ルーブル美術館の淫魔絵画
ディアボロスは断頭革命グランダルメの農村部を巡業していた淫魔の音楽隊を撃破し、農村部の民の堕落を防ぎました。
これによる淫魔勢力の力の低下により、攻略旅団の調査・探索提案である『ルーブル美術館の立ち入り禁止区域の調査』が実行可能になりました。
ルーブル美術館の立ち入り禁止区域では、淫魔達が淫蕩な『淫魔絵画』の中に怪しげな異空間を造り出し、その内部で安全に淫蕩なエネルギーを生産しているようです。
『淫魔絵画』は、この怪しげな異空間にいる淫魔を撃破しなければ、破壊できません。
ルーブル美術館の立ち入り禁止区画に忍び込み、淫魔が支配する絵画の中の異空間に踏み込みましょう。淫魔を撃破して汚らわしい絵画を破壊してしまいましょう。
ひとにめがねを(作者 聖山葵)
#断頭革命グランダルメ
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「やめろ、やめてくれ……」
そこは残酷な世界だった。激しくかき鳴らされるバイオリンの音色の中、哀願する男に向かって一人の少女が歩み寄る。少女、いや、それは人ならざるものだ。腰より少し上の背に水色をした一対の翼があり、同じ色をした尾も備えているのだから。
「う、ううっ」
近づいてくる人ならざるもの、クロノヴェーダから男は何とか逃げようとするも、身体を縛られていて逃げることは能わない。
「はい、どうぞ」
やがてクロノヴェーダは男の前に達し、男の顔にそれをかけた。自身がかけているのと同じタイプの眼鏡を。
「ぎゃああああっ眼鏡っ娘になっちまうぅぅぅぅ」
性別はかわらないのだから娘ではないだろう、などとツッコミを入れるものはおらず。
「では次のひとですね」
クロノヴェーダはいやだと叫んで何とか眼鏡を振り落とそうとする男にはもう目もくれず、次の犠牲者へ視線を投げるのだった。
「断頭革命グランダルメのディヴィジョンの話なのだけれど、攻略旅団の探索と調査でルーブル美術館の立ち入り禁止地区についての情報を得ることが出来た様なのよ」
そう前置きしたクリスティーヌ・シュヴァリエ(サキュバスの陸戦砲兵・g03188)はそのまま説明を続ける。
「立ち入り禁止地区の内部には絵画のクロノ・オブジェクトが存在していて、内部にはクロノヴェーダに堕落させられ殺されたひとたちの魂が捕えられているらしいわ」
絵画に描かれた世界の中、捕らえられた魂たちはクロノヴェーダによって今も堕落させられたり苦しめられているという。
「だからみんなにはこのルーブル美術館の立ち入り禁止地区に潜入して絵画の中に入り込み中のクロノヴェーダを撃破した上で絵画自体も破壊して欲しいの」
絵画を破壊すれば捕らえられていた人々の魂も解放され、安らかに眠ることが出来る。
「生き返らせることが出来ないとしても――」
これ以上の責め苦から解放してあげたいということなのだろう。
「それで、絵画に入るまでなのだけれど……まず、ルーブル美術館は一般人にも公開されている為、内部に入り込むところまでは難しくないわ」
ただし、立ち入り禁止地区に入るには、敵の警戒を潜り抜ける必要がある。
「ここで騒ぎを起こしてしまえば、潜入は失敗になるから、慎重に行動する必要があるの」
もっとも、大きな騒ぎにならない範囲で敵の目を引き付けるために囮になるなどの工夫を否定するわけではない。
「むしろ絵画の中に入り込むためにも工夫は必要だと思うわ」
尚、件の絵画へ入るためには絵画の前で眼鏡の位置を調整するか眼鏡をかける必要があるのだとか。
「後者は目立つかもしれないから最初から眼鏡をかけて行った方が楽かしらね」
ちなみにこの条件を一人でも満たせれば他のディアボロスたちも絵画の中へ入ることが出来るようになるという。
「絵画の中は絵画として描かれていた景色が広がっているのだけれど、この内部には一つルールがあるの」
それは絵画内で眼鏡をかけていた者は能力が強化されるというモノ。そして、眼鏡をかけていないと敵味方関係なく弱体化してしまうらしい。アヴァタール級のクロノヴェーダの取り巻きであるヴァイオリンを奏でるトループス級のクロノヴェーダに関しては、これの為に弱体化している始末。
「ただ、眼鏡をかけ続けているとだんだん『自分は眼鏡をかけているべきだ』って観念にとらわれてもしまうようなのよね」
長い時間かけ続けていれば、一般人や囚われていた魂なら眼鏡愛用者に宗旨替えさせられてしまうかもしれない。ディアボロスたちまでそうなるとは思えない、思いたくはないが。
「絵画を支配してるアヴァタール級のクロノヴェーダはもともと眼鏡をかけているようだから一切デメリットはなしで強化の恩恵に預かっているようよ」
対抗するには君たちも眼鏡をかける必要が、あるのかもしれない。
「ルーブル美術館の立ち入り禁止地区にこんな秘密があったなんて思わなかったけれど」
今も苦しめられている魂があるというなら、放置も出来ない。それじゃ宜しくお願いねとクリスティーヌは元軍人らしく敬礼をして見せ。
「立ち入り禁止、か」
そこは通路に囲まれた正方形の部屋の前。なんでも眼鏡だらけの絵があるらしいぜ、と訳知り顔で零した男が巡回していた自動人形に睨まれ、ひっと身体を強張らせる。
