妖しい霧を越えて(作者 J九郎
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#天正大戦国  #伊賀国のカラクリ砦  #伊賀国 

●輝光神機『豊臣秀長』
「碌に敵戦力を削ることもできずに一目散に撤退とは、信雄殿も存外情けない。あれでは織田家の名折れというもの」
 伊賀の城を護るように築かれた砦の一つで、光輝を放つ装甲を持った天魔武者が、嘆息していた。
「だが、この砦を任された以上、私は信雄殿のような失態は晒さぬ。豊臣の名に賭けてな」
 そう、その天魔武者の名は輝光神機『豊臣秀長』。かの豊臣秀吉の弟である。
「私の演算が正しければ、ディアボロス達はもうすぐこの伊賀国へと進軍してくるはず。だがこのカラクリ砦と豊臣秀長ある限り、ディアボロスといえど恐れるに足らぬ。この伊賀国に足を踏み入れた事を後悔させてくれよう」
 頭部の単眼を輝かせ、豊臣秀長は不敵にそう言い放ったのだった。

●カラクリ砦を攻略せよ
「やあ、よく来てくれたね。待っていたよ」
 沖島・雫(人間のガジェッティア・g03499)は、新宿駅のホームに集ったディアボロス達にその青い瞳を向けた。
「遂に、天正大戦国のディヴィジョンにパラドクストレインが行けるようになったよ。そこは日本の戦国時代をクロノヴェーダが改竄したディヴィジョンで、断片の王である『織田信長』を中心に、有力な大名が国を支配しているようようなんだ。機械の体を持つ戦国武者とは、実に興味深い存在だね」
 思わず新しい世界への好奇心が前面に出かかった雫だったが、なんとか自制して抱えていた地図帳を広げる。
「で、今回キミたちに向かってもらいたいのはここなんだ」
 雫が開いたのは、現在の三重県の一部である伊賀地方の地図だった。
「この伊賀国には、様々なカラクリが施された『カラクリ砦』がたくさんあって、侵入者に備えているらしいよ。さすがは忍びの里だね。逆にこの『カラクリ砦』を制圧する事が出来れば、伊賀国攻略の足掛かりとなるはずだよ」
 もっとも、敵が立て籠もった状態のカラクリ砦を正面から落とすのは至難の業だ。
「だから、まずは敵を砦から誘き出して撃破した後、戦力が出払った砦に攻め込むっていうのが今回の作戦なんだ」

 『天正大戦国』のクロノヴェーダは、一般人の農民達を虐げて従順にさせて支配しているようだ。
 さらに少しでも反抗的な村人がいれば、捕らえて近隣の村々で晒した後に見せしめとして処刑しているのだという。この処刑を見た一般人から、反抗する心を奪い従順にさせようという計略だろう。
「そんな非道を見逃すわけにはいかないからね。キミたちには、晒し者として村の入り口に繋がれている死刑囚達を助けて、逃亡の手助けをして欲しいんだ。彼らが逃げ出す事に成功すれば、人々が希望を取り戻す事が出来るかもしれないからね」
 勿論、死刑囚の逃亡を砦の指揮官であるアヴァタール級クロノヴェーダ『豊臣秀長』は見逃しはしないだろう。死刑囚を逃さず確実に殺す為に、カラクリ砦からトループス級を出撃させてくるはずだ。
「どうやら天魔武者には、死刑囚のいる場所を確認する方法があるらしくてね。まっすぐに逃亡した死刑囚の方に向かってくるはずだよ。どんな方法か非常に興味深いけど、ともかくキミたちには、そこを迎撃して撃破して欲しいんだ」
 カラクリ砦から出撃してくるのは『伊賀忍者』。その名の通り伊賀の地発祥の忍者達で、様々な忍術を駆使するようだ。
「伊賀忍者は力は強くないけどその分俊敏でトリッキーな攻撃をしてくるから、トループス級だからといって油断はしない方がいいだろうね。で、伊賀忍者達を倒したら、戦力が出払って手薄になったカラクリ砦に攻め入って制圧して欲しいんだ」
 だが、カラクリ砦にはクロノ・オブジェクト『忍カラクリ』が仕掛けられている。
「このカラクリ砦に仕掛けられた『忍カラクリ』は、特殊な霧を発生させる機能があるみたいなんだ。その霧は視界を遮る効果と、光を乱反射させる効果があって、そのままにしておくと霧の特性を知り尽くした豊臣秀長との戦いでは相当不利になるだろうね」
 ゆえに、霧への対策を取りながら豊臣秀長と戦うか、先に『忍カラクリ』を破壊してから豊臣秀長に挑むか、作戦を練る必要があるだろう。

「天正大戦国の一般人は、生かさず殺さずの状態で、希望も持たずに暮らしているみたいだね。なんとかして、希望を取り戻してあげて欲しいな。天魔武者は手強いし忍カラクリは厄介だけど、キミたちなら何とかしてくれるって信じているよ」
 雫はそう締めくくると、ディアボロス達にパラドクストレインへ乗り込むように促したのだった。

●回転する忍カラクリ
 カラクリ砦の奥の隠された部屋で、奇妙な多面体のオブジェクトが静かに回転していた。それこそが、砦内に霧を発生させ続けている『忍カラクリ』の本体だ。
 だが、霧に閉ざされた砦内の、更に隠された部屋に設置されている忍カラクリへと辿り着くのは、困難と言わざるを得ない。
 霧は視界を塞ぎ、更に乱反射する光は時に幻影さえ霧の中に浮かび上がらせる。
 侵入者を拒むように、『忍カラクリ』は今もゆっくりと回転を続けていた――。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
4
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【壁歩き】
2
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV5 / 【ガードアップ】LV3 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV3 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV4 / 【ロストエナジー】LV2 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

J九郎
 こんにちは、J九郎です。
 いよいよ天正大戦国での戦いの始まりです。

 攻略順は①→③→②、④の順になります。

 選択肢①で囚われている死刑囚は全部で5人。年齢も性別も様々ですが、衰弱していて激しい運動はできません。
 選択肢③では『伊賀忍者』達は囚人も攻撃対象としてきますので、護衛しながら戦う、または安全な避難場所を用意する必要があるでしょう。
 選択肢②はクリアする必要はありませんが、その分選択肢④の難易度が高くなります。
 選択肢④で立ちはだかる輝光神機『豊臣秀長』は、予知レベルの演算能力を持つ回避能力の高い天魔武者です。相手の演算能力の裏をかく、或いはその回避能力を超える対策があった方がいいでしょう。

 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしています。
33

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


鳩目・サンダー
霧を抜けたら戦国……日本奪還の道は遠いな。下手すると世界大戦時の日本ディヴィジョンとかもあるのかなあ……?
このディヴィジョンのクロノヴェーダは圧政と躊躇いの無い処刑で権力とエネルギーを得てる訳ね。

あたしらの試みが後続の学びになりゃあ最悪それでいい。
可能なら夜を狙おう、この時代明かりは少ない。夜は忍者のゴールデンタイムだが、逆に言えば忍者以外には動きにくい状況の筈だ。
入口ってことは別に村人になじむ必要はない。ワッとかかって捕縛を解けばそれでいいはず。
おっと衰弱は【口福の伝道者】で増やした水と白飯で対処。ゆっくり食いな、追手は心配するな、あたしらはああいう奴らの天敵なんだ。


アドリブ、連携歓迎です。


有栖川宮・永遠
幼馴染で従者の悠(g02300)と参加

どのクロノヴェーダも罪なき人々を見せしめ
処刑して状況を打開しようとする性質があります。この世界も例外では無い
ですね。

先陣は悠に任せましょう。私は後ろからの奇襲や救出にどうしても支障が出
た時に備えて後衛にて備えを。


【観察】【地形の利用】にて町の地形を把握、的確に動けるように。妨害をしてくる敵が居れば、【風使い】【吹き飛ばし】で吹き飛ばしたり、【光使い】で目眩ししたりして自由に動けないように。

無事救出来たら、動けない程弱っているようなので、せめて【活性治癒】で傷を治しておきましょうか。

まだまだこの世界の闇は深いですね。頑張りましょう、悠。


近衛・悠
幼馴染で主人である永遠(g00976)と参加

どんな世界でもクロノヴェーダの考えは一緒なんだな。どっちにしろ不当に一般人の命を脅かす行為は許せない。

こういう危険な所で動く任務は俺が積極的に動いた方がいいな。【観察】【地形の利用】で効率的に動ける進路を把握してから処刑場へ。急いだ方がい
いので【ダッシュ】。

死刑場に着いたら救出に支障が出た場合のフォローは永遠に任せて、俺は救出に専念。動けない人がいれば、【怪力無双】で運んだり、必要なら庇うことも視野に。

こんな理不尽が当然のように行われてる時点でこの世界は異常だって分かるな。何とかしないと。ああ、頑張ろう、永遠。


テラ・ウィンディア
この戦国時代って凄いな…新宿の技術よりも凄そうな機械が一杯だ(勘違い

【戦闘知識】
周辺状況と繋がれてる死刑囚達の位置…有効な逃走ルートの把握
何より死刑囚達の体調自体も分析

後は死刑囚達を守る為に有効な立地や建物も把握


よし…助けに行くぞ!
パラドクス発動させて突撃

辛いよなこうして死を待つってのは
だけどもう大丈夫だ!おれ達が来たぞ!
後で美味しいご飯も準備するからな!

可能な限り開放しつつ防衛しながら逃がす

動くのが辛い人は重力操作【念動力】で運び出すぞ

うん…何だかここの敵も怖いな…とても異質だ
森とかそういうのも焼き払ったりするのかな…?

