リプレイ
アーサラ・オーエン
「寒い! だ……誰かあっためて……(ガクブル)」
アイルランド生まれとはいえ薄着なので凍えてる。
とりあえずパラドクスを発動して材料を用意してトロッコを作る。設計図とか出されても読めないのでそこは誰かに直接聞きながら。
パラドクスで動物を作れば動くのでトロッコのサブ動力に使えるかもしれない。効果の方も寒冷地仕様のオイル等をを増やすのには使える(但し、頭はよわよわなので1人ではそこまで発想が至らない)
連携・アドリブ歓迎
ノイン・クリーガー
[人物像]
基本的に作戦中は必要なこと以外は話さない仕事人(アドリブ連携などは歓迎)
隠密行動などを得意としている。
[心境]
シベリア鉄道ねぇ。
どこまで続いているのやら……
[行動]
まずは新宿島の専門家に人力動力付きのトロッコを設計をしてもらい、新宿から必要な工具類や部品などを持ち込み、現地で木を伐採して木材を調達する。
木を用意できたら設計通りに組み立てる。
【アイテムポケット】が使用可能な場合は使用する。
降雪対策に【熱波の支配者】を使用する。
トーマス・リー
「さみーなー」
鉄道関係者? ではあるので列車に関する知識はある程度ある。なのでそれを踏まえてトロッコを作ってみる
【怪力無双】とパラドクスがあるので二つを使って材料集めて地道に作る
アリスティア・セラフィール
行く先にどんな困難が待ち受けているのか不安ではありますが、どこまで行けるのかという期待感も楽しいものですね。
物作りはあまり得意な方ではありませんので、作業環境を助ける努力を致しましょう。
「ハウル、あなたの力を借りますね」
パラドクスを発動して寒冷適応の効果で皆さんが快適に作業が出来るようにして、氷雪使いの力と結界術を組み合わせて降雪が邪魔にならないよう雪除けを作りましょう。
あとは怪力無双の効果を利用させて頂いて木材運搬などならお手伝いできそうです。
皆で何かを作り上げるというのも楽しいものですわ。
フルルズン・イスルーン
鉄道の線路がクロノオブジェクト! 大きいところは概念からして違うねぇ。
メカはあんまり詳しくないけど、燃料とかは石炭? 軽油?
ま、とりあえず持ち込み枠は多いほうが良いでしょ。
ボックス・ゴーレムくん。作業の時間だ!
技能は発明と早業があるから、持ち込んだ機材の組み立て手伝えるんだよー。
車体は積雪の懸念があるねぇ。極寒の屋根の雪を落とせる工夫かぁ。
とりあえず屋根に登る取手を車体連結部側面に。屋根上作業をやりやすくして、車体幅を少し超えるアーチ屋根設計。
少なくとも列車屋根中央に走る雪割板を設けて、除雪しやすくしたいかな。
ま、とにかく製材だ! 資材運搬だ! 組み立てだ!
ゴーレムくんよ手伝っておくれ!
アナスタシア・コルヒドレ
アドリブ共闘歓迎
シベリア鉄道か、懐かしいな……
お父さんと一緒に乗ったっけ。
と、感傷に浸るのは後だね。
取り敢えず昔乗ってたタチャンカ的なものを作ろう。
馬の代わりに自分たちの梃子推進にすることにしてと……動物か出せる人がいたら、その人に馬二頭出してもらおうかな?
木々の伐採の時短用に【建造物分解】を持っていくよ。
できなかったら剣で【解体】するか。
耐久性は【戦闘知識】でカバーしなきゃいけないところを補強する【臨機応変】な対応をしておくね。
相原・相真
まさかシベリアでトロッコ準備する事になるとは…
ともあれ長い旅路、準備はしっかりと、ですね
…いや、しかし本当シベリア寒いな…
事前準備:
新宿島でトロッコの設計を依頼
エンジンを積む機関車、【液体錬成】や【熱波の支配者】で燃料を管理する車両、先頭と最後尾に用意する見張り車両、他の皆さんの要望車両などを設計をしてもらい、
新宿島から持っていく必要のある部品を確認し準備する
あとはトロッコで使うディーゼルエンジンと寒冷地用の軽油を用意
必要があればばらして【アイテムポケット】へ収納
収納しきれなければ他の方にも協力を依頼
作業:
設計図を基に[発明・機械知識・早業]を生かしてトロッコ作り
車両が完成したらエンジンを設置
月下部・小雪
シベリア鉄道、世界一長い、鉄道さんです?
【アイテムポケット】にディーゼルエンジン(?)の部品を詰め込んで、きました。
あの、よくわかりませんけど電車やお船にも使われているすごいエンジン、らしいです。
燃料は半日分程度あれば、あ、あとは【液体錬成】で最後まで増やしていけそうな気がしますね。
車体の材料になる木材はコダマカーに引っ張って運んでもらいましょう。
シベ鉄の旅、な、長丁場になりそうですから、こ、これでいろいろ作れそうです。
まずは燃料を保管しておく車両、でしょうか。
あと、お、お手洗いも用意しておかなきゃ、だ、だめじゃないでしょうか。
※アドリブ連携大歓迎
安藤・優
シベ鉄続くよ〜どこまでも〜
…実際どこまで続いてるんだろうね、シベリア鉄道。
そんな事より今は『シベ鉄わくわくトロッコ造り』の時間だ
とりあえず設計図を見ながら木材や氷を加工していこうか、木材は削って形を整えるとして……氷の加工は水かけて凍らせてから溶かして形を整えるのが良いのかな?
動力とかはどうするんだろう?僕は何も考えてないのだけれど
それと【寒冷適応】があると言っても-80℃が限界だから【熱波の支配者】で少しでも気温を上げておくよ
爆走するトロッコの外は-80℃を超える寒さだろうからねー
防寒着も新宿島から沢山持ってきたから、みんなちゃんと着込むように、余った分は【アイテムポケット】に仕舞うよ
瀧夜盛・五月姫
そ、そんなにいつも、運がいいわけじゃない、よ……っ?!
氷のトロッコ、なんて、よくない、かな。
ロシア、とても寒冷。
気化熱も考えると、マイナス100度、満たない中、トロッコは高速で、走る。
硬い木材は、水に沈む。つまり、氷は木よりも、軽い。
さらにすごいのは、修復のしやすさ。
姫たちは【水源】で無限に、水を呼べる。
氷は多少脆くても、上から濡らせば、水は外気のおかげで、一瞬で凍る。
これほど、優秀な材質は、他にない、かな。
どうせ、走っている中で、トロッコは凍ってしまう。
最初から凍ってる設計なら、きっと強い。
トロッコに、しっかり水を掛けて、強度を上げる、よ。
あ、車輪が凍らないようには、気を付けないと、ね。
大角豆・茜
アドリブ連携歓迎
へくちっ……ん、流石はシベリア。残留効果があっても、雰囲気だけで寒気がしてくるよ……。
いざという時に列車内の離れた所同士で連絡が取れるよう、『雷奔金閃』を連発して【パラドクス通信】による小型通信機を複数生成、列車のあちこちに通信機の入ったケースを取り付けるよ。
それと断熱シートを可能なだけ持って来て列車の壁内や内側に仕込み、少しでも寒さを和らげられるようにしておきたいね。
あと、車内を暖めたり、ちょっとした調理が出来るような、ストーブや暖炉が作れるなら作っておきたいな。
未知の地、シベリアか……大事な任務だっていうのは分かっているけど、知らない土地の列車旅って、少しワクワクするよね。
レオニード・パヴリチェンコ
ん。まさかシベリア鉄道がクロノ・オブジェクトだったとは、ね
新宿島では新参者だから、ね。足を引っ張らないようにお手伝いをメインに、かな
まずは木材の用意、かな。作業中に体は冷えるとまずいから、ね
しっかりと厚着をして作業していこう
使えそうな木を伐ったり、枝を集めたりしてくよ
サブ動力は用意した方がいいよ、ね
耐久力は勿論だけど、予備の部品とかも作っておいた方がいいか、な
特に負荷が大きそうな部品の予備を作っていくね
イシュア・アルミゴス
トロッコで敵地に行くなんてなかなかチャレンジ精神溢れることだね
やる気に満ち溢れた精神、嫌いじゃないよ!
サブ動力積むんだったらその分の耐荷重も考慮して耐久力も補強しないとね。
持ち前の発明の知恵と機械知識を活かして補助していくよ。
雪でこんなに溢れてるんだったら何だっけ?雪上迷彩ってのも有効そうだね。
静音性は難しいけど視認性を抑えればその分安全に行けるよね。
壁と屋根を作って積雪対策したら持ってきた油性ペンキでペイントしていくね。
この気温じゃ固くなりそうだし熱波の支配者で出来るだけ温めておこっと
道中どんな危険があるかわからないからね。やれることはやっておこう。
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
手作り列車でシベリアを走るって中々の冒険だよね。
正直な所、ロシアの寒さと言うか大自然はかなりヤバいと思うんだけど……
取り敢えずは皆が持ち込んだ資材を元にトロッコ列車を組み立てようか?
まぁ、イロハも工作が得意と言う訳じゃないけど人手があれば役に立つこともあるしね。
かなりのキメラ染みた構造だし、試運転の際には絶対に【操作会得】が役立つよね。
ぶっつけ本番で動かしてシベリアにgoするのは無謀だし
この中にトロッコを動かした経験がある人も居ないだろうからきちんと動作確認するべきだと思うんだ。
製作段階の内から列車の運転に慣れとくべきだし
道中に問題になりそうな箇所は先に洗い出したいよね。
百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎
「TOKYOエゼキエル戦争や機械化ドイツ帝国でも鉄道は割と重要な拠点に繋がっていたりしたから、シベリア鉄道も気にはなっていたけど、まさかクロノオブジェクト化しているとは…極東までつながっているのかな?」
さて作業しようにもまずこの寒さをどうにかしないとな。
まずはパラドクスの工兵装備で巨大な雪山を作って固め、塹壕掘りの技能やトラップ生成などを応用して穴を掘れば巨大なカマクラの完成だ。この中で作業をすれば寒さもマシになるし、敵から作業を発見される可能性も低くなるだろう。
あとは設計図に従い作業。できれば嵯峨野のトロッコ・ストーブ列車みたいに、ストーブを備え付けて暖をとれるようにしたいな
レイラ・イグラーナ
シベリアの奥地、ですか……
あまり外に目を向ける余裕はありませんでしたが、もしかしたら体制を突き崩すための力になるものがあるかもしれませんし、良い機会ですね。
現地で調達しづらいものを事前に用意しておきました。
新宿島でトロッコの戸車など、高い工作精度を要求され、強度等も考えると木では作れないものを設計・生産してもらい調達。設計図と合わせて【アイテムポケット】で持ち込みます。
アイテムポケットに余裕があれば各種工具やねじ等の固着具も持ち込み、現地でトロッコ作り。
雪がトロッコ内に積もらないよう屋根を付けて、除雪もしやすい設計にいたしましょう。
まさかこうしてトロッコを作ることになるとは思いませんでした……
一里塚・燐寧
アドリブ絡み歓迎
五月姫ちゃんの提案が、ドイツの時みたいにドンピシャを射抜くかも
頑張って手伝わないとねぇ!
新宿島で調達した防寒着を着て現地地へ
≪テンペスト・レイザー≫で木を伐り木材を調達するよぉ
チェーンソー本領発揮だねぇ
木材運ぶのは【怪力無双】で楽ちんにしちゃおっと
トロッコがエンストして牽引する時とかに
残留効果で残ってると保険になるしねぇ
組み立てる時も木材・建材(使う場合氷を含む)加工が必要なら
チェーンソーで手伝っちゃうよぉ
トロッコ作る時拘りたいのは屋根かな
積雪の重みで潰れたら困るから傾斜をつけ雪が落ちるように
更に可能なら新宿島から電気設備を持ちこみ
屋根に電熱線を仕込んで熱で雪を溶かしちゃうよぉ
坂登・悠日理
シベリア鉄道はどうなってるか興味ある
が
トロッコ…
トロッコねぇ
予め情報収集で仕組みとか設計図とか調べて行くか
基本は木なんだろうけど
その内側に鉄板とか貼ったら補強できないかなぁ?
まぁ考える人は沢山いるだろうけど
持って行って困るもんじゃないし
余ったら誰かのアイテムポケットに入れて貰おう
あと車輪も…木じゃないよな?
木じゃない方が保ちそうだし
予備含め持ち込も
乗り心地とか考えるとクッションとかあるといいよなー
どのくらい行くのか分かんないし
それこそ極東まで繋がってて
トロッコで行くとなったら事だし
まぁ隠れたりするにも良さそうだし
俺もパラドクス使って平穏結界も張っとくにしても
ついでに布…シーツとかも持って行くか
「さみーなー」
停車したパラドクストレインを降り、冠雪によって白く染まるウラル山脈を望む平地へと足を踏み出したディアボロスの内幾人かは間違いなく感じたであろうことをトーマス・リー(復讐者【アヴェンジャー】・g00766)が声に出す。
「まさかシベリアでトロッコ準備する事になるとは……」
独言しつつも旅路の長さを考えれば準備はしっかりしないといけないことは相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)も理解しつつも。
「……いや、しかし本当シベリア寒いな……」
思わず漏れる言葉はやはり似通って。
「TOKYOエゼキエル戦争や機械化ドイツ帝国でも鉄道は割と重要な拠点に繋がっていたりしたから、シベリア鉄道も気にはなっていたけど、まさかクロノオブジェクト化しているとは……極東までつながっているのかな?」
白く曇った吐息を吐きつつ百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は独り言ち。
「寒い! だ……誰かあっためて……」
声にならない悲鳴を発したかと思えば薄着のアーサラ・オーエン(恋人系アイドル・g07212)が震え出せば、まだ見ぬ東の果てに思いをはせているだけとはいかず。
「さて、作業しようにもまずこの寒さをどうにかしないとな」
そう思い至ったのは、運命だけではなかったらしい。
「ハウル、あなたの力を借りますね」
震える味方の姿にアリスティア・セラフィール(シンフォニックウィザード・g02995)は物語にある伝説となった白狼へと呼びかければ、留まる力は周辺を限定的ではあるが寒さを気にせず快適に過ごせる世界へと改変する。
「ありがとー」
「いえ」
アーサラの感謝の言葉に何でもないというようにアリスティアは頭を振って。
「防寒着も新宿島から沢山持ってきたから、みんなちゃんと着込むように」
更に念のため周辺を熱波を自在に操る世界へと変え気温を上昇させた安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)が小さなポケットから言葉通りに持ち込んだ防寒着を何着も取り出して配り始めた中、アリスティアが視線を向けるのは山脈の向こうにある西の空。
「行く先にどんな困難が待ち受けているのか不安ではありますが」
としつつも、まだ見ぬ地をどこまで行けるかの期待が気持ちを上向きに、これからせねばならない作業すらも楽しく感じさせるのだろうか。
「雪があるのは幸いでしたね」
氷雪使いは雪や氷を作り出すのではなく巧みに操ると言った力。これを他の力と合わせることでアリスティアは作業場所と目したところへ雪除けを作ろうと試み始め。
「手を貸そう」
作業中の寒さを和らげようと大きなカマクラを作るつもりだった運命が協力を申し出て。
「へくちっ……ん、流石はシベリア。残留効果があっても、雰囲気だけで寒気がしてくるよ……」
くしゃみを一つして震えて見せたのは、大角豆・茜(呪刻を継ぎし者・g03477)。摂氏マイナス80度までなら快適な世界に変わっているとはいえ、視界には積雪もある。体感的なモノと気持ち的なモノは別と言うことかもしれない。
「それはそれとして、まずは材料の調達だよね」
茜自身にもやろうと考えていることはあったが、トロッコ列車の本体がある程度出来上がらなくては話にならず。
「ん。ボクも……それに賛成。まずは木材の用意、かな」
作業中に体は冷えるとまずいからという理由で厚着をしたレオニード・パヴリチェンコ(“魔弾卿”・g07298)が同意し。
「五月姫ちゃんの提案が、ドイツの時みたいにドンピシャを射抜くかも。頑張って手伝わないとねぇ!」
「そ、そんなにいつも、運がいいわけじゃない、よ……っ?!」
防寒着に身を包んだ一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)の笑顔に瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼/大怨霊の愛し姫・g00544)があたふたしてから動きを止め。
「氷のトロッコ、なんて、よくない、かな」
口に出したのは動きを止めた理由である思い付き。ロシアはとても寒冷で、気化熱も考えると、マイナス100度。今恩恵に預かっている寒冷適応ではカバーできない寒さの中をトロッコは高速で走る筈であり。
「よーし。じゃあお互い頑張っちゃおうか~」
自身の閃きを肯定する材料を見つけてゆく五月姫の姿を見て、燐寧は笑顔のままくるりと向きを変える。木材を確保しに行くのだ。
(シベリア鉄道ねぇ。どこまで続いているのやら……)
声には出さず一度だけ東に視線をやったノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)もこれに続き。
「シベリア鉄道、世界一長い、鉄道さんです?」
仲間たちの口から時折聞こえる単語に首を傾げた月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)は周囲を見回してから、あのと声を発し。
「詰め込んで来た部品はここに置いておきますね」
よくわかりませんけどとしつつもそれがどういった物品であるかを近くにいたディアボロスに伝えると、待ってと木材確保に向かう燐寧たちを追いかける。
「もっきゅ」
その背中をモーラット・コミュのコダマが更に追いかけ。
「シベリア鉄道か、懐かしいな……お父さんと一緒に乗ったっけ。と、感傷に浸るのは後だね」
頭を振って思い出をそっとしまい込んだアナスタシア・コルヒドレ(蒼炎の閃光(ひかり)・g00340)も既に出発している面々に続く形で雪原の向こう、葉を落とした木々の生える場所を目指し歩き始めた。
「現地で調達しづらいものを事前に用意しておきました」
残されたのは、主にアイテムポケットで現地での作成が不可能なモノを持ち込んだディアボロスやトロッコに使う材料の加工もしくは組み立てを請け負おうとするディアボロスたちだ。これを、と色々取り出しては置いてゆくのがレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)で、その手の類のモノを整理しつつ木材の到着を待っていれば、話題はこれから踏破するものとこの土地へと向く。
「鉄道の線路がクロノオブジェクト! 大きいところは概念からして違うねぇ」
感嘆の声をあげるのは、フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)。
「シベリア鉄道はどうなってるか興味あるが、トロッコ……トロッコねぇ」
「手作り列車でシベリアを走るって中々の冒険だよね。正直な所、ロシアの寒さと言うか大自然はかなりヤバいと思うんだけど……」
二度反芻した坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)に続いてイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)が感想を口にする一方、逆に今回の調査をポジティブに受け取った者も居た。
