リプレイ
鋤・六郎兵衛
アドリブ、連携希望。
御下命、承った。敵軍の合流を妨げ、各個撃破でござる。
到着後、速攻で敵陣に突入し奇襲を仕掛ける。
【飛翔】の効果を使い「空中戦」。
【秘剣·篝刈り】。「光使い」「早業」による、残像を残す高速移動で敵を撹乱しつつ、逆手に構えた忍者刀による「斬撃」で斬り払ってゆくでござる。
残像を囮に敵の狙いをそらし、「一撃離脱」の心得にて移動し続ける事で反撃を回避。
対峙する数は多いが、それ故に本隊に向かわせる訳にはいかぬでござるな。
御下命如何にしても果たすべし。敵を引き付け、片端からなぎ払うのみでござる。
エアハルト・ヴィオレ
長岡京は相棒と共に良く駆け回り増した。脅威に晒されながら都を守り、必死に生きる人達を見てきました。思い入れが深いからこそ、滅ぼそうとする輩は許しません。いつまで、ですか?これ以上はありません。
敵は【飛翔】で頭上から攻撃してきますか。【観察】にて敵の動きを観察、【残像】で敵の羽の回避を。空中戦の仲間の援護としてヴィオレ流戦術を用いて【電撃使い】を敵の群れに【連射】。集中攻撃されている仲間がいれば【風使い】【吹き飛ばし】で周りの敵を吹き飛ばす援護を。
この決戦に持ち込むまで多くの人たちの努力がありました。その方達の努力に報いる、何より長岡京の皆さんの平穏の為に、この決戦、取らせていただきます!!
ミサゴ・ゾーリンゲン
○連携・アドリブおまかせ
妖怪退治だ
派手にやろうぜ
数が多いと的に困らなくて助かるな
とはいえ、まとめて相手にすんのはめんどくせえ
出来るだけ1,2体。少数を確実に削ってく
オレ以外にもいるんだし、数で押し敗けはしないだろ
《偽・銃弾拳法陸式》
敵への射撃と一緒に、その反動で空中戦を仕掛ける
狙いは群れの端。或いは飛び出た一角
【エアライド】と反動で空を蹴って、飛ぶよりも鋭角な動きで追い詰めて、仕留めていく
《グラップル》――掴んで叩き落とせば、他の連中もやり易いだろ?
さあ次ッ
死にたいやつから前に出てきな
●決戦の礎
淀川に繋がる湿原地帯。
普段とは違う不穏な雰囲気と空気を感じ取った妖怪、以津真天は混乱の極みに陥っていた。
何故なら、ヤマタノオロチと合流しようと向かった先に見知らぬ者達――復讐者が待ち受けていたのだから。
「妖怪退治だ、派手にやろうぜ」
「御下命、承った。敵軍の合流を妨げ、各個撃破でござる」
ミサゴ・ゾーリンゲン(カムイチカフ・g00067)は拳と拳を合わせ、敵の進路に立ち塞がっている。鋤・六郎兵衛(新宿忍者・g06539)も此度の任務を確かめ、鋭く身構えた。
其処にはエアハルト・ヴィオレ(宵闇のエヴァンジル・g03594)の姿もあり、皆が準備万端の状態だ。
「長岡京は相棒と共に良く駆け回りましたからね、放っておけません」
エアハルトは以前の出来事を思い返す。
脅威に晒されながらも都を守り、必死に生きる人達を見てきている。自身も復興を手伝ったり、襲いかかる敵を打ち払ったりと様々なこともしてきた。そういった思い入れが深いからこそ、此処を滅ぼそうとする輩は許せない。
エアハルトは真っ直ぐに敵を見つめ、六郎兵衛とミサゴも大群を見据えた。
「いつまで、いつまで……」
「耳障りなほどによく鳴いているな」
「いつまで、ですか? これ以上はありません」
妖の鳴き声を聞いたミサゴとエアハルトはそれぞれの言葉を返す。
そのときには、逸速く攻勢に転じた六郎兵衛が天高く飛び上がっていた。彼の狙いは、混乱の最中にある敵が戸惑っている間に有無を言わさぬ強襲を仕掛けること。
――秘剣・篝刈り。
仲間に先んじて、速攻で敵陣に突入した六郎兵衛の攻撃はまさに奇襲と呼べる。
相手が空を飛ぶならば同じ高度まで向かえば良い。残像を残すほどの疾さで翔けた六郎兵衛は妖怪達を鋭く切り刻む。背後に回った気配すら悟られぬ動きは忍そのもの。
逆手に構えた忍者刀が見事に振るわれていく中、ミサゴも攻撃に移った。
「数が多いと的に困らなくて助かるな。……とはいえ、まとめて相手にすんのはめんどくせえ」
ミサゴは銃を構える。
刹那に撃ち放った射撃によって発生する反動を利用し、彼は風を蹴って空を走った。狙うのは一体、或いは二体程度。敵の数は膨大だが、確実に少数を削っていく作戦だ。
「オレ以外にもいるんだし、数で押し敗けはしないだろ」
「その通りです」
ミサゴの呟きを拾ったエアハルトは深くうなずいた。
エアハルトは今も翔け続ける六郎兵衛を見遣りつつ、銃弾拳法陸式を叩き込むミサゴの後に続いた。
敵は飛翔しており、頭上から攻撃してくる。それならば動きを観察して見極めつつ相手取るのがいい。エアハルトは素早く戦場を駆け抜け、残像を纏う。
千本羽の針が降り注ぐ中、復讐者達は回避を試みていた。
空中戦を行う仲間の援護として、エアハルトはヴィオレ流戦術を用いてゆく。電撃を敵の群れに解き放ったエアハルトは可能な限り力を連射していった。
もし集中攻撃されている仲間を見つけたら、巡らせておいた風を使って敵を吹き飛ばしていく算段もある。それに加えて、エアハルトは周りの敵を吹き飛ばす援護を行っていた。
「風で相手の体勢を崩します。今のうちに!」
「――御意」
仲間からの呼び掛けに短く答えた六郎兵衛は更なる一閃を敵に放つ。
激しい風によって敵が揺らいだ瞬間を狙った六郎兵衛の刃が、太陽の光を受けて煌めいた。早業による鋭い剣閃は次々と以津真天をうがっていく。
「いつまで、いつまでいつまで、いつまで……!」
「決死の攻撃でござるか」
六郎兵衛は自分が狙われ始めていると知り、残像を囮にして敵の狙いを逸らす動きにでた。六郎兵衛には一撃離脱の心得は十二分にある。移動し続ける事で反撃を受け流していく彼は、冷静に状況を判断していった。
「対峙する数は多いが、それ故に本隊に向かわせる訳にはいかぬでござるな」
「この数がオロチのところに向かったら……ぞっとしないな」
ミサゴも同意の姿勢を示し、更なる銃弾拳法を繰り出す。その狙いは群れの端。ちょうど端に当たる飛び出た一角を発見した彼は次に起こる反動を使って空を蹴りあげた。
以津真天がミサゴの頭部めがけて飛び掛かって来たが、相手に捉えられる動きではない。
飛ぶよりも鋭角な動きで敵の背後に回ったミサゴは反撃を放ち、一瞬で敵を仕留めていく。掴んで叩き落とせば、他の仲間もやりやすいはずだ。
ミサゴと六郎兵衛が空から落とす敵の相手を担い、エアハルトは思いを声にしていく。
「この決戦、必ず取らせていただきます!!」
今の状況に持ち込むまで、多くの人々の努力があったことをエアハルト達は知っている。
皆の努力に報いる為に。
何より、長岡京を。ひいては京の都平穏の為にも――。
「さあ次ッ! 死にたいやつから前に出てきな」
ミサゴが繰り出す射撃を伴う突撃は、着実に敵の数を減らしていた。エアハルトの援護を受けたミサゴが倒した敵の数は相当なものだ。そして、六郎兵衛も思いをあらたにする。
「下命は如何にしても果たすべし」
六郎兵衛は剣禅一如の斬撃で敵を堕とし、片端から薙ぎ払い続けた。彼らの勇姿は未来を繋いでいくものだ。
戦場に響く妖の声は虚しく、やがて地へ沈んでいった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
百鬼・運命
【ヨアケ】
アドリブ絡み歓迎
「『いつまで?』と問うならば、『ここまで』と返しておこうか?行き止まりではあるんだが」
アスナさんが戦況把握をしているし、その援護と行こう。
戦力も十分だし、これだけ人数がいるなら俺は【パラドクス通信】で通信と管制に力を入れるとしよう
「さて味方は空中戦と対空攻撃中。上下から立体的な挟み撃ちといった感じかな?」
鳥マニアの眉立さんもこの鳥は流石にダメか
瀬島さん、宝心さんが焼き鳥量産しているな、食欲は出ないが…
残留効果累積でアイネリスさんやリコルさんが偉い勢いで飛んでいくな
クィトさん、猫真似とは余裕だな
桜さんとアオイさんはまあいつも通り
どこも大丈夫そう。取りこぼしも出ないかな?
