リプレイ
魏・鋼
戦の前哨戦、腕が鳴りますな
機械人形との戦いは私の故郷ではありませんでした、ですが人型をしているのなら基本的には同じ、刻逆前であれば、全身に鎧を着こんでいるのが厄介といったところですが、今のディアボロスと化した私の刃なら鎧を貫き通し薙ぎ払えると思えますな
騎兵の長所は機動力です
混戦に乗じて愛馬に命じ、駆け抜けながら青龍偃月刀を振るいて【薙ぎ払い】ましょう
相手の装甲の薄い場所や関節、武器を狙い戦力を削ぎます
相手の武器はどうやら直線を描く射撃武器、であれば狙いをつけづらいように撹乱しつつ撤退するのが上策
相手に私を認識された後は、不規則にジャンプや【ダッシュ】を愛馬にさせつつ進路を変えて退却します
峰谷・恵
「勢い任せのゾルダートを防御で凌いで反撃するつもりかな。じゃあその守りを揺さぶろう」
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
敵前線付近に炸裂気功撃で攻撃を仕掛け撹乱し、同時に通信障害で自動人形側の通信だけを阻害、連携を崩しゾルダート側が攻め込む隙を作る。
離脱しながら敵の反撃を回避、後退しつつ銃剣突撃を引き付けて敵の隊列を乱させる。避けきれないものはLUSTオーラシールドで受け流す。
離脱したら違う場所に再突撃し炸裂気功撃を叩き込み敵前線の統率をかき乱す。
体力が4割を切る、敵やゾルダートに囲まれそうになる、アヴァタール級以上襲来で撤退。
「自動人形が倒れるならトドメ役はゾルダートに押し付けても問題ない」
ソル・スクルド
*:味方との連携可
◆行動
フハハハ、妾は暗黒太陽神の末裔にして魔法少女ソル・クロノレジェンディア!
…まぁ、交戦に入ったらこんなことしておる暇はないじゃろうからな
今の内にやっておくかの…名乗りの様式美は、大切なのじゃ
さて、ネイの陣営は、ドイツの攻勢で徐々に勢いに押されておるようにみえるが…後方は防御を厚くしておるように見える?
これは相手の陣の攻性が伸びきったところを一気に叩くつもりかの…狙うとしたら、こちらはその反撃の際の突撃タイミングじゃな
味方の攻撃を援護しつつ、撤退時の事も考え、それが必要なタイミングには、出し惜しみなしで全力魔法でパラドクス発射し勢いを削ぎ、味方の撤退支援じゃ!
●戦場の襲撃者
衝突しているのは、二つの軍。
既に成立した戦場へと接近しながら、峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)は、不滅のネイ軍の現況をうかがっていた。
「勢い任せのゾルダートを防御で凌いで反撃するつもりかな。じゃあその守りを揺さぶろう」
その視界に、味方の存在を確認する恵。
味方の1人、ソル・スクルド(御狐魔法少女ソル・クロノレジェンディア・g02818)の見た所では、不滅のネイの陣営は、ドイツ側の攻勢を受け、徐々に押されているような状態だ。
だが……ひとたび後方に視線を移せば、後退した兵達が陣形を再構築し、防御を厚くしているようにもみえる。
「これは相手の陣の攻性が伸びきったところを一気に叩くつもりかの……」
恵も推測していた通り、それがネイの策だろう。ソル達が狙うとすれば、その反撃の際の突撃タイミング。
やがていよいよ、ソルの待望していた時が来た。ネイ軍が、反撃に転じる兆しを見せたのだ。
そしてソルは、二つの勢力激突する戦場に、高らかな笑い声を響き渡らせた。
「フハハハ、妾は暗黒太陽神の末裔にして魔法少女ソル・クロノレジェンディア!」
両軍の注意が、一気にソルの方に集中する。
大群相手にいざ交戦となれば、このような名乗りを上げている暇もあるまい。
だから、今のうちに済ませておく。名乗りの様式美は大切なので!
