リプレイ
無堂・理央
都の人々にしてみれば、自分達の身を守る一環で儀式に参加してるんだろうな~。
ホント、平安京に救う鬼や妖怪は人を煽るのが上手いよ。
無双馬『クロフサ』に騎乗して、現場に急行!
何だか、今日のクロフサはいつも以上に気合が張ってるのか荒いんだけど!
持って来てる妖刀も普段以上に呪詛発揮してるんだけど!
(宿敵絡みですが、敵も一切覚え無し)
現場に着いたら、都の人達と貧民達の間に割って入る!
飛んでくる石は鞘に納めたままの妖刀で弾いちゃおう。
投石に対応しながら、貧民達には一旦、都の外に逃げて貰うよ。
「今は都から離れて!都の人達は鬼を作りたい奴等に騙されてやってるだけだよ!」
薬袋・透
時代によって身分とか貧富の差があるのは、もう仕方ないとも思うのよ?でもヒトがヒトを一方的に貶めいたぶるこの状況は異常だわ。しかも保身と厄払いの建前と大義がある分余計に厄介ね
貧民と都人の間に割って入り翼を広げるようにして庇う
薙刀を振り回し発生した風使いの斬撃で石を切り落とし相殺
薙刀で捌ききれない分は尾で打ち落とす
強い殺気を向け都人のヘイトを僕に集められればその分貧民達から気を反らせそうね、その隙に逃げてくれたらいいけど……
さあ、彼らを殺したきゃ僕を倒してからになさい!
アドリブ連携歓迎
伊狩・真琴
下らねえ真似しやがって……と、まずは救助が優先だ。
怒るのは安全を確保してからでも十分です。
「無理矢理連れてこられただけのこんな儀式に付き合う必要なんてありません。
さっさと逃げてしまいましょう。」
と貧民の方々に声をかけて、都から逃げるのを手伝います。
さて、逃げる人々を守るなら【鬼神通・大怪腕】を使いましょうか。
石や矢などが飛んできたら召喚した腕で防ぎつつ、都の外に誘導します。
都の人々はクロノヴェーダではありませんし、まず攻撃が通る事はないでしょう。
邪魔な物があれば召喚した腕で掴んでどかすか、殴って破壊しましょうか。
都の人々が移動を邪魔するなら、妖通力を使って軽く念動力で小突いて動きを止めます。
●救いの手、来たる
悲鳴の響く都に、馬の駆ける音が到来する。
無双馬『クロフサ』と共に参上したのは、無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)。
「都の人々にしてみれば、自分達の身を守る一環で儀式に参加してるんだろうな~。ホント、平安京に巣くう鬼や妖怪は人を煽るのが上手いよ。……」
呟く理央を乗せたクロフサの走りは、普段より荒い。やけに、気合が張っているようだ。
そう言えば、携えて来た妖刀も、抜いてもいないのに呪詛が濃い。この場に、何かクロフサ達を猛らせるものがあるというのか……。
理央達と共に、現場に到着した薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)は、都の内とは思えぬ血生臭い風の匂いに、思わず顔をしかめていた。
「時代によって身分とか貧富の差があるのは、もう仕方ないとも思うのよ? でもヒトがヒトを一方的に貶めいたぶるこの状況は異常だわ」
儀式、と呼ぶには、あまりに無慈悲。
豆などではなく石を用いた追儺……それを実行しているのは、妖怪でもなく鬼でもなく、人間である。
「保身と厄払いの建前と大義がある分余計に厄介ね」
加えて、『鬼馬軍団』の出現。一層、都の人々の恐怖心、そして何より、貧民達への敵意は高まった。
そしてそれは、投石の威力をも増して。
しかし、黒幕の企みなど、透達が打ち砕いて見せる。
下らねえ真似しやがって……。
追儺の儀式、そして鬼の覚醒を目の当たりにして、伊狩・真琴(成鬼・g02897)は、クロノヴェーダの悪辣な企みに、鬼人の血が湧き立つのを感じていた。
だが、すっ、と、こわばりを解く。怒るのは、そしてそれをぶつけるのは、真琴達が人々の安全を確保してからでも、十分間に合う。
クロフサの足を止めた理央は、都人の声を聞いた。
「やっぱり都の外の連中は鬼だったのだ!」
「鬼の正体を現してからじゃ遅い、今のうちに殺してしまえ」
都の人々が明確な殺意すらこめて、石を投じる。
貧民達が無意味な死を与えられるより早く、理央が割って入った。
鞘に納めたままの妖刀で弾かれた投石が、地面に落下する。
まずは、これ以上、傷つく人が増えるのを防がないと。理央が、混乱する貧民達に声をかけた。
「何も悪い事なんかしてないのはわかってるけど、今は都から離れて! 都の人達は鬼を作りたい奴等に騙されてやってるだけだよ!」
「騙され……?」
理央の呼び掛けに、貧民達があっけにとられる。顔を見合わせ、戸惑いを露わにする。
理央の話した事を、全て納得できたかどうかはわからない。都の人々に対する怒りも、消えたわけではあるまい。
それでも、倒れ、あるいは落命した同朋達を目にしては、理央の言葉に従うしかないと、割り切ったようだ。
「どこのどなたか知らないが、恩に着ますぞ! さあ今のうちに!」
壮年の男に率いられるようにして、貧民達がこの場から逃げ出した。
あとは、彼らが無事安全な場所までたどりつくのを、理央達が守り抜くだけ。
しかし、場の混乱は、まだ終わっていない。
「ひいっ!」
ひときわ勢いよく飛来した石が、貧民の少女を打とうとした瞬間……。
ばさあっ、と広がる翼が、人々に影を落とす。
「と、鳥……?」
西洋竜など知らぬ貧民達が、見上げた影。続いて訪れたのは、風。
影の正体である透の薙刀の巻き起こした風が、投石を瞬く間に切り落とした。
遅れて飛んできた一つを、尾で叩き落として、透は、貧民達を振り返った。
今のうちに逃げて……透の眼差しから、その意図をくみ取った貧民達は、手に手を取って逃走を始めた。
ほとんどの者が自分達の事で精一杯な中、先ほどの少女が、ぺこり、と透の方に、お辞儀してくれたのが印象的だった。
そして、都の人々へと向き直る透。強い殺気を放ち、衆目を一身に集める。
「なんだ、お前も鬼の仲間か!」
「それなら逃がさん!」
都の人々の怒りと恐怖の矛先は、透の思惑どおり、こちらへと集中した。
