片恋の終わり(作者 志羽
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#幻想竜域キングアーサー  #竜の花嫁~キャメロットからの奪還  #竜の花嫁  #キャメロット  #王妃竜グィネヴィア 

●片恋の終わり
 がたごとと、ゆるりと荷馬車が揺れていた。
 その荷馬車を操る青年の名は、セオドアという。そして荷馬車には少女とその家族たちが乗っていた。
「はやくあいたいなぁ」
「急な事だったからねぇ……」
 少女の名は、アイラという。彼女の姉、ルーナは『竜の花嫁』となって、今はキャメロットにいるのだ。
 それはしばらく前のこと――嫁ぐはずだったドラゴンが襲撃され、『竜の花嫁』であるルーナは実家に戻っていた。
 しかしそこへ、キャメロットより竜鱗兵がやってきたのだ。
 その竜鱗兵は、『王妃竜グィネヴィア』の配下であると名乗りルーナへと告げたのだ。
「あなたが嫁ぐはずであった鎌斬卿・ズィフェルスに不幸があったが、あなたが竜の花嫁にふさわしい女性であることは間違いない」
 そして、我々が責任をもってキャメロットに連れて行き、必ず『竜の花嫁』になってもらうと。
「どうか安心して欲しい。さぁ出立の準備をされよ」
 すぐに出発しますと、あれよあれよといううちに出立の準備をされ、半ば強制的にキャメロットへ連れていかれたのだ。
 それは、前とは別のドラゴンの『竜の花嫁』となるために、花嫁修業をするために。
 そうして連れて行かれたルーナへ、セオドアは最後の言葉を交わしていない。
「もうすぐ会えるね、キャメロットまでもうすぐ!」
「そうね。でもその手前の街で今日は休みましょう」
 その街では市が立つ。キャメロットに向かう行商人などの出店もあるだろう。そこで何か、土産も探せたらいいとルーナの両親は言う。
 これから、会いに行くのだから。
 もし、『竜の花嫁』に会いたいならば、キャメロットに来れば合わせてやろうと、ルーナの家族はキャメロットへの入場許可証を貰っていた。
 ルーナの両親はキャメロットへと向かう旅へ、幼馴染であるセオドアも誘った。
 それは彼の気持ちを察していて、ちゃんと別れもできなかったからと思ってのこと。荷馬車の運転を父親ひとりでするのはしんどいからと手伝ってもらっていたのだ。両親たちは、戻ってきた娘と彼の絆が一層深くなっていたのを感じていたから。
 セオドアも、なんとなくルーナの両親たちが何を思って頼んできたのかもわかっている。
 相手となるドラゴンがいなくなったのだ。だから、彼女を幸せにしたい。だが――別れしかなかった。
 ルーナの両親にも彼女と一緒になりたいと伝えて、平穏な日々に戻るのだと思っていた。しかし、そうはならなかった。
 己の想いはもう、伝わっているのだろうが彼女に言葉として。
 別れを迎えることになろうとも、会えるのはこれが最後かもしれない。この想いは伝えなければと――セオドアは決めていた。

●出立
 竜の花嫁の事件に進展があったと藤臣・明鶴(白雷・g03329)は告げる。
「ドラゴン撃破してもらったおかげで、花嫁は一時的に実家にもどって過ごしてたんだけどな」
 ドラゴンを撃破して、その責任は彼女たちには及ばなかった。それは幸いなのだが、そのまま放免とはならなかったのだ。
 それは、『竜の花嫁』の元へ、ドラゴンの使者が現れ、キャメロットで花嫁修業をするように告げ、連れて行ってしまったのだと。
「で、花嫁は今、キャメロットにいるドラゴンの元で花嫁修業をしてる。近いうちに卵をうまされて、死んだも同然になる――だからその前に、なんとか救出してほしい」
 竜の花嫁が生贄とされて卵が産まれれば、そこから竜鱗兵が生まれドラゴンの勢力が強化される。
 だが、どうやらそれ以上の価値がある可能性も高いようだと明鶴は言う。だから、花嫁を奪還する事には大きな意味があるかもしれないと。
「そもそも、人の命使ってうまれる卵なんて、気分のいいもんじゃねぇし」
 今回も危険な任務になる。それでも頼まれてくれるかと、明鶴は集う者たちへと告げ話を続けた。

「キャメロットは現代で言うと、スコットランドのエディンバラにあるのがわかってる」
 そのキャメロット城を中心にして、その周囲に広大な市街地が広がっており、その市街全てを取り囲むように強固な城壁が作られている。
「んで、空にはめっちゃドラゴンが飛んでて、空から行くのは不可能」
 それに、と明鶴は言う。
 キャメロットを囲む城壁はクロノ・オブジェクトであり許可証を持たない者の侵入を拒む力を持っているのだと。
「俺らディアボロスでも、許可証がなけりゃ侵入する事はできない」
 けれどこの許可証を持っているものたちが幸いいるのだ。
 それは花嫁の関係者――花嫁に面会するために許可証をもらって、キャメロットに向かっているようなのだ。
「てことで、まずは接触して許可証を手に入れてほしい」
 キャメロットの近くの街に彼等はいる。行商人たちもまた多く足を止める街は、朝市などで露店がたったりもする。
 そういった行商人たちと接触して許可証を手に入れる――その方法は、言葉であったり。多少乱暴な手であったりと色々あるだろう。
 それから、竜の花嫁の家族一行から貰い受けることもできるだろう。その場合、過去に関わったことがあるものなら、話は早いだろう。
 そうでなくとも、彼等の仲間だと言って上手に話せば悪い様にはならないはずだ。
「許可証を手に入れたら、次は潜入」
 花嫁が居るドラゴンの住処に向かい、ドラゴンを撃破して花嫁を奪還する。
 今回目指す竜の住処は、竜の花嫁を使う儀式の為か他の施設からある程度は離れて作られているが、上空を飛ぶドラゴンなどに気付かれないよう、早めの決着を目指すべきかもしれないと明鶴は言う。
 何せ敵地にいるのだから。
「奪還すいれば、当然キャメロットから脱出なんだけど」
 ドラゴン勢力にとってはディアボロス数人の撃破よりも、竜の花嫁の方に価値があると考えているよう。
 つまり、竜の花嫁と共に脱出すれば、竜の花嫁が人質の役割を果たす。
 相手は攻撃をかけてこれないということだ。
「花嫁を追って追撃はあると思う。けど、大軍勢に取り囲まれるような事にはならねーと思うんで、うまく抜けてほしい」
 キャメロットを脱出できてなら、花嫁には身を隠すように説明して、分かれることになる。
 排斥力により、ディアボロスが現場を離れると、ディアボロスに関する記憶が失われてしまう。そのため、ディアボロスの影響が無くなっても、身を隠し続けるような状況を用意する必要があるかもしれない――だがそれも、きっと今回は難しくないはずと明鶴は言う。
 向かってもらうのは想いを寄せるものがいる花嫁のもと。そして花嫁もまた――その心が通じ合えば、ドラゴンの元に連れて行かれるないようにするだろうから。

「キャメロットはドラゴンの本拠地だからな。花嫁奪還を第一に、気を付けてな」
 竜鱗兵を生み出すための生贄であると見なされていた竜の花嫁。しかし、その役割は思っている以上のものがあったようだ。
 花嫁を奪還すればドラゴン勢の力を削ぐことにもなる。
 明鶴は、今回の件も頼むと言って、ディアボロスたちを見送るのだった。

●ドラゴンと花嫁
 キャメロットの市街にある屋敷。
 その屋敷の主、混沌竜サートゥン・デス――それが、ルーナを竜の花嫁として迎えたドラゴンであった。
 ルーナは今まで来たことのない豪奢なドレスを与えられていた。宝飾品も、召使たちも。
 ドレスの裾は長く、重く。召使たちがしずしずとその端をもって後ろをついてくる。
 毎日、混沌竜の世話を焼く。ある時は歌って、ある時はその鱗を、爪を磨く。
 混沌竜はその様子をじぃと見詰めているだけだ。
 今日も、このまま何も言われずに終わるのかしら――ルーナは吐息一つ、零した。
 あのまま、村で過ごすものだと思っていた。相手となるドラゴンがいなくなったのだから、あのままセオドアと一緒になって。
 しかし、そうはならず新たなドラゴンのもとに連れてこられた。
 思いは募る――ちゃんと、最後の挨拶もできないままにここにいるのだ。
 けれど、ここから勝手に出ることもできない。私はこのドラゴンの花嫁になるのだとルーナが顔をあげると――混沌竜の視線に射抜かれた。
 その瞳がどこか楽し気になったように見え、ルーナは世話をしていた手を止めた。
「ご苦労」
 そして労いののちに、混沌竜は楽し気な声を零した。
「花嫁修業の成果は出たようだ。お前に卵を産ませることができそうだ」
「え……?」
「さて、どんな卵が産まれるだろうか。それも楽しみである――願わくば、貴重な卵が産まれて欲しいものだ」
 混沌竜はではいくぞと魔術を紡ぐ。
 それは竜の花嫁に卵を産ませるためのもの。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【腐食】
2
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【セルフクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が1mの「コンクリートの立方体」を最大「効果LV×1個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【光学迷彩】
4
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV7 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV2 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

志羽
 お目通しありがとうございます、志羽です。
 受付、執筆状況などについては、マスターページ等でお知らせ予定ですのでご確認いただけると幸いです。

●シナリオについて
 執筆順序は『②→①→④→③』です。

 ②について
 過去の依頼にて、セオドアとアイラと出会って、信頼を築いている場合、許可証を貰う難易度は下がります。
 関わっていなくても、過去に出会ったディアボロスの仲間として認識はされます。
 また、行商人などもいますので、そういった者達から許可証を手に入れることも可能です。
 こちらについては特に人数の制限などは設けません。ただ朝市を楽しむなども可能です。

