【平安鬼妖地獄変奪還戦】河太郎翁

 このシナリオは【平安鬼妖地獄変奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 平安鬼妖地獄変のジェネラル級と、断片の王・安倍晴明の手引きで侵攻してきた、天魔武者の軍勢に、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、オロチとの決戦の場ともなった湿原地帯に『河太郎翁』が集結させた妖怪の軍勢です。
『河童』と戦闘を行います。
「成功したシナリオ数×10%」だけ、「河太郎翁」の敵残存率を低下させます。

(この戦場のファーストアタックの効果は、通常の2倍となっています)

【平安鬼妖地獄変奪還戦】弱小の矜持(作者 柊透胡
5


#平安鬼妖地獄変  #【平安鬼妖地獄変奪還戦】河太郎翁  #平安鬼妖地獄変奪還戦  #ファーストアタック 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#平安鬼妖地獄変
🔒
#【平安鬼妖地獄変奪還戦】河太郎翁
🔒
#平安鬼妖地獄変奪還戦
🔒
#ファーストアタック


0



 夏草揺れる、湿原地帯――大妖怪ヤマタノオロチとディアボロスの決戦が繰り広げられたのは、初夏の頃だった。
「よくぞ集まってくれた、我が同胞達よ」
 ツワモノ共の夢の跡、とも言える此の地に、集まって来たのは河童を始めとする妖怪達。一応に薄汚れた風体で、敗残兵と言っても過言では無いだろう。
「今暫くは聞け……オロチが敗れ、我ら妖怪は王を失ってしまった」
 そんな連中に、声を掛けるのは『河太郎翁』。妖怪『河童』の頭領とされるジェネラル級妖怪だ。
「これからの決戦で、我らが果たせる役割は大きく無いだろう……敵軍を打ち破る精鋭にもなりえず、平城京を護る大役も任される事は無い」
 静かに粛々と、現実を語る河太郎翁の声を、妖怪達は項垂れて聞く。
「――だが、出来る事はある」
「……何、ヲ」
 思わず、湿った眼を見開いた河童に、河太郎翁はゆっくりと頷いて見せる。
「我ら、この湿原に潜み、この湿原を越えようとする敵の足を止めるのだ」
 所詮は弱小。敵軍の撃破は不可能だろう。だが、足に縋りついてでも、足止めしてみせよう。命尽きるまで引きずられ、重石となって、敵勢の足並を乱してみせよう。
「そうやって、我らが稼いだ、僅かな時間が……平安鬼妖地獄変の存亡を左右するやもしれぬのだから」
 シン、と静まり返った湿原地帯に、すすり泣きがさざ波のように、広がる。
 否、此れは随喜の涙だ。
 ――我ら妖怪、弱小なれど、最期の刻まで、矜持を見せん。

「平安鬼妖地獄変奪還戦に先駆けて、ファーストアタックのパラドクストレインが続々と到着しています」
 新宿駅グランドターミナル――そのプラットホームに出現したパラドクストレインの1号車の傍らに立ち、篁・弧珀(陽炎う陰陽射手・g03309)は、ディアボロス達を静かに見回す。その沈着な面が、いつもより紅潮して見えるのは、気の所為では無いだろう。
「ですが、一筋縄ではいきません。平安鬼妖地獄変の断片の王、『安倍晴明』は、己が支配するディヴィジョンを、隣接する『天正大戦国』の断片の王『織田信長』に売り渡そうとしています」
 平安鬼妖地獄変が天正大戦国に統合されてしまえば、京都や奈良の奪還は叶わない。のみならず、天正大戦国の大幅な強化を許してしまう事になるのだ。
「我々は、平安鬼妖地獄変を売り渡される前に安倍晴明を撃破、平安鬼妖地獄変の最終人類史への奪還しなければなりません」
 既に、安倍晴明の降伏と共に封印は解かれており、天正大戦国の軍勢が襲来している。平安鬼妖地獄変奪還戦では、鬼や妖怪に加えて、『天魔武者』とも戦う事になる。
「とは言え、やるべき事自体は、これまでの奪還戦と変わりありません。先んじてクロノヴェーダの戦力を削れば、戦争の機先を制する事が可能となるでしょう」
 敵の戦力は何れも強大だ。充分な打撃を与えたらすぐに撤退するという、引き際が重要となるだろう。
「皆さんに向かって頂くのは、長岡京に隣接する広大な湿地帯……妖怪『河童』の頭領、『河太郎翁』が離散したヤマタノオロチ配下の鬼や妖怪を再集結させています」
 敵は、河太郎翁の直属の配下とも言える、トループス級妖怪「河童」の群れとなる。連中はディアボロスの足止めせんと、死に物狂いで襲い掛かって来るだろう。