逃げるなら今のうち。しかし、中には、動揺の大きな貧民達もいた。
「ひいいっ、投石だけでなく鬼まで!」
仲間の変貌。その一部始終を目撃してしまい、地面にへたりこんだ貧民達に、手を差し伸べたのは、真琴だった。
投石がその身に当たるが、所詮はただの石。真琴にとっては、かすり傷にすらならない。
「無理矢理連れてこられただけのこんな儀式に付き合う必要なんてありません。さっさと逃げてしまいましょう」
「あ、ありがてえ」
真琴に助けられ、貧民達が、再び立ち上がろうとする。
そこに、新たに飛来する石。
「あいつも鬼になるぞ!」
「今のうちに殺してしまえ」
都の人々の罵声が、真琴の耳を打つ。
しかしながら、その感情の発露も、全ては恐怖から。クロノヴェーダに植え付けられ、誘導されたものだ。それこそ、真琴が真に怒るべき対象。
「この人達を傷つけるわけにはいきませんね」
貧民を狙って飛んで来た石の数々が、打ち払われる。
「弾け、大怪腕!」
真琴が招来した一対の巨腕が、貧民達の盾となっていた。
「ひっ、これは妖怪の腕……?」
「大丈夫、こう見えて可愛いヤツなので。さあ、今なら逃げる事も出来ますよ」
ひらひら、と手を振って見せる大怪腕。
その友好的な仕草に、毒気を抜かれた貧民達が、真琴に促され、都の外を目指す。
着々と貧民の避難が進む中、理央は、都の人々にも訴えかける。
「都の人達も石なんて投げるのはやめなよ! でないと……今のクロフサは何するかわかんないし!」
「馬なんて怖くなど……!」
高らかにいななくクロフサ。理央の声を掻き消すほどの勢いだ。
そのどう猛さに、都の人々も、振り上げた拳を降ろし、じりじりと後退するしかない。
貧民達は、透達が都の人々を引き受けている間に、続々とこの場を離れていっている。
傷の浅いもの、まだ息のある者を抱えて連れて行く余裕さえあるのは、透達の活躍の賜物であろう。
「さあ、彼らを殺したきゃ僕らを倒してからになさい! 倒せたら、の話だけど!」
ぶん、と薙刀を構え直す透。
威勢よく石を投げていた人々も、透の薙刀裁きが、その全てを防いでしまうのを目の当たりにして、すっかり戦意を失ってしまうのだった。
が、貧民達が逃げるその先にも、都の人々が立ちはだかっていた。
「逃がしちゃならない、悪鬼退散!」
石を手に取り、振りかぶる人々。
すぐ訪れる痛みを予見し、貧民達が、思わず目を瞑った。
だが、予想は外れる事となった。真琴によって。
「いけませんよ」
こつん。
真琴の念動力が、都の人々を、軽く小突いた。
「えっ」
「なっ!?」
都の人々が、見えざる力に驚いて動きを止めている間に、貧民達は、一気に包囲網を突破する。
さあ、次は、都の人々をなだめる番。真琴が、彼らと対峙した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
赤峰・我々丸
元人間だろうが鬼なら倒さなきゃならねえ。
だが、人間に戻る見込みがあるってんなら話は別だ。
何が何でも戻してやろうじゃねえか。
まず必要なのは時間だな。
目一杯稼いでやろう。
「全員そこで止まれ! が・が・ま・る・波ァー!!」
鬼馬軍団と都の人々との間にド派手な極太ビームを放つ。
注目が集まったら声を張り上げて時間稼ぎ開始だ。
簡潔かつインパクトのある言葉で喋るとしよう。
「やられたらやり返す! いい心掛けだな!」
「だが、間違えちゃいけねえ! やり返す相手は一番悪いやつにするべきだ! そうだろう!?」
「それはそれとして、お前達に石を投げた連中はすぐに一人残らずこの場に並べて頭下げさせるから、ちょっと待ってろ!」
怯える都の人々と、それを睨む鬼馬軍団という構図。
どちらが救うべきものか、赤峰・我々丸(鉄火拳の継承者・g03156)が、判断を誤る事は無かった。
すなわち……どちらも、である。
「元人間だろうが鬼なら倒さなきゃならねえ」
双眸に憎悪をたぎらせる鉞兵を見つけ、我々丸は、ふっ、と破顔してみせた。
「だが、人間に戻る見込みがあるってんなら話は別だ。何が何でも戻してやろうじゃねえか」
仲間達が、都の人々を説得する時間を稼ぐため。我々丸は、生まれたての鬼の足止めを買って出た。
『復讐してやる……』
『許さんぞッ……!』
虐げられた怒り、怨み。負の念に増幅された悪鬼の衝動が、鉞兵達を突き動かす。
だが、兵馬達の進路上。我々丸は、一歩も退かず、むしろ飛び出した。威勢よく。
「全員そこで止まれ! が・が・ま・る・波ァー!!」
場の空気が一瞬、静止する。
我々丸の掌から放出されたのは、瞬時に練り上げられた闘気。
鬼馬軍団と都の人々、それらを仲裁するように、ド派手な極太ビームが駆け抜けた。
「ななな」
『何奴……!』
都人、そして、鬼馬軍団。
両者の注目を一身に浴びた我々丸は、望み通りの光景の訪れに、にっ、と笑ってみせた。
「やられたらやり返す! いい心掛けだな!」
気持ちのいい程の切れのある声で、鉞兵へと、訴えかける我々丸。
「だが、間違えちゃいけねえ! やり返す相手は一番悪いやつにするべきだ! そうだろう!?」
『一番、悪い……?』
まさかりで我々丸に攻めかかりながらも、鬼馬軍団の視線は、都の人々を捉える。
再び矛先を向けられた人々は、そろって怯え、身を寄せ合う事しかできない。
『よくも俺達をコケにしてくれたなあ……だがッ……!!』
ぎりり。
我々丸の耳に届くほど、歯を軋ませた鉞兵達は……一転、自分達の背後を振り返る。
即ち、自分達をそそのかした張本人、鬼武者……渡辺・景虎その鬼を。
その途端、我々丸を襲う、まさかりの勢いが衰える。
しかし、クロノヴェーダとしての本能というべきものが、貧民達の意識を抑えつけようとする。
だとしても、今は、抗ってくれるだけでいい。
「わかってくれてるようだな。それはそれとして、お前達に石を投げた連中はすぐに一人残らずこの場に並べて頭下げさせるから、ちょっと待ってろ!」
そして我々丸は、都人達の説得を、仲間達に託すのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
無堂・理央
鬼に変じてない貧民達は全員逃げた?