ソルに注目が集まった直後、一騎の戦士が乱入した。
威風堂々、青龍偃月刀をかざした武人の正体は、魏・鋼(一臂之力・g05688)である。
「戦の前哨戦、腕が鳴りますな」
愛馬とともに敵陣を駆け抜けながら、偃月刀にて、グレナディアドールを薙ぎ払う鋼。
戦いをくぐり抜けてきた鋼にとっても、『故郷』では、機械人形との交戦経験は無かった。
だが、機械とはいえ、人型。ならば人を相手にしているのと、基本的には同じはず。
ただし敵の体、金属にて構成されたそれは、全身に鎧を着こんでいるようなもの。厄介だ。
しかしながら、刻逆前……常人であった頃ならばいざ知らず、ディアボロスと化した鋼ならば、機甲の鎧すら貫き通し、薙ぎ払う事も可能。
技量もまた超人化した鋼の戦舞が、並み居る人形を蹴散らす。その勇ましき光景は、恵やソルや士気をも高揚させるものだ。
命令を忠実に実行していたグレナディアドールにとって、鋼らの参戦は、予定外の出来事だったはず。
それまで順調に駆動していたはずの戦術の歯車が、ずれ始めていく。
そうした状況で、鋼の機動力が、真価を発揮する。自動人形の装甲の薄い箇所や関節、そして武器を狙い、確実に敵戦力を削いでいく……!
●乱戦場の復讐者
鋼の対応に苦慮する敵前線に、新たな異変が生じた。恵の闘気塊が炸裂したのだ。
解放された闘気は不規則に飛び回り、グレナディアドール達に、更なる被害をもたらす。
「敵襲、カクニンシマシタ――」
グレナディアドールの頭部が回転し、恵を視界に収める。
人形達は、この異変を自軍、そしてネイと共有すべく、通信を行った。
「…………。ツウシン、不能」
恵の一撃によって生じたのは、衝撃や爆煙だけではなかった。
闘気にこめられたフェロモンが、通信障害……グレナディアドール達の意思疎通手段の阻害を引き起こし、混乱を助長したのである。
勢いを増したのは、恵達ばかりではない。攻めに転じていたゾルダート達も、ここぞとばかり攻撃のラインを挙げて来た。
利用できるならすると言う事であろう、恵達には目もくれない。
無論、グレナディアドール達も、いつまでも混乱したままではない。戦況を自己判断、的確な行動に移る。
「反撃シマス……!」
投じられたグレネードが、炎の花を咲かせる。
衝撃と熱波が、恵に吹き付ける。熱せられた空気を破り、突撃して来るのは、銃剣を構えた自動人形。
しかし、ネイからの後退命令は実行中。それに反して一部の兵が恵を追ったため、陣形がわずかに乱れた。
突出した敵らの銃剣の突撃を引きつけ、そのまま後退する恵。LUSTオーラシールドをかざし、勢いを殺した剣先を受け流す。
敵の一団から離脱を果たした恵は、一度大きく迂回すると、再び敵軍に突撃した。
一方、ソルは、恵達の援護に徹していた。千変万化の魔術をここぞと駆使して、敵軍をかき乱す。
敵軍がソルの排除のため、披露して来るのは、銃火と行軍歌だった。
金属の足音鳴らして進むグレナディアドール。殺戮の銃と勇ましき調べの二重奏が、戦場を支え、ソル達から主導権を奪回せんとする。
「厄介じゃの……じゃが!」
ここは攻め時。そう判断したソルは、蓄積していた魔力をいよいよ解き放った。
風の精霊が暴威を振るう。ドールは、堅固な装甲でもって、風の魔力に抗う。
だが、重いはずの機械の体が、地面を離れる。それだけではない。自由を奪われた敵兵同士が空中でぶつかりあい、出鱈目な旋律をまき散らす。
それでも、指揮官の優秀さであろう。次第に鋼達の人数、戦力を把握した敵軍が、反転攻勢に打って出た。
