天空の滝・竜域ダンジョン第五層~滝壺の底へ(作者 水上ケイ)
#幻想竜域キングアーサー
#竜域ダンジョン探索(中~下層探索)
#天空の滝・竜域ダンジョン
#ギアナ高地
⊕
天空の滝ダンジョンの底には水のような碧い宮があった。
宮を取り巻くような背後の迷宮の壁は、霧のような水しぶきのヴェールが絶え間なく静かに落ちている。美しい滝だった。このダンジョンの最後の滝壺の真ん中に小島のように宮が浮かび、岸からは水に浮かぶ回廊が宮まで続いている。
この最終階層を守護するのは、蒼玉のカラドック。自身も非常に美しい青い姿をした竜だ。
「肋卿から連絡が途絶えたと……。」
「しかし、あやつは正直真面目とは言い難いですし、鍵の警報は鳴っていませんから。もし侵入者があるなら、あの宝の鍵を必ず盗もうとするはずです。ご安心を。」
竜鱗兵が深々と礼をとる。
「それにこの階層の迷宮は至難。到底この宮までたどりつけるはずはございません。」
「それはそうだが……どうも嫌な予感がする。とにかく、警備を強化するように!」
「はっ!」
●
古宮・泉美(MOMO・g03355)は早速説明を始めた。
「皆さんご存知のように、現在、世界各地にある竜域ダンジョンでは、ダンジョンの主であるドラゴンがいる最下層に向けて、中~下層の探索が行われています。ダンジョンの奪還戦を挑める階層まで到達したり、あと少しというダンジョンも出ています。」
そして、今回皆に向かってほしい、天空の滝ダンジョンでもあと一層を残すのみとなりました、と泉美は古びた鍵を取り出した。
「これは、第4層の探索を行ってくれた皆さんが、大事に持ち帰ってくれた『木と花の鍵』と呼ばれているものです。この鍵はこの階層での冒険を大いに助けてくれるものだということが判明しました。」
泉美によれば、どうやらこの鍵は、第5層の『至難の迷宮』を迂回して、アヴァタール級が根城にしている『碧の宮』と呼ばれる場所まで行ける隠し通路の鍵らしいという。
「蒼玉のカラドックは、ディアボロスを警戒して部下を迷宮内に放ち、警備を強化させているようです。ですが、この通路を通れば完全に無視して、アヴァタール級に決戦を挑めます。カラドックさえ倒せば、トループス級は撤退しますから問題ありません。」
現在、ラキ火山を最終人類史に奪還した事で、ドラゴンが、竜域ダンジョンに転移する事ができなくなっている。
しかし、この状況が永遠に続く事は無いだろう。
ドラゴンが何らかの方法で、ダンジョンに増援を送る事を可能にすれば、攻略は難しくなるので、その前に、最深部までの階層を全て突破する必要があるのだ。
泉美はさらに細かく今回の依頼について説明する。
「まず、この第5層ですが、入り口付近は植物や木々が茂る森です。その森に大きな洞窟があり、この洞窟が複雑な迷宮になっており、カラドックのいる碧の宮が浮かぶ、滝つぼに続いています。」
中には当然竜鱗兵が警邏していると思われるが、しかし、この迷宮を踏破する必要はない。
「鍵があるのだから、どこかにあるという隠し通路を探しましょう。」
そのための情報だが、これも前の階層を踏破したディアボロスがもたらしている。
「『エイ太郎』という名前の火トカゲが第5層にいるそうです。第4層の火トカゲのことを話せば、信用して協力してくれるのではないでしょうか。他、工夫して情報を聞き出して下さい。今のところ、唯一のてがかりです。」
泉美によれば、エイ太郎は今、迷宮の入り口付近の森にいるらしい。
