生き埋めにされたリターナー

 獣神王朝エジプトでは、リターナー種族の一般人に、自分自身に墓穴を掘らせて生き埋めにする儀式が行われています。
 この儀式により、千人近くの生き埋めにされたリターナーの死と引き換えに、数名のマミーが生みだされるようです。
 この蛮行を阻止し、多くのリターナーを救出しつつ、マミーが生まれるのを阻止してください。
 生まれたばかりのマミーは、死の恐怖から覚醒しただけで悪意を持っていない為、ディアボロスが説得し、パラドクスで攻撃する事で、クロノヴェーダの部分だけを殺し、リターナーとして生き残させる事も出来るかもしれません。

熱砂のアントリオン(作者 蘇我真
9


#獣神王朝エジプト  #生き埋めにされたリターナー 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#獣神王朝エジプト
🔒
#生き埋めにされたリターナー


0



●アントリオンの牢獄
 空から降り注ぐ直射日光が、人々の背中をジリジリと焦がしていた。
「さっさと掘りな! このグズ共!!」
 メスライオンの頭部を持つ小神(エンネアド)が苛立った様子で罵声を浴びせる。
「はぁ、はぁっ……」
 人々は反応する気力も無いようで、ただ砂漠に跪き、素手で熱砂を掻き続けていた。
 彼らはリターナー。一度死んで蘇った人々だ。
「これなら、蘇りたくなかった」
 手を動かしながらリターナーの一人がそう弱音を吐く。
 いくら紀元前の世界、獣神王朝エジプトにだって地面を掘る道具くらいはある。
 だが、素手で砂漠に穴を掘ることが、彼らリターナーがマミーとなるためにクロノヴェーダが与えた試練なのだった。
 炎天下で休憩もなく穴を掘らされる。掻いても掻いても端から砂が落ちてきてまた穴が埋まっていく。
 身体から水分が抜けきり、汗も出なくなった頃。そうしてできたのは3メートルほどの深さ、すり鉢状の穴であった。
「よぅし、できたね。アントリオンの牢獄が」
 エンネアドが満足気な声をかけ、リターナー達は安堵の笑みを浮かべる。
「それじゃあ、行っておいで」
 だからリターナー達がエンネアドに蹴り飛ばされて宙に浮いていると気付くにはもう少し時間が必要だった。
「うああああぁぁっ!!!?」
「その穴から這い上がってきな! マミーになれたら、脱出できるはずさ! ハハハハッ!!」
 必死に穴から出ようともがくリターナー達。しかし掴んだ砂はさらさらと流れ落ち、自らが掘った穴へと引きずり込まれ、生き埋めにされていく。
 それはまさに蟻地獄に落ちた蟻のようであり、この試練がアントリオンの牢獄と呼ばれる所以なのだった。

●二度目の死を防げ
「墓穴を掘らせて生き埋めにするなんて、試練の域を超えてるぞ。みんながこいつらをボクらの神だと思い込んでるのが、ほんと悔しいな」
 カマル・サディーク(人間の王墓守護者・g03220)は持っている鞭を振り回しかけ、周囲の迷惑になると気づいて愛想笑いを浮かべてみせた。
「だからみんなにはリターナーを助ける為に力を貸して欲しいんだ。でも……ボクがいた時代、獣神王朝エジプトについて詳しくない人もいるだろうから、まずはそこから説明しなくちゃだな」
 カマルはタブレットを手に取ると、指先をツーッと滑らせてピラミッド型の三角形を描く。
「まず、ボクのいた世界では人は死んだらリターナーになる。正確には葦の原野の審判でマアトの羽根と心臓が吊り合ったらとか色々条件があるんだけど、今は省略」
 そうしてピラミッドに横線を2本引き、三等分にした。
「ピラミッドの一番下が人間だ。真ん中がリターナー。このリターナーってのは人間と同じ一般種族でクロノヴェーダじゃないんだけど……」
 ピラミッドの上部、頂点を指さす。
「ここ。リターナーが覚醒するとマミーっていうクロノヴェーダの下っ端になっちゃうんだ」
 獣神王朝エジプトを支配するクロノヴェーダは戦力増強の為にこうして度々リターナーに試練を課してマミーへの覚醒を促す。
「でもやつらの試練でマミーに覚醒するリターナーなんて一握り、ほとんどが脱落して二度目の死を迎えることになる。だから……みんなに助けてほしい」

 カマルはタブレットのピラミッド図を消し、今度は丸と四角を描き始める。
「みんながパラドクストレインで現場に向かったとき……ここ、丸の墓穴はもう完全に埋まっちゃってる。リターナーは生き埋めになってるから、早く助けないと死んじゃう」
 そして、次は丸の外周を囲むようにいくつも点を連打し始めた。
「周りにはこの点……エンネアドの雌獅子神群が試練を見守っている。リターナーって普通の人間よりは頑丈だけど、流石にこいつらを倒してからのんびり救出したんじゃ間に合わない。だから敵集団の撃破とリターナーの救出を同時進行することになる」
 更に、とカマルは丸の中にも点を付け加えた。
「さっきも言った通り、何人かは試練でマミーに覚醒しちゃってるかも。こうなるとマミーは自力で墓穴から這い出てきて、エンネアドの命令でこっちを襲ってくる。ただ……今回はマミーもまだ助けられるチャンスがあるんだ」
 今回のリターナーは無理やりに試練を受けさせられた上に覚醒したてで変化が定着していない。
「ディアボロスのみんなが説得して、マミー自身がリターナーに戻るのを納得した上で倒すことで、彼らはまたリターナーに戻れる」
 ただこのマミーへの変化も直に定着してしまう。つまりマミーも助けるならばリターナーの救出、雌獅子神群との戦い、マミーの説得撃破という3方面同時作戦になるだろうとカマルは告げた。
「ああ、それと四角の方を忘れてた。これは天幕。涼しい日陰で雌獅子神群のボスが悠々と控えてる。異変を察知したら様子を見に来るだろう」
 そもそもパラドクストレインがやって来た時点で異変と判断されそうだが、現場から少し離れたところに到着するからその点は問題ないとカマルは補足する。

