リプレイ
ネリリ・ラヴラン
残留効果でさっと直しておしまいにできないのも
一緒にいる時間がたくさん取れるって思えば有意義だよね
でも力仕事は得意じゃないから【使い魔使役】で働き手を探すよ
オアシスの周りだとゾウとかバイソン辺りなら見つかるのかな?
折角だから乗せて貰いながら街に行こう
大きな荷車を作って引っ張れるようにして運搬するよ
そこの人手を減らせる分、他の仕事に人数を振れるようにできると良いね
作業の合間に、作って来たレモンの砂糖漬けを振舞うよ
砂糖は貴重そうだけどレモンはこっちの大陸でも獲れる物だから
疲労を取るのによい物って事を教えたいね
手伝ってくれた動物さんにはお別れ前に
オアシスの水で疲れを癒して貰ってから皆でお礼を言おう
冰室・冷桜
こーゆー地道な積み重ねも大事っすよねーっと
前に戦っていたディアボロスのことが伝承として残ってるんすかね、それともそれとは別の何かなのかしら
ま、そーゆーのも調べてけば分かるかしらね
力仕事が得意ーってわけでもないんで、休憩中に食べ物とか水を配ったりとか作業してる人らの手助けをしていく方針でー
人が休憩している建物があるなら【ハウスキーパー】を発動させて、休憩しやすい場所にしたげましょ
休憩中の雑談ってーことで、話し相手をしながらいろいろ話も聞いてみたいわね
そいや、ここら辺ってなんか昔話が伝わってるってーのを聞いたんすけどー
どんなのがあるんすかね?
不知火・紘希
久しぶりのオアシスだぁ。
みんな平和に過ごせてるんだね。それが何より嬉しい!
僕にできることがあるなら精一杯頑張るよ。まかせて!
といっても力はまだないから、観察とアートを活かして再建を頑張る人たちのサポートしたりオアシスの困ったことを解決するよ。
あとは信仰もだいじだから、案内人さんにきいた砂の手の英雄について子どもたちに聞いてそのご家族にも聞こう。お礼には伝統的な木彫りの人形か砂の手のオブジェあげるね。
それから大事なのがお水!
新宿島から持って入って、貯水鍋なんかで増やした新鮮なお水とそれを使った料理をオアシスの民みんなに振る舞うよ。
仲間とは情報共有して連携しながら支援をするね。
アドリブ◎
●質のよい労働には、質のいいよい休息を
残留効果は、多くの物理法則や常識を塗り替える、まさに超常の力だ。しかし、絶対のものではない。
ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)は、それをよく知っている。最後にものを言うのは、ディアボロス自身の知恵と判断、そして技術力と信念であることを。
戦いの場でなくとも……そもそもサキュバスとしてはあまり『向いていない』らしい彼女としては、こういう仕事のほうが得意ではあるのだが……それは同じことである。
「さっと直しておしまいに出来ないのも、一緒にいる時間がたくさん取れる、って思えば有意義なことだよね、うんうん」
「なるほど。良い考え方すね、それ」
冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は、ネリリらしいポジティブな捉え方に、素直に頷いた。
時間がかかるというのは、悪いことばかりではない。もちろん、これがもっと急を要する場合……たとえばクロノヴェーダの襲来が近づいているとか、今すぐにも人々が命を落としそうである、というのならば話は別だ。
そういう状況も多いのが、ディアボロスの辛いところである。しかし、今日この場所での仕事は、幸い余裕があるのだ。
「こーゆー地道な積み重ねも大事っすよねー、っと。例の伝承が、前に戦っていたディアボロスのことなんだとすれば、そーゆーのも調べていけばわかるだろうし」
緊急性が低い、という意味では優先度は低くなるかもしれないが、冷桜はそうは考えていないようだった。
ときには腰を据えて、じっくりと物事に当たるのも大事なことだ。なにせ人類史は、過去というかけがえのないものを奪われた。
だから今は、焦ることなく人々と肩を並べる。そんなネリリの考え方に、冷桜はある種の敬意を示した。
「みんな、平和に過ごせてるみたいだもんね。久しぶりにオアシスに来た僕としては、それがなにより嬉しいなあ!」
と、不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)がにこにこ笑顔で、本当に嬉しそうに呟いた。
ディアボロスの存在は、改竄された歴史の中では、砂漠の熱風に朽ちゆく獣の骨めいておぼろで、そして頼りないものだ。
だが、オアシスの人々は違う。彼らにはディアボロスに対する信頼と感謝が根付き、こちらを信じてくれている。
よき人々が、その善性に見合う安寧を享受してくれていることが、紘希には一番の喜びだった。
「どうせならたくさん話して、情報もだけど仲良くしたいな。僕たちに出来るやり方で、みんなを手助けしてあげよう!」
なので紘希も、ネリリの考え方には同意を示した。伝承に関する情報を集める……そんなディアボロスとしての目的もあれど、人々と触れ合い、手助けしたいというねがいは、紘希自身の望みでもあるのだ。
「そうだね。でもわたし、力仕事は得意じゃないから……働き手になってくれる動物がいればいいんだけどなあ」
そんな紘希に頷きかえしつつ、ネリリは顎に手を当てて砂漠の光景を見やる。
