リプレイ
十野・樞
は、今更ながら、なんとも虫酸の走る話だ
とっととどうにかしちまわないと、酒が不味くなるってもんだ
若いもんだけに任せず、
おっさんも参加しようかね
一般人兵士を【観察】
彼らに紛れても違和感なきよう【早業】で泥や砂で顔や体、服を汚す
他の隊なんだが、もたもたしてるうちにはぐれちまってなあ、と最後尾のばらけた集団に【演技】で紛れ込む
【観察】を続け、ふるまいが浮かぬよう【演技】を続ける
訝るようなら、ポケット(異次元)にいつも隠し持ってる俺の至高の武器……魂の聖餐である酒をほんの少しだけ振る舞って黙らせるさ
内緒だぞ、これのせいでちっとばかし、いろいろあれでなあ…と言葉を濁せば、まあ色々と想像してくれるだろ
死屍谷・累々子
一般兵に紛れ込む、か。
ただ潜り込むよりゃ、積極的にツラを売った方が仕事も楽になるか?
念の為男装。実年齢よりやや下の少年にしか見えないだろうが仕方ねぇ。
伸び切った隊列の最後尾付近、一番遅れている兵に接触し、肩を貸しながら水を与える。
「大丈夫かよおっちゃん。こいつはいったい何処へ向かってるんだ」
兵がどの程度の認識で居るのかもここである程度聞き出しておきてえな。
道中メシが出る事を聞けたら、自分も兵として雇ってもらえるよう口利きを頼む。
もしくは始めから居たように口裏を合わせてもらうか。
「俺みたいなガキ、今のご時世どこ行ったって雇ってくれねえんだ」
「兵隊の数は居れば居るほど良いってもんだろ? 頼むぜ」
ラシュレイ・ローレン
人を欺くのはやはり苦手ですね。妖精達に手を貸して貰いましょう。
合流前に【コンフュージョン】のパラドクスを使い、自身の姿を妖精の幻覚で平凡な兵士に偽装して貰います。【プラチナチケット】の効果を使い、関係者、即ち同属の一般兵として認識させます。
私にとって、小細工とは墓穴を招くもの。正々堂々威風堂々たる態度で当然の如く隊に合流、歩調を合わせ進行。多少疑われても堂々としていれば押し通せるものです。
姿がどうあれ騎士道は貫くもの。周囲の疲れた兵を気遣い励まし水を与える等、進軍の手伝いをしましょう。
不破・雷童
集団がばらけており、将の人徳はある程度知れ渡っている。
志願兵のふりして遅れて来る集団に接触だな。
流石にただ飯を食わせるほど軍は優しくない。
お前の初仕事だ、少しは飯に色をつけてやるから遅れてる連中を手助けしてこい。
そんなことを隊長っぽい人に言われた、そんな名目でいいか。
隊長について詳しく聞かれたら、なんか厳しそうだけどどこか優しい感じの人だ、正直この後の飯に釣られて頭が一杯になってた、と誤魔化すぜ。
軍属ゆえに厳しく、同じ兵団として将の心意気を理解している。そんな誰かに心当たりはあるだろ。
あとは手助けや励ましをしながら情報収集だ。
どんな想いでここにいるかなど聞ければ、後に役立てられるかもな。
嵐柴・暁翔
戦で手柄をたてて一旗揚げようとしている若者(馬鹿者?)という設定で兵団に志願して潜り込みます
食い詰めたから兵隊になる…というには俺自身飢えて窶れている訳でも無いから疑われかねないしな…
やっぱり男に生まれたなら天下に名を轟かせたいと息まいたりしつつも、これも立派な兵士になる為の第一歩だと言いつつ積極的に他の方の手伝いや雑用を買って出ます
後々何をするにしても他の兵達から疎まれたり兵団の上の方々から疑われたりするのは得策ではないし新人が信用されたいならまず働け、ってこった
ついでに動いていればどんな方々がいるのかや人間関係がどうなっているのかも多少なりとも分かるだろうし、その情報は後で役立つだろうしな
風間・響
≪Spot-the-difference≫
前を歩いている兵士たちの様子を確認して、雰囲気を確認。
どうやら割と雰囲気よく行軍してるみてぇだし、潜り込むのは難しくはねぇかな?
遅れてやってきた兵士の振りをしてっと。つかえねぇけど、槍とか持ったりして。戦いになったらすてときゃいいだろ。
俺にも飯を分けてくれー!腹ペコだ―!っとか言えば、信じてくれっかな?
じっさいに腹空かせていくか!そのほうが真実味が増すってもんだろうよ!