リコル・バレスタイン
【ヨアケ】連携、アドリブ可
要はここで雑魚をひたすら倒せって事ね…いいわ。雑魚狩りは専門分野よ
相手は空中にいるし…自分も飛んで戦った方が早いわね。ということで…舞い上がれ、天空の碧翼(ハルピュイア)!【天空の碧翼】で『エニグマ』を翼の形状にした飛翔状態になって空中戦でけしかけるわ
チームの連携と合わせつつ、≪早業≫で先手で攻撃を仕掛け、翼を生かした≪一撃離脱≫戦法、複数の≪衝撃波≫を≪弾幕≫に展開する範囲攻撃で一網打尽に。鳥でギャーギャーうるさいのはカラスだけで結構よ、黙りなさい
クィト・メリトモナカアイス
【ヨアケ】で参戦。
移動中の敵を皆で襲って立て直す前にやっつける。
それじゃあ我は空から。やーるぞー。えい、おー。
【飛翔】で飛び上がって、「射撃のコーニッシュレックス」。
自分はちょっと引いた位置から黄金猫拳打棒で指揮をするように「モナカ」射撃型を操作して味方の援護射撃。頭上を取ろうとしてくる相手をモナカの機銃で撃ち落とす。
んむ、上から来るのは我にお任せ。
そんなに鳴いても我は知らない。
というか鳴き声も見た目もかわいくない。汝らも我のモナカを見習うべき。にゃー。
瀬島・大輝
■アドリブ歓迎
【ヨアケ】で突撃
ちっ…、なんだか辛気臭ェ感じの鳥じゃねェか
あんなのがわんさか邪魔してきたらやってらんねェぞオイ
仲間と共にとっとと撃ち落とすか。一気にやれそうな場所の指示くれや
閻魔の炎絶で両腕から炎を操り放つぜ
【飛翔】効果に便乗して飛んで、炎を纏ったままブチのめす!
援護が多いし、多少突っ込んでもいいだろ
鳴き声のダメージや精神汚染は気合(結界術)か
或いは大声で多少和らぐか試してみっか 何もしねェよりマシだろ
身体張るのは鉄砲玉の仕事だが…
ガキも多いし、年長者の方がいいわな
アスナ・シュヴェーゲリン
【ヨアケ】アドリブ絡みOK
成程、個々は大したことはないでしょう
ですが群を成してジェネラル級との決戦に大挙すれば苦戦は間違いない
パラドクスを起動し、飛翔
戦場内に起きている事象を一瞬で全て把握
そこから確率を逆算して偶然を引き寄せていく事でパラドクスによって『必然』を与えられた【暗君刺す神聖なる刃】による攻撃が以津真天の急所を抉る
このパラドクスは奇襲タイプに相性が良いんですよ、戦況を一瞬で把握できますからね
反撃は戦況把握で飛び掛かって来た所に刃を振るって切り裂きます
ついでに言えば、味方への指示を出す事もね
そう言いながら戦況の把握による的確な指示をパラドクス通信を使って味方に出していきます
眉立・人鳥
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】で行く
ご先祖さんたちの世界をこれ以上荒らされちゃ困るって事で
俺も日本人の端くれとして尽力させて貰いましょうか
なんとまァ、不気味な鳥が居たもんだぜ……
流石の俺もこいつはノーサンキュー
つーわけでバードウォッチングはおしまい、さっさと片付けようぜ
White Flipperedで身体を保護しつつ氷晶剣で針を出来るだけいなしながら攻めようか
空で戦う仲間と挟めるように基本的には地上からだ、指揮が来るなら聞きつつ動く
地上の俺を狙う奴が居るなら空の仲間に任せる
余裕がありゃ牽制しつつ時間稼ぎに天魔の魔力でも撃ち込むか
俺が狙うのはその逆だ、ジャッジメントチェイサーで撃ち墜として行こう
アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】
わざわざ合流させる道理もありませんね。
ここで一切、葬っておきましょうか。
箒に乗り【飛翔】し【空中戦】を挑みます
【残像】を伴い上昇下降も織り交ぜた高速機動で敵群を【攪乱】
最高速で敵群へ接近しつつ片端からパラドクスで斬り穿ち、風穴を開けていくとしましょう
味方の攻撃で隙が出来た個体は【不意打ち】仕掛け一気に叩きましょう
あの声は……『死を招く』と仰々しいですが、所詮は煩いだけのか細い鳴き声
耳を貸す事なく【勇気】の導くまま、構わず突破します
宝心・ライラ
【ヨアケ】で参加
裏方だって立派なお仕事!
さあ、笑顔の舞台を始めましょう
「あなた達は不幸せそうね。待ちくたびれてしまったの?」
【火炎使い】の火吹き芸で口から火炎を吹き出し、その中から人型の火の粉のような炎の妖精達を召喚
私自身の炎と妖精さん達の攻撃で以津真天を迎撃するわ
「私はいつまでも待たせたりなんかしないわ。あなた達のハッピーエンドの為に、即断即決!燃え上がれ!」
千本羽針の攻撃は呼び動作や針の軌道を【看破】して、スラップ☆スナップから放つ【爆破】で跳ね飛ばす
アドリブなど歓迎
桜・姫恋
絡み・アドリブ歓迎
【ヨアケ】で参加
無駄に合流させてもこちらにいいことなんてないしどのみち倒さなきゃいけないなら今倒すも後で倒すも一緒よね?
【飛翔】にて空へと飛び立ち上空からパラドクスによって雪を降らせ敵の注意を惹き付け《時間稼ぎ》を行う。
基本的には仲間の動きにあわせてサポートする形で動くようにする。
徐々に体力奪われる気分はどう?
鳥だからうるさいわね?早く黙りなさい?まぁどのみちお前たちはここで散るのだけどね?
アオイ・ダイアログ
【ヨアケ】から!
道を塞ぐだけで右往左往するとは意志薄弱な連中ですね
でもまぁ丁度いいので射撃練習の的になって貰います!
矢を複数一気に言霊で染め上げます
【飛翔】で飛びつつ近場の敵を電撃の矢で焼いていきましょう
飛びかかってくる奴の迎撃最優先、的は的らしくお願いしますね🎵
躰が痺れたら落っこちますね、そしたら地上組にご案内🎵
鴨打ですね、見た目は可愛くないですが!
いつまでいつまで煩いですね
いつまでかは私たちが決めるし、あなたたちはいつまで経とうがご主人の下には辿り着けないんですよ!
不吉はぜんぶ私たちの幸運で突破してあげましょう🎵
●戦闘開始
湿地帯に集い、先を目指す妖怪達の大群は鳴き喚いていた。
その声を耳にしながら、進路に立ち塞がる者達はそれぞれに決意や戦意を抱いている。
このままでは以津真天達がヤマタノオロチや愛宕太郎坊のいる方角――即ち、決戦の地に向かってしまう。
「いつまで、いつまで」
「いつ、まで、いつ、まで」
奇妙な鳥妖達は鳴き続けている。急に現れた者達の相手をすればいいのか、それとも無視して先に進むべきか、判断がつかないようだ。百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は敵を見据え、強く言い放つ。
「『いつまで?』と問うならば、『ここまで』と返しておこうか? 行き止まりではあるんだが」
運命は妖怪達を眼鏡の奥の瞳に映した。
彼に倣ってアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)と桜・姫恋(苺姫・g03043)も以津真天を見つめ、戦闘態勢を整える。身構えた二人は、敵を絶対に通さないという意志を抱いていた。
「わざわざ首魁に合流させる道理もありませんね」
「無駄に合流させてもこちらにいいことなんてないし、どのみち倒さなきゃいけないもの」
「ここで一切、葬っておきましょうか」
「そうよ、今倒すも後で倒すも一緒よね?」
アイネリスと姫恋は妖を見渡す。その数は相当なものだが、勝機は確実に掴めると誰もが信じていた。
何せこちらには頼もしい仲間がいる。
アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は笑みを浮かべ、共に戦う者達に信頼を抱いた。以津真天はおろおろしており、名実共に烏合の衆と呼べる。
「道を塞ぐだけで右往左往するとは意志薄弱な連中ですね。でもまぁ丁度いいので射撃練習の的になって貰います!」
「要はここで雑魚をひたすら倒せって事ね……」
リコル・バレスタイン(ブラックハウンド・g02114)は以津真天の鳴き声が重なっていく状況に肩を竦める。どうやら敵はディアボロス達に牙を剥く選択を取ったようだ。
「いいわ、雑魚狩りは専門分野よ」
「皆で襲って立て直す前にやっつける。単純で簡単なお仕事」
クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)も迎え撃つ姿勢を取り、アスナ・シュヴェーゲリン(藍血魔女・g07162)は敵戦力の分析をはじめた。
「成程、個々は大したことはないでしょう」
しかし、同時にアスナは厄介な敵だとも感じている。もしも妖怪達が群れを成してジェネラル級との決戦に大挙したとすれば、苦戦は必至。それだけは間違いない。
瀬島・大輝(怒りし地獄の閻魔・g06270)も同じことを感じており、必ず止めなければならないと考えていた。
「ちっ……、なんだか辛気臭ェ感じの鳥じゃねェか」
「ご先祖さんたちの世界をこれ以上荒らされちゃ困るって事で」
「あんなのがわんさか邪魔してきたらやってらんねェぞオイ」
「全力でやらないといけませんね。それに俺も日本人の端くれです。尽力させて貰いましょうか」
眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)も意気込みを見せ、迫り来る鳥妖を強く見つめた。
相手が実力のないものだとしても、数の暴力は危険だ。大輝も人鳥も、そしてクィト達も決して油断はしていない。以津真天もディアボロス達に鋭い眼差しを向けていた。
一触即発の雰囲気が満ちていく中で、宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)が明るく語る。
「裏方だって立派なお仕事! さあ、笑顔の舞台を始めましょう!」
ライラは腕を振り上げ、仲間に呼び掛けた。
どんな戦いであっても本気で挑むのみ。思いを同じ方向に向けた仲間達の瞳は、迫りくる敵群に向けられていた。
そして、以津真天達が攻撃範囲に入った瞬間。本格的な攻防が開始された。
まず動いたのはアスナと運命だ。
「魔女の名と血において奇跡を齎す。其れは偶然を必然に昇華する御業、遍く事象に宿る数理の理解は神託に等しい」
