【平安鬼妖地獄変奪還戦】山名宗全

 このシナリオは【平安鬼妖地獄変奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 平安鬼妖地獄変のジェネラル級と、断片の王・安倍晴明の手引きで侵攻してきた、天魔武者の軍勢に、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、大江山拠点攻略の為に集結しつつある『山名宗全』の軍勢です。
『大筒入道』と戦闘を行います。
「成功したシナリオ数×5%」だけ、「山名宗全」の敵残存率を低下させます。

【平安鬼妖地獄変奪還戦】砲雷演舞(作者 小鳥遊彩羽
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#平安鬼妖地獄変  #【平安鬼妖地獄変奪還戦】山名宗全  #平安鬼妖地獄変奪還戦  #ファーストアタック  #天魔武者 


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「鬼馬軍団は既に撤退しておるのだ。であるのに、お前たちは何故、大江山の砦すら攻略できておらぬ!」
 配下のゾルダートたちへ向けてそう声を張り上げているのは、山名宗全そのひとであった。
「西国の雄である、この儂に恥をかかせるつもりか!」
 宗全に睨まれ、竦み上がるかのように固まったまま動かない配下たち。
「……もはや足軽では話にならん」
 そう吐き捨てて深い溜め息をひとつ、宗全は告げる。
「移動させられるだけの大筒入道を集めて送り込み、砦など更地にしてくれるぞ……!」

●砲雷演舞
「お疲れさま! いよいよ平安鬼妖地獄変の奪還戦が始まるよ!」
 ぐっと両手を握りしめ、気合いも新たに花峯・真帆(Starry Bouquet・g03187)はディアボロスたちへ呼びかける。
 ディアボロスの活躍により、平安鬼妖地獄変の断片の王である『安倍晴明』が、平安鬼妖地獄変のディヴィジョンを、隣接するディヴィジョン――『天正大戦国』の断片の王『織田信長』に売り渡そうとしていることが判明した。
 平安鬼妖地獄変が天正大戦国のディヴィジョンに統合されてしまえば、京都や奈良の奪還が叶わなくなるだけでなく、天正大戦国のディヴィジョンが大幅に強化されてしまうこととなる。
「だからね、安倍晴明が平安鬼妖地獄変のディヴィジョンを、織田信長にあげちゃう前にやっつけて、平安鬼妖地獄変そのものを最終人類史に取り戻さなくちゃいけないんだ」
 来たる決戦の時は間もなく。
 それまでに可能な限り敵戦力を削り、当日の戦いを優位に運ぶ――ファーストアタックの始まりである。
「皆の今回の相手は、山名宗全の軍勢だね」
 敵は大筒入道と呼ばれる、攻城戦用の大筒型魔光砲を装備したトループス級の天魔武者だ。完全に砲撃に特化しているため動きは鈍重だが、広域破壊能力に優れている厄介な相手である。
 山名宗全率いる天魔武者の軍勢は、戦争が始まれば即座に新宿島を目指して進軍を開始すると予知されている。
 幸いにも大江山の拠点を先んじて接収できたことで進軍を遅延させることができたが、もしも長岡京が陥落すれば、新宿島は最終人類史に強制的に戻されてしまう。
 ――つまり、ディアボロスの敗北だ。
「でも、やることはいつも通り。戦争に向けて準備中の敵の戦力を削って、これくらいやっとけば十分だって思ったら、あとは引き際を間違えずに戻ってきてね」

 一通りの説明を終えた真帆は、信を置いた眼差しでディアボロスたちを真っ直ぐに見つめて続ける。
「今回の戦争の最終的な目標は、断片の王――安倍晴明の撃破。でも、晴明は天正大戦国に平安鬼妖地獄変をあげちゃった後の自分の立場を強化するために、色んな手を打っているみたい」
 何よりも、安倍晴明が天正大戦国へ降伏してしまえば、平安鬼妖地獄変は天正大戦国に統合されてしまい――奪還は叶わない。
「敵はとっても強いけれど、みんなの力があれば、絶対に勝てるって信じてるよ!」
 強力な天正大戦国の天魔武者の軍勢と戦いつつ、安倍晴明が弄する策を打ち破り――そして、平安鬼妖地獄変のディヴィジョンを最終人類史に取り戻すために。
「わーって暴れて、みんなの強いところ、見せてあげて! ――いってらっしゃい!」
 そして、いつものように笑顔で、真帆はディアボロスたちを送り出す。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【隔離眼】
2
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【平穏結界】
2
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV3 / 【反撃アップ】LV2 / 【ドレイン】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

小鳥遊彩羽
 ご覧くださいましてありがとうございます、小鳥遊彩羽です。
 今回のシナリオは、『平安鬼妖地獄変』よりお届けします。

 概要にもあります通り、このシナリオは8月28日(日)に行われる【平安鬼妖地獄変奪還戦】の前哨戦シナリオとなります。
「成功したシナリオ数×5%」だけ、「③山名宗全」の敵残存率を低下させます。
 なるべく頑張りますが、ご参加いただいた人数によっては採用できない方が出てくる可能性がありますので、ご了承の上でのご参加をお願い致します。
 それでは、どうぞよろしくお願い致します。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


無堂・理央
城塞攻めに砲撃は有効だよね~。
けど、それをする前に叩ける所は叩かせて貰うけどさ!


無双馬『クロフサ』に騎乗して吶喊!
パラドクスでカタパルトリングを生み出して、そのまま真っ直ぐ加速して突っ込むよ!
一体ぶち抜いたら、脚を止める事無く次々にリングを形成、加速し続けて敵陣内をぶち抜いてぶち抜いてぶち抜き続ける!
光弾の雨には反撃対応しない、と言うか反撃の動きをするよりも加速して敵の光弾が着弾する前に敵を撃破し続ければ良いだけ!
攻撃は最大の防御!敵の数はトコトン削る!

流石に敵の数が多すぎてこれ以上削れないなって思ったら、リングの加速を利用して即座に撤収。
鈍重な足回りなら、そうそう追いつけないでしょ。


八百陣・葵漆
『天正大戦国』ね……
絡繰りの兵士の中身を覗いてみたくもなるけど
今は戦争のために戦力を削ることが先決だね
(ガジェッティアなので、絡繰りが気になる)

さて、敵が砲兵なら、こちらも遠距離攻撃で相手をしようか
軍師流『智慧之煌』で攻撃だ
常に移動しながら狙撃、後は絡繰り兵器をデコイに使おうか
敵が攻撃を外して貰えば儲けものだね

