ギザのピラミッド神殿へ

 拒絶儀式の小ピラミッドの破壊に成功した事で『ギザのピラミッド神殿』の攻略が可能になりました。
 ギザのピラミッド神殿は強大なクロノ・オブジェクトであり、獣神王朝エジプトの根幹に関わる重要施設であると考えられます。

 ピラミッドへの潜入を果たすと、そこは、エンネアドの神々の世界を模した異空間が広がっています。
 この空間の中では、アヴァタール級のエンネアドは、神としての権能を十全に発揮して大きくパワーアップしてくる為、正面から戦って打ち破るのは至難です。

 勝利の為には、神の力を強化する神像を先に撃破する必要があるでしょう。

むくつけき黄金(作者 つじ
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●神の権能
 ギザの大ピラミッド、本来の歴史の上では三大ピラミッドの一つとして扱われているそこも、このディヴィジョンではクロノヴェーダの拠点となっている。一見すれば石造りのピラミッドだが、ひとたび中に入れば、エンネアドの神々の世界を模した異空間へと踏み込むことになるだろう。内部に複数存在する異空間は、それぞれがクロノヴェーダを超強化する結界となっており、同時にこのピラミッドを支える礎にもなっている。
 ここに住まうアヴァタール級達は、各々の異空間にて力を蓄え、同時にそこを守っているのだ。

「みんな、クヌム様がいらっしゃったぞ!」
 そんな異空間の内一つ、煌びやかな黄金神殿の前に、羊頭人身のエンネアドが姿を現す。
「ご機嫌麗しゅう、クヌム様! 今日も輝いておられますな!」
「ぜひ我々にも、そのお力を!!」
「おーおー、慌てるなって。まずは祈りを捧げてからだろぉ?」
 豪放な、けれど計算高さを匂わせる笑みで信者達にそう告げ、クヌムはどっかりとその場に――金色の水が流れる川の畔に、腰を下ろした。川の中に身を浸しながら、信者等は首を垂れ、口々に彼を称えて祈りを捧げる。信仰こそが力となるエンネアド達にとって、それは食事の時間のようなものだろうか。上機嫌な様子でそれを聞き終えたクヌムは、傍らに置いた壺の中に手を突っ込んだ。
「よーし、一人ずつ並びな」
 そこに詰まっているのは、粘り気のある黄金。傅く信者達を呼ぶと、クヌムはその黄金を彼等の体に塗りたくっていった。
「ありがとうございますクヌム様!」
「私の上腕三頭筋も喜んでおります!!」
 粘土のようなそれは、彼等の身体に溶け込むように形を変え、黄金色に輝く筋肉へと変貌した。
 この異空間において、アヴァタール級のクロノヴェーダは神の如き権能を持つ。このクヌムが得た力、それは『泥を金色に輝く筋肉へと作り変える』能力だ。

「クヌム様、あれやってくださいよ、あれ!」
「あァ……?」
「私からも是非お願いいたします!」
「俺も! まだ一度も見たことないんです!」
「チッ……新参の奴もいんのか。しょうがねえな、特別だぜ?」
 そう言って、彼は川の中へと両手を下ろす。金色に光り輝く美しい清流、だがその下には、膨大な量の泥が隠されている。堆積する多量のそれを一気に取り込んだクヌムは、黄金の筋肉に包まれた巨人へと姿を変えた。

「「「出た! クヌム様のデラックス黄金神形態!!!!」」」

 信者達の歓声と、黄金の巨神の高笑いが、しばしその辺りに響いていた。

●パワー!
「皆さんもうご存知かもしれませんが、拒絶儀式の小ピラミッドを破壊した事で、ギザのピラミッド神殿に潜入する事が可能になりました」
 時先案内人である盾祀・楓(人間の風塵魔術師・g03193)が、集まったディアボロス達にそう告げる。守りの固かったおかげとでも言うべきか、その辺りは敵の侵入を全く考慮に入れていなかったらしく、警戒に当たるクロノヴェーダの姿は今のところ見えない。
「というわけで、警備が強化される前に、ギザのピラミッド内部に侵入してしまいましょう」
 既に先遣の隊が幾つか報告書を上げてくれているが、ピラミッド神殿の中には複数の異空間が広がっており、そのひとつひとつを、神の権能を手にした強力なアヴァタール級が支配しているようだ。恐らくは、これらの異空間で発生させた信仰などが、ギザのピラミッド神殿を動かすエネルギーとされているのだろう。
「ピラミッド神殿の内部に入ると、異空間の一つに転移させられます。そこにもアヴァタール級が居るはずですから、皆さんにはそれの撃破をお願いしたいのです」
 こうして異空間を破壊していくことで、いずれギザのピラミッド神殿の持つクロノ・オブジェクトとしての効果を止めることが出来るはずだ。

「皆さんに向かっていただくのは、クヌムという羊頭のエンネアドが支配する領域です」
 エンネアドの世界を模したとされるその空間には、砂漠の中とは思えないほど美しい光景が広がっている。クヌムの住まう黄金の神殿はさることながら、その周囲を包むように流れていく川も、黄金の色に輝いているという。
 そしてクヌムの糧となる信奉者達は、流れの緩やかなそれで身を清め、日夜祈りを捧げている。
「何でも、敬虔な信者達にはクヌムから『お力』が与えられるそうです」
 そう、それこそがこのエンネアドの得た権能。泥から人間を生み出した――そんな逸話によるものか、彼の手によって与えられた泥は、黄金色の筋肉となって身体と一体化するのだ。位の高い信徒程光り輝き、筋骨隆々になっていくという非常にわかりやすいシステム。そして当のクヌムもまた、川底の泥を自在に纏い、黄金の巨人のような姿に変貌することができる。
「見たままではありますが、攻撃力、耐久力ともに飛躍的に強化されるようです。この姿になったクヌムを倒すのは容易ではないでしょう」
 この状況を打破するには、強化を成す神像を破壊する必要があるのだと彼は言う。黄金神殿の前にある、黄金川の中州のようになった場所に、それは堂々とした佇まいで立っている。しかしながらその神像前こそが信者達が祈りを捧げる場所となっており、破壊を試みれば彼等はトループス級に覚醒し、襲いかかってくるだろう。しかも、信者を撃破する前に神像を破壊すれば、信者達が暴走状態に陥ってしまう。
「像を破壊するには彼等の相手もしなければならないでしょう。罪なき人々を手に掛けるのは憚られますが……」
 倒せば、彼等は恐らく命を落としてしまうだろう。しかしながら、戦いの中でエンネアドへの信仰心を揺らがせることができれば、撃破後元の人間に戻すことが可能である。

「今回のエンネアドが信仰の中心に据えているのは『力』です。単純にして明快、本能に訴えかけるこれを、口先で覆すことはまず不可能でしょう。しかし、だからこそ、戦って勝つというこれ以上ないシンプルな説得が効果を発揮するのです」
 ディアボロスとしての力を示し、正面からねじ伏せる形で勝利できれば、さらに有効となるだろう。

「ギザのピラミッド神殿の効果は不明ですが、獣神王朝エジプトにとって、非常に大きな役割を果たしているのは間違いないと思います」
 この世界の深奥に至るため、是非手を貸してほしい。そう言って、楓は一同に頭を下げた。

●覚醒の時
「クヌム様への祈りの時を邪魔するとは……不届きな連中よ」
 傍からでは各々筋トレをしているようにしか見えなかったが……とにかく、ディアボロス達の接近に気付いた信者達は、「祈りを妨害された」と捉えたようだ。どちらにせよ神像を破壊しようとしているのだから、こうなることは避けられなかっただろう。
「聖域を侵した罪、その身で知るが良い」
「ああ、今こそクヌム様にいただいたお力を見せつける時……!」
 ゆらりと立ち上がった信者達の身体から、光が零れる。この時を待ち侘びたとでもいうように、隆々としたその身体を誇示し、彼は吠えた。
「うおおおおおおッ!!」
 はちきれんばかりの筋肉に押され、上半身の着衣が弾け飛ぶ。次の瞬間、彼等はトループス級のクロノヴェーダへと覚醒を遂げた。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
5
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【フライトドローン】
2
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【壁歩き】
2
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【建造物分解】
2
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV5 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV4 / 【先行率アップ】LV2 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

つじ
 どうも、つじです。今回の舞台は『獣神王朝エジプト』、力こそパワーなシナリオになってしまいました。よろしくお願いします。

●選択肢① クヌムの黄金像
 黄金神殿前、黄金川の中州のような場所に建造されているクロノオブジェクトです。これを破壊することでクヌムの強化を解除することができますが、破壊時にトループス級を倒しきれていなかった場合、彼等を暴走状態にしてしまいます。
 とても頑丈ですが、『エンネアドに対抗する意思』を乗せたパラドクスによる攻撃で破壊することが可能です。かっこいい台詞を叫んでみたりすると効果的でしょう。

●選択肢② 集団戦『ウーパー戦士』
 トループス級に覚醒した信者達です。神像を守るべく戦います。
 彼等もまたクヌムの加護を受けているため、その肉体は黄金に輝いています。背中の羽をも使い、空中だろうと水中だろうと構わずバタフライ泳法で迫ってきます。水中に潜り姿を隠してのバサロ泳法も得意です。
 信仰を揺らがせる形で倒すことができれば、シナリオ終了後に元の人間に戻ります。撃破前に神像を破壊した場合、暴走状態になります。その場合、それまで信仰を揺らがせたかに関わらず、人間に戻ることはなくなります。

 力の信奉者たる彼等の信仰は、挑発や罵倒、弁を弄することなどで揺らぐことはありません。正面から戦い、捻じ伏せる形で勝利する(もしくは、相手にそう思わせる)ことが肝要になります。

●選択肢③ ボス戦『クヌム』
 シナリオ開始時は、神の権能によりデラックス黄金神形態になっています。巨大な体躯と凄まじいパワーを誇るため、この状態で正面から戦えば苦戦は免れないでしょう。
 神像を破壊すると、黄金神形態の肉体は元の泥に戻ります。
 神殿内に居ますので、信者達と戦っている間は出てきません。一応、最初から挑みかかることも可能ではあります。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ジズ・ユルドゥルム
頭がウーパーで体が筋肉で翼で飛んでバタフライ泳法で極めつけに全身黄金で…
情報量が…情報量が多い…!!

