リプレイ
春原・春雨
まずは森の植物たちを突破して村を目指さないとね。
妖精郷はボクにとっては第二のふるさとみたいなものだから、きっとなんとかなるよ。
パラドクスの力で妖精を【召喚】して、ボクたちがドラゴンと戦うためにやってきたことを伝えてもらおう。
もし説得がうまくいかなかったら……召喚したウンディーネの別の能力を使わせてもらうね。植物があるからには、その地下には水の流れがあるはず。妖精の村の近くには水源があるだろうから、それを目指していくんだ!
見た目は変えられても、地下の水の流れまでは変えられないはず。一緒に来たみんなにかっこいいところを見せられるかな?
ストロベリー・メイプルホイップ
初めてのお仕事だけど、本物の……本物?
まぁいいや、ドラゴンさんにはちょっと興味あるから頑張ってエルフさん達を助けるよ!
とりあえず森を抜ければ良いんだよね?
まずは喋る植物さん達に穏便に情報収集で色々聞いたり調べたりしてみるよ!
自己紹介とメーラーデーモンのラズベリーちゃん(♂?)を紹介して、誘惑の吐息を見せて興味を持ってもらったらお友達になれたりしないかな?
私だってこういう幻が出来るんだよーって。
【現の夢】が植物に効くかは解らないけど、アナスタシアさんの説得にも関わると思うからしっかりブレスするよ!
誘惑の技能も使って植物さんたちの興味を引いたり理解を得るようにしてみるし、何ならダンスもするね。
金刺・鞆
ようせい、きょう? 唐より、西でしょうか。東西南北で語れるか、不明、です……。
まずは、森の踏破。【パラドクス通信】にて。手がかり、情報共有、図ります。
いぬ、つうしん、たのみますよ。
意思もつ植物、ふしぎ。ことば、通じるでしょうか。意思疎通、可能、なれば。空をどらごんが飛んでいること、どらごんから尖兵が降下してくること、つたえます。
とも、たちは……まじないにて、この危機知る、でした。村、森、民も、みなころされ、焼かれる。
他の地、森、同様の事件おきる、でした。なれら、はらがらよりそうした話、聞いていませんか。
わたくしどもは、暴虐の竜をほろぼすものなり。
……探索頼み、なれば。【水源】目印に、歩きます。
山田・菜々
妖精郷の森っすか。中に住んでるエルフも含めて、まさにファンタジーって感じっすね。
森の植物たちに事情を説明して通してもらえるようにお願いするっすよ。
「空が騒がしくなってることに気づいてると思うっすけど、空からドラゴンたちが攻めてくるっす。」
「おいらたちは村のみんなを守るために来たんす。通してもらえないっすか。」
迷わないよう、復讐の刃で生成した目印の石を落としながら進むっすよ。
新堂・亜唯
森の中の探索かぁ……修行中の山籠もりを思い出すけど
帰らずの森って言うだけあって、俺が知ってるような日本の森とは全然違うや。
これは普通に辿っても難しいかなぁ……。
周りの植物のいう事聞いてたら、惑わされちゃいそうだし
ここはひとつ運とカン任せで行ってみるか。
【強運の加護】だっけ……ディアボロスの残留効果にそういうのあるはずだろ。
これ、後々も何かの役に立ちそうだし。
目で見える物より、ここは自分の運と野性、第六感を信じる。
可能性は高くないのかもしれないけど……まずは試さないと。
……大勢犠牲が出るかもしれないんだ。
俺みてーのが無い知恵絞ってる場合じゃないや。
アナスタシア・コルヒドレ
理不尽なドラゴンの蹂躙……ドラゴンやワイバーンはドイツの象徴。
わずかに記憶にある故郷のように、蹂躙させたりなんかしない!
多分、火器で燃やして進むが最効率かつ最速なんだろうけど、私たちはあいつらとは違うもん。
話し合いで道を開けてくれないか、説得できるはず。
簡単な会話もできるなら、今の状況が嘘でないことはわかるはずだよ。
ストロベリーさんの誘惑の吐息があるならなおさら話意を聞いてくれるはず……
空が騒がしいのはドラゴンが旋回してるからなんだよ。
このままじゃドラゴンが森を飛び越えて村を燃やしちゃう!
お願い、みんなを守るためにも道を開けて!
ラウラ・フォーティア
「最悪の状況になる前に、出来るだけ早く村には辿り着きたい所ですが、こういった森を抜けるには焦りは禁物ですね。どうにか植物の方々を説得して、村へと通してもらいたいです」
まずは森を普通に進んでみて、植物達からの行動を待ちます。ある程度進んだ所で、エルフの村が陥っている現状を説明します。
言葉だけでは信じて貰えない可能性が高いので、【託されし願い】でエルフ達の現状を見せ、私はそれを救う為に来たのだという事を明かし、森の通行の許しをもらい、良ければですが村への案内を求めたいです。
伊東・舞華
迷路かぁ…
こう言う時じゃなければ踏破するのも楽しめたかもしれないけど…
今は一刻も早く突破しないとね
行くよ、グリント
先ずは植物さん達に脅威を訴えて道を開けて貰うよ
お願い、植物さん達
路を開けて下さい!
このままだとドラゴンが村を滅ぼしちゃうから…
お願いだから空を見て!
ドラゴンから村を護らせて!
どうしてもだめなら…仕方ないね
次善の策だよ
草花が動くのは分かっているから、私が観察するのは地面そのものだよ
足跡もそうだけど、植物たちの移動跡もヒントになる筈
グリントも観察をお願いね
目線の違いで見つけられるものが違うから
いざと為ったら【水源】を目印として使うよ
流石に移動できるだけじゃ川を隠す事までは不可能でしょ?
レモネ・ロゼッタストーン
帰らずの森……
森自身が姿を変えているの……?
不思議。アステラ(妖精)もそう思う?
でも、ここが森ならきっと力を貸してくれる動物たちもいる筈
その子たちと一緒に森を抜ける道を探すね
正解の道にもし動かないものがあったらそれに目印代わりにリボンをつけるよ
しゃべる植物、初めて見るの
植物にもお願いしてみるの
アステラの姿に興味惹かれてくれると良いけど……
この子はアステラ。レモネの友達なの
ねぇ、あなたたちはどうして村を守っているの?
レモネたちは村を攻撃しに来たんじゃないの
あなたたちも空が騒がしく感じなかった?
レモネたちも村を守るためにここを抜けたいの
村を守るためにここを抜けることを許してくれない?
●深き森
パラドクストレインが幻想竜域キングアーサーにある生い茂った森の前で停車すると、開いたドアからディアボロス達が姿を見せた。
「ようせい、きょう? 唐より、西でしょうか。東西南北で語れるか、不明、です……。」
日本から遥か先の英国にある見た事も無い景色を目にした金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は、物珍しそうにきょろきょろと辺りを見渡していた。
「妖精郷の森っすか。中に住んでるエルフも含めて、まさにファンタジーって感じっすね」
同じく列車から出た山田・菜々(正義の味方の味方・g02130)も、ファンタジーらしい森を眺めて物語に出て来るような風景だと思った。
「森の中の探索かぁ……修行中の山籠もりを思い出すけど……」
深い森を見た新堂・亜唯(ドロップダスト・g00208)は山に籠もって修行した時の事を思い出す。
「帰らずの森って言うだけあって、俺が知ってるような日本の森とは全然違うや。これは普通に辿っても難しいかなぁ……」
日本の森よりも鬱蒼と木々が生え茂り、暗い場所では視界が通らない。これで森の中を縫うような細い道が動くのであれば迷うのも納得だと、その名前の由来を実感した。
「理不尽なドラゴンの蹂躙……ドラゴンやワイバーンはドイツの象徴。わずかに記憶にある故郷のように、蹂躙させたりなんかしない!」
アナスタシア・コルヒドレ(記憶をなくした殲滅機兵・g00340)はこの森や村が焼き払われるところを想像し、それを脳裏に微かに残る故郷の惨劇と重ね、決して滅ぼさせはしないと意気込んだ。
「まずは森の植物たちを突破して村を目指さないとね」
その隣で失われた記憶が刺激される懐かしく感じる風景を見ながら、春原・春雨(記憶喪失の王子様・g01554)は今は人々を助ける為に帰らずの森に足を踏み入れた。
「妖精郷はボクにとっては第二のふるさとみたいなものだから、きっとなんとかなるよ」
迷うと云われる森でも、安心感のようなものが春雨の胸にはあった。
「もし説得がうまくいかなかったら……召喚したウンディーネの別の能力を使わせてもらうね」
春雨はまずは仲間の説得に任せようと、背後へ振り返る。
「パラドクス通信にて、手がかり、情報共有、図ります。いぬ、つうしん、たのみますよ」
鞆がモーラット・コミュ『いぬ』に命じると、いぬは大きく頷いてぴょんと跳ね、パラドクス『ワイファイスパーク』の効果による【パラドクス通信】を使って仲間と連絡が取れるようになった。これで最悪逸れても連絡が取れる。
「最悪の状況になる前に、出来るだけ早く村には辿り着きたい所ですが、こういった森を抜けるには焦りは禁物ですね。どうにか植物の方々を説得して、村へと通してもらいたいです」
ラウラ・フォーティア(守護騎士・g01710)はまずは知恵ある植物と出会う為に、深い深い帰らずの森へと足を踏み入れた。
「迷路かぁ……こう言う時じゃなければ踏破するのも楽しめたかもしれないけど……今は一刻も早く突破しないとね。行くよ、グリント」
「ワンワン!」
伊東・舞華(希望を信じて・g03699)は森の迷路をアトラクションのようで楽しそうだと思いながらも、今は急がねばならないとパンツァーハウンド『グリント』に呼びかける。
「草花が動くのは分かっているから、私が観察するのは地面そのものだよ。足跡もそうだけど、植物たちの移動跡もヒントになる筈。グリントも観察をお願いね」
「ワン!」
周囲の異変を見逃さないようにしながら、舞華は他の仲間達と共に森に入る。
「帰らずの森……森自身が姿を変えているの……?」
レモネ・ロゼッタストーン(石薔薇の魔法騎士・g02743)が少しずつ草花の生える位置が移動していく森を見て、無表情ながらも興味を覚えていた。
「不思議。アステラもそう思う?」
寄りそう妖精のアステラに呼びかけると、こくこくと頷いて同意を示した。
「でも、ここが森ならきっと力を貸してくれる動物たちもいる筈なの」
レモネがパラドクス『動物召喚』を発動すると、リスやキツネといった森の動物たちが集まってくる。
「森を抜ける道を探すのを手伝ってほしいの」
そうお願いすると動物たちは嬉しそうに鳴いてレモネの足に頬ずりした。
「よろしくなの……」
その動物達の頭を撫ででレモネも森に入っていく。
●説得
「初めてのお仕事だけど、本物の……本物?」
動物達に先導されて前を進むストロベリー・メイプルホイップ(ドラゴニアンのレジスタンス諜報員・g01346)は、本物と偽物の違いは何だろうと首を傾げる。
「まぁいいや、ドラゴンさんにはちょっと興味あるから頑張ってエルフさん達を助けるよ!」
ドラゴン達によって被害が出る前に村に到着しようと、意気込んで森に足を踏み込む。すると道の先が消え、代わりに曲道ができていた。
「お客さんだよ……」
「くすくす。迷って出られなくしちゃおう……」
悪戯を楽しむように植物たちが草花を動かし、村に続く道を自由自在に変えていく。
「とりあえず森を抜ければ良いんだよね?」
ならばと、葉が擦れるように囁き合う植物に向けてストロベリーは話しかける。
「こんにちは。私はディアボロスのストロベリー・メイプルホイップ。そしてこっちの子がメーラーデーモンのラズベリーちゃん(♂?)」
挨拶をして自己紹介をすることで、まずは友好的に交渉を行う。
「ねえねえ、名乗ってるよ?」
「もしかして僕たちに話しかけてるのかな?」
知恵ある植物達がその様子に困惑したように草木を揺らした。
「みんなは草花を操れるんだね。私だってこういう幻が出来るんだよー」
そう言ってストロベリーはパラドクス『誘惑の吐息』を使い、口から桃色の吐息を吹きかけ、植物たちの理性や警戒心を薄くする。
「ほわーなんかいい気分がするよ」
「ほんとだー。暑い日にたっぷりの水を浴びた気持ちだよー」
すると植物達の気が緩み、道を塞ぐ草花がゆらゆらと揺れていた。
「私はみんなとお友達になりたいんだよ。話を聞いてくれるかな?」
「話くらいならいいかなー」
「友達になりたいんだって。聞いてあげようよー」
ダンスしてコミカルな動作でストロベリーが尋ねると、少し友好的になった植物達が頷くように花を揺らした。
「上手くいったみたいね。アナスタシアさんお願い」
