできるのかい?」
「ダーメよ、ブシドーなんて!」
別の声が挑発に加わった。信志殿であろう。
「侍を気取ってるオトコにそんなもの期待しちゃダメダメェー! 猫ちゃんに小判の価値を理解しろってのと同じくらいムダムダァー! 奴らはね、『誰がいちばん強いか』だの『どれだけカッコよく死ねるか』だのといったことしかアタマにないの。そういう身勝手さの結晶がブシドーなのよ」
……うーむ。耳が痛い。
「もっとも、あの砦にいる連中はそんなくっだらないブシドーにすらたどり着けなかった子猫ちゃんなんだけどねー。あいつらってば、命が惜しくて這う這うの体でこのディヴィジョンに逃げ込んできたのよ。マア、カワイソー!」
敵も耳が痛かろうな。
だが、その痛みを認めることはできぬらしく、怒りの叫びを次々とあげている。もっとも、全員が怒り狂っているわけではないようだ。本多忠朝と思わしき者の豪気な(あるいは呑気な?)笑い声も聞こえてくるわ。
●レティ・ブラックスミス(見習い錬石魔術師・g03552)
ここからは見えないけれど、砦の中のトループス級たちは怒りまくってるみたい。噴火寸前って感じ? ……と、思っていたら、『バリバリバリッ!』と雷鳴のような音が轟いた。噴火より先に落雷が発生しちゃった?
『雷撃を撃ちまくって敵をこっちに引きつけとくから、今のうちに鶴を助け出してくれ』
肩に装着している小型通信機(『パラドクス通信』の効果で出現した通信機であることは言うまでもないよね?)から狐狛の声が聞こえた。
『アンジェをそちらに行かせるつもりだったけれど――』
夏輝の声も聞こえた。
『――人手は足りてるようだから、その必要はないかな?』
「うん! 足りてるよー!」
そう答えて、麻緒がすっくと立ち上がった。
ほぼ同時に真九郎がパラドクス効果の『飛翔』を発動させて、空に舞い上がった。
「我らは本多忠朝に敵対し、民に希望をもたらさんとする者! 助太刀に参った!」
「おう! 誰だか知らねえが、ありがてえ!」
鶴が顔をぱっと輝かせた。
「もっとも、本当は助太刀なんざいらねえんだけどな。こんなチンケな砦に篭もってるサンピンどもなんざ、おいら一人でかたづけられるからよぉ。いや、ホントに。でも、おめえらに花を持たせてやらあ」
はいはい。花を持たせてもらいましょ。
真九郎に続いて、ボクも空に上がった。ぶっちゃけ、飛ぶことによって大きなメリットが得られるような状況じゃないんだよね。それでも、飛翔せずにはいられない。
なぜなら、飛んだほうがカッコいいから!
麻緒だけは飛んでないけれど、涼しげな色(ちょっと美味しそうな色でもあるかな?)の魔力で構成された翼をめいっぱい広げてるよ。
きっと、そのほうがカッコいいから!
●三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)
鶴ちゃんが縛り付けられてる磔台めがけて、私はカッコよくダッシュした。
レティさんと真九郎さんも磔台めがけてカッコよく急降下!
「Flame tongue!」
レティさんが散弾銃を刀みたいにカッコよく振り、鶴ちゃんを縛り付けていた縄を焼き切った。なんで焼き切ることができたかというと、その散弾銃が炎を纏っているから。
「はっ!」
真九郎さんも刀を(こっちは『刀みたい』じゃなくて、本物の刀だよ)カッコよく振り、鶴ちゃんを縛り付けていた縄を断ち切った。
私もカッコよくいくよー。パラドクス『魔骸重刃』を発動。手首の辺りからギザギザ状の刃を生やして――
「てぇーい!」
――磔台の下部を微塵切り!
「うひゃあ!?」
と、鶴ちゃんが悲鳴をあげた。縄から解放された上に磔台がバラバラになって、空中に投げ出される形になったからね。でも、だいじょーぶ! レティさんがお姫様だっこでカッコよくキャッチしたよ。あー、なんかめんどくさいから、いちいち『カッコよく』って付けるのはやめるね。私たちがカッコいいのは当たり前のことだし。
レティさんは後ろのほうに飛び、私たちが隠れていた岩陰に鶴ちゃんを置いて、すぐにまた戻ってきた。
「来るぞ」
真九郎さんが私の傍に着地し、鋭い目を砦のほうに向けた。
砦の中はわあわあぎゃあぎゃあと騒がしくなってる。陽動に引っかかってた敵が私たちのことに気付いたんだろうね。
重い音を立てて、砦の門が開き始めた。
それが完全に開いてトループス級たちが姿を現すよりも早く、狐狛さんと夏輝さんと信志さんがカッコよく(はい、前言撤回!)駆けつけてきた。百人力の三人組。心強いね。
私は後ろを振り返り、鶴ちゃんが隠れている岩陰を確認した後、門に視線を戻した。
さっきも言ったとおり、鶴ちゃんは虐げられている人たちのリーダー的なものになれる逸材。しかも、排斥力のせいで排除されてしまう私たちと違って、ずっと寄り添うことができるんだよ。だから、絶対に守ってあげないと……。
まあ、そんな理由がなくたって守るけどね。
私たちはディアボロスなんだから。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
●幕間
砦の門が開き、トループス級たちが飛び出してきた。
彼らは妖怪であるらしいが、人の形を取っていた。皆、黒い陣羽織を纏、三日月の前立ての兜を被り、身幅の広い刀を手にして、単筒を腰にたばさみ、眼帯で片目を隠している。
勇壮な武者振りと言っていいだろう。
しかし、それは個別で見た場合の話だ。複数を視界に入れると、印象が変わる。寸分違わず同じ姿をした集団はどこか滑稽に見えた。不出来なフラッシュモブを得意げに披露する者たちに遭遇してしまった時のような寒々しさと気恥ずかしさを喚起させた。
「あの餓鬼をどこにやった!」
「さっさと返さぬと、ただでは済まんぞ!」
「いやさ、餓鬼を返しても、ただでは済まさぬ!」
「我らをあれだけ罵倒したからには覚悟はできておるのだろうな!」
「皆殺しにしてくれるわ! 独眼竜の誇りにかけて!」
「そうだ! 独眼竜の誇りにかけて!」
「独、眼、竜ぅーっ!」
火を噴かんばかりの剣幕で吠え猛りながら、寒々しさとも気恥ずかしさとも無縁であろう自称『独眼竜』の群れはディアボロスたちに襲いかかった。
伊藤・真九郎
ほう、猛将と名高い伊達政宗公を模すか。
相手に取って不足無し……と言いたいが、勝手に名を使われては正宗殿も迷惑だろう。
敵に合わせ、右手に太刀、左手に短筒を構える。
突撃し一気に間合いを詰める。統制の取れた陣形ならば、内側に飛び込み乱戦に持ち込む。
短筒から放たれる魔力弾の【弾幕】で牽制しつつ、愛刀を斬り払い【両断】してゆく。
【一撃離脱】の心得にて、一時たりとも足を留めず駆け巡り、敵共の体を盾として反撃を阻止。銃撃を回避し剣撃を受け捌く。
如何な猛将とて、大将ばかり集めて軍になるものか。兵を指揮してこその将よ。
武勲と名声に目が眩んだか。伊達を名乗るは百年早いわ。
秋月・穂高
(サポート)
忍者の技を受け継ぐ家系の少年です。
