リプレイ
冰室・冷桜
んじゃま、お仕事の時間といきますかぁ
空港の安全確認、と
残留効果を気兼ねなく使えるのは便利よねー
まずは滑走路の様子をチェックしていってぇ、作業中らしき車両は勿論飛行機も動くとこだったとかなんか作業してたとこもあるでしょうから、そこら辺の有無をはっきりさせてきましょ
全部の滑走路をーてとこまではしないでもいいでしょうし
広いとこをいくつか見繕って、そこの安全確保って方針でいきましょうか
荷物があれば【怪力無双】やら運搬車両とかフォークリフトを【操作会得】で運転して退かしつつ、そのまま車両や飛行機も邪魔にならんように動かしていきましょうか
未成年の内にこういうのを動かすことになるたーねぇ……
ルチルーク・フレンツェン
時計の針が日本と違う時刻を指しているのが、日本列島とは違う地にいると実感しますね
ひとまずジェット機に事故があっては元も子もないので、ドイツの国際空港近くは綺麗に整頓しておきましょう
世界地図や地球儀から成田空港とドイツの国際空港の直線状の上空を【飛翔】し、上空に飛行機やヘリコプター、気球、他にも何か飛行物体が無いか調査しておきます
万が一存在している場合は上空周辺を確認しながら【パラドクス通信】で迂回ルートやジェット機の燃料について提案いたします
ジェット機の迂回が難しいと判断した場合は【操作会得】で何とか地上に安全に上空の乗り物を地上に緊急着陸させます
この努力も人類奪還の為です、ファイトです私
2020年に開港されたベルリン・ブランデンブルク国際空港はがらんとしていた。
広々としたエントランスホールを見回すルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)。止まったエスカレーター、青々とした観葉植物、しんとした中に立てば自らの駆動音が聞こえそうだ――動くものを厭うほどの静寂。
大きな時計の針を見て、は、とルチルークは息を呑んだ。
「時計の針が日本と違う時刻を指しているのが、日本列島とは違う地にいると実感しますね」
真夜中の空港は当然閑散としていたのだろう。見晴らしは良い。
「やっほーって声を上げたら、こだまが返ってくるやつだね」
上げないけど。言ってみただけ。と冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は微かに微笑む。
「んじゃま、お仕事の時間といきますかぁ」
「はい。ジェット機に事故があっては元も子もないので、空港近くは綺麗に整頓しておきましょう」
「りょー。安全確認、と。早朝便、深夜便もあっただろーし、基本的なとこは見なきゃだよねぇ」
滑走路には複数の飛行機の近くに給油作業車、AC電源車といった作業用車がある。
羽田から飛んでくるジェット機の航路は暫定的に決まっており、端末の地図を見ながら冷桜がチェックしていく。
動線には作業用車が幾つかあった。
「大きなタンク……路面洗浄清掃のトラックかな?」
タッチダウンを繰り返す滑走路面はタイヤ痕だらけだ。飛行機も滑走路も細やかなメンテナンスは必須。きっとたくさんの作業員がいたのだろう。
「……お仕事、お疲れさまです」
当夜。作業をしていたであろう現地人に向けて、冷桜はぽつりと呟いた。広い滑走路をやや速めに歩き、辿り着いたトラックへと乗り込む。
運転席へ座れば誰かの残留思念を感じる。
思考する前に手が動き、あっという間にエンジンが掛かった。日常の手慣れた、無意識的な行動だったが、今これからやる行動は初めてのものだとふと思い至った。
「未成年のうちにこういうのを動かすことになるたーねぇ……」
ゆっくりとアクセルを踏み、進行。
重めの駆動音が鳴り、車窓の広々とした景色が動き始める。シートに伝わる振動も穏やかなハンドル捌きも、馴染みがないはずなのにしっくりとくる。不思議な心地だ。
