世界樹外周の決戦~めくるめく炎を越えて(作者 水上ケイ
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#幻想竜域キングアーサー  #世界樹外周~炎のベディヴィア卿決戦  #世界樹  #薔薇の戦士スカアハ  #炎のベディヴィア卿 

 世界樹外周の戦場にて。
 炎のベディヴィア卿は、狙ったフローラリア――薔薇の戦士スカアハの撃破に思わず手こずっていた。
 それは無論、ディアボロス達がこれでもかと横やりを入れてきたからである。

「配下の攻撃で、あのジェネラル級フローラリアを除外できれば、世界樹を焼き払い穴を穿つなど容易かったものを。」
 右翼の炎がゆらめく。それはディアボロスに対する怒りを象徴しているかの様に見えた。
「ディアボロスが、フローラリアと共闘するというのならば、世界樹攻略には更なる戦力が必要になる。
 だが、ディアボロスが世界樹を護るというのならば、こちらも守りを捨てて攻めに出られるという事。
 ……次は、我らが全力で、世界樹を落とさせてもらおう。」
 撤退を告げる言葉は冷静でも、炎のベディヴィア卿の内面には憎しみが渦を巻く。ディアボロス達は次々にやってきてはフローラリアを助け、そのたびに、配下のドラゴンは打撃を受け、あるいは落ちていった。
 だがそれだけではない。ディアボロスはその魂の片割れともいうべき、氷のベディヴィア卿を屠った憎き相手だった。そのことを、盟友から聞いた時、決して許すことのできない感情を、この竜は抱いたに違いない。

 しかし、表向きはいかにも軽くこう言った。
「だが、撤退する前に、忌々しいディアボロスの戦力を少し削っておくとしよう。」
 配下のドラゴンがふわふわと炎の化身のごとく隊列を整える。
「撤退前に同輩を倒したその戦闘力を測っておいても損はあるまい。それにこの際、フローラリアの動きも見ておかねばな。」
 炎のベディヴィア卿は部下を鼓舞し、あくまで冷静に付け加えた。
「決して彼奴らを侮るな。戦況次第では退く。」
 片翼の竜はその力強いはばたきで戦場を駆けてきた。今回も倒れるつもりは毛頭ない。


 古宮・泉美(MOMO・g03355)は、いつになく真剣にディアボロス達に語り始めた。

「皆さんお疲れ様です。世界樹ダンジョン第二層の戦いに勝利し、ドラゴン勢力の撃退にも成功しました。」
 ディアボロスの戦いにより、『薔薇の戦士スカアハ』も撃破されずに済んだのだ。
「当初の予定では、このまま、ドラゴン勢力が撤退した隙をついて、世界樹ダンジョンの最終防衛ラインとなる第三層の攻略を行うはずでしたが、攻略旅団の提案により、撤退する『炎のベディヴィア卿』に決戦を挑む事になりました。」
 決戦に勝利して『炎のベディヴィア卿』を撃破できれば、妖精郷のドラゴン勢力を弱体化させ、世界樹ダンジョン攻略中に横やりを入れられる可能性を大きく減らすことが出来るだろう。

「ただ、『炎のベディヴィア卿』ですが、ディアボロスに攻撃を仕掛けつつ、退路を確保していつでも撤退できるようにしているようです。」
 その為、決戦を仕掛けて戦闘を行いつつ、別動隊が退路を塞ぐ必要がある。
「退路を塞ぐ別動隊の任務は、他のディアボロス達にお願いするので、皆さんには、炎のベディヴィア卿との直接戦闘をお願いしたいんです。」
 別動隊が、退路を塞いだ後ならば、『炎のベディヴィア卿』を完全に撃破する事が出来るはずだ。

 概要の説明を終えると、泉美はさらに詳しく解説をはじめた。
「この依頼の最終目標は、『炎のベディヴィア卿』との決戦に勝利する事です。有利に戦うためにも、護衛のドラゴン達を先に撃破するのが良いかもしれません。」
 また、今回は、別働隊の動きを見ながらの戦も必要になるかもしれない。取り逃がさないためには連携が肝心だ。

 それから、と泉美は考え深げに付け加える。
「『炎のベディヴィア卿』は、激情家のようです。この性格をうまく利用して、煽ることができれば、何等かの情報を得ることができるかもしれません。また、ディアボロスが倒した『氷のベディヴィア卿』とは関係が深かったようです。」
 敵の心理の弱点をうまく突き、怒らせ動揺させることができれば何か情報を得ることができるかも、と泉美は話す。まともな話し合いで口を滑らせるようなことはあり得ないでしょう、とも。

「また、ジェネラル級フローラリアの『薔薇の戦士スカアハ』も参戦はしてきませんが、戦場にはいます。」
 この機会に、スカアハに対して何か呼びかけることもできるだろう。
「うまくやれば、今後の世界樹ダンジョン中枢の探索に有利な状況を作ることが出来るかもしれません。」
 スカアハはきっと今、ディアボロスに対してある程度、よい印象を持っているのではないか。
「けれども、私たちが世界樹を攻めている以上、敵であることを乗り越えられません。もし世界樹を攻める理由をうまく納得させることができる理由があれば……あるいは。」
 いいアイデアがあるならぜひ挑戦を、と泉美は皆に頼んだ。

 情報戦は厄介だが、ただこれだけは言える。
 この世界は、一人一人の行動が、ひとつひとつの事件が、未来を作ってゆくのだ。

「炎のベディヴィア卿は、炎という性質から妖精郷攻略において大きな役割を担って来ました。ここで炎のベディヴィア卿を撃破すれば、ドラゴンの妖精郷攻略を大きく後退させることが出来るでしょう。」
 そう言って、泉美は皆を激励し、念を押す。
「別動隊が退路を塞ぐのに成功する前に『炎のベディヴィア卿』を撃破してしまうと、撤退されてしまうので、それだけは注意して下さい。」
 そして……さらに少し考えて付け加えた。
「だからといって、退路を塞ぐのを待って、敗北してしまえば元も子も無いので、状況を見つつ、場合によっては、止めを刺すのを諦めて撃退する必要もあるかもしれませんね。」
 ご武運を、と泉美はぺこりと頭をさげた。


 世界樹の葉影の向こうを、大きな翼が風を切って飛んでゆく。
 撤退するドラゴン達の姿を見上げて、薔薇の戦士スカアハは小さく息をついた。
(「今は世界樹を守り切ったようです。」)
 自分が生き延びたことも、ドラゴンから世界樹をとりあえず守り切ったことも、己の力のみではなしえなかったとスカアハは感じていた。
「ドラゴンとの戦いでは、ディアボロスには助けられましたが……。」
 世界樹から息吹をもらいながら、スカアハは油断なく空を舞う炎の竜を見上げた。片翼は燃える炎、あれが炎のベディヴィア卿だ。
「しかし、ディアボロスが世界樹に攻めてきたのも事実。油断をする事はできませんが、今は、感謝しておきましょう。」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
14
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【液体錬成】
2
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV4 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV8 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

水上ケイ
攻略旅団の提案により、世界樹外周にて、炎のベディヴィア卿に決戦を挑むシナリオです。

大前提として、敵は飛翔しており、また退路を確保して有利にディアボロスの戦力を削ろうとしているようです。
この「退路」を塞ぐ支援シナリオが8本成功してからでないと撃破できません。
場合によっては勝利はしたが撤退される事もありえます。

以下選択肢の説明です。
執筆予定順は次の通りです。詳細はオープニングをご覧ください。

③👾護衛するトループス級『炎砕竜フロウ』

②『薔薇の戦士スカアハ』への呼びかけ(以降随時)
↓ 
①『炎のベディヴィア卿』との会話
 会話ができるのはこの選択肢のみです。

④👿世界樹外周の決戦『炎のベディヴィア卿』
  決着間近になりましたら、他の決戦支援シナリオの様子を見ての執筆になると思います。

それでは皆様の賢い会話プレイング、または、カッコいい戦闘プレイングをお待ちしております。
敵は攻撃したものと同じ能力値で反撃してきます。
39

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


シル・ウィンディア
ついに出てきたね、炎のペディヴィア。
でも、その前に…
前座をクリアーしないとね。
さぁ、行きましょうかっ!!

飛翔で上空に舞い上がっての空中戦機動を開始っ!
残像を生み出しつつ、攪乱機動を開始するよ

撹乱しつつ、世界樹の翼type.Cからの誘導弾を連射して牽制!
常に移動して的を絞らせずに動き回って…
高速詠唱からの天翔光撃破でまとめて切り裂いていくよ

敵の攻撃は、光の翼を前面に回して防御(ガードアップ)して被弾を抑えていくよ

敵の攻撃に対しては、しっかり反撃して少しでもダメージ蓄積をしていかないとね。
これだけで何とかなる相手じゃないけど…
でも、わたし達はこんなところで止まっていられないのっ!!


風花・波那
思い返すと、始まりの戦いは妖精郷の村を攻めるドラゴン退治だったなあ。
やーーっと仕返し出来るわ!

とはいえ今の段階で炎のベディヴィア卿に仕掛けるのは尚早ね。
ここは雑魚を蹴散らしとくのが先!

決戦のことも考えて残留効果も重ねておかないとね。
周囲の仲間と連携し攻撃対象合わせ。

炎砕竜フロウにダッシュし剣で斬撃。
避けれるものなら避けてみなさい!
隙を見て剣の刺突で目を狙いつつ視界を狭め、逆の手で幻魔鍵を召喚し死角から攻撃!
敵はよく観察する。
攻撃素振りがあれば警戒してすぐ回避行動を取れるように一旦距離を取り構える。
その後は中距離を保ち幻魔鍵連発。

炎のベディヴィア卿を倒すまで負けるわけにはいかない。
本気で行くよ!