鋼達の連携を分断するように、炸裂する擲弾。広がる爆炎と爆煙が、鋼達の視界を遮る間に、その銃剣を繰り出してきた。
だが、投擲や突撃という手法の性格上、いずれも直線的な動きにならざるを得ない。
標的が定まっている状態ならばいざ知らず。鋼に攪乱された敵は、正確な狙いを定める事が出来ずに、剣も空を切るのみ。
戦果を確認した恵は、気弾を土産として残すと、戦場からの離脱へと転じた。
「自動人形が倒れるならトドメ役はゾルダートに押し付けても問題ない」
こちらが高めた敵意は、ゾルダートが引き受けてくれよう。恵の意図を察したソルは、新たに風を呼びよせる。
「しんがりは妾に任せるのじゃ!」
風が、再び吹き荒れる。ソルの『指揮』によって、敵兵の身体自体を楽器に、『音楽』が奏でられる。
そうして戦場を掻きまわしている間に、鋼も無双馬と共に、撤退に移った。
「ご助力かたじけない! 戦果は上々、大戦(おおいくさ)を前にして傷を負ってはつまらないですからな」
ソルの援護に感謝を述べると、鋼も反転。銀槍にて、なおも追いすがる敵兵を追い払う。
無双馬の、不規則な跳躍や疾走に翻弄された敵軍をしり目に、無傷のまま、退却を完遂するのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
ゼット・ノアール
「敵性存在、『グレナディアドール』大軍規模。
ドイツ帝国の他ディヴィジョンへの警戒が現実のものとなったか」
だが俺達にとっては奪還戦。お前達の争いの餌場にはさせない
自動人形側の戦力を削る
ゼットンで確実に数を減らしていく
多数の殲滅には向かないが数を減らしつつ、継続戦闘するにはこちらが良い
敵の連携は念動力の鎖で阻害しつつバリアシステムで防ぐ
こちらも火砲は充実しているからな。対処可能だ
充分な戦力低下と自身の損傷の度合いを見て
カノン砲の爆破と共に撤退する
※アドリブ大歓迎です
一ノ瀬・綾音
防戦一方もいいけど、そのままではジリ貧になるってのを見せてあげるよ。
そして君たちの敵はゾルダートだけじゃないってこともね!
なるべく隊列が乱れているところを狙ってロングレンジから高速詠唱で全力魔法の【厄災の星光】をぶっ放す!
確実に敵を倒せばもうその穴だけで隊列ってのは乱れてくからね。少しのほころびがやがて大きなほころびとなっていくように…
撃ったら一撃離脱して反撃を受けないよう心がけつつ、孤立してるやつやディアボロスを狙おうとしてる奴がいたらそっちを優先して狙っていくよ。
ただ深追いはしないで頃合いで撤退する。
今日はこの辺りにしておくよ。本番を楽しみにしていてよね!
マティアス・シュトローマー
トループス級を指揮しているあのジェネラル級……
ゾルダートの猛攻を受けても顔色一つ変えない辺り、相当な手練れみたいだね
でもどんな部隊にも小さな綻びは出てくる訳で。そこを見極めていこう
俺に付いて来れる?
アイゼンハントを発動。【突撃/地形の利用】で障害物を足場に跳躍。勢いそのまま宙を蹴り【衝撃波】を伴う一撃をお見舞いするよ
狙うのはもちろん仲間の攻撃でダメージを受けている箇所か頭部。頭の良さが自慢みたいだからね
統率のとれた動きも大切だけど、それだけじゃ俺達は止められないよ
反撃は【臨機応変】にエアライドを織り交ぜたアクロバットな動きで躱していこう
撤退は仲間とタイミングを合わせて
大丈夫、またすぐに会えるよ
一里塚・燐寧
共闘・アレンジ大歓迎
この布陣……擲弾兵タイプの自動人形で、ゾルダートの武装とがっちり撃ち合おうってわけ?
ま、実際はあたし達ディアボロスがぶっ壊しちゃうんだけどねぇ!
