宿縁を断ち切る戦い
クロノス級クロノヴェーダは「自分の存在を保ったまま、その時代に転移してくる」事もありますが、「その時代の生物や概念などに寄生して転生する」事もあるようです。
後者の場合、一定期間、転生した生物として成長し、充分に成長した所で覚醒する事で、対象の能力などを奪い、より強い力を得られるようです。
この事件では、上記の方法でクロノス級に覚醒したクロノス級クロノヴェーダと戦い、決着をつける事になります。
そのため、宿敵であるクロノス級クロノヴェーダは、自分、或いは、自分に意志を託してくれた過去の時代のディアボロスの血縁者や恋人など、親しい相手の姿をしています。
クロノス級クロノヴェーダは、覚醒時に『悲劇的な事件を引き起こす』事で、より強い力を得られるため、様々な悲劇を引き起こします。
ですが、覚醒する前の人格に訴えかける事で、行動を制限したり、クロノヴェーダ撃破後に寄生された対象を救出したりできるかもしれません。
泡中の心(作者 凪未宇)
#宿縁邂逅
#宿縁を断ち切る戦い
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魚取・章(うおとり・あや)は、今日も特に目的なく渋谷の街を歩いていた。
大勢の若者が、悩みなど感じさせない陽気さで、それぞれ夜の渋谷を楽しんでいる。
暫く109(イチマルキュー)の階段に座り、迫る終電の時間に章は迷っていた。
帰りたい。けれども、帰れない。
何かの声が、ずっと内側から響いている。
「どうしたら」
ふと、顔をあげると巡回している警察官と一瞬目が合った。
やばいと思った章は、そっと視線を避けるように、少しでも人の少ない方へと文化村通りを北へと逃げていく。
来ないで、話しかけないで、出てきちゃう。
「ちょっと君、いいかな?」
オーチャードロードに入った辺りで、警察官に肩を掴まれた。
「嫌っ!!」
振り払った手には、いつの間にかたらばがにロッドが握られており、そのカニ爪の先端が警察官の手を切り付けていた。
目の前に、鮮血が散る。
「違うの。これは……!?」
警察官二人は警棒を手に、章を警戒し取り押さえようとする。応援に呼ばれた警官が更に二人。
そんなつもりじゃないと言おうとした声は、悲鳴に。
誰も傷付けたくない。だから帰れないんだと叫ぶ。
だが、気が付けば、四人の警察官は泡に包まれ息絶えている。
「あ、あぁ……」
騒ぎに集まった人々が噂し、スマフォのカメラを向けてくる。
あれが『杖を持った泡だらけのオバケ』何じゃないか。
殺人じゃないのか、怖い、通報しなきゃ。
様々な声と視線が章を追い詰め、彼女の心は完全に閉ざされた。
新しい力の誕生に、『面影のエトランゼ』が出現し、彼女を護る。
周囲に泡が溢れ、全てを包み込む。
もう、彼女を追い詰める者はいない。
もう、ここには生きている者はいない。
この日、章は完全に居なくなり、『『オミナスブラック』オクタビア』が誕生したのであった。
「特別なパラドクストレインが現れたのです」
スケッチブックを開きながら、蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)は説明を始める。
このパラドクストレインは、過去へ向かい、クロノス級と決着をつける事が出来るのだ。
撃破すれば、新たなアヴァタール級の出現を抑えられるだけでなく、敵ディヴィジョンを弱体化させることも期待できる。
スケッチブックに、渋谷の簡略地図が描かれる。
「今回、クロノス級に存在を奪われようとしているのは魚取・章さんといって、武尊さんの幼馴染みらしいのです」
魚取・章は、永森・武尊(デーモンのデジタルサマナー・g03090)にとって少し年上の幼馴染み。
とても仲良くしていたようだが、事件の少し前から故意的に距離を置かれていたようだ。
「この事件は、章さんが覚醒してオクタビアになる最初の事件に介入することができるのです。でも彼女の覚醒事態は止めることは出来ないのです」
だが、まだ魂に声は届く段階のようだ。
「覚醒したばかりとはいえクロノス級なのです。油断出来ないのです。縁のある方が呼びかければ、行動を阻害したり出来るかもしれないのです」
章は、終電間際の渋谷の街を彷徨っており、巡回している警察官から逃れようとして文化村通りからオーチャードロードに向かいますが、追いつかれ補導されようとしていました。