直接戦闘の他、闇に紛れての潜入調査なども可能です。
行動は基本的にリスクが低い選択肢を選び、
敵との闘いよりも人命救助や支援を優先します。
性格は真面目で、任務の内容には忠実です。
戦闘では主に「忍び足」で相手の死角へ回り込み
「復讐の刃」で生み出した武器を投げつけます。
●伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)
「ほう、猛将と名高い伊達政宗殿を模すか」
そうは言ったものの、それがしが生まれたこの天正大戦国の世に『伊達正宗』なる者がいるかどうかは知らぬ(トループス級たちも実際に会ったことはないようだしな)。他のディアボロスたちから聞いたところによると、最終人類史においては確実に存在し、武名を残しているそうだが。
まあ、この場は敵に話を合わせて、伊達正宗を知っている態でいこう。
「猛将を模すからには、それに相応しいだけの武勇を持ち合わせているのだろうな。ならば、相手に取って不足なし……と、言いたいところだが、勝手に名を使われては正宗殿も迷惑であろうよ」
挑発を続けつつ、武装のほうも敵に合わせた。右手に無銘の愛刀、左手に天魔短筒。
「ああ、迷惑だろうね。現代で同じようなことをしたら、間違いなく訴訟沙汰になってるよ」
と、赤茶色の髪をした十代半ばの男子が話に加わった。
彼は穂高殿。『現代で云々』という言葉から察しがつくだろうが、天正大戦国の生まれではない。なんでも忍術を淵源とする武芸の継承者なのだとか。
「『独眼竜』は正宗の登録商標みたいなものだからね」
穂高殿は異国風の剣を抜いた。美しい拵えの剣だが、刀身もまた美しく、尋常でない輝きを発している。
「えーい! ソショーザタだのトウロクショーヒョーだの、わけの判らぬことを抜かしよって!」
「正宗公が我らのことを迷惑に思われるはずがなかろう!」
「そうだ! 我らの敬愛振りをお知りになられたら、むしろお喜びになられるわ!」
根拠のないことを叫び立てながら、トループス級たちは土煙をあげて迫ってきた。
「『敬愛振り』が聞いて呆れる。おまえたちがやっていることは――」
穂高殿もまトループス級たちに向かって走り出した。
土煙が微塵も生じないほど静かに。
それでいて、風のように疾く。
「――ただの猿真似じゃないか」
●秋月・穂高(裂空刃・g01798)
何人かのトループス級たちが歌舞伎めいたオーバーアクション(当人たちはカッコいいと思っているんだろうな)で槍を繰り出してきたが、俺は素早く横に回り込み、あるいは飛び退り、あるいは体を反らして、それらを躱した。
そして、反撃。
下八双に構えていたシルバーブレイド『ロンドバルデュリア』で逆袈裟に斬り上げる! ……と、見せかけて、足下に転がっていた石を『ロンドバルデュリア』の切っ先で撥ね飛ばした。ゴルフスイングの要だ。もちろん、一回では終わらない。槍で突こうとしてきたトループス級と同じ数だけ繰り返した。
石は唸りをあげて飛び、次々とトループス級たちの顔面にぶつかった。ただの石も強力な武器になるんだ。パラドクス『ストリートストライク』を使えばね。
「うぉぉぉーっ!」
戦場に咆哮が響いた。
鼻面に石を食らった連中の怒号だの悲鳴だのじゃない。
真九郎さんが雄叫びをあげて突っ込んできたんだ。
その雄叫びに銃声が重なった。発生源は、真九郎さんの左手にある銃だ(魔天大筒の短筒バージョンらしい)。そこから撃ち出された弾丸は何者にも命中しなかったけど、彼の突撃の勢いは減じるどころか、むしろ増した。銃撃は牽制だったんだろう。
「うぬら、猛将を気取るのも結構だが――」
牽制によって生じた動揺が消えるより早く、真九郎さんは敵の群れに飛び込んだ。
「――将ばかりが集まったところで軍にはならんぞ。兵を指揮してこその将と知れ!」
縦横無尽に走りながら、右手に持った刀を腕の延長であるかのように自在に操り、瞬く間に三体のトループス級を斬り伏せ、一体のトループス級を刺し貫いた(四体とも、俺の石を食らってダメージを受けた奴らだ)。
「やかましい!」
そう怒鳴ったのは、真九郎さんの標的とならなかったトループス級。先程と同じように大声と銃声が重なったけど、発砲したのは真九郎さんではなく、トループス級のほうだ。
弾丸が背中に命中し、血肉が弾けた。
だけど、真九郎さんは無傷。そもそも、発砲者のほうを向いているのだから、背中に被弾するわけがない。弾丸を受けたのはトループス級の死体だ。そう、真九郎さんの刀で串刺しにされた四体目の犠牲者。
「うぬが猛将気取りではなく、真の猛将であれば、この弾丸はそれがしを撃ち抜いていたかもしれぬな」
楯代わりにした死体から刀を抜いて、真九郎さんは発砲者に斬りかかった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【未来予測】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
田淵・あゆみ
アドリブ連携歓迎
敬愛する人の格好してんのにアレかよ、みっともねー。
(俺らで言う、バンT着る意味を考えろ、って奴だな
背中に名前を背負うなら、恥じない振る舞いしないとね)
さぁ、踊ろうぜぇ!
【狂騒ダイバー】で複数のマイクシールドを地面から生やして拘束
飛翔や壁歩きで動き回って頭上や死角から蹴るよ
首がお留守になってるなら喉元狙って絞めにいく
拘束した奴ら振り回して当てにいったり、盾にしたりもする
穂村・夏輝
「人質は確保した。あとは倒すだけだね」
相手は見た目を色々と気にしているみたいだけど、こちらも人々に希望を与えるなら、色々と対面は気をつけないといけないな
「格好良く戦えるかわからないけど、行くよアンジェ」
【聖花神域】で自分達を強化して『天晶剣』による【斬撃】で斬り込むよ。不意打ちとかは避けて、正々堂々ぶつかり合うよ。体面気にせずに攻撃してくるようになったら
「アンジェ、派手に行くよ!」
【光使い】による『シャイニングレイ』で派手に射撃攻撃して吹き飛ばすよ
10歳くらいの見た目のアンジェが敵を蹴散らしている様子とかを見せれば、民衆に勇気を与えることができるかな
三苫・麻緒
立派な見た目も集団でされるとこうも残念になるなんてね…
中身が伴っていないせいもあるのかな
これじゃ独眼竜じゃなくてせいぜい独眼トカゲじゃない?
【飛翔】で敵の頭上を取りつつ機動力も確保
目立つかもだけど、逆に私の戦い方の方が派手だと煽れるからオッケーってことにしちゃおう
他の人の攻撃が通りやすくなればなおいいよね
銃弾には銃弾…はないからのかわりに魔弾を惜しむことなく≪連射≫
弱った個体から狙って確実に数を減らしていきたいな
反撃については加護の力で防御できればベスト
あとは機動力を活かして動き回って、集中攻撃されるのを避けたいかな
悪戯に戦闘を引き延ばす気はないけど、伊達っぽさがなくなるところは正直見たい…!