深追いはせず、十分な戦果が得られたら即撤退するよ
本番はこの後なのだからね


「城塞攻めに砲撃は有効だよね~。けど、それをする前に叩ける所は叩かせて貰うけどさ! ――行くよ! クロフサ!」
 ずらりと並ぶ大筒入道たちを前に、無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)は臆することなく無双馬のクロフサに呼びかける。
「カタパルトリング、セット! とっつげきー!」
 颯爽とクロフサに跨がって一番槍とばかりに飛び出した理央は、そのまま自身の前方にリング状のカタパルトを呼び出すと、クロフサごと疾風の環を越えて一息に加速し敵陣の只中に飛び込んだ。
 勢いのままにまずは一体。手にした馬上槍ごと理央自身が一本の槍となって真正面からぶち抜けば、胴体に風穴を開けられた大筒入道ががらがらと派手な音を立てて崩れ落ちる。
 不意の奇襲に、しかし巨大な大筒を携えた大筒入道たちはすぐに反応することができない。
「天正大戦国、ね……」
 鮮やかに駆けていく理央を捉えきれずにいる大筒入道の群れを見やりつつ、八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)はぽつりと零す。
 鬼と妖に支配されたこの平安鬼妖地獄変に隣接する新たなディヴィジョンは、どうやら天魔武者と呼ばれる“絡繰り”の兵たちが跋扈する戦国の世界であるらしい。
 実際に目の前にいる絡繰り兵たちを前に、葵漆の口許に浮かぶ微笑には押さえきれぬ好奇心が滲んでいた。
 神算軍師にしてガジェッティアでもある葵漆としては、やはり絡繰り兵たちの“中身”が気になるところ。
 どういう仕組みで動いているのか、動力源は何か、色々と想像は尽きないけれど――。
「今は戦争のために、少しでも戦力を削ることが先決だね。……さて、軍師たる者、これくらいは出来ないとね」
 どのみち彼らがクロノヴェーダであるならば、ディアボロスとしてはいずれ戦うことになる相手だ。時が来れば、心ゆくまで調べることも叶うだろう。
 敵が砲兵ならば、こちらも遠距離攻撃で。
 真っ直ぐに扇を差し向ければ、葵漆の裡に秘められし研ぎ澄まされた叡智が一条の光となって迸り、大筒入道の頭を消し飛ばした。
 強襲を受けてようやく動き出した大筒入道たちが、理央と葵漆、それぞれに狙いを定めてきた。
 雷の如き轟音が響き、小さな光弾が豪雨のように理央の頭上から降り注ぐ。
 しかし、脚を止めることなく次々にリングカタパルトを形成し、加速を続けながら縦横無尽に駆け回る理央は、光弾の雨を巧みに掻い潜って次々に大筒入道たちをぶち抜いていった。
「攻撃は最大の防御だからね! トコトン削るよ!」
 一方、葵漆の元にも大筒型の魔光砲から放たれた巨大な対物砲弾が飛来するが、葵漆は動じることなく身を翻した。
 その直後、たった今まで葵漆が立っていた場所にいつの間にか置かれていた手製の絡繰り兵器に砲弾が命中する。
 絡繰りには、絡繰りを。
 時に絡繰り兵器を囮にしつつ、絶えず戦場を駆け回りながら、一体ずつ確実に倒していく葵漆。
 理央もクロフサと共に無双しながら、各個撃破で着実に数を減らしていく。
 次から次へ、絶えず現れる大筒入道たち。
 どれほど戦っただろうか。いつしか二人の周囲には、ただのがらくたと成り果てた大筒入道たちの残骸が大量に転がっていた。
「さて、そろそろ戻ろうか」
「そうだね、これ以上はもう削れなさそうだし」
 だが、戦果としては上々だろう。
 葵漆の呼びかけに理央も頷き、リングカタパルトの加速を利用して即座に撤収する。
 鈍重な足回りの大筒入道たちだ。そう簡単に追いつかれることもない。
「せいぜいその大筒を磨いて待っているといい。本番はこの後なのだからね」
 葵漆もまた微かな笑みと共にそう言い残し、パラドクストレインへ戻っていった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!

エラ・パーカー
連携アドリブ歓迎

統合なんてさせないための前哨戦っ
めいっぱいがんばるよう!

エラは小柄だから【飛翔】でお空をかけて大砲は避けてくよう
そうしながらここがステージみたいに、「canon『AMDUKIAS』」を歌うの

カノンを紡ぐごとに【ダメージアップ】で威力を増した、キラキラ綺麗な音符たちが創りだされていくの
この子たちはお前たちを倒すまでとまらないから…最期までエラのお歌を楽しんでね♪

大砲使いみたいだから近づいてくることはないと思うけども…
もし接近されたらマイクから仕込刀を引き抜いて応戦くるよう

ある程度減らせたらさくっと退散するの
28日の決戦に備えなきゃだもん
深追い厳禁、無事に帰るのが大切ですっ


エレノア・グローア
アドリブ連携◎

迎えるべき時のため
未来を生きる人々のため
何よりこの世界を取り戻したいと願う仲間のため
ふふ、いま此処で惜しむ力なんてないわ

あら。随分と強そうな相手ね
だけどわたしの魔術も引けを取ったりしないわよ
さあ、おいで――ポエニクス!
あなたの力が必要なの

タロットを翳せば魔力が焔に変わり鳥の形となる
空を飛翔する焔鳥に小さく笑んで
不死鳥の如し焔鳥よ
その纏う焔でみんなを勝利へと導いてあげて

放たれる攻撃には焔鳥のブレスで対応
隙あらば穿つ炎を纏った羽で斬り裂いて攻撃
避けきれないものは結界術で防ぐ


セレスティア・リュミエール
アドリブ、絡みOKです

あれが大筒入道……なんて数……
まさしく軍隊、といったところでしょうか
でもここで負けるわけにはいかないのです
また一つのディビジョンを取り返すため、この戦い、制させて頂きます

戦闘ではパラドクスで半人半馬のサジテールを召喚
サジテール、皆を守って。必ずよ
遠方からの狙撃を試み、味方の援護を狙います
例え敵の方が破壊力が上でも……機動力と速射性ではこちらの方が上のはず……!

前進したり、味方に攻撃する敵を妨害するように矢を放ち続けましょう
ここから先へは行かせませんよ?