「トロッコで敵地に行くなんてなかなかチャレンジ精神溢れることだね。やる気に満ち溢れた精神、嫌いじゃないよ!」
それがイシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)の見解であり。
「シベリアの奥地、ですか……あまり外に目を向ける余裕はありませんでしたが」
体制を突き崩すための力になるものが存在するかもしれないと調査に向かうこと自体を肯定的にみるのは、先ほどまで取り出したモノを置いていたレイラ。
「未知の地、シベリアか……大事な任務だっていうのは分かっているけど、知らない土地の列車旅って、少しワクワクするよね」
「その旅をするにも『シベ鉄わくわくトロッコ造り』を終えなきゃいけないんだけど」
茜の言に優は雪の上に転々と複数の足跡が伸びる先へ目をやった。木材を調達に行った面々は流石にまだ戻らず。
「なら、木材が来るのを待つ間にトロッコの構造や工夫についても話し合っておかないかい?」
「そうだな。木材を取りに行っている面々で意見のある者も居るかもしれないが」
フルルズンが提案したことで、同意した運命は前置きしてから一つ要望を口にする。
「できれば嵯峨野のトロッコ・ストーブ列車みたいに、ストーブを備え付けて暖をとれるようにしたいな」
と。同じトロッコ列車であるのならば、懸念は列車自体への引火の危険性などだろうが。
「私もそういうのは欲しいかも。車内を暖めたり、ちょっとした調理が出来るような、ストーブや暖炉が作れるなら作っておきたいな」
茜が運命の言に賛意を示し。
「メカはあんまり詳しくないけど、燃料とかは石炭? 軽油? ストーブをつけるなら共有できた方がいいかもね」
幸いにも液体を増殖させる残留効果を持つパラドクスの使い手は木材調達班を待つ面々の中にもいたのだ。
「いずれにしても燃料は問題なさそうですね」
先頭と最後尾に用意する見張り車両の設計図から顔をあげた相真はアイテムポケット経由で持参していた寒冷地用の軽油が入った容器をちらりと見て。
「サブ動力積むんだったらその分の耐荷重も考慮して耐久力も補強しないとね」
燃料と言う単語から動力に話題が転がったところで口を開いたのは、イシュア。
「設計図を見て考えることは出来るだろうけれど、補強する大本がある程度できてからだから」
「木材がある程度届いて組み上げてからになるってことかな」
どれだけの木材が確保できるかもまだ解っていない状況なのだ。トロッコの設備などについての案はまだあちこちから出る中、幾人かの意識は木材を調達に行った面々へと再び向いて。
「着いたな」
木材確保に向かったノインたちはその頃ようやく木々の生える場所へたどり着いたところだった。
「じゃあ、早速木を伐ってゆくよ~」
チェーンソー本領発揮だねぇと燐寧が鎖鋸大剣のエンジンをふかせば刃は回転を始め。
「木は建造物じゃないから分解は出来ないよね」
アナスタシアは大曲剣を抜くと峰側についたジェットエンジンを一瞥してから振りかぶる。
「そっちに倒れるから気を付けてね~」
「了解」
忠告に応じたノインが木の側を離れれば、積もった雪を零しながら傾いだ木は倒れ。
「シベ鉄の旅、な、長丁場になりそうですから、こ、これでいろいろ作れそうです」
「問題があるとしたら、これをどうやって運んで行くか、だよね」
倒れた一本目を皮切りに進んでゆく木々の伐採を眺めていた小雪の言に落とした枝を集めていたレオニードは周囲を見回した。伐採された木は短いものでも数mはあり。
「こ、コダマのお車、に引っ張って運んでもらえたら、よかったんですが」
「もきゅ」
敵を撥ね飛ばし攻撃すれば所謂残留効果以外を残さず消えてしまうパラドクスでの運搬は難しく。
「まぁ、人手があって怪力は発揮できるのだから――」
ディアボロスたちが手分けして運べば不可能はない。トロッコの大きさを考えると木材はかなり要りそうではあるが。
「怪力無双があってこれだけ人数がいれば大丈夫だろ」
見解に概ね同意のようで木材調達班に混ざっていたトーマスが枝を払われほぼ丸太となった木をらくらく担いで見せた。周囲をディアボロスが怪力を発揮する世界へ改変する効果は十分に発揮されているようでもある。
「ん。なら、ボクは応援を呼んでくる、ね」
集めた枝の他手ごろな切り倒した木に手をかけると、レオニードがまだ残っていた足跡を頼りに元来た道を引き返し始め。
「乗り心地とか考えるとクッションとかあるといいよなー。どのくらい行くのか分かんないし」
一方で木材調達班の状況を知らぬ面々は、トロッコの設備やら工夫やらについてまだ意見を交わしていた。おおよそ一週間前後って見積もっていたっけと悠日理は時先案内人の説明を思い出すも、その時先案内人とて先の情報がわからないからこその調査でもあるのだ。
「それこそ極東まで繋がってて、トロッコで行くとなったら事だし」
時先案内人の想定通りだったとしても何日かトロッコ内で過ごすことにはなる。
「シーツとか用意してきて良かったよ」
クッションと組み合わせれば交代で寝る寝台ぐらいは用意できそうであり。
「車体は積雪の懸念があるねぇ。極寒の屋根の雪を落とせる工夫かぁ」
ちらりと空にある灰色の雲を見上げたフルルズンは設計図を覗き込むと、手を加え始めた。
「とりあえず屋根に登る取手を車体連結部側面に。屋根上作業をやりやすくして――」
先の言からしても除雪の為のものなのだろう。
「あれ? 誰か戻って来たみたいだよ」
木材を確保に一部のディアボロスが向かった方角に五月姫が人影を見つけたのは、残った面々の意見交換が一段落し、新宿島から持ち込んで資材での組み立て作業などが始まった後のこと。
「輸送が大変そう?」
他の待機作業組に混じって持ち込まれた機材の組み立てを手伝っていたフルルズンは、戻ってきたレオニードの話を聞くと立ち上がる。
「ボックス・ゴーレムくん。作業の時間は一時中断のようだ」
作業場となっている周辺で資材の運搬も行うつもりであったフルルズンからすれば予定の変更ではあるが、モノを運ぶこと自体は想定していたことでもあり。
「木材はまだ向こうに残っちゃってるけど、伐る木の方が少なくなっちゃったから伐採場所を変えて別の場所にも木材あるからねぇ」
「それはどっちの? あぁ、あっちの方かい。わかったよ。じゃあ何人かで運びにに行けばいいかな」
運び手が増えたことで作業場の近くへ木材がどんどんたまってゆく。その量が車両の一両や二両を作るのに十分な量に達すのにあまり時間はかからず。
「木材は削って形を整えるとして……氷の加工は水かけて凍らせてから溶かして形を整えるのが良いのかな?」
優が視線を向けた先にあるのは、木材採取ついでに凍った池から切り出して来たらしい氷の塊。
「これで、後は組み立てるだけなのかな?」
加工されてゆく木材を視界に入れつつアーサラは疑問を口にした。薄着の上に防寒具を羽織った上で仲間が寒さ対策をしてくれたおかげで作業を手伝うこと自体に支障はない。
「あ……誰か詳しそうな人は近くに」
強いて言うなら直後に見つけた設計図を数秒見て独力の理解を諦め、助言を求めて周囲を見回し始めたことだろうか。
「とりあえずパラドクスもやってみたけど、うまくいかなかったからなー」
召喚された材料を加工して作った品が一分に満たない時間で消滅してしまったことを思い出したのか、途中で遠い目もしたが、無意味と言うこともなく。残留効果で寒冷地仕様のオイル等の液体を増殖させるという意味ではしっかりと貢献しており。
「ちょっと、通りますよ」
「あ、うん」
一声かけたノインがアーサラの手の中の設計図を一瞥してから通り過ぎてゆく。その肩には加工された木材が積まれていて、向かう先では客車の一分らしきものが出来上がり始めている。
「シャーシが来るのはこの下……見慣れたバランスに近いな。次は、これだな」
鉄道関係者らしく列車に関する知識と照らし合わせてトーマスは完成に近づきつつある客車の構造を時折チェックしつつも運ばれてきたパーツをはめ込み。
「その次はこれもお願いしますの」
一つ減ったパーツの置き場に抱える様に持ってきた複数のパーツを置いたアリスティアはトーマスに一声かけてから来た道を引き返してゆく。
「皆で何かを作り上げるというのも楽しいものですわ」
微かに口元は綻び、足取りは軽いがこればかりはきっと仕方ない。
「まぁ、イロハも工作が得意と言う訳じゃないけど」
そう前置きしてイロハも組み立てに加わっていて。
「こんな感じかな?」
いくつかの車両が出来てゆく中、アナスタシアが作っているのは、後ろ向きに機銃を装備した馬車を改良したもの。銃座をオミットし、かわりに手漕ぎトロッコなどに用いられる人力の動力部を設けることで梃子推進を可能としていた。
「馬とか用意できる人がいたら牽引も出来るようにはしてあるつもりだけど――」
作業をしているディアボロスたちに該当するサーヴァントを連れた者は居らず。攻撃一回ごと、せいぜい数十秒で消えてしまうパラドクス製の動物を動力源にするのは難しい。そういった意味では、梃子推進を可能としたのは正解だったと言えるだろう。
「サブ動力は用意した方がいいよ、ね……そう思っていたけど」
レオニードは出来上がりつつあるいくつかの車両を眺め小さく頷く。アナスタシアが作っているものこそまさにそのサブ動力となりそうだったから。メイン動力にはアイテムポケットでパーツに分けて持ち込まれ、組み立てられつつあるエンジンがあり。
「『動力とかはどうするんだろう?』って思ってたけど大丈夫そうだね」
とは、優の弁。
「耐久力は勿論だけど、予備の部品とかも作っておいた方がいいか、な」
動力について気にしなくても良くなったことでレオニードははパーツを加工する作業場と化した一角へ向かう。
「あの、ですけど、それなら燃料を保管しておく車両もあった方が良いですよね」
ただ、小雪の意見も一理あった。残留効果で液体を増やすには8時間冷暗所で安置する必要があるのだから。
「あと、お、お手洗いも用意しておかなきゃ、だ、だめじゃないでしょうか」
「あっ」
さらに言うなら付け加えられた懸念も至極もっともであり。作る車両が増えることになったとしても快適な旅を考えるなら避けては通れないモノだった。
「まさかこうしてトロッコを作ることになるとは思いませんでした……。ええと、これはあちらに運んで……」
車両が徐々に出来上がってゆく。
「この内側に鉄板とか貼ったら補強できないかなぁ? まぁ考える人は沢山いるだろうけど」
木材でできた外壁の裏側を見つめてから悠日理は周囲を見回し。
「雪がトロッコ内に積もらないよう屋根を……まぁ! 同じことを考えられた方が居られましたのね」
客車の一つが屋根を張る作業に至ったところで加筆された設計図を見たレイラが目を丸くする。
「屋根に電熱線を仕込んで熱で雪を溶かしちゃおうとも思ったんだけどねぇ」
持ち込んだモノで足りるかなといくつかの車両を見るのは、燐寧。車体幅を少し超えるアーチ屋根設計はフルルズンの発案であり、車両の屋根については屋根に関した工夫を考えていたディアボロスたちの合作と言えるだろう。
「雪でこんなに溢れてるんだったら何だっけ? 雪上迷彩ってのも有効そうだね」
周囲の景色を次いで完成に近づいている車両の外壁を見てからイシュアは物資の置き場へ目をやって。
(静音性は難しいけど、視認性を抑えればその分安全に行けるよね)
油性ペンキの塗料缶へと近づけば、それを手にすでに完成した車両へと向かってゆく。もちろん外側を塗装するために。
「エンジンを設置するのはこの車両でしたね」
相真が仲間の力も借りて完成したエンジンを運ぶのは、イシュアがまだ塗装をしていない車両。
「こっちの車両は断熱シートも小型通信機も取り付けたから、次はあっちかな」
完成した車両や完成間近の車両の間を歩き回って茜は手を加えてゆき。
「仕上げをするよ」
五月姫が水をかければ、トロッコの外装が氷の殻をまとってゆく。
「あ、車輪が凍らないようには、気を付けないと、ね」
「車輪は予備を持ち込んではあるけどな」
不具合がないなら越したことはなく、悠日理は肩をすくめ。
「完成、したね」
「そうですね」
最後に複数の車両が連結されてシベリア鉄道を行くためのトロッコは完成に至る、ただこのまま走らせるかと言うとそれはNOで。
「かなりのキメラ染みた構造だし、試運転の際には絶対に【操作会得】が役立つよね」
実際複数のディアボロスたちのアイデアの集合体でもあるのだ。
「ぶっつけ本番で動かしてシベリアにgoするのは無謀だし、この中にトロッコを動かした経験がある人も居ないだろうからきちんと動作確認するべきだと思うんだ」
というイロハの至極真っ当な主張によって、完成したトロッコはゆっくりと動き出す。製作段階の内から列車の運転に慣れとくべきだしという意見もいれて運転は交代で。
「道中に問題になりそうな箇所は先に洗い出したいよね」
「そうだねぇ。いざ出発してから何かあっても拙いし」
何人ものディアボロスたちの目が車輪周りや連結部などあちこちに注がれ、夕暮れの中をトロッコは進む。
「とりあえず、問題はなさそうだな」
「いよいよ始まるんだ。……実際どこまで続いてるんだろうね、シベリア鉄道」
問題がないと判断されて試運転は通常運転へと移行し。流れゆく景色を見つめながら優は呟いた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV3が発生!
【怪力無双】LV2が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV3が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【平穏結界】LV2が発生!
【水源】LV2が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV3が発生!
【ロストエナジー】LV3が発生!
【ダメージアップ】LV4が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
雪の積もった大地がオレンジに染まる中をトロッコは進んでゆく。日没に至ればやがて夜のとばりも降りるだろうが、この地この季節の日没は午後の九時近い。トロッコの作成時に時折見かけた灰色の雲もなく、いつの間にか空は晴れていて、夜になったなら綺麗な星空が見られるかもしれない。
アーサラ・オーエン
【アドリブ&連携歓迎】
「はやーい! 寒っ!」
外の景色見てみるけど、なんか変化がなさそうなのですぐ飽きる。
そして、娯楽にとミニライブ&カラオケ大会をやるよー!
演奏は騒霊楽団に任せて、持ち歌二つとリクエスト曲を披露! 自分の番が終わったら他の人の歌を手拍子しながら参加する!
ミニライブをしてない時は……余った材料で彫像してたら怒られたのでトロッコの予備パーツ作ってる……
月下部・小雪
みんなで作ったトロッコ、完成ですね。
そ、それじゃあ、出発進行、です!
がたんごとんとゆれるトロッコの中、みんなに楽しんでもらうためコダマと一緒に【毛玉音頭】を披露、です。
もし他にモーラット・コミュやサーヴァントを連れている方がいれば、い、一緒に踊ってもらえたら嬉しいです。
も、もちろんトロッコの中でのお仕事も頑張ります。
見張りの時間になったらコダマと一緒に双眼鏡を使って異常がないかチェック、です。
案内人さんのお話だと、シロクマさんがやってくるかも、しれないです。
そ、その時にはなんとかお話して帰ってもらえると、いいですね。
※アドリブ連携大歓迎
安藤・優
※アドリブ連携歓迎
『シベ鉄どきどきトロッコツアー』の始まりだね〜
……緊張感が無いって?ははは、気のせいだよ。
みんな楽しそうにはしゃいでるからその間は見張でもしてようかな。
みんなと騒ぐのはサーヴァントのアウロラの仕事だよ。
アウロラは毛玉音頭で楽しく踊ったり、カラオケ大会で歌ってたりするよ。
【通信障害】を発動しておいて、敵に見つかった時の連絡手段を潰しておくよ。
「みんなで作ったトロッコ、完成ですね」
どことなく感慨深げに車両を先頭車両に向かって進んでいた月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)が一番前の車両にたどり着いたのは少々前のこと。
「そ、それじゃあ、出発進行、です!」
と号令を出してみたのもだ。既にトロッコは動き出して東へ東へと進んでいる。
「はやーい! 寒っ!」
流れる景色に歓声をあげてからアーサラ・オーエン(恋人系アイドル・g07212)はすぐに悲鳴を上げた。
「『シベ鉄どきどきトロッコツアー』の始まりだね~」
進むトロッコが立てる音と揺れを感じながら安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)も視線を外へ投げる。
「……緊張感が無いって? ははは、気のせいだよ」
誰かに指摘されたなら、笑いつつそう答えたかもしれない。だが、優が外を見ているのは見張りの為で。
「そ、そろそろ移動するね?」
飽きたのか、先ほど悲鳴を上げていた理由が原因なのか。アーサラが断りを入れてから別の車両に移動すると、優もみんなとはしゃいでおいでとオラトリオのアウロラを送り出して。
「もーきゅ、もーきゅ、もっきゅっきゅっ、です♪」
「もっきゅー♪」
東へ進む車両の一つで始まったのは、ディアボロスたちを楽しませる余興だ。先頭車両から移動してきた小雪とモーラット・コミュのによるコダマが毛玉音頭を披露すれば、これにアウロラも合わせて踊り。サーヴァントやディアボロスたちが参加する踊りの輪を運びトロッコは進んでゆく。
「おつかれさまー!」
「もっきゅ」
そうして踊り終えたコダマたちを労うと今度はアーサラが車両の真ん中に移動し。
「ミニライブ&カラオケ大会をやるよー!」
宣言と共に音楽は流れ出し。揺れる様にリズムをとってアーサラは歌い出す。
「澄み渡る朝 ペコペコのお腹♪」
歌声は車内に満ちて、アーサラが持ち歌を披露する間も窓の外の夕日は沈んでゆく。初日と言うこともあってか今のところ平穏そのもので。
「案内人さんのお話だと、シロクマさんがやってくるかも、しれないでしたね」
「もきゅ」
踊り終えて見張りの交代要員として双眼鏡を手に移動してきた小雪へ相づちを打つようにコダマは鳴き。
「そ、その時にはなんとかお話して帰ってもらえると、いいですね」
「もきゅきゅ」
小雪とコダマがやり取りする中、前方車両側から近づく人影が一つ。
「ご苦労様。今のところ変わったことはないよ。敵に見つかった時の連絡手段を潰してはおいたけれど、それらしい姿はなかったし」
見張りをしていた優はすれ違った小雪に声をかけると、カラオケの行われている車両へ向かって。
「はーい、次、歌いたい人いる?」
「じゃあ、僕も歌ってもいいかな?」
手拍子の合間にトロッコの予備パーツを作っていたアーサラが尋ねている場面に出くわした優が挙手をして、穏やかで楽しい時は流れてゆく。カラオケ大会はまだ終わる様子を見せず、だが夕暮れは終わりに近づきつつあった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【反撃アップ】がLV4になった!
