リプレイ
無堂・理央
鬼馬四天王の坂田・金次、か。
名前自体は立烏帽子を倒した直ぐ後位に聞いたけど、相見えるまで意外と時間掛かったね。
無双馬『クロフサ』に騎乗して、いざ参る!
の前に聞き出せる情報は少しは聞き出した方が良いかな?
例えば、大江山以北にいる敵の情報とか。
「鬼馬軍団は大江山で大暴れして敵を押し返してたそうじゃない」
「それだったら、北にあるディヴィジョンのクロノヴェーダ種族についても色々知ってるんじゃない?」
「どんな種族で、どんな戦い方をしてきたのか教えて貰えるかな?
「教えてくれたら、平城京まで押し込んだ鬼妖よりも北の敵への対処が優先とボク等ディアボロスの矛先が行くかもね?」
北と事を構えるのは後回しだろうけど。
●鬼馬四天王『坂田・金次』見参
「さぁてと。殿を務めるとは言ったが、やっぱ敵が来るのをただ待ってるだけってのは、どうにも俺の性に合わねえな」
ひと際巨躯を誇る赤銅色の鬼馬に跨った鬼馬四天王『坂田・金次』は、退屈そうに手にした巨大なまさかりを担ぎ直した。金次率いる鬼馬軍団は、小高い丘の上に陣取り、周囲に警戒の目を向けている。
だが幸か不幸か、それほど待つことなく、ディアボロス達は金次の前に姿を現した。
「鬼馬四天王の坂田・金次、か。名前自体は立烏帽子を倒した直ぐ後くらいに聞いたけど、相見えるまで意外と時間掛かったね」
無双馬『クロフサ』に跨った無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)は、丘の下から鬼馬軍団の陣を見上げる。
「おう、来たかディアボロスども! なら、早速戦を始めるとするか!」
喜色を浮かべ手綱を握る金次に、しかし理央はすぐには応じない。
「戦うことに異存はないけど、その前に少しだけ話を聞かせてよ」
「ああ?」
途端に不機嫌を露わにする金次だったが、すぐに思い直したように手綱から手を離した。おそらく事前に『碓井・光雪』から、できるだけ時間を稼ぐようにと言い含められていたのだろう。
「鬼馬軍団は、大江山で大暴れして敵を押し返してたそうじゃない」
「……よく知ってやがるな」
金次が、感心と警戒の入り混じった声で応じる。
「それだったら、北にあるディヴィジョンのクロノヴェーダ種族についても色々知ってるんじゃない? そいつらがどんな種族で、どんな戦い方をしてきたのか教えて貰えるかな?」
理央の問いかけに、金次は顔をしかめた。
「それを知ってどうする。っていうか、そもそもそれをてめぇらに教えてやる義理はねえよ」
「義理はなくても得はあるかもよ? 教えてくれたら、平城京まで押し込んだ鬼妖よりも北の敵への対処が優先とボク等ディアボロスの矛先が向くかもね?」
それは理央のはったりだったが、金次は乗った。そもそも、ディアボロスに漏らしたからといって、特に鬼馬軍団にとって不利益がある情報というわけでもない。
「奴らは、一言で言えば、鉄の体躯を持つ武士だな。雑兵であっても油断ならないが、武将はとにかく強い。まともに戦えば、俺だって敵わないだろうぜ」
精強を以て知られる鬼馬軍団。その精鋭中の精鋭たる四天王がそういうほどの相手が、京の北には存在する。
思わぬ事実に、理央は目の前の戦いも一瞬忘れて戦慄したのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
弐伊原・祈織
ふん、鬼でも妖怪でもなく陰陽師……安倍晴明に従っているくせに鬼馬軍団の幹部で鬼の英雄面とは、滑稽だな
そう挑発も交えつつ、安倍晴明が鬼なのか妖怪なのかを引き出せる会話をまずは最初に
そうだ、我らは断片の王の正体を知っている
安倍晴明……かの『裏切り者』がこの地獄変の王とは、皮肉なものだ
まぁ、平安と言えば安倍晴明の名が出る位には偉人ではあるが、何を以てディヴィジョンは断片の王を選出している?
それと……ディヴィジョンの全ては断片の王の所有物
ならばその全てを得ているにも等しい断片の王は何を目的とする?
断片の王とは……『原初の王』に至るための通過儀礼なのか?
ドイツでの最終決戦で聞いたワードをここに出す
●挑発の果てに
「ふん、鬼でも妖怪でもなく陰陽師……安倍晴明に従っているくせに鬼馬軍団の幹部で鬼の英雄面とは、滑稽だな」
弐伊原・祈織(黒白二元剣術流祖・『二意天双流』・g01487)は『坂田・金次』へと、挑発するようにいきなり辛辣な言葉を投げつけた。
「ああっ!? 喧嘩売ってんのか、てめぇっ! てめぇこそ安倍晴明が唯の陰陽師と思ってんなら滑稽だな。奴は唯の陰陽師でも、かといって鬼でも無い。安倍晴明は、妖怪だぜ?」
挑発に乗っていきなり口を滑らせた金次へと、祈織はさらに言葉をぶつける。
「安倍晴明……かの『裏切り者』がこの地獄変の王とは、皮肉なものだ。まぁ、平安と言えば安倍晴明の名が出る位には偉人ではあるが、何を以てディヴィジョンは断片の王を選出している?」
祈織の問いに、金次は今度は不審げな表情を浮かべた。
「『裏切り者』だとか『選出』とか、なに訳の分からないことを言ってやがる? 断片の王ってなぁ選ぶもんじゃねえ。少なくとも、安倍晴明は、最初から王として存在しているんだよ」
その答えには、今度は祈織の方が困惑する番だった。
「待て。安倍晴明が元から王だとして、ディヴィジョンの全ては断片の王の所有物のはず。ならばその全てを得ているにも等しい断片の王は何を目的とする? 断片の王とは……『原初の王』に至るための通過儀礼なのか?」
かの『機械化ドイツ帝国奪還戦』において最後に空中要塞ビスマルクが言っていた言葉を思い出し、祈織がそう疑問を口にする。
「原初の王じゃあねぇが、断片の王は断片の王の戦いに勝利する事が目的に決まってんだろう。俺だって、断片の王であれば、全ての世界を統べる為に戦うだろうぜ。まあ、今の俺の目的は、目の前のてめぇらを完膚なきまでに粉砕することだがな」
金次はそう言って、まさかりを構え不敵な笑みを浮かべて見せた。
成功🔵🔵🔴
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
レオニード・パヴリチェンコ
ん。相手にできるだけ時間は与えたくはないけれど
大地を奪還できるほどに排斥力を弱まれば、ボクたち以外の周りからもきっと攻められる筈、ドイツはそうだったと聞いている、よ
だから、それに備えるためにも情報は欲しい所
鉄の武士……それにキミたちのような精鋭がそこまで言うとは、ね
武将というのはジェネラル級のことなのかな、それともアヴァタール級でもそこまでの手練れが溢れている、と?
これからキミたちが放棄した大江山にそんな奴らが攻めてくるっていうのならボクたちも相応の備えに力を割かないといけないだろうね
鬼馬軍団にはキミたち四天王や頭目を筆頭に多くのジェネラル級が存在した筈
それらを相手取れるだけの将がいるのか、な
●北の脅威
『坂田・金次』率いる鬼馬軍団が陣取る丘を前にして、レオニード・パヴリチェンコ(“魔弾卿”・g07298)は思案した。
(「ん。相手にできるだけ時間は与えたくはないけれど。大地を奪還できるほどに排斥力が弱まれば、ボクたち以外の周りからもきっと攻められる筈、ドイツはそうだったと聞いている、よ」)
レオニード自身は『機械化ドイツ帝国奪還戦』には参加していないが、その時の状況は他のディアボロス達から聞いている。
(「だから、それに備えるためにも情報は欲しい所」)
レオニードはそう決意を固めると、ディアボロス達を睥睨する金次へと声をかけた。
「北の地にいるという鉄の武士……それに対して、キミたちのような精鋭がそこまで脅威と言うとは、ね」
その物言いに挑発されたと感じた金次がレオニードへと目を向け……拍子抜けしたように首を傾けた。
「なんだぁ? まだガキじゃねぇか。ガキが訳も分からず戦いに口を出すもんじゃあねえぜ」
だが、レオニードは金次の馬鹿にしたような態度も意に介さず、更に問いかける。
「武将というのはジェネラル級のことなのかな、そともアヴァタール級でもそこまでの手練れが溢れている、と?」
「ガキのくせに物怖じしねぇな……。その度胸に免じて特別に答えてやる。奴らの全ての武将がジェネラル級ってわけじゃねぇが、少なくとも宗全の奴はジェネラル級だ。大体奴らがいくら強いと言ったって、俺たちがアヴァタール級如きに後れを取る筈が無いだろう」
金次の答えに、レオニードは考え込む様子を見せた。
「もしこれからキミたちが放棄した大江山にそんな奴らが攻めてくるっていうのなら、ボクたちも相応の備えに力を割かないといけないだろうね」
「おう。お前らに奴らの相手ができるものならやって見せろ。できるものならな」
「それにしても、鬼馬軍団にはキミたち四天王や頭目を筆頭に多くのジェネラル級が存在した筈。鉄の武士には、それらを相手取れるだけの将がいるのか、な」
そのレオニードの質問に、金次の表情が真顔になる。
「悔しいが居る。敵の勢力は強大だ。……なんだ? 俺が敵の力を素直に認めたのが意外か? あのな、自分の実力と相手の実力を正確に把握できねえ奴は、戦場では長生きできねぇんだよ」
そう言い切った時の金次は、正に歴戦の武将そのものの面構えをしていたのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
近衛・悠
こちらが一般人を犠牲に出来ない事を逆手に取ったか。時間稼ぎとはいえ、見捨てるほど冷血には出来ていない。絶対助けてみせるさ。
刀剣兵が飛ばす斬撃の衝撃波が危険だな。【ダッシュ】で一般人の所に駆けつけて【地形の利用】【情報収集】【観察】で敵の群れの動きを見て、飛んでくる斬撃の軌道を正確に捉えてリピードペインでそのまま衝撃波を返して
やる。勿論タダでは返さないぞ。リピードペインに【呪詛】【毒使い】【貫通撃】【気絶攻撃】を合わせて痛いお返しだ。
まあ、数が多いのでパラドクスで返しきれない攻撃は【残像】で回避。間違っても一般人に攻撃が向かないように【臨機応変】に動き、庇う事も視野に入れる。
渦中・浪刃
※連携・アドリブ歓迎
平安京への侵入阻止では終わりませんか
奪われぬ為に引き続き力を尽くしましょう
【飛翔】で戦場を飛び回る
戦場を[観察]し[情報収集]
人家や村人が狙われていたらそちらを優先
空より急降下、敵の攻撃を哭切で受け止め家や村人を背に庇う
敵の気をこちらに引き付け、村人が逃げられるよう[時間稼ぎ]を
体が鈍っているならば、お相手頂きましょうか
先達て撃破した鬼馬軍団よりも手応えがあると良いのですが
あえて不敵に笑み、敵の間を飛んですり抜け片影での[投擲]や哭切の[貫通撃]で馬の足を狙う
足並みが崩れたところで【双翼魔弾】
刀を持つ手を優先して攻撃しましょう
奪うのならば、当然奪われる覚悟もお持ちでしょう?