――藍血貴承・必然を物質化するは神託化する理解。
パラドクスを起動して高く飛翔したアスナは、戦場内に起きている事象を把握していく。彼女はそこから確率を逆算していき、偶然を引き寄せる力を有している。
その力によって必然を与えられた刃が迸り、以津真天の急所を抉っていった。
「アスナさんが戦況を把握しているなら、その援護と行こう」
運命は彼女の姿をしかと捉えながら、パラドクス通信による通信機能を巡らせていく。こちらの戦力は十分であり、これだけの人数がいるならば完全援護も可能だ。
通信と管制に力を入れると決めた運命はアスナの背を見つめた。その視線を感じたアスナは魔女のナイフに付着した妖怪の血を払い、軽く振り返る。
「このパラドクスは奇襲タイプに相性が良いんですよ、戦況を一瞬で把握できますからね」
「なるほど。さて、味方は空中戦と対空攻撃中。上下から立体的な挟み撃ちといった感じかな?」
「それがいいですね」
二人はこのまま味方に指示を出していくことにした。
敵群は常に固まっているわけではない。相手の統制が取れていないということは、各自が予測不可能なほどバラバラに動き始めているということだ。アスナと運命は頷きを交わし、敵に向かって駆けていく仲間に通信網を広げた。
「自力で飛翔できる方はそのまま空中戦を仕掛けてください」
「眉立さん、瀬島さん、宝心さん、アオイさんは遊撃をお願いするよ。もちろん飛んでもいいからね」
アスナは自らの力で飛べるアイネリスと姫恋、リコルとクィトに指示を出した。運命は残りの四名を遊撃隊とすればうまくことが回ると考え、通信を飛ばす。
仕草や視線で以て二人の言葉に応えた一同はそれぞれの攻撃に入っていった。
そうして此処から、激しい戦いが始まってゆく。
●飛翔乱舞
「それじゃあ我らは空から。やーるぞー。えい、おー」
「ええ、行きましょうか」
「どの相手も空中にいるし、飛んで戦った方が早いわね」
浮遊球形ガジェット『モナカ』に乗ったクィトが片腕を掲げ、姫恋が静かに微笑む。リコルはエニグマを翼の形状に変え、アイネリスは箒に乗り、四人はひといきに上空に昇った。
「――連なり、吹き荒べ」
残像を伴い、上昇と下降を織り交ぜて飛ぶアイネリスは風のようだ。高速機動で敵群を攪乱していく彼女が放ったのは瞬く青嵐。アイネリスは魔力を押し固め、無数の剣刃と槍刃を生成していく。
最高速で敵群へ接近していく彼女の隣に並んでいるのはリコルだ。
「ということで……舞い上がれ、天空の碧翼!」
ハルピュイアの力を強く巡らせたリコルは翼を生かした突進で妖怪に向かう。剣と槍刃の斬撃とエニグマの力は見事に標的を貫き、一度に二体の敵が地に落ちた。
其処へクィトによる攻撃が放たれていく。
射撃型モナカは華麗な動きで以て空中を舞う。敵を幻惑しながら放たれる連続射撃は容赦のないものだ
「とーべーとーべー、モナカー。みんなもがんばーれー」
クィトは少し引いた位置から黄金猫拳打棒を振るい、指揮を取るように射撃型モナカを操作する。味方の援護射撃となった連撃もまた、以津真天にダメージを与えていた。
しかし、相手からの反撃も行われている。
クィトは姫恋の頭上を取ろうとしていた相手を見極め、モナカの機銃で撃ち落としていった。慌てて羽撃くような音が以津真天の翼から聞こえたが、それもすぐに消える。
「ありがとう、助かったわ」
「んむ、上から来るのは我にお任せ」
姫恋はそっと礼を告げ、クィトは更なる射撃を命じていく。敵からは千本羽針も放たれており、姫恋に激しい攻撃が向かっていた。だが、姫恋はそれらを華麗に躱している。
「それじゃあお返しよ?」
姫恋が朧げな雪を降らせたことで以津真天の一部が魅了されていく。更なる上空へと飛翔した姫恋はパラドクスを巡らせ続け、敵の注意を引く役割を担った。こうして時間稼ぎをすれば、共に空を舞うリコル達のサポートにもなる。
「徐々に体力奪われる気分はどう?」
「……いつまで」
姫恋が問い掛けても敵は同じ鳴き声を紡ぐだけ。その声は苦しげだが、復讐者達は容赦する理由を持っていない。リコルは翼を生かした一撃離脱戦法を取り続け、敵の撹乱を続けていた。
「このまま一網打尽よ」
複数の衝撃波を弾幕として展開する攻撃は実に見事だ。
そして、リコルの攻撃によって隙が出来た個体を察したアイネリスは片端から敵を斬り穿ちに掛かる。
「風穴を開けていくとしましょう」
青嵐の波状攻撃と天空の碧翼が織り成す力が迸り、以津真天の何体かが地上に落下していった。その際、以津真天達は激しい鳴き声をある。
「いつまで、いつまで、いつまで!」
「いついつまでいつまでいつまで」
恨みが籠もったような声はおどろおどろしい。だが、誰ひとりとしてそんなもので怯んだりはしない。
クィトは首を横に振り、それには答えられないと語った。
「そんなに鳴いても我は知らない」
「鳥だからかしら、うるさいわね? 早く黙りなさい? まぁどのみちお前たちはここで散るのだけどね?」
姫恋は朧雪を舞い散らせ、辺りの敵を一掃していく。
最初は壁のようにも錯覚するほどの数だと思っていたが、周囲の以津真天の群は目に見えて少なくなっていた。
「鳥でギャーギャーうるさいのはカラスだけで結構よ、黙りなさい」
リコルも興味を示さず、落ちていくだけの妖を見下ろす。アイネリスは次に襲いかかってきた敵を斬り伏せながら、あの鳴き声を聞かないように努めた。
「あの声は……『死を招く』と仰々しいですが、所詮は煩いだけのか細い鳴き声です」
それゆえに耳など貸すことはない。
ただ己の勇気の導くまま、突破する勢いで翔けるアイネリスの箒は鋭い軌跡を描いていた。クィトは射撃を続けながら、まだまだ襲い来る敵を迎撃した。
「いつまで、いつまで」
「というか鳴き声も見た目もかわいくない。汝らも我のモナカを見習うべき。にゃー」
可愛らしいクィトの声が響いた刹那。
アイネリスと姫恋、リコルが放つ攻撃が一気に巻き起こった。そうして、其処からも彼女達の連携は続いていく。
●遊撃疾駆
飛翔組が飛び立った直後、遊撃役として声を掛けられた者達も同時に攻勢に入っていた。
いつまで、と響き続ける鳴き声は奇妙だ。それを一羽ずつがそれぞれに口にしているのだから煩くて堪らない。
「なんとまァ、不気味な鳥が居たもんだぜ……」
「あなた達は不幸せそうね。待ちくたびれてしまったの?」
「あの鳴き声には意味があるようで、ないのでしょうか」
人鳥は訝しげな顔をしており、ライラも首を傾げていた。アオイは矢を複数、一気に言霊で染め上げながら以津真天の声から意識を逸らした。しかし、どれだけ観察しても答えが出ないことも分かっている。
次の瞬間、一部の以津真天が千本羽の針を散らしてきた。
大輝は即座に閻魔の炎絶を巡らせ、激しい火炎を身に纏う。言葉も通じず意思も読み取れない。そのうえに攻撃的な敵に掛けてやれる情けなどなかった。
「とっとと撃ち落とすか。一気にやれそうな場所の指示くれや」
「そうですね、向かって右側の辺りに敵が密集しています」
大輝は振り回した腕から炎を放ちながらアスナへと通信を飛ばす。すぐにアスナから敵の層が厚い方向が示され、大輝は其方に向かって吶喊していく。彼に続いたアオイは飛翔の力を用いて高く飛ぶ。
「的は的らしくお願いしますね♪」
視界に入った電撃の矢で焼いていくアオイに合わせ、人鳥も近くの以津真天に狙いを定めた。
「流石の俺もこいつはノーサンキュー」
「鳥マニアの眉立さんもこの鳥はダメか」
其処に運命からの通信が入る。苦笑いをした人鳥は防弾マントを翻し、氷晶剣を敵に差し向けた。
「つーわけでバードウォッチングはおしまい、さっさと片付けようぜ」
己の身体を保護しつつ、振るった刃で針を可能な限りいなす。そのまま前進して攻めていく人鳥は、空で戦う仲間の位置取りを確かめていた。
地上と空中から敵を挟めるように立ち回る人鳥は剣を高く掲げる。刹那、数多の光槍が天空から降り注いだ。
同時にライラが紅色吐息を解き放つ。
「これからご覧頂くのは紅色の演目! 華麗に激しく、鮮烈に。炎と笑顔のカーニバルのはじまり!」
ライラの火吹き芸は瞬く間に周囲を紅く染め上げる。
口から火炎を吹き出しライラは笑顔を振り撒いていた。それと同時に、炎の中から人型の火粉のような炎の妖精達が召喚されていく。自身の炎と妖精達の攻撃で以津真天を穿ったライラは片目を瞑ってみせた。
「私はいつまでも待たせたりなんかしないわ。あなた達のハッピーエンドの為に、即断即決! 燃え上がれ!」
敵であれど、少しでも楽しく。
いつまで、と鳴く声に終わりを与えたいと願い、ライラは果敢に力を振るった。
刺し穿つ光槍と炎撃の連携は以津真天を地に伏せさせる。
大輝も仲間が巡らせていった飛翔効果に便乗していき、頭上の敵に迫った。飛び上がったことで炎が鋭い軌跡を描きながら激しく燃えあがる。
「完膚なきまでにブチのめす!」
気迫と共に繰り出された大輝の轟技は、言葉通りに以津真天を打ちのめしていた。
今回は援護も多く、大輝は良い意味で無理が出来ると感じている。多少ならば突っ込んでも不利になることはない。そのように信じられるほどに仲間達は頼もしかった。
「……いつまで、」
酷く掠れた声で以津真天が鳴き、大輝の精神を揺らがせようとしてくる。対する大輝は気合いと共に結界術を巡らせ、抵抗し続けた。されど完全なる防護は難しい。
「それなら……何もしねェよりマシだろ。――目にもの見せてやらぁっ!!」
大輝は大声を響かせ、直接的に鳴き声をかき消した。
彼らしい行動だと感じたアオイは小さく笑む。そして、アオイは自分達に飛びかかってくる相手を雷撃で穿った。
「躰が痺れたら落っこちますね、そしたら地上組にご案内♪」
「よし、あとは任せとけ」
その姿を捉えた人鳥は天魔の魔力を巡らせ、瀕死の妖に解き放った。そのまま近くの敵を巻き込むようにジャッジメントチェイサーを繰り出した人鳥は次々と敵を墜とす。
「いつ、まで……」
「まさに鴨打ですね、見た目は可愛くないですが! さぁ、不吉はぜんぶ私たちの幸運で突破してあげましょう♪」
「まだまだ、情熱的に演目は続くわ!」
力尽きた以津真天を見つめたアオイは皆に呼びかける。