来航の邪魔にならない場所に移したらまた次の車両へ。
子供たちの人気もの、働くくるまをテキパキと安全地帯に移動させていく冷桜であった。
一度展望台へと上がったルチルークはさらに飛翔し、上空へ。
果てしなく続く大地は絶景だ。
海はどの高度から見え始めるのだろう――そんなことをふと思う。
新宿島のように、ドイツ周辺はある場所から突然海が広がっているはずだ。
航空障害物自動検出システムと共有されたサイボーグの視界。
思考の端は保存したデータベースへと向けられている。その中に旅行サイトや旅行記事のアーカイブがあった。
あの夏の時期、ベルリンでは夜景を一望できる気球の夜間イベントが連日開催されていたはずだ。
深夜帯ということもあって数は少なかったのだろう。気球は一つ、二つ、三つ――ルチルークはパラドクス通信を開いた。
「確実に通過困難な航路があります。航路の再確認を願います」
『――了解』
小型通信機から返ってきたのは、空港の管制室に赴いているらしきディアボロスの声。
通信できる距離を念頭に、予定されていた航路から今度は迂回ルートへとルチルークは向かった。
幸い時間帯的に鳥などは飛んでいなかったようだ。障害物の検出はなく、けれども着陸・離陸に影響のある物はないかと細やかに視ていく。
(「――まだ時間があるようなら、先程の気球を着陸させましょう」)
操作するのは初めてだが、残留思念がルチルークを助けてくれるだろう。
「この努力も人類奪還の為です、ファイトです私」
現地に立って思う。
やはり大陸は広大だ、と。
調整にディアボロスたちの目や手が行き届かないと言われるのも、改めて分かる気がした。
だからこそ確実に、少しずつ。
諦めないという胆力。全人類の帰還のために彼女たちは働きかける。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
ハインツ・ゼーベック
連携・アドリブ可
ハインツは機械帝国の出身であって最終人類史のドイツ出身ではない。
「なので、帰還させるとすればドイツの復興に必要な人材、となるが」
必要なのはインフラ維持と食料、燃料。であるなら専門家だ。実地で数字を把握している官僚が必要だ。
「たしか今のドイツだと連邦食糧・農業省だったか」
トップではなく実務担当者を帰還させられてばいいのだが。
成功すれば新宿で配られている手引書をわたして事情を説明しよう。
国民の全帰還の為の復興計画を策定してもらわねばならない。
「思うところはあるだろうが今は耐えてほしい。これも全てドイツ臣民のためなのだ」
ベルリン・ミッテ区。
遠く見える議事堂を目に、ハインツ・ゼーベック(好奇心は猫を殺す・g00405)は閑散とした街中を歩いていた。
人はいない。
静寂で何処か虚ろな街の景色。
同じドイツであるにも関わらず、目新しいものばかり――ハインツの記憶にある機械化ドイツ帝国とは違った風景。
それでも空の色や風は懐かしいものを感じた。
歴史ある石畳の上を歩きながら、ハインツは思考する。
「帰還させるとすればドイツの復興に必要な人材、となるが」
インフラ維持と食料、燃料。これらは必須条件だ。
新宿島の技術者はディアボロスの力を借り、運用することも慣れてきている。だがあくまでもそれは新宿島での話。
この広々とした大陸の一部は、彼らにとっていわゆる見知らぬ外国に値する。
気候などの環境の差異は当然で、新宿島で行なう残留効果をこの地に適したものへと運用する必要があるだろう。
(「であるなら専門家だ。実地で数字を把握している官僚が必要だ」)
「たしか今のドイツだと連邦食糧・農業省だったか……?」
貯蔵庫の把握、農場地の把握、水質、土質、全てを把握し繋げられる者。
いずれ帰還する国民を想う人員。
そういった者を思い浮かべながら辿り着いた場所は、とある住宅地。