「最後にだけど……ミイラ作りはボクが生前していた仕事のひとつだったんだ。いつの日かみんながリターナーとなって蘇る日の為にみんなの死体をミイラとして大切に保存してた。誇りを持って仕事に当たっていたんだ。それなのにやつらは……!」
 カマルは包帯を巻いた左目に手を当てて、二度三度とかぶりを振る。だがすぐに、困ったように笑うのだった。
「お願い。ボクの分まで裁いてやっちゃって。ね?」

●地獄の中で
 熱い。暗い。苦しい。重い。
 もがいて、蟻地獄から抜け出せなくて。それでも、もがいて。
 脳裏によぎるのは、一度目の死のこと。
 病床に着いていた私を寂し気に見下ろしていた妻と子の顔。
 大丈夫、またいつか出会えるから。
 そう告げて生を手放してから、今はどれくらい経ったのだろう。
 一年後? 五年後? 十年後? もしかしたら、百年後?
 会いたい。家族に会いたい。家に帰りたい。
 そう思ったら、不思議に力が湧いてきた。
 あんなに鈍かった腕が軽く動く。上がれる。すごい。すごいすごイスゴイ。
 これナラ蟻地獄かラ抜け出セル。帰れル。家族ノ……。
 ――エンネアド様ノ元ヘ。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【活性治癒】
2
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV3 / 【先行率アップ】LV2 / 【ドレイン】LV2 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

蘇我真
 どうも、蘇我です。
 始まりましたね、チェインパラドクス。
 今回取れる選択肢は4つ。
 自分にできる行動は何か。
 自分がしたい行動は何か。
 失敗を恐れず色々やってみてください!
68

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


モッド・グラパリオ
あー・・・最初に言っとく。
俺ァここにゃァ「殺す側が殺される側に変わった時の顔を見に来た」だけなんでな、
救出説得は他に任せるよ。悪ィな。

つっても初陣だからなー、面白ェ芸当はできねェ。
なンで【肉体改造】で肉体、特に斧を持つ腕と踏み込む足を強化。
敵にまっすぐ【突撃】して【剥手活細】による馬鹿力で【強打】って感じだ。
今の俺にゃァ炎のブレスの対策が思いつかねェし、
炎ダメージを覚悟のうえで大斧を盾にして軽減しつつ【捨て身の一撃】で押し切らせてもらわァ。
狙いは首か胴体。息が止まればブレスも止まンだろ。

一応お仲間さんとは連携できるようにはしとくよ。
んじゃいっちょやりますか!どちらかが動かなくなるまでよォ!


●VS雌獅子神群1~地獄を見たモノ~
「ハハッ、もがいてるもがいてる。あの顔を見るのがこのクソみたいな処理で唯一の楽しみだな」
 人造蟻地獄で生き埋めにされたリターナーたちを見下ろす1人の雌獅子。同意を求めるように隣の同僚へと声をかける。
「……」
「おいおい、どうした? 楽しすぎて声もでねえか?」
 視線を穴から同僚へと移す。その同僚は、胸から人の腕が生えていた。
 いや、人なのだろうか? その腕は通常の人の2倍から3倍に膨れ上がり巨人の腕と化していたからだ。
「……」
 巨大な腕は背中から同僚の胸を貫き、心臓を掴みとっていた。
「なッ――」
「同感だな。俺もテメェらのその面を拝むのを楽しみにしてたんだ」
 抑揚の少ない、低い声色。男の声だ。感情が無いのか、抑えているのか。
 躊躇も感慨も無く心臓を握りつぶすと、その腕を振る。遠心力で同僚だったモノは引き抜かれ、蟻地獄へと堕ちていった。
「なッ、なんだ貴様は!?」
 反対の腕で大斧を軽々と持ち上げている男の姿。雌獅子は大きく顎を開く。驚愕を隠すのと炎の吐息で攻撃する為だった。
「別にテメェらに教える義理もねェ。言っても理解できるかわかンねェし、なにより……」
 その腕の持ち主は一歩、二歩と雌獅子へ歩み寄る。肉体改造で2メートルに迫ろうかというその巨躯は、完全に雌獅子を圧倒していた。
「く、来るなッ!! うお、オォォォンッ!!!」
 雌獅子の口から放たれる灼熱の業火。しかし、烈火の波も彼の歩みを止めることはできない。
 爆ぜる火種の音、揺らめく炎の向こうから浮かぶシルエット。
「どうせ今から死ぬンだから教えても無駄だろうが」
 巨大な腕が雌獅子の首を掴み、持ち上げる。強烈な喉輪で息を吐けず、火炎の放射は治まっていく。
 煤まみれの白い肌。逆立ち、焦げて縮れた白い髪。
「こいつらは俺が引き付けとく、そっちは頼むぜ」
 大斧で雌獅子の胸を破壊するモッド・グラパリオ(誠実なる暴虐・g00457)の緑の瞳は、焔よりも熱く燃えていた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

九十九・静梨
アドリブ・連携歓迎

一度死んだ方が種族の1つとして馴染んでいるとは、
独特の世界ですわね……
要はそんな方々を傀儡にしようとしているという事ですわね
なんとしても阻止しなければなりませんわ!

まずは生き埋めの方を何とかしましょう
こういった事にはうってつけの武器がわたくしにはありますので!

蟻地獄に呑まれないよう埋まっている場所の上に【飛翔】
上空から勢いを付けて降下
『螺旋砕腕』をドリルモードに変形しそのまま筋肉の力で砂漠に叩きこみ周囲の砂を◆破壊しドリルの回転で巻き上げますわ!