●三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)
「どんなに立派な見た目でも――」
モチーフを吟味する画家か写真家さながらに私は両手の親指と人差し指で長方形のフレームをつくり、一体のトループス級を捉えてみた。
うん。まあ、カッコよく見えないこともないかなー。
だけど、ズームアウト(というか、両手のフレームを顔に近付けただけ)して複数のトループス級をフレームに収めると……ダメだね。てんでイケてない。
「――コピペでもしたかのように同じ姿がズラッと並んじゃうと、こうも残念になるなんてね」
私の言葉を聞くと、トループス級たちはざわついた。
「あやつ、『こぴぺ』とか抜かしおったぞ。どういう意味だ?」
「田舎者のことではないか?」
「いや、それは違うだろう」
二番目のトループス級は『かっぺ』と勘違いしてる模様。
コント集団めいた彼らに白い目を向けて、私の右隣にいたあゆみさんがせせら笑った。
「麻緒さんの言うとおり、残念な連中だな。みっともねえったらありゃしねえぜ」
はい、名前を聞いて可愛い女の子を想像した人は残念でしたー。あゆみさんは見るからにバンドマンって感じのお兄さんでーす。
「リスペクトしてる相手の名前を背負ってんなら、それに恥じない振る舞いをしろってんだ。俺らで言う『バンT着る意味を考えろ』ってやつだわな」
あゆみさんの言葉を聞くと、またもやトループス級たちはざわざわざわざわ。
「あやつ、『ばんてぃ』とか抜かしおったぞ。どういう意味だ?」
「婦女子用の下帯のことではないか?」
「いや、それは絶対に違うだろう」
二番目のトループス級は『パンティー』と勘違いしてる模様。ベタにもほどがあるね。てゆーか、バンTを知らんくせしてパンティーは知っとんのかーい! ……と、ツッコもうとした矢先に、左隣にいた夏輝さんが叫んだ。
「アンジェ、派手に行くよ!」
それに応じてオラトリオのアンジェローザちゃんが両手を空に掲げると、白い薔薇の花がはらはらと降ってきた。オラトリオ持ちの十八番のパラドクス『聖花光臨』かな? ……と、思ったんだけど、どうも違うみたい。薔薇を浴びたトループス級たちはダメージを受けてないみたいだしね。
●田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)
「花なんぞを降らして、なんの真似だ!?」
「こんな手妻ごときで我らが怯むと思うてか!」
「独眼竜を舐めるなぁーっ!」
などと喚き散らすニセ正宗どもに向かって――
「怯ませるために花を降らせたわけじゃないよ」
――夏輝さんが突進した。
エセ正宗どもはぶっとい刀をブンブン振って迎え撃とうとしたが、夏輝さんはジグザグに走って斬撃を躱しつつ、魔晶剣らしき剣を同じようにブンブン振り回した。いや、同じじゃねえな。敵のほうはそれを躱せず、次々と斬られちまったんだから。もしかすると、さっきの花の雪は夏輝さんの戦闘能力を上昇させるパラドクスだったのかもしれない。
アンンジェローザも戦いに加わった(上昇の対象には彼女も含まれていたらしい)。大きく広げた翼から神々しい光線を放ち、パチモン正宗どもを吹き飛ばしていく。
「おー!? ガキにしちゃあ、やるじゃねえか!」
後ろから歓声が聞こえてきたもんで振り返ってみた。
小汚い顔をした女の子――鶴が岩陰から顔を除かせ、目をキラキラさせて観戦してる。『ガキにしちゃあ』とか言ってるけど、自分だってガキだよな。てか、アンジェローザのほうがいくつか年上に見えるぞ。
「はいはい。危ないから、頭は引っ込めといてねー」
と、麻緒さんが鶴を注意している間に俺は正面に向き直った。
夏輝さんとアンンジェローザは宣言通りに派手に戦ってるが、俺だって派手にやるのは得意だぜ。でなきゃ、バンドのフロントマンなんて務まりゃしねえ。
「さあ、踊ろうぜ!」
叫ぶと同時にばら撒いたのはコネクタープラグだ。
地面に突き刺さったそれらからマイク用シールドケーブルがにょきにょき伸びて、そのうちの一本(手前のほうから伸びてきたやつだ)が俺の足首に絡みついた。
かーらーのー……ジャンプ!
何体かの劣化正宗どもがこっちを見上げた。だが、俺の姿はすぐに奴らの視界から消えたはず。足首のケーブルがぐいっと引っ張ってきて、高度が一気に下がったから。
だけど、着地したわけじゃない。別のケーブルを手首に絡みつかせて、地面から斜め四十五度の角度で弧を描くようにして飛び、奴らの後ろに回り込んでやった。だけども……うーん。敵をそこそこ翻弄できちゃいるが、地面にしか支点がないから、頭の中で思い描いていたほど派手に動くことができねえな。天井や床からもケーブルを伸ばせる屋内だったら、もっと三次元的な動きができるんだけどなあ。
まあ、いいか。
いくぜー!
●穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)
「冥土の土産に教えてやるぜ、フェイク正宗ども!」
地面から伸びてるケーブルを利用して不規則に跳ね回りながら、あゆみは二体のトループス級に蹴りを食らわせた。
「この時代の奴らにも判るように言うなら、バンTってのは『出雲阿国』とか刺繍された腹掛けみたいなもんだ! ……って、ちょっと違うかな?」
一体のトループス級(俺の斬撃を受けた奴だよ)はその蹴りがとどめとなって死んだけど、もう一体はなんとか耐え抜き、あゆみに反撃した。ぴょんぴょん飛び跳ねながら斬りつけるという形で。たぶん、敵の技を真似するパラドクスを使ったんだろうね。
もちろん、そんな俄仕込みの攻撃が通用するはずもなく、刃は空しく空を切った。
それでもトループス級は果敢に跳ね続けたけれど――
「私も教えてあげる!」
――麻緒が攻撃を仕掛けてきた。
遙か頭上から。
「この時代の人たちにも判るように言うなら、コピペっていうのは芋版みたいなものよ! ……って、これもちょっと違うかなー?」
ミント色の翼を展開して空を舞いながら、麻緒は二発の魔力弾を発射した。どちらも命中。あゆみを真似て跳ねていた奴の胸に大きな穴が穿たれ、アンジェのシャイニングレイ(翼から放たれたあの光線のことだよ)でダメージを受けていた奴の首から上を消し飛んだ。
「芋侍だとぉー!?」
「我らをどこまで愚弄するつもりだぁー!」
「ちょこまか飛び回らずに地上で尋常に勝負しろ!」
トループス級たちは口々に怒鳴りながら(『芋版』を『芋侍』と聞き間違えているのはご愛敬)、麻緒めがけて短筒を乱射した。
でも、麻緒はアクロバット飛行さながらの機動で以て弾丸の嵐の中をすり抜けていく。敵は『ちょこまか』と評したけれど、その飛翔は華麗にしてダイナミック。必要以上に派手なアクションを見せて、伊達振りをアピールしているね。
それに比べて、トループス級たちの情けないことといったら……麻緒だけじゃなくて、あゆみや俺(とアンジェ)の攻撃にも翻弄され、右往左往しているよ。
「コスプレで着飾るだけでは、文字通りの『伊達』止まりよ。中身が伴ってないようじゃあ、独眼竜とは呼べないわね。せいぜい――」