オアシスという水場には、様々な野生の動物も集まる。この地の恵みは、肥沃なナイルの流れめいて、人にも動物にも、そうでないものにも等しく与えられるものなのだ。
「ま、そのへんは私も同じなのよね。……てかもしかして、3人とも非力なタイプ?」
「あはは、うん、そうだね……なら、まずは働いてくれそうな動物を探すところから、かな?」
冷桜に苦笑いする紘希。砂漠という環境で今日まで生きてきた、オアシスの働き手たちに比べれば、たしかに「得意ではない」というのも事実である。
「うーん、あのおっきな砂丘の向こうとか、よさげな感じがするけど……ちょっと見てくるね!」
ネリリは手でひさしを作り、動物がいそうな場所に目星をつけると、一足先に飛び出していった。
その間に冷桜と紘希は、働き手の男性たちに新宿島から持ってきた水や料理を振る舞うことにした。
「いやあ、助かるよ。水はいくらあっても困らない。それにあんたたちの持ってきてくれた水は、オアシスの水よりも冷たくて美味しい、最高じゃないか!」
浅黒い肌を曝し、過酷な力仕事に励んでいたたくましい男性が、渡された水を一息に飲み干して爽やかに笑った。
「遠慮しないで飲んでね。水の大事さは、オアシスのみんなならわかってると思うけどね!」
「そうだな。倒れちゃ元も子もない。遠慮せず、たっぷりいただくとしよう」
髭をはやした精悍な男性が、紘希たちの配慮に感謝を表した。両手を皿のようにし、額に当てながらお辞儀するような、少し変わったジェスチャーだ。
「それ、もしかしてこの街に伝わるお話に関係あったりするんすか?」
目ざとく気づいた冷桜が、何気ない話を掘り下げる。
「ああ、これはこのオアシスを守ってくれた、"守りし者"への敬意を示してるんだ」
「へええ。その両手が、例の砦を作り出してくれたっていう、大きな手のひらを表している、っていうこと?」
紘希が推理すると、男性たちは「そうだ」と鷹揚に頷いた。日本人が頼み事をするとき、信心深くない人間でも両手を合わせて拝むように、そういう文化がこのオアシスの街には根付いているらしい。
「まあ、昔話は昔話さ。けど、ここにいるあんたたちへの感謝は本物だ。本当に助かるよ」
「それはどうも。……にしても、なるほどね」
冷桜は、オアシスの住人は、あくまで御伽噺だと思っていることに気づいた。だからといって彼らが、伝承を軽んじているわけでもない。
「砂の手の英雄、かあ。お話してくれてありがとう! これ、よかったらお子さんに!」
「おお、出来のいい木彫人形だな。ありがとうよ」
紘希が手先の器用さで作ったオブジェを渡すと、子持ちの男性ははにかんだ。
と、そこへ、ネリリの声。
「みんなー、頼もしい助っ人を連れてきたよー」
はてな、と一同が振り返ると、ネリリはなんとたくましい牛の背に乗り、ゆらゆらと揺られながら戻ってきていた。
どうやら【使い魔使役】の残留効果で、野生の牛を連れてきたようだ。呑気だがいかにも力自慢な牛は、もぉ、と野太く穏やかに鳴く。
「荷車を作れば、引っ張って運搬してくれるよね。そこの人手を減らせば、他の仕事に人数を振れるんじゃないかな?」
「そうだな! 何から何まで、本当に助かるよ」
「ふふ。それだけじゃないよ。実はわたしも、差し入れを作ってきてあるんだ」
ネリリが懐から取り出したのは、レモンの砂糖漬けだ。男たちは、おお、と声を漏らした。
「レモンは疲労を取るのにいいものなんだよ。質のよい労働には、質のよい休息を取らなきゃね」
「さすがね。そうそう、休息と言えば、あそこの建物のお掃除しといたから快適になってると思うす」
冷桜はネリリを称賛しつつ、休憩しやすいように【ハウスキーパー】で環境を整えたことを男たちに教えた。
「よし、じゃあ俺たちも、見合うように頑張らないとな」
「おう!」
意気込む背中を見て、紘希は目を細める。
「頼りにしてるよ。手を貸してね、牛さん!」
「わたしを連れてきてくれて、ありがとう。少しの間だけど、よろしくね」
そしてネリリも一緒に牛を撫でてやると、温厚な牛は、もぅ、と力強く鳴いた。
彼女らの発案のおかげで、人手不足は大幅に解決され、様々な他の作業を並行して進めることが出来た。
もちろん、働いてくれた牛にはオアシスの水を飲ませ、しっかり癒やしてあげたのはいうまでもない。
質のよい労働には、質のよい休息を。それは、動物でも同じなのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
シンズ・インヴェルシオ
建物ってのは大事だよ
住環境や設備って意味でもそうだし、何より目立つ。そこにあるだけで安心できる
元とは付けども、為政者としてその重要さは重々理解しているつもりさ
安心した人間の血は旨い
手間暇かけて再建し、この地に住まう美男美女から『提供』してもらえたら……イイ味になってくれそうじゃあないか!苦労が一番のスパイスとはよく言ったものだね!
オレはレンガ積みにでも従事するとしよう
材料を受け取り、連携が必要な作業だ。必然、会話が発生する
地元住民からいろいろとお話させてもらいたいね。たとえば、伝承のコトとか
壁ができたらお近付きの印に一筆、伝承を元に壁画を描いてあげるよ
イイ汗かくのも、悪くはないね
リューロボロス・リンドラゴ
英雄譚か。
良い。実に良いの。
英雄譚由来の砦ともなれば物理的な護りだけではない。
精神的な支えにもなるであろう。
それにかの英雄は街を見守り続けたのであろう?