「このダンジョンの火トカゲ族にはどうやら「唄」の伝承があるようなので、今回も聞いてみてもいいかもしれませんね。」
また迷宮入り口には警備兵がいるだろうから、対処するか、森に隠れるなど見つからない様に接触すべきだろう。
隠し通路の入り口がみつかれば、あとはひたすら進むだけだ。
「ここには敵はいないと思いますが、罠はあるかもしれません。また、途中に何かお宝のようなものがあっても触れないほうがいいでしょう。」
泉美は大丈夫と思いますが、と警告する。そして何か所か越えなければならない障害があると付け加えた。
「所々通路が切れて、再び少し先で続いています。下に落ちないようにだけ、気を付けて下さい。ジャンプするなり、ディアボロスなら越えられると思います。」
カラドックを倒せば、制圧成功。このダンジョンの奪還戦に挑むことができる。
「このダンジョン踏破まであと少しです。どうか油断なく、いってらっしゃい!」
泉美はそういうと、ぺこりとお辞儀した。
●火トカゲのエイ太郎
第五層の入り口には、鬱蒼とした森があった。森の中にはこの階層の迷宮入り口らしい暗い大穴が見えていて、竜鱗兵が一人、手持無沙汰ぎみに立っていた。
エイ太郎と呼ばれた火トカゲは、ここから近い森の中に一匹だけで暮らしているらしい。
小さな手製の小屋が、大きな木に差し掛けるように立っていて、ここがエイ太郎の住処らしかった。
リプレイ
ミィナ・セレイユ
いよいよ、最終層だね。
警備は厳重そうだから、慎重に進むよ。
■使用技能
観察、幸運、偵察、情報収集
よく警備兵の動向に注意しながら、
森の中を、なるべく音を立てない様に進むなぁん。
エイ太郎君を首尾よく見つけられたら、
【託されし願い】でビー助くんの姿を見せて、
無事である事を伝えてあげたいんだけど、
来る直前に会えなかった事が気がかりだから、
万が一を考えて、見せる時は気を付けるなぁん。
それと、ビー助君が歌っていた鍵の唄。
エイ太郎君も知ってるみたいだから、
どういう意味の唄なのか、確認しないとね。
ラウム・マルファス
汎用ドローンを換装。1機は光学迷彩用に換装して頭上へ配置。残りは小型タイプのものにカメラを搭載して、見つからない塗装に変えたら森の中を飛ばすヨ。
竜鱗兵を避けるように進もウ。もし見つかりそうなら木の陰に隠れてじっとしてるヨ。
小屋に着いたら小さくノックしてから入るヨ。
「ラウムだヨ。よろしくネ。キミがエイ太郎カナ?4層でビー助に会ってネ。木と花の鍵を借り受けたヨ。必ず使って欲しい、っテ」
気に障らない程度に観察してみよウ。困ってることがありそうなら手を貸すヨ。
「ボクはここのドラゴンを倒しに来たんダ。隠し通路の入り口を教えてくれないカナ。それと、もしドラゴンの行動パターンとか弱点とか知ってたら教えテ」
四方堂・あんな
いよいよ底の方か。この先にドラゴンがおわすわけだ
お、あの火トカゲくんの親族がいるんだねー
入り口にいるって話だけど、他に見つからないとも限らないから、一応平穏結界で保険をかけてっと……
やあやあ、火トカゲくん。ちょっと話を聞いてもいいかなー
ここの上の滝の水が流れるとこでこき使われてた、えーとビー助だっけな
彼と話して鍵を預かってるんだけど、使う場所が解んないんだよね
何か、ヒントみたいなのは無いかな?
いやー、なにも住処を荒らそうってんじゃない
家主に用があるのさ
うーん、なんでもいいんだよ
唄とか何かさ。言い伝えとか、なーんか教えてっ!
