リプレイ
峰谷・恵
「撹乱、陽動に徹して戦列を崩していけば斬り込む隙もできるはず」
タイミングを合わせ可能な限り連携を取る。アドリブOK。
障害物伝いに敵陣へ駆け寄り、バリケードを盾に固まっている敵集団に炸裂気功撃を叩き込んですぐに離脱する。敵の反撃は連続バックステップで距離を取りながらLUSTオーラシールドで光熱波動直撃を防ぎ、残る熱は魔闘気で防ぐ。
通信障害で敵通信を遮断し、追撃に来る敵はLUSTビームマシンガン掃射で牽制しながら障害物伝いに逃げ回り固まったところに再度炸裂気功撃を叩き込むのを繰り返し可能な限り敵の注意を引き付け、他のディアボロスが仕掛けやすい状況を作り出す。
「にしても王宮にまで趣味の悪い兵士を…」
無堂・理央
ここの防衛に出て来てるのは鉄屑兵か。
なるべく苦しませずに逝かせてあげるのが慈悲、なのかな?
無双馬『クロフサ』に騎乗して斬り込んでく!
ボクは騎兵の脚を活かして敵の連携を崩してくよ。
戦場を駆け巡りながら、妖刀から【呪詛】を濃縮して敵に向かって放出!
弾丸みたいに【呪詛】を撃ってけば、ダメージにならなくても体勢崩しには十分でしょ。
敵の体勢が崩れたら、【ダッシュ】で一気に間合いを詰めて駆け抜けざまに妖刀一閃で斬り捨てる!
脚は一切止めずに【一撃離脱】の要領で駆けながら斬って行き、敵の体勢が崩れて無い時は濃縮【呪詛】弾で体勢崩しを積極的にやってく。
対トループス級戦を行う他の人とは可能な範囲で連携するよ。
シル・ウィンディア
電撃戦か…
スピードが命なら、全力で突破するだけっ!!
相手がバリケードとかトーチカとか使うなら…
障害物に向って、世界樹の翼type.Cから誘導弾を撃っていくよ
連射して、吹き飛ばしを試みるよ
常に脚は止めずに動き回るよ
動くときは、残像も生み出し、フェイントを入れての攪乱移動
飛翔の効果も使って惑わせていくね
しばらくは障害物に対して攻撃を仕掛けつつ…
トーチカを使う敵を優先的に狙っていくね
使うは、高速詠唱で隙を減らしてからの天翔光撃破
障害物を巻き込みつつ敵も攻撃だね
敵の攻撃はガードアップの効果で、光の翼を防御に使って防ぐよ
さぁさぁ、止められるなら止めてみてっ!
わたし達は止まらないよっ!
●先陣、舞う
「ここの防衛に出てきてるのは鉄屑兵か」
なるべく苦しまずに逝かせてあげるのが慈悲、なのかな? と小さく呟いて、トループス級である『鉄屑兵』が敷く防衛ラインに向かい、先手を取るかのように切り込んだのは無双馬『クロフサ』に乗った無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)、そして彼女に合わせるようにして駆け出した峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)とシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)だ。
「撹乱、陽動に徹して戦列を崩していけば斬り込む隙もできるはず」
「電撃戦ね、スピードが命なら、全力で突破するだけっ!!」
恵の言葉に頷き、シルが障害物であるバリケードに向かって、魔力銃モードに切り替えた白銀の長杖を構える。
「わたしが障害物を吹き飛ばしてみるから、理央さんはそこからお願い!」
「わかった、ボクが向かってくる敵の連携を崩すから、取り逃したのを恵さんに任せてもいいかな?」
「勿論、ボクに任せて!」
シルが迷うことなく構えた世界樹の翼から、誘導弾を放つ。次々と放たれるそれは、鉄屑兵を炙りだすかのようにバリケードを破壊していく。
『う、あ、あ』
隠れる場所を失った鉄屑兵に向かって、理央が無双馬と共に駆ける。手にした妖刀に宿る呪いを解き放ち、連携して襲おうとする彼らを分断するように刃を振るう。それはまるで弾丸のように呪詛を放ち、敵が怯んだ隙を狙ってクロフサに号令を掛ける。
「クロフサ!」
主の声に応えるように、クロフサが間合いを詰めるように駆け、擦れ違いざまに理央が妖刀の刃を煌めかせた。
『やめ、て、こないで』
うう、と唸るように鉄屑兵が声を上げ、理央に向かって鋼鉄の爪による連撃を繰り出す。
「ッ! 擦れ違いざまに一撃入れてくるなんてね!」
士気が上がっているというのは間違いないのだろう、それとも後がないと分かっているからか、鉄屑兵の動きも理央に負けぬほどだ。
