竜の花嫁の花嫁行列

 湖水地方の竜の花嫁達と接触することに成功しました。
 しかし、接触した竜の花嫁達の、ドラゴンの元に嫁ぐ期日が間近に迫っているようなのです。
 この状況に対して、攻略旅団からの提案である、
====================
『竜の花嫁』に成り代わってドラゴンに接近する
====================
 を実行する事となりました。
 竜の花嫁を護送する花嫁行列を襲撃し、花嫁と入れ替わった後に撤退。
 竜の花嫁に成り代わってドラゴンに接近し、ドラゴンを撃ち倒しましょう。

 ドラゴン撃破後に、保護していた竜の花嫁と再び入れ替わる事で、本物の竜の花嫁は『襲撃によりドラゴンが殺され、残されてしまった花嫁』という立場で保護される事ができ、当面の安全を確保する事が可能です。

花嫁は竜を欺く(作者 都築京
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#幻想竜域キングアーサー  #竜の花嫁の花嫁行列  #湖水地方  #竜の花嫁 


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 針葉樹の深い森の中を、粛々と竜の花嫁を乗せた馬車が進んでいる。
 なにぶん熊や狼が数多く徘徊する地域で、荷物持ちとして馬車に付き従う人足を護衛する竜鱗兵の姿もあった。
「なんでも熊が出るとか狼が出るとか……そんな物騒極まりない道をどうして」
「仕方ないじゃないか、この道を通るのが一番早いんだから」
 野生動物に襲われる危険はあるものの、全体の行程を考慮するなら最善のルート、という意味なのだろう。馬車に乗る竜の花嫁はおいそれと失われてよいものではないが、護衛さえつければ問題ないと判断されたのはそういう事だ。
「何かありましたか」
 人足の会話を聞きつけたのか、小窓のカーテンを開けて竜の花嫁が顔を出す。
「いいえ、何でも。気にしないで下さい、キエラ様」

●花嫁は竜を欺く
「竜の花嫁の調査は順調に進んでいるみたいだね!」
 進捗が順調なことは時先案内人にとっても喜ばしいので、岩崎・礼音(Diagrammar・g03225)は平素にも増して笑顔が絶えない。このまま調査を続行することにより、さらにディヴィジョンの謎に迫ることができるだろう。
 最新の情報では、接触した『竜の花嫁』達の輿入れの時期が近付いているらしい。そのため湖水地方からドラゴンが済む砦に向かって、花嫁行列を仕立てて移動するようだ。
「これを利用して、攻略旅団からの提案の『竜の花嫁となりかわってドラゴンに接近する』って作戦を実行することになったんだよね」
 具体的には花嫁行列を襲撃して竜の花嫁を偽物と入れ替え、偽物が砦に到着しドラゴンと接触したところに駆けつけて倒す、という作戦となる。

 まずは行列が出発する前に花嫁と接触して作戦の内容を説明し、行ってほしい行動を指示しておくのが良いだろう。ディアボロス達の襲撃時に彼女の協力が得られるかどうかは作戦の成功に大きく関わるはずだ。
「ただ、排斥力の影響なのか、竜の花嫁はディアボロスに会ったことを忘れちゃってるみたい。会ったことが有るなら会えば思い出すけど、面識がない場合は接触する内容や方法に工夫が要ると思う。信頼を得られずにディアボロスの襲撃があることをドラゴン側に訴えるような事があったら、ちょっと困っちゃうからね」
 そのほか行列の護衛の中には、少数ながらクロノヴェーダの突撃竜鱗兵が混じっている。花嫁の入れ替わり時にクロノヴェーダがいた場合その目を誤魔化すのは非常に難しいので、最初の襲撃時にはこの突撃竜鱗兵を狙って撃破することが肝要だ。
 その後で花嫁と入れ替わり、なんらかの理由で襲撃の続行を諦める演技をしつつ撤退すれば、花嫁行列は偽物の花嫁とともにドラゴンの砦への移動を再開するだろう。
 ドラゴンと相対すればディアボロスであることは露見するが、ドラゴンとの戦闘が発生すれば救援機動力によって他のディアボロス達は戦場に向かうことができるようになる。
「それに、花嫁を迎え入れる砦にはドラゴン以外のクロノヴェーダはいないみたい。だからそのままドラゴンさえ撃破してしまえば作戦は完了だよ」

 なお花嫁行列では、花嫁が砦で暮らすための花嫁道具も人足が運んでいる。最初の接触時にはこの花嫁道具を扱う商人などに紛れて接触するのがやりやすいかも知れない。
「もしかしたら知っている人もいるかもしれないね。今回砦へ向かうのはキエラさんって竜の花嫁なんだ。刺繍が趣味だから布とか刺繍糸とかを扱う商人に紛れるといいかもね」
 作戦完了後、再度キエラと入れ替わることによって彼女は純粋な被害者の立場となるため、当面の安全も確保することができるだろう。ドラゴンの討伐と竜の花嫁の安全を確保する、一挙両得の作戦だ。

