リプレイ
有栖川宮・永遠
母親のように思っている雅さんの大事な生まれ故郷。今までの恩を返す為にもこの奪還戦、絶対勝ちたいですね。
敵は精強なる僧兵軍団。決して油断は出来ません。【観察】で敵の動きを観察、敵の繰り出す妖気の炎は【高速詠唱】で目の前に【結界術】の盾を作り出す事でダメージを軽減。
敵が炎ならこっちは氷です。【全力魔法】で【吹き飛ばし】付きのアイスエイジブリザードを【連続魔法】で何度も叩きつけ、敵の群れの撹乱を狙います。
余裕があれば【光使い】付きの【誘導弾】で目眩しを狙います。
接近されたら、【残像】で回避。
目的は敵戦力の減少ですからね。ある程度戦力が減ったら無理せず撤退を。
加賀・硯
この平安鬼妖地獄変出身として、今の状況には思うところがあります
断片の王である安倍晴明がこのような暴挙に出たのは私達ディアボロスに追い詰められた故なのでしょうが、それでも平安鬼妖地獄変を売り渡させる訳にはいきません!
【飛翔】して防壁も橋も無視して、上空から僧兵鬼を攻撃します!
銅鏡の陰陽太極鏡を翳して、銅鏡に反射した光が浄化の刃となって僧兵鬼達に降り注ぎます
そちらの邪悪な真言の炎と、私の浄化の光刃、どちらが勝るか勝負と往きましょう!
僧兵鬼だけでなく余裕があれば防壁も破壊しておきます、今破壊しても戦争までに修復されるでしょうが敵の手間を増やして妨害とするのは重要です
後は引き際を誤らないようにします
シューニャ・シフル
アドリブ連携歓迎
通れないなら、通れるようにするだけの話だろ?
道を空けてもらうぜ。
両手に銃を構えて敵の群れに突撃する。フェイントを駆使して走り回りながら、銃弾をばら蒔く。
薙刀の突きは未来予測で致命傷を避けながら、左腕で逸らして忍耐力で耐えしのぐ。
ある程度数を削ったら大人しく撤退する。
じゃあな。本番はこの程度終わらせないで、最後までやりあおうぜ。
*敵を貶すような発言はしません。
●
――その宇治川の橋に砦の如く立つ僧兵鬼達を見つめながら。
「此処が、私が母親の様に思っている雅さんの大事な生まれ故郷なんですよね」
と、何処か感慨深げに僧兵鬼達の姿を見つめた、有栖川宮・永遠(玲瓏のエテルネル・g00976)の呟きに。
「成程。永遠殿の大切な方も、私と同じ、この平安鬼妖地獄変出身者なのですね」
しみじみとした口調で加賀・硯(男装の麗人陰陽師・g01636)が永遠に返すのに、そうです、と永遠が力強く首肯を1つ。
「成程な。そりゃ全力でこの戦を終わらせてえと思うのが、当然だよな」
硯と永遠の戦い前の軽いやり取りを耳にしながら、獰猛な笑みと共に、最もだ、と言う様に首肯したのはシューニャ・シフル(廃棄個体 No00・g07807)。
シューニャの頷きに、ええ、と軽く応えた硯が鏡背が太極図となった紐付き銅鏡を握りしめて、静かに僧兵達を見つめ。
(「……断片の王である安倍晴明が此の様な暴挙に出たのは、それだけ私達ディアボロスに追い詰められた故でしょうが……」)
「……だからといって、平安鬼妖地獄変を売り渡せるわけになどいきません! 行きましょう!」
その言葉と共に、空を舞うのに頷いて。
「はい。絶対に勝ちましょう、硯さん、シューニャさん」
玲瓏の杖を前に構えた永遠が、歌う様に魔術を永遠が紡ぎ。
「ははっ! じゃあ、先ずは、前哨戦を楽しませて貰うとしようじゃねぇか! 道を、あけて貰うぜ!」
戦闘の愉悦に満ちたシューニャが高笑いを上げながらM92FS-Cを両手に構え、仕込みブーツで大地を蹴った。
●
銅鏡の陰陽太極鏡を掲げる様にすると、ほぼ同時に。
――ふわり。
狩衣の裾を靡かせる様にして、硯が空を舞う。
戦争の準備の為に防壁を築き上げる僧兵鬼が空を覆う硯の影に気がつき、邪悪なる真言と共に、その場で印を結び上げ。
『オオオオオオ!』
雄叫びと共に妖気の焔を解き放ち、上空の硯と永遠に妖気を纏ったブレスを叩き込む。
「……っ。敵は精強なる僧兵軍団。決して油断は出来ませんね」
熱気に当てられた様な炎に向けて、自らの生家の紋の入った陰陽符を前面に掲げ、氷風の盾を作りながらの永遠の呟き。
同時に、右手に掲げた玲瓏の杖を突き出すと。
玲瓏の杖の先端から解き放たれた猛吹雪が妖艶なる炎を操る僧兵鬼達を凍てつかせていく。
――と、此処で。
「隙ありだぜ! オラオラオラオラオラオラ!」
シューニャが獰猛な笑みを浮かべて吹雪と炎荒れ狂う戦場に吶喊し、出鱈目な経路を走りながら双銃の引金を引く。
――パン! パパン!