年季の入った建物群がハインツの心に郷愁を呼び起こす。
響き奮わすは勝利の凱歌。
ハインツの心に在る愛国が止まった時を呼び起こす。
消えてしまった人を繋ぐ。
長い歴史が積み重ねられた祖国はこれからも時を重ねてゆく――そのためにディアボロスたちは戦い続けている。
全人類帰還。そのための一歩を共に担う者が、目覚める。
「――っ、寝過ごした!?」
家から飛び出てきた男に「待ちたまえ」とハインツは声掛ける。
将校姿の彼に、男は一瞬慄いた表情を浮かべたがすぐに安堵の表情を浮かべた。
「私はハインツ・ゼーベック」
続き、在籍していた所属を告げれば男は背筋を伸ばす。
「オーラス・フクスと申します。ベルリン支所BMELに在籍しております」
オーラスは地域社会と協力するためのアイディアやプロジェクトを開発し、実施のため駆け回っているらしい。
「ふむ、成程。――突然だが、君を迎えに来た。我々と共に戦ってはくれまいか?」
ハインツが今の――この世界に起こった出来事を簡単に説明する。常ならば青天霹靂な話であるにも関わらず、男は聞き入り、真面目に考え始める表情に。
男は渡された手引書を捲り、現在の街の様子とを比べ、ふと溜息を零す。
とてつもなく重い話であろう。心情を察し、ハインツは僅かに目元を緩ませた。
「……思うところはあるだろうが今は耐えてほしい。これも全てドイツ臣民のためなのだ」
「……ええ……ええ。今はまだ戸惑いが先に立ちます。ですが、精一杯つとめましょう――」
オーラスが呑みこむように何度か頷き、言った。
ドイツの空の下、交わされた握手はあたたかく柔らかく――そして強いものであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
コンスタンツ・トパロウル
これから、多くの人に帰還して貰うことを考えると、状況をわかりやすく大勢に伝えられる人が居たら……頼りになるよね
新宿島で言うと、芸能人って奴かな
当時はテレビとか普及してないだろうから、ラジオのアナウンサーとか、演劇の舞台の女優さんとか
人々に名前を知られてて、影響力がある人達に先行して帰還して貰って、今のドイツの状況を理解して欲しい
うまく出会えたら、自分達の立場やドイツの状況を簡単に説明しよう
簡単に言うと……一度、世界は滅びたんだ
だけど、それに逆らい、世界を取り戻そうとしてるのがあたし達
一部を取り戻せた結果、時が動き出したんだよ
まるで物語みたい?
じゃあ、人々に伝えるための物語を演じてくれないかい?
ドイツの地に降り立ったコンスタンツ・トパロウル(生き残りの撃竜騎士・g05674)は石造りの街並み、どこか長閑な空気にうんと伸びをした。
広大な大陸に住んでいた人々。
その多くが知る人物といえば誰だろうか――パラドクストレインの中で調べた有名人一覧を思い出し、考える。
これから多くの人に帰還して貰うことを考えれば、
(「状況をわかりやすく大勢に伝えられる人が居たら……頼りになるよね」)
人気そうなのはスポーツ選手や、舞台に立つ演者や歌手。
街角で流れる有線ラジオの音楽。店内BGM。
ふとした拍子に心捕らわれる詩、心震わすのならオペラ。その中で思い描いたのは舞台女優だ。
静かな街を歩き、人がよく訪れていたであろうショッピングモールを横切る。
きっと人がいたら賑やかな場所。
考えを巡らせながら歩いていくととある住宅街へと辿り着いた。
(「ここだ」)
誰に教わったわけでもない。ディアボロスとしての直感が告げている。
口遊む騎士の歌に乗せるは勝利の凱歌。
響かせていると一人の女がアパートメントから出てきた。
「もうお昼? 寝過ごしちゃったわ……」
サングラスに帽子を目深に被った彼女は、数歩進んだかと思うと、戸惑ったように立ち止まった。
「こんにちは」
コンスタンツが声を掛けると彼女はぱっと振り向いた。強張ったのだろう、表情が和らぐのが見えた。