それなら…全力で抗うのみだな

どんな恐るべき兵器でも負けないぞ


●夜の救出作戦
「霧を抜けたら戦国……日本奪還の道は遠いな。下手すると世界大戦時の日本ディヴィジョンとかもあるのかなあ……?」
 鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)が気怠げに降り立ったのは、夜の帳に包まれた村の外れだった。死刑囚達の救出にあたり人目を避けるため、敢えて深夜を狙ったのだ。
「この戦国時代って凄いな……新宿の技術よりも凄そうな機械が一杯なんだろう?」
 エルフのテラ・ウィンディア(炎玉の撃竜騎士・g05848)が興味深そうに周囲を見回すが、辺りは星明り以外照らすもののない闇に包まれていて、当然このディヴィジョンの建物等も見えない。だが明かりがないということは、少なくとも伊賀国では一般庶民には機械技術は広まっていないのだろう。
「それにしても、ちょっと逆らっただけで死刑かあ。このディヴィジョンのクロノヴェーダは圧政と躊躇いの無い処刑で権力とエネルギーを得てる訳ね」
 サンダーが「怖い怖い」と口にしながら首を左右に振る。
「どのクロノヴェーダも罪なき人々を見せしめ、処刑して状況を打開しようとする性質があります。この世界も例外では無いようですね」
 これまで様々なディヴィジョンで戦ってきた有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)は、そのことをよく知っていた。
「どんな世界でもクロノヴェーダの考えは一緒なんだな。どっちにしろ不当に一般人の命を脅かす行為は許せない。可能な限り急いで死刑囚達を救出しよう」
 近衛・悠(黄昏のフラメント・g02300)が、幼馴染であり主人でもある永遠の言葉を受けてそう口にすれば、全員が深く頷く。
「うん、ようやく暗さに目が慣れてきたぞ」
 テラは目を凝らすと、村の入り口付近に視線を向けた。そこには、5本の木の柱が建てられていて、その柱にはそれぞれ一人ずつ、死刑囚が縛り付けられている。すぐにでも救出に向かいたいところだが、4人のディアボロスはぐっとこらえてまずは周囲の状況を確認することにした。
「村や周辺の地形も大体は把握しておきたいところですね」
 永遠が、闇に紛れて村の周辺を探っていく。
「夜は忍者のゴールデンタイムだが、逆に言えば忍者以外には動きにくい状況の筈だ。仮に見張りがいたとしても、なんとかなるだろ」
 そう口にしつつもサンダーは、死刑囚達を見張る者がいないかの確認は怠らない。だが、夜中だからなのか元々配置されていなかったのか、見張りらしき存在は見受けられない。
「時崎案内人が、クロノヴェーダ達は死刑囚のいる場所を確認する方法を持っていると言っていたな。場所が分かるから、逃げられてもすぐに捕まえられると考えているということかな」
 悠がそう予測を口にするが、それが正しい推理かどうかは誰にも分からない。
「それでも、警戒はしておいた方がいいですね」
 概ね周囲の地形の把握を終えた永遠が、慎重に周囲に視線を向けつつ仲間達と情報を共有していく。
 4人は話し合いの末、村の近くにある神社へ一旦死刑囚達を避難させることを決めると、早速救出へと動き出した。
「よし……助けに行くぞ! グラビティフィールド展開……我が武を見せてやる……!」
 テラはパラドクスを発動させ、全身に重力フィールドを纏って目にも止まらぬ速度で死刑囚達が縛り付けられている木の柱へと接近。
「こういう危険な所で動く任務は俺が積極的に動いた方がいいな」
 悠はそう永遠に声をかけると、テラの後を追って駆け出していく。
「先陣は任せましたよ、悠。私は後衛にて万一に備えましょう」
 残された永遠は周囲に警戒の視線を飛ばした。周囲に見張りがいないことは確認済みだが、相手はクロノヴェーダ。どんな手で妨害してくるか分からない以上、念を入れるに越したことはない。
「村の入口ってことは別に村人になじむ必要はないよな。夜中で誰も出歩いてないし」
 テラや悠の後に続いたサンダーが、村の様子を気にしながらも、死刑囚を縛り付ける縄を解いていく。同じようにテラは剣を振るって、悠は巧みなナイフ捌きで、それぞれに死刑囚達の束縛を解いていった。
「辛いよなこうして死を待つってのは。だけどもう大丈夫だ! おれ達が来たぞ! 後で美味しいご飯も準備するからな!」
 テラは、長時間晒し者にされていたせいでぐったりした様子の死刑囚達を力づけるようにそう呼びかけながら、その中でも立つ気力も無さそうな男の子を抱え上げる。
 最初は助け出されたことすら天魔武者による何らかの罠ではないかと疑っていた死刑囚達も、その様子を見て次第にディアボロス達のことを信じる気になったようだ。
「こんな理不尽が当然のように行われてる時点でこの世界は異常だって分かるな」
 悠は衰弱した様子の老婆に肩を貸しながら、周囲に警戒の視線を向けた。幸いなことに、この救出劇を見咎め妨害しようとする者は誰もいないようだ。
「みなさん、早くこちらへ」
 一足先に神社へと至り安全を確保していた永遠が、仲間や死刑囚達を手招きする。
 男の子を抱えたテラと老母に肩を貸した悠が、周囲を見回しつつそちらへ向かって歩き出した。その後を、なんとか自力で歩けるだけの体力が残っていた壮年の男性と若い女性の二人の死刑囚が追う。最後尾を行くのは、警戒の目を背後に向けているサンダーだ。
 やがて、無事全員が神社の敷地内に辿り着いた。
 神社で死刑囚達を待っていた永遠は、さっそく【活性治癒】を用いて治療を開始する。幸い全員衰弱してはいたが、目立つような外傷はない。
 その間にサンダーは、【口福の伝道者】で増やした水と握り飯を5人の死刑囚へと配っていった。
「もう大丈夫だ、ゆっくり食いな。ああ、追手は心配するな、あたしらはああいう奴らの天敵なんだ」
 怯える死刑囚達を安心させるように、敢えて笑みを浮かべて見せるサンダー。
 それでもまだ怯えを隠せない死刑囚達の様子に、一通りの治療を終えた永遠は痛ましそうに表情を曇らせた。
「まだまだこの世界の闇は深いですね。頑張りましょう、悠」
「ああ。とにかくこんな不条理な状況は何とかしないと。頑張ろう、永遠」
 呼びかけられた悠も、決意を込めてそう応じる。
「うん……何だかここの敵も怖いな……とても異質だ。森とかそういうのも焼き払ったりするのかな……?」
 テラは、思わず神社の周りに広がる森に目を向けた。植物となじみの深いエルフであるテラにとって、自然を破壊するような行為は理解の範疇を超える。
「それなら……全力で抗うのみだな。どんな恐るべき兵器でも負けないぞ」
 テラはそう気合を込めると、カラクリ砦がある方角へと握り締めた拳を突き出したのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

●伊賀忍者出撃
「やはり来たかディアボロス」
 カラクリ砦の大広間にて。何らかの装置を用いて死刑囚達の脱走を知ったらしい『豊臣秀長』が、床几からおもむろに立ち上がった。
「だがお前たちの行動など、全ては我が予測演算の範囲内。出撃せよ、伊賀忍者軍団。夜闇に紛れ、ディアボロスを殲滅するのだ。合わせて、脱走した死刑囚共の始末も忘れぬように」
 『豊臣秀長』が手を掲げれば、その前に控えていた機械の体を持つ忍者達が、一斉に姿を消した。音一つ発せずに出撃していった部下達の統制の取れた動きに、豊臣秀長は満足そうに頷いたのだった。
望月・百代
少し出遅れたか?
だとしても、守りながらの戦いに人が多くて悪い道理はない
戦線に加わらせてもらおうか

にしても、神社とはいい場所を見つけたね
霧が出ればすぐわかる…ほら、きたよ

論理障壁、定置展開
護衛は任せたまえよ
皆、社の中へ
この社そのものを【迷宮化】し、汝らには手出しをさせんよ

そして来たか、伊賀忍
さぁ、彼らに手を出したくば妾を超えてゆけ?
もっとも、通すつもりはないがね

社の入り口に布陣して待ち受ける
論理障壁全開、防御力でもって…カウンター狙いで行かせてもらおう
さぁ、妾はここじゃぞ、切り込んでこいっ!
肉切骨断、ナイフとハンドガンで首を獲らせてもらおうか!

