【平安鬼妖地獄変奪還戦】 砕波の杯は剣と成れ(作者 ねこあじ)
#平安鬼妖地獄変
#【平安鬼妖地獄変奪還戦】河太郎翁
#平安鬼妖地獄変奪還戦
#ファーストアタック
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夏草が繁茂する湿原に集うものがいた。
水かきを備えた足が草地をゆく数は多く、屈強な夏の植物は反発の隙も与えられずに踏み躙られていく。
「よくぞ集まってくれた、我が同胞達よ」
その多きものたちへ語りかけるは河太郎翁。
「オロチが敗れ、我ら妖怪は王を失ってしまった」
河童や集まった妖怪たちは皆薄汚れていて、疲労が積もったかのような様子だ。けれども河太郎翁が声かけた瞬間、彼らからぎらりとした刺々しい覇気が発された。
「これからの決戦で、我らが果たせる役割は大きく無いだろう。敵軍を打ち破る精鋭にもなりえず、平城京を護る大役も任される事は無い」
だが、出来る事はある――そう言う河太郎翁の声は、水面に波紋を立てることすら許さぬ静かなもの。
「我ら、この湿原に潜み、この湿原を越えようとする敵の足を止めるのだ」
水面に打たれた決意は、ざわ、と周囲に波紋を起こす。
「弱小の我らに、敵軍を撃破する事は不可能だろう。だが、足に縋りついてでも足止めしてみせるのだ」
翁がそよがせたのは決死の覚悟だ。一つ、二つならば容易く踏み躙られるであろうそれ。
しかしその数が多ければ多いほどに、それは容易く破られぬ壁となる。
我らは汚泥の如き地となる。
我らが砕波を敷いた道へと変化させてみよう。進むに苦難を与える剣山の如く。
「我らが稼いだ、僅かな時間が、平安鬼妖地獄変の存亡を左右するやもしれぬのだから」
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「平安鬼妖地獄変に向かって、いよいよ歴史の奪還戦が開始されることになったわね」
頑張っていきましょう! と意気込んだイリス・マーフィー(人間のリアライズペインター・g03321)がディアボロスたちへと説明を始める。
「平安鬼妖地獄変の断片の王『安倍晴明』は、座するディヴィジョンを、隣接するディヴィジョン『天正大戦国』の断片の王、『織田信長』に売り渡そうとしているみたいね。
意のままに売り渡され、天正大戦国のディヴィジョンに統合されてしまうと、私たちは京都や奈良の奪還を行うことが出来なくなるわ」
更に、天正大戦国のディヴィジョンが大幅に強化されてしまうことは明らかだ。
「そうならないように私たちが出来ることは、安倍晴明が平安鬼妖地獄変を売り渡す前に決戦を挑むこと――そうなると安倍晴明の撃破は必須ね」
そして平安鬼妖地獄変を最終人類史へと奪還するのだ。
「平安鬼妖地獄変奪還戦ではクロノヴェーダである鬼や妖怪はもちろんだけど、天正大戦国の天魔武者の軍勢もしゃしゃり出てくるでしょうね。
こういう数にものを言わせてくる大戦力には、ファーストアタックよ!
奪還戦直前に攻撃を仕掛けて、戦力を削りましょう」
成功すれば戦争の機先を制することとなる。
「ここにいる皆さんに向かっていただきたいのは、オロチとの決戦の場ともなった湿原地帯よ。ここには『河太郎翁』が集結させた妖怪の軍勢がいるわ」
多くは河童だ。薄汚れていて、疲弊しきった敗残兵のような雰囲気だが、彼らは決死だからこその戦いぶりを向けてくる。
それは放たれた矢の如し。
「こういった事情を持つ敵だから、無理は禁物ね。あくまでも奪還戦に向けた備えだから、皆さんは充分な打撃を与えたらすぐに撤退すること」
引き際は間違えちゃ駄目よ? とイリスは言った。
「安倍晴明が、天正大戦国へ降伏してしまえば、平安鬼妖地獄変は天正大戦国に統合され奪還は叶わなくなるわ」
討ち逃してしまえば、再び遠くなるその『時間』。
「私たちがいるこの現代で、勝利の凱歌を響かせるために……。どうか、お願いね」
リプレイ
紀・雪名
かっぱ何様、かっぱ様…と、お子によく歌った気がしますが
そんなかっぱなれども、我らの前に立ちはだかるならば一掃しましょうか。
意気揚々と己よりも大きな、巨大な”光の槍”を生成
遠距離から【不意打ち】交え【投擲】にて数を減らせれば上々
近距離からの攻撃なれば、巨大槍で【臨機応変】応戦し【早業】
【破壊】をもってしらしめましょうか
地の利も遠距離からであれば狙いもかけやすいでしょう。
後は、余裕を持って撤退を行いましょう。深追いは禁止ですね。
黄下・泉
力が足りないからこそ他を信じて捨て身で足掻く、か。
そういうのは厄介だよな。あたし自身、復讐者の中じゃ弱い方だし、ちょっと気持ちはわかるなあ。
あと。
覚えてはいないけど、多分、ボク自身、かつてそういう戦い方をした気がするよ。
だから、絶対油断はしない。侮りもしない。
今はまだ、あいつらが覚悟したその時じゃない。
集まり切る前の奴らを刈り取っていこう。
巻いた呪符帯、貼りつけた呪符で自己強化し、四肢に毒を宿す。
【罪縛りの鎖】で小動物を茂みや水場に放ったりして囮にも使おう。
後は騒ぎになる前にどれだけ切り取れるかの問題さ。
……一つだけ心配事はある。
尻子玉抜き、もしかしてお尻狙ってくる?