弾ける様な銃声と共に飛び出した銃弾が凍てつく僧兵鬼達を射貫き、更に上空から降り注ぐ浄化の刃が彼等を細切れに。
突然のシューニャ達ディアボロスの攻撃に、1体目の僧兵鬼が崩れ落ちるが、その隊列を乱すことも無く……。
『……喝っ!』
僧兵鬼達の一部がシューニャに肉薄し、薙刀を突き出した。
裂帛の気合いと共に放たれたその攻撃を予め読んだシューニャが、その場で咄嗟にバク転するが。
それは紙一重のところで薙刀の鮮烈な一撃が暴風と化して、シューニャの其の背を斬り裂いていた。
「やるじゃねぇか! やっぱりこうでなくちゃあな!」
――シューニャにとって、全ての命は、等しく、重い。
だからこそ戦い奪い合うことに価値があるのだと嘯く彼女の獰猛さを現すかの様に、黄金腕「ゼフィラム」が眩く輝く。
「シューニャさんが敵の攻撃を引き付けてくれるのであれば、私に出来る事は、これですね」
永遠がそう小さく呟き。
続けざまに全てを凍てつかせる吹雪を吹き荒れさせ、僧兵鬼達の群を幾重にも白く塗り潰すと。
吹雪の中にちらつく硯が空から降り注がせた乱反射した光が、続けざまに僧兵達の瞳を焼き、その身を斬り刻まんと唸りを上げた。
唸りを上げる乱反射した光に一瞬気を取られながらも、容赦なく妖の炎を解き放ち、上空の硯を焼き払う僧兵鬼。
「そらそらぁ、まだまだ行けるぜ!」
その懐に飛び込む様にシューニャが体を低くして大地を蹴って懐に肉薄し、右のM92FS-Cの銃口を僧兵鬼の脇腹に当て。
――パーン!
