【平安鬼妖地獄変奪還戦】菅原道真
このシナリオは【平安鬼妖地獄変奪還戦】に関連する特別シナリオです。
平安鬼妖地獄変のジェネラル級と、断片の王・安倍晴明の手引きで侵攻してきた、天魔武者の軍勢に、戦闘を仕掛けます。
この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。
このシナリオの攻撃対象は、平安鬼妖地獄変の西方を守護する為に封印されていたジェネラル級妖怪『菅原道真』と、道真と共に封印されていた大量の『丑三つ刻の怪異・幽隠の『飛頭蛮』』と戦闘を行います。
「成功したシナリオ数×5%」だけ、「菅原道真」の敵残存率を低下させます。
【平安鬼妖地獄変奪還戦】怨嗟、狂気、呪詛(作者 唐揚げ)
#平安鬼妖地獄変
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●平安鬼妖地獄変:離宮八幡宮
おお、おお……憎い。恨めしい。
この世のすべてが。生きとし生けるすべてが。何もかもが恨めしい。何もかもを穢し、呪い、冒したい。
「怨……」
何もかもを。何もかもをだ。それは怨恨の竜巻であり、怒りにとぐろ巻く大蛇のようでもあり、吹き溜まりでもあった。
「怨・怨・怨……怨・怨・怨・怨・怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨」
呪いの言葉を呻きながら飛び交う人魂……いや、生首の渦の中心。もっともどす黒い怨念があった。
名を、『菅原道真』と云う。本来はこの霊廟に神として祀られ、魂を慰められているはずの存在である。
だが当然、この改竄された歴史においては違う。
菅原道真公の名を持つクロノヴェーダは、平安鬼妖地獄変西方を守護するために封印されていた存在だった。
「怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨」
それが、目を醒ましていた。覚醒したという、ただそれだけで吐き気を催す瘴気と狂気が溢れている。
「恨めしや。おお、おお、恨めしや!」
その周囲を、無数の飛頭蛮が飛んでいる。
「殺してやる。肉を食み、目玉をほじくり、骨を啜って苦しめ殺してやる」
男もいる。女もいる。老人も若者も、すべてが怨嗟と恨みに歪んでいた。おぞましき妖怪だった。
凄まじい殺気は空間を陽炎めいて歪ませんばかりだ。これこそが、『菅原道真』が従える無数の戦力である。
クロノヴェーダは、奪い、虐げ、君臨する者だ。それが、まるで被害者とばかりに呪詛を吐き散らす。
根本的に歪み、狂っている化け物の群れだ。だからこそ奴らは、途方もなく危険な百鬼夜行だった。
●新宿駅グランドターミナル
「先輩、いよいよ『歴史の奪還戦』が始まるッス。今回は色々と、ハイパー厄介な状況ッスよ!」
七田・ナナ(エンジョイガール・g05125)は、いつになく緊張した面持ちで呼びかけた。
謎めいたディヴィジョン『天正大戦国』の軍勢。
あろうことか、己のディヴィジョンを譲り渡すという形で生存を図る断片の王、『安倍晴明』。
そして、新宿島……最終人類史への侵攻!
「これまでの『歴史の奪還戦』とは、『平安鬼妖地獄変奪還戦』は一味違う、ハイパーヤバい戦いになりそうッス。
もしもディヴィジョンの統合を許してしまったら、京都・奈良の奪還が出来ない上に、敵がハイパー強化されるッス!
それを防ぐためには、安倍晴明を確実にぶっ飛ばして、ディヴィジョンを最終人類史に確実に奪還するッス!」
ナナはぐっと拳を強く握りしめ、叫んだ。
「そして、そのためには、戦争直前に攻撃を仕掛けて敵の戦力を削って、ファーストアタックを成功させるのが重要ッス!
なにせ今回の奪還戦では、鬼や妖怪だけじゃなくて、『天正大戦国』の天魔武者とも戦うことになるッスからね……!」
意気込みつつもナナはしかし、注意深くディアボロスたちに警告した。
「けど先輩、引き際を見誤るのはいけないッスよ。なにせ相手は大戦力ッス。深追いしたら先輩がたがヤバいッス!