なら、次は都の人達への対応と鬼に変じた貧民の対応だね。
引き続き、無双馬『クロフサ』に騎乗して対応だよ。
貧民達を見送ったら、都の人達の方に向き合うよ。
ちゃんと、儀式が間違えなのを伝えないよね。
「さて、さっき言ったけど、君達は間違った儀式を教えられてるんだ」
「貧民の中に鬼が紛れてるんじゃなくて、石を投げられて所に誰かさんが煽る事で鬼を生み出すのが君達に教えられた儀式の本当の中身」
そこで鬼武者を指さそう。
「そこの武者と君達に嘘を教えた存在は仲間で、それでその武者が都合よくここに来てるんだ」
「ただ、この儀式は君達が間違えてたって石を投げた相手に謝ればひっくり返るよ」
伊狩・真琴
避難はひとまず良し。次は都の人達ですね。
理屈での説得は他の方がやってくれるでしょうし、
私は恐れられる側を担当しましょうか。
良い警官・悪い警官というやつですね。
では、【鬼神通・獅子吼】で誘導された恐怖を払いましょう。
「テメエら何やってやがる!
鬼扱いされて石を投げられて、怒らねえわけあるか!恨まねえわけあるか!
鬼ってのは目に見える奴だけじゃねえ!心にだって居るんだよ!
こんな真似、心の中の鬼に餌をやるだけだ!
こんな儀式で、鬼が居なくなるわけねえだろうが!」
都の人たちが儀式を間違っていたと感じたら
「悪いことをしたと思ったら謝ればいい。
それはどこに住んでようが変わんねえだろ。」
と言っておきましょうか。
薬袋・透
アドリブ連携歓迎
説得苦手なのよね……だから、思ったことをストレートにぶつけさせて貰うわ
パラドクスを天に向け放ちまずは注目を集める
「少し考えてみなさい?彼らが都に連れて来られるまでの間、何か一度でもあなた達に直接危害を加えた事があった?寂れた都の外れと栄えている帝のお膝元。本来なら貧民がいることすら知らない人もいたんじゃないの?」
「あなた達だって平和に慎ましく暮らしてたのに突然連れてこられていわれのない罪で一方的に殺されそうになったら、怒るでしょう?それは彼らも同じよ」
「安心しなさい、こんなことしなくたって厄災は祓えるわ、流し雛、というのだけどね…」
貧民達が、無事、都の外へと逃がれるのを見送った無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)達。
次に救わねばならない者達へと、『クロフサ』と共に、理央は向き直る。
クロノヴェーダへ変じた貧民を、元に戻す。
しかしその前に、理央達がやらねばならぬことがある。すなわち、都の人々から謝罪を引き出す事だ。赤峰・我々丸が、鉞兵を食い止めていてくれるうちに。
突如、都の空に、炎の蛇が立ち昇った。
赤き柱の主、薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)へと、都の人々が一斉に振り返る。
すぐに霧散する炎蛇。都の人々からの視線を、一身に浴びる事に成功した透だったが、内心、困惑していた。なぜなら、
(「説得苦手なのよね……」)
だが、都人がむざむざ殺されるのも、人がクロノヴェーダになったままなのも放っておけない。
苦手なら苦手なりに。思ったことをストレートにぶつけさせてもらうと、透は決めた。
しかし、集まった視線は、恐怖や混乱で満ちている。目を曇らせるそれを吹き飛ばす為、伊狩・真琴(成鬼・g02897)は、声を張り上げた。
「ふざけんなアアアアアアア!」
怒れる獅子の咆哮。真琴の叫びが、都に響く。
この場に蔓延していた恐怖や混乱を、一瞬にして吹き飛ばし、人々に、平静を取り戻させた。
「さて」
理央の一言に、都人達がびくん、と体を震わせる。
鬼の化身と疑う貧民達を救ったのならば、理央の矛先は自分達に向くはず。そう直感したに違いない。
しかし、理央の次の言葉は、決して人々を糾弾するものではなかった。
「さっき言ったけど、君達は間違った儀式を教えられてるんだ」
「儀式を行うよう命じられたのは、あの藤原様だ。それが嘘だと言うのか?」
素直に過ちを受け入れかねる様子の人々に、理央は、首を横に振ってみせる。
「信じられないかもしれないけど、そうだよ」
「そんな……だが実際、鬼が現れたではないか」
「貧民の中に鬼が紛れてるんじゃなくて、石を投げられた所に誰かさんが煽る事で鬼を生み出すのが君達に教えられた儀式の本当の中身」
そして理央は、ある方を指さした。
都人達の視線が導かれた先は……鬼武者。成り行きを傍観する、渡辺・景虎なるクロノヴェーダだった。
「そこの武者と君達に嘘を教えた存在は仲間で、それでその武者が都合よくここに来てるんだ」
「そんな! それでは、そもそも藤原様が騙されているという事ではないか!」
「我々がこの鬼を生み出してしまったと……!?」
都の貴族さえも、鬼の掌中にある。
その事実を信じたくないというように、都人達は、理央へと動揺を露わにした。
「ただ、この儀式は、君達が間違えてたって石を投げた相手に謝ればひっくり返るよ」
「し、しかし……」
どうしてそんなことを、という不満げな雰囲気を、透は敏感に察した。
ならば、と、思いの丈をまっすぐにぶつけてやる。
「少し考えてみなさい? 彼らが都に連れて来られるまでの間、何か一度でもあなた達に直接危害を加えた事があった? 寂れた都の外れと栄えている帝のお膝元。本来なら貧民がいることすら知らない人もいたんじゃないの?」
「う、う……」
透の放つ言葉の矢、忌憚ない指摘が、都人達の心を射る。
「あなた達だって平和に慎ましく暮らしてたのに突然連れてこられていわれのない罪で一方的に殺されそうになったら、怒るでしょう? それは彼らも同じよ」
そう言って透は、怒りに震え、そのはけ口を求める鉞兵達を見遣った。
今でこそその姿は、怪異その物。しかし元は人間……それは、誰もが『こう』なりうるという証左でもある。
つまり、自分たちさえも例外ではない、という事では……。透は、都人達の、そんな心の揺らぎを察する。
「テメエら何やってやがる!」
迷う都人達を、稲妻の如く、真琴の声が叩いた。
理央や透達が理屈を説くのならば、真琴は、その別の道を行くつもりだ。
「鬼扱いされて石を投げられて、怒らねえわけあるか! 恨まねえわけあるか!」
「だ、だがこれは儀式で……」
真琴のまなざしを真正面から受け止められず、目をそらす人々。
やはりこの事態は、自分達の行いが招いたのでは?
