リプレイ
ラウム・マルファス
アイスクラフトでこれだけの壁を作るなんて、きっと大変だったんだろうナ
壊すのは少し忍びないケド、集落の人のためにも入らせてもらうヨ
パラドクスで通れるだけの氷を空気に変換すル
崩れないように氷同士の隙間を埋めて固めておこウ
あとは情報収集カナ
「ヤッホー、ラウムだヨ。あやしーケド敵じゃないヨ。助けに来たんだ、何か困りゴトはあるカナ?」
薬品と、汎用ドローンに乗せて持ち込んだ保存食を配ろウ
望むならウォッカもネ
寒そうなら、燃焼剤を使って焚火でも起こそうカ
「ほらほら、言うならタダだヨ、言えない理由でもあるのカイ?もしかして怖い人が見てたりスル?」
視線や表情を観察して、言いだそうか迷ってる人に声をかけるヨ
ノイン・クリーガー
[心境]
また氷の壁か、いつも通りやろう。
さて、どう行くかね。
[行動]
・遠方から侵入ルート選定し、冬季迷彩服を着用。城からの視線を避けられる【地形の利用】と【光学迷彩】で身を隠しながら【忍び足】で氷壁まで接近し、軍用シャベルで氷に穴を空けて領地に潜入する。
・怖がらせては意味がない。
潜入後はできるだけ穏やかに村人と接触する。
「俺はノインという者だよ。
まぁ、なんというかレジスタンスみたいなもんだね」
「大体の事情はこちらでも掴んでいる。
詳しく聞かせてもらえるかね?」
魑魅・烏頭
連ア◎
見てくれの良い男を扱き使って、村人同士の命懸けの戦いを娯楽とする、ね
高貴な吸血鬼様は随分と陳腐な趣味をお持ちだこと
一応雪国出身だから寒さには慣れてるけど、それにしたって寒すぎるし、さっさと中にお邪魔させてもらおうかしら
氷壁の脆かったり薄くなってる部分を看破や観察で見抜いてから、バチヅルで掘り進めていくわ
中に入ったら土壌改良で農業の手伝いをしつつ、村人から話を聞こうかしらね
この際私は誰でも良いでしょ?
なんでも好みの男を働かせて、殺し合いを楽しそうに見物する品の無い吸血鬼がいるらしいじゃない
そいつ、気に入らないからぶち殺しに来たのよ
待ってなさい。その吸血鬼を――この土地の肥やしにしてやるわ
ロザーリヤ・ユスポヴァ
領民という宝を快楽のため浪費するのか
毎度のことだが、貴族もどきは救いがたく浅はかだ
彼奴に虐げられている民を救わねばな
故郷たる国土の厳寒や、雪上での足取りには相応に慣れているつもりだ
氷壁まで接近したなら【観察】で脆い箇所を見抜き、愛刀《死せざる■■■■■》でくり貫いて隙間を作る
隙間を通り抜けた後は、くりぬいた壁を嵌め直し、少量の雪を繋ぎにして壁を復元だ
さて。領主から強制された戦いを生き延びた者も手傷は負っているだろう
彼らに【活性治癒】で癒しを与え、周囲に監視がないと確認した上で、話を切り出す
「一集落で何人も斯様な刀傷を負うことは普通あるまい。ぼく達は、諸君をこの異常な状況から助け出しに来たのだ」
テクトラム・ギベリオ
さて…浮いて侵入できれば良かったのだが上からは見つかってしまう。
やはり壁を崩すのが手っ取り早いか。
【水源】で氷の壁を少しずつ溶かして削ろう。
この寒い土地でも、流れ続ける水であれば氷も溶けて脆くはなるだろう。
壁と地面の設置面に曲刀で穴を掘り、そこを起点に水を流し続ける。
脆くなった所を曲刀で掘り進める。仲間と協力し工夫して粛々と行おう。
強制労働に命懸けの見世物…
この重く沈んだ雰囲気は風土のせいだけでは無いようだ。
持ち込んだ傷薬と応急手当てのセットで傷を癒しつつ村の状況を聞く。
屋敷への侵入方法、もしくは抜け道はないだろうか。
それから氷橋の見世物についても状況を聞こう。
アドリブ連携歓迎
奉利・聖
──品性下劣なゴミがのさばっている臭いがする
いけませんね、非常に不衛生でいけない
この氷壁の向こうに居ると思うと、壁ごと消し去ってあげたい気分です
…まぁまぁ、焦りませんよ
まずは段階を踏んで、駆除をしないとね
ではでは───『斬気功』
手にするは、鋭さなど欠片も無い龍骨
しかして気を通せばあら不思議…これでなんでも斬れちゃうんですよ
これで氷の壁を切り開き、道を作りましょうか
一太刀で足りぬなら、複数切り裂いて通り道を作るまで
しーっ、静かに
助けに来ました…まだ騒いじゃダメですよ
必ず成し遂げますので…このまま入らせてくださいね
──入り込んだら、余計に臭い立つ
ゴミが随分と派手にやったようです
●崖の街
眼前に立ちはだかるのは絶壁を覆うような氷壁。
崖に作られた街と言うだけでも堅牢なその地は、全てを拒む要塞のようにも思えた。
(「さて、どう行くかね」)
また氷の壁かと、遠方から侵入ルートを選定していたノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)が雪に紛れる冬季迷彩服を着用し、素早く氷壁に近付く。
不用意に飛ばなければ大丈夫だと聞いていたが念入りに、ヴァンパイアノーブルの居る屋敷から気取られないよう光学迷彩を用いて、雪になるべく足跡を残さないよう接近し、他の仲間に安全だと合図を送った。
「さて……浮いて侵入できれば良かったのだが上からは見つかってしまう。やはり壁を崩すのが手っ取り早いか」
分厚い氷壁に触れ、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)はスフィンクス『毛玉』の表情を窺う。