麻緒が再び魔力弾を発射。
また一体のトループス級が倒れた。
「――独眼トカゲじゃない?」
「そうだ、そうだ! こいつらぁ、尻尾の切れたトカゲの群れも同然だぁーっ!」
「鶴ちゃん! 頭は引っ込めときなさいってば!」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【壁歩き】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
●幕間
砦の最上階の大広間。
門前で繰り広げられている戦いを本多忠朝は窓越しに眺めていたが――
「一人残らず殺られたか。あやつらも決して『伊達』ではなかったはずだが……」
――独眼トカゲならぬ梵天隊の全滅を見届けると、窓際から部屋の中央へと移動した。
先程までは酔漢特有のとろんとした目付きをしていたのだが、今は違う。その双眸は、死と隣り合わせに生きる者に相応しい鈍い光を湛えていた。ただし、片手の杯はそのままだ。
「酒を抜く暇もないわ」
そう言なり、忠朝は杯の中身を呑み干した。もとより酒を抜くつもりなどないのだろう。
砦の地下では、忍カラクリの中枢たる多面体オブジェクトが回転を続けていた。
カラクリ仕掛けの虎の群れに守られて。
神那岐・修
この地の奴らは絡繰りが好きなようだな
では壊しておくとしようか。簒奪者共に遠慮など不要だろう
耳栓でも着けて咆哮対策
完全に遮断せずとも和らげば無問題
足音などで得る情報も制限されるが構わぬ
己が把握せずとも肌は状況を感じ取っている
意識も介さず自ら撃つ無想の拳が“幻”故に
虎を確認次第手近な順に向かう
一足の間に踏み入ったら“瞬”にて近接
彼我の速度、踏み込む動き、受けるだろう咆哮
全ての衝撃を利用し無空にて撃ち込む
片端から叩き潰せばいずれ動くものが無くなるだろう
そうなる前でも潰せるなら忍びカラクリは破壊しておく
無頼漢なのでな
こいつのつくり手にも使い手にも敬意は払ってやらんぞ
塵に還っておけ
※連携・アドリブ歓迎
葛葉・狐狛
さて、絡繰りの突破と言っても、頭や手先で工夫するより、対策しっかりして押し通る感じかね。
まぁ、わかりやすくていいさ。
用意してきた装備品[狐耳用防音防寒イヤーマフ]を付けて防音対策。
罠のトラはクロノオブジェクトだろうからね。対策もソレなりに手はかけるさ。
ご同道の面々との連携は【パラドクス通信】。
物陰を【忍び足】で移動して、しっかり【偵察】【観察】して隙を伺って、速やかに接近。
連携取りつつ、効率的に壊しやすいところを【看破】して【怪力無双】とパラドクスで破壊していくよ。
別に全損させる必要もなくて、喉の音波振動造り出す機構さえ破壊できりゃいいだろうからね。
穂村・夏輝
音波攻撃か……目に見えない攻撃ってのが厄介だね
「咆哮に衝撃波とか物理的な破壊力はあるのかな?」
あるなら更に厄介だろうけど、砦も壊れそうだよね
あらかじめ轟音対策が必要とは言われたから、耳栓を自分とアンジェの分用意しておこう。仲間とは攻略中に会話ができない可能性が高いし、どういう行動を互いに取るか打ち合わせはしておく
虎と遭遇したら、自分は距離をとって戦場を全体的に見られるようにしておく。【未来予測】を交えて敵の動きを注視し、【リングスラッシャー】で呼び出した光輪で味方が死角を突かれて攻撃されないようにカバーに回る
「俺がコイツ等の好きにはさせないよ……って言っても聞こえないか」
田淵・あゆみ
アドリブ連携歓迎
とりあえずはコイツを止めないと邪魔されるって事か
しかし、この手のカラクリあちこちに出てくるけどいったい誰が作ってんだろーね?
事前に対策せよと聞いてるので、イヤホンしっかり着けてくよ
パラドクス通信あるので、お互いの意思疎通は問題無いだろうし
カラクリ虎は、吼える以外は空飛んだりしなそうだし、壁歩きで天井歩いて侵入する
【金色スパーク】で虎狙うよ
飛翔と壁歩きで跳び回って攻撃
ご本尊のカラクリ本体が狙えそうならそっち優先する
守るものが攻撃されたら虎もこっちくるだろうから、
他の人の攻撃徹りやすくなるだろうし
伊藤・真九郎
罠の種類が分かっていれば対策も可能。
竹筒に入れてきた水で濡らした布切れを耳に詰め耳栓をする。
更にその上から兜を被り防音。
これで騒音は防げようが、耳が聞こえぬでは気配が読めぬ。
【完全視界】で視界を明瞭にし、隙を作らぬ様に。
カラクリの中枢のある部屋を探り突入する。
音に耐えつつカラクリ虎どもを殲滅。
天魔短筒を構える。パラドクスで威力と連射性を強化した魔力弾を掃射。鉄砲隊の釣瓶打ちのごとき段幕で片端から打ち砕いてくれよう。
中枢装置が狙える位置を取れれば、そちらにも弾丸を撃ち込もう。
●田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)
ダサ正宗どもはかたづいた。
だけど、俺たちは虎縞模様の砦にいきなり飛び込んだりはしなかった。色々と準備があるからな。
「罠の種類が最初から分かっているのであれば、対策も容易いな」
真九郎くんが兜を外して素顔を晒し、『容易い』と評した対策のための作業を始めた。布切れの端を噛んで引き裂き、それを竹筒の水で濡らして丸めていく。
「即席の耳栓かい?」
夏輝くんが尋ねた。アンジェローザに耳栓を手渡しながら。
「そうだ」
真九郎くんは布切れを自分の耳に押し込み、兜を再び被った。
夏輝とアンジェローザも耳栓を嵌めた。前者はスムーズに、後者は少しぎこちなく。
「なぁーにグズグズしてんだよぉ!?」
足を踏みならして喚き散らしたのは鶴だ。俺たちが悠長に構えているように見えるんだろう。
「さっさと親玉をやっつけに行こうぜぇー!」
「やっつける前にブッ壊しておかなくちゃいけない物があるんだよ」
と、狐狛くんが諭したが、鶴は納得せずにぎゃあぎゃあ喚き続けてる。でも、狐狛くんには聞こえちゃいないだろうな。防音仕様と思わしきイヤーマフ(妖狐の耳に合わせた特注品のようだ)を装着したから。
「一緒に戦うかのような口振りだが、おまえを同行させるつもりはないぞ。ここに残ってもらう」
サイレントワールドに没入した狐狛くんに代わって、いかにも武道家って感じの背の高い兄ちゃん――修くんが鶴に釘を刺した。
鶴はまたもや大声で反論したけど、修くんは耳栓をつけて黙殺。
そして、俺の耳も騒音から遮断された。パラドクス通信機に繋がったイヤホンを突っ込んだから。
●伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)
それがしたちは砦に踏み込み(もちろん、鶴は置いてきた)、入ってすぐの場所に設けられていた階段から地下道へと降りた。
幅が四間以上もある広い地下道だ。天井も高く、三間近くもある。
念のためにパラドクス効果の『完全視界』を発動させていたのだが、必要なかったかもしれぬ。妖術ともカラクリとも知れぬ明かりが天井に灯っているからな。
その明かりを見上げて、あゆみ殿が口を動かしたが――