 ①について
 キャメロットに侵入し、向かうべき場所はすでに知っています。
 が、商人のふりをしたりなど、中にはいって見咎められないような工夫が必要となります。

 ③について
 OPの最後の場面に飛び込むこととなります。

 ④について
 ドラゴンを撃破したのち、脱出です。
 花嫁を傷つけたく無い為、彼女の近くにいる場合、積極的に攻撃はしかけてはきません。

 それではご参加お待ちしております。
145

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


 キャメロット近くの街――朝市が立ち、様々なものが並んでいる。
 新鮮な果物や野菜。日持ちのする菓子。それに、装飾品や服など。
 それらを見て歩くのも楽しいだろう。しかしディアボロスにはやらねばならない事がある。
 花嫁を奪還するためには、キャメロットに入らねばならない。
 そこは、許可証がなければ入れない場所。そしてここには、許可証を持ったものが多くいた。
 この街まで商品を運んできた商人。ここまで荷物を運んできて、一休みしてこれから向かう商人。そしてここで仕入れ、キャメロットに向かう商人と様々だ。
 商いの話をする者達は、互いに遠慮がない。
 キャメロットへ入ることができない商人たちは、此処で仕入れる商人たちへ値段をふっかけて利益を得たり。どうにかコネをつくって自分も中へと頼み込んだり。
 そんな一面もこの朝市の中では見られる。
 例えば、これからキャメロットに向かう商人は沢山の商品を運びたいが人手が足りない。荷運びの分も許可証はあるので、人手を探しているようだ。
 何処へ向かうかはわからないが、運が良ければ――混沌竜の館に向かう一行もいるかもしれない。
 そういった一行に混ざるのも手だろうが、口八丁手八丁で許可証を手に入れることもできるだろう。
 その方法は――ディアボロスであれば、様々な手がとれる。

 そして許可証を手に入れる方法はもう一つ。
 これから奪還に向かう花嫁、その一行から許可証をもらうことだ。
 竜の花嫁であるルーナ。
 その両親、妹のアイラ。そして――家族に同行している幼馴染のセオドア。
 彼らは朝市の中を歩いていた。
「ねぇ、これをおみやげにしましょ! おいしそなりんご!」
 アイラは露店で見つけたりんごを手に取る。
「そうね、それにしましょうか」
 母親が代金を払い、その後ろを父親とセオドアは並んでゆっくりと歩んでいた。
「ルーナは元気だろうか……急な事だったからね」
「そうですね」
「……セオドア、君はルーナのことが……」
「あ、二人がいってしまいますよ」
 急ぎましょうと、ルーナの父親が紡ごうとした言葉の先をセオドアは塞ぐ。それだけで、やはりそうなのだなと彼は思う。
 竜の花嫁となった事は、喜ばしい事なのだ。
 しかし、小さなころから知っている二人が、好きあっているのに結ばれるのは――もどかしい思いがあるのもまた事実。
 しかし二人の関係に、自分は口を出すべきではない。ただ別れたままでは、互いに想いを残すことになるだろう。
 だからセオドアを連れてきたのだ。なるようになればいいがと、父親は先をいく三人を追いかけた。
 彼等からも、許可証を貰うことはできるだろう。
 ルーナがどのような状況にあるか、どうしたらいいのか――ディアボロスであれば何ができるのか。
 それらを伝えれば、ルーナの事を想う者達の選択はひとつになるだろう。
一里塚・燐寧
【或街】

ルーナちゃん……今まで縁がなかった子だけど、なんとか助けてあげたいねぇ
その為には、花嫁さんの隣にいたい人を焚き付けるのが一番かなぁ?

【プラチナチケット】で商人一行のフリ
朝市の喧騒を擦り抜けて、花嫁関係者のとこまでゴー!

初めまして~。あたし燐寧ってゆーんだ
大きな声じゃ言えないけど、恭弥くん達とおんなじ力を持っててねぇ
通行証さえあれば、ルーナちゃん助けに行けるんだ

セオドアくんだったかな
単刀直入に聞くけど、ルーナちゃんのこと好きなんでしょ?
ならさ、諦めちゃいけないよぉ

あたしも……もし、好きな子に想いを伝えてなかったら、きっと死ぬまで後悔してたよ
一緒に過ごした時間は裏切らないから、信じてあげて


大和・恭弥
【或街】
案内人の話を聞いて、卵くんだりの前に気分が悪くなったな。
竜の花嫁にふさわしい…? 奴らが知る由もないだろうが、彼らの想いを何度踏み躙れば気が済むんだ。
そうでなくても奴らにやる花嫁なんて一人もいない
内心は腹立たしいが、燐寧さんや弟の手前。冷静なふりを心掛けよう

服は着替えて街に馴染み、ご家族とセオドアさんに接触を
ご両親は初めまして。セオドアさん、俺のこと覚えてますか?

まずルーナさんの状況と作戦を簡潔に伝える
ところでセオドアさん、想いは伝えたのか?

俺たちは娘さんに幸せに生きて、想いを遂げてほしいと思ってます。
必ず、笑顔のルーナさんを連れて街に戻ります
だから…その許可証を譲ってもらえませんか。


不知火・紘希
【或街】
3人とも幸せになれますようにって祈ったのに。
ちゃんとルーナさんがヒガイシャになるように工夫したのに。
幸せを散らせたりなんかしない。アイラちゃんとの約束は果たすよ。

キョウちゃんの周りの色がいつもより怒ってるけど…
それもそうだよね。人の気持ちを、命を生贄になんて。
でも僕らにはチャンスが残されてる
早く行かなきゃ。ルーナさんが危ない。

邪魔が入らないように、途中は光学迷彩を発動するよ
燐寧さんとも連携しつつ気配を極力ひそめて街を観察、皆を探そう
アイラちゃんが見えたらタイミングを見て魔法を解くよ

思い出してもらってお姉さんが危ない状況だって伝える
僕らが必ず彼女を助け出すよ
それまで安全な所で待っててね。


花喰・小鳥
琉叶(g06372)と一緒に

「お久しぶりです。私たちのことを覚えていますか?」

アイラとセオドアに声をかける
以前より意思のようなものを感じるのは気のせいだろうか

「実はお願いがあって来ました」

入場許可証が必要であることと理由を説明する
ルーナを再び解放するために

ただ、結局はまた繰り返す不安はあると思う
何より現実、ルーナは危険な状況にある

「もう一度チャンスをください」

私たちは戦うことしかできない
奪われた者、ディアボロスですから
でも、二人の協力がなければ戦うこともできない

「私なら大丈夫。頼もしい友達が一緒ですから」

琉叶を見て言う
戦いの後はセオドア次第ですが、叶うならしあわせになって欲しいと思います


巳継・琉叶
小鳥(g01304)と一緒に。

ほとんど強制的にルーナを連れて行ったらしいし、
竜の花嫁から生まれる竜は何か特別だったりするのかな?
気になる事はあるけどルーナは助けないとね。

「二人ともこんにちは。」
「前の竜鱗兵との戦いの時はセオドアの言葉があって助かったよ。」
セオドアの同意の言葉があったから一般人を戦場から離せたしね。

「命の危険があるなら助けたいし、大切な人とは一緒にいて欲しいから協力してもらえないかな。」
無理を言っているかもしれないけど関わった人達でもあるし、幸せになって欲しいと思う。

「頼もしい友達が一緒なのは俺もだけどね。」


ヒロ・グラキエース
こういう賑わいは久々…
元居た場所は有事のときしか外に出なかったから
見ているだけで楽しい

こんにちは
わあ、触れてもいいのかな
装飾品を大事に手に取れば紫苑の瞳は輝く
きれい、花が繊細で本物みたい

暫し他の露店も見て周り乍ら
花嫁の家族と思わしき人たちに近づき
どうしたの?暗い顔をしているけど
何かあったのなら力になるよ
ふふっこう見えてわたし戦えるぐらい強いんだよ
何て言ったってディアボロスだもん

大切なひと、家族が花嫁さまに?
それなら会いに行かないと
言葉は交わせるときに交わさないと後悔する
それが一等好いているひとなら尚更
後悔しない選択をしてね
自分のしあわせ、相手のしあわせ
まだ手を伸ばせば届くものだってあるんだから


●みちびき
 すぅと朝の空気を吸い込む。人々の賑わいも耳に心地よく、ヒロ・グラキエース(蒼銀華・g07200)の表情は綻んでいた。
「こういう賑わいは久々……」
 元居た場所は有事のときにしか外に出なかった。
 だからヒロにとっては、足が弾む世界。見ているだけでも楽しいのだ。
 新鮮な果物に、綺麗に染められた布――どれもこれも、目を惹くものばかりでヒロはぱちりと瞬いた。
「いらっしゃい、こっちもいいものあるよ~」
 そんな声に誘われるように次の店をヒロは覗く。店の人と目があえばこんにちは、と軽く会釈。
「わあ、触れてもいいのかな」
 ヒロへともちろんどうぞと届いて、そうっと手を伸ばす。
 手に取ってみれば、その紫苑の瞳は輝いて、その形をなぞっていく。
「きれい、花が繊細で本物みたい」
 それは髪止め。さまざまな花が掘ってあり丁寧な作りのもの。
 他にも色々なものがあるこの場所。ヒロは見ていた店を後にして朝市を巡る。
 すると――ああ、と零れる。きっとあの人達だとヒロは感じて足を向けた。
 その背中には、何か諦めと、焦りと――そしてわずかばかりの決意だろうか。
 青年、セオドアと花嫁の父親。セオドアが先行くのを父親が見つめているようだ。
 そんな彼の表情をヒロは覗きこむ。
「どうしたの? 暗い顔をしているけど」
 何かあったのなら力になるよ、とヒロは笑み乗せる。彼は暗い顔をしているかい? と苦笑零す。
「ふふっこう見えてわたし戦えるぐらい強いんだよ。何て言ったってディアボロスだもん」
 ヒロはだから、大丈夫というように笑む。そのやわらかな雰囲気に絆されたか、彼はぽつりと零す。
 娘が花嫁なのだと。竜の花嫁なのだと。
「大切なひと、家族が花嫁さまに?」
 その声を拾い上げて、ヒロは言う。
 それなら会いに行かないと、と。
「言葉は交わせるときに交わさないと後悔する」
 それが一等好いているひとなら尚更――ヒロはまっすぐ、父親を見つめる。
「後悔しない選択をしてね」
 自分のしあわせ、相手のしあわせ。
 まだ手を伸ばせば届くものだってあるんだからと、ヒロは告げる。
 彼は己の幸せと、娘と――そして、娘を想う青年を見つめ瞳細めた。
 叶うならば、二人に添い遂げてほしい気持ちがあることもまた事実だ。
「……おや、知り合いかな?」
 と、先をいったセオドアは知り合いと出会ったのか話し込んでいる。
 それはヒロと同じくディアボロスたちだった。