突撃銃の有効射程ぐらいは離れた距離から
『呪式:燐鬼火玉』を発動して、爆発性の鬼火で攻撃するよぉ
手にした≪ハリケーン・チョッパー≫から
鬼火の【誘導弾】を敵陣めがけて矢継ぎ早に放ち
炸裂する鬼火による【呪詛】の苦痛と【爆破】の破壊力で
敵の陣容を切り崩していくねぇ
反撃の擲弾は【誘導弾】で撃ち落とし
銃剣突撃には銃のチェーンソー部分による【斬撃】で鍔迫り合い対処
敵の逆襲をやりすごしたら、威嚇射撃しながら後方に撤収するよぉ
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
とうとうドイツを取り戻せるんだ
足元注意だ!こうなれば急には止まれないだろう!
そっちの思い通りになんて、絶対になってやるものか!
【行動】
あらかじめパラドクスの罠を発明し仕掛けておく
俺は囮になってそこへ敵を誘導する
成すすべなく逃げているように演技しつつ
ダッシュと忍耐力で耐えながら敵の情報収集と観察を行い
突撃してきたところを狙い罠に嵌める
罠は嵌った動く物を凍らせる水を噴き出す
敵の一部が凍結し、それから逃れても泥濘の地で更に滑りやすくなっている
そんな状態で銃剣を持って突撃したら大事故間違いなしだろう
残った敵へ止めを刺して、また罠を仕掛けに行く
●戦場の継続者
ゼット・ノアール(群青の傭兵・g01952)は、ディアボロスの奇襲を受け、陣形の再編に乗り出した、自動人形群の様子を観察していた。
「敵性存在、『グレナディアドール』大軍規模。ドイツ帝国の他ディヴィジョンへの警戒が現実のものとなったか」
クロノヴェーダにとっては争奪戦。
だが、ゼット達ディアボロスにとっては、奪還戦に他ならない。
「お前達の争いの餌場にはさせない」
既に、戦端は開かれている。ゼットもまた、先行したディアボロスに続くべく、速やかに作戦行動を開始した。
ゼットの熟達した動きを見届けた一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)も動き出す。敵の布陣の観察を終えて。
「擲弾兵タイプの自動人形で、ゾルダートの武装とがっちり撃ち合おうってわけ? ま、実際はあたし達ディアボロスがぶっ壊しちゃうんだけどねぇ!」
言葉通りの勢いで正面突破……とはいかない。きっちり間合いを測って、味方との連携を図る。それが作戦成功への近道であると、燐寧も知っている。
先行したディアボロス達の勢いを引き継ぐようにして、一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)も、攻撃を仕掛けた。ネイの作戦を、忠実に実行中の自動人形群に。
「防戦一方もいいけど、そのままではジリ貧になるってのを見せてあげるよ。そして君たちの敵はゾルダートだけじゃないってこともね!」
当初はドイツ軍に押されつつも、整然さを保つグレナディアドールの陣形であったが、綾音達ディアボロスからの奇襲を受け、瓦解を余儀なくされた状態。
既に乱れつつある陣容。綾音は、その中でも特に足並みの乱れた箇所を狙い、魔砲を撃つ。
六つの属性によって描かれた六芒星が、星光となった発射されたのである。
自軍の射程を大きく上回る、ロングレンジからの射撃をかわすすべはなかった。綾音の標的となったドールは、複合魔力弾を喰らい、鋼の体を崩壊させていく。
着弾を確認するや否や、綾音は、狙撃地点をすぐさま離れた。敵にこちらの位置を察知されるのを避けるためだ。
綾音による高威力の一撃も、ネイ軍にとっては、陣の一部に小さな穴を穿たれたに過ぎないのかもしれない。
だが、少しのほころびも、やがて大きなほころびとなっていく。それが綾音の思惑だった。
綾音らとともにネイ軍を襲撃した荒田・誠司(雑草・g00115)は、敵兵の追撃を受けていた。
「不確定要素ハ、ハイジョ、シマス」
耳障りな金属質の足音が、数多く誠司を追いかけてくる。
対する誠司は、反撃の姿勢を見せるでもなく、一目散に逃走している。
誠司の心は、とうとうドイツを取り戻せるという期待や希望で満ち満ちている。その目的故に逸り、無策で敵地に乗り込んだとでもいうのか?
