砂上の船と空を舞う屍鷲(作者 湊ゆうき)
#獣神王朝エジプト
#巨大砂上船スフィンクス最終決戦
#巨大砂上船スフィンクス
#寵愛の少年ファラオ
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●少年ファラオはご立腹
巨大砂上船スフィンクス――その内部で、目の前で自分に平伏するクロノヴェーダから上がった信じられない報告にイライラを募らせた寵愛の少年ファラオは、怒りを露わに言葉を投げつける。
「クフ王から授かった、この無敵のスフィンクスが停止ってどう責任とるつもりなのっ?」
言葉もなく縮こまっているクロノヴェーダへと冷たい視線を寄こしながらも、起こった事実に対処するための作戦を指示する。
「……しょうがない、一度後退して立て直すよ。急いで、スフィンクスを再起動させて」
しかし返って来たのは、完全停止したためにすぐに再起動させることができないという消え入りそうな声。
「はあ? 停止させられただけでも無能だっていうのに、再起動もすぐできないなんて……この役立たず!」
罵られてもただただ平伏するしかできな部下への怒りはひとまず抑えることにして、急ぎ再起動させるために動くよう指示を出す。
指示を受けたクロノヴェーダたちは恭しく頷くも、再起動させる前に、もしディアボロスが攻撃を仕掛けてきた場合はどうするべきかと不安げに少年ファラオへとお伺いを立てる。
「何言ってるの。迎え撃つに決まってるよ。このスフィンクスが破壊されるような事は許されないんだからね!」
少年ファラオから再起動が終わるまでは絶対に敵を近づかせないようにと厳命を受けたクロノヴェーダは、必ず任務を遂行すると固く誓うのだった。
●新宿駅グランドターミナルにて
「皆様、お集まりいただきありがとうございます」
新宿駅に集まったディアボロスたちへと、ファナン・トゥレイス(人間の風塵魔術師・g01406)が頭を下げ、今回の任務の説明を始める。
「皆様の今までの活躍によって巨大砂上船スフィンクスを停止させる事に成功いたしました」
事前に準備していた防衛拠点がその進行を阻止し、停止させるに至ったのだ。
「敵もスフィンクスを再起動させ、後退して一度態勢を立て直そうとしているようですが、もちろんそんな猶予を与えるつもりはありません」
ここで力を合わせ、一気呵成に攻撃を仕掛けることで、巨大砂上船スフィンクスと、ジェネラル級クロノヴェーダ『寵愛の少年ファラオ』を撃破してしまいたい。
「皆様には、正面から攻撃を仕掛けていただきます。出来るだけ派手に攻撃を仕掛け、多くの敵を引きつけ、撃破していただきたいのです」
その隙に別の部隊がスフィンクス内に侵入し、内部にいる寵愛の少年ファラオを撃破するという作戦だ。
「正面からの攻撃が激しければ激しいほど、潜入部隊の負担を減らすことができます」
現れたディアボロスを敵が放っておくはずはない。だから派手に戦い引きつけることでスフィンクス内を守るクロノヴェーダを減らすことが可能だ。
「ディアボロスの攻撃が、正面からの波状攻撃によるスフィンクスの撃破だと思わせるような動きが出来れば、より効果的かもしれません」
本当の狙いは別部隊が秘密裏に潜入し、少年ファラオを撃破すること。それを悟られないように敵部隊を引きつけることができれば、潜入部隊の大きな助けとなるだろう。
「この決戦に勝利すれば、巨大クロノ・オブジェクトである、スフィンクスを手に入れることが出来るかもしれません。どうかよろしくお願いいたします」
ディアボロスたちへと信頼の眼差しを向けると、ファナンはもう一度頭を下げるのだった。
●空からの強襲
巨大砂上船から迎撃に出たのは、全身を包帯に覆われた鷲の姿をしたトループス級マミー『鷲のウカーブ』。
おぞましい鳴き声を上げながら、空を自由に飛び回りディアボロスたちへと襲い掛かろうとしている。