●第5層の森へ
事前情報通り、迷宮に通じるという大穴には見張りがいた。
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)、ミィナ・セレイユ(夢蛍・g07038)、四方堂・あんな(気ままな忍者・g00300)はそれぞれ木の影で身を潜め、安全を確認して頷きあった。
このまま静かに、敵に注意を払いつつ森の探索を開始するのだ。
あんなが用意周到に術を発動する。
「一応平穏結界で保険をかけとくよ。」
「頼むネ。」
「ありがとなぁん。」
蔦の絡まる鬱蒼とした古木に、深い緑。
(「いよいよ、最終層だね。警備は厳重そうだから、慎重に進むよ。」)
ミィナも気を引き締めて、森の空気を吸い込んだ。
探索を始めてさほど経たないうちに、彼等は目当ての小屋を見つけた。
その小屋は、恐ろしく大きな樹木に寄せてしつらえてあった。天辺が見えない程の巨木に思わずディアボロス達の眼は吸い寄せられる。
ともあれ、ラウムがトントン、と小さくノックした。耳を澄ませてみるが返事はない。
「留守かナ?」と、振り返ると、あんながおいでおいでをしていた。
(「あの火トカゲくんの親族かなー。いよいよ底の方、ここにドラゴンがおわすわけかー。」)
感無量、という感じであんなはこそこそしている後ろ姿をラウムとミィナに指さした。木の枝から果物らしきものを取ろうとしているらしい……ちょっと背が足りないが。
三人の中では一番背の高いラウムが「出番だネ」と呟いて、「やあ」と近付き、ぽちっと果物をとってやった。
「ハイ。」
「……あんた、誰?」
「ボクはラウムだヨ。よろしくネ。キミがエイ太郎カナ?」
「そうだが……。」
あんなもニッコリしてみる。
「ちょっと話を聞いてもいいかなー。ここの上の滝の水が流れるとこでこき使われてた、えーとビー助だっけな……。」
「えっ? ビー助? こき使われてるのか?」
「ビー助くんは無事だよ。」
さりげなくミィナが話を継いだ。本当は彼は託されし願いで、ビー助の無事な姿を見せたかった。しかし、来る直前に会えなかった事が気がかりで、万が一を考えたのだ。何よりミィナ自身がビー助の無事を祈る思いだった。
「今頃きっと逃げて、帰る道を探していると思うなぁん。」
ラウムがさりげなく話を本題に戻す。
「そう。ボク達は4層でビー助に会ってネ。木と花の鍵を借り受けたヨ。必ず使って欲しい、っテ。」
「鍵?」
「そう。使う場所が解んないんだよね。何か、ヒントみたいなのは無いかな? 」
あんなはそう言ってから、慌てて付け加えた。
「いやー、なにも住処を荒らそうってんじゃない。家主に用があるのさ。」
「ボク達はここのドラゴンを倒しに来たんダ。隠し通路の入り口を教えてくれないカナ。それと、もしドラゴンの行動パターンとか弱点とか知ってたら教えテ。」
エイ太郎は目をぐるぐるさせた。
「ここの青いドラ神様は奴隷はふようだっておれを放り出したけど……。」
ミィナは思いついて言ってみた。
「ビー助君は鍵の唄を歌っていたなぁん。」
「ああ」と言って、エイ太郎は口ずさんだ。
「長老たちは言いました、この地の初めにいた人は、花と木の女神さま……。」
そして教えてくれた。
「これは長い歌物語なんだぜ。要は、この女神様は恋人だかの為に通い道を作り、宝石の花で飾ったとか……まあ、たわ言だな。」
「あの、その通い道って、どこにあるかわからないかなぁん?」
「は?」
「うーん、なんでもいいんだよ。言い伝えとかさ、なーんか教えてっ?」
「あのさ。鍵みてもいいか?」
みんなは木と花の鍵と呼ばれるものを眺めた。古い木製っぽい鍵で複雑な形状をしている。繊細な花と木の模様が美しく彫られていた。
「……本物に見えるぜ。そうだな、物語の中では大きな木のうろを登っていくはずだぞ。」
「大きな木? エイ太郎は、どうしてあの木のそばで暮しているのカナ?」
「それは……あっ!」