もういい、物理で殴って分からせる。(外套を脱ぐ)

相手は徒手だ、私も徒手でやろう。
組み手と行こうか。かかって来るがいい。(指先くいくい)

単純な力比べでは相手に分があるだろうな。
だが、こういう力押しな連中は、
オアシスの守護者を務めた頃に散々相手にしてきた。

【戦闘知識】と【観察】力で相手の動作を先読みし、最小の動きで攻撃をいなす。
相手の勢いを利用して放り投げたり、体制を崩させよう。
隙を見て攻撃に転じ、
あの妙にぷよぷよしていそうな顎を【粉砕】してやる。

どうした、私はまだ立っているぞ!その筋肉は飾りか!?


●肉体言語
「うおおおおおおッ!!」
 猛々しい咆哮と共に弾け飛ぶ信者達の上衣。宙を舞う裂けた布切れの合間から、その肉体が放つ金色の光が溢れ出し、ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)は顔を顰めた。まぶしい。ついでにウーパー化した頭部のつぶらな瞳と目が合って、彼女の表情はますます渋いものとなった。
 このタイプの敵と遭遇するのは初めてではないが、今回も今回でまた情報量が多い。とりあえず、隆々とした肉体を躍動させたバタフライ泳法から辞めさせよう。
 そんな思いを胸に信者達の前に立ち塞がって、ジズは外套を脱ぎさる。
「ほう……罪人にしては中々やるようだ」
 実戦で磨かれた均整の取れた肉体を前に、ウーパー戦士達は対抗するようにポーズを決める。視界が途端に暑苦しくなったが、とにかく。溜息交じりではあるものの、徒手の相手に応えるように、ジズは手にしていた杖を川底の泥に突き刺し、両手を空に。
「……組み手と行こうか。かかって来るがいい」
 そして、指先を誘うように振って見せる。口先での説得が意味を為さないというなら、物理で殴って分からせるのみ。それこそが『原始のならわし』というものだろう。
「クヌム様に授かりしこの肉体……その程度の細腕で止められると思うな!」
 挑発的なその所作に応えて、ウーパー戦士は剛腕を振るう。隆起する二の腕と背中の黄金、単純な威力だけを鑑みれば、ジズの拳ではそれに対抗することは出来ないだろう。しかし、単純に、そして力を誇示することに拘ったその動きは、彼女にとっては見慣れたもの。迫り来る巨大な拳に、側方から手を添えるようにして、最小限の動きでその軌道を逸らす。
「むぅ……!?」
 瞬間、黄金の肉体が宙を舞う。踏み込む勢いを利用し、ジズはその巨体を投げ飛ばしたのだ。
「次!」
 黄金の水面に叩きつけた相手に背を向け、次なる相手へと彼女が踏み込む。その圧力に誘われるように、相対したウーパー戦士は手刀を振り下ろすが、それもまた彼女の読みの内。いなし、体勢を崩したところへ、今度はこちらの拳を跳ね上げる。
 肉体に反して無駄にぷよぷよしたその顎を、鋭いアッパーカットの一撃が粉砕した。
「なんだとぉ!?」
「こ、この黄金の筋肉が、通じぬ……!?」
 仲間がKOされるのを見て、ウーパー戦士達が呻く。その丸い顔からは全く表情が読み取れないが、恐らく動揺が走っているのだろう。わかりにくいな、と思いつつ、ジズは彼等に向けて追い打ちをかけた。
「どうした、私はまだ立っているぞ! その筋肉は飾りか!?」
 格闘戦での優勢を以ての揺さぶりは、確かに効果を成したようだ。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【動物の友】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

アルメア・グラウプナー
「はっはっは! 成程、確かに見事な肉体美だ。力を信奉し祀っているだけの事はある。それに関しては素直に称賛しよう」
「だが――残念ながらどの世界にも上には上が居る物だ。それを今から貴殿らに教えてやろうじゃないか、なあ?」

・行動
さあ、これが私の持つ力だ、その目を剥いて焼き付けるが良い!
最初は砲撃戦だ。火砲による【砲撃】とガトリングによる【制圧射撃】、ミサイルによる【爆破】【誘導弾】、それに大砲火を交え場を制圧していこうか。
もしこの火器を力と認めたくないと言うならば、ご要望にお答えして爆裂鉄球による近接戦に移行する。
【強打】に【粉砕】、多少の傷は承知での【捨て身の一撃】で、私の力を身を以て教えてやる。


●火力こそパワー
 弾け飛んだ上衣の内から露になる黄金の肉体、その輝きを見せつけるようにポーズを決めるウーパー戦士達に向けて、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)は芝居がかった様子で告げる。
「はっはっは! 成程、確かに見事な肉体美だ。力を信奉し祀っているだけの事はある。それに関しては素直に称賛しよう」
 聖域を侵す罪人にしては見識があるようだと、調子に乗り出す彼等に、「だが」と彼女は続けた。
「だが――残念ながらどの世界にも上には上が居る物だ。それを今から貴殿らに教えてやろうじゃないか、なあ?」
「罪人は所詮罪人か――」
「クヌム様に頂いたこの力に勝るものなど、存在しない!」
「ならば刮目し焼き付けるが良い! これが私の持つ力だ!!」
 煽るような言い合いの末に、アルメアの持ち出したのは馬鹿でかい火砲と携行型のガトリング砲。筋肉に変わって腕部へと接続されたそれが、彼女の合図と共に一斉に火を噴いた。
「Feuerッ!!!!」
 砲声と着弾時の轟音に、ガトリングの銃身が回る駆動音が加わる。
「ついでだ、こいつも持っていけ!」
 さらには肩部ミサイルランチャーから発射された弾頭が煙の尾を引きながら舞い踊り、周囲を炎の花で彩っていった。
「ぬおお、凄まじい火力!」
「だが正面衝突を避けた遠距離攻撃など、この黄金の肉体には――」
「そう言うと思ったぞ諸君! ではご要望にお応えしよう!」
 高らかに吠えて、アルメアは砲をパージしながらウーパー戦士へと迫る。軽くなった彼女の両腕は、今度は巨大な鉄球を握っていた。踏み込む軍靴が深く水底の泥を蹴立て、撓めた両腕が突進の勢いと、遠心力を乗せて鉄球を振るう。
「うおおおおおッ」
 鈍く黒光りする破壊槌と、ウーパー戦士の黄金の拳がぶつかり合う。硬質な音色と共に爆ぜる火花、その赤色を目にして、アルメアが笑う。
「――はっはァ!!」
 同時に爆裂鉄球はその名の通り弾け、反動すらも辞さぬ一撃によって、ウーパー戦士の一体が、高く高く打ち上げられた。
「なんと……!?」
「完全に押し負けるとは……!」
 その一撃のインパクトは、確かに彼等の胸に強い印象を残したようだ。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

テクトラム・ギベリオ
むさくるs…ゴホン。なんだかここの信者たちは救う必要があるのだろうか?
いや何を言っている、これもきっと敵の計略に違いない。

『力』の信奉者であり口先の説得ではなく、戦って勝利すれば元の人間に戻るのだな。
分かりやすくていい。ふ、私も大概脳筋だな…!

守護者の曲刀と戦導者の曲刀を持ち、名乗りを上げて真正面から戦いを挑む。
救いたい気持ちを曲刀に乗せ、【怪力無双】で建物ごと『粉砕』する勢いで立ち向かい、目覚めの『強打』を見舞う。

「我が名はテクトラム・ギベリオ!砂の民、王墓の守護者!」
「刮目せよ!これが蘇りし守護者の力、あらゆるものを絶ち砕く鏖殺の技である!」

『ーーー沈め!金剛戮刄!!』

アレンジ大歓迎


●鏖殺のためのパワー
「うおおおおおおッ!」
「見よ、この輝ける肉体をッ!!」
 顔に似合わぬ野太い声で、各々にその身体を誇示し始めるウーパー戦士達。そんな彼等の様子を眺めて、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)の口から素直な感想が零れる。
「むさくるs」
 ゴホン。咳払いでそれを追いやり、無駄に眩しい肉体の群れに目を細めて。
「ここの信者たちは救う必要があるのだろうか……?」
 スフィンクスの毛玉も若干嫌そうな顔をしている気がする。なんだか幸せそうだしもうこれはこれで良いのでは――などと投げやりな気持ちになりかけたところで、我に返る。ここで帰っても事態は何も解決しない。となると、こんな気分にさせることこそが敵の計略に違いない。
「小癪な真似を……まあいい、すぐに目を覚まさせてやる」
「ハッ、寝ぼけているのは貴様の方だろう」
「軟弱者の寝言に付き合ってやるほど、我等は暇ではない!!」
「……口で言って聞く相手ではなさそうだな」
 ならば、とテクトラムは鉤爪のように歪曲した二本の曲刀を抜き放つ。口先での説得に意味がないのであれば、実力でねじ伏せるのみ。酷くわかりやすい結論に、テクトラムは自嘲気味に、そして好戦的に笑って見せた。
「我が名はテクトラム・ギベリオ! 砂の民、王墓の守護者!」
 朗々と名乗りを上げて、彼はそのまま真正面から敵へと挑む。
「我等クヌム様の信徒! 主より授かりし黄金の肉体を以て、罪人を打ち砕かん!」
 一際大きくその筋肉を隆起させ、ウーパー戦士が跳ぶ。頭上へと伸ばした指先から黄金の川へと着水、静かな進入から一転、大きな水飛沫を上げて、バタフライでテクトラムへと突進を仕掛けた。翼の如く広げられた両腕が、左右から打ち付けるようにしてテクトラムの頭部を狙う。
「刮目せよ! これが蘇りし守護者の力、あらゆるものを絶ち砕く鏖殺の技である!」
 それを迎え撃ったのは、禍々しき二刀。守護者としてではなく、戦導者として、殺すための斬撃が黄金へと喰らいつく。
「―――沈め! 金剛戮刄!!」
 与えられし黄金――その借り物の筋肉を、二本の曲刀が容赦なく削ぎ落とした。
「そんな、クヌム様のお力が、及ばぬ……!?」
 両断、ではなく三枚に卸されて、驚愕に目を見開きながら、ウーパー戦士は金に輝く清流へと倒れ込んだ。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

ゼキ・レヴニ
力こそパワー…その考え方、嫌いじゃないぜ
生き様ってのは拳を突き合わせてこそ見えて来るもんよ
んだがまァ、こいつらはむさくるし過ぎだな

『肉体改造』で四肢の機械部をムキムキさせておき
ついでに『オーラ操作』で猛者っぽいオーラをもわもわさせておく

ノリと勢いと『情熱』のまま雄叫びでも上げつつ
「躯」を大盾に変形・展開し正面から真っ直ぐ突進、『ジャンプ』から『強打』し敵を床に叩きつける
与えられた筋肉なんざ飾りだぜ
ピッカピカのそんなもん捨ててかかってこいよォ…!

