リプレイ
レオンハルト・アストレイア
アドリブ歓迎
【A】
(出店を眺めながら歩く)
トウロウ、っていうのは日本独自のランプのことっすよね。
実物を見るのは初めてですけど、なんというか、独特の風情がありますね。
(屋台の1つの前で立ち止まり)……へえ、ここでは実際に絵付けの体験ができるんっすね。
せっかくだし、やってみましょうか。
さて、絵付けの柄はどうしましょうか?
せっかくなら、秋の日本らしい柄にしたいと思いますけど……。
……そうなると、やっぱり題材は紅葉になりますかね。
(真剣な面持ちで、無地の燈篭へ丁寧に絵付けしていく)
(絵付けを終えて)
よし、こんな感じっすかね。
「へえ……これが」
トウロウか、と呟いて、レオンハルト・アストレイア(過去を望む悪魔モドキ・g03365)は煌びやかな出店の並びで足を停めた。
日本の伝統的なランプだということだけは知識として知っていたが、こうして実物を見る機会には恵まれて来なかった。ガラス越しに煌々と燃える洋燈とは違い、薄紙を透かして拡散する燈籠の光は柔らかく、そして優しい。
(「なんというか、独特の風情がありますね」)
淡い地色にさまざまな季節の風物詩を描いた燈籠は、ポップなものからクラシックな絵柄まで店によってさまざまで、眺めて歩くだけでも楽しい。
「……あ」
行く手に立ち上がった一枚の立て看板が目に入り、少年は再び足を停めた。『絵付け体験できます』と軽やかな筆文字で描かれた看板の横には屋根だけのテントが三つほど連ねられており、その下には画材を載せた作業台が据えられている。備えつけられた大小の筆は、片隅に積み重ねられた無地の燈籠に絵をつけるためのものと見えた。
「……せっかくだし、やってみましょうか」
屋台の人間に一声掛けて椅子を引き、腰掛けると、職人らしい初老の男性がやってきて、ベースになる燈籠の色を選ばせてくれる。白に鶯、水色、花色――少し思案して、用意された数色の中からごく淡い黄色の紙燈籠を取り上げて、これにしますとレオンハルトは言った。
(「秋の日本らしい柄にしたいですね」)
冬は雪。春は花。夏は青葉――秋は、紅葉。であればやはり地の色は、暮れゆく空のような優しい黄色がいい。色の塗り方、重ね方などの簡単なレクチャーを受けてから、レオンハルトは細めの筆を一本取ると、栗茶色の顔料に筆先をつけた。
(「まずは、枝から」)
適度に力を加減しながら節くれ立った紅葉の枝を表す線を引いたら、筆を洗い、今度は丹色を含ませた先端でちょこちょこと色を置くように、色づく紅葉を描いていく。慎重に丁寧に筆を運ぶその横顔は、真剣そのものだ。
そうしてひたすらに筆を動かすこと小一時間、最後に大きな紅葉のひとひらを書き加えて、レオンハルトは口角を上げた。
「よし――こんな感じっすかね!」
会場を訪れた時にはまだ赤々とした陽射しを投げかけていた太陽も、今は遥かな山の向こう。今宵の相棒となった燈籠を手に提げて、少年は意気揚々と嵯峨野散策へ繰り出した。
大成功🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
篝・ニイナ
【白花:A】
自分で絵付け出来るの思い出になっていいじゃん
とは半分建前に、彼の絵心が気になったのが半分
けれど何を描こうか、筆をとってみても進まない
それは彼も同じだったようで
彼の様子を伺えばぱちりと瞳が瞬いて
それから彼の筆が楽しそうに紙の上で踊るのを眺めていれば
咲いたのは綺麗な朱い花
火花を思わせるような曼珠沙華
俺みたいだと話す彼の
嬉しそうな声に自然と表情が緩んでしまう
なんだ、ラルムクン絵上手いじゃん
そうだね、じゃあ俺はこれかな
視線の先はふわふわと揺れる髪
悩んでいたのが嘘のように
武骨な黒曜の手に反して、繊細に白藤の花を咲かせていく
やはり彼には、この花が欠かせない
互いの花が道の導になるように
ラルム・グリシーヌ
【白花:A】
店先に咲く花燈籠も美しいけど
互いがどんな絵を描くのか気になるから
絵付けに挑戦するよ
宵路を照らしてくれる燈籠に
何を咲かせようか悩んでると
向かいに座る彼と視線が重なって
楽しげな瞳の光に花の彩が綻んだから
白の世界にゆっくりと朱い軌跡を描く
筆を踊らせ咲かせてゆくのは
ニイナの瞳の色 火花思わす曼珠沙華
ね、見て!ニイナみたいな花でしょ?
花を描くのは得意なんだよ
君は燈籠にどんな彩を咲かせるの?
嬉しげに告げ乍ら彼の手元を覗き込めば
夜彩の指先が丁寧に筆を重ね
咲かせたのは白藤で
ニイナの花も綺麗だね
その彩に幸せそうに笑めば
心にも燈火が宿った様に温かくて
今日と云う日を忘れない様に
二つの灯りを携えて往こうね
「んー……」
すらりと長い黒曜の角を傾けて、篝・ニイナ(篝火・g01085)は口許へ手を当てた。裸電球に照らされた作業台の上には顔料のパレットと、薄紫の紙を張った一挺の燈籠。すいと視線を流せば屋根だけのテントの軒先には、職人達の手によって仕上げられたのだろう色とりどりの花燈籠が淡く優しい光を咲かせ、宵の小径を照らしている。
自分で絵付けできるなんて、思い出になっていいじゃん――そう笑って、向かいに座る少年をこのテントに誘ったのはもう三十分ほど前のことだ。けれどもそれは半ば建前という奴で、本音はただ、違う世界の違う時代に生まれた彼がどんな絵を描くのか知りたかった。考えることを半ば諦めて向かいの席を眺めていると、ふと、顔を上げたラルム・グリシーヌ(ラメント・g01224)と目が合った。見られているとは思わなかったのだろう、橄欖の瞳はぱちりと瞬いて、どうかしたのかと言うように見つめ返す。
「何描くの?」
「そっちこそ」
なかなか筆が進まないのは、どうやらお互い様らしい。考え中だとお茶を濁せば少年はニイナの瞳をまじまじと覗き込み、そしてふわりと一笑した。
「俺は決めたよ。……今、決めた」
「ふうん?」
いったい、何を思いついたのやら。意気揚々と筆を手に取るラルムはなんとも嬉しそうで、彼が犬だったならきっと、白い尻尾をパタパタ振っているところに違いない。お手並み拝見と机の上に頬杖をついて、ニイナは踊る筆先を追いかける。選んだのは、どうやら白地の燈籠だった。優しく紙面をなぞるように走る筆の軌跡が、描き出すのは朱色の華――美しい鬼の瞳に綻ぶ光と同じ色の、火花のような曼殊沙華だ。
「――できた!」
幼子のようにいとけない瞳をぱあっと輝かせ、ラルムは筆を机に戻すと、絵をつけた燈籠を両手で支え、持ち上げた。
「ね、見て! ニイナみたいな花でしょ?」
「へえ……」
微笑む少年の声は朗々と弾んで、聞いている方まで嬉しくなってしまう。自然と表情が緩みそうになるのを堪えつつ――多分、堪え切れてはいないだろうけれど――ニイナは言った。
「ラルムクン、絵上手いじゃん」
「花を描くのは得意なんだよ」
賛辞に素直に照れてみせながら、白く大きなふわふわの仔犬は青年の手元を覗き込み、未だ無地の燈籠を見つめて言った。
「君は、どんな彩を咲かせるの?」
「…………そうだね、じゃあ」
俺は、これかな――そう口にして、鬼人は取り上げた筆の先端に柳茶色の絵具を付け、少しだけ水を含ませた。
選んだのは、藤の花。撫でるような筆遣いで藤の葉と茎を描いたら、筆先で点々と押さえるようにして、ニイナは薄紫の燈籠に白の絵具を載せていく。今しがたまで悩んでいたのがまったく嘘のようにするすると、けれども一枚一枚丁寧に、硬質な輝きを放つ黒曜の手が白藤の花弁を咲かせていく。分かりやすく喜色ばんだ少年の顔を見ていると、やはり――彼には、この花が欠かせないと思った。
「はい、どーぞ」
「ありがとう。ニイナの花も、綺麗だね」
絵付けを終えた燈籠を互いに差し出して交わせば、どちらからとなく幸せの笑みが零れる。じんわりと熱を持った胸は、まるで燈火が宿ったかのように温かい。
「二つの灯りを、携えていこうね。……今日という日を、忘れないように」
「ん。そうだな」
清らかな白と、情熱の朱。互いの花がそれぞれの、道の導となるように。
交換した燈籠を携えて行く嵯峨野の夜は、優しい温もりに溢れている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
海・ほろぶ
【A】
オード(g01759)と
うーん、一発勝負感がすごい
色の乗った絵筆では、前にオードに教わったように直接アタリをつける訳にもいかず
まっさらの紙灯籠とにらめっこ
緊張するかも、と珍しく殊勝な言葉まで口をつく
……ま、いっか
うっかり妙な出来になっても、持ち歩いて散歩、付き合ってもらうからね
腹を括って色をのせる
花燈籠って言うから、花の絵
特定の姿を思い描ける程の馴染みは無いから、こういう感じでしょ、とそれらしい色をそれらしく並べる
オードのは月と花火?夜っぽくて、暗くなってからの散歩にあうね
それに花火って花って言葉、入ってるじゃん。花の絵が入ってるようなもんだよ
一度振り切れば言葉は軽く
屹度この後の歩も軽い
オード・レヴニ
【A】
ほろぶ(g04272)と
一発勝負、だね
ほろぶとは対照的に、ぼんやり緊張感のない眼差しで
どうせ初めてだし、失敗しても大丈夫
こういうのは思い切って行っちゃおう
躊躇なく筆を入れて、まーる、っと
何も考えてなかったけど、これお月さまみたいじゃない?
そこからは思いつき
黄や赤に色づいた木々、大輪の花火
上手ではないけれど、思いつくままにざくざくと描くのは楽しい
あ、花灯籠だっけ。花が入ってないけど……「ま、いっか?」
ほろぶの言葉に倣って、微かに笑み
ほろぶのはちゃんと『花灯籠』だ
オリジナルの花? 自由でいい感じ、だね
灯せば鮮やかに浮かぶ色彩に、並べて漫ろ歩くのが待ち遠しく
「うーん、……一発勝負感がすごい」
作業台の上に乗った無地の燈籠を見つめて、海・ほろぶ(君の番だよ・g04272)はぼそりと言った。こくこくと繰り返し頷いて、オード・レヴニ(頌歌・g01759)が同意する。
「これは紛れもなく一発勝負、だね」
「……ちょっと緊張するかも」
いつになく殊勝な言葉が、ほろぶの口を衝いて出た。以前、彼女はオードから教わったことがある――絵を描くときは鉛筆などでアタリ、即ち大体の形をとって見当をつけ、それから詳しく描きこんでいくのだと。しかし色の乗った絵筆はいわゆる『一発描き』だ。一度筆先を落としたら、もう引き返すことはできない。
まっさらの燈籠を睨んで身動きが取れずにいるほろぶを横目に見て、大丈夫、と楽観的にオードは言った。
「どうせ初めてだし、失敗しても大丈夫だよ。こういうのは思い切って行っちゃおう」
慎重に取り組むのは何も悪いことではないが、あまり考え過ぎると絵は小さくまとまってしまう。それよりは勢いで描いた方が上手くいくこともあるのだと、茫洋とした眼差しでオードは紡ぐ。本当かなあと訝るように首を捻って眉を寄せ、ほろぶは言った。
「……ま、いっか。うっかり妙な出来になっても、持ち歩いて散歩、付き合ってもらうからね」
はいはい、と応じるオードは毛ほども心配している気配がないが、致し方ない。腹を括って筆をとり、ほろぶは燈籠に向かい合う。黒褐色の膚に光る金色の瞳はわずかに迷って、目の前の画材を真剣に見つめている。
(「花燈籠って言うからには、花の絵だよね」)
とはいえ、特定の花を想像で描けるほどには、花というものに馴染みもない。花といえば――なんだ? 手探りに記憶の糸を辿りながら、ほろぶは顔料の入った鉢を引き寄せ、淡いクリーム色の和紙の上にそれらしい彩を点々と並べていく。その隣で、オードはためらう素振りもなく筆先を燈籠の表面につけ、まーる、と大きな円を描いた。
「……何も考えてなかったんだけど」
「うん?」
「これお月さまみたいじゃない?」
薄い紫の地色に乗せた白は、夕月夜に浮かぶ月そのもの。そこから先は、インスピレーションだ――思い付くまま気の向くまま、オードは角柱型の燈籠の四面に、黄に赤に色づく木々や大輪の花火を描き込んでいく。必ずしも上手くはないかもしれないけれど、それでも、自由にざくざくと筆を走らせるのは純粋に楽しい。しばらく色を取っては置き、取っては置きを繰り返して――そしてはたと、オードは手を止めた。
「……これ、『花』灯籠だっけ?」
今頃になって気がついたけれど、花がまったく入っていない。ふむ、と頭上の裸電球を眺めて視線を泳がせ、すいと戻して少女は言った。
「ま、いっか?」
友の言葉に倣えば、これもまた楽しい。ちらりとその手元を覗き込んで、呟くようにほろぶは言った。
「それ、花火でしょ? 花って言葉、入ってるじゃん。花の絵が入ってるようなもんだよ」
「それもそうか。……ほろぶのはちゃんと『花燈籠』だね」
どこにでもありそうでなさそうな想像の花はどこまでも自由で、実に彼女らしい。
上手いも下手も、理屈も抜きに、ただ心の赴くまま。
一度振り切ってしまえば言葉は軽く、筆先は楽しげに踊り出す。自然と口角が上がるのを感じながら、オードは言った。
「早く灯りをつけて、並べたいね」
夜によく似合う燈籠を二つ、並べ、揺らして漫ろ歩く竹林の路が待ち遠しい。さあもう少しと意気込んで、少女達は黙々と薄紙に色を飾っていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】がLV2になった!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
ネリリ・ラヴラン
【月灯】で一緒だよ
呼び名:クリスさん、他は名前+ちゃん
紫陽花柄の浴衣を着てくね
皆で花燈籠を作って
それを手に屋台巡り
説明を聞いて紫陽花を絵付けしてみるよ
楽しみつつも真剣なお顔だね!
出来上がった花燈篭は灯して持ちあるきたいね
屋台を巡りながら
皆はなにを描いてみたのかな…?って
興味津々に眺めてたりしてるよ
折角だから一緒に来た想い出に交換してみないかしら?
なんて提案してみるね
各々自分の以外を持ち返れるように入れ替える
わたしは、ニアちゃんのを大事に手に取って
幸せのクローバー!大切にするね、ってお礼を
屋台巡り中は逸れないように見守りつつ先導するよ
次はどこへ行きたいかしら?
順番に、皆の希望を全部回っちゃおう!
クリスティーナ・アストロイア
【月灯】で参加
呼称:野茉莉様、ネリリ様、ニア様、架恋様
浴衣はコンテストでも着た浴衣で参加(男装)
保護者的立ち位置で微笑みを絶やさず、静かにお祭りを楽しむ
説明を聞いて、そっと絵付けに入る
描く花は「桔梗」。星型の花であり、花の時期としてもちょうどいい
慣れた手つきで描いて作って、一緒にいる皆さまの様子を見守る
花燈籠の交換を提案されたら、快く承諾
交換した相手へ「大切にしますね」と受け取りつつ、笑みを
花燈籠を手に屋台巡り
一番後方で前にいる皆さまが楽しそうにしているのを眺める
勿論、話しかけられたら微笑みを浮かべながら言葉を返す
買うものは食べ物よりも飲み物
朝比奈・架恋
【月灯】で一緒に参加します。
呼び方一覧。
ネリリさん
野茉莉さん
クリスさん
ニアちゃん
こんな素敵な浴衣姿で皆と一緒にお祭りに来れたこと、すごく幸せだね。
楽しみな楽しみな花燈籠作り。
最後にはお楽しみの燈籠交換イベントがあると思うから私はブルースターを描こうかなっ。
誰の元に渡ってもぴったりの花言葉から選んでみたの♪
もちろん可愛く丁寧に、大好きなお花の世界を表現するよ♪
完成した花燈籠を手に。
屋台を回る時は迷子にならないように気を付けないと…!
歩幅が小さい私はなるべく前の方を歩こうかな?
素敵なお店を見つけたら皆に教えちゃうよ♪
花燈籠の輝きがいくつも並ぶ様子が、お花さんたちの秘密の集会を覗き見ているみたい…♪
遠野・野茉莉
【月灯】で参加します
(呼び方一覧)
クリスお姉様
ネリリさん
かれん
ニアちゃん
赤を基調とした着物で参加します
アドリブ歓迎です
花燈籠…初めて聞きましたけれど、凄く綺麗…
私はえごのきの花を描いてみます
一番好きなお花ですから、ね
出来上がったら、持って皆様と一緒に屋台巡りにいきます
皆様と花燈籠の拘った所などお話しをしながらゆっくり過ごします
食べてみたい物ががいっぱいありますので悩んでしまいます…
最初はやっぱり、林檎飴でしょうか
花燈籠を私も誰かと交換してみたいですので、何方かに声をかけてみます
それと、浴衣巡りする時に、ニアちゃんとかれんに手を伸ばしてみます
良かったら一緒に繋いで歩きたいですから
ニア・マシュマリー
【月灯】でみんなと……。
呼び方……。
ネリリ
のまりお姉様
クリスお姉様
かれんちゃん
ニアは……。黒地に白い薔薇模様の浴衣で参加する……。
説明をしっかり聞いてから絵付け……。
ニアは四つ葉のクローバー……。描いてみる……。
ゆっくり……。丁寧に……。かわいくなるよう描いてみるね……。
燈篭……。交換するの……。楽しそう……。
みんなの燈篭……。綺麗なのばかりだから……。
どの燈篭がニアの場所にくるのか……。ワクワク……。
片手にはもらった燈篭を大事に……。
もう片方の手はのまりお姉様と繋いで……。屋台巡り……。
ニア……。お面の屋台いってみたい……。
ねこのお面があったら買って……。頭に付けて歩きたいな……。
「ふう、絵付け楽しかったね!」
燈籠絵付け体験はこちら――と筆文字の看板に誘われて、皆で絵付けに勤しむこと小一時間。体験所兼休憩所の建屋を出て、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)は大きく伸びをした。白地に赤青二色の紫陽花を描いた浴衣の袖に、抱く燈籠はこれもまた鮮やかな紫陽花柄である。ふらりと入った割に作業に当たる姿はみな真剣そのもので、少しばかり熱中し過ぎたきらいはあるが、その分、達成感は一入である。
「みんなと浴衣でお祭なんて、すごく幸せ! 燈籠作りも楽しかったし♪」
狐面を髪に飾って花色の浴衣の袖を翻し、朝比奈・架恋(駄菓子屋の少女・g01789)はぴょこぴょこと忙しなく辺りを跳ね回る。
「みんなは何を描いたのかしら……あ」
共に歩く仲間達の手元を興味津々の様子で見渡して、そうだ、とネリリは柘榴石の瞳を輝かせた。
「ねえ、せっかくだから一緒に来た想い出に、燈籠を交換してみない?」
「まあ、素敵なアイデアですね?」
「交換するの……楽しそう……」
クリスティーナ・アストロイア(彼方の星を視る者・g03092)が快く応じ、ニア・マシュマリー(いつの間にか吸血鬼・g07451)もまた瞳を輝かせて、こくこくと頷いて応じた。仲間達の作った花燈籠はどれも綺麗なものばかりで、どれが自分の手元に届くのか、考えるだにわくわくする。何々、と聞きつけて此方を振り返り、得意満面の笑顔で架恋が言った。
「そんなこともあろうかと! 誰のところに行ってもぴったりの花言葉の花を選んだよ!」
後ろ手に隠した燈籠に、描かれたのはブルースター――花言葉は『幸福な愛』、そして『信じ合う心』だ。じゃんと胸の前に抱えて見せれば、ひとひらひとひらが丁寧に描かれた青い小花は可愛らしく、お上手ですね、とクリスティーナは微笑ましげに言った。
「皆さん、とても素敵だと思いますよ」
シンプルなシルエットの紺色の浴衣は男物だが、前身頃に走る金の星々は星見たる彼女らしい装いだ。そしてその腕に抱えた燈籠にもまた、青紫の桔梗が星型の花を咲かせている。野茉莉様は、と水を向けられると、遠野・野茉莉(倖せを願う一人の少女・g05024)は少しだけ気恥ずかしそうに、赤い着物の袖に包んだ花燈籠を胸の前に掲げて見せた。
「私は、えごのきの花を描いてみました……」
緑の葉の中に群れて咲く小さな白花とその蕾は、野茉莉の一番好きな花だ。灯りを点せば薄紙を透かして柔らかに燃える燈籠の光は、話に聞いて想像していたよりもずっと優しく、美しい。
白薔薇の咲いた黒い袖でおずおずと自身の燈籠を抱え、ニアが言った。
「ニアは、四つ葉のクローバー……かわいく、描けた……かな……?」
「うん、可愛いよ! じゃあ、わたしはニアちゃんのをいただこうかな?」
小さな両手から丸い紙燈籠を大事そうに受け取って、ネリリは言った。大切にするねと満面の笑顔を手向ければ、少女の白い頬がわずかに染まる。その様子がまた微笑ましくて、ネリリはくすりと口角を上げ、続けた。
「さてと……それじゃ、次はどこへ行こっか?」
ネリリからクリスティーナへ、クリスティーナから架恋へ。
架恋から野茉莉へ、野茉莉からニアへ。ぐるりと順繰りに巡らせて、各々自分が作ったもの以外の燈籠に持ち替えると、それぞれの燈籠に灯を点し、少女達は歩き出す。向かう先は、賑わいを極める屋台通りだ。
「食べてみたいものがいっぱいありますので、悩んでしまいますね……最初はやっぱり、リンゴ飴でしょうか」
「ニア……お面の屋台、いってみたい……ねこのお面があったら、買って……頭につけて、歩くの……」
「あっ、ねえあそこ、あのお店行ってみたい!」
列の前方を歩きながら、ニアはそわそわと辺りを見回し、架恋は意気揚々と屋台の並びを指し示す。今にも駆け出して行きそうな面々にうんうんと繰り返し頷いて、ネリリは言った。
「慌てなくても大丈夫。順番に、みんなの希望を全部回っちゃおう!」
気の置けない仲間達と巡る、最終人類史の秋祭だ――今日はとことん、楽しもう。ねえ、と野茉莉の浴衣の裾を引いてニアは言った。
「のまりお姉様……手……つなごう……?」
「はい、二アちゃん。かれんも、一緒にどうですか?」
「あ――でも、野茉莉さんの燈籠が」
両手が塞がっていたら、燈籠は持つことができない。遠慮がちに動きを止めた架恋に代わって、クリスティーナが手を伸べた。
「代わりに持っていて差しあげますよ」
ぱ、と瞳を輝かせた野茉莉から燈籠を預かれば、手をつないだ後姿が仲睦まじく駆けていく。逸れないようにね、とネリリは呼び掛けたが、あの調子ならきっと、逸れる方が難しいだろう。
「それじゃ……わたし達も、行こっか?」
「そうですね。行きましょう」
幸い、時間ならまだたっぷりとある。自然に交わした視線でにこやかに微笑み合って、先を行く三人の後を追い、ネリリとクリスティーナもまた歩き出した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV2が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV3になった!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV2が発生!
【ガードアップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
エルマー・クライネルト
【B、お任せ】
オラトリオと二人屋台で色々と買い込みながら燈籠市へ
和紙に照らされる光はこんなにも繊細で美しいのだな、異世界に迷い込んだ気分だ
暫し悩み、自分とフルーフの分二つ手に取る
もう一つの目的の人物を見掛けたら声を掛けよう
ハルトヴィヒ、久しいな。こうして個人的に話すのは初めてか
先日の礼をどうしても言いたくてな
君があの電車を見つけてくれたお陰で私の心の蟠りを一つ消すことが出来た
本当に、ありがとう
……後はなんだ、私は苦労が報われないのが嫌いなのだよ
だから…君の蟠りも何時か溶ける日が来て欲しいし来るべきだと思っている
うまく言えんがそれだけは伝えたかった
屋台で買った品を一つ手渡し、浴衣似合ってるぞと
「和紙に照らされる光というものは、こんなにも繊細で美しいのだな……」
燈籠を売る屋台の一つで足を止め、エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)はぽつりと言った。傍らでは小さな天使が翼を羽ばたかせ、主の肩の高さから並ぶ花燈籠を興味津々の様子で見つめている。その手に握ったリンゴ飴はぼうっとしているとそのうち品物の上に落ちてしまいそうで、食べるなら食べろとエルマーは天使――フルーフを促した。どれが欲しいと尋ねれば、彼女はもう一度身を乗り出し、燈籠の一つを指し示す。
蜜柑色の鮮やかな和紙に紅色の花柄をあしらった色鮮やかな一挺は、彼女の髪に咲く花にも似ていた。なるほどと頷いてそれを手に取り、エルマーはもう一つ、これもまた彩度の高い黄緑色に木々の枝葉を染め抜いた燈籠も取り上げた。これで夜の嵯峨野歩きも、迷う心配はないだろう。
毎度、と威勢のいい声を背に、エルマーは祭の雑踏を行く。狐の面にバルーンアート、水風船にたこやき。果ては金魚すくいの金魚まで、見たいものはすべて見て、食べたいものはすべて買った。そうして燈籠市を行くことしばらくすると――前方に、見覚えのある人影が立ち上がってくる。
「……ハルトヴィヒ?」
呼べば犬を連れ立った少年が、くるりとこちらを振り返った。無愛想で目つきの悪い、一見すると近寄りがたい時先案内人はしかし、歩み寄る青年を避けるでもなく待っている。
「エルマー……だったか」
一瞬、呆気にとられたような表情は、両手に溢れんばかりの戦利品を抱えた姿が意外だったからか。こほんと小さく咳払いして、久しいな、とエルマーは続けた。
「個人的に話すのは初めてだが……先日の礼を言わせてほしい」
「礼?」
「君があの電車を見つけてくれたお陰で、私の心の蟠りを一つ消すことができた。……本当に、ありがとう」
瞼を閉じれば聞こえてくる、あの日の雨音。しかし戦いの果てに出会った虹は、やまない雨を晴らしてくれた。それはこの手で、憎むべき仇敵を討つことができたからに他ならない。
それから、と付け加えて、エルマーは言った。
「私は、苦労が報われないのが嫌いなのだよ」
辛酸を嘗め、這いつくばっても生きた日々が、なんの役にも立たないなどとは言わせない。上手くは言葉にできないけれど、それだけは伝えておきたかった。
「君の蟠りも、いつか溶ける日が来て欲しいし――来るべきだと思っている」
右手に下げた水風船を一つ、少年の掌に握らせて、エルマーは言った。
「その浴衣、似合ってるぞ」
いい夜を――青い浴衣の肩を軽く叩いてすれ違えば、その瞬間、ぼそりと返る声があった。
「Du auch」
連れ立つ犬の長い尾が踝をするりと撫でて遠ざかっていく。ふ、と唇を綻ばせて、エルマーは傍らの天使を連れ、再び雑踏の中へと歩き出した。
大成功🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
朔・璃央
【C:お任せ】
双子の妹のレオ(g01286)と
出店で買った花燈籠を片手にいざ嵯峨野
二人分の灯火を合わせて商店街をぶらつきに
動きに合わせてついてくる柔らかな光
蛍にでもなった気分かも
どのお店から行こうか
祭りの屋台はどれもこれもが魅力的だけど
せーので指さした先は同じでりんご飴
やっぱりこれからだよねと笑みを交して
舌鼓を打っていればふと見つけたわんこと一人の姿
こんばんはと声を掛けつつ見慣れぬ姿におやおやと
涼し気な浴衣ですね、よくお似合いです
これまた和な装いのブレッツェル君にもひらひらと手を振って
お祭りを楽しまれてるようで何よりですと
誰も彼もが楽しめてる
それが一番何よりの
取り戻せたという最高の実感ですから
朔・麗央
【C:お任せ】
双子の兄リオちゃん(g00493)と
買ったばかりの紙灯籠を手にいざ散策
夜の帷が降り始めた中では紙灯籠がぼんやりと光るのが幻想的だなと
思わず息が漏れてしまうよ、素敵だね
ふふ、蛍だなんてリオちゃんも結構ロマンチストだねぇ
わたあめ、焼きそば、たこ焼き……
誘惑が多いこと多いこと
どれにしようかと迷ってせーので兄と指差したのはりんご飴
うんうん、これだよねと同意して
甘さに思わず頬が緩む
ハルトヴィヒくんとブレッツェルちゃんを見つけて声をかけるよ
浴衣似合っているねぇ
ブレッツェルちゃんも和風な感じになってて可愛いよ
これが日本のお祭りだよ
気に入ってくれたかなぁ?
取り戻したんだなって実感してしみじみ
宵空に黒い影となった建物の屋根と屋根をつないで、路を横切る吊り燈籠が煌々と商店街を照らし出す。
ほう、と感嘆の息を洩らして、朔・麗央(瑞鏡・g01286)は言った。
「素敵だね。紙燈籠の明りって、幻想的だなぁ」
残照が西の彼方へ飛び去って、夜の帳が落ちかける頃。夕闇の嵯峨野にぼんやりと浮かび上がる紙燈籠の優しい光は、なんとも言えず趣深いものだ。ここへ来て買ったばかりの燈籠を棹の先でゆらゆらと揺らしてみれば、漆塗りの骨組に薄紅梅の和紙を張った燈籠が足下に花色の火影を落とす。銀色の塗料で描いた無数の星と天の川は、和紙を透かす淡い光にきらきらと輝いて見えた。
岩白緑の色違いの燈籠を確かめるように左右に掲げ、朔・璃央(昊鏡・g00493)も柔らかく口許を綻ばせる。
「そうだね。……なんだか、蛍にでもなった気分かも」
動きに合わせてついてくる、柔らかな光。プラチナブロンドの結い髪に混じるそれと同じ、紅と翠の親しみ深い彩は揃いの浴衣の足元を優しく照らしてくれる。
ふふ、と嬉しそうに喉を鳴らして、麗央は言った。
「リオちゃんも結構ロマンチストだねぇ」
「どうだろう。レオの影響かな」
見物人でごった返す道の左右には、食べ物や雑貨を商う屋台が軒を連ねている。わたあめ、焼きそば、たこ焼きに、から揚げ、クレープ、かき氷――ずらりと並んだ定番のラインナップは、凡そ目移りせずにはいられない。
「誘惑が……誘惑が多すぎるよ……!」
「祭の屋台はどれもこれもが魅力的だよね。……どこから行こうか」
お金の心配は要らないけれど、哀しいかな、胃の容量には限度がある。せーので決めようと言い合って周辺の屋台を確かめ、双子はちらりと互いを見やり、そして頷いた。
「せーのっ」
牡丹の花咲く浴衣の袖で、指し示したのは結局同じ。琥珀色に艶めく、赤くて丸いリンゴ飴。大いに迷い悩んでも、行き着くところはいつもこうだ。だから双子というものは、楽しくて、面白くて――愛おしい。
「やっぱり、まずはこれからだよね」
「うんうん、これしかないでしょう!」
二つ下さいと声を揃えれば、はいよと威勢のいい声が返った。吊り燈籠の下に足を止め、外はパリパリ、中はジューシーなリンゴ飴を堪能していると。
「あ。リオちゃん、あれ」
「ん?」
甘いひとかけを飲み下して妹の指差す方に目を向け、璃央はぱちりと翡翠の瞳を瞬かせる。路の先――人混みから少し離れた脇道に、見覚えのある一人と一匹が佇んでいるのが見えた。おういと大きく手を振って、麗央は朗らかに呼び掛ける。
「ハルトヴィヒくん! ブレッツェルちゃんも、こんばんは!」
名を呼ぶ声に気づいたのか、少年が顔を上げてこちらを見た。しかし彼が何かを口にするよりも早く、犬の方がばたばたと尻尾を振って駆けてくる。
「ブレッツェルちゃん、どうしたのそれ」
可愛いね、と神輿に改造(?)された背中の砲を撫でてやると、パンツァーハウンドは嬉しそうにワン! と鳴いた。おや、と意外そうな顔をして、璃央は少年に目を向ける。見慣れぬ縹色の絣を、彼が着てくるとは思いもしなかったが。
「涼し気な浴衣ですね、よくお似合いです。……因みにブレッツェル君のあれはご自身で?」
「違う」
ふるりと首を横に振って、少年は即座に否定した。となると誰に被せられたのか定かでないが、本人(犬)は気に入っているようだからいいのだろう。足下にまとわりついてくる犬の頭をわしわし撫でれば無意識に唇は弧を描いて、璃央は言った。
「まあそれはさておき……お祭、楽しまれてるようで何よりです」
「日本のお祭、気に入ってくれた?」
綺麗でしょ、と誇らしげに笑って、麗央は夜祭の灯に燃える商店街を一望した。
食べる人に作る人、歩く人に立ち止まる人――その場にいる誰も彼もが、今宵の祭を楽しんでいる。彼らは確かにこの地を取り戻したのだ――それを実感するのに、これ以上の夜はない。
少年は、しばし黙って行き交う人の波を見つめていた。そして頭上を照らす花燈籠の明りを仰ぎ、ぽつりと口を開く。
「……いつか俺達の国も、こんな風になるのかな」
それは生れ育った国とは、まったく同じではないけれど。視線を合わせて頷き合い、双子は柔らかく笑った。
「なりますよ」
「うん! 必ずね」
いつか来るその日には、今よりももっと多くのものを取り戻せているはず。嵯峨野の夜を照らす花燈籠の光は、どこまでも優しく、温かい。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
紀・雪名
🍵茶屋で参加、アドリブ歓迎
【C】持ち歩く紙燈篭の絵柄【お任せ】
※兄と色違いや、雰囲気が似通ったものだと嬉しい
既に屋台巡りをお終えて、金魚飴を手に竹林の散策へ来たのですが
頂いた紙燈篭の光で昼間とはまた違った雰囲気を楽しみます
隣には壇、君が傍にいる…いつぶりに一緒の時を過ごしたのだろうね。
ふふ、姉さまと同じ口癖だって?
それでも…僕はボクで、君はキミだ。
今の姿は昔とは少し変わった僕だけど、君はわかってくれたかい?
なんて…”今”は、どう?
そう、二人で話しながら並んで、時折足を止めて時間が経つのも忘れて一緒にいたいと思うんだ。
ね、兄さん。
いつもの用にやんわりと、どこかふてぶてしいのは彼が兄弟ゆえ、かも
壇・紀名
🍵茶屋、アドリブ歓迎
【C】持ち歩く紙燈篭の絵柄【お任せ】
彼奴に引き釣り回された
何でもかんでも食べようとするのは、昔食べられなかった名残か?
良い所で切り上げさせて、竹林へ行く
別に俺はいらなかったが仕方なく、林檎飴を…後で押し付けるか
姿は共に育ったが、中身は彼奴のまま穏やかで絡みもたれ掛かってくる
昔の口調とは少し変わったが…姉さんの真似してるだけか。
変わったといえど、特徴はそのまま残っているし、何となく…な。
探すように目で追ったなどという気はない、一度離れた身で今更
まあなんとか、慣れてきた所だと近状を報告するのも御座成りに
”兄さん”そう呼ばれたら、
懐かしくなって頭を撫でてしまっても…いいか、弟よ
「この辺りまで来ると、静かだね」
飴細工の金魚を一匹、手にした割り箸の先にゆらゆらと泳がせて、紀・雪名(雪鬼・g04376)が言った。賑やかな出店の並びを一通り眺めて回った後では、竹林の静寂はいっそう深く感じられた。ひとたび唇を結んでしまえば、聞こえてくるのは宵風に鳴る青竹のカラカラという音色だけである。
「まあ、随分歩いたからな。まったくあちこち引きずり回して……いったいどれだけ食べるつもりだ」
朱く透き通った小さな魚に唇を寄せ黙々と往く弟の姿を横目に見て、壇・紀名(夜叉・g08355)は言った。特に食べる気はないのに押し切られて買ってしまった手つかずのリンゴ飴は、後で結局弟の腹に収まることになるのだろう。なんでもかんでも食べようとするのは、昔食べられなかった名残か――と皮肉めかして口にすれば、どうだろうと白雪のかんばせを綻ばせて雪名は微笑った。
夜に蛍の舞う袖と、星明りに蒼く染まった白銀の長い髪。ひらひらと靡かせ歩く立ち姿はたおやかで、かつて肩を並べた弟の面影を残しながらにして遠い。額を飾る氷晶の角は、彼もまた自分と同様、人ならぬ存在に変じたことを表している。
ただ――その裡に宿る心は、あの頃のまま変わっていないように見えた。
「こんな風に一緒の時を過ごすのは、いつぶりだろうね」
月と星の囁く静かな夜道を照らすのは、黒く塗った六角形の骨組みに和紙を貼った紙燈籠――淡い水色に雲の紋を描いた雪名の燈籠には銀の六花が舞っていた。他方、紀名のそれは薄い花色で、金の塗料で無数の花弁が描かれている。着崩した紅辰砂の肩口にもたれてくる弟の仕種は懐旧の情を胸に呼び覚まし、紀名は奇妙な感慨を胸に夜天を仰いだ。
「その口調は姉さんの真似か?」
「ふふ、そんなに似ている? ……姉さまに」
ころころと笑う声は、頬をくすぐる風に似てさやかに消えゆく。暗がりに沈んだ竹林を照らすように燈籠を掲げて、雪名は言った。
「それでも……僕はボクで、君はキミだ。姿形は変わってしまっても――君は、わかってくれたかい?」
片や鬼人として、片や蘇った死者として、再び相見えた日。それが、幼少期を分かち合った、無二の弟であると?
問えばすいと視線を下げて覗き込む弟を一瞥し、紀名は応じた。
「変わったといえど特徴はそのまま残っているし、……なんとなく、な。探すように目で追ったなどという気はないが」
一度離れた身で、今更そんなつもりもない。そう、と事もなげに応じて、雪名は問うた。
「それで……『今』は、どう?」
「まあなんとか、慣れてきたところだ」
「それだけ?」
「……話すと長くなるだろう」
これ以上奥へ分け入っては、きっと帰り道を見失う。それもそうかと笑って、美しい鬼は言った。
「色々あったけど――これからはこんな風に、歩いて行けたらいいよね」
他愛もない話をしながら二人、肩を並べ、時に足を止めて。時間が経つのも忘れて今は、一緒にいられたら。ぽつりぽつりと落ちる言葉は飾りなく、傍らの青年の耳朶を打った。
「ね、兄さん」
「…………」
そろり、何処かへと伸ばしかけた兄の手が、空中で止まる。その姿に、雪名は小首を傾げて言った。
「どうしたの?」
「いや、……何か妙に、懐かしくなって……」
撫でてもいいか、と尋ねれば返る微笑みはやんわりとして、しかしどことなくふてぶてしい。けれどもそれはきっと、彼らが兄弟であるがゆえなのだろう。やり場なく止まったままの兄の手に白銀の髪を預けて、弟は嬉しげに唇を綻ばせた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
サアシャ・マルガリタ
【C】竹林散策
タオ(g05073)と
灯籠お任せ
たまにはこういう静かなのも悪くないですねぇ
暗いから灯籠の絵もよく見えるです
…一言余計ですよ(ジト目)
さておき。タオちゃんはどんな灯籠にしました?
それにしても、サアシャ竹林は初めてです
1人で歩くには心許ないというか、うら寂しいような…
た、タオ? 置いていったら嫌ですよう?
またすぐ意地悪言うんですからもう
(むくれつつ差し出された腕を取り、ちゃっかり身を寄せる)
…浴衣で歩きにくいですし、ゆっくり行きましょう?
本当ですか、似合ってます?(パッと顔上げ破顔)
水着にも期待が…ええ、考えときますよーう
…タオちゃんも素敵ですよ、浴衣姿
(最初から見蕩れてますよう)
タオタオ・ザラ
【C】柄お任せ
サアシャ(g05223)と
ふは、いつまでお淑やかを装えるのやら
タオの灯籠は、ンー……なんだ?
特に拘りもなく、ぱっと目に付いたものを選んだ様子
サアシャの言葉に寂しい?と首を傾げ
置いていく気はなかったが、そうして欲しい訳じゃなかろ?
……そんな顔すんなよ、冗談だ冗談
けらけら意地悪く笑いながら、片腕を差し出すようにして
寄せられた身体に歩きづらいと思いつつも
マ、今日くらいは歩幅を揃えてやってもいいか
あァ、そうだ
ふと思いついたように、彼女の大きな耳に顔を近付けてそっと耳打ち
浴衣も悪くないぞ、似合ってる
来年は水着も着たらと冗談ひとつ
ありがとよ
タオはなんでも似合うんだ、見惚れていいぞ
「たまにはこういう静かなのも悪くないですねぇ」
虫の音のりんりんと鳴り渡る、竹林の一角。竹竿の先に括った紙燈籠を高く掲げて、サアシャ・マルガリタ(えいえいお!・g05223)は言った。黄色と白の木春菊を敷き詰めた、ステンドグラスのような一風変わった燈籠は、花柄の浴衣とその腕に抱えた巨大な狐のぬいぐるみを煌々と照らし出している。
「暗いから灯籠の絵もよく見えるです。ねえ、タオちゃん……タオちゃん?」
「ふはっ」
何が可笑しいのやら――木通の袖に顔を埋め、脈絡もなく吹き出したタオタオ・ザラ(大喰らい・g05073)の姿に、サアシャはきょとんと瞳を瞬かせる。いやあと炎のような赤髪を掻き上げて、男は笑った。
「いつまでお淑やかを装えるのやらと思ってな」
「むう……それは一言、余計ですよ」
じっとりと細めた灰銀の眸で隣り合う男を睨み、サアシャは唇を尖らせる。けれどもそれはほんの一瞬のことで、少女の興味はすぐさま男の手元に移った。
「それはさておき。タオちゃんはどんな灯籠にしました?」
「ンー、さっきの通りで買ったんだけどな。……なんだ? コレ」
光を薄らと透かす黒地に燃えるのは、舞い散る火の粉と炎にも似た蜘蛛手の花――曼殊沙華。恐らく元は赤い紙を黒く染め抜いたのだろう燈籠は、暗がりに緋色の花弁を浮かび上がらせる。ぱっと目についたものを選んだだけで特に拘りがあったわけでもない、とタオタオは言うのだが、妖しくも鮮やかなその明りは奇しくも、男の身にまとう艶やかな空気に似ているようだとサアシャは思う。
それにしてもと辺りを見回して、少女は言った。
「サアシャ、竹林は初めてです。初めてですが……一人で歩くには心許ないというか、うら寂しいところですね」
「寂しい?」
「です。なんとなく……このまま、どこかに連れて行かれてしまいそうな感じが……ハッ」
びく、と大きな狐耳を震わせて、サアシャは言葉を切った。そして訝るように覗き込むタオタオの顔を、ぎこちない動作で振り仰ぐ。
「た……タオ? 置いていったら嫌ですよう?」
「置いていく気はなかったが」
そうして欲しいわけじゃなかろ、と冗談めかして笑えば、とんでもないと肩を怒らせる百面相が可笑しくて、タオタオはけらけらと声を上げて笑った。冗談と言ってもそうは聞こえなかったらしい彼女へ意地悪な笑みを向けて、せめてもの罪滅ぼしと――口にすれば、心にもないことをと怒られそうな気がするが――浴衣の片腕を差し出せば、大きな狐のぬいぐるみごと、サアシャがそそくさと縋りついてくる。
「またすぐそうやって、意地悪言うんですから……もう」
「…………」
見下ろせば、白い狐の面の陰でむくれる頬がわずかに赤い。正直なところ、こうぴったりとくっつかれると少々歩きづらいのだが――。
(「……マ、今日くらいは歩幅を揃えてやってもいいか」)
慣れない浴衣と下駄に気を遣いつつ、のんびりと、ゆっくりと、竹林の間を抜ける小径を辿っていく。祭の明りも届かぬほどに分け入って、そうだとタオタオは足を止めた。
「まだ言ってなかったけど――浴衣も悪くないぞ」
似合ってる、と大きな耳に囁けば、少女の表情はみるみるうちに喜色ばむ。はさはさと狐の尾を振って、サアシャは隣り合う青年の顔を覗き込んだ。
「本当ですか、似合ってます?」
「嘘は言わねえよ。来年は水着も着たら?」
「それは――ええ、考えときますよう」
少しだけ窄めた声は、照れているのかどうなのか。そろりと視線を足下へ墜として、サアシャは言った。
「……タオちゃんも素敵ですよ、浴衣姿」
「ありがとよ。タオはなんでも似合うんだ、見惚れていいぞ?」
にっと尖った歯を見せて、タオタオは笑った。その笑顔に、立ち姿に、もうとっくに見惚れているだなどということは――悔しいから、口には出さずにおくことにするサアシャである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
ガーデニア・ラディーチェ
【可惜夜】で【C】
花灯籠お任せ
歴史あるニホンの街は、初めてだからワクワクするわ
ええ。とっても幻想的な光景ね
ベガさんはイチゴ飴で、瑠璃青さんはアンズ飴ね
わたしは、リンゴ飴かしら?
