リプレイ
ガーデニア・ラディーチェ
パリに来るのは初めて
ね、ロズ
素敵なところね?
傍らの人形「ロズリエル」に微笑みかけつつ、セーヌ川沿いを散策
古本市を見掛けたら、そちらへ
セーヌ川沿いのブキニスト、一度行ってみたかったの
折角だから、何か買っていこうかしら
露店に並べられた古書や物語集を手に取り
ロズに話しかけながら本を選んで
ロズ。この本やこの童話集、どうかしら?
貴方、きっと気に入るわよ
また読み聴かせてあげるわね
昔みたいに
病弱な貴方が寝込んでしまった時、子守唄の代わりにした様に
どんな形であれ、貴方が傍に居てくれるのなら
それだけで、わたしは、
また、言葉を交わせる日を夢見て
……今日のお話、楽しみにしていて頂戴ね
ここで買った本、読んであげるから
●花萌ゆる巴里
街路樹の木漏れ日。
緩やかに流れる水面には、白いさざ波。
木蓮の花の香りと、暖かな春の陽気に誘われて。
「パリに来るのは初めてね、ロズ」
ゆっくりと川沿いの道を歩くガーデニア・ラディーチェ(クチナシの花護り・g03839)が、傍らの青年人形に微笑みかける。
「素敵なところね?」
ガーデニアの問いに、ロズリエルはただ形だけの笑みを返すのみ。
人形となった彼が、以前のように優しい言葉をくれることはない。
「でも、いいの」
──そう。どんな形であれ、貴方が傍に居てくれるなら。
「それだけで、わたしは……」
言葉の続きをそっと胸にしまい込む。
そうしてもう一度淡く笑んだカーデニアは、ポン・ヌフの手前で立ち止まった。
ポン・ヌフとはセーヌ川に架かる橋のひとつで、中洲のシテ島の西端を横切る形で対岸に続いている。人通りの絶えない賑やかな石橋の両側には、古書を売る小さな露店がいくつも軒を連ねているのが見えた。
「あれが、かの有名なブキニスト……古本市ね。一度、行ってみたかったの」
心が弾むと、自然と足どりまで軽くなる。
「折角だから、何か買っていこうかしら」
ひとつひとつ順に店を覗いては並べられた古書や古雑誌を手に取り、思案顔。
「ロズ、この童話集はどうかしら? あら、それともこちらがお好み? ……ええ、そうね。貴方、きっと気に入るわよ」
ようやくこれと決めて買い求めたのは、表紙に美しい薔薇のイラストが描かれたお御伽噺の本であった。
「また読み聞かせてあげるわね、昔みたいに」
病弱なロズリエルが寝込んでしまったとき、子守唄の代わりにしたように。
それは、遠い日の記憶。
けれどいつかまた、互いに言葉を交わせる日を夢見て──。
「……今日のお話、楽しみにしていて頂戴ね。ここで買った本、読んであげるから」
大成功🔵🔵🔵
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
ソレイユ・クラーヴィア
セーヌ河畔のカフェで紅茶とミルフィーユを注文して
ぼんやりと春風を感じながらパリの風景を眺めます
懐かしのパリ
大切な故郷であると同時に、私の人生が一度潰えた場所
仕事で家を空けがちであった父と、休日にセーヌ川周辺を散歩したり
シャンゼリゼ通りの向こうにあるであろうブローニュの森では、丁度今頃に家族で行楽に出かけた事もある
景色を見ればありありと思いだす
失って初めて気づいた
ごくありふれて他愛もないのに、どうしようもなく大切な時間
周囲に人が居なければ、ほんの少しだけ雫が頬を伝ってしまいそうで
取り戻します、必ず
決意とともにケーキを飲み込めば、甘味にふっと肩の力が抜ける
この味を再び家族で楽しむ為に、私は進みます
セーヌの両岸には、市民の集うカフェがいくつも点在している。
見覚えのある道を辿り、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)が行き着いたのもそんな店のひとつだった。
「おすすめの紅茶……それと、ミルフィーユをお願いします」
案内されたのは、見晴らしのよいテラス席。
川風を頬に感じながら眺める風景は、ソレイユをどこか感傷的な気持ちにさせる。
「懐かしのパリ……」
この街はソレイユにとって大切な故郷であると同時に、彼の人生が一度潰えた場所でもあった。
仕事で家を空けがちだった父。
「それでも、休日にはよく一緒にこの辺りを散歩したものでした」
シャンゼリゼ通りの向こうに広がっているであろうブローニュの森に家族と出掛けたのは、ちょうど今くらいの時期だったろうか。
厳しくも優しい父、それに母も。
兄弟たちの顔だって、はっきりと思い出せる。
彼らと過ごした時間は、確かにごくありふれた他愛のないものだったかもしれない。
だのに、今となってはどうしようもなく愛しくて大切な時間であったと思える。
「失って初めて気づくなんて……」
こみ上げてくる嗚咽をこらえ、零れ落ちそうな雫を拭う。
こんなところで泣いてなどいられない。
「取り戻します、必ず……」
誓いの言葉とともに、ケーキを頬張る。
この店の看板商品のひとつだというミルフィーユは、重ねたパイの表面に粉砂糖を振ってカラメリゼしたものだ。
さっくりとした軽いパイは食感も楽しく、間に挟まれたジュレの甘さがソレイユをホッとさせてくれる。
「ああ、これは……」
このように古典的な技法で作られたミルフィーユもまた、故郷を思い出させる懐かしい味。
「この味を再び家族で楽しむ為に……」
私は進みますと、ソレイユは決意を新たにした。
大成功🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
河津・或人
ブロス(g03342)と参加
春の陽気に平和を満喫しておくのもいいな
セーヌ川のほとりを散策しながら、有名な建物を眺めてみるのもいいかな?