●遥かなるこの道を征く
 世界樹の巨きな幹で、ディアボロス達はついに配下の一団を引き連れた炎の竜とまみえた。燃える闘志の如き敵の炎が赤く戦場を照らす。
「来たな、ディアボロス。まずは小手調べだ、かかれ!」
 敵の配下、紅色の竜が一斉に前進を開始する。
 そして、これを撃つべくディアボロス達も一斉に動いたのだ。

 シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は、円卓の騎士を強い目で見た。
(「ついに出てきたね、炎のベディヴィア。でもその前にまずは前座をクリアしないとね。」)
 そして炎のベディヴィア卿の号令と同時に、世界樹の幹を蹴って舞い上がる。
「さぁ、こちらも行きましょうかっ!! 」
 鍛えた空中戦の技術を活かす時だとばかり、シルは鮮やかに敵の一団に仕掛けた。敵軍を攪乱するようにこなれた動きで飛び、時に残像を風に残す。
(「……世界樹の戦場から抜けちゃうと真っ逆さまだから、気を付けないとね!」)
 シルは戦場の端でグッと体を捻り、手品のように魔力銃を手にする。敵に的を絞らせぬ様めまぐるしく動きながら、向かってくるフロウ達に誘導弾を浴びせかけ、畳みかけるようにパラドクスを放つ。
 ――光よ、我が手に集いて力となり、暗夜を斬り裂けっ!
 シルの背に二対の光の翼が顕現する。刹那、高速詠唱からの天翔光撃破が向かってくる敵を薙ぎ払った。
反撃のマグマの細片が周囲を赤く染める。その中に、シルは光に包まれて在った。
 フロウ達の反撃を突き抜け、シルは再び武器を手に戦場を駆ける。パラドクスが明滅する中、小柄な身体は臨機応変に敵の間隙を縫って舞う。紅色の竜をまずは一体落とし、さらにシルの攻勢は止まらない。
「わたし達はこんなところで止まっていられないのっ!! 」
 光の斬撃波がシルの手のひらから敵へと大きく広がっていった。
 
 その光の刃を追いかける様に、タイミングを合わせて波那が攻撃を放つ。

 風花・波那(夢詠の花果・g00593)は炎のベディヴィア卿を見つけた時、不敵に目を輝かせた。
(「思い返すと、始まりの戦いは妖精郷の村を攻めるドラゴン退治だったなあ。やーーっと仕返し出来るわ! 」)
 戦場が動き出すと、波那も身軽に敵へと向かった。
 目の前の敵は火砕竜フロウの群れだ。
(「……とはいえ、今の段階で炎のベディヴィア卿に仕掛けるのは尚早ね。ここは雑魚を蹴散らしとくのが先!」)
 シルの魔法攻撃と連携するように、波那は剣を片手に敵陣に突入した。
「避けれるものなら避けてみなさい!」
 気合十分に、手負いのフロウが見せた隙をつく。刺突で視界を狭めるように動き、逆の手で幻魔鍵を召喚する。死角を狙って白銀鍵を投擲すれば、それは見事に命中し、空色に煌めいて弾ける。紅の竜は反撃を放つとそれきり動きを止めた。

 波那には冷静な計算もあった。先に配下を撃つのも作戦のうちだ。
(「決戦のことも考えて残留効果も重ねておかないとね。」)
 戦闘に集中する中、波那は敵を観察し、次の標的を定める。その手は力を求めて幻魔鍵を召喚し続ける。
 風翔ける翼よ! 力を貸して! 
 ……幾度も、幾度も、風の力を纏う白銀鍵は波那の詠唱に応え、敵を撃った。 
 そして反撃の噴石の嵐を駆け抜ける。炎のベディヴィア卿を討つまで、倒れるわけにはいかないから、 波那は自分を鼓舞し続ける。
 ――本気で行くよ!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

園田・詠美
フローラリアの監視塔からドラゴンの暴挙を察知したところから、遂にここまできましたか
敵は円卓の騎士
ようやく掴んだ大型物件、この機を逃さないようにしましょう!

そちらが熱ならこちらは氷!
熱したマグマも急激に冷やせば溶岩に変わる、そうなれば効果は下がるというもの!
冷やす前に飛んでくるマグマは魔法障壁で受け止めて、ダメージを抑えつつー……多くの敵を魔法の射程内に収めたところで【高速詠唱】からの【全力魔法】で吹雪を展開!
吹雪で敵を周囲ごと飲みこんで、カチンコチンにしてあげましょう!
業務、執行!!


シエルシーシャ・クリスタ
連携やアドリブ歓迎

円卓。ドラゴンのジェネラル級。
本国から離れている今、討つには絶好の機会だね。
もう一匹も狩りたいけど贅沢は言えないか。

まずは配下から……とは言っても退路を断つまでの時間は稼ぎたいなあ。
パラドクスとそうじゃない通常攻撃と織り交ぜて、あまり効かずに苦戦してる風に時間稼ぎ、行けるかな?
こっちの程度を低く誤認させられたら撤退判断も遅れると思うんだけど。
あからさまだとバレるしできる範囲で――真っすぐ、正面から力づくの攻めに徹しようか。
うん、そうだ。それがいい。ヘタに考えずに、故郷を砕かれた怒りだけの、馬鹿みたいに単純な、守りも考えない突撃を繰り返そう。無様に素殴りも交えて。(少し暴走中)


 園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)は感慨をこめて炎のベディヴィア卿を睨んだ。
(「フローラリアの監視塔からドラゴンの暴挙を察知したところから、遂にここまできましたか。」)
 シエルシーシャ・クリスタ(鬼人の妖精騎士・g01847)は複雑な面持ちだ。
(「円卓。ドラゴンのジェネラル級。本国から離れている今、討つには絶好の機会だね。もう一匹も狩りたいけど贅沢は言えないか。」)
それぞれの視線の先には炎のベディヴィア卿がいる。
 円卓の騎士の命令を受けて配下の赤い竜達が戦場へとなだれ込んでくる。

(「そちらが熱ならこちらは氷!」)
 詠美は向かってくる敵の一団へとパラドクスを放った。猛吹雪が辺りを白く染めて敵の放ったマグマの熱とぶつかる。詠美の瞳が魔力をたたえて揺らめく。
「熱したマグマも急激に冷やせば溶岩に変わるのよ!」
 アイスエイジブリザードが一瞬にして周囲を凍てつく世界に変える。吹雪は力を増してマグマを凍てつかせ、貫き、刹那、敵の紅の身体を凍らせる。
 この日、詠美の周囲の戦場には、熱と冷気が渦巻いた。
 反撃のマグマをいなし、敵が群れたところへ、タイミングをはかって詠美はパラドクスを放つ。
「吹雪でカチンコチンにしてあげましょう!」
 高速詠唱からの全力魔法が炸裂する。青い瞳は敵の炎を映して輝き、金髪には氷の破片を煌めかせ、詠美は懸命に戦った。
 目指す敵は炎のベディヴィア卿。
(「敵は円卓の騎士。ようやく掴んだ大型物件、この機を逃さないようにしましょう! 」)
 この配下どもを撃破すれば、円卓の騎士に手が届く。
 詠美は乱れた髪をかきあげて、休むことなく新手に挑む。
 今日のノルマはちょっと多いかもしれないけど、必ず達成すると心に誓っている。
 魔力を湛えた瞳で詠美は気合をいれる。
「業務、執行!!」

 一方シエルシーシャには、自分なりの算段があった。
(「まずは配下から……とは言っても退路を断つまでの時間は稼ぎたいなあ。」)
 シエルシーシャはするりと得物を手にする。
(「パラドクスとダメージ0の通常攻撃と織り交ぜて、苦戦してる風に時間稼ぎ、行けるかな?」)
 そしてそこには狙いがもう一つ。
(「こっちの程度を低く誤認させられたら、撤退判断も遅れる……といいけど。」)
 敵がもし、ディアボロスが氷のベディヴィアを撃破した情報を知らなければより可能性はあったろうが、それでも、試す事はできるはず。
 そんな、長く感じる思考も一瞬で、フロウ達の群れが迫ってきた。
(「あからさまだとバレるし、できる範囲で――真っすぐ、正面から力づくの攻めに徹しようか。」)
 故郷を砕かれた怒りを胸に、単純に想いを込めた突撃を繰り返してやる。
 得物を握る手に力がはいる。
 シエルシーシャは向かってくる紅色の竜へと跳躍した。パラドクスを展開しぶつかり合うその中で、彼女は時折無様にただ敵を殴ってみた。
 戦場の熱が怒りとなってシエルシーシャに伝わってくる。
 反撃をものともせず、ただ突き動かされる様に、シエルシーシャは敵陣を駆けた。
 
 無我夢中の戦場でふと立ち止まった時、パラドクス通信が開かれた。
「こちらアンゼリカ。右方から敵、連携するね。」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

アンゼリカ・レンブラント
提案した作戦が決行されるありがたさで気合十分
さぁ、必ず炎のベディヴィア卿を討ち果たすよ!

まずは配下のドラゴンを崩していこう
パラドクス通信も駆使して
仲間と仕掛けるタイミングを合わせダッシュで迫り
パラドクスの薙ぎ払いで攻撃だよ

敵陣の外周から削るように打ち込み
打ち込んだ後はすぐに一撃離脱、囲まれないよう
立ち位置に気を付けて再度攻撃をし数を減らしていくね
敵からの反撃は身に纏うオーラを全開、
装備品と合わせた防御で炎を凌ぎ動きを止めないから
まだまだ、私の勇気は消えないよ!

消耗の大きい個体に呼吸を整え
力を溜めた《雷剣波紋衝》をお見舞いし倒すね!
私達の力、測れるならやってみろ
私たちはその上をいってみせるから!


 アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は士気高く戦場に立っていた。
(「提案した作戦が決行されるありがたさで気合十分。さぁ、必ず炎のベディヴィア卿を討ち果たすよ!」)
 その為にはまず、邪魔な配下のドラゴンを崩してゆくのだ。
 パラドクス通信を閉じると、アンゼリカはシエルシーシャの攻撃に合わせるように、敵へと疾駆し、薙ぎ払った。雷光が敵陣を走ると、紅の竜がはじけ飛ぶ。
「どんどん行くよーっ!」
 アンゼリカはバックステップで身軽に下がったかと思うと、瞬時に向かってくる敵集団へ跳躍した。
 詠唱とともに剣を構えるその身体が雷光のオーラを帯びて眩しく輝く。
 世界樹の枝上を、アンゼリカは飛ぶように駆けた。攻撃を放ち、降り注ぐ数多の噴石の中をオーラを纏って走り抜ける。炎に包まれる噴石を装備と鍛えた身体でしのぎつつ、アンゼリカの身軽な動きは止まることを知らない。
(「まだまだ、私の勇気は消えないよ!」)

 アンゼリカの進路をふさぐように、炎砕竜が躍り出る。手負いのそれは、最後の力を振り絞って襲いかかってくる。
 アンゼリカは深く息を吸った。戦場の喧騒が一瞬遠のき、身内に力が満ちてくる。
 ――雷光よ、我が剣に集いて敵を焼き払え!
 次の瞬間、パラドクスがぶつかってアンゼリカの剣は噴石を断ち割り、フロウの命脈を絶ち切った。
「私達の力、測れるならやってみろ。私たちはその上をいってみせるから!」
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

ノイン・クリーガー
【タイガー部隊】で参加。
コードネーム:ゴースト

[心境]
空中戦は久し振りだ。
しかし負けん。

[行動]
F-9を装備し、【飛翔】して【空中戦】を行う。
仲間と連携し、敵を包囲しながらM22で【弾幕】を浴びせる。
隙を突かれないように味方の死角をカバーしながら戦う。

爆風とマグマはメインブースターと緊急機動用バーニアを使い振り切る。
隕石は蛇行して躱す。


エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
ベディヴィア卿と言えばアーサー王に最後まで付き従い、その最期を看取ったとも言われる忠義の騎士。
ならばその忠義、見極めさせて貰う。

●行動
【タイガー部隊】で参戦。
コールサイン:ユサール
連携歓迎。

【飛翔】し【空中戦】。
ベディヴィアに肉薄する為にも、取り巻きは早い所落としておきたいわね。

敵の隕石落としは【戦闘知識】からの軌道予測で弾道を読み、彼我の速度差や相対速度、距離と角度から回避行動を取りつつ、徐々に高度を上げていく。

敵の頭上を取ったら【制圧射撃】で出鼻を挫き、味方の攻撃の機会を作ると同時に包囲網の中へと追い込む。
味方の攻勢に呼応し【一撃離脱】で急降下。ダイブアンドズームをお見舞いするわ。


レオアリア・フォルシオン
【タイガー部隊】
コールサイン:カムラン

さぁ、ここでベディヴィアの名を最終人類史に帰して貰うわよ!

瞬間、飛翔しながら非物質的な概念を凍結させる冷気が『熱運動』という現象を凍結させ、パラドクスを無効化
反撃も然り、空間そのものを凍結させ次元障壁として反撃のパラドクスを防いでいくわ

連係についてはエリザベータら飛翔を使う仲間と立体的包囲を敷く様に動き、その後は敵の反撃や攻撃に対してフォローし合いながら防いだ後反撃で攻撃していくわね

そう、氷のベディヴィア卿の力…
ディアボロスが行った復讐の結果であり、褒章
…お前達は復讐をしてはいけない、許しはしない
復讐を行っていいのは、わたくしとその仲間だけなのだから


ヴェルチ・アリ
炎の竜との戦いとあらば、是非ウチも加えていただきたい!火炎使いの知識、無駄にはなりませんでしょう、多分!
隕石が降り注いでくるなら、それを薙ぎ払うのみ…!自分はまだ強くはないですが、だからこそ相手が注目するのは強い仲間!相手の意識から自分が少しでも消えた、そのタイミングこそ自分が暴れる最高のタイミングです!



【温熱適応】により高熱の戦闘の負担を少しでも軽減。
【火炎使い】により相手の火炎をよりこちらの強い火炎で迎え撃つ。
【忍び足】により、ぎりぎりまで強くない自分の存在を隠して不意打ちを狙う。

アドリブ絡み大歓迎です。


 炎砕竜フロウの群れとの戦いに、タイガー部隊の面々も参戦した。
 ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)、コードネームはゴースト。
 エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)、コールサインはユサール。
 レオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)、コールサインはカムラン。
 敵に空中戦を挑もうとする彼等は、全員飛翔の残留効果を戦場にもたらした。
 世界樹外周はある意味空中戦の戦場としては特異である。この戦場自体、世界樹二層にあって相当な高度であるが、飛翔可能なのは戦場内のみ。従ってタイガー部隊も、それぞれの空中戦の技量を発揮してアクロバティックな戦いをみせた。

 炎のベディヴィア卿を認めて、エリザベータは自身の知識を思い起こす。
(「ベディヴィア卿と言えばアーサー王に最後まで付き従い、その最期を看取ったとも言われる忠義の騎士。ならばその忠義、見極めさせて貰う。」)
 しかし、円卓の騎士とディアボロスの間には邪魔者がいた。
(「ベディヴィアに肉薄する為にも、取り巻きは早い所落としておきたいわね。」)
 また、姫騎士レオアリアは意気盛んである。
(「さぁ、ここでベディヴィアの名を最終人類史に帰して貰うわよ! 」)

 他方でノインは淡々とF-9を装備し、無言で飛翔を開始した。
(「空中戦は久し振りだ。しかし負けん。」)
 強気である。円卓の騎士はともかく、この配下の赤い竜をまずは駆逐するべく、空中で仲間の動きを視野にいれつつ、武器を構える。
「囲むぞ。」
 パラドクス通信を開き、仲間に短く告げると銃撃を開始する。
 作戦を念頭に、タイガー部隊のメンバーは動いた。
 エリザベータは徐々に高度をあげてきた。空中戦は彼女の得意とするところだ。戦場を自在に飛び、敵を囲い込むべく、頭上をとった敵に向けて制圧射撃で出鼻をくじき、敵へ向かって急降下する。
 ダイブアンドズームが炸裂し、エリザベータは確実に狙った敵を屠る。
(「通常攻撃にも反撃はあるわ。しかし……牽制やフェイントからパラドクスの攻撃につなげるのは有効な作戦ね。」)
 連携するようにレオアリアがパラドクスを放った。空中に在るレオアリアから柔らかい淡雪が明滅しながら戦場をくるむ。
「非物質的な概念を凍結させる冷気が『熱運動』という現象を凍結させるのよ……。」
 レオアリアはその視線を刹那炎のベディヴィア卿に向ける。
 その力は、かつて氷のベディヴィア卿からディアボロスが奪ったものだ。
(「そう、ディアボロスが行った復讐の結果であり、褒章。……お前達は復讐をしてはいけない、許しはしない。復讐を行っていいのは、わたくしとその仲間だけなのだから。」)
 タイガー部隊は敵の反撃を縫って善戦した。
 ノインが敵の反撃を、忙しく振り切る。メインブースターと緊急機動用バーニアを使い、ダメージを軽減する。頭上に落ちてきた噴石をスレスレに蛇行してかわす。
 エリザベータも緩急をつけた飛行で多くの反撃をしのぎ、敵を狙った。
 レオアリアが囲んだ敵を狙って氷のベディヴィアを倒して獲得した力を放つ。
「復元せよ、我が歴史。それは非物質総てを凍てつかせる氷雪の歴史。その復元を以て我は魔竜から簒奪した淡雪を掌握する。」
 冷気と静寂が敵を襲った。
 次の瞬間、エリザベータがパラドクスを纏って急降下突撃する。

 紅色の竜がまた四散した。

 そこに、不意をつき、手負いの竜に仕掛けた者がいる。
(「炎の竜との戦いとあらば、是非ウチも加えていただきたい! 火炎使いの知識、無駄にはなりませんでしょう、多分!」)
 ヴェルチ・アリ(火日饗凶・g03614)だった。
 使うパラドクスはルッリョの閃焔。
「迸れ、迸れ……奔流よ、炎よ、閃光よ、ホトバシレッ!! 」
 詠唱に応えて蒼い炎がヴェルチの瞳に宿る。魔力は溢れ、蒼い光線となって手負いの一体を焼き払った。
 紅の竜は断末魔の反撃をかえしてこと切れ、ヴェルチは降りかかる噴石を懸命に薙ぎ払う。
(「自分はまだ強くはないですが、できる事をやるのみ……!」)
 クロノヴェーダはディアボロスとみれば誰にでも攻撃をしかけてくるものだ。今日のヴェルチは敵の死角から、忍び足で仕掛ける策をとってみたが、皆それぞれに策があり、そこにこそ勝機があるというもの。
 ヴェルチは炎の心を抱き、紅の炎竜へ殺到する。相手の火炎よりもより強い火炎で相手を倒す、ヴェルチの目指すのはその一点だ。その瞳に再び力が集まり、蒼い光が相手を薙ぐ。
 そして、何より、一人で戦っているわけでもない。
 上空から援護射撃が飛んでくる。ノインが彼の死角を突こうとした別の一体を仕留めた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV4になった!
【温熱適応】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV2が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【タイガー部隊】
連携アドリブ歓迎
コードネーム:フェーデル
残留効果活用

妖精郷を焼いた仕打ち、忘れてはいない……
植物のフローラリアに、炎の竜を当てるのはドラゴンの策か

ここで戦局が動くならば、確実な一手を
まずは道を拓こう

【飛翔】し空中戦
偵察、観察し敵味方の配置を常に把握
敵の死角を取りつつ、立体的包囲の位置を取り
味方と標的を合わせなるべく各個撃破を狙う

射撃で牽制、空中での身動きを取らせず
味方の攻撃の隙を作り、好機には俺も畳みかけよう

周囲を警戒し、味方が背後を取られないよう偵察を続け
危険があれば伝達し、フォローを優先

反撃のマグマにはEis-Spiegelを撒き相殺させ
魔力障壁で防御し、最高速度で回避を


伏見・逸
【タイガー部隊】で参加
コードネーム:カリュウ
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ利用)

個人的に思うところはねえが、仲間の因縁ってんなら力を貸すぜ

チームの仲間と連携を重視
【飛翔】での空中戦
飛び回って敵を囲い込み、数や動きを把握。情報共有は密に
敵の攻撃は飛翔の機動力を活かして回避
飛んできた物が小さければ、武器や尾で叩き落とす
仲間同士の衝突や攻撃への巻き込みを避けるようにフォローし合う

以下の状態の敵がいれば攻撃を優先
・自分が攻撃すれば落とせそうな個体
・他のディアボロスを攻撃しようとしている個体
攻撃時は【狙い撃つ災禍】使用
四肢と武器と翼と尻尾、使える手段は全て使ってねじ込む
基本は近接攻撃・一撃離脱