 深い森を抜けた先、丘がつらなる一帯に『蒼玉のカラドック』の砦はある。
 晴れた青空より深い青の翼。その鱗をいろどるサファイアのような美しい青を、彼は二つ名に選ぶほど気に入っているようだった。はるか上空を飛びながら花嫁の行列の到着を待っている。
「ご覧、カラドック様が今日も行列をお待ちだよ」
「ついに花嫁様のお輿入れだ。皆、手抜かりのないように」
 はあい、と花嫁を迎える準備に追われる使用人たちの声が響いた。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【プラチナチケット】
3
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。

効果2

【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV2 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

都築京
こんにちは、都築京です。よろしくお願いいたします。

●依頼の流れについて
OPに記載の通り、竜の花嫁を偽物と入れ替え、偽物が砦に到着しドラゴンと接触したところに駆けつけて倒す、という流れになります。
具体的には②で出発前の竜の花嫁に作戦への協力を取りつけ、③の道中にてトループス級『突撃竜鱗兵』を排除、その後①にて花嫁と偽物に扮したディアボロスが入れ替わり、④にてアヴァタール級のドラゴンを撃破、です。
この通り数字順の進行ではありませんので、参加したい選択肢や現在どの選択肢が進行中なのかをよくご確認のうえご参加をお願いいたします。

●竜の花嫁・キエラについて
前作「花嫁は希求する」にて登場済みですが、予備知識が一切なくとも参加可能です。
面識があった方が話は通しやすいですが、当然ながらプレイングが優れていればこの限りではありません。

●その他
ほとんどの技能ではパラドクスのような超常の効果は得られません。


それでは皆様のプレイング、お待ちしております。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


赤上・イズル
■アドリブ・絡み歓迎

花嫁のお色直しをする人として紛れ込む為に女装をする
髪を下して体形を隠す少し大きめの女性らしい服装を着用
化粧道具を称した箱を背負って持参し何食わぬ顔で列に加わる
ちなみに女装はモーラットのマリコさんの監修

すみません、この気温ですので花嫁のお化粧の具合が心配です
一度直したいのですが宜しいですか?

と細くか弱い声で護衛の者達に声をかけて花嫁との接触を図る
許可を得たら馬車の中へ入り化粧を直す振りをして花嫁に小声で話す

自分はあなたを助け出しに来た者です
この先仲間達がこの馬車を強襲するでしょう
その時に仲間があなたとすり替わります。どうか協力をお願いします
あなたを必ず助けます。と真摯に訴える


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
仲間と協力

プラチナチケットで、刺繍糸の商人を装って、自然に接触

イチゴの花色の糸はいかが

顔を見せて、呼び掛ける

キエラさん
覚えているだろうか
別荘で話をした……

……ケネスさんとはどうだろうか
二人の気持ちが通じたなら、あとは背を押すだけだ
お膳立ては任せてくれ
貴女を竜の花嫁にはさせない。
協力してもらえるだろうか

花嫁行列の道中で、俺達の仲間と入れ替わってもらう
その際、行列が襲われるが、心配しなくていい
竜鱗兵だけを倒す
そのあとは安全な場所へ
俺達がドラゴンを倒したら、再びキエラさんに戻ってもらう……
貴女は襲撃を受けたが、無事だった花嫁として
被害者を装ってくれればいい
どうか、俺達を信じてほしい


ソレイユ・クラーヴィア
プラチナチケットで布商人に扮して出発前にキエラの許へ
刺繍用の生地も数多く取り揃えていますよ
イチゴの花を刺繍するなら、こちらの生地など如何ですか?
手触りも良く水を良く吸いハンカチ等にも最適です

目があったら微笑んで
以前に贈ったイチゴの花の約束を果たしに来ました
貴方が本当に幸せだと、心から笑えるように

協力を取り付けたら作戦を説明
花嫁行列を襲撃しますが竜鱗兵以外に手出しはしません
落ち着いて馬車で待っていてください
入れ替わった後は
私達が迎えに行くまで安全な場所に隠れて頂きます
貴方はあくまで被害者
何も心配しなくても大丈夫です
全て私達に任せてください