調査じゃなくて、遠くからゆっくり眺める観光なら大丈夫だろう
ノートルダム大聖堂みたいな偉大な建物を
この時代にはもう「昔のもの」にしていたんだから
すごい文化圏だよなぁ
案内人さんがおすすめしていたカフェにも行ってみようか
コーヒーは苦手だから、紅茶がメインで助かったぜ
(お子様舌なのをバレたくない)
グランダルメのスイーツも完成度が高いよな
俺は苺のミルフィーユを頂こう
後世にはナポレオンパイと呼ばれることもあるから…験担ぎに、パクッと食っちまおうぜ
*アドリブ歓迎
ブロス・ブラッドハート
あるとにーちゃん(g00444)といっしょ
川から吹いてくる風が気持ちいいな。建物も道も石で出来てて歩くたびに音がして楽しい…!
昔と今が手を繋いでる街にある、春色をした木蓮とかのーとるだむとか、色んなものに目移りしちゃうから歩みも遅くなりがちだけど…コツコツ規則正しい足音があれば迷う心配はなさそうだぜ♪
散策の後はいざ甘いものだ!
おれはホットミルクをおともにおんなじスイーツを頼んで
おおきく口をあけて一口でバクッ!気合じゅーぶんだぜって笑ってみせて、口の周りもぺろり
んぁ、すぐになくなっちゃったからもう一個別のも食べよーっと!えへへ、にーちゃんも一口どーだ?
アドリブ大歓迎だぜ!
束の間の春。
束の間の……いつ唐突に終わるとも知れぬ、平穏なひととき。
綺麗に整備された石畳の歩道に、コツコツと楽しげな足音が響く。
セーヌ川のほとりを散策する河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)とブロス・ブラッドハート(意気衝天・g03342)は、道沿いにある建物を順に眺めて歩いた。
「とりあえず今日のこれは調査じゃなくて、あくまでも観光だからな」
怪しい動きさえしなければ、クロノヴェーダに警戒されることもないだろうと、或人。
パリを『昔と今が手を繋いでる街』とブロスが喩えたように、この街には新しいものや古いもの、さらにもっと古い史跡や建造物が数えきれないほどたくさん存在している。
春色の木蓮を見上げては足を止め、川面に映る対岸の彫像に見惚れて。
建物以外にもいろいろ目移りしてしまいそうだと、興奮気味にブロスは顔を火照らせた。
「川から吹いてくる風が気持ちいいな」
うっすらと浮かんだ額の汗を拭い、石橋を渡ってシテ島まで足を延ばす。
そこでブロスと或人がもっとも目を奪われたのは、ノートルダム大聖堂であった。
「これほど偉大な建物を、この時代にはもう『昔のもの』にしていたんだからすごい文化圏だよなぁ」
史実とは異なるところもあるのかもしれないが、こうして遠くから眺めるだけでは確かな違いは分からない。
感心しきりに言って、或人は荘厳なその姿を見渡した。
散策の後は……。
「いざ、甘いものだ!」
石畳に響く足音をさらに弾ませ、元気よく駆け出す。
或人とともに、ブロスは事前にチェックしておいた川辺のカフェを目指した。
「グランダルメのスイーツも、どれも完成度が高いよな」
解放感たっぷりの広いテラス席で、メニュー表とにらめっこ。
どれにしようか迷った末に或人は定番の菓子を選び、ブロスも同じものを注文する。
「へぇ……」
しばらくしてお茶とともに運ばれてきた皿を前に、意外そうな顔をしたのは或人だった。
「この時代のミルフィーユって、苺は乗ってないのか」
苺のミルフィーユ……ミルフイユ・オー・フレーズがパリで作られるようになるのは、どうやらもう少し後の時代らしい。
「ナポレオンパイとも呼ばれる菓子だって聞いたから、験担ぎにパクッと食っちまおうと思ったんだけどな」
ま、いっかと、豪快にかぶりつく。
サクサクのパイ生地と硬めのカスタードクリームの組み合わせは絶妙で、砂糖とミルクがたっぷり入った甘い紅茶とも相性がいい。
紅茶がメインのカフェで助かったぜ……とこっそり胸を撫で下ろす或人が、実はお子様舌なのはブロスにも秘密だ。
「んんっ……」
一方のブロスも、大きな口を開けてミルフィーユをバクッ!