●人々の盾として
炎に包まれた集落を、異形の馬『鬼馬』に跨った鬼馬軍団の『刀剣兵』が蹂躙するように駆け回る。
突如降りかかった災厄を前に、集落の人々は成す術もなく逃げ惑うだけだった。
そして刀剣兵達にとって、無力で無防備な村人たちは格好の獲物だ。
「イヤッハーッ!! 怯えろ、泣き叫べっ! そして恐怖と絶望の中で死んでいけーっ!!」
刀剣兵の一体が、手にした刀を必死に逃げる村人へと振り下ろす。
「そうはさせません!」
その瞬間、遥か上空から急降下してきた渦中・浪刃(渦隠・g02250)が、刀剣兵と村人の間に飛び込んだ。間一髪、浪刃は手にした黒い刀身の刀『哭切』で刀剣兵の振り下ろした刀を受け止める。
「な、なんだてめえはっ!!」
予期せぬ乱入者に目を剥く刀剣兵は無視して、浪刃は村人に今のうちに逃げるようにと促した。村人も状況がよく分からないまま、必死に走ってその場を離れる。
だが、刀剣兵は一体だけではない。逃げ出したその村人を逃すまいと、他の刀剣兵が周囲から集まりだした。
「こちらが一般人を犠牲に出来ない事を逆手に取ったか。時間稼ぎの策に乗るのも悔しいが、とはいえ、人々を見捨てるほどこちらも冷血には出来ていない。絶対助けてみせるさ」
近衛・悠(黄昏のフィラメント・g02300)はその刀剣兵達の動きにいち早く気付くと、背中の翼をはためかせ、刀剣兵達の動きを妨害するように飛び込んでいった。
「平安京への侵入阻止では終わりませんか。奪われぬ為に引き続き力を尽くしましょう」
浪刃も『哭切』に力を込めて、打ち合わせていた刀剣兵の刀を跳ね上げた。体勢を崩した刀剣兵が、落馬しないよう慌てて手綱を握ってバランスを取る。
「て、てめぇっ! いいところで邪魔しやがって!」
「山に籠って体が鈍っているならば、お相手頂きましょうか」
いきり立つ刀剣兵に、浪刃は静かに『哭切』の切っ先を向けた。
(「さて、先達て撃破した鬼馬軍団よりも手応えがあると良いのですが」)
浪刃は不敵にほほ笑むと、デーモンの力を宿した魔力の翼で宙へと舞い上がる。そのまま低空飛行で鬼馬の足元をすり抜けるように飛び回りつつ、哭切を振るって鬼馬の足を切り裂き、或いは黒塗りの棒手裏剣『片影』を投じて鬼馬の首や足を狙う浪刃。
攪乱するように高速で飛び回る浪刃と悠の動きに苛立った刀剣兵達は、鋭く刀を振るって発生させた衝撃波で、二人を切り裂こうとする。
「そうくるだろうと思っていたぞ」
だが、刀剣兵の攻撃を誘発することも、悠の狙いの内。悠は飛んでくる衝撃波の軌道を正確に捉えると、その一撃を即座に再現して見せた。それこそが悠のパラドクス【リピードペイン】。悠の再現した衝撃波と刀剣兵の放った衝撃波が激突し、だが威力は自身の呪詛をも込めた悠の方が上だ。自身の得意技であったはずの衝撃波に、刀剣兵が鬼馬ごと吹き飛ばされていく。
こうして、刀剣兵達の足並みが乱れたところで、浪刃は一気に上昇に転じた。そして、刀剣兵達が態勢を整え直すよりもh早く、上空から魔力の弾丸を撃ち放つ。
魔弾に射抜かれた刀剣兵達が落馬し或いは刀を取り落とすのを見下ろして、浪刃は戦場には似合わない穏やかな笑みを浮かべた。
「奪うのならば、当然奪われる覚悟もお持ちでしょう?」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
ポーリーン・フォレット
人様の家に火をつけるだなんてとんでもなく罪深いことだわ
大切なものも全てが灰になってしまうんだもの…
それがどれだけ人を絶望させるか、永遠に分からないでしょうね
貴方達!泣いて謝っても許してあげないんだから!
さあ、行くわよ!アイリーン!
問答無用の青龍水計でまとめてドーン!よ!
消火にも役立つように水源を出しておきましょうね
水の力を思い知りなさい?
刀をそんなに振り回して、悪い子ね?誰かに当たったらどうするの
…まぁこんなお説教も意味は無いでしょうけど
それでも言わずにはいられないのよ
だっておばあちゃんの私に出来ることなんてこれぐらいだもの
私は非力だからみんなの足を引っ張らない程度で共闘やアドリブは大歓迎よ
一騎塚・喜一
鬼馬軍団は以前より罪のない人々を巻き込もうとしていましたね
そのような卑劣な行い、二度と出来ないよう徹底的に叩く時です
相手の獲物も刀剣
こちらも刀で応戦したいところですが強敵のようですし
まともに戦っては恐らくこちらが不利
大切な刀を囮のように使うのも心苦しいですが人々を守り、害をなす敵を倒すことが最優先です
刀の構えは【フェイント】で、本命は…跳躍からの【瓢風】による蹴りです
倒れてくれれば良しですが、最低でも馬上の相手の体勢を崩せましたら仲間の攻撃の好機に繋がるかもしれません
反撃で斬られようとも、こんな痛みは襲われた人々の辛苦に比べれば大した傷ではありません
動ける限りは【勇気】を以って迎え討ちます
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎・使える残留効果は全て利用)
要は、逃がさず手早くボコボコにすりゃあいいんだろう
堅気の奴ら(一般人)に手は出させねえ
しっかりこっちの相手をしてくれなきゃ、喧嘩として面白くねえからな
(守ってやる云々なんてガラじゃねえ。理由としちゃ、そっちの方がしっくりくる)
適当に時間稼ぎ…なんて、ナメた真似してくれるなよ
周囲のディアボロスと声を掛け合い、連携して動く
状況把握と情報共有を意識
攻撃時は【禍竜の鉄槌】を使用
敵を挑発して引きつけ、【泥濘の地】で機動力を削ぐ
弱っている個体を優先して狙い、数を減らしていく
敵の攻撃は長ドスや尻尾、翼を使って受け流す
準備運動ぐらいには、なってくれるんだろうなあ?