ライカ・ネイバー
連携アドリブ大歓迎
(戦闘中はダッシュ、ジャンプ、空中戦、地形の利用で常に走り回ります)

【タイガー部隊】
こんちゃーす、いつものお手伝いでーす。
まずは雑魚散らしって事で、パパっとやっつけて次へ行きましょ。

早速『改変:神行法向』を発動、【飛翔】して戦いますねぇ
ノンストップで行きますよ〜
味方の作る包囲網に沿って移動しながら【制圧射撃】で牽制
離れたままでは埒があかないんで、時たま意表を突いて【突撃】〜!
ジグザグ機動で【フェイント】をかけつつすれ違い様に攻撃していきますね
撃ち漏らしは味方に任せて【一撃離脱】
引っ掻き回してやりますよ〜
後は孤立しないように足並み揃えて立ち回りましょうねぇ


 そして、最後の掃討戦では、さらなるタイガー部隊の仲間が活躍する。
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)、コードネームはフェーデル。
 伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)、コードネームはカリュウ。
 そしてお手伝いのライカ・ネイバー(エクストリームお手伝い・g06433)、コードネームは……(省略)。

(「妖精郷を焼いた仕打ち、忘れてはいない……。植物のフローラリアに、炎の竜を当てるのはドラゴンの策か。」)
 軽やかに空中を駆ければ、エトヴァの青い髪が世界樹の風に流れる。タイガー部隊の彼等ももれなく、飛翔の効果を携えてきた。
(「ここで戦局が動くならば、確実な一手を。まずは道を拓こう。」)
 思いは皆同じだった。
 エトヴァは冷静に、敵味方の位置を可能な範囲で把握につとめつつ、味方と共に敵を囲みこむように動いた。戦場になっている世界樹第二層の外周は、目もくらむような高所にある。その巨大な枝葉を縫って敵味方は攻防を展開した。
「――Sei frei. 」
 詠唱とともに、天使の翼が背で風を斬り、輝く光の軌道を描く。エトヴァは高所から銃撃を開始した。

「こんちゃーす、いつものお手伝いでーす。まずは雑魚散らしって事で、パパっとやっつけて次へ行きましょ。」
 ライカが忙しく行動を開始する。
「ノンストップで行きますよ〜。」
 ふっと風に乗るように飛翔すると、パラドクスを発動し、武器を構えて牽制すると、敵の隙を誘い、突入する。ジグザグ機動で紅の竜に肉薄し、すれ違いざま、一撃を入れる。ライカは容赦しなかった。空を駆け、世界樹の幹を蹴って跳躍し、枝を風のごとく渡ってめまぐるしく動く。
 それで落ちる竜もあり、したたかに生き延びる個体もあったが、ライカは撃ち漏らしは仲間を信頼して任せ、敵中を高速でかき回しにかかった。
 お手伝いとはいえ、空中戦は得手とするライカである。
 反撃の噴石もついでに落とし、あるいは躱し、巧みにコースをとって最小限に痛みを減らす。
 そして仲間の目指す連携はうまく機能していた。
 エトヴァがライカを追おうとした敵を仕留める。
 また、気合とともにドカ、と逸の拳が唸る。
 手負いの一体がそれで跳ね飛んでもう動かない。反撃の噴石もついでに尻尾で叩き落し、大きい石をグイっとかわす。あとは大雑把に傷をぬぐって次の標的にかかる。
「個人的に思うところはねえが、仲間の因縁なんでな!」
 バキ、と妙な音がして手負いの一体がまた動きを止める。
 逸の背のドラゴンの翼が頼もしく風を斬る。四肢と武器と翼と尻尾、パラドクスを纏い、全身を武器にして豪快な技をみせる逸だが、味方への繊細な気配りも忘れない。衝突などを避けるべくフォローしあうよう努めた。
 やがて、彼等は最後の数体を囲みこむのに成功した。
 エトヴァが畳みかけるように攻撃を開始する。
 ライカもありえない角度でターンを決めて襲い掛かる。
 逸は威勢よく攻撃をぶつけていった。拳が唸り、鋭い蹴りが飛ぶ。
「こいつらで終わりだぞ。」
「そのようだな。」
 エトヴァが銃撃で最後の一体を仕留め、反撃のマグマにEis-Spiegel をまいて最高速度で動いた。
「はい、パパっと完了ですね。」
 ライカが軽く手をはたいて言った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV7になった!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV4になった!

アンゼリカ・レンブラント
また会ったね、スカアハ
今日は相談があったんだ

私達と貴女達
共に第一の敵とするドラゴン達を滅ぼす迄協力しないかな
私達は全てのクロノヴェーダを敵とするが
共通の敵がいるなら共に戦うことも不可能ではないと思う

世界樹を上がっているのは
実はそれを貴女達の断片の王に申し出る為だったんだ
第二層で私達は多くのアヴァタール級フローラリアを
あえてトドメを刺していない
それはこの提案を信用してもらう為でもある

共に戦うことが難しいなら情報交換だけでも構わないよ
私達はアイルランドや秘境ダンジョンの今を話せると思う

竜が第一の敵という言葉の証明として
炎のベディヴィア卿はこれから討ち果たす
その後第三層に行くから、考えていて欲しいな


●薔薇の戦士へ
 トループス級を片付け、戦況が一区切りしたのを機に、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は、スカアハの元へ向かった。
 この機に、今後こちらの作戦に利するように、呼びかけを行おうというのだ。
「また会ったね、スカアハ。今日は相談があったんだ。」
「……ん?」
 薔薇の戦士スカアハは、言葉を促すように、赤い瞳でアンゼリカを真っ直ぐに見つめてくる。その態度には仄かな信頼が見えた。
「私達と貴女達、共に第一の敵とするドラゴン達を滅ぼす迄協力しないかな? 私達は全てのクロノヴェーダを敵とするが、共通の敵がいるなら共に戦うことも不可能ではないと思う。」
「共闘……ではなぜ世界樹を攻めるのですか。」
 アンゼリカはこの問に対する返答を準備していた。
「世界樹を上がっているのは、実はそれを貴女達の断片の王に申し出る為だったんだ。第二層で私達は多くのアヴァタール級フローラリアを、あえてトドメを刺していない。それはこの提案を信用してもらう為でもある。」
 スカアハの先を促す様な視線に出会い、さらにアンゼリカは提案してみる。
「共に戦うことが難しいなら情報交換だけでも構わないよ。私達はアイルランドや秘境ダンジョンの今を話せると思う。」
「そう……。」
 スカアハは頷いたが、いずれ戦場での邂逅、詳しい話ができるはずもない。アンゼリカは最後に告げた。
「ドラゴンが第一の敵という言葉の証明として、炎のベディヴィア卿はこれから討ち果たす。その後第三層に行くから、考えていて欲しいな。」
 その後ろ姿を、スカアハの視線が追う。その瞳は、己の陣営にとって、どちらが有利か思案するように見えた。
 そして呟いた。
「もし、この決戦にディアボロスが敗れるならば、共通の敵のドラゴンに対して共闘はありえるかも……逆に、ディアボロスが炎のベディヴィア卿を撃破したなら、その警戒度はあがる。共闘は難しくなり、あるいは……。」
 スカアハは油断なく戦況を見届け続ける。
 今後の行方を占う情報戦ははじまっている。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

ノイン・クリーガー
プライドの高い激情家か。
なるほどねぇ…

[会話]

「アンタが炎のベディヴィア卿か。
わざわざ氷の奴の二の舞いになりに来たのか?
それとも他の円卓の騎士でも連れて来るかね?」

挑発しつつ他の円卓の騎士について触れる。

!キレたら!

「アンタの相棒も精神的苦痛を与えるのが好きだっただろう。
見逃してやるからそんなに怒るなよ。
エクスカリバーを封じる算段もついた。
どの道我々の勝利は揺るがない」

ついでにハッタリも仕掛ける。


●会談:炎のベディヴィア卿
 配下を一層したことで、ディアボロスと炎のベディヴィア卿の間に邪魔者はいなくなった。
 決戦を前に、ディアボロス達はこの円卓の騎士から少しでも情報を聞き出そうと試みる。
 事前情報をもとに、「必要十分な挑発」と同時に、狙った情報を引き出すべく、ディアボロス達は挑戦するのだった。

(「プライドの高い激情家か。なるほどねぇ……。」)
 ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)は、腕組みをしたまま、円卓の騎士を名乗るクロノヴェーダを見た。そして、その視線を受け止めるように、するりと前に出る。
「アンタが炎のベディヴィア卿か。わざわざ氷の奴の二の舞いになりに来たのか? それとも他の円卓の騎士でも連れて来るかね?」
「我が一人で来たと思っていたか。」
 ここでノインはさらに他の円卓の騎士の名を出して挑発しようとしたが、準備不足もあったか、炎のベディヴィア卿は動揺をみせなかった。
 いずれにしろ、あからさまな嘘や大きすぎる話は見破られる確率が高いものだ。そこで彼は、話のついでにこう言ってみた。
「エクスカリバーを封じる算段もついた。どの道我々の勝利は揺るがない。」
 ハッタリだがな……、とノインは胸中でうそぶくが、炎のベディヴィア卿は吐き捨てるように、こう言った。
「エクスカリバーを封じるなど、何者にも不可能だ。あれは、アーサー王の……。」
 そして、はたと冷静に口をつぐむ。
「言いたいことはそれだけか。」
「……。」
 少々挑発が足りなかったようだな、とノインは感じた。
苦戦🔵​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
炎のペディヴィアさん、こんにちわ。いい日だねー
氷のペディヴィアを討った人を探しているの?
それをしってどうするのか聞いてみたいかな?

氷のペディヴィアはアーサー王の加護があったけど、あなたにはないの?
まぁ、加護に頼ってた氷のペディヴィアは、加護がなくなって落とされたんだしね。
その点、あなたはそういうのはなさそうだね。
それか、与えるに値しなかったのか…
どうなんだろうね?
それか、王は一人に与えるのが精いっぱいだったとか?
そんなことないよねー。

と、まぁ色々聞かせてもらったので、お答えします。
わたしが、最後の一撃で撃ち抜かせてもらったよ、氷のペディヴィアは

…あなたも、そうなるんだから、覚悟してね?


 シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は笑顔をはりつけて炎のベディヴィア卿に呼び掛けた。
「炎のべディヴィアさん、こんにちわ。いい日だねー。氷のべディヴィアを討った人を探しているの?
それを知ってどうするのか聞いてみたいかな?」
「お前たちに討たれたのは既に知っている。」
 炎のベディヴィア卿はそう返した。激情家の片鱗はまだ見えない。
 シルは貼り付けた笑顔をそのままに一気に言葉を続け、炎のベディヴィア卿を煽った。
「氷のべディヴィアはアーサー王の加護があったけど、あなたにはないの? まぁ、加護に頼ってた氷のべディヴィアは、加護がなくなって落とされたんだしね。その点、あなたはそういうのはなさそうだね。
それか、与えるに値しなかったのか……どうなんだろうね?」
「……貴様、」
「それか、王は一人に与えるのが精いっぱいだったとか? そんなことないよねー。」
「言う事はそれだけか。アーサー王の強力な加護とて、この遠き妖精郷までは届かぬのだ。だが、加護が無くとも、お前たちなど……。」
 シルは顔には出さず、情報を胸におさめる。そして、堂々と炎のベディヴィア卿に宣言した。
「……お答えします。わたしが、最後の一撃で撃ち抜かせてもらったよ、氷のべディヴィアは。……あなたも、そうなるんだから、覚悟してね? 」
 決意を秘めてそう言い放ち、ちょっと思う。
(「挑発はうまくいったはず。もっと情報聞き出したいけど、妖精郷を攻めているこのドラゴンが握ってそうな価値の高い情報って何かな……?」)
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【飛翔】がLV8になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。

あれが炎のベディヴィア卿か。

氷のベディヴィア卿はひじょーにいやらしい戦い方してましたねぇ。
人に精神攻撃をしかけて幻影を見せるとか。ま、打ち破りましたが。
貴方もそんな事するんですかぁ?
威厳振りまいて強がって見せて所詮その程度なんですよ。

だからアーサー王からの加護は消えて、
ボクらのグレートブリテンへの侵入を許した。
王命を果たせず倒れる不忠の騎士ベディヴィア
そして貴方も妖精卿を滅ぼす事叶わず、また王命を果たせない。
可哀そうに、しかし…その命も今日限りです。

逃げますか?10秒待ちますよ。


風花・波那
……あと一つ。
『妖精郷を攻める理由』を聞き出したい。

しかし貴方も浅慮よね~。
本国から孤立したからって、慌てて妖精郷燃やしてたでしょ?
全然原因違うよ、あはは!
これじゃアーサー王の知能も知れたものね!

究竟竜ラモラックも遠い所から飛んできて大変ね。
そこまでしてこんな広いだけの妖精郷を狙う必要ある?
世界樹もただのフローラリアの最後の住処ってだけでしょ。
それとも貴方が弱くて重要な任務を任せてもらえないのかな?

心配しないで。アーサー王に会ったら伝えておくわ。
『炎のベディヴィア卿は妖精郷での任務を何も果たせずに死んだ』ってね。

一応言い分聞いてあげるけど、実際何も成功してないよね?

今までも。
そしてこの後もね!


 ――あれが炎のベディヴィア卿か。
 レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は、炎翼を持つドラゴンをまっすぐに見て、口火を切った。
「氷のベディヴィア卿はひじょーにいやらしい戦い方してましたねぇ。」
「何?」
 ギロリと強い視線が降ってくる。ここぞとばかり、レイは畳みかけた。
「人に精神攻撃をしかけて幻影を見せるとか。ま、打ち破りましたが。貴方もそんな事するんですかぁ?
威厳振りまいて強がって見せて所詮その程度なんですよ。」
「我らドラゴンは最強、王者の名にふさわしい能力を持つ。」
 ベディヴィア卿の両の瞳が、怒りの色を帯びて燃えるような熱を湛える。しかしレイはその威圧を押し返す様に続けた。
「……だからアーサー王からの加護は消えて、ボクらのグレートブリテンへの侵入を許した。王命を果たせず倒れる不忠の騎士ベディヴィア。そして貴方も妖精卿を滅ぼす事叶わず、また王命を果たせない。」「王命は必ず果たされる。妖精郷に来ているジェネラル級が我だけだと思ったか? 我らが拠点には我に劣らぬ強者が控えているぞ。」
 これはまず、究竟竜ラモラックのことだろう。
(「あの竜、確りと妖精郷に到着していたんですね。力を温存中という事でしょうか。」)
 だが、内心は伏せ、レイは自分の役割を演じ続ける。
「そう思っているなら可哀そうに……その命も今日限りです。」
「言わせておけば……。」
 まさに冷静さを手放しつつあるベディヴィア卿に、さらに火をつけたのは風花・波那(夢詠の花果・g00593)だった。波那はあと一つ、このドラゴンが妖精郷を攻める理由を聞き出したかった。
「だいたい貴方も浅慮よね~。本国から孤立したからって、慌てて妖精郷燃やしてたでしょ?
全然原因違うよ、あはは! これじゃアーサー王の知能も知れたものね!」
「最強種であるドラゴンの王を愚弄するか! 森などいくら燃やしても構わん。妖精郷の真価は、この世界樹にあるのだからな。」
「そうなの? 究竟竜ラモラックも遠い所から飛んできて大変ね。そこまでしてこんな広いだけの妖精郷を狙う必要ある? 世界樹もただのフローラリアの最後の住処ってだけでしょ。それとも貴方が弱くて重要な任務を任せてもらえないのかな?」
「……世界樹が、ただの拠点だと? この世界樹こそが、全てのダンジョンの祖たるクロノ・オブジェクトなのだ。」
 波那は素早く思考を巡らせる。
(「ということは……この先フローラリアとの戦いで探すべき情報は……。」)
 だがまずは目の前の敵を倒す。今はそれに尽きる。
「ふーん。まあ、心配しないで。アーサー王に会ったら伝えておくわ。『炎のベディヴィア卿は妖精郷での任務を何も果たせずに死んだ』ってね。」
「……。」
 敵の気配に怒りが充満する。だがディアボロス達は容赦なかった。
 波那は続ける。
「実際何も成功してないよね? 今までも。そしてこの後もね! 」
 そしてレイが、凄みのある笑みを浮かべてみせた。
「……逃げますか? 10秒待ちますよ。」
 ――この時、激情家だというドラゴンは、ついに咆哮をあげた。
「逃げねばならぬのはお前達だろう。決して逃がさぬがな!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV9になった!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!

 ●
 世界樹外周の戦場に俄かに緊張が走る。
 炎のベディヴィア卿は強敵だ。倒すためには支援作戦の成功を待たねばならないが、まずはある程度、敵を削っておく必要があるかもしれない。
 その先、最後のとどめを刺すタイミングは、足止めに回っている仲間との連携を計ることになる。
 ディアボロス達はそれぞれの策を胸に、ジェネラル級クロノヴェーダに挑む。
シル・ウィンディア
さぁ、炎のベディヴィア、始めましょうかっ!!
逃がさない?誰も逃げないよ?
そう、ここで滅ぼすからっ!!

飛翔から、上空に舞い上がって空中戦機動っ!!
ドラゴンだけじゃないんだよ、空が得意なのはっ!!
敵の通常攻撃は、世界樹の翼type.Cからの誘導弾で相殺を狙いつつ、高速詠唱。
飛び回りながら、残像を生みつつ、敵の周りを跳んでの攪乱機動をしながら…。

敵の裏を取ったら、六芒星精霊収束砲!
さぁ、これが氷のベディヴィアを討った魔砲…。
あなたもめいっぱい味わってねっ!!

氷のベディヴィアのほうが、氷はやっぱり強かったね

…ま、これだけで何とかなるとは思ってないよ?
それじゃ、第二ラウンド、行きましょうか?


風花・波那
私も怒ってるのよ。妖精郷の村を傷つけたこと。
森などいくら燃やしても構わないですって?

絶対に許さない!

敵を観察。
無闇に近づかず撹乱するように縦横無尽に飛翔。
周囲の仲間とも連携。
敵を中心として対称に飛び、誰か一人は背後を取れる様に意識して飛翔。

初動から攻撃手段を予測し早めの回避。エアライドや飛翔解除(落下)で方向転換し動きを悟らせない。

飛びながらも風花の幻影で巨大な炎のベディヴィア卿を創る。

行け!ベディちゃん!
高速移動と巨体で敵の行動を邪魔しつつ敵と同じ技で攻撃。
幻影の影(死角)に小型のスカアハの幻影(スカちゃん)を潜ませ、槍で不意打ち。

逆鱗に触れるだけじゃ気が済まない。鱗全部剥ぎ取ってあげるわ!


シエルシーシャ・クリスタ
連携やアドリブ歓迎

意外。随分お喋りなんだね。
でもそろそろ十分な時間は稼げたはず。
もう我慢は必要ないよね――口が臭い、さっさと閉じて。
口を開けば王だ忠義だって、ただ種族の力に己惚れてるだけの癖に。
言葉が軽いよ。この前の敵の方が余程重かった。

巨大化した腕に更に巨大な拳甲を纏って【飛翔】で突っ込む。
円卓が放つ追尾弾なら精度は抜群。でもそこに力を割いた分威力は落ちる。
拳甲で弾きつつの急加速で直撃を避けて離脱。
拳甲は砕けても元は破片と呪詛。再構築は一瞬。
腕も直撃じゃない、耐えてみせる。
全力で、ぶん殴る!


ああ、やだな、柄じゃない。これは私らしくない。
でもムカムカする。イラついてる。ドラゴンは、嫌いだ。


アンゼリカ・レンブラント
森などいくら燃やしても構わない、か
激昂しての言葉とはいえ、許すわけにいかない
二度と妖精郷を炎に包ませないから!

【飛翔】の最大スピードを受け、勇気を胸に突撃!
すぐには踏み込まず周囲の仲間とも連携して
フェイントを駆使しつつ隙を作り出すっ
いまだ、背後をっ!