「……割と雰囲気よく行軍してるみてぇだし、潜り込むのは難しくはねぇかな?」
これから潜り込もうとする『曹純』率いる兵団の様子を観察し、風間・響(一から万屋・g00059)が眉を寄せて唸る。
すると、やはり観察に出てきた十野・樞(division by zero・g03155)が、冷静な声で応じる。
「慌てるな。こいつらは先頭集団だし、わざわざ行軍中に潜り込む必要はない。陳オヤジの情報が正しければ、すぐに休止になる……ほらな」
「……なるほど」
おそらく『魏軍硬殻兵』が怒鳴っているのだろう。休止を告げる声が大きく響き、足を止めた兵たちは、たちまち座り込んでべちゃくちゃと喋りだす。秩序も何もあったものではなく、ここに潜り込むならそれほど難しくないな、と、響は思う。
すると樞が、小声で告げる。
「先頭近くには、厄介な『魏軍硬殻兵』が多そうだ。中ほどから、後ろの方を見るとしよう」
「……合点承知」
二人は密やかに動き、休止した先頭に追い付こうと足を早める中ほどの集団、そしてかなり大きく遅れて、必死で喘ぎながら歩を進める最後尾の集団を窺う。
「なるほど、後ろへ行けば行くほど、進むだけで必死で回りなんか見ちゃいない、って感じだな」
追いついて休止になったら地面にばったり倒れるんじゃないか、こいつら、と、いかにもひ弱な感じの最後尾の兵たちを見やっていた響は、樞の呟きを耳にして、そちらに目をやった。
「へっ、面白いことになってきやがったぜ」
「おい、あんた……?」
呟いた言葉とは裏腹に、樞の表情がひどく険しいのに気づき、響は眉を寄せる。そして樞は、ぶっきらぼうに告げて踝を返す。
「見るべきものは見た。戻るぞ」
「そういうわけで、『曹純』率いる兵団を確かめてきた」
パラドクストレインから降りたディアボロスたちが待機してる場所に戻り、樞は淡々とした口調で説明する。
「休止中に中ほどの部隊に潜り込むなら、見咎められたりすることは、ほとんどないと思う。余計な演技をしなくても、騎士殿のパラドクスで姿を変えるだけで充分だろう」
「それは有難い」
騎士殿ことラシュレイ・ローレン(人間の妖精騎士・g04074)が、生真面目な口調で告げる。正々堂々を信条として育ってきた彼は、演技には全然自信がないが、パラドクス「コンフュージョン」で妖精の魔力を借り、幻影をまとって臨む通りに姿を変えることができる。この力は、ラシュレイ本人だけではなく、同行のディアボロス全員に働くので、素人っぽい変装など行う必要はまったくなくなる。
そして樞は、死屍谷・累々子(リターナーのバウンサー・g03681)と不破・雷童(白雷童子・g02981)を見やって告げた。
「あんたとあんたは、最後尾の部隊に潜り込む、と言っていたな。心して行け。最後尾の部隊の兵は、女子供ばかりだ」
「お、女子供!?」
樞の言葉に、累々子と雷童のみならず、ラシュレイと嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)、それに樞とともに兵団を見てきた響も、驚愕の声を出す。
そして樞は、淡々と言葉を継ぐ。
「関羽軍の人狩りは、女子供も容赦なく兵として狩っていくと聞く。『魏』の徴兵も、程度の差はあるかもしれないが、蟲将がやっている以上、似たようなものだろう。武器さえ持てれば女子供も兵として使われるわけだが、男に比べ体力で劣るので、どうしても行軍の際には遅れる。つまり、遅れた兵を脱落させずに戦場に連れて行くという『曹純』の方針は、表現を変えれば、女子供の兵も漏らさず戦場にぶちこんで殺すということだ」
そう言うと樞は表情は変えず、語調だけを吐き捨てるように変えて続けた。
「今更ながら、なんとも虫酸の走る話だ」
「……まったくだな」
こいつはちょっと、いろいろ認識を改めないといけないかな、と、暁翔が唸る。
そして累々子が、怒りの籠った声を出す。
「そいつはまったく、気合が入るね。女子供を戦場にぶち込むなんて、させてたまるもんか!」
「そうだね。単に蟲将を倒すための方便じゃなしに、助けてあげたくなるよね」
雷童がうなずくと、樞は語調を淡々としたものに戻して告げる。
「あんたは、そのままでも通るかもしれないが、念のため容姿を女か子供か、どちらかに寄せた方がいいだろう。男の兵士が潜り込んでくるのは、たぶん激しく拒絶されるだろうからな」
「了解だ」
種族が妖狐のため、性別年齢不詳の姿をしているが、実は24歳成人男性、このメンバーの中では二番目の年長者という雷童は、いつになく真面目な表情でうなずく。
そして暁翔が、念を押すように訊ねる。
「つまり俺たちは、中ほどの部隊に潜り込むのがいい、ってことだな?」
「ああ。だが、何が起きるかわからないから、俺は騎士殿に同行するつもりだ」
樞の返事に、暁翔より先にラシュレイが反応する。
「私に?」
「先頭ほどじゃないが、中ほどの隊にも時たま『魏軍硬殻兵』が姿を見せる。最後尾の女子供の隊までは、ほとんど来ないようだがね。でもって、堂々とした騎士殿……いや、俺たちの誰であれ、潜り込むところのを見咎める奴がいるとしたら、それは間違いなく一般兵じゃなく『魏軍硬殻兵』だ。最悪、その場で討たなきゃならんかもしれん。そうなったら、バラバラでいるより、まとまってた方がいいだろ?」
そう言って、樞は暁翔と響を見やる。
「あんたたちも、同行するかい?」
「……そうさせてもらおう」
俺と同じものを見ていても、このおっさんの観察力、洞察力は半端ねえ。頼らせてもらおう、と響が応じ、暁翔もうなずく。
そして樞は、声のトーンを少し変えて告げる。
「それじゃあ、行くとするか。陳オヤジから饅頭を山ほどせしめてアイテムポケットに詰めてきたから、誰かを食い物で懐柔するとか、蟲が支給する食い物が不味くてやってられんとかいう時には言ってくれ」
本来は、いつもアイテムポケットに隠し持ってる俺の至高の武器……魂の聖餐である酒を使うところだが、こいつらほとんど未成年だからな、と樞は苦笑した。
「おい、大丈夫か? ……おおっ!?」
予定通り、伸び切った隊列の最後尾付近、一番遅れている兵に接触し、肩を貸しながら水を与えようとした累々子は、その兵が汚れて窶れはててはいるものの、特上の美少女であることに気付いて目を剥いた。
(「こんな綺麗な子に兵士やらせとくなんて、蟲の奴らの目は節穴かよ……いや、蟲に人間の美醜は関係ないか」)
内心思いながらも、累々子と雷童は、二人ががりで少女兵士を助け起こし、水を飲ませる。
「あ、ありがとう……ございます……」
息も絶え絶えに礼を言う少女を見やり、この子は絶対助けるぞ、と、決意の視線を交わす累々子と雷童であった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【強運の加護】LV2が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
マティアス・シュトローマー
俺はまずアサシネイトキリングの【モブオーラ】で樊城の軍に入り込もうと思う。
噂をばら撒く相手は慎重に選びたい。あれほどの人数だ、中にはやる気が無かったり、軍への不満を持った兵もいるだろう。そいつに話し掛けて、
俺達の軍を率いる曹純様は素晴らしい方だ。こうして休息や食事の時間をくれるんだからな。
……でも、上手い話には必ず裏がある。曹純様がここまで親切なのは俺達を確実に樊城に向かわせたいからだ。
樊城に着いたら、俺達はどうなると思う?