リターナーの方々を助け出したら
溢れる筋肉で担いで飛翔し安全な場所に連れて行きましょう
ご安心を
わたくし達は皆様を助けに参りました


レイア・パーガトリー
再び死ぬ者も多いにもかかわらず生き埋めからの脱出で叶う願いは歪められてしまうなんて…
――地獄とは、多重の意味ね

死者の尊厳は守りたいけれど…復活を前提としてるのは私の故郷とは違うかしら
こういう文化圏もある、ということも受け入れないと
国と国同士の折り合いはつかないもの
為政者志望として、覚えておくわね

私は竜翼翔破でリターナーを蟻地獄から救うわ
穴には一撃離脱の要領で行くつもり
搬送には無双馬を活用して、仲間がいればリレー形式で迅速に
難しそうなら私も背負うなりして騎乗して移動する

アドリブ歓迎


●リターナー救出1~筋肉残留効果~
 モッドが雌獅子神群相手に暴れ始めたところで蟻地獄を囲む敵陣にほころびが生まれる。その間隙を縫って突入したのは九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)とレイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)だった。
「一度死んだ方が種族の1つとして馴染んでいるとは、独特の世界ですわね……」
 蟻地獄へ駆けながら、獣神王朝エジプトの死生観について思うことは二人とも同じのようだ。
 静梨は熱砂に足を沈みこませながらも速度を維持したままレイアの乗った無双馬と共に駆ける。信奉する筋肉の賜物か。
「ええ、私の故郷とも違うけれど……郷に入っては郷に従えというし、異なる文化圏の事も理解して受け入れる必要があるわね」
 レイアは無双馬を蟻地獄の淵で停める。
 迂闊に飛び込めばリターナーを救出するどころか自らも蟻地獄に呑まれる。ミイラ取りがミイラになってしまっては元も子もない。
「良い考えがございますわ。まずはわたくしにお任せ下さいませ」
 静梨はそう言うと腕に嵌めた巨大な籠手――螺旋砕腕――を変形させる。
 甲高い金属音と共にドリル状へと変形する籠手。デーモンの翼をはためかせ空高く飛翔すると、ドリルを蟻地獄ではなくその傍への砂地へと突き刺した。
「せー……のっ!!」
 急速にドリルが回転する。掘削され、舞い上がる砂。
「何を……ああ、そういうことね」
 レイアははじめ、静梨の行動に面食らっていたがすぐにその行動の意味を理解する。
「水はより低きに流るる……それは砂もまた同じですわ!」
 蟻地獄を直接ドリルで掘ればリターナーを巻き込む可能性がある。
 だが、このやり方ならば蟻地獄を埋めていた砂が新しい穴へと流れていく。
 砂が減ったおかげで、埋まっていたリターナーの頭が露出し始めた。
「さあ、救出いたしますわよ!」
「ええ!」
 レイアは目に入ったリターナーに狙いをつけると、ドラゴニアンの翼を広げて静梨と同じく飛翔する。
 そして流砂に巻き込まれないように、両腕の力だけでリターナーを引っ張り上げていった。
 幼い少女の体躯。どこにそれほどの力があるのか。助けられたリターナーはその力強さに目を白黒させていた。
「大丈夫、おびえなくていいわ。私達はあなた達を助けにきたの」
「ええ、ご安心を! わたくし達は皆様を助けに参りましたの!」
 静梨と共にリターナーを落ち着かせながら、とはいえ、レイア自身も常よりも力が出る感覚に内心戸惑いを覚える。
「誰かを助けたいという気持ちが、ここまで力を出せるのかしら」
「筋肉ですわ。全ては筋肉が解決するのですわ!」
 一度に2人のリターナーを引っ張りあげながら断言する静梨。常ならば与太話で済ます内容かもしれないが、その実半分くらいは彼女の言う通りであった。
 先程モッドが雌獅子に向けて使った怪力無双。その効果が戦場に残留しているのだ。
 彼女達は今、全力で3トンまでの重さを持ち上げることができる状態だ。
「これが……逆説連鎖戦(チェインパラドクス)……」
 同様に静梨とレイアが使用した飛翔も後続のディアボロス達による救助を迅速・活発にさせるだろう。
「理解と体験はまた別の物ね……全て、この身に刻むわ」
 人命救助もまた戦い。初めての戦いで学びながら、乙女達は奮闘していくのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

河津・或人
地獄みたいな気温の場所にモノホンの地獄作るんじゃねーよな、全く…

■説得
やめとけやめとけ、苦しい儀式を乗り越えたら特別感はあるかもしれないが
『自分が受けたような苦痛をリターナーたちに延々と受けさせる』という事実は変わらないんだ
大半の人は再び死んじまうんだろ?
偉い奴はそれを乗り越えてきたってんなら、神様ってやつらのトップが何であんな遠くで涼んでんだよ
せめて自分も生き埋めになりつつ余裕を見せるのがスジってもんじゃねえの?

■戦闘
フリージングミサイルでなるべく「リターナーに戻るのを納得した奴から」で倒してく
あまり苦しまないように工夫はしてやりたいな
自分が穴に落ちた場合はガジェット活用して脱出だ


●VSマミー兵団1~神の正体~
 静梨とレイアが救助活動にいそしむ中、蟻地獄ではもうひとつの救助活動が始まっていた。
「こんな地獄みたいな気温の場所に、モノホンの地獄作るんじゃねーよな、全く……」
 河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)は蒼穹を仰ぎ、降り注ぐ直射日光に目を細める。
「な、あんたもそう思うよな? 地獄からの生還者さんよ」
 視線を下げる。そこには覚醒したばかりのマミー兵団がいた。
 足場が崩れ落ちる蟻地獄をものともせず、それでいておぼつかない足取りで登ってくる。そのアンバランスさがこの世とあの世、一般種族とクロノヴェーダの境目にいるように思えた。
「そうやってクロノヴェーダの言いなりになっちまうのか? やめとけやめとけ」
 マミー兵団は立ちふさがる或人を前にして歩みを止め、それぞれの武器を掲げる。
「苦しい試練だか儀式だかを乗り越えたら特別感はあるかもしれない。だが『自分が受けたような苦痛をリターナー達に延々と受けさせる』という事実は変わらないんだ」
 日差しを受け冷たく光る武器。切っ先を向けられても或人は攻撃をせず、言葉を続けた。
「大半の人は再び死んじまうんだろ?」
「死ヌ……嫌だ……試練、乗リ越える……」
 武器から、毒々しい紫色の液体がにじみ出る。
「試練に疑問を覚えたりしないか?」
「オカシク、ナイ……神ノ尖兵ナレル……栄誉!」
 幾条もの軌跡が或人を襲う。毒を塗布した刃が彼の身体を切り刻んだ。
「……悪いがよ、やつらはあんたらが信じてる神様じゃねえんだよ!」
 顔を歪めながら或人は続ける。指先を蟻地獄の向こう、設置された天幕へと向ける。
「やつらが本当に神様ってんならよ、なんでそのトップが、何であんな遠くで涼んでんだよ。せめて自分で生き埋めになりつつ、余裕を見せるのがスジってもんじゃねえの?」
「………ッ」
 或人の言葉に一瞬、マミー兵団の動きが止まる。同意、もしくは共感。
 たとえ神だとしても、理不尽に感じた者がいた。
「その気持ち、忘れんな」
 切り刻まれた或人の身体。破れた衣服から冷気が漏れ出す。
「ちったあ苦しいかもしれねえが、大丈夫。試練を乗り越えたあんたなら、きっとな」
 装填された凍結弾。フリージングミサイルが動きを止めたマミー兵団の胸を貫く。身体に巻かれていた包帯が緩み、中から臆病そうなリターナーの顔が覗く。
 その顔には安堵の色が滲んでおり、或人もまた心の中でほっと胸を撫でおろすのだった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