頷いたライラは完全に千本羽針の軌道を看破していた。巨大パーティクラッカーから放った爆破の力は弱っていた敵を跳ね飛ばし、鳥妖の数を減らしていく。
そんな中、アオイは大輝の密かな動きに気付いていた。
彼は戦いが始まった直後からアオイをはじめとした年少者を守る形で立ち回っていたのだ。
「ありがとう!」
「とても戦いやすいです」
「身体張るのは鉄砲玉の仕事だ」
「それなら援護も俺達の役目だな」
ライラからも礼が告げられ、大輝は静かに視線を逸す。人鳥は仲間達のやり取りを見守りつつ攻撃を続けた。
戦場に迸る雷撃と炎撃、審判の刃。
それらは消えることなく、戦いの終わりを齎す確かな力となっていった。
●夜明けを目指して
たとえるならば飛翔連隊と遊撃部隊。
そのように語るに相応しい仲間達の活躍を見守り、運命は情報や指示を回していた。その際、運命はそれぞれの動きをひとつずつ確かめて感心している。
「瀬島さんと宝心さんは順調に焼き鳥を量産しているな。あれじゃ食欲は出ないが……」
炎が巡る様子を見つめる運命は、頭上に飛ぶアスナを見上げる。
飛翔の残留効果の累積は見事なものだ。
「アイネリスさんやリコルさんが偉い勢いで飛んでいくな。それにクィトさん、猫真似とは余裕だな」
「とても可愛らしいですね」
にゃー、という声が聞こえたことで運命とアスナは和んでいた。
その視線の先には猛攻撃を続ける別の仲間の姿も見える。アスナも自分達に向かってきた敵に狙いを定め、刃を振るって切り裂いた。そのおかげで運命は援護通信に専念できる。
「桜さんとアオイさんは、まあいつも通りか……。うん、どこも大丈夫そう。取りこぼしも出ないかな?」
見渡す戦場では様々な復讐者が戦っていた。
自然と自分達が担当することになった一帯は、間もなくすれば完全撃破の結末を迎えるだろう。情報を提供し続ける運命とアスナは仲間に信頼の眼差しを向けた。
ヨアケを目指す意思を宿す皆の思いは今、ひとつになっている。
「どこに飛んでいこうが、逃がしゃしねぇよ!」
「終わりにしましょう。葬送の時間です」
人鳥が刃を解き放てば、アイネリスの槍刃が追尾していく。ライラは仲間の攻撃に炎を重ね、妖達を見つめた。
「炎のカーニバル、そろそろ閉幕!」
「それじゃあ、お別れね?」
「恨みはないけど、これも仕事だから」
其処へ姫恋が降らせた雪が舞い、リコルの碧翼が鋭い一閃となって敵を貫く。この領域の決着は近い。更にはクィトが射撃を繰り出し、アオイが電流を迸らせた。
「またねはないから……さよなら」
「いつまでも、いつまでいつまで煩いですね。いつまでかは私たちが決めるし、あなたたちはいつまで経とうがご主人の下には辿り着けないんですよ!」
鳴き続ける以津真天が一羽、また一羽と墜ちていた。そして――。
「地獄に落ちる覚悟はできたか?」
大輝が天に向けた炎絶の焔が轟き、戦場を赤く染めてゆく。
湿原に吹き抜ける風が熱を宿す。広がっていく色彩はまるで復讐者が抱く怒りの如く、確かな終わりを導いていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV2が発生!
【飛翔】がLV5になった!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV3が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
エリル・ウィスタリア
【君影草】連携等歓迎よ。
この鳥、食べられないのよね?煩いから調理しようかと思ったのだけど。
足止め目的なら【地形の利用】して少しでも戦いやすい場所へ、目立ちやすい場所へ移動する。
翠がパラドクスで敵を引き寄せてくれるなら、私は少し物陰へ。
そうして最初の一体に【不意打ち】しましょうか。
その後はできうる限り派手に戦って1体でも多く引き付ける。
パラドクスも積極的に使って一体でも多く引き寄せられたらいいのだけど。
攻撃は弟に庇ってもらうし、避け切れないならそのまま貰う。
いつまで、いつまで、と鳴くけれど「いつまで」なんてなんてもう来ないのよ。
あなたたちはここで終わるんだから。
私たちが終わらせるんだもの。
五百雀・翠
【君影草】絡みと連携は歓迎。
不吉な鳴き声の鳥だな。いつまでなんてもう来やしねえよ。
戦場を移動するエリルについて行こう。
極力離れないように。
でも彼女の邪魔にならないように。
エリルの足が止まったら一発だけパラドクスを撃とう。
ここからは耐久戦かぁ。
俺、か弱い狐なんだけどなぁ。ま、エリルがいるなら大丈夫か。
エリルの死角から来る敵を牽制しつつ、出来る限りの足止めを。
わりと無茶する相棒が戦いやすいように、【風使い】と【砂使い】で目つぶししたりして牽制を。
ああ本当に耳障りだ。ちょっと凍ってて貰ってもいいか?
いつまでなんて待ってるだけで動かないヤツが一番嫌いなんだよ。
…まあ、俺にも刺さるし同族嫌悪なんだがな。
●神宿リの花森
いつまで、いつまで、いつまで。
奇妙な鳴き声は止むことはなく、大群の鳥妖達が翼を広げて迫ってくる。
「不吉な鳴き声の鳥だな」
「あの鳥、食べられないのよね? 煩いから調理しようかと思ったのだけど」
五百雀・翠(天つ風・g03977)とエリル・ウィスタリア(雪を待つ花・g00912)はそれぞれの思いを零し、近付いてくる以津真天の姿を見つめていた。
「いや、食べようと思える見た目か……?」
「怖い見た目の食材なんていくらでもあるわ」
「クロノヴェーダだし、やめとけ。それに――」
翠とエリルは声を潜め、敵軍を迎え撃つための場所に移動していく。その際に翠はそっと呟いた。
いつまでなんてもう来やしねえよ、と。
「何か言った?」
「別に何にも」
エリルが不思議そうな顔をしたが、翠の声は以津真天の鳴き声に掻き消されて聞こえなかったようだ。そうして、エリルは目立ちやすい場所に立つ。翠がパラドクスで敵を引き寄せてくれるといったので、エリル自身は物陰へ向かう。
湿原内にちょうど盛り上がった土があったので幸運だった。翠は彼女から極力離れないようについていき、その邪魔にならないようにある程度の距離を取った。
エリルの足が止まったと判断した翠は、以津真天に一発だけパラドクスを撃ちに掛かった。
――神宿リし森の守り人。
「さあさ積もり積もれ。それは神の眠る場所、安寧の地。踏み入れるものは何人たりとも許さない」
詠唱と共に静寂と安寧の力が巡り、近付く者に神罰を与えていく。
以津真天が翠の存在に気付いた瞬間、エリルもパラドクスを解放していった。
――神宿リし森に積もる花。
「それは冷たく優しい花。仲間を癒やし、敵を屠る冷たい冷たい花。さぁ、あなたはどちらかしら?」
エリルは自身の刀に氷を宿し、小規模な吹雪を巻き起こす。それは積もりて癒やしの風になるのか、氷の刃と化すのかは相手次第。即ち、此度の以津真天にとっては不意打ちの刃となる。
「いつまで! いつまで!」
「いつ、まで……!」
騒ぎはじめた以津真天が此方に向かってきた。
後はできうる限り、派手に戦っていけばいい。自分が一体でも多く引き付ければ、ヤマタノオロチの決戦地への援軍は少なくなっていく。エリルはからくり人形の弟を呼び寄せ、標的に狙いを定めた。
「さて、やっていくわよ」
「ここからは耐久戦かぁ。俺、か弱い狐なんだけどなぁ」
「弱音を吐かないの。翠だって強いでしょ?」
「ま、エリルがいるなら大丈夫か」
二人が狙われるとなると、必然的に周囲を囲まれることになる。背中合わせになったエリルと翠はパラドクスを巡らせていき、迫り来る妖怪を次々と貫いていく。
敵が放つ千本羽針が二人に迫ってきたが、エリルは弟に自分達を庇わせた。
雨のように降る羽は多く、避け切れないものもある。それでもエリルは敢えて受け止め、痛みを堪えた。
翠は頭部を狙ってくる相手に神罰を廻らせ、エリルの死角から来る敵を牽制していく。出来る限りの足止めを、と志すのは翠もエリルも同じ。
(「今も割と無茶する相棒だからなぁ……」)
言葉には出さず、行動でエリルを助けていく翠は風と砂を合わせた力を解き放った。巻き起こされた小さな吹雪を受けた妖怪は次々と地に伏し、戦う力を失う。
その間も以津真天達はずっと鳴き続けていた。煩い声に対して頭を振ったエリルは凛と言い放つ。
「いつまで、いつまで、と鳴くけれど。『いつまで』なんてもう来ないのよ」
「ああ、本当に耳障りだ。ちょっと凍ってて貰ってもいいか?」
冷たき腕に抱かれ永久に眠れ。
翠が一気に攻勢に入ったことに続き、エリルも氷の力を齎していく。
「だって、あなたたちはここで終わるんだから。そう――私たちが終わらせるんだもの」
エリルと翠の一閃は迫りくる鳥妖を穿った。
多くの敵が地に落ちて命を失っていく中、翠は微かな溜息をついた。
いつまで。
そんなことを言って待っているだけ。自分から動かない相手が一番嫌いなのだと零した翠は、僅かに俯く。
「……まあ、俺にも刺さるし同族嫌悪なんだがな」
その言葉は彼だけにしか聞こえないほどのものだった。すると、エリルがはっとして顔を上げた。聞かれてしまったかと翠は思ったが、どうやら彼女は新たな敵を発見したらしい。
「行きましょう、翠」
「まだもう少し戦わないといけないみたいだな」
二人は視線を交わし、鳴き続ける鳥妖の方へ駆けていく。
いつまで、いつまで。いつまでも。そんなものはないのだと断じて、終焉を与えに行くために――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV6になった!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
坂登・悠日理
惺音g03409と
いつまでいつまでって
うるさい鳥だなぁ
放っておくなって淋しがり屋か
心配しなくても放っておかないし
な惺音
相手してやろうぜ
飛んで来るなら迎撃してやるぜ
レオ背中は任せた
よく動き観察し槍で攻撃したり
飛び込んでくる勢いも利用してハンマーで思いっ切り強打
叩き落して一体ずつ倒す
届かない時は目や口の中等弱そうな部分狙って投擲
惺音の動きやその時の敵の反応を観察して覚えとこ
レオも次からそこ狙えよ?