しかし警察官を振り切ろうとしたことで、抑えていたはずのオクタビアの力が出てきて、切りつけてしまいます。
人を傷つけたショックで、抑えていた彼女の心が閉ざされ、一気にクロノス級の力に呑み込まれてしまうようです。
「皆さんが駆け付けられるのは警察官が傷つけられた後、覚醒したオクタビアが更に大きな悲劇を生み出そうとしているところなのです。覚醒直前の章さんに呼び掛けて上手く彼女の動きを止めることが出来れば、警察官を保護することもできるかもしれないのです」
まだクロノス級に覚醒したばかりの彼女には声が届く可能性が残っている。
「騒ぎなれば街の人が集まって来てしまうのですが、その人達の心無い行動が、残っていた章さんの心を余計に追い詰めてしまうようなのです」
野次馬が巻き込まれないようにするのも大事だが、章の心が完全に閉ざされれば声すらも届かなくなる可能性がある。
そうならないよう、周囲への対応も必要になるだろう。
「それから、オクタビアの覚醒によって六体のエトランゼが出現するのです。オクタビアの最初の配下なのです」
ウコバクは彼女を護り、彼女の為に邪魔な者を排除しようとしてくるだろう。
このウコバクはクロノス級の力で生み出された存在で、TOKYOエゼキエルのディヴィジョンに存在するものとは別となる。
「オクタビアは、過去に戻る際に肉体を失ったようで、章さんの中に生まれ直したようなのです。章さんの優しい気持を傷つけることでクロノス級の力を強め追い込んだようなのです」
覚醒する少し前から身体を操ったりなどして、いつか誰かを傷つけるかもしれないという恐怖を章に植え付け、ついにオクタビアはそれを達成したというわけだ。
後は完全に彼女の心を閉ざせば、この肉体はオクタビアの物となるわけだ。
クロノス級を撃破する事は、ディヴィジョンを攻略する上で非常に重要な事になる。このチャンスを生かす為にも、是非、成功させてほしい。
「それに、覚醒する前の人格に声をかける事で、オクタビア撃破後に寄生された章さんを救出したりできるかもしれないのです」
まだチャンスはある。そう珠萌はスケッチブックを閉じた。
リプレイ
永森・武尊
何も知らないあの頃は、ただ悲しいだけだった。
何故避けられるのか解らなかったから。
章さんは、ずっと一人で苦しんでいたんだね。
【契約召喚】で呼び出したアイリスと手分けして章さんを探しに行くよ。
背格好とか詳しい特徴も教えて置けば大丈夫かな。(情報収集)
章さん、僕だよ。もう顔を見せるなって、前にもそう言われたけど、
やっぱり放って置けないよ。僕も章さんの力になりたい。
今ならきっと、オクタビアにだって負けないと思う。
もう一人で抱え込まなくて良いんだ。僕が誰も殺させたりしない。
章さんを絶対に助けて見せる。仲間達もきっと力を貸してくれる。
どうか、諦めないで。最後まで自分の心を手放さないで欲しい。
●魚取章
終電間際だというのに、街は明るく賑わい大勢の若者で溢れている街、渋谷。
その喧噪から少し離れた路上で、一人の少女が四人の警察官に囲まれており。そのうち一人の警察官は、切り付けられた腕を押さえている。
少女……いや、オクタビアは囲む警察官をどうしようかと思案しながら、たらばがにロッドの先から小さな泡を発生させ始めており、周囲のビルの影よりボロを纏ったエトランゼらが様子をうかがっている。
このままでは、いつ一般人への攻撃が行われてもおかしくない状況であった。
「章さん!」
駆け付けるなり、永森・武尊(デーモンのデジタルサマナー・g03090)は彼女の名を呼んでいた。
オクタビアに覚醒する前の、元の人格は彼の幼馴染だ。
周囲の警察官が知り合いかと問いかけてくるが、何より今は彼女を少しでも呼び戻したい。
「だれ、キミは?」
章の顔でオクタビアが、不思議そうに振り返る。
「章さん、僕だよ。もう顔を見せるなって、前にもそう言われたけど、やっぱり放って置けないよ。僕も章さんの力になりたい」
パラドクス『契約召喚』で呼び出しておいた、アークデーモンのアイリスは何かあれば直ぐにでも間に飛び込んでくれるはずだ。
「何も知らないあの頃は、ただ悲しいだけだった。何故避けられるのか解らなかったから」
遠ざけられ、避けられて。
きっと、突然現れた力に戸惑ったのだろう。