充分な打撃を与えたら、すぐに撤退。これは大前提ッス。あくまで本番は、このあとの奪還戦なんスからねっ!」
と、はにかんで言い含めるのだ。
「で、ウチがご案内するのは、あの『菅原道真』公と同じ名前のジェネラル級妖怪が従える軍勢ッス。
菅原道真公って、ウチでも知ってるハイパー有名な神様ッス! きっとジェネラル級本体も、ハイパー強いッスね……」
ナナはごくりと息を呑んだ。今回の相手はあくまでトループス級だが、油断は禁物だ。
なお、トループス級の名は、『丑三つ刻の怪異・幽隠の『飛頭蛮』』。老若男女さまざまの生首の大群である。
「影からいきなり飛び出してきたりするから、後ろに注意ッスよ。とにかく数が多いから、協力して戦うのが重要ッス!
相手は戦争準備中ッス。先輩がたが撤退すれば深追いはしてこないッスよ。頃合いを見て退いてほしいッス。絶対ッスよ!」
あくまでもディアボロスの身を案じるナナは、心配そうに再三忠告した。
ひとしきり説明を終えたところで、ナナは腕を組み、うーんと唸った。
「にしても安倍晴明、考えたッスね。自分が生き延びるためなら、ディヴィジョンさえも売り飛ばすなんて……。
しかもウチらの新宿島に攻め込む手段まで用意していただなんて、まさしく策士ってやつッス! ハイパー厄介ッス!」
などと敵の策に舌を巻きつつ、しかしディアボロスの勝利を心から信じている笑顔を浮かべた。
「けど、ハイパーカッケー先輩がたなら絶対勝てるッス! そのためにもこの作戦、絶対成功させるッスよ!」
パラドクストレインの乗込口の横に立ち、拳を突き出す。ややあって、戦いの始まりを告げる発車ベルが鳴り響いた。
リプレイ
エルマー・クライネルト
平安の戦いは報告書で読んだ限りだが皆が奮闘していたのは知っている
私も微力ながら力になろう
何がそんなに憎いのか…その恨みは自らディヴィジョンを売り渡そうとしている貴様等の王にでも向ければ良かろうに
それが出来ないのがクロヴェーダの下働き共なのだが
憐れとは思わん、潔く滅びるといい
味方と連携し死角をカバーするような立ち位置を意識し不意打ちを防ぐ
攻撃を繋げるようにパラドクスを撃ち込み素早く数を減らし
撤退タイミングは仲間に合わせる
『怨め、怒れ、但し矛先は正しく在れ。私がお前の討つべき敵を示そう
討つべきは此方ではない、討つべきは其方側にいる』
[呪詛]と[誘惑]の言葉で正常な思考を奪って誘導し同士討ちを狙う
本郷・夏深
私は凄く頭が良いので諸々把握しましたよ
思い切り大暴れした後ちゃんと撤退すれば良しという事ですね
それでは今日も清く正しく楽しく殺していきましょう!
自らの翼で飛翔し、広げた扇を大きく振るい
その斬撃から魔力の刃を一帯へと広く放って参ります
ええ、好きなだけ見ろ診ろ看ろ
このカフカの恵まれし姿を存分に視て、目に焼き付けてもいいのですよ!
すぐにその目を切り裂き、潰して、ついでに走馬灯も見易くしてあげましょう
良かったですね、最期にカフカの神々しい姿を拝めるという幸福に恵まれて
嬉しいでしょう?ならば素直にそう言いながら死んでいけばいいものを
自分の心に素直でないから此処で死んでいくのでしょうねえ
はは、お可哀想に!
ライカ・ネイバー
連携アドリブ大歓迎
(戦闘中はダッシュ、ジャンプ、空中戦、地形の利用で常に走り回ります)
こんちはーー!!