主である寵愛の少年ファラオの怒りと苛立ちを感じ取り、彼らの士気も高まっていた。
スフィンクスに近づく敵をとにかく攻撃して撃破する。その命令を忠実に遂行するため全力を尽くすのだ。
普段はクロノヴェーダ間の連絡や民の監視、索敵などを役割としているウカーブたちは、飛行能力と索敵能力は高いがその分思考力は低い。
陽動だと気づきもせず、現れたディアボロスへと空からの強襲を図るのだった。
リプレイ
エルティ・アーシュ
エジプトの平和に近づくことができるかもしれない戦いになるんだね
それなら陽動でも全力で戦うよ…と、陽動ってばれちゃいけないね
【飛翔】で動き回って戦うよ
【空中戦】に【一撃離脱】や【薙ぎ払い】、それに使える技能や効果も駆使して、ウカーブを一体ずつ確実に倒していくの
スフィンクスに攻撃を当てる…ふりで、近づいたり離れたりしながらウカーブを倒していけば、より陽動っぽく見えるかな
参加してる仲間とはできるだけ連携するよ
アウリーネは傍にいて
何か気づいた事があったら教えてね
アウリーネはぼくが護るから
ウカーブ達も一生懸命なんだろうけど…
ぼく達も人々のために負けられないの
みんなの平和のための第一歩にするよ
・アドリブ可
黒野・茉莉奈
……ああ、随分喧しい鳥だ。
耳栓でも持ってくればよかったかな。
ところで、自分たちの頭の上の心配はしたかい?
頭上からの攻撃は空を飛ぶ者だけの専売特許じゃないんだよ。
パラドクスでウカーブのさらに上空から隕石を落として攻撃
地面に落とした隕石で撒き上げた砂埃を煙幕代わりに時間稼ぎしつつ
頭上を飛び回っている群れの態勢を乱して攪乱
こっちの攻撃態勢が整ったら全力魔法で相手してやろうじゃないか
アドリブ・連携歓迎
●平和への第一歩
「これは、エジプトの平和に近づくことができるかもしれない戦いになるんだね」
空から見下ろすウカーブたちにとっては、小さく見えるだろう人派ドラゴニアンの少女エルティ・アーシュ(受け継ぐ小竜・g01898)は、そう呟いては砂上船とウカーブたちを見上げた。
あの中には、ジェネラル級クロノヴェーダである寵愛の少年ファラオがいる。多くのクロノヴェーダを従えてはいても、外からのディボロスの攻撃を受けてはじっとしていないだろう。迎撃に出てきた敵を倒し、少しでも内部の敵の数を減らしておくことが勝利へ大きく近づくことになるのだ。
「それなら陽動でも全力で戦うよ……と、陽動ってばれちゃいけないね」
あくまでもそれは内密に。陽動だとばれてしまえば内部の警護を手厚くされる恐れがあるからだ。
エルティは竜の翼を羽ばたかせ、空へと飛翔する。円を描きながら飛び回りつつ、おぞましい鳴き声を上げ続けるウカーブの声が呪詛のように精神を脅かしていくが、ぐっとこらえてソードハープを手に肉薄する。
空中の戦いならエルティも屍鷲に引けを取るつもりはない。力強い竜の翼が一気に距離を詰め、一撃を加えてすぐさま離脱。そうして砂上船そのものへも攻撃を加えようとすれば、ウカーブたちはさらにけたたましい鳴き声を上げ、エルティへと迫る。
(「うん、スフィンクスに攻撃を当てるふりは有効みたいだね。これで陽動って気づかれないかも」)
確信を持ったエルティは、引き続き翼で大空を自由に駆けると、近づいたり離れたりしながらウカーブを一体ずつ倒していく。
「……ああ、随分喧しい鳥だ」
同じ頃、空を見上げていたのは、サキュバスのレジェンドウィザードである黒野・茉莉奈(サキュバスのレジェンドウィザード・g02229)。
おぞましい鳴き声を上げ続けて空を旋回するウカーブたちを耳を抑えてうるさそうに睨みつける。
「耳栓でも持ってくればよかったかな」
その鳴き声は精神を消耗させる呪詛。もちろん耳栓でそれが防げると思ってはいないが、そうでも言いたくなるほどの喧しさだ。
