竜の花嫁は海に旅立つ(作者 のずみりん)
#幻想竜域キングアーサー
#竜の花嫁、ベルファストへ
#竜の花嫁
#ベルファスト
#輸送船グレイスブリンガー
⊕
●元花嫁の舞姫姉妹
「つ……着いたーっ!」
長い旅路の果て、広がる一面の青い世界へ旅芸人の姉妹は疲れも忘れ、声を上げた。
「ほらほら姉さん! 海よ、海っ! みんながいってた通り……うわ冷たっ!?」
「もう、フィナったら、はしたないわよ!」
砂浜に飽き足らず海まで飛び出していく妹、それを追いかける姉ラナの声も弾んで響く。
それもそうだろう。市井の踊り子だったフィナが竜の花嫁に選ばれてからの非日常の連続、ドラゴンの支配を抜け出して旅に出た二人は、ようやく目指した地へと辿り着けたのだから。
「いいじゃない、ちょっとくらい! これからまた大変なんだからっ、ははっ!」
「本当よ、もう! 相乗りした商隊の人の話だと、海沿いには小さいけど集落があるそうだし、その辺から回ってみる?」
「賛成!」
海を見に行くという約束したのは誰だっただろうか。
辿り着いても安住には程遠いし、何が解決したわけでもない。けれどじゃれあう姉妹の心は前向きで、希望に満ちていた。
「歌って、踊って、どうにでもなるよ。ずっと二人、ここまできたんだもん!」
●竜の花嫁輸送作戦
「みんな、お待たせ。攻略旅団の方針で決まった、竜の花嫁と関係者をアイルランドのベルファストに避難させる準備ができたよ」
シャーロット・アルシェピス(人間の撃竜騎士・g03299)は集まったディアボロスたちへ、朗らかに竜の花嫁たちの避難作戦の実施を告げた。
「輸送は以前から建造してきた『グレースブリンガー』の本領発揮。ついでにマンチェスターで余らせている余剰の小麦を食料不足のベルファストに運び込む作戦も、あわせて実行する事になったからよろしく頼むよ」
シャーロットが言うには、小麦の輸送はベルファストに避難する花嫁たちの当座の資金源にもなるはずだという。
「一度に輸送できる量はそう多くないとはいえ、ベルファスト周辺の人々の食糧事情は改善の役には立つはずだよ。後は運ぶ『もの』の準備だね」
シャーロットとディアボロスが関わった竜の花嫁の一人、旅芸人姉妹の踊り子『フィナ』は、王都キャメロットからの脱出以降、ディアボロスたちに教わった記憶を元に、姉のラナと海を目指していたはずだ。
その後の状況について、シャーロットは実は……と口を開く。
「実はフィナたちなんだけど、既にグレースブリンガーの停泊してる近辺まで来てるみたいなんだ。海沿いの集落で、美人姉妹の歌と踊りがすごい評判になっているんだ」
恐らく噂を追いかければ、二人はすぐに見つかるだろう。長い付き合いのある二人は接触できれば排斥力で失った記憶もすぐ取り戻して船に乗ってくれるはずだ。
「あともう一つ、マンチェスターの小麦の回収もお願いできるかな。先にも述べたとおり、溢れてる小麦を食糧が不足しているベルファストに持っていって欲しいんだ」
この輸送には『アイテムポケット』の残留効果が力を発揮するだろう。一つのポケットでもギリギリまで詰め込めばこの時代の市民三人が一年は暮らせる食料にもなる。
「一応注意してほしいのはドラゴンたちに気付かれないこと……まぁ一応複かな? 山ほどの小麦を抱えて何度も往復したりとかは危険だね」
幸い、マンチェスターの小麦は多くの村で倉庫などに無造作に積まれている。こっそり持ち出しても村人は勝手に『ドラゴン様が何かに使って下さったのだ』と考え、騒ぎにはならないはずだ。
「ま、どうせマンチェスターの小麦は、アイルランドへの支援の為のものだったしね。お互い願ったりかなったりだと思うよ?」
シャーロットは悪戯っぽく笑い、準備ができたら船に積み込んで出発するだけだと最後を説明する。
「船旅の間は暫く時間も空くし、フィナたち姉妹と交流してみるのもいいかもね。二人の芸はアイルランドでも十分生活できるだろうけど、知り合いや街を紹介してあげれば喜んでくれると思うよ」