水中からの奇襲は警戒しつつ反撃は盾で受け
真っ向から物理で押しまくって信仰をブチ折ってやる
信仰が揺らいで正気に戻せそうな様子の信者から撃破を狙ってくぜ


●重厚たる力
「力こそパワー……その考え方、嫌いじゃないぜ」
 生き様とは拳を突き合わせてこそ見えて来るもの――経験からくるその実感に、ゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)が頷く。恐らくは、それもまた一端の真理である。
「んだがまァ……」
 見れば、居並ぶ信者達は軒並みウーパー戦士へと覚醒を遂げ、褪せることない黄金の肉体を思い思いに誇示している。どうしようもなくむさくるしい集団に嘆息しながらも、ゼキもまた改造によって頑健さを主張する機械の四肢を見せつけるようにして、その絵面に加わった。
「この肉体、そして身に纏う空気……只者ではない……!」
「だが、輝きが足りぬ。クヌム様より賜りしこの筋肉こそが至高――!」
 彼の背後で揺らめくオーラに、信者達がざわつく。力をこそ信奉する彼等は、比肩し得る肉体を見ると対抗しないではいられないのだろう。
「さあ、そいつはどうかな」
 そんな信者達を挑発するように、ゼキは不敵に笑んでみせる。こちらも若干、相手の雰囲気に中てられているかもしれない。
「その金ぴかが本物か、試してやるよォ!」
「ぬかせ、即座に叩き潰してくれる!!」
 勢いのままに吠えて、金属塊、『躯』に形を与える。描き出せしは鋼の記憶、要塞の如き堅牢な大盾を顕現したゼキは、それを正面に構えて地を蹴った。両方向から上がった黄金の水飛沫が交錯、金属と肉体がぶつかり合う音と共に両者の骨と肉が軋む。真っ向からの衝突の結果、撥ね飛ばされ、吹き飛んだのはウーパー戦士の側だった。
「何ィ……!?」
 呻き、驚愕する内に、既にゼキはさらなる一歩を刻んでいる。跳躍した彼は落下の勢いと体重をそのまま乗せて、大盾を突き出す。
 高く上がる水柱。輝くそれが収まったところで、正面の敵を地へと叩き伏せたゼキが、ゆらりと立ち上がった。
「与えられた筋肉なんざ飾りだぜ、ピッカピカのそんなもん捨ててかかってこいよォ……!」
 口の端を釣り上げての言葉に、信者達が歯噛みする。こう正面から捻じ伏せられては誤魔化しが効かないのだろう。
 この状況を打開すべく、信者の一人がとったのは死角からの不意打ち。バサロ泳法で素早く静かに接近し、寸前で水面へと飛び出すが。
「読めてんだよ!」
 奇襲を見切ったゼキの大盾がその前に立ち塞がる。突進を受け止め、そのまま殴り飛ばすようにして盾を振り抜けば、ウーパー戦士の身体が吹き飛んでいった。
「どうしたァ、さっきの奴の方が気合入ってたぞ?」
 煽るように、その心根を揺らがすようにそう言って、ゼキは次の相手を迎え撃った。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

九十九・静梨
アドリブ・連携歓迎

これは筋肉を鍛え、筋肉を愛する者として見過ごせませんわね
いいでしょう
筋肉の力で正面からその妄信を打ち砕きますわ!

まずは肉弾戦を挑みましょう
パラドクス無しではダメージは与えられずとも
鍛え上げて身に着けた筋肉と◆グラップルの体運びで攻撃を捌き
時には柔術で投げ
筋肉は誰かに祈り乞いて授かる物に在らず
自ら鍛え
それで初めて自分の動きに最適な筋肉が身に付くのです
闇雲に与えられた筋肉ではいけないのです!

パラドクスを発動
神輿を担いだ筋肉を愛した男たちの『ソイヤ!』の◆大声を共にした息の合った◆突撃
わたくしが砲台を担ぎそれを叩きつける◆強打
筋肉への◆情熱を込めた総攻撃で纏めて吹き飛ばしますわ!


●祭
 クロノヴェーダであるクヌムによって与えられた肉体、そしてウーパー戦士としての覚醒。隆々たる黄金の筋肉を得た信者達は、力を奉じ、祀るようにしてポージングを決める。だがそれは、筋肉を鍛え、筋肉を愛する者――九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)にとっては見過ごせないものだった。
「いいでしょう……正面からその妄信を打ち砕いてみせますわ!」
 筋肉の力で! そう宣言した彼女は、言葉通り正面からトループス級と化した彼等へと挑む。
「ふん! どちらが妄信か、その身で知るが良い!」
 低い声音でそれに応じた信者の一人が、丸太のような腕を振るう。踏み込む勢いと体重を乗せたそれに対し、静梨は柔術の理合いで臨んだ。
 受け流し、いなす。鍛え上げた肉体であるからこそ、その一挙手一投足、体運びはその細部までもが彼女の意のままに在る。力任せの雑な一撃など食らうはずもなく、逆にその力を利用して投げ飛ばし、川面へと叩きつける。背中から倒れ込んだウーパー戦士を見下ろす形で。
「筋肉は誰かに祈り乞いて授かる物に在らず――自ら鍛え、それで初めて自分の動きに最適な筋肉が身に付くのです」
 彼我の差を見せつけ、諭すようにそう告げる。一合のやりとりではあるが、この結果が、彼女の言に重みを与えていた。
「闇雲に与えられた筋肉ではいけないのです!」
「ぬかせ。我等が信仰の賜物、クヌム様より下賜されし肉体に勝るものなどない!」
 しかしながら、言って聞く相手ではない。水面を蹴り付け、バタフライで迫り来る新たな敵兵に対し、「やはり実力で語らねば」と静梨が向かい合い――。
「ならば見せて差し上げましょう、真に筋肉を愛した者達の力を!」
 『妖筋技・筋肉砲台神輿突撃』。彼女の発動したパラドクスにより、黄金の川面を割って、巨大な神輿が現れる。召喚されしそれを支えるのは、こちらもまた召喚されたむくつけき虚無僧頭の男達。筋骨隆々の彼等は、静梨の乗った神輿を高々と担ぎ上げて、彼女の声に応えて吠えた。
「共に行きますわよ、さあ!」
 ソイヤ! ソイヤ! ソイヤ!
「なんなのだこれは……!」
「うおお、こっちに来るぞ!!?」
 突如始まった謎の祭。力強く地を蹴った彼等は、神輿と共に突撃を仕掛け、有無を言わさず敵の集団を蹴散らしていった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

羽住・清梧
「首から上と下のギャップ凄いな!」

取り敢えず、数を減らす!
水中に潜られると厄介なので、そちらにはなるべく行かせない。
元の人間には戻したいので、殺しはしない。
戦闘不能で意識不能にしたら、余裕があれば拘束(手首優先、次に足首)してから放置。逃げる奴はいてもほっとく。
信仰を揺るがせるのは今は思い付かないので、ひたすら力で捻じ伏せるぞ。

【凍風・雪】は距離が取れれば積極的に使う。
身体の一部がウーパールーパーなら、その分冷気に弱いと助かるんだが。

筋肉、まぁシンプルに悪くは無いとは思うよ。無いよりある方が良いんだろうし。
それが全てではないだろうけどね。


●吹雪
 所詮は与えられた力とはいえ、クヌムによって強化された黄金の筋肉は相応の張りと輝きを持って、信者達の肉体を覆っている。秘めた力を思わせるその肉の塊を見せつけて、ウーパー戦士へと覚醒した信者達はその柔らかな顔で笑みを浮かべていた。
「首から上と下のギャップ凄いな!」
 思わずそんなことを言いながら、羽住・清梧(普通の蒼き冒険者・g01019)もまた敵の群れへと挑みかかる。とりあえず川へと潜られないよう中洲のようになった陸上へと誘導し、腕力にものを言わせてくる彼等へ、あえて正面から対抗する。振るわれる黄金の拳に刃を突き立て、自由を奪うようにして戦う清梧に、ウーパー戦士の一人が焦れた様子で両腕を広げた。
「ええい、これならばどうだ!」
 剛腕での力押しに代わって、召喚された使い魔――空飛ぶウーパールーパーの群れが牙を剥いて、清梧に向けて殺到する。襲い来るそれに対し、彼もまたまとめてそれを薙ぎ払うべく、パラドクスを展開。『凍風・雪』、巻き起こされた吹雪が襲い来る使い魔達を吹き飛ばし、そのままウーパー戦士を呑み込んでいく。
「身体の一部がウーパールーパーなら、その分冷気に弱いと助かるんだが……」
「ええい、身体が冷える!」
「筋肉が縮こまってしまうだろうが!」
「効いてる……のか……?」
 体を温めるべく筋トレを始めた彼等の様子に戸惑いつつ、それでも体はやるべきことのためによどみなく動く。川べりの砂を蹴立てて接敵、恐らくは動きが鈍っているはずの者を仕留め――ここは飽くまで昏倒で済ませる。拘束して体の自由を奪えば、とりあえずは時間が稼げるだろう。可能ならば殺したくはない、そう気遣って。
「筋肉、まぁシンプルに悪くは無いとは思うよ。無いよりある方が良いんだろうし」
 それが全てではないだろうけど。そう呟きながら、清梧は次なる敵を迎え撃った。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!

樹・春一
【電拳脚】
かーっこいーっ!
あれやりたいです! あれ! あのバーンってやつ!
無理じゃないです! 薄くても可愛くてもいけますー!
ヤーッ!!!