エルティの攻撃を受け、鳴き声がさらに大きくなる。現れたディアボロスを排除しようとウカーブたちは空を飛び回り、優位を取ったかのように空をぐるぐると回り、攻撃の機会を窺っているようだ。
「確かに、空から……上からの攻撃は優位性があるとも言える」
けれど彼らは肝心なことに気づいていない。
「ところで、自分たちの頭の上の心配はしたかい?」
茉莉奈がそう問いかけるのと、パラドクスによる攻撃がウカーブたちへと襲い掛かるのは同時だった。
エジプトの空に無数の隕石が流れ落ちる。それはウカーブたちが飛ぶよりさらに上空からやってきては、彼らの体躯を容赦なく打ちつける。
翼を痛打されたウカーブは地に落ち、頭に直撃したものは意識を失い落下する。
「頭上からの攻撃は空を飛ぶ者だけの専売特許じゃないんだよ」
完全に油断していたであろう相手へとそう述べれば、派手な攻撃にまた別のウカーブたちがディアボロスを殲滅せんと集まって来る。
だが、隕石落としの効果はそれだけではない。地に落ちた隕石は砂漠の砂を巻き上げ、砂埃となってまるで煙幕のように視界を奪う。空から狙いを定め、急降下していたウカーブたちは、茉莉奈の姿を見失い右往左往する。
「アウリーネ、傍にいる? うん、大丈夫だね。何か気づいた事があったら教えてね」
砂埃はエルティとオラトリオ『アウリーネ』の姿をも隠した。攻撃対象を見失ったウカーブは上空から当たりをつけて突っ込んでくる。思考力が低いせいか、こういったことに対処できないのだろう。
「うん、こっちだね?」
アウリーネがウカーブの居場所をエルティに伝えれば、砂埃に視界を奪われ右往左往するウカーブを竜の翼の勢いを活かして強襲。
「アウリーネはぼくが護るから」
だから安心してと微笑むと、次なる敵へと立ち向かう。
「さあ、群れの態勢は乱せたようだね」
砂埃で姿を隠している間に、茉莉奈の準備も整っている。視界が晴れ、茉莉奈の姿がウカーブたちの目に映る。
けたたましい声をあげながら、一斉に茉莉奈に迫っていくが――。
「準備は整ってる。全力魔法で相手してやろうじゃないか」
伝説級の強大な魔術を編み出し行使する存在――それがレジェンドウィザードだ。茉莉奈の魔力がウィザードロッドから迸り、空から更なる隕石が降り注ぐ。
直撃し、地に落ちるもの。なんとか避けては、少年ファラオの厳命を果たそうと叫び声を上げながら突進してくるもの。彼ら全てに、容赦なく流星のごとき隕石が降り注ぐ。
「ウカーブ達も一生懸命なんだろうけど……」
彼らは彼らなりに為さねばならないことがあるのだろう。けれど。
「ぼく達も人々のために負けられないの。みんなの平和のための第一歩にするよ」
もう一度気を引き締めなおすと、この陽動戦を成功させるべく空を駆けるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
遠咲・奏
彷徨う女子高生は、いつの間にかパラドクストレインで、エジプトに降り立っていました。
どうやら大規模な陽動作戦に参加していたようです。
おぼろげな記憶の中の、愛しのお兄ちゃんを探している彼女は、作戦参加者に彼がいないかどうか、探しながらの参戦となります。
ウィザードロッドを天高く掲げ、アイスエイジブリザードを巻き起こします。
敵の反撃は、群れる屍鷲と予測されます。
普段は回避に専念しつつ、なるべく纏めて範囲に入るように調整しながら、まとめてアイスエイジブリザードの餌食となるよう、狙いを定めます。
その際は、素早い術式展開の為、技能の高速詠唱1も活用。
味方との連携重視。
迷惑行為はしません。
他者との絡み歓迎。
レイン・ウォーカー
陽動だろうと何だろうと
それでジェネラル級を撃破できるのなら私は何だってやるわ
相手は飛行能力持ち、地上で迎撃するのは限界があるわね
なら周囲に 【フライトドローン】を展開
その内一つを自身の近くに待機させ、空中戦時の踏み台として利用する