すぱっと辻斬りデリバリーで〜す!
着払いでいいすか?
わぁお、めっちゃ怒っとるやん……怖いんで皆殺しにしますねぇ
んじゃ早速『戦技:奪首脱兎』発動〜!
敵中を跳ね回って加速してーの
踏み切りのタイミングや方向を変えつつ射撃して【撹乱】しときまーす
あとは突進してくれるようにちょっとした隙を見せて【フェイント】をかけ誘導しましょ
上手いこと突っ込んで来たら軸をズラして剣を置いときますね
来るところがわかっておれば、飛んで火に入る飛頭蛮ってね!
勿論落とせる奴は容赦無くぶち転がしていきますぞ
お覚悟ー!
●怨嗟の嵐、切り拓き
恨み。憎しみ。理屈では消しようのない、人の心から消えることのない悪感情。
ここに渦巻く嵐のような奔流は、まさにそうした人の心の澱みをさらに煮詰めたかのような、どす黒い思念だった。
「何がそんなに憎いのやら。その恨みは、自らこのディヴィジョンを売り渡そうとしている、貴様らの王に向ければよかろうに」
エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は呆れ、常より憮然とした表情をさらに厳しくすると、ふんと鼻を鳴らした。
それさえも許されぬのがクロノヴェーダ……ことに、トループス級という最下等の存在ではある。だが、憐憫はない。
「黙れ……だァまれぇええ!!」
首のひとつ、落ち武者めいたみだれ髪の男が、かっ、と目を見開いてエルマーに吠え返した。
乱杭歯を剥き出しに、エルマーへと襲いかかる。一方のエルマーは棒立ちだ。避けようとすらしない!
否、である。彼は、避ける必要がなかったのだ。
「こんちはー!! すぱっと辻斬りデリバリーで~す!!」
「げええっ!?」
横合いから飛び込んだライカ・ネイバー(エクストリームお手伝い・g06433)の跳躍斬撃が、大きく開かれた顎を上下に両断したのである。
ライカはくるくると回転して隙を殺しながら、エルマーの斜め前あたりにざりざりと滑り着地。生首を斬り捨てた血が円弧を描いて飛び散り、地面に赤い線を刻んだ。
「着払いでいいすか? って、斬っちゃったら応答のしようもないですよねぇ~」
「こ、小娘……恨めしい、恨めしいぞぉおおお!!」
仲間を殺された飛頭蛮どもが、怒りを燃やす。ライカは「わぁお」と声を漏らし、その憤怒に気圧された……というよりは、あまりに暑苦しくてヒいていた。
「怖いですねぇ、怖いんで皆殺しにしないとぉ……」
「怯えている輩の台詞とは思えんがな。しかし、その機敏さは頼りになる。死角はこちらがカバーしよう」
エルマーは無表情のまま言うと、頷いて前へと跳躍したライカの死角を自らカバーする立ち位置へと走りこみ、敵の不意打ちを相互に防ぐ。
遅れてオラトリオ『フルーフ』が滑るように低空飛翔。多角攻撃を防がれた飛頭蛮は、がちがちと憎々しげに歯を鳴らし、ふたりを包囲して圧殺しようと陣を拡げた。
密集した敵が広がったということは、それだけ隙間も生まれるということ。
ライカの機動力でわずかに生まれた間隙を、見計らったかのように本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)がこじ開ける!