「後ろががら空きだよ! 破ァッ!!!」
トーチカの真上を伝い、恵が分断された鉄屑兵に向けてサキュバスのフェロモンを乗せた闘気塊を叩き付け、鉄屑兵が自身に群がる前に離脱するべく駆け抜ける。
『あつい、くるしい、あああ』
バックステップで距離を取る恵に向け、鉄屑兵の動力炉から赤々とした波動が放たれた。
「なんの、これしきっ!」
熱い、熱いけれどこれくらいは軽傷にもならないと、LUSTオーラシールドを構えた恵が惜しげもなく美脚を見せながら敵から距離を取った。
わらわらと押し寄せる鉄屑兵を理央と恵が相手取り、シルはトーチカを使いこちらを狙う敵を阻止するべく脚を止めることなく誘導弾を撃ち放つ。
「取り敢えずトーチカが壊せればまずはよし、だね」
パラドクスの力でしかクロノヴェーダにはダメージを与えられない、それは全てのディアボロスが知覚するところ。こちらへ向かってくる鉄屑兵に向け、高速詠唱による誘導弾を連打しながらシルが光の翼を背に出現させる。
「光よ、我が手に集いて力となり、暗夜を斬り裂けっ!」
障害物さえも巻き込んで、シルが杖先を突き出すようにして光の斬撃破を放った。
「いたい、いたい、たすけて、たすけて」
倒しきれぬ鉄屑兵の悲痛な叫びがシルの胸を揺さぶるけれど、光の翼を身に纏い毅然とした表情で残像を生み出しながら戦場を駆けた。
「それにしても多いね」
「さすが敵の本陣ってところかな?」
恵の言葉に理央が頷きつつ、二人も動きを止めることなく戦場を駆け巡る。
「恵さん、理央さん!」
「シルさん!」
近くにあるトーチカは粗方潰したというシルに二人が頼もしいと笑い、まだ多く残る鉄屑兵を見遣る。
「出来る限り減らすしかない、よね!」
理央がクロフサの首筋を軽く撫でると、美しき黒馬が高く嘶いた。
「うん、わたし達は止まらないよっ!」
シルが光の翼を広げ、高らかに叫ぶ。
「さぁさぁ、止められるなら止めてみてっ!」
今度は自分に敵の意識を向けるようにシルが光の斬撃破を放つと、それに合わせるように恵がフェロモンを乗せた闘気塊を叩きこみ戦列を崩していく。
「理央さん、行って!」
恵の声に理央が応えるようにクロフサを走らせ、手にした妖刀で二人の攻撃で倒しきれなかった鉄屑兵を斬り捨てる!
「良い調子、このまま押し切るわよっ!」
シルが笑みを浮かべ、もう一歩戦線を押し返すように駆けた。
「にしても、王宮にまで趣味の悪い兵士を……」
「それだけ人手が足りてないってこと、なのかな?」
理央がそう言いつつ、鉄屑兵を見遣る。
まだ多くいるこの兵を多く倒す――それはもしかしたら彼らにとっても救いになるのかもしれないと思いながら、再びクロフサと共にシルを追う。
「だからこそ、今が好機ってことなんだね」
恵もまた、この好機を逃さぬようにと、戦場を制圧するべく走り出すのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【通信障害】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
樹・春一
◎
『女王』と!(g00003)
救済ですか! わかりました!
この拳をもって! 完璧に救済して差し上げましょう!
真正面からぶつかるのは危ない?
確かに屈強そうな相手ですね……
ちょっと神に相談しましょう。もしもし神ー?
冗談です!
いざ神言! 神は仰いました! 民よ声を聴くべしと!
正面から当たれないなら勝手に戦ってもらえばいいのです! 同士討ちに期待です!
女王が眠らせてくれるなら近付かれても平気ですね! 寧ろ向かっていってもいいくらいかもしれません!
叫ぶほどお辛いですか!
残念ながら僕には気持ちはわかりませんが、終わらせて差し上げることはできますよ!
さあ僕らの声に身を委ねて! 救済はすぐそこです!
風呂井・ゆうや
◎
『男爵夫人』(g00319)と
暴れ回るのが仕事、か
混乱させるだけならぼくらでも出来るかな
ふふ、頼りにしてるね、男爵夫人
……にしても、完璧な機械であるなら躊躇なく破壊できたけど
苦しみながら突撃されたらさ、憐れんでしまうよね
……うん、きみ達にまだ人間としての心があるのなら
『夜』の女王、夢の番人としてきみ達を救おう
男爵夫人の神言で惑う彼らへ近付いて
ぼくの魔力を浴びせて注ごうか
ねえ、どんな夢が見たい?
楽しい夢?嬉しい夢?幸せな夢?……苦しくない夢?