冰室・冷桜
このくそ暑い中で穴掘りとか地獄か……や、地獄みたいなもんだったわね……
っても、あんま肉体労働は得意じゃないけど、そうも言ってらんないか

スコップとか持ち込んで、埋まった穴を掘り返すつもりもあるけど
どっちかってーと、こういうのが得意な人らを手伝うつもりで行くわね
生き埋めから脱出できれば、外に運ぶのとかはアタシでもできるし
だいふくに飛び回ってもらって穴からでてきた人らがどこにいるか確認していってもらうわね
出てきた人らを他の人から受け取って、運んでいくわ
スコップとかで掘り起こして助けられるそうな人はアタシの方で助けるから、それ以外の人をどんどん助けていってもらうようお願いするわ


●リターナー救出2~命の確保~
 スコップが砂に突き刺さる。
「くそあっついわ……」
 掬った砂を怪力無双で遥か後方へ投げ飛ばしながら冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は額の汗をぬぐった。
 汗に濡れた金色の髪は額に貼りつく。眼鏡のレンズ越しに黒い瞳が忌々し気に太陽を見上げる。
 遮るものがない砂漠の直射日光は、流石の炎使いでも堪えるらしい。
「肉体労働は得意じゃないのよ……」
 愚痴りながらも冷桜は腕を動かし続ける。リターナーを助けるために必要なことだし、半ば意地でもあった。
 そして彼女が空を見上げていたのは、ただ太陽に敵意を向ける為だけではない。頭上でくるくると旋回するメーラーデーモン。彼女の召喚したサーヴァント『だいふく』だった。
「そっちにいるのね? オッケー、ありがとうだいふく。引き続き捜索を続けて」
 冷桜がだいふくへ与えた指示は、穴から出てきた人がどこにいるか確認すること。サーヴァントは複雑な指示をこなせないが、この程度なら問題なくできるだろう。サーヴァント自身に救出を指示するまでいくと難しいかもしれないが……。
 そうして冷桜がスコップで砂を掘りおこし、リターナーたちの頭部が地表へと露出して呼吸を確保でき次第、だいふくのいる次のポイントへと向かい、また掘り起こすのを繰り返す。
「……よし、これで息はできるわね? キツいだろうけど、もうちょっと待ってて。すぐに引っ張り上げてあげるから」
 最初に静梨がドリルで大雑把に砂を抜いた後、次に冷桜が手作業で細かいフォローをする作戦は理にかなっていた。ディアボロス達は凄まじい速度で大量のリターナーを救っていく。
「ふう……こんなものよね?」
 目につく範囲全てのリターナー、その安全を確保できそうだと判断した冷桜は共に救助へと当たっていた静梨とレイアへ告げる。
「こっちはもう私だけで大丈夫。それ以外の人を助けてもらえる?」
「了解ですわ!」
「ええ、わかったわ」
 静梨とレイアが跳ぶ。それぞれの行方は二手に分かれていた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!

レイア・パーガトリー
助け出すことが出来て良かった…
クロノヴェーダの配下をこれ以上増やす訳にはいかないから
既にマミーとなってしまった人にも対応するわね

ねぇ思い出して
そもそも、試練って無理やり受けさせるものでないでしょう?
不条理な労働をさせられて、雑に扱われて…
儀式だというのなら、突然の理不尽な暴力が許される?
本当にただしく神聖な儀式なのか、疑問を挟む余地があると思うわ

屠竜撃で攻撃をする際、反撃に使われる剣は…もう持っているかしら
まだなら雌獅子との連携を邪魔するように動いて、武器を授けるのを妨害するわ

目を覚ます強烈な一撃…また命を奪ったりしないように気を付けるわ


●VSマミー兵団2~斬るべきものは~
 レイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)が向かった先は或人が対応していたマミー兵団だった。
「お待たせ、加勢に来たわよ!」
「リターナーは?」
「大丈夫!」
 短いやり取りで状況を理解した或人は、一旦退き体勢を整え直す。
 傷ついた或人に代わり矢面に立ったレイア。マミー兵団を前に滔々と語りかける。
「ねぇ、思い出して。そもそも、試練って無理やり受けさせるものでないでしょう? 本人の意思で受けるものじゃない?」
 望んで試練を受けたがるリターナーも勿論いる。だが、この場に集められた者たちはそうではなかった。
「不条理な労働をさせられて、雑に扱われて……儀式だというのなら、突然の理不尽な暴力が許される?」
「……」
 許される。そう言い切れる強い心の持ち主もいなかった。
 彼らは総じて戦いに向いておらず、だからこそ雑に扱われていた。
「本当にただしく神聖な儀式なのか、疑問を挟む余地があると思うわ」
「…………」
 マミー兵団は沈思黙考を続ける。
 神を疑ってはいけない。その信仰の根幹が揺らいでいた。
「今、目を覚まさせてあげるわ」
 残っていたマミー兵団へ向け、レイアは竜骸剣を振りかぶる。
 抵抗しようと思えばできるはずの彼らは動かない。レイアの剣へ縋るように、ただそこに立ち尽くしていた。
「はっ!」
 強烈な振り下ろし。竜をも屠る一撃は、その切っ先だけがマミー兵団の正中線、包帯の上ををなぞるように滑り、斬り裂いていく。
「アリガ、とう……」
 そこから覗く晴れ晴れとした顔。レイアが斬ったのは心を縛る包帯でもあった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

九十九・静梨
アドリブ連携歓迎

さて、そろそろ態勢を取り戻したのが邪魔してきそうですし邪魔を邪魔させていただきますわ!