アドリブ・連携歓迎


●忍軍襲来
 村の近くにある神社に死刑囚を退避させたディアボロス達だったが、まだこれで安全が確保できたわけではない。『豊臣秀長』は、間違いなく追っ手を差し向けてくるはずだからだ。
 しかもやってくるのが猪武者ではなく忍者とあれば、いつ、どこから、どのような形で攻めてくるかも分からない。
 望月・百代(月輪七曜・g02747)が駆けつけてきたのは、そんなタイミングだった。
「少し出遅れたか? だとしても、守りながらの戦いに人が多くて悪い道理はない。戦線に加わらせてもらおうか」
 本当は死刑囚の救出から参加しようと考えていた百代だったが、他のディアボロス達の行動があまりにも迅速だったため、間に合わなかったのだ。
「にしても、神社とはいい場所を見つけたね」
 夜闇に包まれた神社を、満足そうに見回す百代。
「これなら、霧が出ればすぐわかる……ほら、きたよ」
 百代がそう口にしたのと、霧が周囲に漂い出したのはほぼ同時だった。伊賀忍者は脚部から放出した大量の霧をスクリーンとして自分の姿を映し出し、敵を惑わせる術を使うという。逆に言えば、霧が突然出てくるのは伊賀忍者が攻め寄せてくる兆しということだ。
「オーギュメント演算子確定、論理障壁、定置展開。護衛は任せたまえよ。皆、社の中へ」
 百代は死刑囚の5人を社の建物内へと誘導すると、その社の内部を【迷宮化】させていった。これで、万一伊賀忍者達に突破されても、多少なりとも時間稼ぎはできるはずだ。
 だがそこへ、遂に伊賀忍者達が攻め寄せてきた。霧をスクリーンとして分身しているため、正確な人数も掴めない。
「来たか、伊賀忍。さぁ、彼らに手を出したくば妾を超えてゆけ? もっとも、通すつもりはないがね」
 百代は社の前に仁王立ちして、そう伊賀忍者達を挑発する。
「論理障壁全開……さぁ、妾はここじゃぞ、切り込んでこいっ!」
 四方八方から、忍者刀を構えた伊賀忍者達が一斉に百代に飛び掛かっていった。だが百代の展開した【論理障壁】が物理的な障壁となって伊賀忍者達を弾き返す。分身に至っては、障壁に触れるや文字通り霧散して消滅していった。
 こうなれば、消滅せずに弾き飛ばされた伊賀忍者が本体であることは明白。
 百代は小型拳銃『Coup de Main』を連射しながら伊賀忍者との距離を詰め、体勢を崩した伊賀忍者の首目掛けて『特殊電工ナイフ』を振るったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【迷宮化】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

有栖川宮・永遠
幼馴染で従者の悠(g02300)と参加

またクロノヴェーダが罪無き人々の未来を閉ざそうとしてますね。私達はこの方々の未来を奪われない為に断固として立ち向かわせて頂きます。

行きますよ、悠。

念の為、【観察】【地形の利用】で戦場の地形の把握を。敵の動きなどもしっかり観察して。ちゃんと守れるように。

悠に前衛を任せて私は後衛にて援護を。【高速詠唱】【連続魔法】【全力魔法】を行使した上の竜宮砲で敵軍を倒す為の攻撃をします。

私達の攻撃をすり抜けて村人を狙ってくる敵があれば、その対処を優先。【光使い】で目眩ししたり、【風使い】で【吹き飛ばし】して村人から放します。

色々策を取ってくるようですね。この世界は手強い。


近衛・悠
幼馴染で主人である永遠(g00976)と参加

全く、自分らの野望を実現させる為なら執拗に罪無き人達の命を狙ってくるんだな。まあ、こういう最悪な奴らから人々を護る事が俺達の使命だ。」

ああ、行くぞ、永遠。


永遠に援護してもらいながら前衛で敵の群れを足止めする。敵の動きを【観察】で把握、【残像】で回避。敵が動きにくいように予め【呪詛】【毒使い】【気絶攻撃】【貫通撃】を仕込んだ上での三明の剣で攻撃。

村人達を執拗に狙って追ってくる敵の対応は永遠に任せて敵の数を減らす方に専念。必要ならば【罠使い】【捕縛】でトラバサミやワイヤートラップで敵の攻撃の妨害も。

この世界は敵も適切に策を打ってくるな。厄介だな。


●非情なる手裏剣
 『伊賀忍者』の第一波を退けたとはいえ、これで全ての敵を撃退できたとは思えない。第二波、第三派を警戒する必要がある。
 一瞬の油断もできない緊張の時間が続く中、有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)は慎重に神社の周辺の地形を再確認していた。いくら忍者とはいえ、瞬間移動や飛行などの超常的な移動手段を持っているわけではない。ならば、進撃ルートは自ずと限られてくるはず。
 と、そんな永遠目掛けて、どこからともなく巨大な十字手裏剣が飛んできた。
「来ましたか!」
 後方へ飛び退いて手裏剣を躱そうとした永遠だったが、手裏剣は空中で不自然に軌道を変え、永遠の背中を切り裂く。
「大丈夫か、永遠!」
 永遠の幼馴染にして従者である近衛・悠(黄昏のフラメント・g02300)が駆けつけ、永遠をかばうように立ちはだかりながら周囲に視線を向けた。
 闇に紛れ音も立てずに忍び寄る『伊賀忍者』達だったが、完全に気配を断つことまではできていない。接近してきていることさえ分かれば、ディアボロスなら十分に対処可能だ。
「またクロノヴェーダが罪無き人々の未来を閉ざそうとしてますね。私達はこの方々の未来を奪われない為に断固として立ち向かわせて頂きます」
 永遠は背中の傷の痛みを感じさせない毅然とした口調でそう宣言すると、
「行きますよ、悠」
 従者たる悠に、そう呼びかけた。
「ああ、行くぞ、永遠」
 悠はそう応じると、『漆黒のククリ』を構えて飛び出していく。前衛となって敵の足止めをするのが、悠の役目だ。
 その間に永遠は、死刑囚達が隠れる社の建物へと後退していく。例え伊賀忍者達を全滅させても、村人に犠牲者が出てしまっては意味がない。
 だが、伊賀忍者達は慎重だった。なるべく姿を見せずに、森の木々の影に隠れながら手裏剣を投じて悠を翻弄する。
 悠も残像を残す程の脚運びで手裏剣を躱し、かわし切れないものは漆黒のククリで受け流していたが、なかなか反撃の糸口が掴めない。だが、退くことはできない。なぜなら悠の背後には主人たる永遠と、罪もない村人達がいるのだから。
「全く、自分らの野望を実現させる為なら執拗に罪無き人達の命を狙ってくるんだな。まあ、こういう最悪な奴らから人々を護る事が俺達の使命だ」
 悠が自身に活を入れるようにそう呟いた時。
「援護しますよ、悠」
 永遠が、具現化した龍の頭部を模した巨砲を、神社を囲む森へと向けた。
「いつまでも逃げ隠れはさせません」
 そして放たれた砲弾が、森の中で閃光を発しながら炸裂した。その爆発に巻き込まれた木々が倒壊し、木の上や影に潜んでいた伊賀忍者達が慌てて飛び出してくる。
「姿を晒してくれれば、こちらのものだ」
 すかさず悠は三振りの剣【三明の剣】を具現化すると、姿を見せた伊賀忍者達へと投じた。3本の剣は狙い違わず伊賀忍者達の体を刺し貫き、その動きを停止させる。
 だがその隙に、何体かの伊賀忍者が悠を避けるように大回りして、社の建物へと迫っていた。事前に悠が社の周りに張り巡らせていた、鳴子を兼ねたワイヤートラップがなければ接近にすら気付けなかったろう。
「やらせません」
「やらせるか」
 咄嗟に永遠の放った【竜宮砲】と、振り向きざまに悠が投じた【三明の剣】が、社に忍び寄っていた伊賀忍者達を絶命させる。
「この世界は敵も適切に策を打ってくるな。厄介だな」
 再び正面へと視線を戻しながら悠がつぶやき、
「ええ、色々策を取ってくるようですね。この世界は手強い」
 永遠がそう同意を示す。
 伊賀忍者達との戦いは、まだまだ終わりそうもなかった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

テラ・ウィンディア
…がっかりだよ
新宿で見たアニメだと伊賀忍者って正義の味方だったのに

お前達には絶対にこの人達は渡さないぞ

【戦闘知識・精神集中】
忍者達の動きと陣形と狙いを把握
更に人々を庇える立ち位置を意識

【飛翔・空中戦】
高速で飛び回りながら他を巻き込まないように

星覇重撃破発動!

重力波砲で忍者達を圧壊させる!

忍者であろうとこの重力で動けるか!?

対POW
【連続魔法・誘導弾・グラップル】
飛び回りながら回避に努めるが此方を狙って追ってくるなら

そういう追撃だって手がないわけじゃない!

火炎弾を乱射してその手裏剣を迎撃!

それでも尚来るなら…両手で受け止めて防ぐ!

あれだ…お前達の国の技術だろう?真剣白刃取りって?


●圧し潰す力
「……がっかりだよ。新宿で見たアニメだと伊賀忍者って正義の味方だったのに」
 テラ・ウィンディア(炎玉の撃竜騎士・g05848)は飛翔して神社の上空を飛び回りながら、眼下で繰り広げられる仲間達と『伊賀忍者』の戦いを見て溜息をついた。
 上空からなら、忍者達の動きと陣形もよく分かる。どうやら伊賀忍者はディアボロス達を相手取るグループと、死刑囚達の抹殺を優先するグループの二組に分かれて行動しているようだ。
「お前達には絶対にこの人達は渡さないぞ」
 テラは敵味方の位置関係をよく確認した上で、眼下へ向けて手をかざした。
「星々よ……全てを繋ぐものよ……我が手に集いて力となり……我が前に立ちふさがりし者を粉砕せよ!!」
 テラの詠唱に合わせて、テラの全身が重力フィールドに包まれる。そして詠唱が終わると同時に放たれた極太の重力波砲が、眼下に炸裂した。木々の間を跳び回っていた忍者の内2人が、超重力に捕らわれ、地面へと叩きつけられる。
「忍者であろうとこの重力で動けるか!?」
 さらに地面を大きくへこませるほどの重力は、忍者達の鋼鉄の体すら圧し潰し破壊していった。
 だが、重力波は広域をカバーできるわけではない。重力波の範囲外にいた伊賀忍者が、上空のテラ目掛けて背中にマウントしていた大型十字手裏剣を投じてきた。
「そういう追撃だって手がないわけじゃない!」
 テラは『紅龍槍』を振るって手裏剣を迎撃しようとしたが、手裏剣は空中で意志あるもののように飛び回り、槍の穂先を躱しながらテラヘと襲い掛かってくる。
 そして遂に手裏剣が正面からテラを切り裂こうとした、その時。
「あれだ……お前達の国の技術だろう? 真剣白刃取りって?」
 そこには、両手で手裏剣を挟み込むように受け止めたテラの姿があったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

鳩目・サンダー
死刑囚の居る場所を確認する方法がある、ってことは遠くに逃がそうが匿おうが意味はなく、追手を殲滅しないと何も解決しないってことだ。

【偵察】【観察】【結界術】の技能で、敵の襲来を警戒する。
忍者……忍者ね。冷静で静かで任務に忠実。考える程に厄介だ。
「アタシらとパラドクス勝負する以外にない」と思わせないと勝ち目はない。
体張って守りながら追手を倒す。それ以外にない。
先手を取られたら終わる。死刑囚のガラを攫うなり人質にされるなり殺されるなりしたらもうその時点であたしらの負けだからな。

使用するのはエコーチェンバー。複数人巻き込めればラッキー、ぐらいのパラドクスだ。


アドリブ、連携歓迎します。


メルクリウス・ディーン
(…再起動…メモリー…ロスト…修復…現状不可…現状での神体での起動…不可能…コアを起動…成功…)

(とぼとぼと現れるヒルコの少女

ご主人サマ…どこ…?