●つながり
 旅の装い。それは商人一行のふりだ。
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は朝市の中、目的の一行を探す。
「ルーナちゃん……今まで縁がなかった子だけど、なんとか助けてあげたいねぇ」
 燐寧はそれにしてもなかなか盛況と見回しながらこの後のことを考える。
 竜の花嫁を助けるにはまず許可証がいる。それを持っているものたちにどう切り出すか。
「その為には、花嫁さんの隣にいたい人を焚き付けるのが一番かなぁ?」
 どうするか。それを考える燐寧の傍ら、大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)は表情に――誰も気づかぬ程度の翳りを見せる。 それはこの場に来るときに時先案内人から聞いた、これから起こる事を聞いたから。
 卵くんだりの前に気分が悪くなる。それを冷静さで隠して、恭弥はここに居た。
(「竜の花嫁にふさわしい……? 奴らが知る由もないだろうが、彼らの想いを何度踏み躙れば気が済むんだ」)
 そうでなくても奴らにやる花嫁なんて一人もいない――恭弥は内心は腹立たしい。
 でも、燐寧と不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)の手前、抑え込んでいた。
 しかし紘希は、恭弥を見詰める。
(「キョウちゃんの周りの色がいつもより怒ってるけど……それもそうだよね。人の気持ちを、命を生贄になんて」)
 でも、と紘希は思う。でも僕らにはチャンスが残されてる、と。
 紘希は三人とも幸せになれますようにと、祈っていた。
 祈っていたのに――そして、先の件ではちゃんとルーナを被害者になるように工夫して何も、落ち度はなかった。
 幸せを散らせたりなんかしない。アイラちゃんとの約束は果たすよ――そう、紘希は心に強く抱く。
「早く行かなきゃ。ルーナさんが危ない」
 朝市の中を進んでいく。邪魔が入らないように光学迷彩で身を隠して、紘希は彼等の姿を探していた。
 朝市の中を歩いているはず。視線巡らせて、そして――紘希はアイラの姿を見つけた。
 彼等が近づいてきたと同時に、姿を現す。
「ご両親は初めまして。セオドアさん、俺のこと覚えてますか?」
「ああ、あなたは」
 お久しぶりですとセオドアは返す。アイラも、お久しぶり! と紘希へと笑みを向けていた。
 ルーナの母は、お知り合いなのねと微笑んで――そして後方からゆるりと歩いてくる夫を示して、ルーナの父親ですと紡いだ。
 ルーナの父親もまたディアボロスと接触して、そしてこちらの様子に気付いて近づいてくるようだ。
「初めまして~。あたし燐寧ってゆーんだ」
 燐寧はセオドアに笑いかけて、そしてこそっと声顰める。
「大きな声じゃ言えないけど、恭弥くん達とおんなじ力を持っててねぇ」
 初めて会った人だとセオドアは思っていたのだろう。けれど、そう聞いて納得する。
 そしてここに彼らがいることにまた、不安も抱えたようだ。
 その緊張した面持ちで心の変化は見て取れた。
 恭弥は、急がなければいけないと前置く。
 キャメロットにいるルーナに危機が迫っていること。卵を産めば彼女はもう、彼女ではなくなるだろう。
 そんな状況を伝え、彼女を救出する作戦があるのだと恭弥は簡潔に伝えた。
「ルーナが、危ない……!?」
「そんなっ……」
 あなた、とルーナの母親は父親を呼ぶ。父親にもその話は聞こえていたのだろう。
 顔は青ざめて、そんな彼女を父親は抱き寄せる。
 アイラも、よくはわからないが姉が危機なのだと察してぎゅっと手を握りこんでいた。
「ところでセオドアさん、想いは伝えたのか?」
「それは……まだ、なんだ」
 あの日、とセオドアは言う。番う相手である竜がいないのだから結婚を申し込もうと、その準備のために少し遠くまで出ていた。
 そして戻ったら、彼女はもういなかったのだと。
 突然の別れだった。それは両親とアイラにとっても同じ。
 やって来た竜鱗兵がそのまま連れて行ってしまったのだから。
 そこへ、花喰・小鳥(ミスティックアイズ・g01304)と巳継・琉叶(幻鏡・g06372)も彼等を見つけ声かける。
 ほとんど強制的にルーナを連れて行ったと聞いて、琉叶の心に疑念が浮かんでいた。
(「竜の花嫁から生まれる竜は何か特別だったりするのかな?」)
 気になる事はある。けれど今は、ルーナを助けることが一番だ。
 それにこの答をセオドアたちは知らない。知っているとしたら――この先に待ち構えるドラゴンだろう。
「二人ともこんにちは」
「お久しぶりです。私たちのことを覚えていますか?」
 小鳥は声をかけながら、ぱちと小さく瞬く。
 それはなんだか、セオドアとアイラから以前よりも意思のようなものを感じたからだ。それは気のせいか、それとも――そう思いながら、言葉続ける。
「実はお願いがあって来ました」
 すでに話は、他のディアボロスたちからも聞いているようだ。
 以前、共に戦った者達の姿。ルーナ達を助けたいという想いは同じなのだと知る。
「作戦はすでに、聞いたようですね。そのために、通行許可証が必要なのです」
 ルーナを再び解放するために――小鳥は静かに告げる。
 ただ、結局はまた繰り返す不安。それをセオドアが抱くこともわかる。
 何より今この時、現実に、ルーナは危険な状況にあるのだから。
 けれど、助け出す術はある。
「もう一度チャンスをください」
 私たちは戦うことしかできない。小鳥はその瞳をそうっと閉じて続ける。
 奪われた者、ディアボロスですからと。
「でも、二人の協力がなければ戦うこともできない」
 まずキャメロットに入ることができなければ、何もできないと告げて。
「前の竜鱗兵との戦いの時はセオドアの言葉があって助かったよ」
 セオドアの同意の言葉があったから一般人を戦場から離せたしねと琉叶は力添えがあったからこそ、と先だっての事を告げる。
 そして、今回もそれと同じなのだ。
 ルーナが危険である。今までは自分の近くでルーナが助けられていた。
 しかし――今回は、この通行許可証を渡してしまえばあとは託すだけになってしまう。
 それが僅かに迷いを生んでいた。
「命の危険があるなら助けたいし、大切な人とは一緒にいて欲しいから協力してもらえないかな」
 無理を言っているかもしれない。けれど関わった人達でもあるし、幸せになって欲しいと思うのは琉叶の抱くもの。
「かあさま、アイラの許可証どこ? 皆にあげて!」
 と、最初にその意志を固めたのはアイラの方だった。
 アイラのほうが、幼いからこそ姉の危険を知って一番早く決めることができた。
 素直に、姉の救出を一番に願って。
「皆、今までねえさまを守ってくれたから」
 あげる、とアイラは紘希へとそれを渡す。そして、アイラはかあさまととうさまのも! とごねた。
 娘の言葉に、自分たちは何ができるのか――それを考え、ふたりもまたそれをディアボロスたちへと託す。
 けれど、それではまだ通行許可証はたりない。
 重ねられる言葉に、セオドアの心は揺れている。皆についていくことはできないのだろうか――しかし、足手まといになるとも思える。
 燐寧はどうすれば、と戸惑う彼に告げる。
「通行証さえあれば、ルーナちゃん助けに行けるんだ」
 今までも助けてもらった。此度の話も真実なのだろう。
 だが彼女の危機と聞いてルーナを、自分の手で助けたいという気持もセオドアの中にはあった。
 この通行許可証を渡してしまったら、助けにいくことはできなくなる。直接助けることが出来なくても、なにか手伝いをとも考えてしまう。
 しかし、助ける力が自分にあるかといえば――ドラゴンに立ち向かうことができるかといえば、そんな力がないのは自分が一番よく分かっている。
 ルーナを助けるために持っている許可証をすべて渡すのが一番いいのだろう。
 セオドアは迷いの内にいる。そんな彼へと燐寧は続けて声を向けた。
「セオドアくんだったかな」
 燐寧の声にセオドアは視線を合わせる。その視線を正面から受け止めて、燐寧は紡ぐ。
「単刀直入に聞くけど、ルーナちゃんのこと好きなんでしょ? ならさ、諦めちゃいけないよぉ」
 その言葉はまっすぐだ。そして実感がこもっているのは燐寧が通った道だから。
「あたしも……もし、好きな子に想いを伝えてなかったら、きっと死ぬまで後悔してたよ」
 一緒に過ごした時間は裏切らないから、信じてあげて――そう、燐寧は紡ぐ。
「俺たちは娘さんに幸せに生きて、想いを遂げてほしいと思ってます」
 恭弥は真摯に、己の持つ想いを告げる。それは今まで、彼等と関わってきたからなお深く、そう思うこと。アイラから奪われるように通行許可証を預けてくれた両親へも、気持ちを伝えるように。
「必ず、笑顔のルーナさんを連れて街に戻ります。だから……その許可証を譲ってもらえませんか」
 恭弥が向ける言葉に、セオドアは心決めて頷いた。
 やはり託す事が一番だと。その姿を見つつ、ルーナの母親は皆を見回して。
「けれど、連れだすなんて……とても危険ではない?」
 母親はディアボロスたちの心配をする。その言葉に小鳥は僅かに表情緩めた。優しい人、と。
「私なら大丈夫。頼もしい友達が一緒ですから」
「頼もしい友達が一緒なのは俺もだけどね」
 ね、と小鳥は流叶を見て言う。そして流叶も、小鳥へと笑いかけた。
 助け合う者同士がいるのだから大丈夫と。
 しかし許可証は足りない。
 向かうのであれば、手は多い方が良いのだろう。セオドアは同郷の商人を見かけたから借りられないか、尋ねてくるという。
 少しいってくると離れる姿を小鳥は見詰めていた。
 戦いの後は、セオドア次第――けれど、叶うならしあわせになって欲しい。小鳥の心の中にはその想いはあたたかく息づく。
 そしてしばらくして――セオドアは通行許可証を借りてくる。
 その後、これからの事を決めた。
「僕らが必ず彼女を助け出すよ。それまで安全な所で待っててね」
 紘希へと待ってる! とアイラは言う。それが彼女に今できることだから、思いのままに強い声で。
 そして、この街を出て少し離れると大きな木があるのでそこにて落ち合おうと決めた。
 必ずルーナを助け、連れ戻ってくると約束して。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!