深く深く眠りの底へ落として、現実の痛みから遠ざけてあげるよ
……大丈夫、もう目覚めなくていいんだ
ぼくらの声に身も心も委ねて、深く深くおやすみ
●眠りを持って救済となす
先陣を切った三人とはまた違う方向より、樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)と風呂井・ゆうや(夢游描・g00003)は敵が作り上げたバリケードとトーチカ、そしてそこから群れを成す鉄屑兵の動きを見ていた。
「暴れまわるのが仕事、か」
混乱させるだけなら、ぼくらでも出来るかな、とゆうやが柔らかく微笑む。
「僕らに掛かれば楽勝ですね!」
「ふふ、頼りにしてるね、男爵夫人」
男爵夫人と呼ばれた春一が、お任せくださいと胸を叩く。
「ですが、真正面からぶつかるのは危ない? みたいですから」
屈強そうな見た目ですしね、と鉄屑兵を見遣り、春一がううんと小さく唸る。
「ちょっと神に相談しましょう。もしもし、神ー?」
随分とフランクな問い掛けを口にしつつ、春一が冗談です! と笑って立ち上がった。
「僕の神言で救済してみせましょう!」
いざ、と春一が歌うように、祈るように、囁くように、笑うように言葉を紡ぐ。
「神は仰いました! 民よ、声を聴くべしと!」
春一の声はサキュバスの幻惑の力によって、鉄屑兵の頭の中へ直接声を響かせ、錯乱させる。
『ああ、あ、いたい、たすけて』
鉄屑兵の悲痛な叫びが春一を襲うけれど、その痛みをぐっと飲み込むようにして春一が笑みを浮かべたまま高らかに宣言する。
「救済ですか! わかりました! この拳をもって! 完璧に救済して差し上げましょう!」
「彼らはまだ、心を持っているのだね」
「悪趣味、というやつです!」
「完璧な機械であるなら躊躇いなく破壊もできたけど、苦しみながら突撃されたらさ、憐れんでしまうよね」
ゆうやが呻く鉄屑兵を眺め、憐れみを滲ませて目を細めた。
「女王がそう言うのなら、きっとそうなのでしょう!」
うん、とゆうやが春一に微笑んで、鉄屑兵に問うように続ける。
「きみ達にまだ、人間としての心があるのなら『夜』の女王、夢の番人としてきみ達を救おう」
呻き、苦しみ、それでも戦わねばならない、きみ達の為に。
「男爵夫人、もう一度お願い」
「お任せください! さあ、今一度神の声を聴くのです!」
正面から当たるのが不味いのならば、幻覚と戦ってもらえばいい。更には同士討ちをしてくれれば尚良しだと神言を紡ぐ。彼らの叫びは甘んじて受けましょう、あとで倍にして返しますけれど、と春一が唇の端を持ち上げた。
彼が耐えられるうちに、と惑う鉄屑兵に近付くと、ゆうやが濃密な魔力を放つ。
「ねえ、どんな夢が見たい?」
彼女の手が届く範囲、それが夢魔たる彼女の領域。
「楽しい夢? 嬉しい夢? 幸せな夢? ……苦しくない夢?」
『ああ、う、あつい、くるしい』
超高熱の波動を放つ彼らに、ゆうやがそう、と頷く。
「これがきみ達の苦しみなんだね」
熱いね、苦しいね、と囁いて、まるで揺り籠を揺らすかのような優しさで、鉄屑兵を深い深い眠りの底へ落としていく。
「女王が眠らせてくれるなら近付かれても平気ですね!」
寧ろ、向かっていってもいいくらいかもしれません、と春一が神の言葉を口にしながら笑う。
「叫ぶほどお辛いですか!」
呻き、叫ぶしか痛みを発散できない彼らへ、慈悲にも似た笑みを浮かべて春一が滔々と語る。
「残念ながら僕には気持ちはわかりませんが、終わらせて差し上げることはできますよ!」
「そうだね、男爵夫人。終わらせてあげよう」
現実の痛みから遠ざけて。
夜の眠りの中に救済を見出すように。
「ぼくらの声に身も心も委ねて、深く深くおやすみ」
大丈夫、もう目覚めなくていいのだと、救済を受け入れた鉄屑兵の瞳は安らかにも見えた。
「さあ、次へ行きましょう、女王! 僕らの救済を待ち望むものは、まだまだ沢山いますよ!」
「うん、行こうか」
この先に待つであろう、彼らを眠らせる為に――。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【未来予測】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
高遠・葉月
アレンジ、共闘歓迎。
何かの実験の産物なんでしょうけれど…。
哀れ、とは思わないわ。立ち塞がるのであれば踏み砕くのみよ。
あたしの立ち位置は前衛。基本的に正面からぶつかっていく。
熱波や爪撃にひるまず大剣を盾にして【ダッシュ】で突っ込む。
そのまま近接射程に入ったら勢いのまま【ジャンプ】して
【怪力無双】を載せたパラドクスで縦に一撃。
頭をカチ割ればそれ以上痛いとも熱いとも思う間もなく逝けるでしょう
共闘者の作戦には基本的にのっかる。力作業が必要な部分は手を貸すわ