疑念を強めるも、それを認めたくないと言い訳する人々に、真琴は容赦なく追い打ちをかける。
「鬼ってのは目に見える奴だけじゃねえ! 心にだって居るんだよ! こんな真似、心の中の鬼に餌をやるだけだ! こんな儀式で、鬼が居なくなるわけねえだろうが!」
立て板に水。
真琴の切れのある言葉が、都人達を震え上がらせる。
他のディアボロスがあくまでも淡々と訴えかける一方、真琴は、恐れられる側を受け持つ算段だった。
(「良い警官・悪い警官というやつですね」)
硬軟織り交ぜた呼び掛けにて、皆の説得を深く浸透させようという、真琴の考えは、どうやらうまくいったらしい。
先ほどの、追儺の勢いは、どこへやら。すっかり意気消沈した様子の都人達。
(「少し荒療治かとも思いましたが、どうやら上手く効いているようですね」)
それなら何より。
うなだれる都人達へと、真琴がダメ押しを加える。
「しかし、我々はどうすればこの事態を収められるのでしょうか……」
「簡単なことだ、悪いことをしたと思ったら謝ればいい。それはどこに住んでようが変わんねえだろ」
「う……」
真琴に促され、都人達がいよいよ覚悟を決める。
覚醒したばかりで、鉞兵達の動きはまだ鈍い。しかし、その怒りの形相は、しかと都人達に向けられている。
今にも自分達に襲い掛かりそうなその怪異に、他の都人達も、決断せざるを得なかった。
「も……申し訳なかった。私達も知らなかったのだ、これが鬼を祓う儀式でなく鬼を生む儀式だなんて」
「しかし、我々の中に、都の外の人間を見下す気持ちがあったのは本当だ……すまない」
理央の方をちらりとうかがった後、都人達は、遂に頭を下げた。
「ほら、あなたたちも」
透に背中を押され、次々と都人達が動く。
「す、すまなかった……」
「自分達が助かりたいばっかりに、何も考えずこんな真似を……」
次々と、謝罪を漏らす都人達。
だが、自分だけはうやむやにしてこの場を切り抜けよう……そんな考えの都人もいたようだが、真琴ににらまれ、行いを改める。
「わ、私達が間違っていた。何の疑問も抱かず、こんな馬鹿な真似を……」
「人間が人間を虐げるなんて、そんな馬鹿な事、あっちゃならないはずなのにな」
真琴の目前、次々と頭を下げていく都人。
うんうん、と理央もうなずく中、鉞兵達の怒りが、幾分和らいだように見えた。
『う、ぐぐ……』
都人達の謝罪が、上っ面ではない、心からの者である証拠だと、透は理解する。
そこで、透は、声のトーンを穏やかにして、都人達に語りかける。
「安心しなさい、こんなことしなくたって厄災は祓えるわ、流し雛、というのだけどね……」
何にせよ、鉞兵達を鎮める事が先決。貧民の内より、悪鬼を祓わねばなるまい。
もっとも、説得を成し遂げた透達ならば、容易い事だ。
これで人の姿を取り戻してくれればいいのですが……真琴は、いよいよ鉞兵達へと向き直るのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【士気高揚】がLV2になった!
【浮遊】LV1が発生!