●許されざる者
家が、畑が、燃えていた。
その地獄のような光景に、ポーリーン・フォレット(「おばあちゃん」と呼んで・g06164)は深く心を痛めていた。
「人様の家に火をつけるだなんてとんでもなく罪深いことだわ。大切なものも全てが灰になってしまうんだもの……」
オラトリオのアイリーンが、彼女を慰めようとするかのように、その肩をポンポンと叩く。
「鬼馬軍団は以前より罪のない人々を巻き込もうとしていましたね。そのような卑劣な行い、二度と出来ないよう徹底的に叩く時です」
一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)が、『紫羅欄刀』を構えて集落へと一歩踏み出した。
「要は、逃がさず手早くボコボコにすりゃあいいんだろう。これ以上、堅気の奴らに手は出させねえ」
伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)が、強面の顔に凶悪な笑みを浮かべつつボキボキと拳を鳴らす。
3人の接近に気付いた鬼馬軍団の『刀剣兵』達が、新たな獲物を見つけたとばかりに馬首を3人の方へと巡らせた。
「貴方達のやったことがどれだけ人を絶望させるか、永遠に分からないでしょうね。貴方達! 泣いて謝っても許してあげないんだから!」
真っ先に動いたのは、ポーリーンだった。彼女の深い怒りに応じるかのように、突如ポーリーンの足元から洪水の如く大量の水が噴き出し、刀剣兵達に襲い掛かったのだ。
「な、なんだこりゃあっ!?」
先頭を走っていた数体の刀剣兵が鬼馬ごと水流に飲み込まれ、流されていく。
「さあ、行くわよ! アイリーン! 水の力を思い知りなさい?」
ポーリーンが手を掲げると、残った刀剣兵達は、水流を警戒し散開していった。
その隙に、飛び出したのは喜一と逸だ。
「そちらの獲物も刀剣。ならばこちらも刀で応戦させていただきましょう!」
喜一は紫羅欄刀を振り上げると、跳躍し刀剣兵の一体へと切りかかっていく。
「しっかりこっちの相手をしてくれよ? でなきゃ、喧嘩として面白くねえからな」
逸も日本刀『長ドス』を抜き放つと、別の一体へと突撃していった。
「鬼馬軍団の中でも刀の扱いに長けた俺らに刀で勝負を挑もうってのか、おもしれえっ!」
刀剣兵も刀を構えて二人を迎え撃つ。
「参ります!」
喜一の大上段からの一撃を、しかし刀剣兵は難なく自身の刀で受け止めた。得意げにニヤッと笑みを浮かべる刀剣兵。だが、喜一の本命は別にあった。
(「大切な刀を囮のように使うのも心苦しいですが人々を守り、害をなす敵を倒すことが最優先です」)
突如、喜一の体が空中で回転した。直後、繰り出された強烈な後ろ回し蹴りが刀剣兵に炸裂する。その直撃を首筋に受けた刀剣兵は、体ごと馬上から吹き飛び、地面に叩きつけられて動かなくなった。
だが、刀剣兵は一体だけではない。着地した直後の喜一へと、別の刀剣兵が鋭い斬撃を浴びせかけた。
「くっ……。ですがこんな痛みは襲われた人々の辛苦に比べれば大した傷ではありません」
肩を切られつつも、反撃に放った回し蹴りで鬼馬の足を砕き、転倒させる喜一。
そして逸もまた、複数の刀剣兵に取り囲まれ、窮地に陥っていた。それでも逸は、刀剣兵の繰り出す斬撃を長ドスだけでなく、ドラゴニアン特有の翼や尾も駆使して、受け止め、弾き、何とか致命傷を避けていく。
「うっとうしい連中だ。なら、まとめて砕けて吹き飛べ」
刀剣兵の隙を見て翼を大きく広げて飛翔した逸は、一転して急降下するとまるで自身が鉄槌と化したように大地に拳を叩きつけた。その衝撃で大地が避け、その裂け目へと刀剣兵達が飲み込まれていく。
「適当に時間稼ぎ……なんて、ナメた真似してくれるなよ」
逸が再び翼を広げながらそう言い放ち、
「この集落の人達のためにも、ここで倒れるわけにはいきません」
喜一が傷を負った体に鞭を打って紫羅欄刀を構えた。
「刀をそんなに振り回して、悪い子ね? 誰かに当たったらどうするの」
そして後方では、燃える家々を必死で消火していたポーリーンが、まるで子供にでも言い聞かすようにそう説教する。
「おいばあさん、こいつらにそんなこと言ったって無駄だぜ?」
あきれたような逸の言葉に、分かっているというようにポーリーンは頷きつつも、
「それでも言わずにはいられないのよ。だっておばあちゃんの私に出来ることなんてこれぐらいだもの」
そう言いつつ放たれた水流がまたも、何体かの刀剣兵を押し流していった。
こうして、連携して戦うディアボロスの前に、集落を襲っていた刀剣兵達は次第に数を減らしていき、遂には壊滅していったのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【水源】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
●決戦の幕開け
集落を襲撃していた別動隊が壊滅したことは、早馬によってすぐさま『坂田・金次』にも伝えられた。
「おいおい、ちょっと早すぎんだろ。全然時間稼ぎになっちゃいねえぞ。何のために俺がディアボロス共と無駄話してまで時間を稼いでたと思ってんだ」
『刀剣兵』達があっけなく壊滅したことは、金次にとっても想定外だったのだろう。苛立ちの色を浮かべて周囲の『鬼馬武者』達に当たり散らす。
「金次様、『碓井・光雪』殿の策も確かに大事ではありますが、いざ戦場に臨んでは臨機応変に動くことこそ寛容。かくなる上は総力戦でディアボロス達を蹴散らすべきでは」
荒れる金次に、直営部隊たる鬼馬武者の一人がそう進言する。
「おうよ。慣れねえ時間稼ぎもおしゃべりも、もう終わりだ。こうなりゃあ本隊が撤退を完了するまで、俺らは暴れて暴れて暴れまくってやるぜっ!!」
金次が、巨大なまさかりを高々と掲げて鬨の声を上げる。
いよいよ、坂田・金次とその直営部隊との決戦が始まろうとしていた。
菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
戦闘中は適度に煽って【挑発】
護衛の連中か……肩慣らしにゃ丁度良いぜ。
楽しい楽しい大一番だ、まずはお前らで遊ばせて貰おう。
遠めから撃たれるのは面倒くせえ、さっさと近付くが吉ってな
その辺の小石でも投げて【撹乱】
弓の狙いを絞られないように牽制しながら【ダッシュ】で一気に接近だ
手近な奴に首尾良く接近出来たらパラドクスで掴みかかり持ち上げる
馬鹿正直に斬り合うつもりもねえしな
鬼馬を盾にしながら敵群へ【突撃】してまとめて薙ぎ払ってやる
大暴れはお前らだけの特権じゃあ無えってな。
さあ、殴り合いといこうぜ!
シル・ウィンディア
護衛も強そうだよね…。
でも、ちょっぴりワクワクしちゃう自分がいるのが、ね?
さぁ、やろうかっ!!
飛翔で上空に舞い上がってから、残像を生み出しつつ空中戦機動を開始っ!
撹乱を行いつつ、惑わせていくよ
敵の攻撃にはしっかり反撃をっ!
攻撃被弾時は、光の翼を前面に出しての防御(ガードアップ)で防ぐよ
こちらの攻撃は、世界樹の翼type.Cの誘導弾を敵の目の前に撃ち込んで、少し時間稼ぎ
その間に高速詠唱を行ってから、天翔残影砲でまとめて撃ち抜いていくよっ!
一撃は低くても…。
纏めてならこっちの方が有効だからねっ!
さぁ、乱れ撃つよーっ!!
さて、武者様?これからしばらく付き合ってもらうからね?
白水・蛍
アドリブ/連携○
使用出来る残留効果は全て使用。
護衛軍を剥がして何としてでも坂田・金次に接敵いたしましょう。
敵の相手の隙を<観察・看破>で見切って、けん制に<演奏・演説>にて言葉・音の魔力を増幅させて攻撃しつつ<撹乱>。
隙を作るのに、<念動力・砂使い>で目つぶしも狙ってみましょう。
隙を見つけたら、パラドクス使用。
我が声は、我が音は皆様と共に描く未来への希望!
その一端を此処に!
味方に希望を。敵には絶望を!
反撃や途中の攻撃は魔力障壁にて受け止めます。
味方と密に連携しつつ1体1体確実に仕留めていきましょう。
モリオン・スモーキー
連携/アドリブ歓迎
そこを押し通らせていただきます。
逃がすわけには行きませんから。
敵に向かって≪ブレード≫と≪ショートソード≫を引き抜きつつ走ります。
敵に対して≪ダガー≫を<誘導弾・砲撃>として投げつつ牽制。
<連射>も出来ます。
直接真っすぐ来るならそれも好機ですね。パラドクスを使用します。
風の宝石を解放して、風の魔力の刃を相手にぶつけます。
多数の敵をこれで薙ぎ払いましょう。
敵の反撃や途中の攻撃は【飛翔】<残像・ダンス>での回避を試みます。
直接ぶつかるのは大変そうですから。
味方と連携し、敵を斬りはらい、少しずつでも前に進みましょう。
アンゼリカ・レンブラント
さぁ本丸前にまずは護衛を切り崩していこうか!
踏み込むタイミングを仲間と合わせ、
飛翔で駆けてめいっぱい力強く
パラドクスで斬り付けよう
倒す倒さないは問わずすぐに一撃離脱し、
囲まれないように次の目標を攻撃っ!
敵の数が減っていくまではヒットアンドアウェイで
消耗を抑えつつ削っていくねっ!
あらゆる間合いに対応できるみたいだけど、
空を高速で翔ける目標は捉えられるかな
敵の攻撃・反撃を受ける時も光のオーラで
致命打を防ぎ、光剣で受けて凌ぐね
こちらからの再攻撃だっ
仲間と連携し数を減らしていったら
徐々にこちらから敵を包囲するよう動き、殲滅だよ
全力の《飛翔光剣斬》で、一刀両断だよ
これで、どうだーっ!
※アドリブ・連携歓迎
ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します
2体のジェネラル級が連携すれば厄介だけど、そう易易とさせるわけがないのよね!
それじゃ、本番前のリハーサルと行きましょ!
【飛翔】があれば上から、マイク兼杖のレゾネイトから【誘導弾】を【連続魔法】で連射して注意を引きつつ目眩まし!
次から次に誘導弾を飛ばして、なるべく複数の敵に視認されるようにするわね!
相手からの攻撃は、馬の動きをよく【観察】しつつ、【ダンス】するように回避して更に視線をこっちに引くわ!
十分注意を引けたら【羨望と幻惑の最大光量!】を【全力魔法】で撃ち放つわ!
ふふん、この光の中で踊れる人はいるかしら!
居ないならこの魔力弾でも食らってなさい!