「さっそく始まっていますねぇ、カフカのこともお忘れではいけませんよ!」
自らの翼を大きく拡げ、フルーフと競うように飛翔する夏深。さらに、両手には自慢の扇を構え、さながら二対四翼の戦天使めいた優雅なフォルムだ。
しかし、そこから繰り出される魔力の刃の斬撃は、見惚れる暇さえ許さず降り注ぐ。思うがままに飛翔するさまを天使とするなら、魔力の斬撃はさながら舞い散る羽根か。
「ぎぃいいっ!? は、疾い……!」
「ええ、ええ! どうぞ驚いてください。好きなだけ見ろ、診ろ、看ろ! このカフカの恵まれし姿を、存分に視て、目に焼き付けるといいでしょう!」
夏深は空中舞踏を踊り、ばさばさと翼と扇をはためかせる。ひとつひとつの動作が回避と攻撃を兼ねていて、飛頭蛮の反撃を躱しながら同時にその目を切り裂いているのだ。
否応なく、戦場の注目は夏深に集中する。すると夏深の自尊心は大きく満たされて、さらに技が冴える。あまりおつむの出来も高さもよろしくないこの少年だが、今日ばかりはそれがうまく作用しているらしかった。
「皆、発奮しているな。平安の戦いは伝え聞く限りだったが、これまでの奮闘は心得ている。やはり、滾るものがあるか」
「ふふふ、特にそういうわけではありませんが、私はすごく頭がいいのでやるべきことをきちんと把握しているだけですよ!」
エルマーは首を傾げた。夏深はふわりと空中でターンしながら、ふふんと得意げに笑う。
「思い切り大暴れしたあと、ちゃんと撤退すればいいんですよね。問題ありません! 今日も清く正しく、楽しく殺していきましょう!」
「…………そうか。まあ、間違っていないな」
エルマーは、色々なものを放棄した。ツッコミとか、思考とか、そういう些末なことである。
事実、夏深の立ち回りは効果的に敵の足並みを乱していたのだから、野暮でそれを崩すのも無益だと冷静に考えたらしい。
とにもかくにも、このじゃじゃ馬が大きく敵のペースを混乱させた。
すると変則的なライカの跳梁跋扈が、さらに厄介なものになる。シナジーが発動していたのだ。
「ほーら、こっちですよぉ!」
「ぐるぉおおお!!」
よだれを撒き散らして飛びかかる巨漢の生首を、ライカは舳をズラした剣でぞぶりと両断した。
「来るところがわかっておれば、飛んで火に入る飛頭蛮、ってね! フェイントにかかってくれるなんて、楽でいいですねぇ」
「おや、あちらの生首は残念ですね。このカフカの神々しい姿を拝む前に死んでしまうなんて」
夏深は、心の底からライカの斬り捨てた飛頭蛮を哀れんだ。周りでは、魔力刃に斬り裂かれた飛頭蛮が、瘴気の塊と化して霧散する。
「皆さんは幸福ですね! 嬉しいでしょう? 素直にそう言っていいんですよ、まあ殺しますが!」
「ひゃー、味方ながらおっかない。別にあっちがかわいそうとは思いませんけどねぇ」
ライカが更に殺す。ふたりが縦横無尽に動けるのも、エルマーの的確なサポートがあらばこそ。
「おのれ、おのれ、ディアボロスども! おのれぇえ!」
「違う。お前が恨むべきは、我々ではない」
濁った飛頭蛮の視界が、ぐらりと揺れた。エルマーの人形から放たれた呪詛の光によるものだ。
「怨め、怒れ、但し矛先は正しく在れ。私が、お前の討つべき敵を示そう。討つべきは此方ではない――」
エルマーの声が、飛頭蛮の頭に響く。濁った視界が捉えたのは……味方であるはずの飛頭蛮だ。
「「討つべきは、其方側にいる」」
飛頭蛮は、鏡像に吠える駄犬めいてお互いに飛びかかり、屍肉を喰らい殺し合う。まるでエルマーの掌で踊るネズミのように。
阿鼻叫喚、散々たる地獄のごとき有様。彼の無表情は憎悪にも怨嗟にも濁ることはなく、朽ち果てる敵の屍を一瞥して、戦端を切り開く俊英ふたりを追いすがって前へと消えていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
菅原・小梅
◆行動
やはり道真公…曾々お爺様と同じ名を騙る者が居るのですね。
紛い物とは言え、尽きぬ妄執に駈られているのならば菅原の一門たる私がその怨念を晴らしてみせましょう。
故に木っ端の妖怪風情が邪魔をするならば有象無象の区別なく愛刀『月下残滓』にて斬り薙ぎ払うのみ。
刀に宿る炎熱の力と氷雪の力を解放し、剣劇の音色を以て
【天神刀法『飛雪千里』】の極意を披露しましょう。
時には剣気とも呼ばれる殺気を放って牽制し、敵の動きに先んじるのです。
道真公よ、神算鬼謀にして琴心剣胆たる菅原の小梅が武威をご覧あれ。
瘴気や狂気などに囚われたままでは…幾ら雑兵を並べようとも我が道を阻む事は叶いませんよ?