お前らこそいつまでもこんなところにいていいのか?
そもそも
行かせてやんないんだけど
言葉と共に一撃離脱で槍で突いて挑発してみたり
纏めて薙ぎ払ったりしつつ引き付けて避雷針
惺音トドメよろしく
ちょっとは片付いたか?
森瀧・惺音
ゆぅ君g04140と
指示が無いと動けないみたい?
…数が多いとそうなるのかな
いつまで、が待ちぼうけの状況と妙に合ってるけど
うん、彼らも私達の排除って指示されるだろうし
光刃天駆で光の槍を手に
いつ羽根が飛んで来るか分からないから
地でも空でも駆け抜けながら切り伏せていくね
空や距離のある相手は光の短剣を撃ち出すよ
空の相手はまず羽根の根元を狙って飛行と攻撃の妨害しつつ
一撃でも倒せそうなら口やそのすぐ下などの
急所になりそうな所を狙おう
羽根が降り注ぐのは
走るのと同時に低空飛翔で翔け抜けるし
可能なら
よく観察して槍で切り払う様にしよう
ゆぅ君の撃ち漏らしは
私への注意が逸れている内に仕留めておくね
うん、一旦下がろうか
●目指す先
「いつまでいつまでってうるさい鳥だなぁ」
坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)が見据えた先には、文字通りの烏合の衆と化した妖怪達が飛んでいた。
大群のトループス級クロノヴェーダ達。それらを見渡した森瀧・惺音(眠れる森の魔女・g03409)は、彼らが戸惑い続けていることを感じ取っていた。
「指示が無いと動けないみたい? ……数が多いとそうなるのかな」
自分達はどうすればいいのか。
何処へ行き、どのように動けば良いのか。疑問を問いかけるように、いつまで、と鳴き声をあげるもの達。相手は此方のことに気付いたらしく、更に激しい声を響かせはじめた。
「放っておくなって、淋しがり屋か」
「いつまで、が待ちぼうけの状況と妙に合ってるけど……」
「まぁ心配しなくても放っておかないし。な、惺音」
「うん、もし指揮官がいても、彼らも私達の排除の指示をされるだろうし」
「望むところだ、相手してやろうぜ」
悠日理と惺音は身構え、飛翔する以津真天にしかと目を向けた。
飛んで来るなら迎撃してやるのみ。
「レオ、背中は任せた」
「ユキミ、レオと一緒にいてね」
メーラーデーモンとモーラット・コミュに願った悠日理と惺音は敵の動きを見据える。惺音は魔力の翼を広げて飛び立ち、天を駆けていく。光の槍を手にした彼女は地上の悠日理に合図を送った。
次の瞬間、惺音と悠日理――即ち、天と地から同時に鋭い一閃が迸っていった。
槍の一撃は見事に標的を貫き、一体目の敵が地に落ちる。
すると別の個体が悠日理に飛び掛かってきた。此方に向かってくる動きを察知した彼は、敵の勢いを利用すること思いついた。構えたハンマーをぶつければ、敵自らが強打されにくるという状況になった。
「この調子で叩き落としてやる」
一体ずつ倒していけば着実に敵の数は減らせる。
悠日理の様子を確かめた惺音は、近付いてきた敵にも意識を巡らせた。
「いつまで、いつまで、いつまで」
「……こっちに来る、かな」
刹那、千本羽の針が鋭く降り注ぐ。危機を察した地面すれすれまで低空飛翔していき、既の所で攻撃を受け流す。その反撃として放った槍撃は敵を貫いた。
空でも地でも、駆け抜けながら切り伏せていく。そんな彼女に合わせ、悠日理も投擲による攻勢に入った。
「レオ、同じところを狙えよ?」
悠日理は敵の目と口を狙い、メーラーデーモンに呼びかける。鋭く投げ放たれた一撃は弧を描いていく。悠日理は惺音の動きを邪魔しないように、敵の反応や鳴き声を観察して覚えていった。
「ゆぅ君達も頑張ってるね。……私も、もっと」
惺音は遠くから翔けてきた相手に目を向け、距離をはかる。次に手の中に紡いだ光の短剣。その切っ先を標的に差し向けた惺音はひといきに刃を撃ち出した。
狙うは羽根の根元。相手の飛行と攻撃を妨害することで、悠日理への攻撃被害も減らせるはず。
惺音は一撃で倒せる敵とそうではない敵を見極めながらも、的確に急所を狙った。二人の攻勢と連携は実に見事なもので、ユキミとレオもやる気に満ちている。
戦いが巡る中、悠日理はいつまでと鳴き続ける以津真天達に問いかけてみた。
「お前らこそいつまでもこんなところにいていいのか?」
「……いつまで」
「答えられないか。そもそも、俺達が行かせてやんないんだけど」
悠日理は言葉と共に一撃離脱の一閃を叩き込んだ。槍で突いて挑発すると同時に、近付いてきた相手を纏めて薙ぎ払う。そして、其処へ轟かせたのは避雷針の力。
「惺音、トドメよろしく」
「任せて」
短い言葉のやりとりだけで全てを理解しあった二人は、それぞれの力を強く巡らせた。
降り注ぐ羽根を跳ね除け、惺音は槍で敵を切り払う。撃ち漏らしがないよう、自分達に注意が向いている敵を確実に葬っていく二人は果敢に戦い続けた。
そして、辺りの騒がしさが収まってきた頃。
「ちょっとは片付いたか?」
「二人で、結構な数を倒せたみたい、だね」
悠日理が周囲を見渡し、惺音がこくりと頷いてみせる。そのときに悠日理が気付いたのは惺音の息があがりかけているということ。本人は隠しているようだが、随分と懸命だったのでそうなるのも当たり前だ。
「欲張り過ぎてもこっちが不利になるだけか。後は任せても問題ないだろ」
「うん、一旦下がろうか」
悠日理の言葉に自分への気遣いがあると悟り、惺音は静かに笑む。彼が語った通り、他の仲間が残った鳥妖の群れを倒してくれそうだ。行こう、と語って駆け出した惺音の隣に悠日理が並ぶ。
二人が見据えた景色の向こう側。遥かな先には、きっと――勝利という結末が待っているはず。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】がLV7になった!
効果2【グロリアス】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
咲樂・祇伐
🌸樂祇
◎
いつまで、いつまで──斯様な苦しみを重ね積み上げ続けるのでしょう
此度の厄も然と祓わねば
お兄様のぴぃころちゃんの方が断然可愛いですよ?
はい!お兄様…私達にできる最善を尽くしましょう
…私だってお兄様を守りますゆえ
多いですが私達ならば
お兄様は私が支えます
桜蜜ノ夢幻
現の夢──蠱惑し惑わす桜吹雪を巡らせ
とろり、酩酊の如き蠱惑で惑わせ捕縛して
お兄様の刃が届くよう撃ち落とします
耳障りな聲は浄化の光桜で汚染を祓い
近寄るものには精神掻き乱す閃光を
翼凍らせ邪を浄化し
連なるよう魔法を放っていく
!!
…ありがとう、お兄様
私は大丈夫です
あなたがいてくれるから
こんなにも心強いもの
私も少しは強くなったって示したいの
咲樂・神樂
⚰️樂祇
◎
いつまでと嘆き憤ることがあるの?