……関羽軍と戦いになって多くの奴は死ぬだろう。
俺は死ぬのはごめんだ。進軍が止まっている今、軍を抜け出そうと思う。
恐らく最後のチャンスだ。他に軍を抜ける奴はいないか?
「俺達の軍を率いる曹純様は素晴らしい方だ。こうして休息や食事の時間をくれるんだからな」
兵団で支給される味のついていない粟餅を噛みながら、マティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)は周囲の一般兵に向け告げる。
彼は、第一波の六人に続いて兵団に潜り込んだ新顔で、本来なら話を聞いてもらうだけでもいろいろ工夫しなくてはならないのだろうが、彼自身のパラドクスに加え、さまざまな残留効果が彼が有利になるよう後押ししており、一般兵を説得、あるいは扇動するぐらいは造作もない。
(「気を付けなきゃいけないのは、間違っても『魏軍硬殻兵』に気取られないこと、だな」)
内心呟きながら、マティアスは流暢に言葉を継ぐ。
「……でも、上手い話には必ず裏がある。曹純様がここまで親切なのは俺達を確実に樊城に向かわせたいからだ。樊城に着いたら、俺達はどうなると思う?」
「どうなるって……戦わされるんだろ?」
反問する一般兵に、マティアスは大きくうなずく。
「そうだ。しかも、敵は剛勇と名高い関羽軍だ。戦いになれば、多くの奴は死ぬだろう」
そう言って、マティアスは殊更に声を潜める。
「俺は死ぬのはごめんだ。進軍が止まっている今、軍を抜け出そうと思う。恐らく最後のチャンスだ。他に軍を抜ける奴はいないか?」
「だ、だけど、軍を抜けたら、その後、どうやって食っていくんだ? 野垂れ死にするだけじゃないのか?」
一般兵が、怯えた声で訊ねる。そしてマティアスは、にやりと笑って応じる。
「一人二人で抜けたら、確かに食うに困るかもしれん。だが、十人、百人、千人でまとまって抜ければ、山の中にでも隠れて村を作ることができる」
そしてマティアスは、笑顔のまま告げた。
「とっておきのネタを教えてやろう。この軍の尻尾には、女子軍がいる。女を連れて逃げて村を作れば、こいつはちょっとした桃源郷だぜ」
大成功🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
十野・樞
連携・アドリブ歓迎
【プラチナチケット】【友達催眠】は有り難てえ
大抵の事は信じてくれるだろ
だがまあ逃亡までいくには
率先して行動する奴が必要だよなあ
【観察】【看破】で
そんな気骨のありそうな奴
不満を溜め込んで血気に逸った奴に目星をつけ
仲間と手分けして優先的に話しかけ煽る
陳オヤジの飯と俺の酒をふるまえば
多少は気も大きくなるだろ
俺達にお優しいのは、一人でも多くの肉の盾を連れてゆく為らしいぜ?