「え、ええ、こんにちは」
名乗りあって、握手。彼女の名はアリサといった。閑散とした世界にぬくもりが触れ、繋がった。
「いつも賑やかな街が、どうして今日は静かなの?」
ひと気のない世界で僅かに怯えた表情となるアリサ。コンスタンツは彼女を見上げて、眉を下げた。
「簡単に言うと……一度、世界は滅びたんだ」
新宿島で配布されている手引書を渡しながら、説明をする。
人類史改竄術式『刻逆』によって消滅した大地。突然奪われた最終人類史での日常、本来の日常が消えた改竄世界史。
「だけど、それに逆らい、人々の力を受けて、世界を取り戻そうとしてるのがあたし達、ディアボロス」
本来ならば到底信じられぬ荒唐無稽な話だ。
けれども帰還したこの時に触れたアリサはコンスタンツの言葉を胸に響かせているようだ。
「一部を取り戻せた結果、時が動き出したんだよ」
「物語……みたいな現実ね。どうして私は帰還できたのかしら……」
寂しげにアリサが微笑み、問う。
「それはあたしが願ったから。悲痛な、この現実を人々に伝えるための物語を演じてくれる人がいないか、って」
「それはいいけど――私、最後はハッピーエンドが好きなのよね」
ツンとした表情になってアリサが言った。そんな彼女の様子にコンスタンツが苦笑する。
「うん。ハッピーエンドになるように、あたしたちも、みんなも、頑張るからさ」
スタッフはたくさんいるけれど、独りで立つ舞台。けれども新たに一人が加わり、三人、四人、と少しずつ増えていく舞台。
皆で織り上げ、作っていく舞台――世界――未来へ。
大成功🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
水戸・宗一郎
帰還の際に間違いなく問題となるのは電力だ
戻った時に準備も無く状況が変わっていれば
確実に混乱の元になる
そこで発電所に赴き電気系の技術者に来てもらい
研究と事前準備をしてもらう
直接交渉するのは所長とその周囲の人物だ
他技術者の説得は所長を介して話す方が成功率が高いだろう
周囲の異常は見れば分かる筈だ
変に取り繕う必要もあるまい
刻逆による他大陸の消失
我々の活動
市民全員の帰還の為
部下共々日本に来て協力願いたい事を説明する
エネルギー問題は我々も困っているのでな
いわば事業提携の提案だ
嫌と言うなら【操作会得】で周囲の機器を操作し
発電所を吹き飛ばす位はできる
と言うブラフを仕掛ける
当然これは使う気の無い最後の手段だがな
(「人類の帰還……その際に必要になるもの」)
食糧、住まい、教育。
何気なく過ごしていた営みを行うために、常になければならない存在がある。
(「電力か」)
パラドクストレインからドイツの地に降り立った水戸・宗一郎(金の亡者・g00253)はそう考えた。
(「戻った時に準備も無く状況が変わっていれば、確実に混乱の元になる」)
ディアボロスの力で生活は行えるものの、大陸はあまりにも広大。夜闇のなかに輝く光は古来人を慰めてきたものだ。
街から離れた地に建つ発電所。宗一郎はそこへと赴く。
あの時、ドイツは深夜帯であったが、研究施設も兼ねたそこは寝泊まりする研究者・夜勤の者もいたであろうと踏んでいる。
勝利の凱歌が人無き地で響き渡る――。
「あれ、何時の間に夜が……?」
「何時だ、今」
帰還した人が呟きながら、各所から出てくる。その数は少ない。
夜が終わったのなら帰らねば――だが周囲の――世界の様子がおかしいことに彼らは気付く。
エントランスホールにて、宗一郎は彼らに声を掛けた。ディアボロスだということを告げれば、どこか不安そうだった彼らの瞳に安堵が宿る。
刻逆による他大陸の消失、発現したディアボロスたちの活動、新宿島にて皆がどう過ごしているのか。新宿島で作られた手引書を渡しながら、宗一郎は説明する。
