リプレイ
月下部・小雪
自国の民を焼き殺すだなんて、こ、こんな非道な作戦、絶対に阻止です!
ま、まずを水中からこっそり、侵入ですね。
【水中双翼魔弾】で【水中適応】を使って、お水の中を飛んで、いきます!
コダマは周りを泳いでいるお魚さんが気になるみたいですが、が、我慢してくださいね。
お魚さんがびっくりして暴れると、水上で警戒している蟲将に気づかれてしまうかも、しれません。
ふぅ、それにしてもお水の中で息ができるなんて、や、やっぱり水中適応は便利、ですね。
い、いっぱい水中での訓練をしておいてよかった、です!
※アドリブ連携大歓迎
(「じ、自国の民を焼き殺すだなんて、こ、こんな非道な作戦、絶対に阻止です!」)
改竄世界史、大戦乱群蟲三国志内、長江。
水の中に身を転じた月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)が浮かべたそれは、憤りであった。
敵だけに留まらず、味方を犠牲にし、新たな蟲将を生み出す。そんな非道が許されて良い筈がない。まして、犠牲者は無辜な一般人だ。クロノヴェーダ達による殺し合いに、彼らを巻き込む事など許される筈も無かった。
そんな非道を阻止するため、彼女は今、長江の中を進むのだ。
共に歩むモーラット・コミュ『コダマ』の足取りもまた、頼もしい物であった。
とは言え――。
(「うわぁ」)
水中から見る景色に、感嘆の吐息が零れてしまう。
まさしく大河なそれは、海に潜って見る光景にも等しい。遙か彼方の水面では太陽が揺らぎ、魚影が小雪の上空を通過していく。それはまさしく、幻想的な光景、の一言に尽きた。
(「だ、駄目です。コダマ。我慢して下さい! お魚さんが吃驚しちゃったら、蟲将に気づかれてしまうかも、しれません」
そんな風に魚を追おうとコダマが暴れ、それを押さえつける一幕もあったが、概ね、水中歩行は恙無く進んでいく。
(「それにしても、お水の中で息ができるなんて、や、やっぱり水中適応は便利、ですね」)
いっぱい水中訓練していて良かった、です! 喜びの表情を浮かべる小雪の腕の中、抱きかかえられたコダマが、もきゅっと同意の鳴き声を上げるのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
ミシェル・ラークリーズ
陸遜一人を失っただけでこんなにお粗末な軍になるんだね・・・罪の無い一般人の皆さんを犠牲にするこの自棄っぱち同然の作戦、必ず阻止しないと。
【水中適応】の残留効果をお借りして、水中ゴーグルとケミカルライトを用意。まず黎明の剣を三本、周りに結界を作るように飛ばして【平穏結界】を張る。物凄い簡易的な結界なので、自分でも泳ぎながら周囲の警戒を怠らない。
先行した方に追い付いたら、協力して船に乗り込む入り口を探すね。ここは敵地のど真ん中だから見つかる前に力を合わせて船に乗り込んじゃおう。
セレナ・ヘカーティア
※他者との連携やアドリブは大歓迎
完全末期の軍の狂気は恐ろしいですわね
仮にも軍師の末席としては、こんな下策の立案者は許せませんの!
事前に行動の邪魔にならない程度の量のケミカルライトや、水中ゴーグルを持ち込んで水中や暗所での行動の補助に使用致しますわ。
【水中適応】を使用して、岸から潜水して、気付かれないように船に近付きますの
出来るだけ川底近くを泳いで、気付かれる可能性を少しでも減らしますの
船の側まで近付いたら、喫水線上の船が沈まない程度の高さの船壁を【看破】して、手持ちの翔翼剣による【斬撃】と【貫通撃】で侵入口を開け、内部に潜入するですの
水面近くに上がったらスピードが命、手早く作業を行うんですの!
長江の川底を、復讐者達は進む。目指すは呉軍が繰る楼船。その中に、ミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)とセレナ・ヘカーティア(夜星の魔女【ノクステラ・マレーフィカ】・g05422)の影もあった。
「陸遜一人を失っただけでこんなにお粗末な軍になるんだね……」
ミシェルの溜め息は気泡となり、空――川面へと上がっていく。【水中適応】で呼吸こそ可能になった物の、復讐者達の周囲を覆うそれは、ただの水だ。通常の物理法則に従い、呼気は泡と化し、そして、川面へと上がっていくのだ。
「ええ。完全末期の軍の狂気は恐ろしいですわね」
セレナの台詞は、憤り交じりに。仮にも軍師の末席として、このような下策の立案者は許せませんの! と零す口調は、ぷんすか、と表すに相応しい物であった。
罪のない一般人を犠牲にする自棄っぱちの様な作戦を阻止しないと行けない。それは二人共通の思いだ。故に、二人ともこの作戦に参加した。無辜の人々を守り、相応の報いを敵に与える。それが、二人の目的だ。
斯くして、二人の静かな行軍は、陽光揺らめく川底の中、行われていく。
その先に開けたのは、目的の場所、呉軍の楼船であった。