大方戦力を削れたら撤退します
ここでの戦果が戦争での勝利につながると信じて


「あれが大筒入道……なんて数……」
 ずらりと並ぶ、大筒入道たち。
 圧巻たるその姿は、まさしく軍隊と呼ぶに相応しいものだっただろう。
 だが、セレスティア・リュミエール(碧月のソルシエル・g05430)は薄明の空を写し取ったような紫水晶の双眸に確かな光を湛えて紡ぐ。
「ここで負けるわけにはいかないのです。また一つのディヴィジョンを取り返すため、この戦い、制させて頂きます」
「統合なんてさせないための前哨戦っ。めいっぱいがんばるよう!」
 セレスティアの言葉にうん、とひとつ頷き、エラ・パーカー(adore song・g03253)も大きな天魔武者たちを臆することなく見上げる。
 やがて迎えるべき時のため。
 そして、未来を生きる人々のため。
 ――何よりも、この世界を取り戻したいと願う仲間たちのため。
「ふふ、いま此処で惜しむ力なんてないわ」
 蜂蜜色の瞳を柔く細めながら、エレノア・グローア(ソレイユ・g00058)もまた、二人と共に居並ぶ天魔武者たちに向き直った。
 敵の数は多く、この場に集った全員が全ての力を賭したとしても、今回の戦いだけではとても倒しきれないだろう。
 これはあくまでも前哨戦。誰もが引き際を慎重に見定めながらも、己の力を存分に振るっていた。
「来たれ、偉大なる弓の賢者。その神聖なる矢で、彗星の如く、貫いて――」
 詠唱と共に光が溢れ、セレスティアの傍らに弓を構えた半人半馬の賢者サジテールが現れた。
「サジテール、皆を守って。必ずよ」
 頼もしき戦友にそう微笑みかければ、サジテールはセレスティアの願いと聖なる力を矢に籠めて狙いを定める。
 刹那、放たれた矢は彗星の如く純白の聖なる光の軌跡を描き、天魔武者へと突き刺さった。
 この地を蹂躙せんとする敵の破壊力は凄まじいもの。
 だが、機動力と速射性はこちらのほうが上だ。
 全てを破壊する赤い光の威力を魔力の障壁で軽減させたセレスティアは状況をよく確かめながら、前進しようと動き出した敵や、エラとエレノアだけでなく、同じ戦場で戦う仲間たちを攻撃しようとする敵を狙い、サジテールと共に後方からの援護に専念する。
「ここから先へは、行かせませんよ?」
 また一体、戦線を押し返そうと動き出した大筒入道をサジテールの矢で穿ち、セレスティアは群がる敵へ毅然と告げた。
 飛翔の残留効果で舞い上がったエラは、空のステージから甘く透き通る歌声を響かせる。
 canon 『AMDUKIAS』――魔力が籠められた歌声が幾重にも紡がれて、キラキラと美しい音符の弾丸が踊り出した。
 繰り返し響く歌のフェルマータ。煌めく音符はまるで五線譜の上を走るカノンのように、どこまでもどこまでも敵を追いかけていく。
 音符の弾丸が天魔武者たちを貫いて、煌めく光を散らすと同時。
 大筒型の魔光砲から、赤色の破壊光線が放たれた。
「ふふ、エラのおうたを受け止めてくださいな?」
 空を翔けながら光線を紙一重で躱し、エラはなおも歌い続ける。
 歌を紡ぐごとに力が満ちていくのを感じながら、次々に煌めく綺麗な音符を花と咲かせて。
「この子たちは、お前たちを倒すまでとまらないから……最期までエラのお歌を楽しんでね♪」
 モルガナイトの双眸を柔らかく細め、エラはあどけなく微笑んだ。
 エラが奏でる音符の煌めきが降り注ぐ中、エレノアは改めて天魔武者――大筒入道を見やる。
「随分と強そうな相手ね。だけどわたしの魔術も引けを取ったりしないわよ」
 エレノアが取り出したのは太陽と月が描かれたタロットカード。
 その中の一枚を翳しながら、エレノアは高らかに声を上げた。
「あなたの力が必要なの。さあ、おいで――ポエニクス!」
 心なしか弾む声に応えるようにカードに込められた魔力が燃え上がり、鳥となって舞い上がる。
「不死鳥の如し焔鳥よ。その纏う焔でみんなを勝利へと導いてあげて」
 悠然と羽ばたく焔鳥(ポエニクス)に小さく笑んで、エレノアは真っ直ぐに倒すべき敵を指し示す。
 すると、ポエニクスが空を裂くような鋭い咆哮を上げて、吐き出した炎のブレスで大筒入道たちを焼き払った。
 すぐさま放たれる反撃の破壊光線に対し、エレノアはすぐさま結界を巡らせて衝撃を和らげる。
「さあ、ポエニクス。もっとキミのうつくしい焔を見せてあげて」
 エレノアがそう呼びかければ、焔纏う翼をさらに大きく羽ばたかせながらポエニクスは空を翔け――。
 穿つ炎を纏った羽が、大筒入道たちを斬り裂いていく。

 やがて、空から戦況の把握につとめていたエラが、頃合いを見て呼びかける。
「みんな、そろそろ退散するの~! 深追い厳禁、無事に帰るのが大切ですっ」
 エラの声にすぐにセレスティアの立つ場所まで後退したエレノアは、最後にもう一度ポエニクスを羽ばたかせた。
 焔が捉えたのは背後に回り込もうとしていた天魔武者たち。
 同時にセレスティアもサジテールの矢で退路を塞ごうとした一体を穿ち、道を切り開く。
「行きましょう。ここでの戦果が勝利に繋がると信じて」
「きっと大丈夫。みんな目一杯頑張ってるもの!」
 セレスティアの言葉に、エレノアは笑顔で頷いて。
 そして三人は無事に戦線を離れ、撤退していくのだった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

ガーデニア・ラディーチェ
アドリブ・連携◎

オダ?とか、セーメー?とかよく分からないけど……
マッチャにシカセンベイ?に、ダイモンジヤキ?に
キョートやナラには美味しいものがいっぱいあるって聞いたものね、ロズ?
うふふ。食事前の運動ってことで、盛大に暴れましょうか

あれだけ強大な砲撃が使えたら、きっと頼もしいはずなのよ
だから……敵の攻撃を【観察】して、ちょっとお借りしちゃうわ
パラドクスを拝借するついでに、砲撃発射の予備動作も確認できたら
それをもとに、攻撃を回避できるように努めましょう

頃合いを見て
【撹乱】として、同士からの誤射に見せかけることも狙って、敵陣に再現した砲撃を放つわ
さ、地面に伏せる覚悟はできたかしら?


風花・波那
天正大戦国って平安鬼妖地獄変と違ってメカなのね!カッコイイ!
クズ鉄にしちゃうのは忍びないけど覚悟してよね。

仲間と連携して戦うよ。
敵の的にならないように常にダッシュ。相対する敵の後方を陣取るように動く。
大筒型魔光砲をよく観察して砲撃されたら飛び退くように回避。

威力に冷や汗。
ねえねえ、それ人に向けて撃つ威力じゃないよね?

攻撃するにも硬そうで斬るのも殴るのも効かなそうだし……。
新技試させてもらおうかな。
仲間と対象合わせて敵の集団に向けて。
風炎の息吹!

熱いでしょ〜。その体でお好み焼きでも焼きたいところだけど……頃合いかな。
ある程度ダメージ与えたら撤退!

次会ったときはバラバラに解体してあげる。またね〜!


アンゼリカ・レンブラント
さぁ噂の天魔武者と手合わせしようか
相手は遠距離戦タイプみたいだし、
私も遠距離からパラドクスの砲撃していく

攻撃タイミングを仲間と合わせ
敵から集中攻撃を浴びないよう絶えず動き狙いを反らす
反撃をしっかり障壁とオーラで凌いでいくよ
一度に攻撃されなければ、このくらいっ!
心に勇気を燃やし、再度動いて攻撃していくよ

日本中こんな機械武者でいっぱいなのかな
絵としては格好いいかもしれないけど必ず大地は奪還するよ
呼吸を最大まで整えた《終光収束砲》で仕留めていくね!
これで、どうだーっ!

仮に山名宗全が現れたら無理はせずみんなで撤退するよ
その際に私のダメージがそんなにないなら一撃入れてから引くかな
後は本番でお相手するよ!