だから、信じてください
必ず上手くいきます


ルウェリン・グウィンリウ
作戦が次の段階に移ったんだね。
なら僕も動こう。


商人として潜入。
品物に亜麻布と、それで織られたフード付きケープを用意。
軽く丈夫で、さらりとした生地です。花嫁様のお好みにも適うかと。

キエラさんと対面を許された後、すぐ記憶の戻る様子が無ければ、ケネスさんと面識があると語ろう。

今も覚えてる。
彼の手にしたイチゴの手巾――そして貴女の怒り顔も。

思い出して貰えたら、彼から思いは告げられたか確認。
問題なければ以前の発言を謝罪しよう。彼は勇敢な人だ。

概要は他の仲間が説明してるし、僕は他の注意を。

出来れば入れ替わりに備えて、護衛達の印象に残らぬようにして欲しい。
フードで顔を隠すとか、なるべく声をかけないとかね。


「すみません」
 花嫁行列へ最初に近付いたのは赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)だった。
 赤い髪を下ろし体型を隠すやや大きめの服装に、細い声。15歳という年齢もあって女装のハードルは成人男性よりも低い。
「花嫁のお化粧の具合が気になりまして。一度確認させていただきたいのですがよろしいですか?」
 忙しく出発の支度を調える人足と、道中の最終確認に余念のない護衛の間を縫うように進み、手すきの人間へ声をかけた。化粧品が入った箱を身分の証のように示すと、出立が遅れぬよう手早くな、と釘は刺されたものの特に怪しまれることもなく馬車への接近を許される。
 なにぶん衆目の場なので、そこから先に従者や人足、護衛の姿はない。
「出立直前のところ申し訳ありません、花嫁様。最後にお化粧の確認をさせていただいても?」
「どうぞ」
 中から返った声はやや緊張しているものの、こちらも特に不審がる様子はない。
「失礼いたします」
 イズルは極力不自然にならないよう馬車の扉を開け、中へ乗り込んだ。
 花嫁に選ばれることは非常な名誉と言われているだけあり、数人乗り込んでも窮屈な思いはしなさそうな広さがある。内部の壁板やシートの素材は見るからに上質なものが使われており品の良さを感じるが、豪奢さはあまり感じられない。意図して省かれたのだな、と理解できる設えだ。
「――どうかご協力をお願いいたします」
 化粧道具箱の蓋を開けながら花嫁の前に跪き、イズルは己が顔をさらす。長い髪を頭の後ろでまとめ野の小花をそこに飾った竜の花嫁・キエラは、やや驚いたように目を瞠った。
「……あの?」
「自分はあなたを助け出しに来たものです。この先、仲間が馬車を強襲しあなたとすり替わります」
 キエラにとっては面識もなければ、助け出されるような理由にも心当たりがない。ディアボロス達との記憶が今はない彼女にとっては寝耳に水という話だ。しかし真摯に語るイズルをすぐに追い出そうとはしないのが彼女の実直な所かもしれない。
「待って下さい、助け出すとは、どういう」
「それは」
 その瞬間、馬車の扉が急かすように外から叩かれた。
 察したイズルが素早く招き入れた複数の顔を見て、キエラは何度か瞬きをくりかえす。特に扉が閉まったあとに外套のフードを脱いだルウェリン・グウィンリウ(灯火の騎士・g02040)を見て、あっと声を上げた。
「静かに。……あの時は申し訳なかった、と……僕の言っていることはわかるだろうか」 
 キエラを制してから、ルウェリンは以前の記憶が戻ったかの確認に尋ねてみる。その間にエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)とソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は馬車の窓や扉に張り付き外の様子を伺った。近付く者がいないか油断なく見張るが、今のところ刺繍糸商や布商を装った彼等も含め誰も不審に思われていない。潜入任務の定番切り札プラチナチケット、とディアボロス達が感謝する一瞬だ。
 何度か自分自身へ確かめるように首肯し、キエラはわずかに目を潤ませる。
「ええ、わかり、ます。あの別荘の宴の夜に――お目にかかりました。そちらの方と、そちらの方にも……」
 そう語るうちにも次々と記憶が蘇っているのだろう、一瞬興奮したように頬が明らんだり、さっと表情が曇ったりで忙しい。
「なら良かった。刺繍用の生地を数多く取り揃えてきましたよ。今日はあの時に贈ったイチゴの花の約束を果たしに来ました」
「イチゴの花色をした糸はこちらに」
「貴方がさきほど仰った『仲間』とは、そういう――事なのですね」
 ソレイユ、次いでエトヴァと視線を合わせ、最後にキエラはイズルへ確認するように声へ力をこめた。
「ええ。どうか協力をお願いします。あなたを必ず助けてみせます」
「今は時間がない。手短に説明させてもらうが、この先の花嫁行列の道中で、俺達の仲間と入れ替わってもらう。そのさい行列が襲われるが、竜鱗兵だけを倒すのが目的だ。心配しなくていい」
 イズルの後を引き取ったエトヴァは、窓のカーテンを細く除けつつ、作戦の概要を説明する。メモを取れるようなものはないので、彼女には一度の説明で頭に入れてもらわなければならなかった。 
「ですから襲撃の最中も落ち着いて、この馬車の中で待っていてください。入れ替わったあとは、私達がドラゴンを倒して迎えに行くまで、安全な場所に隠れていただきます」
「襲撃のあとに入れ替わるんですね。わかりました」
「貴女はあくまで被害者、何も心配する必要はありません。すべて私達に任せてください」
 被害者というソレイユの表現に怪訝な顔をしたものの、キエラは素直に頷いた。
「あの、被害者とはどういう……お話を伺っていると、私はむしろ共犯者ではないかと思うのですが」
「この一件のあとに貴女の安全を確保するためだ。『私は襲撃を受けたが、無事だった』という体裁で被害者を装ってくれればいい」
「あとは……出来れば入れ替わりに備えて、護衛達の印象に残るような行動を控えて欲しい。フードで顔を隠すとか、なるべく声をかけないとかね」
 自分の籠の中からフードがついた亜麻布のケープを取り出し、ルウェリンは花嫁の前へ置く。緊張した表情でキエラはそれを受け取り、もう一度神妙に頷いた。
「そう言えば、彼――ケネスさんからはあの後、なにか?」
「何か、とは」
「想いを告げられたのかどうか、とか」
 ルウェリンの問いに、キエラはやや複雑そうな、困ったような笑い方をした。
「ええ、彼から本当のことを聞きました。ですから私は、皆さんに成功するよう協力させていただくだけです。私がケネスの所に帰ることができるとすれば、可能性はそれのみでしょうから」
 明確な協力の意志をとりつけたことを確認し、エトヴァはそろそろ頃合いだと声をかける。怪しまれる前に馬車を出なければならない。
「貴女が本当に幸せだと、心から笑えるようになるのが最良の結末です。必ずうまくいきますよ」
 安心させるようにキエラの目を見てソレイユは念を押した。神妙な表情でキエラは頷く。そして身支度を整えて馬車を出ようとしていくルウェリンの背中を、彼女は呼び止めた。
「あの、貴方に謝らなければとずっと思っていたんです。あの時は取り乱してひどい事を言ってしまってごめんなさい」
「……いいや。彼は勇敢な人だった」
「ええ。そして貴方も、皆さんも」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV2が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