俺はごめんだねえ
英雄様のご活躍とやらの前座で死ぬのは
後ろの隊は女子供だ
目的地まで持つかどうかもあやしいぞ
逃げ出すんなら今のうちだな
騒ぎでも起きたら俺は便乗するぜ
逃げ出すことを決めた奴らには
せめてなるべく多く食料を渡す
ラシュレイ・ローレン
【コンフュージョン】による変身を維持
【プラチナチケット】【友達催眠】で仲間と手分けして扇動。【モブオーラ】【平穏結界】で魏軍兵達に気付かれない様に
いざという時に皆を纏めてくれそうな御仁を探し、十野殿から借り受けた食料や酒を勧めながら話しかける
気骨の有る御仁と判断したら
「後方の女子供を見たか?戦は数とは言うが、これは軍隊ですらない、只の肉の壁だ。魏軍に我等を生かして帰す気はないぞ」
「個人での逃亡は難しいだろうが、奴らが何かに気を引かれた隙に大勢で逃げ出せば対応は困難だろう。心に留めておいてくれ」
私は顔に出る。これから魏軍兵に戦闘を挑む事を悟られるかもしれないが、見込んだ男だ。密告はないと信じる
嵐柴・暁翔
……まあクロノヴェーダは本質的に人間を大切にはしないわな…
本当に兵達を大切に想うなら一番足の遅い方々を真ん中にして行軍速度を合わせる筈なのに強行軍だし、遅れれば食料という文字通りの意味での餌で釣っているだけとはね…
まあ遠慮なく始末できる相手だと思えばそれはそれで良いか…
樊城の増援に向かっている筈なのに戦力になりそうにない女子供も一緒なのはおかしいな~
そういえば関羽軍は物凄い数だとか…
頭数を揃えるのは激戦で兵士が既に相当死んだからか、それとも数を頼みに使い捨ての人間の盾にするつもりじゃあ…
……といかにも訳知り顔で世間話を装って周囲に不安を漏らします
魏軍硬殻兵にでも見咎められれば適当に誤魔化します
「まず、どこの誰とも知れない俺たちの誘いに乗ってくれたことを、感謝する」
夜半の宿営地、松明の乏しい明かりでかろうじて姿の窺える多数の人影に向かって、十野・樞(division by zero・g03155)は落ち着いた口調で呼びかけた。すると人影の一つが、押し殺した声で応じる。
「感謝したいのは、こっちの方だ。戦場に着いてしまえば終わりだとわかっていても、俺達には逃げるあてもない。生き延びられそうな策を講じてくれるってんなら、喜んで乗るぜ」
「だけどね、皆で揃って逃げれば逃げ延びられる、山中に隠れて村を作ろう、なんて運任せの夢みたいな話には乗れないよ」
別の人影が、やや棘のある口調で告げる。声からすると、どうやら女性らしい。
「たとえ逃げ延びられても、村を作って収穫を得るまで、どうやって皆を食わせる気なんだい? 山で蕨でも取ろうっていうのかい?」
「不安に思うのは、もっともだ。ただ逃げるだけでは、たちまち食料に困る。人数が多ければ多いほど、猶更だ」
ラシュレイ・ローレン(人間の妖精騎士・g04074)が、誠意を籠めた口調で応じる。
「だから、逃げる際に兵団の兵糧馬車を手に入れる。すべて持ち去ることができれば、一年分ぐらいにはなるはずだ」
ラシュレイの言葉に、人影たちがざわっとざわめく。
「て、手に入れるって、どうやって!?」
「しっ、声が高いぞ」
別の人影が仰天した声を出し、最初に発言した人影に注意される。この場は、外から中を窺えなくする【平穏結界】に守られており『魏軍硬殻兵』に見咎められる恐れは事実上ないのだが、樞やラシュレイ、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)たちが声をかけて集めた「人望のありそうな一般兵」たちは、そんなことは知らない。
そして樞が、彼らが静まるのを待って説明を再開する。
「確かに、ただ逃げるのと兵糧馬車を奪うのでは、困難の度合いがまったく違う。だが、ここでちょいと耳寄りな情報が入ってきたんだ。本来なら悪い知らせなんだが、どうも蜀の部隊が奇襲をかけてくるらしい」
「な、なんだと!?」
さきほど仰天した声を出した人影が、また驚いた声を出す。最初に発言した人影も、今度は仲間を窘めず、勢い込んで樞に訊ねる。
「いったいどこから、そんな話が飛んできた?」
「俺たちが魏の兵団に潜り込んでいるように、蜀の兵団に入っている仲間がいる。そこからの情報だ」
暁翔が答えると、別の人影が尖った声を出す。
「なんか、都合が良すぎねえか? あんたら、実は蜀の手の者なんじゃないか?」
「だったら、何か問題があるのか?」
樞が反問し、暁翔がぼそぼそと告げる。
「信じてもらえるかどうかわからないが、俺達はどこの手の者でもない。魏の蟲が勝とうが、蜀の蟲が勝とうが、どうでもいい。ただ、蟲の戦で人間が死ぬのがイヤなんだ」
「あたしは信じるよ。わざわざあたしらを助けて、どこの蟲が得するはずもないしね」
女性兵士が発言し、樞はうなずいて言葉を続ける。
「蜀軍の蟲はほとんど蟻なんで、他の国は、飛んでくるはずがないと油断してるが、蜀軍にも飛べる蟲はいる。もちろん、俺達を助けるため奇襲してくるわけじゃないから、もたもたしてると巻き添えを食うが、蜀軍の狙いは魏の蟲、特に『曹純』将軍だ。奇襲が成功して『曹純』将軍が討ち取られるかどうかは時の運だろうが、兵糧馬車の警備どころじゃない大混乱になるのだけは間違いない」
「なるほど。そこで、はしっこく立ち回って、馬車をかっぱらって逃げちまおう、ってわけだな」
「その通り。うまくいけば、足弱の女子供を馬車に乗せて素早く逃げることができる。そうなりゃ一石二鳥だ」
樞が応じると、女性兵士が感に堪えたような声を出す。
「そうしてもらえりゃ、ほんと、恩に着るよ」
「おう、任せな」
最初に発言した人影が力強く応じ、三人のディアボロスたちは期せずして、皆、微笑を浮かべる。
どうやら、うまくいきそうだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【プラチナチケット】がLV2になった!