きっと、自分の中に現れた何かが怖かったのだろう。
「章さんは、ずっと一人で苦しんでいたんだね。もう一人で抱え込まなくて良いんだ。僕が誰も殺させたりしない」
必死に声を掛け続ける武尊に、オクタビアの表情が一瞬動く。
「……武尊くん?」
「章さん! どうか、諦めないで。絶対に助けて見せる。仲間達もきっと力を貸してくれる」
それ以上、章は言葉にすることは出来ず、僅かに唇だけが「たすけて」と動き、オクタビアの頬を涙が流れ落ちた。
「困ったなー。まだ人格が残ってるんだー」
オクタビアの視線は、もう武尊を見ていない。
だが、ありったけの思いを込め叫ぶ。
「章さん。最後まで、自分の心を手放さないで!」
この声は届いていると信じて……。
大成功🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
リコレット・ルナリシア
「助けたいヒトがいるのですね…。
……すこしお手伝いしましょうか…。」
✨ ✨
リコレットは、星と月が好きなサキュバスの女の子。
性格は温厚で優しい性格ですが、少々人見知りでもあります。
同年代の子供少年少女には、特に好意的に接します。あと、景色を眺める事が好き。
✨行動(プレイング)
夜の街、独りの夢魔が喫茶店でお茶をしながら
少し離れた場所から
優しいサキュバスミストを放ち警察官に【現の夢】を見せます
穏やかな家族の夢…
【現の夢】が、自然と…現地から離れるように誘導していって…【友達催眠】
「ボクが出来るのはここまで……」
喫茶店で紅茶を飲みながら
成り行きを見守っているのでした
✨
【アドリブよろしくお願いします】
永森・武尊
章さんに人を殺させない。その為には、先ずこのお巡りさん達をどうやって遠ざけるか考えないと駄目だね。
さっきは慌ててまくし立ててしまったけど、今度は慎重に。
あの、僕は章さん・・彼女とは姉弟の様な者なんです。
帰りが遅いから彼女の両親と一緒に探しに来ました。
お巡りさんからしたら、僕も補導の対象だろうね。
少し前にビルの陰に待機させてたアイリスを飛び出させる。
適当に魔法をばら撒かせて、なるべく目立って貰う。
そこで、お巡りさんに怪我をさせたのはアイツでは?とか
このまま街に出ちゃうと危なくないですかと言って
家出少女に構っている場合ではないと主張します。
喫茶店に居るリコレットさんにはありがとう、と手を振ります。
●揺り動かすもの
渋谷の喧噪の中に、寒の戻りのような冷たい風が吹く。
「助けたいヒトがいるのですね……すこしお手伝いしましょうか……」
そっと喫茶店のテラス席に腰を下ろし、リコレット・ルナリシア(藍色の君【泣き虫リコレット】・g00260)は事の成り行きを見守りながら、パラドクス『≪夢誘う極寒の氷結世界≫(サキュバスミスト)』を使っていた。
今の渋谷はどんな光景だっただろうか。
光も少なく、夜に出歩く人の数も少なく……目の前に広がるように明るく賑やかではなかった。
「月は見えるけど、星は見えないのね……」
ほんの少し残念そうに呟き、ティーカップをゆったりと口に運びながら、振りまく魅了の風でオクタビアと永森・武尊(デーモンのデジタルサマナー・g03090)の周囲に居る警察官達を現の夢へと誘う。
「あの、僕は章さん……彼女とは姉弟の様な者なんです。帰りが遅いから彼女の両親と一緒に探しに来ました」
警察官は夢現の状態。これで、少なくとも章に刺されたことも、補導しようとしたことも夢だったと思ってくれるはずだ。
リコレットは風で押すように誘導し、警察官をその場から離れさせていく。
(「さっきは慌ててまくし立ててしまったけど、今度は慎重に」)
気を付けないと、現実に戻った警察官にとっては武尊も補導対象だ。
途中で目を覚まさせないよう、注意を払っているとオクタビアがたらばがにロッドを振り上げ襲い掛かろうとする。
咄嗟に武尊は〈無銘の妖刀〉で、その攻撃を受け止める。
「君は誰かな。邪魔しないでくれる?」
「章さんに、誰もを殺させない」
競り合いでオクタビアを抑えながら、パラドクス『契約召喚』で呼び出し待機させていたアークデーモンのアイリスを駅の方に向かって飛び出させた。
その時、近くの野次馬に身体をぶつけたり、魔法で小さな爆発を起こしながら目立つように逃げさせ。
更に友達催眠でリコレットの近くの野次馬たちに、犯人だ逃げたぞと吹き込み騒がせる。