ストロベリー・メイプルホイップ
(アドリブ、連携歓迎!)
花嫁の説得や作戦に関しては皆にお任せして、私は襲撃役をするね。
私の目的はクロノヴェーダだけだし、普通の人達が死傷しない様に気をつけるよ。

私はとりあえず、万が一馬車が落ちたりしない様な場所で待機。
来たら風上から誘惑の吐息を吹きかけるよ!
メーラーデーモンのラズベリーちゃんは催涙ガス弾と邪竜の翼で援護!

どうも、屈強なドラゴンさん達。
私が貴方たちの花嫁よ、なーんて誘惑しちゃうね!

普通の人は【現の夢】状態にして戦闘は夢だと思って貰うよ。
あ、できるなら巻き込まれないように少しだけ退避して貰うね。
ラズベリーちゃんにこっそり、逃げた人が熊とか狼さんに襲われないよう見張ってもらうよ。


白水・蛍
アドリブ/連携○

さてと。周りの護衛は倒していきませんとね。
フードを用意して顔を隠し、襲撃タイミング合わせて強襲致します。
多数の敵を巻き込む為。一気に行きます。
【パラドクス】を使用。
――我が音に応えて来たれ。これ即ち応じて変ずる魔力の砲撃!
魔力塊の破片を多数打ち出し、それを敵の死角より強襲させます。
一人ではありません。私にはスパーライトがいますもの。起動を読む事も全て、問題ございませんわ!

人間の護衛の方は避ける様にして騎士団だけ狙っていきますわ。

さてと。此処からが本番。敵の懐にもぐりこむと致しましょう。


ルウェリン・グウィンリウ
根回しは済んだ。
さ、花泥棒と行こうか。


【飛翔】して花嫁行列を後方より偵察。
気付かれぬよう距離を置き、馬車の進路、竜鱗兵と一般人達の位置関係や人数を確認。

情報を得られたら先回りして味方に情報伝達。
馬車が通過するだろうポイントで待機し、周囲に【トラップ生成】
引っ掛かれば木に吊るされる足括りの罠を設置。

後は皆に合わせ行動開始。

フードで顔隠し、上空から【竜翼翔破】で竜鱗兵に奇襲。
頭部狙いの打撃には盾掲げて防御と共に視界奪い、素早く刺突を。

一般人は威嚇して追い払うか、罠地点に誘導し足を取らせて無力化。

入れ替わり後、キエラさんにマント被せ一緒に離脱。
荷物を拝借し、物だけ奪って花嫁は諦めたと見せかけよう。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

さあ、キエラさんの心が決まったなら、仕事だ
なるべく手短に行きたいな

プラチナチケットを利用し、現地人の格好で行列に駆けつけ
行列の一般人を足止めし、竜鱗兵のみ引き寄せる
見たこともない獣がいたんだ
そこを動かない方がいい
おや、竜鱗兵様がいるのか、助けてくれ
フライトドローンの群れで森の枝葉をざわめかせ、脅かそう

馬車や人足へ危険がない位置で戦闘、彼らをディフェンス
竜鱗兵を引き寄せられたら、距離を取りクロスボウでパラドクス攻撃、襲撃者になる
馬車からさらに引き離して戦闘
一射で貫通撃、二射で爆破

戦場にEis-Spiegelを配置し、武器の軌道や突進を阻害
反撃には魔力障壁を展開し、突進を観察し回避


 太陽はそろそろ南中する頃合いなのに、空気はひんやりとして薄暗い。
 熊や狼が多く生息するということは豊かな森の証拠だが、そこを通る旅人にとっては心配の種だ。ましてこれから婚礼を控えた花嫁ともなれば。
「なんでも砦までは一番近道なうえ、起伏が穏やかなのだそうで。竜轔兵という護衛がいれば何の心配もないので、ご安心ください」
「そう……」
 黒光りする鱗が物々しい突撃竜轔兵は、見るからに獰猛な気配をさせている。どちらかと言えば熊の襲撃よりも、そんな竜轔兵の機嫌を損ねてひどい目に逢いやしないかと人足達は怯えているようだった。
 カーテンごしにキエラと短い会話を交わした人足が隊列の定位置へ戻っていく。その様子を後方の樹間から見届け、ルウェリン・グウィンリウ(灯火の騎士・g02040)は行列を大きく迂回して飛翔し隊列の前方へまわった。ごくゆるい下り坂から登りへと切り替わる地点、そこを監視できる倒木の陰にディアボロス達は待機している。
 偵察に出ていたルウェリンの帰還で白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は襲撃の時が迫っていることを知った。
「まずは人間の護衛は避け、騎士団――竜轔兵のみ狙う、という認識でよいのかしら」
「ここで消耗するのは得策ではない。なるべく手短に行きたいな」
 用があるのは、あくまで花嫁の入れ替わりに支障をきたすクロノヴェーダのみ。薄暗い森の中へ目を凝らしつつ、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は囁いた。
「それじゃ行ってくるね」
 相棒のラズベリーを伴い風上へ移動をはじめるストロベリー・メイプルホイップ(デンジャラスドラゴン・g01346)を見送り、蛍は目深にフードをおろす。たとえ顔を見られたとしても特段この先の作戦に影響はないのだが、正体不明の襲撃者を装うのに雰囲気作りは重要だ。
 道の先に花嫁行列の先頭が見え隠れしてきて、エトヴァが倒木の陰を離れる。
「さて」
 竜轔兵をここで排除したのち、ディアボロスの替え玉をキエラと入れ替えていったん離脱。その後は無事に花嫁行列が砦に到着するのを待てば良い。
「花泥棒と行こうか。盛大にね」
 琥珀色の瞳を細めて笑ったルウェリンの視線の先、行列へ駆け寄るエトヴァの姿があった。