「フン」
巡回しつつの見張りと言う自身の立場が不満なのか、鼻を鳴らした自動人形は硬質の足音を残し角を曲がって歩み去る。
「はぁ、怖ぇぇ」
「迂闊なこと言うなよ」
自動人形がひとところに留まらなかったが故の命拾いだろうか。
「あいつ、戻って来るよな」
「だろうな。さっさと立ち去った方が良いんじゃないか?」
そうすると答えた睨まれていた男はそそくさとその場を立ち去ったのだった。
リプレイ
菅原・小梅
◆心情
眼鏡を強要する絵画とは随分と面妖なこと
欧州(グランダルメ)と言う地は不可解ですね
◆行動
とは言え神算鬼謀の限りを尽くす
軍師たる私が眼鏡を着用するのはごくごく自然な流れですね
名画を鑑賞するのが好きな育ちの良い商家の少年と言った体裁で
ルーブル美術館を訪れましょう
この地に沿った服装もですが、何より大切なのはシルバーフレームの眼鏡
さて来館者と警備の目が途切れた頃合いを見計らって
不意打ちするかの如く【飛翔】し
天井付近で浮いた状態で立ち入り禁止地区へと侵入致しましょう
厳重な警備もやはり人間と同じ高さの目線で行われますからね
大丈夫、私には運も味方している筈です
※アドリブ&連携感激
クロスタール・ガイゼル
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】
眼鏡常備な上に眼鏡至上な人はこの依頼…いや全力で行かねば
え?眼鏡掛けてないクロノヴェーダ弱体化してるの??
アイネリスさんが凄い
敬虔な信者じゃなくて眼鏡??
というか最早眼鏡神では??
僕もコレクションから色々と持ち寄りたいところではあるのですが
やはり相棒のこいつと一緒
鼻の上には魔術の力で常に浮く【Genesis of Genius】が光る
激しく動いても問題なし!恋人の様にくっついてきてくれます
【光学迷彩】を使いアイネリスさんの後を付かず離れず
周囲を【観察】し敵に見つからないように
騒ぎが起こりそうであれば【風使い】【光使い】を使い離れた場所に不審状況を生成
敵の目をひきつける
アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】
着眼点は素晴らしいと言わざるを得ませんが
眼鏡のイメージダウンに繋がることは看過できません
地獄の底まで追い詰めて根絶やしにしましょう
いつもの銀縁に加え
首元に新宿製ウェリントン伊達眼鏡、ユーカリレンズをあしらったコンポジット眼鏡!
さらに頭上にはイマジナリーな眼鏡まで!
見えるかどうかはあなた次第
何処からどうみても敬虔な眼鏡ですね
侵入組の手助けとして囮を引き受けます
迷い込んだ一般客を装い立ち入り禁止区域へ接近
周囲を観察、地形の利用も考え警備の視線が自分や壁等に向くよう誘導
館内の案内など話を繋いで、侵入を援護
ある程度で十分でしょう
無理はし過ぎないよう不利を感じれば撤退します
(「眼鏡を強要する絵画とは随分と面妖なこと、欧州と言う地は不可解ですね」)
おそらく菅原・小梅(紅姫・g00596)は心から理解に苦しんだのであろうが、欧州と言う部分にグランダルメとルビが振られていなければドイツ帝国やキングアーサー方面から抗議が来ていたかもしれない。
「眼鏡常備な上に眼鏡至上な人はこの依頼……いや全力で行かねば」
同じルールを聞いた時、クロスタール・ガイゼル(良い狐・g01139)が頭を振って戒めるように真剣な表情を作るほどに絵画の世界は眼鏡を強いるらしいのだ。
「え? 眼鏡掛けてないクロノヴェーダ弱体化してるの??」
と味方にも不利を強いるほどの眼鏡押しには思わず目を剥くほどで。
「とは言え神算鬼謀の限りを尽くす。軍師たる私が眼鏡を着用するのはごくごく自然な流れですね」
郷に入れば郷に従えと言うよりもそれが絵画内におけるルールとされているが故にしれっとシルバーフレームの眼鏡を用意していた小梅はパラドクストレインを降りる。軍師の順応性ってものはなかなか侮れないようである。
「着眼点は素晴らしいと言わざるを得ませんが――」
その一方で、【ヨアケ】のアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)は眼鏡を強要する絵画をまず評価し。
「眼鏡のイメージダウンに繋がることは看過できません」
続いて短所を挙げると、いつもの銀縁眼鏡のレンズ越しの視線を前方にやる。
「地獄の底まで追い詰めて根絶やしにしましょう」
声と視線に決意を籠めたアイネリスに同じ【ヨアケ】のクロスタールは凄いと漏らした。籠る決意だけを感じて凄いと評したわけではない。アイネリスは普通にかける眼鏡以外にも眼鏡を所持していたのだ。首元には新宿製ウェリントン伊達眼鏡とユーカリレンズをあしらったコンポジット眼鏡を。さらに頭上にはイマジナリーな眼鏡まで。
「何処からどうみても敬虔な眼鏡ですね」
眼鏡の過剰積載と言うか過剰装備なんじゃと人によっては言うかもしれない自身の出で立ちをそう評せば。
「敬虔な信者じゃなくて眼鏡?? というか最早眼鏡神では??」