引金を引いて零距離で僧兵鬼を撃ち抜き、その僧兵鬼をグラリと大地に傾がせた。
(「だが……流石に簡単にはやらせてくれないって訳だ
……!」)
その左肩に仕留めた僧兵鬼の薙刀が食い込み、M92FS-Cの銃口がぶれ、その射線を狂わせられたのに、思わず鱶の笑みを深めるシューニャ。
左手から撃ち出されたM92FS-Cの銃弾は、シューニャの傍の防壁で跳弾する。
その跳弾が……連続して吹雪を撒き散らす永遠への反撃の炎を蛇の様に操り、永遠を焼き付くさんとした僧兵鬼の米神を撃ち抜いた。
「ありがとうございます、シューニャさん。無理は禁物ですが、此ならもう少し粘れそうですね」
上空から浄化の刃を解き放ち、僧兵鬼を斬り刻む硯と、シューニャの戦況を後方で監視しながらの永遠の言葉に。
「ええ、そうですね。さて……あなた達の邪悪な真言の炎と、私の浄化の光刃、どちらが勝るのでしょうね!」
頷き、自らの意志を鼓舞する様に叫ぶ硯。
その硯の叫びに応える様に陰陽太極鏡の輝きがより一層際立っていく。
際だったその光が、僧兵鬼達を多い包み込む様に眩く輝いて、永遠の吹雪に隠れる様に溶け込んでいたシューニャの銃弾に乱反射。
より一層強化された浄化の刃に反撃する様に解き放たれた妖の炎に巻かれながら、硯が微笑する。
その狩衣の端は妖の炎に焼かれ、腕が水膨れを起こしていた。
「……っ!」
そして、そのダメージは意外にも大きかった様だ。
体を駆け巡る焼ける様な痛みに一瞬硯が顔を顰め、結界符を張っていた永遠もこれ以上の継戦は危険と判断する。
既にそれなりの数の僧兵鬼達が凍てつき、撃ち抜かれ、そして大きな斬痕と共に地に伏している姿を晒していた。
「先鋒としては、これ位戦力を低下させていれば十分でしょう」
そう呟き。
その手の己が生家の紋章の刻まれた陰陽符を投擲し、中央に閃光の如く眩い結界を張り巡らしながら。
「シューニャさん、硯さん、後退しましょう」
そう咄嗟に告げて、叫びと共に、目眩ましの吹雪を解き放つ永遠のそれに。
「分かったぜ! じゃぁな! 本番はこの程度で終わらせないで、最後までやりあおうぜ!」
そう捨て台詞を残し、永遠の張り巡らした結界に、自らの黄金腕を翳して目眩ましの光を増幅させたシューニャがその場を離脱。
その離脱の為のシューニャの連射に応じる様に、吹雪と光の中で薙刀をシューニャに向けて投擲する僧兵鬼達を見て。
「……良し。此の一瞬の余裕を生かさない手はありませんね」
そう呟いた硯が渾身の力を込めて浄化の刃を周囲の防壁に向けて叩き込んだ。
防壁の一部が斬り刻まれ、破壊された其の痕を潜り抜ける様にしながら、硯もまた、吹雪に紛れて戦場を離脱した。
「……今破壊しても、戦争までには修復されるでしょうが、それでも。敵の手間を増やして妨害するのは重要ですからね」
そう言の葉を漏らしながら。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
ミシェル・ロメ
※アドリブ、連携歓迎
この地は、京都や奈良は、元々人類からクロノヴェーダに奪われたもの
家族を、故郷を、思い出を奪われた人々の嘆きを僕は見捨てない
お前たちの都合で勝手に売り渡しなどさせるものか
必ず……正しい歴史を、元の世界を取り戻すんだ
邪悪なる真言に対抗するのは聖なる歌声
心を浄化する祈りを込めた聖歌を紡ぎ、仲間と自分自身を鼓舞
敵の攻撃は天使の翼で上空に【飛翔】し回避
聖なる光の輪を解き放つ
降り注ぐ神罰の光輝は、妖気の炎を相殺しながら敵を貫く
(光使い+貫通撃)
頃合いを見て無理せず撤退
逃走困難な仲間がいれば援護
今はまだ小さくても、今日僕たちが刻んだ傷痕は
明日への道を切り開く一歩になる
佐島・真己
すべては、俺にとっては未来を掴むための戦いだ
過去を取り戻さなければ未来はないからな
いや、もし取り戻す必要がないならそのままでもよかったのかもしれないけど
現実はそうじゃない
なら取り戻すだけだ
それを人が何というかなんてどうでもいいことだ
敵の真ん前に位置して仲間を守りながらナイフに火を纏わせつつ戦う
忍耐強く敵の攻撃を受け、いなし、隙を窺う
敵の動きを観察しながら戦い、癖を見切ろうとする
動きの癖がわかったら機を見て攻撃に転じる
仲間が攻撃する隙を作るためのフェイント
大きな攻撃を当てるための撒き餌のような攻撃
そして相手を倒すための攻撃
一気に距離を詰め心臓を突き刺す
「俺はこの先に行かなきゃいけないんだ」
ミレイ・ドリムータ
敵も色々考えて動いてるようね。
けどディヴィジョンの統合なんて絶対させるもんか。お前達の悪巧みなんてアタシらディアボロスが打ち砕いてやるよ!