このままにしておくのは物語られる者として忍びないのでな。
龍の加護をここに。(温熱適応)
これで仲間達も共に再建する現地の皆も働きやすくなったであろう。
後は地道にレンガ積みを……ふむ、砂、か。
伝承の再現とまではゆかぬであろうが。
我、ドラゴンなのでな。
砂も勿論使えるのだ。
舞い上げるくらいはできるし、士気を高めれるかの?
砦再建にも活かせたら幸いよ!
せっかくだ、伝承で歌われたという歌も教えてもらうかの。
くははは!
歌唱力もぼちぼちあるドラゴンである!
●美味の立役者
英雄譚。人のこころを勇気づけ、暗闇を照らしてくれる灯り。ありえないからこそ、希望という灯火をくれるもの。
「良い。……ああ、実に良いの」
ねがいを背負い、己を竜とさだめたリューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)にとって、それは馴染み深い隣人のようなものであり、ある種の友であり、そして先達でもある。
はたして、砂の手の英雄、"守りし者"とはどんなものだったのだろうか。思いを馳せれば、悠久のナイルの流れと変わらぬ砂漠の光景が、妙に親しみ深く、そして偉大に感じられた。
「……だからこそ、かの英雄が築いてくれたものをこのままにしておくのは、物語られる者としては忍びないものよな」
そして、見上げる。ここにある時の残滓、朽ちかけた砦の礎を。見る影もない、とはこのことだろうか。
「そうだねえ。建物ってのは大事だ。これじゃあ役目を果たしているとは言いがたいね」
意外にもリューロボロスに同意したのは、シンズ・インヴェルシオ(“遊蕩卿”・g07269)という軽薄そうな男だった。
事実その見た目にそぐわず、この男は軽薄である。やや不躾な表現かもしれないが、二つ名はけして伊達でも風評でもない。
自他ともに認める変人で変質者だ。そのシンズが、趣深いリューロボロスにあっさりと同意したのは、やや奇妙である。
「ほう? その心は、いかに?」
「住環境や設備としてもそうだけどね。なにより大事なのは「目立つ」ってことだよ」
どこか試すようなリューロボロスの問いかけに、シンズはなめらかに答えた。
「重厚な守りというのは、そこにあるだけで安心できる。物理的なものだけじゃなく、精神的な支えとしても欠かせないのがランドマークだからね。……どうかな、満足できたかい?」
「ふふ。満足などと、とんでもない。許せ。竜はなにかと人を試してしまうものでな」
くすりと笑いつつ、リューロボロスは詫びを漏らした。それが、シンズの考えに対する敬意と同意の表れである。
「オレは吸血鬼だけどねぇ。ついでに言うと、元はつくけど為政者でもある。重要さは重々理解しているつもりさ」
「うむ、まったくその通りよ。ならばこそ、伝承の再現とまではゆかぬが再建を……」
「それに、安心した人間の血は旨いからね!」
リューロボロスはシンズを二度見した。
「うん? ……うん??」
「手間隙かけて再建して、ここに住む美男美女からイイ味を『提供』してもらえたら……最高じゃないか!
苦労が一番のスパイスとは、よくいったものだね! オレは今回、だいぶやる気だよ。なんなら身を粉にして働くさ」
「うん、そうか。いやまあやる気であるならいいのだが。……そうか」
リューロボロスは、深くツッコまないことにした。細かいことは気にしない。だって我、ドラゴンだし。
それはさておき。
「よいしょ、っと」
「あんた、よく働いてくれるなあ! 助かるよ」
「はは、これも美味のためだよ。気にしないでいいとは言わないから、たっぷり感謝してくれ!」
言葉の端々に邪気が紛れ込んでいるのはさておき、シンズはよく働いた。
力仕事に向いていなさそうな色白の肌に汗をにじませ、レンガ積みに従事する。なるほど、動機はともかく方向性は間違っていない。むしろ見上げたものだ。
「それに仲間のおかげで、だいぶ働きやすいからね。いや、それこそ助かるってものさ」
「なに、地道な作業には環境が大事であろう。これぞ残留効果の有効活用よ」
リューロボロスもレンガを積み上げ、胸を張った。【温熱適応】のおかげで、過酷な力仕事も段違いに快適になったのだ。
「"守りし者"も、あんたたちのように肩を並べてレンガを積み上げてくれたって、大祖母様が聞いたことがあるなあ」
そんなふたりの姿に、ぽつりと地元住民が呟いた。
「ほう。他には何か、エピソードはないのか?」
リューロボロスが問いかけると、男は顎をさすり答える。
「そうだな。たしか……病人がいたら、鷹になって遠くの医者を呼んでくれたとか」
「ふうん。他の動物にも変われたんだ。まるで吸血鬼だね」
「この場合は、ジンのほうが的確だがの」
と、シンズの軽口に相槌を挟むリューロボロス。
「あちらが鷹なら、こちらはドラゴンよ。せっかくだ、何か歌を教えてくれぬか? 我の歌声を披露しようぞ!」
「へえ、いいね。ならオレは、伝承の内容を壁画にでもしてみせようか」
「あんたたち、多芸なんだな! これなら砦は、前より立派になりそうだ」
「なに、お近づきの印だよ。いい汗かくのも、悪くはないからね」
茶目っ気たっぷりに答えるシンズを見て、リューロボロスはかか、と笑った。
それから作業の合間に、舞い上がる砂を演出に使ったリューロボロスの詩歌と、それを元にしたシンズの即興壁画が披露され、男たちを大いに盛り上がらせた。その肴は、仲間たちが差し入れてくれた様々な料理だ。
流した汗と、愉快な時間。それこそが、もっとも大事な美味の立役者なのかもしれない。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
フルルズン・イスルーン
呼ばれている。呼ばれている。
伝えを残せと呼ばれている。
なんだか親近感が湧くような。ロシアでの氷の壁を思い出すねぇ。
伝承を繋げ、かつて戦った者へ届くように。ヴァンガード・ゴーレム!