気合じゅーぶんだぜと胸を張り、口の周りについたクリームをぺろりと嘗め取った。
だがせっかくの美味しいミルフィーユも、食べてしまえば呆気ない。
「んぁ、すぐになくなっちゃったから、もう一個別のも食べよーっと!」
ひとつだけでは物足りないと、ブロスは他の菓子もオーダーする。
「えへへ、にーちゃんもひと口どーだ?」
悪びれた風もなく無邪気に笑い、幸せのおすそ分けを或人にも勧めた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
咲樂・祇伐
🌸弐祇
アドリブ歓迎
静かな川の流れをみやった後
傍らのあなたに微笑む
今日は弐珀さんと絵を描くの
私は、その……絵を描くのは得意ではなくて……けれど、あなたと見たこの風景をしかと描き留めておきたい
教えてくださいますか?
アドバイスにうんと頷きスケッチブックを開き柔らな鉛筆を手にとる
がんばります!
気に入ったのは、咲き綻ぶ木蓮の花
あの花々はこの世界で何を見て、何を想い咲いているのだろうかと
想いを問うように花のひとつひとつを描きとるように鉛筆をはしらせて
むずかしい…けれど、楽しい
画用紙のなかに木蓮が咲いたわ!
ちらと弐珀さんを覗きこむ
わぁ、すごい!
ふふ、弐珀さんが楽しいって思ってるのがよくわかる──素敵な風景
灯楼・弐珀
🖼弐祇
アドリブ歓迎
二人で川辺に
折角の良い風景だしね
一緒に風景画を描くとしましょう
描く為の鉛筆や色鉛筆は色々あるし好きな色を使うと良い
えぇ良いですとも
君が望むのならお教えしますよ
鉛筆の黒の濃淡を用い
木蓮並ぶ風景描きつつ
描く上でまず大事なのは楽しむ事、かな
『好きの気持ち』がとても大事だ
幾ら絵を上手く描けても、嫌いな物じゃ筆ものらないと言うものだろう?
まずはこの風景で気に入った部分を選ぶと良い
気に入った部分を描いて
其処から周りを描けば分かりやすさも相まって良い感じに描けるんじゃないかな?