夢から現実へ。気が付いたように警察官達は、新しい事件の犯人を慌てて追いかけていった。
先ずは、目の前の懸念は遠ざけることが出来たか。
警察官達の姿が見えなくなったところで、武尊はたらばがにロッドを弾き、一旦オクタビアと距離を取った。
「ボクが出来るのは、ここまで……」
静かにカップを置き、これは君が紡ぐものだからと、ありがとうと短く手を振った武尊を見守った。
「あー、逃しちゃった。残念、もっと強さが欲しかったのに」
オクタビアは、つまらなそうにボヤくと、隠れていたエトランゼを呼び集める。
「こうなったら、君も街の人もみんな傷つけて、この子にはもっと恐怖して貰わなくちゃね」
隙があれば、オクタビアはエトランゼを街の賑やかな方へ向かわせるつもりなのだろう。
そんなことは、させない。
武尊は強く妖刀の柄を握るのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
リコレット・ルナリシア
「助けたい…。救いたい…。
大切であれば大切である程…その想いは強く……。」
✨ ✨
ディアボロスは仲間です。ですから…ボクのできる範囲で協力しましょう…
✨行動(プレイング)
惑わされないで。
いくら似ていても。
そのヒトはツクリモノ。
そのカオはツクリモノ。
助けたいヒト、戦うのはとても辛い。違うとわかっていても……
だから……、お手伝い、しましょうか……。
(リコレットは己の武装を取り出す。
月の聖剣『少女の祈りムーン・オブ・ルナリシア』)
「では始めましょうか。
……リピート、オン。」
パラドクスによる効果の長剣の種類は様々ですが、大量の【召喚】を行い
剣による【弾幕】は、敵を【蹂躙】し近づく事は非常に困難でしょう。
永森・武尊
君が今以上に強くなることは無いよ、オクタビア。
章さんも、街の人達も僕が傷つけさせはしない。
絶対に。
アイリスが警官を撒いて戻って来るまでは
妖刀で食い止めるつもり。
進路に回り込んで、人が多い場所への移動を邪魔しながら戦う。
戻って来たら、魔法と剣術で連携してエトランゼを攻撃。
あまり音や光のでない水や氷属性の魔法で攻撃して貰おうかな。
弱った相手から優先して、確実に数を減らしに行こう。
もし野次馬が来てしまったら、【友達催眠】を使った上で
見ての通り危険な状況だから早く去る様に忠告するよ。
それでもまだ去らなかったり、撮影しようとするなら
スマホを斬りつけるか近くで魔法を炸裂させて追い払う。
牛島・義弘
(サポート)
『儂は唯の爺よ。ま、多少は物騒かもしらんがの。』
人間の破軍拳士×鬼狩人、88歳の男です。
普段の口調は「爺(わし、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」、戦闘中は「バトルマシーン(俺、お前さん、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。
基本は公序良俗に反しない程度に他のディアボロスの援護かの。
ちゅうても、できるのは敵地の偵察やら、雑兵相手の露払い程度じゃろうが。
戦闘は基本、死なん程度には無茶はしよう。基本、敵の方が格上と認識し、油断なきようにな。
他、適した技能やパラドクスがあれば、それを使用しての作戦補助等が出来ればええな。
丹後・安喜光
(サポート)
『武人であろうが妖であろうが、お相手いたす』
人間の陰陽師×妖怪博士、14歳の男です。
口調「男性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、戦闘中「多少感情的(俺、お前、か、だろ、かよ、~か?)」です。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
基本、軽口少な目、真面目に行動する性格です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●夜の結界
中心地へ向かおうとするエトランゼらの行く手を阻むよう、サングラスにアロハを着た老人が立ちはだかる。
「儂は唯の爺よ。子供はもう帰る時間じゃよ」
年齢を感じさせない綺麗に並んだ白い歯を見せ、牛島・義弘(風月流牛島派元師範・g04060)は笑いながら、平穏結界を張った。