ふむんふむ、まずは聞き込みして伝承知識で整理。
次いで、早業とアートで設計図作成。
そして、拠点構築と発明で全体の指揮とゴーレムくんによる補修建築を執り行うのだ。
んー、経年劣化なら砂使いで環境からのダメージを計って、頑丈になるよう【セルフクラフト】を加えようかな?
地下に災害からの一時避難所とか、貯蔵庫的なのを設けても良いかもしれない。
宗教シンボルでも利用価値があるのは大切さ。
想いだけでなく、意味があるからこそ残る物もある。
伊狩・真琴
砂を操る英雄ですか……ディアボロスだったのか別の何かだったのか。
まあ、今は私に出来ることをやっていきましょう。
さて、砦の再建となればレンガは勿論ですが、
それを加工する工具や扉などに使う金具も必要でしょう。
【鬼神通・真金吹】で使う金属製品を用意しましょうか。
あと、【修復加速】ならこの砦の再建にも使えますね。
私自身も鬼人ですから普通の人よりは力仕事が得意ですし、
積極的に力仕事は任せてもらいましょう。
古の英雄の様に一晩でとは言えませんが、
やるからには立派な砦に出来るといいですね。
メルサンク・トトメス
アドリブ・連携可
スフィンクス『プロフェッサー』を連れた古代エジプト人の神官です
一応、ディヴィジョン(神獣王朝エジプト)出身なので成人しています
好みのタイプは筋肉です
攻略旅団の調査・探索依頼内容を調査することが多いです
謎に興味を示しますが、解決方法は脳筋寄りです
改宗を迫ることはありませんが、狂信的な行動を取ることもあります
戦闘方法は格闘(【グラップル】)です
パラドクスで神の加護を得た上で積極的に行動します
神と敵との関係性によっては、神託を受ける際に神に意識を乗っ取られ、口調が変わることもあります
🔴によってネメシス化した場合はメジェドの姿を取ります
その時の布の中は意識を乗っ取っている神の姿です
●在りし日の姿を懐って
「聞こえる、聞こえるよ……ボクを呼ぶ誰かの声が」
「……はい?」
なにやらブツブツ意味深なことを言うフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)の、ただならない様子が気になる伊狩・真琴(成鬼・g02897)。気にならない人間が、はたしているだろうか。いやいない(反語)。
「何か感じることがあるのかな。ありえない話じゃないよ。もしかしたらこの建物は、過去のディアボロスが関わったものなのかもしれないし」
と、メルサンク・トトメス(𓌸𓋴𓋹𓁐𓅝𓄠𓋴・g03837)も食いついた。これまでディアボロスたちが地元住民から聞き出した伝承が、本当に事実を含んでいたのだとすれば……この世ならぬ声が今のディアボロスに響いてくるというのも、ありえない話ではない。
そして、もしそうだとしたら、メルサンクにとっては見逃せないことだ。なにせ彼女は、この古代エジプトに由来を持つ時間神官なのだから。
……しかし。
「うん。あ、いやね。聞こえるって言ってもそういうのじゃなくて、なんだろうね。親近感が湧くっていうかね??」
思った以上にふたりが真剣な面持ちで聞いてきたものだから、フルルズンも急にスンッと我に返り、へらりと言った。
「えっ、ややこしいな!? つまりただのそれっぽい台詞だったっていうこと?」
肩透かしを食らったメルサンクが声を上げると、フルルズンはぱたぱた腕を振った。
「ごめんて! でもほら、呼ばれている気は本当にするんだよ。本当に何かの声が響いてくるって意味ではないだけでね」
「はぁ……つまり、ものづくりをする者ならではのシンパシーを感じた、というところでしょうか」
フルルズンが抱えた様々な工具を見れば、彼女がクラフターであることは真琴にも一目瞭然である。
「うん。実はさっきまで聞き込みをしていたんだけど、この砦を作り出した"守りし者"とやらは、様々な動物の姿を取って街の人を助けてくれたそうだよ」
「砂を操る能力を持っていた、とはまた違うようですね。まあ、すべてが事実ではなく、渾然一体となった伝承ということでしょうが」
あまり伝承そのものを気にしていた真琴ではないが、メルサンクの推測を聞いた上で考えてみると、全体像がぼんやりと見えてくる。
「口伝されてきた内容は、願望や勘違いが混ざるものだよ。もっとも石版の類が残されていたとして、改竄を受けていただろうから、信用性は薄いけどね」
メルサンクが、真琴の思考を肯定する。この街に根付いた自然信仰が、おそらくは過去のディアボロス……それも、ジン契約者の働きをたたえたものであることは、間違いない。
様々な動物に姿を変えたというのは、そういうジンだったのか、あるいは単一の姿をしたジンにどんどん尾びれがついたのか……そこまでは、もはや想像することしか出来ないが。
ともあれ3人は、ただ朽ちた建物を眺めているだけではない。
レンガ作りに励む他のディアボロスらと同じように、汗水垂らして働く地元住民に混じって働き、復興と修復を手伝うことにした。