●激戦、鬼馬武者軍団
丘の上から聞こえてくる鬨の声に、ディアボロス達も決戦の時が来たことを悟る。
「まずは護衛の連中か……肩慣らしにゃ丁度良いぜ」
菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)が拳を打ち合わせて、豪快な笑みを浮かべた。
「護衛も強そうだよね……。でも、ちょっぴりワクワクしちゃう自分がいるのが、ね? さぁ、やろうかっ!!」
シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は光の精霊の力で背中に2対の光の翼を発生させると、遥か上空へと舞い上がっていく。
「さぁ本丸前にまずは護衛を切り崩していこうか!」
「2体のジェネラル級が連携すれば厄介だけど、そう易易とさせるわけがないのよね! それじゃ、本番前のリハーサルと行きましょ!」
アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)とソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)も、シルに続くように次々と大地を蹴って宙へと飛び上がっていった。
「そこを押し通らせていただきます。逃がすわけには行きませんから」
一方で、モリオン・スモーキー(存在奪われし魔術発明家・g05961)は魔法再現型試作ガジェットの『タイプブレード』と『タイプショートソード』を構え、地を蹴って駆け出していく。
「楽しい楽しい大一番だ、まずはお前らで遊ばせて貰おう」
桐梧も街道に落ちていた小石をいくつか拾いつつ、その横に並んで大股に駆けていった。
「私も参りましょう。護衛軍を剥がして何としてでも坂田・金次に接敵いたします」
敵の陣地の様子を観察していた白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は、手薄な箇所を見切ると、言霊を乗せた歌を口ずさみつつ、先に敵陣に向かっていった仲間達の後に続いていく。
「攻め寄せてきたぞっ! 迎え撃てっ!!」
『坂田・金次』の直営を務める鬼馬軍団の『鬼馬武者』達は、一斉に弓に矢を番え、狙いを定めて撃ち放った。鬼馬軍団の中でも精強を誇る鬼馬武者の射撃は精確無比。狙いを違えることなく迫りくるディアボロス達へと矢の嵐を浴びせかけた。
「うわっ、近寄りにくいねっ! でも、空を高速で翔ける目標は捉えられるかな」
アンゼリカは空中で巧みに軌道を変えて矢をかわしつつ、高速飛行で鬼馬武者達に近づいていく。
「裁きの光よ、空を翔ける翼と共に剣となり、全てを斬り裂けぇっ!」
アンゼリカの手に光が収束していき、巨大な剣を形作った。そのままアンゼリカは放たれる矢を光の剣で受け止めつつ、高度を下げて鬼馬武者の下へ至ると、一気に大剣を振り下ろした。直撃を受けた鬼馬武者は咄嗟に刀を振り上げてその一撃を受け止めようとするも、その刀ごと両断され、絶命した。
だが、陣地の懐へ飛び込んできたアンゼリカに対し、鬼馬武者達は一斉に反撃を開始する。繰り出される刀や槍を躱し、飛んでくる矢を剣で弾きながら、アンゼリカは慌てて急上昇に転じた。
「危ないっ!? 敵の数が減っていくまではヒットアンドアウェイで消耗を抑えつつ削っていくしかないねっ!」
そしてアンゼリカが真っ先に敵陣に飛び込み鬼馬武者達を攪乱している隙に、他のディアボロス達も一気に敵陣へと接近していく。
「遠めから撃たれるのは面倒くせえ、さっさと近付くが吉ってな」
丘を駆け登っていた桐梧は拾い集めていた小石を牽制代わりに投げつけながら、地を這うように姿勢を低くしての猛ダッシュで一気に鬼馬武者達との距離を詰めていった。
その横を駆けるモリオンも、『ダガー』を投じて鬼馬武者達を牽制していく。
「近づいてくるというのならば、蹴散らすのみっ!」
弓矢の間合いの内に入られた鬼馬武者達は、武器を槍に持ち替えると、鬼馬の腹を思いっきり蹴った。たちまち、鬼馬は狂ったように突進を開始する。
「直接真っすぐ来るならそれも好機ですね。――風の宝石。解放。風と共に我は舞う。刃は残り、共に舞う」
モリオンは風の宝石に込められた魔力を解放すると、虚空でブレードとショートソードを振るった。風の宝石の魔力によってその斬撃の軌跡は一旦空間に縫い留められ、直後にモリオンが舞うように投げ放ったダガーと共に、一斉に迫りくる鬼馬武者へと襲い掛かった。
「ぐわっ!?」
立ち塞がるもの全てを蹴散らし蹂躙する程の鬼馬武者の突撃。だがそれゆえに、一度動き出してしまえば止まったり進路を変えるのは困難。結果、モリオンの【風の宝石・残刃舞踏】の直撃を受けることになってしまった鬼馬武者は、その鎧をズタズタに切り裂かれ、突撃の勢いのままに鬼馬から投げ出され動かなくなった。
「怯むなっ!この程度で動じていては、鬼馬軍団の名折れだぞっ!!」
だが、仲間がやられても鬼馬武者達の士気が下がることはない。むしろかたき討ちとばかりにその攻撃はますます熾烈となる。
「空に逃れたとて、我が槍術の間合いから逃げられると思うなっ!!」
槍を構えた鬼馬武者が、高速の刺突を宙に向けて放つ。その一撃は、見えざる槍となって上空を舞っていたシルへも迫ってきた。
「わわっ!?」
シルは咄嗟に光の翼を体の前面に回して、その一撃を受け止める。だがその衝撃はすさまじく、シルの体をさらに上空へとはね飛ばした。
「さすがに鬼馬軍団ね。でも、こっちだってしっかり反撃させてもらうよ!」
シルは再度の攻撃を食らわぬように魔力で残像を生み出すと、不規則軌道で宙を飛び回り魔力銃モードにした世界樹の翼『ユグドラシル・ウィング』から牽制の誘導弾を放ちながら、高速で詠唱を開始する。
「光よ、我が手に集いて、すべてを撃ち抜く力を……。最大稼働、乱れ撃つよっ!」
シルの翼が光り輝き、放たれた魔力の砲撃【天翔残影砲】が大地に降り注いだ。たちまち鬼馬武者達の陣地はその砲撃を受け、大混乱に陥る。
「一撃の威力は低くても……纏めてならこっちの方が有効だからねっ! さぁ、乱れ撃つよーっ!!」
しかも、シルの砲撃は一撃では終わらない。続けざまに何度も、上空から降り注ぐのだ。
「さて、武者様? これからしばらく付き合ってもらうからね?」
「ええーい、付き合いきれるかっ!!」
鬼馬武者達がシルへと一斉に槍や弓を構えた、その時。
どこからともなく、勇壮な凱歌が戦場に鳴り響いた。場違いな歌声に、鬼馬武者達が、何事かと周囲を見回す。
「我が声は、我が音は皆様と共に描く未来への希望! その一端を此処に! 味方に希望を。敵には絶望を!」
それは、蛍が高らかと歌い上げる未来への凱歌だった。その歌声は、ディアボロス達には希望を与え、鬼馬武者達の心には絶望を植え付ける。
「その歌は不愉快だっ!」
鬼馬武者の一体が、槍の鋭い突きで蛍を黙らそうとする。蛍は言霊による障壁でその一撃を受け止めるが、それでも防ぎきれず、致命傷には至らぬまでも傷を負い、数歩後ずさった。
「さすがの実力ですが、その程度では私の歌を止めることはできません。1体1体確実に仕留めさせていただきますよ」
傷に手を当てつつも、再び腹に力を込めて凱歌を歌い始める蛍。
その歌に敵も味方も注目している今の状況は、自称『大アイドル時代のスーパースター』であるソラにとっては少し面白くない光景だった。
「みんなー、アタシにも注目してよねーっ!!」
ソラはマイク兼杖の拡声杖『レゾネイト』を通してそう叫びながら、あえて低空飛行をしつつ魔力弾を広範囲に撃ち放っていく。
「やかましいぞ、小娘っ!!」
鬼馬武者の一体が、鬼馬を大きく跳躍させて槍でソラを貫こうとしたが、ソラはまるでダンスでも踊るようにその攻撃をかわして見せた。
そして、多くの鬼馬武者達の注目を集めたことを確認すると、満を持してパラドクス【羨望と幻惑の最大光量!】を発動させる。
「眩いステージライトは、誰もが憧れるわよね! あなたも一回浴びてみる?」
次の瞬間、ソラの周囲に巨大なステージライトが出現。そこから放たれた閃光が、鬼馬武者達の目を焼いていった。あまりの光量に、平衡感覚を失って落馬するものが続出する。
「ふふん、この光の中で踊れる人はいるかしら! 居ないならこの魔力弾でも食らってなさい!」
さらに追い打ちとばかりに鬼馬武者達に光弾を浴びせかけるソラ。
「くっ、小癪な!」
ようやく視力が回復してきた鬼馬武者が、ソラ目掛けて突撃を開始しようとした、その時。
「俺と遊ぼうぜ! お前がバットな!」
鬼馬武者達が視力を失っている隙に接近していた桐梧が、ソラに突撃しようとしていた鬼馬の足に掴みかかり、その上に乗った鬼馬武者ごと持ち上げていた。
「なっ!?」
思わぬ事態にその鬼馬武者が言葉を失っている間に、桐梧はその鬼馬と鬼馬武者を、言葉通りバットのように振り回し始める。
「馬鹿正直に斬り合うつもりもねえしな。こいつでまとめて薙ぎ払ってやる」
そのまま、掴んだ鬼馬と鬼馬武者の体を武器代わりに、敵陣へと突撃していく桐梧。その振り回された鬼馬に殴り飛ばされ、何体かの鬼馬武者達が落馬していく。
「大暴れはお前らだけの特権じゃあ無えってな。さあ、殴り合いといこうぜ!」
鬼馬を武器代わりに荒れ狂う桐梧。そして、彼が落馬させた鬼馬武者達を、モリオンやアンゼリカが確実に一体ずつ仕留めていく。
「このまま包囲して、殲滅だよ。これで、どうだーっ!」
鬼馬武者の一体を光の大型剣で一刀両断にしながら、アンゼリカが叫ぶ。
その間にもソラのステージライトが鬼馬武者達の視界を奪い、蛍の凱歌が鬼馬武者達の士気を挫く。態勢を立て直そうにも、上空から降り注ぐシルの砲撃が、その暇を与えない。
こうして、ディアボロス達の勢いに押された鬼馬武者達は、次第に総崩れとなっていったのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV6になった!
●『坂田・金次』、動く
『鬼馬武者』の最後の一体が、ディアボロスの攻撃を受けてそのまま動かなくなる。
直営部隊の全滅に、鬼馬四天王『坂田・金次』は思わず天を仰いだ。
「……どうせ散るならでっかい戦で、先陣切って華々しく散りたかったよなあ。慣れねえ殿(しんがり)務めて、防衛戦なんかで死ぬなんざ不本意だったろうぜ。だが安心しろ、お前らの無念は、俺が一人で晴らしてやる!」
金次の目がギラリと輝く。振り下ろされたまさかりが、大気を切り裂く。
「さあ来いディアボロスども!! 鬼馬四天王が一人『坂田・金次』、推して参るっ!!」
金次の乗る巨大な鬼馬が、大地を蹴った。
いよいよ、ジェネラル級クロノヴェーダ『坂田・金次』との決戦が、始まろうとしていた。
シル・ウィンディア
生半可な力じゃだめ…
それなら、限界を超えていかないとねっ!!
ネメシスモード開放!