これで、この周辺の異常や騒ぎは外から気付かれにくくなる。
とはいえ、万全というわけではない。大きな爆発などが起きれば、誤魔化しきるのは当然難しくなる。
強行突破しようと試みたエトランゼは、フワリと義弘に往なされオーチャードロードの方へと投げ飛ばされる。
その動きは、何らかの武術の心得があるのだろう。義弘の佇まいに隙はなかった。
「君が今以上に強くなることは無いよ、オクタビア。章さんも、街の人達も僕が傷つけさせはしない」
絶対にと強く心に刻み、永森・武尊(デーモンのデジタルサマナー・g03090)は散ろうとするエトランゼに追いつき、周り込むと〈妖刀〉を抜いた。
本人の手ではなくとも章はきっと、オクタビアの力で生み出されたエトランゼが誰かを傷つけたと知れば、悲しむだろう。
幸い、野次馬は逃げた駅の方へ向かった警察官の鬼ごっこの方に、今は興味が向いている。
先へと抜かせないよう、必死な武尊のようすにクスクスと笑いながらエトランゼは、武尊へと飛びかかる。
「プレゼントあげるね」
それは鬼ごっこで相手にタッチするように、ポンッと軽く腕に触れられただけだった。
だが、その部分がズキリと痛む。
何かの病が感染したのだろう。きっと、武尊の服の下に隠れた腕は、エトランゼと同じように痣が広がっているのかもしれない。
武尊が表情を歪め一瞬動きが止まったところを目掛け、エトランゼらが殺到するが、張られた結界にたちまち捕らわれた。
丹後・安喜光(人間の陰陽師・g03326)による、パラドクス『攻性式神結界』だ。
「邪魔はさせません。私が、お相手いたす」
〈陰陽符〉を敵を捕らえた結界に放つと、符は式神の姿となりエトランゼらを攻撃する。
「先に言っておきますが、私はどんな顔を見せられても動じませんよ」
エトランゼのそのフードが捲られる前に、安喜光は結界へと捕らえ式神を操った。
心を捕らえる記憶の中の大切な人の姿や声も、結局はまやかし。
リコレット・ルナリシア(藍色の君【泣き虫リコレット】・g00260)の声が静かに夜に響く。
「助けたいヒト、戦うのはとても辛い。違うとわかっていても……だから……お手伝い、しましょうか……」
破邪の力を持つ長剣〈月の聖剣『少女の祈りムーン・オブ・ルナリシア』〉を取り出し、大鏡に投影する。
エトランゼに懐かしいものを義弘は見せられたが、それも一瞬のこと無数の飛び交う長剣がまやかしを討ち取っていく。
惑わされないで。いくら似ていても。
そのヒトはツクリモノ。
そのカオはツクリモノ。
「ディアボロスは仲間です。ですから……ボクのできる範囲で協力しましょう……」
リコレットの大鏡は次なる相手へと向けられる。
その間に義弘は、静かに構えエトランゼの急所を達人の目は看破した。
「どうせなら、もっといい夢を見せてくれよな?」
飛び掛かって来た、哀れな幼子をパラドクス『鬼門点穴(キモンテンケツ)』の一撃が打ち抜く。
苦しみも殆ど無く、崩れるエトランゼの身体を受け止め、地に寝かすと次の相手へと、義弘は向かっていき。
「行かせるものか」
攻撃の隙間を掻い潜り突破しようとするエトランゼらは、次々と安喜光の結界に捕らわれていった。
武尊がパラドクス『契約召喚』で、アイリスを呼び戻すと氷の魔法を使わせ、エトランゼらの足を止めさせた。
これならば、殆ど大きな目立つような戦闘音は立たない。
「何でイジメるの?」
エトランゼが章の声で、泣いた。
一瞬、武尊はドキリとしたがリコレットの声が後ろから支えてくれる。
「助けたい……救いたい……大切であれば大切である程……その想いは強く…………」
月の聖剣を大鏡に投影し、パラドクス『リピートベイン『流星の斬撃』(リピートベイン・コメットスター)』を発動する。
「では始めましょうか。……リピート、オン」
大小さまざまな剣の舞は、これ以上エトランゼを近づける事すら拒み、夜の闇の中へと還していくのであった。
思うように行かない事に、オクタビアは苛立ちを感じていたが仕方がない。
覚醒したばかりのオクタビアに罠を張る時間も、小細工をする間も無かったのだから。
このまま逃さず一気に押し切って、倒せれば……。
きっと、魚取章を救出できるはず。
残るは、オクタビアただ一人。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【操作会得】LV1が発生!