一応警戒しておこう……
伏見・しろがね
アドリブ・連携可
クダギツネ『くろがね』を連れた女狐の鬼狩人
「伏見の鬼斬り稲荷とはわらわのことじゃ」
日本刀(小狐丸白銀)を持っておれば刀術の使い手と思われるかも知れんが、腕前はせいぜい一般人の達人並み、刀を専門とする復讐者と比ぶれば見劣りするレベルじゃ
実のところわらわは狐らしく搦手を使う方が得意でな
戦闘は刀術(【斬撃】)、狐火(幻術)、クダギツネ、九尾(【貫通撃】)、ハッタリ(【挑発】)、騙し討ち(【フェイント】)を組み合わせた、小賢しい戦い方(【不意討ち】)をするのじゃ
狐火七度錯の術をもって貴奴らを烏合の衆にしてやるわい。
その得物を向けている者は本当に敵か?
その背を預けている者は本当に味方か?
じめりとした空気が湿原地帯を覆っていた。
気候だけにあらず、妖怪たちのいわば欝々とした不安・不満が満ちているようだ。だがそれら逆境を払うように一部では戦前の鼓舞も行われているのか、時折けたたましい声が飛来する。
「力が足りないからこそ他を信じて捨て身で足掻く、か……」
藪に身を潜ませる黄下・泉(リターナーの符術士・g08097)は、抗いの道を選んだ河太郎翁の決断へふと思考する。
「何か懸念事を見つけましたか?」
紀・雪名(雪鬼・g04376)から掛けられた言葉に「そういうの、厄介だよなと思って」と首を振りながら泉が答える。
「あたし自身、皆の中じゃ弱い方だし、ちょっと気持ちはわかるかなあ」
悲壮な決意だ。捨て身になれば自身の命が散ることなどとうに理解している。
自身の一手が次へと繋がること叶うならば――奮い上がってくる胆力を泉は何故か懐かしいとすら思う。
「ふむ? だが油断は禁物じゃよ」
掛けられた伏見・しろがね(鬼斬り稲荷🦊・g01292)の声に、「もちろん」と泉は頷いた。
その時、張りすぎた気が程よく解される、何ともいえない独特なリズムの歌を雪名が口遊んだ。
「かっぱ何様、かっぱ様……と、お子によく歌った気がしますが、そんなかっぱなれども、我らの前に立ちはだかるならば一掃しましょうか」
その言葉を皮切りに、頷き合ったディアボロスたちが妖怪たちへと向かっていく。
泉を中心に放たれた罪縛りの鎖が、野ねずみを誘導し周囲の草地を揺らした。
「風か?」
「何やら変ではないか? 様子を見てこよう」
戦に向けて集まり、音頭を取っていた河童たちが植生物の動きに違和感を持ち、それぞれが見回りへと出かけていく。
深い藪から跳び出る泉。はぐれた河童一体へと距離を詰め、屈んだ姿勢から蹴撃を送る。泥濘に手をつき、強化した膂力任せに跳躍すれば片脚は矢の如き一撃となった。もう片脚は河童の体を絡めとるように次撃として大地へと叩きつける。
スコルピオンスティングによってその身に猛毒を宿した泉の攻撃は、瞬く間に河童を絶命へと至らせた。
身を捻り脚を振り子のようにして整える体勢は次の目標へと向けるもの。
(「今はまだ、あいつらが覚悟したその時じゃない」)
泉の瞳には朧げに重なる何処かの光景――眼前に迫る敵――捻じ曲がったバールを新たな河童へフルスイングさせれば、肉々しい衝撃が泉の腕に伝わってきた。