銀髪銀目銀翼の天使モードでお相手だよ。
飛翔の効果で上空に舞い上がってから、空中戦機動。
世界樹の翼type.Cで誘導弾を連射して、敵の足元に撃って動きを止めるように試みるよ。
一瞬でいい、足を止められたらきっと喰らいついてくれるからっ!
その後は残像を生みつつ、空中での攪乱機動を行いつつ、パラドクス砲撃を撃っていくよ。
本命は…
味方の攻撃タイミングに合わせて、高速詠唱を開始。
世界樹の翼をtype.Aに戻してから
全力魔法での六芒星精霊収束砲。
わたしの限界突破の全力…
さぁ、全部持っていけーーっ!!
…これで決まればいいけど。
アンゼリカ・レンブラント
さぁあとはお前だけ
存分にやろうか、坂田金次
ネメシス形態に!
飛翔の効果を受け高速で立ち回り
共に戦う仲間と動きを合わせパラドクスの砲撃
動きならいくらでも見切るといいよ
攻撃も耐えるといいさ。その度に強くなり、お前を超えるんだ
相手からの反撃は障壁で凌ぎ勇気で耐える
残留効果を、絆を
人々からの託されし願いを
積み重ねていく度に
それぞれが強くなり限界を超える
それがディアボロスの強さなんだ
お前にも見せてやる!
金次の消耗に合わせ、捨て身の覚悟と共に彼の懐に潜り込み
呼吸を整え最大まで集めた力を放つ
私の全てを込めた《終光収束砲》を!
京都を、奈良を、人々の笑顔を取り戻す
この想いと共に!私の光よ、今こそ最大まで輝けーっ!
リオーネ・クア
高い機動力や強靭な力を持つ相手を倒す
難しいことだけど頑張るんだ、人々を襲っていた鬼馬軍団の頭を潰すチャンスだから
【飛翔】し機動力を確保
ヒット&アウェイを心がけながら空中から双翼魔弾を放ち、敵から距離を取って反撃の威力を軽減できたらラッキーだね
魔弾を放とうとして何もせず離脱する動きもして敵の体力を少しでも消耗させたいな
【泥濘の地】も発動
泥濘に嵌らなくとも、それを回避するために動きが抑制される可能性があるから
敵はどう動く?
今までの[戦闘知識]をフル活用して自身の消耗を抑え敵を消耗させたい
敵から反撃含む攻撃があった場合は
自身の魔力を極力高めて魔力障壁を張り防御
…痛くない、怖くない!
己を鼓舞して耐える
●閃光の彼方へ
「さぁあとはお前だけ。存分にやろうか、坂田金次」
鬼気漲らせる鬼馬四天王『坂田・金次』へと、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は力強くそう言い放った。
そんなアンゼリカの体から眩い光がほとばしり、天使のような姿に変身していく。それこそが、アンゼリカのネメシス形態だ。
「ジェネラル級を相手にするなら、生半可な力じゃだめ……それなら、限界を超えていかないとねっ!!」
シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)もまた、銀色の髪、銀色の瞳、そして銀色の翼を持つ、天使の姿へとその身を変えていった。
「高い機動力や強靭な力を持つ相手を倒す。難しいことだけど頑張るんだ、人々を襲っていた鬼馬軍団の頭を潰すチャンスだから」
赤い悪魔の翼を生やしたリオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)の言葉に、アンゼリカとシルも頷くと、3人は一斉に翼をはためかせ、天空へと舞い上がる。
「いきなり空へ逃げを打ったか。まあ、俺ら鬼馬軍団は陸戦専門だからな、悪くねえ判断だ。だが、それで俺の間合いから抜け出せたと思ってるのなら、考えが甘えっ!!」
坂田・金次は、身の丈ほどもある巨大なまさかりを大きく振りかぶると、思いっきり地面へと叩きつけた。たちまち発生した衝撃波が、砕かれた砂礫と共に上空へと舞い上がり、弾丸のようにディアボロス達に襲い掛かる。
「そんな戦い方が!? やっぱりクロノヴェーダに常識は通用しないねっ!」
シルは衝撃波を耐え忍びつつ、世界樹の翼『ユグドラシル・ウィング』をtype.Cの魔力銃モードに変形させると、魔力弾を連射して飛んでくる砂礫を撃ち落としていった。
そして坂田・金次のさらなる追撃を封じるように、リオーネが誘導性のある【双翼魔弾】を撃ち放つ。
「追尾してくる術か、やりづれえっ!」
金次は鬼馬を巧みに駆って魔弾をかわし、どうしてもかわし切れないものはまさかりを盾代わりに受け止めて見せた。
(「この後、敵はどう動く? なるべく先を読んで、できるだけこちらの消耗を抑えて敵を消耗させないと」)
ヒット&アウェイでつかず離れず金次の周囲を飛び回りながら、リオーネは今までの戦闘で培ってきた知識を総動員して金次の動きを予測する。
「何を考えてるのか知らねえが、戦場ではその隙が命取りになるぜっ!」
鬼馬が、まるで天馬のように空高く跳躍した。そしてあっという間にリオーネの高度に至ると、金次はまさかりを横薙ぎに無造作に振るう。
「この高さまで、跳べるのかっ!!」
桁外れの膂力から繰り出されたその攻撃を、咄嗟に魔力を高めて張った『魔力障壁』で受け止めたリオーネだったが、それでも金次のまさかりの衝撃を防ぎきれず、大きく体が吹き飛ばされる。
「……痛くない、怖くない!」
それでもリオーネは必死に自分を鼓舞してその攻撃に耐え抜くと、遥か下方の地面を【泥濘の地】へと変えていく。
「ぬうっ!?」
着地した地面が泥濘に変わっていたことで、鬼馬が一瞬だけ態勢を崩した。
「そこっ!!」
すかさず、アンゼリカが光の砲撃を金次へと放つ。だが金次はこれもまさかりで受け止めてしまう。
「動きならいくらでも見切るといいよ。攻撃も耐えるといいさ。でもこっちはその度に強くなり、お前を超えるんだ」
アンゼリカの啖呵に、金次は得心したように頷いた。
「なるほど。それがお前らの強さの秘密か。確かに鬼馬武者共とやり合ってた時より、今の方が明らかに強くなってやがるな。ならこれ以上強くなる前に、ケリを付けてやる」
金次が、高々と掲げたまさかりを一気に振り下ろした。大気が裂け、巨大な斬撃の圧が、まるで質量をもつもののように宙を走ってアンゼリカに迫る。
「ううっ!!」
アンゼリカが装備している魔力の壁『クラッシュ障壁』と、まさかりからの斬圧が激突し、火花を散らした。アンゼリカは腹筋に精一杯力を込めてその一撃を凌ぎ切ろうとするが、
「しつけえっ!」
金次がもう一度まさかりを振るうと、さらに発生した衝撃波が先の一撃と重なり、ついにアンゼリカを吹き飛ばす。
「とどめだっ!」
さらにもう一度まさかりを振るおうとした金次だったが、上空から降り注いだシルとリオーネの魔力弾が、そんな金次の動きを妨害した。
「ちっ、邪魔すんじゃねえっ!」
金次は巧みに泥濘と化した地面を避けるように駆け回り、二人の魔力弾を躱していく。
(「泥濘に嵌らなくとも、それを回避するために動くなら、それだけ動きが抑制される」)
その動きを、逐一観察しその先を読もうとするリオーネと、
(「一瞬でいい、足を止められたらきっと喰らいついてくれるからっ!」)
残像を残しつつひたすら魔力弾の牽制を続けていくシル。
その執拗な2人の攻撃に、一瞬だけ鬼馬がよろめいた。そしてその一瞬を、リオーネは見逃さない。
「今です!」
魔力弾を乱れ撃ちながら、リオーネが叫ぶ。その合図に合わせて、アンゼリカとシルは同時に高速で詠唱を開始した。
『闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ……。六芒星に集いて全てを撃ち抜きし力となれっ!』
二人の声が重なり、アンゼリカとシルの周りに火・水・風・土・光・闇の6属性の魔法陣が出現する。これこそシルが得意とし、アンゼリカにも授けた増幅魔法『六芒星増幅術(ヘキサドライブ・ブースト)』。
「残留効果を、絆を、人々からの託されし願いを。積み重ねていく度にそれぞれが強くなり限界を超える、それがディアボロスの強さなんだ。それをお前にも見せてやる!」
限界まで魔力を高めたアンゼリカは、捨て身の覚悟と共に急降下して金次の懐に潜り込み、
「……これで決まればいいけど!」
シルは世界樹の翼『ユグドラシル・ウィング』をtype.Aの長杖形態に変形させると、その先端を金次へと向けた。
「京都を、奈良を、人々の笑顔を取り戻す。この想いと共に! 私の光よ、今こそ最大まで輝けーっ!」
アンゼリカの強い想いが、
「わたしの限界突破の全力……さぁ、全部持っていけーーっ!!」
シルの全身全霊を込めた力が、閃光となって迸る。
アンゼリカの【終光収束砲】とシルの【六芒星精霊収束砲】。二つのパラドクスが最大の威力で、金次に炸裂したのだ。
その魔力の爆発に、周囲は太陽が落ちてきたのかと見紛うばかりの輝きと爆炎に包まれる。
「ど、どう……?」
二対の青白い魔力翼で砲撃の反動を抑えながら、シルが目を凝らす。
「……なるほど、これがディアボロスの力か。確かにこいつは侮れねえ」
光が薄れ、その中から鬼馬に跨った金次が姿を現した。金次がまさかりを一振りすると、まとわりついていた爆炎も一気に晴れていく。
金次も鬼馬も、傷を全身に受けてはいるが、まだまだ致命傷には至っていないようだった。
「さあどうした、ディアボロスども? どんどん来いよ! 何度でも何人でも、とことん相手をしてやるぜっ!!」
そう言って金次は、壮絶な笑みを浮かべて見せたのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【飛翔】がLV5になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV7になった!
菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
戦闘中は適度に煽って【挑発】
華々しく、ねえ。
何処で死のうが変わりゃしねえよ。
……さァて、喧嘩の押し売りだ。
やろうぜ大将、手下の分まで楽しませてやるよ!