【友達催眠】がLV3になった!
【平穏結界】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
リコレット・ルナリシア
「貴女に人を殺させないと願う少年がいます。……ボクはそのお手伝いに参りました。
だから覚悟して下さいね…?」
✨ ✨
クロノス級は強大な力を持つ強敵
だから、ボクの持つ全てのチカラで対抗します。
(リコレットは己の武装を取り出す。
星の聖剣『少女の祈りシャイン・セイバー』)
パラドクスの使用方法は、チャージするように光を集めて【光使い】
貫通する火力を増して【貫通撃】
…全力で【投擲】します
✨行動(プレイング)
魚取・章さんが意識を取り戻したら
メディックポーチ『夢魔の治癒箱』を扱い【活性治癒】で治癒して
先程の喫茶店へ戻り、ゆっくりとその結末を見届けます。
……願わくば、彼らの行く末に幸ありますように…。
🌟 🌟
永森・武尊
章さんは章さんだ。オクタビアなんかじゃない。この声が聞こえてるかも解らないけど、
僕が必ず助けて見せる。待って居る人達の所へ絶対帰るんだ。
思ったよりエトランゼにやられたけど、これ位で参ってられない。
引き続き銃火器の使用は無し。妖刀と死霊怨毒刃で戦う。
野次馬の到着や撮影、オクタビアが正気に戻った振りをした場合に
備えて【悲劇感知】を使う。何も反応が無ければそのまま倒す。
野次馬が来た場合は【友達催眠】を使って
危ないから逃げる様に言うよ。
撮影するつもりならスマホは斬るしかない。
◎戦闘後
章さん。本当に章さんなんだよね。良かった、戻って来てくれて。
本当は僕も怖かった。助けられなかったらどうしようかと思った。
リューロボロス・リンドラゴ
章よ、よく耐えた。
武尊よ、よく言った。
であらば我も、手を伸ばそう。
我は龍、我こそはドラゴン。
二人が共にあれる日々を返してもらうぞ。
武尊は随分負傷しておるようだが、うむ。
意地と強がりは好ましいぞ。
良い。攻撃は我が庇おうぞ。
ディフェンスよ。
武尊を、章の希望を、やらせはせんよ。
ふん、滝を登ることもせず、少女を地獄に突き落とさんとした貴様如きが。
《空中戦》でドラゴンに勝てると思ったか?
追尾? はっ、であらば弾幕の中を正面突破よ!
《飛翔》し、我が尾でまとめて《薙ぎ払って》くれるわ!