「伝承を繋げ、かつて戦った者へ届くように。それが、「伝えを残せ」と呼ばれたボクらのやるべきことだ! がんばるぞー!」
フルルズンがおー! と拳を突き上げると、彼女の優れた指揮を受けた地元住民(特に男手)も、それにならって同じように「おー!」と拳を突き上げた。
ついでに彼女の背後には、ブルドーザーめいて大きな盾を持ったゴーレムがおり、こちらもごうーんと盾を突き上げる。
「古の英雄のように、一晩で、とはいえませんがね。やるからには立派な砦を造り上げましょう。力仕事なら任せてください」
と宣言した真琴の言葉は、強がりや思い上がりなどではなかった。
大の男……それも力自慢の巨漢でさえも苦労するような量の荷物を、真琴は軽々と抱えあげて、ひょいひょいと運んでいるのである。
「レンガはもちろんですが、本格的な再建となれば加工用の工具や扉に使う金具などもほしいところですね」
「気をつけてね。この時代のテクノロジーを逸脱したものを残そうとすると、排斥力を受けてしまうから」
メルサンクが注意深く口を挟んだ。その上で、「けど」と言葉を続ける。
「……どうせ作り上げるなら、立派なものにしたいのはボクも同じだからね。逆に邪魔をしてしまわないように、注意しながらオアシスのみんなを手助けしよう」
「ええ。こういった建物が与える効果は、大きいものです。戦略的な意味でも、人々の心の拠り所としても」
真琴は穏やかに微笑んだ。戦いでは鬼人の怒りに駆られ、まさしく鬼神めいて荒ぶる彼女も、いまは演技や自制ではなく、こうして自然に穏やかに振る舞うことができる。
そのぐらい、オアシスでの時間はゆるやかで心地よく、戦いの合間の休息としても得難いものだった。
3人の指揮とサポート、そして残留効果の活用もあって、見る影もなかった砦の修復は瞬く間に進んでいく。
「こういう建物で注意したいのは、環境からのダメージ……つまり経年劣化だ。ボクが思うに、"守りし者"が砂を操ったっていうのは、ある種のメタファーだと思うんだよね」
「……ええと、つまり?」
真琴がピンとこない表情で首を傾げる。
「ようは、経年劣化への対策を重視して建造されたんじゃないか、ってことさ。砂で作られていれば、砂嵐に強いのは当然、って感じるだろう?」
「なるほど……伝承を紐解くには、そういう視点でものを見ることも重要なんですね」
具体的な説明を受けた真琴は、感心した様子だ。もちろん、話している間も手を動かすのは忘れていない。
「なら、壁に伝承を彫り込んでおくっていうのはどうかな。これからの人々が、正確に伝承していけるように」
「いいね! 宗教シンボルでも利用価値があるのは大事だ。それなら地下に一時避難所を設けたりして……」
メルサンクの提案に、フルルズンのクラフター魂が刺激されたらしい。手元のメモにシャッシャッと、ものすごい勢いでアイデアを書き込んでいく。
「……盛りすぎて、逆に作業を遅延させないか、ちょっと心配なんだけど、大丈夫だよね??」
「まあ、そしたらそのぶんだけ私が働きます。作業であれば任せてください」
やや不安げなメルサンクに、真琴がぐっと拳を握りしめて言い切った。
「ようし、信頼するぞう! やる気が漲ってきたー!」
おかげでフルルズンがたいへん発奮したのは言うまでもない。メルサンクは期待と舵取りへの懸念に、額に人差し指を当てて少しため息をつくのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【セルフクラフト】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
ケペシュ・ナージャ
【蠍龍】
なんでと言われても…
エジプトの出身ですから、俺
休憩したいならしていて構いませんよ
俺は向こうに行くので置いていきますけど
それにしても「守りし者の掌」ですか
本当にそんな大層な英雄がいたんでしょうかね
けれど実在していてもそうでなくても、彼の築いた砦は人々の希望となっている
そんな希望の象徴を再建することで、皆が少しでも前を向けたら良いと思います
さすがですね、翔樂
貴女の脚には敵いませんよ
力の要る仕事は俺に任せてください
それから資材を斬るのも得意ですよ
お疲れ様です、よく頑張りましたね
ソーダとは気が利くじゃないですか
では皆で乾杯といきましょう
復興と繁栄を祈って
天舞・翔樂
【蠍龍】
あっつぅうううい……!
けぺしゅ、ちょっと休け…って、
なんでそんなに
ピンピンしてるの?!
うぅー!
ボクか弱い女の子だから
これ以上働いたら
死んじゃうー!!!
ねーえー!休憩しよーよー!
…ぴぇ!?なんで置いていくの!?
あーもー!待ってよーー!
はぁ、そりゃ人助けしたい!って
言ったのはボクだけどさぁ…
その思い、ボクにも
分けてくれると
嬉しいんだけど……?
ヒンヒン言いながらも自慢の足で
素早く遠くにある
材料を取りに行って運ぶ
ボクの足はそこらの
乗り物よりずっと早いからね!
力仕事はけぺしゅにお任せ!
お疲れ様~!
疲れた体には
ボク特製の蜂蜜ソーダ!