クロスタールは首を傾げた。たぶん、もうこの時点で常人には何を言ってるのかわからなくなっているのではないだろうか。ともあれそんなアイネリスの姿を見てしまえば、クロスタールもコレクションから色々と持参すべきだったのではないかと言う考えがよぎる。人は他者の様子を見ることで自身を鑑みることの出来る生き物なのだ。
「いえ」
それでもすぐに浮かんだ考えを脳裏から追い出したのは、クロスタールにとってのGenesis of Genius、天才たる所以と銘打たれたそれが相棒であるからに他ならない。魔術の力で常に浮くパンスネは、激しく動いても問題なく常に鼻の上にあり続けるのだ、まるで恋人の様にくっついてきてくれて。
「僕の相棒はこいつにしか務まりません」
とかのろけつつも光学迷彩を用いて周囲の景色に溶け込むクロスタールは鼻の上のポジションを守り続けるGenesis of Geniusに負けず、アイネリスの後ろを付かず離れず、まさに一定の距離を保ちつつついてゆく。
「え」
「なに、あれ」
結果的に美術館を訪れた一般人の視線はアイネリス一人に注がれることとなる。というか、たいていの人が二度見三度見し。
「オレハ、ツカレテイルヨウダ……」
巡回していた自動人形までもが数秒固まった上で疲労の隠せぬ足取りでヨタヨタと去って行った。
「今の内です」
囮と言う言葉を辞書でひきたくなるようなアイネリスの活躍っぷりで生じた警備の隙を目撃した小梅は、名画鑑賞に来た育ちの良い商家の少年と言った演技を一度放棄。天井近くまで舞い上がると上方と言う死角を利用し、立ち入り禁止区域である部屋のドアの前まで進み、足音に気を付けてドアの前に降り立つ。
「厳重な警備もやはり人間と同じ高さの目線で行われますからね。大丈夫、私には運も味方している筈です」
ましてや味方の協力まであるというのだから、小梅の成功はもう約束されたようなモノで、立ち入り禁止区域にドアを開けて足を踏み入れる小梅を見咎める者はどこにもいなかった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV2が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携、アドリブ歓迎
【ヨアケ】
ああ……お二方の眼鏡愛に敵う気がしない
いや、いざとなったら引き戻す役目……は……
いらなそうだな……
(見送る構え)
大役だ、頑張ろう
淫魔絵画に向き合う
不自然にならぬよう
絵画をよく見ようとする体でさりげなく眼鏡をかける
細い銀縁の、品の良い感じの眼鏡を見立ててもらった
印象は変わるものだな……
似合っていればいいが
実は予備も持ってきた、選びきれずに両方買った
眼鏡の世界は奥が深い
さて……筆致までよく見えるのは好ましいな
絵画の息遣いをより緻密に感じられるのは素晴らしい……
完全視界もあってよく見える
もっと近くで見よう、と歩いてつまづきかける
度が入ると遠近感がおかしい……な
※普段は裸眼
「ああ……お二方の眼鏡愛に敵う気がしない」
感嘆の声を【ヨアケ】のエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)がもらしたのは、先に囮の役目を買って出た【ヨアケ】の二人の姿を見た時だった。
「いや、いざとなったら引き戻す役目……は……、いらなそうだな……」
何ら疑いを抱くことなくおのれの任務に徹する姿を見て、迷いに視線を揺らしたのも一時のこと。見送った判断は自動人形が去ったのを見れば正しかったのであろう。そんな二人ももうエトヴァの視界にはなく、二人を囮に立ち入り禁止区域に侵入を果たした味方の元に駆けつけた形のエトヴァの前にあるのは、絵画が一つ。
(「大役だ、頑張ろう」)
声には出さず自分に活をいれ、向き合う絵の中にあるのは眼鏡、眼鏡、眼鏡。もうこの時点で絵画を二度見しても誰にも非難されないと思うぐらいに眼鏡な絵画。絵画をよく見ようというごく自然な流れでエトヴァが手に取るのは、仲間に見立ててもらった細い銀縁の眼鏡である。
「似合っていればいいが」
とは声に出せぬ。潜入中なのだから。ただ、身を乗り出しながらどことなく品の良い感じの眼鏡をかける、それだけで絵画の中へは行ける筈で、動きの途中で懐に意識が逸れたのは、選びきれずもう一つ予備として買った眼鏡も持参してきたからだろう。
(「眼鏡の世界は奥が深い」)
手ほどきを受け、そんな世界の入り口に一歩踏み出したばかりのエトヴァは胸中で呟く。この先に待つのは敵味方関係なくその奥の深い世界に踏み込んだ者たちの戦いだ。
「さて……筆致までよく見えるのは好ましいな。絵画の息遣いをより緻密に感じられるのは素晴らしい……」
絵画を観賞する態で独り言を口にしつつ一歩前に出ようとするも、エトヴァはつんのめりかけ。
「っ、度が入ると遠近感がおかしい……な。ん?」
距離感を誤ったと誤解したエトヴァは周囲を見回して気づく。つんのめった理由が別のところに、絵画の世界に入り込んだからこそ起こったということに。見回してみれば、そこは多種多様な眼鏡の立つ眼鏡の林のような場所であった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
【ヨアケ】
眼鏡っ娘の眼鏡による眼鏡っ娘の為の世界……って所かな?