 キャメロットへの入城許可証を得た一行は、其処へ潜入するべく準備を整える。
 商人一行や呼ばれてやってきた芸人など、様々なアプローチ方法があるだろう。
 他にも、花嫁に会いに来た家族を装えば通過することは容易い。
 キャメロット市街を囲う城壁には竜鱗兵の見張りもいる。時折、声をかけられているものもいるようだ。
 向かうべきはすでに、時先案内人からの情報で得ているから迷うことはない。
 だがそこまで、不審に思われず。違和感を与えることなく向かわねばならない。
 キャメロットの上空は多くのドラゴンが飛翔しており、街中での不審な動きはできるだけ避けるべきだろう。
 急いで――しかし、急ぎすぎずに。
巳継・琉叶
小鳥(g01304)と。

許可証を預けてくれたみんなの為にも失敗は出来ないね。

俺も服や鞄は現地に合うように調達。
あと、小鳥に日差し除けの帽子か薄いベールも買おう。

セオドアも許可証を持っていたから家族で無くても入れるようだけど、
ルーナの親族で病気で今でないと会えなくなるから来た事に。

「当たり前に受ける呪いだからしょうがないと思っていたけど……。」
演技でと思ったけど俺が妖刀から受けた呪いを
小鳥が触れる事で肩代わりして病身になっている。
「無理はしないようにね。」

小鳥の手を引いて無理をさせないようにドラゴンの元までは真っ直ぐ行こう。
「ちゃんと連れて良くよ。」
セオドアやアイラや、家族の思いも一緒にね。


花喰・小鳥
琉叶(g06372)と一緒に

私たちはルーナの家族を装う作戦だ
衣装や鞄など、現地の物で揃えて見た目にも違和感を与えないように

「琉叶の発想には驚きました」

作戦は彼の発案だ
設定として、病弱な私の命はそう長くない
ルーナを祝うために訪れた
そんな私の顔色は事実いまはハッキリと悪い

「琉叶の使う呪いはやはり重かったですね……」

呪いに触れることで病身を実現
問題は実際に熱などで体調を崩してることだが、そこは琉叶のサポートがある
彼に手を引かれながら歩みを進める

「セオドアの葛藤に比べたら大したことはありません」

同じ立場なら私に決断できただろうか?
彼の想いと望みが叶うように、今できることを

「行きましょう、琉叶」


一里塚・燐寧
【或街】

セオドアくん、ちゃんと覚悟を決めてくれたねぇ
あたし達も、受け取った想いにきっちり応えるとしよっか
さぁさぁ、楽しい潜入作戦のはじまりはじまり~

あたし達は商人の振りで潜入!
【プラチナチケット】で関係者ヅラに説得力を持たせつつ
【モブオーラ】で、悪目立ちはしないようにするねぇ
道中、竜鱗兵やドラゴンの視線を意識しつつ
出来るだけ目立たない道を選んで進んでいこっか

入城後も仲間と一緒に探索
もし人間の守衛に見咎められ、穏便に切り抜けられそうにない時は
【罪縛りの鎖】で動きを止め、喋れないよう口に布を詰め込むねぇ

竜の部屋に突入したら、≪テンペスト・レイザー≫を手に臨戦態勢
悪いねぇ、花嫁さんは頂いていくよぉ!


不知火・紘希
【或街】
アイラちゃんの気持ちも、
セオドアさんの勇気もしっかり受け取ったよ
預かった許可証、大事に使うからね!

移動は引き続き【光学迷彩】を使うよ。
そうだね、このまま商人のふりをしていこう。
元々許可証を持ってる人がいっぱいいたってことは上手くやれば入れてもらえるかも。

脱出するときのために周りを観察しつつ、
偵察を使って護衛の目を避けながら向かうよ。
声をかけられたら燐寧さんとキョウちゃんの後ろで大人しくしておくね。
足止めされた時は隙をついてダッシュ!
ごめんね、急いでるから……!

部屋に突入できたら、僕はドラゴンの気をそらすため星の流星群を飛ばしておくね。
ルーナさん、僕たちが来たからもう大丈夫だよ!


大和・恭弥
【或街】
残留効果は適宜使用

想いを伝えなかったんじゃなくて、
伝えられなかったんだな。
自分で護りたいって気持ちは俺もわかる
そのセオドアさんの心、無駄にはしない。

竜の住居までは【光学迷彩】を使う
花嫁道具に必要な物資を調達しに来た商人に扮して、紘希と燐寧さんと潜入する
事前に朝市でそれらしい物品を仕入れておこう。
護衛に声をかけられたら変に隠さず応じるよ
「花嫁の準備に必要だと城主にご依頼されました」
などと告げ、許可証を見せて部屋に向かう

晴彦や情報収集を使ってルーナさんの気配をたどる
部屋に突入できたら、藍雪花染を解放
ドラゴンとの間に割り入るように動こう。
―これ以上はさせない。
お前が盗んだ花嫁は返してもらうよ


●花嫁の元へ
 キャメロットの城壁が見えてくる――ディアボロスたちはその姿を視界にとらえていた。
 通行許可証なくしては通れぬ城壁。竜鱗兵たちの見張りも見えるが、こちらをちらりと見ただけで特に注視してくることはない。
 それはきっと、竜鱗兵たちにとってはよくある光景だからなのだろう。
「許可証を預けてくれたみんなの為にも失敗は出来ないね」
 この場に合うように服や鞄をそろえて、巳継・琉叶(幻鏡・g06372)と花喰・小鳥(ミスティックアイズ・g01304)は向かう。
 小鳥は日差し除けの帽子をかぶって、この世界に溶け込むように。
 ふたりは花嫁であるルーナの親族として向かうつもりだ。
「琉叶の発想には驚きました」
 病弱な私の命はそう長くない。ルーナを祝うために訪れた――その設定で向かうのだ。
 今でなければ会えなくなるからというように。
 そして演技ではなく、小鳥の顔色は事実、いまハッキリと悪い。
「当たり前に受ける呪いだからしょうがないと思っていたけど……」
「琉叶の使う呪いはやはり重かったですね……」
 琉叶が妖刀から受けた呪いを、小鳥が触れることで肩代わりして病身になっているのだ。
 琉叶が手を引きながら体調の悪そうな小鳥を支えつつゆっくりと向かう。
「無理はしないようにね」
 その言葉には、小鳥は首を横に振った。
「セオドアの葛藤に比べたら大したことはありません」
 同じ立場なら私の決断できただろうか? ――小鳥は考えて、それが簡単にできぬことだと思い至る。
 だから、その決断の力になるためにも。彼の想いと望みが叶うように、今できることをと、その歩みを向けるのだ。
「行きましょう、琉叶」
「ちゃんと連れて良くよ」
 ドラゴンの元まで真っ直ぐに。
 思い滲む小鳥の表情を見つつ、その身支えながら琉叶は紡ぐ。
「セオドアやアイラや、家族の思いも一緒にね」
 まだ、間に合う。
 キャメロットの城壁を通り抜ければ、その先は巨大な石造りの屋敷が立ち並ぶ。
 それはドラゴンたちが住まう場所だからだろう。
 ルーナを取り戻すべく、ドラゴンの屋敷へ向かう。そこまでの道筋は、もう知っているから迷いはなかった。
 そしてたどり着いた先――花嫁の親族と告げれば問題なく中へ入れた。
 同時に、他方から商人としてここへ向かっていた者達とも、合流する。城の中へと入れば、あとは花嫁の元へと向かうだけ。