【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
御森・白露
人の道を外れたとはいえ、それも鬼に唆されて。
正気に戻り、誠意のこもった説得があればまだ辛うじて助かる道もあろう。
そのためにも……まずは頭を冷やしてもらおうか。
初手で二ノ刻・五百重波を鬼馬軍団に放ち、都の民に襲い掛かるのを防ぐぞ。
手数重視で威力もそこまでではないが、足止め狙いなら十分じゃろう。
敵の岩飛ばしも片っ端から両断して撃ち落とす。
さて、言の葉を巡らせるのは不得手じゃがな……
「人の皮すら被らぬ鬼が何を囀るかと思えば、聞いて呆れるわ!」
「そも此度の企みも貴様らが元凶であろう!」
「……都の民が悪くないとは言わぬ。されど、その矛先を向けるべき相手は違う筈だ!」
負の念に駆られ、鬼と化した貧民達を救うべく。
御森・白露(放浪する転寝狐・g05193)もまた、暴れ出そうとする鬼馬軍団と対峙していた。
「人の道を外れたとはいえ、それも鬼に唆されて。正気に戻り、誠意のこもった説得があればまだ辛うじて助かる道もあろう」
『う、うう……!』
「そのためにも……まずは頭を冷やしてもらおうか」
ディアボロス達の働き掛けによる、都の人々による謝罪。
それが、鉞兵達の中、貧民達の怒れる心を、鎮めている。
今ならば、白露の刃はもちろん、言の葉を、その心根に届かせる事も出来よう。
『うう、俺達は、こいつらを、殺して……!』
貧民の善なる心に、束の間抑えられた鬼の心が、主導権を取り戻そうともがく。
鬼の本性が、都の人々を殺戮する前。白露が、先んじた。
「刃の波濤に溺れ潰えよ。人心に巣くう悪鬼よ、人の身より疾く去れ」
鬼馬軍団の殺意を、無数の刃が阻んだ。
冷気を帯び、嵐を巻き起こしたそれが、鬼馬達の足を止める。
斬撃一つ一つの威力こそ、必殺とは呼べぬかもしれぬが、特筆すべきは、手数の多さ。鬼と騎馬、両者の動きをとどめるのには十分な効果を発揮した。
白露の目的は、貧民達の心身の解放。とりあえず、足止めできれば重畳。
そして、白露の刃舞は、威力を存分に発揮した。
鉞兵たちも、妖力にて岩石を招来するも、白露の刃の乱舞が、それをあまねく断ち割っていく。
ここからが、本当の戦いだ。
言の葉を巡らせるのは不得手じゃがな……。
微かによぎった弱気を振り払いつつ、口を開く白露。
その先は、鉞兵の背後、この状況を眺める『鬼馬四天王』が一騎、渡辺・景虎であった。
「人の皮すら被らぬ鬼が何を囀るかと思えば、聞いて呆れるわ! そも此度の企みも貴様らが元凶であろう!」
「我は、ただ真実を告げたに過ぎぬ。だが、火に油を注いだ事は認めよう。愚かな人間ども同士、殺し合うようにと、な」
人間などクロノヴェーダの食い物にされて当然……景虎からそのような驕りを感じ、白露は怒りをたぎらせる。
続いて、白露は訴える……鉞兵へと。
「聞いたであろう、この鬼の本心を! 都の民が悪くないとは言わぬ。されど、その矛先を向けるべき相手は違う筈だ! もうわかっておろう!」
『う、うう……』
都人達の謝罪を受けた後だ。白露の訴えも、よく効いた。
戦いの手を止め、鉞兵達が頭を抱える姿に、元の人間の影が重なって見えた。
成功🔵🔵🔴
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
伊狩・真琴
謝らせる方は上手くいきましたか。
あとは、鬼に変じた方々が元に戻りたいと思ってくれれば。
何とか説得しないといけませんね。
「あなた方が怒るのは当然ですし、
やり返す事自体が間違いだとは私は思いません。
ですが、彼らは過ちを認めて頭を下げました。
謝ったなら許さなければいけない、なんて事はありませんが、
怒り恨み続けた先にあるのは人を外れた鬼の道です。
今の怒りの為に今日まで人として生きてきた全てを捨ててもいいか、
自分自身の心で、もう一度考えてみて下さい」
これで説得できれば良し。
それでも憤りを何かにぶつけなければ収まらないのであれば、
【鬼神変】を使って腕で攻撃を受け止めて、
その後殴り返して元の姿に戻しましょう
御森・白露達による訴えにより、戦意を乱した鉞兵達。
伊狩・真琴(成鬼・g02897)が、その魂の解放に取り掛かった。
都の人々から、首尾よく謝罪を引き出す事はできた。
後は、悪鬼に変えられた貧民達が、元に戻りたいという思いがあれば、大団円となろう。
『ころ……殺す……!』
復讐の念が、形を取ったものであろう。
まさかりを振り上げ、真琴に襲い掛かろうと、馬を走らせる鉞兵達。
「そうだ、殺せ! この腐った世の中を変える力が、今のお前達にはあるのだ!」
鉞兵達の弱まった敵意や怒りを、渡辺・景虎が煽る。真琴達、そして都人達の努力を嘲笑うように。
だが、真琴の体を両断せんと振り下ろされたまさかりは……他ならぬ真琴によって止められた。
沸々と湧きたつ鬼の血が、両腕を、異形のそれへと変じさせたのだ。
「あなた方が怒るのは当然ですし、やり返す事自体が間違いだとは私は思いません。ですが」
背後に控えた都人達を、指し示す真琴。
まるで鬼そのものの腕。しかし、都人達は、真琴を恐れるどころか、頼もしさすら覚えている。
「彼らは過ちを認めて頭を下げました。謝ったなら許さなければいけない、なんて事はありませんが、怒り恨み続けた先にあるのは人を外れた鬼の道です」
『う、うう……ッ』
大いに悶える鉞兵。でたらめに振るわれたまさかりは、無為に空を切るばかり。
「今の怒りの為に今日まで人として生きてきた全てを捨ててもいいか、自分自身の心で、もう一度考えてみて下さい」
がらん。
けたたましい音を奏で、まさかりが、次々と地面に落ちる。
『お、俺、達は……う、うぐあ……!』
鉞兵の輪郭が、曖昧となる。人の身と、鬼の身。2つに分離しようとしているのだ。
それを見極めた真琴は、鬼の影……クロノヴェーダへと狙いを定め、ラリアットを見舞った。忌まわしき鬼馬軍団を、まとめて吹き飛ばす!
「う、う……」
人と鬼、両者は完全に分かたれた。地に伏したのは、人間の姿を取り戻した貧民達だった。
「お、俺達は……」
「よくわからねえが、妙に晴れ晴れとしてやがる……」
貧民達は、皆、憑き物が落ちたような顔つき。
「うまくいったようですね」
覚醒した貧民達、その全てが元の姿に戻っている。
都の人々はもちろん、貧民達も、誰一人傷ついたものはいない。真琴達、ディアボロス達に軍配が上がったのだ。
「さあ、残るはお前の首1つだ、鬼武者!」
大成功🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
「ええい、人としても鬼としても半端者であったか!」
唯一残されし鬼、渡辺・景虎の体が、打ち震える。ディアボロス達に対する怒りが、その赤き肌より、熱となって立ち昇る。
「許すまじディアボロス。ならば今度は、都の者共を鬼に変えるまで。都の景色を地獄と変えるまでよ!」
すらり。
疾く抜刀した景虎に、都の人々、そして元にもどったばかりの貧民が恐怖する。
彼らを守り切り、この真なる悪鬼を討つ事こそ、ディアボロスの使命だ。
伊狩・真琴
まだ生まれても居ねえ奴の名を使う時代錯誤の騙り野郎が。
人を半端者なんて言えた口かテメエ。
許さねえのはこっちだって同じなんだよ!地獄にはテメエが一人で落ちやがれ!
