【平安鬼妖地獄変奪還戦】朝堂院の憂鬱(作者 水上ケイ)
#平安鬼妖地獄変
#【平安鬼妖地獄変奪還戦】賀茂黎瞑
#平安鬼妖地獄変奪還戦
#ファーストアタック
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この朝堂院に、憂鬱な雰囲気が立ち込めるようになったのはいつ頃からか。
朝堂院は、安倍晴明が籠る『大極殿』に近く、陰陽師の長、賀茂黎瞑の居所だった。
本来ならば、戦争を間近に控えて策を練ったり、重要な場所であったのかもしれぬ。
だが今黎瞑は……いや、黎瞑だった者は幽鬼のように虚ろであった。その精神も心も失われてしまったのだ。
彼に仕えるのは丑三つ刻の怪異・『墨』色の妖かし、動物の姿をとっている妖怪だが、彼等に主に起こった事柄を推測できるはずがない。今もただおろおろと言上を続ける。
「黎瞑さまぁ、各地の妖怪達から指示を乞うという知らせが矢継ぎ早に届いているのです」
「都の四方で怪しげな勢力が動いているとの報告が相次いでおります」
「河太郎翁から、もはや助力無用。われらはわれらの出来る事をするとの伝言が……」
だが、傀儡と化した黎瞑に策などあろうはずがない。
無表情にただ、こう繰り返した。
「全て命令通りに、速やかに行うように伝えるがいい」
「そんな……黎瞑さまぁ……。」
●
「さて……。」
古宮・泉美(MOMO・g03355)は、先制攻撃のための作戦説明ですと前置きしてから、少し口ごもった。
「今回の標的は賀茂黎瞑に仕える、墨の妖怪変化です。」
平安鬼妖地獄変の断片の王である『安倍晴明』は、平安鬼妖地獄変のディヴィジョンを、隣接するディヴィジョン『天正大戦国』の断片の王『織田信長』に売り渡そうとしているようだ。
「この情報を得たのは、賀茂黎瞑の残留思念からでした。そして彼はそれを知ってしまったために安倍晴明から封印されてしまい、朝堂院にいるのは残留思念からも切り離されたその抜け殻。今回の敵はその配下、ということになります。敵ながら哀れを覚える顛末ですね。」
……個人の感想はともかく、平安鬼妖地獄変が天正大戦国のディヴィジョンに統合されてしまえば、京都や奈良の奪還を行う事ができず、更に、天正大戦国のディヴィジョンが大幅に強化されてしまうことは確かである。
今回、安倍晴明が平安鬼妖地獄変を売り渡す前に決戦を挑んでこれを撃破、平安鬼妖地獄変の最終人類史への奪還を成し遂げなければならない。また平安鬼妖地獄変奪還戦では、鬼や妖怪に加えて、天正大戦国の天魔武者の軍勢とも戦う必要がある。
「これらの軍勢に対して戦争直前に攻撃を仕掛けて戦力を削ることが出来れば、戦争の機先を制することが可能となるでしょう。特にこの朝堂院は、安倍晴明の座所大極殿に近く、敵数を減らすことには意味があると思います。」
ただ、敵は大戦力である為、引き際を間違えず、充分な打撃を与えたらすぐに撤退する事が重要になる。
「安倍晴明の思惑通りになれば、平安鬼妖地獄変は天正大戦国に統合されてしまい、奪還は遠いものとなるでしょう。その策を打ち破るためにも、この作戦で敵戦力を削っておきましょう。」
泉美はそう言うと、ぺこりと一礼してディアボロス達を見送った。
「くれぐれも気を付けて。行ってらっしゃい。」
リプレイ
斑鳩・燈子
…織田信長にこの時代を、売り渡す、なんて。時代は、ものじゃないのに
平安の奪還に、一歩でも近づけるように…頑張らなくちゃ
ミニドラゴンの耀を連れて参加
近くに植物があれば、【植物活性】で植物を成長させ敵を誘導
耀に指示を出し、曼殊沙華をできるだけ敵を多く巻き込める位置で撃たせる
自分の位置は常に確認、敵に囲まれないよう位置取りをしっかり
危なそうな味方がいた場合声かけ、間に合うならパラドクスを当てるか、牽制に撃たせ、【時間稼ぎ】を