水源で氷の壁を流水で溶かすことも考えたが、水源は発生させた流れから飲み水を汲み上げられる効果をもたらすもの。
パラドクスのように攻撃や破壊するような力はない。
地道に、脆くなったところを〈守護者の曲刀〉で掘り進めることにした。
「アイスクラフトでこれだけの壁を作るなんて、きっと大変だったんだろうナ」
かつて活躍していたディアボロスの力がこうして残っている事に感心しながら、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は壊すのは少し忍びないケドと、パラドクス『万物解析』で通れるだけの氷を空気に……変換とは一気にならなかった。
さすが分厚い氷。一撃で一気に開通とまではいかないようだ。
──品性下劣なゴミがのさばっている臭いがする。
「いけませんね、非常に不衛生でいけない。この氷壁の向こうに居ると思うと、壁ごと消し去ってあげたい気分です」
とても清々しい顔で、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は氷壁に開いたトンネルを広げるように、鋭さなど欠片も無い龍骨〈屍龍帝ノ魂〉を手にした。
「……まぁまぁ、焦りませんよ。まずは段階を踏んで、駆除をしないとね」
何の変哲もない黒い棒をクルリと回し構え。
「しかして気を通せばあら不思議……これで、なんでも斬れちゃうんですよ。ではでは───『斬気功』」
まるで実演販売のような手際とトークで、聖は一太刀で氷を斬り裂く。
その斬り裂かれ脆くなった部分に、魑魅・烏頭(化外の怨霊使い・g07427)は鍬と鶴嘴が合体した〈バチヅル〉を振り下ろし。ロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)は、宝玉の輝く愛刀〈死せざる■■■■■〉を突き立て、くりぬき貫くように振るう。
「見てくれの良い男を扱き使って、村人同士の命懸けの戦いを娯楽とする、ね。高貴な吸血鬼様は随分と陳腐な趣味をお持ちだこと」
「領民という宝を快楽のため浪費するのか。毎度のことだが、貴族もどきは救いがたく浅はかだ。彼奴に虐げられている民を救わねばな」
「雪国出身だから寒さには慣れてるけど、それにしたって寒すぎるし、さっさと中にお邪魔させてもらおうかしら」
そのまま仲間達と協力しあい、一同は氷壁を突破し。念の為、氷壁が崩れないよう氷と雪を嵌め直し、壁を復元しておくのだった。
街はとても静かだった。生活に苦しんでいるようではないが、一様に人々の表情に覇気が感じられない。寒い地ということもあるが、それでも街を囲む氷壁のおかげで先程よりも断然過ごしやすいくらいだ。
「強制労働に命懸けの見世物……この重く沈んだ雰囲気は、風土のせいだけでは無いようだ」
笑い声も話し声も聞こえない、まるで誰かの葬式に来たような空気に、テクトラムは軽く目を伏せた。
(「──入り込んだら、余計に臭い立つ。ゴミが随分と派手にやったようですね」)
一見、静かなだけに見えるが、微かに屋敷の方から流れてくる血の臭を聖は感じ取った。
おそらく氷橋も、向うにあるのだろう。
ラウムは暗い表情で出掛けようとしていた青年と見送る母親に敢えて明るく声を掛けていった。
「ヤッホー、ラウムだヨ。あやしーケド敵じゃないヨ。助けに来たんだ、何か困りゴトはあるカナ?」
突然話しかけられ、彼らは驚いたように二人を見上げ。
街の外から誰かが来るなど思いも寄らなかったのだろう、それに見慣れない服装にも驚きを浮かべた。
「しーっ、静かに。助けに来ました……まだ騒いじゃダメですよ」
状況が分からないながらも、彼らは聖に言われるまま声を潜め、助けに来たのだと知った。
「必ず成し遂げますので……このまま入らせてくださいね」
戸惑いはあるものの、断る理由などない。
「随分、手が荒れているようだな」
青年に大して、母親の手は赤切れとヒビでボロボロになっており、テクトラムは治療をと傷薬を用いて応急手当を始めた。
男手が取られてしまうので、日々の暮らしが大変なのだと感謝を滲ませながら母親は零し。青年は苦しそうに表情を歪めた。
「ほらほら、言うならタダだヨ、言えない理由でもあるのカイ?」
薬品に保存食とウォッカを、〈汎用ドローン〉に運ばせながら、ラウムが更に踏み込んでいく。
「もしかして怖い人が見てたりスル?」
青年は明らかに狼狽するように、表情を強張らせた。
「…………いえ、ここには居ません。あの屋敷にの中では常に見られていますが」
「ふむ、あの屋敷には表からしか入れないのだろうか」
抜け道などはないかと聞くと、記述者が屋敷の地下の方に消えていくのを見たことがあると青年は答え。
まだ聞きたい事はあったのだが、彼は屋敷に行かなければならないと、急ぎ足で立ち去って行った。
さてと、ロザーリヤは領主から強制された戦いを生き延びた者も手傷は負っているだろうと、注意深く住人の様子と周囲に監視が無いか目を配り、畑を耕していた大男に声を掛ける。
始めこそ仕事がと警戒の色を見せたが、烏頭が土壌改良で手伝い今日の仕事を終えたので時間が余ってしまった。
むしろ普通に耕すより豊かになった土に、大男は驚くしかない。
「俺はノインという者だよ。まぁ、なんというかレジスタンスみたいなもんだね」
成程と大男は、武装したノインの姿に納得し、耳を傾けてくれた。
「なんでも好みの男を働かせて、殺し合いを楽しそうに見物する品の無い吸血鬼がいるらしいじゃない。そいつ、気に入らないからぶち殺しに来たのよ」