アナスタシア・コルヒドレ
アドリブ共闘歓迎
何もかも懐かしいなぁ、どこまでも続く雪原。
でもよく見るとそこには確かに何かがあって、それを音や風や匂いが教えてくれてた。
今もそうかはわからないけれど……
取り敢えず何か変わったことがないか新宿から持ってきた双眼鏡で【情報収集】しておこうかな。
とはいえ息抜きも必要だよね、気張りすぎちゃうと見えるものも見えなくなっちゃうし。
カラオケやるなら私も参加しようかな?
歌うなら王道のカチューシャか、思い入れ深いタチャンカにしようかなぁ……
坂登・悠日理
ひゃー
トロッコの旅って言ってもなかなかいい感じじゃん
みんなで作った力作だし!
めっちゃ寒いけど
空はすげぇ綺麗だし
星は確かに良く見える
上手く写真撮れるかなぁ…
夜空スマホでぱしゃり
情報持ち帰るのが目的だけども
それ以外にも個人的な土産になったらいいな
同時に周囲を観察して何か変わったものはないかとか異変がないかとかも気を配っとくな
気になる事はメモと記憶術で覚えとこ
空見てれば天候予測も出来るから天気に応じた先回りの対応も出来るだろ
例えば降雪とか
積もっちゃったら出来る事は限られるけど
心構えと準備しとくのは悪くない
うー冷えてきた
温かい飲み物でも飲みに行くか
ん?声が聞こえる
カラオケしてんの?
休憩がてら聞いてこ
「ひゃー、トロッコの旅って言ってもなかなかいい感じじゃん」
そう坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)が歓声をあげたのは出発して間もないころのことではあったが、きっと無理もないのだ。
「みんなで作った力作だし!」
と、理由を聞かれたなら自信にあふれた表情を子供っぽい笑みにして答えたかもしれない。実際、トロッコが不調を見せることは今のところなく。
「何もかも懐かしいなぁ、どこまでも続く雪原」
言及した雪原がオレンジに染まる時もアナスタシア・コルヒドレ(蒼炎の閃光(ひかり)・g00340)の視界の中で終わりを迎えようとしていた。
「でもよく見るとそこには確かに何かがあって、それを音や風や匂いが教えてくれてた。今もそうかはわからないけれど……」
車内に居るというのもあるが、線路から離れられない現状では確認も難しいということなのだろう。新宿から持ち込んだ双眼鏡を両手に持ったままアナスタシアの視線は暫し雪原に注がれたままで。
「とはいえ息抜きも必要だよね、気張りすぎちゃうと見えるものも見えなくなっちゃうし」
暫く雪原を眺めていたアナスタシアが切り上げたのは、夕暮れが本当に終わるころ。
「あっ」
向かった車両でカラオケ大会が開かれていることを知るのだが、これは車両を移動したアナスタシアのみで。
「私も参加しようかな?」
カラオケ大会の存在を知って自分の番を待つ列に並び。
「歌うなら王道の――」
何を歌うかで悩み始めたことを知るのも該当車両に居合わせた面々のみ。
「空はすげぇ綺麗だよな。夕焼けも良いけど、こう暗くなった後も……おっ」
その場に残った悠日理は徐々に夜の色へと変わりつつあった空を仰いで小さく声を漏らしていた。きっと瞬く星を見つけたからだろう。
「上手く写真撮れるかなぁ……」
スマホを取り出し空に向けると、カメラ機能を起動させてぱしゃりと撮影し。
「おー、なかなか」
情報収集だけでなく個人的な土産も兼ねた夜空の撮影会を暫し楽しみ。
「今んとこ変わったものはなさそうで……天気は良さげだな。この分なら積雪はなさそうかもな」
天気に応じた先回りの対応も出来るだろ、と天候予測を試みて導き出した答えに少し安堵する。
「積もっちゃったら出来る事は限られるからな」
それでも心構えと準備しとくのは悪くないと思っていた悠日理だったが、選択肢を狭められるような降雪がない方が良いのは言うまでもない。
「うー、温かい飲み物でも飲みに行くか」
立ったまま空を仰ぎ続けるのも色々な意味できつかったのかもしれない。アナスタシアを追う形で車両を移ろうとすれば。
「ん? 声が聞こえる。カラオケしてんの?」
耳に入ってきた旋律と歌声に悠日理が覗き込んだ車両で歌っていたのは、アナスタシアだった。
「何か温かい飲み物貰えない?」
そう声をかけて首尾よく飲み物を貰うと空いていた場所に腰を下ろし、歌に耳を傾け始めた悠日理の後ろ、夜空の遠くで鮮やかな色をした、光のカーテンが揺れた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【平穏結界】がLV3になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!
フルルズン・イスルーン
むいー。突貫工事だからボロが出ないかヒヤヒヤなのだ。
最低限何かあっても直せる【修復加速】でメンテ要員に入るよー。
とりあえず普段は小さなことから多少の問題までゴーレムくんで対応。
【寒冷適応】もあるし屋根上もなんとか。風が強そうだねぇ。
ま、それはそれとして。
レクリエーションを要求する! 暇なのだー!
何か催ししてたら首を突っ込む!
ふふふ、逃れることはもはや出来んぞー。
お歌? ボクの実力を見せてやろうさね。(確定オンチ)
ダメ出しされたらそうだねぇ。
伝承知識というのもあれだけど、北欧民話の語り聞かせとか?
滑舌は悪くないから、聴かせる分には問題ないかな。
龍と娘とか、どろにんぎょうとかどう?
「レクリエーションを要求する! 暇なのだー!」
余裕が出てきたということなのだろうか。
「むいー。突貫工事だからボロが出ないかヒヤヒヤなのだ」
と、出発当時こそトロッコの様子を気にしていたフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)も屋根の上やら連結部やらあちこち見回って何のトラブルもない時間が続けば、手持無沙汰になったようで、人の集まる車両に突撃していた。
「おお、カラオケ大会だと?」
たまたま遭遇したイベントに若干驚きつつも、望んでいたレクリエーションだ。
「ふふふ、逃れることはもはや出来んぞー。お歌? ボクの実力を見せてやろうさね」
嬉々として、自信ありげに言い放つが、それは何かのフラグのようでもあり。
「え? 他のものの方がいい?」
フルルズンの歌は評判がよろしくなかったらしい。歌いだして数フレーズでストップがかかると、きょとんとしたフルルズンは考え込んで。
「そうだねぇ。伝承知識というのもあれだけど、北欧民話の語り聞かせとか?」
まだそっちの方がよいと思われたのかはわからない。滑舌は悪くないと思うフルルズンにとって、聴かせる分には問題ないもののようにも思えて。
「リクエストとかはある? あ」
なければ自身のおすすめでも披露しようと考えつつ周囲を見回して、窓の外のオーロラに気づいた。
成功🔵🔵🔴
効果1【修復加速】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎
「いよいよ出発か。何か情報やディビジョンの果てがどこまでなのか分かればいいが…」
乗車中は情報収集に勤しむ
【平穏結界】【光学迷彩】で隠れつつ、【完全視界】やカメラ等で周囲の様子を監視と記録。
見張りや情報収集する仲間(観測班と仮称)と連携
【パラドクス通信】等で連絡しあい、異常や本来の歴史にない構造物や消えている物があれば【スーパーGPS】と地図で場所確認し記録
「しかしドイツの国境偵察から思えば、ずいぶん遠くに来たものだな」
24時間体制で監視や記録を行う為に観測班内でローテーションを
休憩時にはロシアらしくボルシチ等も作り差し入れ
「まあ眠くならない程度に栄養補給もしておかないとな」
瀧夜盛・五月姫
最低でも7日は、見込まれて、いる。
だから交代で見張り、やるべき、かな。
姫は夜中の番、ね。
……何をしてる、か? これは夜の暇つぶし、のようなこと。
星を見ながら、自分の位置を測ってる、よ。
ん、どこに繋がってるか、わからないから、現代の“ロシアの各州、各国別の地図”、“ユーラシア大陸の地図”、“世界地図”……いろいろ持ってきた地図に、【スーパーGPS】で、に現在地、プロットをしてる。
だから確かに、あまり意味がない事、それはわかってるけれど、ね。
ここは、随分と北辰、高くて、故郷では、秋に見えた筈の星、見える。
でも、遠い国でも同じ星、見られるなんて、空は確かに、繋がってたんだね。
それが姫、嬉しいんだよ。
「なんだ、今のは?」
カラオケ大会が行われているのとは別の車両で情報収集にいそしんでいた百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)はある種音響兵器の残滓のようなものを感じた気がして振り返る。
「……別の車両で何かあったか? いや」
車両には他のディアボロスたちも居るのだ、それならもっと騒ぎになっているはずと視線を前方に戻し。
「しかしドイツの国境偵察から思えば、ずいぶん遠くに来たものだな」
思わずこぼしてしまうのはトロッコが順調に進んでいるのを実感しているからだろう。
「おはよう」
挨拶をしつつ夜中の見張りとして起き出してきた瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼/大怨霊の愛し姫・g00544)が齎した残留効果の恩恵は、運命が手にした地図に現在位置を表示すると言う形ではっきりと表れており。
「いよいよ出発か。何か情報や○○○○○○の果てがどこまでなのか分かればいいが……」
ふと思い出すのは、そんな出発して間もない頃の呟き。
「今はただ進むのみ、かもな」
周囲の様子を監視及び記録し続けている運命ではあったが、変わったことと言えば先ほど別の車両から形容しがたナニカが聞こえたことを除けば、空の一部にオーロラが見られるくらいだ。
「ツアーなんかでオーロラを観測するのはもっと北の筈なんだが」
オーロラが見られたのは嬉しいサプライズか。環境すらも、クロノヴェーダの都合の良いように改竄された産物か。パラドクス通信での連絡でもよかったが、直接顔を合わせたこともあって観測内容を五月姫へ直に伝え。
「……何をしてる、か? これは夜の暇つぶし、のようなこと。星を見ながら、自分の位置を測ってる、よ」
向けられた視線を問いと判断して、五月姫も空を仰いだ理由を答えつつ抱えていたモノを見せた。
「ん、どこに繋がってるか、わからないから」
前置きして広げたのは、ロシアの各州や各国別の地図にユーラシア大陸の地図、そして世界地図。いずれも現代のものであり。
「【スーパーGPS】で現在地、プロットをしてる。あまり意味がない事、それはわかってるけれど、ね」
「そうか」
深く立ち入るのは無粋と見たのか、短く応じた運命は五月姫と入れ替わる形で別の車両に消え。
(ここは、随分と北辰、高くて、故郷では、秋に見えた筈の星、見える)
無表情のまま運命の背中から夜空へと視線を戻し、ほうと吐息を漏らして。
「遠い国でも同じ星、見られるなんて……空は確かに、繋がってたんだね」
確かな喜びを、嬉しさを感じ五月姫は見張りへと戻り。
「見張り、ご苦労さん」
湯気の立つ容器をもって運命が戻ってきたのは気まぐれなオーロラが消えた後のこと。
「まあ眠くならない程度に栄養補給もしておかないとな」
休憩がてら作って来たらしいボルシチを差し入れると、いい匂いが周囲に漂い始めた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
ノイン・クリーガー
戦地でなければこんな路線の旅も良いんだがねぇ…
[行動]
トロッコに乗りこみ、線路を進む。
夜なので【完全視界】を使用しつつ、
オイレアウゲのサーマル機能で【偵察】を行う。
脅威になりそうな存在を発見したら仲間に知らせる。
諜報機材での【情報収集】も行う。
通信が行われていないか探査しつつ、あった場合は傍受を試みる。
電磁波の観測も行う。
WTCでのマッピングも行う。
【スーパーGPS】が使える状態ならWTCと併用する。
実際のシベリア鉄道が記載された地図との差異を調べる。
「戦地でなければこんな路線の旅も良いんだがねぇ……」
交代で見張ることで人員に不足はなく、トロッコが東に進む中、夜は更けてゆく。とうに午前0時も過ぎ。
「二日目か」
頭上には満天の星空があり、ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)の視線は暗闇や霧に邪魔されることはない。夜間偵察型でもある機械の両目は遠くを見渡せて、だからこそ目立った異変もないことがわかる。静かな雪原へまばらに生える木が積もらせた雪を落として音を立てるぐらいで。
「異常なし、と」
静かすぎるということはない。トロッコが線路を行くのに音や振動を生じはした。とはいえ、ノインの情報収集を妨げると言う程でもなく。
「今は、この辺り……しかし、本当に駅も街も何もないんだな」
地図を見れば現在地はすぐわかり、確かに東に進んでいることは確認できるというのに、続くのは荒野のみ。
「うん?」
そのまま平穏であれば、ディアボロスたちが交代交代に昼夜見張りをしつつトロッコを走らせるだけで目指す地までたどり着けたかもしれない。それだけの人員は要していた、だが。
「列、車?」
機械仕掛けのノインの目が捉えたのは、遠くからこちらに向かって線路を進んでくるナニカ。ヴァンパイアノーブルが管理していて、使用は厳しく制限された鉄道を利用出来る者が何者であるかなど、考えるまでもない。弾かれた様に踵を返したノインは他の車両に居る仲間へ知らせるべく走り出したのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
列車がやってくるという報は、車内のディアボロスたちへと齎された。
このまま何もしなければトロッコは、列車に乗っているであろう推定クロノヴェーダに発見されてしまうことだろう。君たちは何とかして発見されぬようにしながら列車とすれ違わなくてはならない。
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
初日から列車と行き違いをしないといけないなんて先行きが危ぶまれるよね。
クロノヴェーダ側にはそもそも異常を察知されないのが最善かな?
路線が複線だったり近くにポイント切替や引き込み路線があるならトロッコ列車をにそちらに誘導
無かったり単線ならば次善の策として停車させた後に皆で手分けし【怪力無双】でトロッコを一旦退かして線路脇に隠そうか?
大きめの白いシーツで列車や皆を覆い【光学迷彩】も使えば上手く遣り過ごせるんじゃないかな。
そう、つまり此は東洋に古来より伝わるニンジャ作戦だね。
そう言えば敵の列車って何処から来てるのかな?車体に何か手掛かりになる文字が書かれてないか記録しとくよ。
レイラ・イグラーナ
あちらからやってくるということは、少数民族の方を拉致した帰りでしょうか……?
全員始末できればお助けできてよいのですが……申し訳ありませんが、今回は隠密を優先させて頂きます。
即座に【平穏結界】を使用します。
距離もありますし今は夜、おそらく見つかっていないはずです。今のうちに潜みましょう。
トロッコの運転を停止し、音を出さないようにしつつ接近を遅らせます。平穏結界がありますし、急ブレーキでも構いません。
停止したら白い布で車体を可能な限り覆い迷彩します。
あちらの列車が300m以内に入ったら【トラップ生成】。自然現象に見せかけた風で雪を巻き上げて視界を遮る罠と【光学迷彩】【モブオーラ】で姿を隠します。
坂登・悠日理
まぁ見つかんないで済むならそれに越した事ないな
ここですれ違えるなら良し
無理ならすれ違えそうな場所まで急いで戻るか
記憶術で覚えてた地形思い出しつつ
地図とかでメモしてた人いたよな?
みんなで協力すればすぐだろ
それと
シーツ持って来てよかったぁぁぁ!
トロッコごとシーツ被って【光学迷彩】使って少しは誤魔化して…
【平穏結界】との併用で気づきにくくならないかな?
んー…
それと向こうが運転に集中しないといけない状況を作り出すってのは
どうだろ?
天候が急変したら運転に気を遣わないか?
氷雪使いで吹雪とか
俺は電撃使いで雷落とす
相手の車両の様子をよく観察して不測の事態に備える
トロッコ壊されたら終わりだし
無事にすれ違いたいぜ
「あちらからやってくるということは、少数民族の方を拉致した帰りでしょうか……?」
レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が疑問と同時に視線を近づいてくる列車へと向け。
「初日から列車と行き違いをしないといけないなんて先行きが危ぶまれるよね」
同じ列車を見やってイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)が小さく唸る。一応時刻的には二日目に突入しているのだが、列車接近の知らせに起き出してきたとかで時計は確認していないのだろう。
「全員始末できればお助けできてよいのですが……」
現状は見つからないことを優先すべきと申し訳なさそうにレイラは列車を見やり。これに状況が状況だからとディアボロスの幾人かが理解を見せてまずトロッコが停止する。
「まぁ見つかんないで済むならそれに越した事ないな」
「そうだね。クロノヴェーダ側にはそもそも異常を察知されないのが最善かな?」
イロハの賛同を得つつ坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)の視線は前方に伸びる線路へ視線を落とす。
「複線で幸いにも走ってる線路は別か。ここですれ違えるなら良し」
無理ならすれ違えそうな場所まで急いで戻ることも考慮に入れており。
「人為的にホワイトアウトを起こせたらよかったのですが」
トラップ生成で生成される罠は、現実に存在する罠の範囲を逸脱しないらしく、結果として罠で発生させる事は不可能とのこと。
「そういえば【光学迷彩】で迷彩模様に覆えるのもディアボロス個人だったもんな」
トロッコ自体は別の方法で隠す必要があり。
「念には念を入れた方が良いか。確か地図とかでメモしてた人いたよな?」
「距離もありますし今は夜、おそらく見つかっていないはずです。今のうちに」
「うん」
悠日理が他のディアボロスに呼びかけて分岐点の情報を得る一方で、トロッコは来た道を引き返し始める。
「あそこだよ」
分岐にたどり着いたトロッコは別の道に入って停止し。
「シーツ持って来てよかったぁぁぁ!」
トロッコが完全に止まったところで、悠日理は心からの声と共にシーツを広げ始めた。
「時間との勝負かな。白いシーツで覆ってしまう。そう、つまり此は東洋に古来より伝わるニンジャ作戦だね」
「念のために【光学迷彩】【モブオーラ】も使っておいた方が良いかもしれませんね」
イロハやレイラも手伝い、トロッコ車両の隠蔽作業は始まって。
「来ました、列車です!」
先ほど見かけた列車が近づいて来るのにそう時間はかからなかった。引き返したとはいえ隠蔽作業で時間を使ったのだ。
「んー……向こうが運転に集中しないといけない状況を作り出そうかとも思ったんだけどな」
氷雪使いも電撃使いも無からそれらを生み出すのではなく、存在するものを巧みに扱うもの。唐突な落雷を起こすのは難しく。
(トロッコ壊されたら終わりだしな)
出来たのはただじっと隠れて近づいてくる列車の様子を眺めることだけ。
「無事にすれ違いたいぜ」
と思いつつも不測の事態に備え、車両をじっと観察し。
(そう言えば敵の列車って何処から来てるのかな?)