まずは【冷気の支配者】で気温を下げて体力を消耗しすぎないように
そして◆肉体改造相当の肉体変異で筋肉隆起
【能力値アップ】【ダメージアップ】して魔晶刃腕と螺旋砕腕で◆グラップルの格闘戦ですわ!
【飛翔】もありますので砂地を気にせずに戦えますわね!
踏み込みができないのは残念ですが

敵の炎は再びドリルモードで砂を巻き上げ
砂に潜って回避
そのままドリルを回転させれば敵らの足場を崩し◆地形の利用
蟻地獄の再現!
今度は貴方達が蟻地獄で苦しむ番です

飛翔で空に出てパラドクス発動
動きが鈍い敵を気力玉◆誘導弾攻撃


無堂・理央
無双馬『クロフサ』に乗って突撃ー!
騎乗した状態で【飛翔】の恩恵が受けれるなら、砂に足を取られる心配はないかな。


敵に突撃するけど、既に戦ってる人みたいに炎を真正面からは受けたくないな。
だから、敵の周辺を駆け巡って炎の直撃を避けながら踏み込めるタイミングがあれば、馬上槍を構えて【ダッシュ】で一気に踏み込んで吶喊だよ!

炎の直撃を避けてたら踏み込めるタイミングが掴めそうにない時は覚悟を決めて、馬上槍を構えて炎に正面から突っ込んで【ダッシュ】!ダメージを受ける時間を少しでも減らして切り抜ける!

他のディアボロスと連携できる部分は連携してボクの経験不足を少しでも補うよ。


河津・或人
ふぅ…何とかなったな
何人かは助けられたが、ちょっかい掛けてくる奴に牽制入れるか

陣地構築オブジェクトでちょっと整地して
移動の足固めと一般人の穴落下防止を兼ねて岩やら作っておこう
いやー怪力と飛翔が使えるのはありがたいな

仲間に感謝しつつ、敵にもパラドクスで作る岩をお見舞いしてやるぜ
反撃の炎のブレスも自分で作ったオブジェクトを盾にしたり
冷気の支配者でちょっとでも後を引かないように涼しくしておこう

あんまり女子殴るのは趣味じゃないが
残虐行為を正当化するような奴らは許しちゃおけねぇよな


●VS雌獅子神群2~人を呪わば穴二つ~
 砂漠に山が出来ていた。
 事切れた雌獅子神群の遺体が折り重なっている。
「しゃあッ!」
 大斧が雌獅子の灼熱吐息を、その顎ごと両断する。
「はぁ、はぁッ……ったく、いくら潰してもキリがねぇな……」
 一人で大群を相手にしていたモッドにも流石に疲弊の色が見える。
 ここは退き息を整えるか。そう考えたとき、不意に砂漠へ影が差した。
「ッ!」
 一同が天を仰ぎ見る。
「クロフサ、いっくぞー!」
 遺体の山を駆け上り、無双馬が空を駆けていた。
 乗っているのは無堂・理央(人間のカースブレイド・g00846)だ。
 馬上槍を振り回し、雌獅子の群れを薙ぎ倒して突き進んでいく。
 慌てて炎を吐いて焼こうとする雌獅子もその一撃離脱の吶喊に対象を上手く捉えることができない。
「助けか、ありがてぇ」
「ボクだけじゃないよ!」
 宣言と共に場の空気が冷えていく。
 駆け付けたのは救出に向かっていた九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)と河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)だ。
 冷気の支配者で気温を下げ、闘いで火照った身体を冷ます。
「これで体力の消耗も抑えられますわね?」
「貴様らも、試練の邪魔を企てるかッ!」
「邪魔をしているのはあなた方ですのよっ!」
 静梨の周囲に球状の闘気が展開される。その球を筋肉で膨れ上がった脚で強烈に振りぬく。
「グワァッ!!」
 凄まじい速度で放たれた闘気の球が雌獅子の肩、肉を根こそぎ持っていった。
「よくもッ!」
 肩を押さえながら放たれた雌獅子の炎ブレスに対し、静梨はドリルモードの籠手で砂漠へ突き刺した。
「効きませんわよ!」
「オブジェクト、コリジョン判定!」
 或人の陣地構築オブジェクト。舞い上がる砂をベースに砂岩を構築、炎を遮る壁とする。
「なッ――」
 岩壁で雌獅子を押し潰しつつガードアップ。攻防一体の構えでディアボロス達が受ける炎を軽い火傷程度にまで抑えてみせた。
「あんまり女子を殴るのは趣味じゃないが、残虐行為を正当化するような奴らは許しちゃおけねぇ」
「我らを、女子供と愚弄するかッ!」
 吠える雌獅子。
「してないって。ボクだって女だし、多分まだ子供だからね!」
 否定するのは理央だ。突進から踵を返し、今度は雌獅子を背後から急襲する。
 砂漠という地形を無視するかのように軽やかにクロフサを乗りこなし、馬上槍を振り回して雌獅子たちを薙ぎ払っていく。
「ぐ、うッ……!」
 避けようとする雌獅子たちだが、砂に足を取られて動きが鈍る。静梨のドリルが掘った穴に足元の砂が落ちていた。
「今度は貴方達が蟻地獄で苦しむ番ですわ」
 残留効果が利用でき、飛翔で足場の影響を抑えられるディアボロス達と、利用できないクロノヴェーダ。その差が如実に現れる格好となる。
「こんな、はず、が……すみません、ウェプワウェト様……」
 こうして雌獅子神群はディアボロス達に押し込められ、砂漠の蟻地獄に埋まっていくのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!