大男は自分は狩人だと答えたが、その割には戦士が負うような幾つもの傷が目立つ身体をしていた。
ロザーリヤが活性治癒を施し、少しでも傷を癒しながら眉を潜める。
「一集落で、何人も斯様な刀傷を負うことは普通あるまい」
彼に話しかけるまでに、農民らしからぬ傷を付けた者を見かけている。
「全て領主のせいだ。ここは俺達の街だったのに」
突然現れたヴァンパイアノーブルの一方的な支配に逆らい、戦いの心得がある者は既に殆ど亡くなったという。
氷橋の見世物は、そういった戦える者を減らし彼らの抵抗する気を無くすのも目的なのかもしれない。
人がすれ違う出来ない程の細い橋は、手摺も吊り紐も無く、とても滑りやすい。
崖に板ではなく、氷を渡したようなものか。
大男が両手で示す橋の幅は、1メートルも無かった。
「俺は、既に3回死んでいる」
村人を護るためには、ある程度見応えのある本気の立ち合いを見せ、どちらかが死ななければならない。
大男は少し服をあげ、貫通している傷跡を見せた。
臓器を傷つけないよう、綺麗に貫いている。
大男とその親友は、業と本気で立ち合いどちらかが怪我を負い、橋から落ちることで住人に被害が出ないようにしてきたらしい。
崖の下には行けるので、事前に数本のロープを張っておいて、それに掴まり生き延びたのだという。
「だが、今日は出られない。さすがに連戦は目立つ」
死んだ男が直ぐに戻れば、怪しまれてしまう。
「だから、今日は死にたい奴らが戦うんだ。結婚したいって言ってたのによ」
見世物にでるのは、誰でもいいようで話し合いで戦う2人を選んでいた。
今回は死ぬしか結ばれる道がないと諦めた恋人同士が、自殺するために手を挙げてくれたらしい。
「だが、自殺だと分かれば、あいつは怒るだろうな」
今日の犠牲は止めれないが、何もできないと大男は落胆するのであった。
「待ってなさい。その吸血鬼を――この土地の肥やしにしてやるわ」
その時、烏頭はどんな顔をしていただろうか。
許せないと溢れそうになる怒りを抑え、静かに勇気づけるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
魑魅・烏頭
情死ねぇ、私には理解できないわ
死んだら全部終わりでしょうに
まっ、それはそれとしてこの見世物は気に食わないわね
全部台無しにしてやるわ
入れ替わりの方は手が足りてそうだし、私は話に出てた地下の方から強襲できるか調べましょうか
屋敷の地下ってことは崖のどこかにあると当たりをつけて看破や観察、完全視界と飛翔を駆使しながら探るわ
もし入口が見つかったら光学迷彩を利用して屋敷の中の青年達を安全な場所に移動させてから敵を強襲、吸血鬼共に一泡吹かせてやる
アンタらの下らん催し、全部台無しにするために来てやったのよ!
見つからなかったらしれっと氷橋の方に行くわ
多分気まずい顔をしてるだろうけど、そこは気にしないで欲しいわね
テクトラム・ギベリオ
命を絶つ事が結ばれる事など断じてあってはならん。
屋敷前の絶壁に氷橋があると案内人は言っていた。屋敷に向かった青年がそうだろう。
最後の時だ、相手も一緒に居ると思うのだが…。見つけ次第説得する。
君たちの境遇は把握している。
…きつい事を言うが君たちが自殺してはオリガは満足せず、もっと多くの人を手に掛ける。
どうかその覚悟を私たちに託してくれないだろうか?
絶対に上手くやって見せる。そして、生きて幸せになるのだ。
戦いでオリガに悟られず満足させるのが大切。決着が即ついては駄目だ。
曲刀を両手に戦う。急所は外すが割と本気で行くぞ。
(相手は墓泥棒、相手は墓泥棒、相手は……)
よし、沈め。
(アドリブ連携歓迎)
ロザーリヤ・ユスポヴァ
アドリブ連携歓迎
入れ替わり作戦か、承知した
この舞台の主演はあなた方にお任せする
ぼくは裏方として協力しよう
まず心中するつもりの二人を説得する際は
既に他の民にも事態が伝えられ、逃げたところで誰も困らんと念を押そう
逃走という行為に抵抗があるなら、暴君への積極的な反抗だと思い直したまえ
開演の時間だな
領主の貴族もどきが誰も死んでいないと見抜けば、気まぐれに民を殺すかもしれん
皆が逃げる時に崖から落ちても良いよう【落下耐性】を発動しておく
絶壁に落ちる仲間の役にも立つだろうしな
領主が民を殺すべく氷柱を出現させたなら、命中する前に
パラドクスの砲撃によって打ち砕いてくれよう
不可能なら、自ら民を「ディフェンス」する
奉利・聖
……死とは、この世で最も安らかな終わりです
『終わり』なんですよ……その先は決して存在しない
(僕はそうではなかったのですが)
貴方達だってまだ、終わりたくないという気持ちが少しでもあるはずだ
ならば、抗えと──その心に熱を灯しなさい
私は基本的に、やられ役に徹します
ご安心ください、僕は早々に死なないので──耐えられるだけのものはあります。
隙だらけの剣戟で攻撃を食らい、<オーラ操作>で身体の器官を操作、出血具合を調整して、落下しましょう
こう見えて死の演技は上手いんですよ…沢山、経験しましたしね
落下の直前、一瞬の【飛翔】で衝撃を出来るだけ殺してっと
…愉しめたか?よろしい、では掃除の時間といきましょう
●血の戯れ
非道な領主の統治下で、明るい未来を夢見ることは難しい。
きっと見世物に向おうとしている彼らもそうなのだろう。