いや、そうではない。
「足元注意だ! こうなれば急には止まれないだろう!」
「!?」
誠司の投じた言葉の意味を理解するより早く、自動人形の視界が大きく揺らいだ。原因は、言葉にたがわず、その足元にあった。
地面から突然噴き出したのは、水。それを浴びた途端、自動人形達が凍結し始めたではないか。
これこそ、誠司の用意した、パラドクスによる罠である。
つまり、誠司自身を囮として、敵を釣りだす。成すすべなく遁走しているように見せかけつつ、敵の動きを把握。
そうして、相手が突撃を仕掛けて来たタイミングで、罠へと誘い込んだのである。
しかも、味方には位置を特定できるというのだから、被害は出ないときている。万全だ。
先行した自動人形達が次々凍結し、動きを止めた事により、後続の兵は、急停止を余儀なくされた。
この予想外の出来事に、自動人形の機能でも、急制動は間に合わなかった。
人形同士がぶつかり合い、壊れたクラリネットをもかくやという騒音をかき鳴らし、氷結に巻き込まれる。
咄嗟に回避に成功した個体もあったが、地面は泥濘の地。そちらに足を取られ、いずれにせよ、誠司の目論見通り。
誠司達ディアボロスがそれぞれの策を講じ、ネイ軍に攻勢を仕掛ける戦場に、マティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)も加わっていた。
「トループス級を指揮しているあのジェネラル級……ゾルダートの猛攻を受けても顔色一つ変えない辺り、相当な手練れみたいだね」
さすがは、果断なる勇将。
だが、どんな練度の高い部隊であっても、何処かに小さな綻びは生じる。マティアスは、それを見極めようとしていたのである。
●破壊音の演奏者
「熱源、セッキン――!」
グレナディアドール達の視界が、突然、紅に染まった。
ゼットが生成、放出した高熱の火球が、ドール軍に着弾、炸裂したのだ。
直撃を受けた機体は、苦悶を上げる余裕すらなかった。
ゼットン……高熱火球。鋼の躯体に撃ちこまれたその熱量は凄まじい。加えて、内側から膨れ上がる事で、硬い装甲どころか、そのフレームまで溶解させていく。
多数の殲滅には向かないが、確実に敵を討つ威力を有する。敵数を減らしつつ、継続戦闘するためには、より最適とゼットが判断したのだった。
「敵、ハイジョシマス――!」
味方の残骸を避けるようにして、ドール達が、ゼットを射界に収めた。
ディアボロスが連携するように、敵も動きを揃えながら、グレネードを投じてゼットを追い込んでくる。機械人形ゆえ、威力や精度は、爆発力に乏しい分……爆弾ではあるが……安定して発揮される。
だが、その錯乱すら招く突撃は、封殺された。ゼットの念動力の鎖が、敵の挙動を阻害していたためだ。爆風波、バリアシステムでしのげば問題ない。
ゼットンほどの決定力はないが、ゼットも、火砲装備は充実している。損耗した敵の勢いを削ぐには十分だ。
三つ巴の様相となり、混戦模様となった戦場に、新たな火球群が襲来した。
燐寧の発動した『呪式:燐鬼火玉』が、自動人形達の直上から来襲したのである。その1つ1つが、燐寧の意思を受けて飛空する、爆発性の鬼火だ。
燐寧の手にしたハリケーン・チョッパー……敵の銃剣同様、アサルトライフルとチェーンソーが組み合わされた、複合武器……から、敵陣目がけて鬼火が矢継ぎ早に繰り出される。
どこまでも執拗に追尾してくる鬼火に、追い立てられる自動人形達。まさに鬼ごっこの様相。
そして、鬼火から生じるのは、ただの破壊力甚大な爆砕ではない。
「駆動ニ問題ハッセイ……」
鬼火に触れた鋼の四肢の動きが、鈍る。鬼火にこめられた呪詛が、機械の骨格に浸透し、損傷を与え続けているのだ。
まさに機械人形。ぎこちない駆動で、燐寧を見遣る自動人形。