●VSウェプワウェト0~邂逅~
 ディアボロス達が雌獅子神群を打ち破った頃。
「やれやれ、騒がしいですね」
 陣幕から悠然と1体の獣神めいた姿が現れた。
 黒い狼の頭部を持つ戦神。アヴァタール級のエンネアド、ウェプワウェト。
 彼は切れ長の涼し気な瞳で戦場を見渡し、呟く。
「これは、ディアボロスの仕業ですか? ……まだ生き残っていたというのですか」
 アンクとハルバードを携えた彼は、悠々とディアボロス達の元へ歩きだす。
「嬉しいですよ。久しぶりに、本気で戦える相手と邂逅できて……!」
 その鍛え上げられたしなやかな獣の身体を充分に振るえる、その歓喜に身を震わせながら。
無堂・理央
残るは指揮官だけ、そいつさえ倒せばここでの戦いは決着!
全力でぶつかっていくよ!

無双馬『クロフサ』に乗って敵に突撃。
【飛翔】があるなら砂に足を取られないね。

衝撃波は突っ込んでくる速度は獅子神の炎より確実に早いだろうけど、やる事は同じで戦場を掛けて速度でかわしながらタイミングを計って【ダッシュ】で一気に踏み込み、馬上槍や刺突剣で一撃加えたら【一撃離脱】のやり方で反撃を貰う前に離脱してまた衝撃波を避けれるように駆ける。

他の人狙いで衝撃波を使ってこないなら攻撃チャンス!
ボクに衝撃波を打たれる前に一撃加えて敵の体勢を崩す。


一緒に戦う人達とは可能な範囲で連携、速度が必要な役回りは積極的に引き受けるよ。


九十九・静梨
アドリブ連携歓迎

後は敵首魁のみ!
非道な行いをこれ以上させない為にも全力で参りますわ!

ネメシスモード、発動!
◆肉体改造相当肉体変異による筋肉隆起を倍増したボディービルダーのような体に変身

【能力値アップ】【ガードアップ】【反撃アップ】
狼の攻撃は【飛翔】で回避
避けきれないものは魔力障壁を集中した螺旋砕腕で受け止め
反撃で魔晶刃腕で◆解体しますわ

敵は誘導弾ではわたくしより得手
ならば接近戦!

飛翔で接近
螺旋砕腕で◆グラップル格闘
敵が避けてもドリルモードにし再び砂を回転させる◆地形の利用
敵の視界が塞がれ足場が崩れたのを狙いパラドクス発動!
【ダメージアップ】
魔晶刃雨での刃を最大にし
切り裂かせていただきますわ!


アーヤ・ミズラーフ
まず神を名乗ろうとも行いが正しくないようなら偽神!遠慮なく冥土に速達で送ってやるにゃ!逝ってらっしゃいませぇ

なぎ払いで狼どもを蹴散らしていく。【飛翔】があるんで飛び回って数減らしにゃ。たとえ強い神だろうと何度も攻撃しようとするなら近づくチャンスもできるにゃ~。仲間と協力して接近にゃ。逃げ回るなら【怪力無双】で【罪縛りの鎖】で縛った狼投げつけんぞ!

偽物の神め、ニャ~となかせたるにゃ。貫通攻撃!
そして狼なし、予備動作、焦りなどの隙がでるならばサンシャインブレイクにゃ。闇の存在よ太陽の力を思いしるがいいにゃ。レッツとつげきー!


ユラン・ジォルトゥイ
準備してる間に大方片付いちゃったな……残るはウェプワウェトとやらだけか。
ある意味やりやすくはあるけど、単純に実力が足りてないかな?
今回はサポートに徹するとしよう。

僕がするのは機先を制すること。
敵の攻撃に合わせて【八逆而禍擶】を放ち、これを阻害する。
【飛翔】を利用して常に動き、他ディアボロスがいない方へ。
万が一の時は、巨刃を盾にして凌ぐ。
危険は増えるけど、積極的に邪魔が出来れば御の字だね。