「――」
――濡らした布切れで耳を塞いでいるゆえ、それがしにはなにも聞こえん。おそらく、軽口を叩いたのであろうが。
狐狛殿があゆみ殿に顔を向けて肩をすくめた。狐の面をしているので口の動きは見えぬが、なにか言葉を返したことは察しがつく。この二人は耳当てを通信機に繋げているので、互いの声が聞こえているのだ。
「……」
夏輝殿が無言で(口は動いていないから、無言であることは間違いない)前方を指し示し、アンジェローザとともに進み始めた。
それがしたちも後に続いた。
十間ほど進んだところで突き当たりに到着。そこには門が設けられていた。頑丈そうな鉄門(くろがねもん)だが、クロノ・オブジェクトの類ではなさそうだ。
『俺に任せろ』とでも言うように修殿が自身の胸を軽く叩き、門に近寄った。
そして、腰を落として右肘を引き――
「――」
――叫びとともに(くどいようだが、それがしには聞こえん)掌底を門の中央に叩き込んだ。
門が文字通り木っ端微塵に砕け散り、その奥に隠されていたものたちが視界に入ってきた。
宙に浮かび、ゆっくりと回転している多面体。
そして、その周囲にいる虎型のカラクリたち。
●神那岐・修(紫天修羅・g08671)
カラクリ仕掛けの虎たちの造形はなかなかどうして悪くなかった。本物の虎と見紛うほど精巧な出来ではないが、虎の持つ威風堂々たるイメージは見事に具現化されている。
そういえば、俺が壊した門の造りも立派だったな。砦の外門よりも凝っているように見えた。現代まで残っていれば、重要文化財の類に指定されていたかもしれない。
しかし、それを壊すことに俺は抵抗を感じなかった。この虎たちにしても同様。芸術的価値がどんなに高かろうと、これらの造り手に敬意なんぞ微塵も払ってやるものか。すべて、塵に還してやる。
「――!」
「――!」
「――!」
虎たちが次々と咆哮した……らしい。耳栓越しに聞こえてくるのは咆哮には程遠い唸り声のような代物だ。
唸り声レベルのものであってもそれなりに迫力はある。だが、あくまでも『それなり』だ。俺たちを怯ませるほどじゃない。
真九郎が短筒を虎たちに向けた。
夏輝が翼を大きく広げた。
そして、あゆみと狐狛が(おそらく、通信機越しに言葉を交わしながら)身構えた。
咆哮が通じていないことを悟ったのか、何頭か……いや、何機かの虎がこちらに向かって走ってきた。
視界の隅でマズルフラッシュが明滅。
真九郎が続け様に短筒を撃ったんだ(耳栓をしているので、銃声は聞こえなかった)。短筒なのに連射ができるのは、クロノ・オブジェクトだからか? あるいはパラドクスによる射撃だからか? なんであれ、カラクリごときがその猛攻に耐えられるはずもない。先頭を駆けていた虎は銃弾の雨を正面から浴び、床に滑り込むように倒れ伏した。
後続の虎たちの勢いが減じた。仲間がいきなり倒されたので恐れをなしたように見えるが、カラクリにそんな心があるとも思えない。プログラムのようなものに従った行動なのだろう。
●穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)
真九郎の銃撃が止まると同時に俺は足を踏み出した。
それに呼応するかのように虎たちが再び突進してくると――
「今だ!」
――聞こえないことを承知で俺は叫んだ。
俺の翼の陰に身を潜めていた狐狛が斜め前に飛び出し、壁を蹴りつけて三角の軌道を描き、一機の虎に横から襲いかかった。
虎は狐狛のほうに顔を向けたけど、すぐにそっぽを向いた。いや、強制的にそっぽを向かされた。狐狛に首を掴まれ、へし折られたんだ。
仲間の仇を討つべく、別の虎が狐狛に飛びかかろうとした。でも、体中から火花を散らして、反対方向に吹き飛ばされた。真九郎が銃撃を再開したんだ。
もちろん、彼らだけに戦いを任せるつもりはない。俺はパラドクス『リングスラッシャー』を発動させ、翼から光輪を放った。
「おまえたちの好きにはさせないよ」
虎たちは耳栓などしていないから、俺の言葉は聞こえたはず。聞こえたからといって、その後に待ち受けていた運命は避けようがないだろうけどね。そう、首や尻尾や脚を光輪でスパスパと斬り落とされるという運命は……。
言っておくけど、俺はやたらめったら適当に攻撃しまくってるわけじゃないよ。ちゃんと仲間たちの死角を補うような攻め方をしてる。その点は事前に打ち合わせ済み。大半の面々が耳栓をしてる状況では、意思の疎通が難しいからね。
『大半の面々』に属さないのは狐狛とあゆみだ。前者はイヤーマフを、後者はイヤホンを、パラドクス通信機に繋げてる。
●葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)
「こいつら、首と腹の辺りの構造がちょっと脆いみたいだぞ」
虎モドキたちを観察して知り得た情報を俺はパラドクス通信機越しに伝えた。耳栓をしてる奴らにも判るように身振り手振りを交えて。
『了解』
パラドクス通信機から返事が聞こえ、俺の横を人影が疾風のように通過した。
返事をしたのはあゆみだが、影の正体は修だ。一体の虎モドキへ正面から突進し、顎を思い切り蹴り上げた。その衝撃でのぞける虎モドキ。のけぞりすぎて、腹が無防備にさらされてる。
すかさず、修は――
「――!」
――裂帛の気合いってやつを発して(いや、聞こえないけど、たぶん気合いの叫びだと思う)、とどめの掌底を腹に打ち込んだ。
あゆみも行動開始。パラドクス効果の『壁歩き』で以てコウモリさながらに天井に逆さに立ち、地上の乱闘から距離を置いた状態でケーブルらしき物を勢いよく飛ばした。ただし、標的は虎モドキじゃなくて、奥にある多面体だ。
多面体の表面にケーブルの先端が突き刺さった。途端に多面体は回転を止め、小刻みに震え始めた。強い電流かなにかがケーブルを流れてるのかな?
『忍びカラクリの中枢を攻撃すれば――』
得意げな声が通信機から聞こえてきた。
『――虎どもの注意を引いて隙をつくることができる。一石二鳥だろ?』
あゆみの言うとおり、虎モドキたちの意識は多面体のほうに向けられた。ある者は反転して多面体に駆け寄り、ある者はケーブルに噛みつき、ある者はジャンプしてあゆみに攻撃を仕掛け……やってることはバラバラだけど、俺たちのことを忘れているという点は同じ。
だけど、こっちは戦いを忘れちゃいない。夏輝が光の輪っかを飛ばし、修が拳を振るい、真九郎が銃を撃ちまくり、俺も暴れ回って、隙だらけの虎モドキたちを次々とかたづけた。
そして、虎モドキの最後の一体がガラクタに変わった瞬間、電流を浴び続けた多面体も砕け散った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
【通信障害】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV3が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!
【グロリアス】LV1が発生!