引き際は間違えないよう、深追いはしない。…これが最後では、ないから
次。ちゃんと…取り返しに、来るから
※アドリブ、連携歓迎
●朝堂院奇襲
天禄三年、西暦972年、平城京朝堂院。
斑鳩・燈子(行先照らすランタン・g01965)とミニドラゴンの耀はこの地への先制攻撃の一翼を担い、敵の根城を目前にしていた。
(「……織田信長にこの時代を、売り渡す、なんて。時代は、ものじゃないのに。平安の奪還に、一歩でも近づけるように……頑張らなくちゃ。」)
燈子の表情にさほどの動きはない。だがその内面には戦いの前の緊張感が芽生えていた。
(「あ、花が。」)
ふと目についた草花に恵みを与える。これは戦略としてはさほど……だが燈子は花が好きだった。少しだけ心が和む気がする。
敵のたむろする一室の前、燈子は耀に指示を出した。
「出来るだけ、敵を多く巻き込んで。」
敵は前方、たくさん。
耀が飛び出す。
標的を指し示す燈子の杖はサンダーソニアの飾り。彼女にとって祈りと望郷の道標が、平安鬼妖地獄変奪還戦への勝利へ一歩を刻むべく振られた。
――包むように、咲かせて。耀、『曼殊沙華』。
炎の曼殊沙華が敵陣に花開く。
墨色の動物たちはコミカルな姿を解いて一筋の墨色の物の怪となって襲ってくる。囲まれることだけにはならぬ様、燈子は耀と共に戦った。
敵は墨色の液体となって散り、 燈子の周辺から消えていった。
(「深追いはしない。……これが最後では、ないから。次。ちゃんと……取り返しに、来るから。」)
ふと、燈子は味方に向かう一体に気づく。サンダーソニアの杖が動いた。
曼殊沙華が真っ赤に燃えて散華し、その陰にはしろがねの姿があった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
オスカー・メギドューク
・心情
さて……敵の思惑を覆す為にも、露払いはしておかないとね
引き際を見極めつつ、暴れるとしようか
・戦闘
パラドクス『槍牙姫怨』で、敵が墨色に変化するのを防ぎつつ攻撃しよう
【呪詛】を交えた【貫通撃】なら、多少は効果もありそうかな?
そんな形で【突撃】と【一撃離脱】を【臨機応変】に繰り返し、潮時だと感じたら撤退しよう
・その他
アドリブ等は大歓迎だよ
伏見・しろがね
アドリブ・連携可
クダギツネ『くろがね』を連れた老獪な女狐の鬼狩人です。
刀術(【斬撃】)の腕前は一般人の達人並みですが、刀を使う復讐者と比べると少しだけ見劣りするレベルですので、戦闘は刀(小狐丸白銀)、狐火(幻術)、クダギツネ、九尾(【貫通撃】)、ハッタリ(【挑発】)、騙し討ち(【フェイント】)を組み合わせた、狐らしい戦い方(【不意討ち】)をします。
狐火七度錯の術をもって貴奴らを烏合の衆にしてやるわい。
その得物を向けている者は本当に敵か?
その背を預けている者は本当に味方か?
燈子の花炎が照らしたのは伏見・しろがね(鬼斬り稲荷🦊・g01292)の影だった。
妖狐の鬼狩人はクダギツネ『くろがね』を連れて戦場に現れた。
敵とまみえ、その手にスラリと小狐丸白銀を抜くと、しろがねは間髪を入れず幻術を唱える。
「それは真実か?」
老獪なる妖狐の声が朝堂院に響く。
敵は反撃を起こして一本の墨となり妖怪の姿を描いて撃ちかかってくる。しかし、同時にその姿はしろがねの術にはまって惑い狂うことになる。
しろがねは多少の傷はものともせず、幻術を操った。
墨色の妖怪変化と鬼狩人の妖狐と、妖術と幻術がぶつかりあった。
(「これでも手向かい出来るとはこしゃくな。狐火七度錯の術をもって貴奴らを烏合の衆にしてやるわい。」)
しろがねの鬼気迫る声が朝堂院の一画に広がる。
「その得物を向けている者は本当に敵か?