「命を絶つ事が、結ばれる事など断じてあってはならん」
「情死ねぇ、私には理解できないわ。死んだら全部終わりでしょうに……」
眉根を寄せた、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)に続き、失う意味を分かっている、魑魅・烏頭(化外の怨霊使い・g07427)は、短く息を零した。
「まっ、それはそれとしてこの見世物は気に食わないわね。全部台無しにしてやるわ」
「入れ替わり作戦か、承知した……この舞台の主演はあなた方にお任せする。ぼくは裏方として協力しよう」
そうロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)は、先程の大男から件の二人の居場所を聞き出し向かい。
「入れ替わりの方は手が足りてそうだし、私は話に出てた地下の方から強襲できるか調べまてくるわね」
そう言って烏頭は崖下へ、別の目的を達成するために移動し。
「屋敷前の絶壁に、氷橋があると聞いた。屋敷に向かった青年がそうだろう」
青年の暗い表情を思い出し、テクトラムはまだその辺りにいるのではと、急ぎ後を追った。
「最後の時だ、相手も一緒に居ると思うのだが……」
屋敷へ向かう途中にあった、大きな木の影に彼らは居た。予感的中である。
「先程振りです。助けに来たと言いましたでしょう」
驚かせないよう奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は、落ち着いた口調で話しかける。
青年の背に隠れながら、しっかりと手を繋いでいる少女が恐らく恋人なのだろう。
「君たちの境遇は把握している。……きつい事を言うが、君たちが自殺してはオリガは満足せず、もっと多くの人を手に掛けるだろう」
「……死とは、この世で最も安らかな終わりです。『終わり』なんですよ……その先は決して存在しない」
二人は追い詰めたような表情を浮かべ、顔を見合わせる。
(「僕はそうではなかったのですが」)
聖は少し複雑な表情を浮かべ、聞いていたテクトラムは軽く目を伏せた。
リターナーとして蘇るなど、誰が考えていただろうか。
「貴方達だってまだ、終わりたくないという気持ちが少しでもあるはずだ。ならば、抗えと──その心に熱を灯しなさい」
「どうかその覚悟を私たちに託してくれないだろうか? 絶対に上手くやって見せる。そして、生きて幸せになるのだ」
少女は涙ながらに、本当は生きたいと口にし座り込んだ。
「安心してくれ。街の他の民も、分かってくれる。逃げたとしても、誰も困らんだろう」
街の者達も皆、彼らのことを案じている。きっと彼らが見世物だけでなく、この街から逃げたとしても誰も咎めないだろう。
「これは、暴君への積極的な反抗だと思い直したまえ」
その暴君も撃破してみせるつもりだと最後に付け加え、彼らが見世物に出るのを思いとどまらせた。
その頃。崖の下に抜け道か何かあるのではないかと、飛翔しながら探していた烏頭は、中腹に不自然に開いている横穴を見つけることに成功した。
「……本当にあったわ」
どちらかといえば、見つからないだろうと思っていたぐらいだ。
どこまで繋がっているのだろうか、慎重に烏頭は通路へと踏み込んでいく。
上手く屋敷へと出られたなら、見世物が終わった後、屋敷に戻って来る青年達を脱出させるのに使えるかもしれない。
灯りを用意し忘れたことが悔やまれるが、そこまで広い通路で無いのが幸いした。
ある程度、手探りで進んでいけそうだ。
(「吸血鬼共に一泡吹かせてやるわ」)
崖の上に人が集まり出したか、騒めきや足音が聞こえて来る中、ゆっくりと烏頭は奥へと進み始めた。
結果、通路は屋敷の地下に確かに繋がっていたのだが、今は全員氷橋の方に出払っている。
念の為、事前に青年に託した伝言があるので、問題なければ屋敷に戻ったところで、皆この通路へと避難してくれるだろう。
「開演の時間だな」
既に催しに出る者が、入れ替わることは住人達に伝えてある。
彼らの表情が暗いのは、住人でなくともこれから殺し合いを見せられることに変わりないから。
(「領主の貴族もどきが誰も死んでいないと見抜けば、気まぐれに民を殺すかもしれん」)
いざという時は、崖を利用してでも住人を逃がすため。ロザーリヤは住人に紛れ、落下耐性を準備し備え。
屋敷から人形のように着飾られた青年達が、記述者に見張られながら連れてこられ。最後に微笑を湛えたオリガが、屋敷のバルコニーに姿を現した。
「さぁ、今日は誰が楽しませてくれるのかしら」
氷橋の両岸に、テクトラムと聖が姿を現す。
鉤爪の様に湾曲した〈戦導者の曲刀〉と〈守護者の曲刀〉を、それぞれ手にし対岸の聖を見る。
ここに来る前、聖は私は基本的にやられ役に徹しますと、朗らかに言っていた。
「ご安心ください、僕は早々に死なないので──耐えられるだけのものはあります」
本当にいいのだろうかと、テクトラムは視線を送る。
確かにオリガに演技であると悟られず、満足させるのが大切だ。決着が即ついては駄目だと分かっているが……。
住人に借りた剣を手にした聖は、普段使っている長物と違うその感触を確認するように何度か握り直したり、軽く振るってみたりしていた。
「あら、あんな綺麗な男いたかしら。何だか勿体ないわ……あぁ、でも彼らが苦痛に表情を歪めるのを見れるのは楽しみね」