囮を作る泉の動きに合わせて、クダギツネのくろがねが駆ける。
「狐だ!」
「捕らえて食料にしてくれよう!」
辺りの河童たちが一斉に反応しくろがねを追う様を、少し離れた場所でしろがねが見ていた。
「ちょいと高みの見物を設くらせてもらうぞ」
湿地帯を舞う狐火が追う河童たちへと向かっていく――くろがねを狐に――鋭利な戦意を、兵站への求めに――「おい、狐がここにもいるぞ」と河童の攻撃が向かう先には、仲間であるはずの河童がいた。
「狐火七度錯の術をもって貴奴らを烏合の衆にしてやるわい」
錯覚を何度も重ねて、河童たちの精神を揺さぶるしろがね。
狐とされた河童を仕留めんとする河童たちの姿は獰猛な妖怪を想起させる。集団狩りだ。
「なんとも醜悪な」
刀の鯉口を切れば妖しき彩を宿す小狐丸白銀の刀身が覗いた。
近付いても河童はしろがねを気にしない。振り抜き様の一刀が一体、返した刃がまた一体と河童を屠っていく。
泉、しろがねと、惑わしの作戦が交う戦場を、離れた場所から見るは雪名だ。
誘導を川の流れ、河童を魚とするならばおのずと筌を置くべき場所も視えてくる。
本来ならば河童たちが行なうであろう攻撃の手を、ディアボロスたちは先手を取ることで封じていた。
「さて、とくと御覧じろ」
呟いた雪名はまるでそこに鞠があるかのように、両手をくるりと回した。生まれたのは光の球。それはすぐに鋭利な刃へと変形し、長巻を拵えたが如き柄が槍のものへと至った瞬間に河童へと放たれる。
惑わしにより方々に散った河童たちを近距離において追うのは困難だが、遠方からなら捉えるのは容易い。
はぐれた河童へと投擲する光の槍。
向けられた刃は鏃となり、空を裂いて河童の身体を貫いた。
「ぎゃっ!?」
「ぐあっ」
重厚な光の槍は河童の甲羅を砕いて貫通し、敵の身を大地へと縫い止める。長柄があるぶん起き上がることも出来ない。抜き取られるまで消えることのない槍はびくびくと動く河童の生命力を奪っていった。
湿地帯に立つ光が一見、墓標のようにも見える――そんな光景が出来上がった。
辺りの河童たちを倒し、しろがねと泉が引き上げてくる。泉は何だか後ろを気にしているようだ。
「尻子玉、抜かれたらやばいだろ……」
しろがねと雪名の視線に気付いた泉がぽそりと呟いた。藪が多いだけにどこから敵の新手が潜むやら……。
くくっとしろがねが笑む。
「そうじゃな、十分に先手が取れたからの。抜かれぬうちに撤退じゃ」
「ええ、そこはきちんと余裕を設けて行うべきかと。深追いは禁物ですからね」
雪名の言葉に頷いて撤退するディアボロスたち――平安鬼妖地獄変の奪還戦はもうすぐ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
天城・美結
連携アドリブ歓迎。
ここで足止めされるのは後々に響きそうだからね。
ちょっとばかりどけてもらうよ。
湿原で足場も悪そうだし、今回はこれで行くよ。
固まってるところには《投擲/誘導弾/戦闘知識》+【復讐の刃】で手榴弾を生成し、敵集団に向けて投げるよ!