駆けだしたエイ太郎にディアボロス達も続いた。
小屋の戸を開けると、エイ太郎は壁として利用していた巨木の幹を指さす。
「ほら、ここに飾り模様みたいなのがある。綺麗だから、なんとなくここで暮すことにした。」
「これ、鍵穴じゃないのかなぁん?」
ミィナがしげしげと見つめ、ラウムはカギを取り出した。
果たして、木と花の鍵はぴったりとその「彫り模様」にハマり、ぐるりと回り、木の幹は道を開いた。
あんなが「ありがとう!」と火トカゲに感謝する。
「あー……唄の中で、侵入者は宝の花を盗もうとしてやられるからな。一応言っとくぞ。」
火トカゲの声に送られて、木の幹は3人を呑み込み、再び閉じた。
ディアボロス達は内部に刻まれた足場を手掛かりに上へ上へと昇ってゆく。
天辺まで登りつめると、そこに通路があった。水晶の花が所々で朧な光を放っている。
この通路の先に、アヴァタール級の居所があるのは確実だった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
ディアナ・アインホルン
隠し通路を進むよ。地面の罠に触れないように音は出来るだけ消して静かに飛行して移動するね。光学迷彩や平穏結界は有るけど用心はしておくに越したことはないし。
念のため、先を目視で偵察しつつ、壁の色が違うとか何か隠されてるとか罠の気配がある場所を探りながら仲間に安全を伝えながら進むよ。
飛び越える必要が有りそうな場所や罠や宝に触れてしまってトラブルを呼びそうな場所が見つかれば、この先に注意するようにって目印を置いて続く人に知らせておくね。
広い場所、明るい場所など通路から出てしまいそうな地点では一旦止まって、先に敵がいないか等を念入りに確認してさらに先へ行くね。
●鍵が導く場所
ディアナ・アインホルン(夜空を切り裂く流星・g01791)は静かに通路の床を蹴ると、低く飛行して前進をはじめた。
(「地面の罠には触れないように、できるだけ音を消して……と。」)
光学迷彩と平穏結界は利用するとして、念には念をいれるディアナだった。最初に足を踏み入れたディアナとしては、用心しすぎるということはないはずだ。
通路は薄暗く、宝石の花が蛍のように淡く輝いている。
ディアナは中でも、幅広に群れて輝く花をみつけて、仲間にこの先注意の合図を残した。
飛翔を使ったことで、天井にぶつからないようにだけ気を付ければ、かなり踏破が楽だと感じる。
むしろこの不思議な景色を楽しむ余裕さえできるというものだ。
どれくらい進んだ頃だったろう。ディアナは、前方に光を見た。淡い花の灯りではなく、もっとはっきりした光が下から漏れてくる。
(「あそこ、床がないのか
……。」)
飛んでいるから落ちる心配はないが、ディアナは慎重に音をたてずに進んだ。光の手前で一旦止まり、そっと下を覗いて声を呑み込んだ。
(「迷宮だ!」)
下は松明が燃える迷宮内の広間らしかった。突撃竜鱗兵が二体、左右を警戒する様子で闊歩していった。ごつい頭部がディアナの視界をすぎてゆく。
ディアナは急いで手前に目印を残し、再びゆっくりと飛行をはじめた。あえて音をたてたり、余程のドジをしない限りは、下の連中にみつかることはまずないだろうと思われた。
ディアナは無事ここを通過し、距離をかせいでいった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
ミィナ・セレイユ
■使用技能
観察 情報収集 伝承知識 看破 風使い 勇気 記憶術
ふんふふーん。なっぞとっきなぞっとき。
某冒険家な考古学者よろしく、探索探索なぁん。
とりえず、歩きながら壁の観察かなぁん。
罠がある様な所は、何かしらの変化があるからね。
あと、行き止まりの様な所は、風の流れを読む事と、
罠の突破の最後に物を言うのは、一握りの勇気なぁん。
今まで運任せの探索だったから、知識と推理で突破するなぁん。
