リプレイ
リリア・エルクール
【アドリブ歓迎】【ソロ希望】【流血描写希望】
【忍び足】で気が付かれずに近づいたところで大勢の敵の中に飛び込んで【サキュバスミスト】を放つわ
でも生き残った敵に【翠玉の産声】を打ち込まれ負傷したところを【脱魂針】を受けて自由意思を奪われて晒し者にされそうだわ
●
豊満な胸元をギュウと抑えるようにかき抱き、リリア・エルクール(ドリームトラッパー・g01136)は足音忍ばせ近づいていく。狙いは『名もなき宝石蜂』の群れへのサプライズアタックだ。
「えぇい! みんなとろけちゃえ」
ゆさりと双丘がゆれ、噎せ返るような色香が霧となり周囲へ波及する。
「な、なんだ?!」
「く……頭がくらくらする…………」
すぐ側にいた2体が腰砕け、リリアに向けて倒れてきた。そんな2体を放り捨てるのもとためらったのが運つき。すっかり囲まれてしまったではないか!
「いやぁん、そんな沢山で卑怯よおぉ!」
可憐な悲鳴がぽってりと蠱惑的な唇から迸る。
「じゃあアタシだけが相手してやるよ」
と、敵が掲げ見せつけてきたのは、拳大の琥珀からエメラルドの脚がうじゃうじゃ生えているグロテスクな塊だ。
「アンタの腹でアタシの子を孵してよ」
本能的な恐怖に竦むリリアの下腹部をめがけて、宝石蟻は我が子を捻りこむ!
肉が無理矢理裂かれる水っぽい音が響き、リリアは余りの痛みに痙攣しガチガチと歯を鳴らす。
「ぎゃあぁ、あ、あぁ、あ、あぁぁ……」
床に転がりのたうつリリアの口からは血反吐、瞳や鼻からは透明な水が壊れたダムのように溢れるがまま。名もなき宝石蜂達はその無様さを指さしケタケタと嘲笑った。
ぼこり。
「ひッ」
己の胎が不気味に膨れあがったところで、幸か不幸かリリアの意識は途絶えた。
――エメラルドの蟻たちが立ち去った後に残されたのは、臍からギザギザに腹を破かれ赤色に爛れ染まった夢魔の女が、両手を縛られ木から吊された姿であった。
苦戦🔵🔴🔴
鬼灯・火怜
アドリブ・連携歓迎
要は嫌がらせするって事かねぇ?
まぁいいさ、適当に暴れるだけで良いというのは分かりやすくて気に入った、オレも参加させてもらうぜ。
まずは奴らからだな、【鬼神変】で腕を巨大化させてから集団の外縁部に突撃して牢関からも分かるように精々目立ってやるよ。
まぁ、集団が相手だから囲まれないように退路だけは確保しておくかねぇ。
絶えず移動しながら戦い牢関とは反対方向に戦場を引っ張っていくか。
【跪く生贄】は不意打ちと一撃離脱を重視した蹴り技かい?
深追いして死角を作らないように向かってくる敵を迎撃して、高質化した腕や金棒で確実に防御しつつカウンターで確実に数を減らすぜ。
●
転瞬、赤の娘が鬼と化す。
さんざめく翡翠色の蟻たちへ赤色一閃。最初は衣と髪、お次は女達の血肉。背中や腹や腕にと細部構わずもがれて裂いた咲いたぁ!
ワァワァ、ぎゃあぎゃ!
突然の闖入者に蜂の巣を突いたようになる宝石蟻たちを、鬼灯・火怜(鬼人の鬼狩人・g05780)は睥睨する。地面につきそうなほどに肥大した腕には、緑の衣が血を糊にしてべったりと張り付いていた。
「てめぇらの運の悪さを嘆くこった、初っぱなの嫌がらせ相手に選ばれたんだからよ! ……ッと!」
人目を惹く為の挑発の最中に、細い脚が鞭のように撓り斜めから下からと避けにくい軌道で容赦なく撃ちすえてくる。
火怜の巨腕は重厚、故に振り上げる間にも素早い蹴りで擦り傷が刻まれていく。だが一向に構わぬ素振りで縦薙ぎ、横一閃。やられた以上に屠る、まさに血で血を洗う様相だ。
単騎突撃の心得は、死にに逝くのかイかないのかで大きく変わる。無論、此度は生還。ならば深追い厳禁、囲まれずに退路の確保が必須。
「あっはっは!」
そこはきちりと心得る火怜である。
伸ばした腕を振り回し、敵の円陣を力尽くで阻止。転がった死にたての遺骸を踏みつけ身を躍らせる。てんてんと、腕から滲む血潮が砂塵に染みを作る。
「待ちなさい!」
「殺してやるわ!」
仲間だったモノを踏みにじり、血潮の染みも蹴散らして宝石蟻たちは般若の形相で追いすがる。
だが、これこそ火怜の思うつぼ、虎牢関から離れれば援軍との合流は遠のく一方だ。
「おっと……」
川を瀬に追い詰められた素振り、相手が喜色を浮かべるのを鼻で笑い身軽に旋回。金棒で背中を殴り水の中へと追い落とす。
ぼちゃんと跳ね上がる飛沫の冷涼さを味わいつつ、広大で日の光反射する川側にて翡翠の脚に巨腕をあわせる。死角をなくしたこの場にて既に見切った攻撃なぞ火怜を脅かすわけもない。
大成功🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
結島・蘭杏那
また虎牢関なのね。今度は内部に突入する為に数を減らすところかしら?まぁ巨大昆虫の森みたいに産卵してるアヴァタールがいたらあまり効果ない気がするけど、そこは気にせずとりあえずやっとけという精神でチャレンジ!適度に無双するわよ!!
ところでシハバちゃんに聞いた話だけど、宝石蜂ってGを洗脳して奴隷化するやつなんでしょう?Gもそうだけど、そんな相手に接近戦なんて嫌だわ。こんな時は召喚した無数の刃物を放って刺殺よ。これなら自前の武器が汚れる心配もないから安心ね。まぁ相手の武器は峨嵋刺みたいだから近づかれる前に何とかしたいわ。近づかれたらオキナに乗って後退して距離を開けるわよ。
●
――ラーナさん、ほうせきばちは、とてもきもちがわるいです。ちかくでたたかわないほうがいいです。
綺羅の羽根をはためかせ、奴らをよく知る妹が語ってくれたところによると、宝石蜂は黒色の脂ぎったゴ……を洗脳して奴隷化するのだとか。
「確かに接近戦なんて嫌だわ」
なので、結島・蘭杏那(剣の舞姫・g01039)は翡翠の集団から距離をとり木の陰に潜む。
砂塵で色づく虎牢関はすっかり馴染み。産卵で増えていたら徒労かもなんてのは思考の端っこに押しやる。恐らくこの作戦は、それを超えてぶちのめして数を減らせという策。
ならば、やることはひとつだ。
銀色の手のひらを虚空に翳し、知り得る限りの刃を招聘する。
有名所の、青竜偃月刀、蛇矛、雌雄一対の剣は勿論のこと、新宿に渡り見覚えた折りたたみナイフなんてのも混ざっている。
「行くわよ!」
ギラリと太陽を反射する鈍色の刃は宝石蟻の集団の頭上へ移動すると、一気に降り注ぐ。その間は光芒一閃。
ぎゃ! と短い悲鳴で大剣で貫かれ地面に縫い止められる者の上に、細かな刀傷を受け倒れ伏す者達。血花咲き誇るちょっとした地獄絵図だ。
「! オマエか! 殺してやるわ!」
肩に食い込むナイフを投げ捨てて突撃してくる。彼女の手元の煌めきは、己の右小指に似た威圧を纏う。
「そうはいくもんですか!」
突き出された腕をギリギリで宙返りで躱す。
――いつもなら、そこから不意に距離を詰めての銘無しでの薙ぎ払い、と、華麗と苛烈が蘭杏那の持ち味なのだが、此度は妹の忠告重視だ。なにより自前の武器を此奴らの血肉で汚すのも避けたい。
「オキナ!」
無言ではせ参じる愛馬に飛び乗ると、土塊蹴って素早く後退。蔵上で再び招聘した刃を今度は壁のように配置し一気に落とす。
直後、翡翠宝石の砕ける音が耳たぶをなぞる。
蘭杏那を刺そうと腕を突き出した女が、哀れ真っ直ぐに落ちた槍で腕を串刺し。怒気で美しき眉が歪み鬼神の如くの容は、首絶ちの大鎌で断ち切られた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
ピエダド・ロザーノ
三国志っていうと、知力を尽くした奇襲奇策が盛り沢山ってイメージがあるわ
それを成功させる地道な努力ってのも必要で、大切なんでしょうねぇ
歴史には記録が残らない下準備、頑張ってみましょう?