散った後は投擲物を投げナイフに変更して各個撃破を狙うよ。
相手の攻撃は闘気を盾状にして(ヴァリアブル・オーラアームズ)ダメージを軽減しつつ投げナイフで反撃していく。
撤退時は視界遮断用の発煙弾を複数ぶん投げて、撤退の補助をするよ。
小佐田・輪
いまや貴重な河童サン、いつか仲良くなりたいとは思ってマシタが、最後まで戦いたいというなら付き合いマショウ
『魑魅魍魎オカルト千夜一夜行』を使いマス
陸河空、全方向から攻めマショウ
敵の攻撃は召喚したものを盾にしたりで対処デス
「情報収集」で敵味方の数や配置、状態などの状況を判断しマス
撃破できそうな敵を優先、敵の数を減らしマショウ
深入りはしすぎず、囲まれないように
自分や仲間、敵の様子などからこれ以上攻めるのは難しいと判断したら撤退デス
皆サンとも可能な限り連携、援護しマス
他に有用な残留効果、技能があれば活用しマス
お互い消化不良な面もあるかもしれマセンがあくまで前哨戦、本番に備えマショウ
アドリブ連携歓迎デス
箱庭・のぞみ
今回は新宿島への攻撃も予想される…減らせる戦力は減らす、当たり前よね。
湿原って足場が悪いから困っちゃうわね、そういった部分でも此処で戦う事を選んだのは勝機を見出
しているのかしら?
運悪く水に足突っ込んだ時用に【水面歩行】使いながら【臨機応変】に敵の群れへ武装展開して突っ込むわよ。
『十柄剣・機刃演舞』で組みついてくる相手を切ったり、押し返したりしながら進むわ。脚部のフライトレッグやフライトデバイスを吹かして【フェイント】や【不意打ち】を入れつつ、退路を作る際にはバラした武装を合体!大剣になった『Pb-02Tp』で『十柄剣・機刃演舞』のシメを入れて撤退よ。
予想はしてたけど…大分泥とかで汚れたわね…。
ディアナ・アインホルン
尻子玉抜きを受けないよう手の届かない上空を飛行しながら攻撃を仕掛けるよ。
「女の子に簡単に手を触れちゃだめだからね?」
主体にするのはナパーム弾、液体燃料が広がるから泥濘地帯や雨でも火は簡単には消えないし、消えない火が迫ってくることで冷静な判断力を奪ったり、反抗する意思が弱まったりするかもしれないしね。
攻撃は同じ方向から繰り返すよ。炎が同じ方向から迫ってきて、退路がはっきりとわかるように。
ここで全滅させることが目的じゃないから相手が逃げ出してくれればそれでいいし、何人か逃げ始めたら全体に伝播して敵の徹底抗戦する意思は更に消えていくだろうから残った相手への攻撃もやり易くなるだろうしね。
湿原地帯独特のじめっとした空気。
そこは妖怪たちのいわば欝々とした不安・不満が満ちているようにも思えた。時折けたたましい声が飛来するのは、戦を前にした鼓舞でも行われているのだろう。
「河童サンの声が聞こえますね」
小佐田・輪(紡ぎ紡がれしオカルトマスター・g01356)は耳を澄ませて彼らの鳴き声を聞く。
「いまや貴重な河童サン、いつか仲良くなりたいとは思ってマシタが、最後まで戦いたいというなら付き合いマショウ」
河太郎翁率いる妖怪――河童たちの決意にここは確りと応えてやるべきだろう。
彼らが選んだ戦法は、ディアボロスたちにとって泥濘そのものだが、ひと噛みにていっそ礎を築かんとする潔さ。
「湿原って足場が悪いから困っちゃうわね――ああ、それなら、そういった部分でも此処で戦うことを選んだのは勝機を見出しているのかしら?」
情報集機『Halo』を起動し、妖怪の生体反応を拾い上げながら箱庭・のぞみ(サンドボックス・g00611)が言った。
「……仮にあちらに勝機があったとしても、私たちが覆すまでですよ」
ディアナ・アインホルン(夜空を切り裂く流星・g01791)はそう言ったのち、「それよりも、皆さん」と言葉を続ける。
「河童の得意技、尻子玉抜きには気を付けていきましょう」
「こう……真面目に生命エネルギーを奪われるやつだとは思うんだけど、まあ字面とかしぐさがアレだよね」
ディアナの言わんとしていることは分かる――と頷くのは天城・美結(ワン・ガール・アーミー・g00169)である。
「……、油断せずに行きましょうね」
のぞみの言葉に深く深く頷く女子陣であった。
河童たちの渡る声は鬨をつくるもの。
「我らの往むべき時はここに在り!」
「死に次第ならず! 泥濘に敵足を捕らえよ!」