●幕間
地下道の忍カラクリを破壊したディアボロスたちは砦の最上階へと登った。
そこで待っていたのは、鎧武者の姿をしたアヴァタール級の鬼。
本多忠朝である。
ディアボロスたちへと向けられた彼の目には覇気が漲り、狂気が宿り、殺気が放たれて――
「ははははは……」
――いなかった。
垂直にした槍にもたれるようにしてだらしなく立ち、頭をかきながら、力なく苦笑している。
「参ったのう。かわいいトループス級どもを全滅させられた挙げ句に忍カラクリまで破壊されたとあっては、上から大目玉を食らうは必定……いや、待てよ? あるいはその逆か? トループス級を全滅させた敵を一人で返り討ちにすれば、武名も上がり、冷や飯食いの立場とおさらばできるかもしれぬ」
苦笑はそのままに忠朝は姿勢を正し、槍を水平にして穂先をディアオボロスたちに突きつけた。
「……などと言ったところで、捕らぬ狸のなんとやらよな。狸を捕らねば、話が前に進まぬわ」
武名を上げて冷や飯食いの立場から脱却することを本気で望んでいるような口振りではない。
だが、戦いを望んでいるのは間違いないだろう。いつの間にやら、その目には覇気が漲り、狂気が宿り、殺気が放たれている。
「しかし、どの狸もいぃーい面構えをしておる。簡単には捕らせてくれそうもないのう」
故郷から異郷へと落ち延びた『冷や飯食い』はディアボロスたちを改めて見回した。
覇気と狂気と殺気を取り戻した目で。
伊藤・真九郎
何やら語っているようだが、聞き取れん。耳栓は取り除いておくべきだったか。
口上を無視するも無礼やも知れぬが、あの目は戦いを臨むもの。ならば刃にて応えればよかろう。
大小二振りの刀を抜き放ち間合いを測る。仲間と連携し攻撃を仕掛けよう。
【ダッシュ】し一気に間合いを詰める。刀で槍に立ち向かうには【勇気】もて懐に飛び込むしかない。
二刀の刃を擦り合わせれば火花と共に刀身を炎が包む。【武器改造】【火炎使い】。
小太刀で槍を払い除け、太刀による渾身の斬撃を叩き込み灼き斬る。
双刀を組み合わせた防御で反撃を受け流す。穂先に【精神集中】し刺突を【看破】。何やら言うておるようだが、聞こえぬし聞く耳も持たぬ也。
神那岐・修
さて。この鬼の首取れば良いんだったか
鬼退治は武人の誉れというものだ
離れていても話にならんので確認次第向かう
“圓”“幻”にて向けられる攻め手を捌き、一足の間に踏み込んだなら“瞬”を重ね最速で近接し一撃
以後離れず幻陽で攻める
速くとも、予備動作がなくとも、動作の起こりも過程も消えてなどいない
ならばこの手脚は過たず滞らず脅威を打ち払う
故に意識は全て攻めに
打ち払う動きはそのまま踏み込み敵を打つ一歩に
守りを差し込まれるなら衝撃波で崩し抉じ開け、鋒と成した拳足で穿つ
狸と見たのならそれが敗着というものだ
この修羅の業、刻んで逝け
※連携・アドリブ歓迎
田淵・あゆみ
酒は飲め飲め、飲むならば……って、あれは槍違いか(詩吟の黒田節を一節詠う)
酔っ払いかと思ってたが、曲がりなりにも武士だわな。敵が来りゃシャンとするんじゃん
【狂騒ダイバー】発動
今回は壁も天井もあるからな、本領発揮と行こうか。さぁ、踊ろうぜぇ!
天井や床、壁にコネクタ複数生やして、シールドと【壁歩き】で跳び回って攻撃…と見せかけて捕縛を狙う
反撃は【未来予測】で来る方向だけでも分かれば首や腹の重要な所は避けやすくなるだろ
腕や脚で止める
槍を絡め取って落とせればラッキーだね
葛葉・狐狛
戦国最強ロボの倅を、異郷の鬼が名乗るとはね。
闇鍋かよ、天正大戦国。
挙げ句に酔客、絡み酒とは参ったもんだ。
前線は近場での殴り合いが得意な面々にお任せ。
酒の銘が分かりゃ、【料理】の及ぶ範囲で寸評ぐらいは返しておこう。
とは言えお酒の誘いは、元服前なんで丁重にご遠慮しとくよ。
呑んだことないのになんで知ってるかって?企業秘密ってやつさ。
せめて宴会芸ぐらいは披露しようとわざとらしく【演技】しつつ【光使い】で光源を踊らせて【時間稼ぎ】。
隙が出来ても出来なくても【不意打ち】から【貫通撃】【投擲】で光の中から【九曜紋来寇】を撃たせて貰おうかね。
あいにくこっちは武士でもないんでね。手段は選ばず、やらせて貰うさ。
三苫・麻緒
コピペ竜も絡繰りも偽物って感じだったけど、流石にこっちは偽物と侮っていたら皮にされそうな雰囲気だね
だからと言って引くつもりもないけどさ
大きな鹿を取って勝利の紅葉鍋しなくちゃだからね!
出し惜しみしてる場合じゃないからネメシス形態になるよ
さらに【飛翔】して機動力も確保
攻めに出るときは素早く舞い上がって、背後を突く形で突っ込みたいね
上からも面倒な攻撃がくると警戒させることができれば上等
あわよくば槍等の武器も≪強打≫して取り落とさせたいところ
反撃の槍は離れて間合から逃げ切るのは多分無理
だから力の入りにくいであろう近距離で対峙し続けるよ
事前に抜いておいたナイフでの受け流しと加護の力で耐え切ってみせる!
穂村・夏輝
向こうの口上にはこっちも口上で対抗
「そちらがどんな武将であろうと、幼子を磔にし、人々の心を挫くそのやり口、とても許されるようなものではないよ。その罪、自身の身にしっかりと受けるんだね!」
そう言って【断罪の天秤】を発動。自分とアンジェの戦闘力を強化して肉弾戦を仕掛ける。ちなみに、自分はアヌビス、アンジェは幻獣アメミットの姿を模した格好へと変化する。アメミットは体の一部が獅子だから、虎相手には丁度いいかな
無事戦いが終わったなら、鶴ちゃんには勇気を持つのは大事だけど、無鉄砲さを何とかしてほしいことは伝えるかな。きっと彼女の頑張りに感化された大人達もいるだろうから、そういう人達も助けてくれるだろうし
●葛葉・狐狛(狐憑き・g00840)
本多忠勝といやあ、最強クラスの戦国武将。このディヴィジョンに同名のクロノヴェーダが存在しているとしたら、そいつも御多分に漏れず機械仕掛けの天魔武者なんだろうが、その倅を異境の鬼が名乗るとは……闇鍋かよ、天正大戦国。
だけども、『異境の鬼』であるところの本多忠朝を鍋で煮られているだけの具材と侮ったりすると、口の中を大火傷しそうだ。超重量級って感じの厳つい槍を片手だけで持ち、微動だにさせずにこっちに突きつけてる姿の迫力あることといったら……そこそこ距離があるにもかかわらず、喉元にピタリと穂先をあてられてる気分だよ。
だからといって、ビビったりはしないけどねー。
オレだけじゃなくて、真九郎さんもビビちゃいないらしい。左右の手に一振りずつの刀を持って(右手のは日本刀で、左手のは小振りな七支刀だ)、静かに、ゆっくりと、それでいて殺気たっぷりな足さばきで一歩だけ踏み出した。
そして、忠朝に言った。
「すまぬ! なにやら語っていたようだが、一言も聞き取れなかった!」
あら? まだ耳栓してたの? てか、自分の声も聞こえないもんだから、大声になってるし。
「おいおい。そりゃなかろう……」
げんなり顔を見せる忠朝。シリアスな雰囲気が台無しにされたので(いや、真九郎さんに悪気はないんだろうけど)モチベーションがガタ落ちになっちゃった模様。
でも、いつまでも腐ってはいない。表情をまた引き締めて、真九郎さんに言った。
「参ったのう。かわいいトループス級どもを全滅させられた挙げ句に忍カラクリまで……」
「いや、口上をわざわざ語り直さなくていいからー!」
と、麻緒さんが割り込んだ。切れ味鋭いツッコミだ。
でも、忠朝は自分のペースを崩さなかった。
「そうはいかぬ。せっかくの長台詞だ。全員にしっかり聞こえるまで、何度でも語り直すぞ。では、改めて……こほん」
咳払いして、リピート。
「参ったのう。かわいいトループス級どもを全め……」
「もういいよ」
と、今度は夏輝さんが忠朝の言葉を断ち切った。
●三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)
なんかコントみたいな状況になっちゃったけど、夏輝さんが場を仕切り直してくれたよ。よかった、よかった。
「アナタが何者であろうと、どんな事情を抱えていようと……幼子を磔にして人々の心を挫くそのやり様はとても許されるようなものじゃない」
「はぁ?」
忠朝の眉間に皺が寄った。
「許すだの許さぬだのと、どの口で抜かす? 許されぬ生き方しかできぬディヴィジョンに鬼を追いやったのは他ならぬディアボロスであろうが。それを忘れたか?」
その言葉に夏輝さんが応じるより先に修さんが口を開いた。
「追いやられる前のディヴィジョンでも鬼は同じようなことをしてただろうが。それを忘れたか?」
はい、一本取ったー!