 ――煌めく音符の弾丸に、空を舞う焔鳥。そして、星のように駆け抜ける光の矢。
 仲間たちの美しい技につい見入りつつも、風花・波那(夢詠の花果・g00593)は目の前にずらりと並ぶ天魔武者――大筒入道の群れを前に、些か興奮した様子で声を上げた。
「天正大戦国って平安鬼妖地獄変と違ってメカなのね! カッコイイ!」
「日本中、こんな機械武者でいっぱいなのかな。絵としては格好いいかもしれないけど……」
 アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)もそう呟きつつ、胸に燈した誓いを改めて口にする。
「――必ず、大地は奪還するよ」
 そう、たとえどれほど格好良いものであっても、敵は敵。
 常の自身に満ち溢れた強気な笑みで、波那は最前線に並ぶ天魔武者たちに呼びかけた。
「クズ鉄にしちゃうのは忍びないけど、覚悟してよね!」
 平安鬼妖地獄変ではなく、新たなディヴィジョン――天正大戦国からやって来た噂の天魔武者との手合わせだ。
 ここで感覚を掴んでおけば、後の戦いに活かせる部分もあるだろう。
 どうやら相手である大筒入道は遠距離での戦いを得意としているようだ。
「それなら、私もパラドクスの砲撃でお相手するよ!」
 アンゼリカは呼吸を整えながら、光を練り上げていく。
「裁きの光と共に輝け、六芒星に集いた精霊よ! 邪悪なる者全てを……撃ち抜けぇーっ!」
 空を裂くように爆ぜる鮮烈な光。
 魔力を収束させると同時に周囲に張り巡らせた障壁と、そして自身の裡から漲るオーラで赤き破壊光線の反撃を凌いだアンゼリカは、再度力強く踏み込んでいく。
 心に勇気を燃やし、それを、戦う力に変えて。
 アンゼリカが放った光が、戦いの始まりを告げる。
 時を同じくして戦場に足を踏み入れたガーデニア・ラディーチェ(クチナシの花護り・g03839)は、薔薇彩の双眸で犇めく絡繰り兵たちを見渡して、ぽつりと。
「オダ?とか、セーメー?とかよく分からないけど……マッチャにシカセンベイ?に、ダイモンジヤキ?に――」
 ひとつひとつ、確かめるように単語をなぞりながら、ガーデニアは繋いだ手の先、人形のロズリエルを見上げて微笑む。
「キョートやナラには美味しいものがいっぱいあるって聞いたものね、ロズ?」
 ガーデニアの言葉に、ロズリエルも――心なしか、楽しげにも見える微笑みを浮かべ、頷いた。
 この地を取り戻すことが叶えば、未だ見ぬそれらに触れる機会にも巡り会えることだろう。
 想いを馳せながら、ガーデニアはロズリエルと共に一歩、踏み出した。
「うふふ。食事前の運動ってことで、盛大に暴れましょうか」

 アンゼリカのパラドクスの光砲を横目に駆け出した波那は、大筒入道たちの動きをよく見ながら後方を陣取るように動いていた。
 的にならぬよう足を止めずに、けれどアンゼリカへ放たれた赤色の破壊光線の威力には、思わず冷や汗が伝うのを感じて息を呑む。
「ねえねえ、それ人に向けて撃つ威力じゃないよね?」
 ついそう声をかけてしまうが、気づいた時には既に遅く――大筒入道たちは答える代わりに大筒の砲を波那へと向けてきた。
 とは言え、ただ逃げ惑うつもりもない。
「硬そうで斬るのも殴るのも効かなそうだし……よし、ここは新技の出番ね」
 波那は想いを込めて、風を呼ぶ。
「――風炎の息吹よ! 魔を灼く紅風となれ!」
 想いの力で綻び咲いたのは、紅色の風炎。
 空に映える鮮やかな紅風が広範囲に渡って吹き荒び――大筒入道たちを呑み込んでいく。
 触れるだけで体が焼けるような感覚に襲われた大筒入道たちは苦悶の呻き声を漏らしながらも、反撃の手を止めることはない。
 お返しにと放たれた破壊光線の砲撃を、波那は飛び退くようにして回避する。
 たった今まで波那が立っていた場所を凄まじい勢いで薙ぎ払っていった光線に、波那はもう一度小さく息を呑み込んで、それからそっと呟いた。
「やっぱりそれ、人に向けて撃つ威力じゃないと思うのよ……」
 一方のガーデニアも、大筒入道たちの動きをつぶさに観察していた。
「……あれだけ強大な砲撃が使えたら、きっと頼もしいはずなのよ」
 ――“借りる”ことができれば、それは確かに強力な技となるだろう。
 そして、今回ガーデニアが用いるパラドクスは、それができるものだ。
 赤色の破壊光線に、雨のような光の弾幕、それから、対物砲弾。
 それぞれに異なる砲撃発射の予備動作を幾度か確認したガーデニアは、こちらへ向けて放たれたそれを回避しながら戦場を駆け、そして――。
 敵が特に集まっている辺りを狙い、“再現”した砲撃を撃ち込んだ。
 放たれたのは、攻城戦を想定した――城壁さえも容易く砕く力を持つ、巨大な対物砲弾。
 同士からの誤射に見せかけ撹乱しようとしたその狙いは、どうやら、上手くいったようだ。
 敵陣の只中に突き刺さり炸裂したそれは確かにガーデニアが放ったもの。だが、自分たちが使うものと同じ砲弾に、大筒入道たちの間に漣のように混乱が広がっていくのがわかる。
 すかさずアンゼリカが終光収束砲を打ち込み、波那が風炎で辺り一帯を覆えば、大筒入道は右往左往するばかり。
「……さ、地面に伏せる覚悟はできたかしら?」
 ガーデニアはふわりと微笑んで告げながら、再度対物砲弾を放った。
「熱いでしょ~。その体でお好み焼きでも焼きたいところだけど……頃合いかな」
 ふふん、と得意げに、けれどすぐに冷静に付け加えた波那の言葉に前方を見やれば、さらなる大筒入道の群れが迫りつつあるのが見えた。
「山名宗全は……現れてはいないみたいだね」
 確かめるように呟くアンゼリカ。
 これだけ同じ姿の大筒入道が犇めいているのだから、違う何かが混ざっていれば気づくこともそう難しくはないだろう。
 だが、見渡す限りにはそういった姿はなく、気配さえも感じられない。
「それなら、囲まれる前に帰りましょう。……逃げるが勝ち、よ」
 ロズリエルの手を取って身を翻すガーデニアに、アンゼリカも続く。
「次会ったときはバラバラに解体してあげる。またね~!」
 波那もそう言い残し、そして三人は目の前で混乱している大筒入道たちが体勢を立て直す前に、無事にパラドクストレインへと戻っていった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【隔離眼】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!

ナイナ・ヴィラネスティズム
チーム名:【Nyx】
使える効果2は全て使用

「古の時代の日本・・・明らかに似つかわしくない鋼の堅物がいらっしゃる事で」
【Nyx】の味方との連携を意識
アースィフィアと零をディフェンス指定し、有事の際はこの身で盾となる
魔銃の連射と魔散弾銃の貫通撃による制圧射撃もしくはマジックグレネードによる投擲爆破で味方の血路を開く遊撃手を担う
仲間との機を見て攻勢に打って出るもしくは先述の盾となる際の防衛時にはヴィラネスト・レイジモード
自身の内に秘める怒りを拳という形で発現、フェイントを織り交ぜた徒手空拳の連撃をもって鋼の兵士達を叩きのめしていく

装甲が厚かろうが澄み渡る私の心に投石した報いを受けさせて差し上げます


エトルリア・メイオール
【Nyx】で参加
連携、アドリブは歓迎だぜ

おっ、デケェ鉄の塊がいるな!
派手にぶちまけてやろうぜ!

あたしは主に【飛翔】で空から攻めるぜ
そのでけえ図体であたしについて来られるかあ?