「今回の奪還戦の目標は、断片の王『安倍晴明』の撃破です。散々煮え湯を呑まされたディアボロスを強く警戒している彼奴を逃してしまえば、これからの『大地の奪還』の障害にさえなるやもしれません」
 強力な天正大戦国の軍勢を相手取り、安倍晴明が弄する策を打ち破り、平安鬼妖地獄変を奪還するには、先んじて、敵戦力を削っておくに越した事は無い。
「時は来たれり。仇讐の輩に一矢報いん――平安鬼妖地獄変奪還戦に先駆け、戦況を少しでも利する為にも。是非、皆さんの力をお貸し下さい」


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【コウモリ変身】
1
周囲が、ディアボロスが小型のコウモリに変身できる世界に変わる。変身したコウモリは最高時速「効果LV×50km」で飛行できるが、変身中はパラドクスは使用できない。

効果2

【ガードアップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 今回は、『平安鬼妖地獄変奪還戦』ファーストアタックのパラドクストレインに、時先案内人篁・弧珀がご案内致します。
 集団戦一章のみの、特別シナリオになります。長岡京に隣接する広大な湿地帯にて、ジェネラル級妖怪『河太郎翁』に率いられたトループス級妖怪『河童』との戦闘です。「成功シナリオ数×10%」だけ、「⑨河太郎翁」の敵残存率を低下させる事が出来ます。(この戦場のファーストアタックの効果は、通常の2倍となっています)
 ディアボロスの奮戦が河太郎翁の目に留まれば、或いは相見える機会もあるかもしれません。頑張って下さいね!

 シナリオの性質上、完結の速度重視です。攻略完了に必要な成功数を大きく超過しての採用は致しませんので、宜しくお願い致します。

 それでは、ヤマタノオロチとの決戦場より、皆さんの熱いプレイングを待ちしています。
77

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


音羽・華楠
私たちがヤマタノオロチを討った湿原……ここでまた戦うことになるとは、因果でしょうか?
――いえ、感傷に浸る時間すら惜しいです。
もうすぐ、平安鬼妖地獄変を最終人類史へ奪還出来る……!
その邪魔をするなら、敗残兵でも容赦しません!!

場所は湿原。
水妖たる河童たちに有利な戦場ですが――私のパラドクスはこの戦場を『煉獄』へ変えますよ!

――《雷幻想・煉獄》!!

水がたっぷりとあるこの戦場なら、マイクロ波で水分子を振動させて灼熱を生み出すこの術にはうってつけ。
多少狙いが逸れても、付近の河童たちを茹で上げるには充分な熱量を発生させてくれるはずです。

組み付かれて相撲に持ち込まれても、【ガードアップ】の守りで対抗を。


ロザーリヤ・ユスポヴァ
アドリブ連携歓迎

自らの治める地を護り抜こうとする気骨、見事だと言いたい
……この大地が、今を生きる人々から奪ったものでさえなければな

≪バットストーム≫を発動し、無数の蝙蝠を河童の群れへとけしかける
蝙蝠に狙わせるのは、敵の頭部にある「皿」だ
そこに牙を立て水分を、そして皮の下に流れる血液を【吸血】し、干からびさせてしまおう
喜ぶがいい。これでもう涙を流さずに済むぞ

ふん。ぼくの背後を取り、あまつさえ触れようとするか。不敬だな
敵の動きをよく【観察】し、≪星界の天幕≫を翻して掌を躱そうとしてみよう
攻撃の後は深入りはせず、【コウモリ変身】で空を飛んで撤退する
飽くまで、戦力を削る程度に攻撃が出来ればよいのだ