忠朝は眉間の皺を消したけど、その代わりに唇を不満げにとんがらせた。コドモか?
「では、どうすればよいのだぁ? 人間どもに一切関わることなく、霞を食ろうて生きろとでも?」
「アナタが食らうのは霞ではなく――」
と、夏輝さんが言った。
その姿がみるみるうちに変わっていく。ネメシス形態ではなさそう。パラドクスによる変身かな?
「――犯してきた罪に相応する罰だよ」
変身完了。夏輝さんの新たな衣装の胸のところには赤い目のような装飾が施されていた。額にあるフェニロールの装飾も赤い目を模してるみたい。頭にはケモミミさながらに二本の羽根を挿して、右手に天秤を持ってる。
横にいるアンジェローザちゃんの衣装もチェンジしていた。こっちは鬣の生えたワニのような着ぐるみ。ヘンテコだけど、可愛いね。
「仮装するには時期外れじゃね? ハロウィンはとうに過ぎたぜ」
あゆみちゃんが茶化すと、夏輝さんはマジメな顔をして答えた。
「これは今は亡きジェネラル級エンネアド『アヌビス神』の力を取り込んだ姿だよ。ちなみにアンジェのほうは――」
着ぐるみ姿のアンジェローゼの頭をぽんぽん。
「――罪人の魂を貪り食らう幻獣『アメミット』に扮してるんだ」
●伊藤・真九郎(人間の戦国武将・g08505)
夏輝殿は頭に挿していた二本の羽根のうちの一本を抜き取り、天秤の片側に乗せた。
すると、天秤が傾いた。
大きく跳ね上がったのは、羽根が乗った受け皿。
深く沈み込んだのは、なにも乗っていない受け皿。
「――」
夏輝殿は天秤を掲げ、忠朝になにごとかを告げた。耳を塞いでいるそれがしには聞こえぬが。
「――」
忠朝が大音声(耳を塞いでいても、尋常な声量でないことくらいは判る)で以て応じた。それがしに読心術の心得はないが、口の動きが大きい故に読むのは容易い。ト、オ、カ、ラ、ン、モ、ノ、ワ……ふむ。そこまで読めれば、後の言葉も察しがつく。『遠からん者は音にも聞け。近くばよって目にも見よ』といったところか。
それはただの叫喚ではなく、パラドクスだったらしい。夏輝殿の体は強風でも受けたようにビリビリと震えている。外傷は見えぬが、無傷ではないだろう。
しかし、忠朝もまた無傷では済まなかった。アンジェローゼが襲いかかり、叩きのめしたのだ。体格差をものともしない強烈な殴打。あの不可思議に天秤から力を得たのだろうか?
続いて攻撃を仕掛けたのは、あゆみ殿。奇妙な紐(新宿島で『コード』だの『ケーブル』だのと呼ばれている代物であろう)を四方八方に伸ばして壁や天井に突き刺し、それらの端を次々と掴んでは離し、掴んでは離して、振り子のように動き、予測のつかぬ軌道で忠朝に迫っていく。これは砦の外でトループス級たちと戦った時に使ったパラドクスだな。
「――」
叫びながら、あゆみ殿は紐のうちの一本を鞭さながらに操り、忠朝に叩きつけようとした……と、見せかけて、忠朝の得物である槍に絡みつけた。
すさかず、その紐をぐいと引く。
槍が忠朝の手から離れて、床に落ちた。きっと『カラン!』という良い音が響いたことだろう。聞こえぬのが残念だ。
●神那岐・修(紫天修羅・g08671)
「おらよっ!」
片手でケーブルに掴まって宙に浮いたまま、あゆみは反対の手から別のケーブルを再び繰り出した。
「うおっ!?」
鼻面にケーブルを食らい、忠朝がのけぞった。だが、その姿を無様と嗤うことはできない。のけぞった拍子に足下の槍を蹴り上げ、しっかと受け止めたんだからな。
もちろん、ただ受け止めるだけでは終わらない。空中のあゆみめがけて、槍を突き出した。
「うおっ!?」
今度はあゆみが声を上げた。右の前腕を刺し貫かれたんだ。とはいえ、致命傷じゃない。いや、致命傷を避けるために前腕を盾にしたのだろう。
あゆみは腕から槍を引き抜いて飛び退り、パラドクス効果の『壁歩き』の力で着地ならぬ着壁した。
そして、床と平行に立つという不自然な姿勢のままで歌い――
「さぁ~けぇ~はぁ~のぉめのぉめぇ~♪ ……って、あれは別の槍使いか」
――腕から流れ落ちる血など気にかける様子も見せず、不敵に笑ってみせた。
「しっかし、鋭い一撃だったぜ。ただの酔っ払いかと思ってたが、曲がりなりにも武士だわな」
「うんうん」
と、麻緒が頷いた。
「独眼トカゲのコピペ侍たちとは格が違うね。油断していると、可愛いタヌキちゃんな私たちも皮にされちゃうかも。もっとも、こっち側にだって――」
「――格の違う武士はいるんだよな」
狐狛が後を引き取り、自分の前に立つ『格の違う武士』の背を叩いた。
言うまでもなく、真九郎だ。
「あいかわらず、なにを言っておるのか判らぬが……戦いを強く望んでおることだけは判る! その目を見ればな!」
忠朝に向かって走り出しながら、真九郎は左右の手に持った大小を交差させて擦り合わせた。
「ならば、刃にて応えるのみ!」
大小の間で火花が散り、どちらの刀身も炎に包まれた。
一方、忠朝は咆哮のパラドクス(夏輝に見舞ったやつだ)で迎撃。
「やあやあ! 遠からん者は音にも聞け! 近くばよって目にも見よぉーっ!」
「あー! うっせえなぁ!」
狐狛が自分の狐耳を手で押さえつけた。
「オレも真九郎さんみたいに耳栓をつけっぱなしにしときゃよかった!」
いや、ただの大声ならともかく、パラドクスは耳栓でも防げないだろう。実際、咆哮を浴びた真九郎の動きは少しばかり鈍っている。
その隙を見逃すことなく、忠朝は槍を突き出した。
しかし、真九郎は咆哮の呪縛から逃れ、左手の小刀で槍を跳ね上げつつ、右手の大刀で忠朝に斬りつけた。
●田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)
攻防一体って感じのアクションを披露した真九郎くんだったが、防のほうは完全に成功とはいかなかった。心臓に向かっていた槍の軌道を逸らすことはできたものの、肩を斬り裂かれちまったんだ。
そんかし、攻は上手くいったぜ。めらめらと燃える刀で忠朝の腹んところをばっさり!