「かかってきなよ。お前達の方こそ川に突き落としてやるよ!」
敵の攻撃は【フェイント】や【地形の利用】をしながら躱しつつ、まずは動きを【観察】する。
敵の動きの癖やパターンを掴んだら、薙刀を突き出した後の僅かな隙を狙って【ストリートストライク】を叩き込むよ。
「退きなよデカブツ!」
橋姫の姿の確認を狙ってる味方がいれば、動きやすいようにフォローする。
絡み、アドリブ歓迎
音羽・華楠
……やっと、やっとこの時が来た!
平安鬼妖地獄変を最終人類史へ奪還する時が……!!
この改竄世界史を奪い返せれば、きっと、きっと父さんも母さんも……兄さんも帰ってくる……。
……だから、もう少しだけ、待ってて……。
敵は僧兵鬼……そういえば、ヤマタノオロチの護衛にも就いてましたね。
あの時と同様、《攻性式神結界》で打ち倒してやります!
陰陽師として、新宿島に流れ着く以前から研き続けてきたこの技……。
平安鬼妖地獄変の最終局面でも、きっと役に立ちます。
こういう時に頼りになるのは、これまで積み上げてきた経験ですから……。
敵の反撃は、真言と印の意味を【魔術知識】で先読みし、効果範囲を見切って回避を有利に運びます。
文月・雪人
平安の地の奪還戦、遂に来たねこの時が
安倍晴明を討ち取って、必ずやこの地を取り戻す
その為に今できる事を
仲間と連携し油断なく戦場へ
僧兵鬼、彼等と戦うのも何度めか
破魔防御結界を結び纏いつつ
素早い観察で敵軍の戦力と配置を看破し仲間と情報共有
敵戦力を確実に削る事に注力する
敵は炎使い、光源には事欠かない
密かにクダ吉を放ち
自分は刀を手に正面から突撃
わざと身を掴ませて宙へ跳んだ瞬間に合わせて【反撃アップ】
クダ吉の不意打ちで、敵の影に牙を突き立て捕縛しての『管狐影縛法・閃』
空中で動きの鈍った敵を、至近距離から刀で貫き倒す
これはまだ前哨戦、無理をする気は勿論無い
だからこそ短時間でどこまで倒せるか
やれる事を全力で!
アンゼリカ・レンブラント
やっとここまでみんなで頑張ったんだ
ロボ武者に全部持ってかれるわけにはいかないよね
もうひと踏ん張りだよ!
踏み込むタイミングを仲間と合わせ
パラドクスの格闘攻撃を叩き込むっ!
敵陣を崩し切るまでは囲まれないよう一撃離脱を心がけ、
集中攻撃を浴びないよう注意
単発の攻撃・反撃なら鍛えた体と心の勇気で
しっかり耐えてみせるから!
弱った個体を優先攻撃して数を減らす
時に叩き込むと見せてフェイントを使い仲間の攻撃の呼び水に
消耗の多い敵へ、全力の《光獅子闘拳》で粉砕だよ!