ストロベリーが振り返り様子を窺っていた仲間に向かって手招きをした。
「多分、火器で燃やして進むが最効率かつ最速なんだろうけど、私たちはあいつらとは違うもん」
クロノヴェーダのような真似はしないと、アナスタシアは話し合いの為に前に出る。
「村を守りたい気持ちが一緒なら、きっと話し合いで解決できるはずだよ!」
共に村を守りたいと思っているのは一緒なのだ。それならば話が通じるはずと勇気を持って語りかけた。
「空が騒がしいのはドラゴンが旋回してるからなんだよ。このままじゃドラゴンが森を飛び越えて村を燃やしちゃう!」
アナスタシアが空を指さし、結界を破ってドラゴンがやって来るのだと告げた。すると釣られたように周囲の植物達もかさっと揺れて天を仰ぐ。そこにはいつもと違う雲が渦巻く荒れた空があった。
「お願い、みんなを守るためにも道を開けて!」
その絞り出すような言葉には、自分と同じ不幸に遭わせたくないという強い気持ちが籠っていた。
「ドラゴンだって!」
「……どうしよう?」
「信じてもいいんじゃない?」
「えーでもでもー村に余所者は誰も通さないってルールだしー」
アナスタシアの説得を受けて心を揺さぶられた植物達の意見が割れ、どうしようかと悩み始めた。
「意思もつ植物……ふしぎ。ことば、通じるようです」
会話ができる植物を鞆は興味津々に見つめる。
「意思疎通、可能、なれば。空をどらごんが飛んでいること、どらごんから尖兵が降下してくること、つたえましょう」
そして自分も説得を手伝おうと村を襲う脅威について語り出す。
「とも、たちは……まじないにて、この危機知る、でした。村、森、民も、みなころされ、焼かれる」
一生懸命に言葉を紡ぎ、鞆は気持ちを伝えようとする。
「他の地、森、同様の事件おきる、でした。なら、はらがらよりそうした話、聞いていませんか」
自分達はドラゴンが現れたのを知ってこの地にきたのだと説明する。
「空が騒がしくなってることに気づいてると思うっすけど、空からドラゴンたちが攻めてくるっす」
菜々も言葉を繋げ、ドラゴンの脅威が迫っているのだと植物達に伝える。
「ドラゴン! 森を焼き払う悪党!」
「ドラゴンはあぶないよ! 逃げた方がいいよ!」
感情を表すようにガサガサと草花が暴れる。この世界を支配するドラゴンの危険さは植物達も知っていた。説得を続けられドラゴンが本当に来るのではと想像して恐怖が湧き起こっていた。
「わたくしどもは、暴虐の竜をほろぼすものなり」
そのドラゴンを倒す事ができるのだと、鞆は自分と仲間達を指し示した。
「おいらたちは村のみんなを守るために来たんす。通してもらえないっすか」
菜々が真剣な顔で植物へ話しかけ、村への敵意が無くその反対に助けに来たのだと説明した。
「言葉だけでは信じて貰えないのなら――」
仲間をフォローするようにラウラがパラドクス『魔を討つ光の剣』の【託されし願い】の効果を発現する。すると近くの村に住むエルフらしき姿がぼんやりと映し出された。その映像ではエルフが空を見上げ、何か叫んでいる。そして慌てて走り出し映像は消えた。
「おおーなんか映ってたー」
「走ってったねー」
植物達が興味津々でその映像の事を語り合う。
「映像を見て貰った通り、エルフの村が狙われています。私達はそれを救う為に来たのです。ですから通行を許してください」
嘘などつけそうにない正義感を燃やすラウラの顔を見て、植物達は相談する。
「ボクは信じていいかなー」
「じゃあわたしもー」
ディアボロス達の言葉を信じ、植物達が隠されていた道の姿を元に戻した。
「信じてくれてありがとう。絶対に村を助けてみせるから!」
ほっと安堵したアナスタシアが笑顔を浮かべた。
「良ければですが村への案内をお願いできますか?」
早く着く為には案内が必要だとラウラが案内を頼む。
「それくらいならいいよー」
「道はこっちー」
植物達が花を道に添え、わかりやすく案内してくれる。
「やったっす! これで村に行けるっすよ」
菜々は笑顔になり、村に続く花道を仲間と共に歩き出した。
●頑固者
「もう少し進んだら村だよー」
植物が村への道を作ってディアボロス達を案内してくれる。だがその行く手を塞ぐようにガサッと強く草木が揺れた。
「お主らは何をやっとるんじゃ、こんなところまで侵入者がきちょるぞ!」
「まったく最近の若いもんは。仕方ない。ワシらで追っ払うぞ!」
知恵ある植物の中でも、村の近くに根付く古株の老植物達がディアボロスを追い払おうと動き出す。ざざっと植物が揺れ動き、道を深い緑で閉ざしていく。
「あっ、また道が閉ざされたっす!」
菜々が道がなくなったのに気付き、辺りを見渡した。すると深い草木で覆われ、まるで閉じ込められたような感覚に陥る。
「あれはじいじたちだよ」
「じいじたちは年寄りだから頭がかちかちなんだー」
話しを聞いてくれた植物達も長老のような植物の説得は既に諦めているようだった。
「ここからはボクの出番だね」
春雨が前に出ると、パラドクス『ウンディーネステップ』を発動する。水が大地から湧き上がり人型となって水の妖精ウンディーネが現れた。
「植物があるからには、その地下には水の流れがあるはず。妖精の村の近くには水源があるだろうから、それを目指していくんだ!」
指示を受けたウンディーネは頷き、水脈を探して進み始めた。
「あいつら村に向かって進み始めおった!」
「いかん! なんとしても阻止するんじゃ」
老植物たちはディアボロスの進行を止めようと草花で道を遮る。
「見た目は変えられても、地下の水の流れまでは変えられないよ」
隠された道を春雨は自信満々に進み、かっこよく村への道を先導した。
「ええい! こうするんじゃ!」
老植物が木の根を張り巡らせ、水脈の流れを曲げようとする。
「強引な方法だけど、こっちは時間がないからね」
舞華はパラドクス『青龍水計』の【水源】の効果で川を作り、春雨が示した水の流れの方向に向けて水を流した。それによって木々の小細工が押し流されて水の道が作られる。
「なんじゃと!?」
「わーあー! なーがーさーれーるー!」
老植物は驚愕し、幼い植物達は水の流れに乗って遊んでいた。
「流石に移動できるだけじゃ川を隠す事までは不可能でしょ?」
どうだと胸を張った舞華は道を切り拓いて村へ向かう。
「ここから、探索頼み、なれば。村まで、水源を目印に、歩きましょう」
鞆はその後に続き、仲間に遅れないように村へと歩を進める。
「迷わないようにしないといけないっすね」
菜々もパラドクス『復讐の刃』で生成した目印の石を落としながら進み始める。石は【操作会得】の効果で残留思念が宿り仲間が逸れないようにサポートを行ってくれた。
「川はきついがワシらなら!」
「おうともさ! やってやるわい!」
老植物達は川を曲げようと草木を動かす。だがあっさりと草は流された。
「あー無理じゃったわい」
しかし流石に無理だと早々に諦め、川の近くを背の高い草木で覆って隠し通りにくくする方法に切り替えた。
「ほれこっちじゃこっち」
「いやいやこっちじゃぞー」
森のあちこちから反響するような植物の声が聞こえる。それがディアボロス達を誘い、道に惑わそうとする。
「周りの植物のいう事聞いてたら、惑わされちゃいそうだなぁ」
右から聴こえたと思えば今度は反対側から声が響き、亜唯は声に惑わされない方法を考える。
「ここはひとつ運とカン任せで行ってみるか」
思いつきをやってみようとパラドクス『ストリートストライク』の効果【強運の加護】を使う。
「目で見える物より、ここは自分の運と野性、第六感を信じる。可能性は高くないのかもしれないけど……まずは試さないと」
やってみなくては始まらないと、亜唯は自分を信じて生い茂る草むらへと突っ込んだ。すると川の流れる音が聴こえる。
「……大勢犠牲が出るかもしれないんだ。俺みてーのが無い知恵絞ってる場合じゃないや」
とくかくエルフ達を助けてあげたいという一心から、動き回る草木を突破していく。すると焦った声が聴こえた。
「なんじゃ! 迷わずつっきっとるぞ!」
「いかん! このままでは村に辿り着かれる! なら最後の手じゃ!」
「直接危害を加えるのはルール違反じゃが仕方あるまい」
草木が人に絡まるように生い茂り、侵入者を拘束する為の罠を作り出した。
「森の障害物には慣れてるんだ」
それを森での修行に慣れた亜唯は軽やかに跳んで躱した。
「ええい、もっとじゃ!」
「今まで数々の村の悪戯っ子を追い返した技を見せてやるわい!」
楽しそうに老植物達が草木の他愛ない罠を仕掛けまくる。
「お願い、植物さん達。路を開けて下さい!」
敬語も忘れて舞華が大きな声を上げて植物達に話しかける。
「このままだとドラゴンが村を滅ぼしちゃうから……お願いだから空を見て! ドラゴンから村を護らせて!」
悲痛な声に思わず森の隙間から空を見上げる。空は晴れているのに嵐のように吹き荒れ、雲が物凄いスピードで流れていた。
「ううむ、言われてみれば確かに異常な空じゃ」
「しかしじゃな……むむむ」
強い感情を乗せた舞華の言葉に頑固な心が揺らされ、老いているからこそ植物はそれが異常な状態だと気付き言葉を濁す。
「しゃべる植物、初めて見るの。植物にもお願いしてみるの。アステラの姿に興味惹かれてくれると良いけど……」
興味深そうに植物達を見ながらレモネがアステラと共に前に出る。
「ん? あれは妖精かのう」
「この子はアステラ。レモネの友達なの」
老植物の言葉にレモネが友達を紹介する。
「ねぇ、あなたたちはどうして村を守っているの?」
「うむーなんじゃったかのう」
「あーあれじゃ、住む場所を失った者を匿ってやったんじゃったろ」
「おお! そうじゃったそうじゃった!」
レモネの質問に老植物達は昔を思い出しながら答える。
「レモネたちは村を攻撃しに来たんじゃないの。あなたたちも空が騒がしく感じなかった?」
「確かにのう。そもそもここは安寧に暮らせるように結界を張ってあるはずなんじゃが……」
その言葉に老植物達も考え込むようにわさわさと草花を揺らす。
「レモネたちも村を守るためにここを抜けたいの。村を守るためにここを抜けることを許してくれない?」
「ううーむ。確かにお主らはワシらにも攻撃してこんしのう。妖精も味方しておるし……」
「こんな事態は初めてじゃ。一度村の様子を見た方が良かろう」
舞華とレモネの説得に心動かされ、頑固な老植物達が固い意志を曲げて道を開けてくれる。邪魔する草木がざわざわと動いて消え去り、真っ直ぐな道が出来ていた。
「信じてくれてありがとうございます。必ず村を護ってみせます!」
「ありがとうなの。村を助けにいくの」
舞華とレモネに続いて他のディアボロス達も駆け出し、礼もそこそこに村へと急いだ。
●森を抜けて
道を進んで鬱蒼としていた森が拓けると、そこには木造の家が並ぶ村が見える。だがそれと同時にぶわっと強風が吹き抜け日差しが遮られる。空を見上げると巨大なドラゴンが太陽の下を羽ばたいている姿があった。
「本当にドラゴンだ!」
「そんな! 村が見つかっちまったのか!」
それを見た耳の長いエルフたちが慌てて魔法の杖を用意し戦いの準備を始めていた。
「うちのネネとノノを見なかったか?!」
「あの子達なら森に薬草を摘みに行くって言ってたよ!!」
男が家族を探して動こうとした時だった。
「ギャアアアオオオオオオオ!!!!!」
ドラゴンが空気を震わせるような咆哮を上げて体を傾ける。するとその背に乗っていた配下のトループス級竜鱗兵部隊が降下を始めた。
このままではあっという間に村は制圧されるだろう。だが最速で帰らずの森を突破したディアボロス達が戦闘開始に間に合っていた。
村人に被害が出るのを阻止するべく、ディアボロス達は急ぎ村へと駆け出していた。
エルフの住人たちを助け、邪悪な竜鱗兵部隊を打ち砕こうと怒りを胸に戦いに臨む――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面歩行】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
星見・晴
(先に森に突っ込んでった復讐者達の後を追えば、村に出る。)
……ちっ、遥風の言ってた通りか!(既に龍鱗兵どもが村人襲ってるらしい。一も二もなく駆けていく。)
(平和に暮らしてた村にいきなり龍が来る、なんて怖えよな。でも)
――挫けるにはまだ早ぇ!!(辺り一帯に聞こえる大声で叫ぶ。)
安心しろ、オレ達は味方だ――オレらが必ずお前ら守ってみせる!!