※アドリブ&連携歓迎
奴崎・娑婆蔵
菅原道真、菅原の――
おう、やはり前線に来ておりやしたか菅原のお嬢よ
でけえ剣まで持ち出して、俄然やる気じゃァありやせんか、ええ?
【呪詛】の繰り方にゃァちと心得もござんす
輩の相手、助太刀致しやすぜ
●対・影喰ひ
あっしの影を喰らいに来るだァ?
カハハ、そいつァ楽でよござんす
あっしの影は殺しの刃、呪いの武器よ
思う存分食みなせえ
殺人領域――早贄山麓刀輪処
・己の魂の象徴としての影を囮に、武器たる『影業』をこそ敵に喰わせてくれよう
・魂をいかれるギリまで引き付け、渾身のパラドクスを敵の口内で氾濫させる手際(勇気+罠使い)
・生首の顎の中で泥じみた影を波濤の如く出でさせると共、重ねて刃の形の群れを生えさせまくる
ロザーリヤ・ユスポヴァ
アドリブ連携歓迎
学問の神となる男に仕える者とは思えん、野卑極まる生首どもだな?
ふん……怨みの赴くままに来るがいいさ
そのままぼくが蒐集する首級へと変えてやる
仲間たちが戦う最中、【殺気】を消して敵へと近づき
出来るだけ背後を取るようにしながら≪魔性契約『精髄払底』≫で攻撃する
その体では、振り向く時には全身を使わねばなるまい。後ろを守りきれるかね?
攻撃が決まれば、指先から【吸血】するように生命力を奪ってやろう
あわよくば、敵が命を失い崩れ落ちるまでな
反撃には【闇使い】で自らの影を動かし、狙いを定めさせん
それでも当ててくるようなら、【記憶術】で自我を消されぬよう抗う
ある程度戦力を削った後は、無理せず撤収だ
●狂気の炎、喰らいつくし
鬼の眼は穢れ歪んだ裁定の剣であり、腐臭放つ牙は肉を啖(すす)り骨を喰む餓鬼のそれである。
牙は陰より来たる。一方的かつ理不尽な怒りと怨恨を拠り所とした攻撃は、ゆえに容赦がない。つまりは、クロノヴェーダの身勝手で残酷な理屈の体現。ただ一方的に奪い、支配する、奴らに相応しい唾棄すべき悪と狂気そのものだった。
血走った眼のことごとくが睨むのは、身の丈五尺にも満たない小柄な少女である。水干姿に珠のような赤い瞳。戦場に立つことが極めて稀な本の虫。菅原・小梅(紅姫・g00596)だ。
「木っ端の妖怪風情が、私の邪魔をしますか。こちらが用があるのは、"紛い物"のほうなのですが……」
小梅が探し求めるのは、どうやら奴らの首魁、すなわち『菅原道真』のほうであるらしい。まさしく、歯牙にもかけぬ有象無象、あるいは視界を邪魔する障害物とでもいいたげな表情だ。
すらりと抜き放った白銀の大太刀『月下残滓』が、ぎらりと鈍い光を放つ。湾刃に映るのは、浅ましき悪鬼どもの凶相。その向こう、しかと見据えた赤玉の瞳はなお凛としていた。
「いいでしょう。そちらが雑兵を並べようというのならば、我が愛刀にて有象無象の尽くを斬り薙ぎ払い、剣劇の音色を響かすまで」
しゃりん、と刃が鳴った。がちがちと響く牙の音は、敵対の意思表示か、あるいは、怯え竦む餓鬼どもの合わぬ歯の根か。
しかして張り詰めた緊張は、爆ぜる寸前に踏み込んだ草履の音に、いささか虚を突かれた。ざしゃり、ざしゃり。
「「おう、やはり前線に来ておりやしたか、菅原のお嬢よ」
呵々と軽薄な笑声を漏らし、まるで朝の散歩じみた足取りの奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)がその名を呼ぶ。ちらりと、赤玉の瞳が視線だけで彼を認めた。