宇治の橋姫が現れたら、退路を確保した上で
自身のダメージがそんなにない場合のみ
一撃入れて即時撤退だよ
存分に闘うのは、28日に。平安の戦いに決着をつけよう
●
――撤退間際に解き放たれた硯の浄化の刃。
浄化の刃で一部防壁が穿たれたのに気がつき、僧兵鬼達の生き残りがその穴を防ぐべく、防壁の前に急行したその刹那。
「……やっと、やっとこの時が来た!」
喜色満面、と言った弾んだ声を張り上げて。
防壁を補習し直そうとした僧鬼兵達を、亀の甲羅を思わせる結界が閉じ込める様に張り巡らされる。
『!?』
「平安鬼妖地獄変を、最終人類史へ奪還する時が……!」
唐突に張り巡らされた結界に戸惑う僧兵鬼達に向けて、解き放たれる式神達。
霊柩丸を初めとするその式神達で僧兵鬼達を掻き乱した、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)の弾んだその声に。
「そうだね。やっと此処まで来たんだ! 今までの成果を全部、ロボ武者に持って行かれるわけにはいかないよね!」
同意する様な溌剌とした声と共に。
黄金獅子を思わせる金色のオーラを纏い、割れた腹筋を堂々と晒して大地を蹴った少女が獅子の如き敏捷性で肉薄し。
そして……。
「さぁ、この黄金獅子の一撃、受けてみろっ!」
叫びと共に自らの腕に纏った戦姫闘拳『Shine Fist』から放たれる黄金獅子のオーラで僧兵鬼達を正拳突きで粉砕し。
「皆! 一気に攻めるよ!」
突き出された突き出された薙刀を、割れた腹筋に黄金のオーラを纏わせ受け止めようとしたアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)のそれに。
「ああ……そうだな」
アンゼリカとその僧兵鬼の間に割り込み、ダマスカス鋼製のコンバットナイフで薙ぎの一撃を受け止めて。
「過去を取り戻さなければ、未来は無いからな」
抜く手も見せずに逆手に抜いたブルー・リーブスを首に突き立て、止めを刺した佐島・真己(暗闇の中の光・g01521)が軽く首肯する。
ブルー・リーブスの刃先から炎の残滓が、陽炎の様に揺らいで消えていくのを眺めながら。
(「すべては、俺にとっては未来を掴む為の戦いだな」)
消える炎を気にした風も無く、内心でそう思う真己に続く様に。
「此の地は、京都や奈良は、元々人類からあなた方クロノヴェーダに奪われた者です」
粛然とした何処か幼さのある声が、真己の上空から淡々とその想いを振り返るかの様に響き。
同時に全ての人々の心を照らせ、とばかりに眩く光輝く『闇夜を照らす希望の光』の輪が上空から降り注いだ。
降り注いだ光の輪に体を斬り裂かれ、それでも負けぬとばかりに吹き荒れた妖の炎にその翼を軽く焦がされながら。
「だからと言って僕は未来を見る事を諦めないし、華楠さんの様に、家族を、故郷を、思い出を奪われた人々の嘆きを見捨てる事なんて出来ないんだ!」
そうミシェル・ロメ(とわにひびくうた・g04569)が気迫を込めた叫びを上げる。
オラトリオ『リリコ』と共に、戦場を空から見下ろしながらのミシェルのそれに。
「……そうだな、ミシェル」
仲間達の死体を一瞥し、慌てて迎撃態勢を取る残存の僧兵鬼達を見つめ、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)が小さく呟く。
その腰に帯びた雪月花の濃口を切り、破魔防御結界を起動させるための印を左手で結ぶ雪人が雪の様に白い狩衣の裾を風に靡かせた。
「平安の地の奪還戦、此処で俺達の力で此処を取り戻せなければ、俺達は奪われた大切なものを永久に取り戻せなくなる。だから……俺達は安倍晴明を討ち取って、必ずや此の地を取り戻すべきなんだ」
告げた雪人の言の葉に。
「ええ、そうね、敵も色々考えているわよね、雪人」