卵を産み付けるなんて趣味の悪い奴ねぇ
とにかく派手に飛び回り、頑張って攻撃を回避していきましょ
できるだけ多くの敵を引きつけたいわね
隙を見せたら、斬り込み攻撃を仕掛けたい、ってフリをするわぁ
でも別に攻めあぐねてるわけじゃないのよ?
既にワタシの攻撃の仕込みは十分だからねぇ
調子に乗っているうちに、そのまま狂い果ててしまいなさい?
●
すっかり虎牢関から引き離されて孤立した女達を盗み見て、ピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)は唇を指先でなぞる。これは蘭杏那の戦略勝ちと言えよう。
「三国志のイメージ通りね。知力を尽くした奇襲奇策が盛り沢山」
だが勝利という花を摘むまでは、地道な努力が必要とされる。
(「歴史には記録が残らない下準備、頑張ってみましょう?」)
残留するエアライドの力を借りて羽ばたき、宝石蜂らの頭上を取った。
「くそぅ、戦馬の奴の仲間か!」
柳眉を吊り上げふりかざす拳にはみな一様に琥珀の石を握りしめている。
「卵を産み付けるなんて趣味の悪い奴ねぇ」
困り眉と口元のほくろも手伝い非常に悩ましい。吐き出す吐息も甘ったるく苛つきを誘う。
ピィーッ! と吹かれた指笛は仲間への合図だ。
「あらあら、困ったわぁ。こんなに沢山集まられたら、勝てるかしら」
ふらつきステップを踏みながら、尻尾の先をツンと突く。そうかと思うと金蘭断を取りだしうぅんと小首を傾げてみたり。
「どうしましょ、どこから攻めればいいかしら」
はらりはらりと降り注ぐ紅やピンクの煌めき、そんな幻覚すら見せる色香に、母である働き蟻たちはますます気を荒立てた。
「降りてこないなら叩き落としてやる!」
「アタシの子を抱いて苦しめぇ!」
女達は怒気孕む容で我が子の卵を投げつけだす。
「やぁん! 気持ち悪い」
金蘭断で弾き、胸元は腕で庇った。だが二の腕に欠片が張り付き、黒い脚が二本、皮膚に穿たれ思わず苦を漏らす。
「畳みかけろ!」
――あらあら、もうワタシの仕込みは充分なのよぉ? おバカさん。
虚空を蹴飛ばせる回数はこれで最後。仕上げと己の躰から思う様蠱惑の霧を解放する。宝石蟻は防御態勢を取るが時既に遅し。空に現れた時から持続的に散らされていた夢魔の色香は全身にまわっている!
「調子に乗っているうちに……」
乾いた砂に吸われヒールはきゅいと愛らしく啼いた。
「そのまま狂い果ててしまいなさい?」
優雅に着地した夢魔の背後では、次々と泡を吹きネジの壊れたオモチャの如く女達が倒れていくのである。
大成功🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
一騎塚・喜一
※アドリブ連携お任せ
虎牢関を訪れるのは二度目ですが、相変わらず凄まじい威容ですね
やるべきは敵の数を出来るだけ減らすこと、そして深追いはしないこと
分かりやすくていいですね
今回も皆様の足を引っ張ることが無いように集中して参りましょう
負傷は致し方無いとは言え毒や卵を打ち込まれるのは勘弁願いたいです
ここは足技勝負と参りましょうか
敵陣に【忍び足】で近づき、頃合いを見て【ダッシュ】で距離を詰め【山颪】で奇襲を狙います
敵とは言え女性なので罪悪感で戦意が揺らがぬよう頭部は避けて攻撃します
攻撃を続けながら戦場を【観察】、援軍の気配や自身の負傷具合を鑑みて撤退します
逃げ遅れそうな方がいらっしゃればお声掛もしますね
真崎・冬弥
(サポート)
オレはオレ自身の怒りの為だけに戦う事は赦されない
これは贖いの戦い。手助けさせて貰おうかな
◆対一般人
忘れている事を悲しく思いながら、優しく微笑み
『ディアボロス』が希望の名であると、思い出して貰える様に
かつてオレが戦う力ない頃、憧れたヒーローたるべく
◆対クロノヴェーダ
怒りを露わに、侮るような挑発を向けつつも、力量は常に自らが劣ると自覚し
いくら傷付き、血を流しても厭わず
痛みを負うことが己への罰のように。誰かの為に傷付く事が贖罪のように
「思い出せ。ディアボロスが来たぞ」と、その名がクロノヴェーダにとっての脅威である事を示す
無自覚ながらアークデーモンが畏怖、『畏れ』を集めるように
セリフはお任せ
桜・姫恋
(サポート)
連携・アドリブ歓迎
戦いを好みますが無理なことや仲間が不利になるような行動はしません。
幻覚魔法を混ぜたパラドクスを使用しています。
幻想的な空間を作り敵の隙をついた攻撃が主です。
その他NG等ありませんのでお好きなようにいじって使ってください
新堂・亜唯
(サポート)
人間のバウンサー×破軍拳士、10歳の男子です
口調は「俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?」タイプ
現代日本の文化観の持ち主です
性格は善良
刻逆を解決したい気持ちは強いですが、いつでも人命を第一に行動し
助けられる一般人は可能な限り助けようとします
「俺が助けられる命なら助けなきゃ!」
「平和に暮らしたい人たちを虐げるなんて許せねえ!」
戦闘スタイルは拳法、格闘戦が得意です
パラドクスは指定した物をどれでも使用します
アヴァタール級には「螺月流・徹拳」を
トループス級には「隠密行動」をよく使用する傾向があります
必要なら怪我を負ったり、自分が盾になることも厭いませんが
公序良俗に反する行動はしません
アドリブ歓迎です
雪代・シア
(サポート)
『シアのこと、スキでいてね』
サキュバスのサウンドソルジャー×リアライズペインター、16歳の女です。
普段の口調は「ゆるゆる(自分の名前、~君、~さん、だね〜、だよ〜、だよね〜、なのかな〜? )」