雄叫びとともに上がっていく鼓舞。数多の軍が湿地を踏みつけていく。容易く泥土を覆う足跡は、ディアボロスにとってそれらすべてが『敵』のもの。
(「ここで足止めされるのは後々に響きそうだからね。その足、その存在、ちょっとばかりどけてもらうよ」)
大きな群れめがけて生成した手榴弾を投擲する美結。
やや鋭く投げつけた手榴弾が三拍ののちに『ドン!』と破裂する。河童たちの悲鳴があがり、爆風と破片が四方に散る様が藪の隙間から垣間見えた。
「ヌア!」
「敵集か!?」
河童たちが即座に身を翻し、辺りを見回す。もう一度手榴弾を投げつければ「散れッ!」と叫んで敵が散開する。
そのまま身を屈めて――こちらに向かってくる河童へとナイフを投擲する。翻した腕を右へ振れば、顕現したナイフが新手の河童へと突き刺さった。
この時代は輪の好きなオカルト――妖怪たちがいっぱいだ。苔のような体色、硬そうな甲羅、渇きそうな頭皿と河童たちをじっくり観察した輪は少し名残惜しそうに千夜一夜行を召喚する。
魑魅魍魎、宇宙人、UMAに至っては陸空、そして河で目撃されたものが出現する。
泥濘を巻き上げて陸地を行く群れが敵を轢き潰し、空からは揺蕩うように、だが容赦なく天へと浚い落とす。そして泥土がまるで底なし沼へと変化したかのように、オカルトたちが河童たちを沈めていく。
幾体かの河童が指先を天に向け、叫ぶ。
「「水霊氾濫陣!!」」
ディアボロスが立つ戦場に訪れたのは妖気を含んだ豪雨。否、間断なく戦場を覆うこれはもはや瀑布だ。
魑魅魍魎で頭上を覆う輪。大量の水を得た河童たちが底なし沼のようなオカルトたちを払いのけ、泳ぎ上がってくる。
「のぞみサン……!」
「任せて頂戴」
千夜一夜行の魚、旋回する赤えいの背に乗ったのぞみが一振りの刀を払えば、広範をなぎ払う。掛かる負荷――水の抵抗など感じさせない、冴え渡った一刀であった。
「さぁさぁ、ご覧なさい。一つ二つ」
謡うような声音で新たな刀を手にしたのぞみ。振らば偃月の如き斬線を描き、続き赤えいから舞うように跳び降りた。フライトレッグから僅かな滞空を得て、降下に遠心をくわえた斬り落とし。
「三つ」
それは河童を真っ二つにする剛の一刀であった。
「これから始まるは剣と刀の舞なりて──とくと御覧あれ。ってね」
そう言って新たに握った長巻にて、組みついた河童を柄で払いのけ、刀身で叩き斬った。
河辺へと変化した一部の湿地帯。例えれば火炎も叩き消すような豪雨だったが、輪のオカルトたちがその勢いを和らげる。
「……機は満ちた、ってやつね」
殺到する流星――まさしく流星の如く高速飛行するディアナのSolar windから放たれるはナパーム弾だ。煙幕が弧を描き、大地に落ちた衝撃で起爆する。
水気の多い戦場であるが故にナパーム弾の液体燃料が波紋のように面を制していき、炎を上げる。身を翻し、戻っては投下と一方向から攻めるディアナは敵陣への退却を促しているようにも見えた――実際は、退路がはっきりと分かるようにする戦略であったが。
散り散りに逃げられない敗走兵は、将河童の指示のもと、朱雀門側の湿地帯へと逃げていく。
「ひいっ」
「からっからになっちまう!」
「火攻めで死ぬのだけは嫌だ
……!!」
逃走の突進から死撃に転ずることもある。
盾状にした闘気を敵にぶつけ、ぐるっと反転させて立ち位置を入れ替える美結。
「作戦ここまで! 私たちも撤退するよ!!」
美結の復讐の意思が次に具現化するは発煙弾。
ばら撒くように投げて戦場の視界を遮断する。
輪の魑魅魍魎オカルト千夜一夜行が煙を撹拌するように散開し、多方面での殿を務めていく。
かくして河太郎翁率いる妖怪の混合軍は一時硝煙に満ちた。
「予想はしてたけど……大分泥とか煤で汚れたわね……」
参ったわね、という風に苦笑するのぞみ。
「でもそのぶん、やり切ったという感じがするよね」
にこりと笑った美結もまた泥や煤だらけ。
灼けゆく泥濘の匂いもきっとこびりついてる。
「帰ってシャワーを浴びて英気を養って、奪還戦、頑張っていこうね」
「お互い消化不良な面もあるかもしれマセンがあくまで前哨戦、本番に備えマショウ」
こくこく頷きながら言った輪に、ディアナもまた頷く。
平安鬼妖地獄変奪還戦決行は、もうすぐだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!