なりませんね……
まあ僕にはまだ伸びしろがあります! そのうちなりますとも!
でも薄いままでも平気ですよ! 姉さんとお揃いですから!
アキラさんも、姉さんと同じ薄さを誇ってもいいんですよ!
つまり僕と同じくらい鍛えられてるってことですから! ふふん!

ということで共に前衛に出ましょう!
使い魔は羽ばたきからの風で追い払って、ウーパー本体を尻尾でぶん!
尻尾筋だけは僕だって負けてません! 他は追々! 
はっ、姉さんが呼んでいる! 可愛いくて頼りになる僕にお任せを!
シューーート!


樹・由乃
【電拳脚】
初手から馬鹿なこと言ってるんじゃありません
そんなうっすい身体に可愛いツラしといてバーンできるわけないじゃないですか
そこの、あー……お前もなんか言ってやりなさい。乗せるんじゃありません調子付くでしょう
ほら御覧なさい。まず筋肉を増やすところから 薄

やかましいわ!!!

おっと失礼。何やら叫んでおかなければいけない衝動が
なに、薄くともやりようはいくらでもあります
上から撃つとか。上から撃つとか
……なんか気に入らないやつを箒で掬って落としてみるとか

水中で留まったって無駄です。魔導砲四門、集中砲火で水底に穴開けてやりますよ
触りに来るとは生意気ですね。避けられる限りは避けますが
春一、やってしまいなさい


小鳥遊・英
【電拳脚】
いやぁ、樹さんには難しいんじゃないですか?
まあチャレンジ精神旺盛なのは良い事かと
やってみるのかい?やらないのかい?どーっちなんだい!

ヒッ……!
あねーちがいきなり怒ったので己を掻き抱いて縮こまり……
ははぁん?あねーち体型気にしてるんですね……
大丈夫ですよ、成長期はきっとこれからです
声に出さずにうんうんしておこう

ちょ、まっ、アッ
拙者も後衛でござるがァ?!
ひんひんしながら樹さん(年下の方)について行きます
うへぇ、気持ち悪い敵ですね
あ、無理だめ直視できない……
自動照準コードを組んだ魔法銃に爆裂弾つっこんでテキトーにばら撒きます
オートモード楽すぎだなこれ

……シスコンの信仰心は凄いですね


●薄
「うおおおおおおッ!!」
 腕を曲げることで筋肉を撓ませ、握りこぶしを作るとともに、その全てに力を込める。覚醒による体の変化もあるだろう、裂帛の気合と共に膨れ上がった黄金の肉体は、その上体を包んでいた布を見事に弾けさせた。収まり切らなかった半身を風に晒し、ウーパー戦士が誇らしげに微笑む。
「かーっこいーっ!」
 なんだかよくわからないが、樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)がそれに食いついた。
「えっ本気で言ってます?」
「はい! あれやりたいです! あれ! あのバーンってやつ!」
 また何かはじまったなあ、という顔をした小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)に、目を輝かせて春一が言い募る。しかしながら、これには樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)も呆れた様子で。
「初手から馬鹿なこと言ってるんじゃありません。そんなうっすい身体に可愛いツラしといてバーンできるわけないじゃないですか」
「無理じゃないです! 薄くても可愛くてもいけますー!」
 駄々っ子みたいな反論を「はいはい」と受け流して、英もとりあえずはそれを前向きに捉えておく。まあ、難しいんじゃないかとは内心思っているわけだが。
「チャレンジ精神旺盛なのは良い事かと」
「乗せるんじゃありません調子付くでしょうに」
「やってみるのかい? やらないのかい? どーっちなんだい!」
「ヤーッ!!!」

 ……。

「なりませんね……」
 しばらく力んだ状態で停止してみたが、別段劇的な変化はない。残念そうに呟く春一の後ろで、英が「ですよね」と頷いた。
「ほら御覧なさい。まず筋肉を増やすところからですよ」
「そうですね! まあ僕にも伸びしろがあるということです! そのうちなりますとも!」
 少なくとも春一にめげた様子はない。いつの日かあれくらいの真似は出来るようになると信じて。
「でも薄いままでも平気ですよ! 姉さんとお揃いですから!」
「やかましいわ!!!」
 いきなり炸裂した怒声に英の身体が跳ねる。急な大声はご遠慮いただきたい。
「突然どうしたんです……?」
「失礼。何やら叫んでおかなければいけない衝動が」
 ふう、と由乃が息を吐く。しかしながら怒声を呼び込んだ春一の方は一切その辺を聞いていないようで。
「アキラさんも、姉さんと同じ薄さを誇ってもいいんですよ!」
「あァ?」
「つまり僕と同じくらい鍛えられてるってことですから!」
 ふふん、と胸を張る春一の横で由乃がやたらと殺意の高い目をしている。その様子に何か察して、英が得心いったというように手を打つ。ははぁん。
「何ですか?」
「いえいえ、何でも」
 大丈夫、成長期はきっとこれからですよ。微笑ましいものを見る気持ちで、英はうんうんと頷いた。

「ふん、パワーが足りぬようだな背信者どもよ」
「貴様等も罪を悔い改め、クヌム様に祈りを捧げるが良い」
「うわっ、勧誘してきた」
 見せつけるようなポーズを取りながら迫る信者達の姿に、英が引いた反応を返す。絵面の圧が強いというか、直視したくないなあなどと思っているその腕を、そこで伏兵にがっちりと掴まれた。
「負けるわけにはいきません、行きましょうアキラさん!」
「ちょ、まっ、拙者は後衛だっていつになったら覚」
「さっさと行け」
「はい……」
 速やかに心をへし折られて半べその彼女を引き連れ、春一はウーパー戦士達の前に立ち塞がる。奉ずる神とそれから姉について改宗するつもりは毛頭ない。ならば敵の信仰に負けぬ力を示す必要があるだろう。何か目的が変わっているような気がするが、彼にとっては些細なこと。
「神の御加護を!」
 信者達の放ってきた使い魔――空飛ぶウーパールーパーの群れを、魔力を込めた翼の一振りと、そこから生じる突風で打ち払う。
「ええい、やはり使い魔どもでは埒が明かぬ」
「ならば神より賜りしこの肉体を以て、突破して見せよう!」
 信者達の肉体は力を込められるほど輝きが増すのか、光量が強くなったそれを英が細目で眺める。先程から直接目に入らないようにしてきたのだが、こう目立つ相手では無視するにも限度がある。
「えっ、ちょっ、こっち来ないでいただけますかな!? こわいこわいこわい!!」
 丸い顔をした筋骨隆々の男達が力いっぱいバタフライで迫ってくる絵面は彼女には圧が強すぎたらしい。完全に顔を背けた英は、爆裂弾を突っ込んだ魔法銃に自動照準コードを走らせて乱射しはじめた。度の強いオートエイムで向かい来る敵へと次々弾丸がばら撒かれ、黄金色の川の水が爆炎に煽られ盛大に散る。
「派手で良いですねアキラさん!」
「ああああまだ生き残りが居る!!!!」
 恐る恐る目を開けたところにまだバタフライをしている影を見つけて、その迎撃に春一が飛ぶ。高速で泳いで来る敵との距離は一瞬で縮まった。その至近距離でものをいうのはやはり筋力。迫り来る黄金の肉体に対して、春一は深く踏み込んだ片足を軸に体を捻る。
「尻尾筋だけは僕だって負けてません!」
 足よりも太い尻尾の一撃で、ウーパー戦士の突進を正面から弾き飛ばした。
「まあ、他は追々!!」
 とりあえず今はこれで十分だろう、向かい来る敵を一掃し――。
「詰めが甘いですよ詰めが」
 そこに、上空からの砲撃が降り注ぐ。黄金の川面を割って底の泥を巻き上げながら、いくつもの水柱が上がる。その中にはバサロ泳法で水中を突き進んでいたウーパー戦士達の姿があった。由乃の操る箒達による、上空からの魔導砲。敵は一体も逃さんと言わんばかりのそれらが潜航していた敵を撃ち抜いていくが、どうにもこの金色の川は水中の見通しが悪い。
「生意気ですね――」
 なおも迫り来る気配を察して、由乃が近接戦闘への備えを取る。それはつまり。
「まだ残ってますよ。春一、やってしまいなさい」
「はっ、姉さんが呼んでいる!」
 信仰心の賜物か、降り注ぐ砲撃の中でもその声はちゃんと届くものらしい。
「可愛いくて頼りになる僕にお任せを!」
 目の前の敵を尾の一撃でぶっ飛ばし、春一はそちらへとすっ飛んでいった。

 飛翔する彼を見送って、ふーやれやれこっちにはもう敵はいないな、と英が額を拭う。
「……シスコンの信仰心は凄いですね」
 他の猟兵達も各々に敵を撃退している。ほどなくウーパー戦士の群れは鎮圧できるだろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV2が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV2になった!