間延びした喋り方です。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
虎牢関周辺部を巡回をしていた宝石蟻の一団が、別働隊の仲間達が一向に戻って来ないことを不審がっているのが見受けられた。その数はまだ多く、五人のディアボロスは、二人一組と援護役の一人に別れて討伐に当たることにした。
「虎牢関を訪れるのは二度目ですが、相変わらず凄まじい威容ですね」
眼鏡越しの若柳を見れば、一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)が生真面目な青年だと誰もがわかることだろう。
「やるべきは敵の数を出来るだけ減らすこと、そして深追いはしないこと……分かりやすくていいですね」
人差し指をたてた喜一の言葉に、元気よく「わかったぜ」と返事をしたのは新堂・亜唯(ライトニングハート・g00208)だ。対照的に真崎・冬弥(妖魔五剣・g02934)は無言で承諾の意を示す。
それぞれとチームを組む桜・姫恋(苺姫・g03043)と雪代・シア(白金糸雀・g03654)が木陰からそっと指さす。
どうやら宝石蜂達は仲間の探索で二手に分れるようだ。これは都合が良い。
「私は援軍の警戒をしつつ、どちらへも向かえるようにしておきます。それでは皆様、よろしくお願いします」
礼儀正しく頭を垂れる喜一。
腰にさした紫羅欄刀に掛けた指に力が籠もる。
(「今回も皆様の足を引っ張ることが無いように集中して参りましょう」)
●
「メロンよりは苺が好きなのよねぇ」
「いきなりそこかよ?!」
翡翠色の衣を翻す宝石蜂達に向け物憂げにため息をつく姫恋に、亜唯は即座につっこんだ。
「どういう戦い方がお好みかしら?」
「そうだなぁ」
ここには巻き込まれた一般人はおらず敵だけ、なので思い切りやれる。亜唯はうーんと、と愛らしい仕草で首を傾けると掌底打ちの構えを取った。
「隠れて不意打ちが好きだぜ!」
「OKOK、わかったわ」
姫恋は桜色の杖を取り出すと柄を撫で上げた。
「じゃあ、彼女たちにはあまぁ~い夢でも魅ていただきましょうか」
杖を翳したならば、苺の香りが濃密に場を支配する。味方の亜唯にとっては甘いだけだが、敵の数体が瞳を蕩かせて千鳥足。
――苗床を食い破り、琥珀から孵る我が子たちの群れ。ああ、ああ、愛しき子たちと巣を築きましょう、永久に。
「うっふっふっふっ……」
「おい? どうした?!」
琥珀の卵を掴みあらぬ方向へ押しつけようとしている仲間を揺さぶる宝石蜂。その胴体が、真っ二つ。
「……ッ?! 敵だ!」
騒ぐもう1体が吹き飛び、更に脇にいた女は地面に叩きつけられて血泡を吹いている。
甘い空気をかき回し紛れ、縦横無尽に駆ける金糸の少年は、宝石蜂の蹴りが射出された場所には既にいない。
(「これは見事なお手並みです」)
亜唯の隠遁の所作に感嘆を示す喜一もまた、混乱を利用して身を潜めていた。
息を殺し、足音も消して、己を空気と懸想する。
脇を素早い風が吹き抜けた、亜唯だ。
――今!
風に歩調を合わせ一気に疾走、さくりと砂を両足で蹴って飛び上がり渾身の踵落とし。
「ぐぅっ……ッ」
と、腕を折り倒れ伏す宝石蟻の傍らに着地する喜一の心には憂いが渦巻いている。女性だから顔は避けたが、手に掛けることへの罪悪感は常に一匙。
「刀じゃねぇんだ。へぇ……」
だがそれも亜唯の好奇心に煌めく瞳で消し飛んだ。
「はい。臨機応変にが信条ですので」
「そっか、ああ援護ありがとな!」
「ありがとうございました」
思う様不意打ちが出来て満足げな亜唯と喜一に対し、バックアップ大成功と姫恋はにっこりサムズアップ。
「どういたしまして」
漸く三人のディアボロスに気づいた宝石蜂が突撃してくるのに対し、更に甘い香りで応酬する姫恋。
「もう見えてるんだよ」
姫恋に向けて突き出された琥珀を喜一はすかさず斬り飛ばす。
脇から飛び出した亜唯は、峨嵋刺に頬斬らせながらも踵落とし。真似てみた、なんて破顔に喜一は照れくささで頭を掻く。
さて、深追い厳禁。
姫恋は甘露を重ね敵を幻惑する。殿を勤める喜一は、残りの数をしかと憶えておいた。
●
姫恋達が交戦開始と相成った頃、他の二人も敵を見いだしていた。
「こういう地味な戦いこそ、気持ちを引き締めていかねぇとな」
冬弥の決意にはどこか思い詰めた色がある。シアは気遣うように横顔を伺った。
「その通りだと思うよ。でも……冬弥君……」
なんて気遣えば良いんだろう? 触れない方がいいのかな、と唇は自然と切り結ばれた。
――きっと、この涙もろい少女が冬弥の友を守れなかった悔悟を知ったなら、悲しみどうしようもない過去に心を痛めることだろう。
「?」
「なんでもないよ、がんばろうね」
えいえいおーなんて戯けた鼓舞にふっと口元を緩める。
「そうだな」
直後、冬弥は地面を蹴った。
多勢への突撃に驚くも、すぐにシアは煌めきのマイクをとりだした。
――これは未来へ紡ぐ希望の歌。
きっと、過去の悲しみの中にまだいるであろう仲間を、シアはシアのやり方で支える。
「全てを、斬る」
清麗にして可憐なる歌声で紡がれる希望に後押しされて、冬弥は上段から宝石蜂を切り下ろした。細雪となり果てる仲間を前に、奴らも黙っちゃいない。
「はぁ!」
ぶんっと勢いつけ容赦のない回し蹴り。だが油断なき冬弥は斬雪を鞘に収め盾とする。握る手がじんっと痺れ、衝撃で肩口が細かく切れた。
「冬弥さん!」
「ああ」
無事と手をあげる余裕もなく、冬弥は攻撃を辛うじて凌ぐ。
「……ッ」
歌うのを止めてはいけない。仲間への護りを更に強く願い、シアは喉を震わせる。
――人々がまた幸せに生きることができるよう、シア達ディアボロスは決して諦めない!