けぺしゅにもあげる!
みんなも飲む?いいよ!
それじゃあ皆で乾杯ー!
●築き、その上にまた築き
「あっつぅうううい……!」
天舞・翔樂(天翔龍如・g06480)は日陰にぺたんと尻もちをつき、辛抱の限界に達したゆるーい声を漏らした。
一方、そんな彼女とともにやってきたケペシュ・ナージャ(砂蠍・g06831)は、平然とした表情で翔樂を見やっている。
「どうしました、翔樂」
「どうしたもこうしたもないよぉ! けぺしゅ、ちょっと休け……って」
まるで顔の中身も暑さでどろどろになろうかというレベルでだらけていた翔樂、ハッと我に返りケペシュを見上げる。
「なんでそんなにピンピンしてるの!?」
「……?」
ケペシュは、驚かれたことが心底不思議なようで、はてなと真顔で首を傾げる。
「なんでといわれても……。エジプトの出身ですから、俺」
まるで、太陽は東から昇って西に降りるのが当然だと言わんばかりの、ジョークも皮肉もクソもない平易な声音だった。
ぽかん、としている翔樂を、ケペシュは相変わらずのジト目のような平らな眼差しで一瞥し、歩き出す、
「うぅー……って、ちょっとちょっと! ボクか弱い女の子だから、これ以上働いたら死んじゃうよー!!!」
「そうですか。なら、休憩していていいですよ。どうやら、休憩用の建物を整備してくれたディアボロスもいるみたいです」
「ほんと!? よし、じゃあ休憩しよーよーけぺしゅもー! ねーえーいいでしょー!」
「はい、どうぞ。それじゃあ」
「うんありがと……ぴぇ!!?」
すたすた歩き始めたケペシュを二度見する翔樂。
「なんで!? なんで置いてくの!?」
「いや、俺は向こうに行くので……」
「だから当然みたいな顔しないでよ!? ……あーもー! 待ってよー!!」
翔樂は仕方なく立ち上がり、ケペシュをだらだらと走って追いかけた。
ありがたい残留効果のおかげでなんとか温度の問題が解決したのは、それからしばらくあとのことである。
が、それで翔樂の不平不満がなくなったかというと……。
「はぁ……」
「今度はどうしました、翔樂」
これみよがしの嘆息を無視できないのが、ケペシュという男だ。
「いやね、そりゃさ、「人助けしたい!」って言ったのはボクだよ?」
「はあ」
「けどね、ケペシュみたいに平気な顔で働き続けるのは無理だよボク。だって大変だもん!」
作業は作業である。身体を動かすというのは普通に大変なことだ。それが建築物の修繕と建築作業となればなおさら。
まあそのあたり、翔樂も手を抜かない(抜けない、とも言うが)性分なのも大いに関係しているのだが。
「そう言われても……俺は、この砦をなんとか再建したいと願っているんですよ」
「それは、どうして?」
何気ない問いかけに、ケペシュは少しずつ往時の姿を取り戻している砦を見上げた。
「本当に"守りし者"なんていう英雄がいたかはわかりません。けれども彼の築いた砦は、人々の希望となっている。
そんな希望の象徴を再建すれば、皆が少しでも前を向けるはずです」
「その思い、ボクにも分けてくれると嬉しいんだけど……?」
自分よりもずっとまっすぐな眼差しが、少し羨ましく、恨めしくもなった翔樂だった。
とはいえ、翔樂の俊足は健在だ。というか、頑張って人一倍働いてるからこその不平不満である。
口ではこうも言いつつ、自慢の足を動かし、頼まれなくてもレンガや様々な材料を運び、工事現場を東奔西走。
「さすがですね、翔樂」
力仕事を担当するケペシュの声音には、相変わらず皮肉もからかいもない。純粋な思いの発露だ。
「そりゃあね! ボクの足がどれだけ早いかは、よく知ってるでしょ!」
「ええ。……といっても、それだけではないのですが」
「ん? 何か言った??」
「いえ。作業を続けましょう。もう少しで休憩ですよ」
「ほんと? やったー!」
あの疲れをアピールする様子はどこへやら、るんるんと楽しそうに駆け出す背中を、ケペシュは好ましく思う。
ただの怠惰ではないのだ。前向きで、誰より一生懸命だからこそ、ああいう言葉がこぼれたのである。
「……さて、俺もがんばりましょうか」
そのひたむきさは、ケペシュにとっても救いになっていた。
とまあこのように、互いに働きに働いて、ようやっとの小休止。
「お疲れ様~! はいみんな、これどーぞ! けぺしゅにも!」
一番最後に休憩に入った翔樂が、冷たい飲み物をひょいひょい配る。
「お疲れ様です。よく頑張りましたね……と、これは?」
「ボク特製の蜂蜜ソーダだよ! みんなと一緒に、乾杯しよう!」
ほう、と声を漏らすケペシュ。ソーダは彼にとっての「小さなオアシス」なのだ。
「気が利きますね。置いていかずに正解でした」
「ひどいっ!? けぺしゅの薄情者ー!!」
漫才めいたやりとりに、周りからどっと笑いが溢れる。
そんな様子に目を細めて、ケペシュはソーダを突き出した。
「この砦の復興と、オアシスの繁栄を祈って」
誰よりも先に、翔樂が笑顔で応える。
「――乾杯っ!!」
ソーダのように爽やかで、灼熱の太陽よりも暖かな声が、あたりにこだました。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【ハウスキーパー】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
灯楼・弐珀
🖼弐祇
普段は色んな風景を見たりしたけれど…
偶には創るのを手伝う側も良いかな、ってね
祇伐くんは此の手の依頼は経験あるかい?