車体に何か手掛かりになる文字が書かれてないかと悠日理同様にイロハも列車に目をやれば、何人もの人間が車両に押し込められているのが見て取れて。
「やはり、少数民族の方を拉致した帰りのようでしたね」
こちらに気づかず完全に通り過ぎた列車が遠ざかってゆくのを眺め、レイラが口を開いた。
「ともあれ、見つからずには済んだか」
「そうだね。元の線路に戻ろう」
列車が見えなくなる程遠くに行くのを待って、トロッコは元の道へ戻ると再び進み出す。どうやらピンチを乗り切ることは出来たらしかった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
【モブオーラ】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
無事クロノヴェーダのものと思しき列車をやり過ごしたのちトロッコは進んで、夜は明け。平穏な時間が再び訪れた。空は晴れ、左右を流れてゆくのは雪の積もった荒野の光景。このまま何事もないなら、二、三日はこういった景色の中をトロッコはただ進み続けることになるのかもしれない。
レイラ・イグラーナ
アドリブ連携寝ぼけ歓迎
ひとまず乗り切れましたね。
また何が起きるか分かりませんが、適度に息抜きをしつつ参りましょう。
必要な時のために、体を休めるのもまた重要なことです。
(お気に入りのサメの抱き枕を抱きしめている)
他の方と周囲の警戒や人力動力での推進、燃料運びなどの労働と休息を交代しながらトロッコの旅を進めます。
せっかくですし、ちょっとした贅沢をいたしましょうか。
調理器具セットを使いバニラのアイスクリームとそれを巻くブリヌイを作ります。
雪の降る中でも凍えることなくアイスクリームが食べられる。なかなかできない贅沢ですね。
他の復讐者の分も作成、必要であれば【口福の伝道者】も使います。
百鬼・運命
「さてと鉄道の旅も再開か。残り半分といった所だが…どこまで続いているものやらな?」
ひき続き監視を続行。トロッコから見える文字。あるいは駅などがあり新聞や書物など入手できれば【書物読解】での解読、情報の入手を試みる。
「シベリア鉄道の終着点はウラジオストクだったか?最終人類史においてこの時代のシベリアは日露戦争後で列強によるシベリア出兵前。ウラジオストクには結構な数の日本人が移住して商売なんかをしていたはずだ。ここまでたどり着ければこのディヴィジョンの歴史など、いろいろと情報が手に入りそうなんだが…」
アドリブ絡み歓迎
大角豆・茜
アドリブ連携歓迎
ん、どうにかピンチを切り抜けられたね。さてこの先には何があるやら……
念の為『刻奏哀謡』の【悲劇探知】を併用しつつ警戒を手伝うも、基本はのんびり列車旅。多分長い旅になるだろうから、気を張り続けるのも程々に。
こうも寒々しいと、やっぱり温かい食べ物が欲しいよね。持ってきてた「ヴルストの詰め合わせ」を車内の設備等で焼いたり茹でたりして、車内の人に振る舞ったり、観測班に差し入れするよ。足りないようなら、【口福の伝道者】で増やそうかな。
空気が澄んでるからなのかな、すごく良く星が見える……
空から何か来る可能性があるからね、とか言い訳しつつ、この満天の星空をスマホのカメラに記念に収めよっと。
レオニード・パヴリチェンコ
ん。無事にやり過ごせたみたい、だ
みんな、すごい、ね。次はボクも役に立てるように頑張らない
さっきみたいに列車も来るかもだから、双眼鏡を使いながら線路の内側と外側の両方を監視して警戒、するよ
監視中はしっかりとコートと毛布を着込んで体を冷やさないように気を付ける、よ
集中力を途切れさせないように持ってきたビスケットを齧りながら栄養補給
空模様も見ながら天候が荒れださないか注意する、よ
今は綺麗に晴れてるけど油断大敵、だもの
少しでも不審な傾向や怪しいものを見かけたら、皆にも連絡して注意を促す、ね
でも、こういうのは少しワクワクするかも、だ
少し変わった鉄道の旅を楽しもう、かな
安藤・優
※アドリブ連携歓迎
なんとか乗り切れたけれど、さてはて…次はどんな事件がおきるやら
人間、何事も起こらない日常を良しとする癖にさ、それがずっと続くと刺激となる非日常…異常事態や事件なんかを求め始めるものなんだよね。
暇なので【完全視界】を使って周囲の警戒と、トロッコの外に何か面白い物が見つけられないか観察するよ
…まぁ面白そうな物を見つけても今は素通りするんだけども
いつか排斥力を突破して辿り着けるかな?
それにしても、早く目的地に到着しないかなぁ…。
「ひとまず乗り切れましたね」
安堵の息を漏らしたのは、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)。
「ん。無事にやり過ごせたみたい、だ」
「ん、どうにかピンチを切り抜けられたね」
だが、差こそあれ似通った心境であったディアボロスは複数存在して。レオニード・パヴリチェンコ(“魔弾卿”・g07298)と大角豆・茜(呪刻を継ぎし者・g03477)は共に頷き。
「みんな、すごい、ね。次はボクも役に立てるように頑張らないと」
「さてと鉄道の旅も再開か。残り半分といった所だが……どこまで続いているものやらな?」
レオニードが尊敬のまなざしを仲間に向ける一方で、気を取り直した様子の百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)は進めど進めど続く線路の先を見て。
「どちらにしても当分途切れそうにはないよね、さてこの先には何があるやら……」
同じ方へ視線をやりつつも、茜が続くかではなく何が待ち受けているかとしたのは、ただ線路が続くだけで終わるはずがないという思いがあったからか、一度遭遇した以上また行く手を遮る障害と出くわすのではと踏んだのか。
「また何が起きるか分かりませんが」
と前置きしつつもレイラが適度に息抜きをしつつ参りましょうと口にすれば、あちこちから賛同の声が上がり、それでも一部のディアボロスたちが事件があった当日と言うこともあって監視や警戒を続ける中、何事もなく二日目は終了し。
「そろそろ寝た方がよさそうですね。必要な時のために、体を休めるのもまた重要なことです」
見張りの交代などもあって床にはいるのが日付変更を割り込んだレイラはお気に入りのサメの抱き枕を抱えて寝台に潜り込み。
「昨日の列車はなんとか乗り切れたけれど、さてはて……次はどんな事件がおきるやら」
同刻、トロッコの先頭の車両で安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)は置き換わった世界によって暗闇にも阻害されぬ視界を得たまま警戒を続けながら、流れる景色へと目をやる。
「人間、何事も起こらない日常を良しとする癖にさ、それがずっと続くと刺激となる非日常……異常事態や事件なんかを求め始めるものなんだよね」
何も起こらず、ただ時間が流れゆくからこその独言か。ただ、何も起こらぬままに三日目は朝を迎え。
「それらしい歌は聞こえないね。【悲劇探知】も悲劇の起こる場所で歌が流れるってものだから、この線路とその周辺で起こる悲劇しか察知できないというのもあるけれど」
耳を澄ませていた茜は、後続の車両を振り返る。一週間と見積もられた旅はまだ行程の半分が残っているのだ。
「こうも寒々しいと、やっぱり温かい食べ物が欲しいよね」
一言呟いて歩き出し、向かうのは、おそらく火の使えるストーブのある車両だろうか。
「うん、到着。ええと」
持参し、どこかに置いておいたのか、ヴルストの詰め合わせの入った鍋を手に目的の車両へたどり着いた茜は鍋に水を張り、お湯を沸かしつつ一部のヴルストをストーブを利用して焼き始め。
「まず足りなくはならないだろうけど」
【口福の伝道者】で増やすことも視野に入れつつ、自分の分だけでなく車内の人に振る舞ったり、観測班に差し入れするためにもヴルストを茹で、焼き上げてゆく。結果としてこれがディアボロスたちの三日目の朝食となり。
「異常なし、だね」
茜の用意したヴルストがディアボロスたちのお腹に消えた後も交代での見張りは続くが、何かアクシデントが起こることもなく、大きな発見もなく。
「昨日みたいに列車も来るかもって思ってたけど」
時刻で言うなら正午近く、レオニードは双眼鏡を下ろすと持ってきたビスケットを齧り一息つく。しっかりとコートと毛布を着込んで身体を冷やすことは避けつつ見上げた空は今日も晴れていて。
「今は綺麗に晴れてるけど油断大敵、だもの」
にもかかわらず油断は一切ない。天候の急変も警戒しながら、かといって前方や線路を挟む左右への監視も疎かにせず、ビスケットを咀嚼し終えて呑みこめば、また双眼鏡を覗き込む。
「怪しいものとかは今のところ見つからない、ね」
発見したなら危機やアクシデントを連れてくるかもしれないのだから、見つかればいいという訳でもない。
「でも、こういうのは少しワクワクするかも、だ」
奇しくも優が先日に言っていたようにだろうか。レオニードは双眼鏡を目元に当てたまま周囲を見回し。
「駅らしいものは全くないな」
時間は更に流れ、レオニードと交代する形で先頭車両の見張りについた運命は流れる景色を見つめつつ零した。相も変わらず雪の積もる荒野が左右に流れるのみで、線路以外に人工物は見当たらず。
「駅があれば新聞や書物など入手できないかと思ったが」
ヴァンパイアノーブルが管理し、使用は厳しく制限されているのだ。駅自体に需要も用途もないのかもしれない。
「やはり、ウラル山脈を越えた先の路線には駅も街も存在しないのかもな」
嘆息を一つ残し、交代要員が来るまで監視を続けた運命だったが、結局駅らしきものを見ることはなく。
「シベリア鉄道の終着点はウラジオストクだったか?」
休憩のため後続の車両に移りながら記憶を掘り起こす。
「最終人類史においてこの時代のシベリアは日露戦争後で列強によるシベリア出兵前。ウラジオストクには結構な数の日本人が移住して商売なんかをしていたはずだ。ここまでたどり着ければこのディヴィジョンの歴史など、いろいろと情報が手に入りそうなんだが……」
まだまだ運命の言うところの終着点は遠く、何事もないままに三日目は日没を過ぎる。
「空気が澄んでるからなのかな、すごく良く星が見える……」
再び見張りの役目が回ってきた茜が歓声をあげ、スマホを取り出し空を仰ぐ。
「空から何か来る可能性があるからね」
言い訳を口にしつつ満天の星空にシャッターを切り。
「うわっ、雪か」
天気が崩れたのは四日目だった。もっとも、残留効果のおかげで視界を保証されたディアボロスたちにとって厄介なのは車体に雪が積もることぐらいだったであろうが。
「屋根に工夫しておいてよかったよね」
それでもトロッコを止めて凌がねばならない程の猛吹雪でなかったということもある。優はどこか退屈そうに警戒を続けつつも何か面白い物が見つけられないかと流れゆく荒野の様子を観察する。
「……まぁ面白そうな物を見つけても今は素通りするんだけども」
たとえ見つかったとしても線路を離れればディヴィジョンからはじき出されることは覚えており。
「いつか排斥力を突破して辿り着けるかな? ん?」
答えは期待せずに問いを口にすると、足音が近づいて来るのに気が付いて。
「もう交代の時間かな」
時間の経過に優が気づかなかったのは、荒天であったからか。数名が交代して見張りを務め、警戒するも危険はないままに正午も超え。
「せっかくですし、ちょっとした贅沢をいたしましょうか」
窓の外をふる雪を眺めつつ、レイラは後続の車両の方で調理器具を取り出すと、牛乳と砂糖をまず混ぜつつ鍋で加熱し出していた。
「砂糖が溶けたら卵黄を、火にかけてとろみがついたら冷やしてから生クリームでしたね」
レシピを確認しつつ順調に作ってゆくと、冷やして固めるだけとなったところで強力粉やベーキングパウダー、塩に砂糖、溶き卵に牛乳を混ぜてブリヌイの生地を作り始める。
「この分でしたらおやつの時間には間に合いそうですね」
必要であれば口福の伝道者で増やして振る舞うことも視野に入れてレイラは調理を続けてゆき。完成したのはバニラアイスをクレープのような生地でまいたもの。
「雪の降る中でも凍えることなくアイスクリームが食べられる。なかなかできない贅沢ですね」
まだ雪の降りしきる車外を眺めつつ舌鼓を打つと自然と口元は綻び。
「ごちそうさまでした。では、参りましょうか」
一息入れた後は身体を動かすとばかりに向かったのは、人力動力用の車両。列車とすれ違った時のロスを取り戻さんと手漕ぎ動力でトロッコを加速させ、勢いを得たトロッコは速度を増して東へ東へと進んでゆく。
「それにしても、早く目的地に到着しないかなぁ……」
優が零したのは、五日目になって二度目の見張りが回ってきた時のことだった。前日とは違い、空は晴れ、それでも全行程の三分の二をとうに過ぎてしまえば終わりは見えてくる。
「あ」
だが、最後まで何事もなく終わるということはないようで。前方の線路脇、かなり遠くの方に何やら動くものを優は捉えたのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【書物解読】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
【寒冷適応】がLV2になった!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV5になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
「線路に飛び出して来たら」
そう鑑みればトロッコは速度を落とさざるを得ない。撥ね飛ばしても問題ない相手であれば話は別かもしれないが、それはそれで先頭車両が接触によってダメージを受けるだろう。
「おそらくは、獣ではなく人」
専用の小型通信機が現れディアボロスたちに情報をもたらすが、これには続きがあった。
「こっちに気づいて隠れようとしたように見えた。襲撃してくるかもしれない」
と。
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
シベリア鉄道はヴァンパイアノーブルの管理下だから、相手側は此のトロッコ列車も当然そうだと認識してる筈。
わざわざ隠れたと言うことは革命軍や拉致されてる少数民族関係とも予想出来るから穏便に接触をしたいよね。
一番大切なのはトロッコが破壊されないことだけど、列車を減速させたら襲撃者が隠れてる辺りに向かって呼び掛けるよ。
予想が当たっていて相手側にクロノヴェーダが居なかったなら列車を停止させ、
此方に敵意がないことを告げて情報交換、可能ならば後日訪問する約束を取り付けたいね。
襲撃された場合でも【トラップ作成】で投網やボーラーみたいに相手を傷付けず無力化する罠を設置し対応するつもりだよ。
大角豆・茜
アドリブ連携歓迎
ん……現地の人、なのかな?出来れば穏便に接触したいけど……
トロッコを低速運行及び停止して貰いつつ、数日前に使った白いシーツで簡易白旗を作って、敵意が無い事を相手にアピール。
お腹が空いてたり寒そうなら、まだ温かい余ったヴルストを目の前で毒味して安全性を確認させた上で振る舞うよ。
毒を入れるなんていう食への冒涜、する訳ないよ!
皆が万策を尽くしてなお襲撃してくる人がいるなら、『刻縛囚鎖』の【罪縛りの鎖】で動きを封じ、怪我させない程度に拘束して無力化。
ごめんね、でも、落ち着いて話を聞いてくれるかな?
事が終わり次第、再来しやすいよう、仲間から地図を借りつつ【スーパーGPS】で現在地を確認。
フルルズン・イスルーン
んむー、謎の人影とな。乗っ取り屋? それとも爆弾持ち?
どんな時でも【建物復元】【修復加速】の用意だけはしとこうなのだ!
パック・ゴーレムくん待機。さて、子ゴーレム達メンテチームの出番があるかどうか。
まずクロノオブジェクトな線路に近づいてる時点で、だいぶ度胸がある。
そしてヴァンパイアノーブルなら空を飛べるので、態々ここで歩かない。
未知の勢力の可能性あるねぇ。
実はまさかの見知らぬゴーレム!!! は無いか。
ま、ボクとしては白旗で敵意がない事を示しつつ会話を試みるに一票。シーツはあるしね。
ただし問答無用の場合もあるので、列車の修理と飛来物を即座に外に投げ返せる用意をしとくのだ。
駆動機関の保護重点!
坂登・悠日理
おおー第一現地民発見!って奴?
隠れようとしたならヴァンパイアノーブルから逃げてるとか敵対してる人なんじゃないか?
ここの線路の意味分かってる人だろ…多分
両手上げて敵意がない事示してトロッコから降りたらどうかな
まぁ【友達催眠】も頼っちゃうけど
先方の様子を観察しつつ
大丈夫そうであれば
俺たちがヴァンパイアノーブルとは敵対してる旨
伝えてしまって
相手の情報も得たいな
例えば
どこから来たのかとか
目的は何かとか
今の俺たちは線路の調査優先だけども
後でも
他の仲間でも
手助け出来るかもしんない
とりあえず
腹減ってない?
何か温かい物でも一緒に食べる?
【口福の伝道者】使ってた人いたし
まだ少し位は残ってるだろ
そんでどいて貰お
相原・相真
現地の人ですか
話を聞ければ色々情報交換も出来るのでしょうが…
一応襲撃前提の警戒をしておくとしましょうか
穏便に済むのが一番、とは俺も思うんですけどね
妨害を警戒してトロッコを低速で進行し必要に応じて停止
対話希望の皆さんの邪魔にならないように周囲を警戒しながら待機
何らかの攻撃を受けた際にはパラドクスによる防壁や装備のシールドドローンを展開してトロッコを守ります
優先は主・副動力車と燃料車
ここまで来てトロッコ壊されて終了、は勘弁ですからね
戦闘になった場合、
一般人が相手なら出来るだけ怪我はさせず、
自分たちで撤退できるように相手をします
その後は車両の損傷を確認し修復、
復旧させて先へ進みましょう
イシュア・アルミゴス
ここに来てようやく人発見?これで敵だったら容赦しないよ?