アイルランドまで逃す事ができれば、竜の花嫁たちも当面の安全は確保できる。
この機会に今後の事や花嫁たち自身の事を聞いてみるのもいいかもしれない。
「ドラゴンたちの脅威は去ったといえ、またどういう動きを仕掛けてくるかわからないしね……竜の花嫁たち仲良くなっておけば、何かあってもすぐに助けにこれるはずだからさ」
そういってシャーロットは動き出すパラドクストレインの車窓に目をやった。
●その頃のマンチェスター
「ドラゴン様、こないね」
ドラゴンの慈雨に覆われたマンチェスターは、未だに多くの集落が豊作に苦しんでいた。
幾つかの集落にはディアボロスたちが種を撒き成果をあげていたが、それにしても集落は多すぎるのだ。
「川向こうの集落じゃあ、小麦を安全に保存するよう加工してるとか……」
「バカなこと言うな! ドラゴン様は、いつも通りに生活しろとおっしゃているのだぞ!?」
声を荒げる老人に、若者たちが溜め息をつく。
「ドラゴン様は私達を守ってくださると思っていたのに……」
それはドラゴンたちの侵攻が揺らぎだしたマンチェスターでは、もう珍しくない風景だった。
リプレイ
宇佐美・アリス
姉妹達とは面識ないし、【アイテムポケット】なら、準備できるから、小麦の方は任せてね
他に運ぶ人がいたら、協力するわ
一応、村人にはこっそり持ち出すって事だから、できるだけ、人目につかない様に倉庫に近づくわね
小麦をジャンジャン【アイテムポケット】に詰めていくわね
雑用に妖精さん【召喚】しちゃだめなのかしら?
出来ることならブラウニーみたい子達に手伝ってもらいたいわ
【統率】しても騒がしくなりそうだから、隠密活動には不向きよね
これ、重さは無視できるのよね?
ええい、取り敢えず、詰めてから考えるわ
青いロボット気分から、急に特売のお米買った気分になったわね
コンスタンツ・トパロウル
こちらが手薄そうだし、あたし自身は持ってないが、仲間の【アイテムポケット】を活かして、マンチェスターの農村集落で余ってる麦をアイテムポケットに放り込んで回収しよう
見張りが居そうなら、見張りの交代の隙に忍び込む等して、見つからないように
必要に応じ、巡回が来たりしないか見張りつつ、仲間と手分けして麦を回収
もし、巡回の竜鱗兵とかが来たら、苦しめられてる人々の【託されし願い】を受けて、息を潜めて巡回をやり過ごす
気付かずに行ってくれよ……
「なんだ、猫か。脅かすなよ」
とか言って、巡回が離れていったら、頃合いをみて撤収
長居は禁物って奴だ
ふう……口から心臓が飛び出しそうだ……なんて、フィナさん達に笑われそうだ
●旅立ち前に荷運びを
「どう?」
「大丈夫、いったよ」
人に気持ちよくはないドラゴンの慈雨に濡れながら、コンスタンツ・トパロウル(生き残りの撃竜騎士・g05674)は潜んだ農村の軒先から、宇佐美・アリス(兎に非ず・g01948)を呼び寄せた。
「どうせだだ余ってる小麦だってのに、勤勉な連中だよ」
同じく夜露に濡れながら見回りを続ける村の青年団に、コンスタンツは感心とやっかみを半々に呟く。
ドラゴン信仰の影響はまだ健在という事か。さほど有能でもないといえ、生真面目な相手はやり辛い。
「そんなに熱心なら見つかると面倒そうね。さっさと済ませてしまいましょ」
アリスもまた同意し、農家から倉庫へと近づくや『妖精門』に呼びかける。
「えーと、妖精の親分さん達、お願いね……この中の小麦を持ち出したいの」
スマートフォンの画面に呼び出した『時の指南書(現代日本語版)』を片手に、取り出した模造紙製の召喚符へとアリスは呼びかける。
下調べを終えたコンスタンツが掛け金を外すと同時、二人と妖精は素早く倉庫へと身を潜らせた。
「完全に泥棒だものね、これ」
「なに、気付かれなきゃ……しっ」
ここまでは順調、後は積まれた小麦を『アイテムポケット』に突っ込んで脱出するだけ。
だが瞬間、外の水が跳ねた音にコンスタンツはアリスと共に口を抑えてしゃがみ込む。
「うん? 気のせいか……今……」
ボソボソ聞こえてくる声は、先ほどの見回りだ!