(【士気高揚】、村人達にも勇気出させ奮い立たせる。足の強張りはとれたよな?)
だから今は隠れろ、逃げろ!!
怖さに縮こまるな、大事な奴の手ぇとって走れ!!
それさえできりゃ――後はオレ達が竜どもをぶちのめす!!!
(――あとは、竜退治あるのみ!!)
トバリ・ナイトライト
妖精郷のエルフ
ディアボロスへとなっていない異種族というのには興味がありますね
しかし、今はそんなに長話をすることも出来ません
まずは皆さんの命を優先いたしませんと!
MoonReversを用いた立ち振る舞いで、【友達催眠】と技能の【誘惑】を利用しながらエルフの皆様との接触を始め、急いで避難指示をします
「初めまして。僕はトバリと申します」
「説明をしている時間はあまりないですが、どうか信じてください。僕らは皆さんの味方です」
「敵は僕達が食い止めます。早く避難をしてください!」
「大丈夫。この森は僕達が守ってみせます。安心していてください」
腕輪からナイフを飛び出させ、立ち向かう背中を見せて勇気をつけましょう
山田・菜々
え?女の子の姉妹が戻ってきてないんすか?たしかに心配っすね。探してくるっす。
森の植物や動物に話を聞くっすよ。
「植物さんたち、ネネちゃんとノノちゃんがどこにいるか知らないっすか?」
「ありがとうっす。」
悪路もエアライドを利用して突破するっすよ。きっと心細く思ってるはずっすからね。必ず見つけるっすよ。
「ネネちゃんとノノちゃんっすね。おいらはディアボロスの菜々っす。様子を見に来たっすよ。」
緊張をやわらげるためにも、飴玉を二人にあげるっすよ。甘いものを食べると少しは落ち着くっすからね。
「さあ、みんなのところに戻るっすよ。」
伊東・舞華
少しでもより良い未来の為に…
頑張ろう、グリント
残留効果の【士気高揚】を借りるね
私も【勇気】を示してエルフさん達を鼓舞するよ
「汝平和を欲せば、戦いに備えよ」
私達の世界の言葉です
私達は今まさに迫りくる脅威…クロノヴェーダと戦う為に此処に来ました
直接の火の粉は私達が払いましょう
でも、勇気とは、戦いとは…何も直接戦火を交えるばかりではありません
あなた達エルフが無事である事、生き残ってくれる事…
これもまた、生存の為の闘争です
だから今は安全な場所に避難して下さい
…これは逃走ではありません
生き残りをかけた闘争です
例え森や村が焼かれようとも、あなた達が無事なら復興する事が出来ます
だからどうか、今は生き残って…
●エルフを救うために
「……ちっ、遥風の言ってた通りか!」
切り拓けた森を通り、降下して来る龍鱗兵を見上げた星見・晴(赤星番長・g00661)が一も二もなく駆け抜けて村へと急ぐ。
「手分けして村を回りましょう!」
「じゃあおいらはこっちを担当するっす!」
トバリ・ナイトライト(透明の黄昏・g00064)が提案すると、山田・菜々(正義の味方の味方・g02130)が賛成して返事も待たずにすぐに駆け出した。
「少しでもより良い未来の為に……頑張ろう、グリント」
「ワンワン!!」
ドラゴンの配下の襲撃による被害を防ごうと、伊東・舞華(希望を信じて・g03699)も相棒のパンツァーハウンド『グリント』と共に村を駆ける。
4人のディアボロス達は村人全員を逃がす為に、四方に別れて動き出した。
●伝える気持ち
「妖精郷のエルフ。ディアボロスへとなっていない異種族というのには興味がありますね」
トバリはちらりと見えた耳の長い異種族の姿に一瞬興味を引かれる。
「しかし、今はそんなに長話をすることも出来ません。まずは皆さんの命を優先いたしませんと!」
まずは人命が優先だと、降下して来る敵は迎撃に向かった仲間達に任せ、戦おうと杖を持つエルフの男性達に話しかけた。
「初めまして。僕はトバリと申します」
柔和な笑顔を浮かべ、パラドクス『MoonRevers』を用いた敵意を感じさせない立ち振る舞いで挨拶をする。
「説明をしている時間はあまりないですが、どうか信じてください。僕らは皆さんの味方です」
その真摯な態度と【友達催眠】の効果でエルフの男性達は友人のような気持ちになる。
「俺たちを助けてくれるのか?」
「だが村には俺達意外にもまだ人が……」
「はい、村のみんなを助けてみせます!」
窮地に追い込まれているエルフが不安そうに尋ねると、トバリは笑顔のまま大きく頷いた。そこで上を見上げると、どんどんと竜鱗兵がドラゴンから降下してくるのが視界に映った。
「敵は僕達が食い止めます。早く避難をしてください!」
「俺たちは戦わなくていいのか? 戦力は多い方がいいんじゃ……」
トバリが避難指示を出すと、エルフも戦おうと震える手で杖を握る。
「大丈夫。この森は僕達が守ってみせます。安心していてください」
トバリは腕輪からナイフを飛び出させ、堂々と敵に立ち向うように背中を見せ、ここは決して通さないと人々に安心感を与えた。
「あ、ああ! わかった!」
「君も気をつけてな!」
その姿に勇気を奮い立たせたエルフの男性達はトバリを心配するように一声かけ、森の方へと走っていった。
「どこに逃げたらいいの?!」
「おかあさん!」
小さな男の子の手を引いた母親が、右往左往している。空からの襲撃ではどこに逃げればいいのか分からず、ただただ恐怖に足を竦ませていた。
(「平和に暮らしてた村にいきなり竜が来る、なんて怖えよな。でも」)
空からのドラゴンとその配下の襲撃。平穏が一瞬にして破られる瞬間を晴は目の当たりにした。
「――挫けるにはまだ早ぇ!!」
晴が大きく息を吸い、腹から辺り一帯に聞こえる大声で叫ぶ。大気を震わす声にエルフ達の視線が向けられた。パラドクス『挫けるにはまだ早い』の【士気高揚】の効果が声と共に響き渡り、怯えていたエルフ達の震えが止まった。
(「足の強張りはとれたよな?」)
その様子を確認して晴が言葉を続ける。
「だから今は隠れろ、逃げろ!!」
考えるのではなく、心を突き動かすように言葉が背を押す。
「怖さに縮こまるな、大事な奴の手ぇとって走れ!!」
ぎゅっと親子が繋ぐ手に力を込める。
「それさえできりゃ――後はオレ達が竜どもをぶちのめす!!!」
気迫溢れる大喝は、勇気を湧き上がらせた。
「いっしょに逃げるのよ!」
「うん!」
親子が走り去る姿を見送り、晴は竜へと睨みつけるような視線を向けた。
(――あとで必ず倒す!!)