さて、とはいえ騎馬相手に徒歩じゃ機動力が違いすぎるか。
だったら【鬼神変・砕波衝】で土砂をぶつけてやる。
これなら【泥濘の地】で動きも鈍らせられるし、
土砂を刀で切り裂いたところで大した意味は無いからな。
呼び出した刀だけ飛ばして来たら、巨大化した腕で直接殴って叩き壊してやる。
当てるのが難しいなら黒縄と妖通力の念動力で捕まえてから殴ればいいだろ。
土砂を突っ切ってこっちに突っ込んで来るなら上等だ。
巨大化した腕で直接ブン殴ってやる。
渡辺・景虎が、封じていた剣気を振りまく。
裏で糸を引く者の立場から、舞台へと引きずり出されたためだ。ディアボロス達によって。
鬼武者におののき、へたり込む人々から相手を引き離すよう、伊狩・真琴(成鬼・g02897)が飛びかかった。
「まだ生まれても居ねえ奴の名を使う時代錯誤の騙り野郎が。人を半端者なんて言えた口かテメエ」
「半端者の筆頭が何をほざくか。鬼でも人でもない、大人しく鬼に堕ちる覚悟も無い者が!」
景虎の煽りに、真琴が怒髪天を衝く。
「鬼でも人でもないんじゃねぇ、鬼でも人でもあると言え! 許さねえのはこっちだって同じなんだよ! 地獄にはテメエが一人で落ちやがれ!」
真琴の拳は、しかし、鬼ではなく地面を叩く。景虎は、既に背後だ。
「土と戯れている暇などあるのか?」
己の四肢の延長のように鬼馬を駆り、悠々と、真琴を翻弄する景虎。
「ちっ、騎馬相手に徒歩じゃ機動力が違いすぎるか」
真琴とて一騎当千。だが、馬上の相手から見れば、一歩兵だ。
「だったら、その足を奪ってやるまでだ!」
振り上げた真琴の腕が、変貌する。
内なる鬼の血が沸騰、鬼の腕を顕現させる。巨腕が完成するのと、それが地面に激突するのは、同時であった。
「またしても虚しく地を叩くとは勝負を捨てたか……いや、これは!」
景虎から、初めて、動揺の気配がこぼれた。
真琴が打撃した地面が破砕し、津波の如く、景虎に襲い掛かったのである。
咄嗟に抜いた刀、そして、招来した八振りの刀で防御したが、相手は微細な粒の集合体。土砂を全て断つ事など叶わない。
視界と足場、両者を封じられ、景虎と鬼馬の動きは停滞せざるを得ない。
が、殺気を感じ取り、後方へ飛ぶ真琴。土砂を破って、刀が飛び出してきたのだ。
「狙いもろくに定まらねぇ刀じゃ、何も斬れはしねぇだろうが!」
巨大化した腕が、次々飛来する刀を叩き落としていく。
「全く、ディアボロスというのは、戦い方を知らぬと見える!」
土砂を、強引に突っ切って、飛び出す騎馬の影。
びくん!
反撃の景虎、その愛馬の全身が、震えて一瞬、止まる。その隙に、健脚を、赤黒い縄が捕らえた。
真琴の妖通力による念動と、黒縄による二重の捕縛が、景虎の機動力を奪取していたのである。
「なっ、我が愛馬が……!」
体勢を崩した馬上の景虎へと。
真琴渾身の強打が、叩き込まれた。
成功🔵🔵🔴
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
御森・白露
アドリブ・連携歓迎
偶にゃあ俺も暴れとかねェとなァ……
つーわけだ、てめぇが何の名を騙るかは知らねえが――涸れ果てろ、鬼の将。
ネメシス形態に変化。
てめェが鬼馬を駆るっつうなら、俺ァ差し詰め人狐一体だなァ。
獣の半身で騎馬とやり合えるだけの機動力を確保し突撃。
【旱之剣】で生成した呪詛の大剣で斬りかかり、そのまま近接戦闘に移行。
走らせる隙なんざ与えてやるかよ。仮にやられても【怪力無双】の怪力と呪詛を上乗せした全力の【旱之剣】で迎撃してやるがな。
あァ、足元の泥【泥濘の地】対策は呪詛と氷雪使いで自分の足元だけを凍らせて簡易の足場にする。ちゃんと踏み砕いて再利用も出来なくしとくぜ。
伊狩・真琴に打撃され、落馬した渡辺・景虎を、御森・白露(放浪する転寝狐・g05193)が襲撃する。
「偶にゃあ俺も暴れとかねェとなァ……つーわけだ、てめぇが何の名を騙るかは知らねえが――涸れ果てろ、鬼の将」
「そうはゆかぬ。来い鬼馬!」
走り寄る鬼馬にまたがり、体勢を立て直す景虎に、妖気が吹き付ける。
気の元である白露が、変貌を遂げる。それも、身体の一端でとどまるものではない。
澄んだ水に墨を落とすが如く、色彩が変わる。白き狐から黒き狐への反転……これぞ、白露のネメシス形態。
「てめェが鬼馬を駆るっつうなら、俺ァ差し詰め人狐一体だなァ」
「笑止。妖怪もどきの駄狐が、駿馬に叶うものか」
白露の本領を一笑に付すと、景虎は鬼馬を疾駆させた。
人界の駿馬では到底追いつけぬ速力、機動力を以て、翻弄にかかる景虎。
「さあ、蹂躙してくれよう……何ッ!?」
景虎が、目を剥いた。
振り返った先、遙か後方どころか、白露が己に肉薄していたからである。
変容により得た獣の四脚、鬼馬とやり合えるだけの機動力を発揮し、突撃する白露。
駆け抜けた道に、負の念が満ちる。念……濃密な呪詛は、白露の手もとへと集束。凝固したそれは、大剣の形を為した。
ひときわ強く地を蹴り、一気に彼我の距離を詰め、馬上の景虎を斬撃する!