基本的には射線に入らねえよう止まらず飛び回って撹乱するぜ
背後や頭上を取った敵に一撃入れて離脱、これを繰り返すぜ
味方を狙ってる敵がいたらそいつの死角から突撃して不意打ち、攻撃を妨害だ

あたしが狙われてるなら、なるべく長く引きつけ続け、味方が攻め入る隙を作るぜ
敵の霹靂撃ちに対しては、こっちも竜巻を撃ち出して敵の弾を弾くか逸らすかするぜ

十分に敵戦力を削ったら味方に連絡しつつ撤退だ
必要なら味方を担いで戦闘域を抜けるぜ


夜乃・零
【Nyx】
アドリブ歓迎


おまえらとの共闘は初めてだけど
すげえ頼りにしてるからな!
無銘の青龍偃月刀を引き抜いて
さあ、俺らと一緒に遊ぼうか!

(この時代は、──懐かしいな)

感慨に耽るのは一瞬
あとは戦いに集中
全員との連携を大切に
守られたときは礼も忘れず
庇えそうなら俺も守るよ
間に合わなさそうなら
大声で注意喚起だな
普段からよく喋ってる仲だ
戦場でも声出し合っていこうぜ

響く雷音に目を細め
にやける口許を隠しもせず
放たれる小さな光弾を躱して
得物を振り下ろし素早く放つ斬撃
せっかくリーチの長い武器だからな
後方からの援護中心で動こうか
少しでもアイツらの手助けしてやりてえ

油断はしねえから
遠慮なく戦力削ってやろうな!


神田川・憐音
【Nyx】
アドリブ歓迎

おっし景気よく行ってみよっか?
砲撃の轟音なんか吹っ飛ばしてやるくらいの勢いでギターかき鳴らすわ
激しいビートを敵に叩き付け味方のテンション上げてくよ
そっちが武者ならこっちは騎士だって感じで
城から出撃する騎兵隊っぽい英雄の幻影を創造して突撃させるね
テキトーに数を減らしたら撤退ね。おっけ
攻城戦用の大砲だか知らんけど、あたしの歌(のパワーで出来た城壁)を簡単に破れると思うなし?

騎士が令嬢(ナイナ)を守り連携とか画になる感じ?
零もテンションアガってんじゃん。アースィもやっちゃえ
なんて地上に気を引いたらエトルリアが空から攻めるっしょ

そんな感じで旅団の連中と連携しながら戦えたらいいね


アースィフィア・イルティヤーフ
【nyx】
皆でお出かけだ~
アースィは敵にどんどん攻撃するよ~

周りに敵が沢山いるから、とりあえず巻き込めればラッキーって感じで範囲攻撃するよ~

この術は扱いが難しいけど敵をなぎ払うには丁度いいからね~
黒沙で巨大な腕を作り出してなぎ払ったり~
巨大な槌を作り出して叩き潰したり~
巨大な弓矢で1度に貫いたり~

討ち漏らした敵は他のメンバーに入ったお願いしよう~

う~ん、皆凄いね~
もしかしてアースィいらなかったりしない~?

この先の大きな戦いに影響するならもうちょっと頑張ろうかな~

それ~今度はこうだ~(巨大な黒沙の塊を敵陣に投げつける。着弾すると爆散して周囲の敵をなぎ払う)

こんなとこかな~
早く平和になればいいね~


「古の時代の日本……明らかに似つかわしくない鋼の堅物がいらっしゃることで」
 吐き捨てるように呟きながら、ナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)は群がる大筒入道たちを睨めつける。
「おっ、デケェ鉄の塊がいるな! 派手にぶちまけてやろうぜ!」
 かたやエトルリア・メイオール(ロストロード・g01211)は歯を見せて笑いながら、これから始まる戦いに胸を躍らせているようだった。
「おまえらとの共闘は初めてだけど、すげえ頼りにしてるからな!」
 無銘の青龍偃月刀を引き抜いて、夜乃・零(常闇・g04477)は軽快に笑い。
「テキトーに数を減らしたら撤退ね。おっけ」
 零の傍らに歩み出た神田川・憐音(天地を揺さぶる情動・g02680)は軽い調子で言いながらも、その心には既に闘志が燃え上がっていた。
「おっし、景気よく行ってみよっか? そっちが武者ならこっちは騎士だし」
 早速音を確かめるように指先を滑らせ、憐音は己を突き動かす衝動のまま力強くギターを掻き鳴らす。
 戦いの始まりを告げる音は激しいビートとなって刻まれる。
 奏でられるヒロイックシンフォニーにより創造された騎兵隊めいた英雄たちの幻影が、聳え犇めく大筒入道たちの壁、その一角を突き崩す。
「攻城戦用の大砲だか知らんけど、あたしの歌(のパワーで出来た城壁)を簡単に破れると思うなし?」
 すぐさま大筒型魔光砲から放たれた巨大な対物砲弾に、憐音は真っ向から奏でる音を叩きつけた。
 砲撃の轟音も吹き飛ばす勢いで憐音はギターをかき鳴らし、激しいビートで仲間たちの心を奮わせテンションを上げていく。
(「この時代は、――懐かしいな」)
 憐音が紡ぐ音に笑みを深めつつも、零はわずか一瞬感慨に耽るように意識を彼方へ馳せる。
「さあ、俺らと一緒に遊ぼうか!」
 胸を満たす郷愁に、けれどすぐに意識を切り替えて。
 攻勢に移った零は一息に距離を詰めると素早く得物を振り下ろした。
 陽炎のようにゆらめく焔を纏いながら刻まれる連撃は、すべてを包み込んで激しく燃え上がる。
 ――刹那、雷の如き轟音が鳴り渡る。
 同時に大筒から放たれた小さな光弾が、零を狙って雨の如く降り注いだ。
 零は響く雷音に目を細めながらにやける口許を隠しもせずに刃を翻して光の雨を薙ぎ払い、細かな傷を浴びようとも怯むことなく駆けていく。
「遠慮なく戦力削ってやろうな!」
 仲間たちと共に存分に力を振るえる。
 ――これ以上の歓びは、ない。
「皆でお出かけだ~。アースィは敵にどんどん攻撃するよ~」
 強襲を受け、動き出した大筒入道の群れを前に、アースィフィア・イルティヤーフ(彷徨の黒沙塵・g00851)は笑みを絶やさぬままのんびりと呟く。
「とりあえず巻き込めればラッキーかな~」
 周りにいる敵は数え切れぬほど。ゆえにどこに攻撃してもそれなりの成果が見込めるだろう――そう考えたアースィフィアは腰に提げた壺の封を解き、そこから滲むように溢れ出した黒き沙で巨大な腕を創り上げた。
 蹂躙を欲する心のままに蠢く悪意の沙は扱いが難しいが、だからこそ、まとめて敵を薙ぎ払うにはちょうど良い。
 巨大な腕を叩きつけるように一振りすれば、それだけで大筒入道が面白いように吹き飛んでいく。
 だが、仕留めきれなかった大筒入道たちは、そのまま一斉に魔光砲の大筒をアースィフィアへと向けてきた。
 放たれた赤色の破壊光線の反撃に、アースィフィアは黒沙を盾のような形に変えて備える――が、すべてを防ぎ切ることは叶わない。
「う~ん、やっぱり少し痛いね~」
 そのままアースィフィアを標的と定め、攻撃に移ろうとする大筒入道たち。
「そう簡単にやらせはしませんことよ!」
 再び放たれた破壊光線の前に、すかさずナイナが身を挺した。
 魔力を注ぎ込んだマジックグレネードを炸裂させて破壊光線の威力を削いだナイナは、そのまま内に溜めた怒りの感情のままにヴィラネスト・レイジモードへと変じ――魔銃の連射と魔散弾銃の貫通撃による制圧射撃で血路を拓くかのように大筒入道の壁に風穴を抉じ開けた。
 地上で凄まじい攻防が繰り広げられている中、いつも通り竜翼を力強く羽ばたかせて舞い上がり、空から攻勢に転じるのはエトルリアだ。
「――飛べ! 舞い上がれ! 竜の旋風!」
 同時に戦場を駆け巡る乱気流。それはエトルリアが風を司る竜の力を解き放ったことにより生まれたものだ。
 暴風が如きその風を自在に操りながら、エトルリアは縦横無尽に空を翔け、勇猛果敢に攻め込んでていく。
「そのでけえ図体であたしについて来られるかあ?」
 射線に入らぬよう止まることなく飛び回り、大筒入道たちの意識を引き付けて撹乱しつつ、頭上から降るように一撃を加えてすぐさま距離を取るエトルリア。
 放たれた反撃の手には竜巻の槍を繰り出し、巨大な風圧で吹き飛ばす。
 ぐらりとよろめいた大筒入道に、すかさず零が迫った。
 叩き割るように得物を振り下ろして大筒入道を斬り伏せた零は、時にリーチの長さを生かして巨躯を豪快に薙ぎ払い、ナイナが抉じ開けた戦線をさらに切り開いていく。
 いつになく力が漲る心地がするのは、共に戦う仲間がいるからだ。
(「……少しでも、アイツらの手助けしてやりてえ」)
 ここに集ったの皆は同じ旅団に属している。普段から付き合いのある者たちならば、連携の動きもごく自然なもの。
「ってか、零もだいぶテンションアガってんじゃん」
 不意に届いた憐音の声に、零はあっけらかんと笑う。
「ああ、おまえらと並んで戦えるのが、楽しくてな」
(「う~ん、皆凄いね~」)
 共に戦う仲間たちの頼もしい姿に、アースィフィアは小さく息をつく。
 時間と空間、そして世界法則までもを書き換えながら行われる逆説連鎖戦。
 戦いが始まってから過ぎた時間はごく僅か。
 そんな一瞬のような攻防を経て、周囲の敵は確実に減っていた。
(「……もしかして、」)
「――アースィもやっちゃえ!」
 ふと浮かんだ思いの続きが言葉になるよりも先、発破をかけるように響いた憐音の声と強烈なギターの音に、アースィフィアは続くはずだった思いを呑み込んだ。
 ここでの戦いは、この先の――歴史を取り戻すための大きな戦いに大きな影響がある。
(「なら、もうちょっと頑張ろうかな~」)
 小さく頷いたアースィフィアは、巨大な黒沙の塊を丸ごと敵陣に投げつける。
「それ~、今度はこうだ~」
 黒沙は着弾と同時に鮮やかに爆ぜて、大筒入道たちを一息に薙ぎ払った。
「いいぜアースィ。あとは任せとけ!」
 その隙を逃さず空から降ってきたのはエトルリア。
 同時に、地上からはナイナと憐音の幻影の騎士たちが距離を詰めている。
 戦場を翔ける風に乗り急降下してきたエトルリアは、大筒入道の頭上から竜巻の槍を一気に突き刺し――。
「騎士が令嬢(ナイナ)を守り連携とか画になる感じじゃん?」
「たとえ装甲が厚かろうが、澄み渡る私の心に投石した報いを受けさせて差し上げます!」
 憐音の騎士たちが吶喊していく中、フェイントを織り交ぜた徒手空拳の連撃で、ナイナは次々に大筒入道たちをを叩きのめしていった。