そこに、反撃が来る。人工鬼火ともいえる擲弾が、燐寧へと殺到する。だが、燐寧には届かない。鬼火の誘導弾が、それを空中にて撃墜したからだ。
が、そのグレネード攻撃は、前兆に過ぎない。本命はこちら、銃剣を突き出した自動人形が、燐寧へと突撃を敢行していた。
甲高く硬質な音が、戦場に響いた。
ドールの銃剣と、燐寧のハリケーン・チョッパーのチェーンソー部が、ぶつかり合った音である。
火花を散らし、相手の剣を跳ね返す燐寧。
その周囲で、敵の動きが慌ただしさを増す。射線をたどり、綾音の位置を特定、追撃にかかる自動人形達だ。
あちらに敵がいると殊更示すように、勇壮な音楽を奏でながら、進撃。
だが、群がって来た鋼の銃弾を回避しつつ、転戦する綾音。
混戦によって陣を離れることを余儀なくされ、孤立した敵や、味方を狙っている敵を次々捕捉。綾音は、それらを優先的に排除していく。
グレナディアドール達の、誠司らへの対応は、想定以上に難航していた。
誠司の氷結トラップは、各所でドール達の動きを阻害していたからである。
銃剣を持ったままの自動人形同士がぶつかりあい、派手な金属音を響き渡らせる。控えめに言って、大事故である。
損傷した自動人形達にとどめを刺しつつ、誠司は別の敵を目指して、転戦した。
後退し、展開していたバリケードに隠れた自動人形達に浴びせられたのは、声だった。
「俺に付いて来れる?」
声の主は、マティアス。それも、鋼鉄の巨大篭手を具現させた。
仲間達が倒した人形の残骸を足場に、跳躍。勢いを失速させるより早く、宙を蹴って再加速。
地上に、叩きつける。巨大拳の一撃が敵軍に炸裂し、衝撃波が周囲を駆け抜けた。
敵の損傷は、軽くはなかった。マティアスが狙ったのは、味方の攻撃で損傷した箇所、あるいは、要となる頭部ばかり。
機械人形であっても……特にこのタイプは頭が回るようだ……その視覚と知能を司る部位を失っては、継戦などできまい。
マティアスの、中空を跳び回る攻撃により、相次いで砕け散る敵兵。
マティアス達ディアボロスは、軍勢とは呼べない数ながら、攻撃は的確で、ネイ軍の被害は少なくない。
ここまでくれば、人間の軍なら大きな混乱が生じていてもおかしくない。しかし、自動人形達は、被害の度合いなどお構いなしに、冷静に行動する。
「統率のとれた動きも大切だけど、それだけじゃ俺達は止められないよ」
マティアスへと、反撃が来る。
手にした火砲の照準に、マティアスを収め……一斉射。
だが、間断ない弾雨の中を、華麗に、かつアクロバティックに舞いながら、避けるマティアス。裏腹に、敵軍の損害は次第に拡大していくのであった。
ネイ軍の充分な戦力低下と、自身の損傷の度合いを総合的に判断。ソリッドカノン砲の爆破を見届けると、撤退に移るゼット。
燐寧もまた、頃合いを見計らって、戦闘を切り上げた。厄介さをこれでもかと見せつけた鬼火で、敵を牽制しつつ、威嚇射撃に移行。後退していく。
「こんなもんかな。またねぇ」
綾音も、燐寧らに足並みをそろえる。
敵将・ネイが前線に出てくる可能性は低いというが、敵群の規模を考えれば、長期戦は不利。
頃合いを見計らうと、綾音も身を翻した。
「今日はこの辺りにしておくよ。本番を楽しみにしていてよね!」
グレナディアドール達へ、最後の言葉と鬼火を投じると、颯爽と撤退する綾音。
「任務完了。長居は無用だ」
そうして、誠司達仲間が後退する様子を、空から確認すると、マティアスもそれにならった。
「大丈夫、またすぐに会えるよ」
なおも銃口を向ける敵軍に対し、マティアスもまた、そんな言葉を置き土産としたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【クリーニング】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!