「やるのう!」
傷口からちょびっとはみ出した腸を強引に詰め直しながら、忠朝は笑ってみせた。
「やはり、一筋縄ではいかぬ狸だったか。いやさ、狸どころか虎よな」
「トラはそっちだろ。この飲兵衛め」
なにやら大仰な動きで印を切るような仕草をしながら(パラドクスを仕掛けようとしているんだろう)、狐狛くんがからかった。
「飲兵衛のなにが悪い? 酒は百薬の長よ。試しにうぬも飲んでみい。浮世の憂さを忘れられるぞ」
「遠慮しとくよ。オレ、元服前だし……」
忠朝が杯を差し出したけども、狐狛くんは受け取らなかった。狐の面をつけてるから判らないけど、呆れ顔をしてるんだろうな。
「もー! 未成年にお酒を勧めちゃダメでしょ!」
と、忠朝を叱ったのは麻緒さんだ。面とかはつけてないので、呆れ顔がはっきり見える。
「コンプラってのを考えてよねー」
「うるさーい! コンプラも天麩羅もあるかー!」
忠朝、いきなりブチぎれるの巻き。アルハラだ、アルハラだー。
「飲まぬなら、殺してしまえ、ホトトギス! 酒の代わりに槍を飲み込ませてやるわー!」
アルハラ侍が襲いかかった相手は狐狛くん。
だが、狐狛くんは慌てず騒がず――
「偉大なる御霊、原初の復讐者に願い奉る。九曜より来たりて、我らが理を示せ」
――パラドクスを相手にぶつけた。いかにも陰陽師って感じのパラドクスだけど、詳しいことはよく判らない。しかし、よく判らないなりの効果はあったらしく、よく判らない力によって、忠朝の勢いが弱まった。
「武士からすれば、こういうのは卑怯な技に見えるのかな?」
と、狐狛くん。狐の面をつけてるから判らないけど、ドヤ顔をしてるんだろうな。
「でも、オレは武士じゃないんでね。手段は選ばずにやらせてもらうよ」
「俺も選ばんぞ」
そう言いながら、修くんが忠朝に迫った。
「そもそも、選べるほどの手段がないからな。俺にあるのは拳と足のみ。しかし、それで充分だ」
「充分かどうか試してやるわ!」
忠朝が吠え、槍が唸りをあげた。
●穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)
忠朝が槍を繰り出した。この戦いで幾度も目にした電光石火の突き。
修は手刀で槍を払いのけたが、真九郎の時と同じように致命傷を免れただけであり、ノーダメージとはいかなかった。
しかし、攻撃の点でも真九郎の時と同じ。槍で傷つけながらも敵の懐深くに踏み込み、一撃を放った。
「鬼退治は武人の誉れだ」
「ならば、武人の誉れとなるのも鬼の誉れかのう……ぐっ!?」
忠朝が軽口を叩いたけれど、語尾に呻きが混じった。修の掌底が鳩尾に命中したんだ。
「よーし! よくやった!」
後方から歓声が聞こえてきた。
「さすが、俺様が見込んだ強者たちだぜ!」
振り返った視界に入ってきたのは鶴だ。広間の入り口のところで堂々と仁王立ちして、こっちを観戦してる。外で待機しておくように言って聞かせたのに……。
「オレたち、いつの間にか見込まれてたらしいぞ」
「そいつぁ、光栄だぜ」
と、冗談めいたやりとりをしている狐狛とあゆみの間を――
「はい、どいてどいてー!」
――見知らぬ少女が駆け抜けた。
いや、実は見知っている。その少女の正体は麻緒。ネメシス形態に変身したから、ちょっと印象が変わっているんだ。
ネメシスバージョンの麻緒は天井を突き破らんばかりに高く跳躍。足が床を離れると同時に魔力の翼を構成している複数の文様が広がり、繋がり、隙間のない巨大な翼へと変わった。それをはばたかせる様は豪奢の衣装の裾を翻しているようにも見える。
「鹿を狩って、勝利の紅葉鍋を美味しくいただかせてもらうよー!」
麻緒は忠朝の背後に回り込んで着地した(鹿という言葉が出てきたのは、忠朝の兜だか半首だかに鹿の角みたいな装飾が施されているからだろう)。敵が翻弄されること間違いなしの素早い動き。
でも、その敵が忠朝である場合には『間違いあり』だったようだ。
「狸の皮をかぶった虎に鹿呼ばわりされるとは……ここには獣しかおらぬのか」
苦笑しながらも、忠朝は瞬時に反転。おなじみの突きを披露した。
麻緒は再び翼をはばたかせて飛び退る……と、思いきや、逆に前に出た。銀のナイフを手にして。
「押してもダメなら引いてみな。だけど、退いてもムダっぽいから、押しまくーる!」
甲高い金属音が響いた。
ナイフの刃と槍の穂先が搗ち合った音。
麻緒はナイフで槍を受け流すつもりだったのだろうけれど、狙いを完全に逸らすことはできなかった。槍の穂先は彼女の脇腹に突き刺さっている。
だけど――
「……ぐはっ!?」
――吐血したのは忠朝のほう。
彼の左胸には銀のナイフが抉り込まれていた。
●終幕
「よっしゃあー! 大、勝、利!」
大広間が勝ち鬨に揺れた。
声をあげているのは、戦いには一切関与しなかった(させてもらえなかった)鶴だ。
「ふふっ……」
無邪気に喜ぶ鶴を見やり、忠朝が微笑した。
「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す。儂は皮を留めることができたかのう?」
「さあな」
と、修が肩をすくめた。
「しかし、死に花を咲かすことはできたんじゃないか」
「かもしれぬ。寄る辺なき鬼なんぞには……過ぎた……花よ……」
忠朝はどうと倒れた。衝撃で床が軋みをあげる。
「……」
二度と立ち上がることのない鬼に対して、真九郎が黙礼した。
麻緒もまた小さく頭を下げた後――
「冗談のつもりだったけど、ホントに紅葉鍋が食べたい気分かな」
――傷の痛みに耐えながら、皆に笑顔を見せた。
「うん」
狐狛が頷いた。
「闇鍋よりも紅葉鍋のほうがいいよな」
「闇鍋って、なんのこと?」
「いや、こっちの話……」
「待て、待て。鍋とかよりも先に――」
ニヤニヤ笑いながら、あゆみが話に加わった。
「――やるべきことがあるぞ。そうだろ、夏輝くーん?」
「ああ」
あゆみに話を振られた夏輝が鶴へと目を向けた。
そして、『やるべきこと』を始めた。
鶴への説教である。
「いいかい、鶴ちゃん。勇気を持つのは大事だけど、無鉄砲と勇気は別物なんだよ。お願いだから、今後はもう少し考えて行動……(くどくどくどくど)」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【飛翔】がLV6になった!
【壁歩き】がLV2になった!
【活性治癒】がLV2になった!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV4になった!