キミ達は…?

ぅ…(頭を振って


………キミ達の在り方は間違えてるよ…?

機械は…人々の為に在る筈なのに…人を害しちゃ…ダメ…
パラドクス起動
(ビーム鎌剣を構え…少し考え…笑った)
…力が出ない…けど…簡単にやられたりはしないぞ☆


周囲確認
死刑囚を庇える立ち位置を意識

影と連携して二機に攻撃
同時にツインチャクラムで追撃

対SPD
【念動力】
薄い念動フィールドを広範囲に展開
実体の動きの補足を行い回避試み

忍者なら光学迷彩ぐらいはやって見せるんだよ☆

…メルシーはできないけど☆


●持久戦の果てに
 『伊賀忍者』達は、その後も散発的に攻め寄せてきていた。
 いつ、どこから、どの程度の規模が来るか分からない状態での持久戦は、思いの外ディアボロス達の精神を消耗させていく。
「とはいえ、死刑囚の居る場所を確認する方法がある、ってことは遠くに逃がそうが匿おうが意味はなく、追手を殲滅しないと何も解決しないってことだ」
 鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)は腹を括ったかのようにそう呟きつつ、周囲へ警戒の目を向けていた。
 既に相当の数の伊賀忍者達を倒している上に、時間的にももうじき夜明けだ。そろそろ打ち止めになってもおかしくないが、サンダーは油断しなかった。
(「先手を取られたら終わる。死刑囚のガラを攫うなり人質にされるなり殺されるなりしたら、もうその時点であたしらの負けだからな」)
 と、その時。
 警戒していたサンダーの耳が、ゴソゴソと茂みを掻き分ける音を捉えた。
 伊賀忍軍の新手かと身構えるサンダーだったが、そこに現れたのは、明らかに場違いな小柄な少女。
(「……再起動……メモリー……ロスト……修復……現状不可……現状での神体での起動……不可能……コアを起動……成功……」)
 しかも、それはただの少女ではなかった。彼女は天正大戦国で初めて確認された種族『ヒルコ』だったのだ。
「ご主人サマ……どこ……?」
 そのヒルコ――メルクリウス・ディーン(界導神機・g08498)は、ここが戦場であることにも気づいていない様子で、とぼとぼと歩いている。
「お、おい。あんた……」
 そんなメルクリウスに、サンダーが声をかけた時。突如発生した霧が、周囲を包み込んだ。
 それが伊賀忍者来襲の予兆であることを、サンダーは知っている。
「誰だか知らないけど、隠れた方がいい」
 サンダーはメルクリウスをかばうように立ちはだかると、鋭く周囲へと視線を走らせた。
(「忍者……忍者ね。冷静で静かで任務に忠実。考える程に厄介だ。だったら『アタシらとパラドクス勝負する以外にない』と思わせないと勝ち目はない」)
 そんなことを考える間にも、霧の中から急に飛び出してきた伊賀忍者が、二人に切りつけてくる。
「いたっ! でも、体張って守りながら追手を倒す。それ以外にない」
 サンダーが反撃をしようと身構えた時。
「キミ達は……? ぅ…」
 メルクリウスが、何かを思い出そうとするように頭を振って霧へと目を向けた。
「………キミ達の在り方は間違えてるよ……?」
 まるで、霧の中に潜む伊賀忍者の姿が見えているかのようにそう呟くと、メルクリウスは刃の部分が光刃と化した大鎌型『ヘルペー』を構えて少し考えこみ、そして笑った。
「……力が出ない……けど……簡単にやられたりはしないぞ☆」
 次の瞬間、メルクリウスの姿が二つに分裂した。いや、おそらくは伊賀忍者が使うのと同じような、分身の技なのだろう。
 メリクリウスが霧へと向けてヘルペーを振るい、影分身がRX-Fツインチャクラム『フギン&ムニン』を投じる。直後、霧の中から2体の伊賀忍者がふらふらと姿を現し……そして倒れて機能を停止した。
 だが、同時に霧の中から複数の伊賀忍者が飛び出し、一斉にメリクリウスへと襲い掛かる。メリクリウスは慌てて自身の周囲にフィールドを展開しようとしたが、疾風の如く素早く機械のように正確に動く伊賀忍者の攻撃の前には、到底間に合わない。
 と、
「聴きたいことだけ聴いているがいいさ!」
 そこへサンダーの声が響き渡り、同時に強烈な音波と電磁波が、伊賀忍者達に襲い掛かった。その衝撃に、伊賀忍者の分身体が掻き消えるように霧散していく。そして、残った本体だけの攻撃だけなら、メリクリウスにとって回避はたやすい。
「忍者なら光学迷彩ぐらいはやって見せるんだよ☆ ……メルシーはできないけど☆」
 伊賀忍者達を挑発するように、メリクリウスが笑顔でそう言い放つ。
 こうしてサンダーとメリクリウスの即席コンビの前に、伊賀忍者達は次々と返り討ちに合っていったのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!

●カラクリ砦に満ちる霧
「もう夜が明けたというのに、誰一人戻ってこないとは……。出撃した『伊賀忍者』達は全滅したということか。……認めたくないものだな、私の予測演算が外れたなどということは」
 カラクリ砦の大広間で、輝光神機『豊臣秀長』は二刀の巨大刀を手に立ち上がった。
「こうなれば、ディアボロス共がこの砦に攻め寄せてくるのは時間の問題。だが、『忍カラクリ』がある限り、この砦は難攻不落。連中など物の数ではない」
 『豊臣秀長』がそう嘯く間にも、大広間に、いや、砦全体に霧が満ちていく。
「伊賀忍者達が術で使うものと同質のこの霧は、視界を遮り光を乱反射する。この霧の中で方向感覚を保つのは至難の業。しかもこの霧を発生させる『忍カラクリ』は迷宮のように入り組んだこの砦の、さらに隠された部屋の中。万に一つもディアボロスが辿り着けるものではない。さあ来るがいい、ディアボロス共。この私が、一人残らず刀の錆にしてくれよう!」
メルクリウス・ディーン
んー…さっきの戦いで…何か…思い出せそう…というか
戻れそう…ネメシスってのかな…?