強い意思を向けた視線は、一瞬ドラゴンの眼と交差したように重なるが、すぐに矮小な人間になど興味がないように空を羽ばたいていった。
「急げ! 戦えない者は森の中に身を隠せ!」
ドラゴンの襲来に慌ただしく村人が動き回る。
「俺はネネとノノを探してくる! お前は先に逃げててくれ!」
「あなた! 私もいっしょに探します!」
まだ若いエルフの夫婦が、森に薬草を摘みに行ったという子供を探そうとしていた。
「え? 女の子の姉妹が戻ってきてないんすか?」
人々を避難誘導していた菜々が、その会話を耳にして話に加わる。
「ええ、実は薬草を採りに森に入ってしまったみたいで」
「早く探さないと危険なんだ!」
「たしかに心配っすね。でも二人が森に入って二重遭難したら大変っす。だからおいらが探してくるっす!」
残留効果により友好的な態度で会話に交ざり、菜々が自分に任せてくれと有無を言わせず飛び出す。
「植物さんたち、ネネちゃんとノノちゃんがどこにいるか知らないっすか?」
「ああ、あの悪戯っ子どもか、花の咲いとるところにおったな」
(「しってるー! きれいな花のところー!」)
菜々がドラゴンの存在を知ってざわめく植物達に質問すると、老植物が答えて道を拓いてくれる。そして案内しようと【動物の友】で友好的になったキツネが先導をしてくれる。
「ありがとうっす」
そんな植物や動物に感謝の言葉を告げ、【エアライド】の効果で最短距離を駆け出す。邪魔な障害物は宙を蹴って跳び越え、小さな体で木々の間をすり抜けていくキツネを追う。
「きっと心細く思ってるはずっすからね。必ず見つけるっすよ」
生い茂って視界の悪い森の中を一瞬も留まらずに駆け抜けると、白や黄色の野花が咲いた場所に出る。そこには空を見上げて手を繋ぐまだ小学生くらいの小さな姉妹の姿があった。
「だ、だれ!?」
突然現れた人影に妹を庇うようにネネが前に出る。その腰に妹のノノがぎゅっとしがみついた。
「ネネちゃんとノノちゃんっすね。おいらはディアボロスの菜々っす。様子を見に来たっすよ」
友好的に接しながら菜々は緊張をやわらげるために、飴玉を二人に差し出した。
「ほら、飴玉をあげるっす。これでお友達っすよ」
「甘い……」
「お姉ちゃんおいしーね!」
甘いものを食べて少し気を落ち着かせると、二人を両脇に抱え上げた。
「さあ、みんなのところに戻るっすよ」
そして来た道を颯爽と風のように駆け出した。
「ドラゴンだ! どうする?!」
「ドラゴンなんかと戦えるのかよ?」
「だからって村を捨てるのか?」
ずっと安全だった村が突然襲われ、若いエルフ達は動揺し杖を手にしながらも戦うのか逃げるのか迷っていた。
「汝平和を欲せば、戦いに備えよ」
そこへ突然声が聴こえる。ビクッとエルフ達が怯えた視線を向ければそこには舞華とグリントの姿があった。
「私達の世界の言葉です」
そうして人々の注意を引き付けてから舞華が語り出す。
「私達は今まさに迫りくる脅威……クロノヴェーダと戦う為に此処に来ました。直接の火の粉は私達が払いましょう」
そう言って人々と目を合わせ、残留効果の【士気高揚】によって勇気を与え落ち着かせる。
「でも、勇気とは、戦いとは……何も直接戦火を交えるばかりではありません。あなた達エルフが無事である事、生き残ってくれる事……これもまた、生存の為の闘争です」
意気盛んに戦うだけが勇気ではないと伝え、何のための勇気かとその使い道を考えさせる。
「だから今は安全な場所に避難して下さい……これは逃走ではありません。生き残りをかけた闘争です。例え森や村が焼かれようとも、あなた達が無事なら復興する事が出来ます」
棲み処を追われようとも、生きていればまた村は再建できる。だが死んでしまえばそこまでなのだと舞華は心からの言葉を絞り出して心を動かす。
「だからどうか、今は生き残って……」
その言葉から自分達の事を心底から助けたいという気持ちが伝わり、村人達は顔を見合わせて頷き合う。
「おい! みんな武器を持ったか?」
「女子供を守って森に逃げるぞ!!」
怯えを勇気で覆い隠し、エルフの男衆は杖を持って今を生き延びようと行動を開始する。
「ありがとう! あなたのお蔭で目が覚めた気分だよ」
「そうだよな。生きてりゃ村はまたやり直せる! そんな簡単なことすらわかんなくなってたよ」
緊張しながらも笑みを作ってみせ、エルフ達は感謝の言葉を伝えて戦えぬ者達を守りながら森に避難していった。
「何とか話を聞いてくれたね。よかった……」
「ワン!」
その背中を見送り舞華は緊張していたのに気付いてほっと肩の力を抜き、グリントがまだ終わりじゃないよと咆える。
「そうだね。行こう、グリント」
まだ他にも残っている人が居るかもしれないと、村中を確認する為に共に駆け出した。
●再会そして
「おかあさん! おとうさん!」
「うええええええん!!」
「ネネ! ノノ!」
菜々に抱えられて村の外れに戻ったネネとノノの姉妹が降ろされると両親の元に駆け出し、母親にしっかりと抱きしめられる。
「無事だったか! 娘たちを助けてくれてありがとう!」
「当然のことをしただけっす。それより早く逃げるっすよ!」
今は再会を喜んでいる場合ではないと、菜々が何度も感謝を伝える家族を森の方へと避難させる。
「これで最後のはずです」
「はい、村の中にはもうエルフは誰も居ませんでした」
トバリと舞華が最後のエルフを見送り、同じようにディアボロス達が逃がしたエルフ達が深き森へと入っていった。
「村の者はワシらに任せておけ!」
(「いっしょに遊ぶー」)
植物や動物達がエルフ達を匿い、森の草木で姿を隠していった。
「じゃがドラゴンが森を滅ぼせばどうしようもないぞ」
「任せておけ――あとは、竜退治あるのみ!!」
老植物の不安を吹き飛ばすように晴が言い放ち、後のことは任せてとディアボロス達は怒りの混じった咆哮と共に高度を下げ始めたドラゴンを見上げ、【パラドクス通信】で竜鱗兵の迎撃を行っている仲間に連絡を入れながら村に戻った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【水源】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV3になった!
初霜・ゆき
無理とか言ってる場合じゃない、か……。うん、わたしもそう思う。
好き放題を許してなんておけないから、わたしも戦うね。
それじゃあ、まずはドラゴンの配下を倒さないと。
相手は多分、同じ魔法使い……色んな属性を使うなら、決して楽な敵ではないけれど。
"氷雪使い"としての腕なら、負けない。
凍えるような寒さを、あなたに……『突発寒波』。纏めて芯から凍らせてあげる!
【ロストエナジー】もその体を蝕むよ……わたしの怒り、存分に味わって。
反撃の魔法も飛んでくると思うけど、その事を恐れたりはしないよ。
わたしは氷雪使い、吹雪の一つや二つで止められる訳にはいかない。
クロノヴェーダ相手に、負ける訳にはいかないんだから……!
金刺・鞆
あれが、尖兵、です? 竜鱗兵、ひとと、竜のまざりもの。この世の竜なる化生、鬼妖怪と大差なく。
植物たちとも約束、しました。まずは尖兵の数を削ぎましょう。
『ワイファイスパーク』でまとめて相手をします。いぬ、いけ。駆け抜けて、渾身の雷撃を。村や、村人を襲わんとする兵を優先的に攻めましょう。
集団を狙うとなれば、敵兵ひとりへの意識は散漫になりがち、です。是の反撃、敵群を呑む術がわたくしひとりを狙うなら、僅かばかり御しやすくなる、のでしょうが。
村や森に火の手がまわれば、寸暇惜しんで鎮火しましょう。
翻す扇を指揮のごとく。【水源】操り、あびせかけます。水流で村人が前に出過ぎぬよう、護りの計略を仕掛けましょう。
ストロベリー・メイプルホイップ
まずは森の迷路を突破!やったね!
っと喜んでる場合じゃないや、竜鱗兵……あの変な人(竜腕魔術士)を倒さないと!
後質問なんですけど、お口が3つあるけどご飯とかどうしてるんですかー!
味方やエルフさん達に当たらない位置を探して、電磁槍を突き立てたら回転の吐息で敵をバンバン撃ち倒すよ!
残留効果1の【強運の加護】で味方にあたらない様にお祈り!
残留効果2の【能力値アップ】【命中アップ】【ダメージアップ】でパワーアップ!
敵をドンドン倒しつつ【士気高揚】でエルフさん達を元気付けるよ!
私たちが来たからにはもう大丈夫!
竜鱗兵やドラゴンは何とかするから、エルフさん達は逃げてね!
アナスタシア・コルヒドレ
他の人が住民の避難に向かうなら、それを妨害させないように、私はここで【時間稼ぎ】しるよ。
なあに、別に全滅させても良いんでしょ!
あ、これ言うと死んじゃうって聞いたけど大丈夫だよね?
何かしてくる前にまずはDie Kartoffelpresseを味方を巻き込まないように【投擲】、煙幕で【撹乱】、即座にMG42でアナイアレイション!
【戦闘知識】で煙の中の奴らの動きをあらかじめ予想して回避や先手に繋げるよ。
腕からブレス?
腕を先に撃ち千切ってしまえば撃てないでしょ!?
記憶が訴えるんだ、目を潰した相手は立ち直るより早く潰せってね!
奴らの頭は私が上げさせない!
Дабай!Дабай!皆いけぇ!!
レモネ・ロゼッタストーン
ありがとう、助かったの
でも、出来たらもう一つ
逃げる村の人たちを安全な場所まで誘導して欲しいの
※この願いの結果に関わらず動物たちに案内してくれたことの礼を言い、以降は戦闘中の口調に
「一人じゃないから、やれることだってあるんだよ」
仲間との協力を心掛け、僕は竜腕の邪魔をするように行動
薔薇の花びら(花の祈り)を視界を邪魔するように舞い散らせたり、もし村へ行きそうなら足元へ突き刺して牽制したり
隙を突いて剣で斬りかかったり
竜腕の攻撃は魔力障壁で防いで反撃するよ
「村の人たちを傷つけさせはしない」
※連携歓迎
ラウラ・フォーティア
ようやく森を抜ける事が出来ましたが、本番はここからです。少しでも犠牲を減らせる様、全力を尽くしましょう。空を飛ぶドラゴンの動向が気になる所ですが、目下の脅威であるその配下を倒します。
森を出れば、トループス級に向けて【天を貫く光の槍】を発動し攻撃します。
容易く勝たせてくれる相手では無いでしょう、反撃も受けるでしょうが、【活性治癒】や【ドレイン】での回復を頼りに臆せず一気呵成に畳み掛けます。
復活の許されている私達と違い、エルフの方々はそうではありません。私が戦いに立つ事で彼らを守れるのならば、躊躇う理由はありません。それが、今は亡き同胞達の鎮魂にもなると信じて、負ける訳にはいきません。
新堂・亜唯
口上手い方じゃねーしなぁ……住人との接触は任せて、俺は少しでもトループス級を減らしに行くか。
妖精たちの住まう郷、村ってことだよな……なら、身を隠しながら戦うことも期待できるか。
パラドクス【隠密行動】……
建物の影や障害物に身を隠しつつ、他の仲間たちが戦ってる中で隙を突いて、死角から敵を拳法による打撃で不意打ちしていく
ド派手な魔法や武器は使えねーからな。地味だけど、妖精の郷を救うためには……俺は、俺に出来ることをする!
それに、着実にトループス級を倒して戦果を挙げて行けば
他の仲間たちが住人たちと接触するときに【士気高揚】で……「生き延びるための勇気」を与えらるかもしれねえしな!