「本当に水中の警戒が薄いんだね」
「呉軍が警戒しているのはあくまで魏の水軍。水中を渡って来るなど思っていない、と言う事の現れですわね」
ミシェルの感嘆に、セレナの分析が重なる。思い込みと期待は過渡になりすぎれば、視界すら曇らせる物。それは、クロノヴェーダ――蟲将であっても例外では無い様だ。彼らは人身御供で新たな蟲将を生む事に固執し、故にその目は魏軍しか捉えていない。復讐者達の潜入など、そもそも思考の理外なのだ。
「でも、此処に無事、辿り着いたのは運だけではありませんわよ?」
ミシェルの用いた【平穏結界】を指し、セレナはこくりと頷く。復讐者を中心とした半径30mの結界は、外から内部を把握され辛くする物だ。偶然、川底に視線を送った蟲将が居ても、そのお陰で気に留めることは無かったであろう。残留効果と作戦の状況が上手く噛み合った結果、復讐者達は無事に、楼船へと辿り着く事が出来たのだ。
「それじゃ、敵に見つかる前に船に乗り込んじゃおう。えっと……」
浮かぶ楼船に視線を走らせ、ミシェルが呟く。川底から見る楼船は当然ながら船であり、船底に出入り口らしい扉は見受けられない。川面に浮かび、覗き込むも、甲板に上がらなければそれらしい場所を見つけることは出来ない様に思えた。
「ここは、私の出番ですの! ここからはスピードが命、手早く作業を行うんですの!」
周囲の警戒はミシェルに託し、セレナがにっと笑う。懐から取り出したのは翔翼剣【アルタイル・シグルーン】、【鷲】と【勝利】の魔術文字が刻印された白銀の聖剣であった。
それを突き立て、破壊の連撃を楼船の壁に見舞う。二重、三重。幾多にも重なって見えるそれは、彼女のパラドクスの効果であろうか。
「判った。穴を開けるんだね。僕も手伝うよ。――どんなに暗い闇でも、僕は諦めない!! 光への道を切り拓いて見せる!!」
その詠唱と共に喚び出されたのは輝く三本の白剣だった。世界が、周囲が絶望の闇だとしても、光の道を、希望を諦めない。そんな思いが具現化したそれは、ミシェルの指揮に合わせ、セレナが穿つ穴に突き刺さっていく。木製の壁に、二重のパラドクスは耐えられる物ではなかった。砕け、穿たれ、結果、人一人が通れるくらいの穴が、ぽっかりと口を拓いていた。
要した時間は、十数秒と言った処か。作業に物音が零れたとは言え、それは【平穏結界】の中の出来事。蟲将達へ気付く暇を与える事は無かっただろう。
「出来ましたわ! さあ、皆さんを助けに行きましょう」
翔翼剣を納めながら紡ぐセレナの意気込みに、ミシェルは思わず破顔する。そして微笑を浮かべるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【水中適応】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
ミシェル・ラークリーズ
うわ、住民の皆さん皆ボロボロだよ・・定員オーバーの船に無理やり詰め込まれていたからか。このままじゃいけない。
まずここからの脱出には体力をつけなきゃ。体の弱った方には具のないシンプルな饅頭がいいかな。【口福の伝道者】で増やして配布。これだけの数の皆さんに行き渡るまで大変だけど、水を飲みながら頑張る。
後は浮きになる板切れや木箱を集める。間に合わせのものだけど、無いよりはマシかと。
後は住民の方に事情を説明。僕らはこの上にいる蟲将を倒しにいってくる。直接脱出の支援は出来ないから、リーダーになれる方がいるなら、その指示に従って脱出してくれないかな。
大丈夫、脱出の邪魔はさせないよ。
月下部・小雪
壁面に開いてた穴からこっそり侵入、です。
こ、ここを脱出口の一つに、しましょう!船底からここまでの道しるべを残しておきますね。
けど、船底にたどり着いてみると、こんなにいっぱいの人が……、ひ、酷いです。
【口福の伝道者】でお饅頭を増やすのを手伝いつつ、ボクとコダマはけが人の治療、です!
【モーラット・コミュ・ライト】に進化したコダマの【活性治癒】の出番です。
小さな怪我くらいしか治せませんが、な、何もしないよりはマシと信じます!
※アドリブ連携大歓迎
セレナ・ヘカーティア
※他者との連携やアドリブは大歓迎
ディアボロス参上ですの!
皆様を助けに参りましたのよ!
まずは捕まっている方々に助けに来たことを伝え、騒がないようにお願いしますの
逃げる為には体力を取り戻してもらう必要がありますわね
【活性治癒】で周囲の傷を癒しながら、手持ちの短剣で拘束を解きますの
拘束を解き終わったら、その人達に順次短剣と視界確保用のケミカルライトを渡して、他の方々の拘束を解いてもらうんですの
その際、拘束に使われていた綱は一ヵ所に集める様にお願いしておきますの
集めた綱は浮き具を作るのに使いましょう
麻袋とかがあれば良いのですが、無ければ男性陣の服を縛って空気を入れれば浮き具代わりになると思うんですの!