別のディヴィジョンで眼鏡団なるものとやりあったけど、あいつらがここにいなくて良かったわ。
(参照シナリオ:パリピも眼鏡も許容せし大天使)
元々眼鏡愛用者なのでこの世界でも弱体化しないし、むしろなんで取り巻きは態々眼鏡かけないのかしら……ともかく、さっさと蹴散らして眼鏡っ娘淫魔とやらを引きずり出しましょうか。
そう言ってフリューゲルソーサーを咄嗟に出しバイオリンの弦を斬り、【飛翔】してイオスラッガーで蹴散らすわ。
林の中のイチ眼鏡をチラ見てボソッと一言、
この眼鏡のデザイン悪くないわね。
ハッ、エトヴァさん正気に戻って!
白水・蛍
【ヨアケ】で参加。
アドリブ・連携歓迎
不思議な場所ですねえ。
まあ、眼鏡への忌避も特に何もありませんし、さっさとボスを引きずりだすと致しましょう。
と、事前に用意したオーバル型のリムレスタイプの眼鏡をかけます。
遠距離より<演奏・歌唱>で魔力の攻撃と矢を発射。
どんどん敵を攻めていくとしましょう。私と貴方がたの演奏。どちらが素晴らしいかなんてわかり切っておりますよ。
さあ、フィナーレといきましょう!
と盛大にパラドクスを発動。高らかに歌い、演奏し、魔力を相手にぶつけて爆発させます。
倒した後はさあ、進みましょう。と晴れ晴れとした表情を浮かべます。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【ヨアケ】
連携、アドリブ歓迎
眼鏡の林とは……
我ながら何を見ているんだ
あちらもこちらも眼鏡……
眼鏡……いいよな……
眼鏡をかけたまま戦闘へ
視界が怪しいが……
……弱体化しないならまあいいか
完全視界を使っておく
飛翔で軽く浮き、重力の影響を受けず接近
パラドクスで攻撃を仕掛ける
気を散らさせて仲間の攻撃に繋げよう
……淫魔殿を眼鏡の通とお見受けして、相談に乗って頂きたいのだが
どっちの眼鏡が良いと思う?
懐から眼鏡を取り出し
黒も引き締まっていいよな
あと金縁のモノクルもある……
朗読するように囁く精神攻撃で悩ませよう
反撃は己の歌唱で相殺を試みる
魔力障壁を展開、足りなければ耳を塞いで軽減
いいよな……眼鏡……
は、いけない
「眼鏡の林とは……我ながら何を見ているんだ」
自身に向けての問いか、あるいは独言か。
「不思議な場所ですねえ」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の声に周囲を見回した白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)は、呟きつつもまだ眼鏡をかけぬ己の身が力を十全に発揮できぬことを確かに感じていた。
「眼鏡っ娘の眼鏡による眼鏡っ娘の為の世界……って所かな?」
どちらを向いても視界に眼鏡が飛び込んでくる景色の中、メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)が思い出すのは、異なるディヴィジョンでやりあったクロノヴェーダのこと。
「あいつらがここにいなくて良かったわ」
この絵画世界に降り立った場合の反応を見なくて済むという意味でか、それともまず間違いなくこの世界のルールで強化されるであろうということを鑑みてか。
「あちらもこちらも眼鏡……。眼鏡……いいよな……」
眼鏡をかけた自分、乱立する様々な眼鏡。心が安らぐのか眼鏡の奥のエトヴァの目が細くなり。
「雑音が混じっていると思えば、侵入者とは――」
「招かれざる客のご登場と言うことですか」
そこへ眼鏡をかけぬモノたちが現れた。
「確かに侵入者、それは否定しないわ」
赤のスーツにピンクの翼、手にはバイオリンを持ったクロノヴェーダたちを見据えつつ、メルキディアは疑問に思う。
「なんでこの取り巻きは態々眼鏡かけないのかしら」
と。
「まあ、私には眼鏡への忌避も特に何もありませんし」
尋ねれば答えてくれたかはわからないが、仮に何らかの理由で眼鏡をかけていないとしても、蛍に付き合う理由はなく。敵が現れたという理由一つで事前に用意しておいたオーバル型、リムレスタイプの眼鏡を装着し。
「さっさとボスを引きずりだすと致しましょう」
「そうね、さっさと蹴散らして眼鏡」
蛍の言葉に同意したメルキディアの言葉の途中。