他にも、焼きそばとたこ焼きに。たい焼きと
大丈夫よ。全部食べきられるわ!
竹林、なんだか不思議な雰囲気ね
ニホンの昔話……かぐや姫、だったかしら?
その物語の中に迷い込んだみたいなの
春になったら、沢山の筍も採れるのかしら?
天ぷらに水煮に……お腹が空いちゃうわ
トゲツキョー?って何かしらって思っていたけど
長ーい橋のことだったのね
そういえば、このカツラ川って美味しいアユが獲れるのよね?
ええ
これからも一緒に色々な思い出が作れます様に
雲母・ベガ
【可惜夜】の皆様と
【C】紙燈篭お任せ
取り戻すことの出来た京都の地、
折角の秋祭ですので楽しみましょう
みっつ並んだ燈篭の明かりが
道しるべでもあり星のようでもあり…
幻想的な感じがいたしますね
この土地の方々からしてみれば
本当に夢のようだったのかもしれませんが
…と、並んだ美味しそうな屋台に
つい目移りしつつも…食べ歩き、してしまいましょうか
わたくしはイチゴ飴が気になっており…
アンズやリンゴの飴もどれも愛らしく
焼きそばやタコ焼きは微笑むに留めておきますね
どれも美味しそうですね、ふふ
涼しげな竹林の道も、小川の上を渡る橋の景色も
風情がある…というのはこういうものでしょうか
また皆様と色んな景色を楽しめますように
水上・瑠璃青
【可惜夜】の皆さんと
【C】花燈籠は一任
現代の京都は故郷とは異なった美しさで
その景色をうっとりと眺めてしまう
うふふ、本当に
とても綺麗な光景だね
露店の並びにわあっと声を零してしまう
果実飴に焼き蕎麦、鯛焼き……
どれもこれも故郷では見たことの無いものばかり!
つい年甲斐も無くはしゃいでしまう
あたしは杏子飴を
苺に林檎、何方も美味しそうだね
うふふ、美味しそうだね。ガーデニアさん
あたしももっと買ってこようかな
ベガさんも、少し食べてみる?
その後はゆっくりと歩こうか
竹林に、渡月橋
見たことがあるようで
時代も何もかもが異なった景色
時を越えても京の都は美しいまま
こうして御二人さんと過ごせて良かった
また、遊びに行こうね!
宵風のさやけき竹林に、浮かび上がる光が一つ、二つ――三つ。三色の光はゆらゆらと揺れながら、夜の静寂を進んでいく。
「なんだか不思議な雰囲気ね。ニホンの昔話……かぐや姫、だったかしら?」
まるで物語の世界に迷い込んでしまったみたい――遠い記憶を手繰り寄せながら、ガーデニア・ラディーチェ(クチナシの花護り・g03839)は言った。漆塗りの骨組みに鮮やかな赤い和紙を張り、黒一色の線描で薔薇を描いた燈籠は、日本のものでありながらどこか西洋のステンドグラスのような風合いを醸し出している。同じく手にした燈籠を顔の前に掲げて、雲母・ベガ(胡蝶の夢・g06232)が言った。
「風情がある……というのは、こういうものなのでしょうね。燈篭の明かりが、道しるべでもあり星のようでもあり……幻想的な感じがいたします」
黒い手袋の指先を照らす燈籠はカンテラのような四角柱で、群青の和紙に天の川と星座が白く染め抜かれている。本当に、と頷いてガーデニアは応じた。
「本当に、とっても幻想的。春になったら、沢山の筍も採れるのかしら? 天ぷらに水煮に……お腹が空いちゃうわ」
燈籠を求めて竹林散策に繰り出し、もう随分と経った。感想が若干食欲に寄っているのは、多分、空腹のせいだろう。結構歩いたからね、と、水上・瑠璃青(縹の疆界/・g00530)が眉を下げて笑えば、ガーデニアはわずかに頬を染め、それに、とそそくさ付け加えた。
「歴史あるニホンの街は、初めてだからワクワクするわ」
竹垣に縁取られて行く道は、嵯峨野の目抜き通りへと続いている。行く手に点る祭の灯は暖かくきらきらとして、一歩近づくたびに強くなるようだ。弾む胸を押さえて前へ、前へ――そうしてとうとう開けた通りへ行き着いて、瑠璃青は息を呑んだ。
「……これが……」
そこは、光の洪水であった。
路を縦横無尽に横切って、吊られた燈籠の色とりどりの光芒。
屋台の並びを照らし出す、裸電球のぎらつくような輝き。
路を縁取る建物に宿った、人の営みの優しい明かり。
そのすべてが四方から降り注いで、人々を包み込んでいる。掠れた吐息が零れるのを止めることはできずに、瑠璃青は青い瞳をうっとりと細めた。
「これが現代の、京都なんだ……」
月の明かりだけが青々と冴えて、ひとけのない大路を照らしていた――今はもうどこにも存在しない故郷の京。その静謐な美しさを忘れることはできないけれど、目の前に広がる景色はそれとは真逆の絢爛で、少女の心を魅了する。
京都、そして奈良。
取り戻すことができたのは、この星全体からすれば一握りにも満たない小さな欠片のようなものかもしれない。けれど――明日に向かうには、休息が必要だ。
「瑠璃青さん」
長い夢から醒めた人々と共に、今宵はただこの秋の祭を楽しもう。行きましょうと呼び掛けるベガの姿は、とうに光の中にあった。くしゃりと笑って頷くと、瑠璃青は小走りに友人達の背を追い走り出す。その軌跡には、縹に桔梗を描いた燈籠の青くほのかな影が落ちている。
「わあっ……!」
思わず歓声が零れたのも無理はなかった。カラフルな暖簾を掲げる露店がずらりと並んだ目抜き通りは、正に祭の中心地だ。やきそば、たこ焼きなどの主食系に、クレープ、たい焼きといった甘いもの、その他見たことも聞いたこともない食べ物が並ぶ光景に、高揚を抑えきれない様子で瑠璃青は言った。
「どれもこれも故郷では見たことのないものばかりだよ!」
「本当に、つい目移りしてしまいますね」
少女のように瞳を輝かせる友人を微笑ましく見つめて、ベガは屋台の並びに目を移す。いずれも魅力的な屋台グルメの中で、特に目を引いたのは――。
「あちら、食べてみませんか?」
燈籠を掲げて示した先には、フルーツ飴の暖簾をかけた屋台があった。いいわねと両手を合わせて、ガーデニアは小走りに屋台の前に駆けていく。
定番のリンゴにアンズ、イチゴにミカン、変わり種ならマンゴーやブドウまで。水飴を絡めたフルーツは氷の器の上でキラキラと、宝石じみた輝きを放っている。
「わたしは、リンゴ飴かしら?」
「あら――ガーデニアさんはさっき、焼きそばとたこ焼きを買ったんじゃ……」
「大丈夫よ、全部食べ切れるわ!」
細い身体のどこにそれだけ入るのやら。食べる気満々のガーデニアにあらあらと微笑んで、ベガは自らも屋台の軒先を覗き込む。
「どれも愛らしくて、美味しそう。わたくしは……イチゴ飴が気になります」
「あたしはアンズにしよう。ふふ、どれも美味しそうだね! 後でもっと色々買ってくるから、ベガさんも少し食べるといいよ」
色は違って、けれどもどこかで同じ――左手に提げた燈籠と右手に持ったフルーツ飴は、肩を並べて歩く彼女達そのものにも似ている。
甘いフルーツに舌鼓を打ちながら歩くことしばらく、メインストリートを抜けてゆくと、やがて路は大きな川に行き当たる。大きな橋を遠目に望んで、ガーデニアは言った。
「トゲツキョー? って何かしらって思っていたけど、長ーい橋のことだったのね。確かこのカツラ川って、美味しいアユが獲れるんじゃなかったかしら」
まだ食べる気、とは、敢えて言うまい。その辺りで売っているかもね、と笑って、瑠璃青は流れる川に目を向ける。瞳に映る景色は見たことがあるようでいて、その実何もかもが違っているけれど――黒髪を流して吹く風は、何百年、何千年経っても変わることのない都の風だ。
「また、皆様と色んな景色を楽しめますように」
今日はここへ来られて、よかった。そう言って、ベガは祈るように瞼を伏せた。ついと落ちた流れ星は一瞬、きらりと輝いて、夜に黒々と聳えた山の向こう側へ消えていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV2になった!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
エラ・パーカー
【カランコエ】
他絡みNG
2022浴衣着用
【C】
こういったお祭りは初めてなの
浴衣って綺麗で素敵
みんなよく似合ってるの♪
莉緒ちゃんに頷きながら、周りを見るお兄ちゃんに微笑んで
祝ちゃんの手をつないで、反対の手には【お任せ】の花燈籠
夜に変わっていくお空が綺麗ね、って言いながら家族で竹林を歩くの
そいえば、日本語って不思議なの
緑を青って言うんでしょう?
不思議ねと首を傾げるの
帰還の時に奈良は行ったけど京都は初めて
刻逆前は修学旅行って言うので来たりするとこなんだよね?と尋ねて
全部美味しそうだから買っちゃお!
わ、お兄ちゃんありがとう♪
猫の飴細工もお願いしたいけど欲張って両手がいっぱいだからしょんぼりしちゃうの
四十九院・祝
【カランコエ】
他絡みNG
2022浴衣着用
【C】
エラお姉ちゃんと手を繋いでもう片方の手には【お任せ】の紙燈篭を吊るし持つの
空気が澄んでいるからかしら、お星さまが綺麗なのよ、そう返して歩くの
初めてお祭り楽しみなの
屋台で射的を見つけてゼグ父さまを誘ってみるの
こういうオモチャの銃は初めてだけれど勝負なのよ♪
大きなウサギのぬいぐるみを狙ってみるの
頭を撫でてもらってご満悦に
父さまもかっこよかったの
屋台で食べ歩くのも楽しそうかしら
京都だと鮎の塩焼きや串カツなんかがあるみたいなの
莉緒お姉ちゃんならりんご飴とか可愛い食べ物知っているかしら
色々教えて貰うのよ
好きな生き物、ウサギかカラスがいいかしら、ワクワクなの♪
如月・莉緒
【カランコエ】
他絡みNG
2022浴衣着用
【C】
【お任せ】の紙燈籠を持って
私はお祭りは懐かしい感じがするけど、エラお姉ちゃんやゼグブレイドお兄ちゃん、祝さんにとっては新鮮な感じがするのかな
花燈籠の灯りを揺らしながらみんなで竹林を歩いて
緑を青って言うのは昔、緑って言葉がなくて青で代用していた名残って聞いたことあるよー
奈良も京都も日本らしいところいっぱいあるからね
そうそう修学旅行あるよー
歴史の授業で習った場所へ実際に赴いて見る、みたいな感じかな
射的勝負?
二人とも頑張ってー!
可愛い食べ物かー…フルーツ飴はもちろん人気だけど
飴繋がりなら飴細工も楽しめるかも
好きな生き物の形を飴で作ってくれるよー
ゼグブレイド・ウェイバー
【カランコエ】
他絡みNG
2022浴衣着用
【C】
妹達と娘の後ろを歩きながら紙燈籠を吊るし持ち
涼しくなってきて動きやすくなったなぁ…この浴衣という衣服も初めて着るが中々いいものだな…と言いながら周りを見渡して
射的か?いいぞ…父様の腕の見せ所だな!小さな人形やお菓子などたくさん取れるものを狙い大きなうさぎのぬいぐるみを取った祝にすごいなと頭を撫でて
屋台の食べ物も見たことのないものばかりだな…よし、気になったものは買おうか、と辺りの屋台を見て
りんご飴の屋台を見つければ四人分買い妹達と娘に一つずつ渡して
家族とのお祭りに行けるなんていい思い出が出来たのだろう…また来年も行きたいねぇ
「わあ……!」
辿り着いた道の端で、四十九院・祝(還り来る恐怖/La Peur de Fortune・g05556)はわあ、と小さな歓声を上げた。青く厳かな竹林の小径を抜け、辿り着いたその先――吊り燈籠に縁取られた通行止めの車道には、色とりどりの暖簾を掲げたさまざまな屋台が並んでいる。
ミニ丈のプリーツスカートに重ねた黒い和装の袖を口許に添え、祝は言った。
「この辺はすごく賑やかなのね」
びっくりした、と彼女が言うのも無理はない。星の微かな煌めきさえ届きそうな静謐の中、青竹越しに見上げた空とは違う――嵯峨野の目抜き通りは大勢の人で賑わって、祭の火に煌々と燃えていた。つないだ手の先を仰ぎ見れば、エラ・パーカー(adore song・g03253)がにこにこと嬉しそうに笑っている。
「こういうお祭りは、初めてなの」
そう言ってエラは大事そうに、小花柄の袖に丸い燈籠を抱いた。金の塗料で胡蝶蘭と葉紋を描いた和紙は、花簪でまとめた長い髪と同じ、淡い桃色である。
「それに浴衣も、とっても綺麗で素敵。みんなよく似合ってるの♪」
「ああ。初めて着るが中々いいものだな」
手をつなぎ歩く姉妹の後ろを一歩離れて歩きながら、ゼグブレイド・ウェイバー(楽観的な傭兵・g01879)は桔梗を描いた木綿の袖を確かめるように撫でる。早いもので、九月ももう終わりだ。ぎらつく夏の陽気は成りを潜め、こと夕暮れともなれば随分と涼しく、動きやすくなった。
「わたしもお祭り、初めてなの」
だから、楽しみ――そう言ってぴょこぴょこと撥ねる祝の手元では、赤い髪を飾る花と同じ、曼殊沙華を描いた六角柱の燈籠が柔らかな光を放っている。そんな三人へ微笑ましげな眼差しを向けて、如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)は言った。
「私はお祭りって懐かしい感じがするけど、みんなにとっては新鮮な感じがするんだね」
なんだか不思議と呟いて、莉緒は棹に吊るした燈籠をゆらゆら、わざと揺らしてみる。白地に黒で篠笹を描いたシンプルな浴衣は普段の甘めの装いとは一風変わってクールな印象を与えるが、その手の燈籠は淡い花色に百日紅を飾ってやはり甘やかな光を放っている。
そういえば、と宵空を仰いで、エラが言った。
「日本語って不思議なのね」
「うん?」
どうして、と尋ねる莉緒を振り返って、エラは続けた。
「緑を青って言うんでしょう?」
漫ろ歩いた林の中、さざめく竹をして莉緒は『青い』と言った。ああ、と先程のやり取りを思い出して、淡い金髪の少女は応じる。
「緑を青って言うのは昔、緑って言葉がなくて、青で代用していた名残って聞いたことあるよ」
「緑を青で代用?」
ふうんと納得の行ったような、行かないような素振りで、やっぱり不思議とエラは笑った。本当にこの国は――この世界は、まだまだ知らないことだらけだ。
「帰還の時に奈良には行ったけど、京都は初めて。刻逆の前は、『修学旅行』っていうので来たりしてたとこなんだよね?」
「そうそう、学校行事でね! 歴史の授業で習った場所へ、実際に行ってみる……みたいな感じかな」
興味があったらまた行ってみるといいよと、莉緒は笑った。特別に思い入れが深いというわけでもないけれど、奈良や京都には日本らしさが詰まっている。生まれ育った国のことを知ってもらうのは、どんな状況でも嬉しいものだ。それが大切な『家族』にならば、尚のこと。
興味津々の様子で屋台の並びを眺めながら、ゼグブレイドが言った。
「屋台の食べ物も、見たことのないものばかりだな」
「ええっとねえ……京都だと鮎の塩焼きや、串カツなんかがあるみたいなの」
他にも、他にも――聞いた知識を指折り数えながら、祝は声を弾ませる。
「わたしは、可愛いのがいいな。莉緒お姉ちゃん、なにか可愛い食べ物、知ってる?」
「可愛い食べ物かー……フルーツ飴も人気だけど、飴つながりなら飴細工も楽しめるかも」
「アメザイク?」
赤い曼殊沙華を飾った髪をこてんと傾けて、祝は鸚鵡返しに聞き返す。そう、と人差指を立てて、莉緒は続けた。
「好きな生き物の形を飴で作ってくれるんだよー」
「! ウサギも? カラスも?」
「エラもお願いしたいけど、もう両手がいっぱいなのよ……」
前のめりに食いついて色のない瞳を輝かせる祝に苦笑して、エラは言った。その手にはいつのまにか、てらてらと艶めく大きなリンゴ飴が握られている。
「あれ? エラお姉ちゃん、いつの間に――」
「ほら、ちゃんと全員分あるぞ」
いつの間に買って来たのだろう? 人数分のリンゴ飴を莉緒と祝にも手渡して、ゼグブレイドは笑った。ありがとう、と嬉しそうに受け取る娘と妹達の笑顔は、彼にとって掛け替えのない宝物だ。満面の笑顔で林檎を齧る三人を眺めながら、来年もこんな風に過ごせれば――などと、気の早いことを考えていると。
「あ――ねえねえ、ゼグ父様」
「うん?」
なんと、もうリンゴ飴を食べ尽くしてしまったのか。芯だけになった割り箸を握った祝が、黒い浴衣の裾をくいくいと引いた。あれ、と指差す人混みの向こうには、玩具の銃でコルク弾を撃つ――射的の屋台が覗いている。
「あれ、やってみたいの。勝負なのよ!」
「お。いいぞ、父様の腕の見せ所だな!」
「あっ、射的勝負? 二人とも頑張ってー!」
ブンブンとリンゴ飴を振り回してけしかける莉緒の声を背に、二人、手をつないで行く足取りは軽い。この後、ゼグブレイドは沢山の小物やお菓子を、祝は大物のぬいぐるみを狙い撃って大きな戦果を挙げることになるのだが――その詳細はまた、別の機会に語ることとしよう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV6になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
渦中・浪刃
【渦中姉弟】
【C】
【お任せ】
灰青色の無地の浴衣
帯は瑠璃紺に白い朝顔
こちらに来て間もない姉上
環境の変化に疲れてはいないか、竹林なら落ち着けるだろうかと思ったのに
何故今商店街にいるのでしょう…いえ、元気そうで何より
髪や瞳の色が変わり、記憶も名も失い、デーモンとなったこの身
変わり果てた弟を見ても、姉上は変わらない
ほっとする半面、無理をしているのでは…
…姉上、お待ちください
そのたこ焼きは絶対に熱いです
いつの間に焼きトウモロコシとりんご飴まで…
落とす前にこちらへ渡してください
まったくもう、と溜息をついて
こみ上げる懐かしさに笑ってしまう
ところで姉上、私はもう子供ではありません
「ちぃ君」呼びはやめませんか?
渦中・百
【渦中姉弟】
【C】
【お任せ】
瑠璃紺の生地に白い朝顔の浴衣
帯は象牙色
弟のちぃ君(浪刃)に呼ばれ降り立ったこの世界は、珍しいものが沢山
ちぃ君、おすすめの食べ物はありますか?
あらあら、何やら悩んでいるご様子
記憶と名を失い、姿も変わり…きっと苦悩したのでしょうね
もしかしてそれは、記憶を取り戻した今でも
少しでもその不安を取り払ってあげられるといいのですが
ということでちぃ君、はいどうぞ(たこ焼きを口元へ)
あら、ちょっと早かったかしら?
気になるものが多くてついつい買いこんじゃってねぇ
ふふ、何だかんだ言いながら優しいところは変わりませんね
呼び名を変える?嫌ですよぅ
私にとってちぃ君は、いつまでも可愛い弟ですもの
「ちぃ君。……ちぃ君!」
呼ぶ声に気づかぬ程度には、思考に耽っていたらしい。瞼を開けば目の前に掲げられた燈籠の灯が眩しくて、渦中・浪刃(渦隠・g02250)は反射的に灰青色の浴衣の袖で目を庇った。そんな弟の顔を頭一つ分低い位置から覗き込んで、渦中・百(猫に九生・g08399)はにっこりと笑む。
「やっとこっちを向いてくれました。ちぃ君、おすすめの食べ物はありますか?」
「姉上……」
瑠璃紺の袖に白い朝顔を染め抜いた浴衣に身を包み、黒猫と足跡を描いた丸い燈籠を手に提げて微笑む姉は、ほんのつい最近、『此方側』へ流れ着いたばかりだ。環境の変化に疲れてはいないかとその身を案じ、悠久の昔より変わることのない竹林ならば落ち着けるだろうと連れ出したのに――なぜ今彼らはよりによって、祭の真っ只中にいるのだろう。
「どうしました?」
「いえ、元気そうで何よりです」
「元気にもなるわよ。だってほら、この世界ったら、珍しいものでいっぱいなのだもの」
くるりとその場で一回転して象牙色の飾り帯を見せ、百は満面の笑顔で言った。さしずめ、弟の心姉知らず――元気ならば勿論それでいいのだが、どうも調子が狂ってしまう。
(「こちとら、こんなに変わっているというのに」)
髪の色も、瞳の色も違う。記憶も名前も失って、それ以前に人ですらなくなった。そんな風に変わり果てた自身を目の当たりにしても、姉は記憶の中の彼女とちっとも変わらない。その屈託のない笑顔にはほっとする半面、その実どこかで無理をしているのではないか――と、考えは尽きぬばかりだ。
あらあら、と青い瞳をぱちくり瞬かせて百は小首を傾げた。
「何か悩んでいるのなら、遠慮せずに言ってくれていいのですよ」
「……はあ」
語られる言葉は、混じりけのないただの善意だ。弟の苦悩や不安をどうにか取り払ってやりたい、と、心の底から思っているのだろう姉は、よもや彼の悩みの種が当の自分だとは思ってもみまい。ありがとうございます、ととりあえずの礼を述べると、百はうんうんと満足げに頷き、そしてどこからか――湯気の立つたこ焼きを取り出した。
「ということで、はいどうぞ」
「……姉上。お言葉ですがそのたこ焼きは、絶対にまだ熱いです」
「あら、ちょっと早かったかしら?」
突きつけられたたこ焼きを片手でそっと辞すると、百はごめんなさいねと眉を下げ、たこ焼きをパックに戻して代わりに焼きトウモロコシとリンゴ飴を取り出し、食べ始める。
「いつの間にそんなものまで……落とす前にこちらへ渡してください。というか、今までどうやって持っていたんです?」
「気になるものが多くてついつい買いこんじゃってねぇ」
「答えになっていないのですが……まったくもう」
蓋を閉じたたこ焼きのパックを受け取って、浪刃は額に手を当てる。深い溜息を耳に留めて、しかしそれとは対照的に軽やかに、百は笑った。
「ふふ、何だかんだ言いながら優しいところは変わりませんね」
姿形は変わっても、本質は何も変わってなどいないのだろう。生きる時代が変わっても――姉弟の在り方は、変わらない。
懐かしむような姉の瞳を目の前にしてはもう何を言う気も起きず、浪刃は苦笑一つ、たこ焼きの蓋を開けると一つを楊枝に刺して口許へ運んだ。
「ところで姉上」
「なあに? ちぃ君」
「……私はもう子どもではありません」
『ちぃ君』呼びは、やめませんか。
心持ち言いづらそうに続ける弟をきょとんとして見つめ、すぐさまふにゃりとした笑顔に立ち返って百は言った。
「嫌ですよぅ。私にとってちぃ君は、いつまでも可愛い弟ですもの」
それよりこっちも食べなさい――そう言って差し出すリンゴ飴の艶やかな表面には、花燈籠の柔らかな明りが映り込んでいる。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】がLV4になった!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV6になった!