戦闘時はドローンを足場に空中を飛び回りながら凍結剤を【投擲】
翼の自由を奪って地上に引きずり下ろした所をカドゥケウスで切り裂くわ
相手の攻撃は【残像】を作り出して狙いを逸らし、最低限の動作で回避
敵が複数いる場合は【デモニックボム】を使用
爆破で体勢を崩したところでその体目掛けて飛び移り、スティンガーによる【斬撃】を喰らわせる
とにかく派手に動いて、敵の目をこちらに引き付けるわ
●砂漠に躍る火花と吹雪
仲間のディアボロスたちが派手な攻撃で交戦すれば、砂上船を守ろうと、けたたましい叫び声を上げながら、鷲のウカーブの新手がやってくる。
「そうよ、相手の注意をこちらに集めて……」
屍鷲たちが集まって来るのを見つめ、砂漠に吹く風に白い髪をなびかせたレイン・ウォーカー(降り止まぬ雨・g02000)がその動きを確かめるように呟く。
そう、この作戦はスフィンクスへと秘密裏に侵入する別部隊を手助けするためのもの。
「陽動だろうと何だろうと、それでジェネラル級を撃破できるのなら私は何だってやるわ」
どんな任務であれ、それがクロノヴェーダの侵略を阻止する助けになるのなら。
レイン自身もディアボロスとして覚醒する前に、大切な人を失った。もう後悔はしたくない。だから今できることをやるまでだ。
ウカーブたちは群れながら空から一斉に急降下し、突撃しながら攻撃してくるのは仲間たちとの交戦を見て把握している。
「あの飛行能力……地上で迎撃するのは限界があるわね」
ならばとレインが考えたのは、空への足掛かりを作ること。
フライトドローンを周囲に展開させると、そのひとつに命令を出し、自身の近くに待機させる。
「さあ、行くわよ」
フライトドローンに乗って空へと躍り出るレイン。ウカーブは現れた多数のドローンを見ては、更にけたたましい声を上げる。
ドローンの速度はそれほど出ないが、敵と認識されればレインへと狙いを定めて飛んでくる。そうしてレインは飛来するウカーブとの距離が縮まったのを見ては凍結剤を投げつける。特殊な薬液が、投げつけられた翼から瞬く間に熱を奪い凍結させていく。自由を奪われたウカーブはそのまま地上へと墜落していくのだった。
レインを危険視したウカーブが率先して彼女を狙ってくるが、レインはフライトドローンから別のフライトドローンへと飛び移り、その攻撃を避ける。ある程度凍結剤をまいたところで、地上に落ちたウカーブたちへと毒の塗られた刺突剣【カドゥケウス】で切り裂いて絶命させる。
「あなたたちの敵はここよ」
華麗で鮮やかな手さばきにより、レインは屍鷲たちを引きつけ続けるのだった。
同じ頃、広大な砂漠の中で一粒の真珠を探すかのように、大切な何かを探す少女がいた。
(「ここは、砂漠……ここにも、いない
……?」)
黒の瞳を細め、目を凝らしても、遠咲・奏(彷徨う女子高生・g06523)の探す大切な人は見当たらない。
記憶は曖昧だが、奏は気がついたときは海岸にいて、ディアボロスに覚醒していたようだ。何とか思い出したのは自分の名前と、大切な使命。そして大切な人――おそらくそれは自分の兄だろう――を探すため、手掛かりを求め無意識にパラドクストレインに乗り込んでいたようだ。
これはディアボロスたちが力を合わせた大規模な陽動作戦。作戦の概要は理解しているが、奏はその作戦参加者の中に愛しの兄がいないかどうかを探しながらの参戦となる。
どうしても敵の動きよりも味方の姿が気になって、空から群れながら襲い掛かるウカーブたちへの対処が遅れてしまう。
「危ない!」
屍鷲の強襲を察知し、彼女の危機を救ったのはレインだった。
空より襲い掛かるウカーブへと、コウモリのように飛んでいく悪魔爆弾の群れを放ったレインは、奏をフライトドローンの一つに乗るように勧める。自身もフライトドローンを足場に飛び回ったレインは、爆破により体勢を崩した敵の身体へと飛び掛かり、ヒールに鋭い刃が仕込まれている【スティンガー】によって更なる攻撃を加える。