「竜轔兵様がいるのか」
 薪かあるいは季節の野草なり集めていた現地民を装ったエトヴァは、突撃竜鱗兵へ大きな声をあげる。できれば一般人の護衛はその場に待機してくれれば良いが、さて。
「ほかの者はそこにいた方がいい、見た事もないほど巨大な熊がいたんだ」
 嘘はすべて虚構とするよりも、いくばくかの真実を含ませたほうがよい。見た事もない獣よりかは熊のほうがよいだろうと考え、エトヴァは己が後方を指差した。
「熊だと? 近いのか」
「この先を、子供を2頭連れて歩いていた」
「よりによって春の母熊か……厄介だな」
 一般人では荷が勝つ、しかし竜轔兵ならば対処はたやすい、という辺りを狙ったエトヴァの作戦はうまく嵌まる。突撃竜轔兵は一般人の護衛をその場へ残し、エトヴァの方へ足早に下草を踏み分けてきた。昼間でも薄暗いロケーションが幸いし、下枝を騒がせるフライトドローンも見えにくい。
「おい、後ろ! ――いや、お前」
 あともう少しで互いの顔立ちが視認できそうな距離まで来て、突撃竜轔兵は何かに気がついたようだ。自らの得物へ手をかけたその瞬間、怪しげな桃色の霧状のものが風上から吹きつけてくる。
「どうも、屈強な竜轔兵さん達!」
 目眩でも起こしたのか、ぐらりと竜轔兵が大きく半身を傾かせた。異変を察知し残りの竜轔兵がエトヴァとストロベリーへ向かって突進する。
「私が貴方たちの花嫁よ、なーんてね?」
 『誘惑の吐息』によりまともな思考を奪われ、竜轔兵は骨状の棍棒をただ闇雲に振り回すしかない。吐息の直撃を免れたものは、ストロベリーの相棒が投げるガス弾に進路を阻まれる。
 そこでようやく隊列が襲撃されていると理解したのだろう、馬車の周辺で人足達が悲鳴をあげた。竜轔兵が一方的に敵を蹴散らせずにいるのを見た一般人の護衛が矢をつがえるものの、怯えきって震える腕ではまともに弦を引けるはずもない。
「私達の目的は貴方がたクロノヴェーダだけ! 悪いけどここで退場してもらうね!」
 誘惑の吐息を逃れた竜轔兵2体へ、ストロベリーはダメ押しとばかりに吐息を吹きかけた。
「花嫁行列を襲うとは、よほど命がいらないらしい! クソッ、前が」
「ならばそのまま、見えずとも良いようにしてさしあげます」
 しゃら、と手元の妖弓琴を掻き鳴らした蛍の周囲へ無数の魔力塊が凝る。
「『――我が音に応えて来たれ。これ即ち応じて変ずる魔力の砲撃』!」 
 鋼じみた全身黒色の竜轔兵、その死角へ高速の弾丸と化した魔力塊が襲いかかった。どこか竜の頭骨じみた棍棒を振り回して叩き落とそうとするが、隙の多い大振りの動きで追いつけるはずもない。
「上だ!」
 突然聞こえた風切り音に、突撃竜轔兵は咄嗟にその場へ身を低くした。
 しかし狭い樹間をものともせず上空から急降下してきた、ルウェリンの剣から逃れるには遅い。盾もろとも激突するような速度で刺し貫かれ、絶命する。
 竜轔兵達が総崩れになる様子は、人間の護衛にとってはややもすれば衝撃的な光景だったかもしれない。我先にと逃げだそうとする者が現れるが、いつのまに仕掛けられたのか次々と足を取られ森の木々へ宙吊りにされていく。
 鍔まで埋まった剣を引き抜きながら、罠の作動をルウェリンが肩越しに確認してしたのは余談かもしれない。もっとも、下手に巻き込まれるよりかは全てが終わるまで木に吊されていてくれたほうが、彼等にとっても安全ではあった。
「うふふ、まだ遊び足りないの? 残念」
 誘惑の吐息で終始クロノヴェーダを翻弄し続けたストロベリーの足元に、棍棒を握りしめたまま竜轔兵が崩れ落ちる。クロスボウを構えたまま油断なく周囲を見回すエトヴァのすぐ横を、疾風のように蛍が駆け抜けていった。
「そろそろ良い頃合いかな」
「ええ、ここからが本番」
 あとは申し合わせていた通りにルウェリンが馬車からキエラを連れ出し、入れ違いに蛍が馬車へ乗り込めばここでの作戦は完了だ。
「敵の懐へ潜り込むといたしましょう」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