カンがいいのか、耳聡いのか。アリスが見上げれば、通気窓から中の様子を伺おうとしている若い男の顔があった。
「ブラウニーたちに手伝わせなくてよかったわ……」
あの騒がしい妖精たちに雑用を任せていたら、たちまち大騒ぎだっただろう。
幸い、自分たちの位置は青年から死角で灯りも消している。念のため掛け金も直してあるし、わざわざ中まで確認することはないと思いたいが……。
「うわっ!」
「どうした?」
「ネズミだっ……くそ、脅かすなよ」
祈りが通じたのか、一際大きな声。
駆け足で遠ざかる足音にコンスタンツはふぅと息を吐いた。
「口から心臓が飛び出しそうだ……」
「二度目は勘弁したいわねー。さ、ジャンジャン詰めていきましょ」
笑ってアリスが開きなおしたアイテムポケットに、コンスタンツはそうだなと手近な小麦を掴み上げた。
「こんな姿見られたら、フィナさん達に笑われそうだ」
今はどこの旅の空だろうか。
仲間たちが迎えに行った元竜の花嫁の旅芸人姉妹を思い出し、コンスタンツは手を動かしながらふっと笑った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
ナイナ・ヴィラネスティズム
フィナとラナにはこれまで通り礼節を尽くす
聞けばこの近辺にて旅芸人の活動をなされているとのこと
とすれば人が集まるところにいらっしゃるのかしら?
噂をすればなんとやら
再会は思いの外お早かったですが彼女達の掴み取った自由を少し堪能してから声をかけましょう
まあまあまあ!最後にお会いした時以上に上達されましたわね!
私の事は覚えておいでかしら?
旅行く貴女達の次の舞台たり得る場所までお迎えに上がりましてよ
グレイスブリンガーというお船までご一緒いただいてもよろしくて?
フィナとラナの手を繋ぎ水面歩行でお船まで向かいましょう
もちろん離しませんわよ
なにより水の上を歩くというこれまた貴重な体験ができましたわね!
エスト・リンフィールド
じゃあ、私はフィナさんとラナさんを探しにいこう
あのふたりなら、きっと目立つから……海辺の集落に行って、最近、歌と踊りがすごいふたり組を見なかったか聞き歩いてみよう
「そのふたりなら、今、この集落にいるよ」
とか教えて貰えたら、ふたりが居そうな広場や酒場に行ってみる
うまくふたりを見つけたら、ふたりの歌と踊りのリズムに合わせて、リュートを奏でて集落での最後の舞台を華々しく閉幕しよう
その後、改めてふたりにご挨拶して、迎えに来たことを伝える
船は沖に来てるから……準備できたら、向かえるかな?
要りものもあるだろうし、挨拶したい人も居るだろうし
も、もし、水面を歩くのが怖いなら……少し上を【浮遊】してもいいよ?