【命中アップ】がLV2になった!
調月・野映
【ARC】A
シンプルに紺の浴衣
皆思い思いの浴衣を着てて、まさに「絵になる」だな
(褒められると少し気恥ずかしそうに)
これから燈籠に描くのも絵
皆どういう風に描くか楽しみだ
絵は心を込めてこそだ
絵付け体験のお店の人など
現地の人にはにこやかに礼儀正しく
俺は桔梗の花を描く
花言葉は誠実とか清楚で綺麗だし
何より季節のものは今のうちに描いておきたい
ロッソくんは綿あめか、優しい主を持って幸せそうだ
樹くんは竹か、身近なモチーフって描きやすいものな
清梧くんは月と雲文様が趣き深い
希音くんはタンポポか、自分の誕生花とはかわいらしい
舟くんは四季色々がモダンで
そして彩葉くんはみんなの姿をか、すごいぞ
まさに人それそれが個性だな
リオーネ・クア
【ARC】A
黒地に白の縦縞しじらの浴衣を着用
みんなと催しを楽しむけど、さり気なく恋人の彩葉のことを気に掛ける思考
呼び方は彩葉以外はさん付け
サーヴァントのロッソも一緒
せっかくなので現地の人とも積極的に交流
お世話になる絵付け体験のお店でもにこやかなやりとり
なに描こうか考えてきたんだけど
やっぱりロッソを描こうかなって思う
お祭り会場でわたあめを買って与えたら、食べながら絵付け体験を大人しく待ってるロッソを観察して描いていく
(絵の腕前は悪くないが燈籠と合うかどうかはお任せ)
完成品をみんなと見せ合う
どれも全然違う…
頭では当たり前なのはわかってるけど
実際これが個性なんだと目の当たりにするとしげしげ眺めちゃう
御守・樹
【ARC】A
彼岸花柄の浴衣
清梧ってば大学生ぐらいに見えかねないのに、その柄があうあたり渋さも持ってのか。やはり年の功か、羨ましい。
選択授業で美術はとってたぐらいには好きだし、それなりの器用さは持ってるからもの作るのは悪くはならないんだけど。でも絵はなぁ、決まり切った構図になりがちでつまんねぇんだよな、俺の絵。
何描こ?(周囲ぐるりと見渡して)…竹林でも描くか。節を残しつつすーっと書いて、ちょいちょい葉を足せばそれなりに見えるだろうし。あと下手に色付けないで緑の濃淡だけで。さすがに黒だけは難易度高い。つか舟はやっちゃうのか、マジか。
…美術担当だった本業プロ画家の先生が言ってた事、今更身に染みる。
梼原・彩葉
【ARC】
A
紫陽花の模様の入った桜色の浴衣で参加
リオーネ(g01176)とは恋仲
他のメンバーは名前+さん呼び
みんな浴衣でお祭り、なんだか夢みたい!
絵付け体験の所に行くまで、出店に目を輝かせながら歩くわ。
…ちょっと寄り道しても怒られないかしら?
野映さんが「まさに絵になる」って言ってたわね。
そうだ!燈篭にみんなの浴衣姿を描こうかしら。
ぐるっとまわって、みんなで手をつなぐの、素敵でしょ?
みんなはどんな燈篭を作ったのかしら?わくわくしながら見せ合いっこしましょう!
白・舟
【ARC】
呼び方は苗字呼び捨て、歳上は苗字+さん
調月は店長呼び
店の人には礼儀正しく
【A】
浴衣はシンプルに流水柄、帯も銀色に蜻蛉
これはずっと着ているもので、い慣れたはずの場所なのに、全く違うのはまた興味深いことだ
羽住さんも帽子とは粋な…
どうしたものかな
竹とかくらいなら、と思ったら同じ考えの人が
色を使う方が難しくないか…タンポポは難しそうだな…
黒で四季でも描くか。春は枝に梅の花、夏は竹、秋はすすきに月、冬は…線を気が向くままに描いて冬枯れの「もだんあーと」だと言い張ろう
どれも個性が出ていて、それでいて風流だ
店長の桔梗もさすがの一言
梼原は…よくぞこの人数を…
愛崎・希音
【ARC】
A
ピンク地に羊柄の浴衣
サーヴァントのアイちゃんは人見知りのためお留守番
あはっ♪「絵になる」なんて野映くん上手い事言うね~♪
ボクはお店の人。現地の人と気さくに交流しながら絵を描くね~
絵はそうだな~、ボクの誕生日花でもあるタンポポにしよっと~
タンポポなら良く見るお花だし描けるでしょ~、って思ったけど意外と難しいんだけど~?!
謎の植物になりかけているタンポポを描いてドヤッてするよ~
わたあめ食べてるロッソくん可愛いね~♪
家で待ってる子のためにお土産で買って帰ろっと~
皆の燈篭からそれぞれの個性を感じられるの楽しいね~
それに楽しい時間だけじゃなくてさ、皆のこともっと知ることが出来たの嬉しいな~♪
羽住・清梧
【ARC】の皆と【A】
男は呼び捨て、女子は名前+ちゃん
ストライプ柄の浴衣と黒のハット姿
祭りは良いものだな。
何歳になっても心が躍る。
一応最年長なんで、それなりに落ち着いた風で行きますか。
そうだよ樹、普段は童顔と言われても、渋い大人のお兄さんなんだよ俺。
絵を描くのも久しぶりだなぁ。
何を描こうかと少し考えて、良い夜だからと、【月と雲文様】を。
雲文様って、何だかドットのゲームキャラが動き回りそうな感じの模様に見えるな…、まぁそれはそれでここの皆らしくて良いか。
(さらさら灯籠に描いて行く。手先は器用で絵もそこそこ上手いです)
皆の灯籠の絵もそれぞれ個性が出ていて良いな、味がある。
あ、後で皆の写真撮ろう。
「みんな浴衣でお祭りなんて、なんだか夢みたい!」
路を横切る吊り燈籠の光に、梼原・彩葉(夢追いクレイモア・g06256)の瞳はキラキラと輝く。今にも駆け出して行きそうな恋人の姿を視線で追いながら、リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)は、しじら織の浴衣の腕にメーラーデーモンを抱き上げる。名前と同じ赤いリボンの外套を羽織った仔山羊は、買ってもらったばかりの綿飴をむしゃむしゃと食んでいる。
「どこいくの、彩葉」
「ちょっと寄り道しちゃだめ?」
連なる裸電球で、夜に煌々と浮かび上がる出店の並びはいずれも魅惑的だ。怒られるかしらと眉を下げ、彩葉は口許で両手を組んだ――が、咎める者などあろうはずもない。一緒に行くよと笑う青年とその肩の仔山羊と連れ立ってゆく道は、かしましいほどの賑わいに溢れている。目的は燈籠の絵付けだが、道すがら屋台を眺め、通りすがりの会話を楽しんで歩くのも、こうした祭ならではだ。
それにしてもと傍らの友人を見やり、御守・樹(諦念の珪化木・g05753)が言った。
「清梧ってば大学生ぐらいに見えかねないのに、そういう渋い柄も似合うんだよな」
「まあ一応、最年長なんで? これでも渋ーい大人のお兄さんなんだよ、俺」
照れたように頬を掻いて、羽住・清梧(普通の蒼き冒険者・g01019)が応じた。笑うとふにゃりと和らぐ顔は確かに童顔なのだが、灰鼠色に縞を引いた落ち着いた風合いの浴衣に黒のハットを被った出で立ちは、さすが三十路の風格というものか。対して赤い裏地の鮮やかな樹の浴衣は、黒地に彼岸花を描いて華々しい。
「やはり年の功か、羨ましい」
「羨ましがらなくたって、どうせいつかはこっち側に来るんだよ」
若い内が華だよと笑って、清梧は言った。
「祭りは良いものだな。いくつになっても心が躍る」
赤に紫、青に緑に、桃に白。煌びやかな花燈籠の光は、幾重にも重なり合って夜の街並に散乱する。見つめる青年の視線を辿って、白・舟(墨染・g07286)はぽつりと言った。
「祭……というのは、不思議だな」
シンプルな流水紋に際立つ、銀の布地に蜻蛉の帯。それは舟にとってはごく日常的なもので、今日のために特別に着込んだわけではない。この場所にしてもそうだ――馴染みがないわけでもないのに全く違って見えるのは、祭の魔法とでも呼ぶべきだろうか?
紺地の浴衣の腕を組んで、調月・野映(ホリゾンブルー・g00586)が微笑ましげに言った。
「みんな思い思いの浴衣を着て、まさに『絵になる』だな」
「あはっ♪ 野映くん、上手いこと言うね~♪」
華やかなピンクの浴衣を翻して、愛崎・希音(DREAM🎀GIRL・g08275)が歩み寄る。白いドットのように見える柄は、よく見ると丸々とした羊だ。褒められるほどのことでもないと気恥ずかしげに金髪を掻き、野映はあれ、と瞳を円くした。
「メーラーデーモンはどうしたんだ?」
「アイちゃんは人見知りだからね~お留守番だよ」
待ってーと足取りも軽く跳ねながら、希音は先を行く仲間達を追っていく。楽しげなその後姿を見送って、野映もまた歩き出した。
(「絵は心を込めてこそ。……みんながどんな絵を描くのか、楽しみだな」)
絵付け体験のできる場所は会場中にいくつかあるようだったが、一行が向かったのは、商店街の一角に設けられた休憩所に併設された体験会場であった。それぞれの会場に数人の燈籠職人達が常駐して、訪れた見物客に絵付けを教えているようだ。
希音は気さくに、舟は礼儀正しく、係員に一言声を掛けてから、並んだ作業台に腰掛ける。この大所帯ともなると少々手狭だが、机に詰め込まれるのもまた楽しい。七人分の絵付けを頼んで待っていると、やがて係の人間が人数分の燈籠を持ってきてくれた。
「絵を描くのも久しぶりだなぁ」
さて、何を描こうか――作業台に向き直って無造作に足を組み、清梧は筆置きに並んだ筆を取った。中くらいの太さの一本を選んで水を含ませると、まずは黄色で大きく円い月を描き、そこに淡い紫色でさらさらと流れる雲を描いていく。
へえ、と感心したように声を洩らして、野映が言った。
「上手いものだな。月に群雲とは、趣深い」
「いい夜だからな。雲文様って、なんだかドットのゲームキャラが動き回りそうな感じの模様に見えるけど……まぁ、それはそれでここの皆らしくていいか?」
いっそ描き加えてしまおうかという悪戯心を抑えて、清梧は淀みなく手を動かしていく。そういう野映はと目を向けると、淡い金髪を飾った黒い巻き角を傾けて、サキュバスは作業台の上に並んださまざまな顔料に目を向けた。
「俺は桔梗かな。花言葉も綺麗だし……何より季節のものは今のうちに描いておきたい」
誠実、そして清楚。太めの筆に紫を含ませ、緩急をつけて描けば白い燈籠に星形の花が咲き始める。花色の袖に紙燈籠を抱えたまま、続々と作業に着手する仲間達をそわそわと忙しなく見渡して、そうだ、と彩葉は言った。
「そうだ! ねえ、さっき野映さんが言ってたみたいに、本当にみんなの浴衣姿を描くのはどうかしら? ぐるっとまわって、みんなで手をつなぐの!」
おさげ髪をゆらりと揺らし、素敵でしょ、と少女は笑う。屈託のない笑顔をにこやかに見つめて、リオーネもまた筆を取り上げた。
「なにを描こうか、色々考えてきたんだけど……やっぱり、ロッソを描こうかな」
「めえ?」
自分の名前が出たことに気づいたのか、少し離れた待合のベンチに座ったメーラーデーモンはほとんど見えない首を傾げた。綿飴があれば不満はないのか、仔山羊は絵付けに興じる主達の様子を大人しく眺めていたが、口の周りには毛に絡みついた綿飴のかすが残っている。
燈籠の絵付けにルールはなく、どんな絵を描くのも、どんな色を載せるのも、すべては自由だ。黙々と綿飴を貪る仔山羊を器用に写し取っていく少年の手元を覗き込み、希音はおおーと感嘆の声を上げた。
「わたあめ食べてるロッソくん、可愛いね~♪ 私も後で、アイちゃんにお土産買って帰ろっと!」
でもその前に、まずは一仕事。そうだなあと辺りを見渡して細筆を取り、希音はにんまりと笑みを浮かべてその先端を黄色い絵具に落とした。
「タンポポにしよ! 良く見るお花だし描けるでしょ~」
黄色い花と白い綿毛の可愛らしい春の花は、希音の誕生花でもある。とりあえずと一筆走らせて、少女はんん? と首を傾げた。
「って思ったけど……意外と難しいんだけど~?!」
キャンバスが立体であるせいで、丸燈籠の絵付けにはただ絵を描くのとはまた少し、違った難しさがある。うーんと唸って首を捻り、樹はぼやく。
「美術は選択授業でとってたぐらいには好きなんだけどなあ。でも絵はなぁ……決まり切った構図になりがちでつまんねぇんだよな、俺の絵」
造形ならそれなりに器用にこなしてみせるのだけれど、と呟くのは、持てる者なりの悩みというものか。何描こう、と左右を見渡してしばし考え、樹は言った。
「……竹林でも描くか」
「奇遇だな。……俺も似たようなことを考えていた」
何を描くべきか考えあぐねた様子で、舟が応じた。くすんだ緑の顔料に筆をつけて、樹は筆を動かしだす。
「節を残しつつすーっと書いて、ちょちょっと葉を足せば……それなりに見えるだろ。下手に色付けないで、濃淡だけでさ」
「ああ、色を使う方が難しい…………うん。タンポポは難しそうだな」
向かいの席に座った希音の燈籠には、半ば謎の植物と化した蒲公英(らしきもの)が絶賛増殖中である。向けた視線は心なしかどやっとした少女の瞳とかち合って、舟は手元に目を戻した。
「……黒で四季でも描くか」
「黒だけで?」
難易度高いな、と樹は言ったが、舟は果敢にも薄墨を筆に乗せ、ためらうことなく燈籠の四面に色を載せていく。春は枝に梅の花、夏は竹。秋はススキに月、そして冬は――気の向くままに線を描いて、冬枯れの『もだんあーと』だとでも言い張ろうか。
「――できた! ねえ、みんなはどんな燈籠を作ったの?」
見せあいっこしましょ、と朗らかに、掲げる彩葉の燈籠には仲間達の絵が描かれている。頑張ったなと微笑んで、野映は言った。
「まさに人それそれ、個性だな」
花を、竹を、月を、人を、季節を――そして小さな山羊を。描いた燈籠は今宵、彼らだけのもの。そうだと一つ手を打って、清梧はスマートフォンを取り出して見せた。
「みんなの奴を並べて写真撮らないか?」
形あるものはいつか朽ちるけれど、写真と記憶に残した思い出が消えることはない。賛成、と両手を突き上げた希音の元気な声は、作業場中に響き渡った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】がLV2になった!
【平穏結界】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV3になった!
【狐変身】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV2になった!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV8になった!
【ダメージアップ】がLV9になった!
【先行率アップ】がLV2になった!
天舞・翔樂
【月と太陽】
【C・絵柄おまかせ】
おりが!
紙燈篭ちゃんと貰えた?
ボクもバッチリっ!
じゃあ手を繋いでのんびり散策しよう!
わ!月虹がおりがの
ふぉ、ふぉすすふぃらいと?の
鱗と角を照らしてちょー綺麗!
かぐや姫もびっくりだ!
おりが、本当に綺麗になったよね…!
それにずっとボクみたいな
ドラゴニアンになりたいって
言ってたからさ
忌々しい刻逆の影響とはいえ
お揃いになれて
嬉しいなって思っちゃった
──おりが、いつも
そばに居てくれてありがと。
キミもいなくなっていたら
ボクはきっと…むぐッ?!
!おいしいっ!あはは!そうだね!
せっかくのお出かけに暗い話は必要ないね
ありがと、おりが。
たくさん支え合ってあの幸せな日々を
取り戻そうね
月詠・オリガ
【月と太陽】【C・絵柄おまかせ】
うん、ちゃんと貰えたわ
お姉ちゃん、はぐれないように手を繋いでいて
ありがとう
オリガの大好きなかぐや姫、嬉しいな
お姉ちゃんのウロコも煌めいてとっても綺麗ね
うん、ずっとお姉ちゃんみたいになりたいって思ってたんだ
だからツノもウロコも、お揃いですごく嬉しい
これでお姉ちゃんも私のことみんなに自慢できる?
ホントなら、ママとパパにも見てほしかったな…
ふたりは刻逆のせいでいなくなっちゃったんでしょう?
もう、お姉ちゃん
こんなに楽しいお祭りでそんなこと言っちゃダメよ
ほら、屋台で買ったお饅頭たべて
それにオリガはお姉ちゃんのそばからいなくなんてならない…絶対に
だから安心してね
夜が更けるにつれ、祭の熱狂はますます加速していく。人足の衰える気配のない大通りの只中で、天舞・翔樂(天翔龍如・g06480)はきょろきょろと周囲を見渡していた。そして雑踏の中に目当ての人影を見つけると、濃い蜂蜜の色にも似た橙の瞳を輝かせる。
「おりが! こっちこっち!」
白い巫女服の両袖を元気いっぱいに振って、翔樂は朗々と呼んだ。そんな義姉の声に気付いてか、月詠・オリガ(chéri coco・g07572)はほんのりと頬を綻ばせ、人混みを縫って駆けてくる。その手に持った棹の先には、蒼から翠へ移ろう空に白い月とススキの原を染め抜いた、カンテラのような花燈籠が揺れていた。
「紙燈篭、ちゃんと貰えたんだね」
「うん。お姉ちゃんは……?」
「ボクもバッチリっ!」
にっかり白い歯を見せ笑い、翔樂は得意げに右手の燈籠を掲げて見せた。形はオリガのそれとほとんど変わらないが、その色は燦々と輝く太陽のような暖色だ。赤みがかったオレンジ色から甘やかな黄色に変わってゆくグラデーションには、少し濃い橙で金木犀が描かれている。
繰り出す準備は、これにて万端。慣れない人の多さのせいだろうか、どことなく戸惑う素振りの妹へ颯爽と手を伸べて、翔樂は言った。
「おりが、行こ!」
はぐれないようしっかりと手を繋ぎ、仲良し姉妹は歩き出す。路に吊られた花燈籠の七色の明かりに包まれた嵯峨野の街並みは、幻想的な風情を醸し出している。竹林へと続く小径の半ば、隣をゆく人がはたと足を止めたのに気づいて、オリガはその場に立ち止まった。
「? ……お姉ちゃん?」
「……おりが」
祭の中心を離れて見て分かる、月の光の明るきこと。蒼く清かな月虹を透かすと、燐葉石でできたオリガの角と鱗は生来の淡い翠色に加え、小さいけれどもきらりと強い無数の白光を宿して輝き出す。
「おりが、ちょー綺麗! その、ふぉ――ふぉすすふぃらいと? かぐや姫もびっくりだね!」
「ありがとう。かぐや姫、……嬉しいな」
気恥ずかしさにほんのりと頬を染めて、はにかみながらオリガは言った。大好きな物語の姫君と比べられては恐れ多いが、屈託なく笑う姉の言葉は一切が本音であることを彼女はちゃんと知っている。照れ臭さからか俯いた妹の顔を覗き込んで、翔樂は言った。
「おりが、本当に綺麗になったよね」
「お姉ちゃんのウロコだって。煌めいてとっても綺麗よ」
「そうかな?」
だったらいいなあと眉を下げて、翔樂は白銀の翼をぱたりとはためかせた。ダイヤモンドかプラチナか――花燈籠の光を受けて七色に彩を変える輝きは、夢のように美しいとオリガは想う。
「ずっとお姉ちゃんみたいになりたいって思ってた。だからツノもウロコも、お揃いになって……すごく嬉しかった」
「へへ、実はボクも! 忌々しい刻逆の影響ではあるけどね!」
これでお揃いと片目を瞑って、翔樂は再び妹の手を引き、歩き出す。一歩前を行く手について往きながら、ふと、オリガは深い緑の瞳を細めた。
(「これでお姉ちゃんも――私のこと、みんなに自慢できる?」)
――などと、口にすれば困らせそうな言葉は、彼女だけのもの。燈籠の照らす道を二人のそのそと歩みながら、胸にしまった言葉の代わり、オリガはぽつりと口を開いた。
「ホントなら、ママとパパにも見てほしかったな」
「…………」
世界の多くの人がそうであったように、刻逆の後、彼女の両親は姿を消したという。少しだけ寂しげな横顔にふと柔らかく微笑んで、翔樂は妹の肩に手を添え、向き直った。
「あのさ、おりが。……いつもそばに居てくれてありがと」
「え――何?」
どうしたの、と戸惑うオリガに構わず、翔樂は妹の肩に額を預け、そして言った。
「あの日もし、キミまでいなくなっていたら。ボクはきっと……むぐッ?!」
続く言葉が、最後まで紡がれることはなかった。もふっと、みっしりとした何かが口を塞ぐ感触に眉を寄せて、翔樂は妹を見やる。もうと唇を尖らせて、オリガは言った。
「お姉ちゃん。楽しいお祭りでそんなこと言っちゃダメよ」
花色の唇に押し付けたのは、屋台で仕入れた茶饅頭。瞬きを繰り返す姉の口に小さな饅頭を半ば強引に詰め込んで、オリガは続けた。
「それにオリガはお姉ちゃんのそばからいなくなんてならない。……絶対にね」
「……うん」
口の中のものを咀嚼してごくりと飲み込み、それもそうだね、と翔樂は笑った。
どんな時も支え合って、幸せだったあの日々を取り戻そう。続く道は果てなく、終わりは未だ見えないけれど、二人でならば歩いていける――そんな気がした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
クラーラ・シャーフ
【C】紙燈籠お任せ
今年仕立てた正座柄の浴衣を着て行くわ
羊を描いた団扇も共に
故郷ではビール祭りや火祭りの時期かしら
賑やかなのも好きだけど、穏やかに夜を過ごすのも好き
葉擦れに誘われて竹の路へ
ハルトヴィヒと出逢えたらご挨拶させてね
あなた浴衣も似合うのね、素敵よ
蟠りが解けたわけではないのだけど、一応の決着はついたのだもの
忘れ得ぬものを抱えて進むなら、仲間がいる方が良いわ
気持ちの整理がついたのは、あなたが案内してくれたお陰
苦しみながら出した答えは、間違いではないと言い切れる
団結せよ、──そして休暇は楽しむことがドイツの理念でしょう?