大丈夫さ、きっと君にも出来るよ
折角だから伝承に詳しい人に話も聞こっか
ワクワクする気持ちは分かるよ
それに具体的な砦の形が判れば、再現に困らないだろうし…物語を聞いて何か判るかもしれないしね
スケッチブックにラフを描けば作業効率も良くなるだろうし
恥ずかしいのは仕方ないね
見れないのは…残念だけれど
悪魔くんにも手伝って貰うよ
事前に水を用意しておきつつ、祇伐くんや他の人にも用意しとこう
熱中症は大変だしね
クッキーですか、きっと皆も喜びますよ
守りし者の掌、か
僕らも何れ、成れる日が来るともさ
咲樂・祇伐
🌸弐祇
美しい景色を創ることはあまり経験がありません
少し申し訳なさげに微笑んで、美しいものを魔法のようにつくりだしてしまう弐珀さんをみやる
あなたとならば、私にもできるかしら?
情報収集ですね!
伝承を集めてつなげて明らかにしていく
なんだかわくわくします!
私なりに皆さんの話を聴きながら、在りし日の姿を想像して描いてみ…(ちらっと同じく描いている弐珀さんのスケッチブックをみる)
…私のこれは何…
み、見せるのも恥ずかしいのですっ
私はクッキーを焼いてみました!おいしくなぁれでより美味しく
氷魔法で冷やしたお水も一緒に
皆さんの疲れがとれるよう労います
守りし者の掌
私達の手のひらも、いつかきっと
そんな風になれたなら
●いつか、そうなれるように
普段の灯楼・弐珀(絵師お兄さん・g00011)はというと、風景を「見る」側に回ることが多い。なにせ、観察はもっとも基本的で重要なインプット……どんな風景であれ、弐珀に強いインスピレーションを与えてくれる。そこから何かを「描く」のが、彼のスタイルだ。
「けどたまには、創る側を手伝うのもいいかな、ってね。そう思って誘ったんだけど……」
言いつつ、弐珀はちらり、と咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)の横顔を窺った。
「祇伐くんは、どうだい? 此の手の依頼、経験はあるのかい?」
「私は……」
水を向けられた祇伐は、少しだけ申し訳なさそうに、美しく整えられた眉をハの字に吊り下げた。
「美しい景色を創ることは、あまり経験がありません。その私が、あなたと一緒にここへ来てよかったのか、と……そう、不安に思う気持ちもあります」
「おや? 仕事の経験がなくて不安になるのはわかるけれど、僕と一緒が不安というのは、それはどうして」
不思議そうに首を傾げる弐珀から、少し視線を外し、祇伐はややためらいがちに言った。
「だってあなたは……美しいものを、いつも魔法のようにつくりだしてしまうじゃないですか」
「……ああ、なるほど。それは光栄だ。なにより、とっても素敵な表現だね」
どうやら祇伐は、弐珀のクリエイターとしての腕前をこの上なく買ってくれているらしい。だからこそ、自分が彼の創造性の一翼を担えるのか……あるいは肩を並べていいのか、引け目を感じている。
それが心から嬉しく、また妙にくすぐったくて、弐珀はくすりと笑った。けして、からかっているわけではない。
「大丈夫さ、祇伐くん。きっと君にも出来るよ」
「……ほんとう?」
祇伐は、少しあどけない表情で、微笑む青年を上目遣いに見上げた。
「あなたとならば、私にも……できるかしら?」
「ああ。絶対とは言わないけれど、創ろうとする志があるならば、作品は応えてくれるものだよ。それに……」
「……それに?」
「いや。あまりおしゃべりばかりしていてもいけない。僕らも働くとしようか」
弐珀は意味ありげに言葉を切って、とことこと歩きだしてしまった。
今度は、祇伐が首を傾げる番だ。何を言おうとしていたのか見当がつかない。けれども問い詰めたところで答えてはくれなさそうなので、「もうっ」と少し頬を膨らませつつ後に続く。
祇伐くんの綺麗なこころなら、きっとそれに見合うものが生まれる……なんて台詞が、弐珀の中に浮かんで隠れたのかもしれないが、それは本人のみぞ知るばかりなり、である。
ともあれ、弐珀たちが最初に取り掛かったのは、伝承のより詳しい掘り下げだ。
これまでディアボロスたちが得た情報に、さらにふたりが聞き出した言い伝えの数々を盛り込むことで、砦の具体的なフォルムを具象していくのである。
「その悪魔は、夕陽のように赤く、そして嵐のように素早く、何もかもを飲み込み、カラカラに干上がらせて殺してしまったという」
しわくちゃの顔に白い髭を生やした古老が、おどろおどろしい調子で語る。
「じゃが、この"守りし者の掌"が、悪魔からオアシスを守ってくれたのじゃ……」
「魔物、だなんて……一体どんなものだったのかしら」
はたしてそれは、クロノヴェーダなのか。あるいは、なにかの自然現象をモチーフにしたものなのか?