冬弥が名を叫ぶ直後、ブンッと重たい音が耳たぶを振るわせる。身を竦めたシアは反射的に地面に転がった。
ぐじゃり、と後方で琥珀が砕け、その破片が手の甲に刺さる。
「大丈夫だよっ」
卵だ。これを殖えつけられていたらとゾッとする。冬弥へマイク持った手を揺らし、再び戦場に歌声が満ちる。同時に、冬弥の周囲は吹雪くような冷たさで包まれる。
シアの歌声に奮い立ち、冬弥は荒い息を整える。その眼前で、突然現れた藍色の踵にて薙ぎ払われる宝石蟻。
「お二人の奮戦のお陰でここで最後です」
着地した喜一は振り返って立てた二本指を見せた。
そう、残りは二体。最初にはぐれたものは既に道中にて斬り伏せてきたから、絶対に討ち漏らしはない。
喜一は、二人の疲労具合から相当に戦いを重ねたと見て取り、退路を作るように前にでる。
「喜一君、シアはまだ歌えるよ」
シアに対し喜一は振り返り相好を崩す。
「はい。ですが、彼女らを倒せば勘づいた新たな敵がくるでしょう。深追いは厳禁です」
「いつまでぐだぐだお喋りしてるんだい!」
宝石蟻の荒々しい所作は言ってしまえば雑なのだ。
「大変失礼しました」
琥珀の輝きに臆せず跳躍、虚空にある力を借りて二段飛びからの山颪を見舞う。
もう1匹からの琥珀は敢えて喰らう覚悟、だが眼前にて綺羅が霧散するのに目を見張る。霧、否、これは、雪。
「ありがとうございます」
「俺は油断はしない、もう二度と――」
冬弥に手首ごと切り落とされて、意味を成さない叫びを上げる宝石蟻は、自暴自棄の体当たりを繰り出してきた。
「そうですね、油断大敵、です」
突き出された手を掴み受け流すと、そのままふわりと短く飛んで最後の踵落とし。
脚の下で事切れる敵への感慨に耽るより先に、喜一は二人へ「撤収しましょう」と声をあげた。
――此度の宝石蟻の群れは、ディアボロスの手により無事根絶できた。だが強敵はまだ残っている、気を引き締めねば!
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
鬼灯・火怜
アドリブ・連携歓迎
よし、宝石蜂は片付いたようだな、このままの勢いで次に行くぜ!
これだけ騒いだんだから誰かしら来るだろう。
散らかした宝石蜂の死体の近くで隠れて駆けつけてきた敵が死体の検分を始めたタイミングで奇襲をかけるか。
物陰から飛び出して金棒で【強打】して機先を制して敵が態勢を立て直すまでの間にできるだけ損害を与えるぜ。
化生らしく【胎動侵食】がなかなかえぐい効果だな。
エネルギーを体内に送り込んで攻撃するらしいが息を止めたら防げるのか?
まぁいいさ失敗しても死ぬだけだ、とりえず【胎動侵食】を確認したら息を止めて術者に駆け寄り動かなくなるまで滅多打ちしたら術も止まるだろう。
ピエダド・ロザーノ
一つ潰したら次が来る、虫のようにワラワラと、ってのはこういう感じなんでしょうねぇ
奇襲を仕掛けたいから、まずは物陰に隠れて機を窺うわ
ある程度引きつけてから、一気に攻め立てましょう
ってことで石柱を順番に召喚してくわよぉ
これを当てるのが攻撃で、接近戦組の支援がメインで狙いは割と甘い、なぁんて演技で思わせながらね
反撃での風の吹き飛ばしは、ガードしつつそのまま勢いに身を任せましょう
ヘタにその場で耐えるより良いんじゃないかなぁ
な~んてね、戦場に石柱が増えてきたら本命いっちゃおうか?
別に一度に一本ずつ召喚なんてルールは無いもの、纏めて一気に周囲へと石柱を落として…それじゃあ、融けて焼かれて消えちゃってねぇ?
●
翡翠の働き蟻たちの屍が陽に照らされキラキラと輝いた。
奇襲狙いで物陰に潜むのは、ピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)と鬼灯・火怜(鬼人の鬼狩人・g05780)だ。
「やっぱり、大当たりね」
一向に戻らぬ宝石蟻にじれたか、ローブ姿の女達が砦から近づいてくる。
「これだけ騒いでの大立ち回りだったからな」
(「一つ潰したら次が来る、虫のようにワラワラと、ってのはこういう感じなんでしょうねぇ」)
報告で砦へととって返す祈祷師兵が数名。
「させないわよぉ?」
蕩けるような口ぶりと共に、ピエダドは翳した手のひらをスッと斜め下におろす。するとどうだ、その動きに合わせ、巨大な石柱がひとつ降り注いだではないか!
下敷きになる女は胴体を千切られ虫の息、残りも滲み出す燃素にてちびりちびりと焦がされのたうつ。
急襲に蜂の巣をつついたが如く大騒ぎ、無論火怜もそこに乗じるに決まっている。深紅の衣を翼のようにはためかせ右往左往の真ん中に、着地。
「そぉれ!」
袖から見えるは異様に爆ぜ膨れた腕、鉤爪はオモチャをかっさらうようにして敵を大木へと叩きつけた。祈祷兵だったものが弾け、飛び出た腕が砂塵に刺さる。火怜の袖がめくれ現れた白い肩には赤黒い血花が咲いた。
完全に先制を取られ気勢をそがれた敵側と、獅子奮迅の活躍にて面白いように敵の数を減らすディアボロス達。
「あなたたちが宝石蟻を葬ったのですね」
祈祷兵が掲げる杖の珠があやしげな光を放った。
逆巻く砂塵、それぞれ肌の露わな部分がピリピリと音をたてて引きちぎられていく。
「はは、こそばゆい!」
呵々と嗤い金棒を振り回す火怜、瞬く間に2体目の祈祷兵が肉塊と化した。
一方のピエダドは痛みに眉を顰めて苦しげに唇を噛みしめる。
「うう、仲間の援護をしなくっちゃ、でも……」
必死に下敷きになっている仲間を引きずり出そうとする奴らを視界に捕らえ、唇にたてた人差し指を当てがった。
「やっぱり確実に倒してこそよね。ごめんなさいねぇ」
ガンッ!
叩き下ろした石柱の熱で満身創痍の3体を炙り殺す。
憎しみ籠もる風嵐には逆らわず身を任せた。読みは当たり、受け身容易く損傷を減じる。そしてまたコツコツと石柱をひとつ召喚。一進一退、敵からすればキリがない。
「そいつは後で料理すればいい。どうせ仲間がいなければ何も出来ない臆病者だ」
「あらぁ、負け惜しみ?」
揶揄に怒りを剥き出しにする敵の首が胴体と物別れ。火怜の豪腕に掠められたのだ。
「やはりあなたが脅威ですね……」
ふっと息を殺した敵は火怜の口元と胸を凝視。
その間に、仲間達が殴打で潰され石柱で灼き尽くされても冷静に視線を外さない。
「喰らいなさい!」
ガンッと、杖の珠が敵を引きちぎる火怜の腹へと突き刺さる。げほり、と衝動でのけぞるが血反吐と呼吸を堪え、殺した。
「この……このっ……」
ねじ込まれる珠は火怜の腸を圧迫し傷つけるだが、内側へは決して侵食してこない。
息を止めたまま、ぶんっ、と風切り振り上げた腕を、ローブの女へと振り下ろした。
「げばっぁっ!」
背中を叩かれくの字に折れる祈祷兵へもう一撃、二撃……どちらかが命を落とすまで、ねじ込みと滅多打ちで勝負だ。
――どうせ、負けても死ぬだけだ。
何時だって直情径行、死ぬような喧嘩なぞ、憶えてられぬ程にこなしてきた身、今更畏れるか!