●竜鱗兵迎撃
「ありがとう、助かったの」
レモネ・ロゼッタストーン(石薔薇の魔法騎士・g02743)が手伝ってくれたキツネやリスの頭を撫で、感謝の気持ちを伝えると動物たちは嬉しそうに目を細めた。
「でも、出来たらもう一つ。逃げる村の人たちを安全な場所まで誘導して欲しいの」
そうお願いすると、動物たちはこくんと頷きあちこちに駆け出していった。
「さあ、人々を救いにいこうか」
王子のような口調になったレモネは戦闘に意識を切り替え、仲間と共に村のあちこちに落下する敵へと駆け寄った。
「エルフどもを捕らえよ」
「抵抗するなら殺しても構わん。建物に逃げ込めないように火をつけろ!」
両腕がドラゴンの頭部の姿をしている人型の竜鱗兵『竜腕魔術師』の部隊が、空を悠々と旋回するドラゴンから降下し村へと襲撃を仕掛ける。村では悲鳴が上がり、人々は恐怖して着の身着のまま逃げようとしていた。
「あれが、尖兵、です? 竜鱗兵、ひとと、竜のまざりもの。この世の竜なる化生、鬼妖怪と大差なく」
その姿を見上げた金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は、己が世界の鬼たちと大差ないとエルフを襲おうとする敵に接近した。
「植物たちとも約束、しました。まずは、尖兵の数を削ぎ、ましょう」
エルフ達を護るためにも、好き勝手はさせないとパラドクス『ワイファイスパーク』を発動する。
「いぬ、いけ。駆け抜けて、渾身の雷撃を」
任せてと元気にモーラット・コミュ『いぬ』が駆け出し、火花をバチバチと散らすと眩いほどの電撃を放った。
「ぐぁ!?」
「体が痺れ……」
「この村のエルフではないな? 妖精郷の戦士か?!」
体中を貫く衝撃に倒れ伏す。だが仲間の陰に居て運良く電撃を浴びなかった竜腕魔術師が腕のドラゴンヘッドを向けてブレスを放とうとする。だがその視界が鮮やかな色に塞がれる。
「一人じゃないから、やれることだってあるんだよ」
そこへレモネはパラドクス『花の祈り』を使い、無数の薔薇の花びらを舞い散らせて視界を塞いでいた。
「何だこの花びらは? 吹き飛ばしてやる!」
竜腕魔術師はブレスを放って吹き飛ばそうとするが、上げた腕が舞う花びらに触れた瞬間、刃のように竜の頭を貫いた。
「馬鹿な! 花ごときに!!」
痛みを感じ慌てて動くと、さらに周囲に舞う花びらに当たり傷が増えて血だらけになって倒れ伏す。
「美しい花には棘があるものだよ」
レモネが剣を振るって風を起こし、さらに花びらの舞う範囲を広げた。
「やるではないか。だがドラゴンの力を手にした我等に勝てると思うな!」
竜腕魔術師達が無駄な足掻きだと嘲笑し、禍々しい呪毒を竜の口に集める。
「いぬ、止める、です」
それを見た鞆が呼びかけると、いぬが飛び掛かり頭上で電撃を放って敵を地面に叩きつけた。
「く、これでは命令を果たせん。せめて道連れを……」
立ち上がれぬ竜腕魔術師達が腕を上げて竜の口から炎を放とうとする。
「村の人たちを傷つけさせはしない」
そうはさせないとレモネが剣を振るい、ひらひらと舞う花びらが腕を切り落とし、続けて花吹雪が全身を切り刻んで止めを刺した。
「やることも、鬼妖怪と大差ない、です」
鞆は褒めて褒めてと戻ってきたいぬを撫で、どの世界でもこういった人に仇名す化生は同じなのだと思った。
「逆らう者が居るぞ! エルフを捕らえて見せしめに殺せ!」
手痛いディアボロスの反撃を受けた竜腕魔術師は、それをエルフの仕業と思って捕まえようとする。
「他の人が住民の避難に向かうなら、それを妨害させないように、私はここで時間稼ぎしるよ」
その行く手にアナスタシア・コルヒドレ(記憶をなくした殲滅機兵・g00340)が、柄付手榴弾[Die Kartoffelpresse]を手に立ち塞がる。
「なあに、別に全滅させても良いんでしょ!」
よくある死亡フラグのようなものを立ててアナスタシアは紐を抜いた。
「あ、これ言うと死んじゃうって聞いたけど大丈夫だよね?」
まあいいかと手榴弾を放り投げて爆発を起こして煙幕を張る。
「ごほっごほっ、なんだこの煙は!」
敵の動きが止まった隙に、即座に試作機関銃[MG42・サイボーグカスタム]を構えた。
「何もさせなければいいだけだよね」
一方的に火力で打ち破ればいいと、パラドクス『アナイアレイション』を発動して機関銃をぶっ放した。
「ごほっ……何の音だ?」
ひゅんひゅんと煙を貫く音が響く。それが腹に当たった瞬間、熱と衝撃に身体が倒れ込み口から大量の血を吐いた。
「なぁ!?」
訳も分からず煙に塗れて竜腕魔術師は絶命した。
「敵襲だ! ブレスで防げ!!」
竜腕魔術師達は弾幕の中、ブレスを放とうとするが被弾して次々と倒れていった。だが運良く弾が当たらなかった者がブレスを吐いて煙幕を吹き飛ばした。
「まずは森の迷路を突破! やったね! っと喜んでる場合じゃないや、竜鱗兵……あの変な人(竜腕魔術士)を倒さないと!」
喜びを露わにしたストロベリー・メイプルホイップ(ドラゴニアンのレジスタンス諜報員・g01346)は、今はそれどころではなかったと煙に巻かれた敵兵に視線を向けた。
「後質問なんですけど、お口が3つあるけどご飯とかどうしてるんですかー!」
両腕が竜の頭になっている竜鱗兵を見て思わず疑問を口にしながら、ストロベリーは[電磁槍]を構えて駆け出した。
「我等が竜鱗兵と知って逆らうか!」
竜腕魔術師がアナスタシアに向けてブレスを吐こうと、竜の口を大きく開いた。
「ちょっとお邪魔するね!」
まだ残っている煙幕を利用して死角から近づいたストロベリーが飛び込み、敵の中心に電磁槍を突き立ててパラドクス『回転の吐息』を発動する。ポールダンスのように槍に体を絡めつて華麗に回転し、踊るように光弾ブレスを周囲にばら撒いた。
「ふざ――」
そんなダンスに気を取られた竜腕魔術師達が薙ぎ払われる。
「ふざけてなんてないよ。本気で踊ってるからね!」
揶揄うような返事をしながらも、ストロベリーは踊り続けてブレスを放つ。
「一斉にブレスで焼け!」
竜腕魔術師達が両腕を向け、竜の大きな口が開く。だが銃声と共にその頭部に穴が開き吹き飛んだ。
「あ? あぎゃあああ!!」
「腕からブレス? 腕を先に撃ち千切ってしまえば撃てないでしょ!?」
アナスタシアが機関銃を撃ち込み、腕を穴だらけにして肉片に変える。
「記憶が訴えるんだ、目を潰した相手は立ち直るより早く潰せってね!」
間断なく銃声を響かせ、アナスタシアは敵に反撃の間を与えずに蜂の巣にしていった。
「私たちが来たからにはもう大丈夫! 竜鱗兵やドラゴンは何とかするから、エルフさん達は逃げてね!」
踊りながらストロベリーが呼び掛け、自分達に敵の注意を引き付けて仲間が人々を逃がす時間を稼いだ。
「ようやく森を抜ける事が出来ましたが、本番はここからです」
ラウラ・フォーティア(守護騎士・g01710)はちらりと空を見上げ、視線を落として村を襲う竜腕魔術師に戻す。
「少しでも犠牲を減らせる様、全力を尽くしましょう」
空を飛ぶドラゴンの動向は気になるが、まずは目下の脅威であるその配下を倒すべくパラドクス『天を貫く光の槍』を発動した。
「閃光よ、迸れ!」
[魔剣「フィアレス」]を振るうと放たれる光の斬撃が敵を真っ二つに断ち切った。
「村のエルフの魔術ではないな! 妖精郷の戦士が現れたか!」
それを見た近くの竜腕魔術師はラウラに向けて両腕の竜のブレスを放とうと魔力を練り上げる。だがぬうっと木造の家の陰から現れた新堂・亜唯(ドロップダスト・g00208)が背後に回り込んでいた。そして有無を言わさず後頭部に肘を叩き込んで意識を奪い去った。
「口上手い方じゃねーしなぁ……住人との接触は任せて、俺は少しでもトループス級を減らすことに専念するか」
敵を見下ろしていた視線を上げれば、エルフの住人の説得に向かっている仲間達の姿が見える。仲間を信じて任せ、自分にできることをしようと亜唯はパラドクス『隠密行動』によって建物や草木の障害物を利用して身を隠した。
「ド派手な魔法や武器は使えねーからな。地味だけど、妖精の郷を救うためには……俺は、俺に出来ることをする!」
亜唯はサバイバル経験を活かし、音と気配を消して動いて敵の死角を突いて襲い掛かる。
「それに、着実にトループス級を倒して戦果を挙げて行けば、他の仲間たちが住人たちと接触するときに士気高揚で……『生き延びるための勇気』を与えらるかもしれねえしな!」
ここでの頑張りが繋がり、エルフを説得する仲間の助けにもなると亜唯は元気に動き回り、また身を隠すと不意打ちを繰り返した。
「またやられている!」
「いったい何が潜んでいるんだ!」
次々と仲間が順番に倒され、竜腕魔術師達は背中合わせに警戒して両腕の竜頭を周囲に向けた。「無理とか言ってる場合じゃない、か……。うん、わたしもそう思う」
時先案内人の言葉を思い返し、初霜・ゆき(冬の雪のように・g03150)は頷いて胸に湧き上がる熱い勇気によって戦いへの怯えを振り払う。
「好き放題を許してなんておけないから、わたしも戦うね」
覚悟を決めて姿を見せてドラゴンの配下と向かい合う。
「エルフか? 妖精郷の戦士か? どちらもでいい、凍らせてから尋問してやる!」
竜腕魔術師達の両腕に冷気が宿り、自身の口とドラゴンの口による高速多重詠唱が始まる。
「相手は多分、同じ魔法使い……色んな属性を使うなら、決して楽な敵ではないけれど。"氷雪使い"としての腕なら、負けない」
同じく冷気を纏ったゆきはパラドクス『突発寒波』を発動した。
「凍えるような寒さを、あなたに……突発寒波。纏めて芯から凍らせてあげる!」
寒波が巻き起こり、竜腕魔術師達を包み込んで全身を凍えさせ体の芯から熱を奪う。さらには死をもたらす瘴気が吹き荒れて生命力を消耗させる。
「ロストエナジーもその体を蝕むよ……わたしの怒り、存分に味わって」
平和に暮らす人々を脅かす者を許しはしないと、ゆきの冷たい怒りが竜腕魔術師達を凍結させた。
「我々よりも強い魔術だと……」
「体が……動かん……」
ブレスを放つ態勢のまま、氷像のように竜腕魔術師達は動きが鈍くなった。
「これは砕きやすそうな氷像だな!」
そこへさっと茂みから現れた亜唯が次々と拳を打ち込み、竜腕魔術師の氷像を粉砕した。
「そんなところに隠れていたか!」
仲間の死体ごと亜唯を巻き込むように、竜腕魔術師が吹雪のブレスを放つ。その射線の先にはまだ逃げている途中の人々の姿があった。
「復活の許されている私達と違い、エルフの方々はそうではありません」
ラウラは決して村の人々を傷つけさせないと、ブレスの前に立ち塞がる。
「私が戦いに立つ事で彼らを守れるのならば、躊躇う理由はありません。それが、今は亡き同胞達の鎮魂にもなると信じて、負ける訳にはいきません」
そしてブレスを臆せずに魔剣で斬り裂き、光を纏う刃を一閃して敵を上下に両断した。その勢いを殺さずに駆け出し一気呵成に畳み掛ける。
「妖精郷の戦士が現れたとなればゼラザルム様が動く! 貴様等は終わりだ!」
負傷しながらも絶望させるように語った竜腕魔術師が吹雪の魔術を放った。
「わたしは氷雪使い、吹雪の一つや二つで止められる訳にはいかない。クロノヴェーダ相手に、負ける訳にはいかないんだから……!」
恐れずにゆきは魔力を高め氷雪を放ってそれを受け止める。
「次の相手はドラゴンか、いいぜ、ドラゴンも俺達が倒す!」
魔術を行使している間に背後に忍び寄った亜唯が、全力で拳を背中に叩き込み裏から心臓を強く叩いた。
「ゼラ、ザルム……様………」
口から血を吐き竜腕魔術師は崩れ落ちた。
「ドラゴンにだって、負けないんだから……!」
ゆきは空で旋回するドラゴンを見上げる。すると視線が交わりドラゴンは咆哮した。
●毒嵐竜ゼラザルム
「我等はドラゴンの力を宿しているのだぞ!」
「ドラゴンの力を得ようとも、否、ドラゴンであろうとも人を害する者であれば私が斬ります」
ラウラが光り放つ魔剣を叩き込み、竜腕魔術師の体を袈裟斬りに断った。
「ブレスを――」
「奴らの頭は私が上げさせない!」
ブレスを放ち抵抗しようとした竜腕魔術師達に、アナスタシアが機関銃を撃ちまくって弾幕を張る。
「Дабай! Дабай! 皆いけぇ!!」
行け行けとアナスタシアが捲し立てると、ディアボロス達が一斉に突っ込み、残った敵を殲滅した。
「村人の、避難も、終ったよう、です」
鞆が周囲を見渡すと、村には人気が無くなり、避難誘導をしていた仲間達から【パラドクス通信】で村人達を無事に避難し終えたとちょうど連絡が入った。そしてこちらも竜鱗兵の掃討を終えたと連絡を返した。
列車内で相談した役割分担が上手くいったと、作戦の成功に皆が喜び合う。だがそれに水を差すようにドラゴンの咆哮が空気を震わせた。
「妖精郷の戦士め、我が空で待ち構えていると知り森を通ってきたか」
毒嵐竜ゼラザルムが配下が全滅したことを知り、村へと降下を始めた。
「小賢しい。だが無駄なこと。我が毒でこの地を森ごと枯らして、妖精郷を滅ぼしてくれよう!」
その言動は荒々しさの中にも知性を感じる。
「我が名は毒嵐竜ゼラザルムなり! その身を腐らせ我に逆らった愚かさを後悔しながら死ぬがいい!!」
邪悪なドラゴンは村人を救ったディアボロスを妖精郷の戦士と思い込み、当初の予定通り始末しようと攻撃を開始した。
地上に近付くほどドラゴンの大きさが理解できて恐怖を覚える。しかしドラゴンを倒さなくてはこの世界の人々に未来はない。ディアボロス達は勇気を胸にドラゴンに立ち向かう――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
【士気高揚】がLV3になった!