小細工は必要無い
やりたい奴に任せておけば良いな
牽制も無駄だろうし
武器を捨て少しでも身軽になっておくか
騎乗している以上
地上の俺を斬るには僅かなりとも時間がかかる
体勢を低く落とし【ダッシュ】で真正面から行く
まさかりが振われる瞬間、【粉砕】される程に強く地面を蹴り強引な加速で【突撃】
まさかりを潜り抜け鬼馬の真下からパラドクスで【捨て身の一撃】を叩き込む
どっちが当てるかの博打って訳だ
死ななきゃ安いってな!
大層な馬ごとぶっ飛ばしてやるぜ!
モリオン・スモーキー
連携/アドリブ歓迎
坂田・金次。いざ勝負。
貴方を逃がすわけには行きませんから。
……行きます!
敵に向かって≪ブレード≫と≪ショートソード≫を引き抜きつつ走ります。
敵に対して≪ダガー≫を<誘導弾・砲撃>として投げつつ牽制。
<連射>も出来ます。
直接真っすぐ来るならそれも好機ですね。パラドクスを使用します。
風の宝石を解放して、風の魔力の刃を相手にぶつけます。
相手をこれで薙ぎ払いましょう。
敵の反撃や途中の攻撃は【飛翔】<残像・ダンス>での回避を試みます。
直接ぶつかるのは大変そうですから。
味方と連携し、敵を斬りはらい、少しずつでも前に進みましょう。
少しずつ少しずつ、未来を手に取る為に。
我々は貴方を倒します。
弐伊原・祈織
決戦の刻だ
双刀を構え、飛翔しながら坂田へと向かう
パパラドクスは鬼馬を操るものである以上は泥濘の地がある程度は有効になる
そうでなくとも飛翔している以上は回避はしやすい
こちらも反撃として双刀を振るう…のはフェイント
本命は私の意識を『黒白妖刀』にして『神をも断ち切る斬撃』とするパラドクス…私の意識が刀であり、斬撃となる以上は不意打ちを食らうが如く虚を打たれるだろう
託されし願いで成功率を高めたパラドクスの斬撃が、鬼馬諸共坂田を切り裂き、ダメージを与える
ついでこちらも意識を『黒白妖刀』として時間を超える斬撃を繰り出し、攻撃
反撃の鬼馬のパラドクスは残留効果の泥濘の地と飛翔を使って回避していくぞ
●希望を胸に
「坂田・金次。いざ勝負。貴方を逃がすわけには行きませんから」
モリオン・スモーキー(存在奪われし魔術発明家・g05961)が、『魔法再現型試作ガジェット』の『ブレード』と『ショートソード』を抜き放ちつつ、金次へ向けてそう宣言した。
「逃げるぅ? ああ、確かに本隊の撤退が完了したらお前らは無視して俺も後を追うつもりだったけどな。こんだけ華々しく面白い戦を前に、退く気はなくなったさ。俺が本隊と合流するとしたら、それはお前らを一人残らず叩き潰した後だ!」
手綱を強く握りしめながら、金次が不敵な表情を浮かべて見せる。
「華々しく、ねえ。何処で死のうが変わりゃしねえよ。……さァて、喧嘩の押し売りだ。やろうぜ大将、手下の分まで楽しませてやるよ!」
菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)は挑発するようにそう言い放つと、いきなり手にしていた武器を投げ捨てた。
「ああん? 武器を捨てるたぁ、勝負を捨てたか?」
巨大なまさかりを振りかぶりつつ、金次が鬼馬の腹を蹴る。たちまち鬼馬が、一直線にディアボロス達目掛けて大地を蹴立てて駆け出した。
「来たか。さあ、決戦の刻だ」
弐伊原・祈織(黒白二元剣術流祖・『二意天双流』・g01487)は黒白妖刀の『白先』と『黒後』を構えると、残留効果を用いて宙へと飛び上がる。
一直線に迫りくる金次に対し、モリオンは宝石の原石を加工して作った『ダガー』を投じ、牽制した。だが金次は巧みに鬼馬を操り、誘導性能すら持ったダガーを次々と躱していく。
「【泥濘の地】を駆けていてもあの速度か。それでもないよりはましな筈だが」
上空で隙を窺っていた祈織だったが、なかなか攻撃に移るタイミングを掴めない。
「へっ、こういう真っ向勝負を挑んでくる奴に、小細工は必要無い!」
武器を捨て身軽になった桐梧が、正面から迫りくる金次と鬼馬の懐へと、自ら飛び込んでいった。
「その心意気は買うが、そいつは無謀ってもんだぜっ!!」
金次のまさかりが唸りを上げて、鬼馬の足元まで接近してきていた桐梧の頭目掛けて振り下ろされる。その瞬間、桐梧は大地を砕かんばかりの勢いで地面を蹴り、跳び上がった。そのまま振り下ろされたまさかりの脇を最小限の回避動作ですり抜け、闘気を一点集中させた渾身の拳を、鬼馬の腹へと叩き込む。
「何だとっ!?」
「どっちが当てるかの博打って訳だ。もっとも、勝ったのはどうやら俺だったみたいだがなっ!!」
桐梧の拳が振り上げられ、金次の巨体が鬼馬ごと宙へと浮き上がった。
そして、空中に投げ出され無防備となった金次の体は、上空で好機を伺っていた祈織にとっては格好の標的だ。祈織は即座に『白先』と『黒後』の双刀を振るい、金次へと斬りかかっていく。
「この俺を、侮るなっ!!」
だが金次は空中で強引に鬼馬の態勢を変えると、落下の勢いも乗せてまるで宙を駆けるように祈織へと逆に突撃していった。
「そちらこそ私を侮っているな。空中で自由に動ける私と落下しかできないお前では、どちらが有利かは明白」
金次の突撃を躱そうと動いた祈織だったが、鬼馬はその祈織の予測を超える速度で加速した。
「なっ!?」
祈織は、空中で再加速とするという非常識な動きに対応しきれず、金次と鬼馬の突撃をまともに喰らってしまう。それでもわずかでも回避の動作に入っていたことで致命傷は免れていた。
で、あれば、今やるべきことはただ一つ。
「【神斬意剣】それは神をも断ち切る闘志を剣にして刃とする」
祈織はすかさず自らの意思そのものを『黒白妖刀』へと変じると、神をも断ち切るといわれる時間すら超える斬撃を、着地したばかりの金次へと放った。
着地に意識を集中していた金次に、祈織の意のままに繰り出される斬撃を躱す暇などあろうはずもない。
「ぐうっ!?」
死角から繰り出される斬撃に全身を、そして鬼馬を切り裂かれ、思わず後ずさる金次。
だが、ディアボロス達の猛攻はまだ終わらない。
「風の宝石。解放。風と共に我は舞う。刃は残り、共に舞う」
今が最大の好機と、今度はモリオンが仕掛けた。風の宝石に込められた魔力を解放し、ブレードとショートソードを振るって発生させた斬撃の軌跡を一旦空間に縫い留め、直後に投擲したダガーと共に敵へと向かって放つ。
【風の宝石・残刃舞踏】。その技は、先ほど鬼馬武者に対して使ってみせたのと同じものだ。故に、その効果も実証済み。
果たしてその斬撃の一斉攻撃は、傷ついた金次と鬼馬の体に、さらなる傷を刻み込んでいく。
「……ちっ、喰らっちまったか。だが、この程度の傷を負うことぐらいは、こっちも覚悟の上なんだよっ!」
金次は吠えると、すかさず鬼馬に突撃を命じた。狙いは、目の前のモリオンだ。
「直接ぶつかるのは大変そうですね」
モリオンが、宙に飛び立ちその一撃を舞うように躱そうとする。だが次の瞬間、鬼馬が大きく跳躍した。そしてその跳躍の勢いそのままに振られた巨大なまさかりが、わずかにモリオンを掠める。ほんのわずかかすっただけにも関わらず、全身の骨が砕けるような衝撃がモリオンを襲った。
「さすが、鬼馬四天王の名は伊達ではありませんね。ですが、我々は希望を捨てずに、少しずつでも前に進みましょう。少しずつ少しずつ、未来を手に取る為に。我々は貴方を倒します」
それでも踏み止まるモリオンの傍らに、祈織と桐梧が並ぶ。
「よく言った! 死ななきゃ安いってな! 大層な馬ごとぶっ飛ばしてやるぜ!!」
そして桐梧は、自分達を馬上から見下ろす金次へと、そう啖呵を切ったのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【隔離眼】がLV2になった!
【飛翔】がLV6になった!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV8になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
シエルシーシャ・クリスタ
少し出遅れたけれど、何とか間に合ったかな。
戦争以外でのジェネラル戦も三回目、少しは慣れてきたかな……ガチガチにならずに済んでる。
機動力の高い戦士相手に小細工は意味が薄い、きっと踏み潰される。
ただ鋭く素早く、小さくてもいい、後まで響く傷を刻む。
とはいえ牽制なしも舐めてるか。フェイントの一つも入れなきゃね。
【泥濘の地】で少しでも鈍った所に、馬の脚狙いで戦斧の一撃を叩き込む。
その通常攻撃を囮に、本体と全然関係なく動く呪詛の『手』で襲う。
傷自体は小さくてもいい、そこから呪詛が蝕む。
反撃で吹っ飛ばされるのには無理に逆らわず同じ方向に【飛翔】して少しでもダメージを抑え追撃を避けよう。
生きてれば次を狙える。
渦中・浪刃
※連携・アドリブ歓迎
この気迫…流石は鬼馬四天王
油断なく参りましょう
引き続き【飛翔】を維持
僅かでも敵の気を散らせるよう、止まることなく高速で飛び回る
敵の動きを[観察]、[情報収集]
隙が出来る瞬間や行動の癖を[看破]
【泥濘の地】を利用し速度を落とさせ、片影を馬の後足に目掛け[投擲][貫通撃]
まずは足たる馬を狙い機動力を少しでも下げます
一人で抑えられる相手ではない
仲間と協力し、確実に削いで行かなければ
その膂力、部下の為に戦い抜く覚悟、敵ながらお見事
しかし無念を晴らす事は諦めて頂きましょう
我等の目的は、貴方がたを打ち倒したその遥か先にあるのだから
【雷上動嚆矢】、立ちはだかる障壁を射抜き未来への道を開け
ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します!