冷たく涼しげな口調で流す様に、金髪を軽く梳いたミレイ・ドリムータ(空虚と向き合う少女・g01550)が首肯を返す。
未だ目前の僧兵鬼達の姿が途絶える様子は無い。
だが此の周辺の数部隊を撃破すれば、硯達先鋒が切り開いた道を、更に深掘りすることが出来ると言う確信はあった。
「でも、だからと言ってディヴィジョンの統合なんて絶対にやらせない! お前達の悪巧みなんてアタシらディアボロスが打ち砕く! ただ、それだけの話よね!」
そのミレイの雄叫びに。
「まあ、そう言うことになるんだろうな」
軽く首肯を返した真己が、両手に構えた二振りのナイフに、絶対に諦めない意志を具現化した炎を再度纏わせていく。
(「……もし、取り戻す必要が無いなら、そのままでも良かったのかも知れないけれど」)
――でも何時だって、現実は。
「そんなに優しくなんて出来ていない。ならば、俺達の手で取り戻すだけだ」
そう真己が決意を紡ぐのに。
はい! と華楠が朗らかな笑みと共に、大きく首を縦に振り、軽く尻尾を左右に揺らした。
「父さん、母さん……兄さん……!」
――もう少しだけ、待っていて。
両親の、何よりも思いを寄せる義兄の姿をその脳裏にちらつかせた華楠がその決意を新たにすると同時に。
「……行こう、皆。僕達の手で、必ず……正しい歴史を、元の世界を取り戻すために」
ミシェルが空中から囁き掛けたのを合図にして。
アンゼリカ達が当たるも幸い、目前の僧兵鬼達を文字通り蹴散らしながら、一気阿世に飛び込んだ。
●
「……破魔防御結界、起動。皆、後ろは任せてくれ!」
そう小さく囁く様に告げ、雪月花を抜刀した雪人。
その雪人の言葉の通り己が内に眠る、護りたいと願う焔が破魔の結界と化して、ミレイ達を護り。
「掛かってきなよ! お前達の事、1人残らず川に突き落としてやる!」
ミレイが大声を張り上げて仲間達に発破を、僧兵鬼達に挑発を叩き付けながら、ハイテクスニーカーで大地を蹴る。
そのミレイに追随する様に、スフィンクスの『デューク』が空を舞い、その目で戦況を見通していた。
「……最初の奇襲が成功した御陰で、敵は完全に浮き足立っているみたいだね」
同様に摺足で僧兵鬼に肉薄しながら、雪人が戦力と配置を確認しての呟きに、そうね、とミレイが頷き返すと。
「ならば、一気に壊滅させる! それだけだよ!」
跳ねる様な勢いでミレイと雪人から共有された情報に頷いたアンゼリカが全身に駆け巡らせるは、黄金のオーラ。
眠れる獅子が目覚めたかの如き眩い黄金色のオーラが、猛々しさと共に大気を震わせるのに、僧兵鬼が恐怖に駆られた様にしながらも。
「ハァッ!」
叫びと共にアンゼリカに向けて薙刀を突き出すが、その間にミレイがするりと前傾姿勢でその懐に飛び込んで。
「言ったでしょ。アンタ達1人残らず川に突き落としてやるってさ!」
古びたバールを撥ね上げて、その僧兵鬼の顔面を潰す。
グシャリと言う嫌な音を響かせながらも、薙刀をミレイに払う様に振るう僧兵鬼。
ミレイがすかさず上半身を後ろ倒しにする様にして薙刀を躱す様にした瞬間、お返しとばかりにアンゼリカが回し蹴りを叩き込んだ。
「食らえ!」
その黄金獅子のオーラを纏った渾身の一撃に、文字通り全身を砕かれその命を散らす僧兵鬼。
続けてその穴を埋める様に姿を現した僧兵鬼がその手で奇怪な文字を描き、妖気の炎を呼び起こす。
――けれども。
「遅いね。今回の戦いの主導権は、僕達が既に握っているよ」
告げると同時に上空からミシェルが天使の輪を解き放ち、妖気の炎を放とうとした僧兵鬼を斬り裂き。
「そこです! 嘗てヤマタノオロチの護衛に就いていたあなた達と同じ存在を撃ち倒した此の技で……!」
続けざまに華楠がミレイとアンゼリカを狙った僧兵鬼の周囲に結界を展開、呼び出した式神達にその力を奪わせた。