【建造物分解】LV1が発生!
【活性治癒】LV2が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
ストロベリー・メイプルホイップ
ようやくドラゴンさんだね。
でも毒って怖いなー、と言うわけでよーし撃ち落しちゃうぞ!
残留効果2の【能力値アップ】【命中アップ】【ダメージアップ】【先行率アップ】を使って速攻で【破壊の吐息】を当てるよ!
倒せないだろうけど、範囲攻撃だから本体だけじゃなくて翼にも当たれば落ちてくれるかも出し。
そうしたら他の人も攻撃しやすいよね!
後は地上に撃墜後も、【破壊の吐息】で攻撃するよ。
できれば【破壊】を利用して敵のパラドクスの邪魔をするね。
毒にした地面ごと足を吹き飛ばしたり、尾や飛んでくる毒を撃ち落としたり!
あ、倒す前に下にもぐりこんで、ドラゴンさんのドラゴンを確認したいね!
山田・菜々
ドラゴンっすか。あの子たちを守るためにも全力でいくっすよ。
森を利用して、相手から場所がわからないように移動しつつ、うまく狙える場所に陣取るっすよ。そして、目標が別のものに気をとられてる時がチャンスっす。
「このファンタジーの空間には不釣り合いっすけど、これが人類史の力っす。」
復讐の刃でFIM-92 スティンガーを出すっすよ。操作会得を利用しつつ、狙いを定めるっすよ。発射っす!
金刺・鞆
竜。とても、おおきい、でした。翼のはえた……西の竜は、蜥蜴の、ごと。
是なるくびは、はね甲斐、ありそう、です。
残留する【エアライド】にて、空を跳んで近付きましょう。
ぱらどくす、距離、ねじまげる。なれど……やはり、間合、見極めて攻める、です。そのほうが、狙いやすく。
こちらの技は『鬼神変』。衣の袖、破かぬよう。黒き腕、振るいましょう。
毒、風に載せる、なれば。こちらも風を操りて緩和する、ですよ。空きの手、用いて、扇を開き。風砂切って、干渉試みる、でした。
足場を【水源】に変え、清水の浄化も、できるでしょうか。
無事ことなき得れば。村の者、説明要する、です?
くろのべーだ、竜。この世について、聞いてみたい所。
レモネ・ロゼッタストーン
※戦闘中の口調
※連携歓迎
ドラゴン……迫力が違うね
(やや緊張しつつ、剣の柄を握り直す)
でも一人じゃない。きっと大丈夫
行動
仲間と協力しながら、僕は活用できる残留効果は活用して仲間の行動支援で花びらを舞わせて注意をそらしたり、視界を遮ったりドラゴンの邪魔をするように動くよ
「薔薇よ、もっと癒やしを――そして彼の者を貫け」
僕に出来ることは少ないけど、毒になんて負けない
「僕たちで人も森も守るんだ」
水源の水に花びらを纏わせ、水鉄砲のように勢いよく撃ち出して毒を霧散するよ
初霜・ゆき
妖精郷を滅ぼすなんて……そんな勝手、許すわけにはいかないよ。
例え敵がどれだけ強くても、退けない理由がある。ゼラザルム……ここで必ず倒してやるんだから。……覚悟!
体から毒を撒き散らすなら、距離をとって戦うべきかな。
陰陽符から『木水行・樹氷弓』を喚び出して、あの竜を射抜く!
矢を放つタイミングは【パラドクス通信】で皆に伝えるよ、怯ませられれば攻撃のチャンスを作れるかも。
毒の竜相手じゃ、毒や呪詛は聞きにくいだろうけど……氷の鋭さは失われない。
一意専心、正射必中……放つ!
攻撃の後は、【植物活性】で毒にやられた周りの植物達を元気づけるよ。人も、森も、お前のお前の好きになんてさせない!
トバリ・ナイトライト
仲間と【パラドクス通信】を用い連携をとりながら戦いたい
【強運の加護】を受け、【エアライド】することで跳ねながら戦闘です
「森を燃やし、人々を殺す。恐怖の感情を得るだけではここまではしますまい。……貴方達は何がしたいのです!」
【挑発】とともに空を駆け、敵の鱗の隙間に腕輪から飛び出させたナイフを突き立てます
ナイフ伝いに破壊の力を念動力で伝えることで内側から破壊します
テラポリューションは地面が最も危険。再びのエアライドで致命傷を避けたいところ
全てを終えたなら、妖精郷のエルフの方々とお話をしたいですね
どこからドラゴンが現れたのか、今後もこの森が襲われる可能性はありますから、禍根を断っておかねばなりません
新堂・亜唯
とうとうゼラザルムとの戦いか……。
……こいつがドラゴン。まるで平和な頃に観てた特撮番組に迷い込んじまったような気分だ。
気をつけなきゃならないのは、やつの毒
俺は接近して殴りに行きたいところだが、アイツが踏みつけたところから毒が発生するのか!
ここは【エアライド】を活用するのが良さそうだな……
地面に十分気をつけつつ、空中ジャンプで毒地帯を飛び越えて接近
俺が扱える最強の打撃【螺月流・徹拳】を叩き込んでやるぜ!
おっと……尻尾に巻き込まれないように、タイミングは見計らわないと
……正直、怖いけど、これ以上エルフの住むところを毒で汚すわけにはいかない
あちこち歩き回る前に、こいつを止めるんだ!
ラウラ・フォーティア
汚染された土壌の影響をなるべく受けない様に【エアライド】を利用して接近、【能力値アップ】【命中アップ】【ダメージアップ】を乗せて【黒渦の裂刃】でゼラザルムへの攻撃を図ります。可能ならば不意を突ける様に【光学迷彩】で姿を隠しながら接近し、奴へと一撃を叩きこみます。
「空を舞い暴虐を尽くすのもここまでだ。その翼、切り裂いて地へと落としてやろう」
かつて故郷を守り切れず歴史上から無かった事にされた無念を晴らす為に、クロノヴェーダに、特にドラゴンに対しては強い憎悪を持っています。
そして、その過去の経験からクロノヴェーダに脅える人々を守ろうとする意志は硬いです。
「今度こそ、守り抜いてみせます」
星見・晴
(【パラドクス通信】で味方の攻撃タイミングを傍受する。隙を晒す時は必ずあるはずだ、そこがきっとチャンスになる。その機を逃さず掴み)
――よお、さっき目が合ってぶりだな!!
(接敵。眼鏡型ゴーグル"ID"のブリッジを指で弾いて、コードを音声入力する。)
『ID TO BE COSMO END!!』
(赤い機械鎧姿に変身しながら、【託されし願い】に背中押されるように進んでく。)
『あとはオレたちが竜どもをぶちのめす』なんて啖呵切ったんだ
約束の一つも守れねえんじゃあ
漢が廃るってもんだよなあ!
ドォンと一発行かせて貰うぜ!!
(【エアライド】で尻尾交わして、携えしは赤い大刃。【操作会得】も乗せて絶技一閃!)
アナスタシア・コルヒドレ
ついに来たね本丸……すごく怖いよ、怖いさ、ドラゴンなんて空想の怪物。
でも、君をおとせば全部終わるなら、私は絶対に君を討つ。
パラドクス通信で味方と連携を取りつつ接近するよ。
左手に持ったMG42で援護射撃しつつ、右手のBlaue Flammeを点火しておくよ。
【戦闘知識】で攻め際と敵の行動を予測、【情報収集】が終わったならMGは【投擲】【攪乱】、これだけのものが顔に飛んでくれば目を引くはず。
続いて懐に入る。毒は【エアライド】一回回避できれば上等。
Натиск огняを発動させて、斜め上に吹き飛びながら切りつける!
足一つ、【ダメージアップ】【能力値アップ】乗せて【破壊】【粉砕】するよ!!
伊東・舞華
怖い…けど!
【勇気】を振り絞って頑張るよ
行こう、グリント!
使用出来る【戦闘用の残留効果は全て活用】するよ
【パラドクス通信】を活用して連携するね
ドラゴンの毒が汚染するのが土壌だというのなら…
【水源】を利用して其処を土壌で無くしてしまえば良い
残留効果の【水面歩行】を使わせて貰う事で私達は水源の悪影響を受けずに行動出来るからね
よしんば水を汚染出来たとしても、流れる以上揮発性も薄れる筈だよ
もしもの時も【エアライド】で跳んで回避するね
グリントには【誘導弾】で牽制しつつ『ハウンドキャノン』で攻撃して貰うよ
敵の攻撃は私が【ダッシュ】で避けて【時間稼ぎ】するから、その隙にグリントは反撃をお願いね
さあ、行くよ!