「っ、まさかこの者達……リュネット様の眼鏡を狙って?!」
驚きの声をあげたトループス級のクロノヴェーダが弾かれた様に後方を振り返り。
「いえ、それは早計です。眼鏡の絵と続く可能性もっ」
「なんと恐ろしい」
続きを勝手に想像し、クロノヴェーダたちは騒ぎ始める。そうして唐突に騒がしくなる中、一人エトヴァが黙っていたのは、視界が慣れぬ眼鏡を通してのものであったからで。
「……弱体化しないならまあいいか」
残留効果で補えるならよしと流してしまえるあたり、もう絵画世界の影響は確実に受け始めていると思われる、もっとも。
「翼の煌めきが蒙きを啓らむ……フリューゲルソーサーッ!」
「「ぐわぁぁぁっ」」
メルキディアが天使の翼を羽ばたかせ、舞落ちる羽根が光の輪となって襲い掛かればバイオリンを狙う必要もなくクロノヴェーダたちはバタバタ倒れ伏したのだが。
「本当に弱体化しているのですね。でしたら、どんどん敵を攻めていくとしましょう」
眼鏡を装着したことで、倒されていったクロノヴェーダとは違い絵画世界の齎す弱体化を脱した蛍は湧いてくる力にも背を押され歌い出す。
「うっ、皆さん怯――」
味方が倒された後だ、蛍の歌声に表情を険しくしたクロノヴェーダの一人が振り返り促し、クロノヴェーダたちはバイオリンの絃に弓を添えるが、蛍は理解していた。
「私と貴方がたの演奏。どちらが素晴らしいかなんてわかり切っておりますよ」
「っ」
その言を証明するかの如くクロノヴェーダたちは圧倒され。
「少しよろしいか?」
「は?」
「な」
エトヴァがクロノヴェーダたちに声をかけたのは、まさにそんなタイミングであった。
「眼鏡の通とお見受けして、相談に乗って頂きたいのだが」
そう前置きしてエトヴァは二つ目の眼鏡を懐から取り出すと問うたのだ。
「黒も引き締まっていいよな。あと金縁のモノクルもある……どっちの眼鏡が良いと思う?」
「何を言って」
「いや、今はそんなことを言っているような……はっ?! まさか、それが狙」
戦闘中、しかもクロノヴェーダからしてみれば敵からの質問なのだ。跳ねのけようとしてから何かに気づいて顔をあげるも。
「さあ、フィナーレといきましょう! 皆様と描く未来への希望。言の葉にて綴りましょう。その一端を此処に!」
「「しま」」
察すのが遅すぎたクロノヴェーダを魔力の籠った歌声が襲い。
「「リュ、リュネット様万ざぁぁぁい」」
爆発四散したクロノヴェーダたちの手放したバイオリンが二、三度、眼鏡の森の地面を跳ねてひっくり返った。弱体化していなければここまで一方的にやられることもなかったのであろうが。
「さあ、進みましょう」
「そ、そうね」
晴れ晴れとした笑顔で林の奥を示す蛍に頷きながらもメルキディアは乱理宇する眼鏡の一つに目をとめ。
「この眼鏡のデザイン悪くないわね」
ボソッと零す。結果として足を止めた訳だが、だからこそ気づくこともある。
「いいよな……眼鏡……」
「ハッ、エトヴァさん正気に戻って!」
「は、いけない」
うっとりした様子でフレームに触れていたエトヴァはメルキディアの声で正気に返ると頭を振ると、慌てて二人の後を追うのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】
はーーー成る程?
眼鏡を掛けていない不届き者はつまりそういう事ですね???
無論こちらの準備はとうに出来ています
【グラスマッシュ】を発動
眼鏡置いてけ!(素振り)
眼鏡置いてけ!!(素振り)
眼鏡置いてけ!!!(素振り)
眼鏡は我々だけで充分
その眼鏡引っぺがして差し上げましょう
【地形の利用】も駆使し味方や眼鏡林の陰から【不意打ち】
【精神集中】で顔面を執拗に狙いフルスイング、攻撃後は【一撃離脱】で再び陰に潜み期を伺います
眼鏡を【破壊】するまで殴るのをやめません絶対
眼鏡、掛けます?
構いませんよ……地の底まで追い詰めて、トラウマになるまで何度でも吹き飛ばしますからね
メルキディア・セデクリエル
アドリブ連携大歓迎
【ヨアケ】
ふむ、眼鏡っ娘淫魔とやらと邂逅したけど……眼鏡の強制はお薦めしないわね。
ほんのり絵画世界の影響を受けたのか、アイネリスさんのノリに便乗し始める。
そっちが眼鏡の技使うならこっちも眼鏡の技を!