あら、横暴だと思ってたけど意外と部下想いなのね!
だからって手加減するつもりはないけど!
いつでも全力!アイドルはそういう生き物なの!
(ネメシスで四肢が紅く染まり、翼の形も刺々しく変化する!)
【飛翔】で空中から攻撃していくわ!
「レゾネイト」から【誘導弾】を連射して、狙いは鬼馬の視界!
ダメージは入らないけど、馬の動きが乱れれば隙が生まれるはず!
衝撃波と砂礫は飛翔の速度で躱すか、魔力障壁で何とか耐えるわ!
隙が出来たら一気に詰め寄って、【高速詠唱】からの【熱狂と湧然の四元光芒!】!
此処がアナタのラストステージ!
アタシ達が背負う無念は、【託されし願い】は、アナタよりずっと強大よ!
●将を射んと欲すれば
「なるほど、想像以上に手強い相手だぜ。これじゃあ鬼馬武者達や別動隊の連中の手に負えるわけがねぇ。俺と碓井の奴がディアボロスの実力を読み切れなかったせいで、部下共を無駄死にさせちまったな、こいつは」
自身の全身に刻まれた傷を眺めながら、鬼馬四天王『坂田・金次』は自嘲気味にそう呟いた。
「あら、横暴だと思ってたけど意外と部下想いなのね!」
空中で攻撃の機会を伺っていた自称『大アイドル時代のスーパースター』ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)は、感心したように頷く。
「だからって手加減するつもりはないけど! いつでも全力! アイドルはそういう生き物なの!」
ソラの四肢が禍々しい赤色に染まっていき、その背に広がる魔力の翼も刺々しいものへと変化していった。ネメシス形態へと変じたソラは今が好機とばかり、拡声杖『レゾネイト』から次々と魔力の弾丸を撃ち放っていく。
「また空からか! いい加減うざってえっ!」
金次は巨大なまさかりを頭上にかざし、盾代わりにして魔力弾を防いだ。
だがその時。
「この気迫……流石は鬼馬四天王。油断なく参りましょう」
空の彼方から、新たに一人のディアボロスが駆けつけてきた。それは、別動隊に襲われた集落の救援に向かっていた渦中・浪刃(渦隠・g02250)だった。
まるで金次の気を散らそうというように周囲を高速で飛び回る浪刃に、金次が苛立った視線を向ける。
「別動隊を全滅させた奴らが、駆け付けてきやがったか! くそっ、マジで全然時間稼ぎになってねえじゃねえかよ!」
金次は鬼馬の手綱を取り、ソラの光弾や浪刃から逃れるように、駆け出させた。
だが、地面に広がる泥濘に足を取られ、最高速に至るまでにわずかに時間がかかってしまう。そして、その一瞬に。
「少し出遅れたけれど、何とか間に合ったかな」
小柄な影が、素早く鬼馬の足元に接近していた。やや遅れてパラドクストレインでやってきたシエルシーシャ・クリスタ(水妖の巫・g01847)が、飛び込んできたのだ。
「戦争以外でのジェネラル戦も三回目だし、少しは慣れてきたかな……ガチガチにならずに済んでる」
シエルシーシャは自分に言い聞かせるようにそう呟くと、水妖の呪詛によりあらゆる形態に変化する『自在武具』を『喪斧イクシア』の形態に変形させた。そして鬼馬に引き離される前に素早く喪斧イクシアを振るい、鬼馬の前脚に叩きつける。その衝撃に、鬼馬がたたらを踏むようによろめいた。
「なるほど、敵の機動力を削ぐ作戦ですか。しかし一人で抑えられる相手ではない。私も協力しましょう」
空中から、浪刃が黒塗りの棒手裏剣『片影』を投じる。果たして片影は浪刃の狙い通り鬼馬の後ろ足を刺し貫き、鬼馬の動きがさらに鈍る。
「そういうことなら、アタシにもやらせて!」
ソラが駄目押しとばかりに、魔力弾を鬼馬の目の前で炸裂させた。ダメージにはならないが、わずかでも目くらましになれば、それで十分。
「ちっ、鬼馬を狙ってくるとは小賢しいっ!!」
金次が苛立ったようにまさかりを大地に叩きつけた。地面が裂け、噴き上がった衝撃波と砂礫が、上空のソラと浪刃に迫る。
「うわわっ!?」
ソラは咄嗟に魔力障壁『コンフロント・バリア』を展開しなんとか砂礫を防いだが、衝撃までは中和しきれず、上空高くまで吹き飛ばされてしまった。
防御が間に合わなかった浪刃のダメージはさらに大きく、飛来した砂礫に全身を刺し貫かれ、大量の血を吹き上げつつ錐揉みで地面へと落下していく。
金次が止めとばかりに再びまさかりを振るおうとした、その時。
「ナックラヴィー、呪え、穿て、侵せ」
シエルシーシャが呪具に封じられていた水妖の呪詛を解放した。どこまでも長い異形の『手』を形作った水妖は、シエルシーシャの意志とは関係なく、金次を狙い矢のように速く猛禽のように鋭く喰らいつき、絡めとっていく。
「水の腕だとっ! 奇怪な術を使いやがる!!」
金次は鬼気を高め、大気を震わせる咆哮と共に絡みつく『手』を振り解いた。だが、そんなことはシエルシーシャにとっても予想の範囲内。真の目的は、付けた傷口から呪詛を流し込むことにあった。たとえ傷自体は小さくとも、流し込まれた呪詛はそう簡単に消えることはない。
「ははっ、呪詛か! だが、そんなもので俺を倒せると思うなよっ!」
金次が、ようやく目くらましから視力を回復させたらしい鬼馬の腹を蹴った。たちまち鬼馬が狂ったように駆け出し、シエルシーシャ目掛けて突っ込んでいく。
回避が間に合わないことを悟ったシエルシーシャは、鬼馬との激突で体が宙へと舞い上げられることにあえて逆らわず、同じ方向へと飛翔することで、なんとか致命傷を避けることに成功した。だが、致命傷には至らなかったというだけで、ダメージは大きい。
「それでも……生きてれば次を狙える」
「ならば次など永遠に来ねえよう、ここで止めを刺してやるぜ!!」
金次が鬼馬をUターンさせ、もう一度シエルシーシャを蹂躙せんとする。だがその時、
「その膂力、部下の為に戦い抜く覚悟、敵ながらお見事。しかし無念を晴らす事は諦めて頂きましょう」
上空から、浪刃の声が響き渡った。深い傷を負いながらも浪刃は、弓に二本の矢を番え、その矢じりを金次へと向けていた。
「我等の目的は、貴方がたを打ち倒したその遥か先にあるのだから」
金次が回避のための行動を起こすよりも速く、かつて妖怪を射落としたという『水破』と『兵破』、二本の矢が同時に放たれる。
「【雷上動嚆矢】、立ちはだかる障壁を射抜き未来への道を開け」
神速で空を割いた二本の矢が、金次と鬼馬、それぞれの胸に深々と突き立った。
「ぐはっ!!」
それまでのダメージの蓄積もあり、遂に金次が、その口から血を吐き出す。
「これは追い討ちのチャンス到来だね! アタシのとっておき、4つの力、纏めて一気に喰らいなさい!」
そんな金次へ、ソラが杖を掲げて、空中から高速で距離を詰めていった。同時に、ソラの周囲に4つの魔法陣が出現する。ソラはその魔法陣から『火・水・風・地』の四大元素のエネルギーを引き出すと、一つに集約させた魔力砲を、至近距離から一気に金次へと撃ち放った。魔力砲の輝きに飲み込まれた金次が、地面を抉るように吹き飛ばされていく。
「此処がアナタのラストステージ! アタシ達が背負う無念は、みんなから託された願いは、アナタよりずっと強大よ!」
街道脇に生えていた巨木へと激突し、動きを止めた金次へと、ソラは力強くそう言い放ったのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【水源】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
【ラストリベンジ】がLV2になった!
無堂・理央
背負った無念、晴らさせる訳にはいかない。
ボク等だってアンタを、碓井を、討って先に進む!
平安鬼妖地獄変の地を最終人類史に取り戻す為に!
刻逆で奪われたボクの家族を取り戻す為に!!
引き続き無双馬『クロフサ』に騎乗、クロフサには【飛翔】の力で空中を駆け登って行って貰う。
ジェネラル級に生半可な一撃は通用しない。
金次みたいな完全武闘派だと尚更、だね。
だから、一撃に全てを賭ける。
限界高度まで駆け登ったら、馬上槍をしっかりと構え直して最大速度で加速しながら垂直降下突撃!
敵の迎撃や攻撃した後とかそう言うのは一切考えずに只々突っ込むだけ!
使い古された台詞だけど、ボクとクロフサ自身が弾丸となる!
坂田・金次!覚悟!!
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎)
(ネメシスモード:背中の翼が更に大きくなり、鈎爪の生えた巨大な腕に変わる
変化している自覚は薄い)
…さて、後は親玉か
(なんだか妙に調子がいい。身体が軽い
恐れはない。言葉を発するのももどかしい程、心が猛る)
逃がしゃ、しねえよ
周囲のディアボロスと連携
【飛翔】し敵を観察
隙を窺う他、弱り具合や強力な攻撃の気配等の情報を共有
敵の退路を塞ぎ、機動力を削ぐように動く
攻撃は【竜翼翔破】
長ドスを始め、使える物は何でも使う喧嘩殺法
敵の攻撃は【飛翔】で回避するか、腕と化した翼で受け止める
基本は【一撃離脱】だが
味方が強力な攻撃をする際は、敵を挑発し囮になる・敵に組み付いて動きを阻害する等して隙を作る
白水・蛍
アドリブ/連携○
使用出来る残留効果は全て使用。
※ネメシス発動。
相まみえましたね坂田・金次。
私は白水・蛍。いざ勝負!