●姉妹、再会三たび
晩秋の澄んだ海辺を背景に、可憐な少女が歌い、踊る。
「ラナちゃんフィナちゃーん! いいぞー!」
「飛び入りのエルフちゃんも笑って笑ってー!」
多くはないけれどノリのいい村人たちの歓声と拍手が風に乗り、元竜の花嫁の踊り子は寒風にも負けずに声を張り上げた。
「みんなーっ、ありがとうー!」
「え、えーっと、スマイル……スマイル?」
今日のステージは特別で最高だから、伴奏も特別。
飛び入りでリュートを奏でるエスト・リンフィールド(挙動不審エルフ吟遊詩人系・g05947)も、いつの間にか当たり前に溶け込んで、不器用な笑いを村人たちに投げかけた。
「す、すごいね」
「でしょっ」
竜の花嫁だったフィナと、その姉のラナ。旅芸人姉妹の二人を迎えに海辺の集落を回ってきたエストたちが、聞き込むやすぐにも絞り込めたのは、二人の人気ぶりをよく示していた。
「まあまあまあ……最後にお会いした時以上に上達されましたわね。とても自由で、素敵」
「ヴィラネスティズム卿も相変わらず、いえ益々にお元気そうですね!」
ステージの合間に差し入れを持ち寄るナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)にやり返すラナ、村人に応えるフィナも、過去一番に輝いて見えた。
都度重なる困難は二人に自信を授け、窮地を脱した二人は自由をも手に入れたのだ。今の二人は芸人として、最高に脂がのった瞬間だろう。
「じゃあいくね、本日のラストステージ!」
「くっそぉぉー! 別れたくねぇーっ」
「若い子にバカいうんじゃないよ! ほら泣くな、笑え笑え!」
隠せぬ本音を漏らした漁師が恰幅のいい嫁にひっぱたかれ、笑いが起こる。
そう、今日は特別な日。二人の新たな旅立ちの日。
『旅行く貴女達の次の舞台たり得る場所までお迎えに上がりましてよ』
姉妹が掴み取った自由を堪能した後、ナイナはそう呼びかけ、姉妹は二つ返事で頷いた。
この海も、このステージも、まだ旅の途中だから。
「打ち寄せる波飛沫、水平線の先に何があるんだろう♪」
「行ってみないとわからない、わからないままじゃ終われない♪」
ラストステージは、大冒険の始まり、ディアボロスたちからもらった思い出の歌。
漁村の盛り上がりは遅くまで続き、旅立ちを祝福するように煌々と灯りを照らしていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【水面歩行】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
レオアリア・フォルシオン
こんにちわ
ラナとフィナね
わたくしはディアボロスの一人にしてグレイスブリンガー……
アナタ達をアイルランドへと運ぶ船の名づけ親よ
ベルファストは少し荒廃している所があってね
まぁ、現在進行形で回復している所だけど、食以外にも娯楽があった方が良いわ
その踊り、お金にするのもいいかもしれないわ
全ての人は自分のやりたいことや出来る事で金銭などを稼ぐべきだもの
そして、アナタ達はやりたい事が出来る事
その舞を披露してベルファストの人々を慰撫し、お金を稼ぐ事が『最重要本質』なのだと思うわ
持ち運んだ小麦粉で作ったロールパンを提供し、口福の伝道者で増やして二人に分け与えるわ
「こんにちわ。ラナとフィナね、待ってたわ」
「こちらこそ、はじめまして。ファルシオン卿……じゃなくて、陛下、なんだっけ?」