「……時に、所長など、そういった役職に就いておられる者はいるだろうか?」
「ああ、はい。私が」
名乗り出た年配の男。副所長だと告げた。
「部下ともども、日本……新宿島に来て協力してくれないだろうか? エネルギー問題は我々も困っているのでな」
「お話を聞く限り、そうなのでしょう。私どもに出来ることであれば……幸い、我が国は国家方針により、そういった研究を続けてきました」
ドイツは電力輸出量も多く、国家の方針として再生可能エネルギーへの研究にも余念がなかったはずだ。
新宿島でのエネルギー運営を学びながら、新たな道を模索し、人々へ伝えることになっていくだろう。
「考えなければならないことは膨大ですが、何我々もまた学び貢献していきましょう」
「よろしく頼む」
頼もしげな副所長と握手し、宗一郎は頷き言うのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
佐島・真己
何が一番大事か
将来的に全ての人々を帰還させること
そのための道標となる人を帰還させること
帰還させたい人物は
熱意と我慢強さを持った人を導くことが出来る人物
具体的なプランを持って企画行動出来る人物
そして人々のために心を砕いて行動出来る思いやりを持った人物
未来のビジョンを示すことが出来て周りの人間に伝えられる人物
つまり現実を見据えつつ理想を実現するために行動出来るリーダー
年齢実績は関係なく
勇気と責任感を持って全ての人を帰還させるプロジェクトを実行してくれる強いリーダーシップを持った人物を選んで帰還させる
帰還させた人にはしっかりと状況を説明して新宿島に向かってもらう
ディアボロスとして戦う日々を過ごすなか、目標はぶれることなどなかった。
明確な、今在る人類の意志。
(「将来的に全ての人々を帰還させること」)
佐島・真己(暗闇の中の光・g01521)や他のディアボロス、そして暮らす人々の辞書には恐らく「諦める」という文字はない。
だって取り戻せることを知った。歴史の奪還戦は皆と共に乗り込む。誰もが希望を知った。
奪還していく。そのために、そのための道標となる人を帰還させなければ。
――となれば誰だろう。
人々のために心を砕いて行動出来る思いやりを持った人物。
未来のビジョンを示すことが出来て周りの人間に伝えられる人物。
降り立ったベルリンの街並みを……人無き閑散とした地を歩きながら真己は考える。
「ん? ……ここか」
シュレツキ通り。ここだと彼の本能が告げている、アパートメント。
既に渡っているディアボロスの力――勝利の凱歌を奮えば、慌てたように出てくる男が一人。
「あっ、申し訳ない」
勢いよく玄関を出てきた彼は鉢合わせた真己に告げながらも、玄関先のステップを飛び降りた。そして、気付く。
――世界が静寂に包まれているということに。
「すまない。あんたに用があるんだが……俺は佐島真己。話を聞いてもらっても構わないか?」
「あ、あぁ。私はマルクスという」
戸惑い振り向いたマルクスは、真己を見て表情に安堵が宿る。
真己は説明する。刻逆によって大陸が失われたこと。その際に発現したディアボロスのこと。ディアボロスのこと。
マルクスは戸惑いは消えぬもののパニックになることもなく、真己の話に頷きを返した。
「ところでマルクスさんは普段は何を――」
「私はこの『多世代の家』を中心に、社会活動をしていたんだ」
ドイツ内閣府の方針により育成された青年リーダーなのだという。
地域の課題に対応し、かつ事業地域として福祉の実務をしていた。
教会組織や民間福祉団体と福祉には多数の担い手がおり、それらの交流も繋げていくのがマルクスの仕事であった。
「いずれ俺たちはこの世界に、また暮らしていけるように、全人類を帰還させたい。そのためにマルクスさんの力を貸してもらえないか」