だから愉しみましょう、ひととき一緒に
吹き抜ける風に混じって、秋の虫の鳴く声が聞こえていた。竹垣に縁取られた道は青みがかった闇に沈んで、どこまでも果てなく続いているかに見える。
青竹の葉擦れに誘われるまま踏み入った道の半ばで、クラーラ・シャーフ(白日夢の陥穽・g06521)は足を止め、羊を描いた円い団扇を口許に添えた。
(「もう、九月も終わりね」)
本来ならば、故郷では丁度オクトーバーフェストの開かれる時期だ。父なるラインの畔では、今年最後の火祭りも催される頃だろう。そんな賑やかな祭も決して嫌いではないのだが。
(「こんな風に穏やかな夜を過ごすのも、素敵ね?」)
仰げば道に差し掛かる竹の葉の先には、青地の浴衣の胸に輝く星座と同じ、カシオペヤ座の二等星がきらきらと耀いていた。淡い黄色の和紙に大輪のラナンキュラスをいくつも描いた花燈籠を手に提げて、クラーラは竹の小径をさらに奥へと分け入っていく。
すると――行く手に、独り立つ人影を見つけた。
「……ハルトヴィヒ?」
呼べば、顔見知りの時先案内人はくるりと此方を振り返り、彼女に気づいた様子で鋭い氷晶の瞳を細めた。その足下では、奇妙な――神輿飾りを背負ったパンツァーハウンドが、ぱたぱたと長い尾を振っている。
「あなた、浴衣も似合うのね。素敵よ」
「……そうか」
微笑みを向ければ、短く気のない返事が返った。戦うこと以外にはとんと無頓着な彼のこと、別に悪気はないのだろう――浴衣を着て祭を楽しむということがどういうことか、何をするのが正解なのか、いまいち分かっていないのに違いない。ただ、こういう場所に彼がわざわざ足を向けたのは、一つの変化だともクラーラは思う。
「蟠りが解けたわけではないのだけど、一応の決着はついたのだもの。……忘れ得ぬものを抱えて進むなら、仲間がいる方が良いわ」
時の停まった世界に取り残された人々がいる。
紛い物の歴史からこの世界に転び出て、消えずに遺った者もある。
刻逆が起ったその瞬間から、万事が後腐れなくというのは土台無理な話であったのだろう。ただそれでも、一の結果を二にすることはできる。
「少なくとも……私の気持ちの整理がついたのは、あなたが案内してくれたお陰」
逃げずに向き合ったからこそ、苦しみながら出した答えが、『今』が、間違いではないと言い切れる。にこりと眦を和らげて、クラーラは言った。
「団結せよ。そして休暇は楽しむことが、ドイツの理念でしょう?」
だから今は心の赴くまま、この時間を楽しめばいい。そうかもな、と言葉少なに返す少年の声に、棘はなかった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】がLV5になった!
効果2【ガードアップ】がLV9になった!
神代・深紅
【夜中】4人【C】【お任せ】
手にした燈籠が幻想的に照らす竹林で
静謐な小径で目を閉じ、秋風の音に耳を澄ませる
普段の眠らない街の明るい夜も嫌いじゃないけど、こういう静かな夜もいいものだね
川のほとりを歩けば紅葉の姿に目を引かれ
秋っていいよね。過ごしやすいし、何より色が綺麗だよね。紅葉の深い色味ってどうしてあんなに魅力的なんだろうね。詫び寂びってやつかな
少し涼しくなってきて、少し寂しい色を見てもうすぐ今年も終わりかぁって思うこの時期がボクは好きなんだ
ね、キミたちは今年やり残したこととかある?
ボクもみんなと楽しい時間が過ごせたし今年はあんまりやり残した感じしないな
今年もあと少しだけどまた遊びに行こうね
渕上・澪乃
※アドリブ歓迎
【夜中】の皆と散策をするよ 【お任せ】
京都自体ほとんど来たことがなかったんだけど、いい場所だね。
嵐山って紅葉の名所みたいだから涼しくなってきた今の時期だとちょうど見頃なのかな?
景色の中に紅が映えてすごく綺麗。
この燈籠の光もとても幻想的だし。
静かな雰囲気にピッタリだね。
やり残した事かぁ、何だろう……
あえて言うなら、ここの皆についてまだよく知らない事ばかりだからもっと知っていくことかな?
なんて、今この瞬間からでも出来ることなんだけどね。
ここに来れてよかった。
今日来れなかったメンバーともいつか色んな場所へ行けたらいいね。
白々・白
【夜中4】【散策】【お任せ】
初めての京都、そして幻想的な花燈籠
わ、わ!ここが竹林さんなんだねっ
秋さんの色と風。そして秋さんの匂いがするのっ
紅葉さんの紅って、すごく彩りを添えてくれて花燈籠さんの灯りと相まって、とても綺麗だねっ
風情があって静かで心地いいの
物語の世界っていうのも素敵だねっ
寂しげな雰囲気でも、ハクもこんな素敵なところにみんなと来れて嬉しいのっ!やり残しは同じくないのですっ
1年って、あっという間だね。でももしやり残したこもがあっても、また来年夜のみんなと遊びに来れたらいいねっ!もちろんまだ終わらないうちにもっと、想い出つくろうねっ
花室・咲
【夜中】の皆さんと一緒に散策します。
【お任せ】
本当、秋の色ってとっても綺麗ですよね。
ちょっぴり寂しげですけれど、不思議と心が落ち着くような暖かさも感じちゃうというか。
花燈篭の灯りと、秋色に彩られた風景に何度も目を奪われてうっとりしながら散策を続けて
小さな灯りと一緒に、秋に染まった素敵な景色を巡っていると、なんだか物語の世界に入っちゃったような気持ちになっちゃいますね。
わたし、皆さんと一緒に過ごせた、今このひとつひとつの瞬間がとっても愛おしくて幸せで、やり残したことなんて無いかも……?
あっ、でもでも、まだまだ今年が終わるまでの時間で、沢山の思い出をもっともっと作れたら嬉しいなぁって。
「わ、わ! ここが竹林さんなんだねっ」
初めての京都、そして幻想的な花燈籠に高揚を抑えきれない様子で、白々・白(夢織人・g06558)が言った。手にした新橋色の鮮やかな燈籠には白い六花が染め抜かれ、青一色で描かれた山茶花が咲いている。
「秋さんの色と風。そして秋さんの匂いがするのっ」
青竹の林の向こうに覗く木々の枝は宵闇に沈んで、しかし燈籠の灯りに照らしてみれば、本来の彩を取り戻していく。黒々とした影となって垣根の路に差し掛かる竹の梢はさらさらと揺れて、清らかな気配を醸し出していた。
竹垣に縁取られた小道の只中で静かに目を閉じ、秋風に耳を澄ませることしばらく。清涼な空気を取り入れるように大きく深呼吸をして、神代・深紅(真偽の仇花・g07183)は言った。ショートブーツの足下には、深緋に黒一色で影絵の彼岸花を描いた燈籠が赤い火影を落としている。
「普段の眠らない街の明るい夜も嫌いじゃないけど、こういう静かな夜もいいものだね」
秋はいい。空気は爽やかに乾いて過ごしやすく、何より季節の色が魅力的だ。例えば紅葉一つをとっても、赤に黄に色づいてその葉は一つとして同じものがなく、趣深い。それもまた、ひとところに留まることなく行き過ぎる季節の『詫び寂び』というものなのだろう。
うん、と小さく頷いて、渕上・澪乃(月の番人・g00427)が言った。
「京都自体ほとんど来たことがなかったんだけど、いい場所だね」
嵐山は、紅葉の名所だともいう。見頃というにはまだ少し早いが、吹く風も涼やかになりつつある今、渡月橋の辺りから望む山々も冬にかけて徐々に紅く色づいていくのだろう。吸い込まれるような群青に、白い月と無数の星。銀河を閉じ込めたような角燈籠を掲げて、澪乃は続けた。
「この燈籠の光もとても幻想的だし。静かな雰囲気にピッタリだね」
「ええ、本当に」
桔梗、竜胆、女郎花――黄に橙に移ろう地色に秋の百花を敷き詰めた燈籠を掲げて、花室・咲(落英・g06950)がにこやかに応じる。
「燈籠も秋の色も、とっても綺麗ですよね」
花燈篭の小さな灯りと、夕闇に沈む秋の風景。幽玄の景色を見つめていると、そのまま吸い込まれてしまいそうな錯覚に陥る。
「こうしていると、なんだか物語の世界に入っちゃったような気持ちになっちゃいますね」
うっとりと周囲の景色に見入ったまま、咲は微笑む。うんうんと頷いて砂利道に敷かれた石を跳ねるように辿りながら、白が同意した。
「風情があるって、きっとこういう感じなんだろうね。静かで、心地よくて、物語の世界っていうのも素敵っ」
鮮やかに光り輝いた夏から、冷たい銀色の冬へ。少しずつ色褪せていく世界の、最後の耀き。燃え上がるように華やかで、けれどどこか寂しい秋の色。なのにそこには不思議と心が落ち着くような暖かさもあって、深紅はふわりと口許を綻ばせた。
「少し涼しくなってきて、少し寂しい色を見て――もうすぐ今年も終わりかぁ、って思うこの時期が、ボクは好きなんだ」
ねえ、とくるり、仲間達を振り返って緋色の天使は言った。
「キミたちは今年やり残したこととかある? 因みにボクは――みんなと楽しい時間が過ごせたし、そんなにやり残した感じはしないんだけど」
「やり残したこと……? うーん……、なんだろう」
はてと小首を傾げては肩に掛かる黒髪をさらりと揺らし、澪乃は少し考えてから応じた。
「あえて言うなら、ここの皆についてまだよく知らないことばかりだから……来年は今よりもっと、知っていけたらいいとは思うかな」
別に今この瞬間からでも、できることではあるのだけど――そう言ってくすりと笑みを零せば、釣られたように笑って咲が後を継ぐ。
「わたしは、皆さんと一緒に過ごせた、今このひとつひとつの瞬間がとっても愛おしくて、幸せで……やり残したことなんてないかも?」
「ハクも、やり残しはないのですっ。こんな素敵なところにみんなと来れて、嬉しいのっ!」
竹垣の小径をくるくると踊るように跳ね行けば、白の通った後には燈籠の蒼い軌跡が残る。暗がりに灯る四つの明かりは色も形もいずれも違って、けれどそれぞれに美しい。
花色の長い睫毛を伏せ気味にしてしばし微笑ましくその光景を見つめてから、咲はあっと小さく声を上げた。
「でもでも、まだまだ今年が終わるまでの時間で、沢山の思い出をもっともっと作れたら嬉しいなぁって思いますよ」
「勿論。今年もあと少しだけど、また遊びに行こう」
にんまりと笑って、深紅が応じた。一日は長く、一年は短い――何もかも思うとおりに成し遂げることはできないけれど、でも、それでいいのだと白は笑う。
「もしやり残したことがあっても、また来年、みんなで遊びに行けばいいんだよ!」
「そうだね。今日ここに来れなかったメンバーもいることだし」
ここにはいない仲間達の顔を一人一人思い浮かべれば、『次』の機会がまた楽しみになる。やんわりと淡い笑みを浮かべて、澪乃は言った。
「いつか、色んな場所へ行けたらいいね」
そして来年も、その次の年も、共に過ごせたら――重ねた時間と記憶は、掛け替えのない絆になっているはず。行こうかと促す澪乃に応じて、四人は再び竹林の底に肩を並べ、歩き出した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
【現の夢】がLV3になった!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV10(最大)になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
鐘堂・棕櫚
【KB】
4人で【A】
散策の前に、花燈籠を自作してみませんかと
絵付け体験に皆さんと飛び込んでみます
花燈籠と言うぐらいですし
やっぱり花の絵は欲しいところですか?
お魚と雨の季節の花って親和性あるんですね、流石リビトさん
骰さんのは花見で酔っ払った鬼みたいでちょっと面白がってみたり
梓馬さんが冬の花なのはちょっと意外ですね、わあライさん可愛い
俺は白百合と猫の絵のつもりですが
そう見えないのは、まあ、俺の絵心がゼロなせいです
皆さんのフォローが心に染みますねえ…!
折角ですし記念に撮影でもとスマホ取り出して、皆に向け
あ、じゃあお言葉に甘えて俺も混ざります!
季節を一巡りした花々と皆の笑顔が眩しい一枚になりそうですね
津・リビト
【KB】
A
ああ、折角なら自分で描いた燈籠を持って歩きたい
筆を持って紙燈籠と向き合う
何を描くか迷ってしまうな
俺の好きなものはさかなだ
何度も描いた魚を泳がせつつ
筆の動きを止めて考える
――花、花、か
思い出したのはキッチンカーで貰った紫陽花
雲のような絵を隣に添えた
よし、出来た。上手に描けた気がする
やりきった顔で三人に見せて
棕櫚の描いた猫、可愛いな
その花はなんて言う花だ?とても綺麗だ
骰が描いた赤鬼は……ふふ、豆を投げたくなるな
鬼も花が好きなのだろうか
梓馬、絵上手だな
もふもふな白犬可愛い
雪の上を楽しく駆け回りそうだ
四季の花が燈籠に咲いて良いな
棕櫚も一緒に写ろう
四人の思い出だからな
周りの人に声を掛けようか
鬼歯・骰
【KB】
A
風情のある灯りだな
…絵付けなんてした事ねぇが、頑張るか
自分で描くってのも普段やらねぇから
良い思い出になりそうだ
好きな花ねぇ
絵は人の事言える程得意じゃねぇんだがと
思案にくれて燈籠に描くのは薄紅の桜
花びら五枚あればそれっぽく見えるだろ、多分
赤鬼を添えたら季節外れに花見してるみたいになったが
まぁ、いいか
リビトの魚はやっぱ上手く描けてる
隣のは…なるほど、梅雨の頃を思い出すな
ツリガネの猫は予想通りなんだが
隣の花はなんだそれ…百合か…?
日野のやつはライいるじゃねぇか、似てる
ってか手慣れた感じで上手い
写真に映る、並んだ花は四季折々だが
誰が描いたか分かるのも面白い
灯りをつけるのも楽しみだな
日野・梓馬
【KB】
いいね、楽しそう!
絵付けも久しぶりだなあ、よくしてたのは扇子にだけど
ふふん、ボクこういうの得意だよ!
うーん、花かあ
胸を張ったものの描く物が浮かばず
みんなの描いているのが見えてからピンと来た
じゃあボクは山茶花にしよう
愛犬のライも一緒に描けば満足げ
冬の花だけど、みんな揃えば四季っぽくない?
リビトくん上手い!魚が空も泳ぐみたいで可愛いね
骰くんのもいいね、桜と鬼って格好良い!
棕櫚くんのは…大丈夫!何とか解る、きっと多分!
スマホにピースで満面の笑み
いいね、みんなでも撮ろう!そしてボクにも送って!ボクはしゃぐとスマホ壊すから!
並ぶとまた雰囲気あるね、灯ったら綺麗だろうな
散策するのも楽しみになるよ!
「絵付けなんて久しぶりだなあー!」
頭上に吊られた電球の熱が、ほの暖かなテントの下でのことだった。背もたれのない長椅子の上、手足を揃えてちょこんと座った綿飴のような犬の隣に並んで、狐の三つ尾がはさはさと揺れる。金色の瞳を爛々と輝かせて、日野・梓馬(啓雷跋扈・g05281)は作業台上の燈籠を取り上げ、ふふんと小さく鼻を鳴らした。
「ボクこういうの得意だよ! よくしてたのは扇子にだけど」
用意された燈籠は、ごく一般的な四角柱の燈籠だった。四面に張った和紙は白無地から薄らと色のついたものまで様々で、好きなものを選ぶことができる。淡い藍色の一挺を手に首を捻って、津・リビト(釣人・g00145)が言った。
「絵か……何を描くか迷ってしまうな」
「絵付けなんてしたことねぇからな」
卓上の顔料を睨んで、鬼歯・骰(狂乱索餌・g00299)が応じる。しかし不服気に響くその言葉ほど、その表情は硬くはない。口角をニヤリと歪め、鬼人は続けた。
「ま、頑張るとするか。自分で描くってのも普段やらねぇから、いい思い出になりそうだ」
「ああ。せっかくなら、自分で描いた燈籠を持って歩きたい」
ふわりと表情を和らげて、リビトは筆に水を含ませた。何を描こうか悩む時間も、こうした体験の醍醐味だ。
嵯峨野散策に繰り出す前に、花燈籠を自作してみませんか――という鐘堂・棕櫚(七十五日後・g00541)の誘いに応じて、ふらりと絵付け体験に訪れたのが十数分前。畳一畳分もない作業台は大柄な男性陣が肩を並べるには少々小さいが、この際それは不問にするとしよう。
「それにしても、風情のある灯りだな」
テントの軒先に並んで吊られた燈籠達を仰ぎ見て、骰が言った。一つとして同じもののない燈籠は彩も絵柄もさまざまだが、総じて淡い色の和紙に花を描いたものが多いように思う。
なるほど、と頷いて、棕櫚は手元の燈籠に目を戻した。
「花燈籠と言うぐらいですし、やっぱり花の絵は欲しいところですかね?」
「うーん、花かあ」
どうしようかなと目を泳がせて、梓馬は大きな狐耳を倒した。得意だよ、などと胸を張ってみせたものの、描けることとアイデアがあることは別物なわけで――ちらりと傍らを覗き見れば、恐らくは特段、描く物の当てもないのだろう骰が難しい顔で短い黒髪を掻いている。
「好きな花ねぇ……」
絵心が全くないというほどではないが、人のことをとやかく言えるほど、大した腕前があるわけでもない。余り凝り過ぎても扱い切れないし、さりとてシンプル過ぎても物寂しい。無言で思案に暮れながら、男は緋い指先で一本筆を取り、しっかりと水を含ませてから紅の絵具を拭った。
「花びら五枚あればそれっぽく見えるだろ、多分」
クリーム色の燈籠に描き出すのは、季節外れの花桜。まずは茶色で枝の線を引き、水と絵具を含ませた筆先を花弁の形にそっと押し当てていけば、薄紅の花が次々と燈籠の上に咲き始める。意外にも繊細な筆使いで枯れ枝に花を飾ってから、骰は細い筆に持ち替えると、流れるような黒い線と抑えた彩で赤鬼の絵を添えた。
「……こんなもんか?」
桜の下にどっかりと座った鬼は、どこか筆を持つ鬼人に似ているような――似ていないような。首を捻ったその手元を覗き込んで、棕櫚はからかうように言った。
「骰さんのそれは、鬼さんですか? 花見で酔っ払ったみたいですね」
「ふふ、豆を投げたくなるな。鬼も花が好きなのだろうか」
明らかに面白がっている様子で棕櫚は笑い、それに釣られたものかリビトもまた頬を緩める。そうだな、と返しかけて引っ掛かり、骰は言った。
「いや、豆は投げるなよ。……てか、酔っぱらったは余計だろ。赤鬼ってのはもともと赤いもんだろうが」
「あはは、桜と鬼って格好いいよね!」
そう言って、梓馬はけらけらと笑い飛ばす。こうなると負けてはいられないと、リビトは燈籠を手に取り上げた。
「俺の好きなものは――さかなだ」
白い絵具で波紋を描き、その合間合間に濃い目の青灰色で短く線を引いていけば、不思議なことに小さな青の線と点は魚になって泳ぎ出す。けれどそれだけでは少し物足りなくて、リビトは筆を動かす手を止めた。
「――花、……花、か」
自分でも描けそうな、季節の花。それもできれば、この淡い青地に合うようなものがいい。
「……そうだ」
思い出したのは、新宿島の片隅に停まったキッチンカーでもらった、手毬のような紫陽花。雲を描くようなタッチで点々と置いた青と紫は、確かな花の形を成して魚達の泳ぐ川面に咲き誇る。寒色系の色彩が融け合う水景は美しく、棕櫚は感心しきりで言った。
「お魚と雨の季節の花って親和性あるんですね。さすがリビトさん」
「魚が空を泳いでるみたいで可愛いね!」
釣り堀を経営するほど魚好きのリビトだけあって、魚のいる風景を描き出すのは慣れたものだ。思った以上にレベルの高い骰とリビトの燈籠を眺めて、梓馬は左手で机に頬杖をつき、むーと唇を尖らせる。
「どうしよっかなあ」
右手に細筆を取り回しながら見やれば、傍らでふにゃふにゃと笑って首を傾げるパンツァーハウンドが愛らしい。釣られて同じ顔になりながら――ふと、思い付いた。
「じゃあ、ボクは山茶花にしよう」
骰の桜、リビトの紫陽花。季節の花を描くなら、それがいい。ひとたび手をつければ絵筆は薄い和紙にさらさらと、紅白の山茶花を咲かせていく。
「梓馬、絵上手だな」
ためらいのない描きぶりに、リビトは素直に感嘆の声を上げた。それほどでも、と満更でもない様子で三本の尻尾を振って、狐は上機嫌に筆を走らせる。ひょこりとその手元を覗き込んで、棕櫚が言った。
「冬の花というのはちょっと意外ですね」
「まあね。でもほら、みんな揃えば四季っぽくない?」
慣れた手つきで最後に描き加えるのは、傍らに座す犬一匹。思わず小さく笑みを零して、リビトと骰が口々に応じる。
「可愛い犬だな。雪の上を楽しく駆け回ってそうだ」
「それライか? 似てるし、上手いもんだな。……で」
敢えて言及してこなかったもう一名と、その作品を振り返って骰は言った。
「ツリガネの猫は予想通りなんだが……」
もの言いたげな眼差しで棕櫚の手元の燈籠を見つめ、鬼人は珍しく言葉に窮した様子で、ほんのわずかに首を捻った。淡い黄色の薄紙には、一匹の猫――誇張された耳と尻尾が、辛うじて猫だと主張している――と、何らかの花らしきものが描かれている。
「猫、可愛いな。その花はなんて言う花だ? とても綺麗だ」
「俺は白百合のつもりだったんですけど、まあ伝わってませんよねえ!」
綺麗、とは言われていても、比較的特徴的な百合の花が百合だと伝わっていないのだから、客観的な評価は推して知るべきである。善意しかないリビトの微笑みは胸に沁みて、いいんですよと棕櫚は言った。
「まあ、それもこれも俺の絵心がゼロなせいですから。どうぞお気になさらず」
「大丈夫、なんとか解るよ! なんとか――きっと! 多分だけど!」
「あの、本当にもう大丈夫なので……本当に、ええ、というかそれ以上は勘弁してください」
優しいフォローが沁み過ぎて、少々痛い。そんなことよりと強引に話題を打ち切って、棕櫚は浴衣の袖からスマートフォンを取り出し、友人達へと向けた。
「せっかくですし、一枚いかがです?」
答えを待つまでもなく、ぱしゃりとシャッター音が鳴る。咄嗟に笑顔とピースで映り込み、リビトと梓馬は口々に言った。
「どうせなら、棕櫚も一緒に写らないか?」
「いいね、みんなで撮ろう撮ろう! で、後でボクにも送って!」
今日のこの夜は、四人の思い出だ。それはきっと、誰が欠けても成り立たない。露店のスタッフに頼んで作業台を囲む姿を写真に収めてもらったら、四季折々の花燈籠を引っ提げて、夜の嵯峨野に繰り出そう――明かりを灯せば個性豊かな燈籠は、誰が描いたか一目瞭然なのもまた面白い。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】がLV2になった!