ここでトロッコを破壊される訳にはいかないからトロッコはスピードを
落として警告しながら近づくよ
線路、線路脇を警戒し不審物があれば排除する。爆弾でトロッコ壊される
なんて嫌だからね。念の為通信障害で通信を妨害しておくね。
さてと、そこの人達!人だよね?気づいてるから出ておいで。
ヴァンパイアノーブルはここにはいないよ。警告はしたからね?
襲撃してきたらトラップ生成で敵がいるであろう場所に頭から上が
出る程度の落とし穴を作って制圧するね。話が出来るんならこの線路の
行き先を聞いておくね。僕らは奴らの調査が目的だ。戦う気なら協力するよ
月下部・小雪
もしかして、さっきすれ違った電車で攫われた人たちのお仲間、でしょうか?
トロッコを一時停車させて、お、お話の場を設けましょう!
ボクみたいな小さい子供もいたほうが、あ、相手も怖くないかもしれません?
あまり気は進みませんが、【友達催眠】を使ってお友達に、なります。
お外じゃゆっくりお話もできないですよね、トロッコの中にご招待です。
【口福の伝道者】で増やした甘いものと暖かいお茶でお腹がいっぱいになれば安心できるはず、です!
ボク達ディアボロスが人間狩りを阻止しているって噂とか、聞いたことないですか?
も、もしかすると他のディアボロスに助けられた人とかいるかもしれません。
※アドリブ連携大歓迎
一里塚・燐寧
アドリブ連携歓迎
地元の人からしてみれば、この線路を使うやつ=敵ってわけかぁ
誤解を解きたいとこだけど、まずは武装解除からになるかもねぇ
≪バードウォッチング用双眼鏡≫で周囲を見回して
隠れた人物や線路周囲への罠が存在しないか確認するよぉ
懐には≪九曜の刀子≫を隠し、最悪の場合は近接戦闘できるように
もし隠れた何者かが手持ちの武器や爆弾で攻撃して来たら
【隔離眼】で攻撃手段を消し去った上で
「返してほしければ話を聞いてねぇ」って交渉材料にするよぉ
平和的な流れになれば、それが一番なんだけどねぇ
話し合いに持ちこめたら、あたし達は貴族の敵なのを伝えて
圧政で苦しめられてるなら助けたいと言って
彼らの素性を聞き出すよぉ
瀧夜盛・五月姫
地元民、可能性……?
や、だけど、クロノヴェーダに改変の影響、受けてるのに、クロノヴェーダに逆らうこと、できる……?
ここは推定、「クロノヴェーダに操られた交渉することのできない敵」とみて、襲撃されないように、考えよう、かな。
【避難勧告】は、“一般人が脱出を始める”……始めてしまう、残留効果。
この場において、一般人、なのか、怪しいけれど、少なくとも、線路から脱出すれば、先へ進める、だろう。
友好派のみんなを、尊重する、よ。
今回は情報収集が主な任務。交渉、できるに越したことはない、から、ね。
でも、何らかの理由でクロノヴェーダに反逆しようとしている、或いはさせられてる人がいる。それも立派な情報、だね。
百鬼・運命
うーむ、いくつか可能性はあるけど、ヴァンパイアノーブルなど問答無用で攻撃してくる勢力の可能性も否定できないかな?
話し合いが通じそうな相手は味方が対策してくれているみたいだし、俺はそっちの相手だった場合に備えておくとしよう
列車の床下、線路と車体の間に隠れ、【光学迷彩】【モブオーラ】を使って発見率を下げる。【パラドクス通信】と【使い魔使役】で近くの動物がいれば視界をリンクし対話を行う味方と謎の勢力の様子をうかがって、もし相手が攻撃を行ったら符の鳥でそれを迎撃。味方の安全確保しつつ戦闘へ(相手がクロノヴェーダでないなら戦闘不能で留める)
可能なら使い魔で盗聴して、対話の事前に相手の思惑も探りたい所だな
ノイン・クリーガー
[心境]
謎の人影とな。
こんな所で、一体何者?
[行動]
よくわからんが敵でない可能性もある。
まずは【友達催眠】を使い、対話を試みるか。
いるのはわかっていること。
攻撃しても無意味だということ。
そしてこちらには今のところ戦闘の意思はないことを伝え、素性を訊く。
一般人であった場合はどこの誰で何をしているのか尋ねる。
レジスタンスのような存在ならばこちらの素性を明かす。
トーマス・リー
「人?」
とりあえず、合図灯を人影の方向に照らして見てみる。相手の方の反応が見えたら合図灯を振ったり点滅させて相手の反応を伺ってみる
「おおー、第一現地民発見! って奴?」
続報を含む何者かが前方に居るという情報にディアボロスたちの見せた反応は様々だった。坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)は感嘆の声をあげ。
「人?」
隠れた人物を確認しようとしたのかトーマス・リー(復讐者【アヴェンジャー】・g00766)合図灯を向けようとする。
(謎の人影とな。こんな所で、一体何者?)
ある意味で当然の疑問を抱いたのは、ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)。
「ん……現地の人、なのかな? 出来れば穏便に接触したいけど……」
「んむー、謎の人影とな。乗っ取り屋? それとも爆弾持ち?」
思案顔で大角豆・茜(呪刻を継ぎし者・g03477)が口を開く一方で、フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は割と物騒なことを口にして。
「現地の人ですか。話を聞ければ色々情報交換も出来るのでしょうが……」
「もしかして、さっきすれ違った電車で攫われた人たちのお仲間、でしょうか?」
茜同様に考えこむ相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)の言に一つの可能性をあげて後方を振り返るのは、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)。もきゅっとつられてモーラット・コミュのコダマも後方を振り返り。
「地元民、可能性……? や、だけど、クロノヴェーダに改変の影響、受けてるのに、クロノヴェーダに逆らうこと、できる……?」
仲間たちの推測の一部に瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼/大怨霊の愛し姫・g00544)が懐疑的な見方をすれば、イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)も他のディアボロスたち同様にトロッコの進行方向へ目をやる。
「ここに来てようやく人発見? これで敵だったら容赦しないよ?」
もはやトロッコの旅は残りの行程の方が短い筈のだ。その言も無理はなく。
「シベリア鉄道はヴァンパイアノーブルの管理下だから、相手側は此のトロッコ列車も当然そうだと認識してる筈」
思い思いに意見を口にする仲間を一瞥してから視線を戻したイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は敢えて思考を口に出しつつ言葉を続ける。
「わざわざ隠れたと言うことは革命軍や拉致されてる少数民族関係とも予想出来るから穏便に接触をしたいよね」
と。
「そうだな。隠れようとしたならヴァンパイアノーブルから逃げてるとか敵対してる人なんじゃないか?」
イロハの推測に同意するよう悠日理は頷き、線路の意味を分かってる人だろうとも予測する。
「地元の人からしてみれば、『この線路を使うやつ=敵』ってわけかぁ。誤解を解きたいとこだけど、まずは武装解除からになるかもねぇ」
荒事の予感を覚えたか、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)はバードウォッチング用双眼鏡を片手に嘆息し。
「まずクロノオブジェクトな線路に近づいてる時点で、だいぶ度胸がある」
口を開いて指を一本立てたのは、フルルズン。
「そしてヴァンパイアノーブルなら空を飛べるので、態々ここで歩かない」
さらに一本指を立て。
「未知の勢力の可能性あるねぇ。……実はまさかの見知らぬゴーレム!!! は無いか」
立てた指を折ると、自分の言に頷きつつ周囲を見回し、賛同がなかったことで肩をすくめて。
「うーむ、いくつか可能性はあるけど、ヴァンパイアノーブルなど問答無用で攻撃してくる勢力の可能性も否定できないかな?」
仲間達の出す意見を咀嚼しつつ唸った百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)も接触した場合の懸念をあげ。意見がいくつか出れば、次はどうするかを決める必要に迫られる。
「トロッコを一時停車させて、お、お話の場を設けましょう! ボクみたいな小さい子供もいたほうが、あ、相手も怖くないかもしれません?」
「話し合いをするなら、両手上げて敵意がない事示してトロッコから降りたらどうかな」
小雪がトロッコを止める提案をすれば、悠日理はちらりとトロッコの降り口を見た。
「まぁ両手をあげるだけでなく他にも頼っちゃうものがあるけどな」
もっとも、悠日理もただ無防備に出てゆくのではなく、周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる残留効果の併用を前提としたもの。
「あ、あまり気は進みませんが……」
相手が一般人なら効果があるのは間違いなく。
「よくわからんが敵でない可能性もあるならな、対話に【友達催眠】を用いない手はない」
小雪が使用を控えたところで悠日理かノインのいずれかが使用しているだろう。ただ、ここまではトロッコの停車を前提とした話だ。
「一番大切なのはトロッコが破壊されないことだけど」
「そうだね。ここでトロッコを破壊される訳にはいかないからトロッコはスピードを落として警告しながら近づくのはどうかな?」
イロハの言に同意したイシュアの意見は減速して近づくというもの。イロハ自身は何者かの中にクロノヴェーダが居なかった場合、トロッコを止めるつもりであったようだが。
「進むのか、止まるのか」
両立は出来ぬ以上、選択を迫られる。ただ、加速して突破しようと主張する者が存在しなかったことでひとまずトロッコは大幅に速度を落とし。
「どんな時でも【建物復元】【修復加速】の用意だけはしとこうなのだ!」
接触の時が近づいたことで、いずれの場合においても用意しておいた方が良い事柄からフルルズンのように準備を始めていた者も出始め。
「話し合いが通じそうな相手は味方が対策してくれているみたいだし、俺はそっちの相手だった場合に備えておくとしよう」
と、運命も異なる意見側を主張する面々に任せ割り切ることで動き始めたりもしていて。
「友好派のみんなを、尊重する、よ。今回は情報収集が主な任務。交渉、できるに越したことはない、から、ね」
自身も隠れた何者かをクロノヴェーダに操られた交渉することのできない敵とした上での腹案を用意はしていたが、五月姫は敢えて告げる。自身の腹案である「一般人が脱出を始める」残留効果の使用は交渉や事情を聴く前に相手を逃げさせてしまうものであったから。
「ま、ボクとしては白旗で敵意がない事を示しつつ会話を試みるに一票。シーツはあるしね」
緊急時の用意が終わったのか、他のディアボロスたちの元に戻ってきたフルルズンは寝台が備え付けてある後方の車両を振り返り。
「一応襲撃前提の警戒をしておくとしましょうか。穏便に済むのが一番、とは俺も思うんですけどね」
相真が先頭車両の方を振り返りつつも動力車両へ向かうこの間も接触の為の準備は続いている。
「じゃあ、暫くこのままにしておくね」
「今のところ目ぼしい反応はないか」
持ってきたシーツを用いて作った白旗を茜が先頭車両で掲げ、トーマスは合図灯で前方を照らすも、変化はなく。
「線路上や脇に不審物もなさそうだね」
とは線路脇を警戒し視線を向けていたイシュアはさらに前方へ目をやって。
「さてと、そこの人達! 人だよね? 気づいてるから出ておいで」
「そう、いるのはわかっているよ」
イシュアの呼びかけに続く形でノインも何かが隠れたであろう場所へ声をかけ、訴える。攻撃しても無意味だということ、そしてこちらには今のところ戦闘の意思はないことも併せて。
「ヴァンパイアノーブルはここにはいないよ。警告は」
したからねとイシュアが言い終えるより早く、物陰から何かが飛来する。
「あー、想定はしちゃってたからねー」
だが、飛来するものがトロッコに命中するよりも早く燐寧は異空間へと飛んで来たものを収納し。
「何が飛んで来たのだ?」
「ボーラでいいのかなー? ロープの両端に重りが付いたようなものだねぇ」
攻撃阻止の報に飛んでくるものがあれば投げ返すつもりでいたフルルズンが問えば、燐寧が通信で応じ。
「残留効果でどうにかなるならパラドクスは過剰かもしれませんね」
それでもシールドドローンを展開し油断なく相真は次の攻撃に備え。
「返してほしければ話を聞いてねぇ」
燐寧は確保した飛来物を見せびらかす様に翳して声をかけ。
「群鳥ノ簇ガリテ鶉如セ」
線路と車体の間に潜り込み隠れていた運命が動き出したのは、まさにこの時だった。
「うおわっ」
「ぬがっ」
元々相手の様子を探るために使い魔とした狐の目を通じて目にしたのは、式神が何かするまでもなく、落とし穴に引っ掛かって無力化される何人かの人間。上から投網まで降ってこれば抜け出すことは出来ず。
「エスキモー?」
ちらっと見えた人々の外見を一言で言うならそれであろうか。こうして襲撃者たちがあっさり鎮圧された手間でトロッコは停車し。
「お前達、強いな」
敵意はないと告げ、無力化したところへ追い打ちをしなかったこともあるだろうが、誰にでも友人のように接する性格に変化させられた襲撃者たちは穴から出されれば暴れることもなく賞賛の目でディアボロスたちを見て。
「ごめんね、でも、落ち着いて話を聞いてくれるかな?」
「わかった。俺たち負けた、話聞く」」
茜の申し出にも素直に従い。
「先に誤解を解いておきたいんだけど」
燐寧は自分たちが貴族の敵なのを伝えた上で、圧政で苦しめられてるなら助けたいと訴えると、互いに顔を見合わせた。
「貴族?」
「圧制?」
首を傾げたり互いに知ってるかと尋ね出したところでディアボロスたちも気づく、何か様子がおかしいと。
「だから、俺たちがヴァンパイアノーブルとは敵対してるんだが」
「ヴァンパイアノーブル? なんだそれは?」
それでもが話した以上明かしてしまって構わないだろうと悠日理が補足すると、これも初耳だというように男達はきょとんとし。
「じゃあ、どこの誰で何をしているんだい?」
「そうだな。どこから来たのかとか、目的は何かとかは俺も知りたい」
「俺たち――」
一般人というか犯行勢力でないというならとノインが尋ね、悠日理もこれに乗っかると、明かしたのはとある集落に住むものたちで、ただ遠征の途中であるとのこと。
「ならさぁ、なんであたし達を襲ったのぉ?」
「うっ」
「それは……」
燐寧が問えば急に決まり悪げな顔をした襲撃者たちは話し出す。先ほど隠れた場所の近くに男たちの休息所があるのだと。
「その場所、雪、積もらない。遠征時の休息所。そろそろ休める思ったとこに、お前たち凄い勢いで近づいてきた」
よくわからないモノが凄い勢いで近づいてくるのを見て男たちは隠れ、相談した。
「あれ、俺たちを襲いに来たに違いない!」
まっすぐこっちに向かってくるのがその証左と男の一人が訴え。
「あんなよくわからないのにかかわるべきではない」
この場を離れようと主張した男は臆病者扱いされ。
「とりあえず襲ってみよう」
ディアボロスたちからすれば襲ってみようじゃないだろうとツッコミたいところだったかもしれないが、最終的にその意見で統一を見た後に、トロッコは速度を落とし。
「攻撃しても無意味、言われた。けど、引き下がる、できない」
逃げ腰だった一人の男が臆病者扱いされてしまったことで、引くに引けなくなった男の一人がボーラを投擲。その後落とし穴に落ちて無力化され、今に至るということらしい。
「短絡的と言うか、何と言うか……」
「ヴァンパイアノーブルと戦う気なら協力するつもりだったんだけどね、まさか知らないとは……」
てっきり自分たちをクロノヴェーダと間違えて襲撃してきたのだと予想していた面々にとっては明らかに想定外で。
「ボク達ディアボロスが人間狩りを阻止しているって噂とか、聞いたことないですか?」
「知らない」
「聞いたこと、ない」
小雪の質問にも男たちはそろって頭を振り。
「これは、ひょっとしてあれなんじゃないかねぇ? 農奴狩りが行われる時は一人残らず連れ去って取りこぼしがない、とか」
「目撃者とか、生き残り、居ないから、農奴狩りの、情報自体が、伝わらない……?」
ノインの言に振り返った五月姫は考えこみ。
「そもそも、農奴狩りが、襲われる立場の、人には知られてない、これも立派な情報、だね」
「予想は外れた訳だけど、現地の人間と縁が出来た訳だし」
悪いことばかりでもない、と言うべきか。
「とりあえず、腹減ってない? 何か温かい物でも一緒に食べる?」
「お腹が空いているなら食べる?」
「貰う」
「欲しい」
悠日理が訪ね、茜も余っていたヴルストを毒味を兼ねて目の前で一口食べてから聞けば、休息前だったこともあってか男たちの全員が頷き。
「あ、あのこれ、甘いものと暖かいお茶です」
小雪も【口福の伝道者】で増やした甘味とお茶を差し出して。
「だいたいこの辺りなのかな?」
茜が借りた地図を手に現在地を確認したのは、交流も終わりに近づいたころ。
「借りできた。来るなら、歓迎する」
後日訪問する約束を取り付けたいと考えていたイロハが交渉した結果、男の一人、仲間を率いていると思しき男が力強く頷く。
「ここまで来てトロッコ壊されて終了、は勘弁ですからね。何事もなく終わりそうで一安心です」
唯一投げられたボーラもトロッコにあたることはなく被害が皆無なトロッコを相真は振り返り。
「じゃあ、出発しようかね」
「そうですね」
ディアボロスたちが全員乗り込んだところで、トロッコは再び動き出した。東へと向かって。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】がLV3になった!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【友達催眠】LV3が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
【通信障害】がLV2になった!
【隔離眼】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
【怪力無双】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV7になった!
【ロストエナジー】がLV6になった!
【アクティベイト】がLV3(最大)になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV7になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV5になった!
トロッコは徐々に速度を増し、飛ぶように景色は流れてゆく。空は晴れ、この分ならば今日の内に天気が急変するということもなさそうだ。想定された日程を鑑みれば今日中にこの度が終わるとは考えにくいが、旅の終わり自体はもう近いのかもしれない。
奴崎・娑婆蔵
トン……
トン……
トン、カラ、トン……
トン……
トン……
トン、カラ、トン……
・黒塗りの高級自転車『火車』を漕ぎ漕ぎ、トロッコに並走しながらエントリー
・なまじ全身包帯&白着流しとかいう格好なので、パッと見は雪景色に紛れがち
・その正体は、妖刀『トンカラ刀』の【呪詛】にドップリ浸かったカースブレイドのディアボロスだった!