ミィナ・セレイユ(夢蛍・g07038)は迷宮探索にちょっとワクワクしていた。
(「ふんふふーん。なっぞとっきなぞっとき。某冒険家な考古学者よろしく、探索探索なぁん。」)
とりあえず、ミィナは通路に足を踏み入れた。その途端に巨大な石が転がってくる……なんてことは、なかった。この隠し通路は、一見むしろ危険よりもロマンティックが香るようだ。
薄暗い通路の中に宝石の花が咲いて淡い光を放つ。いかにも美しく、安全そうである。
しかし、ミィナは油断なく慎重に、壁を観察しながら進んで行った。
(「罠がある様な所は、何かしらの変化があるからね。」)
迷宮は知識と推理で突破すると、固く決心したミィナである。
ところどころ、壁に沿って花が咲く場所がある。いかにも摘み取れそうな、青い鈴のような花の中に灯りが点っているように見える。
(「だけど、この花の後ろの壁は少し色が違うなぁん
……。」)
よーく観察しなければわからないが、花のある場所はだいたい、少し色の違う部分があるようだ。
(「危ない予感しかしないなぁん。」)
無論、試してみる気はおこらなかった。
仲間の目印も参考にミィナは通路を進んで行く。床がない場所は、一か所ではなかった。
下からの空気の流れを感じて、ミィナは立ち止まる。下は暗く、視界はきかなかったが、水音が聞こえる。おそらく、ここから落ちたら水にのまれて流されるのだろう。
(「罠の突破の最後に物を言うのは、一握りの勇気なぁん。」)
ミィナは軽く助走をつけて跳ぶ。小柄な体はカモシカのように奈落を渡った。
「きっと、あと少しかなぁん……。」
水音を後ろに、彼は着実に進んでゆく。
成功🔵🔵🔴
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
四方堂・あんな
よーし、じゃあ隠し通路を進もうかね
うーん……光っている花かい?
隠しエリアってくらいだから、随分群生してんだねー
まあ、これ罠だろうし、そんな言い伝えもあるから、なるべく触らないようには進むけど……
多くない?
触らないようにったって、なあ
接触したら発動するタイプの罠だとマズイよね
鉤縄で結界を貼りつつ、不用意に触らんようにはするけど……え、罠外そうとかしてるの?
大丈夫かなー
まあ、床が抜けるとかしても平気なように、植物活性で蔦とか伸ばしておいて、もしものときはそれにつかまったりしよう
まあまあ、今じゃなくてもさ
ここを地図とかに記載しといてさ
全部終わってからまた来るってのはどうよ?
「よーし、じゃあ隠し通路を進もうかね。」
四方堂・あんな(気ままな忍者・g00300)も、仲間のあとに続いて通路を進み始めた。
あんなの見たところ、光る花は思ったより多い。
(「まあ、これ罠だろうし、そんな言い伝えもあるから、なるべく触らないようには進むけど…… 」)
「しかし、触らないようにったって、なあ……。」
あんなは爪先立ちでそそっと花の間を抜けたり、ひょいっと宙がえりで花の群れを越えたりした。身軽に着地を決めながら、あんなは思った――多くない?
あんなは鉤縄を取り出した。接触したら発動するタイプの罠だとマズイわけで、道具をも用いつつ、用心深く進んでいく。
この宝石の花は通常の植物ではないだろうね、とあんなは今越えたばかりの宝石の花々をしげしげと見つめる。美しくて持って帰りたいような花だけど、今はとりあえずやめておこうとあんなは判断した。
(「もしも、だけど。また来る機会があればその時にチャレンジ、かな。」)
とにかく、今は進むだけだ。あんなはするすると花をよけ、巧みに通路を進んでゆく。
床のない箇所も無難に越える。必要なときには忍具を活躍させて音もなく軽々と隠し通路を抜けていった。
迷宮の上を越え、水の淵の上を越える。
念をいれた安全策が功を奏し、最後は下りになった通路を進んで、あんなは無事終点までやってきた。
「行き止まり?」
他のディアボロスが首をふり、下をみる。