楼船。広くは屋形船と知られるそれは、奇妙なまでに広く感じられた。
(「とは言え、定員オーバーは確実なんだろうけど……」)
急ごしらえの出入り口をくぐり抜けたミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)は、顔を顰めて周囲を見渡す。この船の中、多くの呉軍、そして、呉の民が詰め込まれている。過重量と言っても過言では無さそうだ。それが原因で沈没と言う事態に陥れば、目も当てられないだろう。
その恐怖や悲嘆、落命すら、蟲将達はエネルギーに変える事が出来るのかも知れないが、しかし、今の彼らの目的は、あくまで魏軍を巻き込んだ自爆――船上火災と爆破だ。沈没しない程度には荷重を押さえているだろう、と頭を振る。それは、そうあって欲しいと言う祈りにも似ていた。
「こ、ここを脱出口の一つに、しましょう!」
その声と共に、標を残していくのは月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)であった。この船のアヴァタール級クロノヴェーダとの戦闘中、或いはその撃破後に、囚われの人々に脱出してもらう必要がある。ならば、此処も大切な脱出口となるはずだ。
「さ。行きましょう。皆様が私達を待ってますわ」
セレナ・ヘカーティア(夜星の魔女【ノクステラ・マレーフィカ】・g05422)の気合い充分な声の元、復讐者達は足を進めていく。
「皆さん、諦めては駄目です! 希望を、希望を捨てないで下さい!」
最初に聞こえた声は、そんな激励の声であった。だが、青年や少女の物と思わしき声は、既に力が無く、それでも、掠れた声は数度と上がっている。まるで声を出さなければ自身が絶望に染まってしまう。そんな焦燥感に溢れた言葉が船底に響き渡っていた。
(「よく頑張りました、ですの」)
そんな人々の意志を、セレナは素直に賞賛する。声の主達が人々を支え、絶望に陥らせなかった。それが齎した物は、蟲将にエネルギーを与えなかったと言う事実ばかりではない。
(「だから、私達が間に合いましたの!」)
彼らが抗ったからこそ、時間が稼げた。彼らが支えたからこそ、終焉を引き延ばせた。
だからこそ、復讐者達が――自分達が到達出来た。そう。無自覚であっただろうが、彼らもまた、共に戦う仲間だったのだ。
「ディアボロス参上ですの! 皆様を助けに参りましたのよ!」
故に、その言葉を告げる。もはや憂うことはない。今、まさに救いの手が差し伸べられようとしているのだから。
「ディアボロス……?」
「も、もう大丈夫です!」
「皆さん、ボロボロになりながら、よく頑張ったよ!」
セレナの呼び掛け、そして、小雪とミシェルの声を受け、人々の表情に光が戻っていく。
「……大丈夫、ですか?」
「ええ。随分楽になったよ。ありがとう……」
小声の小雪の言葉に、老婆が礼と頭を下げる。それは、小雪とセレナ、二人が行った【活性治癒】へと向けられた感謝であった。流石に全ての負傷を治癒する程の時間は用意出来なかったが、それでも、彼らに蓄積していた疲労を取り除く事に成功している。まるで、熟睡した朝の様な爽快な気持ちになった、とは老婆の世話をしていた妙齢の女性の言葉であった。
「それに、食事も用意して頂けて……。満足な食事も頂けなかったので、本当に助かりました」
「そ、それは良かった」
感謝の言葉に、うぷりと呻きながら引き攣った苦笑を浮かべるのは、彼ら全員に饅頭を振る舞ったミシェルであった。【活性治癒】のみならず、彼の用いた残留効果のお陰で、人々に活気が戻ってきていた。
問題は、ミシェルがその残留効果使用払った代償が、かなり大きな物になってしまったのではないだろうか、と言う事であった。
「だ、大丈夫なの?」
「だ、大丈夫、と思う。どうせこれから、運動――戦闘するわけだし、消化できると思う」
セレナに返って来たそれは、物凄い強がりのように思えた。
残留効果【口福の伝道者】。その効果は現時点で、「ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に『100人前』出現する世界に変わる」と言う物。
そう、千数人に饅頭を行き渡らせるため、ミシェルは10人前以上の饅頭を胃に流し込む必要があった。流石に育ち盛りの13歳と言えど、膨れ上がったお腹がその辛さを物語っていた。
「ボク達も手伝えば良かったですね……」
これは、小雪談。確かに「ディアボロスが食事を摂る」が条件のため、小雪とセレナの2人が幾らかでも引き受ければ、ミシェルの代償が軽減されたのも事実だ。だが、彼の代償を三人で平等に分担したとしても、個々に於いて無茶な量であることに変わり無い。そして、悲しいかな、ミシェルは思いやりの深い少年であった。故に、女性に無理をさせる、と言う発想すら、浮かぶことは無かったのだ。
「と、ともかく、僕達はこの後、皆さんを捉えた蟲将を倒しに行ってきます。騒ぎが起こったら、皆さんは脱出を始めて下さい」
戦いさえ始まってしまえば、蟲将達は彼らに目を向ける余力は無くなるだろう。そして、そんな余裕は絶対に与えない事を約束し、ミシェルはその場を彼らへと託す。
疲労を取り除き、活気を取り戻した彼らにとって、それは難しい事では無い。クロノヴェーダの妨害が無い限り、それが成し得ない理由はないのだ。
「そうですわね。それまで、皆さんは騒がず、ただ、船は沈むので、長江へと飛び込んで頂くことになりますの。綱と衣服、木切れや空き箱を浮き輪代わりに使うため、準備をお願いしますの」
「必ずボク達がみんなを救うから。みんなも、ボク達を信じて!」
セレナと小雪の呼び掛けに、人々は頭を垂れ、彼らの出立を見送っていく。
「おお、ディアボロス様……」
甲板へ向かう三人の背に、まるで神や仏を拝むかの様な感嘆が漏れ聞こえてきた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【活性治癒】LV2が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV2が発生!
セレナ・ヘカーティア
※他者との連携やアドリブは大歓迎
ふざけた作戦もここまでですの!
甲板に出たら、即座に敵に狙いをつけて【高速詠唱】からの【全力魔法】で流星遡光剣を撃ち込みますわ
その後は【飛翔】からの【空中戦】と参りましょう
演劇じみた振る舞いで華麗に飛び回り、敵の目を惹いて脱出を気付かれないように致しますのよ
光剣を翼にして高速で戦場を飛翔、【一撃離脱】を繰り返して敵を【撹乱】し、隙を【看破】してパラドクスを撃ち込みますの
豪華絢爛たる光の舞い
冥土の土産に拝んでけ、御代は貴方がたの命で十分ですの!