●制圧
「うっせえなぁ……さっきから何の騒ぎだよ」
 今日の祈りはことさら激しい、などと暢気なことを考えていたのだろう、ここの主であるクヌムが、のそのそと神殿から姿を現す。
「あァ……?」
 水平に伸びた角が引っかからないように扉をくぐった彼は、しかし想像とは違う光景を見ることになる。
 自らを模した黄金像へと祈りを捧げているはずの信者は軒並み倒され、完全に守護者を失っている状態だ。慌てて川底の泥を取り込み、黄金の巨人と化したクヌムは、襲撃者であるディアボロス達を一刻も早く倒すべく地を駆ける。
「チィッ、いつの間にこんなことに――!」
 響く地響きと、蹴立てられた川の水が見せる黄金の飛沫。その一歩は大きく、動きは素早い。

 ――が、神殿からこの中洲のような部分までにはまだ少し距離がある。その手が届く前に、黄金像へ攻撃をすることは可能だろう。
ベアトリス・リュウフワ
力こそパワー。なるほど、清々しい信仰ですわ。
クロノヴェーダでなければ分かり合えたかもしれません。実に惜しい。

信者たちを他の方々が抑えてくださっているようですので、わたくしは神像へ向かいます。
さて、その信仰に対して、余計な計略や策謀はかえって逆効果と推測いたしますわ。
故に、まっすぐ、剣を両手で構え、実戦ではめったに使わない――『完全詠唱』で、我が力を開放いたしましょう。

穢れなき銀刃よ、憤怒に染まれ。
斬り断つ意思よ、純黒に染まれ。
純白たる理性よ、紅血に染まれ。
その"黒"は、我が肉体を焼き焦がし、力と成す。

"激情"よ、華やかに咲き誇れ。


正々堂々、大上段から、黒に染まった剣を振り下ろします。


●一閃
黄金に輝く川水から上がり、中洲のようになったそこを踏みしめる。
「力こそパワー。なるほど、清々しい信仰ですわ」
 他のディアボロスの手によって、トループス級として覚醒した信者達は退けられた。その信仰の象徴たる神像の前に立ったベアトリス・リュウフワ(高慢たる剣・g04591)は、剣を両手で握り、正眼に構えた。
「クロノヴェーダでなければ分かり合えたかもしれません。実に惜しい」
 叶わぬそれを嘆きながら、切っ先をその黄金像へと向ける。相手がクロノヴェーダであり、ここの人々を食い物にしている以上、その信仰は砕いてやる必要がある。
 力を奉じる彼等の信仰を破るのならば、余計な計略や策謀は無用。彼ら自身に対するのと同様に、正面から小細工抜きで挑むべきだとベアトリスは判断した。
 それゆえの、全力。実戦においては滅多に使わない完全詠唱で以て、持てる力を解放する。

 穢れなき銀刃よ、憤怒に染まれ。
 斬り断つ意思よ、純黒に染まれ。
 純白たる理性よ、紅血に染まれ。
 その"黒"は、我が肉体を焼き焦がし、力と成す。

 戦いの場においては不合理なそれも、この状況であれば叶えるのは容易い。
 大上段に構えた剣に、裡より生じた黒の瘴気が纏わりつく。より黒く、闇の色に染まった剣を、彼女はまっすぐに振り下ろした。

「――"激情"よ、華やかに咲き誇れ」

 光を通さぬ黒の刃が、黄金に輝く像を切り裂く。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!

テクトラム・ギベリオ
同じ守護者の名を冠する者として、これ以上彼らの……、信仰を野放しにするわけにはいかん。
クヌムが迫ってきている。迅速に木っ端微塵に跡形もなく砕こう。

若干嫌そうな顔をしているサーヴァントの毛玉に指示を出す。

あぁ、毛玉分かっている。皆まで言うな。もちろん最大出力だ。
クヌムは皆と私で対応する。

あの神像を光の『砲撃』で『解体』しろ。
何もかも吹き飛ばせ。

アドリブ連携歓迎


●光条
 最後に残ったウーパー戦士を両の刃で斬り裂いて、見せかけの黄金をその身体から引き剝がす。下した相手から視線を切ると、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は彼等の守っていた黄金像の前へと踏み出した。中洲のようになったそこの中心には、彼等の『神』を模したクロノオブジェクトが存在している。
「同じ守護者の名を冠する者として、これ以上彼らの……、信仰を野放しにするわけにはいかん」
 信仰。信仰でいいのか? 祈りと言うよりは筋トレをしていただけのようにも見えたが。
 ふと脳裏を過るそんな疑問から、テクトラムは速やかに目を逸らす。大事なのは、そう、彼等がエンネアドに利用されているというその一点なのだから。
「向こうはようやく気付いたようだな」
 神殿から迫る巨大な足音、黄金巨神化したクヌムの姿を振り返り、テクトラムはそちらを睨む。そしてその代わりに、サーヴァントの毛玉を黄金像へと向き直らせた。
「あぁ、そんな顔をするな。クヌムは私達が相手をする」
 せっかく圧の強い連中が居なくなったのに、その親玉が迫ってくるのだからそれはまあ嫌だろう。そんな毛玉を宥めながら、彼は率直に指示を出した。
「皆まで言うな、もちろん最大出力だ。あの神像を吹き飛ばせ」
 テクトラムの声に応えて、毛玉が黄金のクヌム像へと視線を向ける。その身の放つ光を、輝きを、一時的に圧縮し――『幻燋昊爆』、一度に解き放つ。
 あんな偽物の黄金に、この光が負けるはずもない。眩い光条がクヌム像へと伸びて、瞬時に熱する。すぐさまそれは炎を伴い、激しい爆発を引き起こした。
 金色に輝く炎が、高く天を焦がしていく。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!

アルメア・グラウプナー
「さて…信者達は粗方片付いたな。大将が此方へ辿り着く前に、さっさと次の仕事を片付けるとしよう」
「人の持つ力は時に神をも凌駕する事があると言う事を知らしめてやろうじゃないか、はっはっは!」

・行動
と、言う訳であの神像に私の持つありったけの『力』をプレゼントしてやろう。行うのはメテオールだ。
【怪力無双】で鉄球にいつもの倍の力を加え、更に【飛翔】で宙に飛び、そして邪魔が入らないのを良い事に事前の回転数を増やす事で技の威力を倍増させる。これらの式を戦争理論と言ったかな? まあ良いか。
兎に角、これを以て爆裂鉄球を神像にブチ込み【強打】、【破壊】【粉砕】してやろうじゃないか。


●流星
「さて……信者達は粗方片付いたな。大将が此方へ辿り着く前に、さっさと次の仕事を片付けるとしよう」
 死屍累々、ぶっ飛ばしたウーパー戦士を満足げに見遣った後、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)が視線を向けたのは、もちろん彼等の信仰の対象である神像だ。ここの支配者であるエンネアドを模した黄金像は、同時にクヌムへと神の権能を与えるクロノオブジェクトである。頑丈に違いないが、この後の戦闘を考えれば、ここで破壊しておくべき代物。
 何よりも、慌ててこちらに向かっているクヌムの目の前でぶっ壊したら、さぞ気持ちが良いだろう。
「人の持つ力は時に神をも凌駕する事がある――それを知らしめてやろうじゃないか、はっはっは!」
 愉快気に笑いながら、飛翔効果でアルメアは自らの身を宙に舞わせる。せっかくの機会だ、あの神像にはありったけの『力』をプレゼントしてやりたい――そんな内心を表すように笑いながら、彼女は邪魔の入らないそこで回転し始めた。
 両腕で握るのは先程同様破壊槌。かなりの重量を誇るそれをぐるぐると高速で振り回し、遠心力を溜め込んでいく。実際の戦闘の中ではこうはいかないかも知れないが、この状況を勝ち得たのも彼女等の実力の賜物、ならばそれを最大限に利用するのは、理に適っているはずだ。
「手が届かぬことを! 悔やむが良い!!」
 高笑いを一つ。助走代わりの高速回転を存分に行ったアルメアは、クヌムの手が届く直前で、爆裂鉄球を解き放った。
 砲弾もかくやという勢いで飛び出したそれは狙い通りに黄金像を直撃し、その顔面部分にめりこんだところで、盛大に爆ぜた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

樹・由乃
【電拳脚】
ツッコミいれるのやめたい
名前のよくわからないお前。私の代わりに頼みましたよ
代わりに破壊活動をしておいてあげますから。感謝なさい
お前もお前でよく見たら貧弱そうですからね。適材適所ってやつです

でも戦いでは前に出るんですよ
当たり前じゃないですか私が一番射程長いんですから
言い分があれば聞いてやらなくもありませんが
実質無限ならどこいたって一緒ですね。はい前衛前衛
あれを野放しにする方が嫌な予感するんですよ私。そう思いません?

動かない相手なら当てるのに苦労はしませんね
殴りやすそうな形もしてます。罪悪感がなくてすばらしい
魔法は火力。まったくもってその通りです
では出せる限りの火力を持って

くたばれ!!!


樹・春一
【電拳脚】
僕も! 僕もやります!
デラックス神&姉さん最強形態!!!!!

なんで嫌そうな顔するんですか?

でもでも早く壊さないときちゃいますよ! なんかとにかく強く急いで殴らなければ!
グーですよグー! グーが一番早いのです!
パーでも威力は出ますが、グーの方がかっこいいです! スタイリッシュです!
というかアキラさんもこう、ばーっとなってびゃーってなる魔法使えばいいじゃないですか!
魔法は火力ですよ! パワーです! パワーーーー!!!
今日も元気に眩しい! 絶好調です!

うふふ、姉さんとアキラさんが仲良しで僕嬉しいです
つまり姉さんの魅力がバッチリ伝わってるってことですからね!

ところで何の話してるんですか?


小鳥遊・英
【電拳脚】
強めの絵面を思い出しちゃって
やつあたりみたいに神像をべしべし
……うーん、やはり樹さん(年下の方)みたいには行きませんね
パッチ入れてわたしも壊せるような世界に…ていっ

え、やだな!無理ですよ!
あなたの弟さんでしょう手綱握っててくださいよ!!
って言えたらよかったなぁぁ

やたら偉そうな樹さん(同い年くらいの方)へ小さくぶつぶつ抗議を
わたしだって結構射程長いってか実質無限ですからね?
実質無限だからわたしも後衛でいいのでは??
はるーちに前衛を任せて我々が後衛でいいのでは???
うぎーーっ!!中衛で妥協してやります!

わたしの魔法はど派手な火力もいいけどスタイリッシュさを重視してるんです!!この脳筋!!