 ――築き上げられてゆく大筒入道の残骸の山。
 だが、着実に数を減らした分――否、それ以上に大筒入道の数は増えてきているようだった。
「……っと、こんなもん?」
 未だ余力はあったが、敢えて深追いする理由もない。
 憐音の声に同じく頃合いかと零も頷く。
「まだまだ暴れ足りねえ気もするが、やり過ぎて帰れなくなるのも困るしな」
「ええ、暴れ足りない分は本番で。とくと見せつけて差し上げますわよ」
 ナイナもここは冷静に、撤退に同意する。
「んじゃ、とっとと撤退しようぜ」
 上空からエトルリアが声を響かせて、追いすがろうとする大筒入道たちの動きを阻むように風を起こした。
「早く平和になればいいね~」
 黒沙を壺に再び封じ、のほほんと、少し安心したようにアースィフィアは微笑む。
「おつおつー。んじゃ帰ろっか」
 憐音がそう告げると同時、五人は素早く踵を返し、放たれる砲弾の雨を潜り抜けながらパラドクストレインへと撤退していった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】がLV2になった!
【飛翔】がLV2になった!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV3になった!

紫空・千景
【黒華】

…この世界はあんたの管理する屋敷
今の私が住む家にもよく似てるよ

取り戻したいと願う者が
近くにいるのならば、尚更
途を開いてやろう
何より、勝手な一存で売り渡すなど気に食わん

負けられない
けれど敗北の恐怖は無い
信じられる絶対が私の隣には居る
祇伐、あんたが
守れる、唯一の桜も
誰かが取り戻したい世界も

祇伐に放たれた物理は斬撃と薙ぎ払いで断ち
残りは蠱惑の檻の中
私は蕩ける其処へ光学迷彩で入り込み
駆け、地を蹴り

虚閃一刀

存在、又は体の一部を空間ごと左様ならだ
結界を共に重ね刃を合わせて振るえば
ジョーカー這う暁の刃は敵を喰らい
…私の命迄も…全く遠慮が無い
だが其の価値は在る筈だ