自分たちで作った絵画世界の影響を因果応報で受けると良いわ。
(我が身に宿りし正義の天使よ、こんな使い方してゴメンナサイ…!)
絵画世界の影響を流用して、エネルギーを眼鏡に収束。
その幻惑空間ごと切り裂く為に、眼鏡からエーテリア・ブラスターを発射!
見た目は細長いビームだけど貫通力は折り紙付きよ。
暫くハイテンションになりますが、ジェストからドロップキックで突っ込まれて正気に戻ります。
クロスタール・ガイゼル
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】の皆様と行動
さて絵画の中に入れましたが…見渡す限り眼鏡ではないですか
これは常人の気が狂うのも頷けます
しかも眼鏡を掛けていれば『自分は眼鏡をかけているべきだ』って観念に囚われるそうですね?
僕もう囚われているのでお構いなく
然しアイネリスさんが…暴走してます
いえ、まぁその矛先は敵ですので止めませんけど
眼鏡は我々だけで十分というのは同意しておきましょう
基本後衛で【遥か先を睨みし慧眼】発動
【未来予測】で敵の動きの先を【観察】しつつ敵の眼鏡?ビームとか視線とか【フェイント】入れたり【残像】で回避します
青春の情景?
僕青春したことないんですけど…
隙見つけたら狐火ぶん投げます
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
【ヨアケ】
眼鏡で参戦
黒のフレームに替えてみたのだが、どうだろう?
眼鏡の林は森となり、やがて眼鏡の大河に至る……
クロスタールさんに同意
皆の眼鏡愛が溢れているよな
あちらもこちらも素晴らしい眼鏡だ
リュネットというのか
名は体を表す……しかし
なぜ眼からで眼鏡からビームではないのか
あ、眼鏡からはやはりビーム(ブラスター)が出る……覚えた
アイネリスさんはどこを狙って
ああ、そちらが本体なのだな
……眼鏡を壊されても気落ちしないでいい
俺が眼鏡姿の貴女を描き出そう
映し身のリュネットから眼鏡ビームを返そう
青春の情景ってこんなに眼鏡だったろうか……
いや、眼鏡は我々で間に合ってる
魔力障壁と勇気で幻を打破
白水・蛍
【ヨアケ】で参加。
アドリブ・連携歓迎。
さて、無為とまでは言いませんが、押し付けの様な事はさっさと終わらせましょうかね。
引き続きオーバル型リムレスタイプの眼鏡をかけて戦闘。
青春は結構結構。楽しいものではございましたが、『今』を蔑ろにしてまでするものでもないんですよ!
自分に<精神攻撃>で上書きしつつ、パラドクス使用。
煌めきたる雷。空間を走れ!
落ち着いたら周囲見ます。ひたすら殴ってるアイネリスとか、眼鏡ビームしてるメルキディアさんとか。空間に取り込まれてるように見えるエトヴァさんとか。
……ツッコミどころしかないですわね。
……周囲が怖い。
(お嬢様キャラを崩さない程度に周囲にツッコミしている事でしょう)
「さて絵画の中に入れましたが……見渡す限り眼鏡ではないですか」
囮て何だったっけと首を傾げざるを得ない別行動に加わっていたクロスタール・ガイゼル(良い狐・g01139)は遅れて入った絵画世界の光景に思わず立ち尽くす。眼鏡、眼鏡、眼鏡、右を見ようが眼鏡、左を見ようが眼鏡振り返ろうが眼鏡。
「えへ、えへへ……俺、眼鏡っ娘~」
右手前方に人の身長ほどもある眼鏡に縛りつけられ恍惚とした表情を浮かべる眼鏡をかけた男、前後左右どこにも眼鏡があった。
「これは常人の気が狂うのも頷けます」
同時に納得もしつつ思い起こすのは、眼鏡を掛けていれば「自分は眼鏡をかけているべきだ」という観念に囚われること。
「黒のフレームに替えてみたのだが、どうだろう?」
声を知覚しが横を向けば、ちょうどエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が他の【ヨアケ】のメンバーに眼鏡への感想を求めているところであり。
「眼鏡の林は森となり、やがて眼鏡の大河に至る……」
感想を聞き終えたかと思えば何かを悟ったような表情でエトヴァが語り出す所まで見れば、流石に「僕もう囚われているのでお構いなく」で流していい事態なのかには疑問がわいたのだろう。
「いえ、『疑問がわいたのだろう』ではございません! あちら、あちらを――」
自然に流しかけたクロスタールの様にツッコミを入れつつ白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)が示したのは巨大眼鏡に縛り付けられた哀れな男の様。
「うん? あ、そういうことか。確かに男なのに『眼鏡っ娘』はいささかおかしいな」
「た、確かに文字としても相応しくないかもしれませんが――」
蛍がお嬢様キャラを崩さないように努めていなければ、ハッとした様子のエトヴァへともっと単刀直入にツッコんでいたかもしれない、問題はそこじゃないと。