待ち合わせた浜辺で、少し緊張した様子のフィナたちにレオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)は、楽にしてほしいと手を振った。
「今のわたくしはディアボロスの一人にしてグレイスブリンガー……アナタ達をアイルランドへと運ぶ船の名づけ親よ」
そして指し示す先は沖合。浮かぶ輸送船『グレイスブリンガー』に、姉妹は驚きと関心で目を丸く見開いた。
「すっごーい……!」
「あ、あれに私たちが?」
一見にして小さく見えるほど離れていても、漁村を旅してきたフィナたちなら容易くその規模が分かったのだろう。
好奇心いっぱいの妹に比べて少し気後れした様子の姉へ、レオアリアは勿論と自信をもって言う。
「話は移動しながらもするけれど、この船の行先……アイルランドのベルファストは少し荒廃している所があってね。現在進行形で回復している所だけど、食以外にも娯楽があった方が良いわ」
もちろん、食の方も準備は万端だと取り出したのはふかふかのロールパン。
それはコンスタンツとアリスがウィンチェスターの穀倉地帯から運んできた小麦から作ったもので、二人の言葉を奪うに十分な出来だった。
「全ての人は自分のやりたいことや出来る事で金銭などを稼ぐべきだと、私は思う。そしてアナタ達はやりたい事が出来る事。その舞を披露してベルファストの人々を慰撫し、お金を稼ぐ事が『最重要本質』なのだと考えてるわ」
「なるほど……わかりました。私たちならベルファスト復興の旗役になれる。そういうことなんですね」
ラナの理解にレオアリアが頷く。旅の行方は定まった。
「それで、その……あの『グレイスブリンガー』にはどう行くんでしょう? 小舟とか……ないですよね?」
「もちろん。百花繚乱!華の覇道に揺らぎ無し……水の上を歩くというこれまた貴重な体験ができましてよ?」
先導を務めるナイナに二人はおっかなびっくり。
一歩を踏み出せば早いけれど、フィナほどには果敢になれないラナにはエストが手をつなぐ。
「も、もし、水面を歩くのが怖いなら……少し上を【浮遊】してもいいよ?」
「ふ、浮遊? じゃ、じゃあ私はそちらで」
「あーっ、姉さんズルい!」
騒がしくも楽しい姉妹との旅は船の中へ、まだまだ続いていく。
成功🔵🔵🔴
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
レオアリア・フォルシオン
水面歩行の残留効果で船内へと案内
グレイスブリンガー内は花嫁の心労を癒す為に内部空間も快適にしたコンセプトだったわ
なら、料理場もあるかもね
ま、火は危ないからサンドイッチを作る事にしましょう
最終人類史から持ち込んだ牛カツやローストビーフを、マンチェスターの小麦で作った食パンで挟みサンドイッチを作り上げる
それを舞姫姉妹に提供するわ
わたくしも舞いを教えてもらってもいいかしら?
そう言って姉妹の練習を見て提案し、一緒に舞踊を披露していく
ドイツでバレエも見たのだけど、料理だけでなく舞も習ってみようかしら……
そう言いながら二人から舞を教わるわ
ナイナ・ヴィラネスティズム
仲間との絡みアドリブ可
万が一グレイスブリンガーを捕捉されないよう平穏結界を施しておきましょう
ともあれようこそ!行きは長旅ですが、それまで羽を休めておきましょ♪
喉はお乾きでして?
新宿島から様々な種類のお飲み物(天然水、ジュース類等)をアイテムポケットの中に持ち運んできましたから遠慮なくどうぞ♪
お食事と併せて乾杯と参りましょう!
向こうでの興行に備えて練習とは感心しますわね!
私でよければ宮廷舞踊をお教えしてもよろしくて?