オリガがはじめてちょうだいと伝え、記述者は高らかに声をあげた。
両者ほぼ同時に地を蹴り、氷橋の中央でぶつかり合う。
「急所は外すが、割と本気で行くぞ」
「こう見えて死の演技は上手いんですよ……沢山、経験しましたしね」
剣を棍のような勢いで突き出す聖の刃を守護者の曲刀で弾き、外側より無防備に晒された聖の肩を戦導者の曲刀で斬り付ける。
氷橋の上に散る鮮血に、オリガが前のめりになった。
良く見れば氷橋の上には、古い血の跡が幾つもこびりついて凍っている。
パラドクス『四死縲壘/死に適応する者』を発動している聖は、傷の痛みなど感じていないかのように、素早く身体を引きながら剣を振り上げた。
剣の型も何も無茶苦茶だが、元々聖はその場にある物を活かして戦うスタイルが得意だ。
思いがけない剣の軌道に、テクトラムは身体を反らすように躱し。
何度か斬り結んだところで、聖が氷で足を滑らし大きく体勢を崩した。
(「相手は墓泥棒、相手は墓泥棒、相手は……」)
思いっきり攻撃を叩き込む為、そう自分自身に言い聞かせ、テクトラムはパラドクス『金剛戮刄』を発動し、鏖殺する勢いで聖に斬りかかった。
「よし、沈め」
急所は避け、だがその一撃は容赦なく。聖を正面から斬り上げる。
返り血がテクトラムの頬を濡らし、糸の切れた人形のようにグラリと聖の身体が傾き、氷橋から奈落へと落ちていく
住民達から悲鳴があがり、オリガから歓喜の声があがった。
どうやらオリガは満足したようで、嬉しそうに屋敷の奥へと戻っていく。
崖の下で上から降って来る声を聞きながら、止血をしていた聖は深く深呼吸した。
身体の器官を操作、出血具合を調整したとはいえ、傷ついたことに変わりない。
ロザーリヤが落下耐性を用意してくれたおかげで、衝撃少なく崖の底に落ちることが出来たのだ。
「……愉しめたか? では、掃除の時間といきましょう」
見上げた先には、崖の更に上より人々を見下ろす、領主の屋敷があった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
魑魅・烏頭
ふん、どうせあそこから崖下に死体捨ててたんでしょうよ
表からじゃ見てくれが悪いもの
陰気な奴ってのはコソコソするのが好きなのよ
私がそうだからね
……えっ?全くの検討外れ?
すぅー……話は変わるけど(誤魔化し)、今日の戦いに本当は恋人同士が出るはずだったらしいわ
恋路を邪魔する奴は何とやら
さて、馬に蹴られるのは痛いわよ
避難できた頃合いを見てパラドクスを発動し正面から突入、撹乱して味方のサポートに徹するわ
屋敷だし広いであろう内部を駆け回って地形の利用をしていこうかしら
血の記述者ぁ?
スカしてんじゃねーわよ懦夫共が!
こちとら文字なんざ無い狩猟民族よ!
字ぃ書く暇があったら獣の一匹二匹獲ってから一昨日来やがれ!
●吸血の屋敷
崖下に繋がっていた通路から、着飾られ形扱いされていた青年達が次々と脱出していく。
その様子を確認し魑魅・烏頭(化外の怨霊使い・g07427)は、屋敷の正面の方へと周る。
「ふん、どうせあそこから崖下に死体捨ててたんでしょうよ。表からじゃ、見てくれが悪いもの……陰気な奴ってのはコソコソするのが好きなのよ」
私がそうだからねと密かに零し、見てくれだけ華やかで、中身はもっと陰気で異質な屋敷を見上げた。
地下にひっそりと作られた通路が、何に使われていたかは謎だが、禄でもない理由なのは確かだ。
「今日の戦いに本当は恋人同士が出るはずだったらしいわ。恋路を邪魔する奴は何とやら。さて、馬に蹴られるのは痛いわよ」
屋敷の中で、青年達は順調に避難しているのだろう。だが吸血鬼の目を盗みながらの避難だ。まだまだ時間が掛かるかもしれない。
彼らが逃げやすいよう注意を引くためにも。
正面から堂々と、屋敷の扉を開けた。
二階の通路に数人の人影が見える。やはりまだ、避難途中のようだ。
あちらへと、背に青年達を庇うように位置取りながら、発動するはパラドクス『妖怪変化・野馬騎射』。
騒ぎに気が付き駆け付けてくる記述者達に向って、烏頭は一つ目の妖怪馬に騎乗し駆けた。
「血の記述者ぁ? スカしてんじゃねーわよ懦夫共が! こちとら文字なんざ無い狩猟民族よ!」
疾駆しながら〈短弓〉を構え放つ。
「騎射三物の源流、見せてやるわ!」
まるで流鏑馬のように擦れ違い様に放たれた矢は、記述者の胸に。
斬り返される剣技は、血の文字を烏頭に刻みつける。
「字ぃ書く暇があったら獣の一匹二匹獲ってから一昨日来やがれ!」
派手に暴れる烏頭の妖怪馬の疾走に、敵の注意は引き付けられ、その間に青年達は避難していく。
これで彼らの避難は無事に終わるだろう。
無駄に整った記述者の顔面を妖怪馬の蹄で蹴り射ち込み、烏頭は屋敷の中を撹乱するのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【完全視界】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒヒ。あっしは単なるウィザードでさぁ……』
『あ? バレた? イイネェ、たまんねぇなぁ!』
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」
他者との連携やアドリブOKです。
言動は三下ですが演技です。格下を装い油断させ隙をついての攻撃が好きです。