【隔離眼】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【動物の友】がLV2になった!
効果2【フィニッシュ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【ドレイン】がLV2になった!
雪白・硝子
紬さま(g01055)と【A】
京の都は、はじめての身
折角のふたり旅ですから
どうせ抱くなら特別なもの
ね。そう思いますでしょう?
ころりわらって、筆をとる
けれど筆先は惑うばかり
――ああ、わたくし
絵の心得はないのでした
お手本をくださいまし
菊花を咲かせたくあるのです
導に綻び、描く花に眸おとし
すき。――それに大切です
手向けと添うた花ですもの
棺を極楽とはしませんが
眠りつく宵に花のないこと
すこうし、さみしくて
ですから、傍に灯そうかと
倣うものは不格好なれど
それも、特別であって
裡も華やぐでしょうに
紬さまは寂しげだこと
紬さま
わたくしには口がありますよ
ついと袖引き囁いて
今宵は貴方に祈りましょう
空く裡も灯りますよう、と
織乃・紬
雪白ちゃん(g01203)と【A】
地酒を味わい尽くす心算が
真逆同行を願われるとはね
まア、解らンでもないが!
然して、紙燈籠の絵柄かア
何を描くか捻る頭を、傾ぎ
手本になるかは微妙だぜ?
あンま期待しないで頂戴よ
菊、菊、髪飾りも菊よな
君の好きな花なの?
練習紙等に筆滑らせつつ
紛れて造形の見本と眺め
かろく問うた心算ながら
似た心境、に揺れる筆を
誤魔化すように手本渡し
成程、裡も温もりそうね
――俺も梔子にしよッかな
描く梔子の花に重ねる姿が
俺何ぞに添うてくれるかは
夢でない彼女に聞きたいが
叶わないのだから、せめて
灯す宵に夢で逢えればと
つと、引かれる裾
容に出たかと苦く笑えど
ン、後で話に花咲かせよ
今は紙灯籠に確と花をね
白熱灯の赤らんだ明かりが、作業台を煌々と照らしていた。細筆から平筆までさまざま並んだ絵筆の一本を取り上げて、織乃・紬(翌る紐・g01055)はいやはやと、紫煙の燻る息を吐いた。黒地の羽織の長い裾は鮮やかな緋鮒の尾にも似て、畳の上に揺蕩っている。
「地酒を味わい尽くす心算が、絵付けに同行を願われるとはね」
「せっかくのふたり旅ですもの。どうせ抱くのなら特別なものがいいでしょう?」
そうは思いませんか、と、柔らかな微笑で雪白・硝子(ななつのやくそく・g01203)は言った。何しろ、これが初めての京都なのだ。舌で味わうのも悪くはないが、形に残る思い出もまた趣深かろう。
分からんでもないが、と苦笑して、紬は改めて卓上に据えた燈籠に向き直った。四面に淡い象牙色の和紙を張った木組みの燈籠は無地のキャンバスと同じだ。さてと顎髭に手を添えて、男は小さく首を捻る。その耳元で、赤い耳飾りがちらりと揺れた。
「紙燈籠の絵柄かア。何を描いたもんかねえ」
ああでもないこうでもないと唸る姿にころころと笑って、硝子は紅に白を重ねた袖でそっと筆を取り上げる。けれどその筆先もまた、燈籠には触れぬまま惑うばかりだ。残念ながら硝子には、絵の心得がない――描きたいものは決まっていても、手が追い付いてこないのだ。
「紬さま、お手本をくださいまし。菊花を、咲かせたくあるのです」
「菊? 手本になるかは微妙だぜ?」
そうだなあと思案して、紬は作業台の端に手を伸ばし、試し書き用の藁半紙を数枚取ると重ねて机の上に置いた。慣れた仕種で筆に水を含ませ、黄色の絵具をつけてから、男はへらりと笑って続ける。
「あンま期待しないで頂戴よ」
ひとたび筆先を紙面に落とせば、言葉とは裏腹、その右手は流れるように大輪の菊を描き出す。密集する花びらを一枚ずつ描き加えながら、ふと思い立ち、紬は手を止めた。
「菊、菊…………その髪飾りも菊よな」
雪のような長い結髪を、飾って咲くのは深紅と純白の手毬菊。ふうん、と知った顔で花をなぞり、紬は言った。
「君の好きな花なの?」
「すき。――それに大切です」
白く長い睫毛を伏せて、明瞭に、そして少しだけ寂しげに、硝子は応じた。
これが手向けと添うた花だ。その彩と形は、よきにつけ悪きにつけ、彼女にとって特別なものに相違ない。
「棺を極楽とはしませんが、眠りつく宵に花のないことが、すこうし、さみしくて……ですから、傍に灯そうかと」
「……そッか」
軽い気持ちで問うたのに、返る答えには覚えが在りすぎて。一瞬、揺らいだ筆先を誤魔化すように最後の花弁を描き加え、紬は練習紙を差し出した。数輪の菊を描いた藁半紙を両手で大事に受け取ると、硝子は唇を綻ばせ、まだ色のない燈籠の傍らにそっと据える。倣い描く菊の花は、手本ほどに整ってはいないかもしれないけれど、その不格好さもまた今宵の『特別』に変わって、胸の裡をときめかせた。
「――俺も梔子にしよッかな」
にまりと口角を上げ、紬は絵筆の先を洗うと、少し水を切ってから白い絵具を乗せた。
危なげなく描き出す梔子の花に重ねる面影は、今はもう遠い過去だ。
(「俺なんぞに添うてくれるかは、夢でない彼女に聞きたいが」)
叶わぬのならば、せめてこの燈を灯す宵には、夢の中で逢えればいい。
一筆、一筆描き加える白い花弁は、美しくもどこか儚い翳を帯びている。
「……紬さまは寂しげだこと」
そんなに、顔に出ていただろうか。思わず苦い笑みを浮かべて顔を上げると、いつの間にか、硝子がこちらを見つめていた。ほんの少し悪戯な眼差しで男の羽織の裾を引き、少女は微笑む。
「紬さま。わたくしには口がありますよ」
「ン。後で話に花咲かせよ」
今はもう少しこの筆に、消せない想いと記憶を載せて。今宵咲く花と明かりが、その胸の空白を温めてくれますように――そう、密かに祈りながら。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】がLV2になった!
【植物活性】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
咲樂・祇伐
🌸送櫻館
A
此処が京都
美しい場所ですね
花札浴衣がひらりと秋空に舞い、兄と友に振り向き微笑む
お兄様、雪璃さん!
燈籠に絵付もできるようですよ
折角ですから私達の花燈籠をつくりましょう?
絵を描くのは得意ではないけれど、意気込みながら描くのは桜色
桜と鴉の絵!
不格好でカッコは良くないけれど
……こ、これは鴉くんです!
お兄様は鬼灯ですか?すごく上手
雪璃さんは?
わぁ、可愛い!雪璃さんらしい好きがいっぱい詰まっています!
丸い燈籠に浮かび上がる歪な桜の鴉の絵
ゆらり川辺を歩む時を想像する
少し不格好になっちゃったけど
優しい燈が私達の道行を照らしてくれそうです
鬼灯に狐猫に桜が並んで照らしてくれる
暖かくて嬉しくて
私ね、幸せ
茜來・雪璃
🦊送櫻館
A
んー!やっぱ京都いいね
あはは、うんうん
祇伐も神樂も浴衣よく似合ってるよ
ぉ、絵付けできるの?
いいね、やろやろ!
さてと、なーに描こうかなー
うぅむ、と悩みつつ
九尾の狐と猫っぽいシルエットをさらり
あとは蝶と色とりどりのお星さま
仕上げに桜花弁を散らしたら完成!
お月様はまあるい花燈籠そのものだよ
ぉ、祇伐は桜と…桜と……黒いのはなあに?
なるほど、鴉くん。確かに黒いね
神樂はー?わ、鬼灯上手!
私?狐と猫と…いろんなの!
火を灯すとまた違って見えるね
川辺が色んな灯りでいっぱいだ
蛍とは違うけど…こういうのも綺麗だよね
あは、柔らかい光っていいねぇ
今日の思い出も一緒に灯して
みんなを優しく導いてくれたらいいな
咲樂・神樂
⚰️送櫻館
A
キョウト…秋麗の良き日和だわ
闇夜に咲く彼岸花、桐に鳳凰の浴衣を翻して秋色に染まる世界を見渡す
今日の妹も実にかぁいらしい
雪璃もそう思わない?
燈籠に絵付を?
いいわねぇ
とっておきをつくりましょう
あたしが描くのは鬼灯
花言葉は欺瞞
けれど灯す光は、誠なの
なんて言葉にはせず──祇伐?
それは何?
随分とユニークな……ぷっ
かぁいいわよ?
あまりの愛嬌に笑いを必死に堪える
雪璃は……へぇ、上手なのね!
あなたの好きな物を詰め込んだよう
愛が伝わってくるわ
橙の燈が川辺に映る様もきっと風流よ
揺らして歩むのも楽しみになっちゃう
みちゆきを
そうね
明るい光が照らしてくれる
惑わぬように
大切なものを見失わないよう
勿論
私も幸せだ
「んー! やっぱ京都いいね!」
秋色に染まる古都の風を胸いっぱいに吸い込んで、茜來・雪璃(朧夜ノ蝶華燈・g00793)は言った。京福嵐山の駅舎を背に左右に続く商店街には祭の灯が明々と点り、街には誰もがじっとしていられないような、そわそわとした空気が漂っている。色とりどりの光を放つ吊り燈籠を見渡して、咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)は甘い柘榴石の眸を眩しそうに細めた。
「本当に美しい場所ですね」
「まったく、秋麗の良き日和だわ。……に、しても」
細い顎に三本指を添え、咲樂・神樂(離一匁・g03059)は至って真顔で妹の元へ詰め寄ると、まじまじとその顔を覗き込む。満開の桜を閉じ込めた水晶の角と翼。同じ色の浴衣は、大きめのフリルをあしらった和洋折衷の装いだ。着物の柄に合わせた花札型の髪飾りは吊り燈籠の明りを受けて、きらきらと金色に輝いている――。
「あの――どうかしましたか」
黙り込んだ兄の意図が分からずに、祇伐がおずおずと口を開く。すると一転、眩いばかりの笑顔に返って、神樂は言った。
「今日も祇伐は、実にかぁいらしいわねぇ」
「ふえ?」
拍子抜けした様子で、少女は惚けた声を上げた。それすら可愛いというように眉を下げ、さすがあたしの妹ね、と神樂は笑う。
「ね、雪璃もそう思わない?」
「あはは、うんうん、可愛いよ。浴衣もよく似合ってるし――神樂もね」
まったく呆れるほど仲のよい兄妹だと苦笑しつつ、雪璃は応じた。闇夜に似た暗色の木綿に彼岸花を咲かせた浴衣は、美しい少年をいつもよりも一回り大人びて見せる。でしょ、と自信たっぷりに親指を立てる仕草は、至っていつも通りの彼なのだけれども。
あ、と小さく声を上げて、祇伐が夜明りの道へ駆け出した。
「あっちで、燈籠に絵付けもできるようですよ」
「ぉ、いいね、やろやろ!」
取り戻した京の街。この先いつでもまた訪れることはできるけれど、今宵の祭は今宵限りだ。よしきたと桐の飾りの袖を捲って、神樂は言った。
「よーしそれじゃ、とっておきをつくりましょう!」
絵付けを体験できる場所はいくつかあるようだったが、三人が選んだのは桂川へと向かう道の両側に並ぶ店舗の一角に設けられた体験所だった。係員の案内に従って好きな色と形の紙燈籠を選び、さまざまな顔料を並べた作業台に着席する。丸々とした一挺を台に置いて、雪璃は袖を捲り上げた。
「さてと、なーに描こうかなー」
世界に同じものは二つとない、彼女達だけの花燈籠。うぅむと小さく唸って筆を取り、雪璃は燈籠の曲面に九尾の狐のシルエットを描いていく。
「うん――いい感じ!」
猫を加え、蝶を加え、色とりどりの星を加え。仕上げに桜吹雪を散らしたら、完成だ。淡い黄色の燈籠は、夜の中では満月のように浮かび上がるだろう。
「でーきた!」
「わぁ……可愛い! 雪璃さんの好きがいっぱい詰まっていますね!」
「へぇ、上手なのね。あなたの愛が伝わってくるようだわ!」
友人達に口々に褒めそやされては悪い気もせず、雪璃はそれほどでもと白金の毛並みの耳を掻いた。照れるな照れるなと笑って、神樂は自身の手元に視線を戻す。さらさらと淀みなく踊る筆先で、描き出す見事な造形は。
「お兄様は鬼灯ですか?」
すごく上手、と素直な感嘆を口にして、祇伐は兄の手に見入る。そうよとさらり応じて、神樂は和紙の上に炎のような鬼灯を点々と描いていく。花言葉は、欺瞞。けれどもそこに灯す光は、確かな誠――などと、敢えて口にはしないけれど。
「さて、後は祇伐の……祇伐の?」
危なげもなく作業を終えて筆を置き、神樂は傍らに座る妹の手元に目を移すと、きょとんとして瞳を瞬かせた。雪璃もまた反対隣から身を乗り出して、どれ、と覗き込み――そして目を瞠る。
えーと、と続く言葉を探して、少女は言った。
「それって、桜と……桜と…………黒いのはなあに?」
「こ、これは鴉くんです!」
「なるほどぉ……?」
確かに黒いね? と語尾を上げ、雪璃はすいと視線を逸らした。そのやり取りに堪え切れず吹き出して、神樂は声を震わせる。
「随分とユニークな……かぁいいわよ? いや、本当に」
「確かに不格好で、カッコよくはないですけれど……!」
決して絵心のある方ではないけれど、大事なのは気持ちだ。いいんです、と胸を張って、祇伐は完成した燈籠を棹の先に括りつけた。早速明かりを点してみれば、ぼんやりと温かい光が薄紙を透かして洩れ出でる。浮かび上がる桜と鴉の絵は少々歪だが、この世に一つだけの味があった。
「あは、灯を点すとまた違って見えるね。柔らかい光っていいねぇ」
「橙色の燈が川辺に映る様も、きっと風流よ」
小さな明りを一つ手に提げて、ゆらり、ゆらゆら歩む川辺の彷徨は、きっと楽しく、温かい。優しい明かりは大切なものを見失わぬように、その道行きを照らしてくれることだろう。
「お兄様、雪璃さん」
でき上がった燈籠を浴衣の胸に大事に抱え、祇伐は言った。
「私ね、とっても幸せです」
行ってらっしゃい、と見送る係員の声を背に、三人は夜の嵯峨野へ滑り出す。遠くに望む渡月橋の周囲には、誰かの作った燈籠の無数の明りが蛍のように揺らめいている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】がLV2になった!
【腐食】がLV2になった!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!
花柳・細
レックス(g07184)と
【C】
花燈籠、綺麗よねっ!
燈籠屋さんにお任せしたコレっ
気に入っちゃった〜
レックスのもイーじゃない?
燈を灯し並び歩くは渡月橋
刻逆の前
昼に来たことあるけど
夜歩くのもイーもんね
花燈籠の灯りも相俟って幻想的〜
んっふふ、ホントね!
レックスの故郷は川のそばなの?
せせらぎに思い馳す彼に首傾けて
折角だからさ故郷の話聞かせてよ
名前は知ってる!
あっは、地理は苦手でさ
でも、おっきー川なんでしょ?
へえ、コーなる前から
レグルスとは仲良しなのねっ
月夜の睡蓮?
きっとすっごく綺麗でしょーね!
こんな風に川に月も映ってたのかしら?
あっは、もっちろん!
景色も其処に重ねる想い出も
しっかり味わっていきましょ
レックス・ウェリタス
細(g07664)と
【C】
うん、とても綺麗だ
花燈籠を揺らし
お任せして良かったねと笑う
細のも素敵だよ
燈を導に並び歩く渡月橋
夜はさ、昼以上に見慣れない顔が見えるから心もより踊るのかも
ふふ、こんな幻想的な灯で見る川は初めてだ
夢心地も混ざるっていうのかな、すごく楽しい
川のせせらぎに耳を欹てながらも零さぬ細の聲
うん、直ぐ傍だよ
ナイル川、聞いたこと無い?
そう凄く大きな川
夜にレグルスと水音を聞きに行ったりね
…ん、レグルスはずっと一緒で大切な仔だ
刺客から逃げる為ってのは伏せて
水上に咲く睡蓮も美しかったな
川に映る月は似て
それが花と重なる景色はすごく綺麗だったよ
知らぬ景色に重なる郷愁
もう少し付き合ってくれるかな?
色とりどりの吊り燈籠に照らされた賑いの町角は、人々の笑顔と歓声に溢れている。
「花燈籠、綺麗よねっ! コレっ、気に入っちゃった~」
先端に燈籠を括った棹を上機嫌に揺らして、花柳・細(非花・g07664)は声を弾ませた。釣られるように微笑して、レックス・ウェリタス(Memento mori・g07184)は同意する。
「お任せしてみて良かったね。細の燈籠、とても素敵だ」
「あら、レックスのもイーじゃない? それ、凄く似合ってる」
片や薄黄蘗から琥珀へと移ろう彩を泳ぐ、フリルのような尾ひれが豪奢な土佐錦魚。
片や砂漠の夜を想わす青紫を背景に、白く染め抜いた星々と、一羽の鷹、月下美人。
柔らかな光を放つ燈籠は、いずれも先程立ち寄った屋台で店員に選んでもらったものだ。色違いの燈を導に肩を並べて、二人は祭の喧騒を抜けていく。混雑を極める屋台通りをどうにかやり過ごすと、目の前には開けた景色が広がっていた。
「渡月橋だわ」
滔々と流れる桂川の水面と岸辺をまたいで架かる橋は、鉄筋コンクリート製ではあるが一見すると昔ながらの木造の橋のようだ。一度は時空の狭間に吸い込まれておきながらも、その姿はいつかこの場所を訪れた時と変わらずに映り、細は感慨深げに口を開いた。
「刻逆の前、昼に来たことあるけど……夜歩くのもイーもんね」
「夜はさ、昼以上に見慣れない顔が見えるから。心もより踊るのかも」
ふふ、と秋風のごと軽やかに笑み零して、レックスは言った。
「こんな幻想的な灯で見る川は初めてだ」
「んっふふ、ホントね! 花燈籠の灯りも相俟って、最高に幻想的!」
静かな川面が照り返す祭の灯。
行き交う人々が落としては連れていく、花燈籠の明かり。
色彩に溢れる世界はどこか現実離れして、まるで夢の中にでもいるかのような浮遊感を連れてくる。川沿いの道をあてどなく辿れば、せせらぐ川の音色はどこか優しく、懐かしい。
「……レックスのさ」
「うん?」
どれほどの時間、水音に耳を傾けていただろうか。呼ぶ声に応じて、レックスは傍らの娘へと目を向ける。まじまじと覗く赤い瞳は好奇心に溢れて、真っ直ぐに青年を見つめていた。
「故郷は川のそばなの?」
「……前に話したことがあったっけ?」
聞き返せば、ううんと長い黒髪を揺らして、細は首を横に振った。せせらぎに思い馳せる姿からなんとなく、そうなのではないかと思っただけ――悪戯に微笑む唇に、敵わないなと笑ってレックスは応じた。
「うん、すぐ傍だよ。ナイル川って、聞いたことない?」
「名前は知ってる!」
名前は、と強調してしまってからはっとして、娘は照れたように頬を掻き、続けた。
「あっは、……地理は苦手でさ。でも、おっきー川なんでしょ?」
「そう。凄く大きい」
遥かアフリカの十の国々にまたがる、悠久の大河。その畔に、レックスの故郷は在った。興味津々に覗き込む細に先を促されて、青年はぽつぽつと、いつかの夜を語り出す。
「夜に、レグルスと水音を聞きに行ったりね」
「へえ、コーなる前からレグルスとは仲良しなのねっ」
「ん。ずっと一緒で――大切な仔だ」
実際のところは、そう。彼女が聞いて想像するだろうほどには、楽しい日々ではなかった。夜半のナイルへ繰り出したのが、この命を狙う刺客から逃げるためであったなんて、聞くのも聞かせるのも面白くない話だ。どうせ伝えるのなら、美しいものの方がいい。
記憶の糸を手繰り寄せながら、レックスは続けた。
「水上に咲く睡蓮も、美しかったな」
「月夜の睡蓮? なんて、きっとすっごく綺麗でしょーね! こんな風に川に月も映ってたのかしら?」
「ああ。それが花と重なる景色は、凄く綺麗だったよ」
まるで知るはずもない景色に、なぜだろう――遠い昔に手放したと思っていた、郷愁が重なり合っていく。甘い深紅の眼差しをちらりと傍らの娘へ向けて、青年は柔らかに笑んだ。
「もう少し、付き合ってくれるかな?」
「あっは――もっちろん!」
景色も重ねる想い出も、今宵、この場限りのもの。
しっかり味わっていきましょ、と、咲かせた笑顔はどんな花燈籠よりも、鮮やかに華やいでいる。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
ルル・ムル
【刻々】【C/お任せ】
渡月橋というのですね
ぬけおちてしまわないでしょうか?