「……ありがとうございます……」
窮地を救われ奏はレインへと礼を述べる。そう、兄はここにはいない。ならば自分もこの作戦に貢献するために持てる力を発揮しなくては。
「敵の攻撃は先程見て予測できます……」
ならば群れたところを一網打尽にするまでだ。奏は先端の紅いクリスタルに膨大な魔力を宿した【賢者の杖】をエジプトの空へと高々と掲げて見せた。
「凍てつく吹雪で覆いつくします……!」
賢者の杖の魔力を乗せたパラドクスで砂漠に吹雪を巻き起こせば、多くのウカーブたちが巻き込まれ、餌食となる。
回避したウカーブが空から襲い掛かって来るが、フライトドローンも使って回避を図る。吹雪で身体を凍てつかせたウカーブが落下したところを、レインが素早くカドゥケウスで止めを刺していく。
ディアボロスたちの派手な活躍に、ウカーブたちも警戒を強めるが、砂上船を死守するために彼らも必死だ。死に物狂いで強襲してくる相手へと、奏は賢者の杖を掲げ、吹雪で対抗する。
「敵の目をこちらに引き付けることには成功してるようね」
「陽動作戦、ですね」
その目的は十分に果たせていると、二人は頷き合いながら、襲い掛かる屍鷲の注目を引きつけ続けた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
伊狩・真琴
ふむ、陽動作戦ですか。
こちらを本命と思わせたいなら下手に遠くへ誘導を狙うよりは、
むしろ相手を倒しきるつもりで押した方が良いでしょうね。
……つーわけで覚悟しろや干物ども。
寄ってくる奴は片っ端から【鬼神変・破軍衝】でブッ飛ばす。
衝撃波なら攻撃範囲が広いから飛んでる相手でも外しにくいしな。
敵に捕まったら黒縄出して妖通力の念動力で動かして羽根を縛り上げる。
羽根を動かせなきゃまともに飛べねえだろうし、
足が浮いてても【エアライド】で空中を蹴れば殴るのに支障は無え。
テメエらも後ろで縮こまってる親玉も!
全部まとめて叩き潰してやるからかかってきやがれ!
地大・龍輝
【心情】
寵愛の少年ファラオと言えば、以前戦った時には部下に阻まれてまともに戦うことすらできなかった
だが、今日こそ巨大砂上船スフィンクスと、ジェネラル級クロノヴェーダを討ち果たす時だ
【戦闘】
「発明」のデモニックボムを大量に撒き、多くの戦力を投入しているように思わせる
意図的に、スフィンクスの外殻を爆破し、ディアボロスによる攻撃が発生しているんだと思わせる
鷲のウカーブについては、下りてきたところを爆弾と「斬撃」で迎え撃つ
「その調子だ、集まってくれよ」
「お前らに奪われたディアボロスが来たんだ! この程度の数で止められると思うな!」
後はこちらの「忍耐力」が持つ限り戦うだけさ
根競べならこっちの方が分は良い
●勝利への道筋
見渡す限り広がる砂漠に佇むその巨大な威容の姿を地大・龍輝(名前のない戦士・g05599)が目撃するのは初めてではなかった。
砂上船スフィンクス――その中に確かにいるのだ。ジェネラル級クロノヴェーダ・寵愛の少年ファラオが。
(「かの敵とは、以前は部下に阻まれてまともに戦うことすらできなかった」)
防御拠点でスフィンクスを迎え撃つ依頼に参加していた龍輝は、そこで少年ファラオを撤退させるため戦いながら一芝居打ったのだ。あの時は油断させ撤退させるしかなかったが、今こそディアボロスたちの総力を挙げて雌雄を決する時が来た。
(「今日こそ巨大砂上船スフィンクスと、ジェネラル級クロノヴェーダを討ち果たす時だ」)
記憶をなくした彼が唯一携えていた武器【神剣・歳刑】を握りしめると、龍輝は行動を開始した。
「ふむ、陽動作戦ですか」
同じ頃、砂上船から飛び出して迎撃に当たる鷲のウカーブの姿を目撃した伊狩・真琴(成鬼・g02897)は、この作戦について考えていた。