●ドラゴンの居住へ
 もうすぐキャメロットの中だ。
 ここが、と大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)はその城壁を見上げる。
 このキャメロットの中に、竜の花嫁であるルーナがいるのだ。
 ルーナとセオドア――想いを伝えなかったんじゃなくて、伝えられなかった。
 それを知った恭弥の胸に、灯る想いがある。自分で護りたいという気持は恭弥にもわかるものだった。
(「そのセオドアさんの心、無駄にはしない」)
 きっと、できることならここに一緒にきたかっただろう。
 けれど自分では足手まといになると思って、彼は通行許可証を渡して託してくれたのだ。
 キャメロットの城壁では特に調べられることもなく簡単に通ることが出来た。
 竜鱗兵から一瞥はむけられたが、商人かと判断され止められる事は無かった。
 無事通り抜けられたと一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)も周囲を見回す。
 商人の振りで入ったキャメロット。悪目立ちしないようにしつつ、通り抜けた先、巡回している竜鱗兵もいつものことというようにちらりと見ただけで通り過ぎていくだけだ。
「セオドアくん、ちゃんと覚悟を決めてくれたねぇ」
 燐寧はこの中へと入れるように許可証を譲った面々を思い浮かべる。
「あたし達も、受け取った想いにきっちり応えるとしよっか」
 さぁさぁ、楽しい潜入作戦のはじまりはじまり~と小さな声で紡ぐものの、その意識は多方に向けられていた。
 時折頭上を通り過ぎるドラゴンの影。見咎められることがないように。
 その言葉に不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)も頷く。
「アイラちゃんの気持ちも、セオドアさんの勇気もしっかり受け取ったよ」
 預かった許可証を使って、無事に中へ入ることができた。その許可証を紘希はぎゅっと握る。
 ここまで商人のふりをして、ここでそれを変えるのも変な話だ。
 紘希は脱出する時の為に周りを観察する。
 きょろきょろと、どこを通れば早いか、竜鱗兵が少ないか――そういう事も見ながら。
 そして、一行は件の屋敷へとたどり着く。
 花嫁道具としてよさそうな、それらしい物品を朝市で仕入れてきた。
 荷物を持って、そして門へと向かえば竜鱗兵より用向きは、と簡単に問われた。
「花嫁の準備に必要だと城主にご依頼されました」
 通行許可証と共にそれらしい荷物をもって見せれば、花嫁は今、城主たるドラゴンの傍にいるので待てと告げられた。
 しかし、それを大人しく待つことはできない。なぜなら、花嫁を奪還しにきたのだから。
 商人のふりは、ここまでだった。

●ドラゴンと花嫁
 その屋敷の主、混沌竜サートゥン・デスはルーナを、竜の花嫁を見詰めていた。
 そして、混沌竜は告げる。
「ご苦労」
 そして労いののちに、混沌竜は楽し気な声を零した。
「花嫁修業の成果は出たようだ。お前に卵を産ませることができそうだ」
「え……?」
「さて、どんな卵が産まれるだろうか。それも楽しみである――願わくば、貴重な卵が産まれて欲しいものだ」
 混沌竜は魔術を紡ぐ。
 しかしそれが紡ぎきられる前に――人が通るための扉が破られた。
 燐寧はその手にチェーンソーの刃を持つ大剣、テンペスト・レイザーを。その重厚な刀身で扉を破砕して、その勢いのままに中へ。
「悪いねぇ、花嫁さんは頂いていくよぉ!」
 そして何事かを混沌竜がしようとしているのを見て、紘希はすぐさま動いていた。
 突然の乱入者にドラゴンは花嫁を渡すまいと手を伸ばすが、その手は紘希の生み出した流星群によって阻まれた。
「ルーナさん、僕たちが来たからもう大丈夫だよ!」
 ドラゴンの間にはいるように恭弥は動く。目の前にした混沌竜は、強大だ。しかし、それで折れる事はない。
 託された想いがあるのだから。
「――これ以上はさせない。お前が盗んだ花嫁は返してもらうよ」
「返してもらう? わが花嫁に触れるな不届きものよ! お前達のほうが盗人であろう!」
 さぁ、花嫁よ、こちらへと猫なで声で渾沌竜は紡ぐ。
 ルーナはその声に一瞬たじろいだ。そちらへ向かおうと足を動かしかけた彼女の腕を琉叶は掴んで、こちらへ留める。そして小鳥が言葉向ける。
「彼の想いと望みが叶うように、ここにきました」
 彼――それはセオドアのことだとルーナはすぐに察した。
 ディアボロスたちの言葉から感じるのは、花嫁である自分をここから連れ出そうとする意志。
 つまりは竜の花嫁ではなくなるということ――それは、彼と一緒にいられるということ。それは小さな頃に、小さな頃から思い描いていた幸せ。
「私は……」
 そちらへ参りません、と細い声だがルーナは紡いだ。
 それは竜の花嫁であることへの決別。ルーナの心はセオドアの元にあった。
 彼女の心が決まっているなら、ディアボロスには何も迷いはない。
 ただこの目の前のドラゴンを倒し、花嫁を連れこのキャメロットから脱出するだけだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!

 己の花嫁となる娘は、突然の乱入者たちの後ろへと庇われるように一歩、二歩と下がっていた。
「……それは逆らうということか?」
 混沌竜はおかしなことを言うというように紡ぐ。
 そのようなこと認められぬと――しかし、まぁいいと続けた。
 此処にいる、おまえを奪還しにきたという者達を屠り卵を産ませればよいだけと。
 逆らうような気骨があるならば、さぞ良い卵が産まれるだろうと混沌竜は逆に上機嫌だ。
 さてどのような卵が産まれるか――それもまた、楽しみであると瞳を歪める。
 しかしそれは、この場の者達を片付けてからだ。
 混沌竜には余裕が見て取れた。ディアボロスたちが己をどうにかすることができるとは思っていない侮りもあるのだろう。
 ドラゴンの為の部屋は広く、戦いを遮るものは何もない。
 空から襲撃し、力任せに押し潰してやるか。
 それとも魔力を凝縮し、この眼から貫いてやるか。
 この八つの口から炎を吐いて、焼き尽くして――いや、と混沌竜は思案する。
 押し潰しと炎では花嫁を巻き込みかねない。貫くのも、射線上にいないことを確認して打たなければ。
 巻き込んではならない。それはならぬこと。
 花嫁には卵を産ませなければならないのだ。失うわけにはいかないと理性的に思考する。
 花嫁を傷つけずにどのように取り戻すか――そのことに気を向けており、混沌竜の動きの幅は狭められているだろう。
 それにディアボロスたちも、また一手を重ねれば気づく。
 ルーナに攻撃及ばぬことを利用して立ち回ることも可能だ。もしくは、彼女に危害及ばぬのなら、全力を持って前にでて戦うこともできるだろう。
 その選択は、この場で戦う者達にゆだねられる。
巳継・琉叶
小鳥(g01304)と。

ルーナは必ずセオドアの元に帰さないとね。
それに小鳥の体調も気になるし。
「小鳥、体調は大丈夫?」

敵は花嫁には攻撃出来ないけど、
戦闘中に取り戻そうとする可能性もあるし
ルーナの前にいた方が良さそうかな。

戦闘中は敵の動きを出来る限り見て動いて、
敵に集中するような気になる動きがあれば
注意喚起するね。

出来れば敵の目は減らしたいから、
刀の呪詛の力は遠慮なく使用。
連携も考えつつエアライドを使って
高さも活かして動きながら
敵の目を狙って『三辰』で攻撃していこう。

小鳥の行動で敵の動きが止まったら、
攻撃を入れつつ小鳥を安全そうな所へ。
「小鳥は無茶しすぎ」
早く戦闘を終わらせないとね。


花喰・小鳥
琉叶(g06372)と一緒に

「問題ありません」

万全とは言えないが、そうした負の要素は力にもなる

前に出て【琉叶をディフェンスする】
竜を惹きつけて彼には攻撃に専念して貰う

「聞いておきたいことがあります」

卵を産んだ花嫁がどうなるのか、私は知らないから
幸せな結末ではないだろうとは思う
竜はルーナを卵を産む道具としか見ていない

「幸せかどうかは本人が決めることです」

機を見てエアライドで空中へ
Death From Aboveを誘い、自身を餌に噛みつかせる
押し潰されそうな私は、

「動きが止まりましたね」

瀕死の状態で微笑む
噛まれたまま自身を引き裂かれながら【捨て身の一撃】の【暗黒】を発動

あとは琉叶がいますから


一里塚・燐寧
【或街】

ルーナちゃん、ちょーっと待っててねぇ
あのキショいクソトカゲがバラバラになるとこを見せたげるよぉ
ま、別に見たくないなら、セオドアくんのことでも考えといて~

あたしはガンガン突っ込んでくから、紘希くんに後衛は任せたっ
恭弥くんは、敵があたしに手こずってるとこを一気にブッ殺してよぉ

ルーナちゃんを背にダッシュで敵に猛進
これでいざとなれば庇えるし、貫通・広範囲技を敵が使いにくくなる効果も狙えるねぇ

肉薄したら【エアライド】で2段跳躍、敵の背中に乗り上げる
そして『呪式:粉骨砕神』を発動!
≪テンペスト・レイザー≫をブン回し、敵の首を複数本刈るように振るうよぉ!
あははは!ほっとけば全部の首が落ちちゃうよぉ?


不知火・紘希
【或街】
ルーナさんを待ってる人たちがいるんだ。
望むのなら、必ず幸せなところへ連れ出して見せるから。
大丈夫! 見てて。僕たち、すっごく強いんだよ。

ドラゴンへの直接攻撃は燐寧さんとキョウちゃんに任せたよ!
僕はルーナさんを庇うように彼女の前に出て距離を取るよ。
幸せペイント箱から魔法のクレヨンを出してまずは結界を展開しよう。
花嫁を狙わないかもとはいえ、巻き込まれるかもしれないからね。
結界でダメージを防ぎつつ、Zitronengelbに収束した光球を天高く放って、
ネットランチャー式の結界で包みドラゴンの動きを鈍らせてみるよ。

少しでも燐寧さんとキョウちゃんのサポートだよ!
さあ、みんな無事に脱出しよう。


大和・恭弥
【或街】
随分と余裕だな。卵にしか目がないようだが、
自己勝手な欲望しかないお前には絶対に彼女は渡さない。
ルーナさんはお前の花嫁じゃない。
繋ぐべき縁を邪魔するな……!