リューロボロス・リンドラゴ
ふん、良いだろう。
貴様らが弱小の矜持を見せつけるというのなら、我も龍として絶対的な力で蹂躙してくれよう!
弱くとも一矢報いようとしている奴らには、超強いドラゴンとしてあろうとする我は目の上のたんこぶではないか?
存在そのもので挑発してくれるわ!
かかってくるが良い!
それに、だ。
我もまあ、ムカついておるのでおあいこよ。
八岐大蛇……その名はあのようなやつのものではない。
我こそは龍、我こそはドラゴン。我、龍王の娘也。
湿地? ぬかるみ?
ハッ、我は龍だぞ?
水中戦が苦手なわけがなかろう!
ぬかるみは氷雪を操り凍らせて対処よ!
皿を乾かすなどという生ぬるいことはせぬ!
我が炎で塵も残さずまとめて焼き払ってくれるわ!


御須統・昴
アドリブ・連携歓迎
さて、いきましょうか。
奪われたものは返していただきましょう。
奪うという事は奪われる事もあるというのも理解していただきましょう。

多数の武器を相手に投げます。
避けれるなら避けてみるとよいでしょう。
途切れず降り続く武器を振り切れるものならば、ね。
更にそこに<電撃使い>の力を付与します。
水にぬれてるのであればよく効く事でしょう。

近寄られたら<斬撃>や<ダンス>で回避や反撃を試みますよ。
吹っ飛ばされても<空中戦><戦闘知識>で受け身取ります。


 湿った空気が、重い。風が吹き抜けて尚、蒸した暑さがディアボロス達の額に汗を滲ませる。
「私たちがヤマタノオロチを討った湿原……ここでまた戦うことになるとは、因果でしょうか?」
 汗を拭い、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は感慨深げに橙の双眸を細める。隠れ潜んでいるのか、敵の姿は判然としない。だが、決死を覚悟した緊迫感を、肌で感じた。
「ふん……八岐大蛇が、妖怪の王だと? その名は、あのようなやつのものではない」
 一方、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)は憤懣やる方なし。
「我こそは龍、龍王の娘也。彼奴らが弱小の矜持を見せつけるというのなら、絶対的な力で蹂躙してくれよう!」
「……そう、ですね。今は、感傷に浸る時間すら惜しいです」
 大いに胸を張るリューロボロスの判り易い闘志に、華楠も小さく頷いて。
「もうすぐ、平安鬼妖地獄変を最終人類史へ奪還出来る……! その邪魔をするなら、敗残兵でも容赦しません!!」
「まあ、自らの治める地を護り抜こうとする気骨は、見事と思うけど」
 肩を竦めるロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)の呟きは、当人も貴族であったが故か。
「……この大地が、今を生きる人々から奪ったものでさえなければな」
 それでも今は、ディアボロスの表情だ。彼女自身、取り戻したい物は数多い。
「さて、いきましょうか」
 湿原に足を踏み入れたのは、御須統・昴(十星連・陸昴『六連星の守り人』・g06997)。眼光鋭く、一帯を睥睨する。
「奪われたものは、返していただきましょう」
 果たして、妖怪共に理解出来るだろうか――奪うという事は、奪われる事でもあるのだと。