「でけえ剣まで持ち出して、俄然やる気じゃァありやせんか、ええ?」
「理由は、あえて言うまでもないでしょう? 菅原の一門たる私が、あれなる怨念を晴らさずしてどうするという話です」
「意気軒昂、よござんす。けどもだ。あっしも呪詛の繰り方にゃァ、ちと心得があるもんで」
娑婆蔵は仁義を切るように肩幅に両足を広げ、深く腰を落とした。……居合の構えである。
「輩の相手ってンなら、助太刀いたしやしょう。どっちが上手く影を扱えるってなモンか、味わわせてやりてェんでさ」
「……影、ですか。なるほど」
小梅は何かを得心したようで、わずかに笑みらしき表情浮かべて頷いた。
強ばる飛頭蛮の群れ。対してふたりは弛緩しリラックスした面持ち。一方で、両勢の間の空気は張り詰め、張り詰め……ついに、爆ぜた。
きりきりと強く強く引かれた弓弦が解き放たれたかのように、戦端は出し抜けに始まり、そして怒涛の如く雪崩込んだ。
逆説連鎖戦は、尋常の物理法則に縛られぬ超常の戦いだ。先手と後手が等価になりうる歪曲された時空において、どちらが先んじたかを論じるのは、非実在の存在を仮定し定義することに等しい。その趨勢は、修羅場に身を置く当事者たちのみが正しく認識し、そして掌握しうる高次元の戦なのだ。
娑婆蔵は、肉斬骨断とばかりにカウンターの構えを取った。"それ自体が先手の攻撃"であり、一方で天神刀法の秘剣極意を以て『圏』を生んだ小梅は、同時ながら敵に先んじていた。
その殺気は狂気の真芯、恐れ怯える妖怪どもの脆弱を見据えて射抜いており、一方で娑婆蔵は魂ごと影を啖られている。それが逆説連鎖戦。パラドクスとはまさに言い得て妙である。
かのごとく、パラドクス戦闘は一切の尋常の道理が通用しない……かに、見える。しかしそれは厳密には誤りだ。
不意打ち、詭道。そうした尋常戦術も、パラドクスを操るディアボロスにかかれば、尋常の道理が通用しないはずの逆説連鎖戦において一定の意味を持つ。
何を意味するか。つまりはここにはもうひとり、影に潜みて好機を伺う戦士がいたということ!
「まったく野卑極まる生首どもだ。学問の神となる男に仕える者とは思えん」
「……げ、げぇえええっ!?」
飢えと渇きに突き動かされ、急先鋒を切った若武者の生首が、眼を飛び出さんばかりに見開いて背後を振り仰ぎ、そして驚愕した。
異形の腕が、百舌鳥の早贄じみて生首を串刺しにしていたのである。鉤爪の持ち主の名は、ロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)!
「どうした? その怨みの赴くままに、ぼくを食らってみせるがいい。出来るものならな」
ロザーリヤは会心の笑みを浮かべた。小梅と娑婆蔵の殺気は、雨が生み出す霧の如く彼女の姿を覆い隠し、敵の注意から見事に隠しおおせていたのである。
「そのままぼくの蒐集する首級へと変えてやる……と言いたいところだが」
そして、挟撃は成った。この一打が敵の足並みを総崩れにさせる嚆矢となり、娑婆蔵の後の先と小梅の先の先が同時に迸る。
「さて、蒐集する首は残るかな?」
ロザーリヤがいたずらに微笑み、剣士たちを見た。すなわち、狂気喰らい尽くす応報の双剣を!