…噫、引き際はこの辺りだな
戻ろう、祇伐


咲樂・祇伐
【黒華】

何処か私の故郷にも似た空気を感じる世界
この世界は、私の大切なお友達の故郷
そして、たくさんの方の大切な居場所です
勝手に売り渡す……などさせないわ

敵は何時だって強大で恐ろしい
私達に負けは許されていない、その重圧
けれど負けません
千景さんが隣に居てくれる
私には守るものも守りたい存在もあるのだから

前を見据え思い切り魔法を放ちましょう
目眩し代わりの光桜、吹雪かせ
千景さんの姿を夢と重ねて精神をハッキングして惑わせ
とろり、蠱惑の檻に閉じ込め捉えるわ

桜蜜ノ夢幻

さぁ、夢桜の幻と消えなさい
結界の守りを重ね咲かせ、早業で駆け連続で夢幻を放ち沈めていく

屈しはしません
千景さん、名残惜しいですがそろそろ退きましょう


 遥か昔の日本、平安の世。
 咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)が感じるのは、どこか――故郷にも似た空気と気配だった。
「……この世界はあんたの管理する屋敷や、今の私が住む家にもよく似てるよ」
 紫空・千景(暁の切り札・g01765)もまた、同じ空気を感じていた。
 懐かしむように細められた瞳はすぐに、目の前に並ぶ敵を凛と見つめて。
「この世界は、私の大切なお友達の故郷。そして、たくさんの方の大切な居場所です。勝手に売り渡す……などさせないわ」
 祇伐の想いに応えるように、千景は、星鏤む鞘から夜明けの刃を抜き放った。
「途を開いてやろう。祇伐、あんたのためにも」
 取り戻したいと願う者が、誰よりも近くにいるのならば尚更のこと。
「……何より、勝手な一存で売り渡すなど気に食わん」
 ――歴史を、世界を奪った敵はいつだって強大で恐ろしくて。
 復讐者である自分たちに、敗北は許されていない。
 人々に託された数多の想いと願いは、時に重く心に絡みつくけれど――。
「……負けません。私には、守るものも守りたい存在もあるのだから」
 何より、隣に在る千景の存在が大きな力になってくれていることを、祇伐は知っている。
 そして、それは千景にとっても同じだ。
 負けられないと思いこそすれど、それは重圧とはならず、敗北の恐怖は千景の中にはまるでない。
 信じられる“絶対”が、隣に居てくれるから。
 だから、唯一の桜も、誰かが取り戻したいと願うこの世界も。
 守れるという確信が、千景にはあった。
 ――前を見据え、放つ魔法には全力籠めて。
 同時に地を蹴った千景の姿を夢と重ねて隠したならば、目眩まし代わりの光桜に幻惑の桜嵐を吹雪かせて、祇伐は並ぶ天魔武者たちの心を忽ちの内に囚えてゆく。
 甘露の蜜に、夢の現。桜源郷へおいでませ――……。
 とろり、蠱惑の檻に閉じ込め甘美な夢に浸して、心も身体も御魂さえ、桜と咲かせて散らしてゆく――。
「――左様ならだ」
 蠱惑の檻に囚われた天魔武者たちを、千景は空間ごと斬り裂いて存在そのものを無きものとする。
 夜明けの刃に宿すは“虚無”の力。
 赤き破壊の光も魔光宿す砲弾も、重ねた結界で威力を削ぎ、振るう刃で断ち切った。
「さぁ、夢桜の幻と消えなさい」
 結界の守りを重ね咲かせながら、祇伐は早業で駆けて連続で夢幻を放ち、天魔武者たちを次々に沈めていく。
 そんな祇伐の桜に合わせて刃を振るえば、ジョーカー這う暁の刃は敵を喰らいながらも、同時に千景の命までも喰らって歓喜に打ち震えているのがわかった。
(「……全く、遠慮が無い。だが其の価値は在る筈だ」)
 そう、世界を取り戻すためならば――。
 たとえ、どれほど強大な敵が立ち塞がろうとも。
「……屈しはしません」
 祇伐は確かな光を柘榴の双眸に湛えて紡ぐ。
 だが、刻限は確実に迫りつつあった。
「千景さん、名残惜しいですが……そろそろ退きましょう」
 二人で倒した天魔武者たちの、物言わぬ屍の山の向こう――彼方に揺らぐ、無数の影。
 こちらへと迫りくる新たな天魔武者の群れを前に、祇伐は静かにそう告げる。
「……噫、引き際はこの辺りだな。戻ろう、祇伐」
 来たる決戦の時は、間もなく。
 必ずやこの地を取り戻してみせるという誓いを胸に、二人は踵を返した。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!

秋津島・光希
※連携、アドリブOK

皆が俺らを信じてくれてるんだ
新宿島をやらせるわけにはいかねえ

晴明の野郎を迷わず殴りに行く為にも
今できること、全力でやるぞ

[技能:一撃離脱、戦闘知識、空中戦、早業、観察、看破]

常に【飛翔】

空から攻める
速度と機動力を利用し
敵を翻弄しつつ戦うぞ

パラドクスをぶっ放したら
即、敵群からは距離を取る

動きが鈍重な敵となれば追っては来ねえだろうが
奴らは広域破壊を得意としてるって話だ
有効射程からはできるだけ離れてえ

敵からは可能な限り目を離さず
動きから砲撃のタイミングや光線の軌道を読む
あわよくば回避、難しくても軽傷で済ませてーな

攻守ともに
自分の有利な間合いを維持し
アドバンテージを取りてえところだ


本郷・夏深
軍勢を相手にできるとは、素晴らしい!
思い切り暴れられて、更に殺し放題だなんて
サービスが良すぎますよねえ

敵が放つ光弾は、躱せるものは回避し
開いた扇を盾に防いで、あるいは弾いて凌ぎます
多少被弾しても構いません
痛いのは腹立たしいですが、どうせ皆カフカに殺されるのですからね
これくらいの戯れは許してあげなくては!

頃合いを見計らって『花残』にて一帯の敵を幻の海に落とし、
溺れる幻覚に囚われている敵を片っ端から仕留めて参りたく
本当は一人ひとり、丁寧に相手して差し上げたいところなのですが
カフカと少し合間見えただけでも十分満足ですよね
なのでどうぞ、心置きなく死んでください
私に功績という名の糧を恵んでいただきますよ


明日河・理
アドリブ歓迎

_

……俺たちに敗北は許されねえから
大切なものを取り戻すためにも、絶対に勝つ

その決意と覚悟があるから、顔を上げられる
前を向ける
降り注ぐ光弾の中
恐怖をただ押し殺すのではなく
向き合って、手を取り合う様に
勇猛果敢に戦場を駆ける
凛と相手を見据えると同時に戦場の仲間の動きを把握
連携を確実に、臨機応変に対応
気配を瞬時に消し
瞬間移動の如く相手の懐へ飛び込み
捨て身の一撃にて振るう居合
狙うはその首を
音も無く、花が零れ落ちるように
今際の相手へ視線を向ければ、目が合った気がして
…アンタに直接的な恨みはない
けど、俺は前に進む
悪いなとは言わない
ひとときでも相対した相手へ敬意は忘れない

進む先へ、足を止めず


飛鳥・遊里
【ギガントマキア・オーバーパワー】起動

ここに立つのは【紅の鉄巨鬼】
ちょうどいい、お前たちと力比べしてみたいと思っていたんだ。どちらがより強固な鋼か、勝負と行こうか!(エンジンを咆哮のように唸らせて突撃)

【バスタービームシールド】と【パイルバンカーデバイス】を構え、敵陣に突入。伊達や酔狂でこんな図体してるわけじゃないぞ。連中の砲撃をシールドと機体で受け仲間の盾となりつつ、大筒の取り回しが出来ない超至近距離から攻撃する!

まだ敵の性能は未知数だ。急所や中枢がどこにあるかはわからんが、まずはパイルバンカーで確実に大筒を破砕し、その後頭部を、この鉄の拳で破壊する!鉄の鬼の恐怖、冥途の土産に持っていけ!