その背を預けている者は本当に味方か? 」
そこに颯爽と駆け付けたのはオスカー・メギドューク(“槍牙卿”・g07329)である。
敵が惑い、傷ついた所へ、オスカーの魔剣が走り、墨色の液が飛び散った。
敵を斬り、オスカーは涼し気に言う。
「敵の思惑を覆すためにも、露払いだね。」
「そうじゃな。共に戦おうか。」
しろがねの術で狂い、手負いとなった妖怪変化をオスカーが斬り祓う。
オスカーの魔剣「ヴァルヌートゥンク」はメギドューク家に伝わる伝承の一振りだ。使うパラドクスは槍牙姫怨、彼女は魔剣の力を開放し、クロノヴェーダを斬る技の使い手だった。
――魔剣よ、その怒りを示せ。
魔剣が詠唱に応えて唸る。そして攻撃に即座に反応し、愛らしい動物の姿は反撃の墨色の炎にかわる。
しかしオスカーは勇猛果敢に得物を手に突撃する。敵の炎を貫き、一撃を入れるとしなやかな動きで後退する。彼女の機敏な動きにつれてまとめ髪がゆれた。
朝堂院の中、敵の動きに合わせてオスカーは臨機応変に立ち回る。
やがて、周辺に妖怪の残骸である墨色の液体が目立ってきた。
「どうかな、そろそろだろうか?」
さすがにこの大勢を相手では、こちらも無傷とはいかぬ。
「そうじゃな、ここは退いて勝負は持ち越しじゃな。」
「引き際を見極める事も大切だからね。……ってことで、またね!」
オスカーがさらりと敵を後目に撤退する。
しろがねの姿は、もう消えていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
陳・桂菓
自らを炎と成すか。刃で斬り裂くのは難しいな……いや、不可能でもないのだろうが、数を相手にそうまで研ぎ澄ませた斬撃をいちいち放つのは骨だ。
だが、それならそれで、別の手を使うまでだ。
使用武器は蚩尤旗矛。
墨色の炎に対し、触れられる前に【爆噴追逼撃】の爆風で対抗。どのくらい再生や融通が利く性質かわからないが、炎が変化した妖かしの体そのものである以上、爆風で千々に吹き散らせばただでは済むまい?
さらに吹き飛んだ炎に対し、蚩尤旗矛でもって【薙ぎ払い】で追撃し、完全消滅を狙う。槍の穂先というより、闘気を込めた旗布を利用して広範囲をまとめて吹き飛ばす感じ。
余力のあるうちに離脱しなければならんな。口惜しい。
(「お前たちのその炎、刃で斬り裂くのは……不可能でもないのだろうが、数を相手にそうまで研ぎ澄ませた斬撃をいちいち放つのは骨だ。だが、それならそれで、別の手を使うまでだ。」)
一方、陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は凛然と戦場に到来し、蚩尤旗矛を手に墨の妖怪どもと渡り合った。
(「自らを炎と成すというならば……これでどうだ?」)
眼光鋭く敵を睨み、音高く朝堂院の床を踏みしめる。
墨色の炎となって渦巻き、襲い掛かってくる妖怪を、闘気を込めた爆風が追い散らす。桂菓の放つ技は二段構え、さらに空中に揺蕩う敵に向かって彼女は跳んだ。鋭い一撃が敵に炸裂する。
(「どのくらい再生や融通が利く性質かわからないが、炎が変化した妖かしの体そのものである以上、爆風で千々に吹き散らせばただでは済むまい? 」)
だが妖怪クロノヴェーダも主の命を果たさんと懸命に向かってくる。絵図から抜け出した様な兎がしゅるしゅると崩れて墨妖怪となり、黒い炎と化すのだ。
蚩尤旗矛の、古代の戦神をイメージした真紅の旗が翻る。
パラドクスを発動し、再び桂菓が跳ぶ。手負いの相手を闘気を込めた旗布で大きく薙ぎ払った。深紅が墨色を祓い、あとにはボトボトと墨色の液体が残る。これが、この妖怪の残骸だった。
桂菓は乱戦の中、手当たり次第に敵を打ち倒すが、引き際も忘れてはいなかった。
(「余力のあるうちに離脱しなければならんな。口惜しい
……。」)
が、口惜しさを晴らす日はすぐに来るだろう。
成功🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
フリーダ・レッチェ
※アドリブ・連携歓迎
四肢が義手の女性です。
主にアームキャノンによる中~遠距離の攻撃を行います。
敵の攻撃に対し、パラドクス「アナイアレイション」を使うことで、敵軍の接近を妨害しつつ迎撃します。建物への被害は一切考慮しません。むしろ敵を押しつぶしてくれることを期待して積極的に破壊します。
ただし退路は常に意識して、包囲されないよう留意します。
撃破できそうな敵を優先して攻撃し、敵の数を減らしていきます。
他のディアボロスと連携して戦える場合は、可能ならば、援護します。
勝利のため、ある程度のダメージはやむを得ないものとしますが、他のディアボロスを不利にするような行動はしません。
大角豆・茜
※アドリブ、連携歓迎
ん……何か、思ったより見た目が可愛い……?