敵の攻撃等は【臨機応変】に手持ちの翔翼剣で対応しますの
船に攻撃が行かないように光剣を船と平行に放つ等、上手く立ち回りましょう
ミシェル・ラークリーズ
お腹重い。張り切りすぎた。まあ、動けるからいいか。
そうだね、上空に味方がいるから敢えて地上で戦って囮になる事で味方が戦いやすいように立ち回ろう。
敵の大量に来る冷気攻撃は【ガードアップ】と【活性治癒】の効果で耐える。一杯食べて体力は万全、何とか耐えながら住民の皆さんから【託されし願い】を胸に全力の【高速詠唱】からの【電撃使い】で【吹き飛ばし】付きの雷を敵の群れに落っことす。
勿論、甲板に傷が付かないように注意。雷が甲板に傷が付きそうなら【ダッシュ】して【託されし願い】を力にした【斬撃】【連撃】【両断】での剣での攻撃に切り替えるよ。
月下部・小雪
閉じ込められたみなさんが無事に逃げ出せるように、蟲将達のダメダメな作戦を阻止、です。
甲板に飛び出して、クロノヴェーダをやっつけ、ます!
み、みんなが脱出するのを邪魔させません。
あまり威力の高い攻撃だとお船が危険、ですね。な、なら、ここは剣術で勝負です。
【光剣二刀流型モーラット・コミュ】でコダマが敵の間をころころ転がりながら斬りつけます!
飛んでくる氷塊や氷刃は「ピンポイント魔力障壁」を張って防御、しますね。
※アドリブ連携大歓迎
呉軍楼船、甲板。
甲板に躍り出た復讐者達の士気は高く、彼らの攻撃は、即、河上を警戒するトループス級クロノヴェーダ『屍魔・陰』への奇襲と化す。
「ふざけた作戦もここまでですの!」
セレナ・ヘカーティア(夜星の魔女【ノクステラ・マレーフィカ】・g05422)の放つ光剣は、超高速機動を以て屍魔・陰の数体を貫き、その僵尸を思わせる容姿を、爆破四散させる。
それが開戦の合図となった。
「敵襲! ……一体何処から現れたと言うのだ!」
焦燥混じりの声と共に、吹雪を生み出す一体は、それでも警戒を怠っていない。空を飛ぶセレナを視線で追い、その傍ら、河を、対岸を、そして周囲を見渡している。
確かに、周囲を警戒していた彼奴らから見れば、復讐者達は突如沸き上がったようにも見えるのだろう。
(「実際は河底を歩いてきて、船底へ侵入しただけだけど……」)
派手に光剣をばら撒くセレナの援護にと、勇猛な殴打を繰るミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)は、彼らの焦燥に内心のみで答える。わざわざ答え合わせをする必要など、何処にも無い。神出鬼没と認識されれば、それはそれで復讐者達の利益になる筈だ。
「蟲将達のダメダメな作戦を阻止、です」
ミシェルと共に甲板を駆け抜けるのは、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)、そしてそのサーヴァントであるモーラット・コミュのコダマだ。空飛ぶセレナ同様、光剣を生み出したコダマはそれを繰り、屍魔・陰を斬り裂いていく。その踊る様な剣戟は、小雪には愛らしく映っていたが、対峙する敵にはどうだろうか。札に隠された表情は見えなかったが、氷塊や氷刃を投げつける彼奴らに、その余裕がある様に思えなかった。
(「コダマ。上手く立ち回る、です!」)
大掛かりなパラドクスを用いれば、船が危険となり、船が傷付けば、それだけ沈没が早くなってしまう。何せ、この船には千人を超える一般人が詰め込まれているのだ。彼らの脱出準備が整うまで、時間稼ぎする必要があり、その間、極力船を傷つける行為は慎まなければならない。
故に、コダマの立ち回りは、小雪の選択であった。痺れの電光を纏った光剣は屍魔・陰の身体を斬り裂き、一体一体を屠っていく。共に駆けるミシェルの斬撃も、負けじと道を切り拓いていった。
(「お腹が重いけど、その分、元気いっぱいだ。敵の術式は耐えられる!」)
吹雪を、氷の一撃を躱し、或いはソードハープで受け流すミシェルは、返す刀と斬撃を繰り出していく。この身体に満ちあふれているのは勇気や鋭気のみではない。彼らの背に祈りを捧げた呉国一般人の想いが詰まっている。それ故、倒れるつもりはない。
「ちぃぃっ。こいつら、魏軍じゃない。ディアボロスだ!」
「あら? このキョンシーさん達、喋るのですわね」
半ば感心、とセレナが笑う。考えてみれば、呪術を操る彼奴らが、ただのゾンビである筈もないだろう。だからと言って攻撃の手を休めるつもりはなかったけれども。
「豪華絢爛たる光の舞、冥土の土産に拝んでけ! 御代は貴方がたの命で十分ですの!」
幾渡と召喚する光剣は空を舞い、対して放たれた毒の花粉が甲板上を、そして復讐者達を穢していく。
正に攻防は一進一退。不意を打たれた分、クロノヴェーダ側の分が悪い応酬を、しかし、数の利を以て屍魔・陰達は押しのけようと呪術を紡ぐ。
甲板の上は、混迷を極め始めていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒヒ。あっしは単なるウィザードでさぁ……』
『あ? バレた? イイネェ、たまんねぇなぁ!』
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」
他者との連携やアドリブOKです。
状況に応じて三下の演技で騙せそうであれば油断させ隙をついて攻撃します。
はなっから相手に演技が通じない時やバレたりしたら、好戦的になり一人称も「オレ」になります。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、積極的に行動します。卑怯者ですが、迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ミア・スカーレディア
(サポート)
アタシはミア・スカーレディア、ドラゴニアンの妖精騎士。
身体を動かす事、美味しいもの、動物や自然が大好き。いつだって元気いっぱい。
感情表現は豊かで、楽しい時や嬉しい時はもちろん、悲しい時や怒る時だって全力で!