白水・蛍
アドリブ/絡み○

……これが婚礼衣装ですか。
このまま着ます。彼女に似せていきましょう。
大丈夫。貴女は心配しないでください。
【プラチナチケット】を使用して安心させつつ参ります。
向かうまでに彼女の動作・雰囲気等々を<記憶術>で覚えていきたいですね。
後は<臨機応変>に。

丁寧に彼女の所作であいさつを。
隙は見せずに。

到着してバレたなら、露見したのなら茶番はおしまい。
立ち回り開始です。仲間を信じて私は
<大声・挑発>等で相手を惹きつけておきます。
<グラップル>も使用し、仲間が駆けつけてくれるまでの間応戦。

――我が名は白水・蛍。貴女に嫁ぐ花嫁なぞおりませぬ。
さあ、お覚悟を。


 フード付きのマントを被せられたキエラが、物言いたげに振り返ったのを覚えている。
 ――大丈夫。貴女は心配しないでください。
 胸元へこぼれていた長い黒髪。明るい所で見れば違いは一目瞭然だろうが、どのみち砦のドラゴンと対面するまで場が保てばよい。馬車を降り、ディアボロスに手を引かれていく一瞬に、キエラは白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)へ向かって行儀よく折り畳まれた婚礼衣装を指し示していた。
 邪魔にならない程度に髪をまとめて、馬車の中で着替える。その上からフード付きのマントを羽織り、蛍は砦への到着をじっと待った。
 何度か坂を下り、登り、太陽が傾きかける時刻になってようやく、ほど遠くはない場所から何かを知らせる鐘の音が耳に届く。中を見られない程度にカーテンを除けて外を見ると、堅牢な石垣に守られた砦が見えた。
 そのまま馬車はしずしずと道を進み、ドラゴンが待つ砦へと入っていく。
 中では歓迎のためか音楽が奏でられており、多くの人やドラゴニアンの声が交わされていた。会話の端にキャメロットという単語が混じって聞こえる。扉が外から開けられたので、フードを目深く降ろして馬車を降りた。
 護衛の若い男が蛍の手を取ってどこかへ進んでいく。丁寧に敷き詰められた石畳、ひらひらと降ってくる色とりどりの花吹雪。低い石段を登り、先導していた男の手が離れていった。
「遠路はるばるよく来た」
 蛍の頭上からとてもよく通る、低い声音がした。
 いかにも獰猛そうなそれを想像していたが、聞こえる声はむしろ知的で落ち着きを感じさせる。狭い視界へ青い脚と、ずらりと並んだ爪が見えた。
 丁寧に膝を折って挨拶をすると、前脚が差し出される。
 襟元でマントを結んでいたリボンをほどき、蛍はそのままフードをはねあげて顔を晒した。
「――我が名は白水・蛍」
 毅然と見上げた先には薄暮の空、そして深い青色の鱗を輝かせているドラゴンが見える。見るからに理知的な性格をしていそうな『蒼玉のカラドック』がそこにいた。
 何が起こったのか理解しかねたのだろう、琥珀色の目が瞬く。
「貴方に嫁ぐ花嫁なぞここにはおりませぬ」
 あでやかに華やかに笑った蛍の台詞で、カラドックの目の色が変わった。喉元から低い唸り声が漏れる。
「さあ、――お覚悟を」
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【プラチナチケット】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎

さあ、舞踏会に駆けつけよう
ドラゴンがいかに待ち望もうと
花嫁の意思を操り、生贄にしてしまうやり方は身勝手だ

蛍さんと竜の距離を見つつ、接触時に危険があれば割り込みディフェンス

【飛翔】し空中戦
敵味方の位置と、相手の出方を観察し
不利な状況にならないよう、上空での牽制をかける
包囲の位置を取り
パラドクスの銃撃を加え、味方の攻撃の隙を創り
こちらに隙を見せれば、躊躇せず弾丸を撃ち込む

Eis-Spiegelを大気中に配置し、ドラゴンの攻撃動作を阻害
反撃は魔力障壁を展開し防御しつつ、突撃の直撃をかわし
油断せず水の軌道を観察し不規則軌道で回避

キエラさんとケネスさんが、今度こそ結ばれますようにと願う


ライカ・ネイバー
連携アドリブ大歓迎
(戦闘中はダッシュ、ジャンプ、空中戦、地形の利用で常に走り回ります)

こんちはー!!ぬるりとお手伝いに来ましたぞ〜
花嫁には逃げられた挙句
ボッコボコにされるんですからツイてないですよねぇ?