●スタイリッシュに殴る
 信者達の覚醒した姿、ウーパー戦士の圧ある光景を思い出し、小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)が若干身震いする。あれにはかなり取り乱してしまったが、元を正せばこいつが悪い。彼等の信仰の対象、この異空間の主であるクヌムの黄金像へ、英は八つ当たり気味にぺしぺしと打撃を入れるが。
「……うーん、やはり樹さんみたいには行きませんね」
 足りないのは信仰心ではないと信じたい。とりあえず自分の攻撃が通じるように、パッチを当ててバフをかける。強化された拳を振るおうとした矢先、背後から地響きのような足音が聞こえた。
「ええ……?」
 距離は離れているが、神殿から走り来る黄金の巨神。これはこれで圧が強いな、と顔を引き攣らせる彼女の横で、樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)が瞳を輝かせた。
「僕も! 僕もあれやりたいです!! デラックス神&姉さん最強形態!!!!!」
 そして、同意を求めるように樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)の方を振り向くが。
「……なんで嫌そうな顔するんですか?」
 嫌だからですよ。そう言いたいのはやまやまだが、彼のペースに付き合うのは少々疲れた。ということで、由乃は溜息を一つ吐いて、英へとその辺りを丸投げした。私は破壊活動。お前は子守り。腕力の足りなそうなお前のための適材適所ですからね。
「名前のよくわからないお前。私の代わりに頼みましたよ」
 ――え、やだな! 無理ですよ! あなたの弟さんでしょう手綱握っててくださいよ!!
 と想像の中でなら言えるのだが、実際に英の口から出たのは「はい……」という力無い返事だけである。人見知りはこういう時弱い、というか目つきが悪いよ目つきが。そんな内心を察したのか何なのか、由乃は追加で注釈を加えてきた。
「貧弱とは言いましたが戦いになったら前に出るんですよ」
「な、なんで……!?」
「当たり前じゃないですか、私が一番射程長いんですから」
 きっぱりとそう言い切る彼女に、英は小声で反論を試みる。
「わたしだって結構射程長いってか実質無限ですからね? 実質無限だからわたしも後衛でいいのでは??」
 大体春一というわかりやすい前衛が居るのだから、そこは彼に任せて二人後衛でも良いのでは? 頑張ってそう食い下がる。
「実質無限ならどこいたって一緒ですね。はい前衛前衛」
「うぎーーっ!! なら中衛で妥協してやります!」
 内心あんまり変わらない気がしながらも、何とか中衛と言い張ることに成功したようだ。
「というか、あれを野放しにする方が嫌な予感するんですよね……」
「何ですか姉さん? 早く壊さないときちゃいますよ!」
 うふふ、姉さんとアキラさんが仲良しで僕嬉しいです。何の話してるかさっぱりわからないですけど。――という顔をしている春一の言葉に、由乃は溜息を吐きそうになりながら頷いた。
「まあ、動かない相手ですから、当てるのに苦労はしませんね」
 しかもありがたいことに殴りやすそうな形もしている。罪悪感がなくてすばらしい。クヌムを模した黄金像を前にして、彼女もまた拳を握る。
「やっぱりこういう時はグーですよね! パーでも威力は出ますが、グーの方がかっこいいです!」
「そういうものですか……?」
「そういうものです! スタイリッシュでしょう!?」
 ほんとに? 疑問符を浮かべる英だが、迷いなく言い切られると抗議しにくい。
「というかアキラさんもこう、ばーっとなってびゃーってなる魔法使えばいいじゃないですか! 魔法は火力ですよ! パワーです! パワーーーー!!!」
 うるさい。そして握った拳がパラドクス効果で光り始めてめちゃめちゃに眩しい。
「魔法は火力。まったくもってその通りです」
「わたしの魔法はど派手な火力もいいけどスタイリッシュさを重視してるんです!! この脳筋!!」
 どうせ聞いてくれないんだろうなという自棄気味の抗議と共に、英もまた強化された拳を振り上げて。

 くたばれ、とばかりに放たれた由乃のフォースブレイクを皮切りに、三人の拳がクロノオブジェクトへと突き刺さる。
 重い一撃がその表面を殴り砕き、黄金を超える信仰の光が偽りの神を灼く。そして流し込まれた魔力が、像の内部で盛大に爆ぜた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【腐食】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

●神像破壊成功
 ディアボロス等の攻撃によって、黄金像が破壊される。両断され、粉砕され、崩れ落ちる羊頭人身の姿に呼応するように、クヌム本人の身に纏った黄金の肉体が元の泥へと姿を変えた。
 黄金の巨神はその輝きを失って、どろどろに崩れ去っていく。
「おのれ、我が権能を……!」
 高みからこの異空間を見下ろしていたエンネアドは、ディアボロス等と同じ場所まで落ちてきた。神の権能を失えども、アヴァタール級としての力を全て失ったわけではない。決して油断できる相手ではないが、今ならば――。
アルメア・グラウプナー
「やあ大将、わざわざ出迎えご苦労。見ての通り貴殿の力の源は完膚無きまでに破壊させて貰ったよ」
「別に良いじゃないか、元々貴殿にとってこんな力は不釣り合いな物だったんだ。ま、あったとしても我々に敵うかどうかは別の話だがね、はっはっは!」

・行動
基本は中距離より砲撃戦で様子を見ていこう。
各火器での【砲撃】【制圧射撃】や【爆破】【誘導弾】で味方の攻撃・防衛支援を行っていく。
泥人形の尖兵は【弾幕】を張り破壊し、瀑布は【飛翔】で空中に逃げやり過ごそう。
大将が負傷や疲れで動きが鈍ってきたら爆裂鉄球とソードオフに持替え【突撃】し接近戦だ、【完全視界】で光の眩惑を防ぎつつ【捨て身の一撃】で大喝砕を叩き込んでやる。


●神殺し
 神殿から駆け付けたクロノヴェーダ、クヌムに対し、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)はあふれ出る喜楽で応じる。
「やあ大将、わざわざ出迎えご苦労。見ての通り貴殿の力の源は完膚無きまでに破壊させて貰ったよ」
 先程黄金像に思い切りめり込ませていた――ついでに爆破もした――爆裂鉄球を肩に担いだ彼女に対し、黄金像の主は怒りのあまり歯を軋ませている。クロノオブジェクトの破壊によってその権能は失われ、全身を覆っていた黄金の筋肉は、今では動かぬ泥の塊と化していた。
「あの神々しい出来栄えの像を躊躇なくぶっ壊せるとは、どういう神経してんだテメェら……!」
 そこかい? 片眉を上げて、アルメアは肩を竦めて見せる。
「別に良いじゃないか、元々貴殿にとってこんな力は不釣り合いな物だったんだ。ま、あったとしても我々に敵うかどうかは別の話だがね、はっはっは!」」
 高らかにそう笑ってやると、クヌムは額に青筋が浮かぶような勢いで憤怒の形相を作る。煮えたぎる感情が熱として伝わってきそうな様相のまま、彼は自らの足元、川底に溜まった泥へと両手を突っ込んだ。
「ぬかせ! 権能がなかろうと、テメェらごとき――!」
 『泥を筋肉と化す』権能は失われた。しかしクヌムが本来持つ力、パラドクスには何ら影響はない。その両手が形作った泥人形は、即座に命を吹き込まれ、彼の意のままに動き出す。
「おっと、往生際が悪いな!」
 水中から突如伸びてきた泥人形の腕を、アルメアはこうなることがわかっていたかのように後ろに跳び、躱す。所詮は泥細工のそれに大した攻撃力はないだろうが、集団で足止めされれば致命的な結果につながりかねない。もう一歩跳び退るのと同時に、彼女は肩部のミサイルポッドを展開した。
 解き放たれた弾頭は噴射煙の糸を引きながら泥人形達へと向かい、その脆弱な肉体を爆散させる。しかしながら、次の瞬間にはクヌムの新たに作り上げた泥人形が、次々と川の中から立ち上がってきた。
「花火とは景気が良いじゃねぇか。もう一発見せてくれよ」
「ほう、私と数で競う気か?」
 川底の泥が原料である以上、泥人形は無尽蔵に作成される。だがそれに対し、アルメアはビームガトリングの斉射で応えた。次々と立ち上がるそれを、弾幕で破壊していけば、作り手であるクヌム自身に限界が来る。
「はっはっは! 人形の作りがどんどん雑になっているぞ?」
 もはや人形の体を為さなくなった泥の塊を撃ち抜いて、疲労した敵へとアルメアが踏み込む。
「馬鹿にしやがってェ!」
「そういうつもりはないんだが――まあいい、これで幕引きとしようか!」
 迎撃するように振るわれたクヌムの拳を、ソードオフショットガンの一発で弾き飛ばす。そうして空いた胴体に向けて、アルメアは黄金像に対するそれと同様に、爆裂鉄球を叩き込んだ。すさまじい重量を誇るその一撃と共に、鉄球が火を噴き、爆発。クヌムの身体を盛大に吹き飛ばした。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【隔離眼】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!

ベアトリス・リュウフワ
あとはお前を撃滅するのみですわね。分かりやすくて結構。
因みに、わたくしの小柄さではお前の力には勝てない――もしもそう思っているのでしたら目玉を取替えることを推奨いたします。
まあそう思ってなくとも、手を弛めることはないのですが。

本来であればこの手の相手は『付き合わない』ことが一番の対策なのですが、あえて正面から相対して差し上げましょう。
”激情”を身に纏い、膂力を爆発的に上昇。
瞬時に懐に潜り込み、【不意打ち】気味の連撃を繰り出します。
相手の反撃に合わせるように【一撃離脱】。【飛翔】を利用して体勢を整え、再度の激突を試みます。

さあ、心ゆくまで楽しみましょう?


●黄金を砕く黒
 クロノオブジェクトを破壊したベアトリス・リュウフワ(高慢たる剣・g04591)は、残る標的、黄金像と同じ姿をしたクロノヴェーダへと向かう。
「あとはお前を撃滅するのみですわね。分かりやすくて結構」
「けッ、見た目の割にでかい口叩きやがる」
 こちらを見下ろすようにして吐き捨てられたクヌムの言葉を、ベアトリスは涼し気に受け止めた。確かに体格差は明らか、力を信奉する教えを敷いていた彼からすれば、当然の判断なのかもしれないが。
「因みに、わたくしの小柄さではお前の力には勝てない――もしもそう思っているのでしたら、目玉を取替えることを推奨いたします」
「小虫が何を言っても聞こえねえんだよなあ!」
 せせら笑う声と共に振り上げられる拳。だがその瞬間には、ベアトリスは既に敵の懐まで踏み込んでいた。
「耳も取り換えた方がよろしいのでは?」
「何を――ッ!?」
 至近距離で黒が閃き、瘴気を纏った彼女の拳がクヌムの胴を打ち据える。”激情”の乗せられたその一撃は、彼女に比べて遥かに大柄なクヌムの身体を、確たる衝撃で揺るがした。
「あら、この程度ですの?」
 くぐもった呻き声に対し、先程の意趣返しのようにそう告げて、ベアトリスはクヌムの反撃の手から逃れる。普段の優美さや精彩さを欠く行い――本来ならばこの手の相手には付き合わないのだが、今回はあえて正面から、彼女は敵に相対していた。
 ひとまずの飛翔で間を置いて、先の接触での負傷を泥で癒す敵の様子を見下ろしてやれば、クヌムの歯噛みする音まで聞こえるようで。
「さあ、心ゆくまで楽しみましょう?」
 先程までとは逆になった視点の高さからそう告げて、ベアトリスはクヌムの眼前へと降下していった。川面すれすれをなぞる様に、黄金の水滴を巻き上げながら迫る彼女へ、クヌムは両腕を鎚のようにして迎え撃つ。
「潰れろッ!!」
 飽くまでで相手を見下そうというその一撃と、突撃の勢いを乗せたベアトリスの拳が衝突し、両者を逆方向へと押し出す。組んだ両手を上方に弾かれたクヌムに対し、ベアトリスは川面に叩きつけられる。が、その両足で川底の泥を踏みしめ、その場に踏みとどまると、彼女の足元に黒い瘴気が沸き上がった。
 腹の底の激情を用いて、力ずくで我が身を動かす。跳ね上げられた右足は無防備になったクヌムの顎を捉え、その身体を高々と蹴り上げた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV4になった!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!