ふふふ、良いものが咲きましたね
お兄さんも大体出来たよ
素敵な風景な事も有って筆も大いに走ったよ
ふふ、有難う祇伐くん
石橋の上から、セーヌの流れを眺める。
咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)は、傍らの灯楼・弐珀(絵師お兄さん・g00011)に淡い笑みを向けて。
「今日は、弐珀さんと絵を描くの」
「折角の眺めだしね。一緒に風景画を描くとしましょう」
祇伐が言い出すのを予期していた弐珀は、特に驚いた風もなく頷いた。
絵を描くための画材なら、ひととおり揃っている。
スケッチブックはもちろん、デッサン用の黒鉛筆、それに赤や黄色の色鉛筆だって。
「祇伐くんが好きなものを使うと良い」
足りなければ僕がなんとかしますと告げる弐珀の前で、急にもじもじと身を捩る祇伐。
「でも私は、その……絵を描くのは、あまり得意ではなくて……」
けれど、あなたと──あなたと一緒に観たこの風景を、しかと描き留めたい。
精いっぱいの勇気を振り絞り、願いを伝える。
「……教えて、くださいますか?」
弐珀が、祇伐の頼みを断ろうはずがない。
それでもやっぱり、ドキドキせずにはいられなかった。
「えぇ良いですとも。君が望むのなら、お教えしますよ」
弐珀は黒の鉛筆を手に取ると、慣れた調子でスケッチブックに走らせる。
「絵を描く上でまず重要なのは楽しむ事、かな」
そして何より、『好きの気持ち』が大切。
そう言って鉛筆の濃淡を活かし、大輪の木蓮が咲く川辺の情景を写し取ってゆく。
迷いなく描くその様は、祇伐には何かすごい魔法のようにも思えた。
「幾ら上手く描けても、嫌いな物じゃ筆も乗らないというものだろう?」
「好き、の気持ち……」
それなら、私にだって描ける気がする。
弐珀のアドバイスに頷き、祇伐は自らの画帳を開いた。
「まずは、ここから見えるものの中で気に入った部分を選んで……其処から周りを描けば、分かりやすさも相まって良い感じに描けるんじゃないかな?」
「が……がんばります!」
言われるまま、目の前の風景に集中する。
視界の中央を流れるセーヌ川。
石造りの建物や、立派な英雄の彫像。
道端の街路樹はみな、青々と葉を茂らせている。
その中で祇伐がもっとも心惹かれたのは、鮮やかに咲き綻ぶ木蓮の花だった。
あの花々はこの世界で何を見て、何を想い咲いているのだろうか。
花たちの声に耳をすませるように、想いを問うように。
すべてを余すことなく描き取ろうと、ひたすら鉛筆を動かした。
「むずかしい……」
けれど、楽しい。
祇伐の表情から自然と心の動きが伝わってきて、それを見守る弐珀までにこにことしてしまう。
「ね、みて、弐珀さん」
画用紙のなかに木蓮が咲いたわ! とスケッチブックを差し出す祇伐。
「良いものが咲きましたね」
技術こそ拙いけれど、祇伐が全力で描き上げた木蓮は、どんな花よりも美しくて愛らしい。
間違いなく、これは祇伐の──祇伐だけが咲かすことの出来た木蓮だ。
「弐珀さんは?」
「ああ、お兄さんも大体出来たよ」
題材が良いからね。
風景が素敵な事も有って筆も大いに走ったよ、とまんざらでもなさそうに弐珀は返す。
「わぁ、すごい!」
弐珀の手元を覗き込むと、そこにはいかにも彼らしい細密な筆致の春景色が広がっていた。
さすが弐珀だと、素直に感動してしまう。
「弐珀さんが楽しいって思ってるのがよくわかる……本当に、素敵な風景ね」
「ふふ、有難う祇伐くん」
絵を描き上げたら、次は何をしよう?
まだまだ花ざかりのパリを満喫するには足りないと、祇伐と弐珀は微笑み合った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
交流、アドリブ歓迎
花の都……ちゃんと訪れたいと思っていた
ああ、1793年では観光どころではなかったものな
今日は存分にゆっくりさせて頂こう
花々の季節、木蓮の花の香りの下を歩き
河畔に腰を下ろして、存分に風景をスケッチしよう
河岸の街並み、光る水面、人々……
花に樹々、市井も風景も、指先の動きに映し取って
光を孕む、世界を描く
……慌ただしかった
新宿へ漂着してから、走り続けていた気がする
戦場を駆け回って、戦って、戦って……
……ドイツを取り戻せたら、俺は……
新しい生き方を見つけようと思う
そう決めていたんだ
戦うことはやめないが……
手には銃把の胼胝
木炭の先に、胸に沈めた遠い日々を想う
……ただ、絵を描いていたいんだ
「花の都……一度、ちゃんと訪れたいと思っていた」
1793年のグランダルメではとても観光どころではなかったと、当時を振り返るエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)。
「今日は、心ゆくまでゆっくり過ごさせていただくとしよう」
画家であるエトヴァもまた、存分に絵を描いて楽しもうと決める。
好みのモチーフを探して香り高い木蓮の下を歩き、構図を考ながら静かな河畔に腰を落ちつける。
セーヌの両側に広がる、芸術的な街並み。
行き交う人々の喧騒、足音、息遣い。
小鳥が空を舞い、青い水面には小魚たちが元気よく飛び跳ねている。
花に樹々、市井も風景も。
すべてを余すことなく、指先の動きに写し取って──。
光を孕む世界を描く。
「そういえば……」
キャンバスと向き合い、こんなにも集中したのはいつぶりだろう。
「……慌ただしかった」
吐き出す息とともに、口から洩れたつぶやき。
新宿島へ漂着してからは、ひたすら走り続けていた気がする。
無我夢中で戦場を駆け回り、戦って、戦って……。
のんびりとここでこうしていることが、夢のようにすら感じられた。
「ドイツを取り戻せたら、俺は……」
何か、新しい生き方を見つけたいと思う。
ずっと前からそう決めていた。
とはいえ、戦うことはやめられそうもないが……と苦笑する。
ふと己の手を見れば、はっきりと目立つ銃把の胼胝。
それは、エトヴァがディアボロスでもあるという隠せぬ証であった。
握り締めた木炭の先に、胸に沈めた遠い日々を想う。
今は……そう、せめて今だけは。
……ただ、絵を描いていたいんだ。
大成功🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
テクトラム・ギベリオ
【奴崎組】
オベリスクの事も気になるがせっかくの春、せっかくの花の都だ。
馴染みの者と散策する時間を楽しもうではないか。
そういえばセーヌ川付近が散策に良いと案内人が言っていた。
何か食べ歩きしながら散策するのはどうだろう?