正気に戻ったかの判別やトドメは武尊に任せる。
信頼しておるのでな。
奴ならしくじることはなかろうよ。
奴崎・娑婆蔵
●SPD
成る程、あれが永森のの縁者か
手前、姓は奴崎名は娑婆蔵――人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』
あの手を輩を引っ叩いて調伏する仕儀にゃァちと心得のようなモンがござんす
禊の時間だ
始めやしょうぜ、章のお嬢
そのカニ、いっぺん八ツ裂きにしてやりまさァ
・敵は掴みどころ無き挙動がウリならば、その動きを止めてくれよう
・妖刀『トンカラ刀』抜刀――【黒死斬】発動
・いかに蠢かれようとも敵の筋骨や腱の位置を過たず、狙い澄まし刺突斬撃
・まずは機動力を潰すべく、特に足腱を集中的に狙う
・敵のたらばがにロッド相手には『鉄鞘』の【強打】で応戦
・周囲を占める泡は、風火輪『火車』で戦場一帯に弧を描くように疾走、巻き起こす炎で相殺せん
霧原・瑶蓮
※アドリブ・絡み歓迎
「いいだろう、力を貸すぞ武尊。
章が武尊を頼ったように、武尊もまた俺達組の仲間を頼った。
それでいいんだ、助けてもらうことは恥ではない」
「我流喧嘩殺法、霧原瑶蓮だ。そういうわけでお前の作戦は破綻した。――ここで命尽きる定めと知れ、クロノス級」
「しかしお前の泡はワンパターンだな、目をつぶっても避けられるんじゃないか?」
名乗りを上げつつ【挑発】、またまき散らされる泡に対してこちらの【フェイント】と【ダッシュ】で泡を避けつつ【挑発】して怒りを誘うことで敵の動きから柔軟性を奪う。
敵の意識をこちらに向けて仲間が動きやすくするとともに、感情に任せた隙を狙って本命の【拳影の虚】を叩き込む。
●黒泡の中
オクタビアは、たらばがにロッドを振るいながらプクプクと泡を撒き散らす。
思い通りにならないこの状況に、まるで不満を抱いているようだ。
「貴女に人を殺させないと願う少年がいます。……ボクはそのお手伝いに参りました。だから覚悟して下さいね……?」
静かに言葉を紡ぎながら、リコレット・ルナリシア(藍色の君【泣き虫リコレット】・g00260)は〈星の聖剣『少女の祈りシャイン・セイバー』〉を取り出す。
「さっきから邪魔ばっかり。何なのよ!」
たらばがにロッドの泡でオクタビアが描くのは、オニイトマキエイ。
ユラユラと蠢くシャボン玉アートがディアボロス達に向かっていく。
〈妖刀〉を抜刀し永森・武尊(デーモンのデジタルサマナー・g03090)はパラドクス『死霊怨毒刃(シリョウエンドクジン)』を発動し、泡のオニイトマキエイを断ちながら、オクタビアに肉薄し声を掛ける。
「章さんは章さんだ。オクタビアなんかじゃない。この声が聞こえてるかも解らないけど、
僕が必ず助けて見せる。待って居る人達の所へ絶対帰るんだ」
思ったよりもエトランゼにやられたが、その分野次馬に気付かれない立ち回れた。
「これ位で参ってられない」
たらばがにロッドで刃を受け止めていた、オクタビアの瞳が戸惑うように揺れる。
そこに横より飛んでくるのは、星の輝きを帯びた無数の長剣。パラドクス『リピートベイン『光剣の裁き』(リピートベイン・シャインセイバー)』を発動し。
大鏡に光を集め、投影した星の聖剣を投げていく。
煌めく星々は少女に集う 。
きらめく光は癒しのちからを生み出して。
奇蹟はおこるの――――。
星の光が夜を切り裂き、貫いていく。
小さく悲鳴をあげながら、オクタビアは再びクルクルとたらばがにロッドを振るい始めるが、近付いてくる白い影に動きを止める。
闇に浮かびあがる白装束。
「成る程、あれが永森のの縁者か。手前、姓は奴崎、名は娑婆蔵――人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』」
黒い羽織を肩に、奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は相手を見据える。
「あの手を輩を引っ叩いて調伏する仕儀にゃァ、ちと心得のようなモンがござんす」
「章よ、よく耐えた。武尊よ、よく言った」
夜空に〈ドラグウイング〉を広げ、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)が飛来する。
「であらば我も、手を伸ばそう。我は龍、我こそはドラゴン。二人が共にあれる日々を返してもらうぞ」
助けに駆け付けてくれた仲間に、武尊は更に気持を引き締める。
「いいだろう、力を貸すぞ武尊。章が武尊を頼ったように、武尊もまた俺達組の仲間を頼った。それでいいんだ、助けてもらうことは恥ではない」