戦いの時には、妖精達の加護を受けて、元気いっぱいに戦うよ。【飛翔】の残留効果を活かしつつ縦横無尽に飛び回って、速さで敵を翻弄。銀剣でズタズタに切り裂いたら、トドメに思いっきり一発っ!
もちろん他に仲間がいるなら、その仲間とも連携を図っていくよ。こっちがスピードで攻め込んだ隙に、仲間に攻撃してもらうとか!
冒険や日常の時は、なんかこう、良い感じに! 大事な事は、事前にしっかりと予習していくよ!
復讐者達の破竹の勢いは、甲板上の僵尸こと、トループス級クロノヴェーダ『屍魔・陰』達小隊を梳っていく。吹き荒れる猛吹雪や闇のオーラ、そして毒花粉達も何の其の。それは、甲板を蹂躙し、全てを吹き飛ばすほどの勢いであった。
「イヒヒヒ。だが足りない、足りないでヤンスよ!」
楼船の壁の上。戦場となった甲板を見下ろしながら、レオネオレ・カルメラルメルカ(陰竜・g03846)はクククと笑む。
甲板上を覆い尽くさんばかりの仲間の攻防は、確かに凄まじい。その勢いは、戦場の業火に負けては居ない。
だが如何せん、トループス級にはトループス級の得手という物があった。即ち、数の暴力である。
「ま、だからこそ、アタシ達が来たわけだけど」
これは、【飛翔】で空を飛びながらレオネオレの横に立つミア・スカーレディア(妖精達の娘・g03198)の台詞だ。腕を組み、うんうんと頷く彼女は、何処か黒幕然として様にも見えた。
「さて、行くでヤンスよ、ミア。あっしらの援護で戦場を動かすでヤンス!」
「合点承知――。いや、何でアタシに口調が移ってるのさ?!」
先導とツッコミ。その双方を交わしながら、二人のドラゴニアンは戦場へと降り立っていく。見た目は大きく異なる物の、その実、同じ種族だ。仲は良いのかも知れなかった。
「これがアタシの戦い方っ! 全力全開で、いっくよー!!」
吹雪の飛び交う中、真紅の煌めきが甲板を駆け抜ける。赤髪、そして赤い翼。見目的に大胆な衣装を纏ったミアの吶喊は、吹雪の中、神風となって吹き荒れる。
その煌めきの先にあったのは、白光――銀剣であった。その切っ先は屍魔・陰の胸元を捉え、ズタズタに斬り裂いていった。
「我招くは猟犬の如く追い回す五つの猛る爆炎、汝は逃れるすべはなく無慈悲に爆ぜ屠られるだろう」
彼女の切り拓いた道へ、更なるパラドクスが紡がれていく。
レオネオレの詠唱が紡がれる都度、その指には火弾が形成されていった。
「――チェイスボムズ」
その数、5つ。生み出された火弾は腕の勢いのまま弾かれる様に放出。屍魔・陰の顔を、四肢を、そして胴体を灼き、焦げた臭いをまき散らしていった。
「援護感謝! いやー、凄いねー」
「それ程でもないでヤンスよ! でももっと褒めるでヤンス!」
銀剣と共に飛ぶミアの賞賛に、返ってきたのは喜色満面の笑みであった。
「いや、なんでそこで三下になっちゃうのさ……」
襲い来る屍魔・陰達を炎で去なしながら、しかし、演技は忘れない。レオネオレの性根とも言える根性に、思わず「おー」と唸るミアであった。
「ふ。あっしらの勝ちでヤンスね」
「本命を倒してしまえば、ね」
いつしか、二人の勢いは甲板全てを呑み込んでいく。先の猛攻で七割以上の兵が削られた屍魔・陰の小隊にそれを抗う術など、存在しなかった。
甲板に倒れ、或いは河上に投げ出され、屍魔・陰達は壊滅していく。
やがて、そこに残されたのは、得物を抜き放ったまま、肩で息をする復讐者達のみとなっていた。
「さ、後は――」
ミアの呼び掛けに、しかし、それよりも早く動く影があった。
「雄雄雄雄雄雄雄」
楼閣から飛び降りたのだろうか。
甲板が砕け、生み出された衝撃波は甲板上の屍体のみならず、復讐者達の髪を、衣服を、彼らそのものを薙いでいく。雄叫びの発声者は、その衝撃波の産みの親であった。
「そっちから来てくれたでヤンスね」
それは好都合と、レオネオレは挑発じみた笑みを形成する。
アヴァタール級クロノヴェーダ『小覇王・孫策』。彼奴こそが、この楼船の首魁にして、こんな狂気じみた作戦の遂行者の一人であった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【動物の友】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
モリオン・スモーキー
アドリブ・連携歓迎
小覇王の威を借りる狐。
此方の認識はそんなところですが、どうでしょう?