鉄屑兵の動力炉に攻撃を加えると爆発するようなら別個体に蹴り飛ばしたりして誘爆を誘ってみようかしら
撤退タイミングはみんなと併せ無理しない範囲で。
ヘルガ・ブラッドウォーデン
そう、……君たちは『生きていたい』だけなんだ
必要もないのに戦場に出されたんだね
同情はしないよ、でも……終わらせるね
どうせなら機関銃でも手配すれば良かった…なんて後悔しつつショットガンに熊撃ち用のスラッグ弾を装填
装甲破砕用の大型で硬い弾丸で高熱から少しでも距離を取って銃撃で動力炉の防護を剥がして、露わになった炉にグラビティを叩き込んで確実に息の根を断つ
効率は…正直よくないからなるべく味方と足並みを揃えて、遮蔽を意識して侵攻
こういうのは「数」の勝負だからね
味方に遠距離範囲攻撃持ちがいるなら、僕は装甲を壊し続ける役目に専念
……うん、おやすみ。殺した恨みはそっちに行ってから受け止めるよ
一角・實生
◎
断片の王へ繋がる絶好の機会
もしかしたら俺の記憶に繋がる手掛かりも……いや、今はやめよう
敵の低い知能を利用する
グラナトゥムとアドウェナを使い攻撃しつつ、敵から挟み撃ちにされる状況に持ち込む
己の戦闘知識と観察能力で機を看破すると同時に空中へ【飛翔】
俺に当てる筈だった攻撃を互いにぶつけ合わせるよ
追撃でパラドクスを発動
バリケードを背に同様のことができるならやってみよう
悲痛な叫びは己の呪詛を放出することで相殺する
苦しみの声なんてもう聞き慣れた
トーチカは開口部を狙えるならそこを攻撃
全壊せずとも機能停止できればそれで良い
その後は仲間の隙を埋める援護射撃や
飛翔し周囲の状況を仲間に伝える
立ち止まらずに行くよ
●声を聞いて
仲間が道を切り開いてくれたとはいえ、まだまだ防衛ラインを守る為に配置された鉄屑兵の数は多い。そして、その怨嗟の声も色濃く戦場に響いていた。
「何かの実験の産物なんでしょうけれど……」
趣味が悪いわ、と高遠・葉月(猫・g04390)が小さく呟く。
「きっと……それでも、彼らは『生きていたい』だけなんだ」
その数の多さを買われ戦場に出されたのだろうと、ヘルガ・ブラッドウォーデン(死銀の硬貨・g00717)憶測ながらもそう口にすると、敵の動きを観察していた一角・實生(黒頭鷲・g00995)が静かに頷く。
「それくらい敵は焦っているということなんだろうね。宮殿の奥にいる断片の王を守る為に……俺達にとっては絶好の機会だ」
「そうね、だから……哀れ、とは思わないわ。立ち塞がるのであれば踏み砕くのみよ」
葉月がそう言うと、あたしが前に出るわ、と二人に告げる。
「うん、私も同情はしないよ、でも……終わらせる為にいくよ」
なら、その後ろから援護するとヘルガが頷き、實生もそれに倣うように立ち上がった。
「行こう」
言葉少なにそう言って、もしかしたらこの先には俺の記憶に繋がる手掛かりもあるのかもしれない……と考えて思考を振り払う。まずは目の前の敵を殲滅するべきだと、葉月の合図と共にヘルガと實生も戦線へと踊り出た。
魔力で構築した大剣を盾に、葉月が鉄屑兵達の前へと姿を晒す。
「ほらほら、こっちよ!」
注意を己に引き付け、ヘルガと實生にバリケードやトーチカを任せる作戦だ。
「そぉれっ!」
前に出てきた鉄屑兵に向かって、渾身の力で大剣を頭上から振り下ろす。怨嗟の声を発する暇も無く、鉄屑兵がその場に崩れ落ちていく。
「頭をカチ割れば、それ以上痛いとも熱いとも思う暇なく逝けるでしょう?」
葉月なりの慈悲であり、優しさだ。
だって救うことはきでないのだから、それならば一思いに楽にしてやった方がいい。
「まだまだ! いくわよ!」
葉月が鉄屑兵の放つ熱波に怯むことなく前へ進む、その後方でヘルガは手にしたショットガン『ノック・ノック』に熊撃ち用のスラッグ弾を込めていた。
「どうせなら機関銃でも手配すれば良かった……」
「……それで充分だと思うよ」
込める弾が凶悪なんだが、と思いつつ、實生が構えるのは大口径のセミオート式狙撃銃『グラナトゥム』だ。
構えたそれで、トーチカの開口部に狙いを付けて狙撃を試みる。少しでも葉月の負担を減らそうと、ヘルガもまた鉄屑兵へと向かっていく。トーチカを破壊しつつ、向かってくる鉄屑兵に向けて己が手の魔剣に込められた悪性情報をひと時解放する。
「嘆きの叫びよ、大地を呪え」
凝縮されたそれは、一本の槍へと姿を変えて鉄屑兵の動力炉を穿った。
「効率は正直よくないけど」
それでも、仲間がいるならば悪くはないはず。鉄屑兵が動かなくなったのを確認し、すぐに違う鉄屑兵へと向かっていく。
「パラドクスの力でなければダメージが与えられないとはいえ……注意は惹けるだろう」
グラナトゥムでトーチカを落としつつ、ソードショットガンの『アドウェナ』で鉄屑兵を撃ち、自身を挟み撃ちさせるように實生が動く。呻きながらも實生を攻撃しようと近寄る鉄屑兵をギリギリまで引き付けると、地を蹴って空中に飛んだ。