がくり、と火怜の眼前で敵が崩れ落ちた。
流石の火怜もぷはりと天に向けて大きく深呼吸、肺腑に新鮮な空気を取り入れての立て直しを要する。
「いまです! 一気に畳みかけろ!」
そう鬨の声を上げた女の右肩を降下する石柱が削りとる。
「ぐぅッ……ははは、やはり腰抜けですね、外しま……」
――ぎゃ、と、台詞の続きは唐突に切れた。
2つ、3つ……流星群のように、降り注ぐ石達に、残された祈祷兵達はあんぐりと間抜けに口を開ける。
「別に一度に一本ずつ召喚なんてルールは無いもの。それにねぇ……押しつぶして殺せたのは、たまたまのオマケなのよ?」
この術の本当の怖さはここにある。
バラバラと落とされたように見せかけて、石柱は敵を完全に包囲する形に配置されていた。あとは、灼熱の煉獄――天国にも地獄にも逝けず、ただただ業火に灼かれ続けるのみ。
魚が焼かれ目を白くするように、祈祷師達も炙られまるまり瞳を濁らせて、やがて物言わぬ骸と化した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】がLV2になった!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
一騎塚・喜一
まだまだ敵の数は多いみたいですね
油断せずここでも出来るだけ敵戦力を削っていきたいです
身を隠しながら敵や戦場の様子を【観察】し、頃合いを見て【不意打ち】を仕掛けます
奇襲を仕掛けるタイミングは皆様に合わせますね
幻術兵は可能な限り無視して本体狙いで参ります
攻撃はそれなりに食らうと思いますが、こういうのは先に本体を叩くのが早いような気がします
囲まれそうになったら【飛翔】【エアライド】で一時離脱を試みます
まだ次も控えておりますし、ここでもたついている訳にも参りません
多少の怪我は気にせず一気に終わらせてしまいましょう
アドリブ・連携お任せ致しますね
レオ・レーラー
アドリブ・連携歓迎
宝石蜂は根絶されたみたいだし、警備部隊の方も始末してしまおうか。
相手の巡回パターンを【観察】して【情報収集】して【不意打ち】が可能そうなタイミングがあるかを確認。
可能であるなら【飛翔】を使って頭上からの奇襲をかける。
敵の集団の中心に着地と同時に【ロストエナジー】を発動、瘴気をまいて相手の対応を少しでも遅らせる。
あとは【炎舞】を発動して周りの敵を殴って蹴ってぶん投げて蹴散らすのみ。
相手の【胎動侵食】に対しては【呼吸法】で呼吸するタイミングをずらしたり、術の発動を【看破】する事で軽減出来ないか試す。戦闘が可能なら少しばかりのダメージは気にしない。
●
火怜とピエダドが宝石蜂の死骸側で待ち伏せる間、一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)とレオ・レーラー(サイボーグのデストロイヤー・g04422)は斥候に出た。戦場の状況を把握し、極力敵の連携を絶つのが狙いだ。
「まだまだ敵の数は多いみたいですね」
草むらを転がる喜一の視線の先で、砦から出て来たローブの一団がなにやら騒いでいる。
「……宝石蜂が戻らないと不審がっているように見えるな」
息を殺すレオは更に耳を澄ます。
殆どの面々が宝石蜂の探索へと向かい、少数が管亥の指示を仰ぐべく残ったようだ。
「出来るだけ管亥と分断した状態で戦力を削っていきたいところですが……」
探索部隊の多さに気遣わしげに硝子ごしの瞳を伏せる。どちらか1人でもとって返した方がいいだろうか? いや、
「分断を狙うのだとしたら、今だな」
「そうですね」
レオへと首肯した直後、喜一は砂塵を思い切り蹴って敵へと切迫、目にも止まらぬ早さで2体を斬り捨てる。
どおっと倒れた仲間だったものを前に色めきだち杖を構える祈祷し2人。
「こいつらが?! 仲間を呼び戻すか」
「そんな暇はありません。ここで始末しますよ。あわせて」
2体が招聘した幻術の兵は、瞳が落ちくぼんだ宝石蜂に酷似した外見をしている。彼女らが仲間を下にみている証左だ。
「そのようなまやかしなど怖くはありません」
再び抜刀し上段の構えを取る。幻影とはいえ翡翠の手脚が傷を穿つが、喜一の眼は確と2体の術者を見据えている。
「……」
喜一が起こしてくれた騒ぎに紛れ木を登ったレオは緑葉に身を潜めている。狙いは頭上からの奇襲。この位置ならば幻術兵を召喚している奴らをあっさり倒せるだろう。
だが、砦の中からこちらへの足音を聞き取り一旦控える。そうして門の方へと注意深く気配を殺したままで移動していく。
(「管亥が共に来たらその時はその時だ」)
果たして、現れたのは祈祷兵のみであった。
喜一と仲間の交戦に構えを取る奴らの動きが、ほんの一瞬ではあるが錆付くように止まった。その刹那、1体の全身がゴォッと紅蓮に包まれ燃え上がる!
凜然たる銀糸靡かせ着地するレオの四肢は赤々とした炎を纏う。息もつかさぬ直後、後方に向け蹴りを食らわし更に1体を葬った。
「な、もう1人いた……ぎあぁッ」
有象無象の幻術兵なぞ、所詮は水増し。
喜一は強き意志で歩を進め、術者に向けて中段の位置で紫羅欄刀にて弧を刻む。
くるり、くるり。
半円描き2体を斬り裂き、レオと戦う祈祷兵のがこちらに気取る前に離脱。優位に立つよう宙を駆け上がり頭上へ位置どった。
「このままおめおめと管亥様の元には戻れません! 死になさい」
左右から杖を振りあげた敵4人が、それぞれレオの口元と胸の膨らみに視線を注ぐ。その意図を即座に看破したレオは、わざと大きく息を吐いた。実際は音だけで息は止めているので長くは保たない。
だが、嘘の呼吸は抜群の誘い水となった。
祈祷兵は鬨の声をあげて四方から4つの杖をレオの胸部へと勢いよく突き出した!