真己の言葉に、是非とマルクスは握手で応じた。力強い握手には熱意がこめられている――精力的に動く人なのだろう。
「私に何が出来るのか分からないが――いやだからこそ学んでゆかねばならない」
「頼もしいな」
勇気と責任感を持って全ての人を帰還させるプロジェクト。それを実行するリーダーシップを携えた者。
「――力を尽くすよ」
ふと、故郷を見渡すように、辺りに視線を向けたマルクス。ボールなどの遊具が転がる小さな庭。花壇は道行くものを和ませるように丁寧に整えられている。見えぬ人々の暮らしがそこにはあった。
誰を想っているのか、何を想っているのか。
「ああ……俺も」
真己はそれだけを言葉にした。
大成功🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ラズ/g01587と
俺達に今、できる事を
祈りを込めて勝利の凱歌を
◆帰還させる人
農業・食糧問題に詳しい識者
大学教授や研究者など、現地の農業知識(農地、作物、農法、土壌、気候など)に精通し、国家レベルの食糧問題の視野を持つ方
実際の農業指導や、現地の農業事情に横断的に精通している方
該当者を少数名
可能なら、復興の意志を持ち、ドイツと共に機械化帝国圏の周辺国まで見渡せる方を
農業分野で有名な大学や、国の分析機関や研究所の周辺宿舎などから探す
穏やかな物腰で、納得するまでラズと状況説明
もし可能なら帰還者が望む人物を、少数共に呼びたい
目的の為の協力者(識者や専門家)か、不可欠だと感じる方(配偶者や家族等)を想定
ラズロル・ロンド
アドリブ歓迎
エトヴァと行動
彼の考えを尊重フォローし動こう
食料自給に関する識者を帰還させる
ドイツ・周辺諸国の事を考えられ
飢える事無く分配計画を立てられる人
農業組合や水の管理
独占せず助け合える人を求める
小麦などの穀物、ばれいしょ、豚肉など生産量の多いものは積極的に自分達で賄えるといいね
【土壌改良】で最初の手助けが出来る事は伝えても良いと思う
エトヴァの凱旋を見様見真似で
気持ちだけは盛って
帰還した人を集め
ディアボロスである事、これまでの経緯を説明
今後の話、必ずドイツ全ての人を帰還させる事
その為に協力して欲しいと誠意を込め説明を
不安を覚える人の話を聞き
共感しこれから待つ希望を話す
大丈夫必ず立ち上がれる
全人類帰還のためへの一歩。
ドイツの地に降り立ったエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、閑散とした街並みを見る。
先日の奪還戦で取り戻した大地は広大だ。
街、点在する農村、国境、どこにも人々のそれぞれの暮らしがあり、彼らの生活や精神を『今』担うのには力が及ばない。
郊外に赴き、ある大学へとやってきたエトヴァ。
そして彼と行動を共にするラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は歴史ある建物をほわぁと見上げた。
「エトヴァ、ここは?」
「農業アカデミーのようだ」
農業や食糧問題に詳しい識者。エトヴァが思い描けば導かれるようにここへと辿り着いた。
自然豊かなアカデミー。寮へと向かう歩みのなかで、風景を眺める。
春のドイツ。
若葉萌ゆる地は癒しの色に満ちていた。
ディアボロスとしての力を――エトヴァが奮う。
「Ich hoffe, dass――」
故国ドイツに渡る生命讃歌。透き通る歌声に数多の想いがのる。描いてきた光は今ここに、今こそ輝く時。これから描きたい光を響き渡らせて、祈る、歌。
エトヴァのEngelshoffnungに倣うはラズロルだ。見様見真似だったけれども、気持ちは同じ。
(「いずれ、みんなが安心して還ってこれるように」)
肥沃なこの地で、春を迎えられるように。
時の乖離を癒すように、勝利の凱歌が満ちていく。