「はーーー成る程?」
その一方で、凡そ状況は理解したと言わんがばかりなのは、アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)。
「眼鏡を掛けていない不届き者はつまりそういう事ですね???」
と続ける前だったからこそ、メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)は誤解する。
「アイネリスさんは気づいたようね」
「そ、そうです。ここに犠牲になった方が居るということは」
先ほど倒したクロノヴェーダを統べるものもこの近くにいるとメルキディアの言に頷いた蛍は主張しようとし。
「バイオリンの音が途絶えたのでおかしいと思って来てみたのですが……」
これを遮ったのは、まさにその当人。
「ふむ」
唐突な敵眼鏡っ娘との邂逅にメルキディアは小さく唸り。
「……眼鏡の強制はお薦めしないわね」
出てきた言葉にツッコミが不要そうなことへ秘かに安堵しつつ今度は蛍が口を開く。
「同感でございます。さて、無為とまでは言いませんが、押し付けの様な事はさっさと終わらせましょうかね」
このままではツッコミに忙殺されるからではなく、たぶん死して尚苦しめられる人々のことを思い、オーバル型リムレスタイプの眼鏡ごしの視線を敵に向け。
「リュネットというのか」
「はい。皆さんはどうやら招かれざるお客様のようですね」
事前に聞いていた情報の中にあるクロノヴェーダの名を思い起こしエトヴァが尋ねれば、セーラー服姿のクロノヴェーダはこれを肯定して身構えたが、気づかなかった。
「えっ」
虫の知らせか蛍を見ていたはずが、反射的に振り返った敵眼鏡っ娘が見たのは、眼鏡状の突起が付いた黒鉄のメイスを握り締めるアイネリスの姿。いつの間にか【ヨアケ】のメンバーたちから離れ眼鏡林に潜んで機を窺っていたらしい。
「眼鏡置いてけ!」
と鬼気迫る表情で素振りを行いながら距離を詰め、そこから繰り広げられるのは、おそらく残虐映像だった。
「アイネリスさんが……暴走してます」
端的に事実をクロスタールは口にするが、矛先の向く先がクロノヴェーダであるのだから止めるつもりは毛頭なく。
「めっがーに、めっがーぬ、めっがーねー」
アイネリスが口ずさむ謎の歌をBGMにメイスがナニカを打つ音が混じり、次にクロノヴェーダが反撃に転じたかフラジョレットの旋律が流れ出す。
「青春の情景? 僕青春したことないんですけど……」
「青春は結構結構。楽しいものではございましたが、『今』を蔑ろにしてまでするものでもないんですよ!」
加えて言うならば甘酸っぱい青春を感じさせるその曲はクロスタールや蛍に向けられたモノではない。ただ味方との攻防で隙が生じれば、そこに加勢してゆくだけであった。
「刹那――去れど、遠く遠く先を見据える慧眼也」
双眸を開き続け、セーラー服姿のクロノヴェーダがアイネリスの暴力にさらされるところを見ていたクロスタールは魔力を念動力に変換し、具現化したいくつもの青白い狐火を投げつけた。
「我が声にて応えよ、煌めきたる雷の波!」
蛍は音に魔力を乗せて喚び出した雷へ走れと命ず。
「きゃあああっ」
クロノヴェーダが悲鳴をあげれば、幻覚空間から脱したアイネリスが再び眼鏡の林に消え。
「よくもやってくれましたね」
先ほど悲鳴を上げたクロノヴェーダがフラジョレットを吹き始める。間髪おかず反撃に転じられるのは、逆説連鎖戦であるが故。だが、エトヴァにはどうしても納得できないことがあった。
「名は体を表す……しかし、なぜビームではないのか」
それは誰一人としてSPDで攻撃してこなかったからですがとメタな返答が返ってくることはなく。
「そっちが眼鏡の技使わないならこっちは眼鏡の技を! 自分たちで作った絵画世界の影響を因果応報で受けると良いわ」
かわりという訳ではないのだろう。宣言するやメルキディアは敵との間に巨大眼鏡を挟む位置に移動しつつ右手を伸ばし、左手を握り、腕を十字に組む。
(「我が身に宿りし正義の天使よ、こんな使い方してゴメンナサイ……!」)
謝罪の言葉は声には出さず内に秘め。
「我が身に宿りし正義の天使よ。その力、お借りします! エーテリアブラスタァァァッ!」
迸る光線が巨大眼鏡のレンズで収束した。
「あ、眼鏡を経由してだがやはりビームが出る……覚えた」
収束した光線が眼鏡っ娘クロノヴェーダに襲い掛かる様を眺めながらエトヴァは胸のつかえがいくらか取れた様な表情を見せるが、狙われた方はそれどころではない。
「……ツッコミどころしかないですわね」
だが、蛍にとって他人事。敵が味方から攻撃されているにすぎず、それより気になるのは仲間たちの作り出したカオスだった。神出鬼没でクロノヴェーダに殴りかかってゆくアイネリス、そこにある眼鏡を使って眼鏡ビームを実現するメルキディア、眼鏡へ高い関心を寄せるという表現ではもう収まっていないくらいに空間に取り込まれてるように見えるエトヴァ。