●伏兵
強大なこのディヴィジョンを支配するクロノヴェーダであるドラゴンが空から迫る。
対してディアボロスはその歪んだ世界を正そうと、仲間達と力を合わて強敵に挑む。
(隙を晒す時は必ずあるはずだ、そこがきっとチャンスになる)
【パラドクス通信】を使って仲間同士で繋がり、攻撃タイミングを計るべく、星見・晴(赤星番長・g00661)は草木に身を隠してチャンスを待つ。
「ドラゴンっすか。あの子たちを守るためにも全力でいくっすよ」
助けた姉妹たちの安全の為にも勝たなくてはならないと、山田・菜々(正義の味方の味方・g02130)は意気込んでドラゴンに挑む。
「でもまともに戦ったら強そうっすからね。チャンスを待つっすよ」
しかし正面から行くのは危険と感じ、菜々も森の木々を利用して身を隠し死角からの攻撃を狙う。
●空中戦
「ようやくドラゴンさんだね」
ストロベリー・メイプルホイップ(ドラゴニアンのレジスタンス諜報員・g01346)は降下して来る巨大なドラゴンを見上げ、ここからが本番だと気合を入れる。
「でも毒って怖いなー、と言うわけでよーし撃ち落しちゃうぞ!」
【先行率アップ】で先手を取ってパラドクス『破壊の吐息(ダイナミックブレス)』を放つ。大きく口を開けて思いっきり空気を吸い込むと、体内で純粋な破壊エネルギーを生み出し、残留効果によって強化された拡散型破壊光線ブレスを吐き出した。
「ブレスだと!」
驚いたゼラザルムは回避しようとしたが間に合わず、直撃して体のあちこちの鱗が剥げ落ちる。その幾つかは翼に穴を穿って巨体が高度を落とす。
「ぬかったわ、我等が力を持つ者が居たか!」
態勢を立て直そうと、ゼラザルムは一度着地した。
「これで他の人も攻撃しやすいよね!」
ストロベリーは上手くいったと微笑み、さらにブレスを放って追撃する。
「調子に乗るな! その力は所詮我等の紛い物と知れ!」
ゼラザルムは踏みつけた大地を汚染し、毒を放って辺りに漂わせる。
「毒に侵されたら自慢のお肌がぼろぼろにされちゃいそうね」
ストロベリーはそれに気付き、ブレスを止めて後方に跳躍し距離を取った。
「森を燃やし、人々を殺す。恐怖の感情を得るだけではここまではしますまい。……貴方達は何がしたいのです!」
トバリ・ナイトライト(透明の黄昏・g00064)が【エアライド】で空を駆けながら敵に問いかける。
「貴様等のような妖精郷の戦士を誘い出し殺す為よ。この場に集まった戦士を皆殺しにし、妖精郷を侵略してくれる!」
翼を羽ばたかせ空に戻ろうとするゼラザルムが近づくトバリを叩き落とそうと尻尾を振るう。それをトバリは宙を蹴って回避し、腕輪から飛び出させたナイフを胴体に開いた傷口に突き立てた。
「この程度虫が刺したようなものだ」
その程度のダメージは大したことがないと気にもせずにゼラザルムはトバリへの攻撃を続けようとするが、トバリはパラドクス『デストロイスマッシュ』を発動する。
「虫と侮るなかれ、その一刺しが貴方を死に誘います」
ナイフから破壊の力を念動力として伝え、ドラゴンの内部から暴力的なエネルギーを渦巻かせて破壊する。
「ガァッ!?」
ゼラザルムが血を吐き、よろめいて体が降下する。
「何をした!」
睨みつけたゼラザルムが尻尾や体をぶつけようとする。しかしトバリは俊敏に躱し続けた。残留効果で身体能力が上がり、自分よりも強いドラゴンの攻撃でも対応することができた。
「羽虫のように鬱陶しい!」
苛立つゼラザルムが大地に降りる。そして大地を汚染し毒がばら撒かれた。
「妖精郷を滅ぼすなんて……そんな勝手、許すわけにはいかないよ」
初霜・ゆき(冬の雪のように・g03150)が人や妖精が住まう場所を滅ぼさせはしないと、胸に怒りを燃え上がらせる。
「例え敵がどれだけ強くても、退けない理由がある。ゼラザルム……ここで必ず倒してやるんだから。……覚悟!」
怖れる気持ちを熱い怒りで撥ねつけ、ゆきは毒の届かぬ離れた位置でパラドクス『木水行・樹氷弓』を発動する。
「体から毒を撒き散らすなら、距離をとって戦うだけ」
手にした陰陽符から樹氷の如く凍りついた木の和弓を喚び出すと、樹毒を封じた氷の矢を番える。
「今からあの竜を射抜く! 一意専心、正射必中……」
仲間に通信を入れ大きく息を吐くと精神統一して矢を放つ。風を切って飛んだ矢は狙い違わず鋭く竜の右翼を突き破り、さらには左翼まで貫通して穴を開けた。
「ゥゴアアアアアアア!!」
態勢を崩したゼラザルムが怒りを混ぜた殺気を放つ。
「貴様! よくも我が翼を!!」
ゼラザルムがゆきを睨みつけ、毒を放ち木々ごと腐らせようとする。
「毒に塗れて朽ちよ!」
ゼラザルムが踏みつけた土が汚染され、見えぬ毒が空気に混じって撒き散らされる。そしてゼラザルムは傷ついた翼を羽ばたかせ、ゆっくりと空に舞い戻っていく。
「毒に汚染された土壌の影響をなるべく受けない様に気を付けていきましょう」
ラウラ・フォーティア(守護騎士・g01710)はドラゴンの放つ毒に気を付けるように仲間にも声をかけながら、【エアライド】によって宙を蹴り、毒の無い最適ルートを見つけて接近する。
「身体が軽い、これならば行けます!」
繋がる残留効果によって身体能力が上がり、ラウラは黒い竜の翼を広げ空を飛ぶように駆けて間合いに踏み込む。
「我等の力を宿す者が逆らうか! 身の程を知れ!」
ゼラザルムは咆えて尻尾を振るうが、手応えなくその姿を見失う。
「どこへ隠れた?!」
パラドクス『黒渦の裂刃(アビス・ロア)』を発動し、ラウラは【光学迷彩】で空に溶け込むように姿を隠して背後へと回り込んで[魔剣「フィアレス」]を振り下ろす。
「空を舞い暴虐を尽くすのもここまでだ。その翼、切り裂いて地へと落としてやろう」
かつて故郷を滅ぼしたドラゴンに対する怒りと憎悪によって魔剣は鋭さを増し、大きな左翼を中ほどでざっくりと斬り裂いた。
「おのれ!」
ゼラザルムが尻尾で叩き落とそうとするが、ラウラは既にその場から離れていた。そして浮かぶ為に翼を羽ばたかせている所為で裂け目とストロベリーやゆきが開けた穴が広がり、傷が深くなってその巨体が高度を保てなくなり降下していく。
「莫迦な、この我が手傷を負って空から落とされるだと!!」
ゼラザルムは翼の大きな傷を見て、忌々しそうに地上に着地した。
●不意打ち
「ドラゴン……迫力が違うね」
レモネ・ロゼッタストーン(石薔薇の魔法騎士・g02743)はやや緊張しつつ、汗で滑らないよう剣の柄を握り直す。
「でも一人じゃない。きっと大丈夫」
ちらりと周囲の仲間に視線を向け、その頼もしい姿を見て勇気をもらう。
「僕にできることをするよ」
仲間達の支援をしようと、剣を掲げてパラドクス『花の祈り(プロセウケー・ルルディ)』を発動し、周囲を美しい薔薇の花びらで包み込む。
「花びらだと? こんな貧弱なもので我をどうするつもりだ」
花の舞を見下すゼラザルムは嘲笑うように口を開け、毒のブレスを放った。毒に汚染された花びらは枯れ散り、囲みに穴を開ける。
「薔薇よ、もっと癒やしを――そして彼の者を貫け」
だがレモネも負けじと花びらを増やし続け、すぐに包囲の穴を塞ぎドラゴンの体に触れさせる。すると可憐な花は鱗を貫き肉に突き刺さった。
「莫迦な! 花ごときが我が鱗を破るだと!?」
驚き声を上げ身をよじると、さらに花びらが身体にぶつかり小さな穴を穿っていく。
「こんなもので!」
ゼラザルムが大地を踏み鳴らし、毒を撒いて自らを覆い近づく花びらを枯らしていった。
「何度枯れたって花は咲く。僕たちで人も森も守るんだ」
毒になんて負けないと、レモネは諦めずに花びらを放ち続けた。
「鬱陶しい!」
ゼラザルムはその場から離れようとする。
(今がチャンスだ!)
花びらによってドラゴンの視界が塞がった瞬間、晴は迷いなく飛び出す。
「――よお、さっき目が合ってぶりだな!!」
接敵すると眼鏡型ゴーグル["ID"]のブリッジを指で弾いて、コードを音声入力する。
『ID TO BE COSMO END!!』
パラドクス『"ID TO BE COSMO END."(アクセス・コスモノート)』を起動し、赤い機械鎧姿"コスモノート・ハーレー"に変身しながら、【託されし願い】に背中押されるように強大なドラゴンに向けて足を踏み出す。
「矮小な存在など知るものか」
迎撃に振り抜かれる尻尾を【エアライド】で跳躍して躱し、その根に近い部分の揺れが少ない場所に乗る。
「『あとはオレたちが竜どもをぶちのめす』なんて啖呵切ったんだ。約束の一つも守れねえんじゃあ、漢が廃るってもんだよなあ!」
晴が刃のない身の丈程の剣の柄を持つと、赤い大刃が生み出される。
「ドォンと一発行かせて貰うぜ!!」
全力でそれを振り下し、巨大な刃がドラゴンの尾を根に近い位置で断ち切った。
「ギャアオオオオオオオッ!!」
ゼラザルムが激痛に叫び声を上げる。
「どうだ! これが願いの力だ!!」
晴が会心の笑みを浮かべ、千切れ飛んだ巨大な尻尾が無人の家屋に突っ込んで行くのを見た。
「よくも我が尾を! 万死に値するぞ!!」
怒声を上げ、ゼラザルムが毒を放つ。
「今がチャンスっす!」
じっと好機を待っていた菜々もまた続いて木々の陰から飛び出し、射線を確保しながらパラドクス『復讐の刃』を発動する。
「このファンタジーの空間には不釣り合いっすけど、これが人類史の力っす」
復讐の意志を具現化して出現させたのは、携帯式防空ミサイル[FIM-92 スティンガー]だった。ドラゴンの背中に照準を合わせ引金を引く。
「発射っす!」
すると放たれたミサイルのロケットモーターが点火し、加速してドラゴンが避ける暇もなく命中した。爆発が起こり竜鱗が吹き飛んで背中の肉が大きく抉れる。
「なんだ!? 何が起きた!」
命中してから攻撃に気付いたゼラザルムが振り返ると、スティンガーを構える菜々の姿があった。
「貴様か!! 我が鱗の一枚が貴様等の命に匹敵すると思え!!」
激高したゼラザルムが木々を薙ぎ倒しながら尻尾を振るい、菜々を叩き潰そうとする。
「気付かれたっす! でもダメージは与えたっすよ!」
慌てて菜々が逃げ出し、尻尾の攻撃を避けた。
●勇気を胸に
「ついに来たね本丸……すごく怖いよ、怖いさ、ドラゴンなんて空想の怪物」
アナスタシア・コルヒドレ(記憶をなくした殲滅機兵・g00340)は地に在っても巨大なドラゴンを見上げる。
「でも、君をおとせば全部終わるなら、私は絶対に君を討つ」
勝利して人々に平穏を取り戻す為なら恐怖なんて乗り越えてみせると、左手に持った[MG42・サイボーグカスタム]で弾幕を張り、仲間を援護しながら右手に握る大曲剣[Blaue Flamme]の峰側にあるジェットエンジンを点火させた。
「この程度で我の鱗を貫けるものか」
ゼラザルムは構わずに鱗で弾丸を弾き、無視して攻め続ける。
「鱗がある体への攻撃は効果が薄いみたいだね。なら鱗に覆われてない目か口を狙おう」