 ――その実、クロノヴェーダに唯一対抗出来る『パラドクス』自体、世界法則から逸している。常軌を逸しているパラドクスに、常識の内に在る物理法則が影響を及ぼす、というのも可笑しな話だ。
 畢竟、時先案内人からの捕捉がない状況であれば、湿原地帯の戦場で雷撃系パラドクスが有利な訳でも、炎を操るパラドクスが不利な訳でもない。
 一方で、パラドクスの『威力』と『様相』は、別物だ。
「激しい大いなる怒りの姿をされる不動明王よ。迷いを打ち砕き給え、障りを除き給え、所願を成就せしめ給え……!」
 得手とする陰陽木行に属する雷術へ、火行の術と不動明王火界咒を組み込む華楠。
 ――急急如律令!!
 妖精達の補助も重ね、放射したのは強大なマイクロ波だ。
「私のパラドクスは、この湿原を『煉獄』へと変えてみせましょう!」
要は電子レンジの機能を大規模にし、魔術的に再現したパラドクスだ。
 ギャァァァッ!
 繫みを揺らし、3体もの河童が転がり出る。芯から茹で上がり、全身から蒸気を立ち上らせながらも――華楠を睨み付け、それぞれ四股を踏む。
「……っ」
 三方から、突っ張りの衝撃が襲い掛る。残留効果で肉体を堅固にし、耐える華楠。この程度、何という事は無い!
「では、雷の勢いの如く、降り注ぐもの避けられますか?」
 すかさず、連中の頭上で、幾つもの鏢がビリビリと放電する。
「避けれるなら、避けてみるとよいでしょう」
 不敵に言い放ち、昴は絶えず鏢の雨を降らせる。まるで、春の雷雨のように。
「おっと……」
 逆説連鎖戦に於いて、彼我の距離は意味を為さない。河童の反撃は空間を歪め、昴の襟首を『掴み』投げ飛ばす。立て続けに4回、受け身を取って勢いよく立ち上がった昴は、既に次に投擲する鏢蓮華を構えている。
「……ふん。ぼくの背後を取り、あまつさえ触れようとするか。不敬だな」
 気配を敏感に察知し、綺羅星を散りばめた宙を映す外套を翻す。冷ややかに碧眼を眇めたロザーリヤは、吸血コウモリ模るオーラを幾重にも解き放つ。喩え、生命エネルギーを奪われとして、それ以上に奪い返してしまえば良い。
「喜ぶがいい。これでもう、涙を流さずに済むぞ」
 河童の皿に群がる吸血コウモリ――牙立て、血を啜り上げ、干からびさせてしまうべく。
「さあ、かかってくるが良い!」
 居丈高に言い放ち、リューロボロスは大きく息を吸う。
 万物万象燃え尽きよ。火を吹くは竜である――幼い身体には不釣り合いであり、龍の巨躯には相応しい、強大な炎のブレスが湿原を舐める。
(「皿を乾かすなどと、生ぬるいことはせぬ! 我が炎で塵も残さずまとめて焼き払ってくれるわ!」)
 喩え張り手が小柄を打とうとも、リューロボロスは誇らかに顔を上げ、龍の威厳を体現する。
 強烈なマイクロ波が水妖を炙り、鏢が雷雨の如く降りしきり、吸血コウモリの嵐が湿原を席巻し、業火のブレスが吹き荒れる――ディアボロス達の攻撃は、何れも容赦なく、盛大に河童共を薙ぎ倒していく。
 だが、飽くまでに、戦力を削る事が主眼であれば。
「そろそろ、引こう。コウモリにでも変身して――」
 頃合いとばかり、ローザリヤがディアボロス達に声を掛けた、その時。
「何だ……?」
 突如、押し寄せる水流。無数の水飛沫が霧となり、煙の如く立ち込める――。
 ――――!!
 気配は、感じ取れなかった。唐突なる頭上からの圧が、ローザリヤを湿地に叩き付ける。
(「まさか……このぼくに、奇襲なんて……」)
 ローザリヤだけではない。華楠は身構える暇もなく張り飛ばされ、昴は天使の翼を広げる前に湿地に引きずり込まれた。
 流水と霧に分断され、ディアボロス達は、神出鬼没の攻撃に翻弄される。
 ――後は、この河太郎翁が引き受ける。皆、速やかに撤退するのだ。
「河太郎翁、だと?」
 思わず目を瞠るリューロボロス。まさか、ジェネラル級と見えようとは。
「……くくっ、そうか。我らは『目の上のたんこぶ』か!」
 寧ろ小気味よさげに笑い、少女は両の手に竜の口を象る。
(「ハッ、我は龍だぞ? 水中戦が苦手なわけ――」)
 強気であったからこそ、すぐに気付いた。忽ち嵩を増していく、この水の流れは『パラドクス』。喩え技能に秀でようと、抗えるのも又、『パラドクス』のみ。
 ――――!!
 まるで大黒柱をぶん回したような蹴りと、赫焉の竜王極大弾が交錯したのは同時。軽々と吹っ飛ばされたリューロボロスは、炎が散らした霧の向こうに、確とを見る。
(「あれが、河童の頭領か!」)
 単身で配下の撤退を援け、ディアボロスと痛み分けにまで持ち込んだジェネラル級妖怪『河太郎翁』。
 その姿は――体長4mにも及ぼうかという、巨大な河童であった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【コウモリ変身】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年08月23日