祇伐は想像を働かせ、スケッチブックに筆を走らせる。その隣では、ふうん、となにやら納得して筆を動かす弐珀。
「おそらくそれは、シムーンだろうね」
「知っているの? 弐珀さん」
祇伐にきょとんとされて、弐珀はほほえみ返した。
「なにかの本で読んだよ。真っ赤な砂のとても乾いた嵐で、熱波によって生まれるんだ。毒の嵐、なんて呼ばれたりもするらしい」
「へえ……たしかに、その魔物っていうのと同じ特徴ね」
祇伐はさすがだと感心しつつ、ちらりと弐珀のスケッチブックをみやった。
人々の心に生じた「赤い悪魔」が、おどろおどろしく、けれど美しく描かれている。
で、自分のものと見比べる。
「……私のこれは何……」
「え? どうしたんだい、祇伐くん? よければ見せ」
「だ、だめですっ」
祇伐は、慌ててスケッチブックを身体で隠した。
「ええ? どうして」
「み、見せるのも恥ずかしいのですっ」
「そっか、恥ずかしいなら仕方ないけど……それは、残念だね」
無理に見るようなことはしない紳士的な弐珀だが、表情は相変わらず笑んでいた。
恥ずかしそうに身悶えする祇伐の様子が、よほどおかしかったのかもしれない。
そうしてふたりの描いた様々なスケッチは、建設作業に具体的な指針を与え、大きく作業に寄与した。
休憩に入った男手と一緒に水を飲み、親交を深める。お茶請けは、祇伐が用意したクッキーだ。
「うん、相変わらず祇伐くんの焼いたお菓子は美味しいね。熱中症にならないように、しっかり水分を取らないと」
「お粗末様です。ふふ」
祇伐は微笑んで、いよいよ完成に向かいつつある砦を見上げる。
「"守りし者の掌"……私たちの掌も、いつかきっとそうなれるかしら」
「なれるさ。きっとね」
彼の言葉は、相変わらず同じで、そして優しいものだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】がLV2になった!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!
宮生・寧琥
遅ればせながら、さー
ねーこも来たんだケドぉ~
ふっこーのお手伝いって、めっちゃ気が楽でよい~
ねーこ、ちょぉがんばるねぇ
何かお近くのおばあちゃんとかからお話聞いたりしつつ、再建のお手伝い
えぇ~、そんなすごい人いたのぉ?
うそぉ~
え、マジのマジ??
エジプト、ヤバたんー
は。昔話にむちゅーになってしまった
むちゅーと言ってもお昼寝はしていないえらいねーこだ
更にえらさを見せねばならぬ
【Bis-CAT】で、こまごまと再建に必要な材料をあちこちに運ぶぞぅ
えっさかほっさか
あらこらしょっしょっ
建物完成したら、てよてよ拍手~
すごいねぇ、りっぱだねぇ
これでまたみんなも安心して暮らせるねぇ
ねーこもうれしみ~
めでたしめでたし
●物語の最後はいつだって
「……と、こうして父親が無事に見つかり、親子はオアシスで涙ながらに再会したのじゃよ」
「えぇ~、その英雄さんって、すごぉい。砦を作るだけじゃなくて、人探しも出来たんだねぇ~」
しわくちゃの顔を笑みにほころばせた老婆の語り口に、すっかり夢中の宮生・寧琥(チェネレントラ・g02105)。ぺちぺち拍手をしていたが、ハッと我に返る。
「しまった。昔話にむちゅーになってしまった……!」
おかげで作業の手はさっぱり止まっていた。けど、昼寝はしていない。なので問題ない、いやむしろ偉いのでは? と速攻で考えを切り替える。別に偉くはない。
「ふふふ、この婆の話をそんなに楽しそうに聞いてくれるだなんて、いい子だねぇ」
「えへへぇ~。ねーこ、やっぱりいい子ー? おばあちゃんのお話、とぉっても面白かったよぉ」
"守りし者"の活躍は、砦の建造にとどまらない。砂漠で遭難した父親を見事に探し当てたり、病人のために鳥に変じて空を駆けたり……まさにおとぎ話の英雄に相応しい八面六臂だ。
その多くが「その状況に適した動物の姿に変身した」というものであることから、おそらくは多彩な形態を有するジンと契約した過去のディアボロスがいたか……はたまた、複数の存在の話が、ひとりの英雄に統合されたのだろう。
いずれにしても、真相は歴史の改竄に伴い消えてしまった。今、その過去を示すのは……完成しつつある、あの建物だけだ。
寧琥はそのフォルムを見上げ、ぐっと拳を握りしめた。改めて、頑張って彼らの心の拠り所を再建するために。
その決意が実って、"守りし者の掌"は、おとぎ話に相応しい威容を取り戻した。
「おお、これが……」
「みんなの成果だな!」
沸き立つ住民らに、寧琥はてよてよと拍手をした。
「すごいねぇ、りっぱだねぇ。これでまた、みんなも安心して暮らせるねぇ」
ほわほわ、にこにこと心の底から嬉しそうな笑顔を浮かべる寧琥。
「ああ、あんたたちには感謝しないとな。ここにいるあんたたちが手助けしてくれたのは真実なんだ」
「ふふふ~。ねーこもうれしみ~」
住民たちの感謝にもほわほわとのんびり答えて、改めて"守りし者の掌"を見上げる。
「これにて、一件落着ぅ? ……んーん」
物語の最後はいつだって、こうあるべきだ。寧琥は言い直した。
「めでたしめでたし、かなぁ」
ぽつりとこぼれたその言葉は、喜びに沸き返るオアシスの喧騒に、奥ゆかしく紛れていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!