レジーナのいうとおり飛び跳ねたらぬけてしまいそうです
ぎぃとなりました
気をつけます
みなさまの紙燈篭の柄もとてもとてもすてきですね
それぞれの雰囲気にぴったりとあっております
ルルのもみてください
そしてみなさまのものもよくよく見せてください
ナタリアもケイもレジーナもしっかりと言葉をかわしてください
ルルも質問攻めをしましょう
鈴虫はおすきですか?
秋の夕暮れにとてもよく似合う音ですね
川のおとも一緒にきこえてきます
どちらもきれいな音です
これが秋でしょうか
すこし涼しくて風もここちよくてしあわせですね
ナタリア・ピネハス
【刻々】の皆さんと秋色探し
【C:燈籠お任せ】
みなさんのあかり、とってもすてきね
模様に合わせて生まれる影の様子が変わるのも面白いわ
……わあ、わあ!
ルルさま、つよく橋を踏んだらだめよ
ぎぃって言ったわ!
ケイさまとレジーナさまとちゃんとおはなしするのははじめて
質問ぜめしてしまいそうで、ぐっと我慢しているのだけれど
だめ、ふたりの顔ばっかり見ちゃう
……え?
全部口に出ていた?いやだ、わたくしったら!
ふふ。ありがとう、そしたら交換こね
あはは!いいわ、ルルさまも。なんでも聞いて!
まあ。これがスズムシ?きれいな声
合唱しているみたいね、すごいわ
肌を撫でる風の涼しさも
耳を擽る沢山の声も心地いい
これが、ニホンの秋なのね
レジーナ・ネイサン
【刻々】【C/お任せ】
此処が渡月橋
名前は知っていたけど
訪れるのは初めてだな、多分
大きな橋だし大丈夫……
いや、飛び跳ねたら抜けちゃうかもね?(悪戯顔でしゃあしゃあと)
皆の花燈籠、どれも良いね
各々、惹かれるものを手にしたらこうなるんだな
燈籠を通して、皆の事がまたひとつ知れるようでうれしいよ
ナタリア、私と螢の顔に何かついてる?
言ってる、思い切り声に出てる
別に質問くらい構わないのに
あなたの事を教えてくれるのと交換なら、ね?
川のせせらぎに混ざる鈴虫の声
うつくしい季節を一層鮮やかに彩ってくれるよう
確かに秋は夕暮れ空って気がする
紅葉の色と似てるからかな
涼しい風の匂いも秋めいてる
改めて、取り戻せて良かったな
夜久野・螢
【刻々】
【C】紙燈篭お任せ
京都の景色…久々に見たような気もして
取り戻せた、って未だあまり実感しづらいけれど
いつ来ても風情があるところだとは思う
…今いる仲間たちとの紙燈篭の柄を並べて
ルルの言う其々らしい、は確かにそうだな
歩きながら眺めても灯りは逃げない気もするけど
ナタリアとレジーナも楽しそうだな
渡月橋を渡って、川のせせらぎを聴いて
スズムシが鳴いてると秋だなぁ…て思うな
秋は夕暮れが良いとか何とか
知っているもの、変わらないもの
変わっていくものもあって
景色も音色もしっかりと
思い出として焼きつけておくとしようか
「ここが渡月橋か……」
悠々と流れる川に掛かる立派な橋を見渡して、レジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)はぽつりとその名を呼んだ。行交う人々が携える明かりを点々と照り返す水面は、宵闇の中にもかかわらず茫洋と光り輝いている。
「名前は知っていたけど、訪れるのは初めてだな、多分」
「とげつきょう、というのですね。……こんなにながくて、おおきな橋、抜け落ちてしまわないでしょうか?」
おっかなびっくり川に架かる橋の上へ踏み出して、ルル・ムル(花頭蓋・g02918)が言った。
「まさか、大きな橋だし大丈夫……いや、飛び跳ねたら抜けちゃうかもね?」
「!」
二色の瞳に悪戯な光を輝かせ、レジーナはしゃあしゃあと言ってのける。びくりと肩を震わせて、ナタリア・ピネハス(Hitbodedut・g00014)は反射的にルルの手を握った。
「わあ、わあ! つよく橋を踏んだらだめよ、ルルさま! ぎぃって言ったわ!」
「ぎぃとなりました……気をつけます」
「気のせいだよ」
ごめんごめんと屈託なく笑って、レジーナは欄干にひょいと腰掛けた。橋の上から来た道を振り返ると、横断歩道の向こうに続く商店街には通り沿いの店と屋台の並びが、まるで別世界のように浮かび上がる。建物と建物の間に渡る吊り燈籠は色とりどりの柔らかな明かりを点して、行き交う人々の頭上をほのかに照らしていた。
「いつ来ても風情があるところだよね――ここは」
風に吹かれるまま欄干に歩み寄り、夜久野・螢(青灰の鍵・g02441)が口を開いた。この国に生まれ育った身には、馴染み深い都の景色。それは久々に目にするような気もすれば、ずっとそこにあったかのようにも思われて、取り戻せたという実感は湧きにくい。ただ――胸の裡から不思議と染み出すような郷愁に似た感傷は、目の前の風景を一際美しく輝かせるようだ。
「それにしても、いいね」
「なにがです?」
切り出したレジーナの声にきょとんと瞳を瞬かせて、ルルが尋ねた。それ、と指し示した指の先には、先程露店で買い求めたばかりの花燈籠が灯っている。木の骨組に和紙を張った四角柱の形状は四人分いずれも同じだが、その色や模様はまったく違っていた。
ルルは濃桃から白に近い淡紅へ、移ろうグラデーションに吹き込んだ桜吹雪。
ナタリアは深海を思わせる群青に、白い輝きを染め抜いた星穹の鏡。
螢は見目爽やかな浅葱から銀へと変わりゆく、真昼の月を戴く空。
そしてレジーナは――灰色の和紙に影絵の花を描いた、墨一色の切り絵風。
胸の前で並べた燈籠を一つ一つ確かめるように見つめて、レジーナは続けた。
「みんなの花燈籠。それぞれ惹かれるものを手にしたら、こうなるんだな……って思ってさ」
燈籠を通してまた一つ、知らなかったことを知ることができる。本当にささやかなことかもしれないけれど、レジーナにとってはそれがどうしようもなく嬉しく、そして愛おしい。
たしかに、と頷いて、ルルは言った。
「みなさまの紙燈篭の柄も、とてもとてもすてきですね」
まるで最初から彼女達一人一人のために誂えられていたかのように、それぞれの雰囲気にぴったりと合った燈籠達。みてください、と差し出すルルに微笑んで、ナタリアはにこやかに頷き、そして足下に視線を落とした。
「本当に、すてき。模様に合わせて、影のかたちが変わるのも面白いわ」
掲げてみれば和紙の色や模様を透かして、石敷きの歩道に落ちる火影は淡い彩を帯びる。角度によって絶えず色と形を変えていく影をうっとりと見つめて――ナタリアは言った。
「ケイさまとレジーナさまと、ちゃんとおはなしするのははじめてなの」
「……え?」
突然、何を言い出したのだろう。独り言のように紡がれた声にきょとんとして顔を見合わせ、螢とレジーナは橋の欄干に背を預けた少女を見やる。しかしその視線に気づいているのかいないのか、ナタリアはたっぷりのフリルをあしらった浴衣の袖を頬に添え、一人続けた。
「質問ぜめしてしまいそうで、ぐっと我慢しているのだけれど……だめね、ふたりの顔ばっかり見ちゃうわ」
「あの……ナタリア?」
もしかして――心の声が出ているのではないか。おずおずと呼んだ螢の声にはっと肩を跳ね上げて、ナタリアはみるみる内に頬を染めた。
「……え? 全部口に出ていた?」
「言ってる、思いっ切り声に出てる」
「いやだ、わたくしったら!」
くつくつと込み上げる笑いを押し殺すレジーナにいっそう羞恥心が募ったのか、両頬を抑えてナタリアはその場にしゃがみ込む。おや、と茫洋とした明け色の瞳を円くして、ルルはナタリアの肩に手を触れた。
「えんりょはいけません。ナタリアもケイもレジーナも、しっかりと言葉をかわしてください。ルルも質問ぜめにしますので」
「ぷっ」
もう、限界だ――耐え切れず吹き出して、レジーナはあははと声を上げ、笑った。色違いの瞳の端に滲んだ涙を指の背ですいと拭って、灰色の少女は続ける。
「そんな無理にしなくてもいいよ――でも、別に質問くらい構わないのに」
「ほ、本当に?」
未だ赤い頬を隠すように手を添えて、ナタリアはしゃがみ込んだまま、上目遣いに仲間達の顔を覗き込む。勿論と頷いて、レジーナは応じた。
「ただし、あなたのことを教えてくれるのと交換なら……ね?」
「う……あ、ありがとう。……そしたら、交換こね!」
昨日より今日、今日より明日。どんなに小さなことであっても、一つ知るたびに互いの距離は近くなる。はにかむナタリアの肩を支えたまま、ルルははい、と手を挙げた。
「では、しつもんです」
「本当に質問攻めにするつもりか……?」
聞き返す螢に勿論ですと胸を張って、ルルは言った。
「みなさま、鈴虫はおすきですか?」
「……鈴虫?」
言われてぱちりと瞳を瞬かせ、レジーナは辺りを見回した。
川のせせらぎに耳を傾ければ、そこに混じって確かに鈴虫の声がする。その名の通りりんりんと鳴る涼やかな声は、音という側面からこの季節を一層美しく彩ってくれるような気がする。
その鈴音の鳴る方へ向き直って、ルルは続けた。
「ルルはすきです。秋の夕暮れに、とてもよく似合うおと……」
「もしかして……この音がスズムシなの?」
潤みがちな琥珀の瞳を円くして、知らなかったとナタリアは言った。これまで特段に意識したこともなかったが、ひとたびそれと認識すれば幾重にも重なる虫の声は、秋の夜の静寂に清らかな音を添えてくれる。ふわりと表情を和らげて、少女は言った。
「きれいな声。……まるで合唱しているみたいね」
「鈴虫が鳴いてると秋だなぁ……って思うな。……そういえば」
記憶の糸を手繰るように夕焼け色の双眸を巡らせて、螢が言った。
「秋は夕暮れがいいとかなんとか、どこかに書いてあったよな?」
枕草子の中でかつて、清少納言はこう記した。
秋は夕暮れ――夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり、と。
どういういみですか、と首を傾げるルルに直接は答えずに、レジーナはくすりと口許を綻ばせ、応じた。
「確かに、秋は夕暮れ空って気がする。……紅葉の色と似てるからかな」
夏のそれよりずっと涼しく爽やかに乾いた風の匂いも、また秋のしるしだ。
なるほど? と分かったような分からないような顔で首を捻って川面を覗き込み、ルルは言った。
「つまり――これが秋、ということでしょうか」
「そうね。これが、二ホンの秋なのね」
浴衣の袖から伸びる素肌を撫でて過ぎ往く風の涼も、耳をくすぐる虫の声も、何もかもが心地よい。青銀の髪を後頭部へ撫でつけて、螢は言った。
「今夜の景色も、音色も、しっかり焼きつけておきたいな」
いずれまた、秋は必ずやってくるだろう。しかし巡る季節の中には、変わらぬものもあれば変わっていくものもある。ただ――彼らが今日ここに四人でいたということは、この先どれほど時間が経とうとも、変わることのない事実だ。
還らぬ川の流れは時間のそれにも似て、レジーナは心なしか眩しげに祭の灯を振り返った。
「改めて――取り戻せてよかったな」
そして皆でここへ来ることができて――よかった。
囁き瞼を伏せれば、遠い祭の喧騒が俄かに大きくなったような気がする。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【落下耐性】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV6になった!
【平穏結界】がLV2になった!
【活性治癒】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
【ドレイン】がLV4になった!
マティアス・シュトローマー
【C/お任せ】ラト(g00020)と
浴衣を着て紙燈籠を持ったら渡月橋へ
活気溢れる街並みが少しだけ眩しく見えた
別に。俺だって静かに景色を楽しみたい時があるんだよ
……やっぱり、その土地には生活する人が居てこそなんだなって。京都の街みたいにドイツの帰還ももっと進めば——
なんて。今考えても仕方ないよな
ごめん!気分転換にこんなのはどう?
ラトの手を引いて橋の下、桂川向かって飛び降りる
あはは!大丈夫だって。【浮遊】で散歩なら前にもしたことがあるだろ?
それに水面のライトアップもよく見えるし
このまま向こう岸まで歩いて、何か美味しいものでも食べようか
……と、その前に。腕を掴む時はもう少し優しくしてくれると嬉しいな
ラト・ラ
【C/お任せ】マティアス(g00097)と
賑やかな行事を好む印象があったから
意外ですね、と溢す
京都の街並みに合わせた紺色の浴衣は
彼の鮮やかな髪色と相反しているのによく似合う
この時代の世界が“広がった”ことは感慨深く
喜ばしくも、恐ろしくもある
それはきっと知り得ぬ未来や
未知に対する持て余した感情
“今”を大切に思うからこそ――
なんて考えていた矢先に、彼が手をひく
「え?――っきゃあ!」
突然過ぎて飛べることも忘れていた
【浮遊】に合わせ、やっと翼を動かす
「もう…急に驚かさないで」
乱れた前髪を正してから
申し訳なさげに彼の腕に手を添え直す
そうして最終的には
“今”という時間に向き直ることで
心を落ち着かせて――
「……意外ですね」
「うん? ……何が?」
ぽつりと呟くような声を耳に留めて、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は傍らの娘を振り返る。見れば三つ編みにした長いアッシュブロンドに縮緬の花を飾って、ラト・ラ(*☽・g00020)は柔らかな笑みを浮かべていた。膝の前に揃えた手に提げる薄紫の燈籠には、染め抜きの白い月と星が浮かんでいる。
「あなたは、賑やかな行事を好む印象があったから」
「別に……俺だって静かに景色を楽しみたい時があるんだよ」
橋の欄干に上体を預けて、少年はふいと顔を背けた。古都の街並みに合わせた紺色の浴衣は、十六歳の少年を随分と大人に見せる。祭の活気に溢れる街は眩しいほどに明るく、整った横顔にくっきりと濃い影を落としていた。
「やっぱり、その土地には生活する人が居てこそなんだなって。この街を見てると、思うよ」
煌めく夜の明りは温かく、そこに暮らす人々が本当に還ってきたのだと教えてくれる。帰還事業が進めば、故国の街もこんな風に賑わう日が来るのだろうか?
くしゃりと蜜柑色の髪を掻いて撫でつけ、マティアスは苦笑した。
「……なんて。今考えても仕方ないよな」
「…………」
ドイツを取り返し、京都・奈良を取り返して、この時代の世界は確かに『広がった』。それ自体は感慨深く、喜ばしいことだけれども――。
(「恐ろしくもある、のよね」)
かつての自分なら知り得るはずもなかった、『本当の未来』。それを知り、そこに生きるというのは、重ねた過去との訣別でもある。未知に対する持て余した感情とでも言うべきものが押し寄せるのも、致し方のないところだろう。やり切れない想いには向き合っていかなければ、心はいつまでも過去に囚われたままだ。
(「そう。……『今』を大切に思うからこそ――」)
「湿っぽくしちゃって、ごめん!」
思考を遮って、少年の声が言った。顔を上げれば欄干に預けた燈籠を掴み取り、マティアスはもう一方の手でラトの手を握る。
「気分転換にこんなのはどう?」
「えっ? きゃあ!」
ぐいと強く手を引かれ、ラトは小さく悲鳴を上げた。それはあまりに突然のことで、自分が空を飛べることすら忘れていた。驚くほど強い力で引っ張り上げられて、乗り越え落ちる欄干の先、星鏡の川面に落ちる寸前で身体はふわりと浮き上がる。繰り返し目を瞬かせていると、軽やかに笑う声がした。
「驚いた? 大丈夫だって。『浮遊』を使って散歩なら前にもしたことがあるだろ?」
「…………マティアス」
もうとわずかに頬を膨らせて、ラトは竜翼を羽ばたかせ、体勢を立て直す。驚かさないでと拗ねる声に屈託のない笑顔で詫びて、少年は続けた。
「このまま向こう岸まで歩いて、何か美味しいものでも食べようか。……あ」
掲げる花燈籠は、浅葱色に純白のエーデルヴァイス。点々と光を点す水面を照らして、マティアスは少しだけ、困ったように眉尻を下げた。
「その前に――腕を掴む時はもう少し優しくしてくれると嬉しいな?」
「……!」
指先が喰い込むほどに掴んでいた浴衣の袖を一旦離して、ラトは乱れた前髪を正し、今度はそっとその手を少年の腕に添えた。『今』という時間に向き直ることで、心を落ち着かせて――そう思ったけれど。
(「しばらく、落ち着けそうもないわね」)
今はまだ同じ高さに並んだ、灰色の眸。いったい後どれほどの間、彼と自分とは同じ世界を見ていられるのだろうか。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【浮遊】LV1が発生!
【隔離眼】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV7になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
ノスリ・アスターゼイン
【C】g01730/シバネ
浴衣は生成地に紗綾形模様
黒鳶色の角帯
屋台を覗き歩いて賑やかしつつ
売り子サンに選んで貰った花灯籠(お任せ)を手に
川辺を散策
互いの灯火を矯めつ眇めつ
からころ
下駄の響きを楽しみながら
のんびり逍遥
袂を揺らす涼やかな風が心地良い
遠くに揺らめくもの
歓声を上げながら走り去る子供達の手にしたもの
誰かが川に流したもの
徐々に増え行く煌きは
地上に咲くひかりの花園のようにも見える
あげる
これも灯火みたいな色じゃない?
屋台で贖った橙色の杏飴を
シバネへ差し出す
おさまらない飢餓を埋めるのに
煙草に火を燈す日常から
少しばかり離れてみたくなる幻想的な夜だから
食べられる燈りを添えてみるのも
風流ってやつデショ
標葉・萱
【C】g01730ノスリさんと
黒地に鯉の浴衣に灰の兵児帯
お任せした花灯篭を標
下駄鳴る足元の覚束なさは夢見心地に似て
水音も足音も虫の声さえ良く響くから
瞬く灯りにさえ音がしそうだなんて
零して息吐く夜は確かに、秋の香りがする
ええ。涼しくなって良かった
他愛なく返す言葉も紛れてしまいそう
ちらちら灯るのに目が眩みそう
浮かぶ花もいっそう盛りのようで
迷子に差し出されるもうひとつが
まあノスリさんらしくて可笑しくもなる
いつの間に買ってらしたんですか
灯りを食べたら、光るでしょうかね
煙る香りは今夜ばかり、
花の薫りで隠しておいでと
笑えば随分甘い、燈火だこと
浴衣の袂を撫でて夜風が行き過ぎるたび、流れる川に月の光がさんざめく。
からんころんと鳴る下駄の足音は祭の光と相まって、心をひどく浮き立たせた。ノスリ・アスターゼイン(共喰い・g01118)は川沿いに続く歩道の縁石を器用に踏んで、上機嫌に歩いていく。黒鳶色の角帯で締めた紗綾形の浴衣は生成地で、染め抜かれた白は幽かな麻の色を帯びている。
「いいもの選んでもらったよね」
「ええ。自分ではなかなか決めがたいもので」
柔らかな笑顔で応じて、標葉・萱(儘言・g01730)は鯉泳ぐ黒の浴衣の袖を掲げた。手にした細い棹の先には夜へ誘う導のように、花燈籠が揺れている。萱のそれは、浅葱色に雪のような斑点と白い狐花を染め抜いた六角柱の燈籠で、ノスリのものは形こそ同じだが、秋の陽を思わせる橙色には花ではなく、赤に黄に移ろう鮮やかな紅葉が描かれている。互いの灯火を矯めつ眇めつ逍遥する川辺の路は、涼気に満ちて清々しい。
去りゆく夏と深まる秋の狭間の季節。見渡せば周囲一帯は、そんな小さな明りに溢れていた。
街並みを飾って遠く揺らめく、吊り燈籠が。
ゆらゆらと川を下っていく、誰かの手向けた流し燈籠が。
そして祭の熱気に歓声を上げ、駆け抜けていく子らの手にした手持ち燈籠が。
それぞれの明かりは彩も大きさもばらばらで、そのくせ一つの風景の中で見事に調和し、溶け合っている。時間が経つに連れて徐々に増えていくその煌めきはまるで光の花園で、じっと見つめていると目が眩みそうになる。
「何やら――夢のような光景ですね。燈籠の瞬きまでもが聞こえてきそうな」
履き慣れない下駄の覚束ない足下もまた、雲の上を行くような心地に似ていた。耳を澄ませて瞳を細め、萱は秋の音色にただ聴き入る。流れる川のせせらぎ、すれ違う人々の足音、それらに紛れる虫の声。そこには確かな秋の香が色濃く漂っている。
「涼しくなってよかったですね」
「まあ、あの暑さじゃこうは行かないよね」
夏は本当に暑かったからと笑って、ノスリは燈籠を持つ手と反対の手で一つ、プラスチックの小さなパックを取り出した。
「はいこれ、あげる」
「え?」
琥珀の瞳をぱちりと瞬かせて、萱は隣を歩く友を見た。もらってよ、と差し出す横顔が、今宵は少年のように幼く映る。
「これも灯火みたいな色じゃない?」
透明な水飴に包まれて、きらきらと光る橙色。瑞々しく艶めいて、甘いよ、と囁くようなアンズ飴。ほら、と促す手に応じてそろりと箱ごと受け取ると、萱は困ったような笑みを浮かべた。
「……いつの間に買ってらしたんですか」
ずっと同じ道を歩いてきたはずなのに、狙った獲物を決して逃さぬ抜け目のなさはさすが猛禽といったところか。ノスリさんらしいと思わず零せば、どうもと笑ってノスリは応じた。
「少しばかりね、……日常から離れてみたくなるような、幻想的な夜だから」
癒えない飢餓感を埋めるため、煙草に火を燈すような――そんな日常から。くるりと隣を振り返って縁石を降り、青年は続けた。
「食べられる燈りを添えてみるのも、風流ってやつデショ」
都会の底に煙る香も、今夜だけは花の匂いに覆われて。
頬に落ちる髪を耳に掛け、割り箸の先のアンズを口許へ運んで萱は笑った。
「灯りを食べたら、光るでしょうかね」
含めば小さな燈火は、ひんやりとして随分、甘い。川の流れに逆らって進む先には、竹林へとつながる路が続いている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV4になった!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV4になった!