人の畏怖は力になるのやも
気味の悪い姿…私のことり達の方が可愛らしかった
祇伐、ぴぃころも喜んでるわ
世の為と力を奮うのも一興
妖怪退治といきましょう
気をつけて、祇伐
祇伐はあたしが守るけど
ひ、ふ、み、や…数が多い
祇伐が惑わせた個体から確実に仕留めていこう
美しい幻桜の戦場はあなた達には勿体ないほど美しい
衝撃波放ち斬り捨てそのまま次の個体へ
させない!
張り巡らせた結界で祇伐を攻撃から守り
撹乱する夢幻の桜花を助けに光学迷彩を纏い斬りこみ薙ぎ払うように放つ
絶華・虚栄桜禍
存在を呪う呪詛を宿す斬撃で両断する
祇伐が居てくれるからこそ戦える
全部倒したら
きっとあなたは笑ってくれる
●夢幻の絲
――いつまで、いつまで。
そのときはきっと何時迄だって訪れない。響く鳴き声は苦しげで、混乱した様子が感じ取れる。
「斯様な苦しみを重ね積み上げ続けるのでしょう」
「いつまでと嘆き憤ることがあるの?」
咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)は以津真天達を見上げた。その奇妙な姿はまさに厄災の如く。咲樂・神樂(離一匁・g03059)も眸を細め、禍々しい鳥妖を見据える。
人の畏怖は力になるのやもしれない。神樂が得物を構えると、祇伐が凛とした声を紡ぐ。
「此度の厄も然と祓わねば」
「そうね。それにしても気味の悪い姿……。私のことり達の方が可愛らしかったわ」
「もちろん、お兄様のぴぃころちゃんの方が断然可愛いですよ?」
「ふふ。ありがとう祇伐、ぴぃころも喜んでいるわ」
笑みを交わした二人は互いへの信頼を抱き、迫り来る敵に意識を向けた。以津真天は気が立っているらしく、鋭い敵意を此方に差し向けている。
「世の為と力を奮うのも一興ね。妖怪退治といきましょう」
「はい! お兄様……私達にできる最善を尽くしましょう」
相手との距離をはかりながら、神樂と祇伐は力を溜めていく。下手に打って出ては囲まれるとわかっている以上、攻撃の機はよく考えなくてはならない。攻め込むならば、飛翔してくる以津真天をぎりぎりまで引き付けてからがいい。
「ひ、ふ、み、や……数が多いわ、気をつけて。祇伐はあたしが守るけど」
「私だってお兄様を守りますゆえ」
神樂からの呼び掛けに対して、祇伐は強い意気込みを見せた。
二人が頷きを重ねた、一瞬後。
――桜蜜ノ夢幻。
「多いですが、私達ならば! 守る以上に、お兄様は私が支えます!」
祇伐がパラドクスを発動していけば、蠱惑の桜が舞い踊りはじめる。禍津の竜眼が囚えるは蜜獄の籠。其処に映したものを魅了していく力は以津真天の動きを惑わせた。
幻惑の桜嵐が広がる中、神樂が素早く敵との距離を詰める。地を蹴り、跳躍した彼は桜吹雪を纏うように駆けた。
「美しい幻桜の戦場はあなた達には勿体ないほど」
美しき現の夢が敵を蠱惑していけば、神樂の振るった刃から衝撃波が迸る。
とろりと蕩ける、酩酊の如き蠱惑はまるで敵を捕縛しているかのよう。兄の刃が届くよう、しかと敵を撃ち落とすのが祇伐の此度の役目。こころを蕩かす甘やかな夢幻の厄災は禍鳥を桜の檻に閉じ込めていく。
「……祇伐の桜は、やはり綺麗ね」
神樂は周囲を舞う桜嵐を見つめ、ちいさな呟きを落とした。
一体目を斬り捨てた彼はすぐに別の個体に目を向け、さらなる斬撃を放っていく。
戦場に響く死を招く声は、此方の精神を汚濁しかねないものだ。されど、その耳障りな声は祇伐が防いでいく。浄化の光桜で汚染を祓うようにして、祇伐は力を振るい続ける。
兄に近寄るものには精神を掻き乱す閃光を巡らせ、翼を凍らせて敵の動きを阻む。
連なるよう魔法を放っていく祇伐の援護は頼もしい。
されど、以津真天にとって彼女は厄介な相手に映っているようだ。針のように鋭く尖った羽が空中に散らばったかと思うと、雨の如く降り注いできた。
「――!!」
咄嗟のことに祇伐は動けないでいる。
そのことに気が付いた神樂は疾く駆け、祇伐の前に回り込んだ。
「させない!」
即座に張り巡らせた結界で針を防いだ神樂。その眸には昏い色が宿っているように見えた。だが、その眼差しを見たのは死した以津真天のみ。
夢幻の桜花を助けにして、神樂は反撃に移った。斬り込む一閃は鋭く、薙ぎ払われた敵が地に伏す。
黄泉を思わせる絶華の剣閃は、虚栄の桜禍となって鳥妖を包み込んだ。
「……ありがとう、お兄様」
「いいのよ、平気だった? どこも怪我はしていない?」
神樂は相手の存在を呪う呪詛を巡らせながら、新たに接近してきた妖怪を両断する。心配の声を聞いた祇伐は穏やかに微笑み、お兄様のおかげで何ともなかったと答えた。
「私は大丈夫です」
――あなたがいてくれるから、こんなにも心強い。
祇伐がそう思っているように、神樂もまた、彼女が居てくれるからこそ戦えると感じている。
「お兄様、まだ敵が来ています」
「ええ、全部絶ち斬ってやるわ」
隣同士に、互いを守るように立つ二人は思いを強めた。
翼を広げた以津真天の猛攻はまだ暫し続いていくだろう。それでも、祇伐も神樂も勝機を感じ取っていた。このまま押し続ければ殲滅だって可能だ。
(「私も少しは強くなったって示したいの。だってお兄様を――」)
(「全て倒したら、きっとあなたは笑ってくれる。桜みたいに咲く、あの笑顔を――」)
――守りたい。
祇伐と神樂が心に秘めた思いは同じ。
ふたつの想いは強い。たとえ何かが歪んでいたとしても、抱く想いだけは何処までも真っ直ぐだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【ダブル】がLV2になった!
レイ・シャルダン
穂垂ちゃん(g00006)と一緒に参加です。
チーム外連携・アドリブ歓迎です。
『以津真天』…。
日本古来からの妖怪の類とは思いますが…。
穂垂ちゃんはこう言う存在しっています?
敵は空中を飛翔している。
もっと戦いやすく、地に堕ちてもらいましょうか。
私もフライトデバイスを点火して"飛翔"敵に"空中戦"を仕掛けます
指から発する魔法の糸を絡ませて超重力の網を形成し、
以津真天の上空から地へと落とす様に放ちます。
縛り上げ、封殺し、自由を与えません!
後は、穂垂ちゃんがやってくれるでしょう!
敵の攻撃は空中機動によって回避行動を、
捌き切れない攻撃はこの煌めく超常遮断の結界『アルヴァーレ』により防御します。
火撫・穂垂
レイ(g00999)と
んー、良く、わからない、けど。
消え行く火を求め、弄ぶ、悪意の塊。
そんな感じ、する。
……うん、これらは、悪しきもの。
より多くの火を守るために、消さなきゃいけない火。
……ん、レイ、落としてくれるの?