そうすれば、他のディアボロスが決定打を打ってくれるはず。
そういう場面になれば、より危険な方に意識が逸れる。
そこに連射で畳みかければ、僕の仕事は終わりかな。

【罪縛りの鎖】が効けばなぁ、もっと楽なんだけど。


●VSウェプワウェト1~砂上の攻防~
 戦いのゴングを鳴らしたのは九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)だった。
「最初から、全力全開で参りますわよッ!」
 中空より筋肉の弾丸が飛来する。静梨の飛翔体当たりだ。
 ネメシスモードを展開できるほど追い詰められてはいなかったが、それはつまり彼女が戦いの中で成長していることを意味していた。
「男子三日会わざれば刮目して見よと申しますが!」
 嵌めた手甲、螺旋砕腕に屠った雌獅子の牙が刃として顕現する。
「女子も負けちゃあございませんわよ!!」
 一撃がウェプワウェトの顔面を捉える。
 甲高い金属音が鳴り響いた。
「フン、負けた上に敵に使われるとは、雌獅子神の名が泣きますね」
 顔面と手甲の間にエジプト十字、アンクが挟まれている。
「まだですわ!!」
 手甲がドリルモードに変形し、アンクの穴からウェプワウェトの鼻先を傷つける。
「チイッ!」
 アンクの穴が突如出現した黒い毛で塞がれる。押し戻される手甲。穴から黒狼達が次々と飛び出して静梨へと襲い掛かる。
 静梨はウェプワウェトを足蹴にして飛びすざるが、空を駆けるのは黒狼達も同じ。全身を咬まれ、砂漠の地へと落とされる。
「狼ども、さっさと散るにゃ!」
 その黒狼達を引きはがしたのはアーヤ・ミズラーフ(王家の谷の冥土シノビ・g02033)だ。薙ぎ払いで黒狼達を打ち据える。
「キャインッ!」
「やはり、あなた方はディアボロスのようですね……見慣れない姿形のまがい物もおりますが」
 黒い瞳に黒い髪、焦茶色の肌をしたアーヤは、ウェプワウェトの良く知る獣神王朝エジプト世界のディアボロスに似ていた。
「まがい物はそっちにゃ! 神を名乗って非道な振る舞い! 遠慮なく冥土に速達で送ってやるにゃ!」
「速達?」
 言葉の意味を測りかねたウェプワウェトに生まれた僅かな隙。そこを突いてアーヤが疾駆する。
「偽物の神め、ニャ~となかせたるにゃ!」
 アーヤの手にした武器が光り輝く。
「闇の存在よ、太陽の力を思い知るがいいにゃ!」
 今も天に鎮座する太陽。その熱光を纏った一撃が、ウェプワウェトの胸を袈裟切りにする。
「ぐ、はぁッ!」
 追撃しようとするアーヤだが、アンクからはウェプワウェトを守るように新たな黒狼達が出現する。一撃離脱し、次の機会をうかがう。
「ニャ~とはなかせられなかったにゃ」
「いいや、充分だよっ!」
 ウェプワウェトの左右から、挟み込むように登場したのは無堂・理央(人間のカースブレイド・g00846)とユラン・ジォルトゥイ(応・g01640)だ。
「さあ、挟撃に狼でどう対応するのかな?」
 金色の髪を砂漠の風になびかせながら、涼やかな様子で声をかける。
「私が狼しか出せないとでも?」
 悠然とした様子はユランの常日頃の態度であり、同時にウェプワウェトへの挑発でもあった。
 ユランは知っている。この状況で敵がどのような攻撃方法を取ってくるかを。
 相手の反応を限定させるための挟撃連携であり、布石でもある。
「舐めないでいただこうッ!!」
 ウェプワウェトが吠える。咆哮は衝撃波となり左右の理央、ユランへと向かう。
 はずだった。
「応じの一手を」
 ユランは先にバラドクスを発動していた。碧眼に映し出されるウェプワウェトの姿が歪む。
 八逆而禍擶(アンサラー)。自らに害意を向けた存在に対して、半ば自動的に巨刃が投射される防衛装置。
「――ッ!!」
 衝撃波の出がかりを潰される。
「今だよ!」
「ありがとっ!」
 ユランは彼我の力量を測り、自らにできる仕事を完璧に全うした。
 彼もディアボロスなのだ、できることならば自分の手で殴りたかったに違いない。それでも一撃を託してくれた。
 その想いを受け取り、理央は駆ける。愛馬クロフサと共に。

「はーっ!!」
 裂帛の気合。ウェプワウェトは馬の脚を狙うか馬上の理央を狙うか判断が遅れる。それでもハルバードを両手で掲げて理央の馬上槍を受け止めようとした。
 理央は馬上槍を切り上げる。上からではなく、下から穂先がせり上がってくる。
 対応を誤った。刹那に状況を認識したウェプワウェトは腹筋に力を入れる。腹部にやってくる痛みと衝撃。
 はいった。確かな手ごたえを感じる理央。
 切り上げの勢いでウェプワウェトの身体が浮き上がる。空中、馬上の理央と視線が合う。
 ウェプワウェトは苦痛に歪んだ笑顔を浮かべ、それから顎を開けた。
「あ――」
「オオオォォオンッ!!」
 至近距離で、衝撃波が理央に炸裂した。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

河津・或人
このディビジョンの地獄がひとつ片付いて良かったぜ

何が本気で戦えて嬉しい、だ
自分より強い奴とは手合せしねーのか?
そういうニュアンスの台詞は世界を一回支配するまでとっとくんだよ三下ァ!

ネメシスモードは武装のガジェットが増加
(重量過多は謎の理屈で無視できる)

【飛翔】を利用して早業でクイックアサルトをぶち込んでくぜ
接近する仲間がいりゃぁ援護射撃になるように射線を合わせていこう
戦神衝波はまともに食らうだろうが、どうせ食らうならリターナーの避難を妨げないように方向を注意しておく

うちの国には八百万ほど神がいてさ
あんたみたいなのは別に言うほど特別とは思わねえ
本当はな、あらゆる存在が尊いんだ


レイア・パーガトリー
思考も自由も奪われて隷属するのが誉れなはずがないわ
死生観が異なっていても、人間性の否定が介在してはならないと思うの
ただの操り人形なら、無機物から使い魔でも作ればいいじゃない

【飛翔】でブーストがかかった速度も頼りにして
竜翼翔破で突撃して、一撃離脱するわね
視界が良くてバレバレになってしまうから、無双馬を囮に先行させましょう

私にあなたを生き埋めにする手段があったら間違いなく実行していたでしょう
試練という名の虐待を受けさせた者の苦しみを
じわじわと、死んだ者の数だけ味わわせてやりたい…!

でも、憎しみに心を染めてはならないし
手段がなかったことに感謝してね


九十九・静梨
アドリブ連携歓迎

く、かなり痛手を喰らいましたがなんとか這い出て来ました……
あともう少し、一気に追い込みますわよ!

しかしさっき武器を先程の敵の一部のように変化できた物…
無意識にやりましたが、もしも意識的にできたなら……ぶっつけ本番で出たとこでやってみますわよ!

【能力値アップ】【先行率アップ】【命中アップ】【ダメージアップ】
【飛翔】で再び敵に接近
◆グラップルで格闘を挑みつつ
ガントレット2つにより意識的に先程【ドレイン】した猫頭の力を注ぎ…!

今ですわ
即興魔力技・魔骸融合連撃!
ガントレットを合体させ猫の頭のように変化
合わせた先からさっきの口からの火炎放射を再現し狼や敵本体に発射
続けて◆解体の連撃です!


無堂・理央
至近距離の衝撃波に対して、咄嗟に敵に刺さった馬上槍を手放し&無双馬『クロフサ』には踏ん張らせずにあえて遠くまで吹き飛ばされて少しでもダメージを減らす。
けど、真上からじゃないとはけど打ち下ろしの直撃だし、ダメージはそこまで減らせないかな?

かなり吹き飛ばされちゃったし、他の人達がやってる機動戦に参加はダメージ的に難しいかな?
なら、ここから一矢報いるだけはしておきたいね。
【復讐の刃】で武器を生み出す。
本来なら投擲に適した武器が良いんだろうけど、今回、選ぶのは槍の如き矢。
矢を和弓に番え、全力で引き絞る。
矢を放つチャンスは一度、敵も味方も全力で撃ち合う瞬間。
これが必殺になるか隙作りになるかは考えない!