演技が通じないと好戦的になり、一人称も「オレ」になります。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我でも積極的に行動します。卑怯者ですが、他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「イヒヒヒ。貴族のダンナ、何かあったんですかい?」
レオネオレ・カルメラルメルカ(陰竜・g03846)は、その体躯が長身だと分からないぐらい背を丸め、腰低く記述者らに近づいていく。
まるで屋敷への侵入者は、自分とは関係無いといった雰囲気で。
「誰だ貴様は!?」
「やだなーダンナ、怖い顔して。あっしは味方ですよ。この街に、侵入した害虫を駆除しに来たんでさぁ」
ゴマをするように記述者を見上げながら、密かに避難する様子を気に掛けながら。確実に相手の懐へ……。
耳寄りな情報がありやすよと、相手を誘い微かに詠唱し一気に放つ。
「……汝ら慈悲なく凍てつき射屠られるだろう。アイスニードルガトリング」
近付いた記述者を近距離から、魔術を放ち。凍てつく無数の氷の針で、記述者を貫いた。
まともにくらった記述者の整った顔は傷付き、血塗れに。
髪を乱し凄まじい形相で、記述者は『死出の一刺し』でレオネオレを貫くも、明らかにダメージが大きいのは記述者の方だ。
「イヒヒヒ。だから言ったじゃないですか……」 レオネオレは笑う。
『この街』に、侵入した害虫を駆除しに来たと、ちゃんと警告してやったのにと。
大成功🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
レーシー・ツェペシ
※アドリブ、連携歓迎
無邪気に無知で無垢に戦います
こんにちはレーシーなの
アナタはえらーい人なの?教えて
スカートの端を持ってご挨拶
ここはとっても寒いのよ
でもアナタの方が寒くて残念なの
あくしゅみなもの見せて何がおもしろいの?
それしか楽しめないってかぁいそうなの
クスッと笑い魔楽器のリラを奏でパラドクスで攻撃
いっぱいきいて、いっぱいナカをみせて
アナタのイノチは何色なの
やっぱりオイシクないの
スキキライはダメなの
でもアナタはとってもまずいのよ
残してもシカタないから、ぜーんぶ、レーシーがキレイに片づけてあげるのよ
傷が深いか、膝を付く記述者の目の前に小さな足が並ぶ。
「こんにちは、レーシーなの。アナタはえらーい人なの?」
教えてと無邪気にレーシー・ツェペシ(籠の鳥・g07219)は、スカートの端を持って挨拶する。
彼女はまだ幼い。
故に知らないことは多く、無垢に笑えるのだ。
「ここは、とっても寒いのよ。でも、アナタの方が寒くて残念なの」
お天気の話でもするかのような口調で、素朴な疑問を直球でぶつける。
「あくしゅみなもの見せて、何がおもしろいの?」
「どういう意味です」
痛みと出血に耐える記述者は、相手が少女であることも忘れ睨みあげる。
いや、吸血鬼にとって外見の年齢という概念は、然程大事じゃなかったのかもしれない。
クスクスッと、柔らかだったレーシーの笑いが変質する。
「それしか楽しめないって、かぁいそうなの」
あくまでも無垢に。魔楽器のリラを奏で無数の吸血コウモリを解き放つ。
「いっぱいきいて、いっぱいナカをみせて。アナタのイノチは何色なの?」
コウモリの羽ばたきの向こうで、レーシーが笑う。
吸血鬼が生命力を奪われるなど、どれだけ屈辱的なことだろうか。
「やっぱりオイシクないの。アナタは、とってもまずいのよ。でも、スキキライはダメなの」
残念そうに仕方なさそうに、剣を手に立ち上がろうとした記述者にコウモリは殺到する。
「残してもシカタないから、ぜーんぶ、レーシーがキレイに片づけてあげるのよ」
リラの音色とコウモリの鳴き声が響く中、記述者は最後の生命力を吸い上げられ、二度と起き上がることはなかった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【コウモリ変身】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
ルミ・アージェント
(サポート)
青春を掴む為に戦うよ!
魂を喰らう呪いの大鎌『ソウルマローダー』と浄化の力が込められた思い出の短刀『公園丸・影打』を使って依頼を解決していくね!
難しいことを考えるのは苦手かな!
シンプルに真っ直ぐに解決に向かうと思った行動を全力でとっていくよ!
クロノヴェーダは絶対に許さない!って気持ちで、多少のダメージなんて気にせず、呪いの力を解放して戦うの!
そしたら少し言動も侵蝕されちゃうかも…!
あははっ!青春を奪うアナタ達が悪いんだよ!
逆に奪われる覚悟くらいできてるよね!?
魂ごと喰らい尽くしてあげる!
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
ルチルーク・フレンツェン
(サポート)
現代地球出身、新宿島以外の全てが消えたショックで、クロノヴェーダへの怒り以外の、喜びや悲しみなどの多くの感情を失った少女です。
普段の一人称は当機、二人称は仲間へは〜様、敵にはあなた、語尾は〜です、〜ます。
感情がないから逆に演技に躊躇いがなく、人々の前では安心させるために元気な少女の振りが出来ます。
私やモーラットのルシグーナがいるから、(相手の呼び捨て)は安心してね!