・誰かに捕捉されたら「トンカラトンと言え……」と言葉を発する
・トンカラトンって言って貰えたら深く頷く
・言って貰えなかったらショボンとする
・たまにトロッコと自転車を包帯で繋いで引っ張って貰い楽する
・トロッコの周囲へシャッと機動出来るので、周辺警戒とか対物対処とか必要そうならそこそこ仕事する
ノイン・クリーガー
[心境]
さっきのは先住民か?
あの様子だとヴァンパイア・ノーブルどころか鉄道が何かさえ知らなさそうだったな。
まぁそれはそれとして、調査を再開しよう。
そろそろ終わりが近いな。
[行動]
調査に来たからにはより多くのデータを持ち帰らんとな。
引き続きWTCによるマッピングと諜報機材による【情報収集】を行いつつ、オイレアウゲによる周囲の【偵察】を行う。
随分と走り続けてきた。
何が起こってもおかしくはない。
警戒を怠らないようにしないとな。
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
襲撃に身構えてたら相手は敵意の無い現地人だったとは驚いたけど、ディヴィジョン内で起きている事への関心の無さもちょっと違和感を感じたね。
最近まで発見されてなかったし、もしかして時間経過した影響で他の地域よりもロシアは排斥力が強いのかな?その辺りも現地の人達とは後で交流を深めて確認しときたいよね。
さて【アイテムポケット】で持ち込んだカメラによる列車からの動画の撮影記録はどんな感じかな。後で攻略旅団で精査することで何か判ると良いんだけど。
そろそろ到着する終点ではヴァンパイアノーブルの拠点とかもある筈だから、今の内に戦闘準備も整えておこうかな。(バンデージを巻き直しつつ)
トーマス・リー
「大きな問題は無くて何より……だな」
地図を貰ったらしいのでその地図と本来の歴史上の地図とでとでどれだけ違いがあるのか気になる。
それとそういえばとふと思い出して雪を密閉出来る容器に入れてみる。
「確か雪を調べれば大気の環境がわかるんだっけか? 試しに持って帰って調べて貰うか」
相原・相真
いやあ、てっきりやる気満々の方たちが来たのかと思ったら、
まさか何も知らない現地の方たちだったとは
ともあれ、無事話し合いで済んで何よりでしたね
引き続き車両の管理をしながら線路を先へ
…もうすぐこのトロッコとはお別れかと思うと、
ちょっと名残惜しくなってきますね
(車両へ語り掛けるように)…後少し、よろしくお願いしますね
しかし、実際この線路はどこに、何の目的に繋がっているのやら
ドイツの例に添えば、
終点に他ディヴィジョンに対する防衛線でも作ってあるんでしょうか
といってもこの先って日本くらいしかないはず
警戒しているのは日本のディヴィジョンか、
あるいはアラスカ経由でアメリカディヴィジョンとかもあり得るのかな?
安藤・優
結局彼等はシベ鉄が何かも知らない現地民の人達だったみたい。
仲良くなれたみたいだから今後交流できたりするかも?
まぁ僕はトロッコに引きこもってただけなんだけどさ。
おや、事件の解決は人任せにしてるな?
そろそろ終点が見えてくる頃だけれど…さて、戦闘準備も同時に進めておくべきかな…。
イシュア・アルミゴス
あはは、なんていうかうん。彼らも大変なんだね
それとも敵が徹底しているって言うべきかな?
ここまで来たらもう突き進むだけだよ。
さてと景色はもう十分楽しんだけど何もしないわけには
いかないからね。ここまでで殺風景なことは分かった
けど何もないのは予想もしてなかったよ。
この広大な土地を完全に持て余しているね。
双眼鏡で周囲を警戒しながらどんどん進んでいこう。
温かいココアで気持ちを落ち着かせながら
先にいるであろう敵に備えておこう
一里塚・燐寧
アドリブ連携歓迎
現地の人たち、いわゆるエスキモーの格好だったねぇ
あーゆー暮らし方の民族がいるところは、カナダ北部、アラスカ、グリーンランド……そしてロシア極東部
つまり、もうここが極東なんだ。旅の終わりも近い、ってことかなぁ?
自分の考えの裏付けを求めて【スーパーGPS】で地図を見るよぉ
これまでに仲間がマッピングしてきた分と合わせて
吸血ロマノフ王朝における路線の全体像を確かめてみよう
後はもう、とにかく周囲に警戒を続けて
線路の果ての果てまで進むのが第一だねぇ
【神速反応】を残留効果としてバラ撒いておいて
見張りを担当する復讐者が異変に気付きやすいようにしとこう
通り過ぎて見逃した、じゃ洒落にならないしさぁ
月下部・小雪
現地の人達と仲良くなれてよかった、です!
こ、今度、是非遊びにいきましょう。
今日はとってもよいお天気なのでボクも見張りの方、頑張ります。
さ、最後まで気を抜かずに進みましょう。コダマも一緒に見張り役、頑張りますよ!
ふぅ、色々ありましたが、シベ鉄の旅もあと少し、でしょうか?
シロクマさんに会えなかったのは残念ですけど、き、きっと、また機会がありますよね。
あと、終点までついたらみんなで記念撮影、してもいいかもですね。
※アドリブ連携大歓迎
百鬼・運命
エスキモー。もしくはイヌイットというやつか。
まあ無事に縁が結べたのは僥倖というやつだが、危なっかしい人たちだったなあ…
さて再び監視任務に戻るとしよう。再び走り出す前に鳥を新しく使い魔にして線路の先に監視に出しておこう。残留効果も重ねて2体まで同時に使役できるし、適当な所で使い魔を交換しつつ、線路の果てを目指すとしよう。
基本的にこれまで通りだが…さてこれまでの道中、ヴァンパイアノーブルとのすれ違いが少なすぎるな…俺達と同じく極東側へ向かっている便が多いのだろうか?そうなると終点にはヴァンパイアノーブルの大部隊がいる可能性もあるか…警戒増して、いつでも戦闘態勢取れるようにしておこう
アドリブ絡み歓迎
「トン……」
線路を走るトロッコの揺れる音、線路の上を黒塗りの高級自転車『火車』が進む音にかき消されそうな声が漏れる。
「トン……」
日差しに照らされ若干でも温度が上がったからか、ドサドサと積もる雪を落とした針葉樹の枝が負荷から解放されて雪の粉を撒きながら跳ねあがり。
「トン、カラ、トン……」
包帯の間から呟きを漏らす白着流し姿の奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)の瞳が映すのは、自身から伸びた包帯が最後尾のものへと結びついたトロッコの車両。排斥力にはじき出されないのは、線路を利用して移動しているからか、包帯で繋がれたことで自転車もトロッコの一部とみなされているからなのか。
「トン……」
先ほどからずっと似たような状況で、並走とかをしてたこともあるが、今の火車はトロッコの右手後方を走っていた、複線であるもう一本の線路の上を。
「襲撃に身構えてたら相手は敵意の無い現地人だったとは驚いたけど――」
トロッコに揺られつつ、先に分かれた人々のことに思いをはせていたイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は何気なく窓の外を見て。
「トン……」
不意に聞こえた声に視線をトロッコの後方の方に持って行き。
「トンカラトンと言え……」
「……トンカラトン」
そこにいた顔見知りの発した言葉に、イロハは数秒の沈黙を挟んでから従うと。
「さて」
おもむろに小さなポケットからカメラを取り出すと、深く頷く娑婆蔵の姿をフレームに収めシャッターを切る。
「列車からの動画の撮影記録はどんな感じかな。後で攻略旅団で精査することで何か判ると良いんだけど」
最初の一枚は試しかついでのようなものであったのだろう。すぐにカメラの向きを別方向に変え。
「もしかして時間経過した影響で他の地域よりもロシアは排斥力が強いのかな?」
独言が漏れたのは、再び思考を巡らせ始めたからか。
「その辺りも現地の人達とは後で交流を深めて確認しときたいよね。ただ」
ディアボロスが去れば、排斥力が先の現地人から接した記憶も薄れさせてしまうような気はして。
「それこそ縁があればとか、今後の展開次第なのかもね」
応じて貰えて満足したのか、並走するスタミナが尽きたのか、イロハの言葉に応じられる位置に娑婆蔵の姿はもうなく。
(さっきのは先住民か?)
ただ、別れたばかりの幾人かの男たちのことを思い出していたのは、一人ではなかったらしい。ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)もうちの一人であり。
(あの様子だとヴァンパイア・ノーブルどころか鉄道が何かさえ知らなさそうだったな)
遠征とも言っていたくらいであるし、男たちの話した住処の方も線路からは離れていたこともあるのかもしれない。
「あはは、なんていうかうん。彼らも大変なんだね。それとも敵が徹底しているって言うべきかな?」
もしノインが思ったことを口に出していれば、イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)は言葉に迷うように笑った後でそう真剣な表情を作って続けただろうか。
「大きな問題は無くて何より……だな」
いずれにしてもトーマス・リー(復讐者【アヴェンジャー】・g00766)が言うように何事もなく切り抜けられたのはディアボロスたちからすれば重畳であり。
「結局彼等はシベ鉄が何かも知らない現地民の人達だったみたい」
「いやあ、てっきりやる気満々の方たちが来たのかと思ったら、まさか何も知らない現地の方たちだったとは。ともあれ、無事話し合いで済んで何よりでしたね」
言葉を交わし様子を見た限り、安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)から見ても演技の様には見えず、ちらりと後方を振り返った相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)が無表情のままに自身の言葉へ頷いた。
「まぁ僕はトロッコに引きこもってただけなんだけどさ。おや、事件の解決は人任せにしてるな?」
独言してから自身の言葉に優は首を傾げるも、人員は過剰気味なくらいなのだ。
「現地の人達と仲良くなれてよかった、です!」
「もきゅっ」
動くものを見かけた時の緊張とはかけ離れた交流の様子を思い出したのか、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)もコダマを抱えて笑顔を見せて。
「仲良くなれたみたいだから今後交流できたりするかも?」
「こ、今度、是非遊びにいきましょう」
「もきゅ」
優の予想に提案する小雪の腕の中から這い出たコダマが賛成するように一声鳴き。
「現地の人たち、いわゆるエスキモーの格好だったねぇ」
「エスキモー。もしくはイヌイットというやつか」
元襲撃者たちの容姿を思い出し、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が言及すれば百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)も窓の外を後ろに流れ去る景色を追いかけるように後方を振り返る。最後尾の車両でなければ真後ろは見えない筈だが、たとえ見えたとしてもトロッコが現在進行形で走っている以上、別れた人々を視認するのは不可能であろう。
「まあ無事に縁が結べたのは僥倖というやつだが、危なっかしい人たちだったなあ……」
「あーゆー暮らし方の民族がいるところは、カナダ北部、アラスカ、グリーンランド……そしてロシア極東部」
相手の力量どころか詳細も知らず攻撃を仕掛ける無謀さも思い出したのだろうか。運命が何とも言い難い微妙そうな表情を見せる中、燐寧はいくつかの地域を挙げて運命とは逆に車両の向かう先、東へと顔を向け。
「つまり、もうここが極東なんだ。旅の終わりも近い、ってことかなぁ?」
地図を取り出すと目を落とし、自分の考えの裏付けを求め現在地を確認すると。
「そういえば、本来の歴史上の地図とでとでどれだけ違いがあるのか気になるよな」
横合いからトーマスも地図を覗き込み。
「さて再び監視任務に戻るとしよう」
「そうだねぇ。俺も調査を再開しよう」
宣言しつつ運命が歩き出し、ノインも触発されたように動き出す。
「調査に来たからにはより多くのデータを持ち帰らんとな」
機械仕掛けの眼が映した窓の外の光景は代わり映えしない雪と荒野のものであったとしても何もしない理由にはならず。
「とりあえず、今のところ不審なモノはなさそうだが」
とは使い魔に前方の線路を監視させた運命の言で、その後も変わったものが発見されたりアクシデントが起こることもなく時間は流れて行った。天気も相変わらずの晴天で。
「お、お疲れさまです」
見張りの交代の時間に至れば、先頭車両の運命たちの元に小雪が現れ。
「今日はとってもよいお天気なのでボクも見張りの方、頑張ります。さ、最後まで気を抜かずに進みましょう。コダマも一緒に見張り役、頑張りますよ!」
「もっきゅ!」
小雪の呼びかけに、任せておいてと言うかのようにモーラットコミュはその肩へ乗り。
「そうか、では後は頼むな」
小雪に場所を開けた運命は歩き出し。
(基本的にこれまで通りだが……さてこれまでの道中、ヴァンパイアノーブルとのすれ違いが少なすぎるな……俺達と同じく極東側へ向かっている便が多いのだろうか?)
何事もないからこそ交代して先頭車両を去る運命の目は、平行して続くもう一方の線路へ注がれた。先の列車のすれ違いと休憩場所にしていたらしい件のエスキモーの格好をした男たちを除けば、ディアボロスたちの記憶に残る利用者は娑婆蔵くらいなのだ。
(そうなると終点にはヴァンパイアノーブルの大部隊がいる可能性もあるか……警戒増して、いつでも戦闘態勢取れるようにしておこう)
ただ、日程から逆算するとその終点まではまだ二日以上はかかる。
「……と言うのも、警戒を緩める理由にはならないな」
トロッコはディアボロスたちをのせて、ただ東へと進む。昼を回り、昼食を終えて、夕暮れにはまだ至らぬものの五日目も確実に終わりへ近づいてゆく。
「後はもう、とにかく周囲に警戒を続けて線路の果ての果てまで進むのが第一だねぇ」
「そうなるね。ここまで来たらもう突き進むだけだよ」
燐寧の言葉にイシュアが同意したのは、進み続ける車両の中でたまたま居合わせたからにすぎなかった。どちらともなくちらりと窓の外を見れば、まだオレンジに染まらぬ荒野が流れ続けていて。
「さてと景色はもう十分楽しんだけど何もしないわけにはいかないからね」
白かった雪がやがて夕日の色に染まり始める前にイシュアは歩き出す。
「ここまでで殺風景なことは分かったけど何もないのは予想もしてなかったよ」
今も窓の方を向けばみられる荒野の感想を口にすると、向かうのは先頭車両だ。
「よーし。そういうことならあたしも協力しちゃうよ~」
燐寧の言に何をするのかは聞かずに助かるよとだけ言ってイシュアは居合わせた車両を出て。
「この広大な土地を完全に持て余しているね」
線路から離れれば排斥力ではじき出されてしまう身としてはそれもやむを得ず、双眼鏡を手に他者と見張りを交代したころには一面の銀世界はオレンジ色を帯びていた。
「なるほど」
なんとなくではあるが、燐寧の協力がどういうものであるかをイシュアが察したのは、暫く警戒を続けた後のこと。木々に積もった雪が音を立てて落ちただけだが、物音への反応が気持ち早くなったような気がし。
「異変に気付きやすいようにしといたけど、上手くいったかなぁ? 通り過ぎて見逃した、じゃ洒落にならないしさぁ」
協力した当人の方は椅子に腰を下ろして前方車両の方へ顔を向ける。まだ日没は来ない。だが、時間の問題ではありそうで。何事もないままに夜のとばりはおり、六日目を迎え。
「調査に来たからにはより多くのデータを持ち帰らんとな」
機械の両目と残留効果による視界の確保があれば、夜の闇とて障害とはなりえず、夜の見張りがてらノインは偵察を行う。
「随分と走り続けてきた」
何が起こってもおかしくはないと気は緩めず。
「警戒を怠らないようにしないとな」
自分に言い聞かせるようにしつつ、荒野を眺め続け。
「些少、天気が荒れるか」
独言するのは空に灰色の雲を認めたからで、予想は夜明け近くになって的中する。
「降って来たな」
起き出してきたトーマスが窓の外の降雪を認めて呟き。
「とはいえ吹雪だとか進行不能って程ではなさそうだよね」
クロノ・オブジェクト故に雪に埋まることない線路はまだまだ続いていた。
「確か雪を調べれば大気の環境がわかるんだっけか?」
トーマスの視線が刺さるのは、降雪対策をしたトロッコの屋根で、腕を組んで何やら考え出す後ろを見張りから戻ってきたディアボロスが通り過ぎてゆく。
「見るからに寒いと温かいものは格別だね」
雪は昼頃になっても止まず、ココアの湯気を顎に当てつつイシュアは一息つき。
「あっ」
結局雪が止んだのは、夕方近く。
「日付が変われば最終日。……もうすぐこのトロッコとはお別れかと思うと、ちょっと名残惜しくなってきますね」
車両を歩いていた相真は動力を担う車両で足を止める。
「……後少し、よろしくお願いしますね」
車両自体へ語り掛けるように囁いて。
「しかし、実際この線路はどこに、何の目的に繋がっているのやら」
先頭車両の方を向くと、ぽつり、呟く。
(ドイツの例に添えば、終点に他ディヴィジョンに対する防衛線でも作ってあるんでしょうか)
声にも出さぬ予想は、いや、声に出していたとしてもおそらく答えられる者は居らず。
「といってもこの先って日本くらいしかないはず。警戒しているのは日本のディヴィジョンか、あるいはアラスカ経由でアメリカディヴィジョンとかもあり得るのかな?」
唸って見ても車両のエンジンはただただトロッコを進ませるだけで。
「ふぅ、色々ありましたが、シベ鉄の旅もあと少し、でしょうか?」
翌日、小雪はコダマを両手で抱え、晴れた空を見上げていた。
「シロクマさんに会えなかったのは残念ですけど、き、きっと、また機会がありますよね」
「もきゅ」
主の胸で頷くようにモーラットコミュは縦に揺れ。
(そろそろ終わりが近いな)
七日目の旅も正午を過ぎて見張りについていたノインが視線を前へやる。
「そろそろ終点が見えてくる頃だけれど……さて、戦闘準備も同時に進めておくべきかな……」
「そうだね。到着する終点ではヴァンパイアノーブルの拠点とかもある筈だから、今の内に戦闘準備も整えておこうかな」
優の言葉に同意したイロハがバンデージを巻き直し、各々が旅の終わりに向けて警戒と準備を進めてゆく中。
「あの、終点までついたらみんなで記念撮影、しませんか?」
「何事もなかったらそれもいいかもね、だけど」
小雪の提案に頭を振ったのは誰だったか。ただ、理由だけなら明白であった。
「終着点と思しき場所に近くに人影がある」
見張りからパラドクス通信でもたらされた知らせ。その人影には蝙蝠のような翼も見受けられたのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【建造物分解】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【神速反応】LV2が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
【使い魔使役】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV6になった!