ルーナさんの護衛は紘希に任せて、燐寧さんと連携し竜を撃破する。
--燐寧さん、よろしく頼みます。
彼女が攻め込んでいく間に妖刀「藍雪花染」を抜刀し呪詛を解放。
隙を生まないように未来予測で竜の視線や呼吸を読み、
攻撃を躱しながら彼女の反対側を埋めるように肉薄する

多少の負傷は厭わない。
紘希とルーナさんに被害が及ばないよう留意しつつ、
仲間と呼吸を合わせて一気に斬りかかる

狙うは敵の急所--構えから軌道を見極め、
逆袈裟懸けに呪力を込めた一閃を振るう。


 混沌竜が首をもたげてディアボロスたちを見下ろし、動きを見定め観察しているようでもあった。
 けれどその視線に屈するものはここにはいない。
「ルーナさんを待ってる人たちがいるんだ」
 望むのなら、必ず幸せなところへ連れ出してみせるからと不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)は彼女へと言葉向ける。
 しかしその視線はどこか不安そうなところもあった。
「大丈夫! 見てて。僕たち、すっごく強いんだよ」
 その気持ちを感じたか紘希は笑ってみせた。
「ルーナちゃん、ちょーっと待っててねぇ」
 あのキショいクソトカゲがバラバラになるとこを見せたげるよぉ、と一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)はテンペスト・レイザーの刃を回転させ音たてる。
「ま、別に見たくないなら、セオドアくんのことでも考えといて~」
 なんて、ちょっとからかい交じりに緊張していた彼女をふっとほころばせて。
 けれど、次には燐寧の視線は射抜くように混沌竜を捉えている。
 燐寧は自分がどう動くか、そして。
「あたしはガンガン突っ込んでくから、紘希くんに後衛は任せたっ」
 ふたりに何を託せばいいのか。燐寧は大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)へと視線一瞬向けて。
「恭弥くんは、敵があたしに手こずってるとこを一気にブッ殺してよぉ」
「――燐寧さん、よろしく頼みます」
 燐寧は己の取るべき道筋を定めて、混沌竜へと猛進する。
 いざとなれば庇える位置取り。それにルーナが後ろにいるということは、燐寧を攻撃する時に貫通や広範囲の技を混沌竜が使いにくくなるという利点があるからだ。
「うん、燐寧さんとキョウちゃんに任せたよ!」
 紘希が距離を取って言葉向ける。ルーナをかばうように――花嫁を狙わないかもとはいえ、巻き込まれるかもしれない可能性はあるからだ。
 その様を混沌竜は見下ろして、ふんと鼻鳴らす。
「花嫁よ、助けてやるまでもう少し待っておれ」
 拒絶の言葉は聞かなかったことにしてやろうというように鷹揚に。
「随分と余裕だな。卵にしか目がないようだが、自己勝手な欲望しかないお前には絶対に彼女は渡さない」
 燐寧が攻め込む間に、妖刀『藍雪花染』を抜刀し恭弥は呪詛を解放する。
 攻撃の下を躱しながら、燐寧の反対を埋めるように恭弥も肉薄していく。
 その動きを追って魔力を凝縮して放たれた光線。
 恭弥を追いかけるそれはその身を掠っていく。だが恭弥は痛みを感じていようとも表情変えず、その次の一手を紡ぐべく動いていた。
 ルーナは必ずセオドアの元に帰さないとねと、巳継・琉叶(幻鏡・g06372)は紡ぐ。早く彼女を彼の元へと思うのと同時に、もう一つ気を向けていることがあった。
 琉叶は傍らの花喰・小鳥(ミスティックアイズ・g01304)へと視線向ける。
 彼が気にかけているもうひとつは、小鳥の体調だ。
「小鳥、体調は大丈夫?」
「問題ありません」
 万全とは言えない。けれど小鳥はまっすぐ前をむいて立っていた。
 負の要素は、また力にもなる事を小鳥は知っている。
 流叶はルーナにも意識向ける。
 花嫁に攻撃するそぶりは敵にはない。しかし戦闘中に取り戻そうとする可能性もある。
(「ルーナの前にいた方が良さそうかな」)
 そう思って、流叶は彼女の前に。そして小鳥は流叶へ向く攻撃を引き受けるつもりで、動き始めた。
 混沌竜へとむけて、小鳥は投げかける。
「聞いておきたいことがあります」
 卵を産んだ花嫁がどうなるのか、私は知らないから――しかし、それは幸せな結末ではないだろうとは、思うのだ。
 混沌竜の動きを見つつ投げかける。
 卵を産んだ花嫁の行く末を。
 混沌竜は、卵を産んだ花嫁の末など言うまでもなかろうと笑うのだ。
「その花嫁はいかな卵を産むか、それを知るためにも邪魔はさせぬ」
 邪魔者をまず払いのけねばと混沌竜はその首をうねらせる。
 その頭、その瞳――それを減らしておきたい。琉叶は刀の呪い力を遠慮なく振るう。
 空を蹴って走り、その上を取れば。
「貫け」
 具現化し投げられた三振りの剣。それは流星の如く敵に向かって飛翔し貫いていく。
 そしてその巨体を、混沌竜は琉叶へと向ける。しかし小鳥が前にたち、それを有形無形の『畏れ』を纏い一撃放ち払いのけた。
 この混沌竜はルーナを卵を産む道具としか見ていない――小鳥は鋭い視線を向け言い放つ。
「幸せかどうかは本人が決めることです」
「そのようなこと、我が関することではな、ぎゃああああ!!!」
 と、鼻を鳴らし余裕ぶっていた混沌竜が叫ぶ。
 それは混沌竜が気を散らしている間に肉薄した燐寧が、とんとんと跳躍重ねてその背中に乗り上げ重い一撃を見舞ったからだ。
「伝家の宝刀、チェーンソー! これで真っ二つにしちゃうよぉ!」
 実体かした呪詛の刃を纏わせて、超高速で振動させる。それは混沌竜のその鱗を裂断しその首一つ切り落とす。そしてその刃はまだ止まらない。
 チェーンソーの扱いは燐寧の十八番。チェーンソーそのものを術式化したようなそれは、元からシェーンソーであるテンペスト・レイザーを持って振るうことで更なる威力を発揮していた。
「あははは! ほっとけば全部の首が落ちちゃうよぉ?」
 燐寧を振り落そうと身を捩る混沌竜。
「お願い、みんなを照らす光の神さま。――僕に力を貸して」
 ヘリオドールが煌めくカービングナイフ、Zitronengelbに集束した太陽光。それを高く放って、ネットランチャー式の結界で包んでいく紘希。
 空中で弾けた光球は、敵には痛みを。そして救うべき人には穢れ清めるものとなる。
 そしてその結界により混沌竜の動きが鈍っていく。混沌竜はこれを払うべく紘希へと炎を向けようとしたが花嫁を巻き込んでしまうと口元で渦巻いて消えていくだけ。
 少しでも、力になれたら、サポートになれたらと紘希が振るう力。
「動きが……! この……!」
 その暴れる動きが抑え込まれたなら燐寧はまたテンペスト・レイザー振るってその首をまたひとつ、首根っこ切り裂いて使い物にならなくしていた。
 小鳥もまた空中を駆ける。
 こちらですよと、小鳥は自分を餌にして混沌竜が首を伸ばしてくるのを狙っていた。
 小鳥を捉えて噛みつく。そのまま押しつぶしてやろうとその瞳がにんまりと歪む――けれど。
「動きが止まりましたね」
 傷は深い。それでも小鳥は微笑んで、己の身を糧にしてこその捨て身の一撃を放つ。
「貴方が壊れるまで」
 小鳥の纏う『畏れ』が、混沌竜の頭、その一つを引き裂くように駆け抜ける。
 噛みついていたその口は緩まり、小鳥は落ちていく。
 しかし、知っているから、そして信じているから。
「あとは琉叶がいますから」
 大丈夫――小鳥を受け止めた琉叶は安全な場所へ、ルーナの近くまで引きながら攻撃を。
「小鳥は無茶しすぎ」
 その言葉に小鳥は僅かに口端を上げて見せた。
 早く戦闘を終わらせないとねと琉叶は言って、再び混沌竜へと向かう。
 頭一つ、潰された混沌竜は痛みに他の首をまたうねらせて憤っていた。
「我が首を……!」
 多少の負傷は厭わない――恭弥もまたその気持ちだ。いくつもの首を落とされて、混沌竜も己が追い詰められていくのを感じている様子。
 畳みかけられていく攻撃にその身はボロボロだ。
 そして恭弥がその急所狙って、動く。
 混沌竜の意識が己から逸れた瞬間、構えから軌道見極めて、逆袈裟懸けに呪力を込めた一閃が振るわれた。
「我が……このような……」
 混沌竜は呻き、その瞳からは光が失われていく。
 その首は力を失い、落ちていく。混沌竜が事切れるまでの時間は、僅かであった。
 ディアボロスたちは一番の生涯であった、花嫁を迎えるドラゴンを倒した。
 これでルーナに卵を産ませようとするドラゴンはもういない。
 あとはこのキャメロットからの脱出――しかし、それも簡単な事ではなかった。
「サートゥン・デス様、何か物凄い音が――!!??」
 花嫁の傍を守るのであれば同性のほうがいいだろう。そう考えられここには聖ティラミサ騎士団のドラゴニアンたちが配されていた。
「花嫁様が……!」
「傷つけぬように気を付けろ!」
 ドラゴニアンもまた、花嫁は傷つけてはならないと思っている様子。
 まだ、異変に気付いている者達は少ない。
 出口を塞いでいるのは2体だ。
 しかし、時期に戦闘に気付いて増えてくるだろう。
 この2体を払いのけつつ動けば突破することは、満身創痍のディアボロスであっても可能だろう。
 今はまず、急いでこのキャメロットより脱出するだけ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