こんな風にです。
戦闘は自前のパラドクスは何でも使えます。
パラドクス以外の行動は多少の傷を承知の上で、ルシグーナによる時間稼ぎからのニードルガンでの気絶攻撃が得意だと自負しています。
如何なる事件も新宿島のイベントもコマメに頑張ります。
●残虐令嬢
何度呼んでも、仕えさせている青年達も記述者も姿を現さず、オリガは苛立ちを感じていた。
折角、良い気分なのだ。あの光景を思い浮かべながら、血の滴る肉やワインを愉しみたいと、オリガは呼び続ける。
既に青年達は屋敷から逃げ出し、記述者らは倒されたなどと知らず。
代わりに勢いよく扉を開け飛び込んできたのは、ディアボロス達だ。
「青春を掴む為に戦うよ!」
踏み込むなりルミ・アージェント(全力乙女・g01968)は、魂を蝕む呪いの大鎌〈ソウルマローダ〉を振りあげ。
ルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)は、プラズマ拳銃〈出力改造ニードルガン〉を構えた。
「誰っ! 貴様ら、どうやってここに」
侵入者に険しい表情を浮かべるオリガであったが、何て事はない。先程、彼女がバルコニーに顔を出したところをハッキリとテクトラムは見ていたのだ。そこより位置を推測するのは容易いというもの。
彼の姿にオリガは目を輝かせたが、話すことなどない。
モーラット・コミュ『ルシグーナ』が飛び出し、オリガの注意を反らした一瞬で、ルチルークは相手の懐に入り肉体の動力炉を露出させる。
「当機は、これより作戦を実行します」
動力炉より放たれるのは、高熱の火炎。
肌を焦がす炎に、令嬢らしく小さく悲鳴をあげよろめいて見せるも、その瞳は鋭く。『Мне уже скучно』、オリガは触れば凍結させる傘を振りかぶった。
しかし、その身体はガチリと鎖に拘束される。
「絶対に逃がしはしないよ! まずは自由を奪ってあげる!」
オリガを捕えるのは、ソウルマローダの石突より伸びる呪いの鎖。
ルミの腕にも強く絡みつき、互いを結ぶ鎖はオリガの生命力を奪っていく。
悲鳴にも似た叫び声をあげ、オリガは牙を剥き令嬢らしからぬ形相を見せた。
力任せに振るわれた傘の先端は、ルチルークの火炎を凍らせ散らし、その腕を叩き傘を手放し。自由になった、その手をカメラへ伸ばす。
「ファインダー越しの氷結世界よ」
カシャリとシャッターが押され、レンズを通した世界を絶無の冷気が襲う。
「思い出はファインダーの中に」
凍えるルミの姿に、うっとりとした表情を浮かべるが、縛る鎖はより強く締め上げる。
「何が思い出……アンタには、本当の思い出も青春も分からないんだよ!」
更にルミはオリガの生命力を吸い上げた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV2が発生!
テクトラム・ギベリオ
(人々を助ける為とは言えこのやり方が正しかったのだろうか…)
ふぅー…切り替えねば。後ほどたっぷり詫びよう。
氷橋の上から確認したバルコニーの位置を頼りにオリガを見つけ出す。
この屋敷はどこもかしこも血生臭い…。いや屋敷だけでは無い。氷橋もどれだけ血を吸ったか。
全く不愉快だ。オリガと会話をする気は無い。見つけ次第即刻処罰する。
【託されし願い】で悲しみ怯える住人の映像と「本当は生きたい」といった少女の言葉、それら全てを『勇気』に変えて敵に挑む。
鞭を手に【眞鞭崩襲】で無法者を罰する。
これしきの寒さがなんだと言うのだ。奴のくだらん娯楽で散った命を思えばどうと言う事は無い。
アドリブ連携歓迎
(「人々を助ける為とは言え、このやり方が正しかったのだろうか……」)
テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)の胸には、小さな棘が刺さったままだ。
避難させる時間も無い中、住人を危険にさらさない為の選択だったとはいえ、他にもやり方があったのではないかと後ろを振り返らずにはいられない。
(「……切り替えねば。後ほどたっぷり詫びよう」)
オリガの居る部屋に突入寸前、ゆっくりと息を吐き正面を見据えた。
(「この屋敷は、どこもかしこも血生臭い……いや、屋敷だけでは無い。氷橋もどれだけ血を吸ったことか……」)
共に飛び込んだ、二人の後方よりオリガを睨み思う。
――全く不愉快だ。即刻処罰する。
ルチルークの火炎が焦がし、ルミの鎖が捕らえる中、テクトラムは託されし願いにより、住人達の姿を映し出す。
住人達は悲しみと、いつか自分が死ななければならない怯えに苦しみ。だが、願えるなら助かりたいと望んでいた。命を捨てる覚悟までしていた少女は、「本当は生きたい」と願っい。
屋敷に仕え、少しでも街の人に手が出ないよう、従順に仕えていた青年達も家族の元に戻り、互いの無事を喜び願った。
この冷酷な領主が居なくなるように。明日に希望が持てるように――。
彼らが未来を願えるようになったのは、ディアボロス達が話を聞き手を差し伸べたおかげだ。
その強い願いは勇気に……。
「あなたさっきの人よね。良かったわ、とってもゾクゾクしちゃった」
会話をする気は無い。テクトラムは、向けられたカメラのファインダーを射貫くように。パラドクス『眞鞭崩襲(シンベンホウシュウ)』を振るう。
〈守護者の鞭〉がレンズを割りオリガを打つのと、シャッターが押されたのはほぼ同時だったか。
絶無の冷気が広がったのはほんの一瞬。
(「これしきの寒さが、なんだと言うのだ。奴のくだらん娯楽で散った命を思えば、どうと言う事は無い」)
もう二度と娯楽を楽しめないように、守護者の鞭は無法者の両眼を裂き罰を与えた。
「が、ああああああああぁぁっ!」
オリガは血の涙を流し、のたうち回った。
まだ罰は足りない。獣のようにみっともなく叫ぶオリガを許す者はいなかった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
レーシー・ツェペシ
※アドリブ、連携歓迎
無邪気に無知で無垢に戦います
はじめましてレーシーなの
アナタがりょーしゅさま?