ふふ、育ち盛りのアストリッドもいるしな。
レントは初なのか?それはさぞ新鮮だろう。
蛍でも散策は初めてなのか…確かに中々ゆっくりする機会は少ない。
そうだな…では散策ついでに少し『植物知識』を披露させてもらおうか。
何か気になる植物があれば、可能な限り答えよう。
そうだ『毒使い』で毒の知識もある。これは主に神経へ作用し…
仲間たちとのんびり、たまにズレた受け答えをしながらセーヌ川を散策する。
レント・オルトマン
【奴崎組】
グランダルメに来るのは初めてだ、皆は来たことがあるのだな
地理としてはドイツの隣国にあたる筈だが、なぜこうも文化が違うのだろう
隣り合う建物の形がそれぞれ違うし、食事が色とりどりで1色ではない
山だの川だの挟んだだけだろうに…なぜだ…
皆に合わせて散策をしていくぞ
芸術に疎いと、こういう時に出せる言葉が無いのが残念だな
仲間と共に花を見て、食事を見て、川を見ても綺麗だ程度
むしろギベリオのように、実用的な話をする方が性に合っている
毒であれば罠、使いようでは薬になるか
後は食せる植物なども知りたいかな、戦場において食料を賄えるかは非常に重要だ
花達を見ながらそんな事を話していよう
白水・蛍
【奴崎組】
アドリブ歓迎。
グランダルメに来るのは初めてではないとは言えども……こうして散策するのは初めてかもしれませんね。
テクトラムさん、私は何回も来ておりますがこうして散策するのは初めてなのです。
ですので、此処は案内人さんのおすすめに沿いましょう。
カフェで花を眺めながらお茶をするのも良し、川岸を散策するのも良し。
食べ歩きも良しでしょう。
此処は花の都ですし、食事も美味しいところです。
テクトラムさんの植物の話を聞きつつ、楽しみ。
英気を十分に養って、本懐を遂げましょう。
アストリッド・ヴァルトシュタイン
【奴崎組】
アドリブ歓迎です。
グランダルメを訪れるのはアントワネット王妃の処刑阻止以来でした。
あの一度きりな上、この地を見て回る余裕などありませんでしたが……。
今回は余裕を持ってゆっくり過ごしましょう。
わたしは何を見ても新鮮で楽しめますし、ご希望の行き先があれば喜んでお付き合いしますよ。
おのぼりさんらしくセーヌのほとりを【観察】して楽しむとしましょう。
何か美味しい食べ物があればいいですね。
流石は花の都、何もかもが物珍しい。
わたしも【アート】の心得はありますので、目利きは多少できます。
綺麗な絵や花も好きです。
でも、美味しいものにこそ興味を惹かれますね。
何せ育ち盛りですので。
「オベリスクの事も気になるが……せっかくの春、せっかくの花の都だ。貴重なこの機会を、心ゆくまで楽しもうではないか」
短い花の季節を惜しみ、花の都と呼ばれるパリの街を満喫したいと考えるのは、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)たちも同じ。
とはいえ、何をすればいいのか、どこを散策したらよいのかもすぐには浮かんでこない。
「テクトラムさん、私は何回もこちらに来ておりますが、こうして散策するのは初めてなのです」
そういえばそうだったと、改めて気づく白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)。
グランダルメで蛍は、いつも何かしら深刻な状況に直面してきた。
悠長に散策して過ごすなど、考えたことすらなかった気がする。
「私もグランダルメを訪れるのは、アントワネット王妃の処刑阻止以来です」
アストリッド・ヴァルトシュタイン(Löwenzahn・g04015)にとっても、この地は課された任務を果たすための場所。
あれこれのんびり見て回る余裕が、あろうはずもなかった。
「ふぅん……皆は、少なくても一度は来たことがあるのだな」
自分にはどれもこれも初めて見るものばかりだと、レント・オルトマン(エンデクーゲル・g01439)が興味ありげに辺りを見回す。
「レントは初なのか? それは、さぞ新鮮だろう」
テクトラムからすれば、そのレントの反応こそが新鮮で興味深い。