「くっ……!」
深手こそ避けたものの、鎧が突破されるほどの一撃。
景虎は、愛馬の疾走を止め、白露と相対せざるを得なかった。
「走らせる隙なんざ与えてやるかよ」
ばしゃり。
景虎と鬼馬の足元は、いつの間にか、泥濘と化している。
一方、白露は平然。その足元だけがしかと凍り、ぬかるみに嵌るのを避けていた。
「この程度の悪路、我が愛馬にとってはどうという事もない」
「どうかな……一瞬が命取りだぜ」
至近から駆け出す鬼馬。いななきと共に地を蹴り、白露を襲う。
鉄槌が如く、勢いよく前足を振り上げ、白露を踏み潰そうとするが……その足は、空を切る。
代わりに砕き潰れたのは、白露の作り出した銀盤、氷の足場。
攻撃を終え、動きの止まった敵へと、怪力と呪詛を上乗せした、全力の一刀。白露の魔斬が、鬼馬は元より纏いし鎧ごと、景虎を両断した。
「やってくれたな、妖刀使いめが!」
怒る景虎の甲冑が腐食し、鬼馬の四肢が痩せ細る。
祟り神たる白露の呪詛は、悪鬼の存在を許さない。
大成功🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
薬袋・透
アッハハハハハ!あんな単純な仕込みも全部台無しにされた残念な鬼が?都を襲う?面白い冗談だわ、やれるもんならやってみなさいな!
ネメシス形態に変身
戦闘は尾での強打と薙ぎ払い、全力魔法の電撃使いで電撃を纏わせた爪の斬擊で行う
神速反応を使い翼で飛んで接近、
嗤う毒蛇で捕縛、怪力無双で締めつつ時間稼ぎついでに気になる事を聞いてみる
「最近都で似た儀式の噂を聞くのだけど、余程兵が必要なの?そんなに人手が足りてないの?ねぇねぇねぇ!」
アドリブ連携歓迎
御森・白露による、呪詛の名残漂う都の一角。
「アッハハハハハ!」
笑い声が響く。
薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)のものだ。
「あんな単純な仕込みも全部台無しにされた残念な鬼が? 都を襲う? 面白い冗談だわ、やれるもんならやってみなさいな!」
「言ってくれる。ディアボロスなど、我等クロノヴェーダに後れをとった敗残兵に過ぎぬ!」
刃を鎧としてまとった鬼馬を、走らせる景虎。その口元は、白布に秘されて見えぬ。
だがそれでも、透が、鬼面から焦りを見て取る事は容易かった。
鬼馬による、挨拶代わりの突進を喰らう透。だが、その衝撃を殺す着地はしなやかで、あたかも蛇……否、竜の如し。
「その姿は……!」
景虎が括目する。
それもそのはず、透の下半身は、長大なる蛇の姿へと転じていたのだ。
びたんびたん、と、尾が、挑発的に地を叩く。
「それがお前の……しかし、こけおどしに過ぎぬ。ゆけ!」
景虎に急き立てられ、鬼馬が仕掛ける。本気だ。だが、透の尾がうねり、その進軍を妨げる。
すんでのところで転倒を免れるも、態勢は十二分に崩れた。鬼馬は、背中の景虎を落とさぬ事で精いっぱい。
そこに、二撃目が来る。透の尾が、鬼馬の体躯を薙ぎ払う。
今度こそ直撃を食らった鬼馬は、たまらず吹き飛ばされ、景虎は落馬する。
「なんのこれしき!」
とっさに受け身を取り、即座に立ち上がる景虎。しかしその眼前に、電光が迫っていた。
透が振りかぶった爪、魔法によって発現した電撃をまとったそれが、景虎を襲う!
「ぐううっ、この程度では、到底我が命には届かぬわ!」
雷爪により景虎が悶える隙に、翼で空気を叩き、接近する透。
全身を痺れさせた景虎は、それを迎えうたんと、鬼馬を起こし……透の姿を見失った。
音も気配も、感じられぬ。それはつまり、
「消えた!?」
「鬼さんこちら、ってね」
ぬるり。
静かなる侵略……透が、景虎の死角に回り込んでいた。
透の魅惑的な蛇身によって、鎧ごと全身を締め付けられ、身体の自由を奪われていく景虎。
「ぐ、ぐ……!」
景虎の意識があるうちに、透は問い掛ける。蠱惑的と呼ぶにはいささか物騒な声音で。
「最近都で似た儀式の噂を聞くのだけど、余程兵が必要なの? そんなに人手が足りてないの? ねぇねぇねぇ!」
「答えるはずがなかろう、これでも武士の端くれよ!」
言葉にてせめてものの抵抗を試みる景虎に、透の危険な抱擁が、より強く贈られたという。
成功🔵🔵🔴
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
赤峰・我々丸
アドリブ・連携歓迎
「半端者? 馬鹿言え! 一度振り上げた拳をさげるってことの偉大さがわからねえのかこの頓痴気め!」
鬼武者の刃が周りの貧民に向かねえように立ち回ろう。
虚空から呼び出された刀が人々に向けられるようなら、背に収納していた三節混を振り回して片っ端から叩き落としにかかるぜ。
仲間の活躍で敵の動きが鈍ったなら、
今度はこちらから攻めに転じる。
狙うは鬼武者本体ではなく鬼馬の方だ。
将を射んとする者はまず馬を射よ、というしな。
三節混を渾身の力でハンマー投げのハンマーよろしく振り回し、
鬼馬の頭蓋めがけて、全身の膂力に遠心力を加えた悪鬼粉砕撃を放つ。
「悪鬼粉砕!」
無堂・理央
貧民の人達は無事に元に戻ったね。
それじゃ、後は大口叩きの指揮官をってクロフサー?!
引き続き、無双馬『クロフサ』に騎乗して戦闘だけど、クロフサ君が絶賛暴走中。
ボクの指示を聞くよりも敵に突っかかって行っちゃってるよ。
こうなったら無理に言う事聞かすよりもクロフサ主体で攻めちゃえ!