誰かが攻撃を叩き込めたら、すかさず間合いを詰め、
パラドクスの格闘戦を叩き込むっ!
反撃の火炎弾をオーラの障壁で凌ぎつつ、
ラッシュを仕掛けていくよ

炎のベディヴィア卿が態勢を立て直したら、
再度間合いを離し隙を窺っていくね

確かに加護がなくても円卓の騎士は強いけれど
力なき人を守らぬ騎士なんかに負けるものかっ!
呼吸を整えた力いっぱいの《光獅子闘拳》を叩き込むっ


●炎を越える時
「逃がさない? 誰も逃げないよ?」
 ――そう、ここで滅ぼすからっ!!
 緊張の糸はついに断ち切られた。シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が戦場を飛ぶ。小柄な精霊術士は空色の髪を気流にそよがせて、空中戦に突入する。
(「世界樹の翼type.Cから、誘導弾っ」)
 炎のベディヴィア卿は力強い片翼で目覚ましい動きを見せる。互いに牽制しながら、シルは相手を攪乱するべく飛び回る。
(「ドラゴンだけじゃないんだよ、空が得意なのはっ!! 」)

 風花・波那(夢詠の花果・g00593)も妖精郷の村を傷つけたドラゴンに怒っていた――絶対に許さない!
 それは、炎のベディヴィアが漏らした言葉、「森などいくら燃やしても構わない」。
 王者を自負するクロノヴェーダの考え方が垣間見えたが、それを許すまいとするディアボロスの心もまた、負けずに強い。
 アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)も同じように思った。
(「激昂しての言葉とはいえ、許すわけにいかない。二度と妖精郷を炎に包ませないから!」)

 他方で、シエルシーシャ・クリスタ(鬼人の妖精騎士・g01847)は身内から湧いてくる感情に押されるように、やはり世界樹の枝を蹴っていた。
(「意外。随分お喋りなんだね。でもそろそろ十分な時間は稼げたはず。」)
 このドラゴンの、言ってることが気にくわない。
 自分でも「やだな」と思うけど、気分は悪いし、感情はささくれ立っている。それはもう、自分の中で嫌悪感が増殖し、今にも爆発しそうだった。

 このように戦いに赴く理由はディアボロスそれぞれ。しかし、ゴールは全員同じである。
 波那は攪乱するように炎のベディヴィアの周囲を飛んでいた。強い感情を抱きながらも、戦に及んでは冷静である。
 この時、4人全員が空中に在った。波那は仲間の動きを見つつ、敵を中心に対称に飛ぶように画策した。
(「こうすることで、仲間の誰かは背後をとれるはず……。」)
 なおかつ、波那は高く低く、時に風に乗って方向転換し、複雑な動きを意識して敵に動きを読まれぬよう、飛び回る。
 アンゼリカも、連携を意識し、攻撃の機会をうかがった。
 飛翔の最大スピードで空中を疾駆し、フェイントを織り交ぜた動きで敵を惑わせようとする。金色の髪が風を巻き天光色の瞳が敵を狙った。
 そして、待ちかねた様に仕掛けたのはシエルシーシャだった――その腕がみるみる巨大化した。モヤモヤとした怒りをエサに、体内の熱をあつめるように、巨大な拳甲を纏って。
「もう我慢は必要ないよね――口が臭い、さっさと閉じて。」
 シエルシーシャが力を拳に集め、世界樹の枝を揺らして一直線に空を駆って突撃する。
 忽ちパラドクスが激突した。炎の右翼が震え、翼の焔が千切れる様に火炎弾となって降ってくる。その動きをスローモーションのようにシエルシーシャは視界にとらえた。
(「さすが円卓。狙いは確実……てわけね!」)
 高温の衝撃が拳に加わる。シエルシーシャはその熱を弾き返すように巨大な拳をかざして敵へと突き進んだ。
(「……届けっ!」)
 刹那空間を操り、円卓の騎士をただひたすらに捕える。
「……口を開けば王だ忠義だって、ただ種族の力に自惚れてるだけの癖に!」
 感情と拳と、両方が敵の体躯に炸裂した。刹那、敵を蹴ってしなやかに飛び退る。
(「耐えられた……まだまだ、全力で、ぶん殴る!」)
 シエルシーシャは拳甲を破片と呪詛で再構築しつつ、湧き上がる闘志を否めない。
(「こんなの柄じゃないけど……私らしくないけど。ドラゴンは、嫌いだ。」)

 一方、この攻撃は味方を利するチャンスを作っていた。
「いまだ、背後をっ!」
 アンゼリカが叫ぶ。
 
 波那はその声を聞きながら、下から上へ、動きに連れて自分の眼前に大きくせりあがってくる炎のベディヴィア卿を見ていた。誰かが背後にあるならば、囲んでいればそうでない者もいるのだ。
 力強い隻翼、右の炎の翼もその眼光も、円卓の騎士の威厳は伊達じゃない。
 しかし、臆するという言葉はこの期に及んでなかった。
「夢を紡ぐ幻影となれ。」
 詠唱が風に流れる。
 波那は魔法のペン、夢幻の花果を握り、さらさらと幻影を紡ぐ。眼前の敵、炎のベディヴィアがもう一体、世界樹の樹下に顕現する。
「行け! ベディちゃん!」
 描き出した風花の幻影を操り、波那は叫ぶ。本当はスカアハの槍だって描いてみたかったけど、そう思う瞬間にも、敵味方のパラドクスがぶつかり、幻影は霧散する。
 高速で飛ぶ竜の翼が冷気を呼ぶ刃を運び、波那は痛みに耐える。しかし自分の傷よりも、相手に攻撃が通じたことに気分がいい。手応えを感じて、波那の瞳が軽快に瞬く。
(「逆鱗に触れるだけじゃ気が済まない。鱗全部剥ぎ取ってあげるわ! 」)

 アンゼリカは最大のスピードで炎のベディヴィア卿の背に迫った。
 仲間がパラドクスを発動し、竜の体躯が風を斬ってしなる。その瞬間をアンゼリカは逃さなかった。連携を意識し、詠唱とともに、その拳を包む手甲、戦姫闘拳『Shine Fist』から黄金獅子のオーラが解き放たれる。
 アンゼリカは、その輝くオーラを纏って突撃した。ほぼ同時、敵の翼から放たれる火炎弾はアンゼリカのオーラ障壁にぶつかって威力を減ずる。彼我の距離は瞬く間にゼロになり、アンゼリカは炎のベディヴィアを思い切りぶん殴った。鍛え上げた少女の身体が柔らかにしなる。その拳を拠点にエネルギーが炸裂した。
「力なき人を守らぬ騎士なんかに、負けるものかっ! 」
「お、のれ!」
 炎のベディヴィア卿はここまでのディアボロス達の連携に感心したかもしれないが、まだ攻撃は終わっていなかった。
 シルも攪乱機動から、チャンスを狙っていた。そして今、目もくらむ巨大砲撃魔法の光が、戦場を包む。
「さぁ、これが氷のベディヴィアを討った魔砲……。あなたもめいっぱい味わってねっ!!」
 輝く魔法陣を従えて、シルが言葉を放つ。
 そして反撃の凍空の刃をしのぎ、更に呟く。
「氷のベディヴィアのほうが、氷はやっぱり強かったね。」
 炎のベディヴィア卿はディアボロス達を威嚇するように、堂々と応じた。
「なるほどこれがディアボロスの戦法か。しかし、まだまだこんなものでは我は倒せぬぞ。もっと力を見せてみよ。」
「……ま、これだけで何とかなるとは思ってないよ? それじゃ、第二ラウンド、行きましょうか? 」
 シルが受けて立つ。アンゼリカは身軽に空中を舞って態勢を整え敵を注視した。

 戦いは続く。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【怪力無双】LV2が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!

エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
……速い。あの巨体でよく動く。
加えて炎の片翼……あんな熱量をまともに食らえばひとたまりもない。
だが、空戦で負ける訳にはいかない。

●行動
【タイガー部隊】で参戦。
コールサイン:ユサール

【飛翔】し【空中戦】で真っ向勝負。
【地形の利用】の応用と【戦闘知識】から、世界樹の葉の動きで風を読み、炎の熱量で生まれる気流を把握。
【制圧射撃】で牽制しながらヘッドオンで接敵、すれ違いざまの炎の翼を、その熱の生み出す気流に乗って回避しつつ、
反転上昇・半ロール、インメルマンターン機動でベディヴィアの上部後方に占位する。
機銃掃射と共にダイブ・アンド・ズームで【一撃離脱】。死角からの爆撃槌の一撃と共に飛び抜けるわ。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【タイガー部隊】
連携アドリブ歓迎
コードネーム:フェーデル

仲間と積み上げた飛翔の効果……
心強い追い風となるだろう
P通信で密に連携を

【飛翔】し空中戦
偵察、観察し戦況把握、ユサールと味方を援護

氷のベディヴィア卿とやり合った技だ
対で描いておきたくてな……
立体的に飛翔しダイナミックに
絵筆で宙にありったけの巨竜の姿を描き出し、戦わせる
分身で注意を惹き、竜を足止めしよう

常に飛び回り、位置を絞らせず
反撃の鎌鼬には魔力障壁を展開し、高速飛翔とエアライドで緊急回避
Eis-Spiegelを戦場に配し、竜の炎や鎌鼬を阻害、相殺させていく

竜よ、覇者と奢るな
容易く燃やした森にも、生活と生命が息づいていた事を……忘れるな


レオアリア・フォルシオン
【タイガー部隊】
コールサイン:カムラン

エリザベータ、わたくし達撃竜騎士にとって円卓の騎士を弑する事は撃竜騎士の王たる証明……
しかし、決着をつけるのはアンタが相応しいわ

飛翔の速度を活かして先制攻撃
光を纏ったゲオルギウスの刀身を振りかざし、追尾する火炎弾を二桁の域に達した飛翔の速度で回避しながら……
わたくしに意識が向いている所へパラドクスのレーザーが円卓の騎士の急所を穿つ
反撃の火炎弾も飛翔の速度で回避すると同時にレーザーで火炎弾を撃墜しながら対処

そこからはタイガー部隊の皆を援護し合いながらレーザーでの射撃とレーザーを刀身に付与した一撃をヒット&ウェイで円卓の騎士を攻撃していくわ


伏見・逸
【タイガー部隊】で参加
コードネーム:カリュウ
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ利用)

火竜じゃねえ、禍竜だ
てめえらを喰らう禍が来たぜ、騎士様よ

チームメンバーと声を掛け合い連携
敵の攻撃の気配や弱り具合を見て情報を共有
【飛翔】して敵を撹乱・攻撃回避
仲間同士での衝突や進路妨害・攻撃への巻き込みが起きないよう注意

攻撃時は【狙い撃つ災禍】使用
敵の炎でない方の翼を狙い、機動力を削ぐ
長ドスや四肢・尻尾・翼での近接攻撃~一撃離脱が基本だが、以下の状況ならそのまま敵にかじりつく
・仲間が強力な一撃を放とうとしている(隙を作る)
・敵の強力な攻撃の気配を察知(攻撃妨害)

遠慮するこたあねえ。思い切りぶち込んでやれ!