●VSウェプワウェト2~復讐者~
 ウェプワウェトを中心に衝撃波が発生し、砂嵐が広がっていく。
「いっ……今の直撃、大丈夫ですの!?」
 落下した砂地からその身を這い出させた九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)は今度は目を細め、砂礫をガードする。
「だ、大丈夫……!」
 無堂・理央(人間のカースブレイド・g00846)の声は遠くの砂丘から聞こえてきた。
 理央は炸裂の瞬間、咄嗟に馬上槍を手放しクロフサに踏ん張らせないことで威力を軽減させようとしていた。
 さらに吹き飛ばされた先に砂丘があったことも功を奏し、衝撃をかなり吸収させることができた。それでもかなりの痛手だったのだろう、その声はかすれ気味だ。
「仕留めたと思ったんだけどね、まだ生きてるとは……まったくしぶとくて嬉しいよ」
 治まる砂嵐。ウェプワウェトは腹に刺さった馬上槍を抜き、足元に突き刺した。
「何格好つけてやがるんだ。自分より強い奴はいくらでもいるだろーが」
 頭上から聞こえる声にウェプワウェトは空をわずかに見やる。
 砂嵐が消えるまでディアボロスがその場に棒立ちでいるはずがない。河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)は飛翔の残留効果で空を舞い、上空からウェプワウェトを狙っていた。
「そういうのは世界を一回支配するまでとっとくんだよ三下ァ!」
 虚空に出来た穴から出てきた銃器で、高速の一撃をぶち込む。
 重い銃器とは不釣り合いに思えるほどの軽い破裂音。
 ウェプワウェトの狼耳が片方千切れ跳ぶ。
「アアアァァァオオォォンッ!!」
 返事は咆哮だった。衝撃波が空中の或人へと飛ぶ。
「ちっ……!」
 腕を十字に構え、防御の構えを取る。攻撃後にできる隙に加え、まだ使いこなせていない飛翔状態。空に逃げ場は無い、食らうことはわかっていた。
 それでも空中を選んだのは或人と別の方角、蟻地獄から助け出されて少しでも遠くへ逃げようとしているリターナー達の被害を減らすためだった。
「うちの国には八百万ほど神がいてさ、あんたみたいなのは別に言うほど特別とは思わねえ」
 撃ち落とされ、落下しながら或人はリターナー達を横目に見やる。
 マミーだったリターナーが回復し、冷桜に交じってリターナーの避難を先導していた。
「本当はな、あらゆる存在が尊いんだ」
「ええ。たとえ私の知る世界と死生観が異なっていたとしても……」
 砂漠を駆ける鈍い蹄の音に紛れ、レイア・パーガトリー(毒棘の竜騎士・g01200)は呟く。
「黒狼!」
 馬の存在に気づいたウェプワウェトは黒狼を召喚するべくエジプト十字をそちらへ向ける。
「なッ……!」
 しかし、そこにいたのは無双馬のみ。空馬だ。主を乗せていない。
「人間性の否定が介在してはならないわ……ただの操り人形なら、無機物から使い魔でも作ればいいじゃない」
 彼女もまた空の上にいた。或人が上空から無言で奇襲をせず、敢えて敵へ声をかけた理由の一つでもある。
 無双馬を囮として、或人とは違う方向から密かに接近し、ドラゴニアンの翼を畳む。
 自由落下に飛翔の重力加速度を加えた一撃。ウェプワウェトの反応が遅れる。
「感謝してね。あなたを生き埋めにする手段がなかったことに」
 彗星が落ちた。
 エジプト十字を持っていた腕が、レイアの竜骸剣に分断される。
「ガアッ!!」
 痛みを感じるよりも早く、空いた手で切り離された腕を掴みエジプト十字を発動する。黒狼の群れが砂地へめり込んだレイアへと向かう。
「おどきなさいませ!」
 だが、その黒狼達は追撃もそこそこに蜘蛛の子を散らすように退散することになる。
 それは熱かったからだ。本能的な火への恐怖。
 静梨の嵌めた一対の籠手。そこから雌獅子の吐く焔が漏れ出ている。
「九十九家家訓が1つ! 『利用できる物はなんだろうと使うべし』! 忌々しい力であろうと活用致しましてよ!」
 屠ったクロノヴェーダの力を取り込み、即座に引き出す。即興で作りだした彼女のパラドクス。
「フーッ……フーッ……!!」
 ウェプワウェトは片手を失ったまま、レイアの両手の焔へと対峙する。この窮地から如何にして逃れるか、その計算結果を脳内ではじき出しながら。
 足元に突き刺したままの理央の馬上槍。これを口で咥えて振り上げる。レイアの籠手を弾きあげて、浮いたガードにエジプト十字の黒狼を叩きこむ。
 この一手で逆転できる。自らが食らった一撃を再現することで復讐してやろうじゃないか。
 ウェプワウェトは即座に馬上槍の柄を咥えこもうとして――。
 鐘のような重い金属音が鳴る。槍のように長い矢が馬上槍を遠くへ吹き飛ばした。
 ウェプワウェトの目が驚愕に見開き、矢が飛んできた方向を見る。
 そこには砂丘に下半身をめり込ませたまま、弓を引き絞った姿の理央がいた。
「頭を狙ったんだけど、外したね……ボクもまだまだだなぁ……」
「貴様アアァーーッ!!」
「魔力技・魔骸融合連撃(デーモンアーツ・クロノフュージョン)!!」
 初めて我を忘れたウェプワウェトの叫びは、静梨の焔に焼かれてそのまま断末魔となるのだった。

「はぁ……このディビジョンの地獄がひとつ片付いて良かったぜ」
 墜落していた或人は片膝をつき、ゆっくりと立ち上がる。
 衣服や髪からこぼれ落ちる砂。軽く手で振り払って皆へ声をかける。
「さ、帰ろうぜ。次の地獄が俺達を待ってる」
 ディアボロス達の復讐は続いていく……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【活性治癒】がLV2になった!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2021年08月24日