クロフサが体当たりとか噛みつきとか蹄アタックで敵に猛攻を仕掛けてるし、ボクも妖刀を引き抜いてクロフサに合わせる形で連続攻撃を入れてくよ。
妖刀の【呪詛】も勝手に撒き散らし中だけど、それで敵の勢いを削げるなら問題無し!
敵とは真正面でやり合うから手傷を負うのは覚悟の上!
むしろ、敵の機動戦に真っ向から張り合うよ!
薬袋・透の束縛から何とか脱した景虎に、赤峰・我々丸(鉄火拳の継承者・g03156)が対峙する。
主の危地を救わんと、駆け寄る鬼馬をかわしつつ、我々丸が言葉を投じた。
「半端者? 馬鹿言え! 一度振り上げた拳をさげるってことの偉大さがわからねえのかこの頓痴気め!」
「ぐ……!」
我々丸の怒声を浴びても、景虎はただ睨み返すばかり。追い詰められている証拠であろう。
そして、景虎の視線が、我々丸の遙か後方へと注がれた。
その先には、都の人々、そして望まぬ覚醒より解放された貧民達の姿。
「一般人を巻き込むのも厭わねえってわけか。だが、そんな真似させるかよ!」
「与えられし使命を果たすためならば、卑怯のそしりも甘んじて受けよう!」
景虎の殺気を遮断するように、新たな一騎が駆け付けた。
クロフサに乗る無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)だ。
「貧民の人達は無事に元に戻ったね。それじゃ、後は大口叩きの指揮官をってクロフサー?!」
理央が指示を飛ばすより先に、無双馬が突進した。
仇敵見つけたり、と言わんばかりに、景虎達に突っかかっていくクロフサ。
体当たりからの噛みつき、更には蹄を叩きつけ、相手に猛攻を仕掛ける。
「加勢するぜ!」
この機に乗じて、我々丸も飛びかかる。
「お前の相手はこの刃でしてくれる」
景虎が、刀を掲げる。するとその背後に、円陣が浮かび上がった。
景虎が招来したのはこれまた刀、八振り。手にしたものを加えた計九振りが、一斉に振るわれる。
「周りを巻き込もうってなら、容赦はいらねえよな!」
我々丸が手に取ったのは、背に収納していた三節混。
手に馴染んだそれを振り回し、様々な軌跡を描いて飛来する刀の群れを、次々叩き落としていく。
壱、弐、参、と。数を重ねて。たどり着くは九撃目。自ら斬り込んできた景虎の一刀を、我々丸が受け止めた。
「我が九つの斬撃を、全て凌ぎ切ったというのか」
確かに、今の虚空刀による斬撃は、いずれも鋭いものであった。
しかし、それを繰り出した景虎本人、そして鬼馬の動きの停滞を、我々丸は看破していた。
「今がチャンス! ってクロフサ君ー!?」
理央が、タイミングを計ろうとするも、クロフサは遮二無二攻めたてるばかり。
とはいえ、景虎を討つと言う目的からは外れていない。
ゆえに理央は、クロフサを御することはやめ、戦闘行動の主導権をゆだねるという選択をした。
「なんという荒馬! だが我が愛馬とて劣りはせぬ」
負けじと鬼馬を猛らせる景虎を、刀が襲った。理央の引き抜いた妖刀による斬撃だ。
それはただの一閃では終わらず、続けざまに、景虎の首を狙った。
「くっ、この程度の技で……!」
自身も刀を振るって、抗する景虎。
だが、理央が刀を振るうたび、まき散らされた呪詛が、景虎達を蝕んでいく。
それに対し、クロフサはますます荒ぶるばかり。騎馬対決を制するべくき、相手の動きを押さえつけ、全身を武器に叩きつける。
クロフサの勢いに乗って、理央の連撃も冴え渡っていくようだ。
「やるではないか……!」
「そっちもね!」
互いに、人馬一体となった攻防。
防御より攻めを優先させたゆえ、理央もまた、手傷の数が増えていく。
しかしそれも覚悟の上。相手の機動戦を上回るには、多少の負傷もやむなし。
仲間達、そして理央とクロフサの奮戦により、敵に負傷が蓄積しているのは明白。とどめを刺すには、好機。
我々丸が狙ったのは、景虎ではなく、鬼馬の方であった。
「将を射んとする者はまず馬を射よ、というしな」
騎馬にも劣らぬ力強い踏み込みで、敵に迫る我々丸。
鬼馬には鬼馬なりのプライドというものがあるのであろう。鬼人にも一歩も退くことなく、むしろ我々丸へと駆け出した。クロフサとの戦いで昂っている事もあろう。
我々丸は、三節混を渾身の力で振り回す。ちょうど、ハンマー投げのハンマーの如く。
「悪鬼粉砕!」
鬼馬の頭蓋めがけて、渾身の打撃が繰り出される。
我々丸の全身の膂力に、遠心力までも加わった一撃が、甲冑ごと鬼馬の頭蓋を打ち砕く!
そして、その衝撃は、馬上の景虎をも襲った。
「く……だが愛馬を喪おうとも、我が心は折れぬ……!」
脂汗をにじませる景虎に対し、理央には若干の余裕がある。
だが、ここまで全力を奮ってきたクロフサとて、いつまでも体力が続くわけではない。
「よもや我らを真っ向から破ろうとは、ならば我も渾身を披露しよう!」
理央とクロフサの勇姿に、景虎の中にある武人の魂が、震えたか。
馬を喪失した景虎と、クロフサと理央。雷鳴の如きぶつかり合いの後。
理央とクロフサの背後に、刀が突き立った。
それから、一拍遅れての事だった。景虎が、遂に倒れ伏したのは。
「見事、なり……」
決着を確かめ、元に戻った貧民達を連れ、都の外へと脱するディアボロス達。
虚言を弄して、人々を鬼と化す、真の悪鬼は討ち取られた。
そして、都を裏から照らす青の妖……ディアボロス達がその影を踏む日も、遠くはあるまい。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!