「地理的にはドイツの隣国にあたる筈だが、なぜこうも文化が違うのか。隣り合う建物の形がそれぞれ違うし、街の雰囲気だって……」
ドイツとは山や川を挟んだだけだというのに、まるで別世界のようだとレントは肩を竦めた。
「ま、何はともあれ」
今回は余裕を持ってゆっくり過ごしましょうと、アストリッド。
「希望の行き先があれば、喜んでお付き合いしますよ」
「そうですね。カフェで花を眺めながらお茶をするのも良し、川岸を散策するのも良し……」
蛍は、出発前に時先案内人もそんな風に勧めていたのを思い出す。
「案内人は、散策にはセーヌ川付近が良いとも言っていたな」
「セーヌの川辺で食べ歩きも良しでしょう。此処は、食事も美味しいところです」
視線を交わし、頷き合うテクトラムと蛍。
「俺も異存はない」
レントもそう頷けば、話は決まりだ。
「おのぼりさんらしく、セーヌのほとりを『観察』して楽しむとしましょう」
「その前に、まずは食べ歩きといこうか。ふふ、育ち盛りのアストリッドもいることだしな」
「楽しみです。何か、この地ならではの美味しい物があればいいですね」
年相応にはしゃぐアストリッドに、テクトラムは目を細めた。
ゴーフルにエショデ、それにベニエも。
パリでは、路上でつくりたての菓子を売る者たちを街のあちらこちらで見かける。
「わ、あれはエッグタルトですね」
ダリオルとも呼ばれるそれを人数分買い求め、アストリッドは歩きながらかじりついた。
さっくりとしたタルト生地の中から濃厚なカスタードクリームが溢れ出し、アストリッドたちの舌を楽しませてくれる。
「うん、美味しい。あ……次はあれ、あそこで売ってるウーブリというのにしましょう」
ゴーフルの原型となったウーブリは、ゴーフルよりも薄くてしっかりとした歯ごたえ。フランスでは、昔から親しまれている古典的な菓子のひとつだ。
「なるほど……これは、なかなかに面白い」
ドイツとは食べ物まで違うのだなと、レントが感嘆の声を洩らす。
他に上手く表現する言葉を持ち合わせないのがもどかしいが、それでも仲間と同じ美味を分かち合うことを、心から嬉しいと思う気持ちに変わりはない。
その後も、アストリッドが中心となって一行は次々と菓子やパンを買い求めた。
「まだまだ食べますよ。何せ、わたしは『育ち盛り』ですので」
お腹が満たされたら、川畔のベンチに腰掛けてひと休み。
「テクトラムさん、あれはミモザの花でしょうか?」
近くの広場に咲く鈴なりの小さな黄色い花を指さし、蛍が問う。
「うむ、確かにミモザだ。フランスでは春告げ花とも呼ばれ、大切な人に贈る花だと聞いたことがあるな」
パリで春の花といえばミモザ、それに木蓮も有名だ。
「木蓮はよく見かけますね。あとは……」
蛍たちの鼻先を掠める甘い香り。
偶然、紫色のリラのブーケを持った花売り娘が近くを通りかかる。
「あ……」
「そう、春に咲く花といえばリラの花も忘れてはならない」
リラの花言葉は、『友情』『思い出』『大切な友達』。
今の自分たちに一番似つかわしい花かもしれないと、蛍はふっと胸の中が温かくなる。
「他にもチューリップ、スズラン、アネモネ……だが、これらの花は少々気をつけなくてはいけない」
テクトラムが例に挙げた花たちに共通するのは、毒を持っているということ。
特にスズランは飛び抜けて毒性が強く、なるべくなら素手で触るのは避けた方がいいとテクトラムは注意した。
「だが毒であれば罠、さらに使いようでは薬にもなる……」
何ごとも使いようだと、レント。
彼が持つ兵士としての一面が顔を出す。
花や菓子、芸術に関してはどうにも疎くていけないが、この手の実用的な話なら自分の性に合っているとレントは身を乗り出した。
「とはいえ、俺は毒よりも食すことの出来る植物について知りたいな。戦場において、食料を賄えるかは非常に重要だ」
「ああ、それなら……」
得意分野の話題に、テクトラムもさらに興が乗ってきたようだ。
「そこの草むらを注意してよく見て欲しい。ほら、あの草などは……」
持てる知識を次々と披露し、レントや蛍の知的好奇心を刺激する。
その傍らで、いつしかアストリッドは気持ちよさそうに静かな寝息をたてていた。
陽だまりの中で過ごす、幸福なひととき。