光と浄化の力を翼に纏わせ、實生が羽ばたく。それは刃を持つ無数の光る羽根を生み出し、鉄屑兵へと降り注ぐ。
『いたい、たすけて……!』
「苦しみの声なんて、もう聞き慣れた」
それでも僅かに深緑の瞳を伏せて、己の呪詛を放出しても相殺しきれぬ彼らの声を抱え、實生が前を行く葉月を追った。
「まだまだ!」
群れ成す鉄屑兵を前に、一歩も引かぬ勢いで葉月が大剣を振るう。バリケードを超えるように高く跳び上がり、振り下ろす大剣は彼らにとって恐怖だっただろうか、それとも救いだっただろうか。
「……おやすみ、殺した恨みはそっちに行ってから受け止めるよ」
ヘルガが淡々とした声でそう告げて、パラドクスの力で作り上げた槍を放つ。逸れることなく動力炉を貫くそれは、子守唄に成り得ただろうか。
「悪いけど、立ち止まることは出来ないから」
空中より援護射撃をしながら、實生が放った浄化の力持つ羽根は、彼らの福音たり得ただろうか。
三人にそれを推し量ることなどはできなかったけれど、ただ迷うことなく鉄屑兵を殲滅し、王宮への道を切り開くために振り向くことなく駆けた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
鉄屑兵達が作り出していた戦線を抜けたその先、待ち受けるのは彼らを指揮していたアヴァタール級クロノヴェーダ『マックス・インメルマン』であった。空中戦を得意とする彼は、向かってくるディアボロス達に向けて唇の端を持ち上げる。
『来るがいい、ディアボロス。このマックス・インメルマンがお前達を阻んでみせよう!』
強敵と戦える喜びに震えるかのように、搭載した動力炉が熱気を上げた。
峰谷・恵
「あのインメルマンの名前を使ってる以上、空中はあっちの舞台」
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
モブオーラで気配を殺しながらすぐ遮蔽に身を隠せる位置でチャンスを伺い、敵が壁に当たらないよう方向転換する瞬間を狙ってLUSTビームマシンガンの連射に紛れこませてパラドクスを直射で撃ち込む。パラドクス発動すぐに物陰に身を隠し、LUSTオーラシールドで敵の反撃を防ぐ。
その後はLUSTビームマシンガンの連射を撃ちかけてパラドクスを紛れ込ませた対空弾幕を敵に意識させて他のディアボロスが仕掛ける隙を作る。
「いくら広くても王宮内じゃどうしても最高速は出せない。こんな戦場に送り込む司令官持つと苦労するね」
高遠・葉月
アレンジ、共闘歓迎。
インメルマン。つまりそういうこと。
名前から対策が練れるのは卑怯かもしれないけれどこっちも生きるか死ぬかよ。恨み言なら地獄で聞くわ
【飛翔】で空中戦を挑む。速度の加減はなし。2刀斧で空中で食らいつくように飛び接近戦を仕掛ける。
向こうがすれ違うように飛んでくるなら慣性は殺さないまま無理やり体制だけ後ろに向けて反転し【未来予知】でターンの方向を確認。
ターンして速度が落ちるポイントを目掛けてパラドクスを使用。
進行方向の慣性を無視して逆Gに体を痛めつつ敵にまっしぐらに飛び魔力変換した大斧で振り下ろすようにぶん殴る。
地面まで落ちたら【泥濘の地】。
あとはまっしぐらに落ちてとどめを刺しに行く
ヘルガ・ブラッドウォーデン
『戦争」だからね、別に非戦闘員を使った卑怯や外道も糾弾はしないさ
――でも『気に食わない』から黙らせる
王宮の壁を背に「一撃で勝負を決めよう」という姿勢を見せる
そうすれば相手はそれをスルーして死角から叩き込む攻撃でキメようとするでしょ
だから、一撃目は投げ捨てる。居合抜きで仕留めようと剣を構え、それを抜き放つと見せかけて、相手の服かそのデカイ翼を全力で“掴む”
掴むのが成功すれば後は至近距離でロンギヌスをぶち込むだけでいい
当てが外れれても、壁を背にしてれば、一番高い攻撃力を引き出せる位置取りを頭上だけに絞れる、そこに賭けて最大威力でぶん殴る
私はお前を掴まえた
誇りも愛国も囀るな、反吐が出る
●空を往く
これは『戦争』だ、と残存するバリケードに身を隠しながら、ヘルガ・ブラッドウォーデン(死銀の硬貨・g00717)は呟く。
「だからね、別に非戦闘員を使った卑怯や外道も糾弾はしないさ」
それに頷くのは高遠・葉月(猫・g04390)と峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)の二人。
「そうね、わたし達にとっては奪われた地球を取り戻す為の戦い、そして敵にとっては王宮に踏み込まれない為の戦い」
「ひいては断片の王を守る為の戦い、ってことだね」
でも、とヘルガが王宮を守るように扉の前で待ち構えるアヴァタール級のクロノヴェーダ『マックス・インメルマン』を覗き見る。
「私は『気に食わない』から黙らせる」