「……周囲が怖い」
思わず弱音が零れるが、ツッコミを放棄してはこの絵画世界がバーリトゥードな無法地帯に早変わりすることが眼鏡に、いや目に見えていた。
「眼鏡は我々だけで充分、その眼鏡引っぺがして差し上げましょう!」
「ああ、眼鏡は我々だけで十分というのは同意ですね」
そして最優先でツッコむべき点があるとすれば、クロノヴェーダに言い放つアイネリスと賛同するクロスタールのうちアイネリスの方か。
「落ち着いてください、まずは敵を倒すべきですわ」
クロノヴェーダ相手の武器破壊及び武器奪取は基本的に不可能であるが、倒してしまえば無抵抗で引っぺがせるのだ。
「はっ?! どうやら私は視野狭窄に陥っていたようですね」
指摘されて我に返ったアイネリスはちらりと眼鏡っ娘クロノヴェーダを見て、それから周囲の眼鏡を見回すと一つに手を伸ばしてから尋ねた。
「眼鏡、掛けます?」
と。
「奪取も破壊も出来ないなら、奪取や破壊出来る眼鏡を与えれば良かったんです」
「「えっ」」
まさに名案とでも言うかのような表情のアイネリスに敵味方の声が重なって。
「構いませんよ……地の底まで追い詰めて、トラウマになるまで何度でも吹き飛ばしますからね」
「いえ、そういう意味で『えっ』て声を漏らしたわけではなくてですね?」
戦闘中であることも忘れてちょっと待ってくださいとでもいうように眼鏡っ娘クロノヴェーダは片手をあげるが。
「ああ、そうか。本体なら破壊できないし奪えないのも道理か。代わりの眼鏡を用意する……理にかなっている」
さらっと無視して納得するディアブロスが一人。
「あの、もしもし?」
「……代わりの眼鏡を壊されても気落ちしないでいい」
クロノヴェーダの声に頭を振ったエトヴァは、どこか優しいまなざしを向け。
「気落ちしないでいいというか、何故そのシチュエーションで私が気落ちするかが謎なん」
「俺が眼鏡姿の貴女を描き出そう。映し身のリュネットから眼鏡ビームを返そう」
言葉を途中で遮ったエトヴァはたぶん聞いちゃいなかった。ただ絵筆で眼鏡っ娘クロノヴェーダことリュネットの姿を宙に描き始め。
「受けなさい、私! これが本当の――」
完成した映し身のリュネットは眼鏡の位置を調整するように指でくいっとフレームを押し上げながら。眼鏡ビームをぶっ放した。
「うきゃああああっ」
「やっぱりそうでないといけないわね。眼鏡を人を苦しめる道具にするクロノヴェーダは眼鏡の技ぶっ?!」
炸裂する眼鏡ビームに我が意を得たりと頷いていたメルキディアへニドラゴンのジェストが両足を揃えてお手本のようなドロップキックをかまし。
「うっ……わたし、は」
よろよろと身を起こし顔をあげたメルキディアの耳に飛び込んできたのは、フラジョレットの旋律。
「えっ」
そして周囲を見回せば仲間の数が一人足りず。
「青春の情景ってこんなに眼鏡だったろうか……」
当然の様に反撃に出たリュネットの演奏によって幻覚空間に囚われていたエトヴァは、独言する。エトヴァの過去を再現するような光景の中、ただ登場人物のすべてが眼鏡をかけていて、どちらを向いても視界には眼鏡が入ってきたのだ。
「いや、眼鏡は我々で間に合ってる」
ただその眼鏡押しが幻覚空間を破るきっかけとなったのは皮肉としか言いようがないが。断言と共に勇気と魔力障壁をもって幻覚空間を破壊すると、絵画の世界に戻ってきたエトヴァは言う。
「ここまでだ。眼鏡が力をくれるというのであれば我々とそちらの条件は同じ」
その結果の攻防でよりダメージを負っているのはリュネットの方であり。
「あちらもこちらも素晴らしい眼鏡だ。だからこそ人を苦しめるものにはしておけん」
「うっ」
眼鏡越しのエトヴァの視線に怯んだリュネットは聞く。
「眼鏡置いてけ!!!」
という声を。
「がっ」
直後に感じた衝撃を最後に満身創痍となっていたクロノヴェーダの意識は途切れ。
「終わりましたわね」
「……そうですね」
リュネットを倒し絵画世界を抜け出した【ヨアケ】の面々は、気づけばひたすら眼鏡が描かれた絵の前に立っていた。
「ナイスメガネだったわ。だけど、サヨナラね」
死した人々の魂を封じ苦しめた忌まわしき絵画に向かってメルキディアが光線剣を振り上げ、直後に両断された絵画が床へと落ちる。
「行きましょ」
「そうですね。騒ぎになる前に」
一人また一人と【ヨアケ】の面々は絵画の飾られていた部屋を後にし、最後に静寂だけが残された。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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