長いこと踊ってはいませんが、剣技に応用できる程には基本はしっかりと叩き込まれていましてよ
着くまでに時間はありますからみっちり覚えていただきましょ
もちろん仲間も巻き込みますわよ
西園寺・真哉
(サポート)
『守るべき者ならば、俺は皆と共に守ってみせる!!』
人間のカースブレイド×バウンサー、17歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、あなた、~さん、だ、だぜ、だな、だよな?)」、時々「丁寧(俺、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●いざ、ベルファストへ
「それじゃあ改めて、グレイスブリンガーへようこそ」
『水面歩行』の残留効果で姉妹を送り届け、レオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)は甲板に改めて一礼する。
「すごい……これが船って嘘でしょ? 大きくて、それにすごい頑丈そう!」
目をキラキラと輝かせたフィナが、広々とした甲板をクルクルと踊って見せるのに、姉のラナもどうどうとなだめながら物珍しさに好奇心を隠せない。
五世紀の船と言えば初歩的な帆船か手漕ぎのボートがせいぜい、ヴァイキング船すらあと二百年は先の話なのだ。
ディアボロスたちが常駐する事で維持された平型甲板のグレイスブリンガーは、さぞかし奇妙で刺激的に映っただろう。
「いらっしゃい、花嫁さん。大切なものは守れたみたいだな?」
「みんなのおかげよ、こちらこそ!」
船に待機していた西園寺・真哉(人間のカースブレイド・g03199)が赤い瞳を細めるのに、屈託なくフィナは笑顔で感謝する。
この船にいる限り、排斥力が二人の記憶を奪う事もないのだ。
「グレイスブリンガー内は花嫁の心労を癒す為に内部空間も快適にしたコンセプトなの。喜んでいただけたようで何よりよ」
「あ、ありがとうございます、陛下。このような、か、過分な取り計らいまで……」
それでもレオアリアの案内に落ち着かない様子のラナに、そっと杯が差し入れられる。
驚いて振り向けば、そこには案内も務めたナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)の姿。
「喉はお乾きでして? 行きは長旅ですが、それまで羽を休めておきましょ♪」
「ヴィラネスティズム卿……はい」
休憩室に『アイテムポケット』から取り出した様々な飲み物を並べて笑うナイナに、落ち着かない様子だった二人もようやっと腰を下ろしてくつろいだ様となった。
口に物を含み、夢のような風景が現実とようやっと受け入れられてきたのかもしれない。
「そういえばドラゴンさ……ドラゴンの襲撃とかは大丈夫なんですか? またキャメロットの時みたいな事になったら……」
「心配無用ですわ。この船は平穏の結界をまとっていますの。身を隠せるわけではありませんけれど、少々騒いだところで船外には届きませんわ」
「へぇーっ! よくわかんないけどすごいんですね、じゃあ……あ、すいません」
何かを思いついた様子のフィナが声を切ったのは、台所に向かったレオアリアが色とりどりのサンドイッチの皿を手に戻って来たからだ。
既に航行中の船内のため火を使うことは避けつつも、『東方の主の如く美食迷宮に民を誘おう』と謳われたレオアリア厳選の牛カツやローストビーフを挟んだマンチェスター小麦の食パンの味は、姉妹たちも大いに舌鼓を打った。
「それで何の話?」
「あ、はい……っんぐっ。その外に音が漏れないなら、歌や踊りの練習……させてもらってもいいのかなって」
「向こうでの興行に備えて練習とは感心しますわね。私でよければ宮廷舞踊をお教えしてもよろしくて?」
長いこと踊ってはいませんが……といいつつ、美しいブロンドを揺らすナイナのステップにはフィナの顔もがぜんとやる気に代わっていく。
「ぜひ!」
「いいことね。わたくしも舞いを教えてもらってもいいかしら?」
計画を練る姉妹にレオアリアも感心し、声と共に手を差し出す。
そうなればもう休憩室のスペースでは収まらない。昼の腹ごしらえもそこそこに、一行は食後の運動と誰となく甲板まで足を進めていた。
「異国でバレエという見たのだけど、料理だけでなく舞も習ってみようかと思っていたの」
「バレエですかーっ。そっちも気になりますね」
社交ダンスさながらに手取り足取り、すっかりと打ち解けたフィナとレオアリアの手足が絡み、色白の肌が上気する。
竜の花嫁に選ばれ、旅の終わりを決めかけた少女たちの姿はそこにもうない。
誰もが新天地への希望に溢れ、進む船の上には情熱が燃えていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【平穏結界】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!