 混沌竜との戦いを経て、それぞれ程度の違いはあれど傷は追っている。
 そこへ、行く手を遮るのは2体のドラゴニアン。
 聖ティラミサ騎士団のドラゴニアンたちはこの屋敷にほかにもいる。
 だが彼女たちもまた、花嫁を傷つけないようにしなければならないと動きに制限が出そうだ。
 しかし時間がかかれば、ここに集まることになり脱出も難しくなるだろう。
 すばやくこの2体を倒し、脱出するだけ。
 キャメロットの道は、ここへ来る途中で十分情報を得て、どうすれば最短であるのかディアボロスたちはもう知っている。
 これは竜の花嫁ルーナを巡る最後の仕事となるのだろう。
 竜の花嫁でなくなったルーナを、本当に愛している者のもとへ導くべきディアボロスたちはまだしばし、この場での戦いに身を置く。
花喰・小鳥
琉叶(g06372)と一緒に

混沌竜との戦いから休む間もない
傷だらけの体は重く、正直なところ今の私は足手まといだ

「問題ありません。あと少しです」

琉叶に告げると、
立ち塞がる竜たちを前に【ネメシス形態】に変身する

白の髪は金に輝き
赤い瞳は海のような深い青に満ちる
微かに浮かぶ笑みは確かな自信を宿している

それは失われた過去の姿
前だけ見てを、兄さんと共にあった頃の私だ

「退きなさい。いたずらに命を散らす理由はないでしょう?」

【琉叶をディフェンス】

彼を守りながら炎を切り裂くように【暗黒】を発動
呪いと怪我による生命の危機は、私の力を極限まで高めてくれる

「琉叶、合わせ技です」

彼と手を繋いで、力を重ねて貫きます


巳継・琉叶
小鳥(g01304)と。

ルーナを帰すのは勿論だけど、
小鳥はこのままだと戦うのも厳しいかもしれない。
「ここは無理してもらわないとだけど、大丈夫?」

あれが小鳥のネメシス形態なんだね、
大丈夫そうだけどここは早めに脱出しないとね。
「ルーナも必ずセオドアの所に連れて行くから、あと少し頑張って。」

敵の動きは出来るだけ見るようにして、
危なそうなら声掛けや、割り込んでのフォローに入るね。
小鳥や皆と連携して倒していこう。

敵が飛ぶならエアライドで跳んで【神蝕呪刃】で
呪詛の付与を狙っていこう。
ついでに地面に落とせたら良いな。

「一気にいこう。」
小鳥と手を繋いで全力で攻撃を叩き込むよ。


一里塚・燐寧
【或街】

ははん、この程度でへたばってたらとっくに死んでるっての~
あたし達は強いから生き延びてきたんだ……ルーナちゃん、大船に乗った気でいなよぉ

もう1匹の方ね! おっけー恭弥くん、任されたっ
≪テンペスト・レイザー≫の切っ先を敵に向けながら駆けるよぉ
きみ、竜鱗兵にしちゃいい身体してるじゃん
代わりの花嫁に立候補すればぁ?
ま、ここで生き残れたらの話だけどねぇ!

お道化た雰囲気で近づきつつ、間合いに入ったら一瞬で殺気を解放し
【怪力無双】の膂力で『屠竜技:竜叫の勢』を叩き込むよぉ!
あたし達で1匹ずつ抑える、味方との連携なんか許さないっ

脱出時は【セルフクラフト】で背後の道を塞ぎながら進むよぉ
皆で生きて帰ろ~っ


大和・恭弥
【或街】
心身の負担なんてなんでもない。
……必ず連れて戻ると、約束したんだ。

敵が花嫁を傷つけたくないことを逆手に取り、
紘希や燐寧さんと連携して死角を与えないよう戦う
俺は未来予測にて敵の呼吸を読み、敢えて踏み込んでいく
仲間を巻き込まないよう精神を集中させて、虚無剣を仕掛ける
もう1体は…燐寧さん、任せます。

脱出時は殺気はひそめて、
結界で可視化の法則を書き換えつつ(光学迷彩)
最短距離でセオドアさんたちのもとへ急行
追手があれば俺が対処するよ

会わせることが出来たら
ご家族やセオドアさんにも今後について説明しておく
それから今のうちに――
大切な人を護るのはこれからセオドアさんの役目だ。
伝えたいその心、大事にな。


不知火・紘希
【或街】
ルーナさん、大丈夫? ドラゴンはいなくなったよ。
もう少しでセオドアさんやアイラちゃん、ご両親に会えるからね。
声がけして無事を確かめたら、すぐ脱出しよう

まだ気づかれてないみたいだけど、念のため近くで護るね。
戦闘、移動のときは【平穏結界】を使うよ

僕に残ってる力をペイントツールに込めて、パラドクスを発動
光の矢を描き出して打ち込み、燐寧さんとキョウちゃんを援護だよ
反撃してきたらサンライトブレイザーで払い返すよ。

さっと倒したら急いで城門を抜けよう
移動は【光学迷彩】や残留効果をフル活用!

あのね、僕に許可証をくれたのアイラちゃんなんだ
ルーナさんを心から待ってる人たちがいる
今度こそ、幸せになるんだよ。


 混沌竜は潰えた。しかし、まだ聖ティラミサ騎士団と言う壁がある。
 しかし傷を負ったディアボロスたち。その姿にルーナは心配そうな視線を向ける。
「ルーナさん、大丈夫? ドラゴンはいなくなったよ」
「ええ、私は怪我もなにもないから……けれど、皆さんは」
 不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)は大丈夫と言う。ね、と視線を向けた先――ルーナの不安をそれを払うように。
「ははん、この程度でへたばってたらとっくに死んでるっての~」
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)はまだいけると軽く笑って見せる。
「あたし達は強いから生き延びてきたんだ……ルーナちゃん、大船に乗った気でいなよぉ」
 この場だって余裕で乗り切っちゃうからね~と燐寧は言う。
 その言葉に大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)もそうですと頷く。
 心身の負担なんてなんでもない、と。
 そうして心配そうなルーナへと柔らかに、瞳細めて見せる。
「……必ず連れて戻ると、約束したんだ」
「う少しでセオドアさんやアイラちゃん、ご両親に会えるからね」
 そう、と恭弥の言葉に紘希も笑って。
 ルーナさんは大丈夫そうと頷いて返す。すぐ、脱出しようというように。
 けれど簡単にはいかない。
 タイミングを見て攻撃駆けてくる竜鱗兵。
 その呼吸を呼んで、恭弥は抑えるように敢えて踏み込んでいく。
 皆を巻き込まぬように気を付けながら妖刀「藍雪花染」の秘技を繰り出す。
 そうしながら恭弥は燐寧へと視線向けて。
「もう1体は……燐寧さん、任せます」
 恭弥の抑えるもう一体の方へ素早く身体を向け。
「もう1匹の方ね! おっけー恭弥くん、任されたっ」
 テンペスト・レイザーの先を敵に定め燐寧は駆ける。真直ぐ向かって、その間合いへ一足で踏み込んで。
「きみ、竜鱗兵にしちゃいい身体してるじゃん。代わりの花嫁に立候補すればぁ?」
 ま、ここで生き残れたらの話だけどねぇ! と、一気に殺気を解放する。
「これで一気に決めるよぉ! でぃやぁぁぁぁぁっ!!」
 己のリミッターを外し、衝撃波を巻き起こすほどの勢いでテンペスト・レイザーを振るう。それは竜殺しの狩猟技術だ。
 おちゃらけた雰囲気から一気に攻勢へ。連携なんか許さないと燐寧は攻撃押し込んだ。、
 燐寧と恭弥で一体ずつを抑えているうちに、態勢をふたたび立て直し切り崩す隙を生み出していく。
 休む間もなく、傷だらけの体は重くて花喰・小鳥(ミスティックアイズ・g01304)は深く息を吐いた。
 正直なところ、今のわたしは足でまといと、小鳥は己の状況を判断していた。
 そして巳継・琉叶(幻鏡・g06372)は、ルーナを帰すのは勿論だけど、と思いながら小鳥へと視線向ける。
 このままだと戦うのも厳しいかもしれない。
「ここは無理してもらわないとだけど、大丈夫?」
「問題ありません。あと少しです」
 先の、混沌竜との戦いは大勝と言えるものだった。しかし小鳥自身が負った傷は、生命の危機に近づくもの。
 その時がくれば、己の身をさらなる姿にすることも心に決めて小鳥は向かう。
 その姿は、白い髪は金に輝くだろう。赤い瞳は海のような深い青に満ちていくのだろう。
 そしてその表情にかすかに浮かぶ笑みは、確かな自信を宿すのだろう。
 それは失われた、小鳥の過去の姿。前だけ見て、兄と共にあった頃の――その姿を得るのなら、さらに窮地に陥った時になるのだろう。
「退きなさい。いたずらに命を散らす理由はないでしょう?」
 小鳥は聖ティラミサ騎士団の者たちへと言い放つ。