「あっしの影は殺しの刃、呪いの武器よ。思う存分食みなせえ」
口訣とともに波濤の如く出でるは、泥じみた影の奔流。
「殺人領域――『早贄山麓刀輪処』」
八ツ裂き娑婆蔵、殺人技芸。亡者の望郷せし地獄の再現じみて、剣山は林の如く密になりて内側より餓鬼どもを串刺し、穿つ!
「さあ、神算鬼謀にして琴心剣胆たる菅原の小梅が武威をご覧あれ。有象無象が、わが道を阻むことは叶わないと知るがいい!」
そして尽くを、秘剣の極意が薙ぎ払う。それは凍てつく氷刃であり、あるいは骨まで融かし尽くす灼熱の焔刃であり、すべてを無に帰す雪月の花。咲き誇るは無惨の屍という惨状である。
三位一体。趨勢は一瞬にして傾き、敵もまた微塵と化すのに刹那さえも要しはしなかった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
宮生・寧琥
ディヴィジョンって売れるの!?
えぇ~…いくらぐらいなんだろぉ…新円使えるぅ?
ねーこは、すがわらの道じゃね?って知らない道だケドさー
めっちゃこわぃことゆぅじゃん~…
こわぃことは、ねーこがこわぃから止めてほしぃ~
でもでも、新宿のために、がんばり、ます…っ
うぎゃぉー、敵も顔こわぁ~!!
もっと優しぃ顔をしてほしぃ~…ねーこのために…
おつらいケド、【イグジストハッキング】で敵の「隠の眼」の裁定を書き換えるよぉ
ねーことか復讐者のみんなに甘く…はちみつぐらい甘く…
ねーこたち、悪い人たちじゃないょぷるぷる
他のみんながこれで戦いやすくなる、かな?
ある程度戦ったら、頃合いを見て撤退!
絡み・連携等々歓迎!おまかせ!
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
満員御礼。さしずめ前夜祭てところかな
試験運用にはうってつけの舞台だねっ
くるり、くるり。楽しげに踊ると何処からともなく妖精が現れて
同時、2機のドローンに吊られ“魔槍”が運ばれてきます
投下された槍を掴み、妖精にウインク
それじゃ、いこっか?
Moon-Childを両脚に這わせ活性化
妖精が僕に粉を掛ければ合図めいて“魔槍”の穂が危険な輝きを帯び
瞬間、弾かれたように猛然と【ダッシュ】!
妖精の悪戯を先触れに、とつげきー!田楽刺しに膾切りっ
時には【エアライド】で空を翔けくるくる敵陣を撹拌だ
反撃には残像伴うステップで回避っ
妖精に引っ張られコミカルに避ける事も
退場まで気障に陽気に振る舞うね
竜城・陸
戦地の仲間とは連携し、突出・孤立を避ける他
互いの死角をカバーしあい、奇襲を受けぬよう留意
【飛翔】の効果も用い戦場全体を広く視野に捉え
相手の動きに変化あればすぐに注意喚起できるよう備えよう
光より創出する武具を以て攻手と為すよ
遠間ならば投擲で、近づかれたならば接近戦で応じよう
空中戦も武具の扱いにも心得がある――後れはとらないよ
そうはいえど驚異的な数だろう
最大限の成果を出すための尽力は忘れぬとしても
常に戦場全体の様子を把握しながら、撤退の機は見誤らぬよう
撤退時は取り残される者のないよう
皆で連携するとしよう
……それにしても
怨霊――災厄でもあり、今は神として成立する者、か
……どうにも他人事の気がしないね
●呪詛の渦、今はまだ尽きねど
怨、怨、怨……次から次へと有象無象が来る。無限じみて、あるいは本当に尽きることなく。大群とはまさにこれ。
「わあ、満員御礼だね。さしずめ前夜祭てところかな? これは本番が楽しみ!」
などと、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)はお気楽に言う。大群を前にした緊張感は欠片もなし。