【強運の加護】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
加奈氏・コウキ
敵は魏槍投雨陣、つまり空から遠距離攻撃を放ってくるわけだ。
ならば俺もそれに倣い、遠距離攻撃にて相手しよう。
敵の攻撃の雨を、スピード勝負の回避行動にて避けるように動きながら、投擲ナイフの形に具現化させた復讐の刃で反撃していこう。
刻逆によって故郷の存在を家族ごと消された恨み、今こそ晴らす。
貴様らクロノヴェーダに復讐するもの、それが俺、ディアボロスだ。
戦場に突如現れ、戦闘を開始します。
クロノヴェーダに容赦などしない。
徹底的に殲滅する。
1匹残らず皆殺しだ。
斎藤・霧嗣
仲間達が上手い事陣中を惑わしてるようだねえ
事態が動いたら敵の目を引いてみるとするか
誰かが仕掛けるか、合図が出ると同時に行動
パラドクスを使用し仲間も使用出来る簡易な陣地、壕を形成
軽機関銃で弾幕を張り敵の意識を引きつつ、セルフクラフトで一般人を巻き込まないよう防壁作成
雷の反撃は、コンクリート製の防壁がある程度防いでくれる筈
攻撃の正確性には自信が無い
その分援護の意識に徹する
敵の回避を制限するよう弾幕を張り、仲間への反撃を妨害するように射撃
即席の連携でも無いよりはマシな筈
戦闘は先日初陣を済ませたばかり
当然怖いが、自分が敵を引き付ければ仲間は自由に動ける
恐怖で湿りそうな心を怒りで燃やし、口角を上げて戦う
死屍谷・累々子
流言が回りきったら仕掛け時か。
蟲どもの護衛兵は確か、殆どが先頭に居るって話だったな。
なら、本格的な兵の逃散が始まるまでに行軍の中ほどに居る蟲を始末すれば、少しは逃亡の発覚を遅らせられるかもしれねえ。
アサシネイトキリングを使用。平穏結界の効果を利用し、単独で行軍の中ほどに居る硬殻兵を叩いてその痕跡を隠蔽してゆく。
先頭集団へは、他の仲間が攻撃を開始したらそれに乗じて忍び足で接近。
こちらに意識を向けていない蟲から選んで潰して行こうじゃねえか。
敵の反撃については基本的に身を隠して凌ぐ。
大丈夫だ、こいつはただの制圧射撃だ、別に狙って撃ってる訳じゃ無いとか自分に言い聞かせながら。
マティアス・シュトローマー
説得完了、っと。やっぱり大人を騙すのってワクワクするな。……罪悪感は少しあるけど、これは君達を生かす為の嘘だから大目にみてほしい。
さて。次はトループス級との戦いか。軍の皆が逃げ切れるようにしっかり時間稼ぎをさせてもらおう。
【平穏結界】の中に敵を誘き寄せ、曹純に悟られないよう数を減らしていく。障害物があれば【地形の利用】で身を隠し、敵の数と位置を【観察】。タイミングを見計らって、死角からバレットレインで一気に攻撃。
敵が魏槍投雨陣で反撃してきたら、アイテムの手榴弾を目隠し代わりに爆発させる。煙幕の中でもこっちは【完全視界】の効果で動けるからな。
煙幕の中からも再度攻撃。ここから先は、絶対に通さない。
「蜀軍の奇襲か。うまいこと考えるもんだ」
皮肉っぽい笑みを浮かべて呟きながら、死屍谷・累々子(リターナーのバウンサー・g03681)は、兵団の兵糧馬車を警護する『魏軍硬殻兵』たちの様子を窺う。
警護といっても、『曹純』の方針で一般兵を飢えさせたりはしていないので、敢えて兵糧を盗もうとする馬鹿はいない。結局のところ、交代で馬車を御すのが主な仕事になっているようだ。
(「馬車を走らせてる途中で襲ったら、馬が暴走とかしかねないな。そうなったら、台無しだ」)
大量の兵糧を乗せた馬車は、女子供の兵士を乗せて逃がすためにも必要になる。間違っても、戦闘に巻き込んで、使い物にならない状態にしてはいけない。
(「たぶん、また休止がかかる。襲撃は、それからだ」)
逸る心を抑え、累々子は声に出さずに呟く。襲撃のため待機しているディアボロスは他にもいるが、仕掛けるタイミングは彼女に任されている。
そして間もなく、もくろみ通り、先頭の方から伝令とおぼしき『魏軍硬殻兵』が走ってきて叫ぶ。
「休止、休止だ! いつもの通り、遅れた最後尾の兵が追いつくのを待って、食糧を支給せよ!」
「はっ!」
応じると、兵糧馬車警護の『魏軍硬殻兵』たちは馬車を止め、御者台に入っていた者は馬車から降りる。伝令は、それ以上後方へ行く気はないらしく、監督するかのように近くに佇む。
(「今だ!」)
咄嗟に判断し、累々子はパラドクス「アサシネイトキリング」を発動。伝令の『魏軍硬殻兵』に飛び掛かり、致命的な一撃を叩き込む。完全に不意を突かれた伝令は、反撃どころか断末魔の声さえ出せずに、その場に崩れ倒れる。
そして累々子は、声を限りに叫んだ。
「蜀軍の、奇襲だーっ! 蜀軍の、奇襲だーっ!」
「な、なにいっ!?」
「どこだっ、敵はどこ……ぐわっ!」
不意に、少し離れた場所に岩の塊のようなものが出現し、そこからの銃撃で二体の『魏軍硬殻兵』が吹っ飛ぶ。
兵団に潜り込んだが、あくまで目立たないよう流言飛語には関わらず、戦闘のタイミングを待っていた斎藤・霧嗣(黒炭・g03518)が、パラドクス「インスタントトーチカ」を使って攻撃に出たのだが、これが見事に『魏軍硬殻兵』たちの誤解を誘った。
「敵はあそこだ! 蜀軍の蟻どもの一つ覚え、蟻巣岩窟陣だ!」