名の威を借りるのは威圧の為。
しかし、それが通用しないのは分かってると思います。
……全力で参ります。その名と存在を取り戻したい人がどこかにいると思いますので。
【飛翔】を使って接近。
そのままパラドクス発動。
風の刃と共に敵の間を飛び回りながら、攻撃していきます。
相手の反撃は【飛翔】<ダンス>で回避を。
受ける方が大変そうですしね。
この速さについてこれるならついてきてみなさい。
陳・修賢
(サポート)
『腹が減っては戦はできぬ。美味い食い物の調達なら任せてくれ。戦闘? ……もちろんできるさ。主として「疾風号」が、だがな』
人間の特級厨師×無双馬『疾風号』、37歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、真剣な時は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
沢間・ミライ
(サポート)
戦闘、交渉、探索……歴史奪還のために、ミライも頑張ります。
作戦を成功させるのは大変ですが、ミライにも出来る事を精一杯するだけです。
時先案内人のアドバイスをしっかり思い出して作戦に臨みますね。
「そうですっ! 〇〇さんは確か……」
事件解決に必要そうなものは新宿島で買ってきました。パラドクストレインに持ち込める程度の手荷物の範囲でですけど。
「これを使って解決です」
ミライには普通のことしか出来ませんが、その普通のことが事件解決の糸口になることもあるはずです。
みなさんのサポートもお任せください。
連携がスムーズにいくよう、パラドクスでサポートしますね
「ミライも続けていきます!」
男から放たれる威圧感は、群を抜く物であった。発せられた雄叫びは空気ばかりか楼船を、はたまた川面を揺らし、身体から放たれる圧は成る程、『小覇王』の名に相応しい。アヴァタール級クロノヴェーダ『小覇王・孫策』の放つそれを、陳・修賢(人間の特級厨師・g03221)は不敵に笑っていなし、沢間・ミライ(time conductor・g03184)は緊張感を以て迎え入れる。
「そう吼えるな。小覇王。俺達が――この疾風号と仲間達が、相手してやる」
「そうです! ミライも行きますよ!」
負けじと宣言する二人の表情に翳りはない。
この船上の戦いは復讐者達が征する。そう信じている強者の表情であった。
そして。
「小覇王の威を借りる狐。此方の認識はそんなところですが、どうでしょう?」
モリオン・スモーキー(存在奪われし魔術発明家・g05961)が浮かべたそれは、嘆息が如き表情であった。揶揄の台詞はしかし、モリオンの本音だ。確かに古代中国に於いて孫策という英傑はいた。それは事実。だが、目の前のクロノヴェーダは、その名を奪っただけの存在――威を借りる狐に過ぎないのだ。
「名の威を借りるのは威圧の為。しかし、それが通用しないのは分かってると思います」
並の存在ならば一瞬で気絶しそうな威圧も、しかし、モリオンら復讐者には通じない。それを上書きするほどの怒りが、彼らの中に備わっているのだ。
「……全力で参ります。その名と存在を取り戻したい人がどこかにいると思いますので」
そして、モリオンは飛ぶ。身に纏う【飛翔】の恩恵のまま、小覇王・孫策へと肉薄していった。
「囀るな、乱入者如きが!」
風と共に紡がれた一閃は、しかし、腕刃の一刀を以て防がれてしまう。響く甲高い金属音は、それを成した証左であった。
「吾が対峙するは魏軍だ。貴様らの相手をする暇など、ないわ!」
「いえいえ。折角です。最後までお付き合いして頂きますよ」
孫策の言葉に、モリオンは頭を振って応える。
彼は知っている。もはや船は壊滅状態で、彼奴らが虐殺しようとしていた一般人達は、脱出の途にある。呉軍の策は、既に瓦解しているのだ。ここで彼が復讐者達を倒したところで、この船は戦場に赴くことしか出来ないだろう。
そして、それを赦すつもりは、何処にもなかった。
「風の宝石。解放。風と共に我は舞う。刃は残り、共に舞う」
刀と小剣による乱舞は再び、風の魔力と共に。紡がれる斬撃は孫策の身体を梳り、蟲将の血肉を甲板へと散らしていく。
その連撃に、しかし踏みとどまったのはアヴァタール級クロノヴェーダとしての矜持か。
「雄雄雄雄ッ!」
零れたのは咆哮だった。モリオンを好敵手と認めるが故に発せられたそれは、剣戟、拳骨、蹴撃と化して、彼への強襲と化していく。
だが。
「おっと、俺達を忘れていないよな?」
「あなたから見れば些末な存在かも知れませんけど……わたし達が路傍の石だと見くびらないで下さい!」
剣戟を防いだのは、修賢の伸ばした鉄盾――否、中華鍋と、ミライの機械腕であった。続く拳、そして蹴りもまた、彼らによって防がれてしまう。
「ちぃぃっ!」
舌打ち混じりの回し蹴りは、しかし、それを迎え撃ったのは、修賢の放つ闘気弾であった。にやりと笑う口元が何かを頬張っているように見えるのは、余裕の表れだろうか。
「行儀悪いですよ、修賢さん」
「仕方ないだろう! そう言うパラドクスなんだから!」
くすりと笑うミライに、修賢は思わず憤慨の言葉を返してしまう。
そのやり取りもまた、孫策の癇に障る物であった。
「クソ共がっ!」
「口の悪い子はメッ。なのですよ!」
罵声と共に紡がれた鎌の一撃は、ミライの制服を切り裂き、だが、応酬の刃として紡がれた機械腕の殴打は、孫策の腹部を強打。体重全てを預けた一打に、刹那、孫策の動きは止まってしまう。
「諦めなさい。孫策。いえ、その名を借りて意気がる狐、クロノヴェーダよ。貴方を倒し、この楼船は拿捕、破壊します。自らの民を焼く愚策、実を結ばせるつもりはありません」
モリオンの刃はその肩口を、胸を、足を斬り裂いていく。
優美な動きが紡ぐ連撃は、まさしく舞踏そのものだった。
「巫山戯るな! クソ共が!」
「余裕無い台詞は底が知れるぜ? 小覇王殿」
「所詮、アヴァタール級。頭打ちの存在なのです」
強打を捌きながら発せられた修賢とミライの台詞に、敵の苛立ちが募るのを感じる。都度行われる拳闘が、大雑把な物になっていくのはその現れだと、モリオンは判断する。
「貴方を討ちます。ここで伏して倒れなさい。クロノヴェーダ!」
刃の煌めきが、河上の楼船の上を奔って行く。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【飛翔】がLV4になった!