「……幻術兵といい、1対多とは卑怯極まりないやり口です」
ひとひらの花びらのようにふわりと着地した喜一が、華の所作とは相反する素早さと苛烈さで居合い切り。左翼の2体が血花と化した。
仲間が倒れても、残る2体はためらわずにレオを打つ。だがタイミングが狂わなかったせいで、胎動侵食は見事にからぶってしまう。
であれは、ただの打撃の痛みだけ。
それならば、レオが凌ぐのは赤子の手をひねるも同然。
「……ッ、かはっ!」
大きく口をあいて深呼吸、同時に奴らへと両腕を伸ばすと、レオはローブをつかんだ。
「コード『炎舞』」
握りしめる指から油が染みるが如く、じわりと移った炎は胸部の動力炉の爆ぜにあわせ一気に敵の全身を灼き焦がす。
赤から黒に変じた消し炭が倒れてかさりと儚く割れた。
「大丈夫ですか? レーラさん」
覗き込む喜一の頬にも朱い筋傷が幾つも刻まれている。
「ああ、少しの傷は想定内だ。一騎塚さんと同じくな」
更なる増援の気配はない。2人は一旦仲間達と合流すべく身を翻した。
決戦の時は、近い。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
ユリア・ドライツェン
(サポート)
兵器制御デバイスとして開発された存在。
背中に兵器と接続するための金属インタフェース。
優先するのは自分の機能を果たすこと。
トレイン降りて、撃ったら帰る。ぐらいの思いきりです。
受け答えは
はい=ヤー
いいえ=ノイ
戦場で本人は懸架用フレームにぶら下げられた状態のまま、フレームに接続した重火器をハッキングで操ります。
出来るコトは狙撃、範囲砲撃による火力支援。
照れと言うより、戦場での連携以外に交流の必要性を知らないので、積極的に顔を合わせません。
状況開始時と、撤収時に懸架用フレームにぶら下げられたまま、軽く会釈をする程度。
「共に幸運を」
ギャグと色気は本人が理解していないので、対応できません。
ミーレ・ベルンシュタイン
(サポート)
「わたくし、わんぱくですのよ?」
人間のレジェンドウィザード、10歳
学生服にぶかぶかの白ランを羽織った、ちっちゃな番長
魔術や錬金術の研究を通して真理を解き明かす、中世的な魔術師の価値観を持つ少女
「主に自分の体内時間を操作する」魔法を使う
加速して相手に接近してからのパンチ、時を巻き戻して傷を癒やす等
また、合気道じみた動きの徒手戦闘を行う。別に加速しなくても強い
拳法ではなく、魔術師としての素養により生まれつき「流れ」を見ることに長けた天才
基本的に人当たり良く善性で、戦闘に積極的
(特に魔法系の)クロノヴェーダの能力に興味を示す
「さあ、もっと見せてくださいまし?」
魔術知識◎
公序良俗に反する行動はしません
鵲・科戸
(サポート)
妖狐のカースブレイド×陰陽師、16歳の女です。
普段の口調は「守護(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、戦闘中は「鋭利(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
アイザック・グレイ
(サポート)
「幻想竜域キングアーサー」出身の撃竜騎士。
普段は、幻想竜域の依頼を中心に参加しているが、武者修行的に強者との闘いを求めて、他ディヴィジョンに赴く。
敵の数に応じて、使用するパラドクスを決める。基本的にPOW参照のパラドクスを使用するが、敵のSPD/WIZが低ければ、SPD/WIZ参照のパラドクスを使用。
強者との闘いが目的であるため、現地のイザコザには触れないスタンス。(心情的な介入をしない)
気だるげで、態度もあまり良くないが、他人を貶したり、粗暴な行為はしない。ふらりと闘いに参入し、戦いが終われば、ふらりと去っていく。
●
配下の女どもが悉く呼吸を絶たれ世界から塵と消え去ったその時、黄金にして巨躯なる男が砦を乗り越え現れた。
ずしんっと着地した其奴の名は管亥、隊をまとめる頭である。
「なんだなんだなんだ?! 宝石蜂は産み落とした琥珀を放置したまま戻らず、捜索に出した小賢しい女どもは口先ばかりかぁ!」
直後、怒りで沸騰した黄金色の鼻先を夥しい質量の風が掠めた。慌てて飛び退いた管亥へ手のひら打ちが見事に決まる。のけぞった所を顎を掴んで地面へと叩きつけ、引きずられた。
無言で無手で淡々と、だが苛烈なる打撃を繰り出すのは暗がりが似合う風体の男だ。
散々に暴行を加えてから、アイザック・グレイ(竜狩り・g01717)は漸く漆黒の大ぶりな鉈を抜いて、咥えた煙草に火をつけた。
細い紫煙だけが男を白く染める、ぼやけたヴェールの先で男が浮かべるのは賞賛の笑みだ。
「成程、さすが頭目を張るだけあって、随分と頑丈なようだな」
更に重ねた紫煙を裂いて、銀髪金瞳の娘が斬り込んできた。
「単純!」
腕を盾に凌がんと大地を踏みしめる管亥を、鵲・科戸(妖狐のカースブレイド・g02783)は常識では到底図れぬ軌道で曲がり避ける。
金の蟲が必死に視線を巡らせた時には既に、遅い。
上に生えている左腕に裂傷を刻み、科戸は己と変わらぬ長さの赤い鋼を鞘へと収めた。
「……あなたの事は学びこちらへと赴きました」
無論、クロノヴェーダの壊した歴史と同じではないと承知の上で、欠片であれ敵を知る切っ掛けとなればの心算だ。
「攻めてきた孔融を逆に包囲する巧みさ。しかしながら、孔融は己が与えた慈愛が巡り力強い援軍を得て窮地を脱した」
「あぁン? 何が言いたい?!」
「まぁ! そんなこともわかりませんの?」
間近から科戸と違ったあどけない声が聞こえた時には、管亥は宙空を弧を描き飛んでいた。
彼がいた場所には、拳をつきだしたミーレ・ベルンシュタイン(腕白番長・g00069)の姿がある――が、またかき消えた。
自分の時間を弄れば、世界と噛み合わなくなる。その齟齬はミーレへ人ならざる加速能力を与えるのだ。
ばほり、と、白衣に砂の混じる風をはらませて、着地点に先回り、落ちてくるのを受け止めるように腕を広げ、受け止めたなら容赦のない鯖折り。
「……部下を大切にしなさいってことですわ。本当に勿体ないこと! 特に術者を前線に出すだなんて愚策も良いところですわ」
そういうミーレの見目姿は研究者然としているわけだが、戦い方は真っ向からの肉弾戦だ。
憤怒の管亥は握った砂をギシギシと擦り潰すと、口角泡を飛ばす。
「ふん! あんな女どもの力を借りずとも、俺様は強い! さぁ、いけ、蝗ども! 生意気な彼奴らの穴という穴に入りこみ、全てを喰らってしまうのだ!」
管亥の全身の輪郭がぼやけたかと思うと、矛を勇ましく掲げる蝗が無数に現れる。
「喰らえ喰らえぃ! そうして増えよ増えよぉ!」
狂喜乱舞めいた鼓舞を瀬に飛び立つ蝗たち。纏わり付かれたディアボロス達は、それぞれに躱すか迎撃で対抗するがさすがに無傷では済まない。
一方の蝗は喰らった分だけ数を増やす、やられた仲間の分ぐらいは増え直している。
「キリが無いですね」
「確かに、これは疎ましいな」
刃を振り回す科戸と背中あわせで、煙草を投げ捨てたアイザックがサングラス越しに瞳を眇める。流れる血が目に染みるのが何より疎ましい。
ぶぅん…………。
まるで、ブラウン管の画面が壊れて消えるように、蝗たちがかき消える。
直後、反動で吹き上がった砂が蝗のいた空間を走りディアボロス達へと降りかかった。
「時空計算完了」
洗濯物を干すように無造作に懸架用フレームにつり下げられたユリア・ドライツェン(十三番目の渡烏・g05181)は、脚をぶらんぶらんとさせながら、背中の重火器が火を噴くままにさせている。
「ありがとうございます。とても助かりましたわ」
ミーレをはじめ口々にかけられるお礼にはちらと一瞥。目を合わせぬよう俯き、ぽつり。
「共に幸運を」
蝗の一掃を確認し、ユリアははやくも撤収に移る。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【熱波の支配者】がLV2になった!
【神速反応】がLV2になった!
【平穏結界】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎
さて後はあなたを倒すだけね?
私の怒りは皆の怒り。この怒りの波にあなたは耐えれるかしら?