「35268、35269、35270」
その令嬢風の人物は雪を被る木々を指さしては、何やらブツブツと呟いていた。
「あの木はもう数えたわね……ああ、何で私がこんなことを……あ」
余程集中していたのだろう。トロッコはそれなりに音がしていたはずだというのにディアボロスたちがはっきり容姿を確認できるところまで近づいてから事らに気が付き。
「ふふ、ふふふ……ついてますわね。鉄道を無断使用したものを皆殺しにしたと報告すれば、西に戻ることも不可能ではない筈。もうここで木の数を数える日々ともサヨナラですわ!」
令嬢風のヴァンパイアノーブルは血の色を宿した魔力を操りながら嬉々とした笑みを浮かべたのだった。
瀧夜盛・五月姫
まずは現状把握、大切。ここがどこなのか、確認。
他のディヴィジョンに含まれる所、近ければ、境界の海も見てみたい、けれど……線路から離れると、ダメ、だよね。残念。
さて……こんな極東、たったひとり、配備されたクロノヴェーダ?
貴女、ここで一体……あっ。もしかして……“シベリア送り”ってやつ、かにゃ?
ねえ何、やったの? 今、どんな気持ち、今、どんな気持ち?
依頼とか調査、関係なく、姫、とっっっても気になる。
【挑発】で話してくれる、なら、よし。逆上して襲ってくる、なら、戦闘の準備する、よ。
雪にころがって、【対刻獣ライフル『アハト・アハト』】、榴弾を発射。
戦闘が終われば、記録のためにも、姫も写真、取りたいな。
一里塚・燐寧
共闘アレンジ歓迎
史実ならシベ鉄東端はウラジオストク
大事な港町だしジェネラル級が常駐してたりもするかも
もしそうなら気づかれたくない
左遷リーマンの悲哀をぷんぷん漂わせてる敵さんには悪いけど、殺して口封じだよぉ
意識を奪わんと吹き荒れる魔力の風に
【精神集中】と【勇気】で抗い気を確かに持ち続け
『屠竜技:剛勇猛進撃』を発動!
うるさいチェーンソーじゃなくて《九曜の刀子》を手に
【残像】生む程の速さと【肉体改造】による力強さで猛進!
肉薄したら組伏せて喉首を掻き切ろうとするよぉ
悲鳴を上げさせるのもめんどくさいや
なるべく静かにさっさと死んでねぇ
戦闘後も周囲を警戒
ヤバい気配があれば【パラドクス通信】で皆に伝えるねぇ
ノイン・クリーガー
[心境]
おっと、みつかったか。
目撃されたからには死んでもらう。
[行動]
【未来予測】【神速反応】を使い【臨機応変】に対応する。
報告されても面倒だ。一応【通信障害】も使っておく。
・宙からの弾丸は防御姿勢をとりつつ、弾道を読んで避ける。
・血の色の風は木や【地形の利用】により凌ぐ。
・茨は軌道を読んでカランビットの【早業】で切る。
・こちらへの注意がそれた時を狙い、発煙弾で煙幕を貼り、【モブオーラ】【光学迷彩】を使い煙に身を隠し、【完全視界】で敵を捕捉する。
そして【託されし願い】による一般人の映像を囮にしながら【忍び足】で背後から接近し、カランビットの【不意打ち】で喉を裂き【暗殺】する。
フルルズン・イスルーン
なんの意味があるんだろうねアレ。趣味、じゃないよねぇ。
何したらこんな暇でムダなことをする事になるのか、とても気になるのだ。
とりあえずウッドゴーレム呼んで数えてもらおうかな。
ハングドマン・ゴーレム。彼女の忍耐は何故なりや?
さて、壊されても困るので応戦だよー。
ゴーレムには槍でリーチを確保しつつ、列車の防衛を優先してもらうのだ。
飛び込んで来られたら槍を投げて対空だ! 残弾はゴーレムの体積分程度は出せるぞー。
あとはまあ、正直なんでこんなことしてるのか聴きたいのだ。
ヴァンパイアノーブルのイメージと違うけど、普通もっと有意義な仕事に回されない?
大角豆・茜
アドリブ連携歓迎
ん……何て声を掛けてあげればいいのやら。
まぁ、その、ドンマイ。(憐れみの目)
それはともかく、相手は飛べるのに、排斥力のせいで空中戦が出来ないのはキツイね。
序盤は「ホーネット」の電撃針弾で対抗するしかないか。
魔力の風を受けたのなら、〈精神集中〉して意識を持っていかれないように耐え抜き、〈不意を打〉って「刻継」で風を〈両断〉、攻撃を断ち切る。
敵の高度が下がって「刻継」の射程内に入れば、まだ残っているなら翼を、ないなら急所を狙って『神蝕呪刃』を叩き込み、刀傷から〈呪詛〉を流し込む。
あなたにも何か譲れないものがあるのかもしれないけど……私達にも、負けられない理由があるからね。
安藤・優
※アドリブ連携歓迎
なんだろうなーあの悲しい生き物は、みんなから憐れみの目を向けられてるし、めっちゃ煽られてる…まぁ精神攻撃は基本って言うし別に止めなくても良いか。ははは
とりあえずこのグラディウスはサービスだから遠慮なく喰らって逝って欲しい。
おもむろに『剣』を創り出し、『剣』に込めた光を撃ち込む
相手が飛翔してるなら撃ち込む手段は投擲かな?
剣は投げる物だし、その辺は臨機応変に対応していくよ。
数の暴力でこの哀れな生き物を捻り潰したら周辺の調査をやって行こう。いや、何があるのかは全く知らないんだけども。
やる事やったらみんなで記念撮影だね、シベ鉄の旅の記念になりそうだ。
坂登・悠日理
えー…
木を一本一本数えるお仕事って…
いやいや
待てよみんな
それだけ人材溢れてるって事かもしんないだろ?
まぁ何となく可哀想だけども
俺たちもここまで来たんだし終点まで行きたいから
遠慮はしないぜ
しばらくトロッコ乗りっぱなしだったし
身体動かしたかったとこだ
レオもずっと大人しくしてて飽きただろ
思いっ切り行っていいぞ
周りの動きを観察し
カバーするようにレオに攻撃指示
一人に攻撃集中するようであれば
不意打ちで槍を投擲したり挑発したりし意識引き付けパラドクス
あんた何しでかしたの?
木を数える仕事って意味ある?
いいなぁ楽な仕事で
茨はオーラの様子や動きをよく観察し看破し避け
巻き付かれる前に薙ぎ払い
ごめんなあんた帰れないぜ
レイラ・イグラーナ
木を数える仕事……まさか実在していたとは思いませんでした。
恨みはございませんが、襲い掛かってくるのであれば容赦はできません。
中距離から「銀の針」を『投擲』し、他の復讐者の援護を行います。
この銀の針、取り立てて吸血鬼へ特効などはございませんが……刺さるとそれなりに痛いですよ。
血の色を宿した魔力の風を放ってきたならトロッコや雪、木を利用して風から身を隠したり、体を低くして風をあまり受けないようにしたりしながらダッシュで接近、【手製奉仕・縫】で敵の胸元、心臓目掛け針を突き立てます。
戦闘が終われば【スーパーGPS】を使用して現在地の把握と、【コウモリ変身】を使って周囲に気になるものがないか『偵察』を。
イシュア・アルミゴス
ようやく見つけた敵がこれ?ほんとに?
干されたの?干されたんだろうね。ヴァンパイアノーブルが干されたんだ。
油断を誘うなら大成功だよ!そうじゃないなら…憐れだね
じゃあやろうか。セルフクラフトの壁で風から隠れ
力を溜めて一気に解き放つ。あんまり時間かけられないからね。
壁を足場に地形を利用し一気に接近して貫く。
雷撃出力最大値!痺れるぐらいの痛みを君に、ってね!
さっさと逃げて応援呼べばここでやられることはなかったのに。
だから君はここに、居たんだろうね。
さてと、事態が解決したなら調査を完了させよう。
ここは一体どこだろな、と。
月下部・小雪
あ、あれだけの本数の木を数えるなんて、す、すごい集中力、です!
きっとあの集中力を買われて、ここを守っているにちがい、ありません!
みなさん、ゆ、油断しちゃダメですよ!
敵の魔力の弾丸を「ピンポイント魔力障壁」をガードしたらこっちの番、です!
【取説付ロケット発射筒装備型モーラット・コミュ】でロケットランチャーを装備したコダマを呼び出します!
これは、お、お返しです、コダマ全部撃っちゃってください!
夜翼令嬢をやっつけたら、トロッコをバックに「シベリア鉄道横断」の幕を掲げて記念撮影、です。
でも、ここが本当に終点なの、でしょうか?実は延長工事とかしてないです?
※アドリブ連携大歓迎
百鬼・運命
アドリブ絡み歓迎
さて…なんというかずいぶんと…うーん…
わりと警戒していただけに出てきた敵の状況に複雑な気分だな。割と厄介な状況も覚悟していたんだが…ああ、これがラスプーチンの言ってた敗戦の責任というやつかな
ふむ、とりあえずそっちの方でパラドクスを使ってみようかな?仲間の振りをして愚痴を聞いてやると持ち掛ければ、いろいろと口を滑らしてくれるかもしれないな。
革命にシベリア鉄道の終点などいろいろと気になることはあるが、上司が誰かとその愚痴が一番聞き出しやすそうかな?
あとは終点にたどり着けたら、各種残留効果を使用して終点の易の様子を探索しておこう。書物読解で新聞等あされば今後の調査の参考にもなりそうだ
アナスタシア・コルヒドレ
アドリブ共闘歓迎
シベリアで木を数える仕事かぁ、懐かしいな。
私は昔送りつける側の人間だったけど。
さてと、気を抜かずにいかないとね。
油断なく、ディアボロス形態で相手しよう。
MGで【制圧射撃】を行い味方を援護しつつ【突撃】。
突撃しつつも【情報収集】は怠らない。敵の癖や隙を【看破】させてもらう。
一瞬の隙を見つけ次第рука Аоを【一撃離脱】で叩き込む。
撃破後は周囲の警戒を行って、味方の探索の邪魔をする者が来ないか探っておこう。
相原・相真
…ここまで来て、何やらされているんだろう。この人は
いや、気を抜いてはダメですね
どうあれ敵はクロノヴェーダ、まずは油断せずに戦闘といきましょう
シールドドローンで敵の攻撃をやり過ごしつつ、
パラドクスによる電撃弾で攻撃
回避や攻撃、逃亡など敵の動きを牽制・妨害することを意識して戦います
戦闘終了したら、改めて周囲の様子を観察
何か建物等無いか、あるならどういった様子のものか調べてみます
さすがに「何も無い、ただの気に入らないやつ用の流刑地」ってことはないはず、…ないですよね?
トラブル等何もなければ、
トロッコの写真撮影には俺も参加したいです
長い道中過ごしましたし、思い入れもありますから
アドリブ・連携歓迎です
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ歓迎】
※娑婆蔵(g01933)と行動
まさかリアルで『シベリアで木を数える仕事をしてる人』を目撃するとは思わなかったよ
西に帰すのは無理だけどあの世になら送ってあげれるかな?
ちょうどさっき合流したしゃばぞーに合図をしたら
タイミングを上手く合わせてくれると信じて突貫だよ
行く手を阻む血の茨は【オーラ操作】で聖なる気を身に纏い振り払うのみ
十字を切り主に祈りの聖句を捧げたら【ヘレナの聖釘】を発動させて
難攻不落の護りさえもこの信じる鉄拳で貫き通してみせるよ
しゃばぞーと連携するのは物凄い久し振り?だったけどそれなりの動きが出来てたね
向こうでシベリア鉄道横断記念の写真を撮るみたいだから行ってみる?
奴崎・娑婆蔵
※イロハ(g05555)と行動
●WIZ
なんだ、本陣から左遷されたノーブルかァ?
そちらにも世知辛ェ事情がある様子でござんすねえ
ともあれ互いの首が欲しいのは互い様――よござんす
『八ツ裂き娑婆蔵』、参る
・イロハの合図を受け『火車』を駆り、続いて【突撃】
・疾走の勢いそのまま振るう『鉄鞘』で【強打】――【フォースブレイク】
・イロハが敵の護りを崩すことを疑わず突っ込みブチかますことで、より高い威を見込む
おうイロハのお嬢
そちらさんの拍子に合わせる仕儀、体が覚えておりやした
お褒め頂き恐悦至極――そ、それなり……?(てきびしい)
ははぁ、写真
ディヴィジョンの様子を記録致すのもディアボロス稼業の一
へい、同道致しやす
「えー……」
話はトロッコとディアボロスたちが木を数えていたヴァンパイアノーブルに気づかれる前へと遡る。
「木を一本一本数えるお仕事って……」
トロッコの旅を続けて最初に目にしたクロノヴェーダの様子に坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)は言葉を失い。
「木を数える仕事……まさか実在していたとは思いませんでした」
「シベリアで木を数える仕事かぁ、懐かしいな」
ポツリ呟くレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)の声に過去へ思いをはせた表情を見せたのは、アナスタシア・コルヒドレ(蒼炎の閃光(ひかり)・g00340)。
「私は昔送りつける側の人間だったけど」
しれっと付け加えた内容まで聞こえたら、令嬢風のヴァンパイアノーブルの敵意はアナスタシアに集中したであろうか。
「なんの意味があるんだろうねアレ。趣味、じゃないよねぇ」
興味深げにヴァンパイアノーブルを見つめるフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は観察を続ける。
「何したらこんな暇でムダなことをする事になるのか、とても気になるのだ」
おそらく詳細な理由を知りうるのは、木を数える当人のみ。
「……ここまで来て、何やらされているんだろう。この人は」
疑問を覚えたという意味合いであれば、相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)も同様だったかもしれないものの。
「いや、気を抜いてはダメですね」
こちらはすぐに頭を振った。相手はクロノヴェーダなのだ。
「さて……なんというかずいぶんと……うーん……」
ただ、言葉に困った様子で唸る百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)はわりと警戒していただけに出てきた敵の状況に複雑な気分であったのも仕方なく。
「相応に厄介な状況も覚悟していたんだが……ああ、これがラスプーチンの言ってた敗戦の責任というやつかな」
と、独言までしてふと思う。
「ひょっとして、あの時エッセン提督を討ち漏らしていたら――」
ここで木を数えていたのは、落ちぶれたエッセン提督だった可能性もあったのではないかと。それは、エッセン提督を討った者だからこその発想か、あるいは。
「まずは現状把握、大切」
一方で瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼/大怨霊の愛し姫・g00544)は木を数える敵よりも周辺の情報を欲した。ここがどこであるのかと言う問いの答えを双瞳で探せば、終着点と言う形で伝えられたものが何であったのかが見える。
「駅、だね」
所謂終着駅と言うものであろう。だが、それだけ。線路の果ては駅しか存在せず。
「他のディヴィジョンに含まれる所、近ければ、境界の海も見てみたい、けれど……線路から離れると、ダメ、だよね。残念」
排斥力にディヴィジョンからはじき出される条件を思い出し、希望は言の葉に出すだけにとどめ。
「史実ならシベ鉄東端はウラジオストク。大事な港町だしジェネラル級が常駐してたりもするかもって思っちゃったりしてたんだけどねぇ」
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が見る限りでも駅以外の建造物は存在せず、敵らしい敵の存在も幾人かのディアボロスが視認している令嬢風のヴァンパイアノーブルがただ一人だ。
「さて……こんな極東、たったひとり、配備されたクロノヴェーダ?」
駅と視界内の令嬢風ヴァンパイアノーブルこと夜翼令嬢以外に何もなければ、五月姫の意識がクロノヴェーダに向いたのは無理からざるところ、だが。
「あの木はもう数えたわね……ああ、何で私がこんなことを……あ」
漸くと言うべきか。夜翼令嬢の方も接近してきていたディアボロスたちに気づいたのだ。
「貴女、ここで一体……あっ。もしかして……『シベリア送り』ってやつ、かにゃ?」
むしろ先方が気づいたならこれ幸いと問いを投げようとした五月姫は問いの途中で敵の置かれた状況に思い至り。令嬢風のヴァンパイアノーブルもまたディアボロスたちを今の状況を打破する手柄首であると見て現状と合いなった訳だ、ただ。
「ねえ何、やったの? 今、どんな気持ち、今、どんな気持ち?」
五月姫から向けられたのは挑発込みでの質問であり。
「こっ、ダメよ。こんな時こそ平常心でしたよ」
思わず手に持つグラスに力の入った夜翼令嬢はグラスを持つ己の腕をおさえて自分に言い聞かせ。
「ん……何て声を掛けてあげればいいのやら。まぁ、その、ドンマイ」
言葉に迷った様子で大角豆・茜(呪刻を継ぎし者・g03477)が向けたのは憐みの目。
「なんだ、本陣から左遷されたノーブルかァ? そちらにも世知辛ェ事情がある様子でござんすねえ」
「まさかリアルで『シベリアで木を数える仕事をしてる人』を目撃するとは思わなかったよ」
若干の同情か理解か、とりあえず頷いてみた奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)の言葉に続きコメントするのは、イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)。
「ぐ、ぎっ」
令嬢としてはあるまじきことだったかもしれないが、ヴァンパイアノーブルの口から歯ぎしりが漏れ。
「ようやく見つけた敵がこれ? ほんとに? 干されたの? 干されたんだろうね。ヴァンパイアノーブルが干されたんだ」
イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)は疑うようなまなざしで見た上でわざと干されたと繰り返し。
「油断を誘うなら大成功だよ! そうじゃないなら……憐れだね」
手を叩いてから嘲て見せる。自身らを夜翼令嬢が手柄首と見たことには怖れも驚きも抱いてないのが明白であり、言いたい放題された夜翼令嬢の表情は般若もかくやといったものへと近づき。