まずは懐へ飛び込んじゃいましょ
図体がデカいなら逆に安全だったりしますしね〜

銃で【制圧射撃】を行い牽制しつつ【フェイント】を織り交ぜた動きで【撹乱】
意識を下に向けた所で身体を一気に駆け上がって頭上を取りますぞ

『特殊戦技:確殺猟域』でがっつり攻めますか
矢の雨もなんのその、こっちには無尽蔵の足場がありますんで
攻撃ついでに躱しちゃいますよ

ヘコますだけヘコましたら距離を取って牽制に移りますか
後はよろしく〜


 キャメロットにほど近い、『蒼玉のカラドック』が住処とする砦。竜の高い咆哮が激しく空気を震わせた。
 ライカ・ネイバー(エクストリームお手伝い・g06433)は耳を聾する轟音に目元を歪めるも、一気に砦の内部を駆け上がり蒼玉のカラドックの眼前へ躍り出る。
「こんちはー。初めまして、になりますかねぇ?」
 早速の加勢の登場に、カラドックは頭を低くして身構えた。
「わたくしを謀ったという事か」
「否定はしない。いかに待ち望もうと人の意思を操り、生贄にするやり方は身勝手極まる」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)もまた身代わりのディアボロスとカラドックの間へ割り込み、鋭い声をあげる。カラドックはエトヴァの台詞を吟味するように目を細め、そしてゆっくりと首を持ち上げた。
「……つまり花嫁は無事ということか。たちの悪い物盗りの仕業かと早合点したが……無事ならばそれで良い、疾く去られるがいい」
 想定していた反応とは違う台詞が返ってきて、ライカは訝しむように尋ねる。
「なにそれ? 花嫁が無事なら見逃すってこと?」
「見逃されたくないのならばお相手仕るまで。わたくしは話の通らぬけだものではない、ただそれだけだ」
 どうやら理知的な印象は気のせいではなかったらしい。花嫁行列を襲った強盗が替え玉を馬車に乗せてそのまま砦に乗り付けてきたものと思った、ということだろう。
「残念だが、こちらも見逃すわけにはいかない。竜なりに花嫁を大事にしているのはわかったが、どのみち生贄であることは何も変わらないだろう」
 なまじ話ができるだけに、両者の間に横たわる深く暗い河の存在は動かしがたい。蒼玉の竜は低く唸り、エトヴァを見る。
「生贄とは心外。花嫁はすべからく丁重に扱われ敬われるもの。虐げるつもりもないというのに」
「それはそっちの勝手な言い分ですよねぇ? どんだけ名誉だろうが最後には死ぬことが決まってるなら、そんなの幸福な結婚なんていわないんですよ!」
「……それもそちらの主張に基づく言い分ではあるな」
 残念だと言わんばかりにカラドックはひとつ頭を振った。
 そして、これ以上歩み寄る余地はないことを示すように再び頭を低くして身構える。素早く反応したライカがその懐へ飛び込んだ。青い巨体をよじり間合いを取ろうとした一瞬に、今度は石畳を蹴って高く跳躍しカラドックの巨体を駆け上がる。
「花嫁に逃げられたあげくボッコボコにされるとか、ツイてないですねぇ!?」
 飛翔するエトヴァから援護されつつ、ライカは両手に自動拳銃とショットガンを構えた。猛然と火を吹く銃口から雨のように銃弾が降り注ぎ青い鱗を穿つ。
 特徴的な一対の角を振り立ててカラドックは一声高く咆哮した。一瞬の静寂のあと無数のワイバーンが出現して反撃を加え、エトヴァが配置していたEis-Spiegelが口々にさんざめく。
 『特殊戦技:確殺猟域』による足場を跳ねるように次々移動し、ライカはひるむことなく銃撃を続けた。無尽蔵の足場さえあれば、ドラゴンの巨体はもちろん飛翔がなくとも恐れる必要はない。
 ――本来ならきっとキエラは今頃ふさわしい相手に、ふさわしい日に嫁いでいたはずだった。それが何の運命の悪戯か、竜の花嫁に選ばれてしまったことでこうして歯車は狂ってしまったと考えると、よくよくこの世界の道理は罪深い。
 今度こそ彼等は結ばれなければならない――その思いを込めてエトヴァもまた魔法銃を放っていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!

ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
ドラゴンと仲間の戦闘を察知したら救援機動力で駆けつけます

花嫁の幸せは想い合った相手と結ばれてこそ
それを叶える為に貴方には倒されて頂きます

宙に展開した鍵盤で凱歌を演奏
幻想の騎士を召し寄せ、刺突一閃
狙うは額に光る宝石の如き角
水流に乗って突っ込んできたら、魔力障壁で凌ぎ
その隙に幻想の騎士に突撃指令を
一つ一つは針の一撃であっても
積み上げればいつか分厚い壁をも穿ちます

彼女との約束の為、笑顔の為
渾身の力を込めて

討伐完了したら室内を荒らし賊が暴れたように偽装
キエラに今後の振る舞いを説明します
恐怖の余り気絶してしまい何も分からないと言えば良いでしょう

私達の事は全て忘れて、ケネスとどうか幸せに


ルウェリン・グウィンリウ
束の間の幸せはどうだった、ドラゴン。
皮肉にも、お前と同じように婚姻に浮かれ、敵を招き入れた愚か者を知っている。
ブリタニアに災厄を引き入れた僭主をね。