おしゃべりや趣味に興じ、美味しい食べもので英気を養って。
たとえまた、戦いの場に身を投じることになろうとも。
せめてあと少し、気ままに過ごすこの時間が続けばいいと誰もが思う。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
冰室・冷桜
余計なことをしなけりゃ安心、と
ドンパチよかー気が楽な任務ですわねー
んじゃま、いきますか
っつっても、広場にさえ近づければオベリスクの有無は一目瞭然よね、でかいし
つーことで、パリに着いたら目立たず騒がず一直線にコンコルド広場へと向かいましょう
新宿島で人類史における広場までの地図を入手してー、その道順通りにゴー
いちお、行く途中で人を見かけたら【友達催眠】を発動しながら道も尋ねてみますかね
コンコルド広場への道ってどっちですかねぇ、みてーな
広場に着いてオベリスクがありましたら、なんか案内や説明書き?みたいなのがあったらチェックしつつ、こっそりと服の下に隠したスマホで写真とかも撮っておきますか
●調査開始
「余計なことをしなけりゃ安心、と」
パラドクストレインから下車した冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)が、時先案内人の言葉を思い出して独りごちる。
彼女は、決して無理をしてはいけない、調査が終了したら可能な限り迅速に帰還してもらいたいとも言っていた。
「面倒なとこもあるけど、ドンパチよかー気が楽な任務ですわねー」
目立たず騒がず、普通に行動しさえすれば大丈夫。
「んじゃま、いきますか」
新宿島で入手しておいた地図を見ながら、その道順どおりにゴー!
冷桜は、飄々と1803年のパリの街を歩き出した。
このまま地図に従って進めば特に迷うこともなさそうだが、念のため近くにいた女性に声をかけてみる。
「あー、そこの人」
見れば、気のよさそうな小母さんだ。
これなら、敢えてパラドクスを使うまでもない。
「ちょいとお聞きしますが、コンコルド広場への道ってどっちですかねぇ」
「ああ、それならそこの道をもう少し行ったところを右に曲がって……」
この時代、コンコルド広場というのは正式名称ではなかったはずだが、一般市民にもその呼び名は浸透しているらしい。
「なるほど、地図と照らし合わせてみても特に違いはなさそうですな」
小母さんに礼を言ってさらに歩き続けると、大きな広場が見えてきた。
「おー、あれは……」
いくつも居並ぶ彫像に、二つの噴水。そして──。
「ほほう、あれが噂のオベリスクですか」
広場の中央で、天に向かって真っすぐに伸びる尖塔。
一瞬、威厳あるその様に圧倒される。
「あ、いや……」
いつまでもぼやぼやとはしていられない。
とりあえず、1803年のコンコルド広場にオベリスクがあるのは確認出来た。
周りの彫刻や建築物などと一緒にこっそり服の下に隠したスマホで撮影をすると、冷桜は何ごともなかったようにその場を立ち去る。
今はまだ分からないことだらけだが、何かの参考くらいにはなるだろう。
大成功🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
ブレロー・ヴェール
パリは裏路地なんかは馴染みがあるんだけどね……表通りは別の街みたいだ。
オベリスク……そんなものコンコルド広場で見た記憶が無かったけど、調べてみたら本来の歴史ではもう少し後に設置される事になるみたいだ。
ここでの来歴は気になる所だね。
行動中は【モブオーラ】で目を引かないようにしてよう。コンコルド広場ではマルセイユ辺りから来た観光客のフリをしてオベリスクについて聞き込みや観察を行うよ。故郷の南部訛りで話せばそれっぽく見えるんじゃないかな。
ラズロル・ロンド
コンコルド広場はどうなってるかな〜?
ついに来た1803年と期待を胸に広場へ向かう
1793年も行ったし地形は一緒だよね?
現地で怪しまれないよう服を調達
モブオーラを使い一般人を装う
遠くから様子を伺い見張が居たら見つからないよう
物陰に隠れ調査。光学迷彩を使う
持参した双眼鏡でオベリスクを観察
エジプトとの違は?