そんな、華楠を捕らえんと僧兵鬼達が数体掛かりで華楠を狙うが。
「いや……それはさせられないな」
先行して、僧兵鬼達と華楠達の位置の中間を陣取っていた真己が呟きと共に、決して諦めぬ炎を纏った両手のナイフで薙刀を受け止めた。
ギリリ……と鈍く軋む様な音がするが、けれども真己を斬り裂くには至らない。
そう……其の時には。
「(クダ吉……頼むよ!)」
雪人が雪の様に白い銀の刃を構えて突撃する振りをして、僧兵鬼の背後に忍ばせたクダギツネがその牙を既に突き立てていたから。
思わぬ奇襲にガッ! と苦しげな声を上げた僧兵鬼の心臓に。
「悪いな。俺は、俺達は、この先に行かなきゃ行けないんだ」
真己が炎を纏ったフォーゴトン・リーフを突き立てて、抉る様にグリグリと捻り込むと。
コンバットナイフが心臓に突き立ち、その内側から炎が湧き、僧兵鬼が悲鳴を上げる間もなく全身を焼き尽くされる。
そんな僧兵鬼する間にも、別の僧兵鬼が真己の背後に接近するが。
――ざっ。
其の時には既に雪人が青眼に雪月花を構え、透き通る様に青いその瞳で、目前の僧兵鬼を見つめていた。
「……来い」
光源には、敵の妖気の炎の御陰で困ることは無い。
しかも、雪人とミレイが分担して戦力を把握し情報を共有した結果、ディアボロス達に極めて有利な展開で戦況は進んでいる。
雪人が僧兵鬼の1体と対峙するその間に、華楠の結界と式神によってその動きを封殺されていた僧兵鬼に肉薄するアンゼリカ。
「何処かに、宇治の橋姫はいる
……?!」
囁く様に呟きながら、黄金獅子のオーラを纏った拳で全力の裏拳を叩き込み。
「分からないわね。でも、油断は禁物よ! とっとと退きなよ、デカブツ! アンタ達じゃあ、アタシ達の相手は役者不足だ!」
追随する様に走ったミレイが古びたバールを、旋風を巻き起こす様に僧兵鬼に向けて振り回した。
その古びたバールの一撃をまともに受けた僧兵鬼がドボン! と大きな水飛沫を上げて川に落ちる間にも。
上空からミシェルが天使の輪を連続で解き放ち、舞う様に飛びながら次々に敵を斬り刻んでいき……。
――気がつけば、周囲の僧兵鬼達は、ほぼ全滅していた。
残されたのは、雪人と真己と対峙していた、たった2体の僧兵鬼。
『イヤァッ!』
あまりの猛攻の恐怖に耐えきれなくなったか、力任せに雪人に迫るのに、雪人は摺足で攪乱する様に走ってエンゲージ。
無論、雪月花の銀の刃だけで敵に深手を負わせる事なんて出来ないのは、百も承知だ。
だが……だからこそ。
「真己、そっちは任せたぜ」
「ああ、分かっている」
そう雪人が軽く呟くのに真己が頷き、雪人を背後から襲わんと肉薄する僧兵鬼を見つめ。
「其処だな」
突き出された薙刀の刃を雪人の結界と自らの炎で二重の防壁を作り上げたブルー・リーブスで受け流し。
逆手に握り替えたフォーゴトン・リーフを横薙ぎに一閃する。
その攻撃が来る事が事前に分かっていたかの様に。
口元に嘲笑を浮かべ、僧兵鬼が後ろに下がりながら薙刀を続けて突き出すが。
「遅いわよ!」
その隙を伺っていたミレイが肉薄し古びたバールを突き出し、僧兵鬼の体を縫い止めて。
「此で……止め!」
黄金獅子の咆哮と共に、アンゼリカが『Shine Fist』で極限まで練り上げた黄金獅子のオーラを纏った拳で正拳突きを解き放ち其の体を穿った。
……そして、文字通り最後の1体と化した、雪人を掴んだ僧兵鬼は。
「……自分から罠に掛かるとは、迂闊だったね」
雪人の、その言の葉と共に。
ミシェルの解き放った『光の翼』に照らし出されて映った影に移動して、息を殺してそのチャンスを伺っていたクダ吉が、その影から飛び出して。
――その牙を首に突き立て、その動きが鈍った瞬間に……。
「やれる事を、全力で!」
雪月花を、その心臓に向けて突き出した。