《精神攻撃》が入り込んだパラドクス『終怒波』にて敵を《捕縛》し精神的にダメージを与えていく。
《念動力》にて怒りの波を自在に操り簡単には抜け出せないようにする。
ふふ、私の怒りに耐えてみなさい?耐えれればの話だけど
敵の攻撃は【未来予測】である程度予測しながら避けていく。
陳・桂菓
使用武器は双短戟『騰蛟昇竜』
「小虫どもが。そんな脆弱な顎で喰らえるほど、私の肉は柔ではないぞ」
数の多い蝗の群れに対し、こちらは【烈飄瞬襲撃】の速度と手数で対抗する。
両手の戟による広範囲の【薙ぎ払い】、また硬殻に覆われた足による蹴りによる【連撃】を放ち、蝗がこちらの体に届くより先に叩き落としていく。いちいち蝗を狙うというより、隙間なく空間を埋め尽くす攻撃を繰り出すことによって、そこに存在する蝗を根こそぎにするという感じ。
あとは管亥自身による矛の攻撃だが、これは蝗に比べれば格段に重く強力だろうから、可能なら回避、回避が無理そうなら戟で防御。その後に間髪入れず蹴りなり戟なりで反撃を喰らわせる。
●
ほこりっぽい砂塵も、先ほどのキィキィと煩い宝石蟻も、そしてなによりこのきんきらに悪趣味な四つ手の蟲も――全てが全て、桜・姫恋(苺姫・g03043)には腹立たしい。
「さて後はあなたを倒すだけね?」
はやく済ませて家で甘い苺スイーツに浸りたい。
「ぬぅ、猪口才な」
豪砲でかき消された蝗に歯がみをするも、管亥はすぐに握り直した矛を振りかざす。
「黄蝗天上波ぁぁぁ!」
矛の先より黄金のオーラが放射状に放たれる。それらは目を凝らして見ると……。
「やっぱり蝗なのね」
見通した少し先から、そんな気がしていた。
「はぁあああ!」
耳を突く羽音混じりのオーラの中を畏れず駆け抜けていくのは陳・桂菓(如蚩尤・g02534)だ。
「私はここだ、管亥!」
逃げも隠れもしない武人魂、背中の羽根は真っ直ぐにひらき誇りの高さを誇示する。
「……それで、あなたは隠れちゃうのね」
翼がオーラに貫かれ、姫恋は愛らしい眉を顰める。不機嫌ますます上昇――そろそろ頃合いか。
これ以上当たらぬよう翼を畳み、甘い色の宝玉を抱いた杖を翳す。
「私の怒りは皆の怒り。この怒りの波にあなたは耐えれるかしら?」
ああ、本当に疎ましい!
姫恋の強い怒りは黄金のオーラを一気に苺色に塗り替える。
「ぬぅ……!」
勢いは留まることを知らず、管亥本体をも染め上げた。
「おおぉ、なんという……蝗の存在を赦さぬと? 無駄死にさせられた配下はこんなに俺様に怒っているというのかぁああ……」
たじろぎ身が硬直した眼前で、ちゃぷりと水音がした。はたと目を向けた先には腰にひょうたんを下げた桂菓が仁王立ちしている。
「管亥、真っ向勝負だ!」
「望むところよ」
姫恋の縛りに抗うように四腕を振り回し、ぶんぶんと再び無数の蝗を呼び寄せる。
黒に紛れる管亥と、太もも手の甲と肌を食い破られる桂菓。だが細かな痛みなぞ、呵々と豪快に笑い飛ばすだけだ。
「小虫どもが。そんな脆弱な顎で喰らえるほど、私の肉は柔ではないぞ」
双手に握る青龍戟を大ぶりすれば、ぱらりと分断された蝗が地に落ちる。
硬殻の足に纏わり付いた蝗は食い破る前に蹴飛ばされ果てた。
細かな蟲に一々構わず空間ごとそぎ落と、その武将姫の元へ黄金の羽根を震わせ管亥が飛びかかる。
「……ッ」
獅子奮迅で蝗を払う桂菓は振り戻した戟を前に突き出し防ぐ。
つぷり。
矛の切っ先が桂菓の肩に血花を咲かす。
花のように儚くはならず、桂菓の蹴打は管亥の脇腹を捉えた。そして、自らの肩の肉が抉り取られる痛みを厭わず横へと振り抜く。
口から体液を吐き出し吹き飛ばされる管亥を前に、肩を押さえる桂菓は不敵な笑みを浮かべる。
「お前が突き刺してくれたお陰で、軸がぶれずに済んだ。礼を言うぞ、管亥」
「くっ、口だけは達者なようだが、俺様はまだまだ……」
きぃん、と、管亥の三半規管を異様な怒りが染め上げる。
「その声からして不愉快よ、黙って」
姫恋が瞳に赤々と燃やす怒りを浴びて、地に着いた管亥の腕が斬り裂かれる。
一瞬のたじろぎの間に、桂菓は双短戟『騰蛟昇竜』を翼のように翳し距離を詰める。
肩を狙い来た切っ先よりはやく、ぐるりと旋回、双月を押しつけ斬り裂く、何度も何度も。
敵が堪らぬと途中から矛を防御に持ちかえたならばますます駒は流麗に素早く鋭く弧を描く。
――ふわり、と、駒が止まった時には、桂菓の羽根はすっかり管亥の血で赤く染め上げられていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】がLV2になった!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
ピエダド・ロザーノ
イナゴなんて穀物の大敵だもの、顔も見たくないわねぇ
害虫はとっとと駆除しちゃいましょ
ってことで、ワタシ自身はひたすら攻撃の回避に徹するわ
陣取るのは中距離でもかなり前、接近戦組の邪魔にはならない程度に近づいてね
急所に食らっての致命傷さえ受けなければ十分、ってぐらいの前のめりなスタンスよ
負傷は嫌って安全確実に、なぁんてのは嘘の演技だしね
ワタシがノックアウトされる前に、穴だらけにしちゃうわよぉ
外す無駄弾なんて一切なし、余さず全周囲から神威の礫をブチ込んであげる
イナゴがいくら吼えたところで、偉大なる火山の力の前には所詮無駄な遠吠えよぉ
一騎塚・喜一
お仲間はあらかた片付きました、あとは貴方だけです
勇猛さはこれまでの敵の比ではないでしょう
いざ、尋常に
無数の蝗とは防御面でも厄介ですし見た目もなかなかに恐ろしいです
惑わされぬよう【精神集中】し管亥のみに的を絞ります
先刻と同様に負傷は気にせず本体への攻撃に専念し、
蝗に囲まれた場合は【両断】や【薙ぎ払い】で対処
反撃時は矛の振りを【観察】し、回避できたら引いた瞬間に【捨て身の一撃】で攻撃に転じます
矛が刺さったとして、ただで倒れる訳には参りません
我々への恨みごと受け止めて可能な限り耐えるようにします
力及ばずとも気持ちで負ける訳にはいかないです
連携・アドリブお任せ致しますね
鬼灯・火怜
アドリブ・連携歓迎
さて、残るは『管亥』のみか。
アヴァタール級である以上手練れなんだろうが、時間をかけて増援が来ると面倒だ手早く倒して撤収するかねぇ。
敵の攻撃は【管将百撃拳】という連続突きか、複数相手をできそうな技だがその分僅かに力が分散しているな。
こちらは力を集中して叩き込めば有利に戦えるか?