「たぶん、ここが終点だね。」
「あ、ここか。足元のこれが出口だね。」
マンホールくらいの大きさの蓋が、床面に繰り抜かれている。
ディアボロス達は木と花の鍵をここにも使い、そっと持ち上げ……驚いた。
「下に、カラドックがいるんだけど!」
彼等はまさしく、カラドックがいるその部屋の、天井裏に到達していたのである。
成功🔵🔵🔴
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
●
隠し戸の隙間から覗く水色の竜の宮は美しかった。
ダンジョン5層のアヴァタール級は、高い天井から自分を狙うディアボロス達にまだ気付いていない。
ドラゴンの居所は、非常に大きな堂室で天井も高かった。蒼玉のカラドックはその青い背をみせて、考え事でもしているのか、今は一か所にじっとしていた。
この機に乗じて隙をつくことも可能だろう。
飛翔で不意打ちをくらわすか、舞い降りて攻撃をかけるか……。
ディアボロス達は素早く作戦を練るのだった。
ラウム・マルファス
本国のコト考えてるのカナ?まぁゆっくり話は出来そうにないかナ。
クモ型ドローンに爆薬を搭載。天井を這わせてコッソリ敵の頭上へ。味方の攻撃に合わせて落下させ、爆破による撹乱と爆煙による目隠しを狙うヨ。
煙の引かない内に光学迷彩を使いつつ飛翔で降りル。
水流はナノマシンを盾のように固めて、体当たりや捕縛を可能な限り受け流ス。多少の怪我は覚悟してるヨ。
「火トカゲ奴隷にしてみたり、要らないって放り出したり、気まぐれだネ?用がないならせめて集落に返してあげなヨ」
味方が攻撃する時は、声をかけて注意をこちらに向けよウ。
「倒すって約束したからネ。悪いけど倒させて貰うヨ」
四方堂・あんな
さて、ここの親玉さんに喧嘩を売りましょうかね
まー、ホントの親玉はもっと下にいるんだろうけどね
こんな怪物でさえ、地方領主ってわけだ
世知辛いね
まあでも、ここにも住んでる奴らがいるわけさ
ささやかな平穏のため、ここで退場してもらうよん
ふふん、どうやら爆発物を使ってくれるらしいね
上からの爆破に合わせて、こっちもけむり玉で足元を隠すよ
お、精霊を呼ぶんだね
その鱗粉は危険だね。なるべく爆風で散ってほしいけど……マフラー巻き直すか
手裏剣で牽制をかけつつ、残像と光学迷彩で隠蔽を狙う
本命は近付いて斬ることだけど、惨刀斬瓜でも警戒するドラゴン相手に届くかどうか
ま、やるだけやってみるけどねー
●隠し扉の向こう側
「さて、ここの親玉さんに喧嘩を売りましょうかね。」
初手を仕掛ける直前、四方堂・あんな(気ままな忍者・g00300)がそんなことを言った。トレードマークのマフラーは今日も暗器を忍ばせて、いい匂いだ。
「まー、ホントの親玉はもっと下にいるんだろうけどね。こんな怪物でさえ、地方領主ってわけだ、世知辛いね。」
「本国のコト考えてるのカナ? まぁゆっくり話は出来そうにないかナ。」
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)がそう応じて「行こうカ」、と促す。
「そうだね。ここにも住んでる奴らがいるわけなんで、ささやかな平穏のため、ここで退場してもらうよん。」
あんなの姿が隠し扉から消え、ラウムは呟く。
「換装完了。さァ、行っておいデ。」
詠唱とともに爆薬を積んだクモ型ドローンが音もなく滑り降りてゆく。
蒼玉のカラドックが気付くのとほぼ同時に、ラウムの攻撃が炸裂した。パラドクスの力が弾けて爆炎が上がり、反撃の水流が術者に向かうが、予測していたラウムは盾のようなものを操って受け流し、耐える。
(「まあ、多少の怪我は覚悟してるヨ。」)
逆説連鎖戦が静かだった碧い室に展開する。あっという間に敵の居室は戦場になった。
その間にもあんなはけむり玉で足元を隠し、光学迷彩を纏って手裏剣を放つ。
爆弾の直撃に続き、パラドクスをのせた棒手裏剣が体に突き立って、カラドックは咆哮をあげた。