ミシェルの天使の輪の光を燦然と受けた銀刃が、水銀の様に透き通った美しい輝きと共に刀閃を翻し、心の臓を貫く。
ゴボリ、と血を吐き力尽きた僧兵鬼から雪月花を抜くと同時に、先陣を切った硯の力を借りて、空中で狩衣を翻し。
そのまま音も無く大地に着地する雪人。
「……此の辺りの敵は、あらかた片付いたわね」
油断なく周囲を見渡していたミレイの呟き。
「うん。この辺りの敵は殲滅できた。未だ余裕はあるけれど、無理はしないと言うならば……」
そうミシェルが呟きながら上空から『リリコ』と共に、大地を見下ろした、其の時。
「……皆。あれを……!」
息を飲みながら、ミシェルが指差したその先にいたのは、きめ細かな美しき肌を持つ美女。
けれどもその口元に浮かび上がった冷笑と、何よりも頭部から生える炎の様に赤い2本の角が、彼女が何者なのかを雄弁に物語っていた。
――即ち。
「見つけた、宇治の橋姫! いざ、尋常に……勝負だよ!」
彼女が宇治の橋姫である事を悟ったアンゼリカが全身に纏った黄金獅子のオーラを歓喜に振るわせんばかりに爆発させ。
正しく獅子の様な前傾姿勢になって肉薄し。
「援護はしてあげるから! 一発かましてやるのよ、アンゼリカ!」
ミレイがそのアンゼリカに追随する様に戦場を走り。
「……ならば、俺も行こう。未来を掴む為の好機を、見逃す理由なんてないからな」
続けて真己が音も無く、宇治の橋姫の方に向かって駆けていく。
「皆、退路は俺達が確保しておく! くれぐれも無茶をするなよ! 華楠! ミシェル!」
そう叫び、再び破魔防御結界を展開する雪人の号令に合わせる様に。
「必ず皆で生きて戻る其の為にも……!」
ミシェルが頷きと共に周囲に天使の輪を降り注がせて、これ以上、僧兵鬼達が来ぬよう結界の様に其れを展開し。
「お任せ下さい。陰陽師として、新宿島に流れ着く以前から研き続けてきた此の技で……民案を必ずお守りします!」
更に華楠が周囲に攻性式神結界をミシェルの天使の輪の雨に重ねる様に展開し、これ以上僧兵鬼達に近寄られぬよう、結界を張り巡らして。
かくて掣肘を解き放たれたアンゼリカが、獅子の如き猛々しい声と共に全力の膝蹴りを、宇治の橋姫に叩き付けた。
「騒がしいと思ってきてみれば……」
そのアンゼリカの一撃を、軽々と左腕で受け止める宇治の橋姫。
ただ、アンゼリカの黄金獅子のオーラを叩き付けられたが故か、一瞬其の肌の色が丹色に染まった気がするが、その色は直ぐに元の肌色に戻っている。
「こっちも一発くれてやるわよ!」
一瞬の変化を見逃さずミレイが力任せに振り抜いた古びたバールを宇治の橋姫が受け止めた、その刹那。
その光景の変化に最初に気がついたのは、雪人だった。
「……!? 川が
……!?」
その雪人の言葉を体現するかの様に。
――轟……轟……!
戦場に流れる宇治川が、メイルシュトロームの如き怒濤の激流を作りだし。
その激流が、宇治の橋姫に一撃を加えたミレイとアンゼリカ、2人を守る様に立った真己達を飲み込む様に押し寄せた。
「此は……うわあっ!」
怒濤の激流は空まで容易く届き、宙を舞うミシェルや、『リリコ』、『デューク』
そして……退路を守っていた雪人や、華楠をも飲み込み、橋の外へと押し出していく。
「この程度の小勢で、宇治の橋を渡れると思わない事ね」
荒れ狂う宇治川の激流に飲み込まれ、流されていく雪人達に向けて、軽く鼻を鳴らす、宇治の橋姫。
激流に流されながらアンゼリカがきっと、決然たる意志と共に眦を吊り上げて、水を飲むのも気にせず叫んだ。
「存分に戦うのは28日! 其処で、決着を必ず付けよう!」
そのアンゼリカの雄叫びが。
宇治の橋姫が激流に飲まれ、流される様に撤退していくディアボロス達から叩き付けられた果たし状となった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!