霧が一杯…これじゃ何があるか見えないや…

魔力探査…上手くできないな…

ご主人サマなら…どうする…かな?うん、きっとこうする…☆

【電撃使い・フライトドローン・念動力】


ドローン先行
霧の中でも見える範囲を広げマッピング
電磁波展開
周辺の構造や形を少しずつ解析
念動力の波を広げて物理的な壁や構造を更に補助

敵に見られず攻撃をするって…とても恐ろしい手段だってメルシー知ってるぞ☆
やる方は楽しいけど…やられる方は大変だって事もね…☆

だから…潰しておかないといけないよね…☆


テラ・ウィンディア
霧が一杯…本当にあんまり見えないな…
精霊を見るって方法もあるけど…ちょっと難しいか

【念動力・精神集中・戦闘知識】
念動障壁を展開しながら霧を払って視界確保に努める
また…この砦を進むのであれば敵ならばどこに罠を仕掛けるかを考察
読み切る

霧の中を迷うってやっぱりぞっとしないな

戦いになったらそれこそ恐ろしい
確か…回避能力が高いってのであれば尚の事だな

…そういう時にどう戦うべきかも本来は考えないといけないのだろうけどな
それは後にしようか

【壁歩き】
落とし穴もあったりしそうだから壁も歩いてみよう
…何だか不思議な感覚だなこれ

【平穏結界】
カラクリを見つけたら展開して壊されても気づかれにくくするぞ


●霧と迷路を越えて
「霧が一杯……本当にあんまり見えないな……」
 カラクリ砦に潜入したテラ・ウィンディア(炎玉の撃竜騎士・g05848)は、予想以上の霧の深さに困惑していた。全く視界が通らないわけではないが、視野はせいぜい30cmといったところか。しかも、光が乱反射して光源もあまり意味をなさない。
(「精霊を見るって方法もあるけど……ちょっと難しいか」)
 テラが視界を確保する方法を考え込む間に、ちょこちょこと前に進み出たのはメルクリウス・ディーン(界導神機・g08498)だった。
(「んー……さっきの戦いで……何か……思い出せそう……というか戻れそう……ネメシスってのかな……?」)
 そんなことを考えていたメルクリウスは、ふと我に返って周囲を見回してから、ようやく立ち込める霧の存在に気付いたようだ。
「霧が一杯……これじゃ何があるか見えないや……」
 しかも、その力の源は魔法ではないため、魔力の探査もできそうにない。
「なら、少しでも視界を確保できるようにしてみようか。グラビティフィールド展開……」
 テラはパラドクス【重力闘法・迅雷】を発動して全身に重力フィールドを纏い、その重力で自身の周囲の霧を抑え込んでいった。一時的とはいえ、これで多少なりとも視界を確保できる。
 だが視界を確保できたところで、目の前に広がるのは迷路のように入り組んだ砦の通路だけだ。しかも、砦内には罠が設置されている可能性もある。
 この通路を無事突破し、隠された『忍カラクリ』を探り当てるにはどうするべきか、メルクリウスも必死に頭を働かせていた。
「ご主人サマなら……どうする……かな? うん、きっとこうする……☆」
 メルクリウスが手をかざすと、どこからともなく飛んできたフライトドローンが、先導するように通路を進んでいく。フライトドローンを先行させることで、通路の行き止まりや曲がり道をいち早く発見することができ、万一の罠や待ち伏せにも対処しやすくなるはずだ。
「霧の中を迷うってやっぱりぞっとしないな。戦いになったらそれこそ恐ろしい。確か……回避能力が高いってのであれば尚の事だな」
 テラが気を紛らすように口にした言葉に、メルクリウスも幼い外見に似合わぬ歴戦の戦士のような表情で頷く。
「うん。敵に見られず攻撃をするって……とても恐ろしい手段だってメルシー知ってるぞ☆ やる方は楽しいけど……やられる方は大変だって事もね……☆ だから……潰しておかないといけないよね……☆」
 テラとメルクリウスは、マッピングしながら慎重に少しずつ砦内を進んでいった。
 幸い今回は事前に伊賀忍者達を砦の外に誘き出して全滅させることに成功していたが、本来ならこの砦内に伊賀忍者が配置され、霧に紛れて迎撃してくるはずだったのだろう。もしそんな状況になっていたら、全滅していたのはディアボロスの方かも知れなかった。
「こういう霧の中で強敵と戦う……そういう時にどう戦うべきかも本来は考えないといけないのだろうけどな。それは後にしようか」
 テラは落とし穴のような地面に仕掛けられた罠を警戒し、残留効果【壁歩き】の力で壁面を使って移動しながら、敵ならばどこに罠を仕掛けるかを考察し警戒しながら進んでいく。
「……何だか不思議な感覚だなこれ」
 視界を塞ぐ霧の中で、慣れない壁面を歩く感覚に、テラは酔ったような奇妙な気分を味わっていた。
 こうして2人は、少しずつだが確実に砦内の迷路を解析し、地図を作っていったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【壁歩き】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV2になった!

望月・百代
視界を遮る、ね…
忍カラクリがクロノオブジェクトだとすれば霧は残留効果の一種かや?
であれば、こちらも残留効果で対抗していくとするか

ひとまず、霧の外周を探る
3カ所ほどで霧の位置を確認、それらから等距離となるポイントが霧の核と見て問題あるまい
余裕があれば測定ポイントを増やすが…何、霧の内部をマッピングしたデータがあるだと?

それなら話は早い!
霧の中を【完全視界】で突っ切り、推定した霧の中央部分まで一気に征く!
推定位置まで突入して、場所さえわかってしまえばあとは壊すだけよ…!
忍者もいないのなら、敵の心配はいらんじゃろうしな、まっすぐ行ってぶっ飛ばす、じゃ

アドリブ・連携歓迎


鳩目・サンダー
【パラドクス通信】を使って、ある程度情報を共有しつつ進んでいきたい。
視界は【完全視界】である程度確保できるとして、隠されているとなると素直に中心に安置されてるとかはないよなあ。技能【観察】【偵察】にはあたしも多少自信があるが……。

幻影に惑わされないよう、壁を叩きながら前進だな。これは罠や隠し扉探しも兼ねている。あと拳の跡が「チェック済み」を示す。

ああ、くそ、いっそ防衛戦力がいてくれた方がヒントになるのに。
メンテも要らないから通用口なんかも無いんだろうな。チート!チートだよ全く!!

無論、探し当てたら破壊である。早くしないと死刑囚共の身も危ねぇ。

アドリブ、連携歓迎します。


●忍カラクリを探して
「なるほど。砦内はそんな構造になってるのか」
 鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)は、先行したディアボロス達から【パラドクス通信】を使って砦内の構造を確認していた。そしてさっそく、その情報を元に砦の地図を描き出していく。幸い、絵を描くのはサンダーの得意技だ。
 だが、砦内の大体の構造は把握できても、視界を塞ぐ霧まではどうにもならない。
「視界を遮る、ね……。忍カラクリがクロノオブジェクトだとすれば霧は残留効果の一種かや?」
 同道する望月・百代(月輪七曜・g02747)が、砦内に満ちる霧に目を向け首を傾げる。
「であれば、こちらも残留効果で対抗していくとするか」
 言うや、百代はパラドクス【暗夜の一撃】を発動させた。本来暗殺用のこの技は、残留効果として使用者とその仲間達に【完全視界】を付与してくれる。
「視界はこれである程度確保できるとして、隠されているとなると素直に中心に安置されてるとかはないよなあ」
 サンダーは、壁を叩きながら慎重に前進を開始した。霧の視界を塞ぐ機能は【完全視界】である程度無効化できるが、光を乱反射する特性はそうはいかない。時に別の壁を眼前に投影し、存在しない壁をそこに存在するかのように浮かび上がらせることだってあるかも知れないのだ。
 それに、壁に罠や隠し扉が設置されていれば、これである程度は感知もできるはずだった。
「ああ、くそ、いっそ防衛戦力がいてくれた方がヒントになるのに。メンテも要らないから通用口なんかも無いんだろうな。チート! チートだよ全く!!」
 思わず愚痴をこぼすサンダーの肩を、百代がなだめるように叩く。
「まあまあ、落ち着くのじゃ。ひとまず、霧の濃淡を確認するとしようではないか」
 百代がそう提案したのは、同じ霧でも地点によって濃淡に差があることに気付いたからだ。もしこの濃淡の差が、『忍カラクリ』からの距離で決まるのだとすれば、霧の最も薄い外周に当たるポイントを3カ所ほど測定すれば、それらから等距離となるポイントが霧の核……すなわち『忍カラクリ』の設置場所である可能性が高い。
 2人はさっそく地図を頼りに、砦の端を中心に霧の最も薄い場所を確認していった。
「早くしないと死刑囚共の身も危ねぇ。ほんとはもっと手っ取り早い方法がありゃいいんだけど」
 慎重に行動しつつも、サンダーは焦りを隠せない。
「気持ちは分かるが、焦ってもどうにもならんぞ」
 ようやく3か所目の測定を終えた百代が、地図にポイントを書き込んでいく。
「うむ。どうやらこの辺りが中心点。つまり『忍カラクリ』があると思われるポイントじゃ」
 百代が地図に予測ポイントを書き込めば、早速サンダーが他のディアボロス達に【パラドクス通信】でその情報を共有していく。
「場所さえわかってしまえば、あとは壊すだけよ……! 忍者もいないのなら、敵の心配はいらんじゃろうしな、速攻で行ってぶっ飛ばす、じゃ」
「了解だ。無論、探し当てたら即破壊である」
 そして百代とサンダーも、そのポイントに向けて駆け出したのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】LV1が発生!

有栖川宮・永遠
幼馴染で従者の悠(g02300)と参加

光の乱反射で視界が定めにくい上に霧まで出てると。実に絶妙で、凝った仕掛けですね。でもこの仕掛けを解かないと黒幕の元へは行けませんね


幸い先行の方が周囲の地形のマッピングをしてくれてるようですので【完全
視界】で先行する悠の視界を確保した上で【風使い】【吹き飛ばし】で霧の物理的排除も試みます。

後、【地形の利用】【観察】で周りの状況の確認もし、異常があったらすぐ悠に知らせます。

マッピングしたデータに従ってカラクリのある場所に着いたら、【魔術知
識】【看破】でカラクリのある正常な位置を把握、破壊を任せる悠の作業を【電撃使い】【貫通撃】で補助。


近衛・悠
幼馴染で主人である永遠(g00976)と参加

まあ、自分達の計画を潰されては台無しだから、色々阻止する為の仕掛けを仕込んでる訳だな。


先行の人が周りの地形をマッピングして霧の中の地形のデータをとってあるみたいだから、【完全視界】で視界の確保をしてから【地形の利用】【観察】【偵察】で先行しながら周りの地形関係の把握を進めながら先行。【罠使い】の知識を活かして仕掛けてある可能性もある罠の確認もする。