しばらく待っていると「えっもう昼過ぎ?」「寝過ごした……?」と、幾人かの声がして寮から出てくる。
スーツを着た者、学生のような者と様々だ。
「こんにちは!」
とラズロルが笑顔で挨拶をすれば紳士らしく朗らかな挨拶が返ってくる。
「話を聞いて頂けるだろうか?」
エトヴァが呼び止める。
まだ世界が襲われた事態を把握していない彼らに、今の世界のこと、ディアボロスのことを説明する。
「そういえば部屋の電波時計が変だったな……」
各々が呟きながら納得の表情となった。一瞬浮かんだ不安げな表情も、二人の言葉を聞き、徐々に落ち着いていく。
そして尋ねるのだ。
どうして我々を? と。
「全人類を帰還させるために必要なもの――その一つが食糧問題だと思ったからだ」
「確かに……我々が生きるに必須ともいえる」
「連邦食糧・農業省もありますが、実地となればここだ」
現場仕事。
その地に適した研究を続け、再生可能エネルギーの模索にも着手するドイツの研究事情は優れたものだといえるだろう。
「食糧問題はインフラ設備と並行に整えていかねばならないところでしょうな」
教授をしていると名乗った者が言った。
「飢えるのは辛いもんね。皆と助け合っていける人を探してたんだ」
ラズロルが言う。
農場運営を模索するのなら、付随する分野がたくさんある。
水の管理、代替肥料、根本的なのは作物の育成法。暮らしが整わない今、見直す部分は無限に出てくるだろう。
「ドイツのように広大な土地があれば畜産も可能だろう。新宿島――日本とここは気候も違う。農法や土壌、作物も……数多に出てくるであろう事案を共に解決してくれないだろうか?」
エトヴァが上げていく出てくるであろう問題点に、彼らは真剣に思考し始める。
「小麦などの穀物、ばれいしょ、豚肉とか。積極的に自分たちで賄えられるようになるといいね」
土壌改良というものがあってさ、とラズロルがディアボロスの力を説明していく。
新宿島で行われている事業や助力。いざ目の当たりにして出てきた問題の解決や代替案。新宿島での暮らしは、これからの生活にとても役立つことだろう。
「……正直、とんでもない話ですが、我々にできることであれば、是非我々も力を尽くしたく存じます」
「お二人の言う全人類の帰還……そのために、新宿島で学び、この地に適した改良案を提案していきたいと思います」
男たちが次々と言葉にしていく――ひとり、またひとりと発言していけば希望あるものへと変化していく。
「そうだよ、大丈夫。必ず立ち上がれる」
そのために僕たちも頑張るよ、とラズロルが胸を叩いた。
「俺達に今、できることを」
彼らの様子を見て、エトヴァが穏やかに微笑む。手を差し出せば、力強い握手が返された。
ひと気のない、閑散とした大地で繋がったぬくもり。
この手はきっと誰かの未来に繋がっている――そう思える縁であった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【勝利の凱歌】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
ルチルーク・フレンツェン
本来なら技術者や研究者など即戦力を帰還させるべきですけれど、
どうしてもリーリヤさんとリーリヤさんがその後どうなったのか気になっています
お二人がドイツに残ったか独露国境海域報告書を読んでもよく分からないので、
ロシアに戻っている、1915年ロシアではない2022年新宿で目覚めたくない等、呼びかけに答えない場合も仕方ありません
でも、最終人類史はまだまだ大変ですが、ディアコレなど楽しい催しがありますし、子供の笑顔で元気になる優しい人々もいます
よければ新しい一歩を歩みませんか?
帰還に応じてくれたのが誰であれ、少女らしい口調で歴史を奪われていた事、
いずれ全てを取り戻すけど今は新宿島へ移動を説明するよ!
ルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)が訪れた場所は、ドイツ首都よりも東に伸びた場所にある、とある町。
空から一望すれば中心地は建物が並び賑わっているようにも思えた。
ルチルークは自身が導かれるままに町の外れへと向かう。
ドイツの肥沃な大地。萌ゆる若葉が大地に生命力を渡らせている。
(「本来なら技術者や研究者など即戦力を帰還させるべきですけれど……」)
機械化ドイツ帝国で戦う日々の中、ロシアから漂流した二人の少女に出会ったことはまだ記憶に新しい。
リーリヤとセーミャがどうなったのか、どういう生き方をしていったのか。彼女はそれを知りたかった。
ルチルークが辿り着いたのはひとつの民家。けれども看板が立っている。
『多世代の家』その文字に続くのは、町の名をつけた支所名。
「……孤児院でしょうか……」
少しだけ、何が起きるのか、不安が宿ったけれど。
けれども未来を――別れ際、新しい一歩に緊張していたリーリヤ、幼いゆえか無邪気に笑ったセーミャの表情を思い出しながら勝利の凱歌をルチルークが渡らせる。
「…………」
凱歌を終える前に、ぱたぱたと院の中で駆け足。
「えっもうおひる?」
「寝過ごしちゃった」
「先生? せんせー?」
三人の子供たちがパジャマのまま外に飛び出してきた。
「わ!」
ルチルークを見て、びっくりする子供たち。銀の前髪に隠れたルチルークの目もまた一瞬ぱちくり。
けれどもぱっと、花が咲いたような笑顔になった。
「おはよう!」
「あ、おはよう、ございます」
「おねえちゃん、だぁれ?」
男の子が二人、女の子が一人。
「お姉ちゃんはね、ディアボロスっていうんだ。みんなを迎えに来たんだよ」
子供にも分かりやすいように、ルチルークは言葉を選んで世界のことを伝える。
「ディアボロス……」
不安そうな表情の子供たちではあったがディアボロスの存在に安堵も覚えているようだ。
「先生がおはようするまで、お姉ちゃんが暮らす新宿島で過ごすのはどうかな?」
大人はみんな優しい人だよ。みんなが笑顔だと元気になるんだよ。
お友達もできるかもしれない。
ごはんは、おなかいっぱい食べられるよ。
そう言葉をかけていく。
一旦、子供たちは準備するために院へと戻り、大事な物を持って出てきた。
一人は帽子を目深に被った。
「この子、おひさまに弱いんだ」
女の子を背負って、少年が言う。少女の顔だちはセーミャに似ている。
もう一人の少年が「これ」とルチルークに古びた手記を渡してきた。
「いつか、でぃあぼろすに会ったら渡してほしいって言われてるやつ。先生、いまいないからさ、俺もってきた」
孤児院で受け継がれてきた手記のようだ。
ルチルークがページを捲る。
亡命のことは書かれていなかったが――字は大きくになってから覚えたのだろうか――リリヤ、セミヤ――二人の少女のことが日記のように書かれていた。
『ディアボロスに助けられた』『しばらくして孤児院に』『先生になりたい』『セミヤが結婚した』『セーミャが亡くなった』短く綴られた文字は次第に上手くなっていく。
「……先生っていうのは、リーリヤさんなのかな?」
「ううん、違うよ。これ書いたのは昔の院長先生で――」
懸命に少年が話す。頷きを返すルチルークの表情は、穏やかなものになっていた。
改竄された世界で働く排斥力。
けれども出会ったリーリヤとセーミャはディアボロスのことを覚えていた。
彼女たちにとって忘れられないあの出会いは人生の大きな分岐点だったから。
彼女たちが踏んだ新天地での新しい一歩はとても勇気がいるものだっただろう。
だからこそルチルークは三人の子供たちに言う。少年ともう一人の少年に背負われた少女と、手を繋いで。
「心配ないよ。私たちディアボロスがついてるからね。みんながつらくならないよう楽しいこともたくさん考えるし、平和になるように、新しいこともね、たくさん挑戦しているんだ」
安心して新しい一歩を歩んでみてね。
そしていつか、みんなにおかえりって言おうね。
見送ることしかできなかったあの日を思い出す。
小さくなっていく背中を思い出す。
現在(いま)、少年少女の新しい一歩を、共に導くように歩めることに、ルチルークはふと嬉しく思うのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【落下耐性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!