「いやいや、待てよみんな。それだけ人材溢れてるって事かもしんないだろ?」
「そ、そうですよ。あ、あれだけの本数の木を数えるなんて、す、すごい集中力、です! きっとあの集中力を買われて、ここを守っているにちがい、ありません!」
仲間へ待ったをかけつつ悠日理が甘く見るべきではないと言えば、これに月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)が同調し。
「みなさん、ゆ、油断しちゃダメですよ!」
「ぐっ、言わせて……おけば」
声をあげて警戒を促すも、ここまでの流れが流れだっただけに夜翼令嬢は収まらぬ怒りに震える。
「なんだろうなーあの悲しい生き物は、みんなから憐れみの目を向けられてるし、めっちゃ煽られてる……まぁ精神攻撃は基本って言うし別に止めなくても良いか。ははは」
乾いた笑いを漏らす安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)の判断は正しかったのかどうか。
「おっと、みつかったか」
他の何名かと違い、ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)は、視認されたことに関してただドライな反応を見せると、ただ武器を向けただけであったが。
「目撃されたからには死んでもらう」
「ふふ、うふふ……ふふ、おーっほっほっほっほっほ、よろしくてよ! ここまで愚弄されたのは初めてだけれど、そこのあなた、そう、そうよ!」
殺害予告をされたにもかかわらず高笑いした夜翼令嬢は妖艶な表情でノインへ視線を向け。
「私が求めていたのはそういうものよ! 戦いに言葉なん」
「とりあえずウッドゴーレム呼んで数えてもらおうかな。『求めよ 記録 を 永久なる 世界より』」
たぶんカッコよく決めようとした言葉にかぶさる形でフルルズンがトネリコ樹のゴーレムを召喚、咒いの首輪で主人とつながった槍を持つ片目のゴーレムは動き出し。
「誰が、そんなものを数え……あっ」
言葉を遮られた苛立ちも手伝って怒りの形相へと戻った夜翼令嬢が唐突に固まる。
「どっ、どこまで数え」
硬直の理由は当人の口から零れた内容で凡そ察せはしたが、それは明らかな隙でもある。
「おごっ」
槍の間合いをキープしたトネリコ樹のゴーレムが容赦なく突きかかり、令嬢にあるまじき悲鳴と共にヴァンパイアノーブルはよろめくと。
「とりあえずこのグラディウスはサービスだから遠慮なく喰らって逝って欲しい」
容赦なく、それでいて割と緩い感じで優はおもむろに創り出した剣へ込めた光を撃ち込む。
「我等の怒りの赴くままに、吼えろ! 絶空剣!!!」
とかいつもならそんな感じのはずなのだが、相手に合わせたのであろうか。
「へぷっ?!」
とはいえ、隙のできたところであったので、光は夜翼令嬢へ直撃し。
「じゃあやろうか。あんまり時間かけられないからね」
反撃を警戒してか、いつの間にかコンクリートの立方体の影にいたイシュアは立方体に足をかけると、これを足場に跳躍する。
「ビリッといくよ! 雷撃出力最大値! 痺れるぐらいの痛みを君に、ってね!」
動揺もなく、攻撃された直後でなくばイシュアの伸ばす生体槍尾を躱して反撃に転じることも夜翼令嬢にはできたかもしれない、だがよろめいたところにもう一撃食らってたたらを踏んだ状態では回避など無理な話であった。
「ああーっ」
貫かれ、電撃を流されたヴァンパイアノーブルの身体は大きく跳ねる。
「まぁ何となく可哀想だけども」
これまで数えてきた木の本数を忘れてしまうという不幸、そうして生じた隙に殺到する味方の攻撃。
「恨みはございませんが、襲い掛かってくるのであれば容赦はできません」
「ってのもあるが、俺たちもここまで来たんだし終点まで行きたいから遠慮はしないぜ」
だが、レイラにしろ悠日理にしろ生じた隙を見逃すという理由は存在しない。両者ともに味方の援護を前提としているからこそ即座に攻めかかることはなくとも、支援すべき味方であれば事欠かなかった。
「ともあれ互いの首が欲しいのは互い様――よござんす。『八ツ裂き娑婆蔵』、参る」
イロハの姿を一瞥だけして名乗りをあげた娑婆蔵が『火車』を漕ぎだし突撃すれば、娑婆蔵へと合図を送ったイロハはこの時、娑婆蔵より前に居た。
「こっ、こん」
流石に名乗りまでして突っ込んでくれば、夜翼令嬢もディアボロスたちが仕掛けてくることは理解する。牽制か防御か、鮮血色をした魔力を操ろうとするも。
「そっちばっかり見てていいのか?」
見計らったかの如く悠日理が横合いから声をかけ。
「っ」
「あー、ご苦労さん。ところで気になったんだけども、あんた何しでかしたの?」
イロハたちが囮であったかと向き直った夜翼令嬢が見たのは、ねぎらいの言葉に疑問を続ける悠日理の姿。
「しまっ」
「援護いたします」
隙を作り出すためのモノであることに気づいて視線を戻す途中のヴァンパイアノーブルはレイラの声を耳で拾うも、騙されたばかりだ。無視してイロハたちへと向き直り。
「聖なるかな。全能の神なる主、私どもは朝早くからあなたを讃美いたします」
自身らの方に向き直るさまを認めながら聖句を捧げたイロハは聖気を高めながら雪を蹴散らし夜翼令嬢へと迫る。
「西に帰すのは無理だけどあの世になら送ってあげれるかな?」
「くうっ、お気持ちだけ、受け取っ」
間合いへと踏み込まれたことを察したか、軽口を返そうとした夜翼令嬢の顔が歪むもこぶしを握り固めたイロハは止まらない。茨状に固めた鮮血色のオーラが生き物のように夜翼令嬢の足元で蠢くが自身の拳が届く方が早いと振り払う必要もないことも理解して。
「ごっ」
突き刺さる拳に上体を泳がされた夜翼令嬢がそれを目にしたのは、おそらく偶然であろう。自身向けて飛来するのは幾本かの鋭い針。
「この銀の針、取り立てて吸血鬼へ特効などはございませんが……刺さるとそれなりに痛いですよ」
姿勢を低くいつの間にか肉薄していたレイラが牽制ゆえに当たらず雪に植わったそれをつかみ取るも、反応すること能わず。イロハを追いかけてきた娑婆蔵が『火車』を駆る勢いを乗せて鉄鞘を繰り出していたのだから。
「大焦熱、大紅蓮」
「が」
錐揉み上に回転しながら雪をまき散らして吹き飛ぶ夜翼令嬢をレイラは追いすがり。
「滲む一滴、擦れる凩。銀の野薔薇が狭間を透かす」
雪上を跳ねるヴァンパイアノーブルの心臓目掛けて一撃を繰り出す様を目撃するのは、イロハと娑婆蔵。
「おうイロハのお嬢。そちらさんの拍子に合わせる仕儀、体が覚えておりやした」
娑婆蔵が連携相手に声をかけるに至ったのは、自身らへの反撃を繰り出す余裕もなくレイラとの攻防へ既に移っていたからで。
「しゃばぞーと連携するのは物凄い久し振り? だったけどそれなりの動きが出来てたね」
「お褒め頂き恐悦至極――そ、それなり……?」
応じるイロハの辛口な評価にはてきびしいと動じつつも二人はともに敵から視線は外さない。戦いはまだ終わりではないのだ。
「しばらくトロッコ乗りっぱなしだったし、身体動かしたかったとこだ。
まだ言葉で翻弄しただけであった悠日理にとっては、それでもかまわなかったのか。
「レオもずっと大人しくしてて飽きただろ。思いっ切り行っていいぞ」
メーラーデーモンのレオに一声かけて送り出し。
「あの様子ではそんな余裕などないかもしれんが」
報告されても面倒だとノインが自身の望まない通信を不可能とする世界に変えることで通信妨害を試みれば。
「だよねぇ。見たとこジェネラル級どころかおひとり様みたいだし、左遷リーマンの悲哀をぷんぷん漂わせてた敵さんには悪いけど――」
ここにディアボロスたちが訪れたということを知られるのはよろしくなく。
「殺して口封じだよぉ」
非情な決断を口にした時、燐寧もまた動き出していた。九曜紋が描かれた鞘から小刀を抜くと雪を踏みしめ走り出す。
「確かに、その方が話は早い」
懸念があったからこそ通信を阻害しようと試みたノインが撃ち出すのは、発煙弾。味方の攻勢にさらされた夜翼令嬢は確認するまでもなくノインの行動を把握しているような余裕はなく。立ち込め出した煙幕はその場にいる者達の姿を隠し始めるも、周囲をディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に置き換えれば自身と味方に害はなく。
「うぐっ、そう容易くは」
脇腹を押さえながらも立ち上がろうとする敵の姿をノインははっきりと確認できて。
(逆上して襲ってくる。と思ってた、けど)
それどころか隙を晒して味方から袋叩きにあっている夜翼令嬢を攻撃回避のため転がった雪の上から五月姫は見ていた。無論、ただ見ていただけでもない。
「姫の手、届くところ、立たないで、ね。巻き込んじゃう、から」
対刻獣ライフル『アハト・アハト』を敵に向け、五月姫が発したのは味方への警告。そう、味方を巻き込まないタイミングを見計らっていたのだ。
「じゃあ急がなくっちゃねぇ」
「こ、ぐっ」
そもそもが残像を伴う程の速さで距離を詰めていた燐寧は空いた手を伸ばすと夜翼令嬢の肩を掴み、雪の上に押し倒し、組み伏せる。
「悲鳴を上げさせるのもめんどくさいや。なるべく静かにさっさと死んでねぇ」
「がっ、ぐ」
そのまま首を掻っ切ろうと小刀を振るうと、飛び散る血が雪を赤く汚し。
「おこと、わり、ですわ!」
夜翼令嬢が盾代わりに差し出した腕を斬られた直後だった血の色をした魔力の風が起こり燐寧を吹き飛ばす。
「おーほっほっほ、たわいもない」
ダメージこそ受けながらも燐寧を引きはがさたことにヴァンパイアノーブルは気をよくしたようだが、気づくべきであった。燐寧があっさり引きはがされすぎたことに。
「ちょっと残念だったけどねぇ」
後はお願いするよぉと敵と距離を取った燐寧が通信すれば、五月姫アハト・アハトの引き金を引く。
「へ? あ」
夜翼令嬢が見計らったかのように飛んでくる榴弾を視認した時、もう回避行動に移るような猶予は存在しなかった。
「アーッ」
榴弾が炸裂し、まき散らされる雪の中心へ足を進めるのは、五月姫の警告に足をとめていたノイン。
「よく」
手傷を負いつつも砲撃を耐え、鋭い棘を持つ茨状に固めたオーラを伸ばそうとする夜翼令嬢へと忍び寄ると無言のままに三日月状に湾曲した刃で喉笛を狙い。
「く、あ……まだっ、まだでしてよっ!」
首を押さえながらも雪の上に横たわったままで夜翼令嬢は再び血の色をした魔力の風を起こし。
「風がやんだらこっちの番、です! コダマと一緒に説明書は読みました! つ、使い方はばっちりです」
風が弱まってゆく中、小雪は大型の4連装ロケットランチャーを装備したモーラット・コミュを呼び出すと身を起こそうとしていた夜翼令嬢を示す。
「これは、お、お返しです、コダマ全部撃っちゃってください!」
「もきゅ!」
為すべきことを察したモーラット・コミュがロケットランチャーを夜翼令嬢へと向け。
「きゃあああっ、こ、のぉ!」
飛来して着弾したミサイルの爆発に吹き飛ばされながらも翼状にしたオーラでそのまま空に舞い上がった夜翼令嬢は鮮血色をした魔力の弾丸を放つ。
「わわっ」
「相手は飛べるのに、排斥力のせいで空中戦が出来ないのはキツイね」
小雪は咄嗟に魔力障壁で身を守るも、茜は不満そうに滑空する敵を見上げ。
「装填、電撃弾。……当たれっ!」
まだ空にあるヴァンパイアノーブルへ大型拳銃を向け発砲したのは、同様に敵を見上げた相真だった。
「きゃああっ」
撃墜され悲鳴を上げながらも放たれる赤い魔力の風はシールドドローンが盾となり。
「落ちてきたなら、こっちのものだよ」
手にしていた拳銃を納め落下地点へ駆けながら、茜は呪刀を鞘から抜く。
「あなたにも何か譲れないものがあるのかもしれないけど……私達にも、負けられない理由があるからね」
宿る呪いを解放しながら掬い上げるように呪刀『刻継』を一振りして夜翼令嬢とすれ違い。
「ぐ、うっ」
呪詛に侵食され変色した傷口を押さえながらヴァンパイアノーブルは雪の上に墜落する。
「ふむ、頃合いかもしれないな」
明らかに追い込まれ、顔面を雪に埋めて突っ伏す夜翼令嬢を視界に入れ、運命は歩き出す。ただ木を数えさせられ、敵からは憐みの目で見られ、嘲られ、その敵を倒すことに希望を見出し、挑んだ結果、満身創痍で雪の上に伏している。
「舌先八寸。口八寸」
催眠術によって味方と誤認させる。夜翼令嬢からすればたまったものではないだろうが、大丈夫かと声をかければ、雪の中から現れた夜翼令嬢の表情には窮地に味方が現れてくれたことへの安堵が確かにあった。
「大丈夫とは流石に言えませんわね」
とりあえず自身を味方と思わせるところまでは成功し。
「ともかく、今はこの場を切り抜けますわよ」
運命に計算外があったとしたなら、夜翼令嬢がのんびり話をするような状況になかったこと、そして。
「……私はいったい」
誤認の効果は長くてせいぜい数十秒であったことだ、もっとも。
「なっ」
味方だと思っていた相手が急に敵となれば、驚きに隙は生じる。
「情報収集を続けていた甲斐はあったよ」
アナスタシアの蒼い炎で作った大腕は驚き立ち尽くす夜翼令嬢を容易に捕らえて。
「虜囚とともに爆ぜよ、蒼腕の焔!」
ヴァンパイアノーブルを捕らえた大腕はアナスタシアの命に応えて手の中の相手を巻き込み弾けた。爆音は悲鳴すらも飲み込んで。
「う、うぅ」
ズタボロになりながらも夜翼令嬢は雪の上を這うも。
「ごめんなあんた帰れないぜ」
その先には悠日理が立っていて。
「っ」
逃げ場を求めて彷徨わせた夜翼令嬢の視線はイシュアのそれとぶつかった。
「さっさと逃げて応援呼べばここでやられることはなかったのに。だから君はここに、居たんだろうね」
這った跡を赤く汚す血の量を鑑みてももう、そう長くはないのであろう。
「それでも……少なくとももう、木は数えずに済むわ」
そうでなくて、と聞いてから夜翼令嬢は言った。
「さあ、戦いを続けますわよ」
と。むろん、夜翼令嬢に勝ち目などあろうはずもない。
「う、ぐっ」
一人目の攻撃を受けることも躱すこともできず、雪の上に横たわった身体が動くことは二度となかった。
「正直なんでこんなことしてるのか聴きたかったのだが」
聞いたところで答えたかどうかはわからない。
「ヴァンパイアノーブルのイメージと違うけど、普通もっと有意義な仕事に回されない?」
その有意義な仕事に回す程の力量がないとみなされたのか、それともほかに理由でもあったのか。ともあれ、行く手を阻む最後の脅威が消え去ればトロッコの進行を妨げるものはもうなく。
「ここが終点」
再びディアボロスたちを乗せたトロッコは、一つの駅にたどり着く。
「さてと、事態が解決したなら調査を完了させよう」
「ああ、周辺の調査をやって行こう。いや、何があるのかは全く知らないんだけども」
「そうだな」
イシュアの言に優と運命が同意し。
「なら、私は周囲の警戒を行っておくよ」
「よーし、じゃああたしも手伝ちゃうよ」
アナスタシアが宣言すると燐寧も名乗りを上げて。各々動き出した訳だが、探索はそう長く続かなかった。
「ここは一体どこだろな、と。見たとこ本当に駅以外何もないな」
「さすがに『何も無い、ただの気に入らないやつ用の流刑地』ってことはないはず、……ないですよね?」
それこそ見るべきところ、調べるべきところがほぼ存在せず、何とも言い難い表情をイシュアがすれば相真も困惑を隠せず。
「ウラジオストックで間違いはなさそうですが」
とは地図を広げて現在位置を確認したレイラの弁。
「こう、『駅だけある』といった感じだな。新聞どころかゴミ一つ落ちてないようだし」
おそらく、クロノ・オブジェクトとして終端のまで用意したが、開発はまだ行っていないのだろう。
「でも、ここが本当に終点なの、でしょうか? 実は延長工事とかしてないです?」
小雪は疑わし気に確認するもやはりこの駅が終着点で間違いはなく。
「大体こんなとこかな。それじゃ、やる事やったしみんなで記念撮影だね」
シベ鉄の旅の記念になりそうだと優は歩き出す。
「そ、そうですね。トロッコをバックに記念撮影、です」
小雪が「シベリア鉄道横断」の幕の両端をコダマと分担して持ってこれに続き。
「あ、トロッコの写真撮影には俺も参加したいです。長い道中過ごしましたし、思い入れもありますから」
とは、相真。
「撮影、するんだ。記録のためにも、姫も写真、取りたいな」
五月姫も幾人かのあとを追って。
「向こうでシベリア鉄道横断記念の写真を撮るみたいだから行ってみる?」
「ははぁ、写真。ディヴィジョンの様子を記録致すのもディアボロス稼業の一」
イロハに誘われて言葉を反芻した娑婆蔵はもうすでに人の集まり始めているトロッコの前に視線をやってから。
「へい、同道致しやす」
頷きを返してイロハの後ろを歩き始め。記念撮影が始まったのは数分後のこと。
「そ、それじゃ、撮る、ね?」
「よ、よろしくお願いします」
幸い撮影の人員にも事欠かない。旅を続けてきたトロッコとの別れを惜しむようディアボロスたちはその姿を自分たちとともにフィルムに収めてゆくのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】がLV3になった!
【託されし願い】がLV3になった!
【モブオーラ】がLV2になった!
【書物解読】がLV2になった!
【腐食】がLV2になった!
【泥濘の地】がLV2になった!
【友達催眠】がLV5になった!
【動物の友】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV3になった!
【狐変身】LV1が発生!
【スーパーGPS】がLV2になった!
効果2【ダブル】がLV2になった!
【フィニッシュ】がLV2になった!
【先行率アップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!