仲間たちの別所からの攻撃にウカーブたちも必死で迎撃し、スフィンクスを守ろうと身を捨てる覚悟で戦いに当たっている。
「こちらを本命と思わせたいなら下手に遠くへ誘導を狙うよりは、むしろ相手を倒しきるつもりで押した方が良いでしょうね」
遠くへと引きつけることも有効だろうが、スフィンクスから離れたことでウカーブがディアボロスの追撃を諦める可能性もある。なによりこの作戦を悟られないためには、スフィンクスと敵を撃破するという心意気を見せることも大事だろう。
その時、近くから大きな爆発音が響く。コウモリのように飛ぶ悪魔爆弾が着弾し、砂上船の外郭のあちこちから煙が上がると、けたたましい声を上げたウカーブたちが爆発場所に集まって来る。
「こちらに引きつけて……一気に倒し切りますか」
仲間が仕掛けてくれた攻撃を活かそうと真琴は爆発場所へと走る。そしてその間に、普段は強い自制心で抑えている怒りの感情を解き放つ。
「……つーわけで覚悟しろや干物ども」
鷲のミイラであるウカーブをそう評すると、真琴は鬼の血によって己の腕を一時的に異形巨大化させる。
新宿の大学に通う平凡な大学生だった真琴だが、ディボロスとして覚醒した後は額から鬼の角を生やし、硬化した腕を持つ鬼人へと変化していたのだ。
「寄ってくる奴らは片っ端からブッ飛ばしてやる!」
普段は丁寧な言葉遣いの善良な一般人としての振る舞いを欠かさない真琴だが、その内面には理不尽に対する怒りが秘められている。怒りはディアボロスにとって力となる。その感情を戦場で解放すると、真琴は空から強襲してくるウカーブを、その巨大化した腕の膂力と正確な拳の一撃で衝撃波とともに打ち砕いていく。
次々とウカーブを叩きのめす真琴の様子に、デモニックボムで大規模な爆破を起こしていた龍輝は作戦が上手くいっていることに手応えを感じる。
(「その調子だ、集まってくれよ」)
ディアボロスが派手に暴れればまたウカーブたちも集まってくる。多くの場所で爆破を起こすことで、実際にいる以上の戦力がここに集結し、スフィンクスを破壊しようと思わせることができるからだ。
「お前らに奪われたディアボロスが来たんだ! この程度の数で止められると思うな!」
空から襲い掛かるウカーブの攻撃を神剣・歳刑でいなしながら、動きを鈍らせたところで悪魔爆弾をお見舞いする。
作戦通りではあるが、確かに数は多い。空から襲いかかるウカーブの攻撃のその全てを回避することはできなかった真琴は、急降下してきたウカーブの鋭い足の爪に捕らえられ、空へと連れ出されてしまう。
だが、これも予想の範囲内だ。慌てることなく、自身の血液から生成された強度のある赤黒い縄【黒縄】を取り出せば、その包帯に覆われた翼を縛り上げる。
羽を動かすことができなければ、まともに飛べないという真琴の読みは当たり、ウカーブは真琴を放り出して落下していく。
仲間たちのおかげで、ここ一帯はディアボロスが飛翔できる世界へと変化している。エアライドの効果で一度空中を蹴ると、そのまま飛翔し飛んでいるウカーブを巨大な拳で殴りつける。
「テメエらも後ろで縮こまってる親玉も! 全部まとめて叩き潰してやるからかかってきやがれ!」
威勢のいい真琴の言葉に、ウカーブたちはおぞましい鳴き声を上げながら退く気は見せない。
龍輝もまた、砂上船や敵を爆破し、一体ずつ敵を沈めながらその光景を見つめる。
「後はこちらの忍耐力が持つ限り戦うだけさ。根競べならこっちの方が分は良い」
思考力の低いウカーブたちは闇雲に戦うだけ。こちらは相手を引きつけるという目的をわかっている分、無茶をしたりはしない。
彼らの活躍により、多くのクロノヴェーダが砂上船から引きずり出され、この決戦を助ける大きな一助となったのは言うまでもない。
寵愛の少年ファラオとの決戦は、もうすぐそこに迫っていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!