折角だ、そいつと同じ名の竜にも戦って貰おう。
【フィニス・ブリタニア】を発動し、召喚した竜に騎乗。

【飛翔】して魔術の矢を回避するか受け止めさせながら突撃。
ワイバーンは竜の爪と尻尾で薙ぎ払わせ、カラドックには擦れ違い様の斬撃を食らわせ離脱。

その繰り返しで撃破を目指しつつ、味方への援護も惜しみなく。

無事撃破出来たらキエラさんに戻って貰おう。
これでひとまず、貴女の死は回避できた。

一日も早く家に戻れると良い。
そしてケネスさんと幸せに。


 もしその竜の鱗が、晴れ渡った空と対を成すような輝く黄金でなかったなら。
 もしその竜が、かつて自身の主が討ち果たし、婚姻によって故郷に災厄を招いた僭主でなかったなら。こんなにも皮肉を感じることはなかっただろう。
「お前と同じように、婚姻を機に身を滅ぼした愚か者を知っている」
 かつての仇敵を思い浮かべるルウェリン・グウィンリウ(灯火のエクィテス・g02040)の瞳が歪んだ。群がるディアボロス達をふるい落とすように大きく身じろいだカラドックの眼前、『落日竜ヴォルティゲルン』が忽然と姿を現す。発せられるのは轟く雷鳴にも似た太い咆哮。仕切り直しとばかりに巨大な翼をうちならし、薄暮の空へ舞い上がったカラドックをルウェリンは追った。
 自国へ敵を招いた昏主としてではなく、ただ圧倒的な力をもって敵を屠る巨竜を駆り、ルウェリンは大きく弧を描いて接近してきた蒼竜へ剣を掲げる。
 互いに飛翔したまますれ違いざまの斬撃を翼めがけ叩き込んだ。引き連れてきたサファイア色のワイバーンが槍じみた鋭さの氷の雨を降らせてきて、ばらばらと音を立てて金鱗が散る。急激に方向を転じた青い竜身を急いで振り向くものの、軽量を利して背後を取られた。
「『高らかに謳え、その歌を』!」
 有利を確信したのか、しかしそれでも慢心はせず落日竜へ追いすがるカラドックの額を、何かがしたたかに打ちすえていく。高く宙へさしだした両腕の先、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)の指先がめまぐるしく鍵盤を叩いた。
 その名の通りサファイアのように輝いていたはずの額の角が、根元から折れてしまっている。カラドックは苦悶の声を上げつつソレイユへ狙いを変えたらしい。魔力障壁では凌ぎきれぬ、暴力的な波濤を伴う水流に抗いながら、今一度ソレイユは幻想の騎士を蒼竜へとさしむける。
 たとえ針の一撃であったとしても、雨の滴が大岩を穿ちやがては二つに割ることすらあるのをソレイユは知っていた。
 カラドックの左翼はその根元近くにひとすじ大きな傷を負っている。自身はどうという事はない、という顔をしているがどう考えても深手だ。皮膜や先端ならまだしも、巨体を支えて空を叩くための根元に一撃入れられてそう長く保つとは思えない。
「――彼女と約束したんです」
 宙空を滑るように降りてきたカラドックはソレイユの目の前へ着地した。翼に叩かれた風がぶわりと塊のようになって押し寄せる。
「あの笑顔のためにも」
 勇壮な凱歌の旋律を奏でている指先を一瞥し、蒼竜は一瞬顔を歪めたようだった。ちっぽけな人間ひとりを彼方へ押し流す確信を得たのか、それとも翼に痛みを感じたのかはわからない。騎乗した騎士の幻影が今一度、鋭い刺突を繰り出さんと幻の馬の腹を蹴る。
 竜と騎士の一騎打ち、その力の差は誰が見ても歴然としている、そう思えた。
 全身で馬上槍を支え突進する騎馬を荒れ狂う水流が阻む。自らその水流に乗って身を乗り出すカラドックの牙が爪が、ソレイユに迫った。
 ――が、騎馬ごとソレイユを押し流さんとしていた水流が突如逆巻き、乱れ、流れが破綻する。見上げればルウェリンが再度斬りつけた青い翼を、落日竜ヴォルティゲルンが力任せに引きむしっていた。苦悶の咆哮を大きくするカラドックの胸元めがけ、ソレイユは幻影の騎士にあらためて突撃を命じる。
 薄暮の空に蒼竜の断末魔の叫びが響いたのは、その数瞬ほど後のことだった。

 全てが終わり、身代わりとなっていたディアボロスと再び入れ替わったキエラへ、ソレイユは手短に今後の振る舞いを説明する。ルウェリンと共に馬車の中を適当に荒らしておき賊が暴れたように偽装することも忘れない。
「恐怖のあまり気絶してしまい、何もわからないとでも言っておけば良いでしょう。あくまで貴女は被害者、それを貫くことです」
「まあ、それでもすぐに元いた街に戻れるかどうかは未知数だが……それでもひとまず、貴女の死は回避できた。早く家に戻れると良いが」
 ルウェリンの言葉に、問題ない、とキエラは軽くかぶりを振る。
「皆さんもどうか、道中お気をつけて」
 長居は無用と撤退していくディアボロス達の背に、キエラはそう声をかけてきた。
 肩越しに一度だけ振り返り、ソレイユとルウェリンは願わずにいられない。どうか、心に決めた相手と幸せになってほしい、と。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2022年06月04日