カラクリがある場所に着いたら、永遠にカラクリの正確な位置を把握をして貰って、【怪力無双】を使った【斬撃】【両断】【貫通撃】でカラクリを切断する。


●『忍カラクリ』を破壊せよ
 有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)と近衛・悠(黄昏のフラメント・g02300)は、迷宮のようなカラクリ砦の内部を、警戒しながら進んでいた。
「光の乱反射で視界が定めにくい上に霧まで出てると。実に絶妙で、凝った仕掛けですね。でもこの仕掛けを解かないと黒幕の元へは行けませんね」
 永遠が、手で霧を払う仕草をするが、当然それで霧が晴れることはない。
「まあ、自分達の計画を潰されては台無しだから、色々阻止する為の仕掛けを仕込んでる訳だな」
 悠は手元に用意した地図に目を落とした。幸い、他のディアボロス達からの情報で砦内の構造はほぼ把握できている。その上、【完全視界】によって少なくとも霧の視界を塞ぐ効果は中和できていた。
 永遠と悠は周囲の状況を観察し、地形の把握を進めながら砦の中心部を目指して進んでいく。霧以外にも罠がある可能性があるため、前を行く悠は罠の確認も行っていた。そのためどうしても移動速度は落ちてしまうが、ここは慎重を期すに越したことはない。
「この霧は、物理的に晴らすことはできないのでしょうか」
 途中、永遠がパラドクス【裂帛の一撃】を用いて、必殺の波動で霧を吹き飛ばそうと試みもしてみた。だが、霧は一旦は晴れるものの、すぐにどこからともなく湧いてきて視界を塞いでしまう。
「やはり、この霧を発生させている忍カラクリを破壊しない限り、根本的な霧の除去はできないみたいだな」
 悠がそう口にした時。別行動を取っているディアボロス達から、『忍カラクリ』のおおよその位置が掴めたという連絡が、【パラドクス通信】を通じて届いた。
「どうやら、その地点に一番近いのは私達のようですね、悠」
「ああ、そうみたいだな。行こう、永遠」
 とはいえ、送られてきたポイントはあくまで大まかな地点に過ぎない。探索ポイントが限られたとはいえ、ピンポイントで位置を特定できたわけではない。
「予測が正しければ、忍カラクリが隠されているのはこの辺りのはずですが……」
 永遠は周囲を見回しつつ、手元の地図と見比べてみる。
「……分かりました。『忍カラクリ』があるのは、おそらくこの奥です」
 永遠が指さしたのは、地図上では四方を通路に囲まれた、どこにも通じていない空白の空間。このカラクリ砦にはそのような空間が幾つか存在していたが、予測地点の範囲内では、永遠が指さした一点のみだ。
「なるほど、いかにも隠し部屋がありそうな空間だな。場所さえ分かれば、わざわざ入り口の隠し扉を探す必要もない」
 悠は拳を構えると、全身全霊を集中し、その拳を一気に壁に叩きつけた。
「まあ、状況によってはこういう力技も必要だよな」
 秘拳【黄昏の一撃】を受けた壁が一瞬で崩れ、その奥に隠されていた隠し部屋が姿を現す。そこに設置されていたのは、一定の速度で静かに回転を続ける奇妙な多面体のオブジェクトだった。
「時崎案内人に聞いた通りの形……これが霧を発生させている忍カラクリで間違いないですね」
 永遠の言葉に悠は頷くと、
「なら、一気に破壊する」
 漆黒のククリを素早く抜き放ち、そのまま一息で忍カラクリを両断したのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【完全視界】がLV2になった!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!

●待ち構えるもの
「霧が、止んだ……? まさか、ディアボロス共が『忍カラクリ』を破壊したとでもいうのか!?」
 このカラクリ砦を護る将である輝光神機『豊臣秀長』は、砦内の大広間で愕然としたようにそう呟いた。
「私の予測演算がことごとく外されるとは……。いや、私がディアボロスを過小評価していたということか」
 豊臣秀長はなんとか落ち着きを取り戻すと、両の手に二刀の巨大刀を構える。
「ならば、ディアボロスの実力を上方修正して評価すればよいだけの事。さあ来るがよい、ディアボロス共。豊臣の名にかけて、汝らは一人たりともこの砦から生かしては帰さん!!」
有栖川宮・永遠
幼馴染で従者の悠(g02300)と参加

豊臣秀長公といえば、その人なくして秀吉の天下取りはなかったとも言える大人物。


その名を冠した敵ならば、強敵でしょうね。悠、行きましょう。少しでも敵の勢いを削いでおかねば。



【飛翔】で上空に位置どり、上の位置から【戦闘知識】【観察】で敵の動き
を観察。【光使い】で目眩し、【風使い】【砂使い】で足元に砂嵐を巻き起こして体勢崩し、【氷雪使い】【結界術】で氷の結界を張って凍りつきを狙うなどあらゆる手を打って敵を縛ります。

極め付けは【高速詠唱】【全力魔法】で召雷破。もちろん、【精神集中】でしっかり狙います。

兄君の為に必死なのはわかりますが、こちらも譲れませんので!!


近衛・悠
幼馴染で主人である永遠(g00976)と参加

ああ、豊臣秀長、大物だな。秀吉も秀長の支えあってこそ天下取りできたと言われてるぐらいだし。


でも、どうしても倒さねばこの任務は達成できない。後の皆の為にもきっちり削っとくか。



ふむ、先読みによる回避か。なら物理的に足止めするか。【飛翔】で上空へ位置どり、黄昏の砦を発動、砦による妨害と共に【罠使い】でワイヤートラップやトラバサミを配置。


後【観察】【偵察】で敵の位置を確認しながら、手持ちのナイフを【毒使い】【呪詛】【気絶攻撃】【貫通撃】で【投擲】。とことん嫌がらせに徹する。

まあ、兄の為に必死なのは分かるんだけどな?俺たちの事情もあるんで。


●予測演算の裏を突け
 このカラクリ砦の守将たる輝光神機『豊臣秀長』が陣取る大広間に最初に辿り着いたのは、有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)と近衛・悠(黄昏のフラメント・g02300)の主従だった。
「思っていたのより、ずっと広いですね」
「ああ、そして相手は思っていたよりも、ずっと大きい」
 その大広間は、広さも天井の高さも、現代風に言えばちょっとした体育館ぐらいはありそうだった。さらに2人が息を呑んだのは、豊臣秀長の機械の体が、5メートル近い巨体だったからだ。
「遂にここまで辿り着いたか、ディアボロス共。『伊賀忍者』達を壊滅させ、『忍カラクリ』も破壊してみせたお前達を、私は決して過小評価はせぬ。豊臣の名にかけて、我が全力をもって葬り去ってくれよう!」
 直後、豊臣秀長は永遠と悠が身構えるよりも速く、二刀のRX斬艦刀『吉岡一文字』を構え、真上から斬りかかってきた。
「速いっ!」
 悠が咄嗟に横に跳んでかわそうとするが、
「その動きは我が予測演算の内だっ!!」
 豊臣秀長は悠を追うように剣の軌道を力任せに横薙ぎに変えて振るう。かわしきれず、吹き飛ばされた悠に、急いで永遠が駆け寄った。
「……豊臣秀長公といえば、その人なくして秀吉の天下取りはなかったとも言える大人物。その名を冠する敵だけあって、さすがの強敵ですね」
「ああ、豊臣秀長、大物だな。秀吉も秀長の支えあってこそ天下取りできたと言われてるぐらいだし。もっとも、本物はここまで戦闘力が高くはなかっただろうが」
 悠は傷の具合を確認すると、反撃を警戒して守りの構えを取る豊臣秀長へと目を向ける。幸い、うまく力を逃がすことで致命傷は避けられている。まだ、十分戦えそうだ。
「悠、行きましょう。強敵であるならばなおのこと、少しでも敵の勢いを削いでおかねば」
 永遠の言葉に同意するように、悠も頷いた。
「豊臣秀長をどうしても倒さねばこの任務は達成できない。後の皆の為にもきっちり削っとくか」
 直後、永遠は天井ぎりぎりまで飛翔すると、氷のチャクラムである『風花の戦輪』を投じる。同時に、悠は豊臣秀長の足元に駆け寄ると、その足にワイヤーを絡めさせた。凍結とワイヤートラップにより少しでも豊臣秀長の動きを封じられればという策だったが、
「笑止! そのような小細工も、全て我が予測演算の内だ!」
 豊臣秀長は振り上げた一刀で風花の戦輪を弾き飛ばし、もう一刀で足に絡んだワイヤーを切断した。
「ふむ、先読みによる回避か。なら物理的に足止めするか」
 豊臣秀長の足元を駆け抜けた悠はそのまま飛翔し、豊臣秀長が次の行動を起こすよりも速く、パラドクス【黄昏の砦】を発動させる。
「ここは通す訳にはいかないんでね!!」
 直後、大広間内に、赤銅色の壁がそそり立ち、その内側に豊臣秀長を閉じ込めた。いや、それは壁というよりも、このカラクリ砦の中に現出したもう一つの砦といった方が正確か。
「我が予測を超えた技を使うか!」
 豊臣秀長は、二刀のRX斬艦刀を振るい、その小型の砦を破壊しにかかる。戦艦さえも両断すると言われる斬艦刀にかかれば、その小型の砦の破壊など容易。たちまち赤銅色の壁が崩れ落ちていく。
 だが、
「悪いが、とことん嫌がらせに徹させてもらうぞ!」
 悠は上空から毒を塗った常闇のナイフを投じて、豊臣秀長の動きを妨害せんとする。
「小細工は効かぬといったはずだ!」
 ナイフの動きを予測し身をかわそうとした豊臣秀長だったが、その足に小型の砦内に仕掛けられていたトラバサミが、喰らいついた。
「ぐっ!? 本命はこっちか!」
 予測演算の裏をかかれ、豊臣秀長がややたじろぐ。
「いいえ、本命はこちらです!! 貴方が兄君の為に必死なのはわかりますが、こちらも譲れませんので!!」
 永遠の声に天井を振り仰いだ豊臣秀長が見たのは、自身目掛けて降り注ぐ一条の稲妻だった。それこそは、永遠の放ったパラドクス【召雷破】。
 足元のトラバサミに気を取られていた豊臣秀長に、その一撃を躱す余裕など、到底なかった。雷の直撃を受けて、豊臣秀長の巨体が大きくよろめいた。
「まあ、兄の為に必死なのは分かるんだけどな? 俺たちにも俺たちの事情があるんで」
 悠はそう言い放つと、再び上空からナイフを投じたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!