「ちょうどいい、お前たちと力比べしてみたいと思っていたんだ。――コード・ギガントマキア、アクティブ!」
 高らかに響いたのは飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)の声。
 それと同時に、戦場には五メートルを超える紅の鉄巨鬼――ギガントマキアが出現していた。
「……ロボじゃねえか!」
 忽ちの内にロボへと変身したように見えた遊里の姿に、秋津島・光希(Dragonfly・g01409)はついそう声を上げてしまった。
 表情の変化こそあまり見られないが、その瞳はほんの少し輝いていた――かもしれない。
「あっちのロボ?よりもでっけえや」
 大筒入道たちは数こそ圧倒的ではあるが、おおよそ二メートルほどくらいだろうか。対する遊里はというと、五メートルの鉄の巨人である。
 負ける気がしないなと笑んで、明日河・理(月影・g06522)は眼前へと向き直る。
(「……俺たちに、敗北は許されねえから」)
 大切なものを取り戻すためにも、絶対に勝つ――そう、思いを新たにして。
「ロボですねえ。これはカフカも負けてはいられません」
 したり顔で頷く本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)だが、脳内では相棒たるパンツァーハウンドのえだまめのような――巨大な白い柴犬ロボ(可愛い)を秒で想像していたのはここだけの話。否、えだまめならばそのまま巨大化してもとても可愛くて強いに決まっている。しかし巨大なえだまめに飛びつかれれば、暑さにめっぽう弱い夏深にとってはたとえその重みを全身で受け止めることができたとしてもふわふわの毛並みに埋もれたその先に待つのは以下略ではあるのだが。
 さて、と何事もなかったかのように涼しげな顔で向き直り、夏深は扇を広げて眼前に群がる軍勢を一瞥する。
「軍勢を相手にできるとは、素晴らしいですね!」
 歓喜に笑む紫の双眸を、ゆったりと細めながら。
「思い切り暴れられて、更に殺し放題だなんて、サービスが良すぎますよねえ」
 男子三人それぞれの反応に、遊里は内心満更でもなく。
「どちらがより強固な鋼か、勝負と行こうか!」
 にやりと不敵に笑い、コアエンジンを咆哮のように唸らせながら、先陣を切って突撃を仕掛けていく。
 手甲型のビームシールドとパイルバンカーデバイス――どちらも人間用の装備だが、パラドクスの力によってサイズアップしたそれらを構え敵陣へ飛び込んだ遊里は、直後に向けられた大筒の砲口に赤色の光が収束していくのを確かに捉えた。
 空が爆ぜたような衝撃と共に放たれた破壊光線を、遊里はシールドだけでなく自身が合身したギガントマキアの機体そのもので受け止める。
 凄まじい衝撃に身体中が軋むような心地がしたが、遊里は構わず超至近距離から鋼鉄の拳を繰り出した。
 盾のように聳える遊里が敵陣の只中に大穴を穿つと同時、三人も動き出していた。
「皆が俺らを信じてくれてるんだ。新宿島もこの世界もやらせるわけにはいかねえ」
 後顧の憂いを断つため、そしてこの先に控える奪還戦――断片の王たる安倍晴明を迷わず殴りにゆくためにも、今できることを、全力で。
 透き通る蜻蛉の翅を震わせながら飛翔の残留効果で舞い上がった光希は、空から眼下の大筒入道たちを一瞥する。
「落とせるモンなら落としてみろよな!」
 効果を重ねたこともありさらに速度を増しながら、その機動力を利用し猛スピードで翔け回る光希に、動きが鈍いと言われた大筒入道たちは上手く狙いを定められずにいるようだった。
「何処まででも喰らいついてやるよ!」
 光希は素早く腰部左右に装着したアームドフォートを展開させて、大筒入道たちへ激しい砲撃を浴びせていく。
 すぐさま距離を取ると同時に、赤色の破壊光線が蜻蛉の翅を掠めてゆく。
(「……チッ、厄介だな」)
 時空の法則すら歪めて行われる逆説連鎖戦では、どれほど離れても空間を超えて反撃の手は届くもの。
 けれど咄嗟に致命傷を避けられたのは、反撃に備え大筒入道たちから目を離さず、動きを良く観察し光線の軌道を読むことができたからこそ。
 顔を上げられるのも、前を向けるのも。
 敗北は許されない――その決意と覚悟があるからこそ。
 刻逆により、一度は奪われた命。
 その瞬間を、理は、一瞬たりとて忘れたことはない。
 死と隣合わせの戦場ならば、どうしたって恐怖が足に、心に絡みついてくるけれど。
 溢れて止まぬその想いをただ押し殺すのではなく、目を背けることもなく――手を取り合って共に、理は戦場を駆けていく。
 深い菫色の瞳で凛と敵を見据え、仲間たちの動きをも把握しながら。
 轟く雷のように空を裂いて降り注ぐ光弾の雨を掻い潜り、巨大な遊里の影に身を隠すと同時に気配を消した理は、次の瞬間、上空を翔ける光希を追うことにばかり気を取られ、理に全く気づかない大筒入道の懐へ飛び込んでいた。
 一秒が来るより先に、闇色纏う刃を一閃。
 寸分の狂いもなく首を狙って放たれた月葬の居合は、音もなく――まるで花が零れ落ちるように大筒入道の首と胴体とを斬り離す。
 今際の相手を見やれば、光を失くした鋼鉄の目がこちらを見ているような気がして。
「……アンタに直接的な恨みはない。けど、俺は前に進む」
 悪いな、とは言わない。
 ただ、ひとときでも相対した相手への敬意は忘れずに。
 そうして理は、勇猛果敢に次なる敵へと向かっていく。
 先へ、未来へ。足を止めることなく。
 光弾の雨を軽やかに潜り抜け、時に開いた扇を盾にして弾きながら、少々の被弾も今ばかりは構わずに、夏深は戦場を風のように駆けていた。
 痛いのは腹立たしいが、ただそれだけだ。
「どうせ皆カフカに殺されるのですからね。これくらいの戯れは許して差し上げますよ!」
 そう、最後に勝つのは夏深と決まっている。
 鉄屑から生まれ、使い捨てられるだけの雑兵たちに――夏深が与えられるものなどひとつしかない。
「ええ、ひとりも残さず、救いを恵んであげましょう」
 ――そう、“救い”である。
 口の端に刻んだ笑みを殊更に深くした夏深は、海波のような己の魔力を冷えた霧に変えて辺り一帯へと放つ。
 指先が触れただけで一瞬にして幻の海に落とされた大筒入道たちは――まるで、何が起きているのか理解ができていなかっただろう。
 それが、彼らにとっての終わりの始まりであった。
「……本当は一人ひとり、丁寧に相手して差し上げたいところなのですが、カフカと少し合間見えただけでも十分満足ですよね」
 足元が溶けてしまったような浮遊感と溺れるような感覚――それらはすべて夏深が放ったパラドクスによって齎された幻覚であるのだが、囚われてしまった時には既に遅く。
「――なのでどうぞ、心置きなく死んでください。私に功績という名の糧を恵んでいただきますよ」
 僅かでも動きを止めたが最後、幻覚の死が現実となって襲いかかり――次の瞬間には夏深の扇の一振りで一掃されていた。
 それからも四人は次から次へ、大筒入道たちを撃破していく。
(「……俺も負けてられんぞ」)
 頼もしき少年たちの戦う姿に遊里は内心で笑みながら、力強く踏み込んで。
「鉄の鬼の恐怖、冥途の土産に持っていけ!」
 パイルバンカーで大筒を破砕し、後頭部へ鉄の拳を叩き込む。
 だが、同時に遊里は彼方から更に迫り来る大筒入道の群れを捉えていた。
「増援だ! そろそろ戻ったほうがよさそうだな!」
 アームドフォートの火花を咲かせて別の二体を屠りつつ、光希が空から声を投げる。
「おや、もうそんな頃合いですか。――あなたたちの主に、来たる決戦の時を楽しみにとお伝え下さいね。……ああ、もう喋れませんか」
 夏深はというと少々物足りなさそうではあったが、軽く扇を払ってそう告げると、物言わぬ鉄屑の山に背を向ける。
 そうして、四人は後続の大筒入道たちが到着する前に、その場を後にする。
 理は最後に一度だけ振り返り、再び訪れることになるであろう戦場を見やって。
(「――必ず、取り戻すから」)
 ほんの一瞬、祈るように目を伏せた後は――振り返ることなく駆けていった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV3になった!
【完全視界】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年08月23日