「まさか、ディアボロスか!」
放たれた蒼玉の精霊の反撃を避ける様に、あんなはマフラーを巻き直した。
(「その鱗粉は危険だね。」)
一方ラウムも戦場に舞い降り、クモ型ドローンを操った。
まるで見えない糸に導かれる様に、ドローンはカラドックを狙って爆散する。両者は時を書き換え空間を操って、パラドクスが激突する。
「火トカゲ奴隷にしてみたり、要らないって放り出したり、気まぐれだネ? 用がないならせめて集落に返してあげなヨ!」
「火トカゲだと? あのような取るに足らぬ者どもと、ディアボロスが何の関係があるのだ?!」
あんなは、会話にドラゴンの意識がそれた一瞬の隙を逃さなかった。光学迷彩を纏い、揺らめく光の様にカラドックに迫る。
(「本命は近付いて斬ることだからねー。影に入りて、玉梓を刈るなり……ってね。」)
パラドクスを発動し、あんなは得物を手に、空間を操り疾風の様に駆けてカラドックの懐に飛び込んだ。
「もらった!」
「何をっ!」
斬撃が竜を深く抉る。手応えを感じて、あんなは反撃をかわそうと俊敏に動いた。
そして、さらに追い打ちをかける様に爆炎があがった。
「倒すって約束したからネ。悪いけど倒させて貰うヨ。」
ラウムは胡散臭い笑みを浮かべながら、カラドックに告げるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
一里塚・燐寧
アドリブ連携歓迎
やっほ。きみが火トカゲくん達をいじめてる悪い水トカゲくん?
初対面いきなりで恐縮だけど、ここで死んでもらうねぇ
≪テンペスト・レイザー・バースト≫の切っ先を斜め後ろに流すように構え
一心不乱の突進で敵に肉薄するよぉ
精霊の攻撃は得物で切り払ったり
≪ワイヤーシューター≫を壁に引っかけてからワイヤーを引き戻しての三次元機動で回避を狙うねぇ
鱗粉の錯乱効果には【勇気】と【精神集中】で抗って
出来るだけ一歩も止まらず接近するよぉ
敵を真正面に捉えたら『屠竜技:急嵐の型』発動
神速の踏み込みで跳躍して襲いかかり
頭頂部から正中線に沿って斬り下ろすよう剣を振るうねえ
ながーい身体、真っ二つにしがいがあるよぉ!
ディアナ・アインホルン
隠し通路でここまで来れたけど、本来なら難しい道程だったはず。
相手が余裕を取り戻さない内に一気に決めてしまわないとね。
精霊の小さい身体と素早さに鱗粉……厄介そうだけどやりようはあるよね。
取り出したミサイル類の装備をカラドックに連射しつつ一気に接近するよ。
小さい身体や鱗粉は厄介だけど……その軽さ故に風の影響は大きいよね?
爆風が無秩序に吹き荒れる中、高速で飛ぶ私を狙って攻撃したり鱗粉を届かせることができたりするかな?
「私のスピードならこの風にも負けないから!」
迎撃が上手くいかないと焦ってる隙に全速力で一気に接近してR-Themisで急所に一撃を叩き込んであげるよ!
「最速の一撃をあげるよ!」
ミィナ・セレイユ
まずは観察。やっぱり、胸と額の青い宝玉が気になる…。
逆鱗は違うところだろうし、かばう素振りがあるか、見極めるなぁん。
戦闘自体は遠距離からの攻撃中心に、攻撃を加えていくなぁん。
砂は水を吸うし、相性はいいと思うのだけれど。
体が大きい相手への攻撃もきちんとしないと。
攻撃がかわされても、砂の柱は残るから、
行動範囲を狭めさせていただくなぁん。
あと、ここまで取り巻きとは戦わなかったから、
念の為、周りの警戒はしておこうかな。
ミィナ・セレイユ(夢蛍・g07038)はいち早く戦場の……この堂室の周囲を警戒していた。
(「部屋の周囲は誰もいないなぁん。トループス級はボク達を警戒して入り口あたりを固めてるかも。今のうち、なぁん。」)
ミィナが見る限り、碧い宮にクロノヴェーダの気配はなかった。彼は急ぎ戦場に戻ってまずは戦況を観察しはじめた。
ディアナ・アインホルン(夜空を切り裂く流星・g01791)も考えていた。