「そういうの、ボクも好きだよ」
「ええ、わたし達で……まずは彼を黙らせるとするわよ」
一時の共闘をと視線を交わし、ヘルガと葉月が立ち上がった。
「インメルマン、ね」
つまりはそういうことなのだろうと、葉月が当たりを付ける。名前から対策が取れるのは卑怯かもしれないけれど、こっちだって生きるか死ぬかだ。
「恨み言なら地獄で聞くわ」
『来たか、ディアボロス』
どこか子どもの様にわくわくとした顔で、インメルマンが葉月とヘルガを見遣る。
「ええ、あなたに空中戦を挑みに来たわ」
『ふふ、ははは! これはいい、思った以上の戦いが出来そうだ!』
葉月が地を蹴り付け、宙へ舞う。
手にするは魔力で構築した二刀の斧、インメルマンに向けて構えると接近戦を試みると、彼もまた腰のサーベルを抜いて葉月へと飛んだ。
互いに速度の加減はなく、出せる限りの力で飛びすれ違いざまに刃を交えると、再び相対するように方向転換をする。そして同じように互いに向かって飛ぶと、今度はそのすれ違う手前で葉月が無理やり体制を後ろに向けて反転した。
「そこよ!」
速度が落ちるであろう場所目掛け、葉月がインメルマンを見据えたまま手にした二刀の斧を振り下ろす。それはさながら人間ミサイルの如き動き。
『ハハッ! やるな!』
インメルマンとて歴戦の男、ターンの瞬間を狙った葉月の一撃を喰らいつつも、死角を突いて攻撃を仕掛けた。
「……ッく、この程度!」
体勢を整えるべく空中でターンを決める葉月のその向こう、王宮の壁を背にしてヘルガがインメルマンに人差し指を向け、くい、と動かす。
『ほう、次はお嬢さんか。一撃での勝負をお望みかな?』
ヘルガは答えない、けれどそれこそが意思表示だ。
いいだろう! と叫んだインメルマンがヘルガに向かって高速で飛び、一騎打ちをすると見せかけてターンを決める。そのまま死角を狙い、ヘルガに攻撃を仕掛けた。
「そうくると思っていた」
一騎打ちに応じないと思っていたわけではないけれど、死角を狙うのは先の葉月とのやり取りで分かっていたからこそ、ヘルガはこの作戦を思いついたのだ。
そう、一撃目は投げ捨てる、という戦法を――。
居合抜きで仕留めるかのように剣を構え、抜き放つと見せかけて彼の攻撃を喰らいざまにインメルマンの翼を掴む。そして放つのは至近距離からのオーバーロード・ロンギヌス!
『ぐ……ッ!!』
最大威力での一撃でインメルマンが吹き飛ぶと、チャンスを窺っていた恵が駆け出す。
「あのインメルマンの名前を使っている以上、空中はあっちの舞台だからね!」
それならば先手は葉月とヘルガに任せ、自分は相手が二人に意識を向けている間に好機を待つ。それが恵が二人に相談した作戦であった。
インメルマンが壁に当たらぬように方向転換をする瞬間を狙い、LUSTビームマシンガンを連射する。それに紛れ込ませるように、高速で追尾する魔力弾を放った。
『何!?』
インメルマンからすれば思わぬ伏兵、といったところだろうか。
再び身を隠そうと駆ける恵みを追い、インメルマンが高速で飛び攻撃を仕掛ける。LUSTオーラシールドを構え、何とか凌いだところで再び恵がパラドクスの力を込めた魔力弾を放つ。それと同時に、葉月とヘルガもインメルマンへと仕掛けた。
「いくら広くってもこんなところじゃ最高速は出しきれない、こんな戦場に送り込む司令官を持つと苦労するね!」
「運の尽きと思って覚悟するのね」
『そうでもないさ、これも我らが機械化ドイツ帝国の為!』
「誇りも愛国も囀るな、反吐が出る」
葉月の重たい一撃が、ヘルガのロンギヌスが、インメルマンを追い詰めていく。それでもエースパイロットとしての矜持の為、彼は三人に向かって高速で翔ける。
そして、葉月、ヘルガ、恵の三人もまた、この道を切り開く為に全力で迎え撃つのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【建造物分解】がLV2になった!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
シル・ウィンディア
空中戦好きなクロノヴェーダかぁ…。
あなたも好きかもしれないけど、わたしのほうが、もっと空が好きなのっ!!
飛翔で上空に舞い上がって、空中戦を挑んでいくよっ!
右手にもった世界樹の翼type.Cから誘導弾を連射して気を惹きつつ
左手に創世の小剣を抜いておくよ
誘導弾を撃ちつつ空中戦で接敵。
ドッグファイトみたいに空中での接近戦を仕掛けていくよ
まぁ、パラドクス使ってないから痛くないとは思うけど
数合撃ち合ったら、高速詠唱で隙を減らしつつ
世界樹の翼をtype.Aに変形させてから…
全力魔法の六芒星精霊収束砲!!
ごめんね、わたしの本職は…
魔法使いだからっ!
さぁ、わたしの目一杯をプレゼント!
全部もってけーっ!!