敵の相手の隙を<観察・看破>で見切って、けん制に<演奏・演説>にて言葉・音の魔力を増幅させて攻撃しつつ<撹乱>。
隙を作るのに、<念動力・砂使い>で目つぶしも狙ってみましょう。
隙を見つけたら、パラドクス使用。
我が身に宿れ。英雄の御業。その一端を此処に!
武に長けた英雄をこの身に降ろしてその一撃を貴方に振り下ろしますっ!
反撃や途中の攻撃は魔力障壁にて受け止めます。
味方と密に連携しつつ必ずや仕留めますわよ!
エレナ・バークリー
『ジェネラル級の鬼』『四天王』、聞くだけで武者震いが来ますね。
一旦退かれる皆さんが態勢を整える時間を稼ぐため、推して参ります。
騎兵の長所はその機動力。それを完全に潰させてもらいます。
「全力魔法」「結界術」「火炎使い」で『大地裂く地龍の爪牙』。
まず前面は円状に四枚、方向転換される前に後方四枚。大地から石板を飛び出させて、足を止めさせます。
そして、結界の中で火口を開き、溶岩の噴出。
これでどれだけ、手傷を負わせられるか。
反撃が来るのは分かっています。それでも、私にとってはまだ凌ぎやすい技。
反撃の気配を感じたら、石板から離れない範囲で駆け出して、狙いを逸らして。
当たるなら交差した腕のバックラーで防御。
●全ての力を出し切って
「相まみえましたね坂田・金次。私は白水・蛍。いざ勝負!」
白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は堂々と名乗りを上げると、鬼馬四天王『坂田・金次』へと力強く歩み始めた。言霊を乗せた歌を口ずさみつつ歩む蛍の髪が、次第に黒から藤色に変じていく。
「てめえ、さっきの鬼馬武者との戦いでも耳障りな歌を歌ってた奴だな? そのやかましい歌を、今すぐ歌えなくしてやる!」
金次は巨大なまさかりを大きく振りかぶると、大地を削るようにスイングさせた。削り取られた砂礫と衝撃波が一体となって、蛍へと迫っていく。
「くっ!」
魔力を増幅して砂礫と衝撃波を耐え抜こうとした蛍だったが、金次の奥義【地裂撃】の威力は彼女の想定を遥かに超えていた。砂礫に身体を貫かれることは何とか阻止したものの、後方へと大きく吹き飛ばされてしまう。
「正面からでは接近すらできませんか。何とか隙を見出さなければ……」
「なら、俺に任せな。隙ぐらいは作ってやる」
そう蛍へ声をかけたのは、襲われていた集落を解放して駆けつけてきた伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)だった。
集落で戦っていた時よりも背中の翼が更に大きくなり、腕も鈎爪の生えた巨大なものに変化しているが、逸自身には異形化している自覚はあまりないようだ。
「…さて、後は親玉か。逃がしゃ、しねえよ」
逸は巨大な翼をはためかせると、高速で金次の周囲を飛び回り始める。今の逸に恐れはない。ネメシス化の影響か、身体も軽く、心が猛る。
「逃げるだぁ? 今更そんなつもりはさらさら無えよ!」
金次はまさかりを高々と振り上げると、鬼馬の背から跳躍し、逸目掛けて叩きつけた。その攻撃を、樹は翼を腕のように変化させて受け止める。両者の激突に大気が震え、周囲の木々を震わせた。
その戦いを、エレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ/エレメンタルキャヴァリエ・g00090)は険しい表情で地面から見上げていた。
「『ジェネラル級の鬼』『四天王』、聞くだけで武者震いが来ますね。ですが皆さんが態勢を整える時間を稼ぐため、推して参ります」
エレナは、宙に跳び上がっていた金次が鬼馬の背に着地した瞬間に、パラドクス【大地裂く地龍の爪牙】を発動させる。
「騎兵の長所はその機動力。それを完全に潰させてもらいます」
たちまち、金次と鬼馬を取り囲むように、大地を割って分厚い石板が姿を現した。まずは金次の前方に円状に4枚、続いて後方にも4枚。
「こんなもので俺を封じたつもりか? それとも単なる時間稼ぎか? どっちにしろ、こんな岩板で俺を足止めできると思ってるのなら……」
「残念ながら、そのどちらでもありません。『地の底巡る熱き龍脈よ。地上を這いずる哀れな愚者に、真の滅びを見せつけよ』」
次の瞬間、石板が作る結界の内側にぽっかりと穴が開いた。その穴から、まるで火山が噴火したかのように溶岩が噴き上がり、たちまち金次を飲み込んでいく。
「さて、これでどれだけ、手傷を負わせられるか……」
エレナがつぶやいた次の瞬間、石板の結界が内側から弾け飛ぶように砕け散った。そして溶岩を振り払うように、鬼馬を駆る金次が姿を現す。
「……今のは効いたぜ。だがな、俺もこの程度でくたばってやるわけにゃあいかねえんだよっ!」
突進せんばかりの勢いでエレナへと駆け寄った金次は、そのまま無造作にまさかりを振り下ろした。
「反撃が来るのは、分かっていましたから!」
その強烈な一撃を、エレナは腕に装備したバックラーで辛うじて受け止め、そして受け流す。直撃は避けたはずなのに、腕がちぎれるような激しい痺れが走った。
「それでも、私にとってはまだ凌ぎやすい技です!」
「なら、もう一度喰らってみなっ!」
金次がまさかりを構えつつ騎馬をUターンさせ、再度エレナへと迫っていく。だが、
「やらせねえよ」
そこへ割って入ったのは、上空で様子を窺っていた逸だった。逸は急降下して手にした日本刀、通称『長ドス』でまさかりを受け止めると、翼を腕の形に変えて金次を殴りつけた。
「悪いな、今日はなんだか妙に調子がいいんだ」
そしてそのまま、逸は金次の背後に回り込んで羽交い絞めにする。
「ちっ、放しやがれっ!!」
金次の肘打ちと鬼馬の後ろ足の蹴りが炸裂するが、逸は手を離さない。
そして、無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)は金次が動きを止めるこの瞬間を、ずっと待ち望んでいた。
「アンタの背負った無念、晴らさせる訳にはいかない。ボク等だってアンタを、碓井を、討って先に進む!」
無双馬『クロフサ』に騎乗した理央は残留効果【飛翔】の力でクロフサを空中へ駆け登らせる。
(「ジェネラル級に生半可な一撃は通用しない。金次みたいな完全武闘派だと尚更、だね」)
ならば、一撃に全てを賭けるのみ。
限界高度まで駆け登った理央は、馬上槍をしっかりと構え直すと、眼下の金次をキッと見据えた。
「平安鬼妖地獄変の地を最終人類史に取り戻す為に! 刻逆で奪われたボクの家族を取り戻す為に!! 勝負だ、坂田・金次!!」
そのまま最大速度で加速しながら、垂直降下で突撃していく理央。
「正面から来るか! ならば、真っ向から迎え撃ってやるっ!!」
金次は力任せに逸の羽交い絞めを振り解くと、馬首を突撃してくる理央へと向けた。そのまま、まさかりを振りかぶりつつ鬼馬を大きく跳躍させる。
「もう攻撃した後とかそう言うのは一切考えない。使い古された台詞だけど、ボクとクロフサ自身が弾丸となる! 坂田・金次! 覚悟!!」
「上等だっ! 返り討ちにしてやるっ!!」
理央の駆るクロフサと金次の駆る鬼馬が空中で激突し、馬上槍とまさかりが交錯した。その衝撃で巻き起こった衝撃波が、周囲のあらゆるものを吹き飛ばしていく。
空中で互いに弾き飛ばされた理央と金次の体が地面に同時に激突し、しかし最初に身を起こしたのは金次の方だった。
「中々の威力だったが、残念ながら俺を倒しきるまでには至らなかったようだな。……もっとも、こっちも鬼馬を潰されたが」
金次が傍らに横たわったまま動かなくなった鬼馬に目を向ける。
だがその瞬間、金次の眼前に飛んできた砂粒が、一瞬金次の視界を奪った。
「何っ!?」
「愛馬を失ってできたこの隙、逃しません!」
そこに飛び込んできたのは、ずっと反撃に転じる機会を伺っていた蛍だった。蛍は古代の英雄を称える伝承詩を高らかに歌い上げながら、手にした指揮杖『コンダクタースピア』に魔力の穂先を現出させる。
「我が身に宿れ、英雄の御業。その一端を此処に!」
そのまま蛍はパラドクス【喚降英雄再演】の力で武に長けた英雄を自らの身に降ろし、その妙技を再現するかの如く、必殺の一撃を繰り出した。
「ちいっ!?」
回避できないと悟り、咄嗟にまさかりをかざし盾代わりにしようとする金次。だがそこに、息絶えていたはずの鬼馬の巨体が飛び込んできた。逸が、倒れていた鬼馬を持ち上げて投げ飛ばしたのだ。そして、鬼馬との激突の衝撃でまさかりの守りがわずかに逸れたところに、蛍の放った渾身の一撃が炸裂する。
「必ずやこの一撃で仕留めますわよ!」
コンダクタースピアが、金次の胸を深々と刺し貫いた。金次の口から、大量の血が噴き出す。だが、金次はそれでもなお、倒れなかった。
「……悪いな光雪、それに頼光の大将。最後まで殿を支えきれなかったぜ。だが、これだけ大暴れして華々しく戦えたなら、もう悔いはねえ。鬼馬軍団のこと、後は任せた、ぜ……」
金次はまさかりを大地に突き立てると、それによりかかるようにして、立ったまま動かなくなった。
それが、鬼馬四天王『坂田・金次』の最期だった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV8になった!
【勝利の凱歌】LV2が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
【ラストリベンジ】がLV3になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2022年08月11日 |
| 宿敵 |
『『鬼馬四天王』坂田・金次』を撃破!
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