「だが、あくまで前哨戦であるのを忘れてはいけないね。ここで身を崩しては元も子もない、そろそろ撤退を視野に入れよう」
そんな彼に、竜城・陸(蒼海番長・g01002)は年長者らしく諭すような言葉を投げた。が、彼もまた緊張している様子はなく、口元にはアルカイックな笑みが浮かぶ。弛緩し、されど油断してはいない、一流の戦闘者の姿だ。
「ところでさぁ~……ディヴィジョンって、売れるの? いくらぐらいなんだろぉ、新円使えるのかなぁ?」
もうひとり、緊張感がまったくないのがいた。宮生・寧琥(チェネレントラ・g02105)である。そもそも思考が戦闘以外のところに飛んでいる。
「……俺たちが取引できるようなものじゃないからね。買えたとして、買うつもりなの?」
「う~ん、ねーこそんなにお金持ってないからなぁ~」
「金額の問題じゃない気がするんだけど……まあ、いっか」
陸は呆れて苦笑し、ロキシアはくすくすと忍び笑いを漏らす。そんな彼の隣、くるり、くるりと楽しげに踊る妖精がどこからともなく現れた。ロキシアは上から落ちてきた"魔槍"を掴み取ると、妖精に、そして仲間たちにウィンクしてみせる。
「ともあれ、それじゃいこっか? 試験運用(おためし)の始まりだよ!」
「うん、がんばるよぉ~。すがわらの道じゃね? って、知らない道だケドさ~」
「道真、だからね。……大丈夫かな、これ」
まったくちぐはぐなふたりに、肩をすくめる陸だった。
とはいえ、こと戦いとなれば、3人の働きは他のディアボロスらにまったく劣らない、ともすれば勝らんばかりの大進撃を見せた。
まず弾かれたようにロケットスタートを決めたのは、妖精の粉をかけられた"魔槍"を携えたロキシアである。
「とっつげきー!」
危険な輝きを帯びた槍の穂が、空気を切り裂いて日登板を串刺しにする。あるいは膾斬り。応じる反撃は、すべて空中を蹴る軽やかな機動で躱され、がちんとむなしく空を噛んだ横っ面に、陸の投じた光の槍が突き刺さり爆ぜるといった具合だ。
「お互いに死角を生まないように立ち回ろう。取り残されないように注意して」
「わおー、頼りになるぅ~! それにしても敵も顔こわぁ~!! どうせならねーこのために、もっと優しい顔をしてほしぃ~……」
などと寧琥は本気なのか軽口なのかわからないことを言いながら、イグジストハッキングで飛頭蛮の存在情報そのものにアクセスし、有害なるその「眼」自体を書き換え、蜂蜜のごとく甘やかで無害なものに書き換えてしまう。
存在を歪められた飛頭蛮の群れの怨嗟が、ロキシアと陸を害することはない。
「ナイスナイスぅ! さあさあ、それじゃあ最後まで過激なイタズラ、いってみ、ようっ!」
妖精に引っ張られるように空中で身をかわしながら、あくまでコミカルに、喜劇の道化師じみて振る舞うロキシア。周りに飛び散る血飛沫はアンバランスで、それが余計に彼の恐ろしさを引き立てている。
が、降り注ぐ光の矢の熱がことごとくを消し去り、あるいは凍りつかせ、それゆえに3人を汚すことは一切ない。
飛頭蛮は次々に現れ、現れては射殺され、あるいは貫かれ、平らげられていく。終わりのない戦い。これが前哨戦だというのか。寧琥は仲間たちを支援しながら、この先の戦争に思いをはせた。
「ねーこ、こわいけどぉ……新宿のためなら、頑張るよぉ」
その言葉通り、彼女らは最後まで奮戦し、無事なまま撤退を成功させる。
その一撃は、たしかな嚆矢となったのだ!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!