テクトラム・ギベリオ
毛玉よくやった。この場の空気も少しは軽くなったな。
…と思ったが、筋肉が上から落ちてきたか。もう筋肉は十分だ。
諸悪の根源を倒すとしよう。

敵の広範囲攻撃には【飛翔】と【壁歩き】を使用。
自身は『ダンス』をする要領で特殊な踏み込みと『残像』で翻弄し、
敵には【フライトドローン】をけしかけ隙を作る。

泥と踊ってもつまらんな。そろそろ終わらせよう。
呪骨と獣骨の杭を両手に構えクヌムに『連撃』する。

もしこのクヌムがクロノヴェーダではなく本当の神だったなら…
それはそれで面白くなっていたかもな。
むさくるしいのはやめて頂きたいが。

アドリブ連携歓迎


●黄金に舞う
 光の中で砕け散る黄金像を見遣り、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)はスフィンクスをひと撫でする。
「毛玉、よくやった。この場の空気も少しは軽くなったな」
 信仰の対象、そしてクロノオブジェクトでもあるそれが破壊されたことにより、エンネアドの権能は失われたはず。それは実際大きな転機となったようで、他のディアボロスとの接触によって吹き飛ばされた敵の身体が、テクトラムの付近へと着水、盛大な水飛沫を上げた。
「また筋肉か……」
 呻き声をあげながら立ち上がるその姿に、毛玉が心なしかムっとした顔をする。ウーパー戦士の群れを退け、筋骨隆々の黄金像を破壊したと思ったらこれである。いい加減辟易した様子のテクトラムは、短く嘆息しながら、投擲用の杭を五指の間に挟んだ。
「諸悪の根源を倒すとしよう」
「ええい、近づくんじゃねェよ、背信者ども!」
 立ち上がったクヌムが川底にその手を浸す。するとその底に眠る泥の海が目覚め、濁流のようにテクトラムへと襲い掛かった。
 黄金の川を割って現れた泥の瀑布に対し、彼はゆったりとした歩法で空へと踏み出す。飛翔効果で空を舞い、建てられた柱を蹴り付け足場とし、どこか優雅な動きで濁流から身を躱した。
「その程度で逃げたつもりかァ!?」
 途端、泥の海が渦を巻き、テクトラムの真下で形を成す。創造されし泥の巨人像は、力強いその巨腕をテクトラムへと伸ばすが。
「……もう筋肉は十分だ」
 どれだけ力強く見せようが、それは所詮泥人形に過ぎない。髪の先すら触らせず、身軽な動きでそれを捌いた彼は、泥の瀑布の先、神の名を冠する敵を見据える。
 もしもあれがクロノヴェーダではなく、本当の神であったなら、自然とそんな風に思いを馳せてしまう。その逸話に倣うならば、生み出されるのは泥人形ではなく本物の人間となるはず、そうなれば、少しは面白く――。
「いや、ないな」
 あの泥の像のように筋骨隆々の人間が無制限に湧いて出る情景が浮かんで、テクトラムはきっぱりとそれを否定した。
「いずれにせよ、神ならぬその身には叶わぬこと」
 泥と踊るのももう飽きた。歩みの中でごくごく自然に、しかし鋭く振るわれた両腕から杭が放たれる。泥の流れと、湧き出る障害物、その間を正確に捉えたそれは、攻撃に夢中になっていたクヌムの体に次々と突き刺さった。
 舞いを締めくくる様に、泥の合間から中洲の砂地に着地したテクトラムは、崩れ去る泥の音色と、敵の苦鳴をその背で聞く。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!

樹・春一
【電拳脚】
僕が前、姉さんが後ろ、アキラさんが……真ん中?
まさか! 僕と姉さんの間に割って入ろうと!?
いけませんよアキラさん! それだけはいけません!
どんな理由があろうと間はいけません! 前か後ろに寄ってください!

えっ姉さんが隣に?

はい! 大丈夫です! いつでもどうぞ!
それにしても全身きんぴかで眩しいですね! いかにも神っぽいですよ神よ!
姉さんの方が輝いてますけどね!!!

ところで錬金術ってなんですか?
泥遊びのこと? 楽しそうですね!

しかし遊んでるだけでは勝てませんよ神よ!
どんなきんぴかや筋肉に守られていても通させていただきます!
神に命ある限り! その命をもって救済を!

えげつなくないですよ!?


樹・由乃
【電拳脚】
では作戦通りに。よろしくどうぞ
聞いてない? 死ぬまで殴ればいいんでしょう
だだこねてないでほら。敵さん困ってますよ

仕方ないですね。私が前に出ましょう
無限射程期待してますよ。邪魔なやつどけてくれるんですよね
さっさとやんなさい。殴りに行けないでしょうが
……あいつ急に調子乗りだしてきたんで先に殴ってきていいですか

今回だけは大目に見ましょう
泥が金になるわけないじゃないですか。常識って知ってます?
そして泥って凍るんですよ。常識ですね
砂漠で凍えるなんておかしい? それはまあ……私、魔法使いなので
脚と腕と。やかましい頭も撃ち抜いときます?
動くんじゃないですよ肉厚。楽に死にたいなら尚更です
凍れ、弾丸!


小鳥遊・英
【電拳脚】
えっ?!作戦なんて立ててましたっけ?!
ああ、さっきの立ち位置ですか、わたしは中衛……
っだー!!!土壇場で揉めないでいただけますぅ?!

んふっwww分かればいいんですよwww
この世界の神はッ!拙者になりますぞ!!!
コンソールを展開して、この世界をハッキング
己の都合の良い世界にしてしまいましょう
そう!この世界が!射程距離!!
まず泥を黄金になんて変えられませんから〜
錬金術の基礎からやり直してきて頂けますゥ?

有能〜〜はい勝ち確〜〜
あとはアタッカーさん頼みましたよ〜〜
後衛からぬくぬくと見守らせていただきますわァ


●マウント
 ディアボロスとクヌムの間で戦闘が始まり、黄金に輝く川の水が、その底に滞留していた泥が、戦火に混ざって宙を舞う。そしてこちらの三人も、そんな戦いに身を投ずるべく得物を構えて。
「では作戦通りに。よろしくどうぞ」
「えっ?! 作戦なんて立ててましたっけ?!」
 樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)の言葉に、小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)から驚愕の声が返る。
「聞いてなかったんですか?」
「アキラさん、アレですよ。僕が前、姉さんが後ろ、アキラさんが真ん中っていう――」
「ああ、さっきの立ち位置の話ですか……」
 樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)の加えた注釈に、彼女は頷いて見せた。先程の『戦い』で英は中衛という立場を勝ち取ったのだから、二人の間へと歩を進めるが。
「――まさか! 僕と姉さんの間に割って入ろうと!?」
 その状況に直面して初めて、春一が深刻な顔をし始めた。
「はい? そりゃまあ中衛ですから……」
「いけませんよアキラさん! それだけはいけません! どんな理由があろうと間はいけません! 前か後ろに寄ってください!」
「っだー!!! 土壇場で揉めないでいただけますぅ?!」
 シスコンを拗らせた春一の訴えに、英が反発する。そんな二人のやり取りに、由乃は盛大に溜息を吐いた。
「だだこねないでくださいよ。敵さんだっていつまでも待ってくれるわけじゃないんですから」
 というか、クヌムは絶賛他のディアボロスと戦闘中だ。火花散る戦いを尻目に並び順で揉めている場合ではない。
「仕方ないですね。私が前に出ましょう」
「えっ姉さんが隣に?」
 最後尾予定だった由乃が折れたのなら、当然春一に断る理由はない。英もまた実質後列に収まることができそうだと、安堵の息を吐いて。
「んふっwww分かればいいんですよwww」
 とても人にお見せできない顔で笑う。
「無限射程期待してますよ。邪魔なやつどけてくれるんですよね」
 言外に「さっさとやれ」と伝えてはみるが、周囲にコンソールを展開した英には通じていないようだ。
「拙者の手にかかればこの通り! これよりこの世界の神はッ! 拙者になりますぞ!!!」
「先にこっちを殴っておくべきですかね……」
 ワールドハッカーの技能を駆使して世界の法則を強制的に書き換える。たとえば、そう、クヌムが自らの壺から泥の塊を取り出したところで。
「ええい、愚かな背信者どもめ! 拝み平伏すが良い、これぞ至高の黄金――」
「泥を黄金になんて変えられませんから~。錬金術の基礎からやり直してきて頂けますゥ?」
 錬金術にて黄金と化すはずだったそれは、泥の塊のまま変わらず。敵の思惑を先回りして阻害することに成功した英は、ドヤ顔で前衛二人をけしかける。若干イラっとするがその成果を見過ごすわけにはいかない、由乃は早速敵のプライドを踏みにじる様に前へ。
「おのれ、権能のみならず我が力まで奪おうというのか!」
「泥が金になるわけないじゃないですか。常識って知ってま――」
 が、「そうはさせん」とクヌムが気合を入れると、その手の泥が黄金に輝き始めた。
「――なってんじゃないですか! サボるなそこ!!」
「ヒッ、すいません真面目にやりますからぁ!?」
 結局のところ相手の力もパラドクスによるもの、先程は不意を打てたが、一方的にやりこめるには相応の実力が必要になるだろう。
「眩しい! きんぴかですね! いかにも神っぽいですよ神よ!」
「そうだろう、そうだろう。ようやく平伏す気になったか?」
「いいえ!! その程度の輝き、姉さんの前では霞んで見えますよ、ほら!!!」
 彼に何が見えているのかは定かでないが、少なくともそのタイミングで英による上書きが入った。黄金は元の泥の塊へと姿を変え、彼女が速やかに調子付く。
「はい拙者有能~~勝ち確~~~~」
 じゃあ後は後ろからぬくぬくと見守らせていただきますわァ。と言ったところで。
「さっきから邪魔してんのはテメェかァ!!」
 クヌムの手から泥に戻ったそれがぶん投げられ、彼女の顔面を直撃した。
「ちょっ……アタッカーさんちゃんと仕事してくださいよ!?」
「はいはい」
 舌打ちの音に続いて、由乃の小型拳銃が火を噴く。放たれた魔弾は着弾地点の熱量を急激に奪い、凍り付かせる。最初の狙いは川に浸かった敵の両足、続いて新たな泥の塊を手にした右手。黒く淀んだ泥の塊は、金色に輝く前に凍り付いた。次はまあ、ぺらぺらとよく喋る口だろうか。
「危っぶねえな!」
「動くんじゃないですよ肉厚。楽に死にたいなら尚更です」
 頭部を狙ったそれは、クヌムが身を逸らしたことにより躱される。続く宣告は当然無視され、凍り付いた泥ごと、その腕が由乃を殴りつける。
「錬金術って泥遊びなんですね! 楽しそうで何よりです!!」
 後退した由乃に代わって飛び出した春一は、その攻撃の隙を突く形で拳を振るった。
「しかし遊んでるだけでは勝てませんよ神よ!」
 敵に比べればまだまだ細い腕による一撃は、敵の筋肉の鎧に阻まれる。が、そこから過剰に流し込まれた活性力が暴走し、その肉体を爆ぜさせた。
「うわグロっ。えげつないですなァ」
「えげつなくないですって! 神の恵みですよ!?」
 軽くはない打撃を与えたが倒すには至らず。だが、黄金の川を舞台にした戦いはようやく佳境を迎えることになるだろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】がLV2になった!
【飛翔】がLV5になった!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!