【口福の伝道者】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
セレナ・ヘカーティア
※他者との連携やアドリブは大歓迎
小覇王の名を冠しておきながらこんな愚策を取るとは、その名が泣いていますのよ
小さな体とスピードを活かして、高速戦闘を仕掛けますの
【壁歩き】や【飛翔】を駆使して戦場を縦横無尽に駆け回り【撹乱】致しましょう
走りながら、得意の【高速詠唱】と【連続魔法】を放って敵を牽制し隙を【看破】したら、すかさず【全力魔法】でのパラドクスを撃ち込みますの
俗に言うラン&ガンですわね
ありふれた戦術ではありますが【計略】を修めた者が行えば、より効果的な戦術となりますのよ
神をも縛る我が秘奥、冥土の土産に受けると良いですの!
敵の攻撃や不意の事態には翔翼剣や零冰結界で【臨機応変】に対応致しますの
ミシェル・ラークリーズ
違う場所で戦った別の貴方は強いものと戦うことを誇りにする敵ながら誇れるまさに小覇王にふさわしかったと思うんだけど、ここの貴方は平気で命を使い捨てにする為の戦をするんだね。正直失望するよ。
僕の気持ちはどうあれ、この将は物凄く強い。僕は良く知ってる。
だから使える手は全て使い切る感じで全力で戦う。
【飛翔】で空中に飛び、
【能力値アップ】【命中アップ】【ダメージアップ】の効果を得た状態での全力のニブルヘイムの一撃を撃つ。
倒れるまで【ダブル】の効果を乗せ、住民の【託されし願い】を胸に撃ち続ける。
相手の強さは、技が上空の僕に当たる可能性が充分あるので、【ガードアップ】【活性治癒】で対策を万全に。
月下部・小雪
こんな酷いだけの作戦を任せられるなんて、きっと大したクロノヴェーダでは、ありません。
コダマ、やっつけちゃって、ください!
ころころのかわいい見た目に騙されて(?)コダマは強者扱いされないかも、しれません。
で、でも、コダマは歴戦のモーラット、です!クロノヴェーダになんて負けません!
お船に囚われていた、助けを求めていたみんなの思いを集めて……
ひ、必殺の【コダマ・サンシャイン】です!
非道なクロノヴェーダを滅ぼす、コダマの一撃を受けてください!
※アドリブ連携大歓迎
その拳は重く疾く、繰り出される崩拳は砲撃の如しであった。
その蹴撃はしなやかに、しかし、雄々しく。紡ぐ旋風脚は、まるで戦鞭を思わせる程柔らかく鋭く、復讐者達の防具を、身体を梳っていく。
そして何より、操る腕刃は命を刈る鎌の如し、であった。鋭い刃の一刀は、いかな防具も裁ても切り裂くべく、繰り出されてくる。
その様は、まさしく小覇王。その名に相応しい凶手であり、英傑であった。
(「その小覇王が――」)
闘気纏いの手刀を翔翼剣で受け止め、セレナ・ヘカーティア(夜星の魔女【ノクステラ・マレーフィカ】・g05422)は嘆息する。アヴァタール級クロノヴェーダ『小覇王・孫策』に向けられた感情はただ一つ。失望であった。
「小覇王の名を冠しておきながらこんな愚策を取るとは、その名が泣いていますのよ!」
「はんっ! 貴様らに諭される筋合いはないわ!」
咆哮搏撃。文字通り大声と共に放たれた殴打は、セレナの身体を捉え、小柄な体躯を吹き飛ばさんと振り抜かれる。
「いと高き天にて輝く天枢の北星よ。汝が体現せし理を今ここに示せ。汝が理は【不動】その威を持って、万象を封じ滅せよ!」
対し、セレナの紡ぐそれは星天魔法であった。詠唱と共に出現した光鎖は、世界を、神々をも喰らうと降臨した魔狼を縛った鎖そのもの。その名を借りた鎖に縛られ、しかし、孫策の勢いは止まらない。盾と
翔翼剣。その双方で阻んだはずの拳は、しかし、セレナの身体を空へと弾き飛ばしていた。
空へと逃げたセレナに、追い打ちは掛からない。否、その暇を孫策は与えられていなかった。
「正直、失望するよ」
吹雪を思わせる程の凍撃が、彼を横合いから殴りつけた故に。
それを成したのはミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)。幾多の【残留効果】を纏い、氷の魔法を紡ぐ彼は――怒っていた。
「違う場所で戦った別の貴方は、強いものと戦うことを誇りにする正に小覇王に相応しい存在だった。だけど、ここの貴方は違う。平気で命を使い捨てにするんだね!」
「貴様如きが吾を語るな!」
苛立ちは毒牙の一撃を以て。貫手はミシェルの頬を削り、血潮を甲板に零していく。
そう。ミシェルは知っていた。アヴァタール級クロノヴェーダは、そのそれぞれが、それぞれなりの性格を、思想を宿している。彼が過去戦った孫策も、目の前の孫策も、異なる存在と言えば異なる存在であり、しかし、その根幹は同じだ。
そう。彼は知っているのだ。
(「僕の気持ちはどうあれ、この将は物凄く強い――」)
だが、だからと言って退くつもりはない。その為のディアボロス。その為のパラドクス。その為の【残留効果】だ。
何より、今は背を押してくれる人々がいる。蟲将を生み出すための人身御供となろうとした人々の嘆きが、思慕が、ミシェル達の心を支えてくれている。
「噴破ッ!」
風を繰り、甲板上空を【飛翔】する彼らに向けられる拳は、彼我の距離を無視した物であった。その衝撃は斯くや。空を飛ぶミシェルの身体を更なる上空へと打ち上げていく。咄嗟の防御が間に合わなければ、意識を断たれても不思議はなかった。
「思いっきり冷たい一撃、喰らってみるかい?」
相手が常識外の存在であるならば、復讐者もまた、常識外の存在だ。体勢を立て直す隙も見せず、ミシェルは更なる詠唱を砲声。氷の圧を、孫策に叩き付ける。
「凍れ! 凍れ! 凍れ!」
詠唱! 詠唱! 詠唱!