霧原・瑶蓮(無銘の拳士・g04575)は、果敢に立ち向かい続けた武尊に声を掛け構えを取る。
「我流喧嘩殺法、霧原瑶蓮だ。そういうわけでお前の作戦は破綻した。――ここで命尽きる定めと知れ、クロノス級」
娑婆蔵は妖刀〈トンカラ刀〉を抜刀し斜に構え。
「禊の時間だ。始めやしょうぜ、章のお嬢。そのカニ、いっぺん八ツ裂きにしてやりまさァ」
パラドクス『黒死斬』を発動し、前にでる。
ユラユラと揺らめくように動きながら、オクタビアは『バブリングダンス』を放つ。
辺りに撒き散らされる泡を掻い潜り、刺突斬撃。足の腱を狙い澄まし、娑婆蔵は刀を振るう。
黒死斬に撫で斬られ、オクタビアの足取りが重くなる。
こっちに来ないでと拒絶するように、更に泡を撒き散らすも。同じ技、それもキレの落ちたものなど見極めは容易い。
「しかしお前の泡はワンパターンだな、目をつぶっても避けられるんじゃないか?」
その身に〈闘気〉を纏い、瑶蓮は突き出してきたたらばがにロッドからの泡を避けつつ、パラドクス『拳影の虚(ケンエイノウツロ)』を発動。
「ただの正拳突きだよ。避けてみろ」
低く疾い跳躍めいた踏み込みに、オクタビアは瑶蓮を一瞬見失う。その隙に、影すら捉えさせず叩き込む。
「リピートオン――――。権能開放します。光剣の裁きよ、来たれ! シャインセイバー!」
体勢を崩した、オクタビアに追い打ちをかけるようにリコレットの放つ長剣が次々と飛んでくる。
折角バラ撒いた泡も、いつの間にか娑婆蔵が黒塗りの高級自転車の風火輪〈火車〉で、弧を描くよう疾走し、巻き起こす炎で相殺されていた。
「どうして、私の邪魔ばかりするのよ。これからだって時に……」
オクタビアはやっと覚醒し、身体を手に入れたところ。これから、様々な罠を仕掛け、人々を苦しめ、存分に楽しむ筈だったのだ。
「何でっ……!」
焦りを滲ませるオクタビアは、これ以上傷つけられたら手に入れた身体を失うと逃げに転じようと、魔力の翼を広げ空へ逃れた。
だが空には竜が待つ。
「ふん、滝を登ることもせず、少女を地獄に突き落とさんとした貴様如きが。空中戦でドラゴンに勝てると思ったか?」
「バブリーバレット!」
オクタビアは臆したように、たらばがにロッドから無数の泡を弾幕のように放ちながら、逃げていく。
「追尾? はっ、であらば弾幕の中を正面突破よ! 我が尾でまとめて薙ぎ払ってくれるわ!」
リューロボロスは、泡に怯むことなく真っ直ぐに突っ込んでいく。
その翼で泡を弾き、尾で薙ぎ払い泡を蹴散らし、その向こうのオクタビアに容赦なく、空中戦とはどういうものか見せつけるかのように。
ドラグウイングで打ち上げ、発動するのはパラドクス『我竜天征(リン・ドラゴニック・オーバースカイ)』
「地に堕ちよ。天空征すは竜である」
空に居ることをまるで許さないかのような、尾の一撃が叩きつけられ、オクタビアの身体は地上へ落ちていく。
「武尊を、章の希望を、やらせはせんよ」
「こんな、はずでは……」
必死に縋るたらばがにロッドから、次々と泡を放出しクッションにし、地面を転がる。
その正面には、妖刀を構える武尊の姿が……。
思えば武尊が現れたところから、オクタビアの思惑が壊れ始めたのだ。
「お前が……お前が元凶か!」
「章さん、今、助けます」
泡を超え、オクタビアに向かい、そして必死に呼びかける。
「章さん!」
刃を受け止めようとした、たらばがにロッドを持つ手が止まる。
そこに居る、章は。真っ暗な、深い海の底のような所に。
ありったけの力を込め、絶対に取り戻すという思いを込め、武尊は全力で妖刀を振るった。
たらばがにロッドが断ち切られ、刀の一閃がオクタビアを断ち斬った。
崩れる章の身体を武尊が受け止め、そのまま崩れる彼の身体を仲間が支える。
即座にリコレットは、メディックポーチ〈夢魔の治癒箱〉で二人を手当しながら、活性治癒を施していく。
意識を取り戻した章は、まだ靄の掛かったような眩暈を感じつつ、辺りを見回す。
知らない人達、その中に支えられ心配そうに見つめる幼馴染の顔を見つける。
「……武尊くん」
「章さん。本当に章さんなんだよね。良かった、戻って来てくれて……」
怖かった。助けられなかったらどうしようかと。
――でも、届いた。
そこには、もうオクタビアの存在は感じられない。
諦めなかった想いが、この結果を勝ち取ったのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2022年03月29日 |
| 宿敵 |
『『オミナスブラック』オクタビア』を撃破!
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