一角・實生
共に戦う仲間がいること
ヴィルヘルム2世を引きずり出すという確固たる目的があること
空という敵の土俵へ上がるに充分な理由だろう
滑空からの急激な旋回等、トリッキーな動きをしながら交戦
追われる状況となった場合はグラナトゥムで攻撃し奴の動きを揺さぶり隙を生み出したい
隙は仲間に使って貰えたらと思う
空を高速で駆ける相手なら1秒先の未来はより重要なものとなるはず
【未来予測】で奴の軌道を読みその先へ向けて【飛翔】
パラドクスを発動し更に肉薄、己の呪詛を流し込もう
1対多数を想定した攻撃は俺ひとりにかける時間も威力も低くなる
白鷲のお守りや観察・偵察能力を使った回避でダメージを軽減したい
翼を失って墜ちるのはお前だよ
●その翼を撃ち抜いて
時を同じくして、一角・實生(黒頭鷲・g00995)とシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)もまた、『マックス・インメルマン』が宙を飛び、守りを固めようとする場に到着していた。
「この先……宮殿の奥にヴィルヘルム2世がいるのか」
「だろうね、ここを制圧できれば手が届きやすくなるんだろうけれど……」
實生の言葉にシルが頷き、インメルマンを見遣る。
「空中戦好きなクロノヴェーダかぁ……」
「宙は奴の土俵ってところだね」
けれど、それは實生にとっては些事だ。断片の王を引きずり出すという確固たる目的を前にして、敵の土俵に上がる事に何の躊躇いがあろうか。
「でもね、わたしも空が好きなの」
そしてそれは、シルにとっても同じこと。空が好きな気持ちなら負けないと、笑顔を見せた。
「空中戦、挑みにいくよっ」
「ああ、いこう」
シルが飛翔の力で舞い上がると、魔力銃モードの世界樹の翼を手にしてインメルマンに対峙する。
『俺に空中戦を挑むか、ディアボロス!』
「あなたも空を好きかもしれないけど、わたしのほうが、もっと空が好きなのっ!!」
だから負けないと、シルが叫んで右手に持った世界樹の翼から誘導弾を連射し、インメルマンの気を引きながら飛び回る。
「パラドクス使ってないからダメージはないだろうけど」
敵の動きを見る分には問題ない、それにシルは一人ではないのだから。
シルの陽動を利用し、實生がインメルマンの死角から滑空して距離を詰め、手にした哭戒を突き刺し呪詛を送り込む。
『ぐぁ……ッ! なんの、これしき!』
バランスを崩しかけたインメルマンが即座に立て直し、空中を縦横無尽に飛び回りながら實生にサーベルによる一撃を放つ。空中戦が得意というのは伊達ではないな、と思いながら實生がグラナトゥムを牽制するように撃ち、急旋回しつつ今度は自分に相手を惹きつけた。
實生を追い掛けるインメルマンの背後から、シルが接近戦を挑む。
「今度はわたしの番よ!」
誘導弾を撃ち、敵の意識が自分に向いた瞬間に世界樹の翼を白銀の長杖へと変化させ、杖の切っ先をインメルマンへと向けた。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ……。六芒星に集いて全てを撃ち抜きし力となれっ!」
高速詠唱で組み上げた六属性のエネルギーを杖の切っ先に集中させ、一気に解き放つ!
『何っ!?』
「ごめんね、わたしの本職は……魔法使いだからっ!」
インメルマンを地に落とす勢いで放った魔法は彼に少なくないダメージを与えている、けれどインメルマンとて歴戦の猛者としてシルに向かって不可視の斬撃を見舞う。
『魔法も空撃も大差はないさ! お前達の翼をもぎ取ってくれよう!』
「それはどうかしらね!」
見えぬ攻撃を受けつつ、シルが尚もインメルマンを追い詰める為に飛ぶと、實生が一秒先の未来を見据えて翼を羽ばたかせ、インメルマンに肉薄する。
「翼を失って墜ちるのはお前だよ」
機翼を貫くように突き刺した哭戒から、先程よりも強力な呪詛を送り込む。それはインメルマンを侵食するように実体化し、呪縛する。
「その通りっ! さぁ、わたしの目一杯をプレゼント!」
一瞬の隙も見逃さず、シルが再び杖の先に力を集中させれば、彼女の背に展開した魔力翼が呼応するように青白く輝いた。
「全部もってけーっ!!」
凄まじい魔力の奔流がインメルマンを襲い、辺りを白く染め上げて――。
『まだだ、まだ墜とさせんよ!』
強い相手と戦う喜びに笑みを浮かべ、インメルマンが吠える。それを受けて立つように、ディアボロス達が宙を翔けるのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
樹・春一
◎
『女王』と!(g00003)
貴方も救済をお望みですか! えっ違う?
では拳の方ですね! ご用意しておりますので遠慮なく受け取ってください!
……ところで女王
あの、あのひとの背中のやつかっこよくないですか?
僕らの翼の方がかっこいいのは明白ですが! かっこよくないですか!
ああいうのが似合う男になるために越えてゆきますとも!
叩き落してくれるなら僕は待ちましょう!
斬撃が不可視だろうと関係ありません! この盾は全てを守ります!
女王をお守りするのも役目ですのでご容赦ください!