ライカ・ネイバー
連携アドリブ大歓迎
(戦闘中はダッシュ、ジャンプ、空中戦、地形の利用で常に走り回ります)
【タイガー部隊】

その余裕がいつまで続くか見ものですなぁ
精々吠え面かかないようにお願いしますね〜

【パラドクス通信】で連携
ある程度距離を取って【飛翔】しながら銃を【連射】して牽制していきましょ
攻撃の予兆や動作を【看破】して味方へ伝達
上手く避けれるように根回しです

ベディヴィアが急降下の準備に入るのを確認したら攻め時ですね
高度を上げ切った所を狙い《改変:神行法向・過負荷》を発動
直線距離ならこっちの方が疾いんですよねぇ
一気に【突撃】、速度が乗りに乗った【捨て身の一撃】で左翼をぶった斬っちゃいますよ〜!
片っぽも〜らい!


レイ・シャルダン
【タイガー部隊】
チーム外連携・アドリブ歓迎です。
コードネーム:スカイレイダー

さて、存分に怒らせてしまいましたが…本番はこれからです。
後ろに控える竜と合流されてもかないません。
必ずここで…墜とします。

【アクロヴァレリア】を点火して"飛翔"
航空部隊と"パラドクス通信"で連携を取りながら"空中戦"を仕掛けます。

敵の急降下を【Boeotia】で"観察"して"情報収集"を行い。
空中機動で回避します。
それでも防ぎきれない攻撃は【アルヴァーレ】によりガードを

掌に蒼き光を灯し、一本の矢へと
【ACRO】に番えて引き絞り、渾身の一撃を放ちます。

やはり王命は果たせませんでしたね。
そう、ボク達が決して果たさせやしない


ノイン・クリーガー
【タイガー部隊】で参加。
コードネーム:ゴースト

強いな。流石はドラゴンか。
しかし負けるわけにはいかん。
ここで討たせてもらう。


[行動]
F-9を装備して【飛翔】して【空中戦】を行う。
エリザベータがSPDの攻撃を受けている時はディフェンスを行う。

仲間とパラドクス通信で連携しつつ、
死角から接近してM22による【弾幕】を浴びせる。

火炎弾は緊急機動用バーニアを使い避ける。

炎の翼は上昇しながらバーニアで避けてすれ違う。

鎌鼬は最大速度で振り切る。


「力をみせよ」と息まく炎のベディヴィア卿は、ディアボロス達の攻撃によるダメージを得てなお、我が物顔に空を征く。
 隻翼でも膂力とスピードを誇るその姿は、円卓の騎士の一席としての名に負けず、威風堂々たるものがあった――余力を頼み、いざとなれば撤退も可能という自らの作戦の破れたことを未だ知らずに。
 だが最強種を自負する円卓の騎士の喉元にディアボロス達は迫りつつあった。

 ●空を制する者
 ……その時、タイガー部隊は既に空に在り、攻撃のチャンスが来た事を知った。
 パラドクス通信が展開し、戦闘前の最後の会話が飛び交う。
 エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)、コールサインはユサール。敵を視界にとらえ、闘志を燃やす。
「巨体のくせに速いわね。加えて炎の片翼……。でも空戦で負けるわけにはいかないわ。」
 冷静なエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、コードネーム:フェーデル。
「これまで積み上げた飛翔の効果がきっと追い風になるはず。連携は密にな。」
 少々荒っぽい伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)、コードネームはカリュウ。
「ありゃ火竜じゃねえ、禍竜だ。連携了解。」
 クールでシンプル、ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)。コードネームはゴースト。
「負けるわけにはいかん、ここで討たせてもらう。」
 レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は普段は空が好きな少女、コードネームはスカイレイダー。
「後ろに控える竜と合流されてもかないませんしね。必ずここで墜としましょう。」
 そして、姫騎士レオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)、コールサインはカムラン。彼女は、特別な思いを込めて、仲間に呼びかけた。
「エリザベータ、わたくし達撃竜騎士にとって円卓の騎士を弑する事は撃竜騎士の王たる証明……しかし、決着をつけるのはアンタが相応しいわ。」
 タイガー部隊のメンバーは各自戦闘態勢にはいり、炎のベディヴィア卿に決戦を挑む。
 戦いの第二幕が切って落とされ、7人のディアボロスはこの戦いの命運を担って飛んだ。

 部隊の最後のひとりはお手伝いライカ・ネイバー(エクストリームお手伝い・g06433)である。
「連携了解!」とパラドクス通信を閉じると、真っ先に炎のベディヴィア卿に挑んだ。
「その余裕がいつまで続くか見ものですなぁ。精々吠え面かかないようにお願いしますね〜。」
「無駄口はいい。憎いお前たちの力、見極めてやるから来い。」
 そう、炎のベディヴィア卿はディアボロスの力を見極めるためと称して世界樹の戦場に残った。だがその判断に親しき者を奪った相手への私怨が全くなかったろうか。
 ライカは敵の言葉に眉を上げたが、いずれ個人の感情など、戦場では関係ない。
 素晴らしい速さでライカは戦場を飛翔してゆく。牽制の銃の弾幕が滝のように閃いた。
「目にも止まらぬなんとやら、ってやつです!」
 ライカは俊敏に身を翻して攻撃態勢に移る。戦場では決して足をとめないのが今日のライカの戦闘スタイルだ。パラドクスを発動すると弾幕の終点からトップスピードで飛翔する。
 炎のベディヴィア卿も同時に反撃の技を仕掛けてくる。タイミングを狙い、高みにある敵へと、パラドクスが歪める時空の中をライカは突撃した。
 巨大な翼の炎熱が身を焦がすが、構わずライカは懐に飛び込んだ。
「片っぽも〜らい!」
 気合とともに至近距離からの強烈な一撃が炸裂する。
 その瞬間、竜が咆哮し、巨体がしなった。

 その巨体のクロノヴェーダに向かってレオアリアは飛翔した。風の唸りを聞き最高速度にのって戦場を駆ける。
「勝負よ、ベディヴィア卿。先手はいただくわ。」
 レオアリアは征竜真剣ゲオルギウスをかざして飛ぶ。煌めく刀身が光の尾を曳いて軌跡を描いた。
 詠唱と共にパラドクスが発動し、同時に円卓の騎士の炎翼が震えた。忽ち大きく迫る火炎弾をレオアリアはゲオルギウスで弾く。炎を受けて剣は光を纏って白く燃えた。
 そして次々に降り注ぐ炎弾を縫って最高速度で飛びぬける。
(「さすがに無傷というわけにはいかないわね。でもわたくしだって……!」)
 触れれば、刹那身を焼くその熱に唇を噛みながらも、レオアリアは自身のパラドクス、聖光を解き放った。
(「世界を、救うのよ……!」)
 レーザー光は時空と因果を越えて彼方から飛来する。
「あなたには、避けられないわよ!」
 レオアリアの言葉通りに、何処からともなく現れた光が、確実にドラゴンの身を薙いだ。

 一撃を放って退くレオアリアと交差するように、レイがスピードに乗って駆け上がってくる。その背には漆黒のフライトデバイス、AIサイバーゴーグルに敵の姿を捕えて突き進む。自らが生み出す戦場の風を受けて銀髪が真っ直ぐに流れた。
 炎のベディヴィア卿の体躯が視界に迫る。
 先に力を放ったのは自分か、あの竜か。レイは瞬時に舞い上がる巨大な竜翼を認識する。己を狙って急角度で滑ってくる炎翼にとっさにアルヴァーレを起動する。同時にレイは素晴らしい空中機動でベディヴィア卿の攻撃を避けてしなやかに宙を舞った。
 レイの掌に蒼い光が灯り、それが一本の矢になる。
(「ACRO!」)
 起動した機械魔導弓にその矢をつがえ、レイは竜の体躯を蹴る。
 レイはその瞬間、高みにあった。浮かび上がる3つの魔法陣を貫いて閃星の一矢が下る。
 魔弾は円卓の騎士に命中し流星のごとく戦場を照らした。
 ……パラドクスの光の余韻が揺らめく中を縫って、一つの影が急速にドラゴンへと接近する。
「続くぞ。」
 レイは風に残された言葉を拾って、忽ち飛び去るノインの背を仰ぐ。

(「強いな。流石はドラゴンか。しかし……。」)
 ノインは空中戦を仕掛けた。装備はF-9コーモラント、陸上や水中はもちろん空戦にも対応した動力甲冑だ。トップスピードに乗るとノインは味方の攻撃と連携するように一気に敵との距離を詰める。
 ここまで敵の反撃の回避はほぼ不可能、それには僥倖が必要だった。しかしもちろん、それでも戦えぬわけではない。負けるわけにはいかん、と眼前の敵を見据え瞬時に決意を新たにする。
 思考は刹那の点になって忽ち彼方に消える。
 ノインの使う技は航空戦技、敵の死角に滑りこむと、パラドクスを発動する。
(「……。」)
 ノインの周囲で空気が軋む。ドラゴンの巨体がうねる。炎のベディヴィア卿の瞳がノインを捕らえるより一瞬速く、M22が火を吹いた。
 ガトリングガンの弾幕が、ベディヴィア卿の体躯を穿つ。機関砲は敵を追って唸り続け、世界樹の葉がチッと弾け飛ぶ。
 急上昇するドラゴンを追ってノインも空を翔る。視界には空と遥かな世界樹とベディヴィア卿が。それが瞬時に急降下に転じて炎翼がはばたく。ノインはさらに上昇し、バーニアを使う。凄まじい勢いで両者はすれ違い、その一瞬に、ゴウ、と炎が唸った。