俺知ってる、という感じで『魏軍硬殻兵』の一体が叫び、全員が馬車を離れて霧嗣のインスタントトーチカへと殺到する。そこへ、やはり兵団内に潜んでいた加奈氏・コウキ(妖一刀流皆伝・g04391)が、容赦なく背後から攻撃する。
「ぎゃあっ!」
「ぐわっ!」
「刻逆によって故郷の存在を家族ごと消された恨み、今こそ晴らす。貴様らクロノヴェーダに復讐するもの、それが俺、ディアボロスだ」
パラドクス「復讐の刃」で具現化した投擲ナイフを、的確に『魏軍硬殻兵』の後頭部に突き立て、コウキは冷ややかな口調で呟く。よそ見をしている標的など倒すに造作もないが、クロノヴェーダ相手に容赦などする気は微細片ほどもない。
そこへ、騒ぎを聞きつけたか、先頭の方から四体の『魏軍硬殻兵』が飛翔してくる。そして当然ながらと言うべきか、霧嗣のインスタントトーチカに目をつけ、それを半包囲するように着地するが、着地の瞬間にマティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)のパラドクス「バレットレイン」に全員が一斉に薙ぎ払われた。
「ぐわっ!」
「ぎゃあっ!」
「そ、そんな、馬鹿な……」
「あっはっは、手榴弾を使うまでもなかったね」
まあ、馬を脅かしちゃう可能性が高いから、よほどの事態にならない限り使わないつもりだったけど、と嘯き、マティアスは兵糧馬車の方を見やる。
すると偶然ながら、彼が「ウハウハ桃源郷の夢」を吹き込んで煽った一般兵が、馬車の御者台に飛び込んで叫んでいる。
「馬車を避難させる! 兵糧を守るぞ! みんな、乗れ!」
「はーい!」
幌に覆われた馬車の荷台に、大勢の女子供が我先に飛び込んでいく。その光景を見やるマティアスの口元に、邪気のない笑みが浮かんだ。
「……幸運を祈るよ、おっちゃん」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
【モブオーラ】がLV2になった!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!
【フィニッシュ】がLV2になった!
十野・樞
連携・アドリブ歓迎
一般兵も馬車ぶんどって逃亡成功、トループス級どもも片付いたのか
いやぁ、やるねえ
それなら大物狩りの時間、総仕上げといくか
皆と連携
突出せぬよう注意
一人にダメージ集中するなら積極的に攻撃、気を惹く
一般兵逃亡方向に立ち塞がる
お前さんの相手は、俺達だろ?
魔術師崩れの俺は防御はアレでなあ、そいつは仲間に任せた
【早業】【高速詠唱】利用し
可及的速やかに
地に押さえつけるように
パラドクス展開
やらせねえさ、
身動きも目を開ける事もできねえまま、喰い潰されて墜ちやがれ!
【風使い】【結界術】で可能な限り敵攻撃減退・反らし
【飛翔】で立体的にも回避
【観察】【看破】で敵攻撃モーション分析
皆に注意を促す
ラシュレイ・ローレン
後は将を討つのみ
逃走する民を守りつつ、仲間と連携し陣形を組み挑む
将の真正面から正々堂々と向かう
「アヴァタール級クロノヴェーダ、蟲将『曹純』殿とお見受けする!もはや貴殿の兵は尽きた!降伏しろとは言わん、武人らしく最期まで見事戦ってみせよ!」
と気を引きつけつつ布陣展開
【英雄王の盾】を召喚。戦場全体に、仲間と民を守護する防御魔力を展開、ガードアップ。
盾を真正面に構える。…参る!
突進し盾ごと体当たりするシールドバッシュ。敵の体勢を崩し妖精剣で切り伏せる。
甲豹騎の突進は盾で防御。全ての衝撃を正反射する英雄王の盾での防御は、攻撃力をそのまま敵に跳ね返す反撃となる。難攻不落の壁となり、仲間の攻撃の礎となろう
結島・蘭杏那
兵糧馬車で逃げ出すなら荊州で復興支援した村に向かって欲しいかな?村は当面の食糧と人手が手に入って、逃げた人達は畑と住処を得られてWin-Win、誘導出来たらいいわよね。
そんな事より曹純を倒さなければ逃げた人達もそれどころじゃなくなるわよね。さて巨大カブトムシを呼び出した所で、そんなカブトムシごと曹純も我が愛馬と共に蹂躪してあげるわ!正面は他の人に任せて、愛馬と共に飛翔したりしてカブトムシの注意を引きつつ、隙きあれば曹純を巻き込んでのチャージをするわ。
それにしても樊城に曹仁居そうなんだけど、聞いても教えてくれないわよね。ジェネラル級からの命令で教えられないようになってるのかしらね?
加奈氏・コウキ
妖刀による神蝕呪刃で攻撃。
巨大カブトムシによる甲豹騎の攻撃を、スピードで撹乱しながら回避行動。
そのまま曹純に向かって突貫し、一撃を放つよう動きます。
クロノヴェーダを憎む気持ちは引き続き、萎えることはない。
むしろ強く、強く憎み、更に殺す事だけを考えて。
その首、俺が貰う。
ただ純粋に、葬るのみ。
マティアス・シュトローマー
やっとここまで来れた。
曹純……アヴァタール級のお手並み拝見といこうか。
ラシュレイが曹純の気を引いている間に【セルフクラフト】で足場兼防壁を準備。【地形の利用】【忍び足】で敵に悟られないように接近し、隙を見てアイゼンハントで攻撃。
この時の攻撃は【エアライド】でジャンプし、勢いをつけてから行う。
今の俺はいつも以上に身軽なんだ、よ……っと。
敵の反撃の甲豹騎が来たら【観察】で次の動きを予測しつつ、準備しておいた足場とエアライド、【飛翔】を駆使して可能な限りギリギリで攻撃を避ける。
俺の目的はこの陽動で味方を動きやすくする事。さあ、今だ!