彼が声を紡ぐ都度、喚び出された吹雪が、そして凍気が孫策を圧し、切り裂いていく。
「こんな酷いだけの作戦を任せられるなんて、きっと大したクロノヴェーダでは、ありません。コダマ、やっつけちゃって、ください!」
そこに掛けられた追撃は、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)とそのサーヴァント、コダマに寄る物であった。
復讐者の怒りを、無辜の人々の願いを、そして、小雪の祈りを束ね、コダマが敢行したそれは、稲妻纏いの必殺技――体当たりであった。
「ぐわっ?!」
「ひ、必殺の【コダマ・サンシャイン】です! 非道なクロノヴェーダを滅ぼす、コダマの一撃を受けてください!」
如何に小覇王と言えど、30センチの弾丸と化したサーヴァントの吶喊を受け止めきれる物ではない。まして、そこに込められた想いの強さは、小雪の魔力と相俟って、太陽の輝きと称される物なのだ。
衝撃に踏鞴踏む孫策に、更なる詠唱が重なっていく。
「神をも縛る我が秘奥、冥土の土産に受けると良いですの!」
「使える手は全て使い切る! 小覇王・孫策! 冥府へ、氷と闇と霧の世界へと逝ってしまえ!」
光の鎖と、闇混じりの吹雪が、その身に叩き付けられる。そして、そこに再び重なるのは太陽の一撃――コダマの更なる吶喊だ。
「雄雄雄雄ッ?!」
幾多のパラドクス。幾多の吶喊。幾多の魔術。
それら全てが一撃必殺の力を持ち、それが孫策の身体を、外骨格を、肉体そのものを抉り、討ち滅ぼしていく。
その全てを受け、しかし、孫策は吼える。共に紡ぐ乱打は、復讐者達を斬り裂き、甲板そのものを抉り破壊していった。
だが――。
「おのれ。ディアボロス! 吾は――」
その叫びは殴打と共に。撃ち放たれた闘気は暴風となり、船上を、この空間そのものを揺るがす。
だが、其処までだった。
既に拳は砕け、刃は折れ、そして、孫策そのものが梳られていた。氷撃はその身体を蝕み、光の鎖は幾重にも巻き付き、そして、モーラットの吶喊は全ての外骨格を打ち砕いていた。
「吾は――敗北したのか」
「ああ。僕達が討ち取った」
憑き物が落ちた様な表情を向ける孫策に、ミシェルが断言する。
体中のあちらこちらを抉られ噴血しながらも、しかし、仁王立ちする孫策は、流石、常識外の存在、クロノヴェーダと評するしかないだろう。だが、それでも、彼の命が風前の灯火である様は、見て取れた。彼を現世に、この改竄世界史に留めているのは、ただの戦意のみに過ぎない。
「貴方の、呉軍の負けですの」
「い、生贄としようとした皆さんも、もうすぐ脱出します。この策そのものは、破られました」
その戦意ももはや、尽きようとしていた。セレナと小雪が告げる宣言に、孫策はただ、「そうか」と頷く。
それが、この小覇王の最期であった。その身体は揺らぎ、そして、そのまま河面へと零れていく。末期の言葉はなく、ただ、己の最期を敵にも晒さないとするかのように、その身体は長江へと呑まれていく。
水音はただの一度のみであった。
それが、戦闘の終了を告げる合図となった。
「お、終わった……?」
トループス級は全滅し、それを率いたアヴァタール級もまた、敗北した。小覇王の死体は残されていないが、あの深手だ。助かる筈も無い。ミシェルの呟きに、セレナと小雪は是、と頷く。
「それでは、脱出ですの! 皆様、しっかり浮き輪とか作ってくれましたでしょうか?」
「だ、大丈夫だと思う。い、行こう、コダマ。行こう、みんな!」
戦いの痕のみを残す甲板に、ディアボロス達の声だけが響き、そして消えていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【託されし願い】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!