つまらないことしてるれーじょーさま?
レーシーには分からないの
アナタみたいなくだらないことする理由
さぁ、おどるのよ見えなくてもだいじょうぶなの
クスクス笑いパラドクスで攻撃
蝙蝠の群れで襲撃するの
色んな方向から襲って踊らせてあげるのよ
反撃前に霧散して離脱
おあいてありがとうございましたなの
最後にレーシーはスカートのはじを持ってご挨拶
●血の終幕
クスッと小さな笑いが零れた。
だけどそんな素振りは見せず、レーシー・ツェペシ(籠の鳥・g07219)は、挨拶する。
「はじめましてレーシーなの。アナタがりょーしゅさま? つまらないことしてるれーじょーさま?」
まともに目を開けないオリガは、この時微かにレーシーが笑っていたのは見えなかったか。それも誰と殺意を向けた先に居るのが小さな女の子で、同じ吸血鬼だとは思いもしなかっただろう。
「レーシーには分からないの、アナタみたいなくだらないことする理由」
オリガは答える。領主が所有物を好きにして何が悪いと。
「そう、なの」
つまらない答えを聞いた。例えどんな回答が返って来たとしても、レーシーが今から行おうとしていることに変わりはない。
銀のリラを手に奏でるはパラドクス『輝くテンペストーソ』。
クスクスと小さな笑いを零しながら、深い闇の輝きがオリガを包み粒子を吹き荒れさせる。
「さぁ、おどるのよ見えなくてもだいじょうぶなの。もっと、もっと、激しくなの」
吹き荒れる粒子に翻弄されオリガの身体は、まるで踊っているかのように振り回されて。
肉が削がれ、血が飛び散った。
レーシーを包む白い服は返り血に塗れて、怒れるオリガの放った『Спасибо большое』が小さな横腹を串刺しにした。
痛みに顔を歪ませるも、レーシーはクスっと笑い優雅にスカートの端を摘まみ上げ、お辞儀した。
「おあいて、ありがとうございましたなの」
この先は、別の一幕と闇を払い引き下がった。
成功🔵🔵🔴
効果1【土壌改良】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
魑魅・烏頭
アンタが男侍らせて良い気になってる件のズベ公?
上っ面は華やかでも品性に欠けてるわね
獣畜生のほうがまだ行儀が良いでしょうよ
あぁ、安心なさい
血肉に貴賎は無し、アンタでも肥やしには十分よ
ふふふっ、あぁ……声が聞こえる
私を蔑むアンタの声が……
――さぁ!私の被害妄想に付き合ってもらうわよっ!
パラドクスを発動して弱点を狙い、果敢にバチヅルで攻め立てるわ
相手の動きを看破、反撃の素振りを見せたら一撃離脱の後に氷を粉砕、ダメージの軽減を狙うおうかしら
生皮引っぺがした後肉骨粉にしてから獣に食わせて、その糞を燃やして作った灰を畑にぶち撒けてやる!
アンタが穢したこの土地の肥やしになる覚悟は――出来てるんでしょうねぇ!
闇が晴れ赤い氷柱が輝く中、魑魅・烏頭(化外の怨霊使い・g07427)は哀れな姿と成り果てたオリガに、鍬と鶴嘴が合体した〈バチヅル〉を手に攻め込む。
「アンタが男侍らせて良い気になってる件のズベ公? 上っ面は華やかでも品性に欠けてるわね」
でも今の姿の方がお似合いだと、鼻で軽く笑うように烏頭は見下ろす。
オリガは、両の目はまともに開かず。服はボロボロに、豊かな肉のあちらこちらが削がれ何処かを這いずり回って来たかと思うような姿だ。
「黙れ……」
まだ令嬢として振る舞おうと言うのか、オリガは傲慢に顔をあげる。
「獣畜生のほうがまだ行儀が良いでしょうよ。あぁ、安心なさい。血肉に貴賎は無し、アンタでも肥やしには十分よ」
「黙れっ!」
吸血鬼の肉が大地を豊かにしてくれるかは怪しいが、多少は役に立つんじゃないかと冷たく視線を送りパラドクス『怨み殺法・妄執意趣返し』を発動する。
「ふふふっ、あぁ……声が聞こえる。私を蔑むアンタの声が……」
実際、オリガは蔑んでいた。いや蔑まないと、己を保てない程追い詰められていた。
「――さぁ! 私の被害妄想に付き合ってもらうわよっ!」
吸血鬼と言えど、人の姿を成せば血液を送る器官は弱点の一つとなろう。
氷柱を出す暇を与えぬように、肉薄し深く胸にバチヅルを突き立てる。
「生皮引っぺがした後肉骨粉にしてから獣に食わせて、その糞を燃やして作った灰を畑にぶち撒けてやる!」
バチヅルは貫通しているが、オリガは大量の血を流しながら反撃しようと氷柱を繰る。
相変わらず吸血鬼は身体がどんなにボロボロになろうと、恐ろしい生命力で襲い掛かってくる。
「アンタが穢したこの土地の肥やしになる覚悟は――出来てるんでしょうねぇ!」
引き抜いたバチヅルを大きく振り上げ、今度はオリガの首へと振り下ろす。
「怨 み 晴 ら さ で お く べ き か !」
その一撃はオリガの首を吹っ飛ばし、この血の惨劇に完全な幕を引いたのであった。
これでこの街は、吸血鬼の支配から暫くは解放されることだろう。
大成功🔵🔵🔵
効果1【書物解読】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!