でもいい感じまで高度を下げていただけたら攻勢に出ますね
すいません僕も実は飛ぶの得意でして!
上から強く殴りつけて差し上げましょう!
風呂井・ゆうや
◎
『男爵夫人』(g00319)と
今度の相手は……うん、憐れむ必要なしだね
男爵夫人、思いっきりやっちゃって!
うん、拳の方でいいよ!
うんうん、飛行機なのかな?早く飛べるところもいいなぁ
でも空を飛ぶ相手ってやりにくいよね
ぼくに任せて。届かないものは……地に落としてしまえばいい
アイスエイジブリザード、吹雪の中でもきみ達は狂わず飛べるのかな?
熱を奪い去る極寒の中をいつまで飛べる?
……ま、少し動きを鈍らせるだけでもいいんだ
普段は見えない斬撃も、雪と風の中なら多少わかるはずさ
【未来予測】も利用して躱せる限りは躱していこう
さ、やっちゃって男爵夫人
見下されるのは誰か、しっかり教えてあげようよ
●失墜の輪舞
わあ、と小さな声を上げたのは樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)で、キラキラとした瞳で風呂井・ゆうや(夢游描・g00003)に内緒話をするように耳打ちをする。
「……女王」
「何かな?」
「あの、あのひとの背中のやつかっこよくないですか?」
「うんうん、飛行機なのかな?」
あのひと、と春一が指さしたのは今もなお猟兵と対峙する『マックス・インメルマン』、背に飛行機の翼のような物を装着し、所狭しと空中を飛び回っている。
「僕らの翼の方がかっこいいのは明白ですが! かっこよくないですか!」
「早く飛べるところもいいなぁ」
敵ながらいい、とゆうやが頷けば、春一もですよね! と拳を握る。
「でも空を飛ぶ相手ってやりにくいよね」
そうは思わないかい? とゆうやが春一に向けて微笑む。
「ええ、確かに! 僕はああいうのが似合う男になるために越えてゆきますとも!」
あなたの命があれば、如何様にでもと春一が笑った。
「男爵夫人は頼もしいね」
胸を張る彼に微笑んで、ゆうやが大丈夫と頷く。
「ぼくに任せて。届かないものは……地に落としてしまえばいい」
「女王が叩き落としてくれるなら、僕は待ちましょう!」
ゆうやがそうすると言うのであれば、春一の役目はひとつ。その間、彼女を守ること――!
「では僕が彼の注意を惹きましょう」
「うん、任せるよ」
任されました! とバリケードから顔を出し、春一がインメルマンの前へ出る。
「貴方も救済をお望みですか!」
『救済? そんなものは必要ないさ!』
我らには断片の王がいる――口には出さなかったが、インメルマンの表情は信じる何かを持つ者のそれだ。
「えっ、違う? では――」
春一が右足を一歩下げ、拳を握る。
「拳の方ですね!」
たっぷりとご用意しておりますので、と春一が輝かんばかりの笑みを浮かべる。
『面白い子だが、その拳は私に当たるかな?』
「当たるようにぼくがするから平気だよ」
春一の後ろからゆうやがそう言って笑うと、魔術の力を行使する。それは時と場所すらも関係なく発動する、凍てつく吹雪。
「アイスエイジブリザード、吹雪の中でもきみは狂わず飛べるのかな?」
インメルマンを真白に染め上げ、ゆうやが更に出力を上げていく。
「熱を奪い去る極寒の中を、いつまで飛べる?」
『ぐ……ッ! 何のこれしき、我らが灯す熱は消え去りはしない!』
インメルマンがそう叫ぶと、ゆうやに向かって飛行したままの速度を殺さずに剣を振るう。それは不可視の衝撃波となってゆうやを襲う。
「いけませんよ、あなたの相手は僕ですから!」
春一がゆうやの前から動くことなく、神の力によって盾を作り出す。
「斬撃が不可視だろうと関係ありません! この盾は全てを守ります!」
吹雪を切り裂くようなそれを盾で受けつつ、春一が盾を手にしたままインメルマンへと殴り掛かった。
「……少しは動きが鈍ったんじゃないかな?」
不可視の斬撃とやらも、雪と風が渦巻く今であれば、その軌道が少しは知れるというもの。
「さ、やっちゃって男爵夫人」
「はい!」
女王をお守りするのも役目、そして目の前の敵を倒すのも、と春一が高度を下げたインメルマンに向かって背に生えた翼を羽ばたかせた。
「すいません、僕も実は飛ぶのが得意でして!」
手にした盾を拳に纏わせ、インメルマンよりも高い位置から彼に向かって一直線に飛ぶ。
「どうぞ、遠慮なく――」
受け取ってください! と、春一が殴りつけ、その背に背負った機翼ごとインメルマンを地に叩き落したのであった。
「ひとまずは制圧完了、ですかね!」
「みたいだね、男爵夫人」
この奥に断片の王がいる、そしてそれを守るジェネラル級のクロノヴェーダも。けれど、今は此処までだと引き際を見極めたディアボロス達は帰還する為に踵を返し、パラドクストレインへと乗車する。
決戦の時はすぐそこまで来ていた――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV3になった!