相手がこぶしでくるならこちらも武器を使うのは無粋だな。
大金棒を手放して【鬼神変】で両腕を異形巨大化、敵の【管将百撃拳】を腕で防御ししのぎながら、1発1発確実に腰を入れた【強打】のこぶしを叩き込んで殴りあうぜ。
良い雄叫びと気迫だ、だが連付きのような生半な拳じゃ敵は倒せねぇぞ。
●
「お仲間はあらかた片付きました、あとは貴方だけです」
悠然にして気概に満ちた一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)の余裕がカンに障ったか、倒れ伏していた管亥の顔が怒気を孕む。
「敵に情けを掛けられる程、この管亥様は落ちぶれちゃぁいねぇ!」
「その勇猛さ、流石は大将格」
柄に手を宛がう横から身を乗り出したのは、鬼灯・火怜(鬼人の鬼狩人・g05780)だ。
「はは! 確かに、これ以上援軍を呼ばれちゃあちょいと厄介だ」
まだ同じ大きさの両腕を組み火怜は抜け目ない双眸で相手を射た。
アヴァタール級である以上奴は手練れだ、そうそう情けを掛けるわけにいくまい。
「貴様らまとめて喰らい尽くしてくれるわぁ!」
砂塵を契り投げ勢いづいて立ち上がった管亥の姿は、瞬く間に黒い群れにて隠される。
むわんっと場に満ちる蝗に、ピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)は柳眉を顰めた。
「そうねぇ、害虫はとっとと駆除しちゃいましょ」
イナゴなんて穀物の大敵、顔も見たくないとぷいっと顔を背けるも、足取りは怯むことなく黄金の元へと進む。
彼女が中頃に到達した時点で、左右をそれぞれ疾風が駆け抜けた。
(「心頭滅却、狙いは管亥のみ」)
左を奔る喜一は、袖を食い破り皮膚へと到達する牙に片目をつむり唸る。
痛い。
だが、我慢だ。
足が前に駆ける限りは此ら障害にアラズ。止まらずに吶喊すべし!
これらは、まやかし。
この刃は、まやかしには、決して屈さぬ!
「いざ、尋常に」
ますます増える蝗で頬が切れ口元に鉄の味を運ぶ。だが、喜一は止まることなく思い切り地面を蹴った。
「勝負!」
頭上からの振り下ろし、その一閃は、彼らしく正直で真っ直ぐな軌道を描き管亥の二の腕に食い込んだ。
「ぬぅんッ」
反対の手に握った矛が喜一の額を狙い繰り出された。
回避か、喰らうか?
いいや、第三の選択だ。
「おぉぉおおッ!」
柄を握る腕に渾身の力を込めて、下へ下へと押し進む。骨らしきもので止まってもへこたれず、ただただ――斬る。
つっぷりと金色に腕が1本絶たれ、体液が砂を汚した。一方の喜一は籠めた力の反動で着地と同時に前にふらつく。そこを逃す管亥ではない。
だが――そこを逃すピエダドでも、ない。
ごぉっと喜一を守るように紅蓮の花々が咲き誇った。
「イナゴがいくら吼えたところで、偉大なる火山の力の前には所詮無駄な遠吠えよぉ」
炎の燧石が管亥に血花を刻み喜一の前より退ける。
「ありがとうございます」
掠めた左瞼の血を拭い、喜一は確りと大地へと足をつける。
再び満ちた蝗を薙ぎ払ったならば、そこに奴はいない。
「そちらへ行きました!」
叫び姿を求め再び疾走。
「拳同士のぶつかり合いも粋なものだな」
ぶんっと、火怜はずっと共としてきた大金棒を投げ捨てた。それは脳漿啜りの名に違わず、周囲の蝗を巻き込み潰す。
「…………、ん、右ねぇ?」
蝗に紛れ至近まで近づいていた管亥に気づき、ピエダドは金蘭断を思い切り翻す。
ブンッ、風斬り音。捉えたのは切っ先僅かか。大して自分は二の腕に三突きを喰らった。
だが権謀術数に長ける女は苦を漏らすどころか口元を傾がせ余裕の微笑みだ。
敢えて的となり居場所を知らせた。そうして招いた衝撃に場を譲りひらりと花びらめいた動きで典雅に身を引くのだ。
(「安全確実なんて、今まではお芝居だったんだから」)
致命とならねば傷つくのは上等、そうして仲間へとつなぐが身上。
ふおっ、と、砂と蝗が吹き上がった。そう、ピエダドと入れ替わりで。
居場所はピエダドの声にて知らされた。ならば狙いはブレはしない。
金色と黒色の砂嵐の中に、琥珀の双眸だけが獣のように爛々と輝いたかと思うと――管亥の躰が紙くずのように吹き飛び転がったではないか。
「……?!」
「やっぱりな。他所を狙おうとした瞬間に分散する」
ならばこちらは、一。
愚直に、それだけの、一。
ゴッ、と常識では到底計上出来ぬ膂力にて、単純な軌跡の巨腕が管亥の頭を掴み押しつぶしている。
虫けらのように痙攣する3本腕、だが火怜は勿論喜一もピエダドも気を緩めることは一切ない。
立ち上がり様に突き出された数回の突きを、火怜は敢えて受けまた一を叩き込む。
仰け反ったなら、空いた胸へ喜一の袈裟斬りの傷が新たに刻まれた。
「この……ッ」
ぶんっとふるった切っ先から逃げず、喜一は更に斬を重ね、反対の腕も切り上げ刃をめり込ませる。
「本当に強い……ぐっふッ」
上がる息のままの賞賛の後ろは嘔吐を堪える音に飲まれた。腹をめがけて何度も拳を打ち付けられても、喜一は決して柄を離しはしない。
「…………くっおぅぅ! このまま倒れはしません」
ぶぢん、と先ほどと同じ手応えと共に、金色の腕がもう1本虚空に千切られた。
敵は踏鞴を踏みながらも、残った腕に握られた切っ先が喜一を狙う。
「外す無駄弾なんて一切なしよ」
だが追い打ち叶わず。矛を握る手に集中的に炎が咲いて矛を取り落としてしまったのだ。
「余さず全周囲から神威の礫をブチ込んであげる」
精密な仕掛けが可能ということは敵からの攻撃も充分可能ということ、だがピエダドは怯まずに更に術式を編み、矛ごと腕を消し炭に変えた。
赤々と冴え上がる中で、彼女を庇うように火怜が躍り出ると腕を振り上げ叩き下ろす。
「おおおおおおお! このっ、俺様はぁあ!」
1本だけになった腕で拳を作り、火怜の顎を何度も見ぶちあげる。
天蓋に血を吐きながらも、火怜の表情はあくまで不敵。
「良い雄叫びと気迫だ、だが連付きのような生半な拳じゃ敵は倒せねぇぞ。こうするんだよ」
ご。
臓腑が刮げる音を聞き、管亥は最後の意識を手放してしまう。
「……く、ディアボロス…………あっぱれ……ッ」
ディアボロス達は皆、互いを護りながら自らは捨て身の覚悟で攻撃をしてくる。
一方で自分はどうだ。
群れを使い攻めるが落とせず、配下も散漫に使い潰してしまった。
勝てぬが道理――そう悟った管亥は地に倒れ伏すと同時に消え失せいく。
ここに、ディアボロス達の決死の覚悟でもって、ひとつの勝ち星が記された――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
【怪力無双】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV4になった!