それに、仕えてる相手もああなっちゃったら、ちょっと同情しちゃうね……
倒すのに気が引けるけど、決戦で勝つためにも、ここで倒させて貰うよ。
敵の小集団へと突撃、「刻継」で〈薙ぎ払い〉つつ、敵をある程度引き付ける。
敵が自爆して墨色の液体を撒き散らしたら、「ホーネット」から『雷奔金閃』を、〈電撃使い〉の力で強化し放射に拡散、液を一粒残らず迎撃するよ。その後は、弾状にまで収束させて〈誘導弾〉として発射、残った敵を可能な限り撃破するよ。
敵は大軍な上、これは前哨戦。
無理はせず、戦力をある程度減らせたなら離脱。
決戦に備えるよ。
また、敵中に颯爽と立つ、フリーダ・レッチェ(サイボーグの殲滅機兵・g01237)、堂々と敵の大群にも怯まない大角豆・茜(呪刻を継ぎし者・g03477)の姿もあった。
先刻、敵を見た時の茜の第一印象は。
「ん……何か、思ったより見た目が可愛い……?」
「うん。墨絵の姿をとっているんだね。」
「それに、仕えてる相手もああなっちゃったら、ちょっと同情しちゃうね……倒すのに気が引けるけど、決戦で勝つためにも、ここで倒させて貰おう。」
「攻撃開始だね。」
茜が敵の小集団へと突撃する。まずは呪刀『刻継』にて敵を薙ぎ払うとみせる。通常攻撃にも敵はパラドクスで反撃してくるから、ここはうまく立ち回る必要があった。
――当ててみせる……!
敵をある程度引きつけて雷奔金閃を発動すると、墨の妖怪は自ら爆ぜて墨色の液体を撒き散らし、反撃してくる。が、茜の電磁拳銃ホーネットからは電撃が放射状に広がっていた。パラドクスはぶつかり合い、茜のパラドクスは呪詛の液体を迎撃し、さらに敵を削った。
茜は多少の傷を受けても全く動じず、徐々に墨の妖怪たちを削ってゆく。
他方でフリーダの攻撃は苛烈だった。
(「アナイアレイション!」)
パラドクスの力をのせたアームキャノンが火を吹くと、妖怪は墨色の炎へと変化し襲い掛かってくる。その炎はフリーダを舐めてゆくが、フリーダの攻撃もまた、建造物ごと妖怪をとらえて蹂躙する。
「敵拠点への被害は考慮しないよ……。むしろ、朝堂院ごと押しつぶされてね。」
建物が破壊される音が響くが、フリーダは激しい感情をみせることはなかった。常に冷静沈着に、彼女は戦闘を継続する。
また、可能な時は、二人は連携して戦った。
茜の攻撃で傷を負った敵を、フリーダが優先的に攻撃して撃破する。
この戦法は効率がよく、二人の周囲で敵は徐々に減っていった。
乱戦が続く中、フリーダにはもう一つ、心がけていたことがあった。
それは退路を常に確保し、囲まれないようにすることだ。これは撤退を前提とした作戦なのだ。
この大群を相手に、無傷では済まない。
ある程度、敵の数を減らしたと判断した時、茜が言った。
「敵は大軍な上、これは前哨戦だしね。無理はしないでそろそろ退く?」
「わかった。」
頃合いとみると、二人は速やかに離脱を決める。
撤退はスムーズだった。
「決戦に備えるよ。」、茜の言葉どおり、その日は近い。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!