 炎のベディヴィア卿が動いたのは、この時だった。
 円卓の騎士は余裕を感じさせる言葉を発する。
「掠っただけで助かったな。ディアボロスよ、伝聞どおり、なかなかやるではないか。」
 炎のベディヴィア卿は、ノインに鋭い眼光を送り、再び舞い上がった。
 ――そして、おそらくここで、撤退しようとしたのではないか。
 だが、戦場の上空でベディヴィアは再びディアボロス達を見下ろした。
「なんと……まさか。ディアボロスめ!」
 そこに、炎のベディヴィア卿が期待した退路はなかったのだ。

「次、行かせてもらう。」
 エトヴァの冷静な声が涼し気に通り過ぎてゆく。 
 ノインは言葉を返そうとしたが、すでにエトヴァは高く飛翔していた。
 絵筆を手に立体的な動きで空中に、ダイナミックに敵の姿を描く。
 そして、退路を失った事に気づいた、炎のベディヴィア卿にその分身をぶつけたのだ。
 エトヴァはこの竜を、ここにつなぎとめておきたかった。
「氷のベディヴィア卿ともやりあった技だ。対で描いておきたくてな……。」
「フ……そうか。」
 炎のベディヴィア卿は高速飛行による鎌鼬で反撃してくる。エトヴァも目まぐるしく、アクロバティックな動きで直撃をさける。
 そうして空中を滑りながら、エトヴァは円卓の騎士へと語りかけた。
「竜よ、覇者と奢るな。容易く燃やした森にも、生活と生命が息づいていた事を……忘れるな。」
 戦場の一瞬の静寂に、風が流れる。
 世界樹の葉がさざめく。
「我らが奢るというか。否、アーサー王は絶対である。弱き者から奪うのは王者の力なり。妖精郷を奪う使命も必ずや達成されるであろう。……もし我がここで倒れることがあっても、な。」
 殺気が高まる。
 ノインがエリザベータをいつでもかばえるように身構える。

 しかし、ベディヴィア卿はむしろ吹っ切れた様に言葉を繋いだ。
「撤退が叶わぬ以上、ここで思うさま戦っても許されるだろう。故郷から遠く離れた地でよもやこのような運命が待ち受けていようとはな。我の切なる願いである復讐の為にこの身を賭すもまた一興。」
 円卓の騎士の眼光が鋭く光る。激情家だというその本性が微塵も隠すことなく現れる。手負いのこの竜に覇気が満ちた。

 その時である。
「演説はもういい。」
 逸が長ドスを抜いて、円卓の騎士に吠えた。
「てめえらを喰らう禍が来たぜ、騎士様よ。」
 次の瞬間、竜と逸は高く舞い上がった。逸の、いつもは重く感じる翼が今日は妙に頼もしく風を切る。勝機をつかむべくスピードに乗り、敵を攪乱すべく戦場を縦横に飛んだ。
「てめえは大分弱っているはずだ、撤退し損ねたんだしな!」
 実際に対峙してみると、炎のベディヴィア卿の強さがよくわかる。おそらく常なら一発入れるのも一苦労……だが敵が弱っていると感じて、逸は思い切りよく攻めた。 
 パラドクスを発動し、死角から竜を攻めると業火の翼が大きく迫ってくる。逸はしかし、痛みを耐えて、パラドクスをのせた長ドスを構えて突っ込んだ。重い一撃がズブリと竜の体躯を抉る。
「手応えアリ……。」
 同時に長ドスが敵のダメージを伝えてくる。これまでの仲間の攻撃で炎のベディヴィア卿には相当に傷が蓄積しているのだ。
(「なら、ここは、賭けるか……。」)
 逸はこの戦いの最初から、味方の動きを常に意識していた。だから今この勝負を最後に誰に託すべきか、わかっていた。この逆説連鎖戦の最後のターンを……。
 退くどころか、長ドスを深々とねじ込んだまま、逸は声をあげる。
「遠慮するこたあねえ。思い切りぶち込んでやれ!」
 彼は捨て身で炎のベディヴィア卿の隙を作るつもりだった。


 ラストターン。
 逸の声は飛翔するエリザベータに届いた。
 元より、この敵とは空中戦で勝負をつけると決めていた。
 世界樹の葉の動きで風を読む。
 炎の翼の熱量が生みだす気流を感じようとする。
 今、エリザベータは存在の全てを戦闘に集中する。
「真っ向勝負よ。」
 敵の姿が見る間に迫ってくる。
 妖精郷の空は……空は今何色だろう。今はただこの時空に敵と自分だけ。
 ――ヘッドオンで接敵。制圧射撃開始。
 弾幕が妖精郷の空を背景にヴェールを広げる。エリザベータは自身の持つ空中戦技能をフルに発揮して飛んだ。敵が逸を振り落とす一瞬にパラドクスを発動する。
 瞬時に反撃が発動し、気付けば空の頂点に敵がいた。炎の翼が煉獄を連れてくる。
(「……っ。」)
 直撃を避けて、ベディヴィアの機動よりも速く――反転上昇、半ロール。
 視界がグウンと回転する。
 ――インメルマンターン機動で敵上部後方に占位する。 
 エリザベータは空へと翔る。そして竜の頭上をとった。
「勝ったわ、ベディヴィア。」
 高みは今、己の手にある。エリザベータは機銃掃射から、爆撃槌を手に飛んだ。スローモーションのように竜の頭部が視界を動き、正確に爆撃槌が振り下ろされた。
 瞬時、閃光が戦場を包んだ。その光を背に、エリザベータは飛び抜ける。
 振り返れば戦場は燃え上がり――それが炎のベディヴィア卿の最期だった。
 赤き炎へとレイが呟く。
「やはり王命は果たせませんでしたね。そう、ボク達が決して果たさせやしない……。」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV14になった!
【液体錬成】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV8になった!
【反撃アップ】がLV4になった!
【先行率アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年07月24日
宿敵 『炎のベディヴィア卿』を撃破!

世界樹外周~炎のベディヴィア卿決戦

 世界樹に攻め寄せてきたドラゴンの軍勢を撃退し、世界樹第三層(最終防衛線)の攻略が可能になりました。
 しかし、『炎のベディヴィア卿』率いるドラゴンの軍勢を撃退したとはいえ、ディアボロスが第三層を攻略中に、再びドラゴンの襲撃があるかもしれません。

 この状況を解決すべく、攻略旅団の提案に従って、第三層の攻略に先立ち『炎のベディヴィア卿』に決戦を挑みます。
『炎のベディヴィア卿』は、この場でディアボロスと決戦を行う理由は無いため、戦況が不利となれば、構わず撤退してしまいます。
 退路を塞ぐ為の別動隊の活躍が重要になるでしょう。

※撃破条件
『炎のベディヴィア卿』との戦いに決着がつくまでに、『炎のベディヴィア卿の退路を塞げ』のシナリオが8本以上成功で完結していれば、『炎のベディヴィア卿』の撤退を許さず、撃破が可能となります。
 上記の条件が満たせなかった場合、選択肢「世界樹外周の決戦『炎のベディヴィア卿』」の特殊ルールが変更され、決戦に勝利しても『炎のベディヴィア卿』は撃破できず、撤退されてしまいます。

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#幻想竜域キングアーサー
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#世界樹外周~炎のベディヴィア卿決戦
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#薔薇の戦士スカアハ
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#炎のベディヴィア卿


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選択肢『『炎のベディヴィア卿』との会話』のルール

 ジェネラル級ドラゴン『炎のベディヴィア卿』と会話を行います。
 炎のベディヴィア卿は、氷のベディヴィア卿と対になる、同じ円卓の騎士の名を持つドラゴンです。
 氷のベディヴィア卿が防衛に特化しているのに対して、最終的に妖精郷を焼き滅ぼす事も可能な騎士として、妖精郷攻略の役割を与えられていたようです。

『炎のベディヴィア卿』は、忠義厚い騎士ですが、対となる『氷のベディヴィア卿』を滅ぼしたディアボロスを憎悪しているようです。
 この点をうまく利用して会話を行えば、敵の動揺を誘って、なんらかの情報を得る事ができるかもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『『薔薇の戦士スカアハ』への呼びかけ』のルール

 ジェネラル級フローラリア『薔薇の戦士スカアハ』への呼びかけを行います。
『薔薇の戦士スカアハ』は、ドラゴンから世界樹を護る事に成功した後も、『炎のベディヴィア卿』軍の撤退を見届ける為、戦場に残っています。
『薔薇の戦士スカアハ』は、世界樹防衛を最大の任務とする為、ディアボロスが攻撃を開始しても、『炎のベディヴィア卿』の追撃には参加しません。

 しかし、ドラゴンに襲撃される彼女を手助けし、ドラゴンを世界樹から撃退し、更に、指揮官であるジェネラル級ドラゴンに決戦を挑んでいるという状況を利用して、情報を操作できれば、今後の探索に生かせるかもしれません。
 攻略旅団では「フローラリアから断片の王等の重要情報を得る」という提案が為されており、それに繋がる状況を作ることが出来れば成功でしょう。
 この呼びかけでは『正しい情報を伝える』必要は一切ありません。
 ディアボロスが望む状況を実現できるような、適切な呼びかけを考えていきましょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『登場人物(NPC)との会話に専念する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『炎砕竜フロウ』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿世界樹外周の決戦『炎のベディヴィア卿』のルール

 攻略旅団の提案により、世界樹第三層の決戦の前に『炎のベディヴィア卿』に決戦を挑み、撃破を試みます。
 『炎のベディヴィア卿』は、不利になれば撤退してしまうので、このシナリオ単独で撃破は行えません。
 撃破を可能にするためには、炎のベディヴィア卿との決戦に勝利するまでに、『炎のベディヴィア卿の退路を塞げ』のシナリオが8本以上成功で完結している必要があります。

 それ以外の場合は、『炎のベディヴィア卿』との決戦に勝利しても、止めを刺す事はできず撤退されてしまうので、注意してください。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【撃破】【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、宿敵を完全に撃破し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「エリザベータ・シゲトヴァール」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。