(「隠し通路でここまで来れたけど、本来なら難しい道程だったはず。相手が余裕を取り戻さない内に一気に決めてしまわないとね。」)
確かにこの状況を活かし、相手の体制が整わないうちに決着をつけたいところだ。
ディアナはパラドクスを発動し、格納空間を展開する。
(「ミサイル装填。連射!」)
ディアナはスピード上限まで加速して飛行し、カラドックに撃ちまくった。竜の翼が翻り、蒼玉が無数に浮かび、精霊の鱗粉が襲ってくる。
「私のスピードならこの風にも負けないから!」
敵味方のパラドクスがぶつかりあい、蒼い爆風が散じた。
その爆風の中からタイミングを合わせて斬り込んでくる者がいる。
「やっほ。きみが火トカゲくん達をいじめてる悪い水トカゲくん? 初対面いきなりで恐縮だけど、ここで死んでもらうねぇ。」
「何が言いたい、貴様!」
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、紫の焔が宿る鎖鋸大剣を斜め後ろに流すように構え、床を蹴って肉薄する。敵との視線が交差し、刹那、燐寧は得物を振り降ろした。
カラドックは吠え、のたうつ。
瞬時に蒼い鱗粉が舞い上がった。燐寧は装備からワイヤーシューターを放ち、三次元軌道を描いて俊敏に動いた。鱗粉を斬り払う様に得物をふるえば、紫の鬼火が軌跡を描く。
……かと思うと、突如砂の柱が中空に現れてカラドックを押し潰した。
ミィナが後方からパラドクスを放ったのだ。水色の広間に屹立する砂柱の風景は絵のようである。
さっきから、彼は竜の青い宝玉が気になって観察してみたが、特筆すべき事はなかった。
とりあえず今はぶつかって、敵を倒すのみである。
ミィナは竜の巨体に怯まず、カラドックとパラドクスを撃ち合った。ミィナの術式を編み込んだグローヴから力が放たれ、突如屹立する砂柱が氷雨を和らげる。溢れる魔力にピンクの髪が揺れた。
(「砂は水を吸収するなぁん
……!」)
ディアボロス達はカラドックを確実に削っていった。さすがの巨体のドラゴンも動きに衰えが見えてくる。
長く感じられる時が過ぎてゆく。
とうとう、蒼玉のカラドックも命脈が尽きる時が来た。
「きっとあと少し、なぁん!」
ミィナは敵の様子を観察し、声をあげる。同時に術式を織り込んだ手袋から狙いをつけてパラドクスを放った。風を巻いて砂柱がカラドックを襲う。
グウウウ、敵の唸りが終わらないうちにディアナが畳みかける。
「行くよ!」
ディアナは鋭く旋回し、最高速度まで加速すると一気にカラドックに接近した。
格納空間が展開し流星の様に攻撃が降る。
「お、おのれ!」
パラドクスをのせたミサイル群が次々に炸裂する。その中を、ディアナはR-Themisを手に彗星の様にカラドックに迫った。
「最速の一撃をあげるよ!」
まさに流星が飛散する程の激しい一撃に、咆哮とともに蒼い竜の体がグラグラと揺れる。
そしてそこに――。
「だいじょーぶだよぉ。痛いのは一瞬だからさぁ……。」
燐寧が凄みのある笑みを浮かべ、真正面から突っ込んでくる。爆ぜる程の勢いで地を蹴って跳躍すると、カラドックの頭頂部を狙って真っすぐに得物を振り下ろす。
「ながーい身体、真っ二つにしがいがあるよぉ!」
それがトドメの一撃だった。カラドックは断末魔に反撃を放って爆散する。
その時、ミィナは外のざわめきを聞いた。トループス級はカラドックが撃破された事を知ると、統率を失って我先に撤退してゆく。
あとにはディアボロス達だけが残り、第五層は静まりかえった。
碧い宮の後背には霧のような滝が落ちている。そしてその滝つぼの底に向かってのびる水晶の階が見えた。
残るは最終階層。そこで、このダンジョンの奪還戦に挑めるに違いない。
決して短くはない道のりだったが、ディアボロス達はここまで道を切り開いたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!