 まだ、大丈夫そうだ。琉叶は小鳥を見守りながらルーナへと声かける。
「ルーナも必ずセオドアの所に連れて行くから、あと少し頑張って」
 花嫁を渡してはならぬ、御救いするのだと聖ティラミサ騎士団の竜鱗兵たちは言って武器を構える。
 しかし、花嫁を傷つけてはならぬとその動きは慎重だ。
 その一体をへ向かい、小鳥が前へ出る。大きな一撃を振るうとみて、燐寧はぱっと身を引いて場所を開けた。
 竜鱗兵が反応する暇もなく有形無形の『畏れ』を纏い、鬼気迫る一撃を放ち、対するように放たれた炎を切り裂く。
 呪い、怪我――生命の危機は、小鳥の力を極限まで高め続けていく。
 琉叶へと向いた攻撃。それを小鳥は弾き、手を伸ばす。
「琉叶、合わせ技です」
「一気にいこう」
 差し出した手を繋いで。
 そして叩き込む攻撃――『畏れ』の一撃に続けて琉叶の白塗り細身の妖刀、白光が走り出口塞ぐ一体を叩き伏せた。
 そして、一体が倒れることを見越した燐寧は恭弥が抑えていた一体へと向き直る。
 と、光の矢が竜鱗兵へと突き刺さる。
 それは紘希が残っている力をペイントツールに込めて、金色に光でもって描きあげ、生み出した矢。
「燐寧さんとキョウちゃんを援護だよ」
 その矢の攻撃に竜鱗兵が意識を自分からそらした隙に、恭弥はその動きを察し攻撃を同時に重ね、叩き伏せた。
 竜鱗兵はそのまま、地面へと倒れ崩れ落ちる。
 今、この部屋へと向かってくる気配はない。この先も追手はかかるかもしれないが、今動かなければ囲まれてしまうという懸念もある。
 ディアボロスたちはルーナを連れて外へ。
 恭弥は殺気をひそめて、結界を用いながら最短距離で向かう。
 その姿を隠しながら、素早く。
 しかし追手も、いる。
 そちらを恭弥が対処しようかと動こうとしたところで。
「皆で生きて帰ろ~っ」
 追いかけてくる敵の姿をちらりと、後方視て見つける燐寧。
 それなら追いかけられないようにぽいぽいっとコンクリートの立方体を生み出していく。地に落ちれば、それは壁がわり。
 追ってくる竜鱗兵たちが進む妨げになっていく。
 燐寧は皆でね、と再度笑って。恭弥はふと、表情和らげああと頷いた。

 キャメロットを一人も欠けることなく出て――待ち合わせの、その場所へとディアボロスたちはルーナを連れて向かう。
 あともう少しといったところで、紘希はふと思い出しルーナへ告げる。
「あのね、僕に許可証をくれたのアイラちゃんなんだ」
「アイラが?」
 そう、と紘希は頷く。
「ルーナさんを心から待ってる人たちが――」
 紘希は言葉紡ぎ終わる前に、その姿みつけてほら、と指差す。
 落ち合う場所で待っていたルーナの家族たち。ディアボロスたちの姿に一番に気付いたのは妹のアイラだった。
「あ、ねぇさま!!」
 嬉しそうに駆けよってくるのアイラ。
 そしてルーナも家族たちの姿に走り始め、笑み綻ばせる。
 走り出したルーナ、そしてその先の光景に燐寧はおやおや、お熱いことでとからかう様に綻ぶ。
 それは駆け寄ってくるアイラを追い抜いく者がいて――だからアイラは仕方ないというように駆けよるのをやめた。
 その時の表情が、幸せそうにみえて、紘希はよかったね、アイラちゃんと零す。
 今度こそ、幸せになるんだよと、紡いだ言葉は彼女たち皆に向けてのもの。
 アイラにその言葉は聞こえなかったけれど、気持ちは通じていたようで紘希へと向かって、大きな笑み見せる。
 小鳥と琉叶も、彼女がこうしてあるべき場所へ帰りついたことを見届けて――ふ、と緊張の意図きれたか。ふらついた小鳥を琉叶は支え直した。
 そしてアイラを追い抜いたもの――セオドアは、ルーナの元へ走り彼女を受け止める。
「ルーナ!」
 よかった、と抱きしめてその表情には恋い焦がれたものにやっと手が届いたのだと、触れられる距離に戻ってきたのだと切なるものがあった。
 そしてセオドアはディアボロスたちに向かって礼を言う。
 ルーナが戻ってきたのは、皆のおかげだと。ルーナも、キャメロンを出ることができたのは皆さんのおかげだと頭を下げた。
「でも、これから……」
「ルーナ、大丈夫。逃げ隠れることにはなるけど……ちゃんと、守る」
 セオドアはしっかりと紡いで、ルーナを離すまいと抱く腕に力こめる。
 恭弥は大切な人を護るのはこれからセオドアさんの役目だと、眦緩め紡ぐ。
 伝えたいその心、大事になと続けて。
 そして、これからのことを告げる。
 輸送船グレースブリンガーを使い、アイルランドのベルファストへと避難するのはどうかと。
 アイルランドまで避難させれば、ドラゴンに見つかって掴まる危険はほぼ無くなるはず。
 もし、竜の花嫁を狙ってドラゴンがベルファストを襲撃しようとしても大がかりな作戦になるために事前に察知することは難しくない。
 ルーナとセオドアは、その輸送船に乗ることを了承する。
 そしてルーナの家族たちも、共に移ることを決める。しかし、セオドアは自身の家族とこのまま別れることにとルーナたちは心配した。
 しかし大丈夫だと、セオドアは首を横に振る。
 セオドアは、キャメロットに向かう時に、自分の家族へともう帰ってこないかもしれないと別れを告げていたようだ。だから、このままどこかへ行くことは気にしなくていいとルーナたちへ告げる。
 それはルーナが居ないのに、共に生まれ過ごした場所で生きていくなんてできないと思っていたから。
 輸送船に乗るときがきたらまた――そう約束して、ディアボロスたちは去っていく。
 ルーナとセオドアたちは近くにしばらく、隠れ住むようだ。
 去っていくディアボロスたちの姿を見送りながら、二人は視線合わせる。
「君と共にいられるなら……どこだっていい」
「ええ、私も」
 そう言って二人は手を繋ぐ。
 片恋は終わる――互いを想いあうものたちは、共に生きていくと誓って。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】がLV2になった!
【腐食】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV4になった!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
【ドレイン】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2022年11月04日

竜の花嫁~キャメロットからの奪還

 ディアボロスは『竜の花嫁』を迎え入れる筈だったドラゴン達の撃破に成功し、『竜の花嫁』達は一時的に実家に戻っていました。
 ですが、ジェネラル級ドラゴン『王妃竜グィネヴィア』の命令によって、『竜の花嫁』達は王都キャメロットに連れて行かれてしまったのです。

『竜の花嫁』達はキャメロットで、前とは異なるドラゴンとの相性を高める『花嫁修業』を(大体は渋々ながら)受けさせられています。
 この修業が終われば、花嫁は『卵を産ませる』のに使われ、死んだも同然の状態にさせられてしまいます。
 そうなる前に、キャメロットに潜入し、竜の花嫁を奪還する必要があります。

 花嫁修業中の竜の花嫁には、親族が会いに来ることが特別に許されています。
 この特別な許可証を、花嫁の家族から奪うか譲り受けて、キャメロットに向かってください。

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#王妃竜グィネヴィア


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選択肢『キャメロット潜入、花嫁の元に向かえ』のルール

 許可証を手に入れた後は、商人や旅人に偽装して、キャメロットの市街に潜入してください。
 キャメロット市街を囲う城壁には、竜鱗兵の見張りもいるようです。
 見張りの竜鱗兵に違和感を与えないような工夫をして、内部に侵入する必要があるでしょう。
 キャメロット市街に侵入後は、目的となるドラゴンの住処に向かい、竜の花嫁を奪還する事になります。
 キャメロットの上空は、多くのドラゴンが飛翔しているので、街中での不審な動きは出来るだけ避けて、目的地に向かうのが良いでしょう。
 ドラゴンの住処に入り込み、ドラゴンと遭遇した時点で成功になります。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『キャメロット入城許可証を手に入れろ』のルール

 キャメロットは、キャメロット場を中心とした城塞都市であり、市街に入る城壁には『許可証が無いものを弾く』力がある為、ディアボロスであっても侵入は困難です。
 その為、キャメロットに入る為の許可証をまずは手に入れる必要があります。
 幸い、キャメロットに連れ去られた竜の花嫁の親族達が、花嫁に面会する為にキャメロットに向かっていますので、彼らから許可証を手に入れてください。
 これまでの信頼関係によっては、交渉によって許可証を手に入れる事が出来るかもしれません。
 そうでない場合は、盗み出すなどの強硬策が必要かもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾キャメロットからの脱出『聖ティラミサ騎士団』のルール

 ドラゴンを撃破し、竜の花嫁を奪還後、キャメロットの外へと脱出してください。
 キャメロットの城壁のクロノ・オブジェクトは、内部に侵入してくるものにのみ効果があり、内部から出ていくものには効果が無いので、強引に突破が可能です。
 竜の花嫁を連れていれば、敵は攻撃を躊躇うので、その隙に脱出を行ってください。
 脱出後は、竜の花嫁を奪還しようと、敵が追撃してくるので、この追撃を撃退するか振り切る事ができれば、成功となります。

 竜の花嫁は、パラドクストレインに乗る事は出来ないので、脱出後の花嫁の身の振り方についても、考えてあげられると良いかもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との戦闘『混沌竜サートゥン・デス』のルール

 事件解決の為に、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破するだけでは事件を解決できないので、戦闘終了後、必要な行動を行ってください。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※このボスの宿敵主は「アムリタ・アンブロシア」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。