ジズ・ユルドゥルム
黄金が剥がれたか…この上さらに金ピカ筋肉の相手する羽目にならなくて良かった。
乳酸が溜まりっぱなしだったぞ。心に。(若干影響を受けている)

光り物に興味はないが
強制的に魅了されるなら、目に入る輝きを減らすため対策を。
サンドストームを発動し、砂嵐で光を遮断する。

移動しながら攻撃しつつ、【トラップ生成】で浅瀬に作り出した簡素な落とし穴に誘い込む。
完全な足止めまでは行かずとも、こちらの攻撃を喰らわせる隙を作れれば良し。

黄金による殴打は、【砂使い】で砂を集め硬質化させ、【結界術】で障壁を作り防御しよう。

なんと言ったか…デラックス黄金神形態?玩具売り場で売っていそうな響きだな。
何にしろ、名前負けだったな。


ゼキ・レヴニ
牛……?
さっきのウーパー筋肉よりゃ顔が合ってるからヨシ
いやよくねえか

泥土の大瀑布は【飛翔】で上に回避
「躯」を槍に変じ、飛行のスピードで泥土の創造物を『破壊』しつつ『突撃』
ご自慢の分厚い筋肉を貫いてやる

しっかし……でけえ悪者は動きが鈍いってのが鉄則だろ?動きも素早いのは反則だぜ
追われてジリ貧にならねえ様に
あえて河に誘い込み、水に落ちる振りしてからの【水面歩行】
水面を『強打』、水飛沫で目眩しして距離を取ったり『地形の利用』をして
相手の油断を誘ってアドバンテージをとってきたいとこだ

メッキで繕った力なんざ脆いもんよ、さっきの鎧みてえにな
お前さんのデラックスで金ピカな野望もここでオシマイってこった


●黄金の夢
 続く戦闘で傷を負ったクヌムは、欠損を埋める泥の力を行使してなお消耗が隠しきれていないようだ。彼本来の能力も決して侮ることは出来ないが、やはりクロノオブジェクトの効果で得られていた権能には及ばない。剥がれた黄金、その土くれと化した破片を見下ろし、ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)は少しばかり安堵の息を吐いた。
「……この上さらに金ピカ筋肉の相手する羽目にならなくて良かった」
 心に乳酸が溜まる気がするし、これ以上は眼筋が筋肉痛を起こしそうな予感がする。首を横に振りながら、川底に突き刺していた杖を拾い上げると、彼女は敵の方へと歩み寄った。
「ふん、あの程度で満足されては困るな! 本物の黄金と言うのは――」
「悪いが、光り物に興味はない」
 クヌムが壺の名から手を出すのと同時に、ジズは杖を一振りする。彼女の操る乾いた風が巻き上げられて、クヌムの手にある泥の塊を包み込む。クヌムのパラドクスにより至高の黄金へと変わるはずだったそれは、白い砂に覆われて、乾いた土くれと化してしまった。目前で思惑を挫かれ、歯噛みしつつ、クヌムは苛立ちをぶつけるようにその手を振るった。
「ええい、物の価値のわからん愚か者が!」
「そういうのは元が泥だと分かる前にやってくれ」
 土塊を叩きつけるようなそれを、棒術の要領で振るった杖でいなす。先程戦ったウーパー戦士同様投げ飛ばしてやりたいところだが、そこはさすが崇められし『神』と言ったところか、一筋縄ではいかないようだ。
 だが体術のみでは厳しいならば、術師として。ジズは砂混じりの風をその場に集め、固めた砂の障壁を作り出す。クヌムの剛腕とそれが衝突し、泥と砂の破片が辺りに散った。
「これでは埒が明かぬな」
 そう判断したクヌムもまた、体術のみではなく、泥を用いる方向へと舵を切る。足元の泥、川底へと腕を突き入れると同時に、それが大きく隆起、創り出された泥の尖塔は、ジズの砂の障壁を貫いて伸びる。寸前でそれを察知し、彼女が飛び退き――直後、飛来したもう一本の槍が、逆に泥の尖塔をへし折った。
「なッ――!?」
 飛翔効果で急降下してきたゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)の槍は、そのまま筋肉に覆われたクヌムの身体を貫く。突撃の勢いで相手を撥ね飛ばし、着地した彼は、会心の笑みで獲物を見下ろす。いいタイミングで不意を打てた。まだ倒すには至らぬようだが、このまま追い詰めれば、と。
「……牛?」
「羊だ」
 後ろのジズから即座に訂正が入ったが、まあいいだろう。
「さっきのウーパー筋肉よりゃ顔が合ってるか」
 それは確かにそう。今度のそれにはジズも渋面を作りながら納得した。
「てめェ、やってくれるじゃねえか」
 その声が予測よりも遥かに近くで聞こえて、ゼキが戦慄を覚える。でかい悪者は動きが鈍いのが鉄則だろ、とそんな風に思考が上滑りする。そういうお約束が通用することばかりではないと、彼にもよくわかっているのだが。槍の間合いの内側、胸ぐらを掴まれたと思った瞬間、ゼキの足元が沸騰。黄金の川の下、泥の海が瀑布となって、下から上へと巨大な流れを生み出した。
 濁流と共に大きく打ち上げられることになった彼は、そのまま呑み込まれてしまわぬよう空中で姿勢を制御する。
「逃がさねえからな!」
 が、蛇のようにのたうつそれを躱しきれず、降り注ぐ泥と共に川面へと叩きつけられた。
 ガタイの良い彼が着水したことにより、盛大な水飛沫が上がる。倒れた彼等に追撃をかけるべく、クヌムはそちらへと跳躍し――。
「――うおッ!?」
 踏み込んだ足が空を切り、思い切り体勢を崩した。
「ようやくかかってくれたな」
 川底が泥濘だとしても、彼にとっては歩き慣れた場所であることに変わりはない。しかし、そこにトラップがあれば話は別だ。ジズの仕込んだのは簡単な落とし穴。それ自体で打撃を与える効果は見込めないが、一歩乱すことさえ出来れば。
「隙あり、だ」
 先程吹き飛ばされ、川の中に倒れているはずのゼキが、いつの間にやらその背後に立っていた。先程の水飛沫は、目くらまし代わりにわざと上げたもの。狙い通り油断を突いた彼は、形を成した『躯』、疾風の槍で再度クヌムを突き刺した。
「おのれ……!!」
「お前さんのデラックスで金ピカな野望もここでオシマイってこった」
 今度は突き飛ばすのではなく、縫い留めるように。ゼキがクヌムの抵抗を抑え込む内に、川面が乾いた風に揺れる。
「デラックスだったか……玩具売り場で売っていそうな響きだが、何にしろ名前負けだったな」
 『サンドストーム』、ジズの巻き上げた風が今度こそクヌムの全身を包み込み――瞬間、風が赤く染まった。

●解放
 この場を支配していたエンネアド、クヌムが撃破されたことで、ギザのピラミッド内の異空間が揺らぐ。この場を満たす黄金の川が、エンネアドを祀る神殿が、薄まり形を失っていく。
「わ、私達は一体……?」
「クヌム様にいただいた肉体が、失われていく……」
 同時に、ディアボロス達の戦いを見て信仰を揺らがせていた信者達は、その借り物の肉体――ウーパー戦士型の黄金の筋肉が泥と消え、その中から這い出してきていた。どうやら、トループス級として共に死にいく定めからは、解放することが出来たものらしい。
「借り物の筋肉では、いずれ失われてしまうということか」
「もっと鍛えなくてはな……」
 わかったようなわからないような、そんな結論に達した彼等と別れ、ディアボロス達は帰途へと付く。
 こうして一行は、ギザのピラミッド攻略のため、確たる一歩を刻んだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【壁歩き】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2022年06月12日