ウルリク・ノルドクヴィスト
虹介(g00129)と
彼のことは「少年」と呼ぶ
【C】
紙灯籠の柄は【お任せ】
竹林の聳える暗路と
照らす燈とが交わる道を往く
夜が落ち着くというのは
確かに理解できるが
やはり油断すると君を見失いそうで
先を照らすと共に
時折君の方へも灯を遣り
存在を確かめる
ふらふら歩いて迷っても知らないからな
そうなったらもう
君の方が俺を探すように――
…出会って暫くは
臆病な子どもと思っていたが
慣れれば遠慮も薄れるもので
ただ、いつも結局
そうして人肌のような
生温かい言葉で締め括るから
別に合わせているわけじゃなく
景観をゆっくり、見ていたかっただけだ
などと
君にばかり揮ってしまう天邪鬼も
…どうにかしたいと
思わない訳ではないのだが
葵・虹介
ウルリクさん(g00605)と
【C】
買った紙灯籠片手に嵯峨野を歩く
紙灯籠の柄は【お任せ】
行くのは竹林のみち
夜染まっていくせかいを
やわらかい灯が照らしてく
暗い夜空はだいすきだ
でもそれを照らすものがあると、
もっともっと、たのしい気持ちになる
となりに、だれかがいて
こんな風にはなしができて
そのだれか、が
あなたであることにも
ゆっくりじんわり慣れてきた
ひとり、は落ち着く
でも、ふたりでいると、もっと
こころが、明るくなっていく
うん、ぼくが探す方がかんたん
ウルリクさん、すごい、おおきいもんね
…なんて軽口みたいなことも
すこし言えるようになって
それに、歩幅、合わせてくれるから
はぐれないよ
本当のきもちはこっち
茂りそびえる青竹の林の底を一つ、二つ。大小の影と小さな明かりが、つかず離れず進んでいく。
残照は、西の空の彼方へ飛び去って久しい。茜色が紫に移ろい、やがて深い群青に染まった星穹の下で、二挺の燈籠が柔らかに闇路を照らしていた。淡くぼんやりと浮かび上がるその明かりは行く足元をほのかに照らしながら、光届かぬ木や草の影を一層暗い影の中へと沈めていく。
「暗い夜空は、だいすき」
竹の梢の向こう側に天を仰いで、葵・虹介(光芒・g00128)は誰にともなく口にした。
右手には齧りかけのリンゴ飴。左手には抜けるような空色に、すずらんの葉と花を白く染め抜いた丸燈籠。輝く青で照らし出せば、秋宵の道行きはただ歩くよりももっとずっと、心躍るものになる。
敷石を点々と辿っていく甚平姿の小さな背を見つめて、ウルリク・ノルドクヴィスト(永訣・g00605)は言った。
「夜が落ち着くというのは確かに理解できるが……」
虫の声鳴り渡る静かな夜は、そこに息づく人々の心を穏やかに鎮めてくれる。しかし深い暗がりは少しでも目を離せば、前を行く小さな少年を飲み込んでしまいそうで――男は小さく息を吐き、右手に携えた燈籠を掲げた。
六角柱の燈籠は燃え盛る炎のように、暗紅から鮮やかな真紅へと移ろうグラデーション。橙色の君子蘭を咲かせた燈火で路の先を照らせば、砂利道を跳ねゆく虹介がくるりと、奇妙な同居人の姿を振り返る。
世界のすべてが色を変えた『あの日』から、もう一年以上の時が過ぎた。少年が失ったものはまだ時空の狭間に飲み込まれたまま、この世には影も形も見えないけれど――失くしたものの代わりに得た縁は、今も静かに続いている。
(「となりに、だれかがいて」)
こんな風に、話もできる。その『誰か』が彼であることにも、今ではじんわりと慣れてきた。一人の時間が嫌いなわけではないし、寧ろ落ち着くくらいだと思っているけれど、それ以上に――二人隣り合っていれば、日々はより明るく穏やかなものになるということを、はからずも知ってしまったから。
来た道を戻って再び隣に並ぶと、頭上から降る声はわずかに咎めるような響きを帯びた。
「ふらふら歩いて迷っても知らないからな。……そうなったらもう、君の方が俺を探すように――」
言いかけて、ウルリクははたと口を噤んだ。自ら口にした言葉に戸惑うかのように、紅玉の双眸が微かに揺れる。どうかしたのというようにその顔を覗き込み、しかし答えは分かっていると言わんばかりの表情で虹介は言った。
「うん。……ぼくが探す方が、かんたん」
ウルリクさん、すごい、おおきいもんね。
そう言って、少年は悪戯っぽく笑った。こんな軽口を利けるようになるなどと、出会ったばかりの頃はまるで思いもしなかったのだから、時間というものは偉大だ。けれど――彼らが今ここに並んでいるのは、恐らくは時間のせいだけではなくて。
それに、と加えて虹介は続けた。
「ウルリクさん、歩幅、合わせてくれるから。はぐれたりしないよ」
ほのかに笑んだ唇に、滲ませたのは温かな感謝と、親愛。武骨で寡黙な騎士へと手向けた、少年の素直な気持ち。
見通しのよい道をとことこと早足に駆けていく少年を追って、ウルリクは歩調を速める。
(「臆病な子どもとばかり思っていたが……」)
時が経てば、遠慮も随分と薄れるものだ。しかしそれでも、こうして交わす言葉の人肌のような生温さには未だ慣れるに至らない。だからだろうか――彼に対してばかりつい、天邪鬼な言葉が口を衝いてしまうのは。
「別に合わせているわけじゃなく、この景観をゆっくり見ていたかっただけだ」
「そっか。竹林、きれいだもんね」
「…………」
またもや、いつもの癖が出た。けれど気に留めた風もなく微笑む少年には、そんな心の裡さえすべて伝わっているのかもしれない。そう思うと少しばつの悪い気分になって、竜人は束ねた後ろ髪を掻いた。
行く手には、竹林の奥へ奥へと誘う路が今もなお続いている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【隔離眼】がLV3になった!
効果2【凌駕率アップ】がLV2になった!
雪定・千草
百合さん(g05341)と
*【C】絵柄お任せ
どれも綺麗であたたかい光
これにします
燈籠ひとつ選んで微笑み返し
からころ慣れない下駄の音響かせて
ゆっくり歩いていきましょう
楽しかったようで何よりです
それにまた百合さんの初めてなことに付き合えて、嬉しい
俺もこういう風に過ごすのも良いって思いました
聞こえた声は小さくても
しっかりこの胸に届いて
少し強く吹いた風に背中押されたら、あなたと向き合う
…俺もだいすきです、百合さん
前ははっきり言えなかったこと
今なら言える
燈籠と月が優しく照らす薄暗さでなら
これが特別な想いであると
今夜は一緒に夜を過ごせますね
いつもの端末でのやり取りも好きですが
やっぱり傍に居られるのが嬉しい
犬神・百合
千草ちゃん(g03137)と
*【C】絵柄お任せ
並んだ燈籠の灯りがとっても綺麗
どれが良いかな
ふふ、これにしよう
選んだ一つ大事に手に取り隣のあなたへ微笑んで
竹林の石畳ゆっくり並んで歩けば
静けさと少し涼しくなった風を感じる
でも胸の中はそれと真逆
千草ちゃん屋台楽しかった
初めてな事いっぱいで
今でもドキドキしてるわ
うふふ…賑やかなのもいいけれど
こうして静かに二人で過ごすのもいいね
何故か恥ずかしくて上手く顔が見られない
…いま、とっても幸せよ
千草ちゃん、だいすき
小さな声は届いたかな
顔も耳も全部熱い
あなたの言葉
気持ちを受け取れば見つめて微笑み
素敵な夜だね
端末越しの文字も好き
けれど傍に居られる時が
何よりも愛おしい
覚束ない下駄の足音は、石畳の小径にからんころんとよく響く。吊り燈籠を連綿と連ねた祭の灯りはそれは煌びやかで心が躍ったけれど、清澄な青い闇に沈んだ竹林は美しくも心地よい。
しかし――犬神・百合(ラストダンス・g05341)の胸中は、竹林の涼気と静謐とは真逆であった。肌に触れる秋風はひんやりとして冷たく感じるほどなのに、とくとくと打つ鼓動ははっきりとして速く、巡る血潮は消せない熱を宿している。
「屋台、楽しかったわね」
ぽつりと口にして、百合は白いレースに飾られた袖の先、棹に括った燈籠をごく無造作に揺らしてみせる。あれにしようか、これにしようか――色とりどりの花燈籠が並ぶ夜市の軒先で、悩みに悩んで手に取った一挺は、ニスを塗った骨組みに赤白の狐花を咲かせる角燈籠。紫がかった灰色の地に燃える花の腕は、沢山のレースをあしらったモノクロームの浴衣を泳ぐ緋鮒の色とよく合った。
「初めてなことがいっぱいで、今でもまだドキドキしてるわ」
「ふふ、楽しかったようで何よりです」
肩の触れそうで触れない距離に隣り合って微笑めば、雪定・千草(霞籠・g03137)がはにかむように微笑み返し、言った。
「それにまた、百合さんの初めてなことに付き合えて……嬉しいです」
ハーフアップにした銀白色の髪は、手元に掲げた燈籠の柔らかな明りを照り返して淡い水色に染まっている。形は同じ、けれど咲く花は白雲の波間を漂う、季節外れの桜吹雪。花浅葱の光は透き通った藍玉のような、青年の瞳の色によく似ている。
うふふ、とレースの袖を口許に添えて、百合は笑った。
「賑やかなのもいいけれど、こうして静かに二人で過ごすのもいいわね」
「そうですね。……俺もそう思います」
砂の路を踏む微かな足音さえ耳につく暗がりを、小さな明り二つを頼りに歩いていく。何故だろう――気恥ずかしさに言葉は切れ切れ、互いの顔も上手く見られないというのに、ゆったりと流れる時間は夜風の中でも暖かい。
こくりと小さく喉を鳴らして、百合は言った。
「……いま、とっても幸せよ」
下駄の足音が、不意にやんだ。同じように足を止めて、千草もまた息を呑む。狐面に飾られたヴェールを透かして幽かに映る、火傷痕の横顔が、そこで耀く黒曜の瞳が――ただ美しいと、思った。
「千草ちゃん、だいすき」
囁く声は風に消え入るほどに小さく、けれど真っ直ぐに青年の心の中心を打った。燃えるように紅い耳に掛かる灰色の髪へ無意識に手を伸ばしかけてはたと止め、千草はためらうように、行き場を探す手の指を握り込む。――しかし。
「……百合さん」
青竹をカラカラと鳴らして、一陣の風が往き過ぎる。浴衣の肩へ遠慮がちに手を添えて、千種は灰色の少女に向き直った。見上げる双眸に合わせて真摯な眼差しをわずかに下げ、青年は告げる。
「俺も、だいすきです」
背を押す秋風と、燈籠と月の優しい明りが照らすこの薄闇の中でなら、伝えられずにいた言葉も、はっきりと言える。そして胸に息づく特別な想いは、きっと彼一人だけのものではない。
息を詰め、長い睫毛に縁取られた瞳を見開いて、それからゆっくりと百合は微笑した。
「――嬉しい」
触れかけていた肩が、自然に重なっていく。今は気恥ずかしさよりも喜びが勝って、千草は白い頬を染めながらも唇の端を綻ばせた。
「今夜は一緒に過ごせますね」
「そうね。端末越しにやり取りする、あなたの文字も好きだけれど」
傍らに寄り添い過ごすこの時間に、勝るものは何もない。
ゆっくりと重なっていく二つの影を照らして、二色の花燈籠は茫洋と柔らかな光を放っている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV4になった!
【未来予測】LV1が発生!
永辿・ヤコウ
ラヴィデさん(g00694)
【C】お任せ
浴衣:浅紺青に縦縞
角帯:濃紺
風に揺らぐ葉擦れや
夜に遊ぶ虫の音が
耳に心地良い
竹林に燈る灯りは
ぼんやりと柔らかく温かで
眠りに誘うみたいに穏やかだから
夢と現が、現世と幽世が交差するかのよう
狐の嫁入りが紛れ込んでいるかも知れませんよ
油揚げを供えないと帰れなくなります
そんな茶目っ気を囁いて
そっと彼の手指を取る
景色に見惚れて転ばないように
繋いでいてあげます
何より慣れない下駄で大変でしょう
と労わるけれど
ただ繋ぎたかったのは
きっとお見通し
でも暗がりが染まる頬を隠してくれるから
声はいつもの調子のままで
あなたの灯籠
僕にくださいませんか
燈しておけば
ひとりの夜もきっと寂しくない
ラヴィデ・ローズ
ヤコウくん(g04118)と
【C】お任せ
浴衣:白灰に縦縞
角帯:褪せた赤
澄み渡るかの静けさの竹林
自然息をひそめると、賑わいはどこか遠く
古い旅行紙の寂しげな写真にでも迷い込んだよう
けれど
揺れる灯が、お茶目な冗談が
これは現で。世界は再び動き始めて――隣には彼がいると、知らせるから
なんだい、腹ペコなの?
後で屋台に寄ろうと当の狐様へ朗らかに
笑い、顔を覗くより早く触れる指
おや、
…これはこれは頼もしいな
帰れなくなっても道連れだよー、ふふ!
努めて軽く、軽やかに
いいね、じゃあ交換。どんどん燈しなよ
キミ似合うからね。朱色
頬をとんとん指でさし、遠回しに指摘した後は
照れ隠しの頭突きを貰う前に、ぐっと手を引き歩き出そう
風に揺らぐ篠竹の葉擦れ。夜に遊ぶ虫達の声音。それらによっていっそう深まる、澄み渡るような静寂が心地良い。
粛々と足を運ぶ竹林の底は、穏やかな闇に沈んでいた。喧騒は遥かに遠く、来し方を振り返れば煌々と燃える夜祭の火が、秋の夜空をぼんやりと焦がしているのが見えた。
「……前に、こんな写真を見たことがあるよ」
古い旅行雑誌か何かだったかな――と、ラヴィデ・ローズ(la-tta-ta・g00694)は緩やかな笑みで口を開いた。広がる竹林はどこまでも深く、そして青く、旅情の染みる寂しげな写真の中にでも入り込んだかのような感覚に陥ってしまう。
幽玄にして、非現実的。けれどもひとたび手元へ視線を落とせば、白灰色の袖の先に揺らめく花燈籠のほのかな明かりが、ここが現実だということを思い出させてくれる。角帯と同じ褪せた赤に深紅の薔薇を咲かせた燈籠は和の明かりでありながら、洋燈のような優美さを醸し出していた。
まるで眠りに誘うかのように穏やかな灯りが照らし出す、夢と現、現世と幽世の境界線。目を離せば隣を行く人が、いなくなっているのではないか――そんな想いにふと囚われて見れば、幸い、そんなこともなく。
濃紺に淡い水色の松虫草を抜いた燈籠を竹の梢に掲げてみせ、永辿・ヤコウ(繕い屋・g04118)は半ば独り言のように口を開いた。
「狐の嫁入りが紛れ込んでいるかもしれませんよ」
「え?」
なんて、と何度か瞬きして、ラヴィデはその場に足を止めた。すると黒い狐は茶目っ気たっぷりに春菫の瞳を微笑ませ、囁くように続ける。
「もし、そうなら――油揚げを供えないと、帰れなくなります」
「なんだい、それ。腹ペコなの?」
当の狐がとからかうような口ぶりで、ラヴィデは笑った。後で屋台にでも寄ろうかと冗談めかして告げれば、隣り合う横顔を覗き込むよりも早く、浅紺青の袖から伸びる長くしなやかな指が手に触れる。
おや――と敢えて含みを持たせ言葉を切れば、そっと触れた手で褐色の指先を撫で、ヤコウは艶やかに微笑んだ。
「景色に見惚れて転ばないように、つないでいてあげます。慣れない下駄で大変でしょう?」
「……これはこれは頼もしいな」
そう言ってくすりと笑み零し、竜人は悪戯に片目を瞑った。彼の眼差しはいつもそうだ。甘く柔らかな彩をして、そのくせ的確にこちらの胸中を射抜いてくる。帰れなくなっても道連れだよ、などと軽やかに紡ぎながら、きっと何もかもお見通しなのだろう――触れたこの手はただ、隣り合う人とつながっていたかっただけなのだということも。
俯けば夜の暗がりは、染まる頬を隠してくれる。努めていつもの声色を保ったまま、ヤコウは意を決して口を開いた。
「もしよかったら。……あなたの灯籠、僕にくださいませんか」
色褪せた紅と、象徴的な薔薇の花。同じ彩を燈せばきっと、一人の夜も寂しくはない。
篠竹の天蓋を透かしてにわかに射し込んだ月の下、濡れたような瞳が星を映してきらりと光る。
いいねと眦を和らげて、ラヴィデは応じた。
「じゃあ交換。どんどん燈しなよ。キミ、似合うからね――朱色」
人差指でとんとんと竜鱗の頬を叩く姿に、狐はしばしきょとんとして瞳を瞬かせ――そして次の瞬間、瞠目した。袖口を押さえて触れた頬に浮く朱色はもう、この宵闇だけでは隠せそうにない。
「さ、行こうか」
そのままじっとしていたら、照れ隠しの頭突きの一つも飛んできそうだから。触れた手の主をぐいと引き、ラヴィデは早足に歩き出した。互いの彩を宿した赤と青の花燈籠は、砂利道を踏みゆく足下に二色の影を落としている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】がLV4になった!
【飛翔】がLV5になった!
効果2【ドレイン】がLV5(最大)になった!
朔・彗藍
【C】でお任せ
藍に星屑鏤めた浴衣で、ふうわり下駄を転がして
竹林をのんびりと進む
暗い途も、灯篭の優しいひかりが寄り添ってくれるから
足取りも軽く前へ
空気が、澄んでます
折角だから目一杯よい空気を吸っておくのです
そういえば、うんと子供の頃
似たような自然の中を散歩した気がします
歩調が合わなくて、必死に兄様を追い掛けながら
転んだら、此方を見て
先へ進む兄様を見てまた置いていかれると泣いて
空を見上げる、月が覗く
いいえ、あの時は……、そう、手を差し伸べてくれて
気紛れか、同情か、それとも
……ふふ、今なら飛んできて大袈裟なくらい心配するんですよね
たとえ、其れが罪悪感からでも
帰りにお土産にお団子でも買って帰りましょう
青ずんだ闇の静謐に、秋を奏でる虫の声がりんりんと鳴り響いていた。揺れる青竹の葉が差し掛かる竹林の底はうら寂しいけれど、それでも決して、恐くはない。
(「……空気が、澄んでます」)
清澄、というのはきっと、こんな空気を云うのだろう。転がす下駄をはたりと止めて、朔・彗藍(ベガ・g00192)は天を仰いだ。黒々とした影となって頭上に差し掛かる竹の梢の向こうには、彼女がまとう深藍の浴衣と同じ、ダイヤモンドを散りばめたような星穹が続いている。せっかくだからと深く息を吸い込めば、濁りのない空気が手指の先まで染み渡った。
深い群青から、熱を帯びた蜂蜜色へ――移ろう明けの空に似たグラデーションに、星に見立てた小花柄を散りばめた燈籠は、行く手に淡く青い火影を落し、ひとりきりの彷徨に優しく寄り添ってくれる。
(「そういえば、うんと子どもの頃……」)
こんな風に静かで深い自然の中を、散歩したことがある気がする。曖昧な記憶を探して小さく首を傾ければ、肩の上で緩くまとめた雪白の髪が微かに揺れた。
(「歩調が合わなくて、必死に兄様を追い掛けながら――転んだら、こちらを見て」)
先へ進む兄を見て、置いていかれるとまた、泣いて。
記憶の淵に手を伸べれば、忘れ得ぬ顔から今日まで思い返しもしなかったようなささやかな景色まで、思い出が泉のように溢れ出る。
見上げた空の色。
そこに覗いた、月のかたち。
立ち止まる足音。
振り返る影の――大きかったこと。
(「いいえ、あの時は……」)
そうだ、と思い起こして、少女は菫色の瞳を意外そうに円くした。あの時兄は、転んだ彼女に手を差し伸べてくれたのだ。
それが気紛れか、同情か――それとも他の何物かであったのかは、知る由もないことではあるけれど。
ふふ、と軽やかに笑み零して、彗藍は長い睫毛を伏せた。瞼の裏には恐いくらいに整った、兄の横顔が映っている。
(「今なら飛んできて大袈裟なくらい心配するんですよね」)
たとえ罪悪感ゆえのことであったとしても――彼女はそれを、暖かく想う。
(「お土産に、お団子でも買って帰りましょう」)
華やいだ秋の思い出と、柔らかな花燈籠の灯りと共に。もっとも今宵の一人歩きを包み隠さず伝えたら、また心配されてしまうかもしれないけれど。
大成功🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV8になった!