白水・蛍
アドリブ・連携歓迎

あら、お金大好きな豊臣秀長公ではございませんか。
名君ではありますがね。さて、お相手つかまつりましょう。

予測演算でしょうが外れる時は外れるものです。
我が計略ご覧あれ。
――我が音に、我が声にて来たれ。咲けよ火の華、火の波よ!
相手と自分の周囲を覆わんように炎を出現させます。そしてわざと自分に向かう方だけ薄くしておきます。
そこに飛び込んできたなら最後はこうです。と至近距離にて炎を浴びせて燃やし尽くしてさし上げます。


●炎の罠
「あら、お金大好きな豊臣秀長公ではございませんか」
 次に大広間に駆け付けたのは、ミニドラゴンである『シュヴァルライト』を連れた白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)だった。
「金が好きだと? 誰のことを言っている!」
 愚弄されたと感じたのか、輝光神機『豊臣秀長』は超高熱プラズマライフルの銃口を蛍へと向けた。
「別に馬鹿にしたつもりはなかったのですが。それに、名君でもありますがね。さて、お相手つかまつりましょう」
 蛍がそう言ったのと、豊臣秀長が超高熱プラズマライフルを乱射したのは、ほぼ同時だった。蛍は素早い足さばきでその銃撃を次々とかわしてみせたが、
「汝がどれほどの使い手だろうと、我が予測演算の前には無力と知れ!」
 豊臣秀長は銃撃の回避に集中する蛍の隙をつくように急接近すると、斬艦刀による鋭い斬撃を放った。
「くっ」
 咄嗟に身体を後ろに逃がし、床を転がることで直撃こそ避けたものの、その巨体から繰り出された斬撃は想像以上のダメージを蛍に与える。
「なるほど、これが予測演算の力……。ですが、予測演算でしょうが外れる時は外れるものです。我が計略ご覧あれ」
 追撃を逃れるべく素早く立ち上がった蛍は、『コンダクタースピア』をまるで指揮棒のように振るいつつ、歌い出した。
「――我が音に、我が声にて来たれ。咲けよ火の華、火の波よ!」
 その蛍の歌に導かれるように、大広間の床から豊臣秀長を包み込むように炎が立ち昇る。
「火計のつもりか、小賢しい。だが、我が予測演算を以てすれば、炎の弱い箇所を見抜くなど容易なこと!」
 豊臣秀長は単眼を光らせると、周囲を覆い尽くした炎の中でも火勢の弱いところを探知し、その箇所からの脱出を試みた。
 だが、炎の包囲を抜けた豊臣秀長が見たのは、自身に向けて『コンダクタースピア』の先端を向ける蛍の姿。
「わざと炎を薄くした箇所にみすみす飛び込んでくるとは、予測演算を以てしても我が策は見抜けなかったようですね。ならば、最後はこうです」
 そして至近距離で蛍の放った業火が、豊臣秀長の機械の体を飲み込んでいったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【温熱適応】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!

鳩目・サンダー
ネメシスモード発動を所望します。
お前の事を舐めてるつもりは無いんだが、お前みたいなことをしてる奴が何体も居るって事を考えるとなあ……。
全力を出しはするが、これは戦いじゃない。「駆除」だ。駆除。

最大単体攻撃リアライズペイントで応戦。
今後コイツと同名のアヴァタールを駆除する時の為にも『観察』技能はしっかりと使う。

「仕掛けは確かに上々だった。
だが、どんな有利も同じ土俵に置き直す。それがあたしたちディアボロスの強みだ」とうそぶく。
実際にはリアルタイムで修正してペン入れして色味も調整してるがな。

戦わずして負けているなら戦わせる。
これがあたしらの兵法だ、かかってこい!
アドリブ、連携歓迎します。


望月・百代
随分と油断したようだね、クロノヴェーダ?
超短期ならともかく、予測演算なんぞ外れるのが普通じゃろうが
風が吹けば桶屋が儲かるという諺も知らんと見える
ひとつでも計算違いがあれば未来は変わる、そして変えて見せるのが妾たちディアボロスよ

さて、これから貴様の予測を悉く裏切ると宣言させてもらおう
光学幻影起動、電脳忍術『神出鬼没』ドライブ
さぁ、その予測演算で妾の本体を当ててみな?

さんざっぱら挑発しつつ、本人は多数の幻影投影した後光学迷彩で雲隠れ
幻影の中には存在しない本体を探させながら、クーデグラースの狙撃を叩き込む

連続攻撃で全ての幻影を倒せばどれかが本体、とでも思ったかや?
残念、こっちじゃよ

アドリブ・連携歓迎


●幻影は踊る
「おのれ……。我が予測演算がこうも外されるとは」
 絶対の自信を持っていた予測演算の裏を続けざまにかかれ、輝光神機『豊臣秀長』は明らかに動揺していた。
「随分と油断したようだね、クロノヴェーダ? 超短期ならともかく、予測演算なんぞ外れるのが普通じゃろうが」
 そんな豊臣秀長に、呆れたように望月・百代(月輪七曜・g02747)が辛辣な言葉を投げつける。
「黙れ! 我が予測演算は完璧なのだ。正しい情報さえあれば、予測できぬものなど……」
「やれやれ、風が吹けば桶屋が儲かるという諺も知らんと見える。ひとつでも計算違いがあれば未来は変わる、そして変えて見せるのが妾たちディアボロスよ」
 百代がそう言って肩をすくめれば、鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)も、
「お前の事を舐めてるつもりは無いんだが、お前みたいなことをしてる奴が何体も居るって事を考えるとなあ……」
 面倒くさそうに顔をしかめつつ、自身の周囲に複数のホログラムディスプレイを展開させていく。
「全力を出しはするが、これは戦いじゃない。『駆除』だ。駆除」
 そのサンダーの言葉は、豊臣秀長の癇に障ったようだった。
「駆除だと!? ならば私は、汝らを排除するまで!」
 猛る豊臣秀長の全身から、霧のようなものが噴き出した。それは、触れたものに激しい嘔吐と出血、激痛を伴う疫病をもたらす対人虐殺用のナノマシン。ひとたび疫病にかかれば、ディアボロスであってもただでは済まない。
「ナノマシンの散布とか、面倒だなあ」
 大広間の隅に後退して口元を押さえつつ、サンダーがぼやく。
「逃げたところで無駄だ。このナノマシンはすぐにこの大広間を覆い尽くす。機械の体を持たぬ自身の不幸を呪うがいい」
 勝利を確信する豊臣秀長に対し、サンダーは恐れる様子もなくスタイラスペンを取り出すと、ホログラムディスプレイへと筆を走らせ始めた。
「霧のカラクリといい、疫病のナノマシンといい、あんたの仕掛けは確かに上々だった。だが、どんな有利も同じ土俵に置き直す。それがあたしたちディアボロスの強みだ」
 そううそぶきつつサンダーが描き上げたのは、今目の前にいる敵――すなわち、豊臣秀長の姿。
「何!?」
 豊臣秀長が驚愕したのは、その絵が実体化し、超高熱プラズマライフルを自身に向けてきたからだ。
「戦わずして負けているなら戦わせる。これがあたしらの兵法だ、かかってこい!」
 次の瞬間、絵から生み出された豊臣秀長が、超高熱プラズマライフルを乱射した。自分自身から攻撃を受けるという予想外の事態に、得意の予測演算を働かせる間もなく、銃撃の直撃を受ける豊臣秀長。
「よし、ナノマシンの散布が止まったぞ」
 サンダーのその声に応じるように、サンダーとは逆の隅に避難していた百代が動く。
「さて、これから貴様の予測を悉く裏切ると宣言させてもらおう。――光学幻影起動、電脳忍術『神出鬼没』ドライブ。Now you see me」
 次の瞬間、百代の姿が幾つにも分裂した。それはまるで、『伊賀忍者』達が使っていた分身の術の如く。
「さぁ、その得意の予測演算で妾の本体を当ててみな?」
 挑発しつつ、『特殊電工ナイフ』を構えて一斉に豊臣秀長へと襲い掛かる百代の分身達。
「私の予測演算を愚弄するか!」
 豊臣秀長は、超高熱プラズマライフルを乱射して分身達を迎撃しつつ、本物の百代を見破るべく単眼を輝かせる。
 だが、どれだけ探しても、本物の百代の姿は発見できない。
「連続攻撃で全ての幻影を倒せばどれかが本体、とでも思ったかや? 残念、こっちじゃよ」
 その時、どこからともなく百代の声が響き、同時に放たれた狙撃銃『Coup de Grâce』の銃弾が、豊臣秀長の単眼を撃ち抜いていた。
「残念じゃったの。最初から分身の中に妾はいなかったということじゃ」
 【光学迷彩】で姿を隠して死角に回り込んでいた百代の言葉に、ようやく豊臣秀長は裏をかかれたことを悟ったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV3になった!

メルクリウス・ディーン
(じーと秀長見て)
…秀長君…?君そんな名前だったっけ?確か…うーん…思い出せないや☆

でも…今ならメルシーも真体になれるかも☆

【戦闘知識・連撃・念動力】
ネメシスモードもといパラドクス発動!

(機神の姿となり飛行)

君の予測演算は凄いよ
なら!其を越える早さでいかせてもらうよ☆

高速で飛び回りツインチャクラムでの連続攻撃から更に鎌剣での斬撃を重ねる!

その回避先を限定させる事で回避不能な位置へと追い込んでからの連続攻撃!

【飛翔・フライトドローン・強運の加護】
対反撃
君の予測演算は強力だよ
だから…防ぎきる!

ドローンからの視点も利用して敵の攻撃の方向性を把握

念動障壁とツインチャクラムと鎌剣で敵の攻撃を相殺する!