可能な限り皆と連携。一般兵に向かった流れ弾も迎撃しておく。
エトルリア・メイオール
連携、アドリブは歓迎だぜ
ぬうっ!出遅れてしまったか!
敵はどこだ!?味方はどこだ!?
ええいっ!とにかく突撃!
【完全視界】及び【飛翔】を用いて曹純のもとに突撃!
後発であることを活かして、【竜翼翔破】で不意打ちにしちまうぜ!
攻撃後は一撃離脱のもと飛び回り敵を撹乱、続く味方の攻撃を有利にする
わりぃ、出遅れた!あたしは味方だ!
時折【セルフクラフト】で作ったブロックを敵の上から落とし囮とする
可能ならブロックの陰からさらに不意打ちを仕掛けるぜ
味方が攻撃する隙を作れそうなら、わざと目立つこともする
こっちだこっち!無視なんてさせねぇぜ!
風間・響
この間戦ったクロノヴェーダ『曹純』とは別物なんだよな、確か。
んじゃ、一度勝ったからとか油断せずに、全力で挑むとしますか!
相手がでっけぇ剣の一振りで勝負に来るってんなら、その集中力をかき乱してやるぜ!
【セルフクラフト】でコンクリ作り出して、≪鬼神変≫で巨大化させた両腕で爆砕!天然の散弾をくらわせてやらぁ!!
敵がコンクリ弾を防いでる間に、【飛翔】で突貫!大ぶりの一撃を喰らわせてやるぜ!当たるかどうかはわからねぇけど、多少なりとも【強運の加護】が助けてくれるだろうさ!
嵐柴・暁翔
【内心】
アヴァタール級ってのも難儀なもんだ…
ジェネラル級が相手なら対峙すれば終わりだからそこらの人間よりもずっと強い筈なのに戦力としては無力な子供にすら劣るとはな
しかも自分の元になったクロノス級が消えれば自分も消えて、横を見れば複製体が多数とは…
【戦闘】
《復讐の刃》で青龍偃月刀を出現させて攻撃します
得物の選択に特に意味は無い
関羽を気にしていたみたいだから何となく選んだだけだ
正面からの斬り合いに持ち込まれればどう考えても力負けしそうなので距離を取りつつ得物を投擲して攻撃します
近付かれれば【セルフクラフト】で作り出した壁を盾にしたり【飛翔】の効果で飛行して逃げたりと残留効果を活用して距離を取ります
「蜀軍の奇襲だと……馬鹿な……」
たちまち大混乱に陥る自軍を前に、アヴァタール級クロノヴェーダ『曹純』は焦燥に満ちた呟きを漏らす。
本当に『蜀』が奇襲してきたなら、その軍は飛翔可能なクロノヴェーダのみで固めた精鋭だろう。更に、ジェエラル級の蟲将に率いられている可能性もある。とても、太刀打ちできるとは思えない。
そして何より恐ろしいのは、ジェネラル級クロノヴェーダと遭遇してしまったら最後、相手が強かろうが弱かろうが、アヴァタール級の『曹純』は逆らうことができない。なすすべもなく討たれるならまだしも、捕獲されて、そのまま『蜀』の将にされてしまう恐れがある。『魏』軍に思い入れのないアヴァタール級なら、単に陣営が変わるだけで済むかもしれないが、あいにく『曹純』は『魏』王曹操の一族だ。他陣営に捕獲されて『魏』と戦うなどという事態は、考えたくもない。
(「アヴァタール級ってのも難儀なもんだ…」)
どうしていいかわからず立ちすくんでいるように見える魁偉な蟲将を見やって、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)が声には出さずに呟く。こうなるとむしろ、ディアボロスと全力で戦って死ぬというのは、アヴァタール級にとっては、望みうる最高の死にざまなのかもしれない。
そしてラシュレイ・ローレン(人間の妖精騎士・g04074)が、『曹純』の真正面に進み出て堂々と呼ばわる。
「アヴァタール級クロノヴェーダ、蟲将『曹純』殿とお見受けする! もはや貴殿の兵は尽きた! 降伏しろとは言わん、武人らしく最期まで見事戦ってみせよ!」
「な、なんだと?」
『蜀』のクロノヴェーダならいざ知らず、無力な人間風情が、蟲将たる我に立ち向かうというのか、と『曹純』は、あっけにとられた声を出す。
しかしラシュレイは委細構わず、パラドクス『英雄王の盾(プリトウェン)』を発動させる。
「妖精よ、盾を!」
呼び声に応じ、難攻不落のナイトシールドが出現。盾を真正面に構えたラシュレイは、突進し盾ごと体当たりするシールドバッシュを仕掛ける。
「……参る!」
「ぐおっ!」
油断、とは少し違うが、人間の攻撃が自分に通じる道理がないと思い込んでいた『曹純』は、ラシュレイのシールドバッシュをまともにくらい、反撃もできずに吹っ飛ばされる。
そして、さすがに素早く立ち上がった『曹純』は、ぶんぶんと頭を振りながら呻く。
「な、なんだ? なぜ、人間ごときの攻撃が我を揺るがす?」
「知りたいか? だが、わざわざ教えてやる義理なんぞ、どこにもないなあ」
ラシュレイのすぐ後に続く十野・樞(division by zero・g03155)が皮肉っぽい口調で告げると、可及的速やかにパラドクス「Omnes una manet nox(オムネース・ウーナ・マネト・ノクス)」を発動させる。
「Omnes una manet nox――やらせねえさ。身動きも目を開ける事もできねえまま、喰い潰されて墜ちやがれ!」
「ぐわああああああっ!」