うん、うん。わかった、じゃあ、あとはボクが。
責任もって、焼き祓うね。
八咫烏、抜刀。
レイが捉え、地に墜ちた悪意たち。
傷つけようと放つ羽根たちも、みんな纏めて。
この禊火の一刀を以て、裁つ。
命の火は、いつか消えるもの。
だけど、いつまで燃えるかは、それぞれが決めるべき。
……問うばかりのキミたちに、委ねるわけにはいかないよ。
●炎が燃える処
いつまで、いつまでと鳴くゆえに『以津真天』。
奇妙な鳥の姿をした妖怪達の大群が湿原を翔けようとしている。
その姿を捉えたレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は、近付いてくる群れに狙いを定めていく。
「日本古来の妖怪の類とは思いますが……穂垂ちゃんはこう言う存在しっています?」
レイは隣に立つ火撫・穂垂(奉火・g00006)に軽く視線を向け、かの妖怪達について訪ねてみた。レイに眼差しを返した穂垂は、そっと首を傾げながら答える。
「んー、良く、わからない、けど。消え行く火を求め、弄ぶ、悪意の塊」
そんな感じがすると話した穂垂もまた、戦いの準備を整えていた。飛翔してくる敵は間もなく自分達に気付き、混乱のままに攻撃を仕掛けてくるはず。
レイは物の怪達を見据え、空中を飛ぶ相手への策を練っていた。
攻撃の機を見極めているレイはフライトデバイスを点火しながら、穂垂に呼びかける。
「穂垂ちゃん、準備はいいですか?」
「……うん」
「それでは、行きましょう!」
「あれは、悪しきもの。より多くの火を守るために、消さなきゃいけない火」
頷いた穂垂は、物事を火にたとえるいつもの物言いで答えた。その言葉は実に頼もしく感じられ、レイの心にも静かな闘志という名の炎が宿っていった。
そして、敵が接近してくる。相手の数はやはり多いが、作戦は至極単純。
「もっと戦いやすく、地に堕ちてもらいましょうか」
「……ん、レイ、落としてくれるの?」
「そうすれば穂垂ちゃんも戦いやすいでしょうから」
「うん、うん。わかった、じゃあ、あとはボクが――」
レイは敢えて穂垂の言を俟たず、一気に飛翔した。敵に空中戦を仕掛けていく彼女の背を見送りながら、穂垂も強く身構えた。刹那、レイが指から発する魔法の糸が以津真天に絡みつく。
そのまま超重力の網を形成したレイは、以津真天の上空に回り込んだ。糸が廻り、悲鳴めいた声を上げた敵の身が瞬く間に地へと落とされていく。
以津真天の姿を見据えた穂垂は、先程の言葉の続きを紡いだ。
「責任もって、焼き祓うね」
宿星刀、八咫烏が抜刀される。レイが捉えて地に墜とした悪意の鳥妖を斬り伏せるために。
禊火の名を冠する、星の火を宿したと言われる魔剣が振るわれる。その一振りは名の通りに灼熱を纏い、劫火と熱波を伴う斬撃となって敵陣を焼き払っていった。
軽々しく振るわれる刃ではないが、此度の戦いには理由がある。
この軍勢を決してヤマタノオロチ達の元に行かせないこと。あれら完全に止めるためには全力を尽くすことが必須。
「さすがは穂垂ちゃんですね」
「気を付けて……また、来る」
レイからの言葉を受け、穂垂は少し先に目を向けた。
翼を広げた以津真天達はレイと穂垂に向け、先端が針のように鋭く尖った羽を降らせてきた。
穂垂は攻撃範囲から素早く抜け出し、一気に駆ける。同じく回避行動に移ったレイは再び魔力の網を紡ぎあげ、敵の翼を縛り上げていった。
狙うは封殺。これ以降は一切の自由を与えない。それほどの勢いでレイはパラドクスを巡らせ続けた。両手指から放つ魔力で以津真天を絡め取ったレイは、先程と同様に敵を地に墜とす。
「こうして、こうすれば……後は穂垂ちゃんがやってくれるでしょう!」
「ん、任せて」
火撫織の裾が翻る勢いで敵を迎え撃った穂垂は再び降り注いだ羽根に狙いを定めた。どうやら敵は落下しながら反撃しているらしいが、穂垂にはそんなことは関係ない。
レイも敵の攻撃を空中機動によって躱し、捌き切れないと感じたものは煌めく超常遮断の結界で受けた。アルヴァーレによる防御はうまく巡っている。
地上の穂垂も羽根を切り払い、以津真天達を纏めて穿ちに掛かった。
「この禊火の一刀を以て、裁つ」
――我が身、天道に代わりて不浄を焼くもの也。
禊火の力が巻き起こす熱波は妖怪達を完全に沈黙させた。レイ達に向かってきていた敵にはもう戦う力は残っていないようだ。いつまで、いつまで、と掠れた声で鳴いた以津真天達を見下ろした穂垂は静かな声を堕とす。
「命の火は、いつか消えるもの。だけど……」
「ええ、逃れられない終わりは必ずあります」
穂垂に続き、レイも鳥妖達への思いを声にした。周囲でも次々と敵が落とされている。この一帯に現れた妖怪達が完全に殲滅されるのも時間の問題だ。
「いつまで燃えるかは、それぞれが決めるべき」
「その通りです」
「……問うばかりのキミたちに、委ねるわけにはいかないよ」
穂垂達は消えゆく命の火を見送った。
いつまで。
何処まで戦い続ければ良いのか。
その問いかけの答えは、今はまだ誰も持ち合わせてはいない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV8になった!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【先行率アップ】がLV2になった!
赤上・イズル
■アドリブ・絡み歓迎
以津真天…所説はいろいろありますが
戦で命を落とした者の魂が供養されず野ざらしになっている事を
『いつまで…』と嘆き妖怪となった…と聞き及んでおりましたが…
この世界の彼らは違ったようですね
と空を舞う以津真天らを眺めつつ傍らのモーラットのマリコさんに話しかける
ならば遠慮はいりませんね
行きましょうマリコさん。以津真天を蹴散らにし
地面を蹴り跳躍しパラドクス効果にて【飛翔】
辺りを『観察』し敵の位置などを把握
『誘導弾』を用いて数匹群れから誘き出し誘導弾に気を取られている隙に抜刀
そしてパラドクス【緋天】での『一撃離脱』の攻撃を浴びせる
いつまで…、ですか…
いいえ、あなた方はここで終わりです!
ガーデニア・ラディーチェ
・アドリブ、連携◎
……目障りな鳥ね
鳥頭で烏合の衆とか、救いようがないじゃないの
ロズも美しくないのは好きじゃないでしょう?
姦しく騒がれても耳障りだし、各個撃破を狙うわ
標的に定めた個体へ薔薇の華嵐の【連射】で、視界を奪う【撹乱】をすると同時に、注目をこちらに
声は騒がしいし、華嵐もあるけれど
視えるものだけを信じれば良いのよ【完全視界】
対象の動きを【観察】して
十分に誘き寄せられたら、ロズとの【連撃】で一気に攻めるわ
わたし、騒ぐだけで自分からは何もしないヤツらが一番嫌いなの。不愉快だわ
醜く鳴くしか出来ないなら、せめて最期は美しい断末魔を響かせてちょうだい
【呪詛】を籠めて、盛大に【ふきとばし】てやるわ
三苫・麻緒
いつまで?いつまで鳴いていればいいってこと?
それなら終わりはもうすぐだね
だって、ここで私たちが倒しちゃうからね
消耗した個体から狙って確実に数を減らしていこうかな
鳥だから飛んでそうだけど、さらにその上から地上に向かって氷柱を落とす形で攻撃したいね
可能なら胴のど真ん中か翼の根本あたりに照準を合わせるよ
仕留めきれなくてもそのまま地面に縫い付けておけば、簡単には動けないはずだから敵の戦力ダウンにはつながるかな
敵の動きに対応できるよう≪誘導弾≫の効果もつけておくよ
頭を狙ってくるのがわかってるなら最初から警戒しておくね
事前にナイフを引き抜いておいて、狙われたらそれで防御しつつ攻撃から抜け出したいな
●華と氷と緋色の手向け
翼を広げ、けたたましく鳴く鳥妖達の群れ。
耳障りで煩いとしか言いようのない鳴き声を聞きながら、復讐者達はそれぞれに身構えた。
「いつまで? いつまで鳴いていればいいってこと?」
三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)は不思議そうに首を傾げ、上空を舞う敵を見つめる。赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)も鳥妖達を見据え、その奇妙な姿を確かめた。
「以津真天……所説はいろいろありますが――」
元は戦で命を落とした者の魂。彼らが供養されず野ざらしになっていることをいつまでと嘆いており、妖怪となったと聞き及んでいた。だが、此処は改竄世界。
この歴史の彼らは違った存在なのかもしれない。そう考えたイズルは迫りくる敵を瞳に捉える。あの以津真天は死の気配が濃い場所に現れ、禍々しい鳴き声を発するものとして存在しているらしい。
いつまで、と鳴く理由も色々なののだろうと感じた麻緒は、なるほどね、と言葉にした。
「それなら終わりはもうすぐだね。だって、ここで私たちが倒しちゃうからね」
ね、と麻緒は隣の少女に呼びかける。
ガーデニア・ラディーチェ(クチナシの花護り・g03839)は麻緒に頷き、その通りだと答えた。その間も以津真天は激しく鳴き、復讐者達に敵意を向けている。混乱の最中にあっても此方が敵だということは分かっているらしい。
「……目障りな鳥ね」
ガーデニアは頭を横に振り、守護人形のロズリエルの手を引いた。
「鳥頭で烏合の衆とか、救いようがないじゃないの。ロズも美しくないのは好きじゃないでしょう?」
自律型人形は静かに首を縦に振る。
確かに誰がどう見ても以津真天達は美しいものではない。死を呼ぶという聲に災いを起こす力。それらは世界に仇なすものと称してもいい。現に今、彼らは復讐者とヤマタノオロチ軍との決戦地に向かおうとしている。
イズルは敵との距離をはかりつつ、傍らのモーラット・コミュのマリコさんに声を掛けた。
「遠慮はいりませんね。行きましょう、マリコさん」
以津真天を蹴散らしに。
地を蹴ったイズルが天に飛び立った刹那、激しい戦いが幕あけた。
高く飛んだ仲間の姿を見送り、麻緒は周囲の敵をぐるりと見渡す。敵の数はかなりのものだ。他の復讐者が戦っている場所から逃れてきている個体もおり、どうせ狙うならばそちらがいいと判断できた。
「空の方はお任せ! こっちは確実に数を減らしていこうか」
「そうね、姦しく騒がれても耳障りだわ」
麻緒に続き、ガーデニアも戦闘方針を決める。
即ち各個撃破。
飛翔する以津真天の更に上を見据えた麻緒は凍てつく杭を生成していく。敵の頭上から地上に向かって氷柱を落としていく狙いだ。貫くのは相手の胴のど真ん中。或いは翼の根本あたりに照準を合わせればいい。
次の瞬間、飛んでいた以津真天から鋭い悲鳴があがった。
「……仕留めた!」
そのまま地に落ちていく敵を見遣った後、麻緒は次の標的を探す。
この勢いで氷柱を放っていけば撃破し続けることが可能なはず。もし仕留めきれなくとも地面に縫い付けておけば、簡単には動けない。抜け出してくるにしても対応の余裕が取れる。
麻緒は敵のどんな動きに対応できるように氷柱に誘導弾の力を巡らせていった。
同様にガーデニアも標的に定めた個体に向け、薔薇の華嵐を迸らせている。相手が体勢を整える隙も与えない連射で以て、ひといきに視界を奪えばこちらのもの。
以津真天達を撹乱していくガーデニアは、敢えて自分へと注目を集めていた。そうした理由は遥か高くに飛翔しているイズルの動きを敵に悟らせないためだ。
「声は騒がしいし、華嵐もあるけれど――」
自分は視えるものだけを信じていればいい。ガーデニアには完全視界の力がある。狙う対象の動きをしっかりと観察していったガーデニアには、一瞬の好機が視えた。
相手が十分に誘き寄せられてきたと察したガーデニアは、ロズリエルと共に一気に攻め込んだ。
「わたし、騒ぐだけで自分からは何もしないヤツらが一番嫌いなの。不愉快だわ」
そうでしょう、と問う前にロズリエルが魔銃を撃ち放つ。それが同意と同義になると感じていたガーデニアは大鎌を振り上げた。其処から刃が下ろされた刹那。
華嵐は呪詛の葬送となり、周囲の敵を盛大に吹き飛ばしていった。
されど、まだまだ敵の数は多い。
イズルはマリコさんと共に辺りをくまなく観察し続けており、敵の位置や動きなどを完全に把握していた。
そして、これまでは敵の頭上から放った誘導弾を用い、数羽の群れから一羽だけを誘き出すという行動を続けていた。相手が誘導弾に気を取られている隙に抜刀したイズルは、其処からパラドクスを発動させる。
――九字切流二刀式奥義・緋天。
摩利支天の加護を受けた二刀流の一閃は、飛翔の速度を乗せた鋭い斬撃となる。渾身の技はたった一撃で以津真天を地に落とす威力を持っていた。
このように自由に動けているのも地上から攻撃を続けている仲間がいるからこそ。
マリコさんもイズルの見事な一撃に感心している。
一撃離脱の動きで更に高く飛び上がったイズルは、炎のように燃え上がらせた魔力の翼を大きく広げた。
空が緋色に染まったことを合図に、麻緒とガーデニアも辺りの敵の止めを刺しに掛かる。途中、死を招く声が何度も聞こえてきていたが、皆が心を強く持って対抗した。
麻緒も頭部からの攻撃に備えていたため、ひらりと躱して事なきを得る。
ナイフを引き抜いた麻緒は以津真天を切り裂き、天から一気に氷柱を降り注がせた。そのとき、いつまで、と鳥妖がちいさく鳴く。何だかその声は哀しげに思えた。
「もういつまでも鳴かなくて……ううん、泣かなくていいよ!」
麻緒は強い思いを込め、目の前の以津真天を真っ直ぐに貫く。ガーデニアもロズリエルと共に新たな薔薇の華嵐を巻き起こし、更なる敵を地に伏せさせていった。
「醜く鳴くしか出来ないなら、せめて最期は美しい断末魔を響かせてちょうだい」
ガーデニアの声が響いた直後。
此方に向かってきていた群の、最後の一羽にあたる個体が弱々しく鳴いた。
「いつ、いつ、まで……」
「何時まで、ですか。いいえ、あなた方はここで終わりです!」
その声を真正面から受け止めたイズルは緋天の刃を振るいあげる。その瞬間、辺りの空が再び緋色に染まった。
地に落下していく鳥妖はそれ以上の断末魔は残さずに死を迎える。
しかし、誰もがこれでいいと思っていた。
何故なら――もう二度と、いつまでも待ち続けなくともよくなったのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV9になった!