テラ・ウィンディア
お前が秀長か…でも…なんか横文字とか不思議な文字だなそれ
ろくしあす…?

【戦闘知識】
…此奴の能力は予測演算…おれの技は簡単に避けられちまう…ならば!

此方から先制は行わない!

対POW
【飛翔・フライトドローン・念動力・勇気・グラップル】
予測しやすい回避行動をあえてとり
重力障壁展開
剣で受け止め威力を殺さず受け流す様に吹き飛ばされる!
更にドローンを足場に跳んで
回避を読むなら…耐えるのみだ!
その上で攻撃後の動作を見据えて
【破壊】
お前…予測演算が得意なんだろう?
なら…今からお前に起こる事を予測してみろ…!

天座流星撃!
起こりうる運命を受け入れ…それでも抗ってこそだろう!
我が全霊の一撃!その身に刻めぇ!


●決着の時
「まだだ、たかが眼を一つ潰された程度で、私の予測演算に狂いが生じることはない!」
 頭部の単眼を潰されながらも、輝光神機『豊臣秀長』は両肩に備えた予備の単眼を稼働させ、視界の確保を図る。
 その眼に映ったのは、新たに駆けつけてきた二人のディアボロスの姿。
「お前が秀長か……。でも……なんか横文字とか不思議な文字だなそれ。ろくしあす……?」
 テラ・ウィンディア(炎玉の撃竜騎士・g05848)は豊臣秀長の巨体を見上げつつ、その胸に刻まれた文字が気になるようだった。
「……秀長君……? 君そんな名前だったっけ? 確か……うーん……思い出せないや☆」
 メルクリウス・ディーン(界導神機・g08498)も、何かを思い出そうとするように首を捻っている。
「何を訳の分からないことを言っている!」
 そんな二人の反応に苛立ったように、豊臣秀長はRX斬艦刀『吉岡一文字』を両手に構えた。
「もはや汝らには何一つやらせはせん。我が最大最強の攻撃を以て、粉砕してくれる!!」
 次の瞬間、豊臣秀長はその巨体からは信じられないような加速で、テラ目掛けて突撃していく。
(「……此奴の能力は予測演算……おれの技は簡単に避けられちまう……ならば!」)
 テラは先制攻撃するという選択肢を捨て、豊臣秀長の進路から逃れるように回避行動を取った。だが、
「その動きは予測済みだっ!!」
 豊臣秀長は床を踏み込んで進路を変えると、そのまま斬艦刀を全力で振り下ろす。テラは咄嗟に星刃剣『グランディア』で斬艦刀を受け止めると、敢えて勢いを殺さず、受け流すように吹き飛ばされた。たちまち、その小柄な体が大広間の壁まで吹き飛んでいく。
(回避を読むなら……耐えるのみだ!)
 テラはあらかじめ壁際に展開させていたフライトドローンを蹴って宙へと跳ぶことでなんとか勢いを相殺し、壁への激突だけは避けることに成功した。それでも、全身に受けたダメージは相当なものだ。
 その間にも、豊臣秀長は武器を超高熱プラズマライフルに持ち替え、その銃口をメルクリウスへと向けていた。
「さすがに強いね。でも……今ならメルシーも真体になれるかも☆」
 だが、メルクリウスは慌てることもなく精神を集中させる。
「神体限定展開……行くぞー☆ スピードの向こう側へ☆」
 次の瞬間、メルクリウスの周囲の空間が歪み、虚空よりいくつもの機械のパーツが出現した。そして豊臣秀長が超高熱プラズマライフルを撃ち放つよりも速く、それらのパーツはメルクリウスを中心に合体し、豊臣秀長と同サイズの巨大ロボットを形作っていく。
「な……貴様も、天魔武者なのか!?」
 驚愕で、豊臣秀長の手が一瞬止まった。そしてその一瞬を、界導神機『メルクリウス』と化したメルクリウスは逃さない。
「君の予測演算は凄いよ。なら! 其を越える速さでいかせてもらうよ☆」
 背部ブースターを全開にして宙に舞い上がったメルクリウスは、そのまま高速で豊臣秀長の周囲を飛び回りながら、RX-Fツインチャクラム『フギン&ムニン』を放って豊臣秀長を翻弄する。
「くっ、ならば!」
 瞬時にチャクラムの特性を分析した豊臣秀長は、壁際まで後退していった。壁を背にすることで、チャクラムの飛ぶ方向を制限しようというのだろう。だが、それもメリクリウスの計算の内。
 メリクリウスは両手にBX鎌剣『ハルペー』を構えると、一気に豊臣秀長との距離を詰めていった。壁を背にしたことで逆に回避の幅を失った豊臣秀長は咄嗟に斬艦刀で鎌剣を受け止めようとする。だが鋭い鎌剣の一閃は、その斬艦刀の刃を真っ二つにへし折っていた。
「馬鹿なっ! 我が刀が!!」
 武士の魂ともいえる刀を折られ衝撃を受けた豊臣秀長だったが、即座に気持ちを切り替え、超高熱プラズマライフルをメリクリウスに向けると、すぐさま乱射する。
「君の予測演算は強力だよ。だから……防ぎきる!」
 メリクリウスはツインチャクラムと鎌剣を今度は守りに用いて、ライフルの銃弾を弾いていった。それでも全ての銃弾を防ぎきることはできず、機体の各部に銃痕が刻まれていくが、なんとか致命傷だけは防ぐことができそうだ。
 そして、豊臣秀長の注意がメリクリウスに向けられているこの瞬間は、上空で様子を伺っていたテラにとっては最大の好機だった。
「お前……予測演算が得意なんだろう? なら……今からお前に起こる事を予測してみろ……!」
 その声に上空を振り仰いだ豊臣秀長が見たのは、大きくかかとを振り上げて自分に向かって彗星の如く飛来してくるテラの姿。
「天座流星撃! 起こりうる運命を受け入れ……それでも抗ってこそだろう! 我が全霊の一撃! その身に刻めぇ!」
 テラの超重力を込めた踵落としが、豊臣秀長の脳天に炸裂した。そしてその一撃は、豊臣秀長の頭部を高速戦闘演算機構ごと粉々に粉砕する。
 
 こうしてディアボロス達の活躍により、伊賀国に築かれたカラクリ砦の一つは陥落したのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV4になった!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!

最終結果:成功

完成日2022年10月15日

伊賀国のカラクリ砦

 天正大戦国は、大名が支配する領国ごとに『城』が築かれ、その城を中心に領国の支配が行われています。
 この『城』がある限り、クロノヴェーダ以外の存在は、隣国へと移動する事は、ほぼ不可能です。

 天正大戦国の攻略では、この『城』の制圧が最重要なのですが、この『城』自体が、強力な排斥力を保持しており、敵対するものの侵入を許さないのです。

 この排斥力を維持する為に、大名達は、城の周囲に『砦』を建造すると共に、住民に圧政を敷き、反抗する者や、隠れ潜むヒルコを見付けては、処刑を繰り返して、力を高めているようです。

 平安鬼妖地獄変奪還戦後の追討戦を行った事で、ディアボロスが活動可能となった『伊賀国』に向かい、虐げられた人々を解放し、砦と砦を護るクロノヴェーダを撃破してください。
 この戦いに勝利する事ができれば、伊賀国解放の第一歩になる筈です。
 伊賀国の砦は、様々なカラクリ仕掛けのある忍者砦であり、敵はその仕掛けを利用して戦闘を仕掛けてくるようです。

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🔒
#天正大戦国
🔒
#伊賀国のカラクリ砦
🔒
#伊賀国


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選択肢『晒し者にされている死刑囚の救出』のルール

『天正大戦国』では、大名によって圧政が敷かれており、一般人は生きるか死ぬかのギリギリで何とか命を繋いでいるという状況です。
 一般人達は、その暮らしに希望を失っており、クロノヴェーダの理不尽な命令にも従順に従っています。

 ごく少数の強い心を持つ住人は、そんな絶望的な状況でも屈せず、大名への反抗を試みることがありますが、試みの全ては失敗し、捕らえられ処刑されています。
 天魔武者は、そうした者達の処刑をも儀式としてエネルギーを得たり、新たな天魔武者を誕生させることすら可能としているのです。

 処刑される一般人は、近隣の村を引き回されて晒し者にされているので、彼らが晒されている村に潜入して、救出してください。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『忍カラクリを破壊せよ』のルール

 伊賀のカラクリ砦は、侵入したディアボロスの戦いを邪魔し、城主であるアヴァタール級が有利になるような、様々なカラクリ仕掛けが施されています。
 このカラクリは、砦内に隠されたクロノ・オブジェクト『忍カラクリ』によって発生しています。
『忍カラクリ』を見つけ出して破壊しなければ、カラクリ仕掛けを利用して戦うアヴァタール級に苦戦を強いられる事でしょう。

『忍カラクリ』の本体は、人の頭程の大きさの『回転する多面体のオブジェクト』です。
 材質は、乳白色で脆く、カラクリを乗り越えて近づけば、難無く破壊する事が可能です。
 砦内の何処かに隠されていますが、発見したとしても簡単に近づけないように様々な仕掛けが施されています。

 砦内を探索して『忍カラクリ』を発見し、カラクリ仕掛けを乗り越え、『忍カラクリ』を破壊してください。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達しない限り、👿のリプレイでは大成功🔵🔵🔵🔵以上が発生しない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾一般人を襲うトループス級『伊賀忍者』のルール

 周囲の一般人を襲撃するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 放置すると村や町を破壊したり一般人を虐殺してしまうので、被害が拡大する恐れがあるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『輝光神機『豊臣秀長』』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「テラ・ウィンディア」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。