狂奔する颶風と砂晶の複合攻性結界に捕らえられた『曹純』が、苦悶の咆哮をあげる。それでも懸命に大剣を振るって反撃しようとするが、苦し紛れの刃は樞まで届かない。
「なんだ? なんなんだ、貴様らは?」
大剣で身を支え、『曹純』は怒りよりも当惑が強い口調で唸りながら、ディアボロスたちを見回す。怒りに身を任せて戦闘に没入することができない、冷静で穏やかな性格というのは、こういう時は難儀だな、と、暁翔が肩をすくめる。
「やっとここまで来れた。今の俺はいつも以上に身軽なんだ、よ……っと!」
マティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)が風のように身を翻し、『曹純』の頭上から、パラドクス「アイゼンハント」を見舞う。完全に意表を突いた方向からの攻撃に、『曹純』は反撃もできずに片膝をつく。
「ぐっ……お、おのれ……さては貴様ら、ただの人間ではないな……」
「おいおい。その認識は、さすがに遅すぎると思うぜ」
呟いて、暁翔がパラドクス「復讐の刃」で出現させた青龍偃月刀を投げつける。ばきんと破壊音があがり、青龍偃月刀の刃が『曹純』の首のあたりに食い込む。
「これは、青龍偃月刀!? げえっ、か、関羽!?」
呻きながら『曹純』は巨大なカブトムシ「甲豹騎」をかろうじて召喚するが、その直線的な突進を、暁翔は余裕を持って躱す。攻撃を躱された「甲豹騎」は、そのまま召喚を解かれて消える。
「……やっぱり、魏の将の名前を持つだけあって、青龍偃月刀にトラウマがあったか」
もっとも、関羽が青龍偃月刀を使うのは物語(演義)の話で、史実の関羽はそんな凝った武器使っちゃいない(そもそも史実では青龍偃月刀は宋代以降に出現する武器で、三国時代の技術水準では作ること自体が至難)んだが、まあ、イメージってことかな、と、暁翔は嘯く。
「ふうむ、こいつは小細工なしの力押しでいけそうか?」
戦況を見据えていた風間・響(一から万屋・g00059)が、現実的と言うか戦闘職人的な呟きを漏らし、パラドクス「鬼神変」を発動させる。
「鬼が強いか、蟲が強いか、真向、全力勝負だ!」
「ぬおっ!」
一時的に異形巨大化させた腕で凄まじい膂力を発揮し、響は『曹純』と真っ向から組み合う。『曹純』も膂力を腕に集中して対抗するが、強引に大剣を振るおうとして果たせず、バランスを崩してしまい響に片腕をもぎ取られる。
「ぎゃあああああっ!」
「鬼の……いや、俺の、勝ちだな!」
会心の笑みを浮かべ、響は『曹純』を投げ飛ばす。
そして、よろよろと立ち上がった『曹純』の背後から、結島・蘭杏那(剣の舞姫・g01039)がパラドクス「戦騎疾駆」を駆使して騎乗突撃を仕掛ける。
「いろいろ思うところはあるけれど、ここは一気に潰させてもらうわ!」
「ぐわっ!」
無双馬の突進で吹っ飛ばされた『曹純』は、反撃の「甲豹騎」を召喚することもできず、再び、かろうじてよろよろと立ち上がる。
「き、貴様は、蟲将の力を盗んだという……そうか、クロノス級が殺し尽くしたはずが、生き残りがいたのか……」
騎乗の蘭杏那を見据えて『曹純』が呻くが、またもその背後から、エトルリア・メイオール(ロストロード・g01211)が突っ込んでくる。
「ぬうっ!出遅れてしまったか! 敵はどこだ!? 味方はどこだ!? ええいっ! とにかく突撃!」
本人は大真面目らしいが、かなり間の抜けた叫びをあげながら、エトルリアはパラドクス「竜翼翔破」を発動。空中に舞い上がって、もはや満身創痍の『曹純』をどつき倒す。
「ぐわっ!」
「おお、敵はここか! で、味方は……」
周囲を見回したエトルリアは、少々呆れ気味のディアボロスたちに向かって、軽い調子で言い放つ。
「わりぃ、出遅れた! あたしは味方だ!」
「……そんなもん、見りゃわかるぜ」
虫要素の強いインセクティアなら少々ややこしいが、いくら何でもドラゴニアンを蟲将と見間違える奴はいねえよ、と、樞が苦笑する。
そして、またも頼りなくよろめきながら、しかし、それでもしぶとく立ち上がった『曹純』の前に、加奈氏・コウキ(妖一刀流皆伝・g04391)が進み出る。
「無様だな。しかし、侮りはせん。むろん、憐れみもせん。クロノヴェーダは、ただ滅するのみ」
目の前の『曹純』に告げるというよりは、独言に近い調子で、コウキは呟く。
相手がどんな状態だろうと、クロノヴェーダを憎む彼の気持ちは引き続き、萎えることはない。むしろ強く、強く憎み、更に殺す事だけを考えて。
「その首、俺が貰う」
言い放つと、コウキはパラドクス「神蝕呪刃」を発動。呪詛を籠めた妖刀で、『曹純』を文字通り一刀両断する。
「!」
反撃どころか、断末魔の叫びさえあげられず、魁偉な蟲将は真っ二つに裂かれ、倒れる。その巨体が、たちまちのうちに呪詛に侵食され、腐り解けていくのを、コウキはじっと見据えていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【平穏結界】がLV2になった!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【操作会得】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV4になった!