表面には祈のヒエログリフが浮かんでいたはず…
ヒエログリフ(読める)、魔術知識で魔力の流れ、効果を推測
資料用にスマホで写真や動画で周辺の様子も含め撮影
後で両攻略旅団へ提出
出来れば近づいて調べたい
触れて、台座もルクソール神殿のと比べる
無理はせず敵影があればさっさと逃げよう
味方にも使えればP通信で連絡を
入り組んだ路地を抜け、シャンゼリゼ通りに出る。
「裏路地なんかは馴染みがあるんだけど……」
広くて綺麗なパリの表通りは、まるで知らない別の街みたいだ。
「知らないといえば、そう……オベリスク」
そんなものがコンコルド広場にあるのを見た記憶がない。
それもそのはず、本来の歴史では33年後の1836年に設置されることになっているらしい。
「なぜ史実と異なっているのか、それにここでの来歴も気になる所だね」
実際に自分の目で見て調査すべく、ブレロー・ヴェール(le vengeur du sang・g05009)は足を急がせた。
「あれは……」
しばらく行くと、巨大な尖塔が視界の中央に現れる。
気配を消し、十分な注意を払いつつ広場の入り口に辿り着いた頃には、天辺のあたりはすっかり見上げる恰好となっていた。
「あれが、パリのオベリスク……」
本当に存在していたのだ。
ならば、ここでまずすべきことは──。
「あのぉ……」
そばを通りかかった若い男を呼び止める。
ブレローは初めてパリに来た田舎者を装い、故郷の南仏訛りで話しかけた。
「このオベリスクというのは……」
「ああ、なかなかに立派なもんだろう」
ブレローが最後まで言い終わるのを待たず、男は興奮気味に答えて。
「遠くの国からの戦利品なんだってよ。やっぱ、ナポレオン陛下ってすげぇよな」
自分で勝ち取ってきたかのように、得意げに胸を張った。
「いやぁ本当にすげぇよ、陛下は。俺たちパリ市民の誇りだ」
ナポレオン陛下、ばんざーい! と、諸手を挙げて叫ぶ男。
たちまち周りの市民たちの注目が集まり、一緒に騒ぎ始めた。
「あ、あの、その『遠くの国』というのは……」
それに、いつパリにオベリスクが運ばれて来たのかも。
聞きたいことは山ほどある。
だが、このままぐすぐずしていてはクロノヴェーダに気づかれてしまう。
「仕方ない」
彼らが駆けつけてくるより早く、退散するほかなさそうだ。
「ついに来た、1803年! コンコルド広場はどうなってるかな~?」
期待は大きく、けれど行動は慎重に。
現地で調達した衣服を纏い、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)もコンコルド広場へと向かう。
周囲を緑と建物に囲まれた石畳の広場には、大勢の市民たちが行き交っている。
「んーっと……」
ロワイヤル通り側から広場に入り、まずは立ち止まって全貌を眺め見る。
以前、ルクソール神殿で目にしたオベリスク。
確かに形はよく似ている。
彼の地のオベリスクがそうであったように、クロノ・オブジェクトであるという点も共通しているようだ。
「でも……」
何かが違う気がする。
「何かはよく分からないけど……」
拭い切れない違和感の正体を確かめるべく、ラズロルはオベリスクに向かって歩き出した。
歩きながら、資料用の写真や動画をスマホで撮影するのも忘れない。
そうして台座の下まで来ると、そこでふたたび足を止めた。
左右を見回し、深呼吸。
「……よしっ」
辺りにクロノヴェーダの姿がないのを確かめてから、そっとオベリスクに手を触れさせようとしたそのとき。
「あっ!」
何かに気づいて思わず引っ込めた手が、ぱたりと落ちる。
ルクソール神殿でも見た、オベリスクが纏う白い光。
こちらのオベリスクも、同様に発光しているのが分かる。
だがその光は、すぐには判別出来ないくらいほのかに淡く、弱々しい。
「これって、つまり……」
ルクソールのオベリスクに比べ、クロノ・オブジェクトとしての力そのものが弱いということなのだろうか。
「ただ、まったく稼働してないって訳じゃない。むしろ、どこかに送信しているせいで自分の力を失ってる……って感じ?」
真相を確かめるには、さらなる調査が必要かもしれない。
ひとまず今回の調査はこれまでとし、ラズロルはコンコルド広場を後にした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV2が発生!
効果2【フィニッシュ】LV2が発生!