【完全視界】LV1が発生!
【冷気の支配者】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV4になった!
如月・莉緒
総二さん(g06384)と
分かっちゃいたけど凄い数だね…
ま、援護の為だし、戦い続けて見せようか
見た目?あー…まぁここまで妖怪じみてると逆に平気かも
総二さんと【臨機応変】に連携しながら、最後まで戦い続ける気持ちで
倒してしまえば【グロリアス】での回復も見込めるし、長期戦は覚悟の上
【高速詠唱】で【雪片】を唱え、以津真天たちを黄泉の世界へと送ろうか
その後も【連続魔法】と【全力魔法】で戦う
魔力が無くなれば、間を詰めて仕込み刀からの【斬撃】を【連撃】で叩き込む
もういつまで、じゃない。ここまで、だよ
もう囀らなくなった骸へそう言葉を残して
神刀・総二
莉緒(g04388)と同伴
空を飛ぶ敵は苦手なんだが……それでも援護の為だ仕方ない
あれだけの数が、いつまでいつまで言うと流石に煩いな
まあしっかり抑えて増援へ行かせないようだけはしないとな
しかし……莉緒があまり得意じゃなさそうな見た目だが……
ここまで妖怪してると逆に平気なのか、なるほど。
莉緒と連携を意識しながら【戦闘知識】を駆使しつつ
空中を【飛翔】、【エアライド】で駆けながら
飛び回る敵を【天翔風神閃】で遠近織り交ぜて攻撃
莉緒が接近戦に移ったら極力近くで共闘して負担を減らそうか
【グロリアス】の効果もあるからな倒せるだけ倒すとするか
もういつまでと鳴く必要もなくなるな、いままでお疲れさまだ
●風雪と共に散る
湿原地帯を飛ぶ鳥妖の数は相当なものだった。
与えられた名の通りに、いつまで、いつまで、と鳴き続ける以津真天は統率が取れていない。騒がしく鳴くだけの烏合の衆ではあるが、その数は恐るべき脅威にもなりうる。
「分かっちゃいたけど凄い数だね……」
如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)は戦場となる湿原を見渡し、他の仲間や敵の群れの動きを見極めていく。その隣では神刀・総二(闘神・g06384)が以津真天との距離をはかっていた。彼の顔は浮かない様子。その理由は、相手が飛翔を常とする妖であるからだ。
「空を飛ぶ敵は苦手なんだが……それでも援護の為だ仕方ない」
「ま、援護の為だし、戦い続けて見せようか」
「あれだけの数が、いつまでいつまで言うと流石に煩いな」
「でも、他の皆が撃破に向かってるよ。私達はこっちに来る相手を倒せば良さそうだね」
「まあしっかり抑えて増援へ行かせないようだけはしないとな」
二人はその場に佇み続け、自分達に敵意を向けてくる相手だけに攻撃を仕掛けることを決めた。既に多くの復讐者がそれぞれにこれと決めた領域を担当しており、激しい攻防が巡っている。
彼らは戦闘態勢を整えた。
その際、総二は奇妙な外見をした以津真天を示す。此方に飛んでくる妖怪はお世辞にも可愛いとは言えない。
「しかし……莉緒があまり得意じゃなさそうな見た目だが……」
「見た目? あー……まぁここまで妖怪じみてると逆に平気かも」
「ここまで妖怪してると逆に平気なのか」
総二の懸念に対し、莉緒は大丈夫だと答えた。妙に納得した総二は、なるほど、と口にすると同時に地面を蹴った。その視線の先には此方に迫ってきている以津真天がいる。
莉緒も総二に続き、最後まで戦い続ける気持ちを抱いた。
次の瞬間、美しき輝きを纏う雪片が戦場に舞う。莉緒が放った力に敵が包み込まれた刹那、一気に飛翔して近付いた総二が両手に込めた闘気を手刀と共に放った。
以津真天の身体が貫かれ、力なく地上に落ちていく。
基本方針は臨機応変。どちらが先に動くかは決めずとも、互いに合わせられる気概がある。共に連携しながら敵を穿っていく二人には勝利の栄光の力も巡っていた。
「長期戦は覚悟の上だよ」
更なる高速詠唱を紡いだ莉緒は雪片を巡らせ、以津真天たちを黄泉の世界へと誘う。冷たい雪による葬送を与えることこそが、此度の戦いをよき方向に導く方法。
莉緒は連続で魔力を放ち、全力を揮っていった。相手からも反撃の千本羽針が解き放たれたが、莉緒はひといきに間合いを詰めながら仕込み刀を抜いた。
針を弾き飛ばした彼女は、そのまま鋭い刃の連撃を敵に叩き込む。
その間、地上では総二に以津真天の爪が襲い掛かろうとしていた。飛翔するだけではなく、エアライドの力で宙を駆けた彼は既の所で爪を避ける。
しかし、別の個体が総二を狙ってきた。おそらく先程の闘気の一撃が厄介なものだと判断されたのだろう。それは言い換えれば総二の実力が認められているということでもある。
「おっと、予想以上に速いな」
飛び回る敵の爪が総二の身を掠った。痛みを押し込めた彼は再び、天翔風神閃の力を迸らせる。遠くから狙ってくる相手でも、至近距離から攻撃を仕掛ける相手であっても構わない。
打ち込まれた拳が以津真天の翼を折り、戦う力を完全に奪った。其処で総二は莉緒が接近戦に移っていることに気が付いた。果敢に戦い続ける彼女であるゆえに心配はない。それでも極力近くで戦うに越したことはないだろう。
「倒せるだけ倒すとするか」
「そうだね。私達が出来る分を全力で――」
お互いの近くに陣取った二人は視線を交わす。そして、其処からも鋭い攻撃が解き放たれていった。
それから暫し後。
周囲から聞こえていた鳴き声も止まっていき、莉緒と総二を襲っていた敵も残るは一体となった。おそらくあの個体を倒せば完全撃破がなされるだろう。
「いつまで、いつまで、いつ……まで……」
掠れた声で鳴く以津真天は息も絶え絶えだ。総二は莉緒と共に敵を挟み撃ち、逃走の道を防いだ。
そうして、二人は思いを言葉にする。
「もういつまで、じゃない。ここまで、だよ」
「そうだ。いつまでと鳴く必要もなくなるな」
「…………」
そして――彼らが放つ雪片と神閃が以津真天の身を貫く。囀らなくなった骸を見下ろした莉緒は瞼を閉じた。彼女の隣に降り立った総二は、弔い代わりの言葉を落とす。
「いままでお疲れさまだ」
いつまで、いつまで、いつまでも。
どこまで、どこまで、どこにもいけない。
けれども、もういい。全てがここまでで終わりなのだから。
いつまでも彷徨い続ける定めにあった悲しき妖はこうして、静かに葬送されていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV10になった!
【エアライド】がLV2になった!
効果2【グロリアス】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV5になった!