胴体への攻撃は効果が薄いと見て、顔に銃口を向けて弾を集中させてばら撒いた。
「これだけのものが顔に飛んでくれば目を引くはず」
すると鬱陶しそうにドラゴンはアナスタシアを見下ろした。
「邪魔をするならまずは貴様から潰そう」
ゼラザルムが降下し、アナスタシアを脚で圧し潰そうとする。それを飛び退いて躱すと、撒き散らされる毒を【エアライド】で跳躍して躱して懐に入る。
「このチャンスで決めるよ!」
挑発に乗って近づいた今が好機と、アナスタシアはパラドクス『Натиск огня(ナィチェス・ガグニャ)』を発動し、Blaue Flammeのエンジンを全開にして蒼い炎を吹き上げる。
「吹き上がれぇ! 蒼炎の刃ぁ!!」
土煙を上げながら斜め上に吹き飛びながら、高速連続回転斬りを左脚に浴びせた。鎧のような鱗が吹き飛び斬撃がドラゴンの肉を深く切り刻む。
「ゥガアアアアアアッ!」
痛みにゼラザルムは咆え、支えきれなくなった体が左に傾いて木にぶつかった。
「やった!」
「このドラゴンである我の足をよくも!」
浮かび上がり喜ぶアナスタシアに、ゼラザルムが叩き落とそうと尻尾を振りかぶる。だがそこで足元に水が流れた来た。
「怖い……けど!」
胸に宿る勇気を振り絞り、伊東・舞華(希望を信じて・g03699)は顔を上げドラゴンと胸を張って向き合う。
「行こう、グリント!」
「ワンワン!!」
パンツァーハウンド『グリント』と共に駆け出した。
「ドラゴンの毒が汚染するのが土壌だというのなら……」
思いついた作戦を試してみようと、舞華は【水源】の効果によって清らかな川を生み出し、水の流れによってドラゴンの足元を水没させ毒に塗れた土壌を押し流す。
「水で毒を洗い流すつもりか? 無駄だ、この程度で我が毒を防ぎきることはできん」
重いドラゴンの巨体はその場を動かず、水底の土壌が新たに毒を放つ。
「毒が生み出されても、水が流れる以上揮発性も薄れる筈だよ」
そうして一時的に毒素が撒き散らされるのを減少させると、【水面歩行】で川の上を駆け出してドラゴンに接近した。
「何をしようとも無駄なこと。貴様等はここで森と共に死ぬのだ」
ゼラザルムは川の水を吹き飛ばしながら尻尾を薙ぎ払う。
「無駄なんかじゃない! 私達は必ずこの森も住む生き物も守ってみせる!」
舞華は【エアライド】で高く跳躍し尻尾を回避する。そうして敵の気を引いている隙に、離れた場所でグリントが背負った砲身をドラゴンに向ける。
「ワン!!」
パラドクス『ハウンドキャノン』を放ち、発射された砲弾が狙い違わずドラゴンに左目に直撃した。
「グガァアアアアアア!!!」
片方の視界を潰されゼラザルムが痛みに顔を上げて咆える。そして尻尾が暴風のように周囲の木を薙ぎ倒した。
(「竜。とても、おおきい、でした。翼のはえた……西の竜は、蜥蜴の、ごと」)
金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)が巨大な西洋の竜を見上げ、東洋の龍とは姿が違うと頭の中で比べる。
「是なるくびは、はね甲斐、ありそう、です」
人を害する悪しき存在ならばここで倒してみせようと、鞆は【エアライド】を利用し空に跳び上がってドラゴンに近付く。
(「ぱらどくす、距離、ねじまげる。なれど……やはり、間合、見極めて攻める、です」)
こちらの攻撃が狙いやすい距離を探り、パラドクス『鬼神変』を発動し、鬼の血を目覚めさせ衣の袖を破かぬように右腕を大きく巨大化させた。
「我に近づくな! 毒で朽ちよ!」
傷付いたゼラザルムは警戒し、風を吹かせて毒を撒き散らす。
(「毒、風に載せる、なれば。こちらも風を操りて緩和する、ですよ」)
鞆は空いた左手に[仕掛け扇]を持ち、扇を開いて毒を払う。さらに【水源】によって川を作って汚染された土壌を流す。毒が一時弱まり、その隙を突いて鞆は鬼の腕を振り抜いた。拳がドラゴンの顔を打ち抜き、鞆の小さな体が遥か大きな巨体を吹き飛ばす。
「おおきい、でも、竜、倒すは、人間、です」
腕を振り抜いた態勢で鞆は着地し、振り返ってドラゴンの動きに注視する。
「おのれおのれ!」
激高したゼラザルムが左脚を引き摺りながら立ち上がり、足元から呪詛の混じった毒を撒き散らした。
「とうとうゼラザルムとの戦いか……」
新堂・亜唯(ドロップダスト・g00208)は間近で見るドラゴンの巨体に威圧される。
「……こいつがドラゴン。まるで平和な頃に観てた特撮番組に迷い込んじまったような気分だ」
現実にこんなものに出会うなど思いもしなかったと、亜唯は現実感のない光景に笑った。
「気をつけなきゃならないのは、やつの毒……」
殴りに駆けつけたいが毒に侵されれば動きが鈍る。そこへあの巨体からの一撃をもらえば大ダメージだと考え、それは避けようと亜唯は空中から攻めることに決めた。【エアライド】を活用して毒を飛び越えドラゴンへと接近する。
「鬱陶しい羽虫が増えたか!」
ゼラザルムは尻尾を振るって亜唯を叩き落とそうとする。
「おっと……尻尾に巻き込まれないように、タイミングは見計らわないと」
途中でフェイントを入れ、尻尾が通り過ぎた機を狙って亜唯は拳の間合いに入る。
「……正直、怖いけど、これ以上エルフの住むところを毒で汚すわけにはいかない。あちこち歩き回る前に、こいつを止めるんだ!」
背中に飛び乗るとパラドクス『螺月流・徹拳』を使い、流派「螺月流」に伝わる構えにより膂力を高め、拳を背中に打ち込んだ。その一撃は鱗を砕き肉を粉砕する。
「ガハァッ!!」
仰け反ったゼラザルムが口から血を吐き、うつ伏せに地面に倒れ込み動かなくなる。
「やったか!?」
倒れ伏したドラゴンを亜唯が見下ろす。だがその目がぎょろりと動き亜唯を見た。
「我を地に伏せさせるだと……この恥辱、貴様を八つ裂きにしてそそいでくれよう!!」
ゼラザルムが尻尾を薙ぎ払い亜唯を狙う。
「うわっ!」
慌てて亜唯は後方に宙返りして躱す。
「あ、危なかった。油断大敵だな」
確実に止めを刺すまで気を抜くまいと、亜唯は続く尻尾の攻撃を避け宙を駆け回る。
●繋がる心
「我はドラゴンぞ! 貴様等に負けるなどありえぬ!」
傷だらけのドラゴンは、それでも自分が負けるなどと考えられずに毒を放って咆える。
「みんなの力を合わせれば、毒もドラゴンも怖くない」
レモネは仲間が作り出した流れる川に花びらを纏わせ、水鉄砲のように勢いよく撃ち出して毒を霧散させる。さらに舞った花びらがドラゴンの視界を塞いだ。
「確実に弱ってる。後少し……さあ、行くよ!」
弱っていようとも強者であるドラゴンの脅威に変わりはない。それでも勇気を胸に舞華はグリントと共に攻撃を仕掛け、舞華が眼前を跳び回って気を引いる隙に、グリントが砲撃を左脚の傷口に当て敵の態勢を崩した。
「ドラゴンだって、みんなで力を合わて倒してみせる!」
アナスタシアは蒼い炎を剣から噴射して加速し、態勢を立て直す前に飛び込むと斬撃を顔に浴びせた。
「グガアアアアアッ!!」
ゼラザルムが咆えて暴れ出す。そして近づかせぬように毒を撒き散らした。
「ここは任せて! 私が防いじゃうぞ!」
ストロベリーが破壊のブレスを吐き出し、毒を相殺し消し飛ばす。
「ドラゴンだって倒してみせるっす!」
菜々が新たに装填したミサイルを発射し、ドラゴンの残った右脚を吹き飛ばした。
「さっきオレのことを万死に値するとか言ってたな。だがお前の罪は万死でも許されねえ!」
人々を害するドラゴンに向け晴は赤い大刃を一閃し、大きくそして深く体を斬り裂く。
「人も、森も、お前の好きになんてさせない!」
【植物活性】で毒や薙ぎ倒された植物を元気づけていたゆきが新たな氷の矢を番え、放ってドラゴンの残った目を貫いた。
「ギィガアアアアアアアッ」
視界を完全に失ったドラゴンが暴れ回り木々を薙ぎ倒す。
「竜、とて、くびを、はねれば、死に、ます」
跳躍した鞆が宙を蹴って急降下し、鬼の腕を振り下ろして首に叩き込んだ。爪が肉を削ぎ落とし骨が露出する。
「妖精郷のエルフ達のためにも、ここで貴方を討ちます!」
続けてトバリが腕輪から飛ばすナイフを首の傷口から骨に突き刺し、念動力で激痛を与え骨を砕いた。
「グギャアアアア!!」
苦悶の悲鳴を上げて巨体が揺れる。
「これで終わりにする!」
空より飛び掛かった亜唯が追い打ちで首に拳を打ち込み、骨をへし折って肉を引き千切った。首がもげてドラゴンの頭が宙に飛ぶ。
「我が負けるなど信じられん……ただでは死ねぬ。道連れになってもらうぞ!」
頭だけになったゼラザルムが残った命を燃やし、大きく開いた顎から毒のブレスを吐き出す。
「今度こそ、守り抜いてみせます」
肩を並べる仲間も救うべき人々も、誰も殺させはしないと、正面に立ったラウラは魔剣を振るいブレスを切り裂いた。その斬撃はドラゴンの顔をも断つ。
「無念…………」
力尽きたゼラザルムの頭が地面に転がり、完全に動かなくなる。
それぞれ個の力が繋がり、大きな一つの意志の力を以って強大なドラゴンのクロノヴェーダを打ち破った。
「皆を守れました……!」
失われた故郷の事を思い出し、今度こそは守ることができたとラウラは微笑んだ。
●再建へ
戦いが終わると毒によって朽ちた木々を少しでも修復する。だがドラゴンが暴れて崩れた木造家屋はまだそのままだった。
「まさか本当にドラゴンを倒してしまうなんて!」
戻って来た村人達が驚きの声を上げ、ディアボロス達と倒れ伏すドラゴンを見た。
「なるほどね……」
倒れたドラゴンの傍ではストロベリーが興味深そうに観察している。
「これからどうなさるおつもりですか?」
村を壊された村人の行く末を心配したトバリが尋ねる。
「ふむ、この隠れ里はやつらに知られてもうた。村は少し場所を移して再建するつもりだ」
ディアボロス達にエルフの長老が告げ、集まったエルフ達が笑顔で口々に助けてもらった感謝を告げる。
「助けてくれてありがとうございます!」
「ありがとうございます。ほらノノも」
「ありがとー!」
何度も感謝を伝える村人達が名残惜しそうにしながら、新たな村造りの為に去っていくのを同じように笑顔で見送り、ディアボロス達は任務を完璧にやり遂げられたと満足そうに妖精郷を後にした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】がLV3になった!
【操作会得】がLV2になった!
【怪力無双】LV3が発生!
【活性治癒】がLV3になった!
【植物活性】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【託されし願い】がLV2になった!
【動物の友】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【能力値アップ】がLV7になった!
【ドレイン】がLV4になった!
【ダブル】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!